以下、図面を参照して実施形態を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態を図面にもとづいて説明する。図1は、第1の実施形態の遊技機の一例を示す斜視図である。
第1の実施形態の遊技機10は、前面枠12を備え、該前面枠12は、外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は、前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠(透明部材保持枠)15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の左右には、内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(たとえば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(たとえば、赤色)で点灯(点滅)させる)のために発光する枠装飾装置18や、音響(たとえば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生時はスピーカ19a,19bから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしてもよい。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿(貯留皿)21、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23および打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者が各種オプションの設定をおこなうオプション設定部(プッシュボタン)25が設けられている。このオプション設定部25の上面の周囲には複数の選択ボタンスイッチ25aが設けられ、オプション設定部25の上面の中央には決定ボタンスイッチ25bが設けられている。なお、オプション設定部25は、遊技者が演出態様を設定する演出設定部として機能する。この場合、選択ボタンスイッチ25aは、演出態様を選択する演出ボタンスイッチとして機能し、決定ボタンスイッチ25bは、演出態様を決定する決定ボタンスイッチとして機能する。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
なお、選択ボタンスイッチ25aが演出ボタンスイッチとして機能する場合、遊技機10は、選択ボタンスイッチ25aと決定ボタンスイッチ25bとから受け付けた遊技者の操作にもとづいて、遊技者の操作を介入させた演出をおこなうことができる。たとえば、遊技者の操作を介入させた演出は、表示装置(変動表示装置)41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)における演出があり、遊技機10は、表示装置41に表示するキャラクタを動作させたり、表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報を停止させたりすることができる。
また、オプション設定部25の右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この第1の実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32(図2参照)に向かって発射する。また、遊技者が選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25bを操作することによって、たとえば、スピーカ19a,19bから放射される音量を設定したり、遊技盤30の明るさを設定したりすることができる。
次に、遊技盤30について図2を用いて説明する。図2は、第1の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33およびガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置(変動表示装置)41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し、周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくなるように形成されている。
表示装置41は、たとえば、LCD(液晶表示器)、CRT(Cathode Ray Tube:ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームがおこなわれる。また、表示画面には、遊技の進行にもとづく演出のための画像(たとえば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
また、センターケース40の上部には、動作することによって遊技の演出をおこなう盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
また、センターケース40における左側の遊技球が流れ込まない位置には、後述する盤装飾装置46(図4参照)の1つとして、発光装置80が設けられている。発光装置80は、プッシュボタン25に関する状態や情報(プッシュボタン25の操作が現在どのように演出制御装置300によって受け付けられるかなどの状態や情報)を表示状態により遊技者に報知して案内するとともに、盤面を装飾して遊技の演出をおこなう装置であって、一種の表示手段であり、装飾手段を含めた演出手段である。
たとえば、表示装置41による表示を中心としておこなわれる演出の態様や内容(たとえば、表示装置41の画面に登場するキャラクタの種類や動きなど)が、遊技者がプッシュボタン25を操作することにより、大当りになる信頼度の高いものに切り替わる可能性のある状態である時には、演出制御装置300が発光装置80の表示状態を明るく目立つ表示状態に切り替え、遊技者にそれを知らせる。あるいは、特定期間中のみプッシュボタン25の操作が有効な機種では、プッシュボタン25の操作が有効である場合に発光装置80の表示状態を明るく目立つ表示状態に切り替え、遊技者にそれを知らせる。詳細は後述するが、本実施形態の発光装置80は、一例として、正面形状が楕円形で中央部に「PUSH」の文字がたとえば基本的に常時視認できるものとなっており、裏面側に内蔵する発光源の動作によって、遊技者から見た正面の表示状態(明るさの状態、発色の状態、文字や模様等の意匠の視認状態などを含む)が多彩に変化可能なものである。なお、「PUSH」の文字の部分(たとえば後述する案内部位)が常時視認できずに特定の表示状態でのみ視認できるものでよい。
遊技領域32におけるセンターケース40の側方右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球(普図始動ゲート34を通過する遊技球)は、ゲートスイッチ34a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、二つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の下方右側であって後述する特別変動入賞装置38の右部には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞口(始動入賞領域)をなす始動入賞口36(始動口1)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図3参照)により検出される。
また、始動入賞口36の下方には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
また、普図始動ゲート34よりも下方位置であって、センターケース40の右部には、第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。普通変動入賞装置37(始動口2)は、上端側が右方に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な可動部材37bを備えており、この可動部材37bは、常時はほぼ鉛直となって遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって上端側が右方に倒れるように回動して普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図3参照)により検出される。なお、普通変動入賞装置37が閉状態でも入賞できるようにし、閉状態では開状態よりは入賞しにくいものとしても良い。普通変動入賞装置37は普通電動役物(普電)に相当する。
普通変動入賞装置37の右方には、遊技球が流下可能な流下路91が形成され、普通変動入賞装置37に入賞しなかった遊技球は流下路91を通って下方へ流下する。この流下路91の下方には誘導部93が設けられている。誘導部93は上面94が左方へ下る傾斜面とされており、下方へ流下する遊技球を上面94で受け止め、後述する特別変動入賞装置38が存在する左方へ誘導するようになっている。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の右下には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。特別変動入賞装置38は、開閉部材(開閉扉)38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材38cが大入賞口を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材38cが退避して遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち特別変動入賞装置38は、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉部材38cによって開閉される大入賞口を備え、特図1変動表示ゲームおよび特図2変動表示ゲームの結果による大当り遊技状態(第1特別遊技状態)中や、特図2変動表示ゲームの結果による小当り遊技状態(第2特別遊技状態)中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図3参照)が配設されている。
また、特別変動入賞装置38は、入賞口内に入賞した遊技球を誘導する誘導流路と、誘導流路から分岐して形成されたV流路を備える。特別変動入賞装置38は、V流路の流入部分となる位置にV扉が設けられる。V扉は、特定領域ソレノイド38d(図3参照)によって前後方向にスライド移動してV流路への遊技球の流入を阻止する阻止状態と、後方へ退避してV流路への遊技球の流入を許容する許容状態とに変化させられるようになっている。また、特別変動入賞装置38は、V流路に流入した遊技球を検出する特定領域スイッチ38e(図3参照)が設けられている。
なお、第1の実施形態の遊技機10では、特別遊技状態の終了後の確率状態が大当り図柄で決定されるのではなく、特別遊技状態においてV流路に遊技球が流入して特定領域スイッチ38eで検出されることにもとづき高確率状態となるようにされている。ただし、遊技機10は、特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状態の終了後に高確率状態を発生可能な構成であってもよい。
また、特別変動入賞装置38は、大入賞口スイッチ38aが複数個(たとえば2個)配設されてもよい。また、特別変動入賞装置38は、1個に限らず、2個設けられるものであってもよく、大入賞口スイッチ38aは、大入賞口が複数個あるときには、それぞれに1個または2個程度、全体としてx個(図3参照)設けられるものであってもよい。
また、センターケース40の左側側部には、ワープ口(ワープ入口)39aが設けられている。ワープ口39aからワープ流路に流入した遊技球は、センターケース40内のステージ上を転動し、その一部がワープ出口39bに案内される。ワープ出口39bは、始動入賞口36の直上に位置し、ワープ出口39bに案内された遊技球は、始動入賞口36に入賞しやすくなる。
第1の実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36や一般入賞口35(特別変動入賞装置38の右部にある一般入賞口35を除く)への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38などへの入賞を狙うことができるようになっている。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームおよび普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。なお、一括表示装置50の詳細説明は、省略する。
次に、遊技機の制御システムについて図3を用いて説明する。図3は、第1の実施形態の遊技機の制御システムの一例を示すブロック図である。
遊技機10は、遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU(Central Processing Unit)部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバ等を有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140等からなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC(Integrated Circuit))と呼ばれる遊技用マイコン111と、水晶振動子のような発振子を備え、遊技用マイコン111の動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113等を有する。遊技制御装置100および該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータ等の電子部品は、電源装置400で生成されたDC(Direct Current)32V、DC12V、DC5V等所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC(Alternating Current)−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータ等を有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAM(Random Access Memory)に対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号等の制御信号を生成して出力する制御信号生成部430等を備える。
