JP6917816B2 - 樹脂製成形部材および樹脂製成形部材を備えた位置検出装置 - Google Patents

樹脂製成形部材および樹脂製成形部材を備えた位置検出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6917816B2
JP6917816B2 JP2017140119A JP2017140119A JP6917816B2 JP 6917816 B2 JP6917816 B2 JP 6917816B2 JP 2017140119 A JP2017140119 A JP 2017140119A JP 2017140119 A JP2017140119 A JP 2017140119A JP 6917816 B2 JP6917816 B2 JP 6917816B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wiring member
resin
resin material
resin molding
molding member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017140119A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019020295A (ja
Inventor
優司 児玉
優司 児玉
亮 四日市
亮 四日市
弘樹 工藤
弘樹 工藤
英雄 中山
英雄 中山
聡 麻山
聡 麻山
聖 宮地
聖 宮地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Alps Alpine Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd, Alps Alpine Co Ltd filed Critical Alps Electric Co Ltd
Priority to JP2017140119A priority Critical patent/JP6917816B2/ja
Publication of JP2019020295A publication Critical patent/JP2019020295A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6917816B2 publication Critical patent/JP6917816B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

本発明は、電子部品のハウジングやケースなどを構成する樹脂製の基体に金属導体がインサートされた樹脂製成形部材および樹脂製成形部材を備えた位置検出装置に関する。
金属導体が樹脂材に埋め込まれた樹脂製成形部材は、電子部品のハウジングやケースとして使用されることが多く、この種の樹脂製成形部材はいわゆるインサート成形法で製造される。樹脂製成形部材がハウジングやケースとして用いられる場合、所定の取り付け状態においてその内部を密閉状態として、水分、塵、ほこり、排気ガス等から電子部品等を保護して腐食等を防ぐ必要がある。
特許文献1には、自動車等に搭載されるスロットルポジションセンサとして用いられる、金属製の板状基材からなる複数のセンサーターミナルをモールドする樹脂を有する支持部材を備えた、回転角度検出センサが記載されている。
特許文献2には、シール性を確実にするために、電流金属薄板がカバーを構成するプラスチックに埋め込まれたカバーを備えたスロットル弁調節ユニットが記載されている。
特開2006−2870769号公報 国際公開WO2005/002434のパンフレット
特許文献1の回転角度検出センサの支持部材および特許文献2のスロットル弁調節ユニットのカバーは、金属導体が樹脂材に埋め込まれた構成である。このため、インサート成形法により樹脂材が成形される際に、金型内に充填された樹脂材に対する保持圧力(所謂、保圧)を十分に加える必要がある。樹脂材成形時に加えられる保圧が十分でない場合、成形された樹脂材が変形したり、樹脂材と金属導体との密着性が悪くなったり、ウェルドができたりするおそれがある。金属導体を覆う樹脂材の厚肉部は、成形時に十分な保圧を加えることが難しいから、特に、肉厚部において、樹脂材の変形、密着部の悪化、ウェルド等が生じやすい。
このため、樹脂製成形部材のハウジングやケースの製造においては、樹脂材の流動解析シミュレーションを何度も繰り返し行って、保圧がかかり易い成形品の最適な形状や、インサート成形の条件を求める必要がある。したがって、新たな樹脂製成形部材の製品の製造を開始する際に、品質を向上させるために、何度も流動解析シミュレーションを行う試行錯誤(トライアンドエラー)が繰り返されていた。
