本願および特許請求の範囲で使用されるように、文脈でそうでないことを明らかに規定していない限りにおいて、「ある(a)」、「ある(an)」、「前記(the)」といった単数形は、複数形を含んでいる。更に、「含む(includes)」という用語は「備える(comprises)」を意味する。更に、「連結され(coupled)」という用語は、連結されたアイテム間の中間要素の存在を排除しない。
本明細書で説明される複数のシステム、装置および方法は、多少なりとも限定するものとして解釈されるべきではない。むしろ、本開示は、様々な開示される実施形態の、単体での、及び、互いの様々な組み合わせ、並びに、複数の部分的組み合わせの中での、新規で非自明な全ての特徴及び態様へと方向付けられる。開示される複数のシステム、方法および装置は、如何なる特定の態様又は特徴、或いは、それらの複数の組み合わせにも限定されず、開示される複数のシステム、方法および装置は、1または複数の特定の利点の何れかが存在すること、又は、1または複数の特定の問題の何れかが解決されることを必要としない。動作の複数の理論のいずれも説明を容易化するものであるが、開示される複数のシステム、方法および装置は、そのような動作の複数の理論に限定されない。
幾つかの開示される方法における複数の動作は、簡便な提示を目的として一連の特定の順番で説明されるけれども、当該説明方法は、以下で明らかにされる特定言語によって特定の順序付けが必要とされない限りにおいて、再構成を包含している、ということが理解されるべきである。例えば、順次に説明される複数の動作は、幾つかの場合において再構成され得、又は、同時に実行され得る。更には、簡易化を目的として、添付の複数の図面は、開示される複数のシステム、方法および装置が他の複数のシステム、方法および装置と伴に使用され得る、様々な方法を示していないかもしれない。更に、説明は時々、開示される複数の方法を説明すべく、「生成」及び「提供」等の複数の用語を使用する。これら用語は、実行される複数の実際の動作の、複数の高度な抽象概念である。これらの用語に対応する複数の実際の動作は、具体的な実施形態に応じて異なるであろう。そして、それらは当業者によって容易に認識され得る。
以下の説明においては便宜上、「光」および「光放射」という複数の用語は、300nmから10μmの波長範囲で伝搬する電磁放射について言及しているが、他の複数の波長が使用され得る。そのような放射は、プロファイルされ、検出され、そうでなければ調べられる、1または複数の標的へと方向付けられ得る。この放射は、本明細書において、典型的には例えばレーザーダイオードのようなレーザーによって生成される光放射に基づく、1または複数の「ビーム」における伝搬として言及される。本願で使用されるように、複数のビームはコリメートされる必要はなく、導波路の中を伝搬する放射もビームと呼ばれる。複数のビームは、1または複数のレーザー横モードと関連付けられる空間範囲を有し得、実質的にコリメートされ得る。複数の光ファイバ又は他の複数の光学導波路、及び、複数のコヒーレントレーザー源が容易に利用できる複数の波長は、簡便である。幾つかの例において、1550nm辺りの複数の波長の複数のレーザーダイオードが使用される。
便宜上、複数のビームが、1または複数の軸に沿って伝搬するものとして説明される。そのような複数の軸は概して、軸が曲げられ又は折り返され、そうでなければ、ミラー、プリズム、レンズおよび他の複数の光学素子に対して反応するので、軸が多数の非共線セグメントを含むように、1または複数のラインセグメントに基づく。「レンズ」という用語は、本明細書で、1または複数の一重線、二重線、又は、他の複数の複合レンズを含む、単一の屈折光学素子(一重線)または複合レンズについて言及すべく使用される。幾つかの例において、複数のビームは、複数の屈折光学素子によって形付けられ又は方向付けられるが、他の複数の例において、例えば複数のミラーのような複数の反射光学素子が使用され、又は、屈折要素及び反射要素の複数の組み合わせが使用される。そのような複数の光学システムは、各々、屈折、反射および反射屈折と呼ばれ得る。屈折、反射、回折、ホログラフィック、及び、他の複数の光学素子の他の複数のタイプが、簡便であり得るように使用され得る。幾つかの例において、例えば複数のキューブビームスプリッタのような複数のビームスプリッタが、入力ビームを透過ビーム及び反射ビームへと分離すべく使用される。これらのビームのいずれかが、簡便であり得る複数のコヒーレントな検出システムにおいて、測定ビームまたは局所発振器ビームとして機能すべく配置され得る。複数のビームスプリッタはまた、複数のファイバ連結器としても提供され得、複数の偏光ビームスプリッタが幾つかの実施形態において好適とされる。
開示される複数の例において、複数のレーザーレーダシステムはプローブビーム又は測定ビームを、多角形、閉じたカーブの複数の部分、ラスタ、wパターン、又は、他のパターンであり得る走査経路の隅々まで走査するように構成され、走査は周期的又は非周期的であり得る。標的へと方向付けられる測定ビームまたはプローブビームに応じて、リターンビームが、標的での反射、散乱、回折、屈折、又は、他のプロセスに基づいて得られる。リターンビームの評価は、複数の標的特性の推定を可能とする。以下の複数の例は、例えば、面へと方向付けられてレシーバへと戻される光学ビームの複数の部分に基づいて、面のトポグラフィーの推定を提供するように構成されたレーザーレーダに対して提供される。開示される複数の方法および装置はまた、複数のレーザートラッカシステムの中に組み込れ得る。
本明細書で使用されるように、極低熱膨張(ULE)材料は、約5、0.5、0.2、0.05、0.02、0.010又は0.007未満の熱膨張係数(10-6/°C単位)を有する材料である。幾つかのULE材料は、例えばゼロデュア(ZERODUR)ガラスセラミックおよび融解石英などのリチウム・アルミニウムシリコン酸化物ガラスセラミックを含む。
本明細書で使用されるように、循環光学経路は、光学ビームが、1回又はそれより多く、或いは、複数回、複数の光学面へと方向付けられるべく、複数の反射又は屈折光学面によって画定される光学経路である。幾つかの例において、光学ビームは、例えばファブリ・ペロー共振器又はリング共振器によって画定される光学経路などの共通光路に沿って複数回伝搬する。他の例において、光学ビームは、ミラー面上で楕円形経路を追跡すべく2つのミラーシステムによって反射され、光学ビームは各通路において異なる複数の経路を辿ることができる。そのような複数のシステムは、Herriott and Schulte, "Folded Optical Delay Lines," Applied Optics 4:883-889 (1965)の中で説明され、これは参照により本明細書に組み込まれている。以下で開示される複数の例において、そのような複数の循環光学経路は、複数の反射面を使用して画定されるが、複数の屈折光学素子も使用され得る。
本明細書で説明される幾つかの例において、測定光学ビームは、標的へと方向付けられるプローブビーム、及び、基準長へと方向付けられることによってキャリブレーション用に使用され得、又は、局所発振器ビームとして機能し得、及び、プローブビームとの組み合わせでヘテロダイン検出および標的距離推定用に使用され得る参照ビームへと分割される。他の複数の例において、標的へと方向付けられるビームは、測定ビームと呼ばれる。開示される複数の例において、1または複数の光学ビームの複数の部分は、標的または複数の検出器へと方向付けられ、又は、1か所から1または複数の行先へと伝達される。本明細書で使用されるように、ビーム部分は、光学ビーム全体を含む、光学ビームの任意の小部分について言及する。
幾つかの例において、複数の回転は、複数の方位角及び複数の仰俯角を参照して説明される。そのような複数の角度が典型的に鉛直軸および水平軸に対して画定される一方で、本明細書で使用されるように、鉛直軸及び水平軸で方向付けることは必要とされない。典型的に、複数のシステムは、標準的な方向を使用しているものと仮定して、そのような複数の角度を参照して説明される。図説の便宜上、複数のコーナーキューブは、複数のダハプリズムとして、幾つかの図面で示されている。
走査周波数レーザーレーダ
以下において、複数のレーザーレーダシステムの様々な構成及び態様が開示される。開示される複数のシステム、システムコンポーネント、モジュールおよび関連付けられる方法が、様々なレーザーレーダシステムにおいて使用され得る。典型的な複数の例において、複数のいわゆる走査周波数レーザーレーダシステムが提供される。典型的な複数のコヒーレントレーダーシステムは概して、1または複数のレーザーダイオード光源を使用する。レーザーダイオード周波数は、レーザーダイオードの注入電流を変調することによって、又は、レーザーダイオードの温度を変調することによって、或いは、幾つかの他の方法で、直接変調される。レーザー周波数は概して、線形周波数掃引または線形「チャープ」を生成すべく、波形と共に変調される。従って、レーザー周波数f(t)は、時間tの関数として以下の数式1で表わされ得る。
ここで、f
0はレーザー初期周波数で、β=Δf/Δtはレーザー周波数変化のレートである。複数の線形走査は要求されず、時間の関数としての任意のレーザー周波数変動は、多項式又は他の複数の関数に基づく、理論上有用な、複数の段階的周波数変動、若しくは、複数の他の非連続的周波数変動等、又は、複数の連続的変動であるが、複数の線形チャープは概して、より簡便で実用的である。周波数変調(FM)測定ビームは標的に焦点を合せられ、ビームの一部は、散乱され、反射され、又は、屈折され、そうでなければレシーバ光学系によって収集されるべく方向付けられる。局所発振器ビーム(「LOビーム」)は概して、測定ビームを生成すべく使用される同一のレーザービームの一部として得られる。標的へ/からの測定ビーム伝搬と関連付けられる往復通過時間は、測定ビームの戻される部分(リターンビーム)と局所発振器との間の周波数差をもたらす。この周波数差は、標的距離を判断すべく使用され得る。リターンビームおよびLOは、複数の和及び差周波数信号を生成すべく、例えばPINフォトダイオード(典型的には二乗検波器と呼ばれる。)のような検出器へと方向付けられる。和周波数(1.5μm測定ビームに対して数百THz)は、利用できる検出器の帯域幅を超えているが、リターン及びLOビームは、検出器帯域幅内の差周波数Δf(ヘテロダイン周波数)も生成する。標的位置への距離Rは、R=cΔf/2βで算出され得る。ここで、Δfはリターンビームと関連付けられるヘテロダイン周波数であり、βはチャープ率であり、cは光速である。ヘテロダイン周波数生成は、LO及びリターンビームが直交方向に偏光されないことも必要とするが、範囲は複数の振幅ではなく複数の周波数差に基づいて判断されるので、複数の偏光影響は概してレーザーレーダ性能を低下させない。
複数の範囲測定の精度がレーザー周波数変調の線形性によって限定され得るので、複数の成功したレーザーレーダシステムはレーザー周波数を精密に制御または測定する。例えば、もし標的が距離1メートルであるならば、1000分の1の線形性が1mmの精度を保証するのに必要である。従って、FMレーザーレーダ用の複数のレーザー源は、より高い複数の線形チャープを提供するように構成され、線形性からの複数の変動が検出及び補償される。幾つかの場合において、複数の範囲測定は、数ミクロン範囲における複数の精度を有し得る。
複数のFMレーザーレーダシステムは、周囲の複数の照明状態、及び、面反射性の複数の変化の影響を大きく受けない。なぜならば、信号検出は、信号振幅に依存しないで、且つ、迷光放射による影響を受けない、ヘテロダインビート周波数に基づくからである。従って、リターンビーム、測定ビームまたはLOビームにおける振幅変動または強度変化は、複数の範囲測定に対して殆ど影響を有さない傾向にある。更に、コヒーレントヘテロダイン検出が、ショット雑音限界への複数の光学信号をうまく検出できるので、複数のFMコヒーレントレーザーレーダは、9桁のダイナミックレンジに対応するリターンビームパワーの1ピコワットと同じくらい小さい大きさで、信頼できる複数の測定を行うことができる。
代表的な光ファイバベースのレーザーレーダが、図51Aで図示される。図51Aで示されるように、複数の偏光保持ファイバが、ビーム連結及び伝送に対して使用されるが、他の複数の例において、自由空間伝搬、複数の面導波路、又は、他の複数の光学システムが使用され得る。レーザー走査コントローラ5102は、光ファイバ5108、5110に各々連結される複数のチャープレーザービームを生成すべく、第1レーザーダイオード5104及び第2レーザーダイオード5106に連結される。3×2ファイバ連結器5112は、これらのビームを受け取って、各ビームの複数の部分を測定経路光ファイバ5114および基準経路光ファイバ5116に連結する。二波長ビームは、光ファイバ5114によって、反射器5122およびビーム成形レンズ5124を含むレーザーレーダ光学システム5120へと伝送される。走査ステージ5130は、測定ビーム5132を標的5134へと方向付けるべく、方位回転及び俯仰回転を提供するように構成される。測定ビーム5132の複数の部分は、標的5134によって戻されて、光ファイバ5114の中へと連結される。反射器5122は、レーザーダイオード5104、5106の各々と関連付けられる複数の局所発振器ビームを生成すべく、光ファイバ5114からの複数の結合ビームの一部を光ファイバ5114の中へと戻すように反射する。
標的範囲を判断すべく、リターンビームおよび複数の局所発振器ビームは、コンバイナ5112へと伝搬し、これらの結合ビームの一部は少なくとも1つの測定光検出器5140へと方向付けられる。複数のレーザーダイオードの両方と関連付けられる複数のヘテロダイン周波数が生成され、信号処理器5142は、複数のヘテロダイン周波数および複数のレーザーチャープ率に基づいて複数の範囲推定を判断する。
長さ基準5156に連結されるファイバ5154に複数のビーム部分を順に連結する2×2ファイバ連結器5150へと、光ファイバ5116の中で伝搬する複数のレーザービームの複数の部分に基づいて、範囲キャリブレーションが提供され得る。連結器5150はまた、ファイバ端部5160での複数の結合ビームの反射に基づいて複数の局所発振器ビームを生成すべく、複数のビーム部分をファイバ5158へと方向付ける。長さ基準と関連付けられる複数のビームは、基準光検出器5162で複数の局所発振器ビームと結合される。長さ基準と関連付けられる複数のヘテロダイン周波数が生成され、キャリブレーションで使用すべく、信号処理器5142によって検出される。例えば、もし長さ基準が長さLを有してヘテロダイン周波数差Δfを生成するならば、範囲目盛係数RLはRL=L/Δfとして得ることができる。標的範囲は次に、R=RLΔfmとして算出され得る。
複数の参考基準は、精密な長さを有し、周囲の湿度と関連付けられる複数の長さ変化を防止すべく、金属コーティング又は他のコーティングでコーティングされている、複数の光ファイバに基づき得る。典型的な複数の基準長は約1mから約5mの範囲である。複数の温度依存長さ変化は、温度制御され、気密シールされた容器の中でファイバを保持することによって、又は、温度依存長さ変化を推定すべく温度をモニタすることによって、制御され得る。そのような容器は、アルミニウムまたは銅から作られ得、複数のファイバ入出力は、金属でコーティングされ、容器に半田付けされて容器の壁を貫通する。Oリングシールは、シールを完全にすべく、その蓋の中に組み込まれ得る。シールは、容器を溶接または半田付けすることによっても達成され得る。更に、容器は、ファイバに湿度の無い環境を提供すべく、乾燥した不活性ガスで埋め戻され得る。基準ファイバは、複数の湿度誘発変化を低減すべく、ポリイミド層およびシールコートでオーバーコーティングされ得る。複数のシールコーティングは、金のような複数の金属を含み得、又は、カーボンのような複数の不活性材料製であり得る。繰返し反射に基づく他の代表的な複数の参考基準は、以下の複数の例で説明される。
コントローラ5128は、複数の標的領域を覆う範囲のアセスメントを可能とすべく、走査コントローラ5102、信号処理器5142および走査ステージ5130に連結される。走査ステージ5130は、ラスタ、wパターン、渦線、又は、他の選択されたパターンで走査するように構成され得る。更に、コントローラ5128は、複数のコンポーネント温度を測定及び制御するだけでなく、標的範囲に基づいて複数のレーザーダイオード走査レートを選択および/または異ならせるべく使用され得るが、複数の温度センサ及び制御は図51Aでは不図示としてある。典型的には、複数の光アイソレータは、レーザー動作における複数の望まれない変化を生成し得る複数の望まれない後方反射を減少又は除去すべく、様々な位置で挿入されるが、図説の便宜上、複数の光アイソレータは図51Aでは不図示としてある。複数のレーザービーム波長は、簡便に選択され得、約1000nmと1600nmとの間の複数の波長が典型的である。測定位置の視覚識別を可能とすべく可視ビームも含まれ得るが、図51Aでは不図示としてある。
