JP6917600B2 - 炎症の評価システム、プログラム、非一時的記録媒体 - Google Patents

炎症の評価システム、プログラム、非一時的記録媒体 Download PDF

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Description

本開示は、炎症の評価システム、ログラム、及び非一時的記録媒体に関し、より詳細には、人の皮膚に生じた炎症の程度を評価する評価システム、ログラム、及び非一時的記録媒体に関する。
人の皮膚に生じる炎症の1つに紅斑がある。紅斑とは、真皮の毛細血管拡張もしくは充血によってもたらされる表皮の赤み(発赤)を指す発疹名である。このような炎症(紅斑)の程度を評価する評価方法の一例が特許文献1に記載されている。
特許文献1記載の評価方法は、紅斑が生じている皮膚領域又は粘膜領域の光反射率を測定し、L*a*b*色空間に従って前記測定結果のL*値及びa*値を取得し、取得した値を式(L*max−L*)×a*に代入して紅斑値を算出している。さらに、特許文献1記載の評価方法では、算出した紅斑値に基づいて炎症の有無並びに炎症の程度を評価している。
ところで、紅斑値を測定する際に測定用のデバイスを皮膚に接触させる必要があるが、表皮に存在する体毛が測定用のデバイスと表皮との間に介在し、体毛の影響によって紅斑値の測定誤差が増加する可能性がある。紅斑値の測定誤差が増加すると、炎症の評価の精度も低下してしまう。
特表2016−518885号公報
本開示の目的は、評価の精度低下の抑制を図ることができる炎症の評価システム、ログラム、及び非一時的記録媒体を提供することである。
本開示の一態様に係る炎症の評価システムは、皮膚に生じる炎症を評価する評価システムである。前記評価システムは、測定器によって測定される前記皮膚の測定箇所における紅斑値及び紅斑の色と異なる色の強度値を含む測定値を取得する取得部と、前記取得部で取得する複数の前記測定値に含まれる前記紅斑値に基づいて炎症を評価する評価部とを備える。前記取得部は、所定時間毎に前記測定器で測定される複数の前記測定値を取得する。前記評価部は、前記所定時間毎に取得された複数の前記測定値の各々における前記強度値が所定の範囲内に収まっている測定値を評価候補の測定値に選出する。前記評価部は、前記評価候補の測定値に含まれる前記紅斑値の時間的な変化に基づいて炎症を評価する。前記評価部は、前記所定時間ごとに選出した前記評価候補の測定値における前記紅斑値の平均値を算出し、前記紅斑値の平均値が評価開始時点からの時間経過とともに減少していると判定した場合、最終の前記平均値と、事前の前記平均値との差の絶対値を所定のしきい値と比較することによって炎症を評価する。
本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータシステムに、測定器によって測定される前記皮膚の測定箇所における紅斑値及び紅斑の色と異なる色の強度値を含む測定値を所定時間ごとに取得するステップと、複数の前記測定値の各々における前記強度値が所定の範囲内に収まっている測定値を評価候補の測定値に選出するステップと、前記所定時間ごとに選出した前記評価候補の測定値における前記紅斑値の平均値を算出し、前記紅斑値の平均値が評価開始時点からの時間経過とともに減少していると判定した場合、最終の前記平均値と、事前の前記平均値との差の絶対値を所定のしきい値と比較することによって炎症を評価するステップとを実行させる。
本開示の一態様に係る非一時的記録媒体は、コンピュータシステムに、前記プログラムを記録した、コンピュータシステムで読み取り可能な非一時的記録媒体である。
図1は、本開示の一実施形態に係る炎症の評価システムの評価対象である対象者の頭部に装着されるヘッドセットを含む脳波測定システム、及びそれを備えたリハビリテーション支援システムの使用状態を示す概略図である。 図2は、同上の脳波測定システム及びリハビリテーション支援システムの構成を示すブロック図である。 図3Aは、同上のヘッドセットの使用状態を示す概略上面図である。図3Bは、同上のヘッドセットの使用状態を示す概略正面図である。 図4は、同上の評価システムのシステム構成図である。 図5は、同上の評価システムの動作を説明するためのフローチャートである。 図6は、同上の評価システムの動作を説明するためのフローチャートである。 図7は、同上の評価システムにおける測定値を説明するための説明図である。 図8は、同上の評価システムの動作を説明するための折れ線グラフを示す図である。
下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさ、厚さ、及びそれらの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
本実施形態に係る評価システムを説明するにあたり、評価システムの評価対象となる炎症について説明する。評価対象となる炎症は、例えば、脳活動計測装置(以下、ヘッドセット1と呼ぶ。)を頭部に装着することによって生じる炎症である。ヘッドセット1は、図1に示すように、情報処理装置2とともに脳波測定システム10を構成している。
脳波測定システム10は、対象者5の脳波を測定するためのシステムであって、対象者5の頭部52の一部である測定箇所51に対応する位置に配置される電極部11から、脳波情報を取得する。本開示でいう「脳波」(Electroencephalogram:EEG)とは、大脳の神経細胞(群)の発する電気信号(活動電位)を体外に導出し、記録した波形を意味する。本開示においては、特に断りが無い限り、大脳皮質の多数のニューロン群(神経網)の総括的な活動電位を対象として、これを頭皮に装着した電極部11を用いて記録する頭皮上脳波を「脳波」という。
脳波測定システム10は、電極部11を有するヘッドセット1(図3B参照)と、情報処理装置2と、を備えている。ヘッドセット1は、対象者5の頭部52の表面(頭皮)に電極部11を接触させた状態で、対象者5の頭部52に装着される。本開示では、電極部11は、頭部52の表面に塗布されたペースト(電極糊)上に載せられることで、頭部52の表面に接触する。このとき、電極部11は、毛髪をかき分けることにより、毛髪を介さずに頭部52の表面に接触する。もちろん、電極部11は、ペーストを塗布することなく、頭部52の表面に直接、接触してもよい。つまり、本開示では、「電極部11を頭部52の表面に接触させる」とは、電極部11を直接、頭部52の表面(頭皮を含む)に接触させることの他、中間物を介して電極部11を間接的に頭部52の表面に接触させることも含む。中間物は、ペーストに限定されず、例えば導電性を有するゲルであってもよい。
ヘッドセット1は、電極部11にて対象者5の脳の活動電位を測定することで対象者5の脳波を測定し、脳波を表す脳波情報を生成する。ヘッドセット1は、例えば、無線通信により、脳波情報を情報処理装置2に送信する。
情報処理装置2は、例えば、パーソナルコンピュータ等のコンピュータシステムを主構成とする。情報処理装置2は、例えば、無線通信により、ヘッドセット1からの脳波情報を受信し、ヘッドセット1から取得した脳波情報に対して、種々の処理を施したり、脳波情報を表示したりする。本実施形態では、対象者5が随意運動(voluntary movement)を行う際に生じる(つまり、対象者5が随意運動を行おうと企図した際に生じ得る)特徴的な変化を含む脳波の検出、及びキャリブレーション(calibration)処理等は、情報処理装置2にて行われる。本開示でいう「キャリブレーション処理」は、脳波情報の解析、つまり検出対象となる脳波の検出に用いる各種のパラメータを決定するための処理である。
