JP7148073B2 - 遊技機 - Google Patents

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本発明は、遊技機に関する。
客待ち状態において遊技に関する設定を受付可能な遊技機がある。
特開2018-079386号公報
このような遊技機では遊技に関する設定を設定可能なことを報知するために客待ち状態
において現在の設定値や設定方法などを案内する案内表示(設定表示)をおこなっている
。しかしながら案内表示を表示すると、客待ち状態において遊技者に報知したい表示内容
についての視認性の低下を招き、効果的な報知ができなくなる場合があった。
1つの側面では、本発明は、遊技者に対する表示内容の報知効果の低下を抑止できる遊
技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、以下に示すような、遊技機が提供される。遊技機は、表示手段と、制御手段と、を含む。制御手段は、客待ち状態における客待ち演出表示と、遊技に関する設定変更操作を案内する設定変更操作表示とを表示手段に表示させる。客待ち演出表示は、のめり込み注意喚起に関しない第1の情報を表示する第1の期間と、のめり込み注意喚起に関する第2の情報を表示する第2の期間とを含む期間を一周期として繰り返し表示可能である。制御手段は、客待ち演出表示を表示しているとき、設定変更操作を受付可能状態にしながら、第1の期間において設定変更操作の受付前から第1の情報の視認性が低下するよう第1の情報に重ねて設定変更操作表示を表示手段に表示させ、第2の期間において設定変更操作の受付前にあっては設定変更操作表示を表示手段に表示させず設定変更操作の受付後から第2の情報の視認性が低下するよう第2の情報に重ねて設定変更操作表示を表示手段に表示させ、設定変更操作の終了検出後にあっては第2の期間において設定変更操作表示を非表示にして第2の情報を視認可能にして表示させ、客待ち演出表示の開始から所定期間経過で設定変更操作にもとづく設定変更を初期化する。
1態様によれば、遊技者に対する表示内容の報知効果の低下を抑止できる。
第1の実施形態の遊技機の一例を示す斜視図である。 第1の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。 第1の実施形態の遊技機の制御システムの一例を示すブロック図である。 第1の実施形態の演出制御装置の構成の一例を示すブロック図である。 第1の実施形態の一括表示装置の一例を示す図である。 第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その1)である。 第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その2)である。 第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その3)である。 第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その4)である。 第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その5)である。 第1の実施形態のタイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。 第1の実施形態の演出制御装置におけるメイン処理のフローチャートを示す図である。 第1の実施形態における遊技機の客待ち演出の演出構成の一例を示す図である。 第1の実施形態における遊技機の客待ち演出の演出構成の変形例を示す図(その1)である。 第1の実施形態における遊技機の客待ち演出の演出構成の変形例を示す図(その2)である。 第1の実施形態における設定表示の表示状態の切り替えの一例を説明する図である。 第1の実施形態における設定表示の表示状態の切り替えの変形例を説明する図(その1)である。 第1の実施形態における設定表示の表示状態の切り替えの変形例を説明する図(その2)である。 第1の実施形態における設定表示の表示状態の切り替えの変形例を説明する図(その3)である。 第1の実施形態における設定表示の表示状態の切り替えの変形例を説明する図(その4)である。 第1の実施形態における表示装置の表示画面の一例を示す図(その1)である。 第1の実施形態における表示装置の表示画面の一例を示す図(その2)である。 第1の実施形態における表示装置の表示画面の一例を示す図(その3)である。 第1の実施形態における表示装置の表示画面の一例を示す図(その4)である。 第1の実施形態における表示装置の表示画面の一例を示す図(その5)である。 第1の実施形態における遊技機の設定の初期化の流れを示すタイミングチャートである。 第1の実施形態の変形例1における表示装置の表示画面の一例を示す図である。 第1の実施形態の変形例2における表示装置の表示画面の一例を示す図である。 第1の実施形態の変形例3における表示装置の表示画面の一例を示す図である。 第2の実施形態の遊技機の一例を示す斜視図である。 第2の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。 第2の実施形態の遊技機の制御システムの一例を示すブロック図である。 第2の実施形態の演出制御装置の構成の一例を示すブロック図である。 第2の実施形態の一括表示装置の一例を示す図である。 第2の実施形態の遊技制御装置のメイン処理のフローチャートを示す図(その1)である。 第2の実施形態の遊技制御装置のメイン処理のフローチャートを示す図(その2)である。 第2の実施形態の遊技制御装置のメイン処理のフローチャートを示す図(その3)である。 第2の実施形態の遊技制御装置のメイン処理のフローチャートを示す図(その4)である。 第2の実施形態の遊技制御装置のメイン処理のフローチャートを示す図(その5)である。 第2の実施形態のタイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。 第2の実施形態の演出制御装置におけるメイン処理のフローチャートを示す図である。 第2の実施形態の表示装置の概観の一例を示す図である。 第2の実施形態のリールの外周面に設けられた図柄配列の一例を示す図である。 第2の実施形態のリールユニットの構成の一例を示す図である。 第2の実施形態の表示装置における制御上のリール位置と実際のリール位置との不一致の一例を示す図である。 第2の実施形態のリール位置監視処理のフローチャートを示す図である。 第2の実施形態の位置補正予約処理のフローチャートを示す図である。 第2の実施形態の位置補正制御処理のフローチャートを示す図である。 第2の実施形態の相対補正なし補正と相対補正あり補正の一例を示す図である。 第2の実施形態の補正可能タイミング選択条件の一例を示す図である。 第2の実施形態のリール初期化処理のフローチャートを示す図である。 第2の実施形態のリール初期化処理の初期化動作の結果報知の一例を示す図である。 第2の実施形態のリール初期化処理の異常動作報知の変形例を示す図である。 第2の実施形態の変形例1の変動表示中リール異常監視処理のフローチャートを示す図である。 第2の実施形態の変形例2の変動表示中リール異常監視処理のフローチャートを示す図である。 第2の実施形態の変形例3のリール異常復帰監視処理のフローチャートを示す図である。 第3の実施形態の遊技機の一例を示す斜視図である。 第3の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。 第3の実施形態の遊技機の制御システムの一例を示すブロック図である。 第3の実施形態の演出制御装置の構成の一例を示すブロック図である。 第3の実施形態の発光装置の一例を示す正面図である。 第3の実施形態の発光装置の一例を示す側断面図および分解斜視図である。 第3の実施形態の発光装置を構成するLED基板および第1シートの一例を示す図である。 第3の実施形態の発光装置を構成する第2シートおよび第3シートの一例を示す図である。 第3の実施形態の発光装置の動作と表示状態の一例を示す図である。 第3の実施形態の発光装置の他の表示状態の一例を示す図である。 第3の実施形態の発光装置の他の表示状態の一例を示す図である。 第3の実施形態の演出制御装置における発光制御処理のフローチャートを示す図である。 第3の実施形態の表示パターンテーブルの一例を示す図である。 色相環を示す図である。 第3の実施形態の変形例1の発光装置を示す正面図である。 第3の実施形態の変形例1の発光装置を構成する第1シートおよび第2シートを示す図である。 第3の実施形態の変形例1の発光装置の動作と表示状態の一例を示す図である。 第3の実施形態の変形例1の発光装置の他の表示状態の一例を示す図である。 第3の実施形態の変形例1の発光装置の他の表示状態の一例を示す図である。 第3の実施形態の変形例2の発光装置の一例を示す側断面図および分解斜視図である。 第4の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。 第4の実施形態の発光装置の一例を示す上面図および側断面図である。 第4の実施形態の発光装置および周辺構成の一例を示す側断面図である。 第4の実施形態の変形例1の発光装置および周辺構成の一例を示す側断面図である。 第4の実施形態の変形例2の発光装置および周辺構成の一例を示す側断面図である。 第4の実施形態の変形例3の発光装置および周辺構成の一例を示す側断面図である。 第4の実施形態の変形例4の発光装置および周辺構成の一例を示す側断面図である。 第5の実施形態の遊技機の一例を示す斜視図である。 第5の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。 第5の実施形態の遊技機の制御システムの一例を示すブロック図である。 第5の実施形態の演出制御装置の構成の一例を示すブロック図である。 第5の実施形態の遊技制御装置が実行制御する遊技制御の一例を示す図である。 第5の実施形態の一括表示装置の一例を示す図である。 第5の実施形態の遊技制御装置のメイン処理のフローチャートを示す図(その1)である。 第5の実施形態の遊技制御装置のメイン処理のフローチャートを示す図(その2)である。 第5の実施形態の遊技制御装置のメイン処理のフローチャートを示す図(その3)である。 第5の実施形態の遊技制御装置のメイン処理のフローチャートを示す図(その4)である。 第5の実施形態の遊技制御装置のメイン処理のフローチャートを示す図(その5)である。 第5の実施形態のタイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。 第5の実施形態の演出制御装置におけるメイン処理のフローチャートを示す図である。 第5の実施形態の表示装置における装飾図柄を用いた変動表示画面の一例を示す図である。 第5の実施形態の当りにおける演出表示画面の一例(その1)を示す図である。 第5の実施形態の当りにおける演出表示画面の一例(その2)を示す図である。 第5の実施形態の普電サポート状態における演出表示画面の一例を示す図である。 第5の実施形態の普電内に備えられる振分装置の制御と、その制御結果が与えるゲーム性の一例を示す図である。 第5の実施形態の変形例1の普電内に備えられる振分装置の制御と、その制御結果が与えるゲーム性の一例を示す図である。 第5の実施形態の変形例2の普電内に備えられる振分装置の制御と、その制御結果が与えるゲーム性の一例を示す図である。 第5の実施形態の変形例3の普電内に備えられる振分装置の制御と、その制御結果が与えるゲーム性の一例を示す図である。 第5の実施形態の変形例4の普電内に備えられる振分装置の一例を示す図である。 第5の実施形態の変形例5の普電サポート状態における演出表示画面の一例を示す図である。
以下、図面を参照して実施形態を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態を図面にもとづいて説明する。図1は、第1の実施形態の遊技機
の一例を示す斜視図である。
第1の実施形態の遊技機10は、前面枠12を備え、該前面枠12は、外枠(支持枠)
11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は、前面枠12の表
側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には
、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠(透明部材保
持枠)15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の左右には、内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および
異常発生時の報知(たとえば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色
(たとえば、赤色)で点灯(点滅)させる)のために発光する枠装飾装置18や、音響(
たとえば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、
前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生
時はスピーカ19a,19bから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、
ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしてもよい。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿(貯留
皿)21、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が
流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する
下皿(受皿)23および打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿2
1の上縁部には、遊技者が各種オプションの設定をおこなうオプション設定部(プッシュ
ボタン)25が設けられている。このオプション設定部25の上面の周囲には複数の選択
ボタンスイッチ25aが設けられ、オプション設定部25の上面の中央には決定ボタンス
イッチ25bが設けられている。なお、オプション設定部25は、遊技者が演出態様を設
定する演出設定部として機能する。この場合、選択ボタンスイッチ25aは、演出態様を
選択する演出ボタンスイッチとして機能し、決定ボタンスイッチ25bは、演出態様を決
定する決定ボタンスイッチとして機能する。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠1
2やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられて
いる。
なお、選択ボタンスイッチ25aが演出ボタンスイッチとして機能する場合、遊技機1
0は、選択ボタンスイッチ25aと決定ボタンスイッチ25bとから受け付けた遊技者の
操作にもとづいて、遊技者の操作を介入させた演出をおこなうことができる。たとえば、
遊技者の操作を介入させた演出は、表示装置(変動表示装置)41(図2参照)における
変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)における演出があり、遊技機10は、表示装
置41に表示するキャラクタを動作させたり、表示装置41に表示される飾り特図変動表
示ゲームにおける識別情報を停止させたりすることができる。
また、オプション設定部25の右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける
場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出さ
せるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図
示省略)等が設けられている。この第1の実施形態の遊技機10においては、遊技者が上
記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技
球を遊技盤30前面の遊技領域32(図2参照)に向かって発射する。また、遊技者が選
択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25bを操作することによって、たと
えば、スピーカ19a,19bから放射される音量を設定したり、遊技盤30の明るさを
設定したりすることができる。
次に、遊技盤30について図2を用いて説明する。図2は、第1の実施形態の遊技盤の
一例を示す正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成さ
れている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース3
3およびガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示
装置(変動表示装置)41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されて
いる。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の
前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置
41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し、周囲の遊技領
域32から遊技球が飛び込みにくくなるように形成されている。
表示装置41は、たとえば、LCD(液晶表示器)、CRT(Cathode Ray Tube:ブラ
ウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域
(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラ
クタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表
示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示
)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームがおこなわれる。また
、表示画面には、遊技の進行にもとづく演出のための画像(たとえば、大当り表示画像、
ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
また、センターケース40の上部には、動作することによって遊技の演出をおこなう盤
演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図2に示す状態から表示装置4
1の中央へ向けて動作可能となっている。
遊技領域32におけるセンターケース40の側方右側には、普図変動表示ゲームの開始
条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲ
ート34に入賞した遊技球(普図始動ゲート34を通過する遊技球)は、ゲートスイッチ
34a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、二つの一般入賞口3
5が配置され、センターケース40の下方右側であって後述する特別変動入賞装置38の
右部には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊
技球は、入賞口スイッチ35a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、第1特図変動表示ゲーム
(特図1変動表示ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞口(始動入賞領域)をなす始
動入賞口36(始動口1)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動
口1スイッチ36a(図3参照)により検出される。
また、始動入賞口36の下方には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト
口30aが設けられている。
また、普図始動ゲート34よりも下方位置であって、センターケース40の右部には、
第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の開始条件を与える普通変動入賞装置
37(第2始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。普通変動入賞装置37(始動
口2)は、上端側が右方に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態
に変換可能な可動部材37bを備えており、この可動部材37bは、常時はほぼ鉛直とな
って遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置と
しての普電ソレノイド37c(図3参照)によって上端側が右方に倒れるように回動して
普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化
させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイ
ッチ37a(図3参照)により検出される。なお、普通変動入賞装置37が閉状態でも入
賞できるようにし、閉状態では開状態よりは入賞しにくいものとしても良い。普通変動入
賞装置37は普通電動役物(普電)に相当する。
普通変動入賞装置37の右方には、遊技球が流下可能な流下路91が形成され、普通変
動入賞装置37に入賞しなかった遊技球は流下路91を通って下方へ流下する。この流下
路91の下方には誘導部93が設けられている。誘導部93は上面94が左方へ下る傾斜
面とされており、下方へ流下する遊技球を上面94で受け止め、後述する特別変動入賞装
置38が存在する左方へ誘導するようになっている。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の右下には、特図変動表示ゲームの結
果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装
置(大入賞口)38が配設されている。特別変動入賞装置38は、開閉部材(開閉扉)3
8cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材3
8cが大入賞口を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材38cが
退避して遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能な開状態(遊技者にとって有利な
状態)に変換する。すなわち特別変動入賞装置38は、駆動装置としての大入賞口ソレノ
イド38b(図3参照)により駆動される開閉部材38cによって開閉される大入賞口(
大入賞口)を備え、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの結果による大当り
遊技状態(第1特別遊技状態)中や、特図2変動表示ゲームの結果による小当り遊技状態
(第2特別遊技状態)中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより
大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与する
ようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技
球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図3参照
)が配設されている。
また、特別変動入賞装置38は、入賞口内に入賞した遊技球を誘導する誘導流路と、誘
導流路から分岐して形成されたV流路を備える。特別変動入賞装置38は、V流路の流入
部分となる位置にV扉が設けられる。V扉は、特定領域ソレノイド38d(図3参照)に
よって前後方向にスライド移動してV流路への遊技球の流入を阻止する阻止状態と、後方
へ退避してV流路への遊技球の流入を許容する許容状態とに変化させられるようになって
いる。また、特別変動入賞装置38は、V流路に流入した遊技球を検出する特定領域スイ
ッチ38e(図3参照)が設けられている。
なお、第1の実施形態の遊技機10では、特別遊技状態の終了後の確率状態が大当り図
柄で決定されるのではなく、特別遊技状態においてV流路に遊技球が流入して特定領域ス
イッチ38eで検出されることにもとづき高確率状態となるようにされている。
また、特別変動入賞装置38は、大入賞口スイッチ38aが複数個(たとえば2個)配
設されてもよい。また、特別変動入賞装置38は、1個に限らず、2個設けられるもので
あってもよく、大入賞口スイッチ38aは、大入賞口が複数個あるときには、それぞれに
1個又は2個程度、全体としてx個(図3参照)設けられるものであってもよい。
また、センターケース40の左側側部には、ワープ口(ワープ入口)39aが設けられ
ている。ワープ口39aからワープ流路に流入した遊技球は、センターケース40内のス
テージ上を転動し、その一部がワープ出口39bに案内される。ワープ出口39bは、始
動入賞口36の直上に位置し、ワープ出口39bに案内された遊技球は、始動入賞口36
に入賞しやすくなる。
第1の実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、セン
ターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が
右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を
発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36や一般入賞口35(特別変動入賞装置
38の右部にある一般入賞口35を除く)への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊
技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、
特別変動入賞装置38などへの入賞を狙うことができるようになっている。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲーム
をなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームおよび普図始動ゲート34への
入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50
が設けられている。
一括表示装置50は、LED等で構成されたラウンド表示部51と、特図1保留表示部
52と、特図1図柄表示部53と、特図2図柄表示部54と、普図図柄表示部55と、普
図保留表示部56と状態表示部57とを備える(図5参照)。一括表示装置50の詳細は
、後述する。
次に、遊技機の制御システムについて図3を用いて説明する。図3は、第1の実施形態
の遊技機の制御システムの一例を示すブロック図である。
遊技機10は、遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制
御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイ
コンと称する)111を有するCPU(Central Processing Unit)部110と、入力ポ
ートを有する入力部120と、出力ポートやドライバ等を有する出力部130と、CPU
部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140等からなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC(Integrated Circuit))と呼ばれ
る遊技用マイコン111と、水晶振動子のような発振子を備え、遊技用マイコン111の
動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(
水晶発振器)113等を有する。遊技制御装置100および該遊技制御装置100によっ
て駆動されるソレノイドやモータ等の電子部品は、電源装置400で生成されたDC(Di
rect Current)32V、DC12V、DC5V等所定のレベルの直流電圧が供給されて動
作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC(
Alternating Current)-DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V、DC5V
等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC-DCコンバータ等を有する通常電源部4
10と、遊技用マイコン111の内部のRAM(Random Access Memory)に対して停電時
に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置
100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号等の制御信号を生成し
て出力する制御信号生成部430等を備える。
第1の実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されている
が、バックアップ電源部420および制御信号生成部430は、別個の基板上または遊技
制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30
および遊技制御装置100は、機種変更の際に交換の対象となるので、第1の実施形態の
ように、電源装置400または主基板とは別の基板にバックアップ電源部420および制
御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることが
できる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成
することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(
特に内蔵RAM)に供給され、停電中または電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保
持されるようになっている。制御信号生成部430は、たとえば通常電源部410で生成
された32Vの電圧を監視してそれがたとえば17V以下に下がると停電発生を検出して
停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源
投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このR
AM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これにもとづ
き遊技用マイコン111内のRAM111Cおよび払出制御装置200内のRAMに記憶
されている情報を強制的に初期化する処理がおこなわれる。特に限定されるわけではない
が、初期化スイッチ信号は、電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン1
11が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット
信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
また、遊技制御装置100には設定値変更スイッチ126と設定キースイッチ127が
設けられている。設定値変更スイッチ126は、たとえばプッシュスイッチであって、押
下操作を検出する。設定キースイッチ127は、設定キーを挿入してON状態とOFF状
態とを切り替え可能にする。遊技制御装置100は、遊技性能に関する設定を変更可能で
あって、停電中または電源遮断後もRAMに記憶された設定が保持されるようになってい
る。たとえば、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームおよび特図2変動表示ゲー
ムの当り確率を6段階の設定に応じて変更可能にしている。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ127がON状態かつRAM初期化スイッチ
112がON状態での電源投入で、遊技機10の設定変更をおこなうことができる設定変
更モードに制御状態を遷移する。たとえば、遊技制御装置100は、設定変更モードにお
いて設定内容を確率設定値表示装置136に表示しながら設定値変更スイッチ126の押
下操作検出により設定1から設定6までをサイクリックに変更可能にする。確率設定値表
示装置136は、設定値を表示可能な表示装置であり、たとえば1桁の7セグメントLE
Dであって基板上に実装される。
また、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127がON状態かつRAM初期化ス
イッチ112がOFF状態での電源投入で、遊技機10の設定確認をおこなうことができ
る設定確認モードに制御状態を遷移する。たとえば、遊技制御装置100は、設定確認モ
ードにおいて設定内容を確率設定値表示装置136に表示する。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A
、読出し専用のROM(Read Only Memory)111Bおよび随時読出し書込み可能なRA
M111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数
の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作
業領域あるいは各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111BまたはR
AM111Cとして、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)のよう
な電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、たとえば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リー
チ状態の発生の有無等を規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パター
ンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている
変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3をCPU111A
が参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブル
には、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当り
となる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパ
ターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決
定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)
、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル
(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここで、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装
置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果があらかじめ定め
られた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊
技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない
段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示
状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行
して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条
件からはずれていない表示態様をいう。そして、たとえば、特別結果態様が揃った状態を
維持しながら複数の変動表示領域による変動表示をおこなう状態(いわゆる全回転リーチ
)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示
結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表
示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結
果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、たとえば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動
表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別
情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するもので
ある場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば
、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべ
ての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変
動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば、同一の識別情報となっ
た状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つ
の変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可
能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペ
シャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3
リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、「リーチ
なし」<「ノーマルリーチ」<「スペシャル1リーチ」<「スペシャル2リーチ」<「ス
ペシャル3リーチ」<「プレミアリーチ」の順に高くなるようになっている。また、この
リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当り
となる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表
示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変
動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が
発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装
置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイド
や表示装置の駆動信号を生成し出力して遊技機10全体の制御をおこなう。また、図示し
ないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱
数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パター
ン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を
決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数
等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)
にもとづいてCPU111Aに対する所定周期(たとえば、4m秒(ms))のタイマ割
込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレ
ータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111B
に記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテー
ブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(当り
(大当りまたは小当り)またははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲーム
の確率状態(通常確率状態または高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装
置37の動作状態(時短動作状態)、始動記憶数等にもとづいて、複数の変動パターンテ
ーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CP
U111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数
の変動パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り
分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフ
ェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従っ
て、遊技機10に設けられた払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させる
ための制御をおこなう。また、払出制御装置200は、遊技機10に付設される球貸機の
カードユニットからの貸球要求信号にもとづいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、
貸球を払い出させるための制御をおこなう。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36
a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲート
スイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38の大入賞口スイッチ38
a、特別変動入賞装置38の特定領域スイッチ38eに接続され、これらのスイッチから
供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0
V-5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けら
れている。この近接I/F121には、遊技機10に対する電波の発射を検出する盤電波
センサ62の検出信号も入力される。また近接I/F121は、入力の範囲が7V-11
Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサ
やスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったよ
うな異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
なお、入賞口スイッチ35aについて説明すると、図3では入賞口スイッチ35aが1
個のブロックで示されているが、実際には複数(n個)の入賞口スイッチ35a(本実施
形態では3個)が遊技盤30に設けられており、それぞれの信号が異なる信号線で近接I
/F121に入力されている。また、図3では大入賞口スイッチ38aが1個のブロック
で示されているが、実際には複数(x個)の大入賞口スイッチ38a(本実施形態では3
個)が遊技盤30に設けられている。そして、これら複数の大入賞口スイッチ38aが、
それぞれ異なる信号線で接続されるか、あるいは、たとえばスイッチと遊技制御装置10
0(主基板)の間に存在する図示省略した中継基板上でワイヤードオア(wired OR)とい
う方式で遊技制御装置100に接続されている。盤電波センサ62や後述する磁気センサ
61も、異なる複数の信号線で接続されてもよいし、同様にワイヤードオアという方式で
遊技制御装置100に接続されていてもよい。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123または第3入力ポート124へ供給
されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F
121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッ
チ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a、および特定領域スイッチ3
8eの検出信号は、第2入力ポート123へ入力される。なお、特図1の始動口スイッチ
である始動口1スイッチ36a,始動口2スイッチ37aの信号の出力(近接I/F12
1からの出力)については、図3では1本の信号線で示しているが、実際には2本ある。
また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号およびセンサやス
イッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は、第3入力ポート124に入力さ
れる。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検
出用の磁気センサ61の検出信号、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開
放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体
枠開放検出スイッチ64の検出信号、設定値変更スイッチ126の検出信号、設定キース
イッチ127の検出信号、払出制御装置200からのタッチスイッチ信号(操作部24に
設けられたタッチスイッチの入力にもとづく信号)が入力されるようになっている。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、遊技制御装
置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになって
いる。さらに、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36aと始動口2スイ
ッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力され
るように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル
変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動
作に必要なたとえば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになってい
る。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポー
ト123に割り当てられているアドレスをデコードすることによって図示省略したチップ
イネーブル信号CE(Chip Enable)をアサート(有効レベルに変化)することによって
、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様で
ある。
また、入力部120には、RAM初期化スイッチ112の検出信号、払出制御装置20
0からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することに
もとづき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能
な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)
、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロー
スイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)
を検出したときに出力される信号)、アウト球検出スイッチ信号(アウト球を検出したと
きに出力される信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供
給する第1入力ポート122が設けられている。
なお、アウト球検出スイッチ信号は、アウトセンサ(図示せず)が遊技機10のアウト
球を1個検出するごとにアウトセンサから出力される信号である。たとえば、アウト球検
出スイッチ信号は、遊技機10から遊技球(アウト球)を排出する排出口(図示せず)と
アウト口30aとの間に排出流路(図示せず)に設けられる。アウト球検出スイッチ信号
は、所定の稼働(たとえば、アウト球が60,000個)当たりの遊技性能(たとえば、
ベース)の算出に用いられ、算出した遊技性能は性能表示装置135に表示される。なお
、アウト球検出スイッチ信号は、演出制御装置300に入力されるものであってもよい。
その場合、アウト球検出スイッチ信号は、遊技演出や客待ち画面表示への切替トリガとな
る稼働状態の判定等に用いられるものであってもよい。たとえば、性能表示装置135は
、4桁の7セグメントLEDであって、10進数または16進数により遊技性能を表示す
ることができる。
また、遊技機10は、振動を検出する振動センサスイッチを設け、この振動センサスイ
ッチの検出信号が第1入力ポート122あるいは第3入力ポート124に入力されるよう
にしてもよい。
また、遊技制御装置100には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号等
の信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられ
ており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有す
る。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化ス
イッチ信号は、一旦、第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技
用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号
として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の
数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、
遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部
130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは、出力部130を介さ
ずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70の
ポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、
リセット信号RESETは、中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成される
ようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは、入力部120の第1乃至第3入力
ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に
遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータは、システム
の誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前
に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイ
コン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路および
遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッフ
ァ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300および払出制御
装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、遊技制御装置100から演
出制御装置300および払出制御装置200へのシリアル通信は、演出制御装置300側
から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試
験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号
等を中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバ
ッファ133は、遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技
制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F121から出力され
る始動口スイッチ等加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに
中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給で
きない検出信号は、一旦、遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号または情報に加
工されて、たとえば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデ
ータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験
装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝
達するコネクタ等が設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン11
1から出力されるチップイネーブル信号CE(図示省略)も供給され、このチップイネー
ブル信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっ
ている。
また、出力部130には、データバス140に接続され、特別変動入賞装置38(大入
賞口)の開閉部材38cを開閉させる大入賞口ソレノイド38bの開閉データ、特別変動
入賞装置38のV扉を開閉させる特定領域ソレノイド38dの開閉データ、普通変動入賞
装置37の可動部材37bを開閉させる普電ソレノイド37cの開閉データ、および性能
表示装置135の表示データを出力するための第1出力ポート134aが設けられている
また、出力部130には、確率設定値表示装置136の表示データを出力するための第
2出力ポート134bが設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に
表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフ
データを出力するための第3出力ポート134c、一括表示装置50のLEDのカソード
端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート1
34dが設けられている。
また、出力部130には、大当り情報等遊技機10に関する情報を外部情報端子板71
へ出力するための第5出力ポート134eが設けられている。外部情報端子板71には、
フォトリレーが備えられ、たとえば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場
内部管理装置(ホールコンピュータ)等)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を
フォトリレーを介して外部装置に供給することができるようになっている。なお、外部装
置に供給する情報の一部は、第4出力ポート134dから出力される。また、第5出力ポ
ート134eからは、シュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可
信号も出力される。
さらに、出力部130には、第1出力ポート134aから出力される大入賞口ソレノイ
ド38b、特定領域ソレノイド38d、普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けて
ソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポー
ト134cから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆
動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート134dから出力される一括表
示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ
138c、第5出力ポート134eや第4出力ポート134dから管理装置等の外部装置
へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138d、第1出
力ポート134aから出力される性能表示装置135の表示データ信号を受けて性能表示
装置135の駆動信号を生成し出力する第5ドライバ138eが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにする
ため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置
50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デ
ジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引
き抜くためのものであるため、電源電圧は12Vまたは5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード
端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よ
りセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択された
LEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第
4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給
される。なお、バッファ133や第1出力ポート134a、第1ドライバ138a等は、
遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設け
るようにしてもよい。また、性能表示装置135、あるいは第5ドライバ138eと性能
表示装置135は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、外
部基板(図示せず)側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置490へ各遊技機の識別コードやプログラ
ム等の情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139
は、遊技用マイコン111が検査装置490との間でシリアル通信によってデータの送受
信をおこなえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、
通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子
を利用しておこなわれるため、第1乃至第3入力ポート122,123,124のような
ポートは設けられていない。
次に、演出制御装置300の構成について図4を用いて説明する。図4は、第1の実施
形態の演出制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC
)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマン
ドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理をおこなうグラフィック
プロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効
果音等をスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI31
4を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したP
ROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるPROM321、作業領域を提供
するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM(
Ferroelectric RAM)323、現在の日時(年月日や曜日、時刻等)を示す情報を生成す
る計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制