図51Bは、異なる複数のチャープ率を有するべく変調される第1及び第2レーザーダイオードから移動する任意の標的位置から戻される、複数の測定ビーム部分の複数の線形周波数変調(複数のチャープ)を描いている。複数の局所発振器ビームと関連付けられる複数のチャープも示されている。各レーザーダイオードと関連付けられるヘテロダイン周波数f
1、 f
2が示されている。各レーザーに対する複数のアップ及びダウンチャープ周波数差は、以下の数式2となるようにドップラーシフト寄与率f
dを含む。
これらの差周波数に基づいて、標的速度および標的範囲が推定され得る。典型的には、複数のヘテロダイン周波数は、1MHzと100MHzとの間となるべく選択されるが、他の複数の周波数が使用され得る。
もし標的表面が複数の測定ビームに対して移動しているならば、複数のレーザー周波数掃き上げに対応する複数のヘテロダイン周波数は、ドップラー周波数シフトに起因する複数の周波数掃き下げに対応する複数のヘテロダイン周波数と異なるであろう。複数の掃き上げと掃き下げとの間の複数の周波数差の測定によって、標的範囲と同様に標的速度の推定が可能とされる。複数の測定ビーム周波数より大きく、且つ、それより小さい複数の局所発振器周波数を含む、複数の周波数掃引の任意の構成が使用され得る。そのような複数の判断に関する他の複数の詳細は、RezkおよびSlotwinskiによる米国特許出願公開第2011/0205523号明細書で理解され得、これは参照により本明細書に組み込まれている。
レーザーレーダベース範囲ファインディング、レーザーレーダ及びレーザートラッキングのための複数の方法、コンポーネント、システムおよびサブシステムの多数の例が、以下で説明される。これらの例は、様々な例示的レーザーレーダシステムを形成すべく互いに結合され得るが、これらの例は、本開示の範囲を制限すべく使用されるのではない。
複数の遠隔局所発振器
上記で議論されたように、複数のコヒーレントレーザーレーダシステムは概して、プローブビームを標的へと方向付け、標的から戻される放射を、局所発振器信号と呼ばれる基準光学信号と混合する。戻される放射は次に、いわゆるコヒーレントな検出を使用する、戻される放射と局所発振器との間における干渉を使用して、検出される。幾つかの場合において、次に、戻される放射および局所発振器は共通の周波数を有し、コヒーレントな検出は、ホモダイン検出法と呼ばれる。大抵の実用的な複数の適用例において、プローブビームおよび局所発振器信号は異なる複数の周波数であり、コヒーレントな検出はヘテロダイン検出と呼ばれる。ヘテロダイン検出において、複数のプローブ及び局所発振器信号の和及び差と関連付けられる複数の信号が生成される。和周波数(500THzまたはそれより高い)と関連付けられる非常に高い複数の周波数に起因して、差周波数だけが概して検出されて処理される。
もしプローブビームとの共通路に沿って伝搬しない局所発振器が提供されるならば、測定光路と局所発振器光学経路との間の複数のドリフトに起因して、複数の範囲誤差が導入され得る。これらのドリフトは幾つかの場合において補償され得る一方で、本明細書で開示されるのは、プローブビーム経路及び局所発振器経路での複数の変動が同様となる傾向になるように、且つ、互いにオフセットできるように、プローブビームとの更なる共通路を提供する複数の局所発振器構成である。これによって、温度、振動圧力、湿度又は他の複数の環境的影響に起因する複数の誤差が低減され又は除去される。二波長測定ビームを、共通する光ファイバに対するペンタミラーのような走査光学系に伝送する複数のファイバ光学系システムもまた、複数の環境的影響への任意の依存性を低減する。従って、開示される複数のシステムは、レーザーレーダの移動する複数の部分へのファイバビーム伝送に十分適用される、すなわち、複数のファイバは、測定誤差を導入せずに、複数の回転ステージまたは他の移動する複数の部分に取り付けられる複数の光学システムへと複数のビームを伝送できる。
以下で説明される代表的な複数の例において、波面の分割、又は、振幅の分割の複数のアプローチは、単一の入力ビームから測定ビーム及びLOビームを形成すべく使用される。幾つかの例において、入力ビームは、入力ビームの一部を第1面へと戻すように反射する反射屈折光学システムの第2面へと、反射屈折光学システムの第1面を通して方向付けられる。第1及び第2面は典型的に、反射せずに透過によって第1ビームを生成し、且つ、第2面を通る透過の前に第1及び第2面による反射に基づいて第2ビームを生成すべく、複数の反射及び透過領域を有する。第1及び第2面は、空気離間され得、又は、固体反射屈折光学素子上の複数の面として提供され得る。第1及び第2ビームの複数の発散は、複数の表面曲率、複数の離間、及び、複数の屈折率に基づいて選択され得る。便宜上、第1及び第2ビームのより多く発散するビームは典型的に測定ビームと呼ばれ、より少なく発散するビーム(典型的にはコリメートされる)はLOビームと呼ばれる。第2面上の反射領域は、中央領域とされ得、又は、面周辺に置かれ得る。幾つかの構成において、波源位置は典型的に、光学システムによって、例えば標的上のビーム焦点を調節すべく使用される焦点調整コーナーキューブの近く又はそこから離れている等の異なる位置に中継される。より近くにある複数の波源位置は典型的に、より小さな複数の焦点調整コーナーキューブの使用を可能とするが、その一方で、より離れている複数の波源位置は、複数のコーナーキューブ表面からの任意のゴースト反射の大きさを低減する傾向にある。複数の入力ファイバは、複数の反射を低減すべく複数のファイバ出力面で整合されるインデックスであり得、又は、複数のファイバ出力面はファイバによって画定される伝搬軸に対して傾けられ得る。幾つかの例において、LOビーム、測定ビーム、又は、その両方が折り返し経路に沿って方向付けられる複数の折り返し光学システムが使用される。複数のミラー、複数のプリズム、又は、他の複数の反射光学素子が、簡便であり得る経路を折り返すべく使用され得る。
遠隔局所発振器:例1
図1を参照すると、レーザーレーダシステム100は、例えば走査周波数レーザーのような光源に連結され、チャープ光学ビームをビームスプリッタ組立体104に方向付ける光ファイバ102を含む。レンズ106は、光ファイバ102から光学ビームを受け取り、ビームスプリッタ108へと方向付けられるコリメートビームを生成すべく置かれる。ビームスプリッタ108は、測定ビーム路に沿って、光学ビームの測定部分を、光学フィルタ又は波長板110、及び、他のビーム成形レンズ112へと方向付ける、部分的反射面109を含む。幾つかの例において、ビームスプリッタ108は偏光ビームスプリッタであるが、非偏光ビームスプリッタも同様に使用され得る。示されるように、ミラー114は、測定ビーム116を焦点調整コーナーキューブ120へと方向付けるべく置かれる。測定ビームは、リターン反射器119によって反射されて焦点調整コーナーキューブ120の中へと戻るべく、コーナーキューブ120によって反射される。焦点調整コーナーキューブ120を出る際に、測定ビームは、標的へと方向付けられる光学ビーム117を形成するレンズ115によって形付けられ又はフォーカスされる。図1における明確性を目的として、コーナーキューブ内の測定ビーム路は不図示としてあるが、リターン反射器は概して、測定ビームが遮られないように、測定ビーム伝搬軸から変位される。1または複数の平行移動ステージ(図1において不図示)を用いてレンズ115からコーナーキューブ120を変位させることによって、測定ビームを選択標的距離でフォーカスできる。標的から戻された測定ビームの複数の部分(「リターンビーム」)は、測定ビームと反対方向で伝搬し、リターンビームが検出器134によって受け取られるべく、ビームスプリッタ108によって、1または複数のフィルタ又は波長板130、及び、検出器焦点レンズ132へと送られる。
ビームスプリッタ108の部分的反射面109は、局所発振器部分(LOビーム)を、光学フィルタ又は波長板118、そして焦点調整コーナーキューブ120へと送る。LOビームは、焦点調整コーナーキューブ120によって、経路125に沿って、LO反射コーナーキューブ122へと方向付けられる。LOコーナーキューブ122は、LOビームが焦点調整コーナーキューブ120へと戻され、経路125から変位された平行な経路127に沿って伝搬するように置かれる。他の複数の例において、ダハプリズムが、コーナーキューブの代わりに、LOビームを反射してシフトすべく使用される。LOビームは次に、焦点調整コーナーキューブ120を出て、ビームスプリッタ108に戻るべく、経路127、125に沿ってLOビームを再方向付けする再帰反射器124に入射する。ビームスプリッタ108は、LOビームの少なくとも一部を検出器134に入射させるべく反射する。従って、ヘテロダイン信号を得られるように、測定ビームおよびLOビームの両方の複数の部分が検出器によって受け取られる。
図1で示されるように、LOビームは、測定ビーム路から変位された平行な光学経路に沿って、コーナーキューブを4回通るように伝搬する。測定ビームは、標的へと方向付けられる前に、焦点調整コーナーキューブ120を2回通過するように伝搬する。標的からのリターンビームは、測定ビーム路を逆に辿り、従って、焦点調整コーナーキューブ120によって生成される何れの光路差もLOビームおよび測定/リターンビームの両方に対して略同一となるように、焦点調整コーナーキューブ120を更に2回通過する。
図1の焦点調整コーナーキューブ120はLOビームを提供する場合にも使用されるけれども、焦点調整コーナーキューブ120のサイズは、LOビーム路の位置に応じてLO光学系を収容すべく大きくなる必要は無い。図1の例において、コーナーキューブ120、122の複数の入口/出口面、及び、他の複数の光学面は、距離決定を複雑化し得る望まれない複数の反射を生成し得る。そのような各反射は典型的に、範囲推定を判断する場合に使用され得る(意図的又は偶発的のいずれか)、二次LOビームまたは「ゴースト」LOビームを生成する。これら複数の面反射の複数の位置は既知であるので、一次LOビーム、又は、1または複数の二次「ゴースト」ビームに基づく複数の測定を、複数の範囲推定を生成すべく結合できる。しかしながら、大抵の実施例において、複数のゴースト反射は、より簡易な距離決定を可能とすべく回避される。そのような複数の反射の大きさを減少すべく、幾つか又は全ての面に、適切な複数の反射防止コーティングを設けることができる。代替的に、例えば複数のくさび形の光学素子を設けることによって、複数の面を局所発振器ビームに対して傾けることができる。他の複数の例において、そのような複数の面を回避すべく、複数の中空光学素子が使用され得る。例えば、中空コーナーキューブを3つの第1面ミラーから形成できる。そのような中空コーナーキューブは、望まれない繰返し反射と関連する複数の面が無い。
遠隔局所発振器:例2
図2を参照すると、レーザーレーダシステムは、チャープレーザービーム206をコリメートレンズ208およびビームスプリッタキューブ210へと伝送するように構成された出口面204を有する光ファイバ202を含む。チャープレーザービーム206のLO部分は、ミラー212A、212Bへと反射され、次に焦点調整コーナーキューブ220へと反射される。焦点調整コーナーキューブ220は概して、チャープレーザービームの測定部分に対して焦点調整を提供すべく平行移動可能となるように構成されるが、複数の平行移動メカニズムは図2において不図示である。LOビームは、経路221に沿って、コーナーキューブ220を通り、LO直角プリズム222へと伝搬し、再帰反射器224へと伝搬する。LO直角プリズム222は、ダハプリズムとして機能すべく置かれる。なぜならば、そのプリズム斜辺は入口/出口面として使用され、複数の直角面はLOビームを反射すべく機能するからである。例えば複数のダハプリズムのような他の複数のプリズムが使用され得る。再帰反射器224は、LOビームを、経路221に沿って直角プリズムの組212A、212Bへと戻し、ビームスプリッタキューブ210へと戻す。図2で示されるように、ビームスプリッタキューブ210は、検出器(不図示)へと連結され得る光ファイバ232へとLOビームを方向付けるフォーカスレンズ231に向けて、LOビーム又はその一部を送る。
チャープレーザービーム206の測定部分(測定ビーム)は、ビームスプリッタキューブ210によって透過され、リターン反射器230への測定ビーム路に沿って測定ビームを焦点調整コーナーキューブ220へと方向付けるミラー225で、又はその近くで発散ビームを形成すべく、レンズ227によってフォーカスされる。測定ビーム路はLOビーム路221からオフセットされているが、明確性を目的として図2では示されていない。リターン反射器230による反射の後、測定ビームは、測定ビーム路に沿って反射され、ミラー225に向けて戻される。測定ビームは発散しているので、ミラー225は測定ビームを殆ど遮らない。測定ビームは、標的表面に測定ビームを形状付ける又はその焦点を合わせる対物レンズ(不図示)に入射する。標的からのリターンビームは、ビームスプリッタキューブ210が、リターンビーム(及びLOビーム)を光ファイバ232へと方向付けるフォーカスレンズ231へと測定ビームを反射するように、測定ビーム路を逆に辿る。
図2で示されるように、LOビームおよび測定ビーム/リターンビームは、焦点調整コーナーキューブ220の中で、変位された平行な複数の経路に沿って伝搬する。焦点調整コーナーキューブ220の中での全経路長は、LOビームおよび測定ビーム/リターンビームに対して略同一である。測定ビーム及びリターンビームが各々発散及び収束している一方で、LOビームは、焦点調整コーナーキューブ220の中でコリメートビームとして伝搬する。
遠隔局所発振器:例3
幾つかの例において、測定ビーム部分およびLOビーム部分は、相互に僅かな角度をもって伝搬するように構成される。図3を参照すると、レーザーレーダ用の光学システム300の一部は、支持基板314によって保持されるフェルール304を通って延びる光ファイバ302を含む。光ファイバ302は、軸301に沿って測定ビーム部分306を伝導するフレネルゾーンプレート305又は他の光学素子へと方向付けられるファイバ末端面303から、チャープ光学ビームを放射する。測定ビーム306は典型的に、光ファイバ302の開口数に対応するビーム発散を保持する。LOビーム部分は、軸301に対してある角度を有する軸308に沿って伝搬すべく、ゾーンプレート305によってコリメートされる。LOビームは、焦点調整コーナーキューブ320によって、フレネルゾーンプレート305に向けるが軸301、308に対してある角度を有する軸309に沿ってLOビームを戻す反射面316に連結される。LOビームは、ゾーンプレート305によって、ファイバ末端面303から変位されているがファイバ末端面303の放射領域と約または正確に同一平面上の位置に焦点を合わされる。幾つかの例において、LOビームは、軸310に沿ってLOビームを反射する研磨されたフェルール面330上にフォーカスされる。LOビームは次に、焦点調整コーナーキューブ320を通って反射面316へと戻るように伝搬し、ゾーンプレート305によってLOビームがフォーカスされてファイバ302の中へと戻るように、軸311に沿って戻る。ゾーンプレート305は、末端面303のイメージを末端面303上へと再適用する。末端面303はゾーンプレート305の焦点に又はその近くに置かれるので、LOビームが軸308、309、310、311に沿って伝搬した結果、LOビームは光ファイバ302の中へと再び焦点を合わされる。
測定ビーム306は発散し、コーナーキューブ320によってリターン反射器へと方向付けられ、そして、コーナーキューブ320によって、標的に測定ビームの焦点を合せる対物レンズへと戻るように方向付けられる。リターンビームは、この経路を逆に辿り、光ファイバ302の中へとLOビームと共に連結される。図3を簡略化すべく、測定ビーム路、リターン反射器および対物レンズは不図示としている。図説の便宜上、測定ビームの発散、及び、軸301に対するLO伝搬軸の相対的な傾きが誇張されている。複数の反射防止コーティングを用いて、コーナーキューブ表面での繰返し反射を低減できる。傾斜研磨コネクタライズ(APC:angle polished connectorized)ファイバを使用して、ファイバ302の末端面303での必要とされない複数の反射と関連する複数の影響を低減できる。
遠隔局所発振器:例4‐測定ビーム/LOビーム生成
コリメートビーム部分(典型的にはLOビームとして使用される)、及び、発散ビーム部分(典型的には測定ビームとして使用される)は、複数の例が以下で図説される様々な光学配置を用いて、得られる。そのような複数の光学システムは、簡便であり得るビーム振幅または波面の分割に基づき得る。幾つかの例において、複数の光ファイバは、分割しようとするビームを、測定ビーム及びLOビームの中へと供給すべく使用される。ファイバ末端面からの複数の反射を低減すべく、湾曲面又は傾斜面が使用され得、又は、おおよその屈折率整合を提供すべく選択され得る光学接着剤を用いてファイバ末端面が固定され得る。幾つかの例において、ファイバは第1面に固められ、LO及び測定ビームは、第1面及び第2面での反射及び透過の組み合わせを使用して形成される。ビームのコリメーション又は発散は、複数の表面曲率及び距離に基づいて提供され得る。
複数の波面連結ファイバ構成の反射分割
