JP6917799B2 - 撮像装置 - Google Patents

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  • Adjustment Of Camera Lenses (AREA)

Description

本発明は、撮像装置に関する。
近年、スマートフォンなどに搭載されるカメラモジュールにおいては、撮像レンズの位置(変位量)を検出して、この位置情報をフィードバックすることで、撮像レンズの位置を高精度かつ高速に制御する機能を取り入れるものが増加してきている。特に、光学手ブレ補正(OIS)としてフィードバック制御を取り入れることにより、高精度の手ブレ補正が可能となるため、暗い場所で、遠方の被写体をブレなく撮影したいという要求の高まりとともに、OISを採用したカメラは今後も増加していくであろう。
このようなフィードバック制御を取り入れたOIS機能付きのカメラにおいては、ピッチ軸周りのブレ(ピッチ方向のブレという)およびヨー軸周りのブレ(ヨー方向のブレという)がジャイロセンサで検出され、計算される角度ブレ量に応じてレンズを光軸に垂直なXY平面内でシフトさせることで手ブレを補正する。このような手ブレ補正処理は、レンズシフト方式あるいはバレルシフト方式と称される。このとき、ヨー方向の手ブレ(円弧運動)に対してはX軸方向にレンズをシフトさせる必要があり、ピッチ方向の手ブレ(円弧運動)に対してはY軸方向にレンズをシフトさせる必要がある。
フィードバック制御を行うためには、X軸方向、Y軸方向のレンズの位置(変位量)を検出する必要があり、そのためには、X軸方向の変位をX軸用の位置センサ(変位センサ)で正確に検出し、Y軸方向の変位をY軸用の位置センサで正確に検出することが必要となる。
しかしながら、X軸方向に変位を与えたにもかかわらず、Y軸用の位置センサが変位を検出する、あるいは逆にY軸方向に変位を与えたにもかかわらず、X軸用の位置センサが変位を検出するという、いわゆるクロストークが生じてしまう場合がある。このようなクロストークがあると、正しい位置検出が行えず、手ブレ補正の制御誤差が生じ、手ブレの抑圧性能を悪化させる可能性がある。特許文献2には、クロストーク(軸干渉)の補正に関する技術が開示される。
特開2012−37865号公報 特許6005370号公報
本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、より高精度にクロストークを補正可能な撮像装置の提供にある。
本発明のある態様は、撮像装置に関する。撮像装置は、光軸と垂直な平面内で第1方向および第2方向に変位可能に支持される撮像レンズと、撮像レンズを通過した像を撮像する撮像素子と、撮像レンズを第1方向および第2方向に位置決めするアクチュエータと、撮像レンズの第1方向の位置を示す第1位置検出信号を生成し、撮像レンズの第2方向の位置を示す第2位置検出信号を生成する位置検出手段であって、第1位置検出信号には撮像レンズを第2方向に変位させたことに起因するクロストーク成分が含まれており、第2位置検出信号には撮像レンズを第1方向に変位させたことに起因するクロストーク成分が含まれている、位置検出手段と、第1位置検出信号および第2位置検出信号を、それぞれに含まれるクロストーク成分が小さくなるように補正するクロストーク補償部と、補正後の第1位置検出信号および補正後の第2位置検出信号にもとづいて、アクチュエータを制御する駆動部と、を備える。撮像レンズを第1方向に駆動したときの第1位置検出信号Hに対する第2位置検出信号Hの比をα、撮像レンズを第2方向に駆動したときの第2位置検出信号Hに対する第1位置検出信号Hの比をβとするとき、クロストーク補償部は、
’=H−β・H
’=H−α・H
により第1位置検出信号Hおよび第2位置検出信号Hに含まれるクロストーク成分を低減する。
この態様によると、駆動軸と検出軸の偏角の測定は不要であり、第1位置検出手段の感度と第2位置検出手段の感度の差に関係なく、クロストークを補正できるので、キャリブレーション工程において取得すべき補正に必要なデータを最小限に抑えることが可能となる。
アクチュエータを撮像装置に組み付ける前に測定された第1方向の検出感度をS、第2方向の検出感度をS、アクチュエータを撮像装置に組み付けた後に測定された第1方向の検出感度をS’、第2方向の検出感度をS’とするとき、クロストーク補償部は、
’=H−S’/S’・S/S・βH
’=H−S’/S’・S/S・αH
により第1位置検出信号Hおよび第2位置検出信号Hに含まれるクロストーク成分を低減してもよい。
これにより、位置検出手段のアンプゲインなどが、組み付け前と組み付け後に異なっているような場合に、クロストーク成分をより低減できる。
本発明のある態様は、撮像装置に関する。撮像装置は、光軸と垂直な平面内で第1方向および第2方向に変位可能に支持される撮像レンズと、撮像レンズを第1方向および第2方向に位置決めするアクチュエータと、撮像レンズの第1方向の位置を示す第1位置検出信号Hを生成し、撮像レンズの第2方向の位置を示す第2位置検出信号Hを生成する位置検出手段であって、第1位置検出信号Hには撮像レンズを第2方向に変位させたことに起因するクロストーク成分が含まれており、第2位置検出信号Hには撮像レンズを第1方向に変位させたことに起因するクロストーク成分が含まれている、位置検出手段と、第1位置検出信号Hおよび第2位置検出信号Hを、それぞれに含まれるクロストーク成分が小さくなるように補正するクロストーク補償部と、補正後の第1位置検出信号H’および補正後の第2位置検出信号H’にもとづいて、アクチュエータを制御する駆動部と、を備える。撮像レンズを第1方向に駆動して変位させながら第1位置検出信号Hが示す変位量Xと第2位置検出信号Hが示す変位量Yをプロットしたときに、
Y=C・X
が成り立ち、
撮像レンズを第2方向に駆動して変位させながら第1位置検出信号Hが示す変位量Xと第2位置検出信号Hが示す変位量Yをプロットしたときに、
X=C・Y
が成り立ち、
アクチュエータを撮像装置に組み付ける前に測定された第1方向の検出感度をS、第2方向の検出感度をS、アクチュエータを撮像装置に組み付けた後に測定された第1方向の検出感度をS’、第2方向の検出感度をS’とするとき、クロストーク補償部は、
−S’/S’・C・H
−S’/S’・C・H
により第1位置検出信号Hおよび第2位置検出信号Hに含まれるクロストーク成分を低減する。
キャリブレーション工程において用いる撮像レンズの正しい変位情報は、撮像素子の画像情報から、撮像レンズの移動時の像の移動距離として算出されてもよい。
これにより高価な変位測定器を用いることなく、撮像レンズの第1方向、第2方向の変位情報を得ることができる。
像の移動距離は、像が移動する画素数と撮像素子の画素ピッチから算出されてもよい。これにより簡単な計算で撮像レンズの変位を算出することができる。
ある態様の撮像装置は、撮像レンズの第1方向の変位と第1位置検出信号との関係の直線性を補正し、撮像レンズの第2方向の変位と第2位置検出信号との関係の直線性を補正する線形補償部をさらに備えてもよい。
これにより、クロストーク補償前の位置検出信号と撮像レンズの変位との関係の直線性を補正することが可能となるため、クロストーク補償の精度を高めることが可能となる。
撮像装置は、線形補償部に加えて、関係の温度依存性を補正する温度補償部をさらに備えてもよい。
線形補償に加えて温度補償を行うことにより、クロストーク補償の精度をさらに高めることができる。
温度補償部の温度検出は、位置検出手段の内部抵抗の温度特性を利用してもよい。
位置検出手段の端子間抵抗の変化を利用して温度を検出するので、温度補償すべき対象の近傍の温度を正確に把握することができ、高精度の温度補償が可能となる。
本発明のさらに別の態様も撮像装置に関する。撮像装置は、光軸と垂直な平面内で第1方向および第2方向に変位可能に支持される撮像レンズと、撮像レンズを通過した像を撮像する撮像素子と、撮像レンズを第1方向および第2方向に位置決めするアクチュエータと、撮像レンズの第1方向の位置を示す第1位置検出信号Hを生成し、撮像レンズの第2方向の位置を示す第2位置検出信号Hを生成する位置検出手段と、第1位置検出信号Hおよび第2位置検出信号Hを、それぞれに含まれるクロストーク成分が小さくなるように補正するクロストーク補償部と、クロストーク補正後の第1位置検出信号H’および補正後の第2位置検出信号H’にもとづいて、アクチュエータを制御する駆動部と、を備える。第1位置検出信号Hには撮像レンズを第2方向に変位させたことに起因するクロストーク成分が含まれており、第2位置検出信号Hには撮像レンズを前記第1方向に変位させたことに起因するクロストーク成分が含まれている。撮像レンズの正しい変位情報は、撮像素子の画像情報から、撮像レンズの移動時の像の移動距離として算出される。第2位置検出信号に変化が生じないようにアクチュエータを制御し、第1方向の像の移動量a、第2方向の像の移動量aをプロットしたときに、
=C・a
が成り立ち、第1位置検出信号に変化が生じないようにアクチュエータを制御し、第1方向の像の移動量b、前記第2方向の像の移動量bをプロットしたときに、
=C・b
が成り立つ。第1方向、前記第2方向それぞれの検出感度をS、Sとする。クロストーク補償部は、
’=H−S/S・C・H
’=H−S/S・C・H
により第1位置検出信号Hおよび第2位置検出信号Hに含まれるクロストーク成分を低減する。
これにより高価な変位測定器を用いることなく、撮像レンズの第1方向、第2方向の正しい変位情報を得ることができる。そして撮像素子の出力を利用して、クロストーク補償に必要なデータを取得できる。さらに画素軸のずれに起因するクロストークも補償できる。
