以下、実施形態に係る電動工具について、図面を用いて説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、本開示の様々な実施形態の一部に過ぎない。下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
図1に示すように、電動工具1は、ハウジング5を備えている。ハウジング5は、筒状部6と、筒状部6の周面60から突出したグリップ部7と、を含む。また、ハウジング5は、第一部材M1及び第二部材M2を含む。ハウジング5の一部は、第一部材M1及び第二部材M2が互いに合わさって形成される。
以下、特に断りのない限り、図1において筒状部6とグリップ部7とが並んでいる方向を上下方向と規定し、筒状部6側を上とし、グリップ部7側を下と規定する。第一部材M1と第二部材M2とが向かい合っている方向を左右方向と規定し、第一部材M1側を右とし、第二部材M2側を左とする。筒状部6の軸方向を前後方向と規定し、筒状部6において先端工具が取り付けられる側(先端工具が取り付けられる駆動軸11が位置する側)を前とし、反対側を後とする。
本実施形態の電動工具1は、手持ち形電動工具である。電動工具1は、図2に示すように、モータ21と、駆動部22と、操作部(トリガ)31と、スイッチ41と、制御回路42と、ハウジング5と、を備えている。電動工具1には、電池パックが取り付けられる。電動工具1は、電池パックに収容された複数(例えば8つ)の電池を電源とする。電池は、例えば、リチウムイオン電池等の2次電池である。電動工具1は、駆動軸11(図1参照)と、駆動部22を収容している収容部220と、を更に備えている。
操作部31は、操作部31を引き込む手動操作を受け付ける。スイッチ41は、例えば、メカニカルスイッチである。スイッチ41は、操作部31に手動操作がされると開閉する。制御回路42は、スイッチ41の開閉に応じてモータ21を動作又は停止させる。すなわち、ユーザが操作部31を引き込んでスイッチ41が閉じると、制御回路42は、モータ21を動作させる。ユーザが操作部31を引き込む手動操作を止めてスイッチ41が開くと、制御回路42は、モータ21を停止させる。制御回路42は、例えば、nチャネルMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)からなる駆動スイッチを含み、駆動スイッチをオンオフすることで、モータ21への電力の供給を制御し、モータ21を動作又は停止させる。駆動部22は、モータ21から供給される動力により駆動軸11(図1参照)を駆動する。これにより駆動部22は、駆動軸11に取り付けられた先端工具を駆動する。
先端工具は、例えば、ドリルビット又はドライバビット等のビットである。すなわち、電動工具1は、天井材若しくは壁材等への孔開け、又はねじ締め等に用いられる。駆動部22は先端工具を駆動して回転運動させる。
図1、2に示すように、ハウジング5は、筒状部6と、グリップ部7と、を含む。ハウジング5は、装着部8を更に含む。
筒状部6は、略有底円筒状に形成されている。筒状部6は、筒本体61と、椀部62と、第一蓋部63と、第二蓋部64と、を含む。図2では、第二部材M2を省略し、椀部62、第一蓋部63及び第二蓋部64については、左右方向と直交する断面を示している。
筒本体61の軸方向は前後方向に沿っており、筒本体61は、前側ほど直径が小さい円筒状に形成されている。椀部62は、筒本体61の前端に取り付けられる。椀部62の軸方向は前後方向に沿っており、椀部62は、前側ほど直径が小さい円筒状に形成されている。
駆動軸11は、先端工具が挿入される挿入穴110が形成された円柱状に形成されている。駆動軸11は、椀部62の内側を通って椀部62の前端の開口部620から前方へ突出している。
図3に示すように、第一蓋部63は、円盤状の壁部631と、側壁632と、を有している。壁部631の厚み方向は、前後方向に沿っている。側壁632は、壁部631の周縁633のうち下側の部分を除いた領域から、前方に突出している。第二蓋部64は、円盤状の壁部641と、側壁642と、を有している。壁部641の厚み方向は、前後方向に沿っている。側壁642は、壁部641の周縁643のうち下側の部分を除いた領域から、前方に突出している。第一蓋部63は、筒本体61(図2参照)の後端の開口部610(図2参照)を覆うように筒本体61に取り付けられる。第二蓋部64は、筒本体61に取り付けられた第一蓋部63の後方から、第一蓋部63を覆うように第一蓋部63に取り付けられる。