図4から7の複数の例において、ファイバは、典型的には複数のファイバ末端面反射を低減させる光学接着剤を用いて、反射屈折素子又は他の光学素子に連結される。図4を参照すると、光ファイバ402は、光学ガラス、溶融シリカ、又は、他の透過光学材料から形成される二重凸レンズ405の第1面403上で画定される、透過開口404によって透過される光学ビームを放射するように構成される。光ファイバ402は、第1面403に対して固められ得る。光学ビームの一部は、レンズ405の第2面408上で画定される中央反射領域410によって、第1面403上の外側反射領域406へと反射される。反射領域406は、ビーム412が形成されるように、反射されたビームを第2面408の外側透過部409へと方向付ける。入力光学ビームの一部は、発散ビーム414を形成すべく、第2面の外側透過部408によって、内部反射せずに透過される。ビーム412、414は更に、測定ビーム又はLOビームになるように方向付けられ得る。複数のビーム形状、サイズ及び発散が、第1及び第2面403、408の複数の曲率および間隔と、レンズ405の屈折率に基づいて選択され得る。レンズ405は、両凸である必要はないが、以下の複数の他の例の幾つかで図示されるような、凸状、凹状、球面状または非球面状の面を有し得る。更に、第1及び第2面403、408は、複数の別の面上で画定されて互いに離間され得、固体レンズ要素は必要ない。
図5は、反射屈折光学素子505の第1面507における透過開口504でファイバ502から受け取られる単一ビーム入力から、LOビーム及び測定ビームを生成する光学システムを図示している。LOビームは、第2面508の中央反射領域510、及び、第1面507の外側反射部506で入力ビームの一部を反射することによって得られる。LOビームは次に、コリメートビーム512を生成すべく、第2面508の外側部分で屈折する。発散測定ビームは、測定ビーム514を形成すべく、第2面508の中央反射領域510の周りで入力ビームの一部を透過することによって生成される。反射屈折光学素子505は、凸状第1面および凹状第2面を含むが、他の複数の表面曲率が使用され得る。
図6で図示される他の例において、光学システムは、反射屈折光学素子605の第1面607における透過開口604でファイバ602から受け取られる単一ビーム入力から、LOビーム及び測定ビームを生成する。測定ビームは、第2面608の中央反射領域610、及び、第1面607の外側反射部606で入力ビームの一部を反射することによって得られる。入力ビームのこの部分は次に、焦点620から発散する測定ビーム614を生成すべく、第2面608の外側部分で屈折する。コリメートLOビームは、LOビーム612を形成すべく、第2面608の中央反射領域610の周りで入力ビームの一部を透過することによって生成される。反射屈折光学素子605は、凸状第1及び第2面を含むが、他の複数の表面曲率が使用され得る。第2面の曲率は、LOビームが実質的にコリメートされるように選択される。
図7は、更に他の例示的光学システムを図示している。この例において、光ファイバ702は、反射屈折光学素子705の第1面707上で画定される透過開口704へと入力ビームを伝送する。LOビーム部分は、第2面708の中央反射領域710の周りで、LOビームをコリメートするレンズ711へと透過される。中央反射領域710は、レンズ711及び反射屈折光学素子705の一方又は両方の上に、反射コーティングとして設けられ得る。測定ビームは、第2面708の中央反射領域710、及び、第1面707の外側反射部706で入力ビームの一部を反射することによって得られる。測定ビームは次に、発散測定ビーム714を形成すべく、レンズの凸状面713で屈折する。この例において、第1面707及び第2面708は平面であって、追加のレンズ素子(レンズ711)は反射屈折光学素子705に対して固められ得る平凸レンズである。
複数のファイバ末端面がファイバ軸に対して傾けられる複数の例が、図8から図9で示されている。図8を参照すると、ファイバ802は、第1反射光学素子806の中で画定される開口の中へと挿入される。複数の後方反射を低減すべく、ファイバ802は傾斜末端面804で終端する。図8で示されるように、傾斜末端面804は、ファイバ802を出る際のファイバ軸801の屈折を考慮して、ファイバ軸801が光学システム軸803と整列するように置かれる。他の複数の例において、ファイバは、軸801、803が直線軸を形成し、傾斜末端面804からの放射が光学システム軸803に対してある角度で伝搬するように保持される。大抵の場合において、これらの傾きは小さく、実例を目的として図8では誇張されている。ファイバ802からの入力ビームのLO部分は、凸状/凹状反射屈折光学素子808の面812上で画定される中央反射領域816によって反射されて反射光学素子806の反射面807へと戻される。反射された部分は次に、コリメートビーム820を形成すべく凸状/凹状反射屈折光学素子808によって屈折される。測定ビーム部分は、測定ビーム818を生成すべく、反射屈折光学素子808へと透過される。光学素子806、808は互いに離間され、間隔および複数の曲率は、好まれるようにビームを成形すべく選択され得る。
図9を参照すると、ファイバ902は、平坦な反射光学素子906の中で画定される開口の中へと挿入される。複数の後方反射を低減すべく、ファイバ902は傾斜末端面904で終端する。ファイバ902からの入力ビームの測定部分の複数の影響は、平凸状反射屈折光学素子908の面912の中央反射領域916によって反射されて反射光学素子906の反射面907へと戻される。反射された部分は次に、発散ビーム918を形成すべく、反射屈折光学素子908によって屈折される。LOビーム部分は、LOビーム920を生成すべく反射屈折光学素子908へと透過される。光学素子906、908は離間され、間隔および複数の曲率は、好まれるようにビームを成形すべく選択され得る。
図10は、図7の構成と同様の構成を図示しているが、折り返し軸を備えている。ファイバ1002は、キューブ反射器入力面1005の透過開口1007を通して、反射コーティングを備えた直角プリズムの組として形成されたキューブ反射器1004へと入力ビームを連結すべく置かれる。キューブ反射器1004の反射面1009は、コリメートLOビーム1022を形成すべく、キューブ反射器出口面1008の反射領域1010の周りでLOビーム部分を平凸レンズ1014へと反射する。測定ビームは、反射中央領域1010、および、キューブ反射器入力面1005の反射部分1006で入力ビームの一部を反射することによって形成される。測定ビームは次に、発散測定ビーム1020を形成すべく、中央反射領域1010の周りでレンズ1014へと透過される。
開示される複数の例において、凹状面、凸状面または平面の複数の選択された部分一面に反射コーティングが設けられる固体反射屈折素子が使用される。離間された複数の光学素子は、幾つかの例においても使用される。概して、少なくとも1つのビーム用の光学経路が折り返されるように、少なくとも1つの光学面の中央部分は反射性であり、少なくとも1つの光学面の中央部分は透過性であるが、多くの変更が可能である。幾つかの場合において、入力ビームは、反射させずにLO又は測定ビームを形成すべく、光学素子の中央透過部分によって透過される。他のビーム(LO又は測定ビーム)は次に、光学素子の外側部分における反射で生成される。代表的な例は、ファイバ1102によって、入力ビームが出力面1100上に中央透過領域1110を有する固体反射屈折素子1105に連結される図11で示されている。LOビーム1116は、出力面1100で入力ビームの一部が反射せずに透過および屈折することによって形成される。入力ビームの一部は、出力面1106の外側反射領域1108で反射入力面1104へと反射される。反射された部分は、1120で焦点を形成し、次に、発散測定ビーム1124を形成すべく、中央透過領域によって透過される。
図12は、傾斜末端面1204で光ファイバ1202から出る入力光学ビームを受け取るべく置かれる固体反射屈折光学素子1208を図示している。光学素子1208は、軸AX上で中央に置かれる第1面1210及び第2面1220を含む。第1面1210は、外側反射領域1212及び中央透過領域1214を含む。第2面1220は、中央透過領域1224、中間反射領域1226、及び、外側透過領域1230を含む。図12で示されるように、コリメートビーム1240が形成される。発散ビーム(不図示)もまた、中央透過領域1224による入力ビームの一部の透過によって形成され得る。ファイバ末端面1204の傾きが原因で、反射されたビーム1250は軸AXから離れて方向付けられ、光学システムによって捕捉されない。
上記の複数の例で示されるように、コリメートされたLOビームの生成は、コリメートされていない発散又は収束する測定ビームの生成に伴う。いわゆる「2倍率」要素が、図13で示されるように使用され得る。固体反射屈折素子1304は、透過中央開口1322および反射環1320を有する第1面1318を備える。第2面1312は、中央反射領域1316および透過環1314を有する。第1及び第2面の複数の曲率は、反射屈折素子1304が直進ビームに対して第1倍率または第1焦点距離を有し、反射屈折光学素子1304の中で折り返し経路に沿って反射されるビームに対して第2倍率を有するように選択され得る。メニスカス形状に対して、もし2つの面の複数の曲率が約等しいならば、反射屈折素子は直進ビームに対してゼロパワーレンズとして機能する。(この場合、等しい複数の曲率は薄いレンズの近接においてのみゼロパワーを生成するので、複数の曲率は厚さに基づいて選択される。)光ファイバからの入力ビームに基づくコリメートビームの生成が図説され、発散ビームは不図示としている。
図14を参照すると、光ファイバ1402は、直角プリズム1416の反射面1417へと方向付けられるコリメートビーム1412を生成するコリメートレンズ1408に向けて、入力光学ビーム1404を方向付けるべく置かれる。プリズム1416は、平面反射領域1420および湾曲反射領域1424を含む。平面反射領域1420は、コリメートLOビーム1428を生成する目的で、コリメートビーム1412の外側部分を反射すべく置かれる。湾曲反射領域1424は、コリメートビーム1412の内側部分1432を焦点1436にフォーカスし、発散測定ビーム1440を生成すべく置かれる。もし中央反射領域1424が凹状であるならば、測定ビームは、示されるように実焦点1436に来る。しかしながら、凸状曲率が使用され得、バーチャルな焦点を生成するであろう。中央領域を平面として、外側領域を湾曲させることもできる。概して、内側及び外側部分に対する複数の異なる曲率の任意の組み合わせが使用され得、入射ビーム1412はコリメートされることを必要としない。図説の便宜上、直角反射が示されているが、他の複数の角度が使用され得る。ファイバ出口面における反射面1410は、もしLOビームの繰返し反射が望まれるならば、設けられ得る。
複数の波面連結ファイバ構成の屈折分割
多くの例において、複数の反射面が含まれるが、複数の透過面又は屈折面だけを含む複数の光学システムが使用され得る。例えば、少なくとも1つの、分岐された光学面又は他の複合光学面を有する屈折光学素子が使用され得る。図15で示されるように、光学システムは、軸1508に沿って、凸状入力/出力面1512、1514を有する二重凸レンズ1510へと入力光学ビームを伝送すべく置かれたファイバ1502を含む。(ファイバ出力面1503の傾きに起因する、ファイバ1502の中での伝搬軸1507に対する軸1508の僅かな逸脱は、不図示としている。)図15の例において、出力面1514は外側環状部分1516Aを有し、第2レンズ1518は、軸部を覆うべく第1レンズ1510に固定される。第2レンズ1518は、第1レンズ1510に固められ得、又は、そうでなければ第1レンズ1510に接触され得、或いは、軸1508上の、又は、当該軸からズレている第1レンズから空気離間され得る凹状/凸状レンズとして示されている。他の複数の表面曲率が第1レンズ1508および第2レンズ1518の一方又は両方に対して使用され得、第1レンズ1510の出力側曲率は、第2レンズ1518の入力側曲率と一致する必要はない。他の複数の例において、複数の分岐レンズが使用される。
レンズ1510の環状部分1516は、LOビームとして機能できる収束光学ビーム1530を生成すべく選択される。第2レンズ1518は、測定ビームとして機能できる収束ビーム1532を生成する。上記の図3で示されるように、繰返し反射の後にLOビームが光ファイバ1502に連結されてその中へと戻るように、LOビームを方向付けるファイバ出口面1503に、反射面1536が設けられ得る。他の複数の例において、コリメートレンズがファイバに固定され得、第2レンズが、測定ビームを形成するコリメートビームの一部を遮るべく使用され得る。
代表的な分岐レンズ1602、1612、1622が、図16Aから16Cで示されている。レンズ1602は、第1凸状面1604および第2凸面1606を含む。第2凸面1606の軸部1608は、第2凸面1606の他の複数の部分の曲率と異なる曲率を設けられる。同様に、レンズ1612は、平面1614および凸状面1616を含む。面1616の軸部1618は、凸状面1606の他の複数の部分の曲率と異なる曲率を設けられる。図16Cの例において、レンズ1622は、凸状面1624および平面1626を含む。レンズ1622の軸部1628は、平面1626の他の複数の部分の曲率と異なる曲率を設けられる。軸部1628は、レンズ1624に統合され得、又は、面1626に固定された又は離間された追加のレンズ素子を設けられ得る。
振幅ビーム距離の偏光ベースの分割
図17を参照すると、ビーム分離光学システムは、軸1704に沿って光学ビームをコリメートレンズ1708及び波長板1710へと方向付けるように構成された光ファイバ1702を含む。波長板1710は、受け取った光学ビームに対して選択偏光状態(SOP)を生成すべく方向付けられる。大抵の実施例において、光ファイバ1702からの光学ビームは直線偏光ビームであり、波長板1710は、任意の方向で直線偏光状態を生成すべく方向付けられ得る半波長リターダである。光学組立体1711は、光学ビームを受け取るべく置かれ、入力レンズ1712、偏光ビームスプリッタ(PBS)1714、1/4波長板1719、及び、反射面1721を備えるウェッジプリズム1720を含む。第1偏光状態の入力ビームの一部は、PBS反射面1716を透過して1/4波長板1719を通り、次に、反射面1721によって反射されて戻り、1/4波長板1719を通る。λ/4位相差板1719は、第1偏光状態がλ/4位相差板1719を2回通過する場合に第1偏光状態に垂直な第2偏光状態へと変換されるように配置される。従って、反射面1721は、コリメートビーム1740を生成すべく、ビームを出力レンズ1734へと反射するPBS反射面1716へと、透過ビームを方向付ける。
PBS反射面1716は、第2偏光状態の入力ビームの測定ビーム部分を、λ/4位相差板1724、及び、固体プリズム1725の面に設けられ得る反射面1728に方向付ける。λ/4位相差板1724は、反射された測定ビームがPBS反射面1716を透過すべく、第2偏光状態がλ/4位相差板1724を2回通過する場合に第1偏光状態へと変換されるように配置される。出力レンズ1734は、出力測定ビーム1741がそこを超えると発散する、焦点1738に測定ビームを集中させる。入力ビームの偏光状態は、測定ビームとLOビームとの間の光パワーを選択的に分割したものを得るべく、PBSによって反射または透過された入力ビームの複数の部分が選択され得るように、波長板1710の位相差および方向に基づいて選択され得る。図17で示されるように、ビーム1740、1741は、互いに非平行な軸に沿って伝搬する。
コリメートLOビーム1740は、焦点調整コーナーキューブおよびリターンミラー(図17においては不図示)へと方向付けられ、レンズ1734へと戻される。しかしながら、戻されたLOビームは、波長板を通過せずに反射面1722へと方向付けられるべく、反射面1716に入射する。反射面1721と対照的に、反射面1722は、λ/4位相差板1719のような対応するリターダを有さない。反射面1722は次に、LOビームを焦点調整コーナーキューブおよびリターンミラーへと戻すように方向付ける。LOビームは次に、反射面1721によるファイバ1702への反射用のλ/4位相差板1719へと反射面1716によって反射されるべく、レンズ1734を通過して戻される。典型的に、反射面1721、1722、1728の傾きは、LOビームおよび測定ビームの十分な距離を維持しつつ、出来る限り小さくなるように選択され、また、反射面1721、1722でLOビームの十分な変位を提供すべく選択される。
図18を参照すると、光ファイバ又は他の入力ビーム源は、軸1802に沿って光学ビームを方向付けるべく置かれる。第1ビーム成形レンズ1806および偏光ビームスプリッタ(PBS)1810は、軸1802上に置かれ、PBS1810の反射面1814は、折り返し軸1816に沿って入力ビームの一部を反射し、且つ、入力ビームの一部をλ/4位相差板1818へと透過すべく置かれる。反射ビーム部分および透過ビーム部分は、第1および第2の垂直な(典型的には直線)偏光状態(SOPs)に各々対応する。第2ビーム成形レンズ1822は、標的へと方向付けられ得る測定ビームを生成すべく、軸1802に沿って置かれる。(代替的に、当該ビームはLOビームとして機能できる。)λ/4位相差板1818は、透過ビームと関連付けられる第2偏光状態を円偏光透過ビームへと変換すべく置かれる。円偏光ビームは、典型的には例えば図1で図示された焦点調整コーナーキューブ配置を使用して、測定ビームとして標的へと方向付けられる。