撮像装置はさらに、第1位置検出信号と第2位置検出信号をフィードバックしてクローズドループ制御を行った状態において、第2位置検出信号に変化が生じないようにアクチュエータを制御し、第1方向へ像を移動させるために、第1位置検出信号にオフセットを与えるとともに、第1位置検出信号に変化が生じないようにアクチュエータを制御し、第1方向へ像を移動させるために、第2位置検出信号にオフセットを与えてもよい。
このように、クローズドループ制御しながらホール信号にオフセットを与えてレンズを変位させることで、クロストークが発生しない駆動方向を見つけるというような探索を行う必要がなく、ホール検出軸と画素軸との傾きを容易に測定することができる。
撮像装置はさらに、撮像レンズの第1方向の変位と第1位置検出信号Hとの関係の直線性を補正し、撮像レンズの第2方向の変位と第2位置検出信号Hとの関係の直線性を補正する線形補償部を備えてもよい。クロストーク補償部は、線形補償後の第1位置検出信号H"および線形補償後の第2位置検出信号H"に含まれるクロストーク成分が小さくなるように補正してもよい。
これにより高価な変位測定器を用いることなく、線形補償に必要な撮像レンズの第1方向、第2方向の変位情報を得ることができ、線形補償によりクロストーク補償の精度も向上する。
撮像装置は、線形補償部に加えて、関係の温度依存性を補正する温度補償部をさらに備えてもよい。温度補償部の温度検出は、位置検出手段の内部抵抗の温度特性を利用してもよい。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
さらに、この課題を解決するための手段の記載は、すべての欠くべからざる特徴を説明するものではなく、したがって、記載されるこれらの特徴のサブコンビネーションも、本発明たり得る。
本発明によれば、対象物の位置をクロストークの影響を低減して高精度に検出することができる。
実施の形態に係る手ブレ補正機能付きの撮像装置の基本構成を示す図である。 撮像装置の座標系を説明する図である。 クロストークを説明する図である。 撮像装置を示す図である。 図5(a)、(b)は、第1実施例に係る撮像装置における駆動軸と位置検出軸のずれ(クロストーク)を説明する図である。 図6(a)〜(c)は、画素シフトに基づくレンズの変位測定の原理を説明する図である。 像の移動距離とレンズの変位xの関係の一例を示す図である。 第2実施例に係るアクチュエータドライバのブロック図である。 図9(a)、(b)は、第2実施例に係る撮像装置における画素軸と位置検出軸のずれ(クロストーク)を説明する図である。 図10(a)、(b)は、第2実施例に係る撮像装置における像の変位を算出する方法を説明するための図である。 第3実施例に係る撮像装置における位置検出信号と像変位との関係の一例を示す図である。 第3実施例に係る撮像装置における線形補償と温度補償の処理を示すフローチャートである。 図11の結果に対して直線補正した後の結果を示す図である。 直線補正後の位置検出信号と像変位との関係が温度によって変化する結果を示す図である。 図14の結果に対して温度補償を行った後の結果を示す図である。 レンズ制御装置の具体的なブロック図である。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
図1は、実施の形態に係る手ブレ補正機能付きの撮像装置1000の基本構成を示す図である。撮像装置1000は、デジタルカメラやデジタルビデオカメラ、スマートフォンやタブレット端末に内蔵されるカメラモジュールである。図1には、手ブレ補正に関連するブロックのみが示され、オートフォーカスに関連するブロックは省略されている。
撮像装置1000は、撮像素子1002、撮像レンズ1004、アクチュエータ1006、アクチュエータドライバ1100、位置検出手段1010、ブレ検出手段1012を備える。
撮像レンズ1004は、その光軸と垂直な平面内で第1方向(X方向)および第2方向(Y方向)に変位可能に支持される。撮像素子1002は、撮像レンズ1004を通過した像を撮像する。
アクチュエータ1006は、撮像レンズ1004を第1方向(X方向)および第2方向(Y方向)に位置決めする。具体的にはアクチュエータ1006は、撮像レンズ1004をX方向に位置決めする第1アクチュエータ1006X、撮像レンズ1004をY方向に位置決めする第2アクチュエータ1006Yを含む。
手振れ補正では、撮像レンズ1004を正確に位置決めする必要があるため、フィードバック制御(クローズドループ制御)が採用される。位置検出手段1010は、たとえばホールセンサなどの磁気検出素子を含み、撮像レンズ1004の位置を示す位置検出信号(ホール信号)Sを生成する。
位置検出手段1010は、撮像レンズ1004の第1方向(X方向)の位置(変位量)を示す第1位置検出信号S2Xを生成する第1位置検出手段1010X、撮像レンズ1004の第2方向(Y方向)の位置を示す第2位置検出信号S2Yを生成する第2位置検出手段1010Yを含む。
ブレ検出手段1012はたとえばジャイロセンサであり、撮像装置1000のブレを検出する。具体的にはブレ検出手段1012は、ヨー方向のブレ検出信号S1X、ピッチ方向のブレ検出信号S1Yを生成する。
アクチュエータドライバ1100は、ブレ検出手段1012が検出したブレ量を示すブレ検出信号Sを受け、ブレが相殺されるようにアクチュエータ1006を制御する。具体的には、ヨー方向のブレ検出信号S1X、ピッチ方向のブレ検出信号S1Yに応じたX軸方向、Y方向の目標位置に、撮像レンズ1004を位置決めする。
理想的には、撮像レンズ1004の第1方向(X方向)の変位について、第1位置検出手段1010Xのみが感度を有し、第2位置検出手段1010Yは感度を有しない。同様に理想的には、撮像レンズ1004の第2方向(Y方向)の変位について、第2位置検出手段1010Yのみが感度を有し、第1位置検出手段1010Xは感度を有しない。しかしながら現実的には、第1位置検出手段1010Xは、第2方向(Y方向)の変位に感度を有し、第2位置検出手段1010Yは、第1方向(X方向)の変位に感度を有する場合がある。本明細書においてこれをクロストークと称する。
言い換えれば、第1位置検出信号S2Xには撮像レンズ1004を第2方向(Y方向)に変位させたことに起因するクロストーク成分が含まれており、第2位置検出信号S2Yには撮像レンズ1004を第1方向(X方向)に変位させたことに起因するクロストーク成分が含まれている。
図2は、撮像装置の座標系を説明する図である。撮像装置には、アクチュエータの駆動座標系、位置検出手段の座標系(位置検出座標系)、ブレ検出手段の座標系(ブレ検出座標系)および撮像素子の座標系(画素座標系)の合計、4つ座標系が存在する。駆動座標系は、光学手ブレ補正のX軸(OIS−X)、光学手ブレ補正のY軸(OIS−Y)、AF方向の軸を有する。位置検出座標系は、OIS−X軸に対応するX軸と、OIS−Y軸に対応するY軸を有する。ブレ検出座標系は、ピッチ軸およびヨー軸を有する。
理想的な撮像装置では、図2に示すように、4つの座標系は一致している。具体的には、撮像素子のX軸、駆動座標系(アクチュエータ)のX軸、位置検出座標系(位置検出手段)のX軸およびブレ素子の検出座標系(ジャイロセンサ)のピッチ軸は平行である。また撮像素子のY軸、駆動座標系のY軸、位置検出座標系のY軸およびブレ検出座標系のヨー軸は平行である。
しかしながら実際の撮像装置においては、組み立て精度に起因して、4つの座標系を一致させることは難しい。クロストークは任意の2軸のずれによって生じうるが、ここでは位置検出座標系と駆動座標系の不一致に起因して発生するクロストークについて説明する。図3は、クロストークを説明する図である。理解の容易化のため、位置検出座標系のX軸とY軸は直交しており、駆動座標系のOIS−X軸とOIS−Y軸は直交しており、さらに位置検出座標系のXY平面と、駆動座標系のOIS−XY平面は平行であり、位置検出座標系が、駆動座標系に対してθ、反時計回りに回転している様子を示す。
撮像レンズ1004を駆動軸OIS−X方向の座標xに位置決めしたとする。このとき、位置検出座標系のX軸方向にはX=x・cosθの変位が現れ、位置検出座標系のY軸方向にはY=−x・sinθの変位が現れる。この−x・sinθが第2位置検出信号S2Yに含まれるクロストーク成分である。
撮像レンズ1004を駆動軸OIS−Y方向の座標yに位置決めすると、位置検出座標系のY軸方向にはY=y・cosθの変位が現れ、位置検出座標系のX軸方向にはy・sinθの変位が現れる。このy・sinθが、第1位置検出信号S2Xに含まれるクロストーク成分である。
撮像レンズ1004が、駆動座標系の座標(x,y)に位置決めされているとき、以下の式を得る。
X=x・cosθ+y・sinθ …(1)
Y=y・cosθ−x・sinθ …(2)
図1に戻る。アクチュエータドライバ1100は、クロストーク補償部1110、目標位置取得部1120、駆動部1130を備える。クロストーク補償部1110は、第1位置検出信号S2Xおよび第2位置検出信号S2Yを、それぞれに含まれるクロストーク成分が小さくなるように補正する。クロストーク補償部1110は、位置検出信号S2Xからクロストーク成分を除去した補正後の位置検出信号S4X、位置検出信号S2Yからクロストーク成分を除去した補正後の位置検出信号S4Yを駆動部1130に供給する。