次に、ヘッドセット1について、図1、図3A及び図3Bを用いて説明する。なお、図面に示す「D1」及び「D2」の矢印は、いずれも説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。
ヘッドセット1は、フレーム17と、取付部19と、一対の保持部18と、を備えている。フレーム17は、対象者5の頭部52に装着可能であって、頭部52に装着された状態で対象者5の正中中心部(vertex)から左耳珠及び右耳珠に向かう第1方向D1に延びた形状を有している。本開示でいう「正中中心部」は、国際10−20法において電極記号「Cz」で表される位置であって、対象者5の頭部52において、対象者5の鼻根と後頭結節とを結ぶ線と、左耳521の耳珠前点と右耳522の耳珠前点とを結ぶ線が交差する部位である。また、本開示でいう「第1方向」は、フレーム17が頭部52に装着された状態において、対象者5の正中中心部、左耳珠、及び右耳珠を頭部52に沿って結ぶ曲線と平行な方向である。
取付部19は、フレーム17に設けられて、対象者5の脳波を採取するために用いられる電極部11を収納可能である。電極部11は、フレーム17が頭部52に装着された状態で、頭部52の表面の測定箇所51に対応する位置に接触する。フレーム17には、一対の取付部19が設けられている。
一対の保持部18は、フレーム17の第1方向D1の両端に繋がっており、フレーム17が頭部52に装着された状態で頭部52に接触する。言い換えれば、フレーム17の第1方向D1の両端には、それぞれ保持部18が設けられている。そして、これら保持部18は、フレーム17が頭部52に装着された状態で頭部52に接触することにより、頭部52に対してフレーム17を保持する。
上述した脳波測定システム10は、例えば、図1に示すリハビリテーション支援システム100に用いられる。
リハビリテーション支援システム100は、ヘッドセット1を含む脳波測定システム10を用いて、対象者5のリハビリテーションを支援するためのシステムである。リハビリテーション支援システム100は、例えば、脳卒中等の脳疾患又は事故等によって、身体の一部に運動麻痺又は運動機能の低下等が生じた人を対象者5として、運動療法によるリハビリテーションを支援する。このような対象者5においては、対象者5が自己の意思又は意図に基づいて行う運動である随意運動が、不能又はその機能の低下により満足にできないことがある。本開示でいう「運動療法」は、対象者5の身体のうち、このような随意運動の不能部位又は機能の低下が生じた部位(以下、「障害部位」という)を運動させることにより、障害部位について随意運動の機能の回復を図る方法を意味する。
リハビリテーション支援システム100は、図1及び図2に示すように、脳波測定システム10(ヘッドセット1を含む)と、運動補助装置3と、制御装置4と、を備えている。
運動補助装置3は、対象者5に機械的な刺激と電気的な刺激との少なくとも一方を加えて、対象者5の運動を補助する装置である。運動補助装置3は、対象者5の左手指のリハビリテーションにリハビリテーション支援システム100が用いられるので、図1に示すように、対象者5の左手に装着される。
以下に説明するリハビリテーション支援システム100は、対象者5の左手指による把持動作及び伸展動作のリハビリテーションに用いられる。本開示でいう「把持動作」は、物をつかむ動作のことを意味する。また、本開示でいう「伸展動作」は、第1指(親指)を除く4本の手指53(第2指〜第5指)の伸展により、手を開く動作、つまり把持動作によりつかんでいる状態の「物」を放す動作のことを意味する。つまり、この対象者5においては左手指が障害部位であって、リハビリテーション支援システム100は、左手指による把持動作及び伸展動作という随意運動についてのリハビリテーションに用いられる。ただし、実際には、リハビリテーション支援システム100は、対象者5の把持動作を直接的に補助するのではなく、対象者5の手指の伸展動作を補助することで、間接的に把持動作のリハビリテーションを行う。
そのため、リハビリテーション支援システム100では、対象者5が随意運動として伸展動作を行おうとする場合に、対象者5の左手に装着された運動補助装置3が、対象者5の左の手指53に機械的な刺激と電気的な刺激との少なくとも一方を加えて、随意運動を補助する。すなわち、リハビリテーション支援システム100は、対象者5が、ペグ101(図1参照)を左手指でつかんだ姿勢から、手指53の伸展動作によりペグ101を放す際の随意運動(伸展動作)を補助する。ただし、この例に限らず、リハビリテーション支援システム100は、例えば、対象者5の右手指のリハビリテーションに用いられてもよい。
運動補助装置3は、図2に示すように、手指駆動装置31と、電気刺激発生装置32と、を有している。
手指駆動装置31は、第1指(親指)を除く4本の手指53(第2指〜第5指)を保持し、これら4本の手指53に機械的な刺激(外力)を与えることによって、4本の手指53を動かす装置である。手指駆動装置31は、例えば、モータ又はソレノイド等の動力源を含み、動力源で発生した力を4本の手指53に伝えることによって、4本の手指53を動かす。手指駆動装置31では、保持した4本の手指53を、第1指から離れる向きに移動(つまり伸展運動)させる「開動作」と、第1指に近づく向きに移動(つまり把持運動)させる「閉動作」と、の2種類の動作が可能である。手指駆動装置31の開動作により対象者5の伸展動作が補助され、手指駆動装置31の閉動作により対象者5の把持動作が補助される。
電気刺激発生装置32は、対象者5の手指53を動かすための部位に、電気的な刺激を与える装置である。ここで、対象者5の手指53を動かすための部位は、対象者5の手指53の筋肉と神経との少なくとも一方に対応する部位を含む。例えば、対象者5の手指53を動かすための部位は、対象者5の腕の一部である。電気刺激発生装置32は、例えば、対象者5の身体(例えば腕)に貼り付けられるパッドを含む。、電気刺激発生装置32は、パッドから対象者5の身体に電気的な刺激(電流)を与えることによって、手指53を動かすための部位へ刺激を与える。
制御装置4は、脳波測定システム10にて取得された脳波情報に基づいて、運動補助装置3を制御する。言い換えれば、制御装置4は、ヘッドセット1の電極部11にて採取された対象者5の脳波に応じて、運動補助装置3を制御する。制御装置4は、脳波測定システム10の情報処理装置2、及び運動補助装置3に対して電気的に接続されている。制御装置4には、運動補助装置3及び制御装置4の動作用電力を供給するための電源ケーブルが接続されている。制御装置4は、運動補助装置3の手指駆動装置31を駆動するための駆動回路、及び電気刺激発生装置32を駆動するための発振回路を含んでいる。制御装置4は、例えば、有線通信により、情報処理装置2から制御信号を受信する。