御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAM311aが設けられている。ま
た、主制御用マイコン311には、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続
されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンド(演出コ
マンド)を解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音
源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、
演出時間の管理等の処理を実行したりする。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理する
ためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312には、キャラクタ画像や
映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラ
クタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM326
が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パ
ラレル方式でデータの送受信がおこなわれるように構成されている。パラレル方式でデー
タを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信すること
ができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や
遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYN
C、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312
から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割
込み信号INT0~nおよび主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ち
の状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAIT等も入力される。
演出制御装置300には、LVDS(Low Voltage Differential Signaling:小振幅信
号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けら
れている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSY
NCおよび垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成
された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には、音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。
主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接
続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは、割込み信号I
NTが入力されるようになっている。演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられ
た上スピーカ19aおよび前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディ
オパワーアンプ等からなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成
された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19aおよび下スピーカ19bから出
力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受
信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンド
I/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特
図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御
指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111
はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動
作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられ
ているLED(発光ダイオード)などを有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LE
D制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠
装飾装置(たとえば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊
技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(たとえば表示
装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演
出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータおよびソレノイド等を駆動制
御するこれらの制御回路332~334は、アドレス/データバス340を介して主制御
用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(たとえば演出用の装
置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制
御する枠演出可動体制御回路を備えていてもよい。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられたオプション設定部25の
選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25bと、盤演出装置44内のモー
タの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状
態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300
に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信
号を入力する機能を有するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300
やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モ
ータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モー
タやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5
Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するよう
に構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vまたは1.2Vの
ような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5VにもとづいてDC3.3V
やDC1.2Vを生成するためのDC-DCコンバータが演出制御装置300に設けられ
る。なお、DC-DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マ
イコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン
311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314
およびアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータ等を駆動制御する制
御回路332~334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする
。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され
、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされ
ている。また、演出制御装置300を構成する回路基板は、サブ制御基板(サブ基板とも
いう)に相当する。
次に、これらの制御回路においておこなわれる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート3
4に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき、普図の
当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動
表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。そして、一括表示装置50の普図図
柄表示部55に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変
動表示ゲームを表示する処理をおこなう。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は
、普図図柄表示部55に第1当り停止図柄~第3当り停止図柄の各々に対応した特別の結
果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の
可動部材37bを所定時間(たとえば、0.5秒間または1.7秒間)上述のように開放
する制御をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の
変換制御をおこなう変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれ
の場合は、普図図柄表示部55にはずれの結果態様を表示する制御をおこなう。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の
入力にもとづき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶にもとづき、第1特図変動
表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比
較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。また、普通変動
入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力にもと
づき始動記憶を記憶し、この始動記憶にもとづき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定
用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示
ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第
2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド、演出コマンド)を
、演出制御装置300に出力する。そして、一括表示装置50の特図1図柄表示部53や
特図2図柄表示部54に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示す
る特図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、遊
技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)
への入賞にもとづき変動表示ゲームの進行制御をおこなう遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき、表示
装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理をおこ
なう。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき
、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御
する処理等をおこなう。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に
関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当り
や小当りの場合は、特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54に特別結果態様や小当
り結果態様を表示するとともに、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理(すな
わち、特別遊技や小当り遊技を実行する処理)をおこなう。第1特図変動表示ゲームや第
2特図変動表示ゲームの結果が大当りとなったことによる特別遊技状態を発生させる処理
においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入
賞装置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御
をおこなう。この特別遊技状態でCPU111Aは、たとえば大入賞口に所定個数(たと
えば、9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過する
かのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを
所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)をおこなう。また、第1特
図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)あるいは第2特図変動表示ゲーム(特図2変
動表示ゲーム)の結果が小当りとなったことによる小当り遊技状態を発生させる処理にお
いては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装
置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御をお
こなう。
なお、これら小当り遊技状態でおこなわれる大入賞口の開閉動作パターン(開閉動作態
様)は、たとえば200m秒だけ開閉部材を開状態に維持する動作を1500m秒間隔で
4回おこなうといったものである。このように、遊技制御装置100は、停止結果態様が
特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御をおこなう大入賞口開閉制御手段
をなす。またCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、一括表示
装置50の特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54にはずれの結果態様を表示する
制御をおこなう。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状
態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、
特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。
また、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲ
ームの結果態様にもとづき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲームおよび第2特
図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状
態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態、普図高確率状態)を発生可能と
なっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図
確率)を通常確率(普図低確率状態)である0よりも高い高確率(普図高確率状態)とす
ることが可能である。これにより、普通変動入賞装置37が普図低確率状態である場合よ
りも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が多くなるように制御するように
なっている。ここで、本実施形態における普通変動入賞装置37は、通常遊技状態におい
ては可動部材37bを開放しないように普図確率が「0」に設定されている。
また、時短状態において、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)は、たとえ
ば、500m秒となり、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間は、たとえば
、600m秒となり、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開
放される場合に、第1当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、
500m秒×1回)、第2当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえ
ば、1700m秒×2回)、第3当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(
たとえば、1700m秒×3回)となるように設定することが可能である。
なお、普図変動表示ゲームおよび普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御をお
こなうよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放
時間を設定してもよく、たとえば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実
行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制
御することが可能である(たとえば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態
においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短
い第2停止時間となるように制御することが可能である(たとえば、1604m秒が70
4m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動
入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状
態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(た
とえば、100m秒が1352m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲーム
の1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開
放回数(たとえば、2回)よりも多い回数(たとえば、4回)の第2開放回数に設定する
ことが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確
率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態、たとえば、1/
251)よりも高い高確率(普図高確率状態、たとえば、250/251)とすることが
可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普
図確率のいずれか一つまたは複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状
態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種
類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放態様と第
2開放態様のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、第1開放態様と第2開放
態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して
発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させること
も可能である。また時短状態は、普電サポート状態(普電サポート中、或いは電サポ中)
と称することもできる。
次に、一括表示装置の構成について図5を用いて説明する。図5は、第1の実施形態の
一括表示装置の一例を示す図である。一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と
7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18までの16個のLE
Dを備える。一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d
2、およびLED_d3からLED_d18の点灯態様により各種状態表示をおこなう。
一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、および
LED_d3からLED_d18に各種状態表示機能を振り分けることで、ラウンド表示
部51と、特図1保留表示部52と、特図1図柄表示部53と、特図2図柄表示部54と
、普図図柄表示部55と、普図保留表示部56と、状態表示部57と、特図2保留表示部
58とを備える。ラウンド表示部51は、LED_d3からLED_d6の4個のLED
の点灯態様により、特図ゲームにおけるラウンド数を表示する。特図1保留表示部52は
、LED_d11とLED_d12の2個のLEDの点灯態様により、特図1ゲームにお
ける保留数を表示する。特図1図柄表示部53は、7セグメントLED_d1の8個のL
ED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様により、特図1ゲーム
における図柄を表示する。特図2図柄表示部54は、7セグメントLED_d2の8個の
LED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様により、特図2ゲー
ムにおける図柄を表示する。普図図柄表示部55は、LED_d8、LED_d10、お
よびLED_d18の3個のLEDの点灯態様により、普図ゲームにおける図柄を表示す
る。普図保留表示部56は、LED_d15とLED_d16の2個のLEDの点灯態様
により、普図ゲームにおける保留数を表示する。状態表示部57は、LED_d7、LE
D_d9、およびLED_d17の3個のLEDの点灯態様により、特図ゲームにおける
遊技状態を表示する。特図2保留表示部58は、LED_d13とLED_d14の2個
のLEDの点灯態様により、特図2ゲームにおける保留数を表示する。
以下、このような遊技をおこなう遊技機の制御について説明する。まず、遊技制御装置
100の遊技用マイコン111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコ
ン111による制御処理は、主にメイン処理と、所定時間周期(たとえば4m秒)でおこ
なわれるタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
まず、第1の実施形態の遊技制御装置のメイン処理について図6から図10を用いて説
明する。図6は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その1)であ
る。図7は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その2)である。
図8は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その3)である。図9
は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その4)である。図10は
、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その5)である。
メイン処理は、電源が投入されることで制御部(遊技用マイコン111)によって開始
される。このメイン処理においては、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)をお
こなってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスで
あるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)をおこなう
。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(たとえばDレジ
スタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。RAM11
1Cのアドレスの範囲は、0000h~01FFhで、上位としては00hか01hをと
る。ステップS4ではRAM111Cのアドレスの範囲のうち先頭側にある00hをセッ
トする。
次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)
。発射許可信号は、遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停
止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようにな
っている。
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を第1レジスタ(たとえばBレ
ジスタ)に読み込み(ステップS6)、続けて入力ポート3(第3入力ポート124)の
状態を第2レジスタ(たとえばCレジスタ)に読み込む(ステップS7)。
ここで、第1レジスタの所定ビットをマスクし、その他のビットをクリアする(ステッ
プS8)。たとえば、RAM初期化スイッチ112からの検出信号に対応するBレジスタ
の第2ビットだけを保持し、第0ビットと第1ビットと、第3ビットから第7ビットをク
リアする。そして、第2レジスタの所定ビットをマスクし、その他のビットをクリアする
(ステップS9)。たとえば、設定キースイッチ127からの検出信号に対応するCレジ
スタの第4ビットだけを保持し、第0ビットから第3ビットと第5ビットから第7ビット
をクリアする。
第1レジスタの情報を第2レジスタに統合し、第2レジスタが保持する情報をRAM1
11Cに頼らない参照用の情報として保持する(ステップS10)。たとえば、Bレジス
タとCレジスタの論理和をCレジスタに格納し、Cレジスタを状態参照用レジスタとして
保持する。
たとえば、状態参照用レジスタ(Cレジスタ)の値「00000000B」は、第0ビ
ットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり
、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オンに対応する「0」であり
、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オンに対応する「0」であること
を示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00000000B」は、RAM初期化ス
イッチ112がオン(ON)、かつ設定キースイッチ127がオン(ON)である設定変
更状態を示す。
また、状態参照用レジスタの値「00010000B」は、第0ビットと第1ビット、
第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRA
M初期化スイッチ112からの検出信号オンに対応する「0」であり、第4ビットが設定
キースイッチ127からの検出信号オフに対応する「1」であることを示す。すなわち、
状態参照用レジスタの値「00010000B」は、RAM初期化スイッチ112がオン
(ON)、かつ設定キースイッチ127がオフ(OFF)であるRAM初期化状態を示す
また、状態参照用レジスタの値「00000100B」は、第0ビットと第1ビット、
第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRA
M初期化スイッチ112からの検出信号オフに対応する「1」であり、第4ビットが設定
キースイッチ127からの検出信号オンに対応する「0」であることを示す。すなわち、
状態参照用レジスタの値「00000100B」は、RAM初期化スイッチ112がオフ
(OFF)、かつ設定キースイッチ127がオン(ON)である設定確認状態を示す。
また、状態参照用レジスタの値「00010100B」は、第0ビットと第1ビット、
第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRA
M初期化スイッチ112からの検出信号オフに対応する「1」であり、第4ビットが設定
キースイッチ127からの検出信号オフに対応する「1」であることを示す。すなわち、
状態参照用レジスタの値「00010100B」は、RAM初期化スイッチ112がオフ
(OFF)、かつ設定キースイッチ127がオフ(OFF)である復電(停電復旧)状態
を示す。
これにより、RAM初期化スイッチ112からの検出信号と設定キースイッチ127か
らの検出信号とがCレジスタに保持される。なお、RAM初期化スイッチ112からの検
出信号のBレジスタにおける格納位置(第2ビット)と設定キースイッチ127からの検
出信号のCレジスタにおける格納位置(第4ビット)とが異なるためBレジスタとCレジ
スタの論理和によっても、RAM初期化スイッチ112からの検出信号と設定キースイッ
チ127からの検出信号は、失われずに保存される。
その後、電源投入ディレイタイマを設定する処理をおこなう(ステップS11)。この
処理では、所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100か
らの指示にしたがい種々の制御をおこなう従制御手段(たとえば、払出制御装置200や
演出制御装置300等の従制御装置)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機
時間(たとえば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置10
0が先に立ち上がって従制御手段が立ち上がる前にコマンドを従制御手段へ送ってしまい
、従制御手段がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装
置100が、電源投入時において、主制御手段の起動を遅らせて従制御手段の起動を待つ
ための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAM領域が保持するデータの正当性判定(
チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域またはレ
ジスタ等)を用いておこなわれる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェック
データを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時
の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第2レジスタ(Cレジスタ)には、RAM初期化スイッチ112の検出信号が保
存されるようになっているが、待機時間の開始前までに保存されることで、RAM初期化
スイッチ112の操作を確実に保存できる。すなわち、待機時間の経過後にRAM初期化
スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってからRAM初期
化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過までRAM初期化スイッチ
112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むこ
とで、このような煩わしい操作をおこなわなくても電源投入後すぐに操作をおこなうこと
で検出されるようになり、電源投入時におこなった初期化の操作が受け付けられないよう
な事態を防止できる。
また、第2レジスタ(Cレジスタ)には、設定キースイッチ127の検出信号が保存さ
れるようになっているが、待機時間の開始前までに保存されることで、設定キースイッチ
127の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に設定キースイッチ12
7の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから設定キースイッチ127
を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで設定キースイッチ127を操作し続けた
りする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わ
しい操作をおこなわなくても電源投入後すぐに操作をおこなうことで検出されるようにな
り、電源投入時におこなった設定変更操作あるいは設定確認操作が受け付けられないよう
な事態を防止できる。
次に、電源投入ディレイタイマ(たとえば、約3秒)を設定する処理(ステップS11
)をおこなった後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(
ステップS12からS16)をおこなう。まず、電源装置400から入力されている停電
監視信号をポートおよびデータバスを介して読み込んでチェックする回数(たとえば2回
)を設定し(ステップS12)、停電監視信号がオンであるか否かの判定をおこなう(ス
テップS13)。
停電監視信号がオンである場合(ステップS13;Y)は、ステップS12で設定した
チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(ステップS1
4)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップ
S14;N)は、停電監視信号がオンであるか否かの判定(ステップS13)に戻される
。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS14;
Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機10の電源が遮断される
のを待つ。このように、所定期間にわたり停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生
したと判定することで、ノイズ等により停電を誤検知することを防止でき、電源投入時に
おける不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電
監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせてい
る期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に
適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAM111Cへのアクセス
が許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、
ここでの停電発生時にはバックアップの処理等はおこなう必要がない。このため、待機時
間中に停電が発生してもRAM111Cのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を
軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS13;N)、すなわち、停電が発生
していない場合には、電源投入ディレイタイマを「-1」更新し(ステップS15)、タ
イマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS16)。タイマの値が0でない場
合(ステップS16;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号
のチェック回数を設定する処理(ステップS12)に戻される。また、タイマの値が「0
」である場合(ステップS16;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合、RAM11
1CやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(Read Write Memory)のアクセス許
可をし(ステップS17)、全出力ポートにオフデータを出力(出力がない状態に設定)
する(ステップS18)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111にあらかじめ搭載されているポートで、
演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定する(ステップS19
)。
ステップS20では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込
み信号および乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC回路を起動する処理をおこ
なう。
ステップS21では、RAM異常フラグをセットする処理をおこなう。なお、RAM異
常フラグのセットは、暫定的なものであって後で実行されるRAMの異常を検査する処理
において更新され得る。
ステップS22では、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデ
ータ1(たとえば5Ah)であるか否かを判定する。停電検査領域1の値が正常であれば
(ステップS22;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェック
データ2(たとえばA5h)であるか否かを判定し(ステップS23)、停電検査領域2
の値が正常であれば(ステップS23;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出
するチェックサム算出処理(ステップS24)をおこなう。
なお、チェックサム算出処理では、遊技制御用ワーク領域のデータと状態表示用ワーク
領域のデータを合算したものをチェックサムとして算出してもよいし、遊技制御用ワーク
領域のデータと状態表示用ワーク領域のデータからそれぞれ別々にチェックサムを算出し
てもよいし、遊技制御用ワーク領域のデータだけからチェックサムを算出してもよい。遊
技制御用ワーク領域とは、RWM内の記憶領域のうち遊技制御用に使用される作業領域で
ある。状態表示用ワーク領域とは、RWM内の記憶領域のうち状態表示用に使用される作
業領域である。
次に、ステップS24で算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか
否かを判定(ステップS25)し、チェックサムが一致する(正常である)と判定された
場合(ステップS25;Y)は、ステップS21で暫定的にセットしたRAM異常フラグ
をクリアする(ステップS26)。
なお、チェックサムが一致しない(正常でない)と判定された場合(ステップS25;
N)は、ステップS26をパスしてステップS27へ移行することで、ステップS21で
暫定的にセットしたRAM異常フラグが確定的になる。停電検査領域のチェックデータが
正常なデータでない(ステップS22;NまたはステップS23;N)と判定された場合
も、ステップS26をパスしてステップS27へ移行することで、ステップS21で暫定
的にセットしたRAM異常フラグが確定的になる。
ステップS27では、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、設定キースイッチ12
7の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンであるか否かを判
定する。設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検
出信号がオンである場合には、ステップS33に進み、設定キースイッチ127の検出信
号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンでない場合には、ステップS
28に進む。
なお、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイ
ッチ112の検出信号とを第2レジスタ(Cレジスタ)に保持しているため、設定キース
イッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを同時に判定するこ
とができる。また、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127の検出信号とRAM
初期化スイッチ112の検出信号とを第2レジスタ(Cレジスタ)に保持しているため、
RAMの正当性判定をおこなう以前の設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化
スイッチ112の検出信号とを判定対象にすることができる。
ステップS28では、制御部は、RAM異常フラグがオンか否かを判定する。制御部は
、RAM異常フラグがオンである場合(すなわち、RAM異常フラグがセットされている
場合)にステップS30に進み、RAM異常フラグがオンでない場合(すなわち、RAM
異常フラグがクリアされている場合)にステップS29に進む。
ステップS29では、制御部は、設定変更モード中フラグがオンか否かを判定する。制
御部は、設定変更モード中フラグがオンである場合にステップS48に進み、設定変更モ
ード中フラグがオンでない場合にステップS30に進む。
ステップS30からステップS32は、RAM異常時、あるいは設定中に電源遮断があ
ったときにRAMクリアされずに再起動された時に実行される処理である。ステップS3
0では、制御部は、メイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信する。
これにより、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドに対応する演出制
御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドを受
信して、RAMクリアを伴う再起動を案内するメッセージを表示装置41に表示させたり
、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、メイ
ン異常エラー報知のコマンドを受信して、枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置
44によりメイン異常エラーを報知する。
ステップS31では、制御部は、遊技停止時の7セグ表示データを性能表示装置135
に出力する。このとき、制御部は、性能表示装置135にメイン異常エラーに対応するス
テータスを表示することができる。また、制御部は、遊技停止時の7セグ表示データを確
率設定値表示装置136に出力する。このとき、制御部は、確率設定値表示装置136に
確率設定値にない数値や文字を表示することができる。なお、制御部は、遊技停止時のL
ED表示データを含む7セグ表示データを一括表示装置50に出力するようにしてもよい
。このとき、制御部は、一括表示装置50を全消灯あるいは全点灯としてもよい。
ステップS32では、制御部は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報端子板71
から出力する。このとき、制御部は、外部情報端子板71から出力するその他の信号の出
力データをオフにする。制御部は、ステップS31とステップS32とを繰り返し実行し
て電源遮断を待つ。すなわち、遊技機10は、電源遮断を待つまでの間、外部情報端子板
71からセキュリティ信号を出力する。また、遊技機10は、電源遮断を待つまでの間、
外部情報端子板71からセキュリティ信号以外の信号を出力しない。
なお、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31とステップS32の繰り返し実
行において、RAMアクセスを禁止していない。これにより、遊技機10は、NMI(No
n-Maskable Interrupt)発生時に戻りアドレスをRAMに格納可能にして、プログラム暴
走の危険を低減している。このように、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31
とステップS32の繰り返し実行中のRAMの記憶内容をRAMアクセス禁止により保護
しないが、再起動時のRAMクリアが遊技制御開始の条件となるため、RAMの記憶内容
が保護されない危険を限定的にしている。すなわち、遊技機10は、RAMの記憶内容が
保護されない危険を限定的にして引き受けながら、プログラム暴走の危険低減効果を得る
。また、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31とステップS32の繰り返し実
行において、RAMアクセスを禁止しないことにより、ステップS31やステップS32
においてサブルーチンを呼出可能にしてプログラム効率の向上を図ることができる。
ステップS33からステップS36は、設定変更準備に関する処理であり、ステップS
27において、設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ11
2の検出信号がオンである場合に実行される処理である。
ステップS33では、制御部は、RAM異常フラグがオンか否かを判定する。制御部は
、RAM異常フラグがオンである場合にステップS34に進み、RAM異常フラグがオン
でない場合にステップS35に進む。
ステップS34では、制御部は、RAM異常フラグがオンであることから設定値をクリ
アする。なお、設定値のクリアは、設定値として無効な値をセットすることによってもよ
いし、不正対策の観点から遊技者にとって最も不利な値をセットすることによってもよい
ステップS35では、制御部は、設定変更モード中フラグをセットする処理をおこなう
。設定変更モード中フラグは、遊技機10が設定変更中か否かを示すフラグであって、設
定変更中であるときに設定変更モード中フラグがセットされ、設定変更中でないときに設
定変更モード中フラグがクリア(リセット)される。
ステップS36では、制御部は、設定変更中のコマンドを演出制御装置300に送信す
る。これにより、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドに対応する演出制御をお
こなう。たとえば、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドを受信して、設定変更
中であることを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,1
9bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドを受
信して、設定変更中であることを枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44によ
り報知する。
ステップS37は、設定変更準備(ステップS33からステップS36)の後、または
設定確認準備(ステップS49、ステップS50)の後に実行される処理である。ステッ
プS37では、制御部は、セキュリティ信号制御タイマに128msを設定する。これに
より、遊技機10は、少なくともセキュリティ信号制御タイマがタイムアップされるまで
の間、セキュリティ信号を出力する。
ステップS38からステップS40は、設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ち
に関する処理である。遊技機10は、ステップS37でセキュリティ信号を出力セットし
ていることにより設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理の実行を外
部から把握可能にしている。
制御部は、割込みを許可(ステップS38)した後、第2レジスタ(Cレジスタ)を参
照して、設定キースイッチ127の検出信号がオフであるか否かを判定する(ステップS
39)。制御部は、設定キースイッチ127の検出信号がオフである場合にステップS5
5に進み、設定キースイッチ127の検出信号がオフでない場合にステップS40に進む
ステップS40では、制御部は、停電が発生したか否かを判定する。なお、制御部は、
停電監視信号の所定時間の継続検出により、停電発生を判定することができる。制御部は
、停電が発生した場合にステップS41に進み、停電が発生していない場合にステップS
39に進む。すなわち、制御部は、ステップS38で割込みを許可した状態で、停電発生
までの間、設定キーのオフを待ち受ける。
制御部は、停電が発生していると判定した場合、割込みを禁止する処理(ステップS4
1)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS42)をおこなう。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS43
)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS44)。
さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップ
S45)、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブする処理(ステップS46
)をおこなった後、RAMへのアクセスを禁止する処理(ステップS47)をおこなって
から、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータ
をセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前に
RWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判
定することができる。
ステップS48は、ステップS29で設定変更モード中フラグがオンであると判定され
た場合に実行される。ステップS48では、制御部は、第2レジスタ(Cレジスタ)を参
照して、設定キースイッチ127の検出信号がオンであるか否かを判定する。制御部は、
設定キースイッチ127の検出信号がオンである場合にステップS49に進み、設定キー
スイッチ127の検出信号がオンでない場合にステップS51に進む。
ステップS49、ステップS50は、設定確認準備に関する処理である。ステップS4
9では、制御部は、設定確認モード中フラグをセットする処理をおこなう。設定確認モー
ド中フラグは、遊技機10が設定確認中か否かを示すフラグであって、設定確認中である
ときに設定確認モード中フラグがセットされ、設定確認中でないときに設定確認モード中
フラグがクリア(リセット)される。ステップS50では、制御部は、設定確認中のコマ
ンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、設定確認中
のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、設定確認
中のコマンドを受信して、設定確認中であることを案内するメッセージを表示装置41に
表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置3
00は、設定確認中のコマンドを受信して、枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装
置44により設定確認中であることを報知する。この後、制御部は、ステップS37に進
む。
一方、制御部は、ステップS48において設定キースイッチ127の検出信号がオンで
ないと判定した場合に、ステップS51を実行する。ステップS51では、制御部は、第
2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンで
あるか否かを判定する。制御部は、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンである
場合にステップS52に進み、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンでない場合
にステップS58に進む。すなわち、遊技機10は、RAM初期化スイッチ112の押下
操作を伴う起動検出によりRAM初期化(RAMクリア)に関する処理の実行に進み、R
AM初期化スイッチ112の押下操作を伴わない起動検出により停電復旧に関する処理の
実行に進む。
次に、ステップS52以降でおこなうRAM初期化に関する処理について説明する。R
AM初期化に関する処理では、制御部は、設定値以外のRAM領域を0クリア(ゼロクリ
ア)し(ステップS52)、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(
ステップS53)。たとえば、制御部は、RAMクリア時の先頭アドレスとしてRAMク
リア先頭アドレス2を設定し、RWM(たとえばRAM111C)の記憶領域(アクセス
禁止領域を含まない領域)のうちのクリア対象領域(遊技制御用ワーク領域)のデータを
ゼロクリアする。
なお、設定変更モード中フラグ、および設定確認モード中フラグは、クリア対象領域の
データに含まれることから、クリア対象領域のデータのゼロクリアによってクリアされる
ステップS54では、制御部は、RAM初期化時のコマンドを演出制御装置300に送
信する。これにより、演出制御装置300は、RAM初期化時のコマンドに対応する演出
制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、RAM初期化時のコマンドを受信し
て、RAMが初期化されたことを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、ス
ピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、RAM初
期化のコマンドを受信して、RAMが初期化されたことを枠装飾装置18や盤装飾装置4
6、盤演出装置44により報知する。
また、制御部は、設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理(ステッ
プS38からステップS40)の実行後に、設定キースイッチ127の検出信号がオフで
あることを検出した場合に、ステップS55を実行する。制御部は、割込みを禁止(ステ
ップS55)した後、報知終了のコマンドを演出制御装置300に送信する(ステップS
56)。
これにより、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドの受信により開始した設定
変更中であることの報知、あるいは設定確認中のコマンドの受信により開始した設定確認
中であることの報知を終了する。
次に、制御部は、設定変更モード中フラグを参照して、設定変更モード中であるか否か
を判定する(ステップS57)。制御部は、設定変更モード中である場合にステップS5
2に進み、RAM初期化に関する処理を実行する。一方、制御部は、設定変更モード中で
ない場合にステップS58に進み、停電復旧に関する処理を実行する。
ステップS58では、制御部は、停電復旧処理を実行する。停電復旧処理は、初期化す
べき領域に停電復旧時の初期値をセーブし、特図ステータスを参照して特図ゲームが高確
率中であるか否かを判定し、特図ゲームが高確率中である場合に高確率報知フラグ領域に
オン情報をセーブし、高確率報知LEDのオンデータをセグメント領域にセーブする処理
を含む。
なお、停電復旧処理における初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域
、設定変更モード中フラグ、設定確認モード中フラグ、およびエラー不正監視に係る領域
である。なお、停電復旧処理では、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否
かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリア
され、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッ
チスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチ
スイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。
次に、制御部は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板
(演出制御装置300)へ送信し(ステップS59)、ステップS60へ進む。なお、ス
テップS59では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、
確率情報コマンド、確率設定値情報コマンド、画面指定のコマンド等の複数のコマンドを
送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報や高確率回
数情報を送信する。なお、画面指定のコマンドとは、特図1変動表示ゲームと特図2変動
表示ゲームの制御状態がいずれも普段処理中(変動中、大当り中(第1特別遊技状態)、
小当り中(第2特別遊技状態)のうちの何れでもない状態)である場合には、客待ちデモ
画面の表示を指令するコマンドであり、それ以外である場合には復旧画面の表示を指令す
るコマンドである。
ステップS60では、制御部は、乱数生成回路を起動設定する処理をおこなう。その後
、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1~n)の値を抽
出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄初期値乱数、小当り図柄初期値乱数、当り初
期値乱数、当り図柄初期値乱数)の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセー
ブしてから(ステップS61)、割込みを許可する(ステップS62)。
続いて、制御部は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱
数更新処理(ステップS63)をおこなう。この初期値乱数更新処理は、各初期値乱数を
たとえばそれぞれ「+1」更新(インクリメント)する処理である。このように、遊技機
10は、メイン処理の中で時間が許す限り初期値乱数を更新し続けることによって、乱数
のランダム性を高めることができるようにしている。
ここで、制御部は、一旦、割込みを禁止(ステップS64)して、性能表示編集処理を
実行(ステップS65)し、性能表示編集処理の実行後に、割込みを許可する(ステップ
S66)。性能表示編集処理は、ベースの算出と表示に関する処理である。制御部は、性
能表示編集処理の処理負荷が比較的高いため、割込みを禁止してより速やかな処理結果導
出を図っている。これにより、遊技機10は、タイマ割込みにより遊技状態が更新される
までに、性能表示編集処理の処理結果導出を担保する。
ステップS67では、制御部は、停電が発生したか否かを判定する。なお、制御部は、
停電監視信号の所定時間の継続検出により、停電発生を判定することができる。制御部は
、停電が発生した場合にステップS41に進み、停電が発生していない場合にステップS
63に進む。
すなわち、制御部は、停電が発生しない限り、ステップS63からステップS67まで
の処理を繰り返し実行する。詳しくは、制御部は、停電が発生していない場合には、初期
値乱数更新処理と性能表示編集処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し
おこなう。
そして、初期値乱数更新処理(ステップS63)の前に割込みを許可する(ステップS
66)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優
先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされるこ
とで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
同様に、性能表示編集処理(ステップS65)の前に割込みを禁止する(ステップS6
4)ことによって、タイマ割込みに優先して性能表示編集処理が実行されるようになり、
性能表示編集処理が圧迫されるのを回避することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主
制御手段からの指示にしたがい種々の制御をおこなう従制御手段(払出制御装置200、
演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時におい
て、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御手段の起動を待つための所定の待機時間を設