目標位置取得部1120は、ブレ検出手段1012からのブレ検出信号S1X,S1Yにもとづいて、撮像レンズ1004のX方向の目標位置(目標変位量)を示す第1位置指令値S3X、Y方向の目標位置(目標変位量)を示す第2位置指令値S3Yを取得する。たとえばブレ検出手段1012がジャイロセンサであり、ブレ検出信号S1Xがヨー方向のブレ角速度ωを、ブレ検出信号S1Yがピッチ方向のブレ角速度ωを示す場合、目標位置取得部1120は、ブレ検出信号S1Xを積分することにより第1位置指令値S3Xを生成し、ブレ検出信号S1Yを積分することにより第2位置指令値S3Yを生成してもよい。
駆動部1130は、補正後の第1位置検出信号S4Xおよび補正後の第2位置検出信号S4Yにもとづいて、アクチュエータ1006を制御する。具体的には第1駆動部1130Xは、補正後の第1位置検出信号S4Xが第1位置指令値S3Xに近づくように、第1アクチュエータ1006Xに供給する第1駆動信号S5Xをフィードバック制御する。同様に第2駆動部1130Yは、補正後の第2位置検出信号S4Yが第2位置指令値S3Yに近づくように、第2アクチュエータ1006Yに供給される第2駆動信号S5Yをフィードバック制御する。
続いてクロストーク補償部1110によるクロストーク補償について説明する。
第1位置検出手段1010Xの検出感度をk、第2位置検出手段1010Yの検出感度をkとする。検出座標系のX軸方向の変位がx、Y軸方向の変位がyであるとき、第1検出信号S2Xの値H、第2検出信号S2Yの値Hは、式(3)、(4)となる。
=k・X …(3)
=k・Y …(4)
この関係式(3)、(4)は、位置検出信号と変位量の線形性が補償されているときに成り立つことに留意されたい。
式(1)、(2)を式(3)、(4)に代入すると、式(5)、(6)を得る。
=k・{x・cosθ+y・sinθ} …(5)
=k・{y・cosθ−x・sinθ} …(6)
クロストーク補償は、H,Hから、位置決めされた正しい座標(x,y)を計算する処理と把握できる。
・cosθ・x+k・sinθ・y=H
−k・sinθ・x+k・cosθ・y=H
この2元1次連立方程式を解くと、式(7)、(8)を得る。
x={kcosθ・H−ksinθ・H}/{k
=cosθ/k・H−sinθ/k・H …(7)
y={ksinθ・H+kcosθ・H}/{k
=sinθ/k・H+cosθ/k・H …(8)
sinθ、cosθ、k,kは、事前のキャリブレーション工程において取得することができる。そして4つの係数A=cosθ/k、B=−sinθ/k、C=sinθ/k、D=cosθ/kを予め計算しておき、以下の式にもとづいて、ΔX,ΔYを計算してもよい。
x=A・H+B・H
y=C・H+D・H
なお、sinθ、cosθ、k,kを個別に測定しておくことが容易でない場合もある。この場合、後述する実施例で説明する処理により、より簡単にクロストークを補償することができる。
以上が撮像装置1000の構成である。この撮像装置1000によれば、クロストークの影響を補正できるため、高精度な手ブレ補正が可能となる。
本発明は、図1のブロック図や回路図として把握され、あるいは上述の説明から導かれるさまざまな装置、回路に及ぶものであり、特定の構成に限定されるものではない。以下、本発明の範囲を狭めるためではなく、発明の本質や回路動作の理解を助け、またそれらを明確化するために、より具体的な実施例や変形例を説明する。
まずは撮像装置の構成について説明する。図4は、撮像装置を示す図である。撮像装置300は、デジタルカメラやデジタルビデオカメラ、スマートフォンやタブレット端末に内蔵されるカメラモジュールである。撮像装置300は、OIS可動部301、撮像素子302、プロセッサ306、ブレ検出手段308、レンズ制御装置400を備える。
撮像装置300は図1の撮像装置1000に、撮像素子302は図1の撮像素子1002に、撮像レンズ304は図1の撮像レンズ1004に、プロセッサ306は図1のCPU1014に、レンズ制御装置400は図1のアクチュエータドライバ1100およびアクチュエータ1006に対応する。
撮像レンズ304は、撮像素子302に入射する光の光軸上に配置される。レンズ制御装置400は、撮像レンズ304を光軸方向(Z軸方向)および撮像素子302と平行な面内で光軸に垂直な方向(X軸およびY軸方向)に変位させる。プロセッサ306は、AF動作において、撮像素子302が撮像した画像のコントラストが高くなるように、位置指令値PREF_Zを生成する(コントラストAF)。あるいは撮像素子302の外部に設けられ、あるいは撮像面に埋め込まれたAFセンサからの出力にもとづいて、位置指令値PREF_Zが生成されてもよい(位相差AF)。OISに対してはブレ検出手段308からの出力(ピッチ角速度ω、ヨー角速度ω)にもとづいて、X軸方向、Y軸方向の位置指令値PREF_X,PREF_Yが生成される。
レンズ制御装置400は、位置フィードバックにより、アクチュエータ402を制御する。具体的にはレンズ制御装置400は、アクチュエータ402、位置検出素子(AF、OIS)404、温度検出素子(AF、OIS)406およびアクチュエータドライバIC(Integrated Circuit)500を備える。アクチュエータ402は、たとえばボイスコイルモータであり、撮像レンズ304はホルダー310に搭載され、Z軸方向可動に支持されている。ホルダー310にはAFコイル312が巻回されており、AFコイル312に対向して永久磁石314が配置されている。AFコイル312に通電することにより、永久磁石314との磁気的相互作用により撮像レンズ304とホルダー310は一体的にZ軸方向に駆動される。
一方、永久磁石314を含めたAF駆動機構全体(OIS可動部301)がX軸およびY軸方向可動に支持されており、固定部に配置されたOISコイル316に通電することにより、永久磁石314との磁気的相互作用により、OIS可動部301全体がX軸およびY軸方向に駆動される。ボイスコイルモータの固定部は、撮像装置300の筐体に対して固定されている。
位置検出素子404は、たとえばホール素子などの磁気的検出手段が多く用いられており、ここではホール素子を前提に説明する。ボイスコイルモータのAF可動部、たとえばホルダー310には、永久磁石318が取り付けられ、AFには動かない部分にはAF用ホール素子320が取り付けられる。これらの組み合わせによりAF用の位置検出素子404が形成される。
一方、永久磁石314に対向して固定部にはOIS用のX軸用のホール素子322が取り付けられる。これらの組み合わせによりOIS用の位置検出素子404が形成される。なお、ホール素子322Xは、図4ではX軸用のものしか示していないが、図では影にかくれて見えない位置にY軸用のホール素子(322Y)も存在する。位置検出素子404は、撮像レンズ304の現在の位置に応じた電気信号(以下、位置検出信号PFBという)を生成し、位置検出信号PFBは、アクチュエータドライバIC500にフィードバックされる。
アクチュエータドライバIC500は、ひとつの半導体基板に集積化された機能ICである。ここでの「集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。回路を1つのチップ上に集積化することにより、回路面積を削減することができるとともに、回路素子の特性を均一に保つことができる。
アクチュエータドライバIC500は、フィードバックされた位置検出信号PFBが、位置指令値PREFと一致するように、アクチュエータ402をX,Y,Z軸それぞれについてフィードバック制御する。位置検出信号PFBは、Z軸方向の成分PFB_zおよびX軸、Y軸方向の成分PFB_X,PFB_Yを総称したものである。以下では、3軸共通の処理について説明する場合については単にPFB,PREFとして表記する。
撮像レンズ304の位置を検出して、これをフィードバックして位置制御に用いることにより、ステップ応答における過渡振動を抑えて収束を速めたり、目標位置への位置決め精度を高めたりできる。
ひとつの方向(たとえばX方向)に撮像レンズ304を移動させたとき、他の方向(たとえばY方向)の位置検出素子が変位を検出するという、いわゆるクロストークが存在する場合には、アクチュエータドライバIC500は、位置検出信号に漏れ込んだクロストーク成分を補正する。
クロストーク補正を行う上で理想的には、位置検出素子404の出力、すなわち位置検出信号PFB_X,PFB_Yもしくはそれに対応する位置指令値PREF_X,PREF_Y(以下、これを変数yとしても表記する)と、撮像レンズ304(アクチュエータ402)の実際の変位(以下、これを変数xとして表記する)の関係(以下、x−y特性ともいう)は線形かつ温度変動等に関して不変であり、ばらつきも存在しないことが望ましい。しかしながら現実的には、x−y特性は非線形であり、また撮像装置300ごとにばらつきが存在し、さらに、位置検出素子404の温度によってもそれらの関係(x−y特性)は変動する。そのため、クロストーク補正を行う前に、位置検出信号に対して線形補償と温度補償を行っておくとよい。
線形補償は、位置検出信号PFBと実際の変位との関係を示す関数を、理想とする1次関数(直線)に変換するように位置検出信号PFBの値を補正することで実現される。温度補償は、温度変化によって変化する位置検出信号PFBと実際の変位との関係の傾きやオフセットを、温度ごとに補正することで実現される。
線形補償を行う場合、実際のレンズの変位情報を得る必要がある。AFの線形補償の場合、レーザ変位計などを用いて実際の変位の情報を得ることが容易であるが、OISの線形補償の場合、変位測定の対象となるレンズやホルダーが、アクチュエータの筐体内部に入り込んでいるため、レーザ変位計での変位測定が困難である。そこで、OISでは画像情報を用いて実際の変位を測定するとよい。