制御装置4は、情報処理装置2から第1の制御信号を受信すると、駆動回路にて運動補助装置3の手指駆動装置31を駆動し、手指駆動装置31にて「開動作」が行われるように運動補助装置3を制御する。また、制御装置4は、情報処理装置2から第2の制御信号を受信すると、駆動回路にて運動補助装置3の手指駆動装置31を駆動し、手指駆動装置31にて「閉動作」が行われるように運動補助装置3を制御する。また、制御装置4は、情報処理装置2から第3の制御信号を受信すると、発振回路にて運動補助装置3の電気刺激発生装置32を駆動し、対象者5の身体に電気的な刺激が与えられるように運動補助装置3を制御する。
このように、制御装置4は、脳波測定システム10から出力される制御信号に基づいて、運動補助装置3を制御することによって、脳波測定システム10にて取得された脳波情報に基づいて運動補助装置3を制御することが可能である。また、制御装置4は、制御装置4に備えられた操作スイッチの操作に応じて、手指駆動装置31にて「開動作」及び「閉動作」が行われるように運動補助装置3を制御することもできる。
例えば、理学療法士又は作業療法士等の医療スタッフが、対象者5の手指53を持って対象者5の随意運動を補助する場合と同様に、リハビリテーション支援システム100にて、随意運動の補助が可能になる。そのため、リハビリテーション支援システム100によれば、医療スタッフが補助する場合と同様に、対象者5が単独で随意運動を行う場合に比べて効果的な、運動療法によるリハビリテーションを実現可能となる。
ところで、上述のようなリハビリテーションを支援するためには、リハビリテーション支援システム100は、対象者5が随意運動を行おうとする場合に、運動補助装置3にて対象者5の随意運動を補助することが望ましい。リハビリテーション支援システム100は、脳波測定システム10にて測定された対象者5の脳波(脳波情報)に、運動補助装置3を連動させることにより、対象者5の随意運動に合わせた運動補助装置3での随意運動の補助を実現する。言い換えれば、リハビリテーション支援システム100は、脳活動(脳波)を利用して機械(運動補助装置3)を操作する、ブレイン・マシン・インタフェース(Brain-machine Interface:BMI)の技術を利用して、運動療法によるリハビリテーションを実現する。
対象者5が随意運動を行う際には(つまり、対象者5が随意運動を行う過程で)、脳波に特徴的な変化が生じ得る。つまり、対象者5が随意運動を行おうと企図(想起)した際には、随意運動の対象となる部位に対応する脳領域の活性化が起き得る。このような脳領域の例としては、体性感覚運動皮質が挙げられる。このような脳領域の活性化が起こるタイミングに合わせて、運動補助装置3にて対象者5の随意運動を補助すると、より効果的なリハビリテーションが期待できる。このような脳領域の活性化は、脳波の特徴的な変化として検出され得る。そのため、リハビリテーション支援システム100は、この特徴的な変化が発生するタイミングに合わせて、運動補助装置3にて対象者5の随意運動の補助を実行する。このような特徴的な変化は、随意運動が実際に行われなくても、対象者5が随意運動を想起(image)した際(つまり運動企図中)に生じ得る。つまり、このような脳波の特徴的な変化は、随意運動が実際に行われなくても、対象者5が随意運動を行おうと企図(想起)したことによって対応する脳領域が活性化すれば、生じ得る。そのため、随意運動が不能な状態の対象者5についても、リハビリテーション支援システム100による随意運動の補助が可能である。
脳波測定システム10は、事象関連脱同期(Event-Related Desynchronization:ERD)が生じることで脳波に生じる特定の周波数帯域の強度変化を、特徴的な変化として検出する。本開示でいう「事象関連脱同期」は、随意運動時(随意運動の想起時を含む)に運動野付近で測定される脳波において、特定の周波数帯域のパワーが減少する現象を意味する。本開示でいう、「随意運動時」は、対象者5が随意運動の企図(想起)をしてから随意運動が成功又は失敗するまでの過程を意味する。「事象関連脱同期」は、この随意運動時に、随意運動の企図(想起)をトリガとして、生じ得る。事象関連脱同期によりパワーが減少する周波数帯域は、主としてα波(一例として8Hz以上13Hz未満の周波数帯域)及びβ波(一例として13Hz以上30Hz未満の周波数帯域)である。
このような構成のリハビリテーション支援システム100によれば、医療スタッフの負担を軽減しながらも、対象者5においては、効果的な、運動療法によるリハビリテーションを実現可能となる。また、リハビリテーション支援システム100によれば、例えば、対象者5の随意運動の補助を行う医療スタッフの熟練度等の人的要因によって随意運動の補助のタイミングがばらつくことがなく、リハビリテーションの効果のばらつきが低減される。特に、リハビリテーション支援システム100では、脳波に特徴的な変化が生じたタイミング(つまり、脳領域が実際に活性化したタイミング)で、対象者5の随意運動を補助することができる。このように、リハビリテーション支援システム100では、脳活動のタイミングに合わせた訓練が可能となるから、正しい脳活動の学習及び定着への貢献が期待できる。特に、脳波に特徴的な変化が起きたかどうかは、対象者5及び医療スタッフだけでは判別が困難である。したがって、リハビリテーション支援システム100を用いることで、対象者5又は医療スタッフだけでは実現が難しい効果的なリハビリテーションが可能となる。
ヘッドセット1は、図3A及び図3Bに示すように、本体15と、フレーム17と、電極部11とを備えている。本体15は、箱状であって、内部に信号処理部12と、通信部13と、電池14と、を有している(図2参照)。ヘッドセット1は電池駆動式であって、信号処理部12及び通信部13等の動作用電力が電池14から供給される。
電極部11は、対象者5の脳波(脳波信号)を採取するための電極であって、例えば、銀−塩化銀電極である。電極部11は、銀、金、又は白金等でもよい。電極部11は、第1電極111と、第2電極112とを有している。図3Bに示すように、対象者5の頭部52の表面に設定された測定箇所51は、第1測定箇所511及び第2測定箇所512を含んでいる。第1電極111は、第1測定箇所511に対応する電極であって、第1測定箇所511上に配置される。第2電極112は、第2測定箇所512に対応する電極であって、第2測定箇所512上に配置される。具体的には、第1測定箇所511及び第2測定箇所512は、頭部52の正中中心部と右耳522の耳珠前点とを結ぶ線上に、正中中心部側(上側)から第1測定箇所511、第2測定箇所512の順に並んで配置されている。
対象者5が随意運動を行おうと企図(想起)した際には、通常、身体の随意運動を行う部位に対応する運動野にて、特徴的な変化を含む脳波が発生する。そこで、脳波測定システム10は、リハビリテーションの対象である障害部位に対応する運動野付近から採取される脳波を測定対象とする。ここで、左手指に対応する運動野は対象者5の右脳にあり、右手指に対応する運動野は対象者5の左脳にある。そのため、対象者5の左の手指53をリハビリテーションの対象とする場合には、対象者5の頭部52の右側に接触させた電極部11(第1電極111及び第2電極112)にて取得される脳波が、脳波測定システム10での測定対象となる。すなわち、電極部11(第1電極111及び第2電極112)は、図3Bに示すように、対象者5の頭部52の右側表面の一部からなる測定箇所51上に配置される。一例として、国際10−20法において電極記号「C4」で表される位置に電極部11(第1電極111及び第2電極112)が配置される。対象者5の右の手指をリハビリテーションの対象とする場合には、対象者5の頭部52の左側表面の一部からなる測定箇所、一例として、国際10−20法において電極記号「C3」で表される位置に電極部11(第1電極111及び第2電極112)が配置される。