第1の実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420および制御信号生成部430は、別個の基板上または遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30および遊技制御装置100は、機種変更の際に交換の対象となるので、第1の実施形態のように、電源装置400または主基板とは別の基板にバックアップ電源部420および制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中または電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、たとえば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれがたとえば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これにもとづき遊技用マイコン111内のRAM111Cおよび払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理がおこなわれる。特に限定されるわけではないが、初期化スイッチ信号は、電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
また、遊技制御装置100には設定値変更スイッチ126と設定キースイッチ127が設けられている。設定値変更スイッチ126は、たとえばプッシュスイッチであって、押下操作を検出する。設定キースイッチ127は、設定キーを挿入してON状態とOFF状態とを切り替え可能にする。遊技制御装置100は、遊技性能に関する設定を変更可能であって、停電中または電源遮断後もRAMに記憶された設定が保持されるようになっている。たとえば、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームおよび特図2変動表示ゲームの当り確率を6段階の設定に応じて変更可能にしている。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ127がON状態かつRAM初期化スイッチ112がON状態での電源投入で、遊技機10の設定変更をおこなうことができる設定変更モードに制御状態を遷移する。たとえば、遊技制御装置100は、設定変更モードにおいて設定内容を確率設定値表示装置136に表示しながら設定値変更スイッチ126の押下操作検出により設定1から設定6までをサイクリックに変更可能にする。確率設定値表示装置136は、設定値を表示可能な表示装置であり、たとえば1桁の7セグメントLEDであって基板上に実装される。
また、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127がON状態かつRAM初期化スイッチ112がOFF状態での電源投入で、遊技機10の設定確認をおこなうことができる設定確認モードに制御状態を遷移する。たとえば、遊技制御装置100は、設定確認モードにおいて設定内容を確率設定値表示装置136に表示する。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(Read Only Memory)111Bおよび随時読出し書込み可能なRAM111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域あるいは各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111BまたはRAM111Cとして、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)のような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、たとえば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無等を規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここで、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果があらかじめ定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、たとえば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示をおこなう状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、たとえば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、「リーチなし」<「ノーマルリーチ」<「スペシャル1リーチ」<「スペシャル2リーチ」<「スペシャル3リーチ」<「プレミアリーチ」の順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成し出力して遊技機10全体の制御をおこなう。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)にもとづいてCPU111Aに対する所定周期(たとえば、4m秒(ms))のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(当り(大当りまたは小当り)またははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態または高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(時短動作状態)、始動記憶数等にもとづいて、複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、遊技機10に設けられた払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御をおこなう。また、払出制御装置200は、遊技機10に付設される球貸機のカードユニットからの貸球要求信号にもとづいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御をおこなう。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38の大入賞口スイッチ38a、特別変動入賞装置38の特定領域スイッチ38eに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。この近接I/F121には、遊技機10に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62の検出信号も入力される。また近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
なお、入賞口スイッチ35aについて説明すると、図3では入賞口スイッチ35aが1個のブロックで示されているが、実際には複数(n個)の入賞口スイッチ35a(本実施形態では3個)が遊技盤30に設けられており、それぞれの信号が異なる信号線で近接I/F121に入力されている。また、図3では大入賞口スイッチ38aが1個のブロックで示されているが、実際には複数(x個)の大入賞口スイッチ38a(本実施形態では3個)が遊技盤30に設けられている。そして、これら複数の大入賞口スイッチ38aが、それぞれ異なる信号線で接続されるか、あるいは、たとえばスイッチと遊技制御装置100(主基板)の間に存在する図示省略した中継基板上でワイヤードオア(wired OR)という方式で遊技制御装置100に接続されている。盤電波センサ62や後述する磁気センサ61も、異なる複数の信号線で接続されてもよいし、同様にワイヤードオアという方式で遊技制御装置100に接続されていてもよい。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123または第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a、および特定領域スイッチ38eの検出信号は、第2入力ポート123へ入力される。なお、特図1の始動口スイッチである始動口1スイッチ36a,37aの信号の出力(近接I/F121からの出力)については、図3では1本の信号線で示しているが、実際には2本ある。
また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号およびセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は、第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号、設定値変更スイッチ126の検出信号、設定キースイッチ127の検出信号、払出制御装置200からのタッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力にもとづく信号)が入力されるようになっている。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、遊技制御装置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要なたとえば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによって図示省略したチップイネーブル信号CE(Chip Enable)をアサート(有効レベルに変化)することによって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、RAM初期化スイッチ112の検出信号、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することにもとづき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、アウト球検出スイッチ信号(アウト球を検出したときに出力される信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
なお、アウト球検出スイッチ信号は、アウトセンサ(図示せず)が遊技機10のアウト球を1個検出するごとにアウトセンサから出力される信号である。たとえば、アウト球検出スイッチ信号は、遊技機10から遊技球(アウト球)を排出する排出口(図示せず)とアウト口30aとの間に排出流路(図示せず)に設けられる。アウト球検出スイッチ信号は、所定の稼働(たとえば、アウト球が60,000個)当たりの遊技性能(たとえば、ベース)の算出に用いられ、算出した遊技性能は性能表示装置135に表示される。なお、アウト球検出スイッチ信号は、演出制御装置300に入力されるものであってもよい。その場合、アウト球検出スイッチ信号は、遊技演出や客待ち画面表示への切替トリガとなる稼働状態の判定等に用いられるものであってもよい。たとえば、性能表示装置135は、4桁の7セグメントLEDであって、10進数または16進数により遊技性能を表示することができる。
また、遊技機10は、振動を検出する振動センサスイッチを設け、この振動センサスイッチの検出信号が第1入力ポート122あるいは第3入力ポート124に入力されるようにしてもよい。
また、遊技制御装置100には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号等の信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦、第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは、出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETは、中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成されるようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは、入力部120の第1乃至第3入力ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータは、システムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路および遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300および払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、遊技制御装置100から演出制御装置300および払出制御装置200へのシリアル通信は、演出制御装置300側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号等を中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は、遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F121から出力される始動口スイッチ等加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号または情報に加工されて、たとえば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタ等が設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CE(図示省略)も供給され、このチップイネーブル信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され、特別変動入賞装置38(大入賞口)の開閉部材38cを開閉させる大入賞口ソレノイド38bの開閉データ、特別変動入賞装置38のV扉を開閉させる特定領域ソレノイド38dの開閉データ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを開閉させる普電ソレノイド37cの開閉データ、および性能表示装置135の表示データを出力するための第1出力ポート134aが設けられている。
また、出力部130には、確率設定値表示装置136の表示データを出力するための第2出力ポート134bが設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート134c、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート134dが設けられている。