画像情報を用いた変位の測定について説明する。撮像レンズ304をX軸またはY軸方向に変位させたとき、特定パターンの被写体の像も撮像素子302上で動く。すなわち、撮像素子302が画像変位検出素子408として作用し、変位検出信号Pを出力する。ここで検出される画像の変位量は、特定パターンの画像が何画素分動いたかの情報に画素ピッチを掛け算することで得られる。このようにして得られる像の変位量は、実際のレンズの変位量と同じではない。光学的な倍率が間に作用するためである。しかしながら、基本的には両者は比例関係であり、クロストーク補償に利用する場合はX方向の変位とY方向の変位の比率が必要なので、実際のレンズの変位に相当するとして利用できる。線形補償に利用する場合は、非線形の関数を決める場合も理想的な線形関数を決める場合も、実際のレンズの変位を像の変位として表すので、レンズの変位と像の変位の差は影響しない。補正の対象となるのは、ホール素子320、322X,322Yで検出される位置検出信号PFBのみである。
次に、温度補償について説明する。この補正のために、温度検出素子406が設けられる。温度検出素子406は、位置検出素子404の温度を検出する。AFの温度補償を行う場合は、AF用のホール素子320の温度を検出する。OISの温度補償を行う場合は、OIS用のホール素子322の温度を検出する。温度検出は、ホール素子の内部抵抗の温度による変化を利用して行うことができる。なお、位置検出素子404の温度と周囲温度が一致する場合、あるいは強い相関を有する場合、温度検出素子406は周囲温度を測定してもよい。検出された温度情報Tは、アクチュエータドライバIC500に入力される。アクチュエータドライバIC500は、温度情報Tにもとづいて、アクチュエータ402の駆動制御を補正する。温度検出素子406は、サーミスタやポジスタ、熱電対などであってもよい。
以下では、クロストーク補償について、第1実施例および第2実施例を参照して説明する。さらに、線形補償と温度補償について、第3実施例を参照して説明する。
<第1実施例>
本発明の第1実施例について、図5(a)、(b)を用いて説明する。図5(a)、(b)は、第1実施例に係る撮像装置における駆動軸と位置検出軸のずれ(クロストーク)を説明する図である。具体的には図5(a)はx軸方向に駆動した場合の位置検出信号のX成分とY成分を示し、図5(b)はy軸方向に駆動した場合の位置検出信号のY成分とX成分を示している。
第1実施例では、アクチュエータの駆動軸とホール素子の位置検出軸が傾いている場合のクロストーク補償について説明する。すなわち、駆動のx軸方向に変位したにもかかわらずY方向の位置検出信号にクロストークが漏れ込む場合、あるいは駆動のy軸方向に変位したにもかかわらずX方向の位置検出信号にクロストークが漏れ込む場合である。なお、ホール素子の検出感度はX方向とY方向で異なる可能性があり、X方向のホール検出感度をS、Y方向のホール検出感度をSと定義する。ホール検出感度とは、変位量に対するホール素子の位置検出信号の変化量の割合である。
まず図5(a)のように、アクチュエータのx方向のOISコイルに電流を印加し、レンズを変位させる。レンズの変位量に対してXとYのホール素子はそれぞれ位置検出信号を出力する。図のプロット1は各変位量に対するXとYの位置検出信号の値をプロットしたものである。これらの関係が直線的に変化しているものとして、変位xのときのXとYそれぞれの位置検出軸上の変位をX、Yとする。このときのYとXの比が駆動軸と位置検出軸の傾きを表しており、比例定数をCとして、
=C・X …(9)
と表す。このときのホール素子の位置検出信号を、X方向、Y方向それぞれH、Hとし、HとHの比をαとする。すなわち、
α=H/H=(S・Y)/(S・X
=(S・C・X)/(S・X
=(S/S)・C …(10)
なお、Cについては符号に注意する必要がある。図5(a)の例では、X方向の位置検出信号がプラス側に変化したときにY方向の位置検出信号にプラスのクロストークが発生しているので、Cはプラスの傾きとなる。マイナスのクロストークとなる場合はマイナスの傾きに設定する必要がある。
同様に、図5(b)のように、アクチュエータのY方向のOISコイルに電流を印加し、レンズを変位させる。レンズの変位量に対してXとYのホール素子はそれぞれ位置検出信号を出力する。変位yのときのYとXそれぞれの位置検出軸上の変位をY'、X'とする。このときのX'とY'の比が駆動軸と位置検出軸の傾きを表しており、比例定数をCとして、
’=C・Y’ …(11)
と表す。このときのホール素子の位置検出信号を、X方向、Y方向それぞれH、Hとし、HとHの比をβとする。すなわち、
β=H/H=(S・X’)/(S・Y’)
=(S・C・Y’)/(S・Y’)=(S/S)・C …(12)
なお、Cについても符号に注意する必要がある。図5(b)の例では、Y方向の位置検出信号がプラス側に変化したときにX方向の位置検出信号にプラスのクロストークが発生しているので、Cはプラスの傾きとなる。マイナスのクロストークとなる場合はマイナスの傾きに設定する必要がある。
以上より、位置検出軸上の変位X、Yに対してクロストーク補正後のホール素子の位置検出信号をそれぞれH'、H'とすると、
’=H−S・C・Y=H−β・H …(13)
’=H−S・C・X=H−α・H …(14)
となる。したがって、検出された位置検出信号H、Hに対してH'、H'を出力することでクロストーク補正が実現できる。
なお、式(13)、(14)は、ホール検出感度S、Sがクロストーク測定時とクロストーク補償時で同じであると仮定した場合である。モジュール工程でクロストークの測定を行い、補正定数を決定し、クロストーク補正を行えば、同じホール検出感度とすることができる。しかし、たとえば、アクチュエータの製造工程で測定した補正定数を用いてモジュール状態でクロストーク補償する場合には、アクチュエータでの測定時のホールアンプゲインと、実際にモジュールに組み込まれるときのキャリブレーションされたホールアンプゲインとが異なる場合があり、この場合にはX方向とY方向のホールの位置検出感度の比で補正定数を正規化してやることが望ましい。
具体的には、クロストーク補正時のホールの位置検出感度をS'、S'とすると、式(13)、(14)は下記のようになる。
’=H−S’・C・Y=H−S’/S’・S/S・βH …(13’)
=H−S’/S’・C・H …(13")
’=H−S’・C・X=H−S’/S’・S/S・αH …(14')
=H−S’/S’・C・H (14")
すなわち、クロストークがα、βで測定される場合は、クロストーク測定時とクロストーク補償時の両方でそれぞれの位置検出感度の正規化が必要となる。クロストークがC、Cで測定される場合は、クロストーク補償時の位置検出感度の正規化が必要となる。
位置検出感度の測定が必要になった場合は、レンズの変位情報が必要になる。レンズの変位情報を得るために、レーザ測定器を用いてもよいし、画素の変位情報を用いてもよい。モジュール状態での位置検出感度を測定する場合は、レーザ測定器の利用が困難となるため、以下で説明するように画素の変位情報を用いる方が望ましい。
キャリブレーション工程において、レンズ1004の実際の変位は、撮像素子1002によって撮像される像の移動距離にもとづいて取得される。図6(a)〜(c)は、レンズ1004の変位測定の原理を説明する図である。レンズ1004の光軸1005上に、物体(以下、標準被写体1200)が置かれ、その位置は不変である。この標準被写体1200が撮像素子1002の撮像面上で結像するように、光学系が調整されている。図6(a)に示すように変位がゼロのとき、標準被写体1200は、レンズ1004の中央に結像する。図6(b)、図6(c)と、レンズ1004を右に変位させていくと、標準被写体1200が結像する位置が移動していく。
結像位置(単に像ともいう)の移動距離l,lと、レンズ1004の変位x,xは、一対一で対応付けられ、それらの関係式は幾何光学から計算によって求めることができる。あるいは、カメラモジュール1000と同一(ただし側方からレーザ照射が容易)な光学系を構築し、レーザ変位計を用いて、移動距離lとレンズ1004の変位xの関係を測定してもよい。
図7は、像の移動距離lとレンズの変位xの関係の一例を示す図である。像の移動距離lは、撮像素子1002が撮影した画像データを解析することで求めることができ、具体的には像の移動距離lは、画像の中で像の位置が移動した画素数に、画素ピッチを乗算することで求めることができる。
図7の関係式x=G(l)は、光学系の構成に依存して一意に定まるため、像の移動距離lについて、それと対応するレンズ1004の実際の変位が一意に定まる。
<第2実施例>
第2実施例では、画素シフトにもとづくキャリブレーションを行う場合に好適なアクチュエータドライバ1100Aについて説明する。図8は、第2実施例に係るアクチュエータドライバ1100Aのブロック図である。アクチュエータドライバ1100Aは、図1のアクチュエータドライバ1100に加えて、線形補償部1140をさらに備える。
線形補償部1140は、撮像レンズ1004の第1方向の変位と第1位置検出信号S2x(H)との関係の直線性を補正し、撮像レンズ1004の第2方向の変位と第2位置検出信号S2y(H)との関係の直線性を補正する。
線形補償後の前記第1位置検出信号S6X(H”)には撮像レンズ1004を第2方向に変位させたことに起因するクロストーク成分が含まれており、線形補償後の第2位置検出信号S6Y(H”)には撮像レンズ1004を第1方向に変位させたことに起因するクロストーク成分が含まれる。
画素シフトにもとづいて、線形補償に必要なデータの取得(キャリブレーション)を行う場合に、撮像素子1002の座標系(画素座標系)と位置検出座標系のズレによるクロストークが導入される場合がある。これにより、画素の配列のx軸方向に像が変位したにもかかわらずY方向の位置検出信号にクロストークが漏れ込む状況や、あるいは画素の配列のy軸方向に像が変位したにもかかわらずX方向の位置検出信号にクロストークが漏れ込む状況が発生しうる。なお、第1実施例と同様に、X方向のホール検出感度をS、Y方向のホール検出感度をSと定義する。