図1、2に示すように、グリップ部7は、筒状に形成されている。グリップ部7は、筒状部6の周面60のうち下側から上下方向に沿って突出している。グリップ部7において、上下方向と直交する断面における形状は楕円状である。
ハウジング5は、筒状部6とグリップ部7との間に保持壁51を含む。保持壁51は、板状に形成されている。保持壁51の厚み方向は、上下方向に沿っている。後述するように、保持壁51は、モータ21及び駆動部22を保持する。保持壁51には、挿通孔510が形成されている。挿通孔510は、保持壁51を厚み方向に貫通している。
図1〜3に示すように、装着部8は、下面が開口した箱状に形成されている。装着部8は、基部81と、2つの側壁82と、を含む。基部81は、長方形の板状に形成されている。基部81の厚み方向は、上下方向に沿っている。基部81の前端、左端及び右端は、下向きに屈曲している。基部81は、上面801に第一開口部802及び第二開口部803が形成されている。2つの側壁82は、基部81における左端及び右端から下方へ突出している。グリップ部7は、基部81の第一開口部802の周縁から上方へ突出している。グリップ部7の内部の空間と、装着部8の内部の空間とは、第一開口部802を通じてつながっている。基部81は、第一開口部802よりも後方の部位が、後側ほど下に位置するように屈曲している。
電動工具1は、仕切部450を更に備えている。仕切部450は、装着部8の内部の空間を上下2つの空間S31、S32に分離している。仕切部450は、上面が開口した直方体状に形成されている。仕切部450は、2つの側壁82の間に保持されている。より詳細には、2つの側壁82の互いに向かい合う面にそれぞれ、窪み820(図3参照:図3では1つのみを図示)が形成されており、これら2つの窪み820に仕切部450の左端及び右端が嵌め込まれることにより、仕切部450が保持されている。装着部8の内部の空間S31、S32のうち、上側の空間S31は、グリップ部7の内部の空間につながっており、下側の空間S32は、ハウジング5の外部に開放されている。
ハウジング5は、第一部材M1及び第二部材M2を含む。第一部材M1及び第二部材M2は、互いに合わさって筒本体61、グリップ部7及び装着部8を形成する。より詳細には、第一部材M1は、筒本体61、グリップ部7及び装着部8の右半分の構成を有しており、第二部材M2は、筒本体61、グリップ部7及び装着部8の左半分の構成を有している。
第一部材M1は、複数(図2では3つ)の凸部54を有している。第二部材M2は、複数の凸部54が嵌め込まれる複数(図3では3つ)の凹部55を有している。複数の凸部54及び複数の凹部55は、第一部材M1及び第二部材M2の合わせ目である領域に形成されている。
より詳細には、第一部材M1において、グリップ部7の右半分を構成する部位の前側左端と、装着部8の右半分を構成する部位の前側左端とに1つずつ、凸部54が形成されている。また、第一部材M1において、保持壁51の右半分を構成する部位(第一保持壁52:図2参照)の後側左端からグリップ部7の右半分を構成する部位の後側左端を経て装着部8の右半分を構成する部位の後側左端に亘る領域に、凸部54が形成されている。
さらに、第二部材M2において、グリップ部7の左半分を構成する部位の前側右端と、装着部8の左半分を構成する部位の前側右端とに1つずつ、凹部55が形成されている。また、第二部材M2において、保持壁51の左半分を構成する部位(第二保持壁53:図3参照)の後側右端からグリップ部7の左半分を構成する部位の後側右端を経て装着部8の左半分を構成する部位の後側右端に亘る領域に、凹部55が形成されている。
すなわち、複数の凸部54は、左右方向から見て、複数の凸部54の間にグリップ部7の内部の空間及び装着部8の内部上側の空間S31が位置するように形成されている。また、複数の凹部55は、左右方向から見て、複数の凹部55の間にグリップ部7の内部の空間及び装着部8の内部上側の空間S31が位置するように形成されている。
