JP2019076712A - 脳波計及び脳波測定システム - Google Patents

脳波計及び脳波測定システム Download PDF

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友康 石嶺
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Abstract

【課題】頭部に対する移動の抑制を図る。【解決手段】ヘッドセット1は、逆U字形の形状を有して対象者5の頭部52に装着可能であるフレーム17と、フレーム17に支持され、頭部52の脳波を測定するための測定箇所51に配置される電極部11とを備える。ヘッドセット1は、フレーム17を頭部52に固定するための固定部材6を備える。固定部材6は、頭部52に巻き付けられる1つ以上のバンド61、62と、バンド61、62の張力を調節する調節機構(送り環64)とを有する。【選択図】 図3

Description

本開示は、脳波計及び脳波測定システムに関し、より詳細には、電極を有して頭部に装着される脳波計、及び当該脳波計を有する脳波測定システムに関する。
従来、患者(対象者)の脳波を測定する脳波計が知られており、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1に記載の脳波計(ヘッドセット)は、ヘッドホン形状であり、患者の頭部に装着される。脳波計は、帯状の本体フレームと、本体フレームに取り付けられる電極部と、を備えている。電極部は、患者が脳波計を頭部に装着したときに、患者の運動意図に関連する脳波を測定し易い位置に配置される。
本体フレームの長手方向の両端部の内側には、それぞれ押さえ部(保持部)が取り付けられている。これらの押さえ部は、患者の頭部のこめかみに接触する接触部を有している。そして、これらの押さえ部の接触部が患者のこめかみの位置となるように、接触部の位置が調整されることで、脳波計が患者の頭部に対して移動することが抑制される。
特開2016−220770号公報
しかしながら、脳波計が装着された患者の頭部が動いたときに脳波計が頭部の前方又は後方に移動する可能性がある。そして、脳波計が頭部に対して移動した場合、脳波計が備える電極部も頭部に対して移動するので、電極部が頭部の測定箇所からずれてしまい、脳波計による脳波の測定誤差が増加するおそれ、あるいは脳波の測定が不能になるおそれがある。
本開示の目的は、頭部に対する移動の抑制を図ることができる脳波計及び脳波測定システムを提供することである。
本開示の一態様に係る脳波計は、逆U字形の形状を有して対象者の頭部に装着可能であるフレームと、前記フレームに支持され、前記頭部の脳波を測定するための測定箇所に配置される電極部と、前記フレームを前記頭部に固定するための固定部材とを備える。前記固定部材は、前記頭部に巻き付けられる1つ以上のバンドと、前記バンドの張力を調節する調節機構とを有する。
本開示の一態様に係る脳波測定システムは、前記脳波計と、前記脳波計で測定される脳波を解析する解析装置とを有する。
本開示の脳波計及び脳波測定システムは、頭部に対する移動の抑制を図ることができるという効果がある。
図1は、本開示の一態様に係るヘッドセットを含む脳波測定システム、及びそれを備えたリハビリテーション支援システムの使用状態を示す概略図である。 図2は、同上のヘッドセットの斜視図である。 図3Aは、同上のヘッドセットを頭部に装着した状態を示す上面図である。図3Bは、同上のヘッドセットを頭部に装着した状態を示す正面図である。 図4Aは、同上のヘッドセットの使用状態を示す要部斜視図である。図4Bは、同上のヘッドセットの使用状態を示す要部上面図である。 図5は、同上のヘッドセットにおける固定部材の斜視図である。 図6Aは、同上のヘッドセットにおける別の固定部材の斜視図である。図6Bは、同上の別の固定部材を取り付けた状態のヘッドセットの要部の斜視図である。 図7は、同上の脳波測定システム及びリハビリテーション支援システムの構成を示すブロック図である。
下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさ、厚さ、及びそれらの比が必ずしも実際の寸法を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
本実施形態に係る脳波計(以下、ヘッドセット1と呼ぶ。)を説明するにあたり、ヘッドセット1を用いた、本実施形態に係る脳波測定システム10について説明する。脳波測定システム10は、対象者5の脳波を測定するためのシステムであって、対象者5の頭部52の一部である測定箇所51に対応する位置に配置される電極部11から、脳波情報を取得する。本開示でいう「脳波」(Electroencephalogram:EEG)とは、大脳の神経細胞
(群)の発する電気信号(活動電位)を体外に導出し、記録した波形を意味する。本開示においては、特に断りが無い限り、大脳皮質の多数のニューロン群(神経網)の総括的な活動電位を対象として、これを頭皮に装着した電極部11を用いて記録する頭皮上脳波を「脳波」という。
脳波測定システム10は、図1及び図2に示すように、電極部11を有するヘッドセット1と、解析装置(以下、情報処理装置2と呼ぶ。)と、を備えている。ヘッドセット1は、対象者5の頭部52の表面(頭皮)に電極部11を接触させた状態で、対象者5の頭部52に装着される(図3B参照)。本開示では、電極部11は、頭部52の表面に塗布されたペースト(電極糊)上に載せられることで、頭部52の表面に接触する。このとき、電極部11は、毛髪をかき分けることにより、毛髪を介さずに頭部52の表面に接触する。もちろん、電極部11は、ペーストを塗布することなく、頭部52の表面に直接、接触してもよい。つまり、本開示では、「電極部11を頭部52の表面に接触させる」とは、電極部11を直接、頭部52の表面に接触させることの他、中間物を介して電極部11を間接的に頭部52の表面に接触させることも含む。中間物は、ペーストに限定されず、例えば導電性を有するゲルであってもよい。