定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監
視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電
の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御
装置100)は、所定期間にわたり停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと
判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、
外部からの操作が可能な初期化操作部(RAM初期化スイッチ112)と、初期化操作部
が操作されたことにもとづきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段
(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化操作部の操作状態を待機時間の開始前に
読み込むようにしていることとなる。
なお、遊技制御装置100は、データ異常時の初期化の処理(第1初期化処理)と、初
期化操作時の初期化の処理(第2初期化処理)とを区別して実行する機能(第1初期化手
段、第2初期化手段)を有するため、状況に応じた最適かつ無駄のない初期化の処理が実
現できる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、
外部からの操作が可能な設定操作部(設定値変更スイッチ126、設定キースイッチ12
7)と、設定操作部が操作されたことにもとづきRAM111Cに記憶された設定値を変
更する設定変更手段(遊技制御装置100)とを備えることで設定変更を可能にするとと
もに、設定表示部(確率設定値表示装置136)を備えることで設定(設定値)を確認可
能にしている。また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM
111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、RAM(RAM111C)へのアクセス
を禁止(ステップS47)してすべての処理の実行停止を待機する停電発生時待機処理(
ステップS47の後のループ)と、RAM(RAM111C)へのアクセスを許可(ステ
ップS17)しながらすべての処理の実行停止を待機するRAM異常時待機処理(ステッ
プS31、ステップS32のループ)と、を実行可能にしている。
ここで、停電発生時待機処理とRAM異常時待機処理について説明する。停電発生時待
機処理は、メイン処理のステップS47でRAMへのアクセスを禁止された後に実行され
て、すべての処理の実行停止を待機するループ処理である。また、停電発生時待機処理は
、メイン処理のステップS41で割込みを禁止された後に実行されることから、NMI割
込みでない割込み(タイマ割込み)が禁止される。なお、停電発生時待機処理は、NMI
割込みについて割込みを禁止することができないことからNMI割込みが発生し得る。た
だし、停電発生時待機処理は、停電発生時に実行される処理であることから、当該処理の
実行中にNMI割込みが発生する危険が小さい。また、停電発生時待機処理は、異常報知
を伴わない待機処理である。これにより、遊技機10は、電源遮断までの電力を停電処理
に振り向けることができる。なお、遊技機10は、停電発生時待機処理にRAMへのアク
セスを禁止することで、不安定な電圧によりRAMの記憶内容が変化する危険を低減して
いる。
RAM異常時待機処理は、メイン処理のステップS17でRAM(RWM)へのアクセ
スを許可された後に実行されて、すべての処理の実行停止を待機するループ処理である。
また、RAM異常時待機処理は、メイン処理のステップS1で割込みを禁止された後に実
行されることから、NMI割込みでない割込み(タイマ割込み)が禁止される。なお、停
電発生時待機処理は、NMI割込みについて割込みを禁止することができないことからN
MI割込みが発生し得る。RAM異常時待機処理は、電源遮断を待つ処理であることから
、当該処理の実行中にNMI割込みが発生する危険が停電発生時待機処理よりも大きい。
しかしながら、RAM異常時待機処理は、NMI割込みが発生してもRAMへのアクセス
が許可されていることから戻りアドレスをRAMに格納可能であって、NMI割込み発生
によるプログラム暴走の危険が小さい。また、遊技機10は、ステップS30においてメ
イン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信することから、RAM異常時
待機処理の実行中に、演出制御装置300による異常報知を並行しておこなうことができ
る。これにより、遊技機10は、速やかな再起動が期待できる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、遊技制御装置100のタイマ割込み処理について図11を用いて説明する。図1
1は、第1の実施形態のタイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。このタイマ
割込み処理は、上述のメイン処理において、割込み許可が出てから割込みが禁止されるま
での間(ステップS38からステップS41まで、ステップS38からステップS55ま
で、ステップS66からステップS64まで、ステップS66からステップS41まで)
に生じる割込み処理である。タイマ割込み処理は、CPU111Aが実行する処理である
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイ
マ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111に
おいて、タイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、タイマ割込み処
理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS7
1)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(たとえば、メイン処理で
使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理をおこなっ
たのと同等になる。次に、所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)にRAM先頭アドレス
の上位アドレスをセットする(ステップS72)。ステップS72では、メイン処理にお
けるステップS4と同じ処理をおこなっているが、レジスタバンクが異なる。
次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、すなわち、各入力ポート
の状態を読み込む入力処理(ステップS73)をおこなう。ステップS74では、制御部
は、設定変更モード中フラグと設定確認モード中フラグとを参照し、設定変更モード中ま
たは設定確認モード中であるか否かを判定する。制御部は、設定変更モード中または設定
確認モード中である場合にステップS75に進み、設定変更/確認処理を実行し、タイマ
割込み処理を終了する。設定変更/確認処理については、図12を用いて後で説明する。
一方、制御部は、設定変更モード中または設定確認モード中のいずれでもない場合にステ
ップS76に進む。
ステップS76では、制御部は、各種処理でセットされた出力データにもとづき、ソレ
ノイド(大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動
制御等をおこなうための出力処理を実行する。
なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理
がおこなわれることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な
状態とされる。この発射許可信号は、払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される
。その際、信号の加工等はおこなわれない。また、当該発射許可信号は、遊技制御装置1
00から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置200から見た発射
許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置200内で生成され、発射
制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、
両者がともに発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成され
ている。
次に、制御部は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置20
0に出力する払出コマンド送信処理(ステップS77)、乱数更新処理1(ステップS7
8)、乱数更新処理2(ステップS79)を実行する。ここで、乱数更新処理1は、初期
値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図
柄乱数の初期値(スタート値)を更新するための処理である。また、乱数更新処理2は、
特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱
数を更新する処理である。なお、乱数更新処理1、あるいは乱数更新処理1に加えて乱数
更新処理2は、設定変更中の乱数更新の停止や更新周期の変更をおこなうようにしてもよ
い。
次に、制御部は、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートス
イッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a、特定領域スイッチ38
eから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放
されていないか等)をおこなう入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS80)をおこ
なう。また、始動口1スイッチ36aおよび始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始
動口スイッチ監視処理(ステップS81)をおこなう。なお、始動口スイッチ監視処理で
は、第1始動入賞口をなす始動入賞口36、または第2始動入賞口をなす普通変動入賞装
置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数等)の抽出をおこない、特図変動
表示ゲームの開始前の段階で当該入賞にもとづく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前
判定をおこなう。
次に、制御部は、特図1変動表示ゲームに関する処理をおこなう特図1ゲーム処理(ス
テップS82)、特図2変動表示ゲームに関する処理をおこなう特図2ゲーム処理(ステ
ップS83)、普図変動表示ゲームに関する処理をおこなう普図ゲーム処理(ステップS
84)を実行する。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表
示するセグメントLED(たとえば、一括表示装置50の特図1図柄表示部53等のLE
D)を所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS85
)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理をおこなう
磁石不正監視処理(ステップS86)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして
異常がないか判定する処理をおこなう盤電波不正監視処理(ステップS87)をおこなう
。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処
理(ステップS88)、性能表示装置制御処理(ステップS89)をおこなって、タイマ
割込み処理を終了する。
ここで、第1の実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許
可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を
指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的におこな
われる。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバ
ンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔メイン処理〕
次に、演出制御装置300のメイン処理を図12を用いて説明する。図12は、第1の
実施形態の演出制御装置におけるメイン処理のフローチャートを示す図である。
メイン処理は、パチンコ機1の電源供給が開始された時点で演出制御装置300の制御
部(CPU311)によって実行される処理である。
[ステップD11]制御部は、割込みを禁止する。
[ステップD12]制御部は、CPU311の初期設定をおこなう。
[ステップD13]制御部は、VDP312の初期設定をおこなう。
[ステップD14]制御部は、割込みを許可する。
[ステップD15]制御部は、表示用データ生成を許可する。すなわち、制御部は、V
DP312内の表示回路(図示省略)がVDP312内のVRAM(図示省略)へアクセ
スをおこない、表示データを生成することを許可する。
[ステップD16]制御部は、乱数シードを設定する。これは、たとえばsrand関
数を用いて擬似乱数の発生系列を設定する処理である。ここで、制御部は、srand関
数に与える引数として0(ゼロ)等の固定値を使用してもよいし、遊技機ごとに異なるよ
うにCPU等のID値等を基に作成した値を使用してもよい。
[ステップD17]制御部は、演出制御装置300のRWM(たとえばRAM322)
における初期化すべき領域(たとえば、演出用フラグ領域(当該演出制御装置300の制
御処理において後述する各種のフラグとして使う記憶領域))に電源投入時の初期値をセ
ーブする。
[ステップD18]制御部は、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)をクリアする。
[ステップD19]制御部は、演出ボタン入力処理を実行する。演出ボタン入力処理は
、演出ボタン(選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25b)が有効時に
操作された場合の編集をおこなう処理である。なお、演出ボタンは高速でオンオフしない
ので、制御部は、演出ボタンの入力を感知する処理を演出ボタン入力処理内でおこなって
もよいし、図示していない短周期のタイマ割込み内でおこなってもよい。
[ステップD20]制御部は、ホール・遊技者設定モード処理を実行する。ホール・遊
技者設定モード処理は、LEDや表示装置41の輝度、音量等の変更可能範囲の設定や、
遊技者によるLEDや表示装置41の輝度、音量の変更等の操作を受け付ける処理である
[ステップD21]制御部は、乱数更新処理を実行する。乱数更新処理は、たとえばr
and関数を用いてメイン処理の制御周期ごとに少なくとも1回の擬似乱数の更新をおこ
なう処理である。rand関数は、再計算がおこなわれる度に指定の生成系列にもとづい
て乱数を生成するので、制御部は、rand関数を実行するだけで乱数を得ることができ
る。なお、主基板(遊技制御装置100)のように「1」ずつインクリメントするカウン
タを乱数として用いてもよい。
[ステップD22]制御部は、受信コマンドチェック処理を実行する。受信コマンドチ
ェック処理は、遊技制御装置100から受信したコマンドを所定数単位で解析する処理で
ある。
[ステップD23]制御部は、演出表示編集処理を実行する。演出表示編集処理は、V
DP312に表示装置41での描画内容を指示するための各種コマンドとそのパラメータ
の設定をおこなう処理である。たとえば、制御部は、演出表示編集処理においてコマンド
をテーブル状に設定する。
[ステップD24]制御部は、描画コマンド準備終了設定を実行する。描画コマンド準
備終了設定は、演出表示編集処理で設定されるVDP312へのすべてのコマンドの準備
が終了したことを設定する処理である。
[ステップD25]制御部は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定し、フレー
ム切替タイミングであればステップD26に進み、フレーム切替タイミングでなければフ
レーム切替タイミングを待つ。ここで、フレーム切替タイミングは、Vブランク割込み(
Vシンク割込みともいう)の周期(たとえば1/60秒)を基に作成された処理周期(た
とえば1/30秒≒33.333ms)に相当する時間的間隔で到来するタイミングであ
る。なお、Vブランク割込みは、VDP312によって描画のための画面全体の1回の走
査が終了する度に発生する。このVブランク割込みの発生周期は、前述したように、たと
えば1/60秒である。本実施例の場合、同じ描画が2回繰り返されてVブランク割込み
が2回発生するとフレーム切替がおこなわれ、フレーム切替タイミングの周期は、Vブラ
ンク割込みの周期(たとえば1/60秒)の2倍(たとえば1/30秒≒33.33ms
)になる。但し、この態様に限られず、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能で
あり、たとえば、1/30秒以上の周期でフレーム切替(画像の更新)をおこなってもよ
いし、1/30秒未満の周期でフレーム切替をおこなってもよい。
フレーム切替タイミングの判定処理によって、これより後の処理(ステップD26乃至
ステップD30、およびその後のステップD18乃至ステップD24)は、このフレーム
切替タイミングで上記処理周期ごとに実行される。なお、演出内容と同期する必要のある
時間管理は、このフレーム単位(即ち、上記処理周期単位)でおこなわれる。上記処理周
期が、1/30秒の場合、たとえば3フレームでは100msになる。このことは、主基
板(遊技制御装置)がタイマ割込み周期の4ms単位で時間値管理しているのと同様であ
る。
[ステップD26]制御部は、ステップD23で設定したコマンドにしたがいVDP3
12に画面描画を指示する。たとえば、制御部は、テーブル状に設定したコマンドを順次
送信して、VDP312に画面描画を指示する。
[ステップD27]制御部は、サウンド制御処理を実行する。サウンド制御処理は、ス
ピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の音量制御に関する処理であ
る。
[ステップD28]制御部は、装飾制御処理を実行する。装飾制御処理は、盤装飾装置
46や枠装飾装置18等の各種LED等を制御する処理である。
[ステップD29]制御部は、可動体制御処理を実行する。可動体制御処理は、各種モ
ータやSOL(ソレノイド)を含む可動体(たとえば、盤演出装置44)を制御する処理
である。
[ステップD30]制御部は、発射情報制御処理を実行する。発射情報制御処理は、発
射状態フラグにもとづいて、発射関連情報を設定するとともに、特図回転状態(所定金額
分(即ち所定貸球数分)の遊技あたりの特図変動回数)に応じた演出のモード補正をおこ
なう処理である。
[ステップD31]制御部は、情報開示処理を実行する。情報開示処理は、遊技者に対
して遊技性能に関する性能情報を開示する処理である。
制御部は、ステップD31を実行した後にステップD18に戻り、以降、ステップD1
8乃至ステップD31の処理を繰り返し実行する。即ち、ステップD18乃至ステップD
31は、演出制御装置300の起動後に上記処理周期で繰り返し実行されるループ処理(
場合によりメインループ処理という)を構成している。
なお、制御部は、画面の演出に合わせるためメインループ処理内でステップD27乃至
ステップD29の処理を実行しているが、これら制御処理で生成または設定された信号や
データ(特に各種LEDやモータを駆動制御する信号等)を実際にポートに出力する処理
は、図示していない短周期のタイマ割込み内でおこなわれる。ただし、各種デバイスの制
御に特化したICを使用している場合は、シリアル通信等で指示するだけで、タイマ割込
みで信号等の出力をおこなわない場合もある。
次に遊技機10が客待ち状態(客待ちデモ画面を表示する状態)においておこなう客待
ち演出について図13を用いて説明する。なお、遊技機10は、遊技状態(制御状態が普
段処理中である状態)において保留記憶(保留中の始動記憶)が「0」になると、直前の
変動表示ゲームの演出の音量を徐々にフェードアウトさせていき、音量のフェードアウト
完了後(所定時間経過後)に客待ち状態に制御状態を移行する。なお、客待ち状態は、遊
技者の遊技開始を待ち受ける状態であって、遊技に関する設定を設定変更可能(設定変更
を受付可能)な状態である。遊技に関する設定としては、音量や輝度等の演出効果がある
図13は、第1の実施形態における遊技機の客待ち演出の演出構成の一例を示す図であ
る。図13に示す客待ち演出の演出構成は、1周期分の演出構成を示す。1周期の客待ち
演出は、重複しないように設定された第1区間(第1期間)から第5区間(第5期間)ま
での5つの区間で構成されている。すなわち、遊技機10は、第5区間の演出を終了した
後、次の周期を開始(再度、第1区間の演出を開始)する。なお、以下では1周期目と2
周期目以降が同じ演出構成であるものとして説明するが異なっていてもよい。たとえば、
2周期目以降は第2区間から第5区間の演出をおこなうようにしてもよい。
第1区間は、図柄を表示(報知)する区間である。図柄の表示は、表示(報知)の優先
度(報知の重要度)が低く設定されている。そのため、図柄の表示をおこなう第1区間で
は、設定中の設定値や、設定値の変更方法を表示(案内)する設定表示(案内表示)がデ
フォルト状態(非操作状態,非設定状態,非受付状態)および操作状態(設定変更操作の
受付状態)で表示されるよう構成されている。なお、設定表示および図柄を表示する表示
画面の画面例については図21を用いて後で説明する。
第2区間は、機種名を表示する区間である。機種名の表示は、表示の優先度が高く設定
されている。そのため、機種名の表示をおこなう第2区間では、機種名の表示の視認性を
確保できる(報知効果の低減を抑止できる)ように設定表示がデフォルト状態では非表示
となり、操作状態で(設定変更操作(オプション設定部25の操作)がおこなわれる場合
に)設定表示が表示されるよう構成されている。なお、機種名を表示する表示画面の画面
例については図22を用いて後で説明する。
第3区間は、客待ちムービーを表示する区間である。客待ちムービーとしては、たとえ
ば、遊技説明をおこなうムービーなどがある。客待ちムービーの表示は、表示の優先度が
高く設定されている。そのため、客待ちムービーの表示をおこなう第3区間では、客待ち
ムービーの表示の視認性を確保できるように設定表示がデフォルト状態では非表示となり
、操作状態(設定変更操作の受付状態)で設定表示が表示されるよう構成されている。な
お、客待ちムービーを表示する表示画面の画面例については図23を用いて後で説明する
第4区間は、メーカーロゴ(企業名)を表示する区間である。メーカーロゴの表示は、
表示の優先度が高く設定されている。そのため、メーカーロゴの表示をおこなう第4区間
では、メーカーロゴの表示の視認性を確保できるように設定表示がデフォルト状態では非
表示となり、操作状態で設定表示が表示されるよう構成されている。なお、メーカーロゴ
を表示する表示画面の画面例については図24を用いて後で説明する。
第5区間は、注意喚起を表示する区間である。注意喚起は、遊技者に所定の注意を喚起
する表示であり、メッセージやピクトグラム、アニメーション等により表現される。たと
えば、注意喚起内容には、のめり込み防止やプリペイドカードの取り忘れ防止等がある。
注意喚起の表示は、表示の優先度が高く設定されている。そのため、注意喚起の表示をお
こなう第5区間では、注意喚起の表示の視認性を確保できるように設定表示がデフォルト
状態では非表示となり、操作状態で設定表示が表示されるよう構成されている。なお、注
意喚起を表示する表示画面の画面例については図25を用いて後で説明する。
以上が客待ち演出の演出構成の一例である。このように遊技機10は、表示の優先度が
高い表示内容である場合に、デフォルトで設定表示を非表示とし、表示の優先度が低い表
示内容である場合にのみデフォルトで設定表示を表示している。これによれば遊技機10
は、表示の優先度が高い表示内容の視認性を確保できる(報知効果の低減を抑止できる)
また、遊技機10は、設定表示がデフォルト状態で表示される区間(表示されない区間
)が周期内で連続するように1周期の客待ち演出を構成している。これによれば遊技機1
0は、設定表示の表示/非表示の切り替えが頻繁に生じて、表示が煩雑となるのを抑止で
きる。
なお、上記演出構成は一例であってこれに限らない。たとえば、各区間の表示の優先度
を上記構成例と異なるように設定してもよいし、上記以外の表示内容を表示する区間を設
けてもよいし、各区間の順番を入れ替えて設定してもよいし、一部区間を除外してもよい
。なお、区間数は「5」に限らず、「2」以上であればよい。
ここで客待ち演出の演出構成の変形例について図14,15を用いて説明する。図14
は、第1の実施形態における遊技機の客待ち演出の演出構成の変形例を示す図(その1)
である。図15は、第1の実施形態における遊技機の客待ち演出の演出構成の変形例を示
す図(その2)である。
図14(1)に示す客待ち演出の演出構成は、1周期分の演出構成の変形例を示す。1
周期の客待ち演出は、第1区間から第4区間までの4つの区間で構成されている。すなわ
ち、遊技機10は、第4区間の演出を終了した後、次の周期を開始(再度、第1区間の演
出を開始)する。
第1区間は、図柄を表示する区間である。図柄の表示は、表示の優先度が低く設定され
ている。そのため、図柄の表示をおこなう第1区間では、設定表示がデフォルト状態およ
び操作状態で表示されるよう構成されている。
第2区間は、客待ちムービーを表示する区間である。客待ちムービーの表示は、表示の
優先度が低く設定されている。そのため、客待ちムービーの表示をおこなう第2区間では
、設定表示がデフォルト状態および操作状態で表示されるよう構成されている。
第3区間は、機種名を表示する区間である。機種名の表示は、表示の優先度が高く設定
されている。そのため、機種名の表示をおこなう第3区間では、機種名の表示の視認性を
確保できるように設定表示がデフォルト状態では非表示となり、操作状態で設定表示が表
示されるよう構成されている。
第4区間は、メーカーロゴを表示する区間である。メーカーロゴの表示は、表示の優先
度が高く設定されている。そのため、メーカーロゴの表示をおこなう第4区間では、メー
カーロゴの表示の視認性を確保できるように設定表示がデフォルト状態では非表示となり
、操作状態で設定表示が表示されるよう構成されている。
このように遊技機10は、表示の優先度が高い表示内容である場合に、デフォルトで設
定表示を非表示とし、表示の優先度が低い表示内容である場合にのみデフォルトで設定表
示を表示している。これによれば遊技機10は、表示の優先度が高い表示内容の視認性を
確保できる。
また、遊技機10は、設定表示がデフォルト状態で表示される区間(表示されない区間
)が周期内で連続するように1周期の客待ち演出を構成している。これによれば遊技機1
0は、設定表示の表示/非表示の切り替えが頻繁に生じて、表示が煩雑となるのを抑止で
きる。
図14(2)に示す客待ち演出の演出構成は、1周期分の演出構成の変形例を示す。1
周期の客待ち演出は、第1区間から第5区間までの5つの区間で構成されている。すなわ
ち、遊技機10は、第5区間の演出を終了すると、次の周期を開始(再度、第1区間の演
出を開始)することとなる。
第1区間は、図柄を表示する区間である。図柄の表示は、表示の優先度が低く設定され
ている。そのため、図柄の表示をおこなう第1区間では、設定表示がデフォルト状態およ
び操作状態で表示されるよう構成されている。
第2区間は、メーカーロゴを表示する区間である。メーカーロゴの表示は、表示の優先
度が低く設定されている。そのため、メーカーロゴの表示をおこなう第2区間では、設定
表示がデフォルト状態および操作状態で表示されるよう構成されている。
第3区間は、客待ちムービーを表示する区間である。客待ちムービーの表示は、表示の
優先度が低く設定されている。そのため、客待ちムービーの表示をおこなう第3区間では
、設定表示がデフォルト状態で表示されるよう構成されている。
第4区間は、機種名を表示する区間である。機種名の表示は、表示の優先度が高く設定
されている。そのため、機種名の表示をおこなう第4区間では、機種名の表示の視認性を
確保できるように設定表示がデフォルト状態では非表示となり、操作状態で設定表示が表
示されるよう構成されている。
第5区間は、注意喚起を表示する区間である。注意喚起の表示は、表示の優先度が高く
設定されている。そのため、注意喚起の表示をおこなう第5区間では、注意喚起の表示の
視認性を確保できるように設定表示がデフォルト状態では非表示となり、操作状態で設定
表示が表示されるよう構成されている。
このように遊技機10は、表示の優先度が高い表示内容である場合に、デフォルトで設
定表示を非表示とし、表示の優先度が低い表示内容である場合にのみデフォルトで設定表
示を表示している。これによれば遊技機10は、表示の優先度が高い表示内容の視認性を
確保できる。
また、遊技機10は、設定表示がデフォルト状態で表示される区間(表示されない区間
)が周期内で連続するように1周期の客待ち演出を構成している。これによれば遊技機1
0は、設定表示の表示/非表示の切り替えが頻繁に生じて、表示が煩雑となるのを抑止で
きる。
図15(1)に示す客待ち演出の演出構成は、第1区間から第4区間までの4つの区間
で構成されている。すなわち、遊技機10は、第4区間の演出を終了した後、次の周期を
開始(再度、第1区間の演出を開始)する。
第1区間は、図柄を表示する区間である。図柄の表示は、表示の優先度が低く設定され
ている。そのため、図柄の表示をおこなう第1区間では、設定表示がデフォルト状態およ
び操作状態で表示されるよう構成されている。
第2区間は、機種名を表示する区間である。機種名の表示は、表示の優先度が高く設定
されている。そのため、機種名の表示をおこなう第2区間では、機種名の表示の視認性を
確保できるように設定表示がデフォルト状態では非表示となり、操作状態で設定表示が表
示されるよう構成されている。
第3区間は、メーカーロゴを表示する区間である。メーカーロゴの表示は、表示の優先
度が高く設定されている。そのため、メーカーロゴの表示をおこなう第3区間では、メー
カーロゴの表示の視認性を確保できるように設定表示がデフォルト状態では非表示となり
、操作状態で設定表示が表示されるよう構成されている。
第4区間は、客待ちムービーを表示する区間である。客待ちムービーの表示は、表示の
優先度が低く設定されている。そのため、客待ちムービーの表示をおこなう第4区間では
、設定表示がデフォルト状態および操作状態で表示されるよう構成されている。
このように遊技機10は、表示の優先度が高い表示内容である場合に、デフォルトで設
定表示を非表示とし、表示の優先度が低い表示内容である場合にのみデフォルトで設定表
示を表示している。これによれば遊技機10は、表示の優先度が高い表示内容の視認性を
確保できる。
また、遊技機10は、客待ち演出を構成する設定表示がデフォルト状態で表示される区
間(表示されない区間)が繰り返し客待ち演出をおこなった場合に連続するように構成し
ている。これによれば遊技機10は、設定表示の表示/非表示の切り替えが頻繁に生じて
、表示が煩雑となるのを抑止できる。
図15(2)に示す客待ち演出の演出構成は、第1区間から第4区間までの4つの区間
で構成されている。すなわち、遊技機10は、第4区間の演出を終了した後、次の周期を
開始(再度、第1区間の演出を開始)する。
第1区間は、図柄を表示する区間である。図柄の表示は、表示の優先度が低く設定され
ている。そのため、図柄の表示をおこなう第1区間では、設定表示がデフォルト状態およ
び操作状態で表示されるよう構成されている。
第2区間は、客待ちムービーを表示する区間である。客待ちムービーの表示は、表示の
優先度が低く設定されている。そのため、客待ちムービーの表示をおこなう第2区間では
、設定表示がデフォルト状態および操作状態で表示されるよう構成されている。
第3区間は、機種名を表示する区間である。機種名の表示は、表示の優先度が高く設定
されている。そのため、機種名の表示をおこなう第3区間では、機種名の表示の視認性を
確保できるように設定表示がデフォルト状態では非表示となり、操作状態で設定表示が表
示されるよう構成されている。
第4区間は、メーカーロゴを表示する区間である。メーカーロゴの表示は、表示の優先
度が最も高く設定されている。そのため、メーカーロゴの表示をおこなう第4区間では、
メーカーロゴの表示の視認性を確保できるように設定表示がデフォルト状態および操作状
態で非表示となるよう構成されている。なお、この区間においても遊技機10は、操作状
態において設定変更を受付可能とすることができる。たとえば、この区間では遊技機10
は、設定変更操作による変更内容を変更音(変更内容を報知する音)によって報知するこ
とで、変更内容を把握可能にする。
このように遊技機10は、表示の優先度が「高」および「最高」の表示内容である場合
に、デフォルトで設定表示を非表示とし、表示の優先度が「低」の表示内容である場合に
のみデフォルトで設定表示を表示し、さらには、表示の優先度が「最高」の表示内容であ
る場合には操作状態でも設定表示を非表示としている。これによれば遊技機10は、表示
の優先度が高い表示内容の視認性を確保できる。
また、遊技機10は、設定表示がデフォルト状態および操作状態で表示される区間(第
1区間、第2区間)、操作状態でのみ表示される区間(第3区間)、デフォルト状態でも
操作状態でも表示されない区間(第4区間)がそれぞれ周期内で連続するように1周期の
客待ち演出を構成している。これによれば遊技機10は、設定表示の表示/非表示の切り
替えが頻繁に生じて、表示が煩雑となるのを抑止できる。
次に、客待ち状態において設定変更操作(設定変更)がおこなわれた場合における設定
表示の表示状態の切り替え(デフォルト状態と操作状態との切り替え)について図16を
用いて説明する。図16は、第1の実施形態における設定表示の表示状態の切り替えの一
例を説明する図である。
図16は、第2区間の途中において設定変更操作(オプション設定部25の操作)を検
出し、第3区間に設定変更操作(オプション設定部25の操作)の終了を検出した場合の
表示状態の切り替えの一例を示している。
遊技機10は、第2区間の途中に設定変更操作を検出すると、設定表示の表示状態をデ
フォルト状態(非操作状態)から操作状態へと切り替える。その後、遊技機10は、第3
区間において設定変更操作の終了を検出すると、当該設定変更操作の終了を検出した周期
の終了(第5区間)まで設定表示の表示状態を操作状態として継続した後、次周期から設
定表示の表示状態を操作状態からデフォルト状態へと復帰(操作状態を終了)させる。
以上が、遊技者によって設定変更操作がされた場合の設定表示の表示状態の切り替えの
一例である。このように遊技機10は、周期の途中(たとえば、第3区間)で設定変更操
作の終了を検出した場合であっても、周期の終わりまで表示状態を操作状態とすることで
、設定表示の表示/非表示の切り替えが頻繁に生じて、表示が煩雑となるのを抑止できる
なお、遊技機10は、たとえば、遊技者によるオプション設定部25を用いた所定の操
作を受け付けた場合に設定変更操作が終了したと検出してもよいし、最後の操作から所定
時間操作がない場合に設定変更操作が終了したと検出してもよい。なお、遊技機10は、
次周期から設定表示の表示状態を操作状態からデフォルト状態へと復帰(操作状態を終了
)させるとしたがこれに限らない。たとえば、遊技機10は、次周期のデフォルト状態で
非表示となる区間(第2区間)から設定表示の表示状態を操作状態からデフォルト状態へ
と復帰させてもよい。
なお、上記デフォルト状態と非操作状態との切り替えは一例であってこれに限らない。
ここで遊技者によって設定変更操作がされた場合の設定表示の表示状態の切り替えの変形
例について図17~20を用いて説明する。
図17は、第1の実施形態における設定表示の表示状態の切り替えの変形例を説明する
図(その1)である。図18は、第1の実施形態における設定表示の表示状態の切り替え
の変形例を説明する図(その2)である。図19は、第1の実施形態における設定表示の
表示状態の切り替えの変形例を説明する図(その3)である。図20は、第1の実施形態
における設定表示の表示状態の切り替えの変形例を説明する図(その4)である。
図17は、第2区間の途中において設定変更操作を検出し、第3区間に設定変更操作の
終了を検出した場合の表示状態の切り替えの変形例を示している。
遊技機10は、第2区間の途中に設定変更操作を検出すると、設定表示の表示状態をデ
フォルト状態から操作状態へと切り替える。その後、遊技機10は、第3区間において設
定変更操作の終了を検出すると、即座に設定表示の表示状態を操作状態からデフォルト状
態へと復帰させる。
このように遊技機10は、周期の途中(たとえば、第3区間)で設定変更操作の終了を
検出した場合に、その時点で設定表示の表示状態をデフォルト状態へと復帰させることで
表示の優先度が高い表示内容の視認性が低下するのを抑止できる。
図18は、第2区間の途中において設定変更操作を検出し、第3区間に設定変更操作の
終了を検出した場合の表示状態の切り替えの変形例を示している。
遊技機10は、第2区間の途中に設定変更操作を検出すると、設定表示の表示状態をデ
フォルト状態から操作状態へと切り替える。その後、遊技機10は、第3区間において設
定変更操作の終了を検出すると、予め設定した所定の猶予期間を経た(再設定の猶予を与
えた)後、設定表示の表示状態を操作状態からデフォルト状態へと復帰させる。なお、猶
予期間は、今回周期と次回周期とを跨いでいてもよい。猶予期間は、時間単位(たとえば
5秒)でもよいし、区間単位(たとえば、今回1区間終了まで、あるいは次回1区間終了
まで等)でもよい。
このように遊技機10は、周期の途中(たとえば、第3区間)で設定変更操作の終了を
検出した場合に、一定の猶予期間の後に設定表示の表示状態をデフォルト状態へと復帰さ
せることで設定表示の表示/非表示の切り替えが頻繁に生じて、表示が煩雑となるのを抑
止できる。また、遊技機10は、周期の終了まで待たずに、設定表示の表示状態をデフォ
ルト状態へと復帰させることで、優先度が高い表示内容の視認性が低下するのを抑止する
ことができる。
図19は、第2区間の途中において設定変更操作を検出し、第3区間に設定変更操作の
終了を検出した場合の表示状態の切り替えの変形例を示している。
遊技機10は、第2区間の途中に設定変更操作を検出すると、設定表示の表示状態をデ
フォルト状態から操作状態へと切り替える。その後、遊技機10は、第3区間において設
定変更操作の終了を検出すると、当該設定変更操作の終了を検出した第3区間の次の区間
(第4区間)から設定表示の表示状態を操作状態からデフォルト状態へと復帰させる。
このように遊技機10は、周期の途中(たとえば、第3区間)で設定変更操作の終了を
検出した場合に、当該設定変更操作の終了を検出した次の区間で設定表示の表示状態をデ
フォルト状態へと復帰させることで、区間の途中で設定表示の表示/非表示の切り替えが
発生するのを抑止して、表示が煩雑になるのを抑止できる。また、遊技機10は、周期の
終了まで待たずに、設定表示の表示状態をデフォルト状態へと復帰させることで、優先度
が高い表示内容の視認性が低下するのを抑止できる。
図20は、第2区間の途中において設定変更操作を検出し、第3区間に設定変更操作の
終了を検出した場合の表示状態の切り替えの変形例を示している。
遊技機10は、第2区間の途中に設定変更操作を検出すると、設定表示の表示状態をデ
フォルト状態から操作状態へと切り替える。その後、遊技機10は、第3区間において設
定変更操作の終了を検出すると、予め設定した所定の猶予期間を経た後、当該猶予期間の
終了時の区間(第4区間)の次の区間(第5区間)から設定表示の表示状態を操作状態か
らデフォルト状態へと復帰させる。
このように遊技機10は、周期の途中(たとえば、第3区間)で設定変更操作の終了を
検出した場合に、一定の猶予期間の後に設定表示の表示状態をデフォルト状態へと復帰さ
せることで設定表示の表示/非表示の切り替えが頻繁に生じて、表示が煩雑となるのを抑
止できる。また、遊技機10は、猶予期間が終了した次の区間で設定表示の表示状態をデ
フォルト状態に対応する表示状態へと復帰させることで、区間の途中で設定表示の表示/
非表示の切り替えが発生するのを抑止して、表示が煩雑になるのを抑止できる。また、遊
技機10は、周期の終了まで待たずに、設定表示の表示状態をデフォルト状態へと復帰さ
せることで、表示の優先度が高い表示内容の視認性が低下するのを抑止できる。
なお、遊技機10は、操作終了を検出した区間(時点)が、デフォルト状態において設
定表示を表示する区間であるか非表示とする区間であるかによってデフォルト状態への復
帰の仕方を変化させてもよい。
たとえば、遊技機10は、操作終了を検出した区間が第1区間である場合(操作終了を
検出した区間がデフォルト状態において設定表示を表示する区間である場合)には、即座
に設定表示の表示状態をデフォルト状態へと復帰させ、操作終了を検出した区間が第1区
間以外である場合(操作終了を検出した区間がデフォルト状態において設定表示を非表示
とする区間である場合)には、設定表示の表示状態を周期終了時にデフォルト状態へと復
帰させるようにしてもよい。
次に客待ち演出を構成する各演出の画面例について説明する。まず、図柄を表示する表
示画面の画面例について図21を用いて説明する。図21は、第1の実施形態における表
示装置の表示画面の一例を示す図(その1)である。
図21(1)に示す表示画面500は、表示内容として図柄を表示するとともに、設定
表示を非表示としている状態の画面例である。
表示画面500は、2組の飾り図柄と、特図1保留数表示503と、特図2保留数表示
504と、保留表示505と、保留消化表示506を表示内容に含む。
2組の飾り図柄は、第1飾り図柄として大図柄群501と、第2飾り図柄として小図柄
群502とがある。大図柄群501は、興趣向上を目的として遊技演出を担当する。その
ため、大図柄群501は、表示装置41の略中央部に大きく表示される。大図柄群501
は、左図柄501Lと中図柄501Cと右図柄501Rとを含む。表示画面500の左図
柄501Lと中図柄501Cと右図柄501Rは、いずれも停止しており、対応する特図
変動表示ゲームが図柄停止状態であることを示す。表示画面500における左図柄501
Lと中図柄501Cと右図柄501Rの図柄組み合わせは、前回変動表示ゲームの結果で
ある。なお、左図柄501Lと中図柄501Cと右図柄501Rの図柄組み合わせは、所
定の図柄組み合わせに差し替えられたものであってもよい。
一般に、大図柄群501は、左図柄501L、右図柄501R、中図柄501Cの順に
変動を開始し、左図柄501L、右図柄501R、中図柄501Cの順に停止(仮停止を
含む)する。そのため、大図柄群501は、多くの場合において、左図柄501Lと右図
柄501Rとでリーチ態様を形成し、中図柄501Cの停止を待って大当り態様を形成可
能にする。
大図柄群501を構成する図柄(左図柄501Lと中図柄501Cと右図柄501R)
は、主として意匠性の高い装飾図柄による。
小図柄群502は、遊技者の遊技状態把握の容易性向上を目的として変動表示状態の報
知を担当する。そのため、小図柄群502は、大図柄群501による表示演出を邪魔せず
視認性を確保するように表示装置41の周縁部に小さく表示される。小図柄群502は、
左図柄と中図柄と右図柄とを含む。表示画面500の小図柄群502における左図柄と中
図柄と右図柄は、いずれも停止しており、対応する特図変動表示ゲームが図柄停止状態で
あることを示す。
一般に、大図柄群501は、小図柄群502と比較して、大きく表示され、表示位置の
自由度が高く、またその表示態様が大きく変化可能である。反対に、小図柄群502は、
大図柄群501と比較して、小さく表示され、表示位置の自由度が低い(たとえば位置固
定)。
これらによって遊技機10は、大図柄群501について表示演出の多様性を確保しなが
ら小図柄群502について視認性を確保し、遊技者の遊技状態把握を容易にすることがで
きる。
特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数(始動記憶数)を表示する。た
とえば、特図1ゲームの保留記憶は、始動入賞口36への入賞を契機にして生じる。特図
2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数を表示する。たとえば、特図2ゲーム
の保留記憶は、普通変動入賞装置37への入賞を契機にして生じる。
保留表示505は、その表示態様により、特図変動表示ゲームの保留記憶数(保留して
いる始動記憶の数)を明示するとともに、保留記憶ごとのゲーム結果に対する期待度を報
知できる。保留表示505が表示する保留記憶数は、遊技状態に応じて、特図1保留数表
示503が表示する保留記憶数、または特図2保留数表示504が表示する保留記憶数の
いずれか、または双方の合計数に相当する。
なお、保留表示505が表示する保留記憶数は、「0」から「8」までの値とし、これ
を超える保留記憶数を表示対象外とする。遊技機10は、保留表示505が一部または全
部の保留記憶を表示対象外としても、特図1保留数表示503と特図2保留数表示504
とによって正確な保留記憶数の表示を担保できる。
保留消化表示506は、その表示態様により、特図変動表示ゲームが変動表示状態にあ
ることを示すとともにゲーム結果に対する期待度を報知できる。すなわち、遊技機10は
、保留表示505と保留消化表示506とを用いて保留予告演出をおこなうことができる
。保留予告演出は、保留表示505と保留消化表示506とを用いておこなう先読み演出
の一態様である。
表示画面500は、客待ち状態であることから(特図1保留数表示503が示す特図1
ゲームの保留記憶数が「0」であり、特図2保留数表示504が示す特図2ゲームの保留
記憶数が「0」であることから)、保留表示505が示す保留記憶数は「0」である。ま
た、表示画面500は、客待ち状態であることから保留消化表示506により特図変動表
示ゲームが図柄停止中であることを示す。
また、遊技機10は、大図柄群501と小図柄群502について変動表示中の変動態様
を異なるものとすることができる。たとえば、遊技機10は、大図柄群501について縦
スクロールとするとき、大図柄群501と小図柄群502との区別を容易にすることがで
きる。また、遊技機10は、大図柄群501と小図柄群502とで非同期に図柄を更新す
る場合があっても、遊技者に与える違和感を軽減できる。
図21(2)に示す表示画面510は、表示内容として図柄を表示するとともに、設定
表示を表示している状態の画面例である。
表示画面510は、表示画面500が表示していた表示内容に加え、さらに、設定表示
511を表示内容に含む。設定表示511は、設定中の設定値および設定値の変更方法を
表示する。表示画面510において設定表示511は、図柄(大図柄群501)等(表示
画面500の表示内容)の前面側に表示されている。そのため、表示画面510において
は、図柄等の視認性が設定表示511を表示しない場合(表示画面500)よりも低下し
得る状態となっている。
設定表示511は、輝度設定案内表示512,513と、輝度操作案内表示514と、
音量設定案内表示515,516と、音量操作案内表示517とを含む。
輝度設定案内表示512は、設定中の輝度がレベル4であることをランプ状のアイコン
と数値により案内する。輝度設定案内表示513は、設定中の輝度がレベル4であること
を8つのバー表示の表示態様(たとえば色彩や明度)により案内する。
輝度操作案内表示514は、オプション設定部25による輝度設定変更操作を案内する
。輝度操作案内表示514は、上下に位置するボタンスイッチ25aの表示態様と、その
他のボタンスイッチ25aの表示態様(たとえば色彩や明度)とを違えることで、オプシ
ョン設定部25の上下に位置するボタンスイッチ25aが輝度操作ボタンであることを案
内する。
音量設定案内表示515は、設定中の音量がレベル4であることをスピーカ状のアイコ
ンと数値により案内する。音量設定案内表示516は、設定中の音量がレベル4であるこ
とを8つのバー表示の表示態様(たとえば色彩や明度)により案内する。
音量操作案内表示517は、オプション設定部25による音量設定変更操作を案内する
。音量操作案内表示517は、左右に位置するボタンスイッチ25aの表示態様と、その
他のボタンスイッチ25aの表示態様(たとえば色彩や明度)とを違えることで、オプシ
ョン設定部25の左右に位置するボタンスイッチ25aが音量操作ボタンであることを案
内する。
なお、設定表示511は、透明または半透明にして背面側を視認可能にしてもよい。ま
た、遊技機10は、設定表示511を設けずに(設定表示511によって領域を明示せず
に)、輝度設定案内表示512,513と、輝度操作案内表示514と、音量設定案内表
示515,516と、音量操作案内表示517とを各々表示するようにしてもよい。
次に、機種名を表示する表示画面の画面例について図22を用いて説明する。図22は
、第1の実施形態における表示装置の表示画面の一例を示す図(その2)である。
図22(1)に示す表示画面520は、表示内容として機種名を表示するとともに、設
定表示を非表示としている状態の画面例である。
表示画面520は、機種名表示521を表示内容に含む。機種名表示521は、機種名
を表示する。表示画面520では機種名表示521は、「CR虎虎虎」を表示する。
図22(2)に示す表示画面522は、表示内容として機種名を表示するとともに、設
定表示を表示している状態の画面例である。
表示画面522は、機種名表示521と設定表示511を表示内容に含む。表示画面5
22において設定表示511は、機種名表示521の前面側に表示されている。そのため
、表示画面522においては、機種名表示521の視認性が設定表示511を表示しない
場合(表示画面520)よりも低下し得る状態となっている。
次に、客待ちムービーを表示する表示画面の画面例について図23を用いて説明する。
図23は、第1の実施形態における表示装置の表示画面の一例を示す図(その3)である
図23(1)に示す表示画面523は、表示内容として客待ちムービーを表示するとと
もに、設定表示を非表示としている状態の画面例である。
表示画面523は、客待ちムービー表示524を表示内容に含む。客待ちムービー表示
524は、客待ちムービーを表示する。表示画面523では客待ちムービー表示524は
、三台のロケットが飛行するムービー(映像)を表示する。
図23(2)に示す表示画面525は、表示内容として客待ちムービーを表示するとと
もに、設定表示を表示している状態の画面例である。
表示画面525は、客待ちムービー表示524と設定表示511を表示内容に含む。表
示画面525において設定表示511は、客待ちムービー表示524の前面側に表示され
ている。そのため、表示画面525においては、客待ちムービー表示524の視認性が設
定表示511を表示しない場合(表示画面523)よりも低下し得る状態となっている。
次に、メーカーロゴを表示する表示画面の画面例について図24を用いて説明する。図
24は、第1の実施形態における表示装置の表示画面の一例を示す図(その4)である。
図24(1)に示す表示画面526は、表示内容としてメーカーロゴを表示するととも
に、設定表示を非表示としている状態の画面例である。
表示画面526は、メーカーロゴ表示527を表示内容に含む。メーカーロゴ表示52
7は、メーカーロゴを表示する。表示画面526ではメーカーロゴ表示527は、「虎虎
虎」という企業名と、虎のようなキャラクタ(たとえば、企業のマスコットキャラクタ)
とからなるメーカーロゴ(企業ロゴ)を表示する。
図24(2)に示す表示画面528は、表示内容としてメーカーロゴを表示するととも
に、設定表示を表示している状態の画面例である。
表示画面528は、メーカーロゴ表示527と設定表示511を表示内容に含む。表示
画面528において設定表示511は、メーカーロゴ表示527の前面側に表示されてい
る。そのため、表示画面528においては、メーカーロゴ表示527の視認性が設定表示
511を表示しない場合(表示画面526)よりも低下し得る状態となっている。
次に、注意喚起を表示する表示画面の画面例について図25を用いて説明する。図25
は、第1の実施形態における表示装置の表示画面の一例を示す図(その5)である。
図25(1)に示す表示画面529は、表示内容として注意喚起を表示するとともに、
設定表示を表示している状態の画面例である。
表示画面529は、注意喚起表示530を表示内容に含む。注意喚起表示530は、「
のめりこみに気を付けよう」という注意喚起の文字と、虎のようなキャラクタを表示する
図25(2)に示す表示画面531は、表示内容として注意喚起を表示するとともに、
設定表示を表示している状態の画面例である。
表示画面531は、注意喚起表示530と設定表示511を表示内容に含む。表示画面
531において設定表示511は、注意喚起表示530の前面側に表示されている。その
ため、表示画面531においては、注意喚起表示530の視認性が設定表示511を表示
しない場合(表示画面529)よりも低下し得る状態となっている。
なお、注意喚起表示(文字部分)と設定表示511とが重なるように表示することに限
らない。たとえば、遊技機10は、設定表示511を注意喚起表示(文字部分)と重なら
ないように表示してもよい。または、遊技機10は、設定表示511と重ならない位置に
注意喚起表示(文字部分)を表示するようにしてもよい。
ところで、設定中の設定値が極端な値である場合、遊技をおこなうのに適した値に設定
し直そうとした場合に、設定の手間が大きくなってしまう場合がある。また、知らずに遊
技機10で遊技を開始した遊技者が、設定に不満を抱く恐れもある。
そこで遊技機10は、設定中の設定値を定期的に初期化する(予め設定されたデフォル
ト値に戻す)ことで、新たに遊技機10を操作する遊技者に対して標準の設定値が設定さ
れた遊技機10を提供する。ここで設定値(音量、輝度)の初期化の流れについて図26
を用いて説明する。図26は、第1の実施形態における遊技機の設定の初期化の流れを示
すタイミングチャートである。
遊技機10は、客待ち状態N周期目において輝度が「6」、音量が「4」で設定されて
いる。遊技機10は、タイミングt1にN周期目を終了し、N+1周期目を開始すると、
輝度を「6」からデフォルト値である「3」、音量を「4」からデフォルト値である「3
」に変更する。
このように遊技機10は、周期の切れ目で設定値の初期化をおこなうことで、演出の途
中で設定値が変化するのを抑止でき、違和感を低減できる。なお、遊技機10は、周期の
切れ目で初期化をおこなうことに限らず、区間の切れ目で初期化をおこなってもよい。こ
の場合でも遊技機10は、演出の途中で設定値が変化するのを抑止でき、違和感を低減で
きる。
なお、遊技機10は、初期化を1周期経過ごとにおこなってもよいし、所定周期(たと
えば、3周期)経過ごとにおこなってもよい。たとえば、所定周期経過ごとにおこなうこ
とで遊技者による設定の変更操作中に周期を跨ぐ場合において設定値が初期化されてしま
うのを抑止できる。
また遊技機10は、デフォルト値以外の設定値で客待ち状態が1周期以上経過した場合
に初期化するようにしてもよい。これによっても、遊技者による設定の変更操作中に周期
を跨ぐ場合において設定値が初期化されてしまうのを抑止できる。
以上が第1の実施形態の遊技機10である。なお、遊技機10は、客待ち状態に加えて
遊技中においても設定値を設定可能であってもよい。この場合には遊技機10は、デフォ
ルト状態(設定変更操作の受付状態ではない状態)で設定表示を非表示とし、操作状態(
設定変更操作の受付状態)で設定表示を表示としてもよいし、デフォルト状態と操作状態
とで設定表示を表示としてもよいし、デフォルト状態と操作状態とで設定表示を非表示と
してもよい。
また、遊技機10は、変動表示中と図柄停止中とで設定表示の表示/非表示の仕方を変
えてもよい。たとえば、遊技機10は、変動表示中においてはデフォルト状態で設定表示
を非表示とし、操作状態で設定表示を表示とし、図柄停止中においてはデフォルト状態と
操作状態とで設定表示を表示とする。
また、遊技機10は、音量の設定値が変更される場合に、専用の設定音(たとえば、「
ピッ」という音)で設定値の音量を報知してもよいし、演出のBGMで設定値の音量を報
知してもよい。
[第1の実施形態の変形例1]
次に第1の実施形態の変形例1について図27を用いて説明する。図27は、第1の実
施形態の変形例1における表示装置の表示画面の一例を示す図である。
図27(1)に示す表示画面532は、設定表示の表示状態がデフォルト状態において
表示内容としてメーカーロゴを表示するとともに、設定表示を表示している状態の画面例
である。
表示画面532は、メーカーロゴ表示527と、設定表示511とを表示内容に含む。
表示画面532では、設定表示511が表示画面内を適宜移動する。このように遊技機1
0は、設定表示511を適宜移動させ、設定表示511の背面側に位置するメーカーロゴ
表示527の全容を遊技者が把握可能にすることで、表示内容の視認性の低下を抑止でき
る。
図27(2)に示す表示画面533は、設定表示の表示状態が操作状態において表示内
容としてメーカーロゴを表示するとともに、設定表示を表示している状態の画面例である
。表示画面533は、表示画面532の状態において設定表示の表示状態が操作状態に切
り替わった場合の画面を示す。
表示画面533は、メーカーロゴ表示527と、設定表示511とを表示内容に含む。
表示画面533では、表示画面532において適宜移動していた設定表示511が停止し
ている。表示画面532における設定表示511の停止位置は、たとえば、デフォルト状
態から操作状態に移行したタイミング(設定変更操作を検出したタイミング)における設
定表示511の位置である。このように遊技機10は、操作状態においては適宜移動して
いた設定表示511を停止させることで、設定中における設定表示511の視認性の低下
を抑止できる。
[第1の実施形態の変形例2]
次に第1の実施形態の変形例2について図28を用いて説明する。図28は、第1の実
施形態の変形例2における表示装置の表示画面の一例を示す図である。
図28(1)に示す表示画面534は、設定表示の表示状態がデフォルト状態において
表示内容としてメーカーロゴを表示するとともに、設定表示を表示している状態の画面例
である。表示画面534は、メーカーロゴ表示527と、設定表示511とを表示内容に
含む。
遊技機10は、表示画面534において音量設定変更操作を検出すると表示画面535
を表示し、輝度設定変更操作を検出すると表示画面536を表示する。
図28(2)に示す表示画面535は、音量設定変更操作を検出した状態(音量操作状
態)の画面例である。表示画面535は、メーカーロゴ表示527と、設定表示511a
とを表示内容に含む。
設定表示511aは、音量設定案内表示515,516と、音量操作案内表示517と
を含む。すなわち、設定表示511aは、設定表示511が表示していた輝度設定案内表
示512,513と、輝度操作案内表示514と、音量設定案内表示515,516と、
音量操作案内表示517とのうち、音量に関する表示内容のみを表示する。
このように検出した設定変更操作の内容に応じた表示内容のみを設定表示511aにお
いて表示することで遊技機10は、メーカーロゴ表示527との重畳部分を減らすことが
できる。これにより遊技機10は、メーカーロゴ表示527の視認性の低下を抑止できる
遊技機10は、表示画面535において輝度設定変更操作を検出すると表示画面536
を表示し、設定変更操作の終了を検出すると表示画面534を表示する。
図28(3)に示す表示画面536は、輝度設定変更操作を検出した状態(輝度操作状
態)の画面例である。表示画面536は、メーカーロゴ表示527と、設定表示511b
とを表示内容に含む。
設定表示511bは、輝度設定案内表示512,513と、輝度操作案内表示514と
を含む。すなわち、設定表示511bは、設定表示511が表示していた輝度設定案内表
示512,513と、輝度操作案内表示514と、音量設定案内表示515,516と、
音量操作案内表示517とのうち、輝度に関する表示内容のみを含んでいる。
このように検出した設定変更操作の内容に応じた表示のみを設定表示511bにおいて
表示することで遊技機10は、メーカーロゴ表示527との重畳部分を減らすことができ
る。これにより遊技機10は、メーカーロゴ表示527の視認性の低下を抑止できる。
遊技機10は、表示画面536において音量設定変更操作を検出すると表示画面535
を表示し、設定変更操作の終了を検出すると表示画面534を表示する。
なお、設定表示がデフォルト状態で表示の場合の例を用いて説明したが設定表示がデフ
ォルト状態で設定表示が非表示の場合についても同様に、遊技機10は、検出した設定変
更操作の内容に応じた表示のみを表示するようにできる。
[第1の実施形態の変形例3]
次に第1の実施形態の変形例3について図29を用いて説明する。図29は、第1の実
施形態の変形例3における表示装置の表示画面の一例を示す図である。
図29(1)に示す表示画面537は、設定表示の表示状態がデフォルト状態において
表示内容として機種名を表示するとともに、設定表示を非表示としている状態の画面例で
ある。表示画面537は、機種名表示521を表示内容に含む。遊技機10は、表示画面
537において設定変更操作を検出すると表示画面538を表示する。
図29(2)に示す表示画面538は、表示画面537において設定変更操作を検出し
た状態の画面例である。表示画面538は、デフォルト状態から操作状態へと移行中の画
面であり、当該画面においては設定値の変更がおこなわれない。
表示画面538は、機種名表示521と、設定表示511cとを表示内容に含む。設定
表示511cは、機種名表示521の背面側に表示されている。また、設定表示511c
は、半透明で表示されている。したがって表示画面538においては、機種名表示521
の設定表示511cと重畳している部分が設定表示511cによって完全に遮られていな
い。
遊技機10は、表示画面538において設定変更操作を検出すると表示画面539を表
示し、設定変更操作の終了を検出すると表示画面537を表示する。
図29(3)に示す表示画面539は、表示画面538において設定変更操作を検出し