電動工具1は、複数(図3では3つ)の封止部56と、パッキン57と、封止部58と、を更に備えている。複数の封止部56、パッキン57及び封止部58はそれぞれ、例えば、ゴム等の弾性体を材料とするパッキンである。
第一部材M1及び第二部材M2が互いに結合するとき、複数の凹部55に複数の凸部54が嵌め込まれる。さらに、複数の凸部54及び複数の凹部55の間に生じる隙間にはそれぞれ、封止部56が挟まれる。この状態で、第一部材M1と第二部材M2とがねじ止め等により結合される。複数の封止部56により、複数の凸部54及び複数の凹部55の間に生じる隙間が塞がれる。
保持壁51は、第一保持壁52(図2参照)と、第二保持壁53(図3参照)と、を含む。第一保持壁52は、第一部材M1と一体に形成されており、第一部材M1から突出している。第二保持壁53は、第二部材M2と一体に形成されており、第二部材M2から突出している。つまり、第一保持壁52及び第二保持壁53は、ハウジング5の内面から突出している。第一保持壁52は、保持壁51の右半分の構成を有しており、第二保持壁53は、保持壁51の左半分の構成を有している。第一保持壁52の左端と第二保持壁53の右端とが互いに合わさって、保持壁51を形成する。
第一保持壁52は、凸部520を有している。第二保持壁53は、凸部520が嵌め込まれる凹部530を有している。凸部520及び凹部530は、第一保持壁52及び第二保持壁53の合わせ目である領域に形成されている。より詳細には、凸部520は、第一保持壁52の左端に形成されており、凹部530は、第二保持壁53の右端に形成されている。
第一部材M1及び第二部材M2が互いに結合するとき、凹部530に凸部520が嵌め込まれる。さらに、凸部520及び凹部530の間に生じる隙間にはそれぞれ、パッキン57(図3参照)が挟まれる。この状態で、第一部材M1と第二部材M2とがねじ止め等により結合される。パッキン57により、凸部520と凹部530との間に生じる隙間が塞がれる。
また、封止部58(図3参照)は、環状に形成されており、仕切部450の周りに巻き付けられる。仕切部450に封止部58が巻き付けられてから、第一部材M1及び第二部材M2の各々に形成された窪み820(図3参照)に、仕切部450の左端及び右端が嵌め込まれる。封止部58により、仕切部450と2つの側壁82との隙間が塞がれる。
図2、4に示すように、グリップ部7は、開口部70を有している。開口部70は、グリップ部7の前側上端付近に形成されている。また、グリップ部7は、溝部71を有している。溝部71は、グリップ部7の開口部70における開口縁72に、環状に形成されている。
電動工具1は、スイッチ41が実装された基板43と、スイッチ41及び基板43を収容するスイッチケース44と、操作部(トリガ)31を覆うカバー32と、を更に備えている。
カバー32は、例えば、ゴム等の弾性体により形成されている。カバー32は、カバー本体321と、枠部322とを含む。カバー本体321は、一の面が開口した箱状に形成されている。すなわち、カバー本体321には、開口部323が形成されている。枠部322は、カバー本体321のうち開口部323の周囲から外向きに延びている。
操作部31は、カバー32の開口部323に挿入されて、カバー32の内部に収容される。カバー32は、グリップ部7の開口部70に挿入され、枠部322がグリップ部7の溝部71に嵌め込まれた状態で、グリップ部7に保持される。これにより、操作部31は、カバー32を介してハウジング5のグリップ部7に保持される。カバー32は、グリップ部7の開口部70における開口縁と操作部31との隙間を塞いでいる。
図1、2に示すように、電動工具1は、駆動軸11の回転方向を切り替える操作を受け付ける方向切替部33と、方向切替部33を覆うカバー34とを更に備えている。カバー34は、例えば、ゴム等の弾性体により形成されている。方向切替部33は、カバー34に覆われた状態で、グリップ部7に形成された2つの開口部73に挿入される。2つの開口部73は、第一部材M1と第二部材M2とに1つずつ、左右に並んで形成されている。方向切替部33は、ハウジング5の2つの開口部73における開口縁に架け渡されて、ハウジング5の左右に突出している。カバー34は、グリップ部7の2つの開口部73における開口縁と方向切替部33との隙間を塞いでいる。