クロストーク補償部1110は、線形補償後の第1位置検出信号S6X(H”)および前記第2位置検出信号S6Y(H”)を、それぞれに含まれるクロストーク成分が小さくなるように補正する。
本発明の第2実施例について、図9(a)、(b)および図10(a)、(b)を用いて説明する。図9(a)、(b)は、第2実施例に係る撮像装置における画素軸と位置検出軸のずれ(クロストーク)を説明する図である。図9(a)はY方向の位置検出信号が出ない方向に駆動した場合の画素上のパターンの動きを示し、図9(b)はX方向の位置検出信号が出ない方向に駆動した場合の画素上のパターンの動きを示している。図10(a)、(b)は、第2実施例に係る撮像装置における像の変位を算出する方法を説明するための図であり、図10(a)は特定パターンを有する被写体の例を示す図で、図10(b)は撮像素子上の被写体の特定パターン像がレンズの移動によりシフトする様子を示す図である。
画素軸と位置検出軸の傾きの測定方法について説明する。アクチュエータのx方向のOISコイルに電流を印加し、レンズを変位させる。レンズの変位量に対してXとYのホール素子はそれぞれ位置検出信号を出力する。ここで、Y方向のホール素子の位置検出信号が変化した場合は、アクチュエータのy方向のOISコイルにも若干の電流を印加する。x方向のOISコイルとy方向のOISコイルへの電流印加のバランスを調整しながら、Y方向のホール素子の位置検出信号がほとんど変化しない駆動方向を見つける。このときの被写体の特定パターンの動きが図9(a)におけるプロット2である。これらの関係が直線的に変化しているものとして、ある位置検出値Hx0におけるx方向、y方向の像の移動量をa、aとする。このときのaとaの比が画素軸と位置検出軸の傾きを表しており、比例定数をCとして、
=C・a …(15)
と表す。
同様に、図9(b)のように、X方向のホール素子の位置検出信号がほとんど変化しない駆動方向を見つけ、ある位置検出値Hy0におけるx方向、y方向の像の移動量をb、bとする。このときのbとbの比が画素軸と位置検出軸の傾きを表しており、比例定数をCとして、
=C・b …(16)
と表す。
なお、C、Cが符号を含めた傾きを表していることは第1実施例の場合と同様である。
また、X方向、Y方向それぞれのホール素子の位置検出感度をS、Sとし、それぞれの比をα'、β'として下記のように表す。
α’=S/S …(17)
β’=S/S …(18)
以上より、位置検出軸上の変位X、Yに対してクロストーク補正後のホール素子の位置検出信号をそれぞれH'、H'とすると、
’=H”−S・C・Y=H”−β’・C・H” …(19)
’=H”−S・C・X=H”−α’・C・H” …(20)
となる。比例定数C,Cを実測し、各軸のホール素子の位置検出感度の比α'、β'を計算しておくことで、クロストーク補正後の位置検出信号H'、H'が得られる。したがって、線形補償された位置検出信号H”、H”に対してH'、H'を出力することでクロストーク補正が実現できる。
なお、図9(a)の結果を得るために、x方向のOISコイルとy方向のOISコイルへの電流印加のバランスを調整しながら、Y方向のホール素子の位置検出信号がほとんど変化しない駆動方向を見つける、という方法で説明したが、これに限定される訳ではない。たとえば、ホール検出信号をフィードバックしてサーボをかけた状態で、X方向のホール信号にオフセットを与えると、X方向のホール検出軸の方向にレンズは変位する。Y方向のホール信号にはオフセットを与えない。このときの画素上のパターンの動きを観察することで図9(a)の結果を得ることができる。図9(b)の結果も同様の手法で得ることができる。このように、クローズドループ制御しながらホール信号にオフセットを与えてレンズを変位させることで、前述のようにクロストークが発生しない駆動方向を見つけるというような探索を行う必要がなく、ホール検出軸と画素軸との傾きを容易に測定することができる。
ここで、レンズをシフトさせた場合における画素上の特定パターンの変位について、図10を参照して補足説明する。像変位を測定するために被写体3の特定パターンとしては、たとえば図10(a)に示すようなドットパターン4を使うとよい。ただし、ドットパターンは図10(a)に限定される訳ではなく、黒地に白のドットでもよい。また、ドットは複数あってもよいし、ドットの代わりにクロスラインのようなパターンを用いてもよい。このようなドットパターンを被写体として、レンズをシフトさせたとき、ドットパターンの像5は図10(b)のように画素上を移動する。図10(b)の破線は画素ピッチ6を示す。ドットパターンの像5は複数の画素にまたがっている可能性があるが、たとえばドットの中心が何画素分シフトしたかを検出すれば、それに画素ピッチを掛け算することで、画素上の画像移動量(像変位)が算出できる。ドットパターンの中心の代わりにエッジのシフトを検出してもよい。このような測定をレンズの可動範囲内の複数ポイントで行うことにより、画素上のドットパターンの変位の軌跡が得られる。この変位の軌跡の画素マトリックスに対する傾きを求めることで、本実施例におけるC、Cの値が求まる。
一方、ホール素子の位置検出感度を求める際にも、レンズの変位量を知る必要がある。位置検出感度はアクチュエータの製造工程などでも測定が可能なので、専用の光軸に垂直な方向の変位測定器(たとえばレーザドップラー測定器など)を用いて変位を測定してもよいが、画素の変位を用いて換算してもよい。画素上の変位量とレンズの変位量は異なるが比例関係にあり、本実施例のように位置検出感度の比が必要な場合は、レンズの変位を画素上の変位で代用できる。この方法を用いれば、高価な変位測定器が不要となる。
なお、本実施例では、ホール検出軸と画素軸の傾きによるクロストークの補正について説明した。そもそも、画素軸が回転ずれを起こしていたとしても、アクチュエータの駆動軸、ホール検出軸、ジャイロ検出軸がずれていなければ、撮影した画像がユーザのねらった角度からほんのわずかに回転するだけで、手ぶれ補正にはほとんど影響しない。注意しなければならないのは、ホール検出軸と画素軸のずれよりも、ホール検出軸とジャイロ軸のずれである。本実施例で画素軸に対してクロストークを補正しているのは、撮像素子とジャイロセンサが同一基板上で高精度に実装されるケースが多く、ジャイロ軸を画素軸で代用できる場合が多いためである。すなわち、実質上の目的は、ジャイロ軸とホール軸の傾きによるクロストークを補正することにある。
撮像素子とジャイロセンサが同一基板上にない構成の場合には、別の方法によってホール検出軸とジャイロ軸の傾きによるクロストークを補正することが望まれるが、このときにも画素軸を媒介に用いるとよい。すなわち、画素軸を基準としてホール検出軸を、クロストークが発生しないように補正するとともに、画素軸に対してジャイロ検出軸が合うようにクロストークを補正するということである。カメラモジュールの画素軸に合うように、ジャイロセンサを回転調整してもよいが、それよりもジャイロ検出信号を画素軸の方向に合わせてクロストーク補正した方が簡単である。具体的には、画素軸とジャイロ軸の傾きを検出し、この傾き角に応じてそれぞれのジャイロ検出信号を画素軸の方向へとベクトル分配する。カメラモジュール側でも画素軸とホール検出軸の傾きによるクロストークが補正されていれば、これでジャイロ検出軸とホール検出軸の傾きによるクロストークも補正されることになる。ジャイロ検出軸と画素軸のクロストーク補正の方法については限定されない。カメラモジュールとジャイロセンサが実装された携帯電話等を加振して、ジャイロセンンサの検出軸の方向を測定してもよいし、他の方法でもかまわない。
<第3実施例>
本発明の第3実施例について、図11から図15を用いて説明する。図11は第3実施例に係る撮像装置における位置検出信号と像変位との関係の一例を示す図である。図12は第3実施例に係る撮像装置における線形補償と温度補償の処理を示すフローチャートである。図13は図11の結果に対して直線補正した後の結果を示す図である。図14は直線補正後の位置検出信号と像変位との関係が温度によって変化する結果を示す図である。図15は図14の結果に対して温度補償を行った後の結果を示す図である。
第3実施例では線形補償と温度補償について説明する。まず、変位と位置検出信号との間の線形性がくずれていた場合、ある方向の変位に対する他方向へのクロストークの線形性もくずれている可能性がある。そうすると、クロストークの比率を示す式(1)、(11)、(15)、(16)などの線形仮定にも矛盾が生じ、クロストーク補正の精度が悪化するおそれがある。なるべくなら、クロストーク補正の前に線形補償を行っておくことが望ましい。また、温度によって線形性の傾きが変化することも、クロストーク補正の精度悪化を招くおそれがあり、温度補償も実施しておくことが望ましい。
変位情報として像の変位を利用した場合の像変位と位置検出信号の関係、すなわちx−y特性の結果の例を図11に示す。実線7は、複数の測定ポイントの結果をなめらかな曲線でつないだものである。OIS用のアクチュエータは、通常バネの中立状態の両側に可動範囲を有するため、バネの中立状態をグラフの像変位0としている。また、この位置での位置検出信号を0としている。図からもわかるように、像変位、すなわちレンズのシフト量が小さい領域では直線性が比較的良好であるが、像変位、すなわちレンズのシフト量が大きくなると直線性が若干悪くなる。