た状態の画面例である。表示画面539は、設定値の変更可能な状態の画面であり、機種
名表示521と、設定表示511とを表示内容に含む。遊技機10は、設定変更操作の終
了を検出すると表示画面537を表示する。
このように一度の設定変更操作の検出では半透明な設定表示511cを表示し、再度、
設定変更操作を検出した場合に設定表示511を表示することで遊技機10は、誤操作に
よって表示内容(機種名)の視認性が低下してしまうのを抑止できる。
なお、遊技機10は、一度目に設定変更操作を検出した場合に設定表示511cを表示
し、二度目に設定変更操作を検出した場合には検出した設定変更操作の内容に応じた表示
(設定表示511a、設定表示511b)をするようにしてもよい。
上述した第1の実施形態の遊技機10(変形例を含む)は、一側面において以下のよう
な特徴を有する。
(1)遊技機10は、表示手段(表示装置41)と、制御手段(遊技制御装置100,
演出制御装置300)とを備える。制御手段は、客待ち状態における客待ち演出表示と、
遊技に関する設定変更操作の受付状態における設定変更操作表示(設定表示511)とを
表示手段に表示させる。客待ち演出表示は、第1の情報を表示する第1の期間(図13の
第1区間)と、第2の情報を表示する第2の期間(図13の第2区間~第5区間)とを含
む。制御手段は、客待ち状態であって設定変更操作の受付状態でないとき(デフォルト状
態であるとき)、第1の期間において設定変更操作表示を表示手段に表示させ、第2の期
間において設定変更操作表示を表示手段に表示させない。
(2)(1)の第2の情報は、第1の情報よりも表示の優先度が高い情報である。
(3)(2)の客待ち状態では、客待ち演出表示が周期的におこなわれる。
(4)(3)の制御手段は、第1周期の客待ち演出表示内で受付状態となった場合、第
1周期の次の第2周期までの間、受付状態を継続する(図16)。
(5)(4)の制御手段は、受付状態においては第2の期間においても設定表示を表示
手段に表示させる。
(6)(5)の遊技に関する設定変更操作は音量と輝度の設定変更操作を含み、制御手
段は、音量の設定に関する設定変更操作の受付状態であるときには音量に関する設定変更
操作表示のみを表示手段に表示させ、輝度の設定に関する設定変更操作の受付状態である
ときには、輝度に関する設定変更操作表示のみを表示手段に表示させる(図27)。
(7)遊技機10は、表示手段(表示装置41)と、制御手段(遊技制御装置100,
演出制御装置300)とを備える。制御手段は、客待ち状態における客待ち演出表示と、
遊技に関する設定変更操作の受付状態における設定変更操作表示(設定表示511)とを
表示手段に表示させる。客待ち演出表示は、第1の属性(優先度が低い情報)の第1の情
報を表示する第1の期間(たとえば、図14の第1区間、図15の第1区間)と、第1の
属性の第2の情報を表示する第2の期間(たとえば、図14の第2区間、図15の第4区
間)と、第2の属性(優先度が高い情報)の第3の情報を表示する第3の期間(たとえば
、図14の第3区間、図15の第2区間)と、第2の属性の第4の情報を表示する第4の
期間(たとえば、図14の第4区間、図15の第3区間)とを含む。制御手段は、客待ち
演出表示を繰り返し表示するとき、第1の期間と第2の期間を連続して表示手段に表示さ
せ、第3の期間と第4の期間を連続して表示手段に表示させ、客待ち状態であって設定変
更操作の受付状態でないとき(デフォルト状態であるとき)、第1の属性の情報を表示す
る期間(第1の期間、第2の期間)において設定変更操作表示を表示手段に表示させ、第
2の属性の情報を表示する期間(第3の期間、第4の期間)において設定変更操作表示を
表示手段に表示させない。
(8)遊技機10は、表示手段(表示装置41)と、制御手段(遊技制御装置100,
演出制御装置300)とを備える。制御手段は、客待ち状態において繰り返しおこなわれ
る客待ち演出表示と、遊技に関する設定変更操作の受付状態における設定変更操作表示(
設定表示511)とを表示手段に表示させる。客待ち演出表示は、第1の情報を表示する
第1の期間(図13の第1区間)と、第2の情報を表示する第2の期間(図13の第2区
間~第5区間)とを含む。制御手段は、客待ち状態であって設定変更操作の受付状態でな
いとき(デフォルト状態であるとき)、第1の期間において設定変更操作表示を表示手段
に表示させ、第2の期間において設定変更操作表示を表示手段に表示させず、設定変更操
作を開始すると設定変更操作の受付状態を開始し、設定変更操作を終了すると設定変更操
作の終了時の客待ち演出表示の次に実行される客待ち演出表示の開始時に設定変更操作の
受付状態を終了する(デフォルト状態へと復帰させる)。
(9)遊技機10は、表示手段(表示装置41)と、制御手段(遊技制御装置100,
演出制御装置300)とを備える。制御手段は、客待ち状態において繰り返しおこなわれ
る客待ち演出表示と、遊技に関する設定変更操作の受付状態における設定変更操作表示(
設定表示511)とを表示手段に表示させる。客待ち演出表示は、第1の情報を表示する
第1の期間(図13の第1区間)と、第2の情報を表示する第2の期間(図13の第2区
間~第5区間)とを含む。制御手段は、客待ち状態であって設定変更操作の受付状態でな
いとき(デフォルト状態であるとき)、第1の期間において設定変更操作表示を表示手段
に表示させ、第2の期間において設定変更操作表示を表示手段に表示させず、設定変更操
作を開始すると設定変更操作の受付状態を開始し、設定変更操作を終了すると設定変更操
作の終了時の客待ち演出表示の次に実行される客待ち演出表示における第2の期間の開始
時に設定変更操作の受付状態を終了する(デフォルト状態へと復帰させる)。
(10)遊技機10は、表示手段(表示装置41)と、制御手段(遊技制御装置100
,演出制御装置300)とを備える。制御手段は、客待ち状態における客待ち演出表示と
、遊技に関する設定変更操作の受付状態における設定変更操作表示(設定表示511)と
を表示手段に表示させる。客待ち演出表示は、第1の情報を表示する第1の期間と、第2
の情報を表示する第2の期間とを含む。制御手段は、客待ち状態であって設定変更の受付
状態であるとき、第1の期間において設定変更操作表示を表示手段に表示させ、第2の期
間において設定変更操作表示を表示手段に表示させず、客待ち状態であって設定変更操作
の受付状態である第2の期間において設定変更操作を受け付けた場合には設定変更操作に
よる変更内容を変更音により報知する。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、実
施形態の遊技機が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプロ
グラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現され
る。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録し
ておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、
光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記憶装置には、ハードディス
ク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等がある。光ディスクに
は、DVD(Digital Versatile Disk)、DVD-RAM、CD(Compact Disk)-RO
M/RW(ReWritable)等がある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)
等がある。
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、C
D-ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの
記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュ
ータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログ
ラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納す
る。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに
したがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラム
を読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュ
ータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送され
るごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、A
SIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic De
vice)等の電子回路で実現することもできる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、開示した実施形態に示されるようなパチンコ
遊技機に限られるものではなく、たとえば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊
技機、雀球遊技機等の遊技球を使用するすべての遊技機、およびメダルを使用する遊技機
であるスロットマシンに適用可能である。
また、開示した実施形態はすべての点で例示されるものであって制限的なものではない
と考えられるべきである。また、上述の実施形態および変形例の各構成を組み合わせて適
用してもよい。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、
特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される
次に、第2の実施形態の遊技機10について説明する。
なお、第1の実施形態と異なる形態の遊技機10であり、以下、第1の実施形態と同様
の構成を有する部分についても符号を付しての説明を改めて行う。
以下、図面を参照して実施形態を詳細に説明する。
[第2の実施形態]
まず、第2の実施形態を図面にもとづいて説明する。図30は、第2の実施形態の遊技
機の一例を示す斜視図である。
第2の実施形態の遊技機10は、前面枠12を備え、該前面枠12は、外枠(支持枠)
11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図31参照)は、前面枠12の
表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12に
は、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠(透明部材
保持枠)15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の左右には、内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および
異常発生時の報知(たとえば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色
(たとえば、赤色)で点灯(点滅)させる)のために発光する枠装飾装置18や、音響(
たとえば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、
前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生
時はスピーカ19a,19bから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、
ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしてもよい。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿(貯留
皿)21、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が
流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する
下皿(受皿)23および打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿2
1の上縁部には、遊技者が各種オプションの設定をおこなうオプション設定部(プッシュ
ボタン)25が設けられている。このオプション設定部25の上面の周囲には複数の選択
ボタンスイッチ25aが設けられ、オプション設定部25の上面の中央には決定ボタンス
イッチ25bが設けられている。なお、オプション設定部25は、遊技者が演出態様を設
定する演出設定部として機能する。この場合、選択ボタンスイッチ25aは、演出態様を
選択する演出ボタンスイッチとして機能し、決定ボタンスイッチ25bは、演出態様を決
定する決定ボタンスイッチとして機能する。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠1
2やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられて
いる。
なお、選択ボタンスイッチ25aが演出ボタンスイッチとして機能する場合、遊技機1
0は、選択ボタンスイッチ25aと決定ボタンスイッチ25bとから受け付けた遊技者の
操作にもとづいて、遊技者の操作を介入させた演出をおこなうことができる。たとえば、
遊技者の操作を介入させた演出は、表示装置(変動表示装置)41(図31参照)におけ
る変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)における演出があり、遊技機10は、表示
装置41に表示するキャラクタを動作させたり、表示装置41に表示される飾り特図変動
表示ゲームにおける識別情報を停止させたりすることができる。
また、オプション設定部25の右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける
場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出さ
せるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図
示省略)等が設けられている。この第2の実施形態の遊技機10においては、遊技者が上
記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技
球を遊技盤30前面の遊技領域32(図31参照)に向かって発射する。また、遊技者が
選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25bを操作することによって、た
とえば、スピーカ19a,19bから放射される音量を設定したり、遊技盤30の明るさ
を設定したりすることができる。
次に、遊技盤30について図31を用いて説明する。図31は、第2の実施形態の遊技
盤の一例を示す正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成さ
れている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース3
3およびガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示
装置(変動表示装置)41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されて
いる。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の
前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置
41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し、周囲の遊技領
域32から遊技球が飛び込みにくくなるように形成されている。
表示装置41は、たとえば、LCD(液晶表示器)、CRT(Cathode Ray Tube:ブラ
ウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域
(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラ
クタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表
示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示
)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームがおこなわれる。また
、表示画面には、遊技の進行にもとづく演出のための画像(たとえば、大当り表示画像、
ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
また、センターケース40の上部には、動作することによって遊技の演出をおこなう盤
演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図31に示す状態から表示装置
41の中央へ向けて動作可能となっている。
遊技領域32におけるセンターケース40の側方右側には、普図変動表示ゲームの開始
条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲ
ート34に入賞した遊技球(普図始動ゲート34を通過する遊技球)は、ゲートスイッチ
34a(図32参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、二つの一般入賞口3
5が配置され、センターケース40の下方右側であって後述する特別変動入賞装置38の
右部には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊
技球は、入賞口スイッチ35a(図32参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、第1特図変動表示ゲーム
(特図1変動表示ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞口(始動入賞領域)をなす始
動入賞口36(始動口1)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動
口1スイッチ36a(図32参照)により検出される。
また、始動入賞口36の下方には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト
口30aが設けられている。
また、普図始動ゲート34よりも下方位置であって、センターケース40の右部には、
第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の開始条件を与える普通変動入賞装置
37(第2始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。普通変動入賞装置37(始動
口2)は、上端側が右方に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態
に変換可能な可動部材37bを備えており、この可動部材37bは、常時はほぼ鉛直とな
って遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置と
しての普電ソレノイド37c(図32参照)によって上端側が右方に倒れるように回動し
て普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変
化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2ス
イッチ37a(図32参照)により検出される。なお、普通変動入賞装置37が閉状態で
も入賞できるようにし、閉状態では開状態よりは入賞しにくいものとしても良い。普通変
動入賞装置37は普通電動役物(普電)に相当する。
普通変動入賞装置37の右方には、遊技球が流下可能な流下路91が形成され、普通変
動入賞装置37に入賞しなかった遊技球は流下路91を通って下方へ流下する。この流下
路91の下方には誘導部93が設けられている。誘導部93は上面94が左方へ下る傾斜
面とされており、下方へ流下する遊技球を上面94で受け止め、後述する特別変動入賞装
置38が存在する左方へ誘導するようになっている。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の右下には、特図変動表示ゲームの結
果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装
置(大入賞口)38が配設されている。特別変動入賞装置38は、開閉部材(開閉扉)3
8cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材3
8cが大入賞口を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材38cが
退避して遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能な開状態(遊技者にとって有利な
状態)に変換する。すなわち特別変動入賞装置38は、駆動装置としての大入賞口ソレノ
イド38b(図32参照)により駆動される開閉部材38cによって開閉される大入賞口
を備え、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの結果による大当り遊技状態(
第1特別遊技状態)中や、特図2変動表示ゲームの結果による小当り遊技状態(第2特別
遊技状態)中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内
への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっ
ている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出す
る検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図32参照)が配設
されている。
また、特別変動入賞装置38は、入賞口内に入賞した遊技球を誘導する誘導流路と、誘
導流路から分岐して形成されたV流路を備える。特別変動入賞装置38は、V流路の流入
部分となる位置にV扉が設けられる。V扉は、特定領域ソレノイド38d(図32参照)
によって前後方向にスライド移動してV流路への遊技球の流入を阻止する阻止状態と、後
方へ退避してV流路への遊技球の流入を許容する許容状態とに変化させられるようになっ
ている。また、特別変動入賞装置38は、V流路に流入した遊技球を検出する特定領域ス
イッチ38e(図32参照)が設けられている。
なお、第2の実施形態の遊技機10では、特別遊技状態の終了後の確率状態が大当り図
柄で決定されるのではなく、特別遊技状態においてV流路に遊技球が流入して特定領域ス
イッチ38eで検出されることにもとづき高確率状態となるようにされている。ただし、
遊技機10は、特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状態の終了後に高確
率状態を発生可能な構成でもよい。
また、特別変動入賞装置38は、大入賞口スイッチ38aが複数個(たとえば2個)配
設されてもよい。また、特別変動入賞装置38は、1個に限らず、2個設けられるもので
あってもよく、大入賞口スイッチ38aは、大入賞口が複数個あるときには、それぞれに
1個又は2個程度、全体としてx個(図32参照)設けられるものであってもよい。
また、センターケース40の左側側部には、ワープ口(ワープ入口)39aが設けられ
ている。ワープ口39aからワープ流路に流入した遊技球は、センターケース40内のス
テージ上を転動し、その一部がワープ出口39bに案内される。ワープ出口39bは、始
動入賞口36の直上に位置し、ワープ出口39bに案内された遊技球は、始動入賞口36
に入賞しやすくなる。
第2の実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、セン
ターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が
右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を
発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36や一般入賞口35(特別変動入賞装置
38の右部にある一般入賞口35を除く)への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊
技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、
特別変動入賞装置38などへの入賞を狙うことができるようになっている。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲーム
をなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームおよび普図始動ゲート34への
入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50
が設けられている。
一括表示装置50は、LED等で構成されたラウンド表示部51と、特図1保留表示部
52と、特図1図柄表示部53と、特図2図柄表示部54と、普図図柄表示部55と、普
図保留表示部56と状態表示部57とを備える(図34参照)。一括表示装置50の詳細
は、後述する。
次に、遊技機の制御システムについて図32を用いて説明する。図32は、第2の実施
形態の遊技機の制御システムの一例を示すブロック図である。
遊技機10は、遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制
御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイ
コンと称する)111を有するCPU(Central Processing Unit)部110と、入力ポ
ートを有する入力部120と、出力ポートやドライバ等を有する出力部130と、CPU
部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140等からなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC(Integrated Circuit))と呼ばれ
る遊技用マイコン111と、水晶振動子のような発振子を備え、遊技用マイコン111の
動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(
水晶発振器)113等を有する。遊技制御装置100および該遊技制御装置100によっ
て駆動されるソレノイドやモータ等の電子部品は、電源装置400で生成されたDC(Di
rect Current)32V、DC12V、DC5V等所定のレベルの直流電圧が供給されて動
作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC(
Alternating Current)-DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V、DC5V
等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC-DCコンバータ等を有する通常電源部4
10と、遊技用マイコン111の内部のRAM(Random Access Memory)に対して停電時
に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置
100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号等の制御信号を生成し
て出力する制御信号生成部430等を備える。
第2の実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されている
が、バックアップ電源部420および制御信号生成部430は、別個の基板上または遊技
制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30
および遊技制御装置100は、機種変更の際に交換の対象となるので、第2の実施形態の
ように、電源装置400または主基板とは別の基板にバックアップ電源部420および制
御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることが
できる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成
することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(
特に内蔵RAM)に供給され、停電中または電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保
持されるようになっている。制御信号生成部430は、たとえば通常電源部410で生成
された32Vの電圧を監視してそれがたとえば17V以下に下がると停電発生を検出して
停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源
投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このR
AM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これにもとづ
き遊技用マイコン111内のRAM111Cおよび払出制御装置200内のRAMに記憶
されている情報を強制的に初期化する処理がおこなわれる。特に限定されるわけではない
が、初期化スイッチ信号は、電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン1
11が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット
信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
また、遊技制御装置100には設定値変更スイッチ126と設定キースイッチ127が
設けられている。設定値変更スイッチ126は、たとえばプッシュスイッチであって、押
下操作を検出する。設定キースイッチ127は、設定キーを挿入してON状態とOFF状
態とを切り替え可能にする。遊技制御装置100は、遊技性能に関する設定を変更可能で
あって、停電中または電源遮断後もRAMに記憶された設定が保持されるようになってい
る。たとえば、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームおよび特図2変動表示ゲー
ムの当り確率を6段階の設定に応じて変更可能にしている。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ127がON状態かつRAM初期化スイッチ
112がON状態での電源投入で、遊技機10の設定変更をおこなうことができる設定変
更モードに制御状態を遷移する。たとえば、遊技制御装置100は、設定変更モードにお
いて設定内容を確率設定値表示装置136に表示しながら設定値変更スイッチ126の押
下操作検出により設定1から設定6までをサイクリックに変更可能にする。確率設定値表
示装置136は、設定値を表示可能な表示装置であり、たとえば1桁の7セグメントLE
Dであって基板上に実装される。
また、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127がON状態かつRAM初期化ス
イッチ112がOFF状態での電源投入で、遊技機10の設定確認をおこなうことができ
る設定確認モードに制御状態を遷移する。たとえば、遊技制御装置100は、設定確認モ
ードにおいて設定内容を確率設定値表示装置136に表示する。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A
、読出し専用のROM(Read Only Memory)111Bおよび随時読出し書込み可能なRA
M111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数
の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作
業領域あるいは各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111BまたはR
AM111Cとして、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)のよう
な電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、たとえば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リー
チ状態の発生の有無等を規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パター
ンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている
変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3をCPU111A
が参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブル
には、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当り
となる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパ
ターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決
定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)
、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル
(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここで、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装
置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果があらかじめ定め
られた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊
技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない
段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示
状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行
して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条
件からはずれていない表示態様をいう。そして、たとえば、特別結果態様が揃った状態を
維持しながら複数の変動表示領域による変動表示をおこなう状態(いわゆる全回転リーチ
)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示
結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表
示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結
果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、たとえば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動
表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別
情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するもので
ある場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば
、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべ
ての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変
動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば、同一の識別情報となっ
た状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つ
の変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可
能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペ
シャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3
リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、「リーチ
なし」<「ノーマルリーチ」<「スペシャル1リーチ」<「スペシャル2リーチ」<「ス
ペシャル3リーチ」<「プレミアリーチ」の順に高くなるようになっている。また、この
リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当り
となる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表
示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変
動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が
発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装
置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイド
や表示装置の駆動信号を生成し出力して遊技機10全体の制御をおこなう。また、図示し
ないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱
数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パター
ン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を
決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数
等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)
にもとづいてCPU111Aに対する所定周期(たとえば、4m秒(ms))のタイマ割
込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレ
ータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111B
に記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテー
ブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(当り
(大当りまたは小当り)またははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲーム
の確率状態(通常確率状態または高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装
置37の動作状態(時短動作状態)、始動記憶数等にもとづいて、複数の変動パターンテ
ーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CP
U111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数
の変動パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り
分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフ
ェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従っ
て、遊技機10に設けられた払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させる
ための制御をおこなう。また、払出制御装置200は、遊技機10に付設される球貸機の
カードユニットからの貸球要求信号にもとづいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、
貸球を払い出させるための制御をおこなう。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36
a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲート
スイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38の大入賞口スイッチ38
a、特別変動入賞装置38の特定領域スイッチ38eに接続され、これらのスイッチから
供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0
V-5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けら
れている。この近接I/F121には、遊技機10に対する電波の発射を検出する盤電波
センサ62の検出信号も入力される。また近接I/F121は、入力の範囲が7V-11
Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサ
やスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったよ
うな異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
なお、入賞口スイッチ35aについて説明すると、図32では入賞口スイッチ35aが
1個のブロックで示されているが、実際には複数(n個)の入賞口スイッチ35a(本実
施形態では3個)が遊技盤30に設けられており、それぞれの信号が異なる信号線で近接
I/F121に入力されている。また、図32では大入賞口スイッチ38aが1個のブロ
ックで示されているが、実際には複数(x個)の大入賞口スイッチ38a(本実施形態で
は3個)が遊技盤30に設けられている。そして、これら複数の大入賞口スイッチ38a
が、それぞれ異なる信号線で接続されるか、あるいは、たとえばスイッチと遊技制御装置
100(主基板)の間に存在する図示省略した中継基板上でワイヤードオア(wired OR)
という方式で遊技制御装置100に接続されている。盤電波センサ62や後述する磁気セ
ンサ61も、異なる複数の信号線で接続されてもよいし、同様にワイヤードオアという方
式で遊技制御装置100に接続されていてもよい。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123または第3入力ポート124へ供給
されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F
121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッ
チ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a、および特定領域スイッチ3
8eの検出信号は、第2入力ポート123へ入力される。なお、特図1の始動口スイッチ
である始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37aの信号の出力(近接I/F12
1からの出力)については、図32では1本の信号線で示しているが、実際には2本ある
また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号およびセンサやス
イッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は、第3入力ポート124に入力さ
れる。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検
出用の磁気センサ61の検出信号、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開
放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体
枠開放検出スイッチ64の検出信号、設定値変更スイッチ126の検出信号、設定キース
イッチ127の検出信号、払出制御装置200からのタッチスイッチ信号(操作部24に
設けられたタッチスイッチの入力にもとづく信号)が入力されるようになっている。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、遊技制御装
置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになって
いる。さらに、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36aと始動口2スイ
ッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力され
るように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル
変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動
作に必要なたとえば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになってい
る。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポー
ト123に割り当てられているアドレスをデコードすることによって図示省略したチップ
イネーブル信号CE(Chip Enable)をアサート(有効レベルに変化)することによって
、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様で
ある。
また、入力部120には、RAM初期化スイッチ112の検出信号、払出制御装置20
0からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することに
もとづき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能
な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)
、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロー
スイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)
を検出したときに出力される信号)、アウト球検出スイッチ信号(アウト球を検出したと
きに出力される信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供
給する第1入力ポート122が設けられている。
なお、アウト球検出スイッチ信号は、アウトセンサ(図示せず)が遊技機10のアウト
球を1個検出するごとにアウトセンサから出力される信号である。たとえば、アウト球検
出スイッチ信号は、遊技機10から遊技球(アウト球)を排出する排出口(図示せず)と
アウト口30aとの間に排出流路(図示せず)に設けられる。アウト球検出スイッチ信号
は、所定の稼働(たとえば、アウト球が60,000個)当たりの遊技性能(たとえば、
ベース)の算出に用いられ、算出した遊技性能は性能表示装置135に表示される。なお
、アウト球検出スイッチ信号は、演出制御装置300に入力されるものであってもよい。
その場合、アウト球検出スイッチ信号は、遊技演出や客待ち画面表示への切替トリガとな
る稼働状態の判定等に用いられるものであってもよい。たとえば、性能表示装置135は
、4桁の7セグメントLEDであって、10進数または16進数により遊技性能を表示す
ることができる。
また、遊技機10は、振動を検出する振動センサスイッチを設け、この振動センサスイ
ッチの検出信号が第1入力ポート122あるいは第3入力ポート124に入力されるよう
にしてもよい。
また、遊技制御装置100には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号等
の信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられ
ており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有す
る。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化ス
イッチ信号は、一旦、第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技
用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号
として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の
数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、
遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部
130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは、出力部130を介さ
ずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70の
ポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、
リセット信号RESETは、中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成される
ようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは、入力部120の第1乃至第3入力
ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に
遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータは、システム
の誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前
に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイ
コン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路および
遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッフ
ァ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300および払出制御
装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、遊技制御装置100から演
出制御装置300および払出制御装置200へのシリアル通信は、演出制御装置300側
から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試
験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号
等を中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバ
ッファ133は、遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技
制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F121から出力され
る始動口スイッチ等加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに
中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給で
きない検出信号は、一旦、遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号または情報に加
工されて、たとえば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデ
ータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験
装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝
達するコネクタ等が設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン11
1から出力されるチップイネーブル信号CE(図示省略)も供給され、このチップイネー
ブル信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっ
ている。
また、出力部130には、データバス140に接続され、特別変動入賞装置38(大入
賞口)の開閉部材38cを開閉させる大入賞口ソレノイド38bの開閉データ、特別変動
入賞装置38のV扉を開閉させる特定領域ソレノイド38dの開閉データ、普通変動入賞
装置37の可動部材37bを開閉させる普電ソレノイド37cの開閉データ、および性能
表示装置135の表示データを出力するための第1出力ポート134aが設けられている
また、出力部130には、確率設定値表示装置136の表示データを出力するための第
2出力ポート134bが設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に
表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフ
データを出力するための第3出力ポート134c、一括表示装置50のLEDのカソード
端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート1
34dが設けられている。
また、出力部130には、大当り情報等遊技機10に関する情報を外部情報端子板71
へ出力するための第5出力ポート134eが設けられている。外部情報端子板71には、
フォトリレーが備えられ、たとえば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場
内部管理装置(ホールコンピュータ)等)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を
フォトリレーを介して外部装置に供給することができるようになっている。なお、外部装
置に供給する情報の一部は、第4出力ポート134dから出力される。また、第5出力ポ
ート134eからは、シュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可
信号も出力される。
さらに、出力部130には、第1出力ポート134aから出力される大入賞口ソレノイ
ド38b、特定領域ソレノイド38d、普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けて
ソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポー
ト134cから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆
動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート134dから出力される一括表
示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ
138c、第5出力ポート134eや第4出力ポート134dから管理装置等の外部装置
へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138d、第1出
力ポート134aから出力される性能表示装置135の表示データ信号を受けて性能表示
装置135の駆動信号を生成し出力する第5ドライバ138eが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにする
ため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置
50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デ
ジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引
き抜くためのものであるため、電源電圧は12Vまたは5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード
端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よ
りセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択された
LEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第
4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給
される。なお、バッファ133や第1出力ポート134a、第1ドライバ138a等は、
遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設け
るようにしてもよい。また、性能表示装置135、あるいは第5ドライバ138eと性能
表示装置135は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、外
部基板(図示せず)側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置490へ各遊技機の識別コードやプログラ
ム等の情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139
は、遊技用マイコン111が検査装置490との間でシリアル通信によってデータの送受
信をおこなえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、
通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子
を利用しておこなわれるため、第1乃至第3入力ポート122,123,124のような
ポートは設けられていない。
次に、演出制御装置300の構成について図33を用いて説明する。図33は、第2の
実施形態の演出制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC
)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、各種のメロディや効果音等をスピーカ
19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したP
ROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるPROM321、作業領域を提供
するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM(
Ferroelectric RAM)323、現在の日時(年月日や曜日、時刻等)を示す情報を生成す
る計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制
御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAM311aが設けられている。ま
た、主制御用マイコン311には、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続
されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンド(演出コ
マンド)を解析し、演出内容を決定して表示装置41の入出力を制御したり、音源LSI
314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間
の管理等の処理を実行したりする。
音源LSI314には、音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。
主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接
続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは、割込み信号I
NTが入力されるようになっている。演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられ
た上スピーカ19aおよび前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディ
オパワーアンプ等からなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成
された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19aおよび下スピーカ19bから出
力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受
信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンド
I/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特
図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御
指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111
はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動
作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、表示装置41が備えるリールモータ(ステッピングモ
ータ)を駆動制御するリールモータ制御回路312、表示装置41が備えるリールセンサ
(フォトセンサ)を駆動制御するリールセンサ制御回路313、表示装置41に設けられ
ている各種LED(発光ダイオード)を駆動制御するリールLED制御回路325が設け
られている。リールモータやリールセンサ、各種LED等を駆動制御するこれらの制御回
路312,313,325は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン3
11と接続されている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられ
ているLED(発光ダイオード)などを有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LE
D制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠
装飾装置(たとえば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊
技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(たとえば表示
装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演
出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータおよびソレノイド等を駆動制
御するこれらの制御回路332~334は、アドレス/データバス340を介して主制御
用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(たとえば演出用の装
置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制
御する枠演出可動体制御回路を備えていてもよい。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられたオプション設定部25の
選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25bと、盤演出装置44内のモー
タの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状
態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300
に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信
号を入力する機能を有するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300
やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モ
ータやソレノイドを駆動するためのDC32V、表示装置41、モータやLEDを駆動す
るためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータや
LED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。
さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vまたは1.2Vのような低電圧で動作
するLSIを使用する場合には、DC5VにもとづいてDC3.3VやDC1.2Vを生
成するためのDC-DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC-D
Cコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マ
イコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン
311から出力される形で、音源LSI314およびアンプ回路337(SNDRESE
T信号)、ランプやモータ等を駆動制御する制御回路332~334(IORESET信
号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機1
0の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された
状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。また、演出制御装置300を構成
する回路基板は、サブ制御基板(サブ基板ともいう)に相当する。
次に、これらの制御回路においておこなわれる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート3
4に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき、普図の
当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動
表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。そして、一括表示装置50の普図図
柄表示部55に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変
動表示ゲームを表示する処理をおこなう。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は
、普図図柄表示部55に第1当り停止図柄~第3当り停止図柄の各々に対応した特別の結
果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の
可動部材37bを所定時間(たとえば、0.5秒間または1.7秒間)上述のように開放
する制御をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の
変換制御をおこなう変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれ
の場合は、普図図柄表示部55にはずれの結果態様を表示する制御をおこなう。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の
入力にもとづき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶にもとづき、第1特図変動
表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比
較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。また、普通変動
入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力にもと
づき始動記憶を記憶し、この始動記憶にもとづき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定
用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示
ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第
2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド、演出コマンド)を
、演出制御装置300に出力する。そして、一括表示装置50の特図1図柄表示部53や
特図2図柄表示部54に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示す
る特図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、遊
技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)
への入賞にもとづき変動表示ゲームの進行制御をおこなう遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき、表示
装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理をおこ
なう。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき
、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御
する処理等をおこなう。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に
関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当り
や小当りの場合は、特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54に特別結果態様や小当
り結果態様を表示するとともに、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理(すな
わち、特別遊技や小当り遊技を実行する処理)をおこなう。第1特図変動表示ゲームや第
2特図変動表示ゲームの結果が大当りとなったことによる特別遊技状態を発生させる処理
においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入
賞装置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御
をおこなう。この特別遊技状態でCPU111Aは、たとえば大入賞口に所定個数(たと
えば、9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過する
かのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを
所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)をおこなう。また、第1特
図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)あるいは第2特図変動表示ゲーム(特図2変
動表示ゲーム)の結果が小当りとなったことによる小当り遊技状態を発生させる処理にお
いては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装
置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御をお
こなう。
なお、これら小当り遊技状態でおこなわれる大入賞口の開閉動作パターン(開閉動作態
様)は、たとえば200m秒だけ開閉部材を開状態に維持する動作を1500m秒間隔で
4回おこなうといったものである。このように、遊技制御装置100は、停止結果態様が
特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御をおこなう大入賞口開閉制御手段
をなす。またCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、一括表示
装置50の特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54にはずれの結果態様を表示する
制御をおこなう。
また、遊技制御装置100は、前述したV流路への遊技球の流入にもとづき、あるいは
特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高
確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果
となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲームお
よび第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき高確率
状態となっても、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームの両方が高確率
状態となる。
また、遊技制御装置100は、たとえば特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特
別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態、普図高確率状態)を発
生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確
率(普図確率)を通常確率(普図低確率状態)である、たとえば「0」よりも高い高確率
(普図高確率状態)とすることが可能である。これにより、普通変動入賞装置37が普図
低確率状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が多くな
るように制御するようになっている。ここで、本実施形態における普通変動入賞装置37
は、通常遊技状態においては可動部材37bを開放しないように普図確率がたとえば「0
」に設定されている。
また、時短状態において、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)は、たとえ
ば、500m秒となり、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間は、たとえば
、600m秒となり、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開
放される場合に、第1当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、
500m秒×1回)、第2当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえ
ば、1700m秒×2回)、第3当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(
たとえば、1700m秒×3回)となるように設定することが可能である。
なお、普図変動表示ゲームおよび普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御をお
こなうよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放
時間を設定してもよく、たとえば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実
行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制
御することが可能である(たとえば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態
においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短
い第2停止時間となるように制御することが可能である(たとえば、1604m秒が70
4m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動
入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状
態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(た
とえば、100m秒が1352m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲーム
の1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開
放回数(たとえば、2回)よりも多い回数(たとえば、4回)の第2開放回数に設定する
ことが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確
率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態、たとえば、0/
251、あるいは1/251)よりも高い高確率(普図高確率状態、たとえば、251/
251、あるいは250/251)とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普
図確率のいずれか一つまたは複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状
態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種
類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放態様と第
2開放態様のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、第1開放態様と第2開放
態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して
発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させること
も可能である。また時短状態は、普電サポート状態(普電サポート中、或いは電サポ中)
と称することもできる。
次に、一括表示装置の構成について図34を用いて説明する。図34は、第2の実施形
態の一括表示装置の一例を示す図である。一括表示装置50は、7セグメントLED_d
1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18までの16個の
LEDを備える。一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED
_d2、およびLED_d3からLED_d18の点灯態様により各種状態表示をおこな
う。
一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、および
LED_d3からLED_d18に各種状態表示機能を振り分けることで、ラウンド表示
部51と、特図1保留表示部52と、特図1図柄表示部53と、特図2図柄表示部54と
、普図図柄表示部55と、普図保留表示部56と、状態表示部57と、特図2保留表示部
58とを備える。ラウンド表示部51は、LED_d3からLED_d6の4個のLED
の点灯態様により、特図ゲームにおけるラウンド数を表示する。特図1保留表示部52は
、LED_d11とLED_d12の2個のLEDの点灯態様により、特図1ゲームにお
ける保留数を表示する。特図1図柄表示部53は、7セグメントLED_d1の8個のL
ED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様により、特図1ゲーム
における図柄を表示する。特図2図柄表示部54は、7セグメントLED_d2の8個の
LED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様により、特図2ゲー
ムにおける図柄を表示する。普図図柄表示部55は、LED_d8、LED_d10、お
よびLED_d18の3個のLEDの点灯態様により、普図ゲームにおける図柄を表示す
る。普図保留表示部56は、LED_d15とLED_d16の2個のLEDの点灯態様
により、普図ゲームにおける保留数を表示する。状態表示部57は、LED_d7、LE
D_d9、およびLED_d17の3個のLEDの点灯態様により、特図ゲームにおける
遊技状態を表示する。特図2保留表示部58は、LED_d13とLED_d14の2個
のLEDの点灯態様により、特図2ゲームにおける保留数を表示する。
以下、このような遊技をおこなう遊技機の制御について説明する。まず、遊技制御装置
100の遊技用マイコン111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコ
ン111による制御処理は、主にメイン処理と、所定時間周期(たとえば4m秒)でおこ
なわれるタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
まず、第2の実施形態の遊技制御装置のメイン処理について図35から図39を用いて
説明する。図35は、第2の実施形態の遊技制御装置のメイン処理のフローチャートを示
す図(その1)である。図36は、第2の実施形態の遊技制御装置のメイン処理のフロー
チャートを示す図(その2)である。図37は、第2の実施形態の遊技制御装置のメイン
処理のフローチャートを示す図(その3)である。図38は、第2の実施形態の遊技制御
装置のメイン処理のフローチャートを示す図(その4)である。図39は、第2の実施形
態の遊技制御装置のメイン処理のフローチャートを示す図(その5)である。
メイン処理は、電源が投入されることで制御部(遊技用マイコン111)によって開始
される。このメイン処理においては、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)をお
こなってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスで
あるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)をおこなう
。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(たとえばDレジ
スタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。RAM11
1Cのアドレスの範囲は、0000h~01FFhで、上位としては00hか01hをと
る。ステップS4ではRAM111Cのアドレスの範囲のうち先頭側にある00hをセッ
トする。
次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)
。発射許可信号は、遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停
止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようにな
っている。
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を第1レジスタ(たとえばBレ
ジスタ)に読み込み(ステップS6)、続けて入力ポート3(第3入力ポート124)の
状態を第2レジスタ(たとえばCレジスタ)に読み込む(ステップS7)。
ここで、第1レジスタの所定ビットをマスクし、その他のビットをクリアする(ステッ
プS8)。たとえば、RAM初期化スイッチ112からの検出信号に対応するBレジスタ
の第2ビットだけを保持し、第0ビットと第1ビットと、第3ビットから第7ビットをク
リアする。そして、第2レジスタの所定ビットをマスクし、その他のビットをクリアする
(ステップS9)。たとえば、設定キースイッチ127からの検出信号に対応するCレジ
スタの第4ビットだけを保持し、第0ビットから第3ビットと第5ビットから第7ビット
をクリアする。
第1レジスタの情報を第2レジスタに統合し、第2レジスタが保持する情報をRAM1
11Cに頼らない参照用の情報として保持する(ステップS10)。たとえば、Bレジス
タとCレジスタの論理和をCレジスタに格納し、Cレジスタを状態参照用レジスタとして
保持する。
たとえば、状態参照用レジスタ(Cレジスタ)の値「00000000B」は、第0ビ
ットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり
、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オンに対応する「0」であり
、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オンに対応する「0」であること
を示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00000000B」は、RAM初期化ス
イッチ112がオン(ON)、かつ設定キースイッチ127がオン(ON)である設定変
更状態を示す。
また、状態参照用レジスタの値「00010000B」は、第0ビットと第1ビット、
第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRA
M初期化スイッチ112からの検出信号オンに対応する「0」であり、第4ビットが設定
キースイッチ127からの検出信号オフに対応する「1」であることを示す。すなわち、
状態参照用レジスタの値「00010000B」は、RAM初期化スイッチ112がオン
(ON)、かつ設定キースイッチ127がオフ(OFF)であるRAM初期化状態を示す
また、状態参照用レジスタの値「00000100B」は、第0ビットと第1ビット、
第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRA
M初期化スイッチ112からの検出信号オフに対応する「1」であり、第4ビットが設定
キースイッチ127からの検出信号オンに対応する「0」であることを示す。すなわち、
状態参照用レジスタの値「00000100B」は、RAM初期化スイッチ112がオフ
(OFF)、かつ設定キースイッチ127がオン(ON)である設定確認状態を示す。
また、状態参照用レジスタの値「00010100B」は、第0ビットと第1ビット、
第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRA
M初期化スイッチ112からの検出信号オフに対応する「1」であり、第4ビットが設定
キースイッチ127からの検出信号オフに対応する「1」であることを示す。すなわち、
状態参照用レジスタの値「00010100B」は、RAM初期化スイッチ112がオフ
(OFF)、かつ設定キースイッチ127がオフ(OFF)である復電(停電復旧)状態
を示す。
これにより、RAM初期化スイッチ112からの検出信号と設定キースイッチ127か
らの検出信号とがCレジスタに保持される。なお、RAM初期化スイッチ112からの検
出信号のBレジスタにおける格納位置(第2ビット)と設定キースイッチ127からの検
出信号のCレジスタにおける格納位置(第4ビット)とが異なるためBレジスタとCレジ
スタの論理和によっても、RAM初期化スイッチ112からの検出信号と設定キースイッ
チ127からの検出信号は、失われずに保存される。
その後、電源投入ディレイタイマを設定する処理をおこなう(ステップS11)。この
処理では、所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100か
らの指示にしたがい種々の制御をおこなう従制御手段(たとえば、払出制御装置200や
演出制御装置300等の従制御装置)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機
時間(たとえば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置10
0が先に立ち上がって従制御手段が立ち上がる前にコマンドを従制御手段へ送ってしまい
、従制御手段がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装
置100が、電源投入時において、主制御手段の起動を遅らせて従制御手段の起動を待つ
ための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAM領域が保持するデータの正当性判定(
チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域またはレ
ジスタ等)を用いておこなわれる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェック
データを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時
の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第2レジスタ(Cレジスタ)には、RAM初期化スイッチ112の検出信号が保
存されるようになっているが、待機時間の開始前までに保存されることで、RAM初期化
スイッチ112の操作を確実に保存できる。すなわち、待機時間の経過後にRAM初期化
スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってからRAM初期
化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過までRAM初期化スイッチ
112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むこ
とで、このような煩わしい操作をおこなわなくても電源投入後すぐに操作をおこなうこと
で検出されるようになり、電源投入時におこなった初期化の操作が受け付けられないよう
な事態を防止できる。
また、第2レジスタ(Cレジスタ)には、設定キースイッチ127の検出信号が保存さ
れるようになっているが、待機時間の開始前までに保存されることで、設定キースイッチ
127の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に設定キースイッチ12
7の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから設定キースイッチ127
を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで設定キースイッチ127を操作し続けた
りする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わ
しい操作をおこなわなくても電源投入後すぐに操作をおこなうことで検出されるようにな
り、電源投入時におこなった設定変更操作あるいは設定確認操作が受け付けられないよう
な事態を防止できる。
次に、電源投入ディレイタイマ(たとえば、約3秒)を設定する処理(ステップS11
)をおこなった後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(
ステップS12からS16)をおこなう。まず、電源装置400から入力されている停電
監視信号をポートおよびデータバスを介して読み込んでチェックする回数(たとえば2回
)を設定し(ステップS12)、停電監視信号がオンであるか否かの判定をおこなう(ス
テップS13)。
停電監視信号がオンである場合(ステップS13;Y)は、ステップS12で設定した
チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(ステップS1
4)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップ
S14;N)は、停電監視信号がオンであるか否かの判定(ステップS13)に戻される
。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS14;
Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機10の電源が遮断される
のを待つ。このように、所定期間にわたり停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生
したと判定することで、ノイズ等により停電を誤検知することを防止でき、電源投入時に
おける不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電
監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせてい
る期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に
適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAM111Cへのアクセス
が許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、
ここでの停電発生時にはバックアップの処理等はおこなう必要がない。このため、待機時
間中に停電が発生してもRAM111Cのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を
軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS13;N)、すなわち、停電が発生
していない場合には、電源投入ディレイタイマを「-1」更新し(ステップS15)、タ
イマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS16)。タイマの値が0でない場
合(ステップS16;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号
のチェック回数を設定する処理(ステップS12)に戻される。また、タイマの値が「0
」である場合(ステップS16;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合、RAM11
1CやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(Read Write Memory)のアクセス許
可をし(ステップS17)、全出力ポートにオフデータを出力(出力がない状態に設定)
する(ステップS18)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111にあらかじめ搭載されているポートで、
演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定する(ステップS19
)。
ステップS20では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込
み信号および乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC回路を起動する処理をおこ
なう。
ステップS21では、RAM異常フラグをセットする処理をおこなう。なお、RAM異
常フラグのセットは、暫定的なものであって後で実行されるRAMの異常を検査する処理
において更新され得る。
ステップS22では、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデ
ータ1(たとえば5Ah)であるか否かを判定する。停電検査領域1の値が正常であれば
(ステップS22;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェック
データ2(たとえばA5h)であるか否かを判定し(ステップS23)、停電検査領域2
の値が正常であれば(ステップS23;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出
するチェックサム算出処理(ステップS24)をおこなう。
なお、チェックサム算出処理では、遊技制御用ワーク領域のデータと状態表示用ワーク
領域のデータを合算したものをチェックサムとして算出してもよいし、遊技制御用ワーク
領域のデータと状態表示用ワーク領域のデータからそれぞれ別々にチェックサムを算出し
てもよいし、遊技制御用ワーク領域のデータだけからチェックサムを算出してもよい。遊
技制御用ワーク領域とは、RWM内の記憶領域のうち遊技制御用に使用される作業領域で
ある。状態表示用ワーク領域とは、RWM内の記憶領域のうち状態表示用に使用される作
業領域である。
次に、ステップS24で算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか
否かを判定(ステップS25)し、チェックサムが一致する(正常である)と判定された
場合(ステップS25;Y)は、ステップS21で暫定的にセットしたRAM異常フラグ
をクリアする(ステップS26)。
なお、チェックサムが一致しない(正常でない)と判定された場合(ステップS25;
N)は、ステップS26をパスしてステップS27へ移行することで、ステップS21で
暫定的にセットしたRAM異常フラグが確定的になる。停電検査領域のチェックデータが
正常なデータでない(ステップS22;NまたはステップS23;N)と判定された場合
も、ステップS26をパスしてステップS27へ移行することで、ステップS21で暫定
的にセットしたRAM異常フラグが確定的になる。
ステップS27では、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、設定キースイッチ12
7の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンであるか否かを判
定する。設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検
出信号がオンである場合には、ステップS33に進み、設定キースイッチ127の検出信
号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンでない場合には、ステップS
28に進む。
なお、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイ
ッチ112の検出信号とを第2レジスタ(Cレジスタ)に保持しているため、設定キース
イッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを同時に判定するこ
とができる。また、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127の検出信号とRAM
初期化スイッチ112の検出信号とを第2レジスタ(Cレジスタ)に保持しているため、
RAMの正当性判定をおこなう以前の設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化
スイッチ112の検出信号とを判定対象にすることができる。
ステップS28では、制御部は、RAM異常フラグがオンか否かを判定する。制御部は
、RAM異常フラグがオンである場合(すなわち、RAM異常フラグがセットされている
場合)にステップS30に進み、RAM異常フラグがオンでない場合(すなわち、RAM
異常フラグがクリアされている場合)にステップS29に進む。
ステップS29では、制御部は、設定変更モード中フラグがオンか否かを判定する。制
御部は、設定変更モード中フラグがオンである場合にステップS48に進み、設定変更モ
ード中フラグがオンでない場合にステップS30に進む。
ステップS30からステップS32は、RAM異常時、あるいは設定中に電源遮断があ
ったときにRAMクリアされずに再起動された時に実行される処理である。ステップS3
0では、制御部は、メイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信する。
これにより、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドに対応する演出制
御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドを受
信して、RAMクリアを伴う再起動を案内するメッセージを表示装置41に表示させたり
、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、メイ
ン異常エラー報知のコマンドを受信して、枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置
44によりメイン異常エラーを報知する。
ステップS31では、制御部は、遊技停止時の7セグ表示データを性能表示装置135
に出力する。このとき、制御部は、性能表示装置135にメイン異常エラーに対応するス
テータスを表示することができる。また、制御部は、遊技停止時の7セグ表示データを確
率設定値表示装置136に出力する。このとき、制御部は、確率設定値表示装置136に
確率設定値にない数値や文字を表示することができる。なお、制御部は、遊技停止時のL
ED表示データを含む7セグ表示データを一括表示装置50に出力するようにしてもよい
。このとき、制御部は、一括表示装置50を全消灯あるいは全点灯としてもよい。
ステップS32では、制御部は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報端子板71
から出力する。このとき、制御部は、外部情報端子板71から出力するその他の信号の出
力データをオフにする。制御部は、ステップS31とステップS32とを繰り返し実行し
て電源遮断を待つ。すなわち、遊技機10は、電源遮断を待つまでの間、外部情報端子板
71からセキュリティ信号を出力する。また、遊技機10は、電源遮断を待つまでの間、
外部情報端子板71からセキュリティ信号以外の信号を出力しない。
なお、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31とステップS32の繰り返し実
行において、RAMアクセスを禁止していない。これにより、遊技機10は、NMI(No
n-Maskable Interrupt)発生時に戻りアドレスをRAMに格納可能にして、プログラム暴
走の危険を低減している。このように、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31
とステップS32の繰り返し実行中のRAMの記憶内容をRAMアクセス禁止により保護
しないが、再起動時のRAMクリアが遊技制御開始の条件となるため、RAMの記憶内容
が保護されない危険を限定的にしている。すなわち、遊技機10は、RAMの記憶内容が
保護されない危険を限定的にして引き受けながら、プログラム暴走の危険低減効果を得る
。また、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31とステップS32の繰り返し実
行において、RAMアクセスを禁止しないことにより、ステップS31やステップS32
においてサブルーチンを呼出可能にしてプログラム効率の向上を図ることができる。
ステップS33からステップS36は、設定変更準備に関する処理であり、ステップS
27において、設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ11
2の検出信号がオンである場合に実行される処理である。
ステップS33では、制御部は、RAM異常フラグがオンか否かを判定する。制御部は
、RAM異常フラグがオンである場合にステップS34に進み、RAM異常フラグがオン
でない場合にステップS35に進む。
ステップS34では、制御部は、RAM異常フラグがオンであることから設定値をクリ
アする。なお、設定値のクリアは、設定値として無効な値をセットすることによってもよ
いし、不正対策の観点から遊技者にとって最も不利な値をセットすることによってもよい
ステップS35では、制御部は、設定変更モード中フラグをセットする処理をおこなう
。設定変更モード中フラグは、遊技機10が設定変更中か否かを示すフラグであって、設
定変更中であるときに設定変更モード中フラグがセットされ、設定変更中でないときに設
定変更モード中フラグがクリア(リセット)される。
ステップS36では、制御部は、設定変更中のコマンドを演出制御装置300に送信す
る。これにより、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドに対応する演出制御をお
こなう。たとえば、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドを受信して、設定変更
中であることを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,1
9bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドを受
信して、設定変更中であることを枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44によ
り報知する。
ステップS37は、設定変更準備(ステップS33からステップS36)の後、または
設定確認準備(ステップS49、ステップS50)の後に実行される処理である。ステッ
プS37では、制御部は、セキュリティ信号制御タイマに128msを設定する。これに
より、遊技機10は、少なくともセキュリティ信号制御タイマがタイムアップされるまで
の間、セキュリティ信号を出力する。
ステップS38からステップS40は、設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ち
に関する処理である。遊技機10は、ステップS37でセキュリティ信号を出力セットし
ていることにより設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理の実行を外
部から把握可能にしている。
制御部は、割込みを許可(ステップS38)した後、第2レジスタ(Cレジスタ)を参
照して、設定キースイッチ127の検出信号がオフであるか否かを判定する(ステップS
39)。制御部は、設定キースイッチ127の検出信号がオフである場合にステップS5
5に進み、設定キースイッチ127の検出信号がオフでない場合にステップS40に進む
ステップS40では、制御部は、停電が発生したか否かを判定する。なお、制御部は、
停電監視信号の所定時間の継続検出により、停電発生を判定することができる。制御部は
、停電が発生した場合にステップS41に進み、停電が発生していない場合にステップS
39に進む。すなわち、制御部は、ステップS38で割込みを許可した状態で、停電発生
までの間、設定キーのオフを待ち受ける。
制御部は、停電が発生していると判定した場合、割込みを禁止する処理(ステップS4
1)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS42)をおこなう。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS43
)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS44)。
さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップ
S45)、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブする処理(ステップS46
)をおこなった後、RAMへのアクセスを禁止する処理(ステップS47)をおこなって
から、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータ
をセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前に
RWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判
定することができる。
ステップS48は、ステップS29で設定変更モード中フラグがオンであると判定され
た場合に実行される。ステップS48では、制御部は、第2レジスタ(Cレジスタ)を参
照して、設定キースイッチ127の検出信号がオンであるか否かを判定する。制御部は、
設定キースイッチ127の検出信号がオンである場合にステップS49に進み、設定キー
スイッチ127の検出信号がオンでない場合にステップS51に進む。
ステップS49、ステップS50は、設定確認準備に関する処理である。ステップS4
9では、制御部は、設定確認モード中フラグをセットする処理をおこなう。設定確認モー
ド中フラグは、遊技機10が設定確認中か否かを示すフラグであって、設定確認中である
ときに設定確認モード中フラグがセットされ、設定確認中でないときに設定確認モード中
フラグがクリア(リセット)される。ステップS50では、制御部は、設定確認中のコマ
ンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、設定確認中
のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、設定確認
中のコマンドを受信して、設定確認中であることを案内するメッセージを表示装置41に
表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置3
00は、設定確認中のコマンドを受信して、枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装
置44により設定確認中であることを報知する。この後、制御部は、ステップS37に進
む。
一方、制御部は、ステップS48において設定キースイッチ127の検出信号がオンで
ないと判定した場合に、ステップS51を実行する。ステップS51では、制御部は、第
2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンで
あるか否かを判定する。制御部は、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンである
場合にステップS52に進み、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンでない場合
にステップS58に進む。すなわち、遊技機10は、RAM初期化スイッチ112の押下
操作を伴う起動検出によりRAM初期化(RAMクリア)に関する処理の実行に進み、R
AM初期化スイッチ112の押下操作を伴わない起動検出により停電復旧に関する処理の
実行に進む。
次に、ステップS52以降でおこなうRAM初期化に関する処理について説明する。R
AM初期化に関する処理では、制御部は、設定値以外のRAM領域を0クリア(ゼロクリ
ア)し(ステップS52)、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(
ステップS53)。たとえば、制御部は、RAMクリア時の先頭アドレスとしてRAMク
リア先頭アドレス2を設定(図42のメモリマップ111Mを参照)し、RWM(たとえ
ばRAM111C)の記憶領域(アクセス禁止領域を含まない領域)のうちのクリア対象
領域(遊技制御用ワーク領域)のデータをゼロクリアする。
なお、設定変更モード中フラグ、および設定確認モード中フラグは、クリア対象領域の
データに含まれることから、クリア対象領域のデータのゼロクリアによってクリアされる
ステップS54では、制御部は、RAM初期化時のコマンドを演出制御装置300に送
信する。これにより、演出制御装置300は、RAM初期化時のコマンドに対応する演出
制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、RAM初期化時のコマンドを受信し
て、RAMが初期化されたことを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、ス
ピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、RAM初
期化のコマンドを受信して、RAMが初期化されたことを枠装飾装置18や盤装飾装置4
6、盤演出装置44により報知する。
また、制御部は、設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理(ステッ
プS38からステップS40)の実行後に、設定キースイッチ127の検出信号がオフで
あることを検出した場合に、ステップS55を実行する。制御部は、割込みを禁止(ステ
ップS55)した後、報知終了のコマンドを演出制御装置300に送信する(ステップS
56)。
これにより、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドの受信により開始した設定
変更中であることの報知、あるいは設定確認中のコマンドの受信により開始した設定確認
中であることの報知を終了する。
次に、制御部は、設定変更モード中フラグを参照して、設定変更モード中であるか否か
を判定する(ステップS57)。制御部は、設定変更モード中である場合にステップS5
2に進み、RAM初期化に関する処理を実行する。一方、制御部は、設定変更モード中で
ない場合にステップS58に進み、停電復旧に関する処理を実行する。
ステップS58では、制御部は、停電復旧処理を実行する。停電復旧処理は、初期化す
べき領域に停電復旧時の初期値をセーブし、特図ステータスを参照して特図ゲームが高確
率中であるか否かを判定し、特図ゲームが高確率中である場合に高確率報知フラグ領域に
オン情報をセーブし、高確率報知LEDのオンデータをセグメント領域にセーブする処理
を含む。
なお、停電復旧処理における初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域
、設定変更モード中フラグ、設定確認モード中フラグ、およびエラー不正監視に係る領域
である。なお、停電復旧処理では、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否
かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリア
され、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッ
チスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチ
スイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。
次に、制御部は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板
(演出制御装置300)へ送信し(ステップS59)、ステップS60へ進む。なお、ス
テップS59では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、
確率情報コマンド、確率設定値情報コマンド、画面指定のコマンド等の複数のコマンドを
送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報や高確率回
数情報を送信する。なお、画面指定のコマンドとは、特図1変動表示ゲームと特図2変動
表示ゲームの制御状態がいずれも普段処理中(変動中、大当り中(第1特別遊技状態)、
小当り中(第2特別遊技状態)のうちの何れでもない状態)である場合には、客待ちデモ
画面の表示を指令するコマンドであり、それ以外である場合には復旧画面の表示を指令す
るコマンドである。
ステップS60では、制御部は、乱数生成回路を起動設定する処理をおこなう。その後
、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1~n)の値を抽
出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄初期値乱数、小当り図柄初期値乱数、当り初
期値乱数、当り図柄初期値乱数)の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセー
ブしてから(ステップS61)、割込みを許可する(ステップS62)。
続いて、制御部は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱
数更新処理(ステップS63)をおこなう。この初期値乱数更新処理は、各初期値乱数を
たとえばそれぞれ「+1」更新(インクリメント)する処理である。このように、遊技機
10は、メイン処理の中で時間が許す限り初期値乱数を更新し続けることによって、乱数
のランダム性を高めることができるようにしている。
ここで、制御部は、一旦、割込みを禁止(ステップS64)して、性能表示編集処理を
実行(ステップS65)し、性能表示編集処理の実行後に、割込みを許可する(ステップ
S66)。性能表示編集処理は、図55と図56を用いて後で説明するベースの算出と表
示に関する処理である。制御部は、性能表示編集処理の処理負荷が比較的高いため、割込
みを禁止してより速やかな処理結果導出を図っている。これにより、遊技機10は、タイ
マ割込みにより遊技状態が更新されるまでに、性能表示編集処理の処理結果導出を担保す
る。
ステップS67では、制御部は、停電が発生したか否かを判定する。なお、制御部は、
停電監視信号の所定時間の継続検出により、停電発生を判定することができる。制御部は
、停電が発生した場合にステップS41に進み、停電が発生していない場合にステップS
63に進む。
すなわち、制御部は、停電が発生しない限り、ステップS63からステップS67まで
の処理を繰り返し実行する。詳しくは、制御部は、停電が発生していない場合には、初期
値乱数更新処理と性能表示編集処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し
おこなう。
そして、初期値乱数更新処理(ステップS63)の前に割込みを許可する(ステップS
66)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優
先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされるこ
とで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
同様に、性能表示編集処理(ステップS65)の前に割込みを禁止する(ステップS6
4)ことによって、タイマ割込みに優先して性能表示編集処理が実行されるようになり、
性能表示編集処理が圧迫されるのを回避することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主
制御手段からの指示にしたがい種々の制御をおこなう従制御手段(払出制御装置200、
演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時におい
て、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御手段の起動を待つための所定の待機時間を設
定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監
視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電
の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御
装置100)は、所定期間にわたり停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと
判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、
外部からの操作が可能な初期化操作部(RAM初期化スイッチ112)と、初期化操作部
が操作されたことにもとづきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段
(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化操作部の操作状態を待機時間の開始前に
読み込むようにしていることとなる。
なお、遊技制御装置100は、データ異常時の初期化の処理(第1初期化処理)と、初
期化操作時の初期化の処理(第2初期化処理)とを区別して実行する機能(第1初期化手
段、第2初期化手段)を有するため、状況に応じた最適かつ無駄のない初期化の処理が実
現できる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、
外部からの操作が可能な設定操作部(設定値変更スイッチ126、設定キースイッチ12
7)と、設定操作部が操作されたことにもとづきRAM111Cに記憶された設定値を変
更する設定変更手段(遊技制御装置100)とを備えることで設定変更を可能にするとと
もに、設定表示部(確率設定値表示装置136)を備えることで設定(設定値)を確認可
能にしている。また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM
111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、RAM(RAM111C)へのアクセス
を禁止(ステップS47)してすべての処理の実行停止を待機する停電発生時待機処理(
ステップS47の後のループ)と、RAM(RAM111C)へのアクセスを許可(ステ
ップS17)しながらすべての処理の実行停止を待機するRAM異常時待機処理(ステッ
プS31、ステップS32のループ)と、を実行可能にしている。
ここで、停電発生時待機処理とRAM異常時待機処理について説明する。停電発生時待
機処理は、メイン処理のステップS47でRAMへのアクセスを禁止された後に実行され
て、すべての処理の実行停止を待機するループ処理である。また、停電発生時待機処理は
、メイン処理のステップS41で割込みを禁止された後に実行されることから、NMI割
込みでない割込み(タイマ割込み)が禁止される。なお、停電発生時待機処理は、NMI
割込みについて割込みを禁止することができないことからNMI割込みが発生し得る。た
だし、停電発生時待機処理は、停電発生時に実行される処理であることから、当該処理の
実行中にNMI割込みが発生する危険が小さい。また、停電発生時待機処理は、異常報知