ヘッドセット1は、電極部11にて対象者5の脳の活動電位を測定することで対象者5の脳波を測定し、脳波を表す脳波情報を生成する。ヘッドセット1は、例えば、無線通信により、脳波情報を情報処理装置2に送信する。
情報処理装置2は、例えば、パーソナルコンピュータ等のコンピュータシステムを主構成とする。情報処理装置2は、例えば、無線通信により、ヘッドセット1からの脳波情報を受信し、ヘッドセット1から取得した脳波情報に対して、種々の処理を施したり、脳波情報を表示したりする。本実施形態では、対象者5が随意運動(voluntary movement)を行う際に生じる(つまり、対象者5が随意運動を行おうと企図した際に生じ得る)特徴的な変化を含む脳波の検出、及びキャリブレーション(calibration)処理等は、情報処理装置2にて行われる。本開示でいう「キャリブレーション処理」は、脳波情報の解析、つまり検出対象となる脳波の検出に用いる各種のパラメータを決定するための処理である。
続いて、本実施形態に係るリハビリテーション支援システム100を説明する。
リハビリテーション支援システム100は、ヘッドセット1を含む脳波測定システム10を用いて、対象者5のリハビリテーションを支援するためのシステムである。リハビリテーション支援システム100は、例えば、脳卒中等の脳疾患又は事故等によって、身体の一部に運動麻痺又は運動機能の低下等が生じた人を対象者5として、運動療法によるリハビリテーションを支援する。このような対象者5においては、対象者5が自己の意思又は意図に基づいて行う運動である随意運動が、不能又はその機能の低下により満足にできないことがある。本開示でいう「運動療法」は、対象者5の身体のうち、このような随意運動の不能部位又は機能の低下が生じた部位(以下、「障害部位」という)を運動させることにより、障害部位について随意運動の機能の回復を図る方法を意味する。
リハビリテーション支援システム100は、図1及び図7に示すように、脳波測定システム10(ヘッドセット1を含む)と、運動補助装置3と、制御装置4と、を備えている。
運動補助装置3は、対象者5に機械的な刺激と電気的な刺激との少なくとも一方を加えて、対象者5の運動を補助する装置である。本実施形態では、対象者5の左手指のリハビリテーションにリハビリテーション支援システム100が用いられるので、図1に示すように、運動補助装置3は、対象者5の左手に装着される。
本実施形態では、対象者5の左手指による把持動作及び伸展動作のリハビリテーションに、リハビリテーション支援システム100が用いられる場合を例示する。本開示でいう「把持動作」は、物をつかむ動作のことを意味する。また、本開示でいう「伸展動作」は、第1指(親指)を除く4本の手指53(第2指〜第5指)の伸展により、手を開く動作、つまり把持動作によりつかんでいる状態の「物」を放す動作のことを意味する。つまり、この対象者5においては左手指が障害部位であって、リハビリテーション支援システム100は、左手指による把持動作及び伸展動作という随意運動についてのリハビリテーションに用いられる。ただし、実際には、リハビリテーション支援システム100は、対象者5の把持動作を直接的に補助するのではなく、対象者5の手指の伸展動作を補助することで、間接的に把持動作のリハビリテーションを行う。
そのため、リハビリテーション支援システム100では、対象者5が随意運動として伸展動作を行おうとする場合に、対象者5の左手に装着された運動補助装置3が、対象者5の左の手指53に機械的な刺激と電気的な刺激との少なくとも一方を加えて、随意運動を補助する。本実施形態では、対象者5が、ペグ101(図1参照)を左手指でつかんだ姿勢から、手指53の伸展動作によりペグ101を放す際の随意運動(伸展動作)を、リハビリテーション支援システム100にて補助する場合について説明する。ただし、この例に限らず、リハビリテーション支援システム100は、例えば、対象者5の右手指のリハビリテーションに用いられてもよい。
運動補助装置3は、図7に示すように、手指駆動装置31と、電気刺激発生装置32と、を有している。
手指駆動装置31は、第1指(親指)を除く4本の手指53(第2指〜第5指)を保持し、これら4本の手指53に機械的な刺激(外力)を与えることによって、4本の手指53を動かす装置である。手指駆動装置31は、例えば、モータ又はソレノイド等の動力源を含み、動力源で発生した力を4本の手指53に伝えることによって、4本の手指53を動かす。手指駆動装置31では、保持した4本の手指53を、第1指から離れる向きに移動(つまり伸展動作)させる「開動作」と、第1指に近づく向きに移動(つまり把持動作)させる「閉動作」と、の2種類の動作が可能である。手指駆動装置31の開動作により対象者5の伸展動作が補助され、手指駆動装置31の閉動作により対象者5の把持動作が補助される。
電気刺激発生装置32は、対象者5の手指53を動かすための部位に、電気的な刺激を与える装置である。ここで、対象者5の手指53を動かすための部位は、対象者5の手指53の筋肉と神経との少なくとも一方に対応する部位を含む。例えば、対象者5の手指53を動かすための部位は、対象者5の腕の一部である。電気刺激発生装置32は、例えば、対象者5の身体(例えば腕)に貼り付けられるパッドを含む。電気刺激発生装置32は、パッドから対象者5の身体に電気的な刺激(電流)を与えることによって、手指53を動かすための部位へ刺激を与える。
制御装置4は、脳波測定システム10にて取得された脳波情報に基づいて、運動補助装置3を制御する。言い換えれば、制御装置4は、ヘッドセット1の電極部11にて採取された対象者5の脳波に応じて、運動補助装置3を制御する。本実施形態では、制御装置4は、脳波測定システム10の情報処理装置2、及び運動補助装置3に対して電気的に接続されている。制御装置4には、運動補助装置3及び制御装置4の動作用電力を供給するための電源ケーブルが接続されている。制御装置4は、運動補助装置3の手指駆動装置31を駆動するための駆動回路、及び電気刺激発生装置32を駆動するための発振回路を含んでいる。制御装置4は、例えば、有線通信により、情報処理装置2から制御信号を受信する。