また、ヘッドセット1は、参照電極113と、アース電極114を、更に備えている。参照電極113は、第1電極111及び第2電極112の各々で測定される脳波信号の基準電位を測定するための電極である。参照電極113は、頭部52における左耳521又は右耳522のいずれかの後方位置に配置される。具体的には、参照電極113は、頭部52において第1電極111及び第2電極112が配置されている側の耳の後方位置に配置される。図示例では、第1電極111及び第2電極112は、頭部52の右側表面に配置されているので、参照電極113は、右耳522の後方位置に配置される。アース電極114は、頭部52における左耳521又は右耳522のうち参照電極113が配置されていない方の耳の後方位置に配置される。参照電極113が右耳522の後方位置に配置されるので、アース電極114は、左耳521の後方位置に配置される。参照電極113及びアース電極114の各々は、ヘッドセット1の本体15に対して電線16にて電気的に接続されており、頭部52の表面(頭皮)に貼り付けられる。なお、参照電極113及びアース電極114を配置する位置は、上述したような耳の後方位置ではなく、耳たぶであってもよい。耳の後方位置及び耳たぶは、頭部において脳活動由来の生体電位の影響を受けにくい場所である。つまり、参照電極113及びアース電極114は、頭部において脳活動由来の生体電位の影響を受けにくい場所に配置されることが好ましい。
信号処理部12は、電極部11に電気的に接続されており、電極部11から入力される脳波信号(電気信号)に対して信号処理を実行し、脳波情報を生成する。脳波信号は、第1電極111の電位と、参照電極113の電位との電位差である電圧信号、及び第2電極112の電位と、参照電極113の電位との電位差である電圧信号と、を含む。つまり、ヘッドセット1は、電極部11にて対象者5の脳の活動電位を測定することで対象者5の脳波を測定し、信号処理部12にて脳波を表す脳波情報を生成する。信号処理部12は、少なくとも脳波信号を増幅する増幅器、及びA/D変換するA/D変換器を含んでおり、増幅後のディジタル形式の脳波信号を、脳波情報として出力する。
通信部13は、情報処理装置2との通信機能を有している。通信部13は、少なくとも信号処理部12で生成された脳波情報を情報処理装置2に送信する。本実施形態では、通信部13は、情報処理装置2と双方向に通信可能である。通信部13の通信方式は、例えば、Bluetooth(登録商標)等に準拠した無線通信である。通信部13からは、随時、脳波情報が情報処理装置2に送信される。
フレーム17は、馬蹄状(言い換えれば、カチューシャ(Alice band)状)である。つまり、フレーム17は、頭部52に装着された状態において、正中中心部から左耳珠及び右耳珠に向かう第1方向D1に延びる形状である。フレーム17は、第1方向に長い帯状の金属板と、金属板の少なくとも一部を覆う樹脂製のカバーと、で構成されている。フレーム17は、可撓性を有している。このため、フレーム17を撓ませることで、フレーム17の第1方向D1の両端の間隔を広げることが可能である。したがって、フレーム17を頭部52に装着する際には、頭部52の大きさに応じてフレーム17を適宜撓ませることで、フレーム17の第1方向D1の両端間に頭部52を通すことが可能である。
フレーム17の第1方向D1における中央部には、本体15が取り付けられている。ここで、本体15には、図3Aに示すように、フレーム17を頭部52に装着したときに、本体15が正中中心部に対して適切な位置に配置されているかを確認するための開口部151が設けられている。開口部151は、本体15を第1方向D1及び第2方向D2の両方に交差する(直交する)方向に貫通している。例えば、医療スタッフは、ヘッドセット1を対象者5の頭部52に装着する際に、本体15の開口部151を通して頭部52の正中中心部が視認できる位置に本体15が配置されるように、ヘッドセット1の装着位置を調整することが可能である。
フレーム17の第1方向D1の両端には、それぞれ保持部18が繋がっている。言い換えれば、フレーム17が頭部52に装着された状態において、フレーム17の左耳珠側の一端と、右耳珠側の一端とに、それぞれ保持部18が繋がっている。保持部18は、フレーム17に対して第1方向D1に沿って移動可能に構成されている。つまり、保持部18と、フレーム17の第1方向D1の一端との間の距離は、調整可能である。
保持部18は、図3Bに示すように、基部18Aと、パッド18Bと、を有している。基部18A及びパッド18Bは、いずれもフレーム17が頭部52に装着された状態において頭部52に沿うように、湾曲している。
基部18Aは、第2方向D2に長い扁平な直方体状であって、フレーム17と繋がっている。基部18Aの第2方向D2の一端(ここでは、頭部52の後頭結節側の一端)は、基部18Aの他の部位と比較して第1方向D1の寸法が大きくなっている。基部18Aのうち頭部52と対向する部位には、面ファスナーが設けられている。
パッド18Bは、第2方向D2に長い扁平な直方体状であって、基部18Aに取り付けられる。パッド18Bは、フレーム17が頭部52に装着された状態で基部18Aと頭部52との間に位置し、頭部52に接触する。パッド18Bは、例えばウレタン樹脂製であって、基部18Aよりも硬度が低い。したがって、パッド18Bは、フレーム17が頭部52に装着された状態において頭部52に接触することにより、ヘッドセット1及び頭部52に挟まれたパッド18Bが変形し、ヘッドセット1から頭部52に加わる力を低減する。
パッド18Bのうち基部18Aと対向する部位には、面ファスナーが貼り付けられている。そして、パッド18Bの面ファスナーを、基部18Aの面ファスナーに結合させることで、パッド18Bが基部18Aに取り付けられる。このように、パッド18Bは、基部18Aに対して着脱可能である。
一対の引掛け部184は、保持部18の第2方向D2の両端にそれぞれ設けられている。引掛け部184は、フック状に形成されており、バンドの一端が引っ掛かるように構成されている。バンドは、頭部52の周方向(第2方向D2)に沿って長い形状であって、弾性を有している。バンドは、その両端をそれぞれ一対の保持部18の前頭部側及び/又は後頭部側の引掛け部184に引っ掛けることにより、頭部52に装着される。バンドを装着することにより、ヘッドセット1が頭部52により強固に固定される。このため、対象者5の姿勢の変化等によってヘッドセット1の位置ずれが生じるのを抑制することができる。
フレーム17には、一対の取付部19が更に設けられている。一対の取付部19は、第1方向D1において、本体15を挟んだ両側にそれぞれ設けられている。一対の取付部19のうち少なくとも一方は、第1電極111及び第2電極112を有している。本実施形態では、一対の取付部19のうち対象者5の右耳522側の取付部19が第1電極111及び第2電極112を有している。