標的で反射された測定ビームの一部は、左右像が変化して又は変化せずに、円偏光として第2ビーム成形レンズ1822へと戻され得る。もし左右像が変化して戻されるならば、リターンビームの円偏光状態は、λ/4位相差板1818によって、PBS1810で反射される第2偏光状態へと変換される。第3ビーム成形レンズ1826は、PBS1810から戻された測定ビームを、検出器へと、或いは、検出器へと伝送するためのファイバ又は他の光学システムへと方向付ける。
PBS1810は、LOビームとして使用する目的で、反射されたビーム部分を第1の(直線)偏光として折り返し軸1816に沿って方向付けるべく置かれる。λ/4位相差板1828は、PBS1830と共に軸1816上に置かれる。PBS1830の反射面1834は、軸1802からオフセットされた平行な軸1836に沿ってビーム部分を反射するように構成される。λ/4位相差板1828は、幾らかの光パワーが軸1816に沿ってPBS1830から出力してから再捕捉されないように、PBS1810で反射される直線偏光状態(第1偏光状態)から円偏光状態を生成すべく方向付けられる。第1円偏光状態のLOビームを生成すべく、LOビームはPBS1830によって反射されてλ/4位相差板1818を通る。当該円偏光LOビームは次に、焦点調整コーナーキューブ、および、軸1836に沿ってLOビームを戻すように方向付けるLOリターン反射器1835へと方向付けられる。
図19は、図18の光学システムを図示しており、焦点調整コーナーキューブへと伝搬する第1円偏光状態(例えば右回りの円偏光状態又は「RHC」)のLOビーム1950を示している。第1円偏光状態に垂直な第2円偏光状態(例えば左回りの円偏光状態又は「LHC」)の円偏光LOビーム1952は、λ/4位相差板1818へと戻るように反射される。反射されたLOビーム1952は、概して、図1で示されるような、焦点調整コーナーキューブ、及び、リターンミラー又は専用のLO反射器から戻されるが、そのようなLOリターン反射器は図18および19から省略されている。λ/4位相差板1818によって透過される際に、戻されたLOビーム1952は、PBS1830によって透過される第1直線偏光状態にある。リターン再帰反射器1835(図18から19ではコーナーキューブとして示されている。)は、第1円偏光状態とは反対の左右像を有する第2円偏光状態の円偏光LOビーム1954として、すなわちLHCとして伝搬すべく、LOビームをPBS1830及びλ/4位相差板1818を通過して戻すように反射する。
LOビーム1954は、焦点調整コーナーキューブ/リターン反射器へと方向付けられ、λ/4位相差板1818及びPBS1830へと戻るように反射される。LOビーム1954は、第2円偏光状態で焦点調整コーナーキューブへと透過され、第1円偏光状態で戻る。λ/4位相差板1818は、測定ビーム及びLOビームをファイバに又は直接検出器に連結する第3レンズ1826へとLOビームがPBS1810を通過して反射されるように、第1円偏光状態を第1直線偏光状態へと変換する。LOビーム偏光は、適切なSOPsを提供すべく容易に制御されるが、戻された測定ビーム部分は、概してそのように容易に制御されることができず、SOP不整合に起因して追加のパワーロスが生じ得る。
図20は、図18から19で示されるような偏光光学系を使用して測定ビームおよびLOビームを分離する、光学システムの斜視図である。光学組立体2004は、第1および第2の偏光ビームスプリッタ2006、2008と、λ/4位相差板2010、2012とを含む。入力ビームは、第1ミラー2016へと伝搬する直進測定ビームを生成すべく、軸2014に沿って方向付けられる。LOビームが軸2023に沿って第2ミラー2018へと方向付けられるように、LOビームはPBS2006及びPBS2008の中で複数回反射することによって生成される。焦点調整コーナーキューブ2019及びリターン反射器2020は、測定ビームを受け取って、且つ、2要素空気離間レンズとして図20で示される対物レンズ2021へと測定ビームを反射すべく置かれる。戻された測定ビームは、ファイバに又は直接光検出器に連結するための軸2028に沿って伝搬すべく、光学組立体2004へと光学経路を逆に辿る。
LOビームは、光学組立体2004へと戻されるべく、焦点調整コーナーキューブ2019、及び、LOリターン反射器2034(又はリターン反射器2020の一部)へと方向付けられる。LOビームは、焦点調整コーナーキューブ2019及びリターン反射器2034へと戻るように光学組立体2004における反射面2011で(又は再帰反射器によって)反射される。反射面2011は、偏光ビームスプリッタ2008の面として図20で示されているが、概して、再帰反射器が軸2023上に置かれて、偏光ビームスプリッタ2008に固定され又は空気離間され得る。焦点調整コーナーキューブ2019の当該第2の通過の後に、LOビームは、ファイバに又は直接光検出器に連結するための折り返し軸2028に沿って方向付けられる。その結果、検出器に到達する測定ビーム部分およびLOビーム部分は、焦点調整コーナーキューブ2019を同一回数通過し、これにより、ビームフォーカスと関連付けられる複数の光路差によって導入される複数の誤差を低減する。図説の便宜上、複数のビームをフォーカスすべく使用される他の複数のレンズは不図示としてある。大抵の実施例において、測定ビームは、レンズ2021で発散すべく、レンズ2031で第1の正しいミラー2016に又はその近くに焦点を合わせられる。
複数のレーザーレーダ長さ基準
複数のレーザーレーダシステムは典型的に、複数の範囲測定を確認および/またはキャリブレーションする際に使用するための基準アーム又は長さ基準を含む。幾つかのレーザーレーダは、走査周波数測定ビームおよび走査周波数局所発振器ビームを使用する。標的までの距離は、測定ビームの戻される部分と局所発振器との間の差周波数又はヘテロダイン周波数に基づいて得られる。測定ビームの戻される部分は周波数掃引におけるより早い時間からのレーザー周波数にあり、標的距離は次にcΔf/βとして推定され得る。ここでのcは光速であり、Δfはヘテロダイン周波数であり、βはレーザー周波数走査レートである。図21Aから21Bは、測定ビームおよびLOビームに対する時間の関数としての複数の光学周波数を図示している。LOビームおよび測定ビームは共通のチャープ入力ビームから生成され、入力ビームの一部は、LOビームとして機能すべく、反らされて、標的へと放たれない。選択された距離における標的特徴は、測定ビームの一部を戻し、戻された部分およびLOビームは混合される。図21Aは、各ビームに対する時間の関数としての光学周波数の変動を図示し、図21Bは、標的範囲を推定すべく使用され得る差周波数を図示している。幾つかの時間において差周波数はチャープでの周期性に起因して異なるが、他の複数の時間においては差周波数が一定であり、距離決定の際に使用される。既知の長さを備える参考基準からデータを得ることによって、レーザー走査レートβの値を推定でき、補正され又はキャリブレーションされた線形性を走査できる。
図22は、基準長として使用すべく選択された長さを備えたアルミノ珪酸リチウムガラスセラミックチューブ2202を含む、代表的な長さ標準器2200を図示している。アルミノ珪酸リチウムガラスセラミックは、典型的には約0.2×10−7/K未満又はこれに等しいそれ自体の低い熱膨張係数(CTE)に起因して、特に有利である。当該材料の一例は、ゼロデュア(ZERODUR)ガラスセラミックとして商業的に利用できるが、同様のCTEを備える他の複数のガラスセラミックが、例えばセルビット(Cer-Vit)またはSitallとして使用され得る。チューブ2202は、誘電体コーティング2205、2207を各々含むミラー2204、2206でシールされる。複数のミラーは、軸2209に対して垂直となるべく整合される。チューブ2202およびミラー2204、2206はファブリ・ペロー共振器を形成し、誘電体コーティング2205、2207の反射性は、選択される共振器フィネスを提供すべく選択され得る。典型的には、50%、75%又は90%より大きい複数の反射率が使用される。一例において、複数の往復と関連付けられる複数の反射が距離50cmと一致するように、共振器長さは約25cmである。
光ファイバ2208は、コリメートビーム2212を共振器軸2209に沿って方向付けるコリメートレンズ2210へと、キャリブレーション光学ビーム(典型的には測定ビーム又はプローブビームの全部又は一部)を伝送すべく置かれる。フォーカスレンズ2211は、キャリブレーションビームを検出器の中へと方向付けるべく置かれる。2つのミラーは、ファブリ・ペロー干渉計を形成する。各通過で、幾つかの光がチューブを抜けて、第2レンズによって光検出器上にフォーカスされる。複数の部分的なミラーの反射性に依存して、異なるチューブ通過数に対応する複数のヘテロダイン周波数信号が生成され得る。長さ25cmのチューブに対して、各信号は、50cmの範囲差を表わす。任意のこれらの信号が、基準アーム信号として使用され得る。増幅器2226は、共振器経路の単一の片道通過、および/または、その複数の往復と関連付けられる1または複数のヘテロダイン周波数を識別するヘテロダイン周波数検出器2230に、複数のヘテロダイン周波数信号を連結する。プロセッサ又は他の測定システム2234は、1または複数の識別されたヘテロダイン周波数を受け取り、幾つか又は全ての周波数、及び、それらの関連付けられた経路長に対して、目盛キャリブレーションRLを判断する。ガラスセラミックチューブ2202は非常に低いCTE材料で作られる一方で、熱感知/制御システム2240が、1または複数の温度センサ2242で温度をモニタして、ヒータ/クーラ2244でチューブ2202を加熱又は冷却するように構成され得る。幾つかの例において、効果的なチューブ長に適した補正が判断され得るようにチューブ温度が測定される。目盛キャリブレーションRLは、温度依存性のチューブ長に基づく。
他の代表的な基準長は、図23で図示される。ガラスセラミックフレーム2302は、反射面2302A、2302B、又は、複数の反射領域、或いは、入力キャリブレーションビームを反射すべく置かれる個別の反射器を設けられる。レーザー源2312は、入力ビームの一部をファイバ2315に沿ってコリメートレンズ2316へと方向付けるファイバ連結器2314に連結される。コリメートレンズ2316は、繰返し折り返される経路2320に沿って再帰反射器2324へと伝搬するキャリブレーションビームを生成する。再帰反射器2324は、キャリブレーションビームをコリメートレンズ2316への経路2320に沿ってファイバ連結器2314へと戻すように反射すべく配置される。ファイバ2315のファイバ出力面2318は、入力ビームの一部を、典型的にはその約4%を反射してファイバ連結器2314に向けて戻すように構成される。ファイバ連結器2314は、ファイバ出力面2318で反射された部分だけでなく、繰返し反射されたキャリブレーションビームを、フレーム2302から検出器2328へと伝送する。複数の結合ビームは、例えば図22で図示されるキャリブレーションシステムへの伝送の前に、バッファに入れられ得、又は、増幅器2336で増幅され得るヘテロダイン信号を、光検出器2328で生成する。温度制御および/またはモニタが設けられ得、フレーム2302は典型的に容器の中でシールされるように構成される。一例において、光学経路2320に沿う光学伝搬が安定した環境に基づいて制御され得るように、複数のカバープレートがフレームに固定される。
他の複数の例において、複数のキャリブレーション光学経路は、ガラスセラミック又は他の超安定材料を使用して光路差が画定される複数のマッハツェンダ経路のような他の複数の干渉計経路に基づき得る。複数のファブリ・ペロエタロンは、チューブを必要としないが、複数のガラスセラミックロッド又はプレートで離間される複数の反射器によって画定され得る。複数のリング共振器構成もまた使用され得る。幾つかの他の例が、図24から25で図示される。図24を参照すると、基準長が、入力ビームの第1部分を軸2401に沿って方向付け、第2部分を繰返し折り返される軸2403に沿って方向付けるべく配置される、ビームスプリッタ2404、2420、及び、反射器2406、2408、2410、2412、2413、2414、2416、2418によって画定される。複数のビームスプリッタ及び複数の反射器が、例えばアルミノ珪酸リチウムガラスセラミックのような材料の温度安定ベースに固定され得る。図25を参照すると、第1ミラー2502及び第2ミラー2504が、ファブリ・ペロー構成における軸2501に沿って置かれる。ミラー2502、2504は、基準長を画定する温度安定ロッド2506に固定される。ロッド2506は、正方形断面、円形断面、長方形断面、又は、他の断面を有し得る。更に他の複数の例において、光ファイバにおいて、又は、他の複数の大容量誘電媒体又は導波路において、基準光路差が設けられ得る。幾つかの場合において、複数の導波路または複数の大容量媒体は、複数の環境的原因に起因する複数の長さ外乱を回避すべく、気密シールされ、選択された、複数の耐圧容器の中に置かれる。そのような複数の導波路又は複数の大容量媒体への複数の接続は、もし所望されるならば、複数の光ファイバを用いて形成できる。
動的周波数選択
複数のデュアルレーザを備える複数のレーザーレーダは、複数の測定において複数のドップラー効果が関係する場合に、明確な複数の利点を有する。そのような、いわゆる「測定ドップラー」は、測定されている標的に対してレーザーレーダ光学系が移動することによって引き起こされる。幾つものデュアルレーザアプローチは、(1)重畳された2つの完全に別のシステム(LO、基準アーム等)、(2)2つのレーザーが偏光によって分離されるシステム、(3)2つのレーザーが自身のLO周波数によって分離されるシステム、を含む。LO周波数分離を使用する第3のアプローチは、典型的に最も低コストの選択であるが、複数の信号処理事情で例えば1MHz毎に複数の測定を分離し続けるべく、2つのLO周波数を選択しなければならないという他の制約がある。固定された複数のLO周波数を使用する複数のシステムに対して、これは、レーザーレーダの性能を低下させる結果につながる。複数のレーザーチャープ率を標的距離に応じて調節できる複数のシステム及び方法が、本明細書で開示される。
Rezk等による米国特許出願公開第2011/0205523号明細書で示されるように、第1レートでチャープアップする第1レーザーと、第2レートとしてチャープダウンする第2レーザーとを備えたデュアルレーザシステムにおいて、範囲測定は、第1チャープおよび第2チャープの両方に基づき、以下の数式3で得ることができる。
ここで、f
1及びf
2はそれぞれ独立の範囲推定であり、f
dはヘテロダイン周波数へのドップラー寄与率である。大きなヘテロダイン周波数を使用することによって、複数の範囲誤差を低減できる。しかしながら、ヘテロダイン周波数はまた、実際の複数の検出帯域幅の中で維持されるべきである。典型的には、複数のデュアルレーザシステムにおいて、範囲誤差影響およびノイズ影響は、より低いヘテロダイン周波数と関連付けられる。
複数のレーザーチャープ率は、標的範囲に基づいて選択され得る。デュアルレーザシステムの各レーザーに対し、範囲は、便宜的にMHz/m単位で表され得る関連付けられた目盛係数R
Lに基づいて推定される。例のように、複数の可変的又は動的チャープ率を提供するシステムは、30m(最大範囲)のコヒーレンス長、60MHzの最大ヘテロダイン周波数帯域幅、1MHzの最小周波数分離、及び、1mの最小標的距離を有するレーザーに基づき得る。複数のチャープを固定した、1mの標的距離に対する複数のヘテロダイン周波数が、以下の表1で示されている。
しかしながら、代表的な動的システムにおいて、2つのレーザーのうち1つ又は両方に対する複数のチャープ率は変動され得る。例えば、以下の表2において、第2レーザーと関連付けられるチャープ率は変動される。
可変的な複数のチャープ率は、2つのヘテロダイン周波数の大きさが互いに近づくに連れて、ノイズ性能を改善し、より広い複数の範囲で優れたドップラー補正を提供する傾向にある。典型的には、キャリブレーション及びチャープ線形化もまた、例えば上記で説明されたもの等の基準長の測定に部分的に基づいて使用される。
複数のレーザーチャープ率が可変的である代表的なデュアルレーザー・レーダシステム2600が、図26で図示されている。第1レーザー駆動器2602は、ファイバ連結器2612へと提供される第1ビームを生成すべく、第1レーザー源2606に連結される。第2レーザー駆動器2604は、ファイバ連結器2612で第1ビームと結合される第2ビームを生成すべく、第2レーザー源2608に連結される。結合ビームは、測定/LO光路2614および基準光学経路2616へと方向付けられる。複数の基準長ヘテロダイン周波数が、基準経路に沿って伝搬する複数の部分と結合される第1及び第2ビームに基づいてキャリブレーション検出器2618で生成される。キャリブレーション検出器2618は、第1及び第2レーザービームの一方又は両方に対する適切な目盛係数を判断できる信号処理器2620に連結される。