電動工具1は、制御回路42が実装された基板45と、操作パネル46と、パッキン59と、を更に備えている。
操作パネル46は、基部81の第二開口部803に嵌め込まれている。パッキン59は、枠状に形成されており、基部81の第二開口部803における開口縁と操作パネル46との隙間を塞いでいる。操作パネル46は、駆動軸11に加えられる回転トルクの大きさを変更する操作の入力を受け付ける。また、操作パネル46は、後述の発光部23を点灯させるための操作の入力を受け付ける。ユーザが操作パネル46に対して操作を行うと、制御回路42は、操作を感知して操作内容に対応した処理を行う。また、操作パネル46は、装着部8に取り付けられた電池パックの電池の残量を表示する。
制御回路42が実装された基板45は、仕切部450から仕切部450の内部へ突出した複数の小片に載せられることにより、仕切部450の内部において保持されている。仕切部450の内部は、樹脂等の封止剤が充填されている。すなわち、制御回路42は、封止剤に覆われている。
仕切部450と、基部81の後側領域との間には、嵌込孔804が形成されている。嵌込孔804は、前後方向及び左右方向に幅を有する長方形状である。電動工具1は、嵌込孔804に嵌め込まれる端子ブロック47を更に備えている。
図2、5に示すように、端子ブロック47は、電池パックと電気的に接続される2つの端子471を含む。また、端子ブロック47は、嵌合部472と、端子保持部473と、複数(図5では3つ)の線接続部474と、を更に含む。嵌合部472は、長方形の板状に形成されている。端子保持部473は、嵌合部472の表面から突出しており、2つの端子471を保持している。複数の線接続部474は、嵌合部472のうち、端子保持部473が形成されている側とは反対側の表面から突出している。
複数の線接続部474はそれぞれ、複数の筒状の圧着端子により形成されている。複数の線接続部474にはそれぞれ、配線100が接続される。複数の線接続部474のうち、2つの線接続部474は、2つの端子471の一方と電気的に接続されており、残りの線接続部474は、他方の端子471と電気的に接続されている。装着部8に電池パックを装着することにより、2つの端子471を電池パックに電気的に接続すると、電池パックからの電力が電動工具1の各種の回路に供給される。各種の回路とは、制御回路42と、スイッチケース44内の基板43に実装された、スイッチ41を含む回路と、モータ21を駆動する駆動回路24と、を含む。
電動工具1は、閉塞部48を更に含む。閉塞部48は、例えば、ゴム等の弾性体を材料とするパッキンで形成されている。閉塞部48は、嵌合部472の外周に沿って嵌合部472に巻き付けられる。端子ブロック47は、閉塞部48が取り付けられた状態で、嵌込孔804に嵌め込まれる。装着部8は、端子ブロック47の嵌合部472が嵌め込まれる溝805を複数有している。図2では、嵌込孔804の後側の溝805のみを図示しているが、嵌込孔804の左右にも1つずつ溝805が形成されている。嵌合部472が複数の溝805に嵌め込まれることにより、嵌込孔804の内側に端子ブロック47が保持される。また、閉塞部48は、複数の溝805と嵌合部472との隙間を塞いでいる。つまり、閉塞部48は、ハウジング5(装着部8)の嵌込孔804における開口縁(複数の溝805の内面を含む)と端子ブロック47との隙間を塞いでいる。
電動工具1は、電動工具1をユーザのベルト等に引っ掛けるための引掛フック12を更に備えている。引掛フック12は、装着部8における下側の空間S32に挿入され、ねじ120を用いて装着部8に固定される。引掛フック12は、前後方向から見てU字状に屈曲している部位をハウジング5の外部に有している。より詳細には、引掛フック12は、枠状の板をU字状に曲げた形状の部位を有している。
図6に示すように、筒状部6とグリップ部7との間の保持壁51に設けられた挿通孔510には、複数の配線100が通される。さらに、挿通孔510には、封止体511が挿入される。封止体511は、例えば、ゴム等の弾性体、発泡ウレタン等のクッション性部材、コーティング剤、接着剤、シーリング剤又は充填剤により形成されている。封止体511は、保持壁51の挿通孔510における開口縁と複数の配線100との隙間を塞いでいる。