また、出力部130には、大当り情報等遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート134eが設けられている。外部情報端子板71には、フォトリレーが備えられ、たとえば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)等)に接続可能であり、遊技機10に関する情報をフォトリレーを介して外部装置に供給することができるようになっている。なお、外部装置に供給する情報の一部は、第4出力ポート134dから出力される。また、第5出力ポート134eからは、シュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第1出力ポート134aから出力される大入賞口ソレノイド38b、特定領域ソレノイド38d、普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート134cから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート134dから出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート134eや第4出力ポート134dから管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138d、第1出力ポート134aから出力される性能表示装置135の表示データ信号を受けて性能表示装置135の駆動信号を生成し出力する第5ドライバ138eが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12Vまたは5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第1出力ポート134a、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。また、性能表示装置135、あるいは第5ドライバ138eと性能表示装置135は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、外部基板(図示せず)側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置490へ各遊技機の識別コードやプログラム等の情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置490との間でシリアル通信によってデータの送受信をおこなえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用しておこなわれるため、第1乃至第3入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
次に、演出制御装置300の構成について図4を用いて説明する。図4は、第1の実施形態の演出制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理をおこなうグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音等をスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるPROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM(Ferroelectric RAM)323、現在の日時(年月日や曜日、時刻等)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAM311aが設けられている。また、主制御用マイコン311には、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンド(演出コマンド)を解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理等の処理を実行したりする。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信がおこなわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるための割込み信号INT0〜nおよび主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAIT等も入力される。
演出制御装置300には、LVDS(Low Voltage Differential Signaling:小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNCおよび垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には、音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは、割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19aおよび前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19aおよび下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)などを有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(たとえば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(たとえば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータおよびソレノイド等を駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(たとえば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていてもよい。また、前述した発光装置80は、たとえば盤装飾装置46のうちの一つであり、主制御用マイコン311によって盤装飾LED制御回路332を介して駆動制御される。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられたオプション設定部25の選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25bと、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能を有するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vまたは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5VにもとづいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314およびアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータ等を駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。また、演出制御装置300を構成する回路基板は、サブ制御基板(サブ基板ともいう)に相当する。
次に、これらの制御回路においておこなわれる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。そして、一括表示装置50の普図図柄表示部に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図図柄表示部に第1当り停止図柄〜第3当り停止図柄の各々に対応した特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(たとえば、0.5秒間または1.7秒間)上述のように開放する制御をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御をおこなう変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図図柄表示部にはずれの結果態様を表示する制御をおこなう。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶にもとづき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき始動記憶を記憶し、この始動記憶にもとづき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド、演出コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、一括表示装置50の特図1図柄表示部や特図2図柄表示部に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への入賞にもとづき変動表示ゲームの進行制御をおこなう遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等をおこなう。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りや小当りの場合は、一括表示装置50の特図1図柄表示部や特図2図柄表示部に特別結果態様や小当り結果態様を表示するとともに、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理(すなわち、特別遊技や小当り遊技を実行する処理)をおこなう。第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの結果が大当りとなったことによる特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御をおこなう。この特別遊技状態でCPU111Aは、たとえば大入賞口に所定個数(たとえば、9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)をおこなう。また、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)あるいは第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の結果が小当りとなったことによる小当り遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御をおこなう。
なお、これら小当り遊技状態でおこなわれる大入賞口の開閉動作パターン(開閉動作態様)は、たとえば200m秒だけ開閉部材を開状態に維持する動作を1500m秒間隔で4回おこなうといったものである。このように、遊技制御装置100は、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御をおこなう大入賞口開閉制御手段をなす。またCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、一括表示装置50の特図1図柄表示部や特図2図柄表示部にはずれの結果態様を表示する制御をおこなう。
また、遊技制御装置100は、前述したV流路への遊技球の流入にもとづき、あるいは特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、たとえば特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態、普図高確率状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常確率(普図低確率状態)であるたとえば「0」よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。これにより、普通変動入賞装置37が普図低確率状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が多くなるように制御するようになっている。ここで、本実施形態における普通変動入賞装置37は、通常遊技状態においては可動部材37bを開放しないように普図確率がたとえば「0」に設定されている。
また、時短状態において、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)は、たとえば、500m秒となり、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間は、たとえば、600m秒となり、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、第1当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、500m秒×1回)、第2当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、1700m秒×2回)、第3当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、1700m秒×3回)となるように設定することが可能である。
なお、普図変動表示ゲームおよび普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御をおこなうよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間を設定してもよく、たとえば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(たとえば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(たとえば、1604m秒が704m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(たとえば、100m秒が1352m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(たとえば、2回)よりも多い回数(たとえば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態、たとえば、0/251、あるいは1/251)よりも高い高確率(普図高確率状態、たとえば、251/251、あるいは250/251)とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率のいずれか一つまたは複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。また時短状態は、普電サポート状態(普電サポート中、或いは電サポ中)と称することもできる。
次に、発光装置80の構成について図5から図8を用いて説明する。図5は、第1の実施形態の発光装置の一例を示す正面図である。図6は、第1の実施形態の発光装置の一例を示す側断面図および分解斜視図である。図6のうち、図6(a)は発光装置の側断面図であり、図6(b)は発光装置の分解斜視図である。図7は、第1の実施形態の発光装置を構成するLED基板および第1シートの一例を示す図である。図7のうち、図7(a)はLED基板を示す正面図であり、図7(b)は第1シートを示す正面図である。図8は、第1の実施形態の発光装置を構成する第2シートおよび第3シートの一例を示す図である。図8のうち、図8(a)は第2シートを示す正面図であり、図8(b)は第3シートを示す正面図である。
なお、たとえば図5に示すように、発光装置80およびその構成要素を示す図においては、配色の一例として、斜線部分は黄色であることを示し、黒塗り部分(黒色に見える部分)は赤色であることを示し、その他の塗りつぶし部分(灰色に見える部分)は黒または黒に近い色(白みを帯びた黒、赤みを帯びた黒、黄みを帯びた黒など)を示す。赤色は黒色よりも基本的に明度が高いが(つまり実際には黒色の方が暗く見えるが)、ここでは赤色の強い印象を表現するために、赤色を黒塗りで図示し、黒色を灰色の塗りつぶしで図示している。