標的からの複数の測定ビーム、及び、複数のLOビームは、測定/LO光路2614から戻されて、第1レーザービーム及び第2レーザービームに対する標的範囲の各々と関連付けられる第1及び第2ヘテロダイン周波数を生成すべく、検出器2622に連結される。第1及び第2ヘテロダイン周波数は、ヘテロダイン周波数及び目盛係数に基づいて範囲推定を提供する信号処理器2620に連結される。レンジセレクタ2624は、複数の適切なレーザー駆動制御信号又は制御データをレーザー駆動器2602、2604に提供すべく、レーザー源周波数コントローラ2628に連結される。レンジセレクタ2624は、第1レーザー源2606及び第2レーザー源2608の一方又は両方に対して所定の範囲で又は所定の値でヘテロダイン周波数を得るべく、チャープ率を選択するように構成される。例えば、もし第1ヘテロダイン周波数が好ましいものより大きい又は小さいならば、第1レーザー源のチャープ率は、各々において低減され得又は増大され得る。レンジセレクタ2624は、レーザー源チャープ率を変動することによって特定の重要な特徴(又は全ての重要な特徴)に対するヘテロダイン周波数が略一定となるように配置され得る。例えば、もし測定された第1ヘテロダイン周波数が目盛係数RLで1MHzならば、チャープ率及び第1目盛係数RL1は、50MHzのヘテロダイン周波数を生成すべく、50のファクターによって増大され得る。複数のチャープ率は、複数のレーザー源特性に起因して限定され得るが、そのような複数の範囲内において、レーザー源チャープは簡便に変化され得る。
図27は、代表的なレーザー範囲ファインディング方法を図示している。ステップ2702で、1または複数のレーザー源に対して複数のレーザーチャープ率が選択される。ステップ2704で、複数の目盛係数、及び、意図したチャーププロファイルからの複数の逸脱を判断すべく、複数のチャープ率及び複数のレーザー周波数掃引がキャリブレーションされる。典型的には、複数の線形チャーププロファイルが選択され、線形性からの複数の逸脱が基準長を用いて測定され得る。線形性からの複数の逸脱、及び、複数の目盛係数は、複数の範囲推定を提供する際に使用すべく格納される。段階的で多項式の指数関数的なチャープ率、又は、他のチャープ率についての、複数のチャーププロファイルは典型的に確立するのがより困難であるけれども、これらも使用され得る。ステップ2706で、標的範囲が、選択されたチャープ率を使用して推定される。ステップ2708で、好ましい複数のチャープ率が、測定された標的範囲に基づき、幾つか又は全てのレーザーに対して選択され得る。複数のヘテロダイン周波数が好ましい範囲内である、又は、好ましい最小値より大きい、或いは、好ましい最大値未満であるように、複数のチャープ率が選択され得る。もしステップ2710で判断された現在の複数のチャープ率と異なる1または複数のチャープ率が選択されるならば、再びステップ2704で複数の周波数掃引がキャリブレーションされ、他の複数の標的距離測定が得られる。
上記の複数の例において、複数レーザーに対する複数のチャープ率が変動されるが、チャープ率は複数の単一レーザー・レーザーレーダシステムにおいても変動され得る。
ペンタミラー走査
複数のレーザーレーダシステムにおける複数の測定レートは、測定ビームが標的の隅々まで走査され得るレートによって、限定され得る。幾つかの従来のシステムにおいて、相対的に大きな複数の光学システム及び複数のコンポーネントは回転されなければならないので、高速走査は困難であって高価である。以下で説明される代表的な複数の走査システム及び方法は、従来の複数のアプローチのこれらの制限及び他の制限を処理できる。
図28を参照すると、レーザーレーダシステム2800は、ファイバ連結器2804に連結される少なくとも1つのチャープレーザー2802を含む。ファイバ連結器は、LOビーム及び測定ビームを各々が生成する局所発振器ビーム光学システム2806及び測定ビーム光学システム2808へと、チャープレーザービームの複数の部分を伝送する。図28で示されるように、LOビーム光学システム2806は、好ましくは再帰反射器として実装される、LOコーナーキューブ2812及びLOリターン反射器2814による反射を目的として、LOビームを焦点調整コーナーキューブ2810を通して連結するように構成され。測定ビームピックアップ/伝送光学システム2808は、発散測定ビーム2816を焦点調整コーナーキューブ2810及びリターン反射器2818へと方向付ける。この構成において、LOは、焦点調整コーナーキューブ2810と関連付けられる複数の光路差が、測定光路及びLO光学経路に対して、すなわち、LOビーム及び測定/リターンビーム用の焦点調整コーナーキューブ2810を通る4つの通路に対して略同一である、という点で「遠隔LO」である。
レーザーレーダシステム2800は、測定ビームが対物レンズ2822に対する軸2820に沿って俯仰走査組立体2824へと方向付けられるように構成される。リターンビームは、対物レンズ2822によって収集され、測定ビーム光学経路の逆の経路に沿ってファイバ連結器2804に連結される。レシーバ2830は、複数の結合ビームを受け取るべく、且つ、複数のヘテロダイン周波数に基づいて複数の範囲推定を提供するように構成されたシステムコントローラ2834に連結される、ヘテロダイン周波数の信号を生成すべく、連結される。
システムコントローラ2834は、パーソナルコンピュータ、又は、例えばラップトップ、タブレット、ワークステーション又は携帯式の通信デバイス等の他のコンピューティングデバイス(図28では不図示である。)を含み得、又は、これらに基づき得る。レシーバ2830は、パーソナルコンピュータに対して識別信号を生成するように構成され、パーソナルコンピュータは、検出されたヘテロダイン周波数に基づいて範囲推定を計算又は算定できる。幾つかの例において、システムコントローラ2834は、共通位置にあり得、又は、例えばローカルエリアネットワーク又はワイドエリアネットワーク等の有線又は無線ネットワークを経由して連結され得る、1または複数のコンピュータを含み得る。第1コンピュータは、レシーバ2830から複数の信号を受け取り、且つ、受け取った複数の信号、或いは、それらのデジタル表現又は他の表現を、有線又は無線通信ネットワーク、或いは、コミュニケーションリンクを使用して、第2コンピュータへと転送できる。第2コンピュータは、受け取った複数の信号を使用して、ヘテロダイン周波数に基づき、複数の範囲推定を確立する。
俯仰走査組立体2824は、軸2820に対する回転用に構成されたベアリング2840を含む。ベアリング2840は典型的に、回転角度の判断を可能にするエンコーダも含む。第1及び第2反射器2842、2844は、測定ビームを回転自在軸2850に沿って方向付けるべく置かれる。
俯仰走査組立体2824、並びに、LO及び測定ビーム光学システムは、ベース2850を軸2858周りに回転させるように構成された第2スキャナ2852に連結されるベース2851に固定され得る。測定ビームの走査は、俯仰走査組立体2824及び二次スキャナ2852に連結される制御システム2834によって方向付けられる。制御システム2834はまた、標的表面に測定ビームの焦点を合わせるべく、軸2820に平行な方向で焦点調整コーナーキューブ2810を移動させるべく置かれた平行移動ステージ2853にも連結される。
カメラ2860もまた、標的領域を見るべく設けられ得る。カメラ2860は、反射器2844を通る軸2850に沿って撮像すべく置かれ得る。代表的な複数の例において、測定ビームは赤外線ビームであるか、又は、赤外線に近いビームである。反射器2844は、可視ビームを透過して測定ビームを反射するように構成され得る。例えば、反射器2844は、赤外線放射を反射して可視放射を透過する、いわゆる「ホットミラー」であり得る。他の複数の例において、カメラ2860は、測定軸2850から変位されていて、もしかしたら当該軸に対して傾けられている軸2868に沿って撮像すべく置かれる。カメラ2860は概して、走査中に標的の可視画像が得られ又はモニタされ得るように、俯仰走査組立体2834に対して固定され、又は、それに固定される。更に、カメラ2860は測定ビームと共に移動して測定ビームに整合されるので、カメラの出力画像は、他の計量情報を提供する様々な方法で使用され得る。
図29Aから29Cは、複数のレーザーレーダ用の代替的な複数の俯仰走査組立体を図示している。図29Aで示されるように、測定及びリターンビーム2904は、軸2906に沿って方向付けられる。俯仰走査組立体2910は、カメラ2914で標的領域を撮像することを可能にすべく波長依存性の反射率を有し得る、単一の反射器2912を含む。俯仰走査組立体は、軸2916(軸2906の延長線)周りを回転するように構成される。図29Bは、軸2934周りの回転を提供するように構成されたベアリング2932を含む、代表的な走査組立体2930を図示している。ペンタプリズム2936は、測定ビームを標的へと(且つ、リターンビームを検出システムへと)方向付けるように構成される。複数のペンタプリズム面がコーティングされ得、又は、内部全反射が使用され得る。もし内部全反射が使用されるならば、レーザーレーダが偏光感受型である場合に偏光補償が必要とされ得る。ウェッジプリズム2938は、カメラ2940が標的領域を見ることを可能にすべく、ペンタプリズム2936に固定され得る。もしそのようなウェッジプリズムが使用されるならば、複数の測定及びリターンビームを標的へ/から反射して、視聴ビームをカメラ2940へと透過すべく、波長依存性の誘電体コーティング2942が設けられる。図29Cは、ペンタプリズム2946と、視聴ビームを異なるペンタプリズムフェースを経由してカメラへと透過するように構成されたウェッジプリズム2948とを図示している。他の複数の例が考えられることが明らかになるであろう。
回転自在なペンタプリズムスキャナを含む代表的なレーザーレーダ光学組立体が図30Aから30Bで図示されている。ビーム成形及びビーム収集光学システム3002は、フォーカス測定ビームを生成すべく、対物レンズ3010と共に軸3008に沿って置かれるコーナーキューブ3004及びリターン反射器3006を含む。ペンタプリズム3012は、測定ビームを標的へと方向付けるべく、光学システム3002からの測定ビームを面3014、3016で反射するように構成される。ペンタプリズム3012は簡便である一方で、複数のミラーが同様の複数の反射を生成すべく配置され得る。ペンタプリズム3012は、俯仰軸3020周りで回転自在な俯仰回転ステージ3018に固定される。俯仰ベアリング3019A、3019Bは、測定ビームが回転自在軸3022に沿って方向付けられるように、軸3020周りの回転を可能にする。幾つかの例において、俯仰ベアリング3019A、3019Bの一方だけが使用される。
参照ミラー3026はベース3028に固定される。軸3022は、測定ビームが開口3027を通って参照ミラー3026へと方向付けられ得るように、回転され得る。参照ミラー3026は、キャリブレーションのための基準長を確立すべく使用され得、LOビームの複数の光路差は、当該キャリブレーションに基づいて補償され得る。複数の仰俯角が、例えばエンコーダ3021A、3021B等の1または複数のエンコーダを用いて検出され得る。方位軸周りの複数の回転が、方位回転ステージ3047を用いて提供され得る。ベース3028が軸3030周りで回転され得る。
図30Bは、図30Aと似ているが、ペンタプリズム3012が軸3020周りで90度回転した平面図である。カメラ3040は、軸3022から変位された平行な軸に沿って視野3038で撮像すべく置かれたレンズ3042を含む。例えばエンコーダ3044のような1または複数の方位角エンコーダは、方位ステージ3047で生成された複数の方位回転の判断を可能にする。
幾つかの例において、折り返される軸3022は、俯仰軸3020に一致する。ペンタプリズム3012は、俯仰軸ベアリングの複数のガタツキと関連付けられる複数のビームポインティング誤差を低減し、増大した光路長を提供する傾向にある。図30Aから30Bにおいて、複数のレーザー源、局所発振器光学系、および、制御システム並びに処理システムが、明確さを目的として不図示としてある。光ファイバは、戻された測定ビーム部分及びLOビームを上記の複数の例で示されるような検出システムに連結するだけでなく、チャープビームを光学システム3002へと伝送すべく使用され得る。
もし参照ミラー3026が湾曲ミラーであるならば、方位角ベアリングのガタツキは、参照ミラー3026の曲率の中央へと測定ビームを方向付けることによって検出されて推定され得る。図30Cから30Dを参照すると、湾曲参照ミラー3060が設けられており、図30Aから30Bの装置が、測定ビームが参照ミラー3060の曲率3061の中央へと方向付けられるように配置されている。xyz座標システム3062もまた示されている。x軸周りの複数の回転誤差(例えば方位ガタツキ等)によって、リターン信号振幅が減少させられる。この信号損失は、方位角を調節することによって、すなわち、x軸周りの対応するスキャナ回転を用いて修復できる。他の複数の方向におけるガタツキもまた、信号損失を引き起こすが、そのような信号損失は概して、複数の俯仰調節では修復できない。例えば、図30Dで示されるように、回転誤差θは、x軸周りの回転では補正できない。
図49は、LO再帰反射器4902が操作可能なペンタプリズム4904の面に固定され、又は、そこに置かれる、光学システムを図示している。コーナーキューブ4908およびリターン反射器4906は、レンズ4912で測定ビームをフォーカスすべく置かれ、LO反射器4910は、LOビームをコーナーキューブ4908の中へと反射すべく置かれる。当該構成は、LOコーナーキューブ4902が測定ビームの伝搬軸から遠くに移動することを可能にする。他の複数の詳細は、他の複数の例と同様である。1または複数のLOビームが、LOコーナーキューブを同様に置くことで提供され得る。
上記の実施形態における俯仰走査組立体は、45度の角度で置かれた2つの反射面に限定されないが、2つの反射面が10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、130、135、140、150、160又は170度の角度となるように構成され得もする。俯仰走査組立体は、レーザーから俯仰走査組立体へのビーム伝搬と関連付けられる軸(すなわちビーム伝送軸)と、俯仰走査組立体からの標的方向との交点に置かれ得る。俯仰走査組立体の回転中、ビーム伝送軸と俯仰走査組立体からの標的方向との間の角度は、一定であり得、又は、ほぼ一定であり得る。例えば、当該角度は、回転の所定の期間の10%から100%の間、一定であり得、又は、ほぼ一定であり得る。更に、他の複数の例において、俯仰走査組立体およびペンタプリズム2936の位置は、他の複数の方法で測定され得る。例えば、ペンタプリズム2936の位置は、回転中の複数の位置変化を干渉計が示すように、干渉計を用いて測定され得る。その結果は、複数の標的距離推定を補正又は補償すべく使用され得る。
他の複数の例において、俯仰走査組立体は、軸2850又は他の複数の軸に沿って移動可能であり得る。そのような移動は、複数の反射面の少なくとも1つで測定ビームの位置を選択すべく使用され得る。
複数のファイバベースレーザーレーダシステム
図31を参照すると、第1及び第2波長λ1、λ2のチャープ(典型的にカウンターチャープ)レーザービームの各々が、光ファイバシステム3100を使用して、ビーム成形、走査及び収集光学系に連結され得る。第1及び第2レーザーからの第1及び第2のチャープレーザービームは、各々のファイバ連結器3102、3104に順に連結される複数の光ファイバに連結される。ファイバ連結器3102、3104は、俯仰又は方位回転ステージの少なくとも1つで回転すべく置かれるレーザーレーダ光学支持部3101に固定される。ファイバ連結器3102、3104は、各々2つの出力3102A、3102B、及び、3104A、3104Bを含む。第1チャープレーザービームの一部は、第1LOビームとして機能すべく、出力3102Aに連結され、その一方で、他の部分は出力3102Bから第3ファイバー連結器3110へと伝送される。同様に、第2チャープレーザービームの一部は、第2LOビームとして機能すべく、出力3104Aに連結され、その一方で、他の部分は第3ファイバー連結器3110へと伝送される。出力3102B、3104Bからの第1及び第2チャープレーザービームの複数の部分が、測定ビームとして使用され得る結合ビーム(λ1及びλ2ビームを備える。)を生成すべく、第3ファイバー連結器3110の出力3112の中で結合される。図31で示される複数の連結器は典型的に、複数の2×2連結器であり、他の複数の入力又は出力ポートを備えるが、複数の未使用ポートは不図示としてある。そのような複数の未使用ポートは普通、複数の後方反射を低減すべく終端させられる。複数の連結器および複数の光ファイバは好ましくは偏光保持であるが、他の複数のファイバ及び複数の連結器が使用され得る。複数の連結器分割率は典型的に、入力ビームが2つの略等しい部分へと分割されるように選択されるが、他の複数の分割率が使用され得る。様々な種類の測定ビーム及びLOビーム光学系が使用され得るが、不図示としてある。当該構成において、第1及び第2チャープレーザービームの各々に対する複数の測定ビーム路は同一である。