そこで本発明は、密閉性の良好な、金属導体が樹脂材に埋め込まれた樹脂製成形部材および樹脂製成形部材を備えた位置検出装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の樹脂製成形部材は、外壁で囲まれた開口部を一方に備えており、金属導体からなる配線部材の少なくとも一部が埋設された樹脂材からなるケース部と、前記ケース部から前記開口部の開口方向へ突出すると共に、一部が前記ケース部に埋設された前記配線部材の端部に電気的に接続されている、外部と電気的に接続可能な接続端子を備えた端子部と、を有する樹脂製成形部材において、前記端子部は、前記開口部の外側に配置されており、前記外壁は、前記端子部へ対向する内側面に凹状に形成されたアンダーカット部を有することを特徴とする。
端子部への対向部に、凹状に形成されたアンダーカット部を設けることにより、端子部周辺におけるケース部の樹脂材の肉厚が薄くなる。したがって、インサート成形の際に配線部材を囲む樹脂材に十分な保圧を安定的に加えることができる。
前記外壁は、前記ケース部の前記内側面における前記配線部材が埋設された部分に前記アンダーカット部を複数有し、複数の前記アンダーカット部の間に補強リブを有することが好ましい。
配線部材に対応した箇所のみにアンダーカット部を設け、配線部材に対応しない箇所にリブ部を設けることにより、外壁の内側面におけるアンダーカット部を設けた部分の強度を向上させることができる。
前記配線部材は、前記端子部と前記樹脂材の供給に用いられたゲート跡部とを結ぶ仮想直線に略平行な方向に延設された平行部を有することが好ましい。
この構成により、インサート成形時に、複数の方向から流れてきた樹脂材同士が配線部材の周囲で衝突することを抑制できる。したがって、外壁にウェルドが形成されることを抑制し、樹脂製成形部材の気密性を良好にすることができる。
前記配線部材は、前記樹脂材の流れを整える整流部を有することが好ましい。
前記整流部は、前記仮想直線に平行な切断面における前記仮想直線に直交する方向の幅寸法が、前記仮想直線のゲート跡部側から前記端子部側に向かって、連続的に大きくなった後に連続的に小さくなるものであってもよい。
前記配線部材の非平行部が、前記整流部であることが好ましい。
この構成により、インサート成形時における配線部材の周辺の樹脂材の流れを整え、ウェルド形成を抑制できるから、樹脂製成形部材の気密性を良好にすることができる。
本発明の位置検出装置は、上述した樹脂製成形部材を備えている。
上述した樹脂製成形部材により内部を密閉状態として、位置検出に用いられる電子部品等を水分、塵、ほこり、排気ガス等から保護することができる。
本発明はアンダーカット部を設けることにより、インサート成形の際に配線部材を埋設する樹脂材に対して十分な保圧を安定的に加えることができる。保圧が安定することで、流動解析を何度も繰り返すことなく、容易に樹脂材と配線部材との密着性を良くすることができる。これにより樹脂材と配線部材との間に隙間ができ難くなるから、端子部を経由して開口部内に気体が進入することを抑制できる。したがって、流動解析を繰り返し行うことなく、密閉性の良好な、金属導体が樹脂材に埋め込まれた樹脂製成形部材を提供することが可能となる。
本発明の実施形態に係る樹脂製成形部材の斜視図である。 図1の樹脂製成形部材をA−A’方向に向かって見た断面図である。 図1の樹脂製成形部材をB−B’方向に向かって見た、アンダーカットと配線部材との位置関係を説明する模式図である。 ケース部において配線部材が延設される態様を説明する模式図である。 ケース部において配線部材が延設される態様を説明する模式図である。 配線部材における仮想直線に平行な切断面の断面形状と合成樹脂の流れとを模式的に示す断面図である。 樹脂製成形部材を備えた位置検出装置の概略構成を説明する断面図である。 従来の樹脂製成形部材の断面図であり、図2に示す本発明の実施形態に係る樹脂製成形部材の断面図に対応する部位を示している。 (a)従来の配線部材における仮想直線に平行な切断面の断面形状と合成樹脂の流れとを模式的に示す断面図であり、(b)合成樹脂同士の流れのぶつかりによって形成されたウェルドを示す模式図である。
以下、本発明の実施形態に係る樹脂製成形部材について図面を参照しつつ詳しく説明する。基準座標として各図に示しているX−Y−Z座標は、各部材の位置関係を特定するものである。また、説明済の部材と同じ機能を備えた部材には、同じ番号を付して、適宜説明を省略する。
(樹脂製成形部材の構成)
図1は、本発明の実施形態に係る樹脂製成形部材1の斜視図である。図2は、図1の樹脂製成形部材のA−A’方向に向かって見た断面図である。
図1に示すように、樹脂製成形部材1は、樹脂材からなるケース部10と、端子部20とを備えている。
ケース部10は、外壁11で囲まれた内部空間を有しており、一方が開放された開口部12となっている器状の成形体である。ケース部10は、金属導体からなる配線部材13がインサート成形されており、図2に示すように、配線部材13の一部が内包された合成樹脂材等の樹脂材からなるものである。