取付部19は、ベース190と、第1ケース191と、第2ケース192と、ハンドル193と、を有している。ベース190は、フレーム17を第2方向D2において挟み込む形状を有している。ベース190は、フレーム17に沿って第1方向D1に移動可能に構成されている。したがって、第1方向D1においてフレーム17に対するベース190の位置を調整することにより、結果として電極部11(第1電極111及び第2電極112)の位置を調整することが可能である。
ハンドル193は、ベース190に設けられている。ハンドル193は、ベース190がフレーム17に対して固定された状態と、ベース190がフレーム17に対して移動可能な状態とを択一的に切り替えるために用いられる。具体的には、ハンドル193を締め付けることにより、ベース190がフレーム17に対して固定された状態となり、ハンドル193を緩めることにより、ベース190がフレーム17に対して移動可能な状態となる。
第1ケース191及び第2ケース192は、いずれも楕円形状の底部を有する筒体である。第1ケース191は、第1底部(頭部52と対向する底部)がベース190に取り付けられており、内部に第1電極111及び第2電極112が保持されている。第1電極111及び第2電極112は、いずれも第1端(頭部52と対向する一端)が第1ケース191から突出している。第1電極111及び第2電極112は、いずれも第1ケース191からの突出量を変更できるように、第1ケース191に対して相対的に移動可能に構成されている。第1ケース191には、コイルばねが収納されている。コイルばねは、第1電極111及び第2電極112の第2端と、第1ケース191の第2底部(第1底部と反対側の底部)との間に配置されている。コイルばねの一端は、第1ケース191の底部に固定されている。
第2ケース192は、第1端(頭部52と対向する一端)が開口しており、第1ケース191よりも頭部52の表面(頭皮)の法線方向から見たときの外形が大きい。第2ケース192は、開口を通して内側に第1ケース191の一部を収納するように、第1ケース191と組み合わされている。第2ケース192は、コイルスプリングが伸縮する方向において、第1位置と第2位置との間で、第1ケース191に対して相対的に移動可能に構成されている。第1位置では、第2ケース192からの第1ケース191の突出量が最小となり、第2位置では、第2ケース192からの第1ケース191の突出量が最大となる。第2ケース192の第2端(第1端と反対側の一端)の内底部には、第1ケース191の第2底部を貫通するシャフトの第1端が固定されている。シャフトの第2端は、第1電極111及び第2電極112に固定されている。したがって、第2ケース192を第1ケース191に対して第1位置と第2位置との間で移動させることにより、第2ケース192及びシャフトの移動に伴って第1電極111及び第2電極112も移動する。つまり、第2ケース192を第1ケース191に対して移動させることにより、第1電極111及び第2電極112の第1ケース191からの突出量を調整することが可能である。
さらに、第2ケース192は、第2位置において、第1ケース191に対して第2方向D2に移動可能に構成されている。そして、第2ケース192を第2位置において第2方向D2に移動させることにより、第2ケース192の第1端が第1ケース191の第2底部に引っ掛かる。ここで、第2ケース192を引っ張ることで、第2ケース192を第1位置から第2位置に移動させると、第1電極111及び第2電極112が第1ケース191の内側へと移動してコイルばねが圧縮される。そして、第2ケース192を引っ張る力を解除すると、コイルばねの弾性力により第1電極111及び第2電極112が元の状態に復帰する。一方、上述のように第2ケース192を第1ケース191に引っ掛けた場合、第2ケース192の第2位置から第1位置への移動が規制されるので、コイルばねが圧縮した状態を維持させることができる。つまり、この場合、第1電極111及び第2電極112が第1ケース191の内側へ移動した状態を維持させることができる。
ヘッドセット1が対象者5の頭部52に装着された状態では、第1電極111及び第2電極112の各々が頭部52に押されて第1ケース191の内側へ移動した状態に維持される。つまり、第1電極111及び第2電極112の各々は、圧縮されたコイルばねの弾性力によって頭部52の測定箇所51を押している。ヘッドセット1で対象者5の脳波を計測する際、第1電極111及び第2電極112を頭部52の測定箇所51に密着させることが望ましい。そのためにヘッドセット1では、第1電極111及び第2電極112をコイルばねの弾性力で測定箇所51に押し当てることにより、第1電極111及び第2電極112と測定箇所51の密着度を高めている。ここで、第1電極111及び第2電極112が測定箇所51に押し当てられる時間が長くなればなるほど、第1電極111及び第2電極112が押し当てられている測定箇所51に紅斑が生じ易くなる。そして、測定箇所51に紅斑が生じた場合、当該紅斑が持続性の紅斑なのか一時的な紅斑なのかを見極める(評価する)必要がある。持続性の紅斑は、血管の破綻によって赤血球が漏出して生じ、やがて褥瘡になる可能性が高いと考えられる。褥瘡は不可逆的に阻血障害に陥った状態であるので、発生初期には紅斑となって現れることが多い。一方、一時的な紅斑は、真皮深層の微小血管の拡張による反応性充血であって褥瘡ではない。
一般に、持続性の紅斑と一時的な紅斑を簡易的に見分ける方法として、指押し法がある。指押し法は、検査者が紅斑部分を指で3秒押して当該紅斑部分が白っぽく変化するかどうかを見て判定する方法である。紅斑部分が白くなる場合は、可逆性のある皮膚の状態(反応性充血)であって褥瘡ではないと判定でき、白く消退しない場合は持続性の紅斑で褥瘡と判定できる。
しかしながら、上述のような指押し法では検査者の個人差による判定結果のばらつきが大きいという問題がある。そこで、従来技術で説明したような方法で測定箇所51の紅斑値を測定し、紅斑値に基づいて、当該紅斑が持続性の紅斑なのか一時的な紅斑なのかを判定することが好ましい。ただし、上述したヘッドセット1の装着によって紅斑が生じる測定箇所51に頭髪が生えている場合、例えリハビリテーションを行うためとはいえ、頭髪を剃ることを対象者5に納得させることは難しい。一方、頭髪を剃らずに頭髪の下の頭皮の紅斑値を測定しようとすれば、頭髪の影響で紅斑値の測定精度が著しく低下する可能性がある。したがって、対象者5の測定箇所51に生じる炎症(紅斑)を評価するに当たっては、頭髪を剃らずに測定値(紅斑値)に対する頭髪の影響をできるだけ低減することが望まれている。
次に、本実施形態の炎症の評価システム(以下、評価システムと略す)6を説明する。評価システム6は、図4に示すように、測定器7で測定された測定値(紅斑値とメラニン値)を用いて患部の炎症を評価する。
本実施形態の評価システム6で使用する測定器7は、プローブ70と、LED駆動回路71と、受光回路72と、制御回路73と、伝送回路74とを備えている。
プローブ70は、内部に空洞を有する円筒形状のプローブ本体700を有する。プローブ本体700の底面には円形の開口7000が設けられている。プローブ本体700の内部空間に複数(例えば、16個)のLED702と受光部703が収容されている。