制御装置4は、情報処理装置2から第1の制御信号を受信すると、駆動回路にて運動補助装置3の手指駆動装置31を駆動し、手指駆動装置31にて「開動作」が行われるように運動補助装置3を制御する。また、制御装置4は、情報処理装置2から第2の制御信号を受信すると、駆動回路にて運動補助装置3の手指駆動装置31を駆動し、手指駆動装置31にて「閉動作」が行われるように運動補助装置3を制御する。また、制御装置4は、情報処理装置2から第3の制御信号を受信すると、発振回路にて運動補助装置3の電気刺激発生装置32を駆動し、対象者5の身体に電気的な刺激が与えられるように運動補助装置3を制御する。
このように、制御装置4は、脳波測定システム10から出力される制御信号に基づいて、運動補助装置3を制御することによって、脳波測定システム10にて取得された脳波情報に基づいて運動補助装置3を制御することが可能である。また、制御装置4は、制御装置4に備えられた操作スイッチの操作に応じて、手指駆動装置31にて「開動作」及び「閉動作」が行われるように運動補助装置3を制御することもできる。
本実施形態では、例えば、理学療法士又は作業療法士等の医療スタッフが、対象者5の手指53を持って対象者5の随意運動を補助する場合と同様に、リハビリテーション支援システム100にて、随意運動の補助が可能になる。そのため、リハビリテーション支援システム100によれば、医療スタッフが補助する場合と同様に、対象者5が単独で随意運動を行う場合に比べて効果的な、運動療法によるリハビリテーションを実現可能となる。
ところで、上述のようなリハビリテーションを支援するためには、リハビリテーション支援システム100は、対象者5が随意運動を行おうとする場合に、運動補助装置3にて対象者5の随意運動を補助することが望ましい。リハビリテーション支援システム100は、脳波測定システム10にて測定された対象者5の脳波(脳波情報)に、運動補助装置3を連動させることにより、対象者5の随意運動に合わせた運動補助装置3での随意運動の補助を実現する。言い換えれば、リハビリテーション支援システム100は、脳活動(脳波)を利用して機械(運動補助装置3)を操作する、ブレイン・マシン・インタフェース(Brain-machine Interface:BMI)の技術を利用して、運動療法によるリハビリテーションを実現する。
対象者5が随意運動を行う際には(つまり、対象者5が随意運動を行う過程で)、脳波に特徴的な変化が生じ得る。つまり、対象者5が随意運動を行おうと企図(想起)した際には、随意運動の対象となる部位に対応する脳領域の活性化が起き得る。このような脳領域の例としては、体性感覚運動皮質が挙げられる。このような脳領域の活性化が起こるタイミングに合わせて、運動補助装置3にて対象者5の随意運動を補助すると、より効果的なリハビリテーションが期待できる。このような脳領域の活性化は、脳波の特徴的な変化として検出され得る。そのため、リハビリテーション支援システム100は、この特徴的な変化が発生するタイミングに合わせて、運動補助装置3にて対象者5の随意運動の補助を実行する。このような特徴的な変化は、随意運動が実際に行われなくても、対象者5が随意運動を想起(image)した際(つまり運動企図中)に生じ得る。つまり、このような脳波の特徴的な変化は、随意運動が実際に行われなくても、対象者5が随意運動を行おうと企図(想起)したことによって対応する脳領域が活性化すれば、生じ得る。そのため、随意運動が不能な状態の対象者5についても、リハビリテーション支援システム100による随意運動の補助が可能である。
本実施形態の脳波測定システム10は、事象関連脱同期(Event-Related Desynchronization:ERD)が生じることで脳波に生じる特定の周波数帯域の強度変化を、特徴的な変化として検出する。本開示でいう「事象関連脱同期」は、随意運動時(随意運動の想起時を含む)に運動野付近で測定される脳波において、特定の周波数帯域のパワーが減少する現象を意味する。本開示でいう、「随意運動時」は、対象者5が随意運動の企図(想起)をしてから随意運動が成功又は失敗するまでの過程を意味する。「事象関連脱同期」は、この随意運動時に、随意運動の企図(想起)をトリガとして、生じ得る。事象関連脱同期によりパワーが減少する周波数帯域は、主としてα波(一例として8Hz以上13Hz未満の周波数帯域)及びβ波(一例として13Hz以上30Hz未満の周波数帯域)である。
このような構成のリハビリテーション支援システム100によれば、医療スタッフの負担を軽減しながらも、対象者5においては、効果的な、運動療法によるリハビリテーションを実現可能となる。また、リハビリテーション支援システム100によれば、例えば、対象者5の随意運動の補助を行う医療スタッフの熟練度等の人的要因によって随意運動の補助のタイミングがばらつくことがなく、リハビリテーションの効果のばらつきが低減される。特に、リハビリテーション支援システム100では、脳波に特徴的な変化が生じたタイミング(つまり、脳領域が実際に活性化したタイミング)で、対象者5の随意運動を補助することができる。このように、リハビリテーション支援システム100では、脳活動のタイミングに合わせた訓練が可能となるから、正しい脳活動の学習及び定着への貢献が期待できる。特に、脳波に特徴的な変化が起きたかどうかは、対象者5及び医療スタッフだけでは判別が困難である。したがって、リハビリテーション支援システム100を用いることで、対象者5又は医療スタッフだけでは実現が難しい効果的なリハビリテーションが可能となる。
本実施形態では、対象者5がリハビリテーション支援システム100を利用する際に、理学療法士又は作業療法士等の医療スタッフが対象者5に付き添い、リハビリテーション支援システム100の操作等については医療スタッフが行うことと仮定する。ただし、リハビリテーション支援システム100を利用する対象者5に医療スタッフが付き添うことは必須ではなく、例えば、リハビリテーション支援システム100の操作等を対象者5、又は対象者5の家族等が行ってもよい。