図2に示すように、複数の配線100により、基板43上のスイッチ41を含む回路と、制御回路42と、端子ブロック47の複数の線接続部474と、駆動回路24と、発光部23とが電気的に接続されている。制御回路42は、配線100が接続される複数(図2では2つ)のコネクタ421を有している。また、駆動回路24も、配線100が接続される複数のコネクタを有している。
また、制御回路42は、電池パックの温度情報及び電池の電圧情報を取得するためのコネクタ422を有している。コネクタ422は、基板45の下面に実装されており、仕切部450に設けられた貫通孔を通して仕切部450の下方へ突出している。仕切部450に設けられた貫通孔の内部におけるコネクタ422と仕切部450との隙間は、仕切部450の内部に充填され制御回路42を覆っている封止剤により塞がれている。
ハウジング5は、モータ21及び駆動部22が配置される第一空間S1と、スイッチ41及び制御回路42が配置される第二空間S2とを有している。筒状部6は、内部に第一空間S1を有し、グリップ部7は、内部に第二空間S2の一部を有する。装着部8の内部の空間は、仕切部450により上下2つの空間S31、S32に分離されており、第二空間S2は、装着部8のこれら2つの空間S31、S32のうちグリップ部7に近い側(上側)の空間S31と、グリップ部7の内部の空間とを含む。保持壁51は、第一空間S1と第二空間S2とを分離している。第一部材M1及び第二部材M2が互いに合わさることにより、第一空間S1及び第二空間S2が形成される。
保持壁51の挿通孔510に通される複数の配線100は、第一空間S1と第二空間S2とに亘って配置され、駆動回路24を介して、モータ21と制御回路42とを電気的に接続している。また、保持壁51の挿通孔510に通される別の配線100は、発光部23と制御回路42とを電気的に接続している。
第二空間S2は、閉じた空間であり、第一空間S1と比べて水密性が高い。第二空間S2は、保持壁51により上から覆われており、保持壁51の挿通孔510における開口縁と複数の配線100との隙間は、封止体511(図6参照)により塞がれている。これにより、第二空間S2は、第一空間S1から水が浸入しないよう封止されている。また、保持壁51の第一保持壁52及び第二保持壁53の合わせ目の隙間は、パッキン57(図3参照)により塞がれている。これにより、第二空間S2は、第一保持壁52及び第二保持壁53の合わせ目の隙間から水が浸入しないよう封止されている。
また、第二空間S2は、グリップ部7により前後、左右から覆われており、第一部材M1及び第二部材M2(図3参照)の合わせ目の隙間は、複数の封止部56(図3参照)により塞がれている。これにより、第二空間S2は、第一部材M1及び第二部材M2の合わせ目の隙間から水が浸入しないよう封止されている。
また、操作部31がカバー32の内部に収容された状態で、グリップ部7の開口部70にカバー32が挿入され、カバー32の枠部322(図4参照)がグリップ部7の溝部71(図4参照)に嵌め込まれる。すなわち、カバー32を設けずに操作部31を直接開口部70に挿入する場合は、グリップ部7の開口部70における開口縁と操作部31との隙間から第二空間S2に水が浸入する可能性があるが、カバー32を設けることにより隙間が塞がり、第二空間S2に水が浸入する可能性が低減される。
また、グリップ部7の2つの開口部73における開口縁と方向切替部33との隙間は、カバー34により塞がれている。これにより、第二空間S2は、グリップ部7の2つの開口部73における開口縁と方向切替部33との隙間から水が浸入しないよう封止されている。
また、第二空間S2は、仕切部450により下から覆われている。仕切部450と2つの側壁82との隙間は、封止部58(図3参照)により塞がれている。これにより、第二空間S2は、仕切部450と2つの側壁82との隙間から水が浸入しないよう封止されている。
また、仕切部450と基部81の後側領域との間に形成された嵌込孔804は、第二空間S2につながっている。嵌込孔804には、端子ブロック47が嵌め込まれ、ハウジング5の嵌込孔804における開口縁と端子ブロック47との隙間は、閉塞部48により塞がれている。これにより、第二空間S2は、ハウジング5の嵌込孔804における開口縁と端子ブロック47との隙間から水が浸入しないよう封止されている。