図32を参照すると、ファイバベースで二波長のチャープレーザーレーダシステムは、2×2連結器3206に光学的に接続される第1レーザー3202及び第2レーザー3204を含む。結合された第1及び第2レーザービームは、連結器出力3206A(及び、不図示としてある第2出力)で利用できる。連結器出力3206Aは、2×2連結器3208に接続される。連結器出力3208Aは、円形ポート3210Aからサーキュレータポート3210Bへと光学ビームを伝達すべく、光学サーキュレータ3210に接続される。第1及び第2レーザー3202、3204からの複数のレーザービームと関連付けられる結合ビームは、サーキュレータポート3210Bで利用できる。レンズ3214及びλ/4位相差板3216は、LOビームとしての結合ビームを、円偏光状態で、LO経路に沿って反射器3218へと方向付けるべく置かれる。リターンビームは、サーキュレータ3210へと方向付けられ、且つ、サーキュレータのポート3210Cへと方向付けられる。サーキュレータポート3210Cは、2×2連結器3224のポート3224Aに接続される。
連結器出力3208Bは、サーキュレータポート3230Aからサーキュレータポート3230Bへと光学ビームを伝達すべく、光学サーキュレータ3230に接続される。第1及び第2レーザー3202、3204からのレーザービームと関連付けられる結合ビームは次に、サーキュレータポート3230Bで利用できる。デュアルバンド連結器3240のポート3240Aは、サーキュレータポート3230Bに接続され、且つ、視聴又はポインティングレーザー3244に接続される。結合された第1及び第2チャープレーザービーム並びに視聴レーザービームは次に、連結器ポート3240Aで利用できる。レンズ3250及びλ/4位相差板3252は、測定及び視聴ビームとしての結合ビームを標的へと方向付け、標的からの第1及び第2チャープレーザーと関連付けられるリターンビームを受け取るべく置かれる。リターンビームは、デュアルビーム連結器3240を通して、サーキュレータ3230へと方向付けられ、且つ、2×2の連結器3224のポート3224Bへと方向付けられる。2×2連結器3224は従って、ポート3224Aでリターンビームを受け取り、3224BでLOビームを受け取る。そして、2×2連結器3224は、複数のチャープレーザーの一方又は両方と関連付けられるヘテロダイン周波数を検出し、且つ、範囲推定を提供するように構成された検出システムに連結されているポート3224Cへと、混合体を伝送する。この例において、検出システムは、移動可能な(走査)光学系から離れて配置され得るが、リターンビーム及びLOビームの両方が、2つのチャープレーザーの各々からの複数の寄与を含んでいる。複数の結合ビームは、必要なファイバの数を減少させるべく、単一の光ファイバ上で、連結器3206から走査光学系へと運ばれ得る。
図46を参照すると、複数のLOビーム及びデュアルレーザ測定ビームを生成するためのファイバシステムは、2×2ビームスプリットコンピュータ4606、4608に各々連結される第1及び第2レーザー源4602、4604を含む。これらの連結器は典型的に、複数の連結器出力に対して約等しいパワー分割を提供するが、他の複数の分割率が使用され得る。連結器4606、4608の各々の1つの出力は、2×2ビーム結合連結器4610、4612にそれぞれ連結される。連結器4606、4608の残りの複数の出力は、二波長測定ビームをサーキュレータ4616に連結するように構成されたレーザー結合2×2連結器4614に接続される。サーキュレータ4616は、測定ビームをレーザーレーダ走査光学系に提供できる偏光維持単一モードファイバ4618に、二波長測定ビームを連結する。
標的からのリターンビームは、サーキュレータ4616によって、リターンビームの複数の部分をビーム結合連結器4610、4612へと方向付けるリターンビーム分割2×2連結器4620に連結される。PINダイオード検出器4624は、連結器4610からリターンビーム及び第1LOビームの一部を受け取り、且つ、レーザー4602のチャープと関連付けられるヘテロダイン周波数を生成するように構成される。PINダイオード検出器4626は、連結器4612からリターンビーム及び第2LOビームの一部を受け取り、且つ、レーザー4604のチャープと関連付けられるヘテロダイン周波数を生成するように構成される。この例において、複数のLOビームは、光ファイバを経由してリターンビームに連結されて、且つ、測定ビーム走査又はフォーカス光学系へと方向付けられない。
図47で示される他の例において、複数のLOビーム及びデュアルレーザ測定ビームを生成するためのファイバシステムは、2×2ビームスプリットコンピュータ4706、4708に各々連結される第1及び第2レーザー源4702、4704を含む。これらの連結器は典型的に、複数の連結器出力に対して約等しいパワー分割を提供するが、他の複数の分割率が使用され得る。連結器4706、4708の各々の1つの出力は、LO光学サーキュレータ4707、4709にそれぞれ連結される。これらのサーキュレータは、複数のLOビームをレーザーレーダフォーカス及び走査光学系に連結する。連結器4706、4708の残りの複数の出力は、二波長測定ビームをサーキュレータ4716に連結するように構成されたレーザー結合2×2連結器4714に接続される。サーキュレータ4716は、二波長測定ビームをレーザーレーダフォーカス及び走査光学系に連結する。
レーザーレーダフォーカス及び走査光学系から戻される複数のLOビームは、LO光学サーキュレータ4707、4709によって、ビーム結合2×2連結器4710、4712へと各々方向付けられる。標的からのリターンビームは、サーキュレータ4716によって、リターンビームの複数の部分をビーム結合連結器4710、4712へと方向付けるリターンビーム分割2×2連結器4720に連結される。PINダイオード検出器4724は、連結器4710からリターンビーム及び第1LOビームの一部を受け取り、且つ、レーザー4702のチャープと関連付けられるヘテロダイン周波数を生成するように構成される。PINダイオード検出器4726は、連結器4712からリターンビーム及び第2LOビームの一部を受け取り、レーザー4704のチャープと関連付けられるヘテロダイン周波数を生成するように構成される。この例において、LOビームは、複数のLO/測定ビーム光学光路差を補償すべく、測定ビーム走査及びフォーカス光学系に部分的に連結される。
図47のファイバコンバイナ/スプリッタは、図48Aから48Bで示される配置で、レーザーレーダフォーカス及び走査光学系に連結され得る。入力ビーム支持部4802は、デュアルレーザ測定ビームを伝達する光ファイバを開口4804の中で受け取って保持するように構成される。ビーム開口4804は、測定ビームを透過するように構成されたより大きな開口4807の中へと延在する複数の支持アーム4805によって画定され得る。コリメータ4808、4810は、各々のレーザーと関連付けられた複数のLOビームを受け取るように構成される。複数のLOビームは、コリメータ4808、4810によって、焦点調整コーナーキューブ4812及びLOコーナーキューブ4814へと方向付けられる。LOコーナーキューブ4814は、複数のLOビームを焦点調整コーナーキューブ4812へと戻し、且つ、各々の再帰反射器4816、4818へと戻す。1または複数のLOビームをシフトして、当該シフトされた1または複数のLOビームを焦点調整コーナーキューブ4812へと戻す他の複数の光学素子が使用され得る。再帰反射器4816、4818から、複数のLOビームは、対応する複数の検出器に連結するための各コリメータへと戻る逆経路を辿る。代表的なLO経路4817が図示されている。測定ビームは、焦点調整コーナーキューブ4812及びリターン反射器4828へと方向付けられ、次に、標的に測定ビームの焦点を合わせるレンズ4820へと方向付けられる。代表的な測定ビーム路4819が図48Aで示されている。
ビームステアリング誤差検出及び補正
図33は、ファイバ3302からの光流がコーナーキューブ3304へと方向付けられるファイバ連結レーザートラッカ又はレーザーレーダシステム3300を図示している。部分的に透過性のリターン反射器3306は、コーナーキューブ3304を通して、標的3310へと方向付けられるフォーカスインタロゲーションビームを形成するレンズ3308へと、光流の一部を戻す。光流の他の部分は、ビーム位置が推定され得るように、例えば4分割検出器、検出器アレイ、又は、他の複数の検出器等の位置検出器3312へと透過光流を方向付ける位置検出レンズ3311に連結される。このように、ファイバ3302の出力面3301の位置を推定できる。便宜上、コーナーキューブ3304は直角プリズムとして図示されている。標的からレンズ3308へと戻されるインタロゲーションビームの複数の部分は、リターン反射器3306へと方向付けられる。リターン反射器3306は、戻される幾らかのインタロゲーションビームが、透過光流を位置検出器3312へと方向付ける位置検出レンズ3311にも連結されるように、部分的に透過性となっているが、当該光流の大きさは典型的に、有用な信号を生成するには小さすぎる。
検出器3312は、検出器3312からの複数の電気信号に基づいてファイバ位置を判断するトラッキングプロセッサ3320に連結される。推定されるファイバ位置に基づいて、推定ビーム位置を判断でき、ビーム位置コントローラ3324はビーム調節を方向付けることができる。代替的に、推定ビーム位置は、複数の対象物面プロファイル、距離、又は、他の対象物特性を確立すべく、戻された光流を処理する場合に、補正位置情報において使用され得る。
反射器3306は典型的に、入射する光流の約10%、5%、1%又は0.5%未満を透過するように構成される。図33の構成において、透過率の変化を除いて、ビームトラッキング用の検出器への連結光流が他の方法で光学システムを乱さないように、リターン反射器はフォーカスシステムの一部となっている。しかしながら、他の複数の例において、複数の折り返しミラーによって透過される複数のビーム部分は、トラッキング用にも使用され得る。更に、幾つかの場合において、幾らかのビーム部分は、複数の後部面での各反射の際にコーナーキューブを抜け、これらのビーム部分は、ビームトラッキング用の検出器にも方向付けられ得る。もし、トラッキング誤差、又は、光学モジュール又はコンポーネントの変位又は傾きが検出されるならば、補償又はキャリブレーション処理手続が実行され得る。
図34は、光ファイバ3406から入力光学ビーム(例えばチャープレーザービーム)等を受け取るべく連結される光学モジュール3404を含む、レーザーレーダシステムを図示している。光学モジュール3404は、ビームスプリッタ3408、再帰反射器3410、及び、検出器3412を含む。レンズ3416から3418は、必要とされる複数の光学ビームを形状付けてフォーカスすべく設けられる。反射器3420は、光学モジュール3404からの光学ビームを焦点調整コーナーキューブ3424へと方向付けるべく置かれる。部分的に反射性のリターンミラー3430は、焦点調整コーナーキューブ3424から光学ビームを受け取り、且つ、測定ビームを焦点調整コーナーキューブ3424及び対物レンズ3434へと反射すべく置かれる。焦点調整コーナーキューブ3424は、標的表面に測定ビームの焦点を合わせるべく、軸3438に沿って平行移動可能である。標的からの測定ビームの散乱部分、反射部分又は他の部分は、光学モジュール3404へと戻るように方向付けられ、検出器3412に連結される。光ファイバ3406からの入力光学ビームの一部は、ビームスプリッタ3408によってLOビームとして検出器3412へと反射される。
光学モジュール3404は、直線偏光状態(例えば水平又は「H」)の入力ビームが、LOビームを提供すべくビームスプリッタ3408によって検出器3412へと僅かに反射される一方で、入力ビームの残りが透過されるように、配置され得る。1/4波長板3419は、水平(H)偏光状態から第1円偏光状態を生成する。標的からのリターンビームは優先的に、第1偏光状態とは反対の左右像を有する、第2円偏光状態である。1/4波長板3419は、ビームスプリッタ3408によって1/4波長板3421及び再帰反射器3410へと反射される鉛直(V)偏光を生成する。1/4波長板3421は次に、1/4波長板3421による再透過によってH偏光へと変換される第2円偏光として再帰反射器3410によって反射される、第1円偏光状態を生成する。標的からのリターンビームは従って、ビームスプリッタ3408によって検出器3412へと効率的に透過され得るH偏光状態へと変換される。従って、光学モジュールは、共通入力ビームから分離測定および複数のLOビームを提供し、検出器でリターンビーム及びLOビームを再結合すべく機能する。
図34で示されるように、反射器3420は、入力ビームを標的へと方向付けるべく置かれるが、光学モジュール3404は概して、そのような反射器が必要とされず、且つ、レンズからのビームが反射することなくコーナーキューブ3424中へと方向付けられる程、十分にコンパクトであり得る。
部分的に反射性のリターンミラー3430はまた、測定ビームの一部をレンズ3450及び位置検出器3452へと透過する。測定ビーム形状、ポインティング方向、及び、他の複数の特性は、位置検出器3452で撮像されるビームに基づいて評価され得る。例えば、複数のビームポインティング誤差が評価され得、又は、複数の光学コンポーネント位置における複数の変動が検出され得る。当該方法で判断される任意の複数の誤差又は乱れは、ビームポインティング又は光学素子の位置及び方向を調節すべく、又は、複数の走査誤差が複数のビーム位置誤差の前に補正され得るように補償データを提供すべく、使用され得る。誤差プロセッサ3454は、補償値又は補正値を判断すべく、又は、複数の誤差の存在を報告すべく、設けられ得る。
複数の部分的な遠隔局所発振器
図35を参照すると、光ファイバ3502は、測定ビーム3509がレンズ3508を用いて標的にフォーカスされ得るように軸3506に沿って平行移動可能なコーナーキューブ3504へと、入力ビームを方向付けるべく置かれる。入力ビームは、入力ビームの測定ビーム部分をレンズ3508へと反射するリターンミラー3510に入射する。LOビーム部分は、レンズ3512の外側部分3512Aを用いて検出器3516にフォーカスされるLOビーム3520を形成すべく透過される。標的からのリターンビームの一部は、リターンミラー3510によって透過され、レンズ3512の内側部分3512Bによってビーム3518としてフォーカスされる。レンズの外側部分3512A及び内側部分3512Bは、LOビーム及びリターンビームが検出器3516に適切にフォーカスされるように、異なる曲率を有する。信号処理器3524は、複数の結合ビームによって生成されるヘテロダイン周波数を使用して、標的範囲を推定するように構成される。レンズ3512は、単一レンズ要素として複数の曲率を異ならせて形成され得、又は、1または複数の分離レンズから組み立てられ得る。複数のビームを検出器3516にフォーカスし続けることを目的として、レンズ3512は、コーナーキューブ3504の動きに伴って移動されるべく、平行移動ステージに固定され得る。図35の構成において、LOビームは、リターン反射器を通る透過によって提供される。当該LOビームは、焦点調整コーナーキューブ3504を一度通過し、リターン反射器3510に向かう測定ビームとの共通光路を有する。測定ビーム、及び、関連付けられるリターンビームは、焦点調整コーナーキューブ3504を通る通路を合計4回通る。その結果として、フォーカス光学系によって導入される測定/リターンビーム及びLOビームの間の複数の光路差は、LOビーム及び測定/リターンビームが同一回数通過するシステムに比べてあまり補償されない傾向にある。
コンパクト大容量光学を用いたファイバビーム伝送
図34で示される光学モジュール3404は、測定及びLOビームを分離して再結合する様々な実施形態で使用され得る。図36で示されるように、光学モジュール3602は、測定ビームを標的3608に対して走査すべく制御される方位角/仰俯角スキャナ3604に固定される。レンズ3610は、測定ビームを受け取り、且つ、測定ビームを標的3608へと方向付けるべく置かれる。ファイバ結合されるレーザーダイオード源3612、3614は、2×2ファイバ連結器3618の複数の入力ポートに接続される。ファイバ連結器3618の出力ポート3618Aは、源3612、3614の各々から複数の入力ビームの一部を受け取り、光ファイバ3620は、結合ビームを光学モジュール3602に連結する。モジュール3602は、LOビーム及び測定ビームを生成でき、且つ、検出器でリターンビーム及びLOビームを結合でき、又は、ステージ3604に対して固定され得又は固定され得ない検出器へと連結するためのファイバに、結合されたリターン/LOビームを連結できる。複数の詳細は、図36では不図示としてあるが、図34のものと同様であり得る。