次に、ヘッドセット1について図2、図3A、図3B、図4A及び図4Bを参照して説明する。なお、図面に示す「D1」及び「D2」の矢印は、いずれも説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。
ヘッドセット1は、図3〜図4Bに示すように、本体15と、フレーム17と、電極部11とを備えている。ヘッドセット1は、一対の保持部18と、取付部19とを更に備えている。
本体15は、箱状であって、内部に信号処理部12と、通信部13と、電池14と、を有している。本実施形態では、ヘッドセット1は電池駆動式であって、信号処理部12及び通信部13等の動作用電力が電池14から供給される。
電極部11は、対象者5の脳波(脳波信号)を採取するための電極であって、例えば、銀−塩化銀電極である。電極部11は、銀、金、又は白金等でもよい。電極部11は、第1電極111と、第2電極112と、を有している。本実施形態では、図3Bに示すように、対象者5の頭部52の表面に設定された測定箇所51は、第1測定箇所511及び第2測定箇所512を含んでいる。第1電極111は、第1測定箇所511に対応する電極であって、第1測定箇所511上に配置される。第2電極112は、第2測定箇所512に対応する電極であって、第2測定箇所512上に配置される。具体的には、第1測定箇所511及び第2測定箇所512は、頭部52の正中中心部と右耳522の耳介前点とを結ぶ線上に、正中中心部側(上側)から第1測定箇所511、第2測定箇所512の順に並んで配置されている。
対象者5が随意運動を行おうと企図(想起)した際には、通常、身体の随意運動を行う部位に対応する運動野にて、特徴的な変化を含む脳波が発生する。そこで、脳波測定システム10は、リハビリテーションの対象である障害部位に対応する運動野付近から採取される脳波を測定対象とする。ここで、左手指に対応する運動野は対象者5の脳の右側にあり、右手指に対応する運動野は対象者5の脳の左側にある。そのため、本実施形態のように対象者5の左の手指53をリハビリテーションの対象とする場合には、対象者5の頭部52の右側に接触させた電極部11(第1電極111及び第2電極112)にて取得される脳波が、脳波測定システム10での測定対象となる。すなわち、電極部11(第1電極111及び第2電極112)は、図3Bに示すように、対象者5の頭部52の右側表面の一部からなる測定箇所51上に配置される。一例として、国際10−20法において電極記号「C4」で表される位置に電極部11(第1電極111及び第2電極112)が配置される。対象者5の右の手指をリハビリテーションの対象とする場合には、対象者5の頭部52の左側表面の一部からなる測定箇所、一例として、国際10−20法において電極記号「C3」で表される位置に電極部11(第1電極111及び第2電極112)が配置される。
また、本実施形態では、ヘッドセット1は、参照電極113と、アース電極114と、を更に備えている。参照電極113は、第1電極111及び第2電極112の各々で測定される脳波信号の基準電位を測定するための電極である。参照電極113は、頭部52における左耳521又は右耳522のいずれかの後方位置に配置される。具体的には、参照電極113は、頭部52において第1電極111及び第2電極112が配置されている側の耳の後方位置に配置される。本実施形態では、第1電極111及び第2電極112は、頭部52の右側表面に配置されているので、参照電極113は、右耳522の後方位置に配置される。アース電極114は、頭部52における左耳521又は右耳522のうち参照電極113が配置されていない方の耳の後方位置に配置される。本実施形態では、参照電極113が右耳522の後方位置に配置されるので、アース電極114は、左耳521の後方位置に配置される。参照電極113及びアース電極114の各々は、ヘッドセット1の本体15に対して電線16にて電気的に接続されており、頭部52の表面(頭皮)に貼り付けられる。なお、参照電極113及びアース電極114を配置する位置は、上述したような耳の後方位置ではなく、耳たぶであってもよい。耳の後方位置及び耳たぶは、頭部において脳活動由来の生体電位の影響を受けにくい場所である。つまり、参照電極113及びアース電極114は、頭部において脳活動由来の生体電位の影響を受けにくい場所に配置されることが好ましい。
信号処理部12は、電極部11に電気的に接続されており、電極部11から入力される脳波信号(電気信号)に対して信号処理を実行し、脳波情報を生成する。脳波信号は、第1電極111の電位と、参照電極113の電位との電位差である電圧信号、及び第2電極112の電位と、参照電極113の電位との電位差である電圧信号と、を含む。つまり、ヘッドセット1は、電極部11にて対象者5の脳の活動電位を測定することで対象者5の脳波を測定し、信号処理部12にて脳波を表す脳波情報を生成する。信号処理部12は、少なくとも脳波信号を増幅する増幅器、及びA/D変換するA/D変換器を含んでおり、増幅後のディジタル形式の脳波信号を、脳波情報として出力する。
通信部13は、情報処理装置2との通信機能を有している。通信部13は、少なくとも信号処理部12で生成された脳波情報を情報処理装置2に送信する。本実施形態では、通信部13は、情報処理装置2と双方向に通信可能である。通信部13の通信方式は、例えば、Bluetooth(登録商標)等に準拠した無線通信である。通信部13からは、随時、脳波情報が情報処理装置2に送信される。