発光装置80は、図6(a)および図6(b)に示すように、構成要素であるLED基板81、スモーク板82、拡散板83、第1シート84、第2シート85、第3シート86、および前面板87(たとえばスモークレンズ)が、後側から前側に順次重ねて配置されてなる。これら構成要素は、図6(b)に示すように外形が同じ楕円形とされ、たとえば最前面に配置される前面板87が他の構成要素よりも外径が大きく、残りの構成要素は略同外径となっている。
また、これら構成要素は、たとえば図6(a)に示すように、センターケース40の前面を構成する部材40aに形成された開口40b(発光装置80用の窓)に対して、ケース88と後面板89によって取り付けられている。ケース88は、積層された各構成要素の外周面を覆う筒状の部材であり、各構成要素の上下左右方向の動きや回転を阻止して保持する部材である。ケース88は、たとえばネジ止めなどによって部材40aに固定される。後面板89は、たとえばネジ止めなどによってケース88の後面に固定されて、各構成要素が後方に脱落するのを阻止する板状部材である。この後面板89の中央部には、LED基板81に接続される図示省略した配線(LED基板81と演出制御装置300との間の電気配線)を導出するための開口89aが形成されている。
なお、図5の正面図は、前側(図6(a)における左側)に居る観察者である遊技者に見える開口40b内の発光装置80(非発光時)を示している。ただし、発光装置80の取付構造は、図6(a)の構成に限定されず、たとえばセンターケース40を構成する部材40aよりも前面側に各構成要素が配置されて取り付けられる構成でもよい。各構成要素が図6に示す順番で積層配置されて取り付けられる構造であれば、いかなる構成でもよい。
また、発光装置80の各構成要素のうち、スモーク板82、拡散板83、第1シート84、第2シート85、および第3シート86は、たとえば図6(a)に示すように密接して配設される。LED基板81とスモーク板82の間や、第3シート86と前面板87の間には、必要に応じて所定の間隔が設けられる。
なお、スモーク板82、拡散板83、第1シート84、第2シート85、および第3シート86は、それぞれ任意の厚さとすることができる。スモーク板82、拡散板83、第1シート84、第2シート85、および第3シート86のそれぞれの厚さは、すべてが同じであってもよいし、すべてが同じでなくてもよい。図6(a)は、便宜上、スモーク板82、拡散板83、第1シート84、第2シート85、および第3シート86をケース88の半分程度の厚さ(たとえば、1mm)があるように示したが、シート状の厚さ(たとえば、100μm)程度であってもよい。
また、スモーク板82、拡散板83、第1シート84、第2シート85、および第3シート86は、それぞれの機能を発揮できるものであれば任意の素材とすることができる。スモーク板82、拡散板83、第1シート84、第2シート85、および第3シート86のそれぞれの素材は、すべてが同じ(たとえば、塩化ビニール)であってもよいし、すべてが同じでなくてもよい。
LED基板81は、図7(a)に示すように、発光源としてのフルカラーLED81a(詳細には、たとえばフルカラーを実現する発光色の異なる複数のLEDを搭載したチップ)がたとえば6個搭載された基板である。各フルカラーLED81aから発射される光の照射方向(発射される光束の中心軸の方向)は、前側(図6(a)における左側)に向かう方向に設定され、発光装置80の後部から直接的に前側に居る観察者である遊技者に向かう方向とされている。各フルカラーLED81aは、図4に示した盤装飾装置46を構成する要素として演出制御装置300によって制御され、各種の色で発光可能である。なお本実施形態では、6個のフルカラーLED81aの発光状態(発光しているか否かの状態)や発光色は、全て同じになるように制御される。また、LED基板81(特にフルカラーLED81a)は、出力光の色を、白色、白でない第1の色(たとえば黄)、白でなく第1の色の補色でもない第2の色(たとえば赤)、第1の色の補色(たとえば青紫)、および第2の色の補色(たとえば青緑)を含む複数の色のうちの何れかに切り替えることが可能な発光手段をなす。本実施形態では、発光手段がフルカラーLED81aであるので、上記5色以外の何れの発光色(たとえば、橙、緑、青、紫など)も出力可能である。なお、第1の色と第2の色は黄色と赤色に限定されず、それ以外の色でもよいが、以下では一例として、第1の色が黄色、第2の色が赤色であるとして説明する。
スモーク板82は、入射する光量に対して透過する光量を適度に減少させる半透明の板状部材であり、非発光時(フルカラーLED82が発光していない状態)の発光装置80の正面からの視認性を落とすための部材である。このスモーク板82が無いと、LED基板81上のたとえばフルカラーLED81aが非発光時に正面から遊技者にある程度見えてしまい、遊技者が興ざめする不具合(あるいは装飾性や演出効果が低下する不具合)が生じる可能性があるが、スモーク板82があることによって非発光時にはスモーク板82よりも後側が十分暗く見えるようになり、このような不具合が防止される。
拡散板83は、フルカラーLED81aから入射する光を拡散させて前側に透過させる板状部材である。この拡散板83が無いと、前側に居る遊技者に対して、フルカラーLED81aが配置された6か所の位置のみが局所的に明るく光って見えてしまい、遊技者が興ざめする不具合(あるいは装飾性や演出効果が低下する不具合)が生じる可能性があるが、拡散板83があることによってフルカラーLED81aから照射される光が全体に拡散して次の第1シート84に照射されるため、このような不具合が防止される。
第1シート84は、図7(b)に示すように、第1の色(黄色)を透過させる第1の特色透過部位84aを有し、第1の特色透過部位84aを除いた部分が透明な部分である透明部位84bとなっているシート状部材である。第1の特色透過部位84aは、後側の発光手段がたとえば白色で発光した場合でも、前側から見て第1の色(黄色)に見える光の成分(特定の波長に偏った光)のみを主に透過させる性質を有する。逆に言えば、第1の特色透過部位84aは、後側の発光手段が第1の色の補色(青紫)で発光した場合には、前側から黒または灰色に見えるように、この補色(青紫)の光をほとんど透過しない性質を有する。これに対して、透明部位84bは、後側の発光手段からの光を制限なく略そのまま前側に透過させる。この具体例の第1シート84では、図7(b)において斜線を施した領域(斜線部分)、すなわち、中央に位置する「PUSH」の文字とその輪郭を含む形状の案内情報領域と、この案内情報領域の周囲に点在する大小さまざまな星を表す装飾意匠領域とが、第1の特色透過部位84aとなっている。
第2シート85は、図8(a)に示すように、第2の色(赤色)を透過させる第2の特色透過部位85aを有し、第2の特色透過部位85aを除いた部分が透明な部分である透明部位85bとなっているシート状部材である。第2の特色透過部位85aは、後側の発光手段がたとえば白色で発光した場合でも、前側から見て第2の色(赤色)に見える光の成分(特定の波長に偏った光)のみを主に透過させる性質を有する。逆に言えば、第2の特色透過部位85aは、後側の発光手段が第2の色の補色(青緑)で発光した場合には、前側から黒または灰色に見えるように、この補色(青紫)の光をほとんど透過しない性質を有する。これに対して、透明部位85bは、後側の発光手段からの光を制限なく略そのまま前側に透過させる。この具体例の第2シート85では、図8(a)において黒く塗りつぶした領域(黒塗り部分)、すなわち、中央に位置する「PUSH」の文字の形状の案内情報領域が、第2の特色透過部位85aとなっている。そして、この第2シート85の第2の特色透過部位85aは、前述した第1シート84の第1の特色透過部位84aにおける案内情報領域(「PUSH」の文字とその輪郭を含む形状の領域)のうちの「PUSH」の文字の位置(すなわち、上述の輪郭内の所定位置)にズレ無く重なる位置および大きさに形成されている。
ここで、第1シート84の第1の特色透過部位84aと第2シート85の第2の特色透過部位85aは、少なくとも一部を除いて重ならない位置に形成されている。この場合、輪郭を含まない「PUSH」の文字の部分は、両者が重なっているが、それ以外の部分は両者が重なっていない。これにより、重なっていない部分においては、一方の特色透過部位が、他方の特色透過部位の影響を受けずに、透過させる対象色の補色でない色で発光手段(フルカラーLED81a)が発光した場合(特に、透過させる対象色で発光手段が発光した場合)に、発光装置80の前側の観察者(たとえば、遊技者)が発光した状態の色や形状をはっきり鮮やかに観察できるようになる。
なお、第1シート84の第1の特色透過部位84aと第2シート85の第2の特色透過部位85aは、全体が重なる実施態様もあり得るが、上記作用効果を得るためには、本実施形態の具体例のように、少なくとも一部を除いて少なくとも一方の特色透過部位が他方の特色透過部位と重ならない位置に形成されていることが好ましい。
第3シート86は、図8(b)に示すように、光の透過を制限する透過制限部位86aを有し、透過制限部位86aを除いた部分が透明な部分である透明部位86bとなっているシート状部材である。透過制限部位86aは、スモーク板と同様に、入射する光量に対して透過する光量を減少させる性質(特定の波長の光に偏らずに光量を落とす性質)を有する。これに対して、透明部位86bは、後側の発光手段からの光を制限なく略そのまま前側に透過させる。図8(b)において灰色に見える部分(塗りつぶし部分)が透過制限部位86aとなっており、それ以外の白く見える部分(白抜き部分)が、透明部位86bとなっている。この具体例の第3シート86では、図8(b)に示すように、中央に位置する「PUSH」の文字とその輪郭を含む形状の案内情報領域と、この案内情報領域の周囲に点在する大小さまざまな星を表す装飾意匠領域とが、透明部位86bとなっている。
そして、この第3シート86の透明部位86bは、前述した第1シート84の第1の特色透過部位84aと第2シート85の第2の特色透過部位85aにズレ無く重なる位置に形成されている。すなわち、第3シート86において、第1の特色透過部位84aに重なる領域にも、また第2の特色透過部位85aに重なる領域にも、透明部位86bが形成されている。このように少なくとも何れか一つの特色透過部位に重なる領域に透明部位86bが形成されていることにより、第1の特色透過部位84aまたは第2の特色透過部位85aを透過した光が、透明部位86bを介して発光装置80の前側にいる観察者により観察され、発光手段(フルカラーLED81a)の発光色によっては第1の特色透過部位84aまたは第2の特色透過部位85aの形状や発色が観察者にはっきり視認可能となる。
前面板87は、透明または半透明の板状の部材であり、主に発光装置80の前側表面を保護するための部材である。前面板87は、発光装置80から前側に出力される光量を最終的に制限して調整するスモーク板として機能し、視認性をより高めるものであってもよい。また前面板87は、発光装置80から前側に出力される光を屈折させて発光装置80(特に前述した案内情報領域や装飾意匠領域に相当する部位)をたとえば若干拡大させて見せるレンズとして機能し、視認性をより高めるものであってもよい。
次に、発光装置80の動作について前述の図5と図9から図11とを用いて説明する。図9は、第1の実施形態の発光装置の動作と表示状態(観察者に見える状態)の一例を示す図である。図10および図11は、第1の実施形態の発光装置の他の表示状態の一例を示す図である。図9のうち、図9(a)は発光装置の動作(発光手段の発光色に対する各部位の表示状態)を示す図であり、図9(b)は発光手段の発光色が白色である場合の発光装置の表示状態の一例を示す図である。図10のうち、図10(a)は発光手段の発光色が赤色である場合の発光装置の表示状態の一例を示す図であり、図10(b)は発光手段の発光色が黄色である場合の発光装置の表示状態の一例を示す図である。図11のうち、図11(a)は発光手段の発光色が青緑色である場合の発光装置の表示状態の一例を示す図であり、図11(b)は発光手段の発光色が青紫色である場合の発光装置の表示状態の一例を示す図である。
まず、発光装置80の発光手段(この場合、6個のフルカラーLED81aを意味する。以下同様)が非発光状態(消灯状態)である非発光時には、発光手段が発光状態(点灯状態)である場合に比較して全体的に相当暗く見えるが、遊技場の照明などの外光によって、たとえば図5に示すように発光装置80が前側に居る観察者(通常は遊技者)から見える。
詳細には、発光装置80の正面(前面)における案内部位(第1シート84の案内情報領域に対応する領域であり、「PUSH」の文字とその輪郭を含む形状の領域を意味する。以下同様)は黄色の輪郭のある赤色の「PUSH」の文字として見え、発光装置80の正面(前面)における意匠部位(第1シート84の星を表す装飾意匠領域に対応する領域を意味する。以下同様)は黄色に見え、発光装置80の正面(前面)における背景部位(案内部位と意匠部位を除いた領域を意味する。以下同様)は黒色に見える。なおこの非発光時には、案内部位や意匠部位が暗くなって(すなわち、黒く見えて)背景部位に埋もれてよく見えなくなる構成でもよい。
次に、発光装置80の発光手段が白色に発光した発光状態である白色発光時には、図9(a)の上から2段目に記載したように、発光装置80が前側に居る観察者から見える。具体的には、たとえば図9(b)に示すように、発光装置80の正面における案内部位は黄色の輪郭のある赤色の「PUSH」の文字として見え、発光装置80の正面における意匠部位は黄色の星に見え、発光装置80の正面における背景部位は白みを帯びた黒色(たとえば、明るい灰色)に見える。この図9(b)に示す白色発光時の表示状態では、図面には十分表せないが、図5に示した非発光時に比較して、全体的に明るく(輝度が高く)、案内部位や意匠部位の赤や黄の色の鮮やかさ(彩度)も高い。そして、案内部位の「PUSH」の文字や輪郭と、意匠部位の星を表す部分が、背景部位から浮いてはっきり見える。つまり、案内部位や意匠部位が背景部位とはっきり異なって見える。
次に、発光装置80の発光手段が赤色(第2の色)に発光した発光状態である赤色発光時には、図9(a)の上から3段目に記載したように、発光装置80が前側に居る観察者から見える。具体的には、たとえば図10(a)に示すように、発光装置80の正面における案内部位は黄色の輪郭のある赤色の「PUSH」の文字として見え、発光装置80の正面における意匠部位は黄色の星に見え、発光装置80の正面における背景部位は赤みを帯びた黒色に見える。この図10(a)に示す赤色発光時の表示状態では、図面には十分表せないが、図5に示した非発光時に比較して、全体的に明るく(輝度が高く)、案内部位や意匠部位の赤や黄の色の鮮やかさ(彩度)も高い。そして、案内部位の「PUSH」の文字や輪郭と、意匠部位の星を表す部分が、背景部位から浮いてはっきり見える。つまり、案内部位や意匠部位が背景部位とはっきり異なって見える。