図12を参照して、線形補償と温度補償の全体の処理を説明する。位置検出信号と像変位との関係に対して曲線で関数化した上で、直線に補正する。関数化した結果をそのまま利用して直線化してもよいが、関数を複数の直線のつなぎ合わせとして近似すると計算量が減らせる。関数化の際には、複数の測定点を通る関数として方程式を解いて求めてもよいが、多くの測定点に対して最も平均誤差が小さくなるような関数を導いてもよい。このようにすることで、測定点として特異点(たとえばノイズを含んでしまった場合など)を選んでしまった場合にも、影響を最小限に抑えることができる。
処理S100〜S104は、撮像装置300の製造後、出荷前の検査工程(キャリブレーション工程という)で行われるものとして説明するが、これに限定される訳ではない。後述するが、ユーザがカメラを使用中にこの処理を行えば、使用中の温度での関数が導けるので、直線化後の温度補償が不要となる。処理S106は開発段階の実験データなどから設定される。上記のように、ユーザがカメラを使用中に関数化を行った場合は、温度補償のための係数設定も不要となる。処理S100では、所定温度(基準温度ともいう)T、たとえば製造工場の設定温度などにおいて、位置検出信号y(図4の位置検出値PFB)と変位xの関係(x−y特性)を取得しておく。本実施例では、変位xは、レンズを変位させたときの撮像素子上の特定パターンの変位とする。位置検出信号yは、ホール素子の出力電圧でもよい。サーボをかけて測定する場合はターゲットコード(図4の位置指令値PREF)でもかまわない。なぜならターゲットコードは目標のアクセス位置を示すコードであり、サーボをかけて目標位置に収束させると、ホール素子の出力電圧と等価になるからである。このようにして測定された位置検出信号yと変位xとの関係は、直線性が保たれているとは限らないし、温度がTから変化することによって関係も変化することが考えられる。処理S100は、すべての個体について行われる。
処理S102では、取得した位置検出信号yと像変位xとの関係を関数化する。ここでは逆関数を取り、x=f(y)のように関数化する。関数は、直線ではない関係をフィットさせるので、2次以上の関数が必要である(多項式近似)。次数を上げた方がフィット誤差は小さくなるが、計算量が増えるので、実態に合わせて次数を設定すればよい。以下の線形補償では5次関数を用いた。
x=f(y)=k+ky+k+k+k+k …(21)
なお、実際の撮像装置の中で線形補償する場合は、このような5次関数の演算を行っていると計算時間がかかり、計算途中に必要なメモリ容量も大きくなるため、前述のように関数を直線のつなぎ合わせによって補間してもかまわない。
処理S104では、線形関数y=ax+bを設定する。線形関数y=ax+bの傾きaと切片bは、処理S100で得られたx−y特性を考慮して規定することが望ましい。たとえばx−y特性を線形近似することにより、傾きa、切片bを求めてもよい。なお、線形関数y=ax+bは、基準温度Tにおけるx−y特性とは無関係に定めてもよい。
測定時に0点調整を行った場合は、測定段階から原点を通る、すなわちb=0となるため、傾きaのみを求めればよい。一方、測定結果が原点を通らない場合、オフセット補正(b≠0)を行って原点を通るようにシフトさせてもよいし、測定結果の任意の2点を結ぶ直線としてy=ax+bを規定してもよい。
処理S106では、実際温度Tと所定温度Tとの差の影響を補正するため、傾き補正係数cとオフセット補正係数dを設定する。これらの係数は、個体ごとに様々な温度Tに対して設定するのが補償精度の点ではベストであるが、製品1個ごとに温度特性まで測定するのは工程コストがかさむため、現実的ではない。そこで、実験室または工程のオフラインにおいて、複数個の代表的なサンプルの温度特性を測定し、最適な補正係数cとdを設定するのが望ましい。基準温度に対して、温度が変化すると補正係数がどのように変化するのかをつかんでおく。基準温度でのx−y特性は個体ごとに測定するので、このときの補正係数に対する変化を想定して、各温度における最適補正係数を設定する。実際温度Tは離散的でもかまわない。後述する温度測定手段で測定された実際の温度が、あらかじめ補正係数を設定した温度の中間であれば、補間計算して補正係数を設定すればよい。
処理S108〜S112は、アクチュエータドライバIC500の実動作中の処理である。実動作中に位置検出素子404から得られる位置検出信号yの値をyとする。
処理S108では、関数fを用いて位置検出信号yに対する変位xを求める。関数fは所定温度Tにおけるx−y特性に対して設定した関数であるが、他の温度でも同じ関数を用いる。上述の通り、各温度においても当該温度で設定される関数を用いると補正の精度アップができるが、各温度の関数を設定するには各温度の温度特性を各サンプルに対して測定する必要があるため、現実的ではなく、この例のようにすべての温度に対して所定温度Tでの関数を用いることとする。
S110では、このようにして求められた変位xを最初に設定した線形関数にあてはめて、線形補償された位置検出信号の値yを算出する。
線形補償後のx−y特性の結果を図13に示す。ただし、これはT=Tの場合の結果である。次に、温度特性の結果を図14に示す。所定温度Tを30℃として、この温度での関数を用いているので、他の温度Tでは若干ではあるが傾きの変化が見られる。
処理S112では、Tと異なる温度Tでの結果に対して、傾き補正とオフセット補正を行い、Tでの結果と同じになるように補正する。すなわち、直線化後の位置検出信号の値yに対して、温度補償後の位置検出信号の値yを算出する。
温度補償後のx−y特性の結果を図15に示す。異なる温度での結果もほぼ同一の直線に補正されている。なお、ここでは図14の直線がほぼ原点を通っているため、オフセット補正は行っておらず、傾きのみを補正している。
このように、線形補償と温度補償を行うことにより、温度の影響を受けないほぼ直線のx−y特性を得ることができるとともに、線形補償の際の実際のレンズの変位の情報を得るために像の変位情報を利用することにより、高価な変位測定器や手間のかかる測定が不要となる。
なお、図12のフローは一例を示すもので、処理の順序まですべて規定するものではない。たとえば、先に変位成分に対する温度補償を行い、温度補償後の結果に対して線形補償を行ってもかまわない。
<レンズ制御装置について>
続いてレンズ制御装置400の具体的な構成例を説明する。
図16は、レンズ制御装置400の具体的なブロック図である。図16には、X軸用およびY軸用の回路ブロックが示され、オートフォーカス用については省略される。X軸、Y軸については同様に構成されるため、特に必要のない限り、それらを区別せずに共通に説明する。
位置検出素子404はホール素子322X,322Yであり、アクチュエータ402の可動部の変位に応じたホール電圧V+,V−を発生し、アクチュエータドライバIC500のホール検出ピン(HP,HN)に供給する。
位置検出部510は、ホール電圧V+,V−に基づいて、アクチュエータ402の可動部の位置(変位)を示すデジタルの位置検出値PFBを生成する。位置検出部510は、ホール電圧を増幅するホールアンプ512と、ホールアンプ512の出力をデジタル値の位置検出値PFBに変換するA/Dコンバータ514を含む。
温度検出部520は、温度を示す温度検出値Tを生成する。上述したように、温度は、位置検出素子404の温度を示すことが望ましい。図16では、位置検出素子404であるホール素子322X,322Y(以下、322と総称する)を、温度検出素子406としても利用する。これは、ホール素子322の内部抵抗rが温度依存性を有することを利用したものである。温度検出部520は、ホール素子322の内部抵抗rを測定し、温度を示す情報として利用する。
温度検出部520は、定電流回路522とA/Dコンバータ524を含む。定電流回路522は、ホール素子322に所定のバイアス電流IBIASを供給する。このバイアス電流IBIASは、ホール素子322を動作させるために必要な電源信号でもあり、したがって定電流回路522は、ホールバイアス回路として把握することができる。
ホール素子322の両端間には、電圧降下IBIAS×rが発生する。この電圧降下は、ホールバイアスピン(HB)に入力される。A/Dコンバータ524は、HBピンの電圧VHB(=IBIAS×r)をデジタル値Tに変換する。バイアス電流IBIASは既知で一定であるから、デジタル値Tは内部抵抗rに比例する信号であり、したがって、ホール素子32の温度の情報を含んでいる。内部抵抗rと温度の関係は事前に測定し、関数化し、またはテーブル化されており、後段の補正部530において、デジタル値Tが温度情報に変換される。
インタフェース回路540は、ブレ検出手段308であるジャイロセンサからピッチ角速度ω、ヨー角速度ωを受信する。たとえばインタフェース回路540は、IC(Inter IC)などのシリアルインタフェースであってもよい。ジャイロDSP550はインタフェース回路540が受信した角速度信号ω,ωを積分し、位置指令値PREFを生成する。
補正部530は、位置検出部510からの位置検出値PFBを補正する。具体的には、補正部530は、線形補償部532、温度補償部534、メモリ536を含む。線形補償部532は、位置検出値PFBと実際の変位の関係(上述のx−y特性)の直線性を補正する。メモリ536には、上述のパラメータa,b,関数x=f(y)を記述するデータ(たとえば係数k〜k)、パラメータc,dなどが格納される。メモリ536は、ROMやフラッシュメモリなどの不揮発性メモリであってもよいし、回路の起動のたびに外部のROMから供給されるデータを一時的に保持する揮発性メモリであってもよい。