フレーム17は、逆U字形状(言い換えれば、カチューシャ(Alice band)状)である。つまり、フレーム17は、頭部52に装着された状態において、正中中心部から左耳介及び右耳介に向かう第1方向D1に延びる形状である。本実施形態では、フレーム17は、第1方向に長い帯状の金属板と、金属板の少なくとも一部を覆う樹脂製のカバーと、で構成されている。フレーム17は、可撓性を有している。このため、フレーム17を撓ませることで、フレーム17の第1方向D1の両端間の間隔を広げることが可能である。したがって、フレーム17を頭部52に装着する際には、頭部52の大きさに応じてフレーム17を適宜撓ませることで、フレーム17の第1方向D1の両端間に頭部52を通すことが可能である。
フレーム17の第1方向D1における中央部には、本体15が取り付けられている。ここで、本体15には、図3Aに示すように、フレーム17を頭部52に装着したときに、本体15が正中中心部に対して適切な位置に配置されているかを確認するための開口部151が設けられている。開口部151は、本体15を第1方向D1及び第2方向D2の両方に交差する(直交する)方向に貫通している。例えば、医療スタッフは、ヘッドセット1を対象者5の頭部52に装着する際に、本体15の開口部151を通して頭部52の正中中心部が視認できる位置に本体15が配置されるように、ヘッドセット1の装着位置を調整することが可能である。
フレーム17の第1方向D1の両端には、それぞれ保持部18が繋がっている。言い換えれば、フレーム17が頭部52に装着された状態において、フレーム17の左耳介側の一端と、右耳介側の一端とに、それぞれ保持部18が繋がっている。保持部18は、フレーム17に対して第1方向D1に沿って移動可能に構成されている。つまり、保持部18と、フレーム17の第1方向D1の一端との間の距離は、調整可能である。
保持部18は、図2及び図3Bに示すように、基部18Aと、パッド18Bと、を有している。基部18A及びパッド18Bは、いずれもフレーム17が頭部52に装着された状態において頭部52に沿うように、湾曲している。
基部18Aは、第2方向D2に長い扁平な直方体状であって、フレーム17と繋がっている。基部18Aの第2方向D2の一端(ここでは、頭部52の後頭結節側の一端)は、基部18Aの他の部位と比較して第1方向D1の寸法が大きくなっている(図2及び図4A参照)。基部18Aのうち頭部52と対向する部位には、パッド18Bの一部が嵌り込む取付凹部が設けられている。取付凹部は、フレーム17が頭部52に装着された状態において、頭部52から離れる向きに窪んでいる。取付凹部の底部には、面ファスナが貼り付けられている。
パッド18Bは、第2方向D2に長い扁平な直方体状であって、基部18Aに取り付けられる。パッド18Bは、フレーム17が頭部52に装着された状態で基部18Aと頭部52との間に位置し、頭部52に接触する。パッド18Bは、例えばウレタン樹脂製であって、基部18Aよりも硬度が低い。したがって、パッド18Bは、フレーム17が頭部52に装着された状態において頭部52に接触することにより、ヘッドセット1及び頭部52に挟まれたパッド18Bが変形し、ヘッドセット1から頭部52に加わる力を低減する。
パッド18Bのうち基部18Aと対向する部位には、面ファスナが貼り付けられている。そして、パッド18Bの面ファスナを、取付凹部の面ファスナに結合させることで、パッド18Bが基部18Aに取り付けられる。このように、本実施形態では、パッド18Bは、基部18Aに対して着脱可能である。
また、本実施形態では、パッド18Bは、フレーム17が頭部52に装着された状態において、頭部52を左側方又は右測方から見た場合に、基部18Aよりも寸法が大きくなっている。つまり、パッド18Bは、基部18Aに取り付けられた状態で、基部18Aにおけるパッド18Bとの対向面の外周縁から突出する部位を有している。
保持部18(ここでは、パッド18B)は、図4A及び図4Bに示すように、第1端部181と、第2端部182と、中間部183と、を有している。第1端部181は、保持部18の第2方向D2の第1端(ここでは、頭部52の鼻根側の一端)に位置し、フレーム17が頭部52に装着された状態で頭部52に接触する部位である。第2端部182は、保持部18の第2方向D2の第2端(ここでは、頭部52の後頭結節側の一端)に位置し、フレーム17が頭部52に装着された状態で頭部52に接触する部位である。つまり、第2端部182は、フレーム17が頭部52に装着された状態で、第1端部181とは異なる位置で頭部52に接触する。以下、フレーム17が頭部52に装着された状態において、第1端部181の頭部52と接触する面を「接触面A1」、第2端部182の頭部52と接触する面を「接触面A2」、という。
本実施形態では、第2端部182は、フレーム17が頭部52に装着された状態において、頭部52を左側方又は右側方から見た場合に、第1端部181よりも第1方向D1の寸法が大きくなっている。つまり、フレーム17が頭部52に装着された状態において、第2端部182の接触面A2の面積は、第1端部181の接触面A1の面積よりも大きくなっている。
中間部183は、第1端部181と第2端部182とを繋ぐ部位である。言い換えれば、中間部183は、第2方向D2にて第1端部181及び第2端部182と並んでおり、第1端部181と第2端部182との間に位置する部位である。中間部183は、第1端部181及び第2端部182と同様に、フレーム17が頭部52に装着された状態で頭部52に接触する。以下、フレーム17が頭部52に装着された状態において、中間部183の頭部52と接触する面を「接触面A3」という。
本実施形態では、第1端部181及び第2端部182は、フレーム17が頭部52に装着された状態において、頭部52の側頭部における、こめかみ(temple)を挟んだ両側の部位に接触するのが好ましい。また、中間部183は、フレーム17が頭部52に装着された状態において、頭部52の側頭部における、こめかみに接触するのが好ましい。頭部52の大きさ及び形状等には個人差があるが、本体15の開口部151を通して正中中心部を視認できるようにフレーム17を頭部52に装着することで、概ね上記の位置に第1端部181、第2端部182、及び中間部183を配置することが可能である。