を伴わない待機処理である。これにより、遊技機10は、電源遮断までの電力を停電処理
に振り向けることができる。なお、遊技機10は、停電発生時待機処理にRAMへのアク
セスを禁止することで、不安定な電圧によりRAMの記憶内容が変化する危険を低減して
いる。
RAM異常時待機処理は、メイン処理のステップS17でRAM(RWM)へのアクセ
スを許可された後に実行されて、すべての処理の実行停止を待機するループ処理である。
また、RAM異常時待機処理は、メイン処理のステップS1で割込みを禁止された後に実
行されることから、NMI割込みでない割込み(タイマ割込み)が禁止される。なお、停
電発生時待機処理は、NMI割込みについて割込みを禁止することができないことからN
MI割込みが発生し得る。RAM異常時待機処理は、電源遮断を待つ処理であることから
、当該処理の実行中にNMI割込みが発生する危険が停電発生時待機処理よりも大きい。
しかしながら、RAM異常時待機処理は、NMI割込みが発生してもRAMへのアクセス
が許可されていることから戻りアドレスをRAMに格納可能であって、NMI割込み発生
によるプログラム暴走の危険が小さい。また、遊技機10は、ステップS30においてメ
イン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信することから、RAM異常時
待機処理の実行中に、演出制御装置300による異常報知を並行しておこなうことができ
る。これにより、遊技機10は、速やかな再起動が期待できる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、遊技制御装置100のタイマ割込み処理について図40を用いて説明する。図4
0は、第2の実施形態のタイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。このタイマ
割込み処理は、上述のメイン処理において、割込み許可が出てから割込みが禁止されるま
での間(ステップS38からステップS41まで、ステップS38からステップS55ま
で、ステップS66からステップS64まで、ステップS66からステップS41まで)
に生じる割込み処理である。タイマ割込み処理は、CPU111Aが実行する処理である
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイ
マ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111に
おいて、タイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、タイマ割込み処
理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS7
1)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(たとえば、メイン処理で
使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理をおこなっ
たのと同等になる。次に、所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)にRAM先頭アドレス
の上位アドレスをセットする(ステップS72)。ステップS72では、メイン処理にお
けるステップS4と同じ処理をおこなっているが、レジスタバンクが異なる。
次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、すなわち、各入力ポート
の状態を読み込む入力処理(ステップS73)をおこなう。ステップS74では、制御部
は、設定変更モード中フラグと設定確認モード中フラグとを参照し、設定変更モード中ま
たは設定確認モード中であるか否かを判定する。制御部は、設定変更モード中または設定
確認モード中である場合にステップS75に進み、設定変更/確認処理を実行し、タイマ
割込み処理を終了する。設定変更/確認処理については、図41を用いて後で説明する。
一方、制御部は、設定変更モード中または設定確認モード中のいずれでもない場合にステ
ップS76に進む。
ステップS76では、制御部は、各種処理でセットされた出力データにもとづき、ソレ
ノイド(大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動
制御等をおこなうための出力処理を実行する。
なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理
がおこなわれることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な
状態とされる。この発射許可信号は、払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される
。その際、信号の加工等はおこなわれない。また、当該発射許可信号は、遊技制御装置1
00から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置200から見た発射
許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置200内で生成され、発射
制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、
両者がともに発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成され
ている。
次に、制御部は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置20
0に出力する払出コマンド送信処理(ステップS77)、乱数更新処理1(ステップS7
8)、乱数更新処理2(ステップS79)を実行する。ここで、乱数更新処理1は、初期
値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図
柄乱数の初期値(スタート値)を更新するための処理である。また、乱数更新処理2は、
特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱
数を更新する処理である。なお、乱数更新処理1、あるいは乱数更新処理1に加えて乱数
更新処理2は、設定変更中の乱数更新の停止や更新周期の変更をおこなうようにしてもよ
い。
次に、制御部は、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートス
イッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a、特定領域スイッチ38
eから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放
されていないか等)をおこなう入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS80)をおこ
なう。また、始動口1スイッチ36aおよび始動口2スイッチ,37aの入賞を監視する
始動口スイッチ監視処理(ステップS81)をおこなう。なお、始動口スイッチ監視処理
では、第1始動入賞口をなす始動入賞口36、または第2始動入賞口をなす普通変動入賞
装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数等)の抽出をおこない、特図変
動表示ゲームの開始前の段階で当該入賞にもとづく遊技結果を事前に判定する遊技結果事
前判定をおこなう。
次に、制御部は、特図1変動表示ゲームに関する処理をおこなう特図1ゲーム処理(ス
テップS82)、特図2変動表示ゲームに関する処理をおこなう特図2ゲーム処理(ステ
ップS83)、普図変動表示ゲームに関する処理をおこなう普図ゲーム処理(ステップS
84)を実行する。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表
示するセグメントLED(たとえば、一括表示装置50の特図1図柄表示部53等のLE
D)を所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS85
)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理をおこなう
磁石不正監視処理(ステップS86)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして
異常がないか判定する処理をおこなう盤電波不正監視処理(ステップS87)をおこなう
。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処
理(ステップS88)、性能表示装置制御処理(ステップS89)をおこなって、タイマ
割込み処理を終了する。
ここで、第2の実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許
可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を
指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的におこな
われる。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバ
ンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔メイン処理〕
次に、演出制御装置300のメイン処理を図41を用いて説明する。図41は、第2の
実施形態の演出制御装置におけるメイン処理のフローチャートを示す図である。
メイン処理は、遊技機10の電源供給が開始された時点で演出制御装置300の制御部
(CPU311)によって実行される処理である。
[ステップD11]制御部は、割込みを禁止する。
[ステップD12]制御部は、CPU311の初期設定をおこなう。
[ステップD13]制御部は、割込みを許可する。
[ステップD14]制御部は、乱数シードを設定する。これは、たとえばsrand関
数を用いて擬似乱数の発生系列を設定する処理である。ここで、制御部は、srand関
数に与える引数として0(ゼロ)等の固定値を使用してもよいし、遊技機ごとに異なるよ
うにCPU等のID値等を基に作成した値を使用してもよい。
[ステップD15]制御部は、演出制御装置300のRWM(たとえばRAM322)
における初期化すべき領域(たとえば、演出用フラグ領域(当該演出制御装置300の制
御処理において後述する各種のフラグとして使う記憶領域))に電源投入時の初期値をセ
ーブする。
[ステップD16]制御部は、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)をクリアする。
[ステップD17]制御部は、演出ボタン入力処理を実行する。演出ボタン入力処理は
、演出ボタン(選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25b)が有効時に
操作された場合の編集をおこなう処理である。なお、演出ボタンは高速でオンオフしない
ので、制御部は、演出ボタンの入力を感知する処理を演出ボタン入力処理内でおこなって
もよいし、図示していない短周期のタイマ割込み内でおこなってもよい。
[ステップD18]制御部は、ホール・遊技者設定モード処理を実行する。ホール・遊
技者設定モード処理は、LEDや表示装置41の輝度、音量等の変更可能範囲の設定や、
遊技者によるLEDや表示装置41の輝度、音量の変更等の操作を受け付ける処理である
[ステップD19]制御部は、乱数更新処理を実行する。乱数更新処理は、たとえばr
and関数を用いてメイン処理の制御周期ごとに少なくとも1回の擬似乱数の更新をおこ
なう処理である。rand関数は、再計算がおこなわれる度に指定の生成系列にもとづい
て乱数を生成するので、制御部は、rand関数を実行するだけで乱数を得ることができ
る。なお、主基板(遊技制御装置100)のように「1」ずつインクリメントするカウン
タを乱数として用いてもよい。
[ステップD20]制御部は、受信コマンドチェック処理を実行する。受信コマンドチ
ェック処理は、遊技制御装置100から受信したコマンドを所定数単位で解析する処理で
ある。
[ステップD21]制御部は、演出表示編集処理を実行する。演出表示編集処理は、表
示装置41での表示内容を制御するためのリール動作スケジュールの設定をおこなう処理
である。たとえば、制御部は、演出表示編集処理においてリール動作スケジュールをテー
ブル状に設定する。
[ステップD22]制御部は、リール制御処理を実行する。リール制御処理は、ステッ
プD21で設定したリール動作スケジュールにしたがい表示装置41のリール動作態様と
、各種LEDの点灯態様を設定する処理である。たとえば、制御部は、表示装置41が備
えるリールの回転速度と回転量を設定する。
[ステップD23]制御部は、サウンド制御処理を実行する。サウンド制御処理は、ス
ピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の音量制御に関する処理であ
る。
[ステップD24]制御部は、装飾制御処理を実行する。装飾制御処理は、盤装飾装置
46や枠装飾装置18等の各種LED等を制御する処理である。
[ステップD25]制御部は、可動体制御処理を実行する。可動体制御処理は、各種モ
ータやSOL(ソレノイド)を含む可動体(たとえば、盤演出装置44)を制御する処理
である。
[ステップD26]制御部は、発射情報制御処理を実行する。発射情報制御処理は、発
射状態フラグにもとづいて、発射関連情報を設定するとともに、特図回転状態(所定金額
分(即ち所定貸球数分)の遊技あたりの特図変動回数)に応じた演出のモード補正をおこ
なう処理である。
[ステップD27]制御部は、情報開示処理を実行する。情報開示処理は、遊技者に対
して遊技性能に関する性能情報を開示する処理である。
制御部は、ステップD27を実行した後にステップD16に戻り、以降、ステップD1
6乃至ステップD27の処理を繰り返し実行する。即ち、ステップD16乃至ステップD
27は、演出制御装置300の起動後に上記処理周期で繰り返し実行されるループ処理(
場合によりメインループ処理という)を構成している。
なお、制御部は、表示装置41の演出に合わせるためメインループ処理内でステップD
23乃至ステップD25の処理を実行しているが、これら制御処理で生成または設定され
た信号やデータ(特に各種LEDやモータを駆動制御する信号等)を実際にポートに出力
する処理は、図示していない短周期のタイマ割込み内でおこなわれる。ただし、各種デバ
イスの制御に特化したICを使用している場合は、シリアル通信等で指示するだけで、タ
イマ割込みで信号等の出力をおこなわない場合もある。
次に、表示装置41について図42を用いて説明する。図42は、第2の実施形態の表
示装置の概観の一例を示す図である。表示装置41は、左図柄表示領域41Lと、中図柄
表示領域41Cと、右図柄表示領域41Rと、特図1変動中表示41aと、特図2変動中
表示41bと、保留表示41dと、保留消化表示41eとを含む。
表示装置41は、箱状の筐体に、中央部で横方向に並ぶ大きな矩形状の3つの窓部と、
右下部で横方向に並ぶ小円状の2つの窓部と、中央下部で横方向に並ぶ円状の8つの窓部
と、左下部に位置する楕円状の1つの窓部を有する。
左図柄表示領域41Lと、中図柄表示領域41Cと、右図柄表示領域41Rとは、3つ
が一体となって、特図1または特図2の図柄表示の図柄表示領域を構成し、特図1または
特図2の飾り図柄を表示する。
左図柄表示領域41Lは、矩形状の3つの窓部のうちの左側の窓部から左リールLLの
一部を臨ませて、特図1または特図2の左図柄を表示する。中図柄表示領域41Cは、矩
形状の3つの窓部のうちの中側の窓部から中リールCLの一部を臨ませて、特図1または
特図2の中図柄を表示する。右図柄表示領域41Rは、矩形状の3つの窓部のうちの右側
の窓部から右リールRLの一部を臨ませて、特図1または特図2の右図柄を表示する。
なお、左図柄表示領域41L、中図柄表示領域41C、および右図柄表示領域41Rは
、それぞれ縦に3図柄を並べて表示可能な大きさであることから、全体で9図柄を表示可
能である。
なお、特図1または特図2の飾り図柄は、中央横方向に並ぶ1ラインを有効ラインとし
てもよいし、これに上下横方向に並ぶ2ラインを加えて3ラインを有効ラインとしてもよ
いし、さらに左斜めに並ぶ1ラインと右斜めに並ぶ1ラインとの2ラインを加えて5ライ
ンを有効ラインとしてもよい。また、有効ラインは、これに限らない並び方(たとえば、
山形ラインや谷型ライン等)であってもよいし、有効ラインの数は1以上であればいくつ
であってもよい。
右下部で横方向に並ぶ小円状の2つの窓部からは、それぞれLEDが臨み、左側のLE
Dが特図1変動中表示41aに対応し、右側のLEDが特図2変動中表示41bに対応す
る。たとえば、特図1変動中表示41aは、対応するLEDの点滅で特図1ゲームの変動
表示中を示し、対応するLEDの点灯で特図1ゲームの変動停止(停止図柄表示中)を示
し、対応するLEDの消灯で特図1ゲームの非実行中を示す。また、特図2変動中表示4
1bは、対応するLEDの点滅で特図2ゲームの変動表示中を示し、対応するLEDの点
灯で特図2ゲームの変動停止(停止図柄表示中)を示し、対応するLEDの消灯で特図2
ゲームの非実行中を示す。
遊技機10は、左図柄表示領域41Lと中図柄表示領域41Cと右図柄表示領域41R
とで表示する飾り図柄について表示演出の多様性を確保しながら特図1変動中表示41a
と特図2変動中表示41bとで遊技者の遊技状態把握を容易にする。
また、遊技機10は、左図柄表示領域41Lと中図柄表示領域41Cと右図柄表示領域
41Rとで表示する飾り図柄の表示に、例えば故障等の障害が生じた場合であっても、特
図1変動中表示41aと特図2変動中表示41bとで変動表示状態を案内できる。したが
って、遊技機10は、左図柄表示領域41Lと中図柄表示領域41Cと右図柄表示領域4
1Rとで表示する飾り図柄が特図表示として機能しない場合であっても、特図1変動中表
示41aと特図2変動中表示41bとから変動表示状態を把握可能にし、特図1図柄表示
部53と特図2図柄表示部54とから変動表示結果を把握可能にしている。
中央下部で横方向に並ぶ円状の8つの窓部から臨むLEDは、保留表示41dに対応す
る。保留表示41dは、その表示態様により、特図変動表示ゲームの保留記憶数(保留し
ている特図1ゲームの始動記憶の数と保留している特図2ゲームの始動記憶の数との和)
を明示する。したがって、保留表示41dが表示する保留記憶数は、遊技状態に応じて、
特図1の保留記憶数、または特図2の保留記憶数のいずれか、または双方の合計数に相当
する。また、保留表示41dは、保留記憶ごとのゲーム結果に対する期待度を報知できる
左下部に位置する楕円状の1つの窓部から臨むLEDは、保留消化表示41eに対応す
る。保留消化表示41eは、その表示態様により、特図変動表示ゲームが変動表示状態に
あることを示すとともにゲーム結果に対する期待度を報知できる。すなわち、遊技機10
は、保留表示41dと保留消化表示41eとを用いて保留予告演出をおこなうことができ
る。保留予告演出は、保留表示41dと保留消化表示41eとを用いておこなう先読み演
出の一態様である。
次に、リールの外周面に設けられた図柄配列について図43を用いて説明する。図43
は、第2の実施形態のリールの外周面に設けられた図柄配列の一例を示す図である。表示
装置41は、左リールLL、中リールCL、および右リールRLの3つのリールを有する
。左リールLLは、リールの外周面に左リール図柄配列FA1を設ける。中リールCLは
、リールの外周面に中リール図柄配列FA2を設ける。右リールRLは、リールの外周面
に右リール図柄配列FA3を設ける。左リールLL、中リールCL、および右リールRL
は、いずれも同じ大きさの外周面であり、後述するステッピングモータが同方向に所定ス
テップ(たとえば、200ステップ)駆動することにより1回転し、図柄配列上のすべて
の図柄を表示面に臨ませることができる。なお、ステッピングモータは、1周200ステ
ップに限らず、1周360ステップなど、その他のステップ数で1周するものであっても
よい。
左リール図柄配列FA1は、下から順に、位置FP1に図柄「ロケット」を配置し、位
置FP2にブランク図柄を配置し、位置FP3に図柄「赤7」を配置し、位置FP4にブ
ランク図柄を配置し、位置FP5に図柄「トラ」を配置し、位置FP6にブランク図柄を
配置し、位置FP7,FP8,FP9に大図柄「ブタ」を配置し、位置FP10にブラン
ク図柄を配置し、位置FP11に図柄「白7」を配置し、位置FP12にブランク図柄を
配置し、位置FP13に図柄「ライオン」を配置し、位置FP14にブランク図柄を配置
する。
中リール図柄配列FA2は、下から順に、位置FP1に図柄「トラ」を配置し、位置F
P2にブランク図柄を配置し、位置FP3に図柄「赤7」を配置し、位置FP4にブラン
ク図柄を配置し、位置FP5に図柄「ロケット」を配置し、位置FP6にブランク図柄を
配置し、位置FP7,FP8,FP9に大図柄「ブタ」を配置し、位置FP10にブラン
ク図柄を配置し、位置FP11に図柄「ライオン」を配置し、位置FP12にブランク図
柄を配置し、位置FP13に図柄「白7」を配置し、位置FP14にブランク図柄を配置
する。右リール図柄配列FA3は、中リール図柄配列FA2と同様である。
このように、リールの外周面で図柄(大図柄、ブランク図柄を含む)が配設される位置
は、FP1からFP14までの14か所である。ステッピングモータは、200ステップ
でリールを一周させるから、FP1からFP14までを等間隔で配置することができない
。そのため、左リール図柄配列FA1、中リール図柄配列FA2、および右リール図柄配
列FA3は、FP6からFP10までの連続する4区間を15ステップ間隔とし、その余
を14ステップ間隔とする。これにより、なお、14ステップ区間と15ステップ区間を
それぞれまとめて配置したが、14ステップ区間と15ステップ区間を分散して配置する
ものであってもよい。また、遊技機10は、左リール図柄配列FA1、中リール図柄配列
FA2、および右リール図柄配列FA3において、15ステップ区間をまとめて配置する
とともに15ステップ区間に大図柄「ブタ」を配置したことで、大図柄「ブタ」に関する
変動表示を他の図柄と比較してきめ細かくおこなうことを可能にしている。
なお、図柄配列中の図柄「ロケット」、図柄「赤7」、図柄「トラ」、図柄「白7」、
および図柄「ライオン」は、左リールLL、中リールCL、および右リールRLのそれぞ
れで同じ図柄が有効ライン(中央横方向に並ぶ1ラインに限らない)上に揃うと、変動表
示ゲームの結果として当りを導出したことを示す。また、図柄配列中の大図柄「ブタ」は
、左リールLL、中リールCL、および右リールRLのそれぞれで大図柄が有効ライン(
中央横方向に並ぶ1ラインに限る)上に揃うと、変動表示ゲームの結果として当りを導出
したことを示す。図柄配列中のブランク図柄は、左リールLL、中リールCL、および右
リールRLのそれぞれでブランク図柄が有効ライン(中央横方向に並ぶ1ラインに限らな
い)上に揃っても、変動表示ゲームの結果として当りを導出したことを示さない。
次に、左リールLL、中リールCL、および右リールRLで共通に用いられるリールユ
ニットについて図44を用いて説明する。図44は、第2の実施形態のリールユニットの
構成の一例を示す図である。
リールユニット500は、リールフレーム501と、ステッピングモータ502と、フ
ォトセンサ503と、LED基板504とを含む。リールフレーム501は、円筒部の外
周面に図柄配列を印刷したフィルムを貼付する。リールフレーム501は、円筒底面の一
側にスポークを配設してステッピングモータ502と軸着可能にするとともに、円筒底面
の他側を開放して円筒部内にステッピングモータ502とLED基板504を収容する。
ステッピングモータ502は、一側で表示装置41の筐体に支持され、他側でリールフ
レーム501と軸着してリールフレーム501を支持するとともにリールフレーム501
を回転可能にしている。ステッピングモータ502は、1ステップ単位でリールフレーム
501の回転位置を制御可能であり、リールフレーム501を200ステップで1回転さ
せることができる。
フォトセンサ503は、リールフレーム501またはリールフレーム501に貼付され
たフィルムを跨ぐように配設され、遮光状態と通光状態とを検出する。リールフレーム5
01は、1周回のうちの所定位置(基準位置)に遮光部510を備え、その余の位置を通
光部とする。これにより、遊技機10は、フォトセンサ503によってリールフレーム5
01の基準位置を検出し、ステッピングモータ502の駆動制御によりリールフレーム5
01の回転位置を制御する。
なお、遮光部510は、リールフレーム501に設けられるものであってもよいし、リ
ールフレーム501に貼付されたフィルムに設けられるものであってもよい。また、リー
ルユニット500は、基準位置に遮光部510を備え、その余の位置を通光部としたが、
基準位置に通光部を備え、その余の位置を遮光部とするものであってもよい。
LED基板504は、リールフレーム501に貼付されたフィルム越しに表示装置41
の矩形状の窓部を臨む位置に配設される。LED基板504は、複数のLED505を備
える。LED505は、リールフレーム501に貼付されたフィルムを裏面から照射して
、その他点灯態様により図柄表示領域に位置する図柄を装飾できる。たとえば、LED5
05は、フルカラーLEDであって、点灯、消灯、点滅の他、明度を変えたり、色彩を違
えたりして、図柄表示領域に位置する図柄を装飾できる。
このような表示装置41は、通常、制御上のリール位置と実際のリール位置とが一致す
るが、何らかの理由により制御上のリール位置と実際のリール位置とが不一致となる場合
がある。ここで、制御上のリール位置と実際のリール位置との不一致について図45を用
いて説明する。図45は、第2の実施形態の表示装置における制御上のリール位置と実際
のリール位置との不一致の一例を示す図である。
図45(1)は、表示装置41における変動表示中の図柄表示例である。表示装置41
は、左リールLLと中リールCLと右リールRLとで大図柄「ブタ」を揃えて上下に揺動
表示する。このとき、左リールLL、中リールCL、および右リールRLの各ステッピン
グモータは、制御上の位置FP8が有効ライン(中央横方向に並ぶ1ライン)上で前後す
るように制御する。このとき、ステッピングモータは、リールの慣性により脱調する場合
がある。
たとえば、図45(2)は、表示装置41における変動表示中にステッピングモータが
脱調したときの図柄停止時の表示例である。表示装置41は、制御上、左リールLLと中
リールCLと右リールRLとで大図柄「ブタ」を有効ライン上に停止させている。しかし
ながら、左リールLLは、ステッピングモータの脱調による回転過少で、正位置で停止し
た中リールCLと比較して大図柄「ブタ」が回転過少方向にd1だけずれて停止している
。また、右リールRLは、ステッピングモータの脱調による回転過多で、正位置で停止し
た中リールCLと比較して大図柄「ブタ」が回転過多方向にd2だけずれて停止している
このようなずれd1、d2は、その大きさが過大になると、実際の停止図柄が制御上の
停止図柄と異なるものとして表示され得る。たとえば、ずれd1、d2は、図柄配置間隔
が14ステップであるとき半分の7ステップに達すると、停止図柄が判然としなくなる。
また、各リールにおけるずれ量が過大であるとまで言えない場合であっても、リール同士
の相対的なずれ量が過大であるために、停止図柄が判然としなくなる場合がある。たとえ
ば、図45(2)において、左リールLLは、中リールCLに対してd1だけずれていて
も同じ大図柄「ブタ」が停止しているとして認識可能な場合がある。また、右リールRL
は、中リールCLに対してd2だけずれていても同じ大図柄「ブタ」が停止しているとし
て認識可能な場合がある。しかしながら、左リールLLと右リールRLとは、相対的にd
1+d2だけずれているため、左リールLLと右リールRLとで同じ大図柄「ブタ」が停
止しているとして認識できない場合があり得る。
そこで、遊技機10は、制御上のリール位置と実際のリール位置とのずれ量を、適宜検
出して補正する処理をおこなう。次に、制御上のリール位置と実際のリール位置とのずれ
量を検出するリール位置監視処理について図46を用いて説明する。図46は、第2の実
施形態のリール位置監視処理のフローチャートを示す図である。
リール位置監視処理は、演出制御装置300の制御部(CPU311)によってリール
回転中に実行される処理である。リール位置監視処理は、たとえば、メイン処理のステッ
プD22のリール制御処理で制御部によって実行される処理の1つである。
[ステップD31]制御部は、左リールLL、中リールCL、および右リールRLの少
なくともいずれか1つの基準位置を検出したか否かを判定する。なお、各リールの基準位
置は、各リールが備えるフォトセンサによって検出できる。制御部は、左リールLL、中
リールCL、および右リールRLの少なくともいずれか1つの基準位置を検出した場合に
ステップD32に進み、基準位置を検出しない場合にリール位置監視処理を終了する。
[ステップD32]制御部は、基準位置を検出したリールについて制御位置情報を取得
する。
[ステップD33]制御部は、基準位置を検出したリールのずれ量を検出する。制御部
は、基準位置を検出したリールの制御位置情報が基準位置と一致しない場合にずれありと
判定し、その大きさをずれ量として検出する。なお、制御部は、基準位置を検出したリー
ルの制御位置情報が基準位置と一致する場合にずれなしと判定する。
[ステップD34]制御部は、検出したずれ量をリールごとに所定の記憶領域に保存す
る。制御部は、ずれ量を保存した後、リール位置監視処理を終了する。
次に、リール位置監視処理により検出したずれ量を補正する処理について説明する。ま
ず、リールごとの位置補正の是非を判定し、リールごとの位置補正を是とする場合に位置
補正を予約する位置補正予約処理について図47を用いて説明する。図47は、第2の実
施形態の位置補正予約処理のフローチャートを示す図である。
位置補正予約処理は、演出制御装置300の制御部(CPU311)によってリール回
転中に実行される処理である。位置補正予約処理は、たとえば、メイン処理のステップD
22のリール制御処理で制御部によって実行される処理の1つである。
[ステップD41]制御部は、位置補正条件が成立したか否かを判定する。制御部は、
位置補正条件が成立した場合にステップD42に進み、位置補正条件が成立しない場合に
位置補正予約処理を終了する。位置補正条件は、各リールのずれ量の有無やその大きさを
判定しておこなう。本実施形態では、制御部は、ずれ量が1ステップでもあれば位置補正
条件が成立したとするが、ずれ量が所定ステップ以上(たとえば、3ステップ以上)あれ
ば位置補正条件が成立したとしてもよい。なお、制御部は、後述する位置補正が予約され
ている場合、重複予約を排除するために各リールのずれ量の有無やその大きさに関わらず
位置補正条件を不成立とする。
[ステップD42]制御部は、当該変動(ずれ量を検出した図柄変動)内で位置補正可
能か否かを判定する。たとえば、制御部は、位置補正をおこなうのに十分な時間があるか
否か、位置補正をおこなうのに適した回転動作があるか否か、あるいは位置補正後の検証
が可能であるか否か等を判定基準にすることができる。制御部は、当該変動内で位置補正
可能であると判定した場合にステップD43に進み、当該変動内で位置補正可能でないと
判定した場合にステップD44に進む。
[ステップD43]制御部は、当該変動内での位置補正予約をセットし、位置補正予約
処理を終了する。これにより、制御部は、当該変動内で位置補正を実行する。
[ステップD44]制御部は、次回変動内での位置補正予約をセットし、位置補正予約
処理を終了する。これにより、制御部は、次回変動内で位置補正を実行する。なお、制御
部は、次回変動で位置補正できない場合、次回以降の変動で位置補正をおこなう。
次に、位置補正予約処理により予約された位置補正にもとづいて補正をおこなう位置補
正制御処理について図48を用いて説明する。図48は、第2の実施形態の位置補正制御
処理のフローチャートを示す図である。
位置補正制御処理は、演出制御装置300の制御部(CPU311)によって実行され
る処理である。位置補正制御処理は、たとえば、メイン処理のステップD22のリール制
御処理で制御部によって実行される処理の1つである。なお、制御部は、遊技制御装置1
00から次回変動のコマンドを受けるまで次回変動の変動パターンが不明なため、位置補
正予約処理において当該変動内で位置補正が予約された場合に当該変動中に位置補正制御
処理を実行し、次回変動内で位置補正が予約された場合に次回変動の開始を待って位置補
正制御処理を実行する。
[ステップD51]制御部は、各リール(左リールLL、中リールCL、および右リー
ルRL)のずれ量を取得する。
[ステップD52]制御部は、当該変動での補正可能タイミングを取得する。
[ステップD53]制御部は、当該変動での補正において相対補正可能か否かを判定す
る。制御部は、当該変動での補正において相対補正可能である場合にステップD54に進
み、相対補正可能でない場合にステップD55に進む。
相対補正は、ずれのないリールとずれのあるリールとの相対的な位置を補正する補正で
ある。制御部は、相対補正なし補正と、相対補正あり補正とをおこなうことができる。相
対補正なし補正と、相対補正あり補正とについては後で説明する。
[ステップD54]制御部は、相対補正あり補正を選択する。
[ステップD55]制御部は、相対補正なし補正を選択する。
[ステップD56]制御部は、当該変動中に補正対象となるリールごとに選択された補
正変動をセットして位置補正制御処理を終了する。補正変動は、正規の変動に対して、速
度切替タイミングや切替速度を違えて位置を補正する。
ここで、相対補正なし補正と、相対補正あり補正とについて図49を用いて説明する。
図49は、第2の実施形態の相対補正なし補正と相対補正あり補正の一例を示す図である
図49(1)は、相対補正なし補正の一例を示す。左リールLLのずれ量が「+1」、
中リールCLのずれ量が「0」、右リールRLのずれ量が「-1」のとき、制御部は、左
リールLLの補正量を「-1」、中リールCLの補正量を「0」、右リールRLの補正量
を「+1」としてリールごとのずれ量を「0」にする。このように、制御部は、相対補正
なし補正においてはリールごとのずれ量を一段階で「0」にする。このような補正変動は
、リールごとのずれ量が小さい時に遊技者に違和感を与えることがない。一方で、このよ
うな補正変動は、リールごとのずれ量が大きい時に遊技者に違和感を与える場合がある。
そのため、制御部は、リールごとのずれ量が所定の閾値(たとえば、ずれ量「3」)以下
にあるとき相対補正なし補正をおこなう。なお、ずれ量「+1」は、制御上のリール位置
に対して実際のリール位置が1ステップ過大であることを示し、ずれ量「-1」は、制御
上のリール位置に対して実際のリール位置が1ステップ過少であることを示す。
図49(2)は、相対補正あり補正の一例を示す。左リールLLのずれ量が「+6」、
中リールCLのずれ量が「0」、右リールRLのずれ量が「0」のとき、制御部は、左リ
ールLLの補正量を「-3」、中リールCLの補正量を「+3」、右リールRLの補正量
を「+3」としてリール間の相対的なずれ量を「0」にする。制御部は、このような補正
を一次補正(相対補正)としておこなう。このとき、左リールLLのずれ量、中リールC
Lのずれ量、および右リールRLのずれ量(一次補正後ずれ量)は、すべて「+3」とな
る。これにより、左リールLL、中リールCL、および右リールRLは、全体としてずれ
が生じたこととなるが、遊技者にとっては左リールLL、中リールCL、および右リール
RL相互間のずれがないため違和感のない表示状態、あるいは違和感の小さい表示状態と
なる。
次に、制御部は、左リールLLの補正量を「-3」、中リールCLの補正量を「-3」
、右リールRLの補正量を「-3」としてリールごとのずれ量を「0」(二次補正後ずれ
量)にする。制御部は、このような補正を二次補正(絶対補正)としておこなう。このよ
うな2段階の補正変動は、リールごとのずれ量が大きい時にも遊技者に違和感を与えるこ
とがない。なお、制御部は、相対補正なし補正を1段階の補正変動とし、相対補正あり補
正を2段階の補正変動としたが、相対補正なし補正を2段階の補正変動としてもよい。
図49(3)は、相対補正なし補正の一例を示す。左リールLLのずれ量が「+6」、
中リールCLのずれ量が「0」、右リールRLのずれ量が「0」のとき、制御部は、左リ
ールLLの補正量を「-3」、中リールCLの補正量を「0」、右リールRLの補正量を
「0」として左リールLLのずれ量を「+3」(一次補正後ずれ量)にする。制御部は、
このような補正を一次補正(絶対補正)としておこなう。
次に、制御部は、左リールLLの補正量を「-3」、中リールCLの補正量を「0」、
右リールRLの補正量を「0」としてリールごとのずれ量を「0」(二次補正後ずれ量)
にする。制御部は、このような補正を二次補正(絶対補正)としておこなう。このような
2段階の補正変動は、リールごとのずれ量が大きい時にも遊技者に違和感を与えることが
ない。
なお、制御部は、リールごとのずれ量が大きい時に2段階の補正変動をおこなうとした
が、相対補正なし補正と相対補正あり補正のいずれにおいても3段階以上の補正変動をお
こなうようにしてもよい。また、制御部は、複数段階の補正変動をおこなうときに、1回
の変動のうちにおこなうようにしてもよいし、複数回の変動に分けて補正変動をおこなう
ようにしてもよい。
次に、変動ごとの補正可能タイミングについて図50を用いて説明する。図50は、第
2の実施形態の補正可能タイミング選択条件の一例を示す図である。
制御部は、位置補正予約処理のステップD42において当該変動内での位置補正可能か
否かを判定するが、このとき当該変動内で特定変動時、仮停止時、再変動時、停止時にお
いて補正可能なタイミングがあるか否かを、当該変動の変動パターンや停止パターン(停
止図柄)が選択条件として適合するか否かによって判定できる。制御部は、当該変動内で
特定変動時、仮停止時、再変動時、停止時において補正可能なタイミングがあると判定で
きたとき、当該変動内での位置補正可能であると判定できる。
たとえば、変動パターンC1や停止パターンC1は、当該変動内の特定変動時において
補正可能であると判定できる。同様に、変動パターンC2や停止パターンC2は、当該変
動内の仮停止時において補正可能であると判定でき、変動パターンC3や停止パターンC
3は、当該変動内の再変動時において補正可能であると判定でき、変動パターンC4や停
止パターンC4は、当該変動内の停止時において補正可能であると判定できる。
なお、説明を簡単にするために、当該変動内で特定変動時、仮停止時、再変動時、停止
時において選択条件として適合可能な変動パターンや停止パターンを一例ずつ挙げている
が、適合する変動パターンや停止パターンがない場合があってもよいし、2つ以上ある場
合があってもよい。
なお、特定変動時、仮停止時、再変動時、停止時は、当該変動の補正タイミングを設定
可能な変動態様の一例である。たとえば、特定変動時は、リーチ動作等の特定の変動態様
中の所定のタイミングであって、仮停止時は、仮停止動作中の所定のタイミングであって
、再変動時は、再変動中の所定のタイミングであって、停止時は、停止中の所定のタイミ
ングである。
このようにして、遊技機10は、リール回転を伴う変動表示中に検出したリールのずれ
を変動停止までに補正することができる。これにより、遊技機10は、リールの制御上の
位置と実際の位置とのずれにより結果態様を遊技者に誤認させてしまう危険を低減できる
また、当該変動において補正可能なタイミングを設定する場合、変動表示時間全体のう
ち前半変動が終了していることが多いことから、当該変動において補正可能なタイミング
を設定可能な変動態様は、後半変動に含まれる変動態様が設定される。
また、位置補正予約処理のステップD42において当該変動内での位置補正ができない
と判定したときに次回変動に位置補正を持ち越すが、次回変動では、次回変動内で変動開
始時、変動開始動作、速度切替時、高速変動時において補正可能なタイミングがあるか否
かを、次回変動時の変動パターンや停止パターン(停止図柄)が選択条件として適合する
か否かによって判定できる。制御部は、次回変動時の変動開始時、変動開始動作、速度切
替時、高速変動時において補正可能なタイミングがあると判定できたとき、次回変動時に
位置補正可能であると判定できる。
たとえば、変動パターンN1や停止パターンN1は、次回変動時の変動開始時において
補正可能であると判定できる。同様に、変動パターンN2や停止パターンN2は、次回変
動時の変動開始動作において補正可能であると判定でき、変動パターンN3や停止パター
ンN3は、次回変動時の速度切替時において補正可能であると判定でき、変動パターンN
4や停止パターンN4は、次回変動時の高速変動時において補正可能であると判定できる
なお、説明を簡単にするために、次回変動時の変動開始時、変動開始動作、速度切替時
、高速変動時において選択条件として適合可能な変動パターンや停止パターンを一例ずつ
挙げているが、適合する変動パターンや停止パターンがない場合があってもよいし、2つ
以上ある場合があってもよい。
なお、変動開始時、変動開始動作、速度切替時、高速変動時は、次回変動時の補正タイ
ミングを設定可能な変動態様の一例である。たとえば、変動開始時は、変動開始タイミン
グであって、変動開始動作は、遅れ動作や一時的な逆回転動作(ホッピングアクション等
)のタイミングであって、速度切替時は、低速変動から中速変動、あるいは中速変動から
高速変動への切替タイミングであって、高速変動時は、高速変動中の所定のタイミングで
ある。
また、次回変動時において補正可能なタイミングを設定する場合、変動表示時間全体の
うち前半変動が開始前であることから、当該変動において補正可能なタイミングを設定可
能な変動態様は、前半変動に含まれる変動態様が設定される。
このようにして、遊技機10は、リール回転を伴う変動表示中に検出したリールのずれ
を、次回の変動開始時あるいは変動開始後に補正することができる。これにより、遊技機
10は、リールの制御上の位置と実際の位置とのずれにより結果態様を遊技者に誤認させ
てしまう危険を低減できる。
なお、トルクフルなステッピングモータにより脱調を防止したり、ステッピングモータ
に併設するエンコーダ出力にもとづくフィードバック制御により脱調から復帰したりする
ことによるよりも、遊技機10は、低コストにリールの制御上の位置と実際の位置とのず
れを補正することができるし、表示装置41をコンパクトにまとめることができる。
ここまで、変動表示ゲーム中のリールごとの補正動作について説明してきたが、演出制
御装置300は、遊技機10(演出制御装置300)の電源投入を契機にして、リール初
期化処理をおこなう。リール初期化処理は、ステッピングモータ502の動作確認と、フ
ォトセンサ503の信号検出確認とをおこない、所定の表示態様を表示して初期化結果を
報知する処理である。
ここで、リールの初期稼働をおこなうリール初期化処理について図51を用いて説明す
る。図51は、第2の実施形態のリール初期化処理のフローチャートを示す図である。リ
ール初期化処理は、演出制御装置300の制御部(CPU311)によって実行される処
理である。リール初期化処理は、たとえば、メイン処理のステップD22のリール制御処
理で制御部によって実行される処理の1つである。
[ステップD61]制御部は、電源投入時のモード(遊技制御装置100のメイン処理
参照)が設定変更モードまたは設定確認モードであるか否かを判定する。制御部は、電源
投入時のモードが設定変更モードまたは設定確認モードである場合にステップD62に進
み、設定変更モードまたは設定確認モードでない場合にステップD64に進む。なお、制
御部は、遊技制御装置100から所要のコマンドを受信することによって、電源投入時の
モードが設定変更モードまたは設定確認モードであるか否かを判定することができる。
[ステップD62]制御部は、設定変更モードまたは設定確認モードが終了したか否か
を判定する。制御部は、設定変更モードまたは設定確認モードの終了を検出した場合にス
テップD64に進み、設定変更モードまたは設定確認モードの終了を検出しない場合にス
テップD63に進む。なお、制御部は、遊技制御装置100から所要のコマンドを受信す
ることによって、設定変更モードまたは設定確認モードの終了を検出できる。
[ステップD63]制御部は、初期化動作を待機する待機動作をセットする。たとえば
、待機動作は、すべてのリールの停止と、すべてのLED505の消灯である。制御部は
、待機動作をセットした後にステップD62に進む。すなわち、制御部は、設定変更モー
ドまたは設定確認モードを検出した場合、設定変更モードまたは設定確認モードの終了を
検出するまで初期化動作を待機する。
[ステップD64]制御部は、初期化動作をセットする。初期化動作は、すべてのリー
ルが1回転以上して所定の図柄で停止する動作である。具体的には、制御部は、各リール
のステッピングモータ502を順方向に駆動し、フォトセンサ503の入力信号からリー
ルの基準位置を検出し、さらに順方向の回転で1回転させてリールの制御上の位置と実際
の位置とにずれがないことを確認する。次に、制御部は、逆方向の回転で1回転させてリ
ールの制御上の位置と実際の位置とにずれがないことを確認する。制御部は、両方向の回
転が正常であることを確認すると、リールごとに所定の図柄を表示させて停止する。
なお、制御部は、停電復旧を伴う電源投入であるか、RAM初期化を伴う電源投入であ
るかを問わずに初期化動作を実行するため、停電復旧を伴う電源投入である場合に、客待
ち中、特図ゲームの変動表示中、大当り中等の遊技制御状態において初期化動作が実行さ
れ得る。そのため、制御部は、初期化動作において、リールごとに停止表示する所定の図
柄の組み合わせが大当りを構成しないようにする。また、制御部は、初期化動作中に変動
表示が開始された場合、制御部は、リールについて初期化動作を優先する。よって、制御
部は、特図1変動中表示41aと特図2変動中表示41bで変動状態を報知する。特図1
ゲームの変動表示中にあっては特図1変動中表示41aの点滅表示によって特図2ゲーム
の変動表示中を示し、特図2ゲームの変動表示中にあっては特図2変動中表示41bの点
滅表示によって特図1ゲームの変動表示中を示す。また、制御部は、特図1変動中表示4
1aと特図2変動中表示41bに加えて、保留表示41dと保留消化表示41eも遊技制
御状態に応じた表示態様としてもよい。
なお、制御部は、RAM初期化を伴う電源投入である場合、特図1変動中表示41aと
特図2変動中表示41bと保留表示41dと保留消化表示41eとを遊技制御状態から独
立して順次点灯等により点灯動作確認をおこなうようにしてもよい。
[ステップD65]制御部は、初期化動作により正常動作を確認したか否かを判定する
。制御部は、初期化動作により正常動作を確認した場合にステップD66に進み、正常動
作を確認しない場合にステップD67に進む。なお、制御部は、1回の初期化動作の失敗
によりステップD67に進むことに代えて、所定回数のリトライ動作を経て正常動作を確
認しない場合にステップD67に進むようにしてもよい。
[ステップD66]制御部は、初期化動作の結果としてリールごとに停止表示する所定
の図柄の組み合わせによって正常動作の確認を報知し、リール初期化処理を終了する。な
お、制御部は、各リールを用いた変動表示動作については、正常動作の確認後の次回変動
から開始する。
[ステップD67]制御部は、初期化動作の結果として所定の表示態様によって異常動
作を報知し、リール初期化処理を終了する。
なお、遊技機10は、初期化処理においておこなう初期化動作を電源投入時に限って実
行されるものとしてもよい。すなわち、遊技機10は、遊技者が遊技をおこなっている状
態で初期化動作をおこなわないものとする。これにより、遊技機10は、電源投入が遊技
場開店前におこなわれることが普通であるから、初期化動作の結果として異常動作報知に
接する対象を遊技場係員に限定することができる。
ここで、正常動作の報知例と異常動作の報知例について図52を用いて説明する。図5
2は、第2の実施形態のリール初期化処理の初期化動作の結果報知の一例を示す図である
図52(1)は、正常動作の報知例を示す。表示装置41は、有効ライン(中央横方向
に並ぶ1ライン)上に、左リールLLが図柄「ロケット」を表示し、中リールCLが大図
柄「ブタ」を表示し、右リールRLが図柄「赤7」を表示する。このとき、左リールLL
、中リールCL、および右リールRLの各リールの図柄の組み合わせは、大当りを構成し
ない。また、左リールLL、中リールCL、および右リールRLの各図柄は、LED50
5の白色点灯によって背面から照らされ、正常動作であることを案内する。
図52(2)は、異常動作の報知例を示す。表示装置41は、有効ライン(中央横方向
に並ぶ1ライン)上に、左リールLLが図柄「ロケット」を表示し、中リールCLが大図
柄「ブタ」を表示し、右リールRLが不定図柄を表示する。これは、制御部が左リールL
Lと中リールCLについて正常動作を確認し、右リールRLについて正常動作を確認でき
なかった場合の表示例である。
制御部は、左リールLLと中リールCLについて正常動作を確認したので有効ライン(
中央横方向に並ぶ1ライン)上に、左リールLLが図柄「ロケット」を表示させ、中リー
ルCLが大図柄「ブタ」を表示させる。しかしながら、制御部は、右リールRLについて
正常動作を確認できなかったので必ずしも右リールRLに図柄「赤7」を表示させること
ができない。このような場合であっても、左リールLL、中リールCL、および右リール
RLの各リールの図柄の組み合わせは、大当りを構成しない。また、正常動作を確認した
左リールLLと中リールCLは、LED505の消灯によって、リール単位で正常動作で
あるものの全体として異常動作であることを案内する。また、右リールRLは、LED5
05の赤色点滅によって背面から照らされ、正常動作が確認できなかったことを案内する
なお、制御部は、表示装置41の異常を役物異常エラーとして音出力装置(スピーカ1
9a,19b)の音出力(音声出力を含む)や、枠装飾装置18のランプ、LEDの点灯
態様、盤装飾装置46のランプ、LEDの点灯態様により報知をおこなうようにしてもよ
い。たとえば、制御部は、表示装置41の異常を役物異常エラーとして報知する場合に、
枠装飾装置18のランプ、LED、あるいは盤装飾装置46のランプ、LEDの点灯態様
を、LED505の点灯態様と同様の点灯態様、あるいは対応する点灯態様とすることが
できる。盤装飾装置46のランプ、LEDには、始動入賞口36を装飾するLEDや、特
別編導入賞装置38を装飾するLED、センターケース40を装飾するLED、盤演出装
置44を装飾するLED等が含まれ、これらのうちのすべて、あるいは1つ以上をLED
505の点灯態様と同様の点灯態様、あるいは対応する点灯態様とすることができる。
また、制御部は、所定時間(たとえば、30秒)経過後に、表示装置41の異常動作報
知を除いてその他の異常報知手段による異常動作報知を終了してもよい。なお、制御部は
、表示装置41の異常動作報知中であっても、特図1変動中表示41aと特図2変動中表
示41bについて正常動作をおこなう。
なお、遊技機10は、表示装置41の異常動作報知中に他のエラーが発生した場合に、
他のエラー報知を優先して表示装置41の異常動作報知を中断することができるし、また
他のエラー報知より優先して表示装置41の異常動作報知を継続することができる。たと
えば、演出制御装置300は、あらかじめ用意する複数種類のエラーについて優先順位を
設定して、重大なエラー(強エラー)が軽微なエラー(弱エラー)に優先して報知される
ようになっている。したがって、遊技機10は、表示装置41の異常動作報知が他のエラ
ー(たとえば、弱エラー)に優先する場合に他のエラーに優先して異常動作報知をおこな
うことができるし、表示装置41の異常動作報知が他のエラー(たとえば、強エラー)に
劣後する場合に他のエラーに劣後して異常動作報知をおこなうことができる。たとえば、
報知が表示装置41の異常動作に優先するエラーは、不正に関係するエラーや正常な遊技
を継続できないおそれがあるエラー等がある。不正に関係するエラーや正常な遊技を継続
できないおそれがあるエラー等には、前枠開放エラーや、遊技枠開放エラー、払出異常エ
ラー、スイッチ異常エラー、大入賞口不正入賞エラー、磁気エラー、普電不正入賞エラー
、盤電波エラー、枠電波エラー等がある。一方で、報知が表示装置41の異常動作に劣後
するエラーは、直ちに正常な遊技を継続できなくなるものではないエラー等がある。直ち
に正常な遊技を継続できなくなるものではないエラー等は、シュート球切れエラーやオー
バーフローエラーがある。
なお、遊技機10は、異常動作報知に優先するエラーと劣後するエラーの区分を重大な
エラーと軽微なエラーとに区分したが、他の区分であってもよい。たとえば、遊技機10
は、異常動作報知に優先するエラーを遊技制御装置100が演出制御装置300に通知し
たエラー(遊技制御装置100が検出したエラー)とし、異常動作報知に劣後するエラー
を遊技制御装置100が演出制御装置300に通知していないエラー(演出制御装置30
0が検出したエラー)としてもよい。
さらに、異常動作報知の変形例について図53を用いて説明する。図53は、第2の実
施形態のリール初期化処理の異常動作報知の変形例を示す図である。変形例として示す表
示装置は、左図柄表示領域41L、中図柄表示領域41C、および右図柄表示領域41R
を覆う(隠蔽する)シャッターを表示領域ごとに設け、所要の表示演出に用いる。変形例
として示す表示装置は、このシャッターをリール初期化処理の異常動作報知にも用いるこ
とができる。
図53(1)は、異常動作の報知例を示す。表示装置41は、有効ライン(中央横方向
に並ぶ1ライン)上に、左リールLLが図柄「ロケット」を表示し、中リールCLが大図
柄「ブタ」を表示し、右リールRLが不定図柄を表示する。しかしながら、2以上のリー
ルで異常があった場合、このような異常動作の報知例では、表示装置41が大当りとなる
図柄組み合わせを表示する可能性を排除できない。
そこで、制御部は、不定図柄を表示するリール(図53(1)の場合、右リールRLが
1つ)を右シャッター510によって覆う。これにより、制御部は、正常動作を確認した
リール(図53(1)の場合、左リールLLと中リールCLの2つ)について図柄を表示
させても、表示装置41が大当りとなる図柄組み合わせを表示する可能性を排除できる。
なお、正常動作を確認したリールは、LED505の消灯によって、リール単位で正常動
作であるものの全体として異常動作であることを案内する。
図53(2)は、異常動作の報知の別例を示す。表示装置41は、有効ライン(中央横
方向に並ぶ1ライン)上に、左リールLLが図柄「ロケット」を表示し、中リールCLが
大図柄「ブタ」を表示し、右リールRLが不定図柄を表示する。しかしながら、2以上の
リールで異常があった場合、このような異常動作の報知例では、表示装置41が大当りと
なる図柄組み合わせを表示する可能性を排除できない。
そこで、制御部は、初期化動作の結果として表示される図柄を表示するリール(図53
(2)の場合、左リールLLと中リールCLの2つ)を左シャッター511と中シャッタ
ー512によってそれぞれ覆う。これにより、制御部は、正常動作を確認できないリール
(図53(2)の場合、右リールRLが1つ)について不定図柄を表示させても、表示装
置41が大当りとなる図柄組み合わせを表示する可能性を排除できる。なお、正常動作を
確認できないリールは、LED505の赤色点滅によって背面から照らされ、正常動作が
確認できなかったことを案内する。
なお、遊技機10は、補正変動中に他のエラーが発生した場合に、他のエラー報知を優
先して補正変動を中断することができるし、また他のエラー報知より優先して補正変動を
継続することができる。たとえば、遊技機10は、補正変動が他のエラーに優先する場合
に他のエラーに優先して補正変動をおこなうことができるし、補正変動が他のエラーに劣
後する場合に他のエラーに劣後して補正変動を中止、あるいは中断することができる。な
お、遊技機10は、中止した補正変動を所要のタイミングで実行するようにしてもよいし
、中断した補正変動を所要のタイミングで再開するようにしてもよい。たとえば、遊技機
10は、補正変動に優先するエラーの解消を待って、中止した補正変動を実行するように
してもよいし、中断した補正変動を再開するようにしてもよい。
次に、第2の実施形態の変形例1の遊技機について図54を用いて説明する。図54は
、第2の実施形態の変形例1の変動表示中リール異常監視処理のフローチャートを示す図
である。
変動表示中リール異常監視処理は、演出制御装置300の制御部(CPU311)によ
って実行される処理である。変動表示中リール異常監視処理は、たとえば、メイン処理の
ステップD22のリール制御処理で制御部によって実行される処理の1つであって特図ゲ
ームの変動表示中に実行される。
[ステップD71]制御部は、リール異常検出の有無を判定する。制御部は、リール異
常検出があればステップD72に進み、リール異常検出がなければ変動表示中リール異常
監視処理を終了する。なお、制御部は、変動表示中にリールの基準位置がフォトセンサ5
03で2回以上検出されればリール異常検出の有無を判定できる。
[ステップD72]制御部は、変動表示中の変動の残変動表示時間が初期化動作時間よ
り大きいか否かを判定する。制御部は、残変動表示時間が初期化動作時間より大きい場合
にステップD73に進み、初期化動作時間より大きくない場合に変動表示中リール異常監
視処理を終了する。
[ステップD73]制御部は、変動表示動作に上書きするようにして初期化動作をセッ
トする。
[ステップD74]制御部は、初期化動作による正常復帰を確認する。制御部は、初期
化動作による正常復帰を確認した場合にステップD76に進み、正常復帰を確認しない場
合にステップD75に進む。
[ステップD75]制御部は、正常復帰を確認しないことから異常動作報知をおこない
、変動表示中リール異常監視処理を終了する。
[ステップD76]制御部は、正常復帰を確認したことから正常動作報知を仮停止態様
によりおこなう。
[ステップD77]制御部は、変動表示中の変動の変動表示結果が当りか否かを判定す
る。制御部は、変動表示結果が当りの場合にステップD78に進み、変動表示結果が当り
でない場合にステップD79に進む。
[ステップD78]制御部は、正常動作報知の仮停止態様から当りを導出する再変動動
作をセットする。なお、正常動作報知の仮停止態様は当りとならない、すなわちはずれ図
柄組み合わせのため、正常動作報知の仮停止態様については再変動動作のセットを要しな
い。
[ステップD79]制御部は、変動表示中の変動表示時間が経過したか否かを判定する
。制御部は、変動表示中の変動表示時間が経過した場合にステップD80に進み、変動表
示時間が経過しない場合に変動表示時間の経過を待つ。
[ステップD80]制御部は、仮停止態様の図柄を停止表示して変動表示中リール異常
監視処理を終了する。
これにより、遊技機10は、変動表示中にリール制御に不具合があっても速やかな復帰
を可能にする。なお、表示装置41について異常動作報知をおこなったとき、遊技機10
は、次回以降の変動表示においてリール制御を停止するようにしてもよい。
次に、第2の実施形態の変形例2の遊技機について図55を用いて説明する。図55は
、第2の実施形態の変形例2の変動表示中リール異常監視処理のフローチャートを示す図
である。
第2の実施形態の変形例2の遊技機10は、第2の実施形態の変形例1と同様の変動表
示中リール異常監視処理を実行する。ただし、第2の実施形態の変形例2の変動表示中リ
ール異常監視処理は、第2の実施形態の変形例1の変動表示中リール異常監視処理と比較
してステップD72だけが異なり、その余のステップが同じである。したがって、ステッ
プD72に代わるステップD72aのみを説明し、同一の処理の説明を省略する。
[ステップD72a]制御部は、変動表示中の変動表示が終了したか否かを判定する。
制御部は、変動表示中の変動表示が終了した場合にステップD73に進み、変動表示中の
変動表示が終了していない場合に変動表示中リール異常監視処理を終了する。
これにより、遊技機10は、変動表示結果が当りの場合に、当り中のファンファーレ期
間に初期化動作を実行可能にする。また、遊技機10は、変動表示結果がはずれの場合に
、変動停止中に初期化動作を実行可能にする。また、遊技機10は、変動表示結果がはず
れの場合に、次回変動が開始されても次回変動の変動中に初期化動作を実行可能にする。
次に、第2の実施形態の変形例3の遊技機が実行するリール異常復帰監視処理について
図56を用いて説明する。図56は、第2の実施形態の変形例3のリール異常復帰監視処
理のフローチャートを示す図である。
第2の実施形態の変形例3のリール異常復帰監視処理は、リール異常が検出されている
ときの変動表示中に実行される処理である。第2の実施形態の変形例3のリール異常復帰
監視処理は、演出制御装置300の制御部(CPU311)によって実行される処理であ
る。リール異常復帰監視処理は、たとえば、メイン処理のステップD22のリール制御処
理で制御部によって実行される処理の1つである。
[ステップD81]制御部は、全リールで基準位置の検出があったか否かを判定する。
制御部は、全リールで基準位置の検出があった場合に初期化動作を実行可能と判断してス
テップD83に進み、全リールのうち少なくとも1つのリールで基準位置の検出がない場
合に初期化動作を実行不可能と判断してステップD82に進む。
[ステップD82]制御部は、変動表示時間経過か否かを判定する。制御部は、変動表
示時間を経過していない場合にステップD81に進み、変動表示時間を経過した場合にリ
ール異常復帰監視処理を終了する。すなわち、制御部は、変動表示時間が経過するまでの
間、全リールで基準位置の検出を待ち、変動表示時間を経過しても全リールで基準位置の
検出をしない場合、初期化動作の実行をおこなわず、次回以降の変動表示で初期化動作の
実行を試みる。
[ステップD83]制御部は、変動表示動作に上書きするようにして初期化動作をセッ
トする。
[ステップD84]制御部は、初期化動作による正常復帰を確認する。制御部は、初期
化動作による正常復帰を確認した場合にステップD85に進み、正常復帰を確認しない場
合にステップD90に進む。
[ステップD85]制御部は、正常復帰を確認したことから正常動作報知を仮停止態様
によりおこなう。
[ステップD86]制御部は、変動表示中の変動の変動表示結果が当りか否かを判定す
る。制御部は、変動表示結果が当りの場合にステップD87に進み、変動表示結果が当り
でない場合にステップD88に進む。
[ステップD87]制御部は、正常動作報知の仮停止態様から当りを導出する再変動動
作をセットする。なお、正常動作報知の仮停止態様は当りとならない、すなわちはずれ図