温度補償部534は、位置検出値PFBと実際の変位との関係に対して、温度変化によって関係が変化するのを補正する。
クロストーク補償部538は、2個の乗算器539X,539Yで表される。各アンプ539は、一方のホール検出信号に対して符号を含めた所定の係数を掛け、他方のホール検出信号に加え、クロストーク補償を行う。ここでの処理を式で表すと、式(13)、(14)、(19)、(20)となる。
コントローラ560は、位置指令値PREFと、クロストーク補正後の位置検出値H'、H'を受ける。コントローラ560は、位置検出値H'、H'が位置指令値PREFと一致するように、制御指令値SREFを生成する。アクチュエータ402がボイスコイルモータである場合、制御指令値SREFはボイスコイルモータに供給すべき駆動電流の指令値である。コントローラ560は、たとえば誤差検出器562とPID制御器564を含む。誤差検出器562は、位置検出値H'、H'と位置指令値PREFの差分(誤差)ΔPを生成する。PID制御器564は、PID(比例・積分・微分)演算によって、制御指令値SREFを生成する。PID制御器564に換えて、PI制御器を用いてもよいし、非線形制御を採用してもよい。PID制御器564の後段には、所定の係数を乗算するゲイン回路566が設けられてもよい。ドライバ部570は、制御指令値SREFに応じた駆動電流をアクチュエータ402に供給する。
図16からもわかるように、ホール素子32からのホール電圧V+,V−は、制御電流の印加とは別の端子から出力される。
補正部530およびコントローラ560の処理は、加算器、乗算器などのハードウェアによって実現してもよいし、CPUとソフトウェアプログラムの組み合わせによって実現してもよい。
以上のようなレンズ制御装置は、携帯電話用のカメラモジュールなどに用いられる。特に、レンズ制御装置の好適な応用のひとつは、光学手ブレ補正(OIS)機能を備えた撮像装置である。本発明を利用することで、対象物の位置をクロストークなしに高精度に検出することができ、これによって高精度な手ブレ補正を実現することが可能となる。また、高価な測定器を使うことなくクロストーク補償、線形補償が可能となるので、本開示に係るレンズ制御装置はOIS機能を備えた撮像装置に適用するのが好適である。
本明細書には以下の技術が開示される。
ある開示は、撮像装置に関する。撮像装置は、撮像レンズと、撮像素子と、撮像レンズを光軸に垂直なXY平面内で駆動するためのアクチュエータと、撮像レンズのX、Y方向の位置を検出するためのそれぞれの位置検出手段と、を備え、X方向またはY方向に撮像レンズを駆動した場合に、Y方向またはX方向の位置検出手段がそれぞれの変位を検出してしまうクロストークが存在する場合において、位置検出のクロストークを低減するように、位置検出手段による位置検出信号を補正するクロストーク補償手段を有することを特徴としている。
以上の構成によれば、X方向またはY方向に撮像レンズを駆動した場合に、Y方向またはX方向の位置検出手段がそれぞれの変位を検出してしまうクロストークが存在する場合においても、駆動方向または画素の移動方向に対する位置検出のクロストークを補正し、高精度な手ブレ補正が可能となる。
また、ある態様の撮像装置では、撮像レンズをX方向に駆動したときのX軸用位置検出手段の位置検出信号に対するY軸用位置検出手段の位置検出信号の比をα、撮像レンズをY方向に駆動したときのY軸用位置検出手段の位置検出信号に対するX軸用位置検出手段の位置検出信号の比をβとするとき、αとβの値を用いて位置検出信号のクロストークを補正してもよい。
以上の構成によれば、X軸用位置検出手段の感度とY軸用位置検出手段の感度の差に関係なく、位置検出のクロストークを補正できるので、補正に必要なデータ取得を最小限に抑えることが可能となり、クロストーク補償が容易である。
また、ある態様の撮像装置では、クロストーク補償に用いる撮像レンズの変位情報を、撮像素子の画像情報から撮像レンズの移動時の像の移動距離として算出してもよい。
以上の構成によれば、高価な変位測定器を用いることなく撮像レンズの変位情報を得ることができ、得られた変位情報に基づいて駆動方向に対する位置検出のクロストークを補正することが可能となる。
ある態様の撮像装置では、像の移動距離は、像が移動する画素数と撮像素子の画素ピッチから算出してもよい。
以上の構成によれば、簡単な計算で撮像レンズの変位を算出することができる。
ある態様の撮像装置では、撮像レンズの変位と、位置検出手段による位置検出信号との関係の直線性を補正するための線形補償手段を有していてもよい。
以上の構成によれば、クロストーク補償前の位置検出信号と撮像レンズの変位との関係の直線性を補正することが可能となるため、クロストーク補償の精度を高めることが可能となる。
ある態様の撮像装置では、線形補償手段に加えて、関係の温度による変化を補正する温度補償手段を有していてもよい。
以上の構成によれば、線形補償に加えて温度補償も行えるため、クロストーク補償の精度をさらに高めることが可能となる。
ある態様の撮像装置では、温度補償手段の温度検出は、位置検出手段の内部抵抗の温度による変化を利用して行ってもよい。
以上の構成によれば、位置検出手段の端子間抵抗の変化を利用して温度を検出するので、温度補償すべき対象物近傍の温度を正確に把握することができ、高精度の温度補償が可能となる。
本開示の別の態様は、アクチュエータドライバに関する。アクチュエータドライバは、平面内2方向における制御対象の位置を示す位置検出値をそれぞれ生成する位置検出部と、位置検出部で検出された位置検出値のクロストークを補正するクロストーク補償部と、補正後の位置検出値と、制御対象の目標位置を示す位置指令値とが一致するように制御指令値を生成するコントローラと、制御指令値に応じた駆動信号をアクチュエータに印加するドライバ部と、を備え、クロストーク補償部は、ひとつの方向の位置検出信号に対して所定の演算処理を行ったのち、他方向の位置検出信号に加減する処理部を有することを特徴としている。
この態様によれば、平面内2方向のそれぞれの方向に撮像レンズを駆動した場合に、駆動方向とは異なる他の方向の位置検出手段が変位を検出してしまうクロストークが存在する場合においても、駆動方向あるいは画素の移動方向に対する位置検出のクロストークを補正し、高精度な手ブレ補正が可能となる。
ある態様のアクチュエータドライバでは、制御対象を第一の方向に駆動したときのその方向の位置検出手部の位置検出値に対する第二の方向の位置検出部の位置検出値の比をα、制御対象を第二の方向に駆動したときのその方向の位置検出部の位置検出値に対する第一の方向の位置検出部の位置検出値の比をβとするとき、
αとβの値を用いて位置検出値のクロストークを補正してもよい。
ある態様のアクチュエータドライバでは、クロストーク補償部は、撮像素子の画像情報における像の移動情報から得られる変位情報を利用して、位置検出値のクロストークを補正してもよい。
ある態様のアクチュエータドライバでは、制御対象の変位と位置検出値との関係の直線性を補正するための線形補償部を有していてもよい。
ある態様のアクチュエータドライバでは、関係の温度による変化を補正する温度補償部を有していてもよい。
3…被写体、4…ドットパターン、5…像、6…画素ピッチ、7…実線、32…ホール素子、300…撮像装置、301…OIS可動部、302…撮像素子、304…撮像レンズ、306…プロセッサ、308…ブレ検出手段、310…ホルダー、312…AFコイル、314…永久磁石、316…OISコイル、318…永久磁石、320…ホール素子、320…AF用ホール素子、322,322X…ホール素子、400…レンズ制御装置、402…アクチュエータ、404…位置検出素子、406…温度検出素子、408…画像変位検出素子、500…アクチュエータドライバIC、510…位置検出部、512…ホールアンプ、514…A/Dコンバータ、520…温度検出部、522…定電流回路、524…A/Dコンバータ、530…補正部、532…線形補償部、534…温度補償部、536…メモリ、538…クロストーク補償部、539…アンプ、540…インタフェース回路、550…ジャイロDSP、560…コントローラ、562…誤差検出器、564…PID制御器、566…ゲイン回路、570…ドライバ部、1000…撮像装置、1002…撮像素子、1004…撮像レンズ、1006…アクチュエータ、1006X…第1アクチュエータ、1006Y…第2アクチュエータ、1010…位置検出手段、1010X…第1位置検出手段、1010Y…第2位置検出手段、1012…ブレ検出手段、1014…CPU、1100…アクチュエータドライバ、1110…クロストーク補償部、1120…目標位置取得部、1130…駆動部、1140…線形補償部。

Claims (13)

  1. 撮像装置であって、
    光軸と垂直な平面内で第1方向および第2方向に変位可能に支持される撮像レンズと、
    前記撮像レンズを前記第1方向および前記第2方向に位置決めするアクチュエータと、
    前記撮像レンズの前記第1方向の位置を示す第1位置検出信号Hを生成し、前記撮像レンズの前記第2方向の位置を示す第2位置検出信号Hを生成する位置検出手段であって、前記第1位置検出信号Hには前記撮像レンズを前記第2方向に変位させたことに起因するクロストーク成分が含まれており、前記第2位置検出信号Hには前記撮像レンズを前記第1方向に変位させたことに起因するクロストーク成分が含まれている、位置検出手段と、
    前記第1位置検出信号Hおよび前記第2位置検出信号Hを、それぞれに含まれるクロストーク成分が小さくなるように補正するクロストーク補償部と、
    補正後の前記第1位置検出信号H’および補正後の前記第2位置検出信号H’にもとづいて、前記アクチュエータを制御する駆動部と、