ここで、保持部18(ここでは、パッド18B)において、第1端部181及び第2端部182は、いずれも中間部183よりも第1方向D1の寸法が大きくなっている。このため、フレーム17が頭部52に装着された状態において、第1端部181の接触面A1の面積、及び第2端部182の接触面A2の面積は、いずれも中間部183の接触面A3の面積よりも大きくなっている。
一対の取付部19は、第1方向D1において、本体15を挟んだ両側にそれぞれ設けられている(図3B参照)。一対の取付部19のうち少なくとも一方は、第1電極111及び第2電極112を有している。本実施形態では、一対の取付部19のうち対象者5の右耳522側の取付部19が第1電極111及び第2電極112を有している。
取付部19は、ベース190と、第1ケース191と、第2ケース192と、ハンドル193と、を有している。ベース190は、フレーム17を第2方向D2において挟み込む形状を有している。ベース190は、フレーム17に沿って第1方向D1に移動可能に構成されている。したがって、第1方向D1においてフレーム17に対するベース190の位置を調整することにより、結果として電極部11(第1電極111及び第2電極112)の位置を調整することが可能である。
ハンドル193は、ベース190に設けられている。ハンドル193は、ベース190がフレーム17に対して固定された状態と、ベース190がフレーム17に対して移動可能な状態とを択一的に切り替えるために用いられる。具体的には、ハンドル193を締め付けることにより、ベース190がフレーム17に対して固定された状態となり、ハンドル193を緩めることにより、ベース190がフレーム17に対して移動可能な状態となる。
第1ケース191及び第2ケース192は、いずれも楕円形状の底部を有する筒体である。第1ケース191は、第1底部(頭部52と対向する底部)がベース190に取り付けられており、内部に第1電極111及び第2電極112が保持されている。第1電極111及び第2電極112は、いずれも第1端(頭部52と対向する一端)が第1ケース191から突出している。第1電極111及び第2電極112は、いずれも第1ケース191からの突出量を変更できるように、第1ケース191に対して相対的に移動可能に構成されている。第1ケース191には、コイルスプリングが収納されている。コイルスプリングは、第1電極111及び第2電極112の第2端と、第1ケース191の第2底部(第1底部と反対側の底部)との間に配置されている。コイルスプリングの一端は、第1ケース191の底部に固定されている。
第2ケース192は、第1端(頭部52と対向する一端)が開口しており、第1ケース191よりも頭部52の法線方向から見たときの外形が大きい。第2ケース192は、開口を通して内側に第1ケース191の一部を収納するように、第1ケース191と組み合わされている。第2ケース192は、コイルスプリングが伸縮する方向において、第1位置と第2位置との間で、第1ケース191に対して相対的に移動可能に構成されている。第1位置では、第2ケース192からの第1ケース191の突出量が最小となり、第2位置では、第2ケース192からの第1ケース191の突出量が最大となる。第2ケース192の第2端(第1端と反対側の一端)の内底部には、第1ケース191の第2底部を貫通するシャフトの第1端が固定されている。シャフトの第2端は、第1電極111及び第2電極112に固定されている。したがって、第2ケース192を第1ケース191に対して第1位置と第2位置との間で移動させることにより、第2ケース192及びシャフトの移動に伴って第1電極111及び第2電極112も移動する。つまり、第2ケース192を第1ケース191に対して移動させることにより、第1電極111及び第2電極112の第1ケース191からの突出量を調整することが可能である。
本実施形態のヘッドセット1は、フレーム17を頭部52に固定するための固定部材6を更に備えている。本実施形態では、ヘッドセット1が2つの固定部材6を備えている。2つの固定部材6のうち、フレーム17の前側(頭部52の前頭部側)に配置される固定部材6を第1固定部材6Aと呼び、フレーム17の後側(頭部52の後頭部側)に配置される固定部材6を第2固定部材6Bと呼ぶ場合がある。
固定部材6(第1固定部材6A及び第2固定部材6B)の各々は、図5に示すように、第1バンド61、第2バンド62、連結具63、送り環64(調節機構)、角環65を有している。第1バンド61及び第2バンド62は、伸縮性を有する帯状の弾性材料によって長手方向に伸縮可能に形成されている。
第1バンド61の長手方向の第1端は、角環65(第1の角環65Aと呼ぶ場合がある。)に固定されている。第1バンド61の長手方向の第2端は、送り環64(第1の送り環64Aと呼ぶ場合がある。)に挿通され、かつ、第1連結体631の通し穴6310に挿通された状態で第1の送り環64Aの中央片640に固定されている(図5参照)。第1バンド61の長手方向の自然長(張力が生じていないときの長さ)は、第1の送り環64Aを第1連結体631に近付けるように第1バンド61に沿って移動させることによって調節可能である。
第2バンド62の長手方向の第1端は、角環65(第2の角環65Bと呼ぶ場合がある。)に固定されている。第2バンド62の長手方向の第2端は、送り環64(第2の送り環64Bと呼ぶ場合がある。)に挿通され、かつ、第2連結体632の通し穴6320に挿通された状態で第2の送り環64Bの中央片640に固定されている。第2バンド62の長手方向の自然長(張力が生じていないときの長さ)は、第2の送り環64Bを第2連結体632に近付けるように第2バンド62に沿って移動させることによって調節可能である。
第1連結体631と第2連結体632とは、着脱可能に結合される。つまり、第1連結体631と第2連結体632とで連結具63を構成している。このような連結具63は、例えば、フロントリリース型のバックルで構成されることが好ましい。したがって、第1バンド61と第2バンド62は、連結具63によって連結されることで1本のバンドとなる。