複数のLED702には、放射光の波長が互いに異なる複数種類のLED、例えば、波長が568nmの緑色光を放射するLEDと、波長が660nmの赤色光を放射するLEDと、波長が880nmの赤外光を放射するLEDとが含まれる。これら3種類のLEDを含む複数のLED702は、プローブ本体700内に設けられている遮光板701の一面(図4における下面)に配置されている。
遮光板701は、中央に円形の貫通孔7010を有する円板状に形成されている。遮光板701は、貫通孔7010をプローブ本体700の開口7000に正対させるようにプローブ本体700内に配置されている。
受光部703は、例えば、ガラスレンズ付きのキャンにフォトダイオードチップを収容した光電変換素子である。ただし、受光部703はフォトダイオードチップを有する光電変換素子に限定されず、フォトトランジスタを有する光電変換素子などであってもかまわない。受光部703は、光軸が遮光板701の貫通孔7010の中心を通ってプローブ本体700の開口7000の中心と交わるようにプローブ本体700内に収容されている。
LED駆動回路71は、複数のLED702のうちで放射光の波長が同一である同種のLED702毎に駆動電流を供給して発光させることができるように構成されている。例えば、LED駆動回路71は、定電流回路とアナログスイッチを有している。アナログスイッチは、同種のLED702と定電流回路との電気的な接続状態を入切する。定電流回路は、アナログスイッチを介して電気的に接続される複数のLED702に定電流を供給する。なお、アナログスイッチの入切は、制御回路73によって制御される。
受光回路72は、受光部703に対して順方向の定電圧を印加し、かつ、受光部703に流れる順方向電流の大きさを測定する。さらに、受光回路72は、順方向電流の大きさ(受光部703の受光光量)に対応した電圧値を持つ測定信号を制御回路73に出力する。
制御回路73は、例えば、マイクロコントローラで構成される。制御回路73は、LED駆動回路71に対してアナログスイッチを入切させる制御信号と、LED駆動回路71に対して複数のLED702のうち同一の波長の光を放射する複数のLED702を駆動させるように指示する制御信号とを送信する。また、制御回路73は、受光回路72が出力する測定信号をAD変換して取り込み、ディジタル化された測定信号のデータ(測定データ)から各波長毎の光強度を求め、求めた光強度を内蔵のメモリに格納する。さらに、制御回路73は、3種類の光(緑色光、赤色光、赤外光)のうちの緑色光の光強度と赤色光の光強度を用いて紅斑値(ヘモグロビン濃度)を測定し、赤色光の光強度と赤外光の光強度を用いてメラニン値(メラニン色素濃度)を測定する。ただし、制御回路73は、1回当たり約1秒間の測定処理において紅斑値とメラニン値を一度に測定することができる。つまり、本実施形態においては、メラニン値(メラニン色素濃度)が強度値に該当する。
伝送回路74は、例えば、RS−232Cなどの汎用のシリアル通信インタフェースを有している。伝送回路74は、制御回路73で測定した紅斑値とメラニン値を含む測定値のデータを、伝送線を介して評価システム6に伝送する。なお、伝送回路74は、伝送線を介して、評価システム6から制御コマンドなどのデータを受信することもできる。ただし、伝送回路74は、例えば、RS−485及びUSB(Universal Serial Bus)などのRS−232C以外のシリアル通信インタフェースを有していてもよいし、パラレル通信インタフェースを有していてもよい。
上述のような測定器7の具体例としては、皮膚メラニン色素・ヘモグロビン計測器(Courage + Khazaka electronic GmbH社製のMexameter MX18)などがある。この皮膚メラニン色素・ヘモグロビン計測器が測定器7として用いられれば、対象者5の測定箇所51の紅斑値とメラニン値を短時間で測定することができる。ただし、測定器7は、上記皮膚メラニン色素・ヘモグロビン計測器に限定されない。
本実施形態の評価システム6は、図4に示すように、取得部60と、評価部61とを備える。評価システム6は、記憶部62と通知部63とを更に備えることが好ましい。
取得部60は、測定器7の伝送回路74との間で伝送線を介したデータ伝送を行うことにより、測定器7から測定値を取得する。つまり、取得部60は、測定器7の伝送回路74が有する通信インタフェースと同一の通信インタフェースを有している。
評価部61は、取得部60で取得する複数の測定値のうちから所定の条件を満たす測定値を評価候補の測定値として選出する。さらに、評価部61は、1つ以上の評価候補の測定値に基づいて患部(対象者5の頭部52の測定箇所51)の炎症(紅斑)を評価する。
記憶部62は、フラッシュメモリのような電気的に書換可能な不揮発性の半導体メモリで構成されることが好ましい。通知部63は、液晶ディスプレイと、液晶ディスプレイを駆動する駆動回路とを有することが好ましい。通知部63は、評価部61の評価結果を表すメッセージ又は記号などを液晶ディスプレイに表示させることによって評価者に通知する。ただし、通知部63は、ブザー又はスピーカなどの音響デバイスを有し、評価結果を音(ブザー音又は音声メッセージなど)で通知してもかまわない。
ここで、取得部60、評価部61並びに記憶部62は、マイクロコントローラのようにコンピュータシステムを1つの半導体チップに集積した半導体部品で構成されてもよい。あるいは、取得部60、評価部61並びに記憶部62は、それぞれ独立した電子回路で構成されてもよい。いずれの構成においても、評価部61は、マイクロプロセッサからなるハードウェアと、マイクロプロセッサによって実行されるプログラムを含むソフトウェアとを有している。
次に、本実施形態の評価システム6の動作(本実施形態の評価方法)について説明する。本実施形態の評価システム6による炎症の評価は、上述したリハビリテーション支援システム100によるリハビリテーションを行った対象者5の頭部52の測定箇所51に対して行われる。
まず、評価システム6の評価部61は、測定回数(の変数)nを1に初期化する(図5のフローチャートのステップS1)。評価システム6を操作する操作者は、測定器7のプローブ70を対象者5の測定箇所51に接触させて紅斑値とメラニン値を測定する。ただし、操作者は、測定箇所51の頭髪がプローブ70と頭皮との間にできるだけ挟まれないように頭髪を指で除けながら測定することが望ましい。また、操作者は、測定箇所51において操作者が眼で見て紅斑値が最も高いであろうと判断する場所にプローブ70を接触させて測定することが望ましい。ここで、操作者は、1回の測定作業が終わるたびにプローブ70を対象者5の測定箇所51から一旦離した後、再度測定箇所51に接触させて次回の測定作業を開始して紅斑値及びメラニン値を所定回数(本実施形態では7回)測定する。
ここで、測定器7で測定されるメラニン値は、測定箇所51の頭皮に沈着しているメラニン色素濃度と頭髪に含まれるメラニン色素濃度を合わせた値である。つまり、対象者5の頭髪の色が黒色である場合、メラニン値が高い程、プローブ70と頭部52の測定箇所51との間に挟まれた頭髪の量が多いと推定される。ただし、対象者5の頭髪の色が白色(白髪)である場合、メラニン値が低い程、プローブ70と頭部52の測定箇所51との間に挟まれた頭髪の量が多いと推定される。以下の説明においては、対象者5の頭髪の色を黒色とする。