この赤色発光時の場合、案内部位の「PUSH」の文字の部分が赤色であるのに対して、背景部位が赤みを帯びた黒色であって色相が近いため、案内部位の「PUSH」の文字の部分が背景部位に埋もれて見難くなる懸念があるが、本願実施形態では、案内部位に「PUSH」の文字の部分に加えて黄色に見える輪郭部分があるので、そのような不具合が回避されて、案内部位の「PUSH」の文字を主に黄色の輪郭部分によって観察者がはっきり認識できる。また、この赤色発光時の場合、発光装置80の表示状態は、全体的に赤色または赤みを帯びた色の部分が多くなり、その中に黄色の星と「PUSH」の文字の黄色い輪郭が目立って見えるという、他の表示状態とは異なる配色の表示状態であって、他の表示状態とは異なる固有の印象を観察者に与える表示状態となる。
次に、発光装置80の発光手段が黄色(第1の色)に発光した発光状態である黄色発光時には、図9(a)の上から4段目に記載したように、発光装置80が前側に居る観察者から見える。具体的には、たとえば図10(b)に示すように、発光装置80の正面における案内部位は黄色の輪郭のある赤色の「PUSH」の文字として見え、発光装置80の正面における意匠部位の黄色の星は背景部位に埋没してほとんど見えず、発光装置80の正面における背景部位は黄みを帯びた黒色に見える。この図10(b)に示す黄色発光時の表示状態では、図面には十分表せないが、図5に示した非発光時に比較して、全体的に明るく(輝度が高く)、案内部位や意匠部位の赤や黄の色の鮮やかさ(彩度)も高い。ただし、案内部位の「PUSH」の文字の部分が赤色にはっきり見えるものの、たとえば意匠部位の星を表す部分が背景部位と同系色(黄色と黄みを帯びた黒色)であるため背景部位に埋没してはっきり見えない。なお、案内部位の「PUSH」の文字の輪郭も、背景部位と同系色であるため、白色発光時などの他の表示状態に比較すると、はっきり見えない。
この黄色発光時の場合、発光装置80の表示状態は、全体的に黄色または黄みを帯びた色の部分が多くなり、その中に赤色の「PUSH」の文字が目立って見えるという、他の表示状態とは異なる配色の表示状態であって、他の表示状態とは異なる固有の印象を観察者に与える表示状態となる。
次に、発光装置80の発光手段が青緑色(第2の色の補色)に発光した発光状態である青緑色発光時には、図9(a)の上から5段目に記載したように、発光装置80が前側に居る観察者から見える。具体的には、たとえば図11(a)に示すように、発光装置80の正面における案内部位は黄色の輪郭が目立つ「PUSH」の文字(赤色は見えない状態)として見え、発光装置80の正面における意匠部位は黄色の星に見え、発光装置80の正面における背景部位は黒色または灰色(厳密には青緑を帯びた黒色または灰色)に見える。この図11(a)に示す青緑色発光時の表示状態では、図面には十分表せないが、図5に示した非発光時に比較して、全体的に明るく(輝度が高く)、案内部位や意匠部位の黄色の鮮やかさ(彩度)も高い。そして、案内部位の「PUSH」の文字の輪郭と、意匠部位の星を表す部分が、背景部位から浮いてはっきり見える。つまり、案内部位や意匠部位が背景部位とはっきり異なって見える。
この青緑色発光時の場合、案内部位の「PUSH」の文字の部分(第2シート85の第2の特色透過部位85aの部分)が赤色を透過させるものであるのに対して、発光手段の発光色が赤色の補色である青緑色であるため、案内部位の「PUSH」の文字の部分(輪郭以外の部分)は赤色としてほとんど発色せず(つまり、赤色の発色が格段に少なくなり)、また案内部位の「PUSH」の文字の部分(第2シート85の第2の特色透過部位85aの部分)を透過する光量も格段に少なくなり、この部分は暗く見える(黒または灰色に見える)。この結果、発光装置80の正面における案内部位は黄色の輪郭が目立つ「PUSH」の文字(赤色は見えない状態)として見える。
また、この青緑色発光時の場合、発光装置80の表示状態は、全体的に黒色または灰色に近い色の部分が多くなり、その中に黄色の星と「PUSH」の文字の黄色い輪郭が目立って見えるという、他の表示状態とは異なる配色の表示状態であって、他の表示状態とは異なる固有の印象を観察者に与える表示状態となる。
次に、発光装置80の発光手段が青紫色(第1の色の補色)に発光した発光状態である青紫色発光時には、図9(a)の上から6段目に記載したように、発光装置80が前側に居る観察者から見える。具体的には、たとえば図11(b)に示すように、発光装置80の正面における案内部位は黄色の輪郭の無い赤色の「PUSH」の文字として見え、発光装置80の正面における意匠部位の星は黒色または灰色になってほとんど見えず、発光装置80の正面における背景部位は黒色または灰色(厳密には青紫を帯びた黒色または灰色)に見える。この図11(b)に示す青紫色発光時の表示状態では、図面には十分表せないが、図5に示した非発光時に比較して、全体的に明るく(輝度が高く)、案内部位の赤色の鮮やかさ(彩度)も高い。
ただし、この青紫色発光時の場合、案内部位の「PUSH」の文字の部分が赤色にはっきり見えるものの、意匠部位の星を表す部分と案内部位の輪郭の部分(第1シート84の第1の特色透過部位84aの部分)が黄色を透過させるものであるのに対して、発光手段の発光色が黄色の補色である青紫色であるため、これらの部分は黄色としてほとんど発色せず(つまり、黄色の発色が格段に少なくなり)、またこれらの部分(第1シート84の第1の特色透過部位84aの部分)を透過する光量も格段に少なくなり、これらの部分は暗く見える(黒または灰色に見える)。この結果、発光装置80の正面における案内部位は輪郭を除く「PUSH」の文字だけが赤色として見え、意匠部位の星を含むそれ以外の部分は、背景部位と同じ黒色または灰色に見えて、背景部位に埋没してしまいほとんど見えなくなる。
この青紫色発光時の場合、発光装置80の表示状態は、全体的に黒色または灰色に見える部分が多くなり、その中に赤色の「PUSH」の文字(輪郭無し)が目立って見えるという、他の表示状態とは異なる配色の表示状態であって、他の表示状態とは異なる固有の印象を観察者に与える表示状態となる。
次に、演出制御装置300がおこなう発光装置80の制御について図12および図13を用いて説明する。図12は、第1の実施形態の演出制御装置における発光制御処理のフローチャートを示す図である。図13は、第1の実施形態の表示パターンテーブルの一例を示す図である。
前述したように、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理をおこなうとともに、演出状態の設定や、各種LEDの発光を制御する処理等をおこなう。この処理の過程で、演出制御装置300の制御部(CPU311)は、発光装置80の制御状態を特定の表示パターンに切り替えるべきタイミングになると、切り替え後の表示パターンを決定して図12に示す発光制御処理を実行する。
この発光制御処理においては、決定されている切り替え後の表示パターンを取得し(ステップD71)、取得した表示パターンに応じた発光態様を決定し(ステップD72)、決定した発光態様を設定し(ステップD73)、この発光制御処理を終了する。
演出制御装置300の記憶手段(たとえばPROM321)には、たとえば図13に示すような内容の表示パターンテーブルが記憶されている。すなわち、表示パターン1は発光装置80の発光手段を白色で連続的に発光させる発光態様であり、表示パターン2は発光装置80の発光手段を赤色で連続的に発光させる発光態様であり、表示パターン3は発光装置80の発光手段を黄色で連続的に発光させる発光態様であり、表示パターン4は発光装置80の発光手段を青緑色で連続的に発光させる発光態様であり、表示パターン5は発光装置80の発光手段を青紫色で連続的に発光させる発光態様であり、表示パターン6は発光装置80の発光手段を所定時間毎に青緑と青紫に交互に切り替えて発光させる発光態様であり、表示パターン7は発光装置80の発光手段を第1の色(黄色)と第2の色(赤色)を除く複数の色に順に所定時間毎に切り替えて発光させる発光態様であることが、情報として設定された表示パターンテーブルが記憶されている。
そして、ステップD72では、この表示パターンテーブルにもとづいて発光態様が決定され、決定された発光態様がステップD73で設定される。また、たとえば演出制御装置300の制御部(CPU311)がメイン処理において周期的におこなう装飾制御処理(図示省略)では、ステップD73でおこなわれた設定にもとづいて、発光装置80の発光手段(フルカラーLED81a)を設定された発光態様になるように制御する処理がおこなわれる。
これにより発光装置80は、ステップD71で表示パターン1が取得されて表示パターン1に切り替えられた場合には前述した白色発光時の表示状態(図9(b)に示すような表示状態)になり、同様に表示パターン2に切り替えられた場合には前述した赤色発光時の表示状態(図10(a)に示すような表示状態)になり、同様に表示パターン3に切り替えられた場合には前述した黄色発光時の表示状態(図10(b)に示すような表示状態)になり、同様に表示パターン4に切り替えられた場合には前述した青緑色発光時の表示状態(図11(a)に示すような表示状態)になり、同様に表示パターン5に切り替えられた場合には前述した青紫色発光時の表示状態(図11(b)に示すような表示状態)になる。
また発光装置80は、同様に表示パターン6に切り替えられた場合には、前述した青緑色発光時の表示状態(図11(a)に示すような表示状態)と、前述した青紫色発光時の表示状態(図11(b)に示すような表示状態)とを、所定時間毎に交互に繰り返す。
また、発光装置80の発光手段(フルカラーLED81a)は、同様に表示パターン7に切り替えられた場合には、たとえば図13の最下段に記載されているように、紫→青紫→青→青緑→緑→紫→青紫…といったように、所定時間毎に黄色と赤色以外の複数の色に順次切り替えて発光する動作を循環的におこなう。この結果、発光装置80は、図示省略した紫色発光時の表示状態と、前述した青紫色発光時の表示状態と、図示省略した青色発光時の表示状態と、前述した青緑色発光時の表示状態と、図示省略した緑色発光時の表示状態とに、所定時間毎に順次切り替わる動作を循環的に繰り返す。
ここで、発光装置80の紫色発光時の表示状態、青色発光時の表示状態、および緑色発光時の表示状態については、説明を省略するが、他の表示状態と同様の原理(すなわち、隣接する同色系に光る領域は一方が埋没してしまい見えなくなるという原理、また、発光手段の発光色が特色透過部位を透過する特定色に対する補色であると当該特色透過部位の領域の発色が格段に低下する原理)によって、これらの表示状態は、他の表示状態とは異なる配色の表示状態であって、他の表示状態とは異なる固有の印象を観察者に与える表示状態となる。
そして、上記表示パターンのうちで、表示パターン6と表示パターン7のように所定時間毎(たとえば0.1〜0.5秒間隔)で発光色を切り替えるものであると、発光装置80の各部位(案内部位、意匠部位、背景部位)がキラキラきらめくように見えて、観察者に対して印象深いものとなり、装飾効果や演出効果が高まる。特に、表示パターン7のように発光色を短い間隔で順次切り替えて発光手段を多数の色に発光させるものであると、虹色発光(レインボー発光)がおこなわれたのと類似する印象を発光装置80の観察者に与えることができる。
また、上述した表示パターン7のように特定の色(たとえば第1の色と第2の色)を除いた複数の色に所定時間毎に切り替える発光態様であると、特定の色(たとえば第1の色と第2の色)で発光させた場合の表示状態(たとえば表示パターン2,3の表示状態)とは、明確に異なる表示状態となり、表示状態の違いによって遊技者に状態を報知したり信頼度を示唆したりすることが効果的におこなえる。
ここで、演出制御装置300は、発光装置の発光手段を上述した各種の表示パターンに対応する各種の発光態様で発光させる制御手段をなす。また演出制御装置300は、発光手段の発光色を第1の色の補色と第2の色の補色を含む複数の異なる発光色に所定時間毎に切り替えて発光手段を発光させる発光色切替制御が可能な制御手段をなす。
また、案内部位(「PUSH」の文字と輪郭)の表示は、プッシュボタン25の操作案内機能を有し、意匠部位(星の意匠)の表示は、案内部位(「PUSH」の文字と輪郭)の表示を演出する機能(たとえば、大当りになる信頼度を示唆して遊技者の期待を高める機能)を有する。
このように本実施形態の発光装置80は、発光手段を裏面側(後側)にのみ備えるだけの簡素な構成でありながら、遊技者から見た正面の表示状態(明るさの状態、発色の状態、文字等の意匠の視認状態などを含む)が多彩に変化可能である。たとえば、常態で視認可能な全てのデザイン(「PUSH」の文字と星の意匠)を遊技者に見せるようにしたり、一部のデザイン(「PUSH」の文字)のみを遊技者に見せるようにしたり、全体的な発光色を多彩に異ならせたり、一部のデザイン(「PUSH」の文字)の発色を変化させたりすることができる。このため、遊技者に対する状態報知、遊技機の装飾、遊技の演出を多彩な表示状態により効果的におこなうことができる高機能で安価な発光装置が提供できる。また、遊技機の装飾効果や演出効果を高め、遊技の興趣を向上できる。
なお、たとえば特開2007−37891号公報に記載された装飾表示装置の場合には、複数の表示プレート(導光板)の各端面に対向するように光源部(LED基板)をそれぞれ配設する構成であり、さらに複数の表示プレートの裏面側には当然バックライトとしての発光手段を配設する必要があるため、組み立て工数も多く、相当なコスト高が避けられない。これに対して、本実施形態の発光装置80は、バックライトに相当する裏面側(後側)の発光手段のみを備える構成であり、各構成要素を積層状態に重ねて保持するだけの組み立ても容易な構成であるため、格段に低コストに実現できる。
また、図14は24色相からなる色相環を示す図である。この色相環の図から分かるように、第1の色(黄色)と第2の色(赤色)は、色相環において互いに角度が180度の位置にある補色の関係にはない。第1の色(黄色)と第2の色(赤色)は、詳細には、24色相からなる色相環において色相差が4から7である中差色相の関係(特に赤色と黄色は、色相環における角度が90度の位置にある関係)にある。たとえば、赤色に対して黄色は中差色相であって補色ではない(赤色の補色は青緑である)。本願実施形態の発光装置80では、第1シート84の第1の特色透過部位84aと、第2シート85の第2の特色透過部位85aとを、このような関係にある第1の色(黄色)と第2の色(赤色)をそれぞれ透過させるものとしたため、前述したような特に装飾効果の高い多彩な表示態様が実現できる。
なお、第1の色と第2の色を、相互に補色の関係にある色、たとえば黄色と青紫に設定する構成も有り得るが、この場合、発光手段を第1の色で発光させた場合も、第2の色で発光させた場合も、何れか一方の色が発光手段の発光色と補色の関係にあるために発色が低下してしまう。これに対して、本実施形態のように、第1の色と第2の色を、たとえば中差色相の関係にある色に設定した構成であれば、発光手段を第1の色で発光させた場合も、第2の色で発光させた場合も、両方の色が発光手段の発光色と補色の関係にないために発色が低下してしまうことがない。
また、第1の色と第2の色は、黄色と赤色に限られず、これを逆にした設定(第1の色が赤色で、第2の色が黄色)でもよく、これら2色の組合せも、黄色と赤色の組合せに限られない。たとえば、橙と緑、黄と青緑、緑と青、青緑と青紫、青と紫、青紫と赤、紫と橙などの組合せで、第1の色と第2の色を設定してもよい。