端子部20は、ケース部10から開口部12の開口方向(Z2方向)へ突出しており、外部の機器などと電気的に接続可能な接続端子21を備えている。接続端子21は、その一部がケース部10に埋設された配線部材13の端部13Aと電気的に接続されている。なお、端部13Aとは、ケース部10に埋設された配線部材13における、端子部20側の端をいう。
端子部20は、開口部12の外側に配置されている。ここで、開口部12の「外側」とは、ケース部10をZ1からZ2方向に平面視した場合に、内部空間を形成する外壁11よりも外側をいう。すなわち、開口部12の「外側」とは、外壁11を挟んで内部空間(開口部12)の反対側をいう。
図2に示すように、外壁11は、その内側面11Aにおける端子部20への対向部14に、端子部20側に向かって凹状に形成されたアンダーカット部15を有する。外壁11における端子部20への対向部14とは、端子部20とケース部10の内部空間との間の部分をいう。アンダーカット部15とは、外壁11の内側面11Aにおいて、端子部20側に向かってくぼんだ部分をいい、X2方向からX1方向を見た場合に、外壁11に隠れて位置する空間をいう。
対向部14にアンダーカット部15を設けることにより、配線部材13を覆う対向部14の樹脂材の肉厚Dが薄くなる。したがって、インサート成形において、樹脂材を介して金属導体からなる配線部材13に対して保圧がかかりやすくなるから、配線部材13と対向部14の樹脂材との密着性を良くすることができる。
図8は、図2の樹脂製成形部材1の断面図に対応する部位について、従来の樹脂製成形部材200の構成を示す断面図である。図2に示す本実施形態の樹脂製成形部材1にアンダーカット部15を設けることにより、配線部材13に対して保圧がかかりやすくなることについて、図8に示す従来の樹脂製成形部材200と比較して、以下に説明する。
インサート成形は、例えば、上下方向に分割可能な上型と下型とからなる金型を用いて行われる。上型と下型とを組み合わせることで、金型の内部に樹脂材を供給可能な内部空間が形成される。内部空間内には配線部材のようなインサート部材が配置され、型締め後にゲートから金型の内部空間に樹脂材を供給して保圧をかけることにより、樹脂材を所定の形状に成形する。
図2の樹脂製成形部材1や図8に示す従来の樹脂製成形部材200をインサート成形する場合には、図2および図8に示すZ方向に分割可能な金型を用いるのが一般的である。したがって、図8に示す従来の樹脂製成形部材200をインサート成形後に金型から取り外す際に、金型がZ方向に分割される時に樹脂製成形部材200と干渉すると、作業効率が低下する。このため、金型は、インサート成形後に樹脂製成形部材200を容易に取り外し可能な形状とされる。また、図2の樹脂製成形部材1のようにアンダーカット部15を設けると、金型をZ方向に分割させる際にアンダーカット部15を形成するための入れ子が樹脂製成形部材1に干渉してしまう。そのため、入れ子の部分をX−Y平面方向へ移動可能な構造にするなど、金型の構造が複雑になって、金型に要する費用が高くなる。このため、樹脂製成形部材または樹脂製成形部材が用いられる製品の機能に必須の形状でない形状は形成しないのが一般的である。
したがって、従来の樹脂製成形部材200では、図8に示すように、端子部20との対向部14にアンダーカット部15が形成されない。このため、対向部14において、配線部材13を埋設する樹脂材の厚さDが大きくなる。外壁11の内側面11Aのうち、樹脂材が厚い厚肉部には、インサート成形時に十分な保圧がかかり難い。したがって、配線部材13と対向部14の樹脂材とが密着せずに微細な隙間ができることによって、樹脂製成形部材200の内部空間の密閉性が低下するおそれがある。
従来、金属導体からなる配線部材が埋設されたハウジングやケース等の樹脂製成形部材においては、上述のとおり、できるだけ金型構造を簡易にするために、樹脂製成形部材の形状は加工の妨げとなるような構造は極力避けることが求められていた。そのため、樹脂製成形部材の金型を起工する際には、樹脂材の流動解析シミュレーションを何度も繰り返し行って、加工の妨げとなるような構造を避けたうえでインサート成形時に保圧がかかり易い最適形状・条件を求める必要があった。
そこで、本実施形態の樹脂製成形部材1は、図1、図2に示すように、外壁11の内側面11Aにおける端子部20との対向部14にアンダーカット部15が設けられている。前述のとおり、アンダーカット部15を設けると、インサート成形後に樹脂製成形部材1を金型に干渉することなく取り外すためには、金型構造が複雑になる。しかもアンダーカット部15は他の部品との係合などを目的として使われる形状でもないため、従来であれば設けることさえ検討されず省略される形状である。しかしながら、このアンダーカット部15が設けられている構成により、対向部14において配線部材13を埋設する樹脂材の厚さDが従来よりも小さくなる。外壁11を形成する樹脂材の厚さDを小さく(薄く)することにより、インサート成形時において、対向部14における配線部材13を埋設する樹脂材に十分な保圧を加えることができる。十分な保圧を加えることにより、配線部材13と対向部14の樹脂材との間の接触不良によるすき間の発生を防止できる。したがって、端子部20の接続端子21を経由したケース部10内への気体の侵入を防ぐことができる。