評価システム6の取得部60は、測定器7で測定された7回分の測定値(紅斑値及びメラニン値)を測定器7から取得する(図5のフローチャートのステップS2)。評価部61は、取得部60が取得した7回分の測定値F1(Xk,Yk)を記憶部62に記憶させる。ただし、Xkは、1回の測定作業で7回測定されたうちのk回目の紅斑値であり、Ykは、1回の測定作業で7回測定されたうちのk回目のメラニン値である。
評価部61は、取得部60から7回分の測定値F1(Xk,Yk)を受け取ると、測定回数nをインクリメントし(図5のフローチャートのステップS3)、測定回数nが5回以上か否かを判断する(図5のフローチャートのステップS4)。評価部61は、測定回数nが5回未満であれば、カウントダウンタイマをスタートし(図5のフローチャートのステップS5)、カウントダウンタイマが所定時間(例えば、15分)をカウントアップするまで待機する(図5のフローチャートのステップS6)。
操作者は、評価部61のカウントダウンタイマが所定時間をカウントアップすると、測定器7を用いて対象者5の測定箇所51の紅斑値とメラニン値を7回測定する。評価システム6の取得部60は、測定器7で測定された7回分の測定値を測定器7から取得する(図5のフローチャートのステップS2)。評価部61は、取得部60が取得した7回分の測定値F2(Xk,Yk)を記憶部62に記憶させる。
評価部61は、取得部60から7回分の測定値F2(Xk,Yk)を受け取ると、測定回数nをインクリメントし(図5のフローチャートのステップS3)、測定回数nが5回以上か否かを判断する(図5のフローチャートのステップS4)。評価部61は、測定回数nが5回未満であれば、カウントダウンタイマをスタートし(図5のフローチャートのステップS5)、カウントダウンタイマが所定時間をカウントアップするまで待機する(図5のフローチャートのステップS6)。
図5のフローチャートのステップS2〜ステップS6の処理は、評価の開始から60分が経過するまで15分ごとにくり返される。その結果、評価システム6の記憶部62には、7個×5回=35個の測定値Fi(Xk,Yk)(ただし、i=1〜5、k=1〜7)が記憶される。
続いて、評価部61は、1回目(評価開始直後)から5回目(評価開始から約60分経過後)までの各回毎に、7個の測定値Fi(Xk,Yk)のうちから評価候補の測定値を選出する(図6のフローチャートのステップS7)。つまり、対象者5の頭髪の色が黒色であるので、測定器7のプローブ70と測定箇所51の頭皮との間に挟まれる頭髪の量が多い程、測定値Fi(Xk,Yk)におけるメラニン値Ykが高くなる。したがって、評価部61は、メラニン値Ykが所定の上限値(第1しきい値)Yth以上である測定値Fi(Xk,Yk)を評価の対象(評価候補)から外すことにより、頭髪の影響が相対的に少ないと推定される測定値Fi(Xk,Yk)を用いて炎症を評価することができる。ただし、上限値Ythは、対象者5の測定箇所51の頭皮のメラニン値が高い程、高い値に設定されることが好ましい。
図7は、X軸を紅斑値とし、Y軸をメラニン値とした2次元直交座標系に、i回目の7個の測定値Fi(Xk,Yk)をプロットした図である。評価部61は、図7においてX軸に平行な破線で示される上限値Yth以上のメラニン値Ykを有する4つの測定値Fi(X1,Y1)、Fi(X2,Y2)、Fi(X4,Y4)、Fi(X7,Y7)除いた3つの測定値Fi(X3,Y3)、Fi(X5,Y5)、Fi(X6,Y6)を評価候補の測定値に選出する。
評価部61は、各回ごとに選出した評価候補の測定値における紅斑値の平均値を算出する(図6のフローチャートのステップS8)。評価部61は、各回の紅斑値の平均値が評価開始時点(ヘッドセット1が頭部52から取り外された時点)からの時間経過とともに減少しているか否かを判定する(図6のフローチャートのステップS9)。図8は、ヘッドセット1が頭部52から取り外された時点からの経過時間(0分、15分、30分、45分、60分)を横軸にとり、紅斑値の平均値を縦軸にとって各回の紅斑値の平均値(以下、平均値と略す)の時間的な変化を表した折れ線グラフを示している。なお、図8において経過時間0分よりも前の時間の平均値は、対象者5がリハビリテーション支援システム100によるリハビリテーションを行う前(事前)に測定された平均値である。
評価部61は、各回の平均値が評価開始時点からの時間経過とともに減少していると判定すると、次に、最終回(60分経過後)の平均値と事前の平均値との差の絶対値を所定のしきい値と比較する(図6のフローチャートのステップS10)。評価部61は、最終回の平均値と事前の平均値との差の絶対値がしきい値以下であれば、対象者5の測定箇所51における紅斑が一時的な紅斑であるから、特に問題はない(評価結果OK)と判定する(図6のフローチャートのステップS11)。一方、評価部61は、最終回の平均値と事前の平均値との差の絶対値がしきい値より高ければ、対象者5の測定箇所51における紅斑が持続性の紅斑であるから、問題がある(評価結果NG)と判定する(図6のフローチャートのステップS12)。また、評価部61は、各回の平均値が評価開始時点からの時間経過とともに減少していないと判定した場合も評価結果NGと判定する(図6のフローチャートのステップS9、ステップS12)。最後に、評価部61は、評価結果を通知部63に通知させる(図6のフローチャートのステップS13)。
評価システム6は、上述のようにして対象者5の測定箇所51に生じた炎症(紅斑)が一時的な紅斑であるか、持続性の紅斑であるかを評価し、その評価結果を通知する。評価結果がNG、すなわち、測定箇所51の紅斑が持続性の紅斑である評価された場合、対象者5に対するリハビリテーションを中止し、対象者5の測定箇所51に生じた紅斑を治療することが望ましい。
上述した評価システムの動作(評価部61のマイクロプロセッサがプログラムに従って実行する処理)は一例に過ぎない。また、評価部61(マイクロプロセッサ)が測定箇所51の紅斑に対して最終的な評価を行っているが、評価部61から通知される紅斑値の経時変化に基づいて、作業者が測定箇所51の紅斑に対して最終的な評価を行ってもかまわない。また、評価システム6と同様の機能は、コンピュータシステムに評価方法を実行させるためのプログラムを記録した非一時的記録媒体で具現化されてもよい。
また、対象者5の頭髪の色が白色である場合、評価部61は、メラニン値が所定の下限値(第2しきい値)未満である測定値を評価候補から外すことにより、頭髪(白髪)の影響が相対的に少ないと推定される測定値を用いて炎症を評価することができる。ただし、下限値は、対象者5の測定箇所51の頭皮のメラニン値が低い程、低い値に設定されることが好ましい。
なお、本実施形態では、対象者5の頭部52に装着される脳活動計測装置として、頭部52に接触された脳波電極(電極部11)によって脳波を計測するように構成されたヘッドセット1を例示したが、脳活動計測装置はヘッドセット1に限定されない。ヘッドセット1以外の脳活動計測装置として、例えば、機能的近赤外分光装置を挙げることができる。機能的近赤外分光装置は、近赤外光を放射する発光装置と、近赤外光を受光して電気信号に変換する光電変換装置とを有している。機能的近赤外分光装置は、発光装置と光電変換装置を頭皮に接触させ、発光装置の近赤外光を脳内に照射し、大脳皮質の脳表に反射する近赤外光(反射光)を光電変換装置で光電変換することにより大脳皮質の脳表の血流状態(脳活動)を計測する。つまり、機能的近赤外分光装置においては、発光装置と光電変換装置で頭部52の測定箇所51が押されることにより、測定箇所51に紅斑が生じる可能性がある。