また、装着部8の基部81の第二開口部803に嵌め込まれた操作パネル46と、基部81の第二開口部803における開口縁との隙間は、パッキン59により塞がれている。これにより、第二空間S2は、基部81の第二開口部803における開口縁と操作パネル46との隙間から水が浸入しないよう封止されている。
また、コネクタ422と仕切部450との隙間は、仕切部450の内部に充填され制御回路42を覆っている封止剤により塞がれている。これにより、第二空間S2は、コネクタ422と仕切部450との隙間から水が浸入しないよう封止されている。
このように、電動工具1において、第二空間S2への水の浸入経路となる隙間が塞がれている。
電動工具1は、前述の発光部23と、モータ21を駆動する前述の駆動回路24と、駆動回路24が実装された基板25と、駆動回路24をコーティングしているコーティング部26と、冷却ファン27と、を更に備えている。モータ21、駆動部22、発光部23、駆動回路24、基板25、コーティング部26及び冷却ファン27は、筒状部6に収容されているので、第一空間S1に配置されている。
発光部23は、例えば、発光ダイオードを含む。発光部23は、筒状部6の前面から露出しており、光を前方に放射する。
モータ21は、例えば、ブラシレスモータである。駆動回路24は、複数(例えば6つ)のパワー素子と、モータ21のロータの位置を検出するホールICと、温度センサとを含む。各パワー素子は、例えば、FET(Field Effect Transistor)である。駆動回路24を構成する複数の電子部品の中では、複数のパワー素子の発熱量が最も大きい。コーティング部26は、樹脂等の封止剤により形成されており、駆動回路24の全体をコーティングしている。
筒状部6の内部において、基板25、モータ21、冷却ファン27及び駆動部22は、後方から前方へこの順番で並んでいる。モータ21及び駆動部22は、保持壁51に保持されている。より詳細には、モータ21と、駆動部22を収容している収容部220とは、筒状部6の径方向において保持壁51と筒状部6とにより囲まれ、保持壁51と筒状部6とに接した状態で、筒状部6の内部に保持されている。駆動部22は、収容部220を介して保持壁51に保持されている。
図1に示すように、ハウジング5には、複数の通気孔600が形成されている。複数の通気孔600は、筒状部6を左右方向に貫通しており、ハウジング5の外部の空間と第一空間S1とをつないでいる。より詳細には、複数の通気孔600は、筒状部6のうち冷却ファン27に対向する領域と、基板25に対向する領域とに形成されている。
第一空間S1は、筒状部6の複数の通気孔600を通してハウジング5の外部の空間につながっている。冷却ファン27は、モータ21及び駆動回路24に送風してモータ21及び駆動回路24を冷却する。したがって、複数の通気孔600及び冷却ファン27によりモータ21及び駆動回路24の周囲の空気を入れ替えて、モータ21及び駆動回路24を空冷することができる。一方で、第二空間S2は閉じた空間であり、第二空間S2への水の浸入経路となる隙間が塞がれているので、スイッチ41及び制御回路42に水が付着する可能性を低減することができる。
第一空間S1と第一空間S1の外部とが複数の通気孔600を通してつながっているのに対して、第二空間S2と第二空間S2の外部との隙間は塞がれている。すなわち、第二空間S2は、第一空間S1よりも閉じた空間である。
(変形例)
以下に、実施形態の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
実施形態では、第一部材M1に形成された複数の凸部54が、第二部材M2に形成された複数の凹部55に嵌め込まれることにより、第一部材M1及び第二部材M2が互いに結合する。ここで、各凸部54と、この凸部54が嵌め込まれる凹部55との間に封止部56を挟んで、凸部54を凹部55に嵌め込むことで、第一部材M1及び第二部材M2の合わせ目の隙間を塞いでいる。これに対して、第一部材M1には、凸部54に代えて凹部が形成されていてもよい。この場合、第一部材M1の凹部と第二部材M2の凹部55との間に封止部56を挟み、第一部材M1の凹部と第二部材M2の凹部55とを向かい合わせた状態で、第一部材M1と第二部材M2とをねじ止め等により結合する。このように、第一部材M1の凹部と第二部材M2の凹部55との間に挟まれた封止部56により、第一部材M1と第二部材M2との合わせ目の隙間を塞いでもよい。