連結器3618はまた、出力ポート3630Aを経由して結合ビームの一部を基準長3632へと方向付けるように構成された基準長連結器3630に接続される出力ポート3618Bも含む。基準長3632は、結合ビームを出力ポート3630Aへと戻すべく反射するように構成されるが、基準距離によって遅延される。ファイバ連結器3630の出力ポート3630Bは、LOビームを提供する結合ビームの一部を反射すべく終端させられる。基準長3632からのビーム、及び、LOビームは、光ファイバ3634及び基準検出器3636に連結される。
図37を参照すると、光学モジュール3702は、例えば光ファイバ3703からの1または複数のチャープレーザービームのような、1または複数の入力レーザービームを受け取るべく置かれる。受け取られた複数のビームの一部は、LOビームとして検出器3704に連結され、他の部分は、測定ビームとしてレンズ3706へと方向付けられる。レンズ3706は、標的3707に測定ビームの焦点を合わせ、検出器3704への伝送を目的としてリターンビームを光学モジュール3702に連結する。図37の例において、測定ビームフォーカスは、光学モジュール3702および/またはレンズ3706の平行移動によって提供され得る。
図38で示される他の例において、焦点調整コーナーキューブ3802及びリターン反射器3804は、焦点調整コーナーキューブ3802の平行移動によって測定ビームの焦点を標的に合わせるように置かれる。光ファイバ3810は、結合測定ビームを焦点調整コーナーキューブ3802に連結する光学モジュール3806に、1または複数の入力レーザービームを連結する。レンズ3812は、結合測定ビームを受け取り、且つ、リターンビームを光学モジュール3802に連結するだけでなく、結合測定ビームを標的へと方向付けるべく置かれる。
図39から40は、図37から38のものと同様の更なる複数の実施形態を図示しているが、これら複数の例においては、折り返しミラー3902、4002が各々、トランスデューサ/スキャナ3904、4004に固定される。スキャナ3902、4002は、1または複数の軸周りの複数の回転に基づいて測定ビームを走査するように構成され得る。
図50を参照すると、LOビーム分離及び測定ビーム結合光学システムは、反射面5014、5016、5020を画定するプリズム5004、5006、5008を含む。反射面5016は、面部5016A、5016Bのように異なる反射コーティングを設けられ得る。第1レーザーは、第1レンズ5022の軸からオフセットされた軸に沿って、第1コリメートレンズ5022及び偏光器5026に連結される。第1レンズ5022及び偏光器5026は、プリズム5004に固定され得る。偏光器は、x方向の直線偏光状態を透過するように構成されるが、y偏光の同様の部分(典型的には1から10%)も同じように透過されるべく、傾られる。そのような偏光器軸5027は、第1レンズ5022の軸に沿って見えるように示されている。反射面5014は、y偏光を反射してx偏光を透過すべく選択される。従って、第1レーザービームの一部は、図50の平面に垂直な直線偏光状態で、遠隔局所発振器(RLO)経路に沿って方向付けられる。反射面部5016Aは、偏光無依存であり、(等しくない複数の値が使用され得るけれども)等しく透過及び反射すべく選択される。その結果、第1レーザービームの50%は光損失経路に沿って方向付けられ、残りの50%は測定経路に沿って方向付けられ、図50の平面で偏光されている。
第2レーザーは、レンズ5022の軸に沿って第2コリメートレンズ5024に連結される。第2レーザービームはx偏光として入力される。反射面部5016Bは、第2レーザービームの一部(典型的には約20%)をRLO経路に向けて反射し、他の部分(典型的には約80%)を反射面5020へと透過する偏光無依存反射面として構成される。反射される部分は図50の平面における直線偏光であるので、反射面5014は、略全ての当該部分をRLO経路へと透過する。第1及び第2LOビームは従って、その一方が図面の平面に垂直なSOPで生成され(第1レーザービーム)、その他方が図面の平面におけるSOPで生成される。更に、第1及び第2LOビームは、第1レンズ5022に対する第1レーザービームのオフセットに起因して、互いに非平行である。
第2レーザービームの透過された部分は、複数の部分(典型的には等しい部分)を測定経路および光損失経路へと反射する反射面部5016Aへと反射される。反射面5020の角度は、第1及び第2測定ビームがレンズ5030を出る際に平行な複数の軸に沿って伝搬するように選択される。平行な伝搬は、1または複数のコリメートレンズの平行移動、又は、第1及び第2レーザービームを伝送する1または複数のファイバの平行移動による、反射面5020又は他の複数の面に対する面方向の選択によって得られ得る。
LOビーム及びリターンビームは、ヘテロダイン周波数検出を目的として再結合され得る。複数のLOビームは異なる複数の軸に沿って異なる複数の偏光状態で伝搬するので、これらのビームは、複数の対応する検出器に選択的に連結され得、各LOビームは、他の検出器に対して殆ど漏洩することなく1つの検出器だけに連結され得る。幾つかの例において、60dB又はそれより大きいLOアイソレーションが提供され得る。
複数のビーム走査及び視覚システム
図41を参照すると、複数の測定ビームを走査するレーザーレーダは、複数の偏光維持ファイバを用いて、複数の光アイソレータ及び2×2ファイバ連結器4108に接続される第1及び第2チャープレーザー4102、4104を含む。第1及び第2レーザーからの複数のビームは、ファイバ進相軸またはファイバ遅相軸のいずれかと整合するように構成される。ファイバ連結器の複数の出力は、複数のビームスプリッタ及び反射器(図41で複数のプリズムとして示されている。)を含むビーム分割光学システム4120へと方向付けられる複数のコリメートビームをレンズ4112、4114が生成するように、置かれる。レンズ4112、4114の各々は、アップ及びダウンチャープ部分を含むビームを生成し、ビーム分割光学システム4120は、偏光ビームスプリッタ(PBS)4124へと方向付けられる8本のビームを生成するように構成される。複数のビーム及びPBS4124は、各ビームの一部(典型的には約5%)が、(アップ及びダウンチャープレーザの両方に対する複数のLO部分を備える)複数のLOビームとして機能すべく、PBS4124によって、反射面4125で、複数の検出器のアレイ4128の内の対応する検出器へと反射されるように配置される。
8本のビーム部分は、PBS4124によって、1/4波長板4130、及び、8本のビームをスキャナ4140へと方向付けるプリズム又はレンズアレイ4134へと透過される。8本のビームは次に、標的領域の隅々まで走査され、標的からの複数のリターンビーム部分は、検出器アレイ4128の複数の各検出器へと方向付けられる。レンズアレイ4134及び1/4波長板4130は、複数のリターンビームを1/4波長板4144へと反射し、且つ、再帰反射器アレイ4148の複数の各再帰反射器4151から4158へと反射すべく置かれる反射面4125へと、複数のリターンビームを方向付ける。例えば走査ミラーのような単一のスキャナが使用され得るが、他の複数の例において、1または複数のビーム、或いは、全てのビームが、関連付けられる複数のスキャナへと方向付けられ得る。
1/4波長板4130は、複数の測定ビームが第1円偏光状態の円偏光となるように配置される。複数のリターンビームは、第2円偏光状態(第1円偏光状態に垂直)の円偏光となる。1/4波長板4130を複数のリターンビームが透過することによって、PBS4114で1/4波長板4144および再帰反射器アレイ4148へと反射される複数の直線偏光ビームが生成される。その結果、複数のビームは、第1直線偏光状態で1/4波長板4130に到達するが、反射面4125によって検出器アレイ4128へと透過される偏光状態でPBS4124へと戻される。
図41の例において、各ビームによって複数の走査をすることなく複数のドップラー効果が補正され得るように、2つのレーザー(一方はアップチャープで他方はダウンチャープ)が提供される。もしより低い全体走査レートが許容可能であるならば、単一のチャープレーザーが使用され得、複数の測定が、自身のアップチャープ及びダウンチャープが結合される間に得られ得る。複数の同時走査(アップチャープ及びダウンチャープレーザを用いる)は概して、移動又は振動する複数の標的に対する複数の連続走査(単一のアップ及びダウンチャープレーザを用いる)に好適である。
例示的な例において、8本のビーム(複数のアップ及びダウンチャープレーザービームコンポーネント)は同時に走査されるので、毎秒192ラインの走査レートは、走査ミラーが12Hzで振動するように要求する。8本のラインのグループの各々は、同時に、24分の1秒(0.04167秒)で前進方向に走査されて、次に、逆方向又はリトレース方向に走査されるであろう。もし毎秒4000測定がなされ得るならば、24分の1秒でライン当たり167測定箇所が獲得され得、1秒で32,000画素フレームが獲得され得る。
回転走査ミラーは、複数のドップラー効果を走査されたビームの中に導入する。もしビーム中央が回転軸に沿って走査ミラーに衝突するならば、複数のビームエッジは、エッジtoエッジ周波数差Fdd=4ωd/λを生成する、複数の等しく且つ反対のドップラー周波数シフトを経るであろう。そこでは、ωは走査ミラー角速度(ラジアン毎秒)であり、dはビーム直径であり、λはビーム波長である。24分の1秒での15度走査に対して、最大ドップラー周波数差は約32.4kHzである。周波数差と関連付けられる複数の範囲誤差は、最大ドップラー周波数差に基づいて予測されるものと比べて約3分の1の大きさとなる傾向がある。複数のデュアルレーザ(すなわちカウンターチャープ)レーザーシステムに対しては、複数の範囲誤差は一層少ないものであり得る。
スキャナ4140は概して、測定ビームの高速走査を提供するように構成される。走査レンズは、複数の走査ビームを拡張してフォーカスする。複数のビームの各々の走査角度は、光学的不変量によって提供されるビーム拡張に比例して減少させられる。拡張される複数のフォーカスビームは次に、スキャナ4140の走査方向と平行でない方向で複数のビームを走査するように構成された二次スキャナへと方向付けられる。二次スキャナは、複数のジグザグ形走査パターンを生成すべく連続的かつ周期的であり得、又は、一連の平行な複数のビーム走査を生成すべく、段階的増大で走査し得る。他の複数の走査パターンが、簡便であり得るように使用され得る。
図41のシステムは概して、基準経路も含む。複数のレーザーの各々は、各レーザーの複数の部分を図41で示されるシステムへと方向付ける2×2連結器のようなファイバ連結器に接続される。他の複数の部分は、基準経路へと方向付けられる。例えば、2×2連結器は、各ビームの95%を複数のビームスキャナに提供し、各ビームの5%を基準長に提供するように構成され得る。各レーザーに対する基準信号は、対応する基準検出器で生成される。
代表的な範囲処理レシーバが、図42で図示されている。信号検出器4202は、リターンビーム及びLOビームを受け取るべく連結される。バンドパスフィルタ4204は、検出器信号をフィルタして、関係のある周波数範囲外の複数の信号出資を取り除くように構成される。アナログ・デジタルコンバータ(A/D)4208は、フィルタされた検出器信号のデジタル表現を生成するように構成され、デジタル信号プロセッサ4210は、例えばフィルタされた検出器信号のFFTに基づいて、標的範囲と関連付けられるヘテロダイン周波数を識別する。参照ビームに基づく基準アーム信号、及び、基準LOビームは、基準検出器4222で生成される。バンドパスフィルタ4224は、基準検出器信号をフィルタして、関係のある周波数範囲外の複数の信号出資を取り除くように構成される。アナログ・デジタルコンバータ(A/D)4228は、フィルタされた基準検出器信号のデジタル表現を生成するように構成され、デジタル信号プロセッサ4210は、ヘテロダイン周波数を識別する。図41の複数のビームの各々は同様に処理され、各レーザーに対する複数の参照ビームも処理される。8つの識別される範囲、及び、2つの基準ヘテロダイン周波数は更に、複数の範囲推定およびキャリブレーションを提供すべく処理される。
開口折り返しミラーを備えるレーザーレーダ
図43を参照すると、光学モジュール4302は、光ファイバ4304から入力ビームを受け取るべく連結される。測定ビームは、折り返しミラー4308の開口4306へと方向付けられる。焦点調整コーナーキューブ4312及びリターン反射器4324を含むフォーカスシステム4314は、測定ビームを受け取り、測定ビームをミラー4308の反射面へと戻すべく置かれる。ミラー4308は次に、標的に測定ビームの焦点を合わせるレンズ4318へと、測定ビームを方向付ける。ビームフォーカスは、軸4320に平行な方向で焦点調整コーナーキューブ4312を平行移動することによって提供される。
光学モジュール4302及びフォーカスシステム4314は、軸4332周りで回転するように構成された方位回転テーブル4330に固定される。折り返しミラー4308、フォーカスレンズ4318、及び、ビデオカメラは、軸4320周りで回転するように構成された俯仰回転ベアリングに連結される。
コンパクト大容量光学を備える複数の遠隔局所発振器
図44Aから44Bは、複数のLOビーム、及び、結合されたデュアルレーザ測定ビームを焦点調整コーナーキューブへと連結する光学システムを図示している。図44Aは、複数の入力LOビーム及び測定ビームを図示し、図44Bは、リターンビームの複数のLOビームとの混合を図示している。複数の単一モード光ファイバは、複数のLOビームおよび複数の結合測定ビームを伝送すべく使用され得、単一モード又はマルチモードの複数の光ファイバは、混合されたLOビーム及びリターンビームを複数の検出器に連結すべく使用され得るが、そのような複数のファイバは、図44Aから44Bでは不図示としてある。
PBSキューブ4402は、好ましくはPBSキューブ4402によって透過される第1直線偏光状態で、第1及び第2LOビームLO1、LO2、及び、結合された二波長測定ビーム(M1/M2)を受け取るように構成される。プリズム4404は、第1遠隔LOビームを生成すべく、第1LOビームを焦点調整コーナーキューブ及び第1LOリターン反射器へと方向付ける。直角プリズム4406及び長方形プリズム4408は、第2遠隔LOビームを生成すべく、第2LOビームを焦点調整コーナーキューブ及び第2LOリターン反射器へと方向付けるように構成される。結合測定ビームは、レンズ4410によってフォーカスされ、ビームを焦点調整コーナーキューブ組立体へと反射してから標的へと反射するミラーに向かって伝搬する。1/4波長板4407は、複数のLOビーム及び測定ビームで共通する円偏光状態を生成すべく位置を定められる。
図44Bは、PBSキューブ4402へと戻される第1及び第2LOビームを図示している。1/4波長板4407は、PBSキューブ4402によって反射される第2直線偏光状態を生成する。第1LOビームは、反射面4422によって第2出力(OUT2)へと反射される。リターン測定ビームは、第1及び第2出力(OUT1、OUT2)の両方に連結されるべく、面4426および面4423で部分的に反射される。面4426は、平行四辺形プリズム4424と平行四辺形プリズム4430との間の境界面で画定され得る。第2LOビームは、面4428によって第1出力(OUT1)へと反射されるべく、PBSキューブ4402によって反射される。面4422、4426、4428に対する典型的な複数の面反射率は、各々、80%、50%、20%であるが、他の複数の反射率が使用され得る。他の複数のプリズムが、図44Aから44Bの組立体が固められた光学組立体として形成され得るように、提供され得る。
図45は、図44Aから44Bのものに対する代替案を図示している。第1及び第2LOビームを焦点調整コーナーキューブへと方向付けることに代えて、反射器4502、4504が、複数のLOビームをPBSキューブ4510の中へと戻して各々の出力ポートへと方向付けるべく、1/4波長板4506の面に置かれる。この例において、例えばコーナーキューブ変位または複数の熱的変化に起因する複数の経路長変化のような複数の影響によって、複数のLOビームは変調されない。その結果、そのような複数の変調は、LO経路がレーザーレーダ光学システムの中で測定ビーム/リターンビーム経路により緊密に接近する複数のシステムに比べて、より複数の範囲誤差の原因となりそうである。
代表的な複数の測定システム実装例