第1固定部材6A及び第2固定部材6Bの各々は、一対の保持部18の各々の基部18Aに設けられた一対の引掛部184のうちの対応する引掛部184に着脱可能に保持される。
一対の引掛部184の各々はフック状に形成されて、保持部18の第2方向D2の両端にそれぞれ設けられている(図4B参照)。第1固定部材6Aは、一対の角環65(第1の角環65A及び第2の角環65B)の各々を、各保持部18の前頭部側の引掛部184に1つずつ引っ掛けることによって、一対の保持部18を介してフレーム17に着脱可能に保持される(図3B参照)。第2固定部材6Bは、一対の角環65(第1の角環65A及び第2の角環65B)の各々を、各保持部18の後頭部側の引掛部184に1つずつ引っ掛けることによって、一対の保持部18を介してフレーム17に着脱可能に保持される(図3A参照)。
第1固定部材6Aは、第1バンド61及び第2バンド62の張力により、一対の保持部18を前方へ引き寄せつつ一対の保持部18の間隔を狭めるような力(第1固定力と呼ぶ。)をフレーム17に加えることができる。したがって、頭部52に装着されたフレーム17は、第1固定部材6Aから加えられる第1固定力によって後頭部側への移動が規制される。
第2固定部材6Bは、第1バンド61及び第2バンド62の張力により、一対の保持部18を後方へ引き寄せつつ一対の保持部18の間隔を狭めるような力(第2固定力と呼ぶ。)をフレーム17に加えることができる。したがって、頭部52に装着されたフレーム17は、第2固定部材6Bから加えられる第2固定力によって前頭部側への移動が規制される。
ゆえに、ヘッドセット1は、第1固定部材6A及び第2固定部材6Bによって頭部52に固定されるので、対象者5の姿勢の変化等に起因した頭部52に対する位置ずれの発生を抑制することができる。なお、固定部材6の固定力(第1固定部材6Aの第1固定力及び第2固定部材6Bの第2固定力)は、第1バンド61及び第2バンド62の長手方向の自然長に応じて調節可能である。
上述のように本実施形態のヘッドセット1は、固定部材6によってフレーム17を頭部52に固定するように構成されているので、固定部材6を用いない場合と比較して、頭部52に強固に固定される。しかも、固定部材6は、頭部52に巻き付けられる1つ以上のバンド(第1バンド61及び第2バンド62)と、バンドの張力(自然長)を調節する調節機構(送り環64)とを有している。そのため、ヘッドセット1は、固定部材6の固定力(第1固定力及び第2固定力)を調節し、対象者5に対する身体的な負担の増加を抑えつつ頭部52に対するヘッドセット1の位置ずれの抑制を図ることができる。
ところで、ヘッドセット1は、固定部材を1つだけ備えてもよい。1つだけの固定部材7は、図6Aに示すように、1本のバンド70と、バンド70の長手方向の両端部分に設けられる一対の面ファスナ71(調節機構)とを有している。バンド70は、第1バンド61及び第2バンド62と同様に、伸縮性を有する帯状の弾性材料によって長手方向に伸縮可能に形成されている。バンド70の長手方向の一端における表側に面ファスナ71のフックテープ710が貼り付けられ、バンド70の長手方向の他端における裏側に面ファスナ71のループテープ711が貼り付けられている。
固定部材7は、複数(例えば、4つ)の角環8に挿通されることによってヘッドセット1のフレーム17に対して着脱可能に取り付けられる。4つの角環8は、一対の保持部18の各々に一対ずつ設けられている4つの引掛部184に1つずつ引っ掛けられる(図6B参照)。
固定部材7は、一対の保持部18の上から頭部52に1周以上巻き回された後にフックテープ710とループテープ711が接着されることによって、ヘッドセット1を頭部52に強固に固定させることができる。また、バンド70が頭部52を締め付ける力は、バンド70の長手方向に沿ったフックテープ710とループテープ711の相対的な接着位置、言い換えると、バンド70の周長に応じて調節可能である。
2つの固定部材6(第1固定部材6A及び第2固定部材6B)でヘッドセット1を固定する場合、第1固定部材6Aの第1固定力と第2固定部材6Bの第2固定力を等しくすることは容易でない。そして、第1固定力と第2固定力の差が大きくなるほど、対象者5の姿勢の変化等によって頭部52に対するヘッドセット1の位置ずれの抑制を図りにくくなる。
一方、固定部材7は、頭部52に1周以上巻き回された1つのバンド70でヘッドセット1を頭部52に固定する。そのため、固定部材7は、頭部52の前頭部、後頭部、側頭部に対して均等に力(バンド70の張力によって生じる固定力)を加えることができる。その結果、1つの固定部材7でヘッドセット1を固定する場合、2つの固定部材6でヘッドセット1を固定する場合に比べて、頭部52に対するヘッドセット1の位置ずれの抑制を図り易いという利点がある。ただし、対象者5の脳波を測定する状況によっては、頭部52の前頭部側又は後頭部側の一方側のみでヘッドセット1が頭部52に固定されれば十分な場合もある。例えば、対象者5がヘッドレスト付きの椅子に座った状態で脳波の測定が行われる場合、対象者5の頭部52は、通常、前方のみに移動可能であるから、第2固定部材6Bのみでヘッドセット1に固定されればよい。この場合、第1固定部材6Aの第1固定力が頭部52に加わらないので、対象者5の身体的な負担を軽くすることができる。
なお、いずれの固定部材6、7もフレーム17(保持部18)から容易に取り外すことができるので、対象者5の汗や皮脂などによる汚れが固定部材6、7に付着した際、固定部材6、7をフレーム17(保持部18)から取り外して清掃(あるいは洗浄)することができる。
上述のように本開示の第1の態様に係る脳波計(ヘッドセット1)は、逆U字形の形状を有して対象者(5)の頭部(52)に装着可能であるフレーム(17)を備える。第1の態様に係る脳波計は、フレーム(17)に支持され、頭部(52)の脳波を測定するための測定箇所(51)に配置される電極部(11)を備える。第1の態様に係る脳波計は、フレーム(17)を頭部(52)に固定するための固定部材(6;7)を備える。固定部材(6;7)は、頭部(52)に巻き付けられる1つ以上のバンド(第1バンド61;第2バンド62;バンド70)と、バンドの張力を調節する調節機構(送り環64;面ファスナ71)とを有する。