図3は、図1の樹脂製成形部材1の外壁11の内側面11AをB−B’方向に向かって見た、アンダーカット部15と配線部材13との位置関係を説明する模式図である。同図に示すように、対向部14における配線部材13が埋設された部分には、複数のアンダーカット部15が形成されている。そして、補強リブ16が隣接するアンダーカット部15の間に設けられている。
対向部14のすべてをアンダーカット部15とするのではなく、配線部材13に対応した箇所、すなわち外壁11の内側面11Aから端子部20側方向に見た場合に配線部材13と重なる部分のみをアンダーカット部15としている。これにより、隣接するアンダーカット部15間の配線部材13に対応しない部分に、補強リブ16を設けることができる。この補強リブ16によって強度が向上するから、対向部14の変形を防止できる。
図4は、ケース部10において配線部材13が延設される態様を説明する模式図である。同図に一点鎖線を用いて示した仮想直線Lは、インサート成形時に金型内に樹脂材を注入するゲート31の位置を示すゲート跡部17と、配線部材13の端部13Aの中心13Cとを結んだ直線である。ここで、端部13Aの中心13Cとは、ケース部10をケース部の開口部12側(Z1側、図1参照)からZ2方向に見た場合における、複数の配線部材13の端部13Aの中心(重心)をいう。
図4に示すように、端子部20に接続された端部13Aからケース部10側に延設された配線部材13は、仮想直線Lに略平行な平行部13Pとなっている。この構成により、インサート成形の際に、ゲート31から注入された樹脂材は平行部13Pに沿って流れていく。そのため、流れてきた樹脂材が平行部13Pに衝突することで、例えば、樹脂材の流れがZ1側とZ2側とに分かれ、平行部13Pを越えた後に再び合流するということは発生しにくい。そのため、金型内において配線部材13を埋設する樹脂材同士の流れがぶつかることによるウェルドの形成を抑えることができる。
図4に中抜き矢印で示すインサート成形時における樹脂材の流れによって、配線部材13が所定位置からずれることを防止するためには、ゲート31は配線部材13から離れた位置に設けられることが好ましい。しかし、ゲート31から遠くなるにしたがって、樹脂材に保圧がかかりにくくなるから、ウェルドが形成されやすい。
そこで、端子部20に接続されている端部13Aを含む配線部材13を樹脂材の流れに対応する仮想直線Lと略平行な平行部13Pとしている。これにより、インサート成形時において、樹脂材同士の流れの衝突によるウェルド形成を抑制する。
本発明において、配線部材13が仮想直線Lに「略平行」とは、ウェルドの形成を抑制するに十分な角度をいう。インサート成形の条件によって異なるが、図4に両側矢印で示した配線部材13の延設方向Pと仮想直線Lとの角度は、45°未満が好ましく、30°未満がより好ましく、15°未満がさらに好ましい。
図5は、ケース部10において配線部材13が延設される態様を説明する、模式図である。同図に示すように、設計上、配線部材13の全てを仮想直線Lに略平行に延設できないことがある。
そこで、配線部材13の平行部13P以外の非平行部13Vを整流部13Hとしている。これにより、インサート成形時における樹脂材同士の会合角が小さくなるから、ウェルド形成を抑制できる。配線部材13を整流部13Hとすることによるウェルド抑制効果は、図5に両側矢印で示した配線部材13の延設方向Vと仮想直線Lとの角度Rが45°〜135°の場合に顕著となり、60°〜120°の場合により顕著となり、75°〜105°の場合にさらに顕著となる。なお、非平行部13Vのみではなく、平行部13Pを含めた配線部材13の全てを整流部13Hとしてもよい。
図6は、配線部材13における仮想直線Lに平行な切断面の断面形状と樹脂材の流れFとを模式的に示す断面図である。図9(a)は、従来の配線部材213における仮想直線Lに平行な切断面の断面形状と樹脂材の流れとを模式的に示す断面図であり、図9(b)は樹脂材同士の流れのぶつかりによって形成されたウェルドを示す模式図である。
図9(a)に示すように、従来の配線部材213は断面が四角形であり、その一面が樹脂材210の流れFに正対するように配置される。すなわち、仮想直線Lに平行な配線部材213の切断面は、仮想直線Lに直交する方向の幅寸法Wが、仮想直線Lのゲート跡部17側LAから端子部20側LBに向かって一定である。このため、図中に一点鎖線の矢印で示すように、配線部材213によって樹脂材210の流れFが大きく乱されて、配線部材213の下流側における樹脂材210同士の会合角が大きくなる。樹脂材210同士の流れの会合角が大きいと、図9(b)に示すように、配線部材213の下流側にウェルド214が形成されやすくなる。