また、表示パターンとそれに対応する発光態様としては、図13に示した表示パターン1〜7に限られず、たとえば第1の色(黄色)や第2の色(赤色)や白色を含めた複数の色に順に所定時間毎に切り替えて発光させる発光態様の表示パターンでもよい。また、たとえばプッシュボタン25の操作が無効である時に選択される表示パターンとして、発光手段であるフルカラーLED81aを全消灯させる表示パターンや、一部のフルカラーLED81aを消灯させて全体的な明るさを減少させる表示パターンがあってもよい。なお、本実施形態は、たとえばプッシュボタン25の操作が常時有効である機種を想定しており、そのような機種の場合は、プッシュボタン25の操作が無効であることを報知する必要はない。ただし、プッシュボタン25の操作が常時有効である機種であっても、たとえば大当りになる信頼度の低い状態で選択される表示パターンとして、発光手段であるフルカラーLED81aを全消灯させる表示パターンや、複数あるうちの一部のフルカラーLED81aを消灯させて全体的な明るさを減少させる表示パターンがあってもよい。
また装飾意匠領域の態様は、星を表すものに限らず、たとえば遊技盤の演出テーマに沿った薔薇や桜の花や枝葉を表す模様など、各種の態様があり得る。
[第1の実施形態の変形例1]
次に、第1の実施形態の変形例1の発光装置80について説明する。第1の実施形態の変形例1の発光装置80は、星を表す意匠を構成する特色透過部位が第1シート84ではなく第2シート85の第2の特色透過部位85aとして形成されている点に特徴を有し、その他の構成は第1の実施形態と同じである。以下、第1の実施形態と同符号を用いて説明する。
まず、本変形例1の発光装置80の構成における特徴について、図15から図16を用いて説明する。図15は、第1の実施形態の変形例1の発光装置を示す正面図である。図16は、第1の実施形態の変形例1の発光装置を構成する第1シートおよび第2シートを示す図である。図16のうち、図16(a)は第1シートを示す正面図であり、図16(b)は第2シートを示す正面図である。
本変形例1の第1シート84は、図16(a)に示すように、第1の色(黄色)を透過させる第1の特色透過部位84aを有し、第1の特色透過部位84aを除いた部分が透明な部分である透明部位84bとなっているシート状部材である。第1の特色透過部位84aは、後側の発光手段がたとえば白色で発光した場合でも、前側から見て第1の色(黄色)に見える光の成分(特定の波長に偏った光)のみを主に透過させる性質を有する。逆に言えば、第1の特色透過部位84aは、後側の発光手段が第1の色の補色(青紫)で発光した場合には、前側から黒または灰色に見えるように、この補色(青紫)の光をほとんど透過しない性質を有する。これに対して、透明部位84bは、後側の発光手段からの光を制限なく略そのまま前側に透過させる。この変形例1の第1シート84では、図16(a)において斜線を施した領域(斜線部分)、すなわち、中央に位置する「PUSH」の文字とその輪郭を含む形状の案内情報領域のみが、第1の特色透過部位84aとなっている。
また、本変形例1の第2シート85は、図16(b)に示すように、第2の色(赤色)を透過させる第2の特色透過部位85aを有し、第2の特色透過部位85aを除いた部分が透明な部分である透明部位85bとなっているシート状部材である。第2の特色透過部位85aは、後側の発光手段がたとえば白色で発光した場合でも、前側から見て第2の色(赤色)に見える光の成分(特定の波長に偏った光)のみを主に透過させる性質を有する。逆に言えば、第2の特色透過部位85aは、後側の発光手段が第2の色の補色(青緑)で発光した場合には、前側から黒または灰色に見えるように、この補色(青緑)の光をほとんど透過しない性質を有する。これに対して、透明部位85bは、後側の発光手段からの光を制限なく略そのまま前側に透過させる。この変形例1の第2シート85では、図16(b)において黒く塗りつぶした領域(黒塗り部分)、すなわち、中央に位置する「PUSH」の文字の形状の案内情報領域と、この案内情報領域の周囲に点在する大小さまざまな星を表す装飾意匠領域とが、第2の特色透過部位85aとなっている。そして、この第2シート85の第2の特色透過部位85aのうちの案内情報領域(「PUSH」の文字の形状の領域)は、前述した第1シート84の第1の特色透過部位84aにおける案内情報領域(「PUSH」の文字とその輪郭を含む形状の領域)のうちの「PUSH」の文字の位置(すなわち、上述の輪郭内の所定位置)にズレ無く重なる位置および大きさに形成されている。
次に、本変形例1の発光装置80の動作について、前述の図15と図17から図19とを用いて説明する。図17は、第1の実施形態の変形例1の発光装置の動作と表示状態(観察者に見える状態)の一例を示す図である。図18および図19は、第1の実施形態の変形例1の発光装置の他の表示状態の一例を示す図である。図17のうち、図17(a)は発光装置の動作(発光手段の発光色に対する各部位の表示状態)を示す図であり、図17(b)は発光手段の発光色が白色である場合の発光装置の表示状態の一例を示す図である。図18のうち、図18(a)は発光手段の発光色が赤色である場合の発光装置の表示状態の一例を示す図であり、図18(b)は発光手段の発光色が黄色である場合の発光装置の表示状態の一例を示す図である。図19のうち、図19(a)は発光手段の発光色が青緑色である場合の発光装置の表示状態の一例を示す図であり、図19(b)は発光手段の発光色が青紫色である場合の発光装置の表示状態の一例を示す図である。
まず、発光装置80の発光手段(6個のフルカラーLED81a)が非発光状態(消灯状態)である非発光時には、発光手段が発光状態(点灯状態)である場合に比較して全体的に相当暗く見えるが、遊技場の照明などの外光によって、たとえば図15に示すように発光装置80が前側に居る観察者(通常は遊技者)から見える。詳細には、発光装置80の正面(前面)における案内部位(第1シート84の案内情報領域に対応する領域であり、「PUSH」の文字とその輪郭を含む形状の領域を意味する。以下同様)は黄色の輪郭のある赤色の「PUSH」の文字として見え、発光装置80の正面(前面)における意匠部位(第2シート85の星を表す装飾意匠領域に対応する領域を意味する。以下同様)は赤色に見え、発光装置80の正面(前面)における背景部位(案内部位と意匠部位を除いた領域を意味する。以下同様)は黒色に見える。
次に、発光装置80の発光手段が白色に発光した発光状態である白色発光時には、図17(a)の上から2段目に記載したように、発光装置80が前側に居る観察者から見える。具体的には、たとえば図17(b)に示すように、発光装置80の正面における案内部位は黄色の輪郭のある赤色の「PUSH」の文字として見え、発光装置80の正面における意匠部位は赤色の星に見え、発光装置80の正面における背景部位は白みを帯びた黒色に見える。この図17(b)に示す白色発光時の表示状態では、図面には十分表せないが、図15に示した非発光時に比較して、全体的に明るく(輝度が高く)、案内部位や意匠部位の赤や黄の色の鮮やかさ(彩度)も高い。そして、案内部位の「PUSH」の文字や輪郭と、意匠部位の星を表す部分が、背景部位から浮いてはっきり見える。つまり、案内部位や意匠部位が背景部位とはっきり異なって見える。
次に、発光装置80の発光手段が赤色(第2の色)に発光した発光状態である赤色発光時には、図17(a)の上から3段目に記載したように、発光装置80が前側に居る観察者から見える。具体的には、たとえば図18(a)に示すように、発光装置80の正面における案内部位は黄色の輪郭のある赤色の「PUSH」の文字として見え、発光装置80の正面における意匠部位の赤色の星は背景部位に埋没してほとんど見えず、発光装置80の正面における背景部位は赤みを帯びた黒色に見える。この図18(a)に示す赤色発光時の表示状態では、図面には十分表せないが、図15に示した非発光時に比較して、全体的に明るく(輝度が高く)、案内部位や意匠部位の赤や黄の色の鮮やかさ(彩度)も高い。ただし、案内部位の「PUSH」の文字と輪郭の部分(特に黄色の輪郭の部分)が背景部位から浮いてはっきり見えるものの、たとえば意匠部位の星を表す部分が背景部位と同系色(赤色と赤みを帯びた黒色)であるため背景部位に埋没してはっきり見えない。
この赤色発光時の場合、案内部位の「PUSH」の文字の部分が赤色であるのに対して、背景部位が赤みを帯びた黒色であって色相が近いため、案内部位の「PUSH」の文字の部分が背景部位に埋もれて見難くなる懸念があるが、本願実施形態では、案内部位に「PUSH」の文字の部分に加えて黄色に見える輪郭部分があるので、そのような不具合が回避されて、案内部位の「PUSH」の文字を主に黄色の輪郭部分によって観察者がはっきり認識できる。また、この赤色発光時の場合、発光装置80の表示状態は、全体的に赤色または赤みを帯びた色の部分が多くなり、その中に「PUSH」の文字の黄色い輪郭が目立って見えるという、他の表示状態とは異なる配色の表示状態であって、他の表示状態とは異なる固有の印象を観察者に与える表示状態となる。
次に、発光装置80の発光手段が黄色(第1の色)に発光した発光状態である黄色発光時には、図17(a)の上から4段目に記載したように、発光装置80が前側に居る観察者から見える。具体的には、たとえば図18(b)に示すように、発光装置80の正面における案内部位は黄色の輪郭のある赤色の「PUSH」の文字として見え、発光装置80の正面における意匠部位の星は赤色にはっきり見え、発光装置80の正面における背景部位は黄みを帯びた黒色に見える。この図18(b)に示す黄色発光時の表示状態では、図面には十分表せないが、図15に示した非発光時に比較して、全体的に明るく(輝度が高く)、案内部位や意匠部位の赤や黄の色の鮮やかさ(彩度)も高い。そして、案内部位の「PUSH」の文字や輪郭と、意匠部位の星を表す部分が、背景部位から浮いてはっきり見える。つまり、案内部位や意匠部位が背景部位とはっきり異なって見える。
この黄色発光時の場合、発光装置80の表示状態は、全体的に黄色または黄みを帯びた色の部分が多くなり、その中に赤色の星と「PUSH」の文字が目立って見えるという、他の表示状態とは異なる配色の表示状態であって、他の表示状態とは異なる固有の印象を観察者に与える表示状態となる。
次に、発光装置80の発光手段が青緑色(第2の色の補色)に発光した発光状態である青緑色発光時には、図17(a)の上から5段目に記載したように、発光装置80が前側に居る観察者から見える。具体的には、たとえば図19(a)に示すように、発光装置80の正面における案内部位は黄色の輪郭が目立つ「PUSH」の文字(赤色は見えない状態)として見え、発光装置80の正面における意匠部位の星は黒色または灰色になってほとんど見えず、発光装置80の正面における背景部位は黒色または灰色(厳密には青緑を帯びた黒色または灰色)に見える。この図19(a)に示す青緑色発光時の表示状態では、図面には十分表せないが、図15に示した非発光時に比較して、全体的に明るく(輝度が高く)、案内部位の黄色の鮮やかさ(彩度)も高い。
ただし、この青緑色発光時の場合、案内部位の「PUSH」の文字の輪郭部分が背景部位から浮いて黄色にはっきり見えるものの、意匠部位の星を表す部分と案内部位の「PUSH」の文字の部分(第2シート85の第2の特色透過部位85aの部分)が赤色を透過させるものであるのに対して、発光手段の発光色が赤色の補色である青緑色であるため、これらの部分は赤色としてほとんど発色せず(つまり、赤色の発色が格段に少なくなり)、またこれらの部分(第2シート85の第2の特色透過部位85aの部分)を透過する光量も格段に少なくなり、これらの部分は暗く見える(黒または灰色に見える)。この結果、発光装置80の正面における案内部位は「PUSH」の文字の輪郭だけが黄色として見え、意匠部位の星を含むそれ以外の部分は、背景部位と同じ黒色または灰色に見えて、背景部位に埋没してしまいほとんど見えなくなる。
この青緑色発光時の場合、発光装置80の表示状態は、全体的に黒色または灰色に近い色の部分が多くなり、その中に「PUSH」の文字の黄色い輪郭が目立って見えるという、他の表示状態とは異なる配色の表示状態であって、他の表示状態とは異なる固有の印象を観察者に与える表示状態となる。
次に、発光装置80の発光手段が青紫色(第1の色の補色)に発光した発光状態である青紫色発光時には、図17(a)の上から6段目に記載したように、発光装置80が前側に居る観察者から見える。具体的には、たとえば図19(b)に示すように、発光装置80の正面における案内部位は黄色の輪郭の無い赤色の「PUSH」の文字として見え、発光装置80の正面における意匠部位は赤色の星として見え、発光装置80の正面における背景部位は黒色または灰色(厳密には青紫を帯びた黒色または灰色)に見える。この図19(b)に示す青紫色発光時の表示状態では、図面には十分表せないが、図15に示した非発光時に比較して、全体的に明るく(輝度が高く)、案内部位や意匠部位の赤色の鮮やかさ(彩度)も高い。そして、案内部位の「PUSH」の文字と、意匠部位の星を表す部分が、背景部位から浮いてはっきり見える。
ただし、案内部位の「PUSH」の文字の輪郭の部分(第1シート84の第1の特色透過部位84aの部分)が黄色を透過させるものであるのに対して、発光手段の発光色が黄色の補色である青紫色であるため、この部分は黄色としてほとんど発色せず(つまり、黄色の発色が格段に少なくなり)、またこの部分(第1シート84の第1の特色透過部位84aの部分)を透過する光量も格段に少なくなり、この部分は暗く見える(黒または灰色に見える)。この結果、発光装置80の正面における案内部位は輪郭を除く「PUSH」の文字だけが赤色として見え、上述の輪郭の部分は、背景部位と同じ黒色または灰色に見えて、背景部位に埋没してしまいほとんど見えなくなる。
この青紫色発光時の場合、発光装置80の表示状態は、全体的に黒色または灰色に見える部分が多くなり、その中に赤色の星と「PUSH」の文字(輪郭無し)が目立って見えるという、他の表示状態とは異なる配色の表示状態であって、他の表示状態とは異なる固有の印象を観察者に与える表示状態となる。
以上説明した変形例1の発光装置80でも、簡素で低コストな構成でありながら、上述したような多彩な表示状態が実現できる。ただし、意匠部位の星の色や見え方が第1の実施形態の発光装置80とは異なる。なお本願発明の発光装置は、以上説明した具体例に限定されず、外形の大きさや形、文字を含む意匠の内容(すなわち、各シートの特色透過部位の形状や大きさや配置)、配色(すなわち、各シートの特色透過部位の色の設定)などの態様において、各種の変形が有り得る。また、プッシュボタンの案内用に限定されず、装飾用、演出用、または情報報知用として広く応用できる。また、発光装置の発光手段は、フルカラーLEDに限定されない。たとえば、発光色の種類が第1の色と第2の色と第2の色の補色といった所定数に限定された発光手段であってもよい。また、第1の色と第2の色と第2の色の補色といった複数種類の異なる色でそれぞれ発光する単色発光の発光源を複数有し、これら発光源のうちの何れか一つの発光色の発光源を点灯させることで、発光色を切り替える発光手段であってもよい。
[第1の実施形態の変形例2]