上記の複数の例は、様々な完全なシステムの中に含まれ得、又は、実装され得る。図52から54は、少しの代表的なシステムを図示している。図52を参照すると、レーザーレーダシステム5200は、ファイバベース光学モジュール5206に連結される測定レーザー5202、5204を含む。ポインティングレーザー5205は、ユーザがインタロゲーション中の標的位置を見ることを可能にすべく、ファイバベース光学モジュール5206にも連結される。変調器5208は、測定レーザー5202、5204に連結され、典型的に、関連付けられる複数の測定ビームの線形光学周波数変調を提供するように構成される。他の複数の例において、振幅変調または位相変調が適用され得、複数の非線形変調が使用され得る。光学モジュール5206は、上記で開示されるような基準長を含み、基準長からの基準光学信号は、第1測定レーザー5202及び第2測定レーザー5204の複数の変調を各々キャリブレーションするための信号処理器5226に連結される基準検出器5222へと方向付けられる。代替的構成において、2つの基準検出器が、各レーザーに対して1つ使用され得る。
統合光学組立体(IOA)5230は、光ファイバ5232を経由して、複数の測定ビームを測定レーザー5202、5204から受け取るように構成される。IOA5230は、俯仰モータ/ベアリング/エンコーダ組立体5240を用いて、俯仰シャフト5236上で回転自在とされている。俯仰シャフト5236は、方位モータ/ベアリング/エンコーダ組立体5244を用いて固定ベース5241の周りで回転自在とされているシャフト5245に順に固定される、取り付5242に固定される。IOA5230はまた、標的から複数のプローブビーム部分を受け取り、且つ、受け取った複数のプローブビーム部分を、複数の測定ビームの各々に対応する複数のLOビームと結合するように構成される。複数の結合ビームは、1または複数の光検出器へと方向付けられ、干渉(ヘテロダイン式)電気信号は、無線周波数(RF)ケーブル5227を備える信号処理器5226に連結される。IOA5230はまた、フォーカス光学系も含み、上記の複数の例で詳細に開示された共通プローブビーム/LOビーム光学システムも提供する。
カメラ5250は、標的を見るべく、且つ、IOA5230と共に回転すべく、連結される。コントローラ5260は、信号処理器5226、方位モータ/ベアリング/エンコーダ組立体5244、及び、俯仰モータ/ベアリング/エンコーダ組立体5240に連結される。複数のキャリブレーション値、複数の測定結果、複数の画像、回転制御及び信号処理に対する複数のコンピュータ実行可能命令、並びに、他の複数のデータ及び動作プログラムが、メモリ5262の中に格納され得る。
図53を参照すると、レーザーレーダシステム5300は、ファイバベース光学モジュール5306に連結される第1及び第2測定レーザー5302、5304を含む。ポインティングレーザー5305は、ユーザがインタロゲーション中の標的位置を見ることを可能にすべく、ファイバベース光学モジュール5306にも連結される。変調器5308は、測定レーザー5302、5304に連結され、典型的には、関連付けられる測定ビームの線形光学周波数変調を提供するように構成される。他の複数の例において、振幅変調または位相変調が適用され得、複数の非線形変調が使用され得る。光学モジュール5306は、上記で開示されるような基準長を含み、基準長からの基準光学信号は、第1測定レーザー5302及び第2測定レーザー5304の複数の変調を各々キャリブレーションするための信号処理器5326に連結される基準検出器5322、5324へと方向付けられる。代替的構成において、単一の基準検出器が両方のレーザーに対して使用され得る。
統合光学組立体(IOA)5330は、俯仰モータ/ベアリング/エンコーダ組立体5340を用いて俯仰シャフト5336上で回転自在とされている走査ミラー5334に対して、コールドミラー5332を通してフォーカスプローブビームを提供すべく、測定レーザー5302、5304から複数の測定ビームを受け取るように構成される。俯仰シャフト5336は、方位モータ/ベアリング/エンコーダ組立体5344を用いて固定ベース5341周りで回転自在とされているシャフト5345に順に固定される、取り付5342に固定される。IOA5330はまた、標的から複数のプローブビーム部分を受け取り、受け取った複数のプローブビーム部分を、複数の測定ビームの各々に対応する複数のLOビームと結合するように構成される。複数の結合ビームは、1または複数の光検出器へと方向付けられ、干渉(ヘテロダイン式)電気信号は、無線周波数(RF)ケーブル5327を経由して信号処理器5326に連結される。代替的に、複数の結合ビームは、光ファイバを経由して、レーザーオーブン5306へと戻されて1または複数の光検出器へと方向付けられ得る。IOA5330はまた、フォーカス光学系も含み、上記の複数の例で詳細に開示された共通プローブビーム/LOビーム光学システムも提供する。
ボアサイトカメラ(BSC)5350は、コールドミラー5332を用いて、プローブビーム軸5301に沿って標的を見るべく連結される。広視野カメラ(WFC)5350は、シャフト5345の軸に対応する方位軸周りで回転すべく、取り付5342に固定される。コントローラ5360は、信号処理器5326、方位モータ/ベアリング/エンコーダ組立体5344、及び、俯仰モータ/ベアリング/エンコーダ組立体5340に連結される。複数のキャリブレーション値、複数の測定結果、複数の画像、回転制御及び信号処理用の複数のコンピュータ実行可能命令、並びに、他の複数のデータ及び動作プログラムは、メモリ5362の中に格納され得る。
図54を参照すると、レーザーレーダシステム5400は、ファイバ5407の中に結合ビームを提供すべく、複数のファイバ連結器またはサーキュレータ5405、5406に連結される第1及び第2測定レーザー5402、5404を含む。ポインティングレーザー5409からのビームは、ユーザがインタロゲーション中の標的位置を見ることを可能とすべく、測定ビームと結合される。変調器5411は、測定レーザー5402、5404に連結され、典型的には、関連付けられる測定ビームの線形光学周波数変調を提供するように構成される。他の複数の例において、振幅変調または位相変調が適用され得、複数の非線形変調が使用され得る。サーキュレータ5406は、複数の結合測定ビームを基準長5412に連結する。基準検出器5413は、基準長5412からの複数のビームを受け取り、無線周波数(RF)ケーブル5423を経由して、対応する電気信号を信号処理器5422に連結する。
統合光学組立体(IOA)5430は、俯仰ベアリング5432及び俯仰モータ/ベアリング/エンコーダ組立体5435を使用して俯仰シャフト5436上で回転自在とされているペンタミラー5431を用いて、標的へと方向づけられ得るフォーカスプローブビームを提供すべく、ファイバ5407から複数の測定ビームを受け取るように構成される。IOA5430及び俯仰モータ/ベアリング/エンコーダ組立体5435は、ブリッジ支持部5447を経由して互いに固定される。IOA5430、俯仰シャフト5436、ベアリング5432、及び、俯仰モータ/ベアリング/エンコーダ組立体5435は、方位モータ/ベアリング/エンコーダ組立体5444を用いて固定ベース5451周りで回転自在とされているシャフト5445に固定される。IOA5430はまた、標的から複数のプローブビーム部分を受け取り、且つ、受け取った複数のプローブビーム部分を複数の測定ビームの各々に対応する複数のLOビームと結合するように構成される。複数の結合ビームは、ファイバ5407を経由して測定光検出器5460へと方向付けられ、干渉(ヘテロダイン式)電気信号は、信号処理器5422に連結される。IOA5430はまた、フォーカス光学系も含み、上記の複数の例で詳細に開示される共通プローブビーム/LOビーム光学システムも提供する。カメラ5470は、標的を見て、俯仰シャフト5436で回転すべく連結される。
例えば複数のプローブビームおよび/または複数の局所発振器ビームが単一のファイバの中で結合される上記のもの等の複数のファイバベースシステムによって、任意のコンポーネント配置が可能とされる。全てのビームは、ファイバ上での動き、温度又は他の複数の環境的影響が全てのビームに対して共通となるように、共通のファイバ内を伝搬し、検出システムの中で移動させられ、又は、移動可能とされる。
複数の振幅変調光学ビームに基づく複数の測定システム
複数の走査周波数システムが多数の利点をもたらす一方で、複数の振幅又は位相変調レーザーレーダ及びレーザートラッキングシステムが使用され得、これらは、上記で開示された複数の特徴およびシステムを組み入れ得る。図55を参照すると、レーザーレーダ又はトラッキングシステム5500は、振幅変調(AM)光学ビームをファイバ連結器5504に提供する振幅変調器5503に連結される、レーザーダイオード5502を含む。ファイバ連結器5504は、AM光学ビームを標的5510へと方向付けるべく、光ファイバ5505を経由して、AM光学ビームをフォーカス光学システム5506及び走査ミラー5508へと伝送する。走査ミラー5508は、ペンタミラーまたは他の適切な光学素子であり得る。標的5510から戻される光学ビームは、ファイバ連結器5504を経由して光検出器5512へと戻るように方向付けられる。位相比較器5514は、光学ビームに適用される振幅変調と、標的5510からのリターンビームのAM変調との間の複数の位相シフトを判断すべく、振幅変調器5503および光検出器5512に連結される。位相検出器5514からの位相情報は、位相情報に基づいて標的距離を推定する信号処理器5516に連結される。1または複数のAM光学ビームが使用され得、複数の位相変調が適用されて検出され得る。他の複数の例において、複数の周波数での複数の周波数変調(FM)が、AM変調に代えて又は加えて適用され得る。
複数のレーザーレーダ法及び適用例
上記で開示された複数の例は、以下の複数の方法及び装置を実施すべく使用され得る。図56は、基板または標的に固定されるツーリングボールをトラッキングする代表的な方法を図示している。1または複数のツーリングボールは、複数の座標判断用の複数の基準箇所を提供すべく、標的に固定され得る。複数のツーリングボールは概して、例えばレーザーレーダのようなレーザーベース測定装置の中でインタロゲーションビームの十分な反射を提供すべく、反射性ボール形状面を含む。
図56で示されるように、ステップ5602で、ツーリングボール位置が識別され、走査インタロゲーション光学ビームの戻される複数の部分に基づいて記録される。光学ビームは、ツーリングボールを追跡すべく、例えば円形、渦線形、W字形またはジグザグ形等の様々なパターンで走査され得る。ステップ5604で、識別された位置が、一次走査に対する位置を判断すべく評価される。ステップ5606で、ツーリングボール位置が一次走査に対して好適な位置となるように、一次走査が調節される。典型的には、一次走査は、ツーリングボール位置が一次走査範囲内の約中央に置かれるように調節される。ステップ5608で、他の走査に関する判断がなされる。
図57は、船、飛行機の1または複数のコンポーネント、又は、他の複数のシステム又は装置の一部を生成するのに適した、且つ、そのような製造された複数のコンポーネントを評価して再処理するのに適した、代表的な製造システム5700を図示している。システム5700は典型的に、例えば上記で議論されたレーザーレーダ100のような形状又はプロファイル測定システム5705を含む。製造システム5700はまた、設計システム5710、成形システム5720、コントローラ5730および修復システム5740も含む。コントローラ5730は、複数の測定及び設計座標、又は、設計および/または測定された1または複数の製造構造の他の複数の特性を格納するように構成された座標ストレージ5731を含む。座標ストレージ5731は概して、例えばハードディスク、ランダムアクセスメモリ、又は、他のメモリデバイス等のコンピュータ可読媒体である。典型的には、設計システム5710、成形システム5720、形状測定システム5705、及び、修復システム5740は、ネットワークプロトコルを使用して、通信バス5715経由で通信する。
設計システム5710は、製造される構造の形状、複数の座標、複数の寸法、又は、他の複数の特徴に対応する設計情報を生成し、且つ、生成された設計情報を成形システム5720に伝達するように構成される。更に、設計システム5710は、ストレージ用に、設計情報をコントローラ5730の座標ストレージ5731に伝達できる。設計情報は典型的に、生成される構造の幾つか又は全ての特徴の複数の座標を示す情報を含む。
成形システム5720は、設計システム5710によって提供される設計情報に基づいて、構造を生成するように構成される。成形システム5720によって提供される複数の成形処理は、鋳造、鍛造、切断、又は、他のプロセスを含み得る。形状測定システム5705は、製造構造の1または複数の特徴の複数の座標を測定し、且つ、測定された複数の座標を示す情報、又は、構造形状に関する他の情報をコントローラ5730に伝達するように構成される。
コントローラ5730の製造インスペクタ5732は、座標ストレージ5731から設計情報を得て、例えばプロファイル測定装置100から受け取られる複数の座標または他の形状情報等の情報を、座標ストレージ5731から読み出された設計情報と比較するように構成される。製造インスペクタ5732は概して、プロセッサ、及び、例えばランダムアクセスメモリ、フラッシュドライブ、ハードディスク、又は、他の複数の物理デバイス等の有形なコンピュータ可読媒体の中に格納される一連のコンピュータ実行可能命令として提供される。設計と実際の構造データとの比較に基づいて、製造インスペクタ5732は、製造構造が、概して座標ストレージ5731の中にも格納され得る1または複数の設計許容値に基づく設計情報に従って形付けられているか否かを判断できる。換言すると、製造インスペクタ5732は、製造構造が欠陥であるか非欠陥であるかを判断できる。構造が設計情報に従って形付けられていない(且つ、欠陥である)場合、製造インスペクタ5732は構造が修復可能であるか否かを判断する。もし修復可能であれば、製造インスペクタ5732は、製造構造の複数の欠陥部を識別して、適切な複数の座標、又は、他の修復データを提供できる。製造インスペクタ5732は、1または複数の修復命令または修復データを生成して、且つ、複数の修復命令および修復データを修復システム5740に転送するように構成される。そのような修復データは、修復を必要とする複数の位置、必要とされる再成形の範囲、又は、他の修復データを含み得る。修復システム5740は、修復データに基づいて、製造構造の複数の欠陥部を処理するように構成される。
図58は、図57で図示されるような複数の製造システムを組み込み得る、代表的な製造方法5800を示すフローチャートである。ステップ5802で、製造構造の形状に対応して、設計情報が得られ、又は、生成される。ステップ5804で、設計情報に基づいて、構造が製造され、又は、「形付け」られる。ステップ5806で、製造構造に対応する形状情報を得るべく、製造構造の複数の座標、複数の寸法、又は、他の複数の特徴が、例えば上記で説明された複数のレーザーレーダシステムのようなプロファイル測定システムで測定される。ステップ5808で、製造構造が、複数の寸法、複数の座標、製造公差、又は、他の複数の構造パラメータの、実際のものと設計によるものとの比較に基づいて検査される。ステップ5810で、もし製造構造が非欠陥であると判断されたならば、製造部分は受け入れられて、ステップ5814で処理が終了する。ステップ5810で、もし、例えば図57で示されるようなコントローラ5730の製造インスペクタ5732によって製造部分が欠陥であると判断されたならば、ステップ5812で、当該製造部分が修復可能であるかどうかが判断され得る。もし修復可能ならば、ステップ5816で、製造部分が再処理され又は修復され、ステップ5806、5808、5810の各々で測定、検査、再評価される。ステップ5812で、もし製造部分が修復不可能であると判断されたならば、ステップ5814で処理が終了する。
図58の方法によれば、製造構造の複数の座標又は他の複数の特徴を正確に測定又は評価するプロファイル測定システムを使用して、製造構造は、その構造が欠陥であるか非欠陥であるかを判断すべく評価され得る。更に、もし製造構造が欠陥であると判断され、そして、その部分が複数の構造寸法及び特徴の設計によるものと実際のものとに基づいて修復可能であると判断されれば、再処理工程が開始され得る。測定、検査及び評価処理を繰り返すことによって、複数の欠陥部分は再処理され得、欠陥であるが修復可能ではない部分は捨てられ得る。図57から58の複数の特定のシステム及び方法は単に例示であって、他の複数の配置が使用され得る。
上記の実施形態において、構造製造システム5800は、例えば上記で示される複数のレーザーレーダのようなプロファイル測定システム、設計システム5710、成形システム5720、ある部分が許容可能であるか否かを判断するように構成されたコントローラ5730(検査装置)、及び、修復システム5740を含み得る。しかしながら、他の複数のシステム及び方法が使用され得、図説の便宜上、図57及び58の複数の例が提供される。
開示される発明の複数の原理が適用され得る、多くの考えられる実施形態を鑑みると、例示される複数の実施形態が単に本発明の好適な複数の例であって、本発明の範囲を限定するものと見なされるべきではないと認識されるべきである。むしろ、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって画定される。従って、これらの請求項の範囲及び主旨の中にある全てが本発明であると主張される。