第1の態様に係る脳波計は、固定部材(6;7)によってフレーム(17)を頭部(52)に強固に固定するので、頭部(52)に対する移動の抑制を図ることができる。
本開示の第2の態様に係る脳波計は、第1の態様との組み合わせにより実現され得る。第2の態様に係る脳波計は、固定部材(6)を複数備えることが好ましい。複数の固定部材(第1固定部材6A、第2固定部材6B)の各々は、頭部(52)の異なる複数の部分(前頭部、後頭部)のうち、対応する少なくとも1つの部分をフレーム(17)に固定することが好ましい。
第2の態様に係る脳波計は、複数の固定部材によって頭部(52)の異なる複数の部分を個別に固定するので、各固定部材毎にバンドの張力を調節し、頭部(52)に加わる力を適切に調節して対象者(5)の身体的な負担の軽減を図ることができる。
本開示の第3の態様に係る脳波計は、第1又は第2の態様との組み合わせにより実現され得る。第3の態様に係る脳波計において、固定部材(7)は、頭部(52)に1周以上巻き回し可能な長さを持ったバンド(70)を有することが好ましい。
第3の態様に係る脳波計は、頭部(52)に対して均等に力を加えることができるので、頭部(52)に対する脳波計の位置ずれの抑制を図り易いという利点がある。
本開示の第4の態様に係る脳波計は、第1〜第3の態様のいずれか1つとの組み合わせにより実現され得る。第4の態様に係る脳波計は、固定部材(6;7)をフレーム(17)に対して着脱可能に保持させる保持機構(引掛部184、角環65)を更に備えることが好ましい。
第4の態様に係る脳波計は、固定部材(6;7)をフレーム(17)から容易に取り外すことができるので、固定部材(6;7)に付着した際、固定部材(6;7)をフレーム(17)から取り外して清掃(あるいは洗浄)することができる。
本開示の第5の態様に係る脳波計は、第1〜第4の態様のいずれか1つとの組み合わせにより実現され得る。第5の態様に係る脳波計において、フレーム(17)は、頭部(52)の左右の耳介及び頭頂を跨ぐように頭部(52)に装着されることが好ましい。
第5の態様に係る脳波計は、フレーム(17)が、頭部(52)の左右の耳介及び頭頂を跨ぐように頭部(52)に装着されるので、頭部(52)に対して容易に装着させることができる。
本開示の第6の態様に係る脳波計は、第1〜第5の態様のいずれか1つとの組み合わせにより実現され得る。第6の態様に係る脳波計において、電極部(11)は、フレーム(17)に対してフレーム(17)の長手方向に沿って移動可能に支持されることが好ましい。
第6の態様に係る脳波計は、フレーム(17)に対して移動されることにより、電極部(11)を頭部(52)の測定箇所に確実に接触させることができる。
本開示の第7の態様に係る脳波測定システム(10)は、第1〜第6の態様のいずれか1つの態様の脳波計と、脳波計で測定される脳波を解析する解析装置(情報処理装置2)とを有する。
第7の態様に係る脳波測定システム(10)は、頭部(52)に対する脳波計の移動の抑制を図ることができる。
本開示の第8の態様に係るリハビリテーション支援システム(100)は、第7の態様に係る脳波測定システム(10)と、対象者(5)に機械的な刺激と電気的な刺激との少なくとも一方を加える運動補助装置(3)とを備える。リハビリテーション支援システム(100)は、解析装置で解析された対象者(5)の脳波情報に応じて、運動補助装置(3)を制御する制御装置(4)を備える。
第8の態様に係るリハビリテーション支援システム(100)は、頭部(52)に対する脳波計の移動の抑制を図ることができる。
1 ヘッドセット(脳波計)
2 情報処理装置(解析装置)
3 運動補助装置
4 制御装置
5 対象者
6 固定部材
6A 第1固定部材(固定部材)
6B 第2固定部材(固定部材)
7 固定部材
10 脳波測定システム
11 電極部
17 フレーム
52 頭部
65 角環
70 バンド
184 引掛部

Claims (7)

  1. 逆U字形の形状を有して対象者の頭部に装着可能であるフレームと、
    前記フレームに支持され、前記頭部の脳波を測定するための測定箇所に配置される電極部と、
    前記フレームを前記頭部に固定するための固定部材と
    を備え、
    前記固定部材は、
    前記頭部に巻き付けられる1つ以上のバンドと、
    前記バンドの張力を調節する調節機構と
    を有する
    脳波計。
  2. 前記固定部材を複数備え、
    複数の前記固定部材の各々は、前記頭部の異なる複数の部分のうち、対応する少なくとも1つの部分を前記フレームに固定する
    請求項1記載の脳波計。
  3. 前記固定部材は、前記頭部に1周以上巻き回し可能な長さを持った前記バンドを有する請求項1又は2記載の脳波計。
  4. 前記固定部材を前記フレームに対して着脱可能に保持させる保持機構を更に備える
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の脳波計。
  5. 前記フレームは、前記頭部の左右の耳介及び頭頂を跨ぐように前記頭部に装着される
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の脳波計。
  6. 前記電極部は、前記フレームに対して前記フレームの長手方向に沿って移動可能に支持される
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の脳波計。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の脳波計と、
    前記脳波計で測定される脳波を解析する解析装置と
    を有する
    脳波測定システム。
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