上述したように、インサート成形では、配線部材213によって分かれた樹脂材210の流れが、配線部材213の下流で再び会合する。これが、ウェルド214が生じる原因となる。樹脂材210の流れが分かれること(分流)は、図5に示すように、配線部材13の非平行部13Vにおいて生じやすい。そこで、配線部材13では非平行部13Vを整流部13Hとして、樹脂材210の流れを整えてウェルド214の発生を抑制している。なお、ウェルド214とは、樹脂を成形する際に金型30内で溶融した樹脂材210の流れが合流することにより融着した部分に形成される跡をいう。
図6に示すように、本実施形態では、配線部材13における整流部13H(図5参照)の断面形状を円形にしている。このように、仮想直線Lに平行な配線部材13の切断面は、仮想直線Lに直交する方向の幅寸法Wが、仮想直線Lのゲート跡部17側LAから端子部20側LBに向かって、連続的に大きくなった後に連続的に小さくなる形状としている。したがって、配線部材13による樹脂材の流れFの乱れが、図9(a)に示す従来の配線部材213より抑制されるから、配線部材13の下流側における樹脂材同士の会合角が小さくなる。これにより、ウェルド214(図9(b)参照)の発生を抑制し、樹脂製成形部材1の気密性を向上させることができる。
図6には、断面が円形の整流部13Hを備えた配線部材13を示した。しかし、これは、樹脂を成形する際に金型30内で溶融した樹脂材の流れFが合流する会合角を小さくすることができる断面形状の一例であり、他の形状としてもよい。他の形状としては、楕円形、ひし形、5角形以上の多角形、流線形等が挙げられる。
(位置検出装置)
図1に示す樹脂製成形部材1は、検知部としてのセンサIC18を外壁11の内側面11A(図2参照)に備えている。センサIC18は周囲の磁界の変化を検知可能である。このセンサIC18により、スロットルバルブの開度を検知するスロットルポジションセンサについて、以下に説明する。
図7は、樹脂製成形部材1を備えたスロットルポジションセンサ(位置検出装置)100の概略構成を説明する断面図である。同図に示すようにスロットルポジションセンサ100は、樹脂製成形部材1とスロットルバルブ50とを備えている。
スロットルバルブ50は、バルブ弁51、回転軸52および磁石53を備えている。バルブ弁51が回転軸52を中心として回転することにより、スロットルバルブ50の開度が変化する。回転軸52の樹脂製成形部材1側の一端には、回転軸52と連動する磁石53が取り付けられている。回転軸52が回転することにより磁石53が回転するから、磁石53が発生する磁界の向きが変化する。
樹脂製成形部材1は、磁石53を覆うように、開口部12側がスロットルバルブ50に取り付けられる。このとき、センサIC18は磁石53に対向する位置に配置され、磁石53が発生する磁界を検知することができる。バルブ弁51の回転にともなって磁石53も回転するため、センサIC18が検知している磁石53が発する磁界も変化する。したがって、センサIC18で磁石53が発する磁界を検知することで、バルブ弁51の開度を検知することができる。上述したように、樹脂製成形部材1は、密閉性が良好であるから、樹脂製成形部材1の開口部12を取り囲むガスケット19を介して、スロットルバルブ50に取り付けることにより、密閉性の良い内部空間を形成できる。したがって、スロットルポジションセンサ100の内部の磁石53およびセンサIC18を、水分、塵、ほこり、排気ガス等から保護することができる。
スロットルポジションセンサ100は、実施形態の一例であり、他の位置検出装置として本発明を実施することもできる。他の位置検出装置としては、検知対象物と連動して変化する磁界を用いて検知対象物の位置を検出する、EGR(Exhaust Gas Recirculation)バルブの位置を検出するEGRセンサ、自動車のハンドルなどの回転を検出する回転検出装置などが挙げられる。
本発明について上記実施形態を参照しつつ説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、改良の目的または本発明の思想の範囲内において改良または変更が可能である。
以上のように、本発明は、流動解析を繰り返し行うことなく、密閉性の良好な、金属導体が樹脂材に埋め込まれた樹脂製成形部材および位置検出装置として用いることができる。
1 :樹脂製成形部材
10 :ケース部
11 :外壁
11A :内側面
12 :開口部
13 :配線部材
13A :端部
13C :中心
13H :整流部
13P :平行部
13V :非平行部
14 :対向部
15 :アンダーカット部
16 :補強リブ
17 :ゲート跡部
18 :センサIC
19 :ガスケット
20 :端子部
21 :接続端子
30 :金型
31 :ゲート
50 :スロットルバルブ
51 :バルブ弁
52 :回転軸
53 :磁石
100 :スロットルポジションセンサ(位置検出装置)
200 :樹脂製成形部材
210 :樹脂材
213 :配線部材
214 :ウェルド
D :肉厚
F :樹脂材の流れ
L :仮想直線
LA :ゲート跡部17側
LB :端子部20側
P :延設方向
R :角度
V :延設方向
W :幅寸法