また、第一保持壁52には、凸部520に代えて凹部が形成されていてもよい。この場合、第一保持壁52の凹部と第二保持壁53の凹部530との間にパッキン57を挟み、第一保持壁52の凹部と第二保持壁53の凹部530とを向かい合わせた状態で、第一部材M1と第二部材M2とをねじ止め等により結合する。このように、第一保持壁52の凹部と第二保持壁53の凹部530との間に挟まれたパッキン57により、第一保持壁52と第二保持壁53との合わせ目の隙間を塞いでもよい。
また、保持壁51は、第一部材M1から突出している第一保持壁52と、第二部材M2から突出している第二保持壁53と、を含む構成に限定されない。例えば、保持壁51は、第一部材M1及び第二部材M2のうち一方から突出して形成されていてもよい。すなわち、保持壁51は、実施形態の第一保持壁52及び第二保持壁53のうち一方を左右方向に延長した形状であってもよい。この場合、パッキン57は、保持壁51の先端とハウジング5との隙間を塞ぐように配置されればよい。
また、第二空間S2は、複数の空間に分離されていてもよい。例えば、スイッチケース44と制御回路42との間に、配線100が通る挿通孔510が形成された保持壁51と同様の構成を設けてもよい。さらに、保持壁51と同様のこの構成の挿通孔に、封止体511と同様の部材を挿入してもよい。
また、パワー素子は、駆動回路24ではなく、制御回路42に実装されていてもよい。制御回路42が配置される第二空間S2は、駆動回路24が配置される第一空間S1と比べて水密性が高いので、パワー素子を制御回路42に実装することにより、パワー素子に水が付着する可能性を低減することができる。
また、仕切部450の内部に封止剤を充填して制御回路42を封止剤で覆うことは、必須ではない。仕切部450の内部に封止剤を充填する工程を省略することにより、電動工具1の重量を低減し、また、封止剤を充填するために要するコストを低減できる。
また、本実施形態の電動工具1では、駆動部22は先端工具を駆動して回転運動させるが、電動工具1は、駆動部22が先端工具を駆動して直線運動又は曲線運動させる構成であってもよい。また、電動工具1は、例えば、鋸、たがね又は砥石等の先端工具を駆動する構成であってもよい。
また、実施形態では、電動工具1の電源にリチウムイオン電池を用いるが、電池は、1次電池でもよいし、リチウムイオン電池以外の2次電池でもよい。また、電動工具1の電源に商用電源等の外部電源を用いてもよい。
また、電動工具1の各構成の形状は、実施形態で示した形状に限定されない。例えば、実施形態では長方形状に形成されている構成が、正方形状に形成されていてもよい。また、実施形態では直方体状に形成されている構成が、立方体状に形成されていてもよい。
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る電動工具1は、モータ21と、駆動部22と、操作部31と、スイッチ41と、制御回路42と、ハウジング5と、を備える。駆動部22は、モータ21から供給される動力により先端工具を駆動する。操作部31は、手動操作を受け付ける。スイッチ41は、操作部31に手動操作がされると開閉する。制御回路42は、スイッチ41の開閉に応じてモータ21を動作又は停止させる。ハウジング5は、第一空間S1と、第二空間S2とを有し、操作部31を保持する。第一空間S1には、モータ21及び駆動部22が配置される。第二空間S2には、スイッチ41及び制御回路42が配置される。第一空間S1と第二空間S2とが互いに分離されている。第二空間S2は、閉じた空間であり、第一空間S1と比べて水密性が高い。
上記の構成によれば、第二空間S2は、閉じた空間であり、第一空間S1と比べて水密性が高いので、第二空間S2は、第一空間S1と比べて水が浸入し難い。すなわち、第二空間S2に配置された制御回路42に水が付着する可能性を低減できる。