次に、第1の実施形態の変形例2について図20を用いて説明する。図20は、第1の実施形態の変形例2の発光装置の一例を示す側断面図および分解斜視図である。図20のうち、図20(a)は発光装置の側断面図であり、図20(b)は発光装置の分解斜視図である。なお、第1の実施形態の変形例2の発光装置80aは、第1の実施形態の発光装置80と同様の構成要素を有する点で同じであるが、一部構成要素の配置順序が異なる点で相違する。
また、たとえば図5に示したように、発光装置80aおよびその構成要素を示す図においては、配色の一例として、斜線部分は黄色であることを示し、黒塗り部分(黒色に見える部分)は赤色であることを示し、その他の塗りつぶし部分(灰色に見える部分)は黒または黒に近い色(白みを帯びた黒、赤みを帯びた黒、黄みを帯びた黒など)を示す。赤色は黒色よりも基本的に明度が高いが(つまり実際には黒色の方が暗く見えるが)、ここでは赤色の強い印象を表現するために、赤色を黒塗りで図示し、黒色を灰色の塗りつぶしで図示している。
発光装置80aは、図20(a)および図20(b)に示すように、構成要素であるLED基板81、スモーク板82、第3シート86、第2シート85、第1シート84、拡散板83、および前面板87(たとえばスモークレンズ)が、後側から前側に順次重ねて配置されてなる。これにより、発光装置80aは、発光装置80と異なる表示効果を演出することができる。
また、発光装置80aは、第3シート86、第2シート85、第1シート84のシート色の濃度を、第3シート86を淡色にして、第2シート85、第1シート84の順に濃色となるようにしてもよい。発光装置80aは、第3シート86、第2シート85、第1シート84のシート色の濃度をこのように設定することで好適な表示効果を得る。また、発光装置80aは、シート色の濃度が淡色から濃色に順次設定される範囲を、第3シート86、第2シート85、第1シート84の範囲に限らず、スモーク板82、第3シート86、第2シート85、第1シート84の範囲、第3シート86、第2シート85、第1シート84、拡散板83の範囲、あるいはスモーク板82、第3シート86、第2シート85、第1シート84、拡散板83の範囲に拡張するものであってもよい。
なお、図5の正面図は、前側(図20(a)における左側)に居る観察者である遊技者に見える開口40b内の発光装置80a(非発光時)を示している。ただし、発光装置80aの取付構造は、図20(a)の構成に限定されず、たとえばセンターケース40を構成する部材40aよりも前面側に各構成要素が配置されて取り付けられる構成でもよい。各構成要素が図20に示す順番で積層配置されて取り付けられる構造であれば、いかなる構成でもよい。
また、発光装置80aの各構成要素のうち、スモーク板82、第3シート86、第2シート85、第1シート84、および拡散板83は、たとえば図20(a)に示すように密接して配設される。LED基板81とスモーク板82の間や、拡散板83と前面板87の間には、必要に応じて所定の間隔が設けられる。
なお、スモーク板82、拡散板83、第3シート86、第2シート85、および第1シート84は、それぞれ任意の厚さとすることができる。スモーク板82、拡散板83、第3シート86、第2シート85、および第1シート84のそれぞれの厚さは、すべてが同じであってもよいし、すべてが同じでなくてもよい。図20(a)は、便宜上、スモーク板82、拡散板83、第3シート86、第2シート85、および第1シート84をケース88の半分程度の厚さ(たとえば、1mm)があるように示したが、シート状の厚さ(たとえば、100μm)程度であってもよい。
また、スモーク板82、拡散板83、第3シート86、第2シート85、および第1シート84は、それぞれの機能を発揮できるものであれば任意の素材とすることができる。スモーク板82、拡散板83、第1シート84、第2シート85、および第3シート86のそれぞれの素材は、すべてが同じ(たとえば、塩化ビニール)であってもよいし、すべてが同じでなくてもよい。
なお、スモーク板82、第3シート86、第2シート85、第1シート84、拡散板83、および前面板87の取付順序は、狙った表示効果に対応して任意の順序に変更されたものであってもよい。
また、表示装置80aは、スモーク板82、第3シート86、第2シート85、第1シート84、拡散板83、および前面板87のうち、必須構成要素となる第3シート86、第2シート85、および第1シート84を備えればよく、狙った表示効果に対応してスモーク板82、拡散板83、および前面板87のうちから1つ以上を省略可能な構成とするものであってもよい。たとえば、表示装置80aは、スモーク板82、拡散板83、および前面板87のうちから前面板87だけを省略するものとしてもよいし、スモーク板82と前面板87を省略するものとしてもよいし、すべてを省略するものとしてもよい。
なお、発光装置80aは、第2シート85を後側にして第1シート84を前側にして配設したが、第1シート84を後側にして第2シート85を前側にして配設するものであってもよい。これは、第1シート84と第2シート85とが相互に補色の関係にあることによる。したがって、発光装置80aは、第1シート84と第2シート85の配設順序を任意の順序としても、同様の表示効果を得ることができる。発光装置80についても同様である。
上述した第1の実施形態(変形例含む)の遊技機10、あるいは遊技機10における発光装置80は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10における発光装置80は、第1の色(たとえば、黄色)の補色(たとえば、青紫色)または第1の色の補色ではない第2の色(たとえば、赤色)の補色(たとえば、青緑色)で発光可能な発光手段(たとえば、フルカラーLED81a)と、第1の色を透過させる第1の特色透過部位(たとえば、第1の特色透過部位84a)を有し、発光手段に対して発光手段からの出力光が照射される前側に配設される第1シート(たとえば、第1シート84)と、第2の色を透過させる第2の特色透過部位(たとえば、第2の特色透過部位85a)を有し、第1シートに対して前側に重ねて配設される第2シート(たとえば、第2シート85)と、光の透過を制限する透過制限部位(たとえば、透過制限部位86a)、および透過制限部位を除いた透明な部分である透明部位(たとえば、透明部位86b)を有し、第2シートに対して前側に重ねて配設される第3シート(たとえば、第3シート86)と、を備え、第3シートの透明部位を、第1の特色透過部位と第2の特色透過部位に重なる位置に形成する。
(2)(1)の発光手段は、出力光の色を、第1の色(たとえば、黄色)、第1の色の補色ではない第2の色(たとえば、赤色)、および第1の色の補色(たとえば、青紫色)または第2の色の補色(たとえば、青緑色)を含む複数の色のうちの何れかに切り替えることが可能な手段である。
(3)(1)の発光手段は、出力光の色を、白色、白色でない第1の色(たとえば、黄色)、白色でなく第1の色の補色ではない第2の色(たとえば、赤色)、および第1の色の補色(たとえば、青紫色)または第2の色の補色(たとえば、青緑色)を含む複数の色のうちの何れかに切り替えることが可能な手段である。
(4)(1)の第2の色は、第1の色(たとえば、黄色)に対して中差色相の関係にある色(たとえば、赤色)である。
(5)(1)の第1シートは、第1の特色透過部位を除いた透明な部分である透明部位(たとえば、透明部位84b)を有する。
(6)(1)の第2シートは、第2の特色透過部位を除いた透明な部分である透明部位(たとえば、透明部位85b)を有する。
(7)(1)の第1シートは、第1の特色透過部位として、案内用(報知用)の文字(たとえば、「PUSH」の文字)とこの文字の周囲に位置する輪郭を含む形状の案内情報領域を有し、(1)の第2シートは、第2の特色透過部位として、案内用(報知用)の文字(たとえば、「PUSH」の文字)の形状の案内情報領域を有し、第2シートの案内情報領域が第1シートの輪郭を含む案内情報領域内の案内用の文字の位置(輪郭内の所定位置)に重なるように、第1シートと第2シートが配設される。
(8)(1)の第1の特色透過部位と第2の特色透過部位は、少なくとも一部を除いて重ならない位置に形成する。
(9)(1)の第1シートは、第1の特色透過部位として、装飾用の装飾意匠領域(たとえば、星を表す装飾意匠領域)を有する。
(10)(1)の第2シートは、第2の特色透過部位として、装飾用の装飾意匠領域(たとえば、星を表す装飾意匠領域)を有する。
(11)遊技機10は、(1)の発光装置80と、発光手段を制御する制御手段(たとえば、演出制御装置300)とを備え、制御手段は、発光手段の発光色(出力光の色)を第1の色の補色と第2の色の補色を含む複数の異なる発光色に所定時間毎に切り替えて発光手段を発光させる発光色切替制御が可能である。
(12)遊技機10は、(1)の発光装置80と、発光手段を制御する制御手段(たとえば、演出制御装置300)とを備え、制御手段は、発光手段の発光色(出力光の色)を、特定の色(たとえば、黄色と赤色)を除く複数の異なる発光色(たとえば、紫色、青紫、青、青緑、緑色)に所定時間毎に切り替えて発光手段を発光させる発光色切替制御が可能である。
(13)遊技機10は、発光装置を備える。発光装置は、第1の色の補色、または第1の色の補色ではない第2の色の補色で発光可能な発光手段と、第1の色を透過させる第1の特色透過部位を有し、発光手段に対して発光手段からの出力光が照射される前側に配設される第1シートと、第2の色を透過させる第2の特色透過部位を有し、第1シートに対して前側に重ねて配設される第2シートと、光の透過を制限する透過制限部位、および透過制限部位を除いた透明な部分である透明部位を有し、第2シートに対して前側に重ねて配設される第3シートと、を含み、第1の特色透過部位と第2の特色透過部位に重なる位置に第3シートの透明部位を形成する。
(14)遊技機10は、発光装置を備える。発光装置は、第1の色の補色、または第1の色の補色ではない第2の色の補色で発光可能な発光手段と、第1の色を透過させる第1の特色透過部位を有し、発光手段に対して発光手段からの出力光が照射される前側に配設される第1シートと、第2の色を透過させる第2の特色透過部位を有し、第1シートに対して前側に重ねて配設される第2シートと、光の透過を制限する透過制限部位、および透過制限部位を除いた透明な部分である透明部位を有し、第2シートに対して前側に重ねて配設される第3シートと、を含み、第3シートが第1の特色透過部位に重なる領域と、第3シートが第2の特色透過部位に重なる領域とに第3シートの透明部位を形成する。
(15)遊技機10は、発光装置(たとえば、発光装置80,80a)を備える。発光装置は、第1の色の補色、または第1の色の補色ではない第2の色の補色で発光可能な発光手段と、第1の色を透過させる第1の特色透過部位を有する第1シートと、第2の色を透過させる第2の特色透過部位を有する第2シートと、光の透過を制限する透過制限部位、および透過制限部位を除いた透明な部分である透明部位を有する第3シートと、を含み、第1の特色透過部位と第2の特色透過部位に重なる位置に第3シートの透明部位を形成する。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態の遊技機10について説明する。第2の実施形態の遊技機10は、センターケース40の底部に発光装置95が設けられており、この発光装置95の視認性が変化する構成である点に特徴を有する。
まず、発光装置95の配置や構成について図21から図23を用いて説明する。図21は、第2の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。この図21では、遊技盤30を簡略化して図示している。図22は、第2の実施形態の発光装置の一例を示す上面図および側断面図である。図22のうち、図22(a)は発光装置95の上面図であり、図22(b)は発光装置95の側断面図(図22(a)におけるA−A断面図)である。図23は、第2の実施形態の発光装置および周辺構成の一例を示す側断面図である。図23のうち、図23(a)は第1状態にある発光装置および周辺構成を示す側断面図であり、図23(b)は第2状態にある発光装置および周辺構成を示す側断面図である。
発光装置95は、図21に示すように、センターケース40の底部であって表示装置41の表示部(表示領域)の下縁中央付近に配設されている。発光装置95は、図22(a)および図22(b)に示すように、円筒状の遮蔽壁95aと、この遮蔽壁95a内に配置された発光装置本体としての発光部95bとを有する。なお、円筒状の遮蔽壁95aは、演出としてたとえば井戸を表現しており、発光部95bの後述する表示面は井戸の中を表現している。
発光部95bは、上面が表示面となっており、内蔵されたLEDなどの発光源により、この表示面がたとえば全体的に同じ色で発光したり、或いは文字や図形やキャラクタの絵などを部分的に異なる色で浮き上がらせて発光させたりするもので、一種の表示手段であり、装飾手段も含めた演出手段に相当する。発光部95bは、たとえば盤装飾装置46のうちの一つであり、主制御用マイコン311によって盤装飾LED制御回路332を介して駆動制御される。なお、発光部95bとして、第1の実施形態の発光装置80と同様の構成のもの(必要に応じて案内部位や意匠部位の態様を変更したもの)を使用することもできる。
発光装置95は、円筒状の遮蔽壁95aの軸方向が鉛直方向となるように水平に設置された場合、発光部95bの表示面である発光部95bの上面が遮蔽壁95aの上端よりも低い位置にあるため、たとえば横方向(水平方向)の同じ高さからは発光部95bの表示面が見えず、斜め上から或いは真上から覗き込むことにより発光部95bの表示面が見える特殊視認性発光装置である。
発光装置95は、たとえば図23(a)に示すように、センターケース40内の底部にあるステージ40cよりも奥の奥側底面40d上に配置されている。ステージ40cは、前述したワープ口39a(図2参照)からワープ流路に流入した遊技球が、その後転動する転動面が上面に形成された部分である。このステージ40cと奥側底面40dの間には、これらの間を仕切る隔壁40eが形成されており、この隔壁40eにより奥側底面40d上には遊技球が流入しないようになっている。
発光装置95は、たとえば図23(a)に示すように、前側の下端部が隔壁40eに支持され(前側の下端部が隔壁40eに蝶番(ヒンジ)によって揺動可能に取り付けられていてもよい)、後側が持ち上がるように前傾する動きが可能となるように設けられている。また発光装置95の後端部下方には、一般にソレノイドなどと呼ばれる電磁式のアクチュエータ(駆動源)96が配設され、このアクチュエータ96の可動シャフト96a(図23(b)に示す)の上端で発光装置95の後端部を下から支持している。
アクチュエータ96(ソレノイド)は、周知のように電磁石の吸引力でプランジャ(可動側の磁性体、図示省略)を動かし、プランジャに固定された(或いは一体成形された)可動シャフト96aを動かす。この場合のアクチュエータ96は、非作動状態(電磁石のコイルに電流を流していないオフ状態)では可動シャフト96aの大部分が埋没しており、作動状態(電磁石のコイルに所定電流を流しているオン状態)では可動シャフト96aが所定量上昇するタイプのソレノイドである。アクチュエータ96は、主制御用マイコン311によって、たとえば盤演出可動体制御回路334を介して制御される。