Claims (10)

  1. 外壁で囲まれた開口部を備えており、金属導体からなる配線部材の少なくとも一部が埋設された樹脂材からなるケース部と、
    一部が前記ケース部に埋設された前記配線部材の端部に電気的に接続され、外部と電気的に接続可能な接続端子を備えた端子部と、を有する樹脂製成形部材において、
    前記端子部は、前記開口部の外側に配置されており、
    前記外壁は、前記端子部へ対向する内側面における前記配線部材が埋設された部分に、凹状に形成されたアンダーカット部を有し、
    前記アンダーカット部において前記配線部材を覆う前記樹脂材の肉厚は、前記外壁において前記アンダーカット部が設けられておらず前記配線部材が埋設されていない部分の前記樹脂材の肉厚よりも薄いことを特徴とする樹脂製成形部材。
  2. 前記外壁は前記アンダーカット部を複数有し、複数の前記アンダーカット部の間に補強リブを有する、請求項1に記載の樹脂製成形部材。
  3. 前記補強リブは、前記開口部の開口方向と交差する方向へと突出する、請求項2に記載の樹脂製成形部材。
  4. 前記配線部材は、前記端子部と前記樹脂材の供給に用いられたゲート跡部とを結ぶ仮想直線に略平行な方向に延設された平行部を有する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の樹脂製成形部材。
  5. 外壁で囲まれた開口部を備えており、金属導体からなる配線部材の少なくとも一部が埋設された樹脂材からなるケース部と、
    一部が前記ケース部に埋設された前記配線部材の端部に電気的に接続され、外部と電気的に接続可能な接続端子を備えた端子部と、を有する樹脂製成形部材において、
    前記端子部は、前記開口部の外側に配置されており、
    前記外壁は、前記端子部へ対向する内側面に凹状に形成されたアンダーカット部を有し、
    前記配線部材は、前記端子部と前記樹脂材の供給に用いられたゲート跡部とを結ぶ仮想直線に略平行な方向に延設された平行部を有することを特徴とする樹脂製成形部材。
  6. 前記配線部材は、前記樹脂材の流れを整える整流部を有する請求項4または請求項5に記載の樹脂製成形部材。
  7. 前記整流部は、前記仮想直線に平行な切断面における前記仮想直線に直交する方向の幅寸法が、前記仮想直線のゲート跡部側から前記端子部側に向かって、連続的に大きくなった後に連続的に小さくなる、請求項6に記載の樹脂製成形部材。
  8. 前記配線部材の非平行部が前記整流部である、請求項6または請求項7に記載の樹脂製成形部材。
  9. 前記端子部は、前記ケース部から前記開口部の開口方向へ突出する、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の樹脂製成形部材。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の樹脂製成形部材を備えた位置検出装置。
JP2017140119A 2017-07-19 2017-07-19 樹脂製成形部材および樹脂製成形部材を備えた位置検出装置 Active JP6917816B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017140119A JP6917816B2 (ja) 2017-07-19 2017-07-19 樹脂製成形部材および樹脂製成形部材を備えた位置検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017140119A JP6917816B2 (ja) 2017-07-19 2017-07-19 樹脂製成形部材および樹脂製成形部材を備えた位置検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019020295A JP2019020295A (ja) 2019-02-07
JP6917816B2 true JP6917816B2 (ja) 2021-08-11