また、仮に、スイッチ41と制御回路42との間の配線100を第一空間S1と第二空間S2とに亘って引き回す場合は、当該配線100の周りを封止したとしても、当該配線100を第一空間S1と第二空間S2とに亘って引き回さない場合と比較して、第一空間S1から第二空間S2へ水が移動しやすいことがある。一方で、上記の構成では、第二空間S2にスイッチ41と制御回路42とが配置されるので、スイッチ41と制御回路42との間の配線100を第二空間S2のみに引き回すことができる。したがって、スイッチ41と制御回路42との間の配線100を第一空間S1と第二空間S2とに亘って引き回す場合と比較して、より確実に、第一空間S1と第二空間S2とを互いに分離し、第一空間S1から第二空間S2への水の移動を抑制できる。これにより、第二空間S2の水密性を向上させ、制御回路42に水が付着する可能性を低減できる。
また、第2の態様に係る電動工具1は、第1の態様において、冷却ファン27を更に備える。冷却ファン27は、第一空間S1に配置され、モータ21を冷却する。ハウジング5には、通気孔600が形成されている。通気孔600は、第一空間S1につながっている。
上記の構成によれば、モータ21を冷却できる。また、第一空間S1と第二空間S2とが互いに分離されているので、第一空間S1につながる通気孔600をハウジング5に形成しても、第二空間S2の水密性の低下を抑制できる。
また、第3の態様に係る電動工具1では、第1又は2の態様において、ハウジング5は、筒状部6と、グリップ部7と、を含む。筒状部6は、第一空間S1の少なくとも一部を有する。グリップ部7は、第二空間S2の少なくとも一部を有する。グリップ部7は、筒状部6の周面60から突出している。操作部31は、グリップ部7に保持されている。
上記の構成によれば、ユーザは、グリップ部7を握って、グリップ部7に保持された操作部31に手動操作をすることができるので、電動工具1を使った作業を行いやすい。
また、第4の態様に係る電動工具1では、第1〜3の態様のいずれか1つにおいて、端子ブロック47を更に備える。端子ブロック47は、端子471を含む。端子471は、電池パックと電気的に接続される。ハウジング5には、嵌込孔804が形成されている。嵌込孔804は、第二空間S2につながっており端子ブロック47が嵌め込まれる。電動工具1は、閉塞部48を更に備える。閉塞部48は、ハウジング5の嵌込孔804における開口縁と端子ブロック47との隙間を塞ぐ。
上記の構成によれば、電動工具1に電池パックを取り付けて、端子ブロック47の端子471を電池パックに電気的に接続することができる。また、ハウジング5の嵌込孔804における開口縁と端子ブロック47との隙間は、閉塞部48により塞がれるので、嵌込孔804からの水の浸入を抑制できる。
また、第5の態様に係る電動工具1は、第1〜4の態様のいずれか1つにおいて、保持壁51を更に備える。保持壁51は、ハウジング5の内面から突出しており、第一空間S1と第二空間S2とを分離し、モータ21及び駆動部22を保持する。
上記の構成によれば、保持壁51は、モータ21及び駆動部22を保持して、モータ21及び駆動部22を安定的に配置することができる。
また、第6の態様に係る電動工具1は、第5の態様において、配線100を更に備える。配線100は、第一空間S1と第二空間S2とに亘って配置され、モータ21と制御回路42とを電気的に接続する。保持壁51には、配線100を通す挿通孔510が形成されている。電動工具1は、封止体511を更に備える。封止体511は、保持壁51の挿通孔510における開口縁と配線100との隙間を塞ぐ。
上記の構成によれば、挿通孔510に配線100を通してモータ21と制御回路42とを電気的に接続できる。かつ、保持壁51の挿通孔510における開口縁と配線100との隙間を封止体511が塞ぐことで、挿通孔510からの水の浸入を抑制できる。
また、第7の態様に係る電動工具1では、第1〜6の態様のいずれか1つにおいて、ハウジング5は、第一部材M1及び第二部材M2を含む。第一部材M1及び第二部材M2は、互いに合わさって第二空間S2を形成する。電動工具1は、封止部56、58を更に備える。封止部56、58は、第一部材M1及び第二部材M2の合わせ目の隙間を塞ぐことにより、第二空間S2を封止する。
上記の構成によれば、封止部56、58が第一部材M1及び第二部材M2の合わせ目の隙間を塞ぐことにより、第二空間S2を封止するので、第二空間S2に水が浸入することを抑制できる。
第2〜7の態様に係る構成については、電動工具1に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。