このため発光装置95の位置(姿勢含む)は、アクチュエータ96が非作動状態にある場合には、図23(a)に示すように水平な姿勢の位置である定常位置(この位置にある状態を第1状態という)となり、アクチュエータ96が作動状態にある場合には、図23(b)に示すように定常位置よりも後部が上昇し前傾した前傾位置(この位置にある状態を第2状態という)になる。
そして、発光部95bの表示面である発光部95bの上面は、定常位置において遮蔽壁95aの上端よりも低い位置にあるため、発光装置95が定常位置にある第1状態にある場合には、遮蔽壁95aに隠れて、観察者である遊技者からは視認不能または視認困難となっている。たとえば、第1状態である場合には、遊技者は斜め上から覗き込むようにしないと発光部95bの表示面(上面)が見えず、発光部95bの表示面の表示状態を観察できない。また、観察できたとしても、発光部95bの表示面が遊技者の視線に対して斜めになって相当に小さく見える。
しかし、発光装置95が前傾位置にある第2状態にある場合には、図23(b)に示すように発光装置95が前側から見易くなるように前傾するので、観察者である遊技者は比較的良好に観察可能となる。たとえば、第2状態である場合には、遊技者は斜め上から覗き込むようにしなくても発光部95bの表示面(上面)が小さく見えるようになり、また、斜め上から覗き込むようにすれば、発光部95bの表示面が遊技者の視線に対して直交する方向に近くなって比較的大きく見える。つまり、第2状態での発光装置95の表示面(発光部95bの上面)の視認性は、第1状態での発光装置95の表示面の視認性に比較して、格段に優れる。このため、たとえば、大当りになる信頼度が高い演出(たとえば、特別なリーチ演出)が表示装置41でおこなわれる際に、この演出に連動して発光装置95を第1状態から第2状態に変換する(切り替える)などの制御をおこなえば、遊技者の期待を高めて遊技の興趣を向上させることができる。
[第2の実施形態の変形例1]
次に、第2の実施形態の変形例1について図24を用いて説明する。図24は、第2の実施形態の変形例1の発光装置および周辺構成の一例を示す側断面図である。図24のうち、図24(a)は第1状態にある発光装置および周辺構成を示す側断面図であり、図24(b)は第2状態にある発光装置および周辺構成を示す側断面図である。
この変形例1では、図24(a)に示すように、奥側底面40dが水平よりも前傾しており、発光装置95が第1状態においてもある程度水平よりも前傾している。そして、アクチュエータ96が作動状態である第2状態になると、図24(b)に示すように、発光装置95が奥側底面40dに対して傾動してさらに大きく前傾する。
このため、発光装置95が第1状態にある場合にも、遊技者は観察可能である。たとえば、第1状態である場合でも、遊技者は斜め上から覗き込むようにしなくても発光部95bの表示面(上面)が小さく見えるようになり、また、斜め上から覗き込むようにすれば、発光部95bの表示面が遊技者の視線に対して直交する方向に近くなって比較的大きく見える。
また、発光装置95が第2状態にある場合には、図24(b)に示すように発光装置95が前側から見易くなるように大きく前傾するので、遮蔽壁95aにほとんど隠れずに、観察者である遊技者は比較的良好に観察可能となる。たとえば、第2状態である場合には、遊技者は斜め上から覗き込むようにしなくても発光部95bの表示面(上面)が比較的大きく見えるようになり、また、斜め上から覗き込むようにすれば、発光部95bの表示面が遊技者の視線に対して略直交する方向になってさらに大きく見える。この場合も、第2状態での発光装置95の表示面の視認性は、第1状態での発光装置95の表示面の視認性に比較して、格段に優れる。このため、たとえば、大当りになる信頼度が高い演出が表示装置41でおこなわれる際に、この演出に連動して発光装置95を第1状態から第2状態に変換するなどの制御をおこなえば、遊技者の期待を高めて遊技の興趣を向上させることができる。
[第2の実施形態の変形例2]
次に、第2の実施形態の変形例2について図25を用いて説明する。図25は、第2の実施形態の変形例2の発光装置および周辺構成の一例を示す側断面図である。図25のうち、図25(a)は第1状態にある発光装置および周辺構成を示す側断面図であり、図25(b)は第2状態にある発光装置および周辺構成を示す側断面図である。
この変形例2では、図25(a)に示すように、第1状態にある発光装置95の発光部95bの表示面(上面)が水平よりも前傾している。そして、アクチュエータ96が作動状態である第2状態になると、図25(b)に示すように、発光装置95が傾動して発光部95bの表示面がさらに大きく前傾する。このため、前述した変形例1の場合と略同様の作用効果が得られる。
[第2の実施形態の変形例3]
次に、第2の実施形態の変形例3について図26を用いて説明する。図26は、第2の実施形態の変形例3の発光装置および周辺構成の一例を示す側断面図である。図26のうち、図26(a)は第1状態にある発光装置および周辺構成を示す側断面図であり、図26(b)は第2状態にある発光装置および周辺構成を示す側断面図である。
この変形例3では、図26(a)に示すように、遮蔽壁95aの下端両側がセンターケース40に支持され、遮蔽壁95aはセンターケース40に対して水平に(軸方向が鉛直方向となる姿勢で)固定されている。一方、発光部95bは、遮蔽壁95aの内周面に沿って上下動可能に設けられ、発光装置95の下面側と奥側底面40dの間に配置されたアクチュエータ96の可動シャフト96a(図26(b)に示す)の上端で発光部95bの下面を下から支持している。また、発光装置95の発光部95bの表示面(上面)は水平よりも前傾している。
発光装置95の発光部95bの位置(上下方向位置)は、アクチュエータ96が非作動状態にある場合には、図26(a)に示すように遮蔽壁95a内に埋没した位置である定常位置(この位置にある状態を第1状態という)となり、アクチュエータ96が作動状態にある場合には、図26(b)に示すように定常位置よりも上昇し発光部95bの上面(表示面)が露出した高位置(この位置にある状態を第2状態という)になる。
そして、発光部95bの表示面である発光部95bの上面は、アクチュエータ96が非作動状態にある場合(第1状態)には、図26(a)に示すように遮蔽壁95aの上端よりも低い位置にあるため、遮蔽壁95aに隠れて、観察者である遊技者からは視認不能または視認困難となっている。たとえば、第1状態である場合には、遊技者は斜め上から覗き込むようにしないと発光部95bの表示面が見えず、発光部95bの表示面の表示状態を観察できない。また、観察できたとしても、発光部95bの表示面が部分的に遮蔽壁95aに隠れて見えない。
しかし、発光装置95が第2状態にある場合には、図26(b)に示すように発光部95bの表示面が露出するので、観察者である遊技者は表示面全体を比較的良好に観察可能となる。たとえば、第2状態である場合には、遊技者は斜め上から覗き込むようにしなくても発光部95bの表示面が小さく見えるようになり、また、斜め上から覗き込むようにすれば、発光部95bの表示面が遊技者の視線に対して直交する方向に近くなって比較的大きく見える。つまり、第2状態での発光装置95の表示面(発光部95bの上面)の視認性は、第1状態での発光装置95の表示面の視認性に比較して、格段に優れる。このため、たとえば、大当りになる信頼度が高い演出(たとえば、特別なリーチ演出)が表示装置41でおこなわれる際に、この演出に連動して発光装置95を第1状態から第2状態に変換する(切り替える)などの制御をおこなえば、遊技者の期待を高めて遊技の興趣を向上させることができる。
[第2の実施形態の変形例4]
次に、第2の実施形態の変形例4について図27を用いて説明する。図27は、第2の実施形態の変形例4の発光装置および周辺構成の一例を示す側断面図である。図27のうち、図27(a)は第1状態にある発光装置および周辺構成を示す側断面図であり、図27(b)は第2状態にある発光装置および周辺構成を示す側断面図である。
この変形例4では、図27(a)に示すように、発光部95bの下端がセンターケース40(詳細には、奥側底面40dに形成された凸部40f)に支持され、発光部95bはセンターケース40に対して固定されている。一方、遮蔽壁95aは、発光部95bの外周面に沿って上下動可能に設けられ、奥側底面40dに形成された凹部40gに配置されたアクチュエータ97の可動シャフト97aの上端が遮蔽壁95aの下面に固定されている。また、発光装置95の発光部95bの表示面(上面)は水平よりも前傾している。
ここで、アクチュエータ97は、非作動状態(電磁石のコイルに電流を流していないオフ状態)では可動シャフト97aがたとえば付勢手段で付勢されて所定量上昇した状態となり、作動状態(電磁石のコイルに所定電流を流しているオン状態)では可動シャフト97aの大部分が吸引されて埋没するタイプのプル型ソレノイドである。アクチュエータ97は、主制御用マイコン311によって、たとえば盤演出可動体制御回路334を介して制御される。また図示省略しているが、アクチュエータ97に内蔵されたコイルバネ、あるいはアクチュエータ97とは別個に設けられたコイルバネなどの付勢手段と、可動シャフト97aまたは遮蔽壁95aの上昇を所定位置で制限するストッパとによって、遮蔽壁95aと可動シャフト97aは非作動状態において可動シャフト97aが所定量上昇した位置に保持される構成となっている。
このため発光装置95の遮蔽壁95aの位置(上下方向位置)は、アクチュエータ97が非作動状態にある場合には、図27(a)に示すように発光部95bが遮蔽壁95a内に埋没した位置である定常位置(この位置にある状態を第1状態という)となり、アクチュエータ97が作動状態にある場合には、図27(b)に示すように定常位置よりも下降して発光部95bの上面(表示面)が露出する位置(この位置にある状態を第2状態という)になる。
そして、発光部95bの表示面である発光部95bの上面は、アクチュエータ97が非作動状態にある場合(第1状態)には、図27(a)に示すように遮蔽壁95aの上端よりも低い位置にあるため、遮蔽壁95aに隠れて、観察者である遊技者からは視認不能または視認困難となっている。しかし、発光装置95が第2状態にある場合には、図27(b)に示すように発光部95bの表示面が露出するので、観察者である遊技者は表示面全体を比較的良好に観察可能となる。このため、前述した変形例3の場合と同様の作用効果が得られる。
なお、以上説明した第2の実施形態(変形例含む)では、発光装置95を第1状態から第2状態に変換する際、変換がおこなわれるタイミングを報知するようにしてもよい。たとえば、第1状態から第2状態に変換する所定時間前からカウントダウン表示を表示装置41でおこない、カウントダウン表示がゼロになると同時に変換を開始する。あるいは、遮蔽壁95aを発光可能な構成としておき、たとえば第1状態から第2状態に変換する直前(または所定時間前)から第1状態に戻るまで遮蔽壁95aを発光させるようにしてもよい。
また、発光装置95を第1状態から第2状態に変換するための駆動機構(駆動源含む)は、上述したソレノイドからなる駆動機構に限られず、たとえばステッピングモータ(パルスモータ)やサーボ制御されるモータ(サーボモータ)を使用した駆動機構でもよい。ステッピングモータやサーボモータを使用した駆動機構であれば、第1状態から第2状態へゆっくりまたは多段階に変化させたり、第2状態を多段階に設定したりすることが容易にできる。
また、発光装置95の態様は、円形の井戸形に限らず、四角形あるいは多角形の井戸形でもよいし、それ以外の態様でもよい。たとえば、戸板を表す板状体に張り付けにされた幽霊のキャラクタを表す発光部が、定常状態では遊技盤の奥側に倒れて手前側にある遮蔽壁に隠れて見えないか視認困難であるが(第1状態)、所定の演出の際に遊技盤の手前側に起き上がって遮蔽壁の上側に露出して見えるようになる(第2状態)といったタイプの発光装置でもよい。
また、発光部95bとして、液晶表示ディスプレイや有機EL(Electronic Luminescent)ディスプレイなどのデバイスを使い、発光装置95の表示面で発光のみならず静止画や動画の映像表示をおこなってもよい。
上述した第2の実施形態(変形例含む)の遊技機10は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、発光または表示が可能な演出手段(たとえば、発光装置95)を備える。演出手段は、第1の視認性を有する第1状態と、第1の視認性よりも視認性に優れる第2の視認性を有する第2状態とで観察可能であり、第1の視認性は視認不能を含む。
(2)(1)の演出手段は、発光または表示がおこなわれる表示面(たとえば、発光部95bの表示面)を有し、第1状態は、表示面が遮蔽手段(たとえば、遮蔽壁95a)に隠れて視認不能または視認困難な状態であり、第2状態は、表示面の少なくとも一部が遮蔽手段に隠れずに視認可能な状態である。
(3)(2)の遊技機10は、表示面を第1状態よりも遊技機の正面に向けて前傾させることにより、第1状態から第2状態に変換する駆動機構(たとえば、アクチュエータ96よりなる駆動機構)を備える。
(4)(2)の遊技機10は、表示面を第1状態よりも遮蔽手段に対して上昇させることにより、第1状態から第2状態に変換する駆動機構(たとえば、アクチュエータ96よりなる駆動機構)を備える。
(5)(2)の遊技機10は、遮蔽手段を第1状態よりも表示面に対して下降させることにより、第1状態から第2状態に変換する駆動機構(たとえば、アクチュエータ97よりなる駆動機構)を備える。
(6)(2)の表示面は、第1状態において遊技機の正面に直交する方向(たとえば、水平方向)に配置する。
(7)(2)の表示面は、第1状態において遊技機の正面に直交する方向(たとえば、水平方向)に対して所定角度前傾した姿勢に配置する。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、実施形態の遊技機が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等がある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disk)、DVD−RAM、CD(Compact Disk)−ROM/RW(ReWritable)等がある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)等がある。
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現することもできる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、開示した実施形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、たとえば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機等の遊技球を使用するすべての遊技機、およびメダルを使用する遊技機であるスロットマシンに適用可能である。
また、開示した実施形態はすべての点で例示されるものであって制限的なものではないと考えられるべきである。また、上述の実施形態および変形例の各構成を組み合わせて適用してもよい。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。