Family

ID=65352885

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017140119A Active JP6917816B2 (ja) 2017-07-19 2017-07-19 樹脂製成形部材および樹脂製成形部材を備えた位置検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6917816B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0637246Y2 (ja) * 1988-11-10 1994-09-28 アイシン精機株式会社 電磁弁
JPH05175398A (ja) * 1991-12-25 1993-07-13 Nec Kyushu Ltd 樹脂封止型半導体装置の製造方法
US7578242B2 (en) * 2006-08-17 2009-08-25 Mitsubishi Electric Corporation Magnetic levitation transportation system ground coil unit and manufacturing method thereof
JP5298061B2 (ja) * 2010-04-08 2013-09-25 日立オートモティブシステムズ株式会社 インダクタンス式回転角度検出装置およびその実装方法
JP5406862B2 (ja) * 2011-02-04 2014-02-05 愛三工業株式会社 検出ステータ、回転検出器及びその取付構造
US8956920B2 (en) * 2012-06-01 2015-02-17 Nxp B.V. Leadframe for integrated circuit die packaging in a molded package and a method for preparing such a leadframe

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019020295A (ja) 2019-02-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104583783A (zh) 电池状态检测装置及其制造方法
US9013889B2 (en) Electronic controller
JP6874654B2 (ja) コネクタ及びその製造方法
US9478893B2 (en) Electric connector
US8528413B2 (en) Pressure sensor and method for manufacturing a pressure sensor
JP5725366B2 (ja) 回転検出装置
US20080045065A1 (en) Electronic connector and method of attachment
US20210039319A1 (en) Method for additive manufacture of a three-dimensional object
JP6917816B2 (ja) 樹脂製成形部材および樹脂製成形部材を備えた位置検出装置
TWI815465B (zh) 連接器
JP2015009551A (ja) 密閉筐体および密閉筐体の製造方法
JP2019522190A (ja) センサ装置
US9667762B1 (en) Electronic device and method of manufacturing the same
JP2018536343A (ja) スピーカーハウジング及びスピーカーユニット
CN111209630A (zh) 一种薄壁高筋壁板构件空间包络成形干涉判断方法
US20190170498A1 (en) Position detection device
CN206041717U (zh) 用于出线盒安装的密封结构及具有其的电器
WO2017212860A1 (ja) 合成樹脂成形体及びその製造方法
CN112506132A (zh) 一种基于高压水射流的椭圆型封头打孔与剖口方法
JP6555213B2 (ja) 位置検出装置
JP6809574B2 (ja) 位置検出装置
US11162814B2 (en) Position detecting device, and method of manufacturing position detecting device
JP7359104B2 (ja) 複合成形部品
JP2021504965A (ja) ハウジング
JP6485091B2 (ja) 位置決め構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200609

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210415

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210511

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210603

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210629

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210720

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6917816

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150