    を備え、
    前記撮像レンズを前記第1方向に駆動したときの前記第1位置検出信号Hに対する前記第2位置検出信号Hの比をα、前記撮像レンズを前記第2方向に駆動したときの前記第2位置検出信号Hに対する前記第1位置検出信号Hの比をβ、前記アクチュエータを前記撮像装置に組み付ける前に測定された前記第1方向の検出感度をS 、前記第2方向の検出感度をS 、前記アクチュエータを前記撮像装置に組み付けた後に測定された前記第1方向の検出感度をS ’、前記第2方向の検出感度をS とするとき、前記クロストーク補償部は、
    ’=H −S ’/S ’・S /S ・βH
    ’=H −S ’/S ’・S /S ・αH
    により前記第1位置検出信号Hおよび前記第2位置検出信号Hに含まれるクロストーク成分を低減することを特徴とする撮像装置。
  2. 撮像装置であって、
    光軸と垂直な平面内で第1方向および第2方向に変位可能に支持される撮像レンズと、
    前記撮像レンズを前記第1方向および前記第2方向に位置決めするアクチュエータと、
    前記撮像レンズの前記第1方向の位置を示す第1位置検出信号Hを生成し、前記撮像レンズの前記第2方向の位置を示す第2位置検出信号Hを生成する位置検出手段であって、前記第1位置検出信号Hには前記撮像レンズを前記第2方向に変位させたことに起因するクロストーク成分が含まれており、前記第2位置検出信号Hには前記撮像レンズを前記第1方向に変位させたことに起因するクロストーク成分が含まれている、位置検出手段と、
    前記第1位置検出信号Hおよび前記第2位置検出信号Hを、それぞれに含まれるクロストーク成分が小さくなるように補正するクロストーク補償部と、
    補正後の前記第1位置検出信号H’および補正後の前記第2位置検出信号H’にもとづいて、前記アクチュエータを制御する駆動部と、
    を備え、
    前記撮像レンズを前記第1方向に駆動して変位させながら前記第1位置検出信号Hが示す変位量Xと前記第2位置検出信号Hが示す変位量Yをプロットしたときに、
    Y=C・X
    が成り立ち、
    前記撮像レンズを前記第2方向に駆動して変位させながら前記第1位置検出信号Hが示す変位量Xと前記第2位置検出信号Hが示す変位量Yをプロットしたときに、
    X=C・Y
    が成り立ち、
    前記アクチュエータを前記撮像装置に組み付けた後に測定された前記第1方向の検出感度をS’、前記第2方向の検出感度をS’とするとき、前記クロストーク補償部は、
    ’=−S’/S’・C・H
    ’=−S’/S’・C・H
    により前記第1位置検出信号Hおよび前記第2位置検出信号Hに含まれるクロストーク成分を低減することを特徴とする撮像装置。
  3. 前記撮像レンズを通過した像を撮像する撮像素子をさらに備え、
    キャリブレーション工程において用いる前記撮像レンズの正しい変位情報は、前記撮像素子の画像情報から、前記撮像レンズの移動時の像の移動距離として算出されることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
  4. 前記像の移動距離は、前記像が移動する画素数と前記撮像素子の画素ピッチから算出されることを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
  5. 前記撮像レンズの前記第1方向の変位と前記第1位置検出信号Hとの関係の直線性を補正し、前記撮像レンズの前記第2方向の変位と前記第2位置検出信号Hとの関係の直線性を補正する線形補償部をさらに備えることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の撮像装置。
  6. 前記線形補償部に加えて、前記関係の温度依存性を補正する温度補償部をさらに備えることを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
  7. 前記温度補償部の温度検出は、前記位置検出手段の内部抵抗の温度特性を利用することを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
  8. 光軸と垂直な平面内で第1方向および第2方向に変位可能に支持される撮像レンズと、
    前記撮像レンズを通過した像を撮像する撮像素子と、
    前記撮像レンズを前記第1方向および前記第2方向に位置決めするアクチュエータと、
    前記撮像レンズの前記第1方向の位置を示す第1位置検出信号Hを生成し、前記撮像レンズの前記第2方向の位置を示す第2位置検出信号Hを生成する位置検出手段と、
    前記第1位置検出信号Hおよび前記第2位置検出信号Hを、それぞれに含まれるクロストーク成分が小さくなるように補正するクロストーク補償部と、
    クロストーク補正後の前記第1位置検出信号H’および補正後の前記第2位置検出信号H’にもとづいて、前記アクチュエータを制御する駆動部と、
    を備え、
    前記第1位置検出信号Hには前記撮像レンズを前記第2方向に変位させたことに起因するクロストーク成分が含まれており、前記第2位置検出信号Hには前記撮像レンズを前記第1方向に変位させたことに起因するクロストーク成分が含まれており、
    前記撮像レンズの正しい変位情報は、前記撮像素子の画像情報から、前記撮像レンズの移動時の像の移動距離として算出され、
    前記第2位置検出信号に変化が生じないように前記アクチュエータを制御し、前記第1方向の像の移動量a、前記第2方向の像の移動量aをプロットしたときに、
    =C・a
    が成り立ち、
    前記第1位置検出信号に変化が生じないように前記アクチュエータを制御し、前記第1方向の像の移動量b、前記第2方向の像の移動量bをプロットしたときに、
    =C・b
    が成り立ち、
    前記第1方向、前記第2方向それぞれの検出感度をS、Sとするとき、
    前記クロストーク補償部は、
    ’=H−S/S・C・H
    ’=H−S/S・C・H
    により前記第1位置検出信号Hおよび前記第2位置検出信号Hに含まれるクロストーク成分を低減することを特徴とする撮像装置。
  9. 前記第1位置検出信号と前記第2位置検出信号をフィードバックしてクローズドループ制御を行った状態において、前記第2位置検出信号に変化が生じないように前記アクチュエータを制御し、前記第1方向へ像を移動させるために、前記第1位置検出信号にオフセットを与えるとともに、前記第1位置検出信号に変化が生じないように前記アクチュエータを制御し、前記第1方向へ像を移動させるために、前記第2位置検出信号にオフセットを与えることを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
  10. 前記撮像レンズの前記第1方向の変位と前記第1位置検出信号Hとの関係の直線性を補正し、前記撮像レンズの前記第2方向の変位と前記第2位置検出信号Hとの関係の直線性を補正する線形補償部をさらに備え、
    前記クロストーク補償部は、線形補償後の第1位置検出信号H"および線形補償後の第2位置検出信号H"に含まれるクロストーク成分が小さくなるように補正することを特徴とする請求項またはに記載の撮像装置。
  11. 前記線形補償部に加えて、前記関係の温度依存性を補正する温度補償部をさらに備えることを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
  12. 前記温度補償部の温度検出は、前記位置検出手段の内部抵抗の温度特性を利用することを特徴とする請求項11に記載の撮像装置。
  13. 撮像装置であって、
    光軸と垂直な平面内で第1方向および第2方向に変位可能に支持される撮像レンズと、
    前記撮像レンズを前記第1方向および前記第2方向に位置決めするアクチュエータと、
    前記撮像レンズの前記第1方向の位置を示す第1位置検出信号Hを生成し、前記撮像レンズの前記第2方向の位置を示す第2位置検出信号Hを生成する位置検出手段であって、前記第1位置検出信号Hには前記撮像レンズを前記第2方向に変位させたことに起因するクロストーク成分が含まれており、前記第2位置検出信号Hには前記撮像レンズを前記第1方向に変位させたことに起因するクロストーク成分が含まれている、位置検出手段と、
    前記第1位置検出信号Hおよび前記第2位置検出信号Hを、それぞれに含まれるクロストーク成分が小さくなるように補正するクロストーク補償部と、
    補正後の前記第1位置検出信号H’および補正後の前記第2位置検出信号H’にもとづいて、前記アクチュエータを制御する駆動部と、
    を備え、
    前記クロストーク補償部は、
    記撮像レンズを前記第2方向に駆動したときの前記第2位置検出信号Hに対する前記第1位置検出信号Hの比β、前記撮像レンズを前記第1方向に駆動したときの前記第1位置検出信号H に対する前記第2位置検出信号H の比をα、前記アクチュエータを前記撮像装置に組み付ける前に測定された前記第1方向の検出感度をS 、前記第2方向の検出感度をS 、前記アクチュエータを前記撮像装置に組み付けた後に測定された前記第1方向の検出感度をS ’、前記第2方向の検出感度をS ’とするとき、(i)β,S ’,S ’,S ,S ,H にもとづいて前記第1位置検出信号H を補正した値H ’と、(ii)α,S ’,S ’,S ,S ,H にもとづいて前記第2位置検出信号H を補正した値H ’と、を前記駆動部に対して出力することを特徴とする撮像装置。
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