上述のように本開示の第1の態様に係る炎症の評価システム(6)は、皮膚に生じる炎症を評価する。第1の態様に係る評価システム(6)は、測定器(7)によって測定される皮膚の測定箇所(51)における紅斑値及び紅斑の色と異なる色の強度値(メラニン値)を含む測定値を取得する取得部(60)を備える。第1の態様に係る評価システム(6)は、取得部(60)で取得する複数の測定値に含まれる紅斑値に基づいて炎症を評価する評価部(61)を備える。評価部(61)は、複数の測定値の各々における強度値(メラニン値)が所定の範囲内に収まっている測定値を評価候補の測定値に選出する。評価部(61)は、評価候補の測定値に含まれる紅斑値に基づいて炎症を評価する。
第1の態様に係る炎症の評価システム(6)は、強度値(メラニン値)が所定の範囲内でない測定値を評価候補から除外することにより、皮膚に生えている体毛の影響が少ないと推定される紅斑値に基づいて炎症を評価する。その結果、第1の態様に係る炎症の評価システム(6)は、評価の精度低下の抑制を図ることができる。
本開示の第2の態様に係る炎症の評価システム(6)は、第1の態様との組み合わせにより実現され得る。第2の態様に係る評価システム(6)において、評価部(61)は、強度値を第1しきい値及び第1しきい値よりも低い第2しきい値のうちの少なくとも一方のしきい値と比較することが好ましい。評価部(61)は、複数の測定値のうちの強度値が第1しきい値以下、もしくは強度値が第2しきい値以上の測定値を評価候補の測定値に選出することが好ましい。
第2の態様に係る評価システム(6)は、体毛の色が黒色の場合と体毛の色が白色の場合のいずれの場合においても評価の精度低下の抑制を図ることができる。
本開示の第3の態様に係る炎症の評価システム(6)は、第1又は第2の態様との組み合わせにより実現され得る。第3の態様に係る評価システム(6)において、取得部(60)は、所定時間毎に測定器(7)で測定される複数の測定値を取得することが好ましい。評価部(61)は、所定時間毎に取得された複数の測定値から評価候補の測定値を選出することが好ましい。評価部(61)は、評価候補の測定値における紅斑値の時間的な変化に基づいて炎症を評価することが好ましい。
第3の態様に係る評価システム(6)は、評価部(61)が評価候補の測定値における紅斑値の時間的な変化に基づいて炎症を評価することにより、炎症による紅斑が一時的な紅斑と持続性の紅斑のいずれに該当するかを評価することができる。
本開示の第4の態様に係る炎症の評価システム(6)は、第1〜第3の態様のうちのいずれか1つの態様との組み合わせにより実現され得る。第4の態様に係る評価システム(6)において、少なくとも評価候補の測定値に含まれる紅斑値を記憶する記憶部(62)を備えることが好ましい。評価部(61)は、記憶部(62)に記憶した紅斑値に基づいて炎症を評価することが好ましい。
第4の態様に係る評価システム(6)は、評価部(61)が記憶部(62)に記憶した紅斑値に基づいて炎症を評価するので、測定値の測定直後に限らず、任意のタイミングで炎症を評価することができる。
本開示の第5の態様に係る評価方法は、皮膚に生じる炎症を評価する評価方法である。第5の態様に係る評価方法は、測定器(7)によって測定される皮膚の測定箇所(51)における紅斑値及び紅斑の色と異なる色の強度値を含む測定値を取得する。第5の態様に係る評価方法は、複数の測定値の各々における強度値(メラニン値)が所定の範囲内に収まっている測定値を評価候補の測定値に選出する。第5の態様に係る評価方法は、評価候補の測定値に含まれる紅斑値に基づいて炎症を評価する。
第5の態様に係る評価方法は、評価の精度低下の抑制を図ることができる。
本開示の第6の態様に係るプログラムは、コンピュータシステム(評価部61)に、第5の態様に係る評価方法を実行させる。
第6の態様に係るプログラムは、評価の精度低下の抑制を図ることができる。
本開示の第7の態様に係る非一時的記録媒体は、コンピュータシステムに、第5の態様に係る評価方法を実行させるためのプログラムを記録した、コンピュータシステムで読み取り可能な非一時的記録媒体である。
第7の態様に係る非一時的記録媒体は、評価の精度低下の抑制を図ることができる。
6 炎症の評価システム
7 測定器
51 測定箇所
60 取得部
61 評価部
62 記憶部

Claims (5)

  1. 皮膚に生じる炎症を評価する評価システムであって
    測定器によって測定される前記皮膚の測定箇所における紅斑値及び紅斑の色と異なる色の強度値を含む測定値を取得する取得部と、
    前記取得部で取得する複数の前記測定値に含まれる前記紅斑値に基づいて炎症を評価する評価部と
    を備え、
    前記取得部は、所定時間毎に前記測定器で測定される複数の前記測定値を取得し、
    前記評価部は、前記所定時間毎に取得された複数の前記測定値の各々における前記強度値が所定の範囲内に収まっている測定値を評価候補の測定値に選出し、前記評価候補の測定値に含まれる前記紅斑値の時間的な変化に基づいて炎症を評価し、
    前記評価部は、前記所定時間ごとに選出した前記評価候補の測定値における前記紅斑値の平均値を算出し、前記紅斑値の平均値が評価開始時点からの時間経過とともに減少していると判定した場合、最終の前記平均値と、事前の前記平均値との差の絶対値を所定のしきい値と比較することによって炎症を評価する
    炎症の評価システム。
  2. 前記評価部は、前記強度値を第1しきい値及び前記第1しきい値よりも低い第2しきい値のうちの少なくとも一方のしきい値と比較し、複数の前記測定値のうちの前記強度値が前記第1しきい値以下、もしくは前記強度値が前記第2しきい値以上の前記測定値を前記評価候補の測定値に選出する
    請求項1記載の炎症の評価システム。
  3. 少なくとも前記評価候補の測定値に含まれる前記紅斑値を記憶する記憶部を備え、
    前記評価部は、前記記憶部に記憶した前記紅斑値に基づいて炎症を評価する
    請求項1又は2記載の炎症の評価システム。
  4. コンピュータシステムに、
    測定器によって測定される前記皮膚の測定箇所における紅斑値及び紅斑の色と異なる色の強度値を含む測定値を所定時間ごとに取得するステップと、
    複数の前記測定値の各々における前記強度値が所定の範囲内に収まっている測定値を評価候補の測定値に選出するステップと、
    前記所定時間ごとに選出した前記評価候補の測定値における前記紅斑値の平均値を算出し、前記紅斑値の平均値が評価開始時点からの時間経過とともに減少していると判定した場合、最終の前記平均値と、事前の前記平均値との差の絶対値を所定のしきい値と比較することによって炎症を評価するステップと
    を実行させるためのプログラム。
  5. 請求項4のプログラムを記録した、コンピュータシステムに読み取り可能な非一時的記録媒体
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