柄組み合わせのため、正常動作報知の仮停止態様については再変動動作のセットを要しな
い。
[ステップD88]制御部は、変動表示中の変動表示時間が経過したか否かを判定する
。制御部は、変動表示中の変動表示時間が経過した場合にステップD89に進み、変動表
示時間が経過しない場合に変動表示時間の経過を待つ。
[ステップD89]制御部は、仮停止態様の図柄を停止表示してリール異常復帰監視処
理を終了する。
[ステップD90]制御部は、正常復帰を確認しないことからリトライ動作をセットす
る。
[ステップD91]制御部は、リトライ動作中に異常動作報知をおこない、リール異常
復帰監視処理を終了する。
これにより、遊技機10は、変動表示中にリール制御に不具合があっても速やかな復帰
を可能にする。また、遊技機10は、変動表示中のリール制御不具合が解消しなくてもリ
トライを試みることで自動復帰による早期の不具合解消を可能とする。このような遊技機
10は、リール制御不具合による遊技不能機会を低減し、遊技機10の稼働向上に貢献す
る。
なお、遊技機10は、ステッピングモータ502を常時励磁可能なモータとすることで
、変動表示ゲーム中のリトライを安全におこなうことができる。
なお、遊技機10は、リールの制御上の位置情報と、入力信号から検出された位置情報
とのずれを図柄の変動表示中に検出するとしたが、これに加えて、あるいはこれに代えて
、初期化動作中、ファンファーレ動作中、大当り動作中、エンディング動作中、客待ち動
作中等に、ずれを検出するものであってもよい。
なお、遊技機10は、検出したずれを図柄の変動表示中に補正するとしたが、これに加
えて、あるいはこれに代えて、初期化動作中、ファンファーレ動作中、大当り動作中、エ
ンディング動作中、客待ち動作中等に、ずれを補正するものであってもよい。
上述した第2の実施形態(変形例含む)の遊技機10は、一側面において以下のような
特徴を有する。
(1)遊技機10は、表示装置(たとえば、表示装置41)と、制御装置(たとえば、
遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を備える。表示装置は、外周面に複数の
図柄を有するリール(左リールLL、中リールCL、右リールRL)をステッピングモー
タ(ステッピングモータ502)により回転させて、センサ(フォトセンサ503)が検
出する基準位置にもとづいてリールを所定位置に停止させることで変動表示ゲームにおけ
る図柄を表示可能である。制御装置は、センサからの入力信号にもとづいてステッピング
モータへの出力信号を制御可能である。また、制御装置は、検出手段(たとえば、演出制
御装置300、ステッピングモータ502、フォトセンサ503)と、補正手段(たとえ
ば、演出制御装置300、ステッピングモータ502、フォトセンサ503)と、を含む
。検出手段は、リールの制御上の位置情報と、入力信号から検出された位置情報とのずれ
を図柄の変動表示中に検出する。補正手段は、検出したずれを図柄の変動停止までに補正
する。(図44、図46から図48参照) (2)(1)の補正手段は、図柄の仮停止時
にずれを補正する。(図50参照) (3)(1)の補正手段は、図柄を仮停止させた後
の再変動時にずれを補正する。(図50参照) (4)(1)の表示装置は、2以上のリ
ールを備える。(図42参照) (5)(4)の補正手段は、リールの相対的なずれ量を
補正する。(図48、図49参照) (6)(4)の補正手段は、リールの相対的なずれ
量を補正した後、絶対的なずれ量を補正する。(図48、図49参照) (7)遊技機1
0は、表示装置(たとえば、表示装置41)と、制御装置(たとえば、遊技制御装置10
0、演出制御装置300)と、を備える。表示装置は、外周面に複数の図柄を有するリー
ル(左リールLL、中リールCL、右リールRL)をステッピングモータ(ステッピング
モータ502)により回転させて、センサ(フォトセンサ503)が検出する基準位置に
もとづいてリールを所定位置に停止させることで変動表示ゲームにおける図柄を表示可能
である。制御装置は、センサからの入力信号にもとづいてステッピングモータへの出力信
号を制御可能である。また、制御装置は、検出手段(たとえば、演出制御装置300、ス
テッピングモータ502、フォトセンサ503)と、補正手段(たとえば、演出制御装置
300、ステッピングモータ502、フォトセンサ503)と、を含む。検出手段は、リ
ールの制御上の位置情報と、入力信号から検出された位置情報とのずれを図柄の変動停止
までに検出する。補正手段は、検出したずれを図柄の次回変動開始時に補正する。(図4
4、図46から図48参照) (8)(7)の補正手段は、図柄の変動開始時にずれを補
正する。(図50参照) (9)(7)の補正手段は、図柄の変動開始後の変動速度切替
(加速、減速)時にずれを補正する。(図50参照) (10)(7)の補正手段は、図
柄の変動開始後の高速変動時(定速)にずれを補正する。(図50参照) (11)(1
)または(7)の検出手段は、リールの一回転を入力信号から検出し、ステッピングモー
タでリールを1回転させる際の制御上のステップ数と、ステッピングモータでリールを1
回転させた際のステップ数とを比較してずれを検出する。(図46参照) (12)遊技
機10は、変動表示手段(左リールLL、中リールCL、右リールRL)と、制御手段(
たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を備える。変動表示手段は、
複数の図柄を変動表示させて、複数の図柄を変動停止させることで変動表示ゲームを実行
可能である。制御手段は、所定の図柄位置を検出可能な位置検出手段(たとえば、演出制
御装置300、ステッピングモータ502、フォトセンサ503)にもとづいて変動表示
手段を制御可能である。制御手段は、ずれ検出手段(たとえば、演出制御装置300、ス
テッピングモータ502、フォトセンサ503)と、補正手段(たとえば、演出制御装置
300、ステッピングモータ502、フォトセンサ503)と、を含む。ずれ検出手段は
、変動表示手段の制御上の位置情報と、位置検出手段による検出結果に対応した位置情報
とのずれを検出する。補正手段は、検出したずれを複数の図柄の変動停止までに補正する
。(図44、図46から図48参照) (13)遊技機10は、変動表示手段(左リール
LL、中リールCL、右リールRL)と、制御手段(たとえば、遊技制御装置100、演
出制御装置300)と、を備える。変動表示手段は、複数の図柄を変動表示させて、複数
の図柄を変動停止させることで変動表示ゲームを実行可能である。制御手段は、所定の図
柄位置を検出可能な位置検出手段(たとえば、演出制御装置300、ステッピングモータ
502、フォトセンサ503)にもとづいて変動表示手段を制御可能である。制御手段は
、ずれ検出手段(たとえば、演出制御装置300、ステッピングモータ502、フォトセ
ンサ503)と、補正手段(たとえば、演出制御装置300、ステッピングモータ502
、フォトセンサ503)と、を含む。ずれ検出手段は、変動表示手段の制御上の位置情報
と、位置検出手段による検出結果に対応した位置情報とのずれを検出する。補正手段は、
検出したずれを複数の図柄の次回変動開始時に補正する。(図44、図46から図48参
照) (14)(12)、(13)のずれ検出手段は、複数の図柄を変動表示する期間に
ずれを検出する。
(15)(12)、(13)のずれ検出手段は、複数の図柄の変動表示する期間外(た
とえば、初期化動作、ファンファーレ動作、大当り動作、エンディング動作、客待ち動作
等)にずれを検出する。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、実
施形態の遊技機が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプロ
グラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現され
る。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録し
ておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、
光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記憶装置には、ハードディス
ク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等がある。光ディスクに
は、DVD(Digital Versatile Disk)、DVD-RAM、CD(Compact Disk)-RO
M/RW(ReWritable)等がある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)
等がある。
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、C
D-ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの
記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュ
ータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログ
ラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納す
る。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに
したがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラム
を読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュ
ータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送され
るごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、A
SIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic De
vice)等の電子回路で実現することもできる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、開示した実施形態に示されるようなパチンコ
遊技機に限られるものではなく、たとえば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊
技機、雀球遊技機等の遊技球を使用するすべての遊技機、およびメダルを使用する遊技機
であるスロットマシンに適用可能である。
また、開示した実施形態はすべての点で例示されるものであって制限的なものではない
と考えられるべきである。また、上述の実施形態および変形例の各構成を組み合わせて適
用してもよい。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、
特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される
次に、第3の実施形態の遊技機10について説明する。
なお、第1~第2の実施形態と異なる形態の遊技機10であり、以下、第1~第2の実
施形態と同様の構成を有する部分についても符号を付しての説明を改めて行う。
以下、図面を参照して実施形態を詳細に説明する。
[第3の実施形態]
まず、第3の実施形態を図面にもとづいて説明する。図57は、第3の実施形態の遊技
機の一例を示す斜視図である。
第3の実施形態の遊技機10は、前面枠12を備え、該前面枠12は、外枠(支持枠)
11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図58参照)は、前面枠12の
表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12に
は、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠(透明部材
保持枠)15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の左右には、内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および
異常発生時の報知(たとえば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色
(たとえば、赤色)で点灯(点滅)させる)のために発光する枠装飾装置18や、音響(
たとえば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、
前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生
時はスピーカ19a,19bから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、
ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしてもよい。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿(貯留
皿)21、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が
流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する
下皿(受皿)23および打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿2
1の上縁部には、遊技者が各種オプションの設定をおこなうオプション設定部(プッシュ
ボタン)25が設けられている。このオプション設定部25の上面の周囲には複数の選択
ボタンスイッチ25aが設けられ、オプション設定部25の上面の中央には決定ボタンス
イッチ25bが設けられている。なお、オプション設定部25は、遊技者が演出態様を設
定する演出設定部として機能する。この場合、選択ボタンスイッチ25aは、演出態様を
選択する演出ボタンスイッチとして機能し、決定ボタンスイッチ25bは、演出態様を決
定する決定ボタンスイッチとして機能する。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠1
2やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられて
いる。
なお、選択ボタンスイッチ25aが演出ボタンスイッチとして機能する場合、遊技機1
0は、選択ボタンスイッチ25aと決定ボタンスイッチ25bとから受け付けた遊技者の
操作にもとづいて、遊技者の操作を介入させた演出をおこなうことができる。たとえば、
遊技者の操作を介入させた演出は、表示装置(変動表示装置)41(図58参照)におけ
る変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)における演出があり、遊技機10は、表示
装置41に表示するキャラクタを動作させたり、表示装置41に表示される飾り特図変動
表示ゲームにおける識別情報を停止させたりすることができる。
また、オプション設定部25の右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける
場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出さ
せるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図
示省略)等が設けられている。この第3の実施形態の遊技機10においては、遊技者が上
記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技
球を遊技盤30前面の遊技領域32(図58参照)に向かって発射する。また、遊技者が
選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25bを操作することによって、た
とえば、スピーカ19a,19bから放射される音量を設定したり、遊技盤30の明るさ
を設定したりすることができる。
次に、遊技盤30について図58を用いて説明する。図58は、第3の実施形態の遊技
盤の一例を示す正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成さ
れている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース3
3およびガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示
装置(変動表示装置)41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されて
いる。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の
前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置
41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し、周囲の遊技領
域32から遊技球が飛び込みにくくなるように形成されている。
表示装置41は、たとえば、LCD(液晶表示器)、CRT(Cathode Ray Tube:ブラ
ウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域
(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラ
クタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表
示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示
)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームがおこなわれる。また
、表示画面には、遊技の進行にもとづく演出のための画像(たとえば、大当り表示画像、
ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
また、センターケース40の上部には、動作することによって遊技の演出をおこなう盤
演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図58に示す状態から表示装置
41の中央へ向けて動作可能となっている。
また、センターケース40における左側の遊技球が流れ込まない位置には、後述する盤
装飾装置46(図60参照)の1つとして、発光装置80が設けられている。発光装置8
0は、プッシュボタン25に関する状態や情報(プッシュボタン25の操作が現在どのよ
うに演出制御装置300によって受け付けられるかなどの状態や情報)を表示状態により
遊技者に報知して案内するとともに、盤面を装飾して遊技の演出をおこなう装置であって
、一種の表示手段であり、装飾手段を含めた演出手段である。
たとえば、表示装置41による表示を中心としておこなわれる演出の態様や内容(たと
えば、表示装置41の画面に登場するキャラクタの種類や動きなど)が、遊技者がプッシ
ュボタン25を操作することにより、大当りになる信頼度の高いものに切り替わる可能性
のある状態である時には、演出制御装置300が発光装置80の表示状態を明るく目立つ
表示状態に切り替え、遊技者にそれを知らせる。あるいは、特定期間中のみプッシュボタ
ン25の操作が有効な機種では、プッシュボタン25の操作が有効である場合に発光装置
80の表示状態を明るく目立つ表示状態に切り替え、遊技者にそれを知らせる。詳細は後
述するが、本実施形態の発光装置80は、一例として、正面形状が楕円形で中央部に「P
USH」の文字がたとえば基本的に常時視認できるものとなっており、裏面側に内蔵する
発光源の動作によって、遊技者から見た正面の表示状態(明るさの状態、発色の状態、文
字や模様等の意匠の視認状態などを含む)が多彩に変化可能なものである。なお、「PU
SH」の文字の部分(たとえば後述する案内部位)が常時視認できずに特定の表示状態で
のみ視認できるものでよい。
遊技領域32におけるセンターケース40の側方右側には、普図変動表示ゲームの開始
条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲ
ート34に入賞した遊技球(普図始動ゲート34を通過する遊技球)は、ゲートスイッチ
34a(図59参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、二つの一般入賞口3
5が配置され、センターケース40の下方右側であって後述する特別変動入賞装置38の
右部には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊
技球は、入賞口スイッチ35a(図59参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、第1特図変動表示ゲーム
(特図1変動表示ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞口(始動入賞領域)をなす始
動入賞口36(始動口1)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動
口1スイッチ36a(図59参照)により検出される。
また、始動入賞口36の下方には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト
口30aが設けられている。
また、普図始動ゲート34よりも下方位置であって、センターケース40の右部には、
第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の開始条件を与える普通変動入賞装置
37(第2始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。普通変動入賞装置37(始動
口2)は、上端側が右方に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態
に変換可能な可動部材37bを備えており、この可動部材37bは、常時はほぼ鉛直とな
って遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置と
しての普電ソレノイド37c(図59参照)によって上端側が右方に倒れるように回動し
て普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変
化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2ス
イッチ37a(図59参照)により検出される。なお、普通変動入賞装置37が閉状態で
も入賞できるようにし、閉状態では開状態よりは入賞しにくいものとしても良い。普通変
動入賞装置37は普通電動役物(普電)に相当する。
普通変動入賞装置37の右方には、遊技球が流下可能な流下路91が形成され、普通変
動入賞装置37に入賞しなかった遊技球は流下路91を通って下方へ流下する。この流下
路91の下方には誘導部93が設けられている。誘導部93は上面94が左方へ下る傾斜
面とされており、下方へ流下する遊技球を上面94で受け止め、後述する特別変動入賞装
置38が存在する左方へ誘導するようになっている。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の右下には、特図変動表示ゲームの結
果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装
置(大入賞口)38が配設されている。特別変動入賞装置38は、開閉部材(開閉扉)3
8cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材3
8cが大入賞口を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材38cが
退避して遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能な開状態(遊技者にとって有利な
状態)に変換する。すなわち特別変動入賞装置38は、駆動装置としての大入賞口ソレノ
イド38b(図59参照)により駆動される開閉部材38cによって開閉される大入賞口
を備え、特図1変動表示ゲームおよび特図2変動表示ゲームの結果による大当り遊技状態
(第1特別遊技状態)中や、特図2変動表示ゲームの結果による小当り遊技状態(第2特
別遊技状態)中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口
内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようにな
っている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出
する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図59参照)が配
設されている。
また、特別変動入賞装置38は、入賞口内に入賞した遊技球を誘導する誘導流路と、誘
導流路から分岐して形成されたV流路を備える。特別変動入賞装置38は、V流路の流入
部分となる位置にV扉が設けられる。V扉は、特定領域ソレノイド38d(図59参照)
によって前後方向にスライド移動してV流路への遊技球の流入を阻止する阻止状態と、後
方へ退避してV流路への遊技球の流入を許容する許容状態とに変化させられるようになっ
ている。また、特別変動入賞装置38は、V流路に流入した遊技球を検出する特定領域ス
イッチ38e(図59参照)が設けられている。
なお、第3の実施形態の遊技機10では、特別遊技状態の終了後の確率状態が大当り図
柄で決定されるのではなく、特別遊技状態においてV流路に遊技球が流入して特定領域ス
イッチ38eで検出されることにもとづき高確率状態となるようにされている。ただし、
遊技機10は、特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状態の終了後に高確
率状態を発生可能な構成であってもよい。
また、特別変動入賞装置38は、大入賞口スイッチ38aが複数個(たとえば2個)配
設されてもよい。また、特別変動入賞装置38は、1個に限らず、2個設けられるもので
あってもよく、大入賞口スイッチ38aは、大入賞口が複数個あるときには、それぞれに
1個または2個程度、全体としてx個(図59参照)設けられるものであってもよい。
また、センターケース40の左側側部には、ワープ口(ワープ入口)39aが設けられ
ている。ワープ口39aからワープ流路に流入した遊技球は、センターケース40内のス
テージ上を転動し、その一部がワープ出口39bに案内される。ワープ出口39bは、始
動入賞口36の直上に位置し、ワープ出口39bに案内された遊技球は、始動入賞口36
に入賞しやすくなる。
第3の実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、セン
ターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が
右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を
発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36や一般入賞口35(特別変動入賞装置
38の右部にある一般入賞口35を除く)への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊
技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、
特別変動入賞装置38などへの入賞を狙うことができるようになっている。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲーム
をなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームおよび普図始動ゲート34への
入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50
が設けられている。なお、一括表示装置50の詳細説明は、省略する。
次に、遊技機の制御システムについて図59を用いて説明する。図59は、第3の実施
形態の遊技機の制御システムの一例を示すブロック図である。
遊技機10は、遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制
御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイ
コンと称する)111を有するCPU(Central Processing Unit)部110と、入力ポ
ートを有する入力部120と、出力ポートやドライバ等を有する出力部130と、CPU
部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140等からなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC(Integrated Circuit))と呼ばれ
る遊技用マイコン111と、水晶振動子のような発振子を備え、遊技用マイコン111の
動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(
水晶発振器)113等を有する。遊技制御装置100および該遊技制御装置100によっ
て駆動されるソレノイドやモータ等の電子部品は、電源装置400で生成されたDC(Di
rect Current)32V、DC12V、DC5V等所定のレベルの直流電圧が供給されて動
作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC(
Alternating Current)-DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V、DC5V
等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC-DCコンバータ等を有する通常電源部4
10と、遊技用マイコン111の内部のRAM(Random Access Memory)に対して停電時
に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置
100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号等の制御信号を生成し
て出力する制御信号生成部430等を備える。
第3の実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されている
が、バックアップ電源部420および制御信号生成部430は、別個の基板上または遊技
制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30
および遊技制御装置100は、機種変更の際に交換の対象となるので、第3の実施形態の
ように、電源装置400または主基板とは別の基板にバックアップ電源部420および制
御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることが
できる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成
することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(
特に内蔵RAM)に供給され、停電中または電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保
持されるようになっている。制御信号生成部430は、たとえば通常電源部410で生成
された32Vの電圧を監視してそれがたとえば17V以下に下がると停電発生を検出して
停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源
投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このR
AM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これにもとづ
き遊技用マイコン111内のRAM111Cおよび払出制御装置200内のRAMに記憶
されている情報を強制的に初期化する処理がおこなわれる。特に限定されるわけではない
が、初期化スイッチ信号は、電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン1
11が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット
信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
また、遊技制御装置100には設定値変更スイッチ126と設定キースイッチ127が
設けられている。設定値変更スイッチ126は、たとえばプッシュスイッチであって、押
下操作を検出する。設定キースイッチ127は、設定キーを挿入してON状態とOFF状
態とを切り替え可能にする。遊技制御装置100は、遊技性能に関する設定を変更可能で
あって、停電中または電源遮断後もRAMに記憶された設定が保持されるようになってい
る。たとえば、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームおよび特図2変動表示ゲー
ムの当り確率を6段階の設定に応じて変更可能にしている。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ127がON状態かつRAM初期化スイッチ
112がON状態での電源投入で、遊技機10の設定変更をおこなうことができる設定変
更モードに制御状態を遷移する。たとえば、遊技制御装置100は、設定変更モードにお
いて設定内容を確率設定値表示装置136に表示しながら設定値変更スイッチ126の押
下操作検出により設定1から設定6までをサイクリックに変更可能にする。確率設定値表
示装置136は、設定値を表示可能な表示装置であり、たとえば1桁の7セグメントLE
Dであって基板上に実装される。
また、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127がON状態かつRAM初期化ス
イッチ112がOFF状態での電源投入で、遊技機10の設定確認をおこなうことができ
る設定確認モードに制御状態を遷移する。たとえば、遊技制御装置100は、設定確認モ
ードにおいて設定内容を確率設定値表示装置136に表示する。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A
、読出し専用のROM(Read Only Memory)111Bおよび随時読出し書込み可能なRA
M111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数
の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作
業領域あるいは各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111BまたはR
AM111Cとして、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)のよう
な電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、たとえば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リー
チ状態の発生の有無等を規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パター
ンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている
変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3をCPU111A
が参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブル
には、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当り
となる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパ
ターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決
定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)
、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル
(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここで、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装
置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果があらかじめ定め
られた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊
技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない
段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示
状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行
して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条
件からはずれていない表示態様をいう。そして、たとえば、特別結果態様が揃った状態を
維持しながら複数の変動表示領域による変動表示をおこなう状態(いわゆる全回転リーチ
)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示
結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表
示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結
果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、たとえば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動
表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別
情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するもので
ある場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば
、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべ
ての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変
動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば、同一の識別情報となっ
た状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つ
の変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可
能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペ
シャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3
リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、「リーチ
なし」<「ノーマルリーチ」<「スペシャル1リーチ」<「スペシャル2リーチ」<「ス
ペシャル3リーチ」<「プレミアリーチ」の順に高くなるようになっている。また、この
リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当り
となる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表
示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変
動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が
発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装
置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイド
や表示装置の駆動信号を生成し出力して遊技機10全体の制御をおこなう。また、図示し
ないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱
数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パター
ン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を
決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数
等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)
にもとづいてCPU111Aに対する所定周期(たとえば、4m秒(ms))のタイマ割
込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレ
ータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111B
に記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテー
ブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(当り
(大当りまたは小当り)またははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲーム
の確率状態(通常確率状態または高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装
置37の動作状態(時短動作状態)、始動記憶数等にもとづいて、複数の変動パターンテ
ーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CP
U111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数
の変動パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り
分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフ
ェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従っ
て、遊技機10に設けられた払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させる
ための制御をおこなう。また、払出制御装置200は、遊技機10に付設される球貸機の
カードユニットからの貸球要求信号にもとづいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、
貸球を払い出させるための制御をおこなう。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36
a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲート
スイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38の大入賞口スイッチ38
a、特別変動入賞装置38の特定領域スイッチ38eに接続され、これらのスイッチから
供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0
V-5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けら
れている。この近接I/F121には、遊技機10に対する電波の発射を検出する盤電波
センサ62の検出信号も入力される。また近接I/F121は、入力の範囲が7V-11
Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサ
やスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったよ
うな異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
なお、入賞口スイッチ35aについて説明すると、図59では入賞口スイッチ35aが
1個のブロックで示されているが、実際には複数(n個)の入賞口スイッチ35a(本実
施形態では3個)が遊技盤30に設けられており、それぞれの信号が異なる信号線で近接
I/F121に入力されている。また、図59では大入賞口スイッチ38aが1個のブロ
ックで示されているが、実際には複数(x個)の大入賞口スイッチ38a(本実施形態で
は3個)が遊技盤30に設けられている。そして、これら複数の大入賞口スイッチ38a
が、それぞれ異なる信号線で接続されるか、あるいは、たとえばスイッチと遊技制御装置
100(主基板)の間に存在する図示省略した中継基板上でワイヤードオア(wired OR)
という方式で遊技制御装置100に接続されている。盤電波センサ62や後述する磁気セ
ンサ61も、異なる複数の信号線で接続されてもよいし、同様にワイヤードオアという方
式で遊技制御装置100に接続されていてもよい。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123または第3入力ポート124へ供給
されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F
121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッ
チ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a、および特定領域スイッチ3
8eの検出信号は、第2入力ポート123へ入力される。なお、特図1の始動口スイッチ
である始動口1スイッチ36a,37aの信号の出力(近接I/F121からの出力)に
ついては、図59では1本の信号線で示しているが、実際には2本ある。
また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号およびセンサやス
イッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は、第3入力ポート124に入力さ
れる。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検
出用の磁気センサ61の検出信号、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開
放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体
枠開放検出スイッチ64の検出信号、設定値変更スイッチ126の検出信号、設定キース
イッチ127の検出信号、払出制御装置200からのタッチスイッチ信号(操作部24に
設けられたタッチスイッチの入力にもとづく信号)が入力されるようになっている。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、遊技制御装
置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになって
いる。さらに、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36aと始動口2スイ
ッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力され
るように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル
変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動
作に必要なたとえば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになってい
る。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポー
ト123に割り当てられているアドレスをデコードすることによって図示省略したチップ
イネーブル信号CE(Chip Enable)をアサート(有効レベルに変化)することによって
、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様で
ある。
また、入力部120には、RAM初期化スイッチ112の検出信号、払出制御装置20
0からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することに
もとづき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能
な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)
、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロー
スイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)
を検出したときに出力される信号)、アウト球検出スイッチ信号(アウト球を検出したと
きに出力される信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供
給する第1入力ポート122が設けられている。
なお、アウト球検出スイッチ信号は、アウトセンサ(図示せず)が遊技機10のアウト
球を1個検出するごとにアウトセンサから出力される信号である。たとえば、アウト球検
出スイッチ信号は、遊技機10から遊技球(アウト球)を排出する排出口(図示せず)と
アウト口30aとの間に排出流路(図示せず)に設けられる。アウト球検出スイッチ信号
は、所定の稼働(たとえば、アウト球が60,000個)当たりの遊技性能(たとえば、
ベース)の算出に用いられ、算出した遊技性能は性能表示装置135に表示される。なお
、アウト球検出スイッチ信号は、演出制御装置300に入力されるものであってもよい。
その場合、アウト球検出スイッチ信号は、遊技演出や客待ち画面表示への切替トリガとな
る稼働状態の判定等に用いられるものであってもよい。たとえば、性能表示装置135は
、4桁の7セグメントLEDであって、10進数または16進数により遊技性能を表示す
ることができる。
また、遊技機10は、振動を検出する振動センサスイッチを設け、この振動センサスイ
ッチの検出信号が第1入力ポート122あるいは第3入力ポート124に入力されるよう
にしてもよい。
また、遊技制御装置100には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号等
の信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられ
ており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有す
る。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化ス
イッチ信号は、一旦、第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技
用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号
として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の
数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、
遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部
130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは、出力部130を介さ
ずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70の
ポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、
リセット信号RESETは、中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成される
ようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは、入力部120の第1乃至第3入力
ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に
遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータは、システム
の誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前
に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイ
コン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路および
遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッフ
ァ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300および払出制御
装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、遊技制御装置100から演
出制御装置300および払出制御装置200へのシリアル通信は、演出制御装置300側
から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試
験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号
等を中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバ
ッファ133は、遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技
制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F121から出力され
る始動口スイッチ等加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに
中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給で
きない検出信号は、一旦、遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号または情報に加
工されて、たとえば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデ
ータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験
装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝
達するコネクタ等が設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン11
1から出力されるチップイネーブル信号CE(図示省略)も供給され、このチップイネー
ブル信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっ
ている。
また、出力部130には、データバス140に接続され、特別変動入賞装置38(大入
賞口)の開閉部材38cを開閉させる大入賞口ソレノイド38bの開閉データ、特別変動
入賞装置38のV扉を開閉させる特定領域ソレノイド38dの開閉データ、普通変動入賞
装置37の可動部材37bを開閉させる普電ソレノイド37cの開閉データ、および性能
表示装置135の表示データを出力するための第1出力ポート134aが設けられている
また、出力部130には、確率設定値表示装置136の表示データを出力するための第
2出力ポート134bが設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に
表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフ
データを出力するための第3出力ポート134c、一括表示装置50のLEDのカソード
端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート1
34dが設けられている。
また、出力部130には、大当り情報等遊技機10に関する情報を外部情報端子板71
へ出力するための第5出力ポート134eが設けられている。外部情報端子板71には、
フォトリレーが備えられ、たとえば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場
内部管理装置(ホールコンピュータ)等)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を
フォトリレーを介して外部装置に供給することができるようになっている。なお、外部装
置に供給する情報の一部は、第4出力ポート134dから出力される。また、第5出力ポ
ート134eからは、シュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可
信号も出力される。
さらに、出力部130には、第1出力ポート134aから出力される大入賞口ソレノイ
ド38b、特定領域ソレノイド38d、普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けて
ソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポー
ト134cから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆
動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート134dから出力される一括表
示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ
138c、第5出力ポート134eや第4出力ポート134dから管理装置等の外部装置
へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138d、第1出
力ポート134aから出力される性能表示装置135の表示データ信号を受けて性能表示
装置135の駆動信号を生成し出力する第5ドライバ138eが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにする
ため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置
50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デ
ジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引
き抜くためのものであるため、電源電圧は12Vまたは5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード
端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よ
りセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択された
LEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第
4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給
される。なお、バッファ133や第1出力ポート134a、第1ドライバ138a等は、
遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設け
るようにしてもよい。また、性能表示装置135、あるいは第5ドライバ138eと性能
表示装置135は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、外
部基板(図示せず)側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置490へ各遊技機の識別コードやプログラ
ム等の情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139
は、遊技用マイコン111が検査装置490との間でシリアル通信によってデータの送受
信をおこなえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、
通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子
を利用しておこなわれるため、第1乃至第3入力ポート122,123,124のような
ポートは設けられていない。
次に、演出制御装置300の構成について図60を用いて説明する。図60は、第3の
実施形態の演出制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC
)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマン
ドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理をおこなうグラフィック
プロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効
果音等をスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI31
4を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したP
ROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるPROM321、作業領域を提供
するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM(
Ferroelectric RAM)323、現在の日時(年月日や曜日、時刻等)を示す情報を生成す
る計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制
御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAM311aが設けられている。ま
た、主制御用マイコン311には、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続
されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンド(演出コ
マンド)を解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音
源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、
演出時間の管理等の処理を実行したりする。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理する
ためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312には、キャラクタ画像や
映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラ
クタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM326
が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パ
ラレル方式でデータの送受信がおこなわれるように構成されている。パラレル方式でデー
タを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信すること
ができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や
遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYN
C、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312
から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるための
割込み信号INT0~nおよび主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待
ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAIT等も入力される。
演出制御装置300には、LVDS(Low Voltage Differential Signaling:小振幅信
号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けら
れている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSY
NCおよび垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成
された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には、音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。
主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接
続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは、割込み信号I
NTが入力されるようになっている。演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられ
た上スピーカ19aおよび前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディ
オパワーアンプ等からなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成
された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19aおよび下スピーカ19bから出
力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受
信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンド
I/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特
図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御
指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111
はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動
作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられ
ているLED(発光ダイオード)などを有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LE
D制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠
装飾装置(たとえば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊
技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(たとえば表示
装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演
出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータおよびソレノイド等を駆動制
御するこれらの制御回路332~334は、アドレス/データバス340を介して主制御
用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(たとえば演出用の装
置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制
御する枠演出可動体制御回路を備えていてもよい。また、前述した発光装置80は、たと
えば盤装飾装置46のうちの一つであり、主制御用マイコン311によって盤装飾LED
制御回路332を介して駆動制御される。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられたオプション設定部25の
選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25bと、盤演出装置44内のモー
タの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状
態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300
に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信
号を入力する機能を有するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300
やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モ
ータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モー
タやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5
Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するよう
に構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vまたは1.2Vの
ような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5VにもとづいてDC3.3V
やDC1.2Vを生成するためのDC-DCコンバータが演出制御装置300に設けられ
る。なお、DC-DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マ
イコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン
311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314
およびアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータ等を駆動制御する制
御回路332~334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする
。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され
、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされ
ている。また、演出制御装置300を構成する回路基板は、サブ制御基板(サブ基板とも
いう)に相当する。
次に、これらの制御回路においておこなわれる遊技制御について説明する。遊技制御装
置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられ
たゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき、普図の当り判定用乱
数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの
当りはずれを判定する処理をおこなう。そして、一括表示装置50の普図図柄表示部に、
識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表
示する処理をおこなう。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図図柄表示部
に第1当り停止図柄~第3当り停止図柄の各々に対応した特別の結果態様を表示するとと
もに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定
時間(たとえば、0.5秒間または1.7秒間)上述のように開放する制御をおこなう。
すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御をおこなう変
換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図図柄表
示部にはずれの結果態様を表示する制御をおこなう。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の
入力にもとづき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶にもとづき、第1特図変動
表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比
較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。また、普通変動
入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力にもと
づき始動記憶を記憶し、この始動記憶にもとづき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定
用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示
ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第
2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド、演出コマンド)を
、演出制御装置300に出力する。そして、一括表示装置50の特図1図柄表示部や特図
2図柄表示部に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変
動表示ゲームを表示する処理をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域3
2を流下する遊技球の始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への入賞
にもとづき変動表示ゲームの進行制御をおこなう遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき、表示
装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理をおこ
なう。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき
、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御
する処理等をおこなう。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に
関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当り
や小当りの場合は、一括表示装置50の特図1図柄表示部や特図2図柄表示部に特別結果
態様や小当り結果態様を表示するとともに、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる
処理(すなわち、特別遊技や小当り遊技を実行する処理)をおこなう。第1特図変動表示
ゲームや第2特図変動表示ゲームの結果が大当りとなったことによる特別遊技状態を発生
させる処理においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口ソレノイド38bにより
特別変動入賞装置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能
とする制御をおこなう。この特別遊技状態でCPU111Aは、たとえば大入賞口に所定
個数(たとえば、9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間
が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドと
し、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)をおこなう。ま
た、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)あるいは第2特図変動表示ゲーム
(特図2変動表示ゲーム)の結果が小当りとなったことによる小当り遊技状態を発生させ
る処理においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口ソレノイド38bにより特別
変動入賞装置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とす
る制御をおこなう。
なお、これら小当り遊技状態でおこなわれる大入賞口の開閉動作パターン(開閉動作態
様)は、たとえば200m秒だけ開閉部材を開状態に維持する動作を1500m秒間隔で
4回おこなうといったものである。このように、遊技制御装置100は、停止結果態様が
特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御をおこなう大入賞口開閉制御手段
をなす。またCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、一括表示
装置50の特図1図柄表示部や特図2図柄表示部にはずれの結果態様を表示する制御をお
こなう。
また、遊技制御装置100は、前述したV流路への遊技球の流入にもとづき、あるいは
特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高
確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果
となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲームお
よび第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき高確率
状態となっても、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームの両方が高確率
状態となる。
また、遊技制御装置100は、たとえば特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特
別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態、普図高確率状態)を発
生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確
率(普図確率)を通常確率(普図低確率状態)であるたとえば「0」よりも高い高確率(
普図高確率状態)とすることが可能である。これにより、普通変動入賞装置37が普図低
確率状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が多くなる
ように制御するようになっている。ここで、本実施形態における普通変動入賞装置37は
、通常遊技状態においては可動部材37bを開放しないように普図確率がたとえば「0」
に設定されている。
また、時短状態において、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)は、たとえ
ば、500m秒となり、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間は、たとえば
、600m秒となり、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開
放される場合に、第1当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、
500m秒×1回)、第2当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえ
ば、1700m秒×2回)、第3当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(
たとえば、1700m秒×3回)となるように設定することが可能である。
なお、普図変動表示ゲームおよび普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御をお
こなうよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放
時間を設定してもよく、たとえば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実
行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制
御することが可能である(たとえば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態
においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短
い第2停止時間となるように制御することが可能である(たとえば、1604m秒が70
4m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動
入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状
態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(た
とえば、100m秒が1352m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲーム
の1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開
放回数(たとえば、2回)よりも多い回数(たとえば、4回)の第2開放回数に設定する
ことが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確
率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態、たとえば、0/
251、あるいは1/251)よりも高い高確率(普図高確率状態、たとえば、251/
251、あるいは250/251)とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普
図確率のいずれか一つまたは複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状
態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種
類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放態様と第
2開放態様のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、第1開放態様と第2開放
態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して
発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させること
も可能である。また時短状態は、普電サポート状態(普電サポート中、或いは電サポ中)
と称することもできる。
次に、発光装置80の構成について図61から図64を用いて説明する。図61は、第
3の実施形態の発光装置の一例を示す正面図である。図62は、第3の実施形態の発光装
置の一例を示す側断面図および分解斜視図である。図62のうち、図62(a)は発光装
置の側断面図であり、図62(b)は発光装置の分解斜視図である。図63は、第3の実
施形態の発光装置を構成するLED基板および第1シートの一例を示す図である。図63
のうち、図63(a)はLED基板を示す正面図であり、図63(b)は第1シートを示
す正面図である。図64は、第3の実施形態の発光装置を構成する第2シートおよび第3
シートの一例を示す図である。図64のうち、図64(a)は第2シートを示す正面図で
あり、図64(b)は第3シートを示す正面図である。
なお、たとえば図61に示すように、発光装置80およびその構成要素を示す図におい
ては、配色の一例として、斜線部分は黄色であることを示し、黒塗り部分(黒色に見える
部分)は赤色であることを示し、その他の塗りつぶし部分(灰色に見える部分)は黒また
は黒に近い色(白みを帯びた黒、赤みを帯びた黒、黄みを帯びた黒など)を示す。赤色は
黒色よりも基本的に明度が高いが(つまり実際には黒色の方が暗く見えるが)、ここでは
赤色の強い印象を表現するために、赤色を黒塗りで図示し、黒色を灰色の塗りつぶしで図
示している。
発光装置80は、図62(a)および図62(b)に示すように、構成要素であるLE
D基板81、スモーク板82、拡散板83、第1シート84、第2シート85、第3シー
ト86、および前面板87(たとえばスモークレンズ)が、後側から前側に順次重ねて配
置されてなる。これら構成要素は、図62(b)に示すように外形が同じ楕円形とされ、
たとえば最前面に配置される前面板87が他の構成要素よりも外径が大きく、残りの構成
要素は略同外径となっている。
また、これら構成要素は、たとえば図62(a)に示すように、センターケース40の
前面を構成する部材40aに形成された開口40b(発光装置80用の窓)に対して、ケ
ース88と後面板89によって取り付けられている。ケース88は、積層された各構成要
素の外周面を覆う筒状の部材であり、各構成要素の上下左右方向の動きや回転を阻止して
保持する部材である。ケース88は、たとえばネジ止めなどによって部材40aに固定さ
れる。後面板89は、たとえばネジ止めなどによってケース88の後面に固定されて、各
構成要素が後方に脱落するのを阻止する板状部材である。この後面板89の中央部には、
LED基板81に接続される図示省略した配線(LED基板81と演出制御装置300と
の間の電気配線)を導出するための開口89aが形成されている。
なお、図61の正面図は、前側(図62(a)における左側)に居る観察者である遊技
者に見える開口40b内の発光装置80(非発光時)を示している。ただし、発光装置8
0の取付構造は、図62(a)の構成に限定されず、たとえばセンターケース40を構成
する部材40aよりも前面側に各構成要素が配置されて取り付けられる構成でもよい。各
構成要素が図62に示す順番で積層配置されて取り付けられる構造であれば、いかなる構
成でもよい。
また、発光装置80の各構成要素のうち、スモーク板82、拡散板83、第1シート8
4、第2シート85、および第3シート86は、たとえば図62(a)に示すように密接
して配設される。LED基板81とスモーク板82の間や、第3シート86と前面板87
の間には、必要に応じて所定の間隔が設けられる。
なお、スモーク板82、拡散板83、第1シート84、第2シート85、および第3シ
ート86は、それぞれ任意の厚さとすることができる。スモーク板82、拡散板83、第
1シート84、第2シート85、および第3シート86のそれぞれの厚さは、すべてが同
じであってもよいし、すべてが同じでなくてもよい。図62(a)は、便宜上、スモーク
板82、拡散板83、第1シート84、第2シート85、および第3シート86をケース
88の半分程度の厚さ(たとえば、1mm)があるように示したが、シート状の厚さ(た
とえば、100μm)程度であってもよい。
また、スモーク板82、拡散板83、第1シート84、第2シート85、および第3シ
ート86は、それぞれの機能を発揮できるものであれば任意の素材とすることができる。
スモーク板82、拡散板83、第1シート84、第2シート85、および第3シート86
のそれぞれの素材は、すべてが同じ(たとえば、塩化ビニール)であってもよいし、すべ
てが同じでなくてもよい。
LED基板81は、図63(a)に示すように、発光源としてのフルカラーLED81
a(詳細には、たとえばフルカラーを実現する発光色の異なる複数のLEDを搭載したチ
ップ)がたとえば6個搭載された基板である。各フルカラーLED81aから発射される
光の照射方向(発射される光束の中心軸の方向)は、前側(図62(a)における左側)
に向かう方向に設定され、発光装置80の後部から直接的に前側に居る観察者である遊技
者に向かう方向とされている。各フルカラーLED81aは、図60に示した盤装飾装置
46を構成する要素として演出制御装置300によって制御され、各種の色で発光可能で
ある。なお本実施形態では、6個のフルカラーLED81aの発光状態(発光しているか
否かの状態)や発光色は、全て同じになるように制御される。また、LED基板81(特
にフルカラーLED81a)は、出力光の色を、白色、白でない第1の色(たとえば黄)
、白でなく第1の色の補色でもない第2の色(たとえば赤)、第1の色の補色(たとえば
青紫)、および第2の色の補色(たとえば青緑)を含む複数の色のうちの何れかに切り替
えることが可能な発光手段をなす。本実施形態では、発光手段がフルカラーLED81a
であるので、上記5色以外の何れの発光色(たとえば、橙、緑、青、紫など)も出力可能
である。なお、第1の色と第2の色は黄色と赤色に限定されず、それ以外の色でもよいが
、以下では一例として、第1の色が黄色、第2の色が赤色であるとして説明する。
スモーク板82は、入射する光量に対して透過する光量を適度に減少させる半透明の板
状部材であり、非発光時(フルカラーLED82が発光していない状態)の発光装置80
の正面からの視認性を落とすための部材である。このスモーク板82が無いと、LED基
板81上のたとえばフルカラーLED81aが非発光時に正面から遊技者にある程度見え
てしまい、遊技者が興ざめする不具合(あるいは装飾性や演出効果が低下する不具合)が
生じる可能性があるが、スモーク板82があることによって非発光時にはスモーク板82
よりも後側が十分暗く見えるようになり、このような不具合が防止される。
拡散板83は、フルカラーLED81aから入射する光を拡散させて前側に透過させる
板状部材である。この拡散板83が無いと、前側に居る遊技者に対して、フルカラーLE
D81aが配置された6か所の位置のみが局所的に明るく光って見えてしまい、遊技者が
興ざめする不具合(あるいは装飾性や演出効果が低下する不具合)が生じる可能性がある
が、拡散板83があることによってフルカラーLED81aから照射される光が全体に拡
散して次の第1シート84に照射されるため、このような不具合が防止される。
第1シート84は、図63(b)に示すように、第1の色(黄色)を透過させる第1の
特色透過部位84aを有し、第1の特色透過部位84aを除いた部分が透明な部分である
透明部位84bとなっているシート状部材である。第1の特色透過部位84aは、後側の
発光手段がたとえば白色で発光した場合でも、前側から見て第1の色(黄色)に見える光
の成分(特定の波長に偏った光)のみを主に透過させる性質を有する。逆に言えば、第1
の特色透過部位84aは、後側の発光手段が第1の色の補色(青紫)で発光した場合には
、前側から黒または灰色に見えるように、この補色(青紫)の光をほとんど透過しない性
質を有する。これに対して、透明部位84bは、後側の発光手段からの光を制限なく略そ
のまま前側に透過させる。この具体例の第1シート84では、図63(b)において斜線
を施した領域(斜線部分)、すなわち、中央に位置する「PUSH」の文字とその輪郭を
含む形状の案内情報領域と、この案内情報領域の周囲に点在する大小さまざまな星を表す
装飾意匠領域とが、第1の特色透過部位84aとなっている。
第2シート85は、図64(a)に示すように、第2の色(赤色)を透過させる第2の
特色透過部位85aを有し、第2の特色透過部位85aを除いた部分が透明な部分である
透明部位85bとなっているシート状部材である。第2の特色透過部位85aは、後側の
発光手段がたとえば白色で発光した場合でも、前側から見て第2の色(赤色)に見える光
の成分(特定の波長に偏った光)のみを主に透過させる性質を有する。逆に言えば、第2
の特色透過部位85aは、後側の発光手段が第2の色の補色(青緑)で発光した場合には
、前側から黒または灰色に見えるように、この補色(青紫)の光をほとんど透過しない性
質を有する。これに対して、透明部位85bは、後側の発光手段からの光を制限なく略そ
のまま前側に透過させる。この具体例の第2シート85では、図64(a)において黒く
塗りつぶした領域(黒塗り部分)、すなわち、中央に位置する「PUSH」の文字の形状
の案内情報領域が、第2の特色透過部位85aとなっている。そして、この第2シート8
5の第2の特色透過部位85aは、前述した第1シート84の第1の特色透過部位84a
における案内情報領域(「PUSH」の文字とその輪郭を含む形状の領域)のうちの「P
USH」の文字の位置(すなわち、上述の輪郭内の所定位置)にズレ無く重なる位置およ
び大きさに形成されている。
ここで、第1シート84の第1の特色透過部位84aと第2シート85の第2の特色透
過部位85aは、少なくとも一部を除いて重ならない位置に形成されている。この場合、
輪郭を含まない「PUSH」の文字の部分は、両者が重なっているが、それ以外の部分は
両者が重なっていない。これにより、重なっていない部分においては、一方の特色透過部
位が、他方の特色透過部位の影響を受けずに、透過させる対象色の補色でない色で発光手
段(フルカラーLED81a)が発光した場合(特に、透過させる対象色で発光手段が発
光した場合)に、発光装置80の前側の観察者(たとえば、遊技者)が発光した状態の色
や形状をはっきり鮮やかに観察できるようになる。
なお、第1シート84の第1の特色透過部位84aと第2シート85の第2の特色透過
部位85aは、全体が重なる実施態様もあり得るが、上記作用効果を得るためには、本実
施形態の具体例のように、少なくとも一部を除いて少なくとも一方の特色透過部位が他方
の特色透過部位と重ならない位置に形成されていることが好ましい。
第3シート86は、図64(b)に示すように、光の透過を制限する透過制限部位86
aを有し、透過制限部位86aを除いた部分が透明な部分である透明部位86bとなって
いるシート状部材である。透過制限部位86aは、スモーク板と同様に、入射する光量に
対して透過する光量を減少させる性質(特定の波長の光に偏らずに光量を落とす性質)を
有する。これに対して、透明部位86bは、後側の発光手段からの光を制限なく略そのま
ま前側に透過させる。図64(b)において灰色に見える部分(塗りつぶし部分)が透過
制限部位86aとなっており、それ以外の白く見える部分(白抜き部分)が、透明部位8
6bとなっている。この具体例の第3シート86では、図64(b)に示すように、中央
に位置する「PUSH」の文字とその輪郭を含む形状の案内情報領域と、この案内情報領
域の周囲に点在する大小さまざまな星を表す装飾意匠領域とが、透明部位86bとなって
いる。
そして、この第3シート86の透明部位86bは、前述した第1シート84の第1の特
色透過部位84aと第2シート85の第2の特色透過部位85aにズレ無く重なる位置に
形成されている。すなわち、第3シート86において、第1の特色透過部位84aに重な
る領域にも、また第2の特色透過部位85aに重なる領域にも、透明部位86bが形成さ
れている。このように少なくとも何れか一つの特色透過部位に重なる領域に透明部位86
bが形成されていることにより、第1の特色透過部位84aまたは第2の特色透過部位8
5aを透過した光が、透明部位86bを介して発光装置80の前側にいる観察者により観
察され、発光手段(フルカラーLED81a)の発光色によっては第1の特色透過部位8
4aまたは第2の特色透過部位85aの形状や発色が観察者にはっきり視認可能となる。
前面板87は、透明または半透明の板状の部材であり、主に発光装置80の前側表面を
保護するための部材である。前面板87は、発光装置80から前側に出力される光量を最
終的に制限して調整するスモーク板として機能し、視認性をより高めるものであってもよ
い。また前面板87は、発光装置80から前側に出力される光を屈折させて発光装置80
(特に前述した案内情報領域や装飾意匠領域に相当する部位)をたとえば若干拡大させて
見せるレンズとして機能し、視認性をより高めるものであってもよい。
次に、発光装置80の動作について前述の図61と図65から図67とを用いて説明す
る。図65は、第3の実施形態の発光装置の動作と表示状態(観察者に見える状態)の一
例を示す図である。図66および図67は、第3の実施形態の発光装置の他の表示状態の
一例を示す図である。図65のうち、図65(a)は発光装置の動作(発光手段の発光色
に対する各部位の表示状態)を示す図であり、図65(b)は発光手段の発光色が白色で
ある場合の発光装置の表示状態の一例を示す図である。図66のうち、図66(a)は発
光手段の発光色が赤色である場合の発光装置の表示状態の一例を示す図であり、図66(
b)は発光手段の発光色が黄色である場合の発光装置の表示状態の一例を示す図である。
図67のうち、図67(a)は発光手段の発光色が青緑色である場合の発光装置の表示状
態の一例を示す図であり、図67(b)は発光手段の発光色が青紫色である場合の発光装
置の表示状態の一例を示す図である。
まず、発光装置80の発光手段(この場合、6個のフルカラーLED81aを意味する
。以下同様)が非発光状態(消灯状態)である非発光時には、発光手段が発光状態(点灯
状態)である場合に比較して全体的に相当暗く見えるが、遊技場の照明などの外光によっ
て、たとえば図61に示すように発光装置80が前側に居る観察者(通常は遊技者)から
見える。
詳細には、発光装置80の正面(前面)における案内部位(第1シート84の案内情報
領域に対応する領域であり、「PUSH」の文字とその輪郭を含む形状の領域を意味する
。以下同様)は黄色の輪郭のある赤色の「PUSH」の文字として見え、発光装置80の
正面(前面)における意匠部位(第1シート84の星を表す装飾意匠領域に対応する領域
を意味する。以下同様)は黄色に見え、発光装置80の正面(前面)における背景部位(
案内部位と意匠部位を除いた領域を意味する。以下同様)は黒色に見える。なおこの非発
光時には、案内部位や意匠部位が暗くなって(すなわち、黒く見えて)背景部位に埋もれ
てよく見えなくなる構成でもよい。
次に、発光装置80の発光手段が白色に発光した発光状態である白色発光時には、図6
5(a)の上から2段目に記載したように、発光装置80が前側に居る観察者から見える
。具体的には、たとえば図65(b)に示すように、発光装置80の正面における案内部
位は黄色の輪郭のある赤色の「PUSH」の文字として見え、発光装置80の正面におけ
る意匠部位は黄色の星に見え、発光装置80の正面における背景部位は白みを帯びた黒色
(たとえば、明るい灰色)に見える。この図65(b)に示す白色発光時の表示状態では
、図面には十分表せないが、図61に示した非発光時に比較して、全体的に明るく(輝度
が高く)、案内部位や意匠部位の赤や黄の色の鮮やかさ(彩度)も高い。そして、案内部
位の「PUSH」の文字や輪郭と、意匠部位の星を表す部分が、背景部位から浮いてはっ
きり見える。つまり、案内部位や意匠部位が背景部位とはっきり異なって見える。
次に、発光装置80の発光手段が赤色(第2の色)に発光した発光状態である赤色発光
時には、図65(a)の上から3段目に記載したように、発光装置80が前側に居る観察
者から見える。具体的には、たとえば図66(a)に示すように、発光装置80の正面に
おける案内部位は黄色の輪郭のある赤色の「PUSH」の文字として見え、発光装置80
の正面における意匠部位は黄色の星に見え、発光装置80の正面における背景部位は赤み
を帯びた黒色に見える。この図66(a)に示す赤色発光時の表示状態では、図面には十
分表せないが、図61に示した非発光時に比較して、全体的に明るく(輝度が高く)、案
内部位や意匠部位の赤や黄の色の鮮やかさ(彩度)も高い。そして、案内部位の「PUS
H」の文字や輪郭と、意匠部位の星を表す部分が、背景部位から浮いてはっきり見える。
つまり、案内部位や意匠部位が背景部位とはっきり異なって見える。
この赤色発光時の場合、案内部位の「PUSH」の文字の部分が赤色であるのに対して
、背景部位が赤みを帯びた黒色であって色相が近いため、案内部位の「PUSH」の文字
の部分が背景部位に埋もれて見難くなる懸念があるが、本願実施形態では、案内部位に「
PUSH」の文字の部分に加えて黄色に見える輪郭部分があるので、そのような不具合が
回避されて、案内部位の「PUSH」の文字を主に黄色の輪郭部分によって観察者がはっ
きり認識できる。また、この赤色発光時の場合、発光装置80の表示状態は、全体的に赤
色または赤みを帯びた色の部分が多くなり、その中に黄色の星と「PUSH」の文字の黄
色い輪郭が目立って見えるという、他の表示状態とは異なる配色の表示状態であって、他
の表示状態とは異なる固有の印象を観察者に与える表示状態となる。
次に、発光装置80の発光手段が黄色(第1の色)に発光した発光状態である黄色発光
時には、図65(a)の上から4段目に記載したように、発光装置80が前側に居る観察
者から見える。具体的には、たとえば図66(b)に示すように、発光装置80の正面に
おける案内部位は黄色の輪郭のある赤色の「PUSH」の文字として見え、発光装置80
の正面における意匠部位の黄色の星は背景部位に埋没してほとんど見えず、発光装置80
の正面における背景部位は黄みを帯びた黒色に見える。この図66(b)に示す黄色発光
時の表示状態では、図面には十分表せないが、図61に示した非発光時に比較して、全体
的に明るく(輝度が高く)、案内部位や意匠部位の赤や黄の色の鮮やかさ(彩度)も高い
。ただし、案内部位の「PUSH」の文字の部分が赤色にはっきり見えるものの、たとえ
ば意匠部位の星を表す部分が背景部位と同系色(黄色と黄みを帯びた黒色)であるため背
景部位に埋没してはっきり見えない。なお、案内部位の「PUSH」の文字の輪郭も、背
景部位と同系色であるため、白色発光時などの他の表示状態に比較すると、はっきり見え
ない。
この黄色発光時の場合、発光装置80の表示状態は、全体的に黄色または黄みを帯びた
色の部分が多くなり、その中に赤色の「PUSH」の文字が目立って見えるという、他の
表示状態とは異なる配色の表示状態であって、他の表示状態とは異なる固有の印象を観察
者に与える表示状態となる。
次に、発光装置80の発光手段が青緑色(第2の色の補色)に発光した発光状態である
青緑色発光時には、図65(a)の上から5段目に記載したように、発光装置80が前側
に居る観察者から見える。具体的には、たとえば図67(a)に示すように、発光装置8
0の正面における案内部位は黄色の輪郭が目立つ「PUSH」の文字(赤色は見えない状
態)として見え、発光装置80の正面における意匠部位は黄色の星に見え、発光装置80
の正面における背景部位は黒色または灰色(厳密には青緑を帯びた黒色または灰色)に見
える。この図67(a)に示す青緑色発光時の表示状態では、図面には十分表せないが、
図61に示した非発光時に比較して、全体的に明るく(輝度が高く)、案内部位や意匠部
位の黄色の鮮やかさ(彩度)も高い。そして、案内部位の「PUSH」の文字の輪郭と、
意匠部位の星を表す部分が、背景部位から浮いてはっきり見える。つまり、案内部位や意
匠部位が背景部位とはっきり異なって見える。
この青緑色発光時の場合、案内部位の「PUSH」の文字の部分(第2シート85の第
2の特色透過部位85aの部分)が赤色を透過させるものであるのに対して、発光手段の
発光色が赤色の補色である青緑色であるため、案内部位の「PUSH」の文字の部分(輪
郭以外の部分)は赤色としてほとんど発色せず(つまり、赤色の発色が格段に少なくなり
)、また案内部位の「PUSH」の文字の部分(第2シート85の第2の特色透過部位8
5aの部分)を透過する光量も格段に少なくなり、この部分は暗く見える(黒または灰色
に見える)。この結果、発光装置80の正面における案内部位は黄色の輪郭が目立つ「P
USH」の文字(赤色は見えない状態)として見える。
また、この青緑色発光時の場合、発光装置80の表示状態は、全体的に黒色または灰色
に近い色の部分が多くなり、その中に黄色の星と「PUSH」の文字の黄色い輪郭が目立
って見えるという、他の表示状態とは異なる配色の表示状態であって、他の表示状態とは
異なる固有の印象を観察者に与える表示状態となる。
次に、発光装置80の発光手段が青紫色(第1の色の補色)に発光した発光状態である
青紫色発光時には、図65(a)の上から6段目に記載したように、発光装置80が前側
に居る観察者から見える。具体的には、たとえば図67(b)に示すように、発光装置8
0の正面における案内部位は黄色の輪郭の無い赤色の「PUSH」の文字として見え、発
光装置80の正面における意匠部位の星は黒色または灰色になってほとんど見えず、発光
装置80の正面における背景部位は黒色または灰色(厳密には青紫を帯びた黒色または灰
色)に見える。この図67(b)に示す青紫色発光時の表示状態では、図面には十分表せ
ないが、図61に示した非発光時に比較して、全体的に明るく(輝度が高く)、案内部位
の赤色の鮮やかさ(彩度)も高い。
ただし、この青紫色発光時の場合、案内部位の「PUSH」の文字の部分が赤色にはっ
きり見えるものの、意匠部位の星を表す部分と案内部位の輪郭の部分(第1シート84の
第1の特色透過部位84aの部分)が黄色を透過させるものであるのに対して、発光手段
の発光色が黄色の補色である青紫色であるため、これらの部分は黄色としてほとんど発色
せず(つまり、黄色の発色が格段に少なくなり)、またこれらの部分(第1シート84の
第1の特色透過部位84aの部分)を透過する光量も格段に少なくなり、これらの部分は
暗く見える(黒または灰色に見える)。この結果、発光装置80の正面における案内部位
は輪郭を除く「PUSH」の文字だけが赤色として見え、意匠部位の星を含むそれ以外の
部分は、背景部位と同じ黒色または灰色に見えて、背景部位に埋没してしまいほとんど見
えなくなる。
この青紫色発光時の場合、発光装置80の表示状態は、全体的に黒色または灰色に見え
る部分が多くなり、その中に赤色の「PUSH」の文字(輪郭無し)が目立って見えると
いう、他の表示状態とは異なる配色の表示状態であって、他の表示状態とは異なる固有の
印象を観察者に与える表示状態となる。
次に、演出制御装置300がおこなう発光装置80の制御について図68および図69
を用いて説明する。図68は、第3の実施形態の演出制御装置における発光制御処理のフ
ローチャートを示す図である。図69は、第3の実施形態の表示パターンテーブルの一例
を示す図である。
前述したように、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもと
づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する
処理をおこなうとともに、演出状態の設定や、各種LEDの発光を制御する処理等をおこ
なう。この処理の過程で、演出制御装置300の制御部(CPU311)は、発光装置8
0の制御状態を特定の表示パターンに切り替えるべきタイミングになると、切り替え後の
表示パターンを決定して図68に示す発光制御処理を実行する。
この発光制御処理においては、決定されている切り替え後の表示パターンを取得し(ス
テップD71)、取得した表示パターンに応じた発光態様を決定し(ステップD72)、
決定した発光態様を設定し(ステップD73)、この発光制御処理を終了する。
演出制御装置300の記憶手段(たとえばPROM321)には、たとえば図69に示
すような内容の表示パターンテーブルが記憶されている。すなわち、表示パターン1は発
光装置80の発光手段を白色で連続的に発光させる発光態様であり、表示パターン2は発
光装置80の発光手段を赤色で連続的に発光させる発光態様であり、表示パターン3は発
光装置80の発光手段を黄色で連続的に発光させる発光態様であり、表示パターン4は発
光装置80の発光手段を青緑色で連続的に発光させる発光態様であり、表示パターン5は
発光装置80の発光手段を青紫色で連続的に発光させる発光態様であり、表示パターン6
は発光装置80の発光手段を所定時間毎に青緑と青紫に交互に切り替えて発光させる発光
態様であり、表示パターン7は発光装置80の発光手段を第1の色(黄色)と第2の色(
赤色)を除く複数の色に順に所定時間毎に切り替えて発光させる発光態様であることが、
情報として設定された表示パターンテーブルが記憶されている。
そして、ステップD72では、この表示パターンテーブルにもとづいて発光態様が決定
され、決定された発光態様がステップD73で設定される。また、たとえば演出制御装置
300の制御部(CPU311)がメイン処理において周期的におこなう装飾制御処理(
図示省略)では、ステップD73でおこなわれた設定にもとづいて、発光装置80の発光
手段(フルカラーLED81a)を設定された発光態様になるように制御する処理がおこ
なわれる。
これにより発光装置80は、ステップD71で表示パターン1が取得されて表示パター
ン1に切り替えられた場合には前述した白色発光時の表示状態(図65(b)に示すよう
な表示状態)になり、同様に表示パターン2に切り替えられた場合には前述した赤色発光
時の表示状態(図66(a)に示すような表示状態)になり、同様に表示パターン3に切
り替えられた場合には前述した黄色発光時の表示状態(図66(b)に示すような表示状
態)になり、同様に表示パターン4に切り替えられた場合には前述した青緑色発光時の表
示状態(図67(a)に示すような表示状態)になり、同様に表示パターン5に切り替え
られた場合には前述した青紫色発光時の表示状態(図67(b)に示すような表示状態)
になる。
また発光装置80は、同様に表示パターン6に切り替えられた場合には、前述した青緑
色発光時の表示状態(図67(a)に示すような表示状態)と、前述した青紫色発光時の
表示状態(図67(b)に示すような表示状態)とを、所定時間毎に交互に繰り返す。
また、発光装置80の発光手段(フルカラーLED81a)は、同様に表示パターン7
に切り替えられた場合には、たとえば図69の最下段に記載されているように、紫→青紫
→青→青緑→緑→紫→青紫…といったように、所定時間毎に黄色と赤色以外の複数の色に
順次切り替えて発光する動作を循環的におこなう。この結果、発光装置80は、図示省略
した紫色発光時の表示状態と、前述した青紫色発光時の表示状態と、図示省略した青色発
光時の表示状態と、前述した青緑色発光時の表示状態と、図示省略した緑色発光時の表示
状態とに、所定時間毎に順次切り替わる動作を循環的に繰り返す。
ここで、発光装置80の紫色発光時の表示状態、青色発光時の表示状態、および緑色発
光時の表示状態については、説明を省略するが、他の表示状態と同様の原理(すなわち、
隣接する同色系に光る領域は一方が埋没してしまい見えなくなるという原理、また、発光
手段の発光色が特色透過部位を透過する特定色に対する補色であると当該特色透過部位の
領域の発色が格段に低下する原理)によって、これらの表示状態は、他の表示状態とは異
なる配色の表示状態であって、他の表示状態とは異なる固有の印象を観察者に与える表示
状態となる。
そして、上記表示パターンのうちで、表示パターン6と表示パターン7のように所定時
間毎(たとえば0.1~0.5秒間隔)で発光色を切り替えるものであると、発光装置8
0の各部位(案内部位、意匠部位、背景部位)がキラキラきらめくように見えて、観察者
に対して印象深いものとなり、装飾効果や演出効果が高まる。特に、表示パターン7のよ
うに発光色を短い間隔で順次切り替えて発光手段を多数の色に発光させるものであると、
虹色発光(レインボー発光)がおこなわれたのと類似する印象を発光装置80の観察者に
与えることができる。
また、上述した表示パターン7のように特定の色(たとえば第1の色と第2の色)を除
いた複数の色に所定時間毎に切り替える発光態様であると、特定の色(たとえば第1の色
と第2の色)で発光させた場合の表示状態(たとえば表示パターン2,3の表示状態)と
は、明確に異なる表示状態となり、表示状態の違いによって遊技者に状態を報知したり信
頼度を示唆したりすることが効果的におこなえる。
ここで、演出制御装置300は、発光装置の発光手段を上述した各種の表示パターンに
対応する各種の発光態様で発光させる制御手段をなす。また演出制御装置300は、発光
手段の発光色を第1の色の補色と第2の色の補色を含む複数の異なる発光色に所定時間毎
に切り替えて発光手段を発光させる発光色切替制御が可能な制御手段をなす。
また、案内部位(「PUSH」の文字と輪郭)の表示は、プッシュボタン25の操作案
内機能を有し、意匠部位(星の意匠)の表示は、案内部位(「PUSH」の文字と輪郭)
の表示を演出する機能(たとえば、大当りになる信頼度を示唆して遊技者の期待を高める
機能)を有する。
このように本実施形態の発光装置80は、発光手段を裏面側(後側)にのみ備えるだけ
の簡素な構成でありながら、遊技者から見た正面の表示状態(明るさの状態、発色の状態
、文字等の意匠の視認状態などを含む)が多彩に変化可能である。たとえば、常態で視認
可能な全てのデザイン(「PUSH」の文字と星の意匠)を遊技者に見せるようにしたり
、一部のデザイン(「PUSH」の文字)のみを遊技者に見せるようにしたり、全体的な
発光色を多彩に異ならせたり、一部のデザイン(「PUSH」の文字)の発色を変化させ
たりすることができる。このため、遊技者に対する状態報知、遊技機の装飾、遊技の演出
を多彩な表示状態により効果的におこなうことができる高機能で安価な発光装置が提供で
きる。また、遊技機の装飾効果や演出効果を高め、遊技の興趣を向上できる。
なお、たとえば特開2007-37891号公報に記載された装飾表示装置の場合には
、複数の表示プレート(導光板)の各端面に対向するように光源部(LED基板)をそれ
ぞれ配設する構成であり、さらに複数の表示プレートの裏面側には当然バックライトとし
ての発光手段を配設する必要があるため、組み立て工数も多く、相当なコスト高が避けら
れない。これに対して、本実施形態の発光装置80は、バックライトに相当する裏面側(
後側)の発光手段のみを備える構成であり、各構成要素を積層状態に重ねて保持するだけ
の組み立ても容易な構成であるため、格段に低コストに実現できる。
また、図70は24色相からなる色相環を示す図である。この色相環の図から分かるよ
うに、第1の色(黄色)と第2の色(赤色)は、色相環において互いに角度が180度の
位置にある補色の関係にはない。第1の色(黄色)と第2の色(赤色)は、詳細には、2
4色相からなる色相環において色相差が4から7である中差色相の関係(特に赤色と黄色
は、色相環における角度が90度の位置にある関係)にある。たとえば、赤色に対して黄
色は中差色相であって補色ではない(赤色の補色は青緑である)。本願実施形態の発光装
置80では、第1シート84の第1の特色透過部位84aと、第2シート85の第2の特
色透過部位85aとを、このような関係にある第1の色(黄色)と第2の色(赤色)をそ
れぞれ透過させるものとしたため、前述したような特に装飾効果の高い多彩な表示態様が
実現できる。
なお、第1の色と第2の色を、相互に補色の関係にある色、たとえば黄色と青紫に設定
する構成も有り得るが、この場合、発光手段を第1の色で発光させた場合も、第2の色で
発光させた場合も、何れか一方の色が発光手段の発光色と補色の関係にあるために発色が
低下してしまう。これに対して、本実施形態のように、第1の色と第2の色を、たとえば
中差色相の関係にある色に設定した構成であれば、発光手段を第1の色で発光させた場合
も、第2の色で発光させた場合も、両方の色が発光手段の発光色と補色の関係にないため
に発色が低下してしまうことがない。
また、第1の色と第2の色は、黄色と赤色に限られず、これを逆にした設定(第1の色
が赤色で、第2の色が黄色)でもよく、これら2色の組合せも、黄色と赤色の組合せに限
られない。たとえば、橙と緑、黄と青緑、緑と青、青緑と青紫、青と紫、青紫と赤、紫と
橙などの組合せで、第1の色と第2の色を設定してもよい。
また、表示パターンとそれに対応する発光態様としては、図69に示した表示パターン
1~7に限られず、たとえば第1の色(黄色)や第2の色(赤色)や白色を含めた複数の
色に順に所定時間毎に切り替えて発光させる発光態様の表示パターンでもよい。また、た
とえばプッシュボタン25の操作が無効である時に選択される表示パターンとして、発光
手段であるフルカラーLED81aを全消灯させる表示パターンや、一部のフルカラーL
ED81aを消灯させて全体的な明るさを減少させる表示パターンがあってもよい。なお
、本実施形態は、たとえばプッシュボタン25の操作が常時有効である機種を想定してお
り、そのような機種の場合は、プッシュボタン25の操作が無効であることを報知する必
要はない。ただし、プッシュボタン25の操作が常時有効である機種であっても、たとえ
ば大当りになる信頼度の低い状態で選択される表示パターンとして、発光手段であるフル
カラーLED81aを全消灯させる表示パターンや、複数あるうちの一部のフルカラーL
ED81aを消灯させて全体的な明るさを減少させる表示パターンがあってもよい。
また装飾意匠領域の態様は、星を表すものに限らず、たとえば遊技盤の演出テーマに沿
った薔薇や桜の花や枝葉を表す模様など、各種の態様があり得る。
[第3の実施形態の変形例1]
次に、第3の実施形態の変形例1の発光装置80について説明する。第3の実施形態の
変形例1の発光装置80は、星を表す意匠を構成する特色透過部位が第1シート84では
なく第2シート85の第2の特色透過部位85aとして形成されている点に特徴を有し、
その他の構成は第3の実施形態と同じである。以下、第3の実施形態と同符号を用いて説
明する。
まず、本変形例1の発光装置80の構成における特徴について、図71から図72を用
いて説明する。図71は、第3の実施形態の変形例1の発光装置を示す正面図である。図
72は、第3の実施形態の変形例1の発光装置を構成する第1シートおよび第2シートを
示す図である。図72のうち、図72(a)は第1シートを示す正面図であり、図72(
b)は第2シートを示す正面図である。
本変形例1の第1シート84は、図72(a)に示すように、第1の色(黄色)を透過
させる第1の特色透過部位84aを有し、第1の特色透過部位84aを除いた部分が透明
な部分である透明部位84bとなっているシート状部材である。第1の特色透過部位84
aは、後側の発光手段がたとえば白色で発光した場合でも、前側から見て第1の色(黄色
)に見える光の成分(特定の波長に偏った光)のみを主に透過させる性質を有する。逆に
言えば、第1の特色透過部位84aは、後側の発光手段が第1の色の補色(青紫)で発光
した場合には、前側から黒または灰色に見えるように、この補色(青紫)の光をほとんど
透過しない性質を有する。これに対して、透明部位84bは、後側の発光手段からの光を
制限なく略そのまま前側に透過させる。この変形例1の第1シート84では、図72(a
)において斜線を施した領域(斜線部分)、すなわち、中央に位置する「PUSH」の文
字とその輪郭を含む形状の案内情報領域のみが、第1の特色透過部位84aとなっている
また、本変形例1の第2シート85は、図72(b)に示すように、第2の色(赤色)
を透過させる第2の特色透過部位85aを有し、第2の特色透過部位85aを除いた部分
が透明な部分である透明部位85bとなっているシート状部材である。第2の特色透過部
位85aは、後側の発光手段がたとえば白色で発光した場合でも、前側から見て第2の色
(赤色)に見える光の成分(特定の波長に偏った光)のみを主に透過させる性質を有する
。逆に言えば、第2の特色透過部位85aは、後側の発光手段が第2の色の補色(青緑)
で発光した場合には、前側から黒または灰色に見えるように、この補色(青緑)の光をほ
とんど透過しない性質を有する。これに対して、透明部位85bは、後側の発光手段から
の光を制限なく略そのまま前側に透過させる。この変形例1の第2シート85では、図7
2(b)において黒く塗りつぶした領域(黒塗り部分)、すなわち、中央に位置する「P
USH」の文字の形状の案内情報領域と、この案内情報領域の周囲に点在する大小さまざ
まな星を表す装飾意匠領域とが、第2の特色透過部位85aとなっている。そして、この
第2シート85の第2の特色透過部位85aのうちの案内情報領域(「PUSH」の文字
の形状の領域)は、前述した第1シート84の第1の特色透過部位84aにおける案内情
報領域(「PUSH」の文字とその輪郭を含む形状の領域)のうちの「PUSH」の文字
の位置(すなわち、上述の輪郭内の所定位置)にズレ無く重なる位置および大きさに形成
されている。
次に、本変形例1の発光装置80の動作について、前述の図71と図73から図75と
を用いて説明する。図73は、第3の実施形態の変形例1の発光装置の動作と表示状態(
観察者に見える状態)の一例を示す図である。図74および図75は、第3の実施形態の
変形例1の発光装置の他の表示状態の一例を示す図である。図73のうち、図73(a)
は発光装置の動作(発光手段の発光色に対する各部位の表示状態)を示す図であり、図7
3(b)は発光手段の発光色が白色である場合の発光装置の表示状態の一例を示す図であ
る。図74のうち、図74(a)は発光手段の発光色が赤色である場合の発光装置の表示
状態の一例を示す図であり、図74(b)は発光手段の発光色が黄色である場合の発光装
置の表示状態の一例を示す図である。図75のうち、図75(a)は発光手段の発光色が
青緑色である場合の発光装置の表示状態の一例を示す図であり、図75(b)は発光手段
の発光色が青紫色である場合の発光装置の表示状態の一例を示す図である。
まず、発光装置80の発光手段(6個のフルカラーLED81a)が非発光状態(消灯
状態)である非発光時には、発光手段が発光状態(点灯状態)である場合に比較して全体
的に相当暗く見えるが、遊技場の照明などの外光によって、たとえば図71に示すように
発光装置80が前側に居る観察者(通常は遊技者)から見える。詳細には、発光装置80
の正面(前面)における案内部位(第1シート84の案内情報領域に対応する領域であり
、「PUSH」の文字とその輪郭を含む形状の領域を意味する。以下同様)は黄色の輪郭
のある赤色の「PUSH」の文字として見え、発光装置80の正面(前面)における意匠
部位(第2シート85の星を表す装飾意匠領域に対応する領域を意味する。以下同様)は
赤色に見え、発光装置80の正面(前面)における背景部位(案内部位と意匠部位を除い
た領域を意味する。以下同様)は黒色に見える。
次に、発光装置80の発光手段が白色に発光した発光状態である白色発光時には、図7
3(a)の上から2段目に記載したように、発光装置80が前側に居る観察者から見える
。具体的には、たとえば図73(b)に示すように、発光装置80の正面における案内部
位は黄色の輪郭のある赤色の「PUSH」の文字として見え、発光装置80の正面におけ
る意匠部位は赤色の星に見え、発光装置80の正面における背景部位は白みを帯びた黒色
に見える。この図73(b)に示す白色発光時の表示状態では、図面には十分表せないが
、図71に示した非発光時に比較して、全体的に明るく(輝度が高く)、案内部位や意匠
部位の赤や黄の色の鮮やかさ(彩度)も高い。そして、案内部位の「PUSH」の文字や
輪郭と、意匠部位の星を表す部分が、背景部位から浮いてはっきり見える。つまり、案内
部位や意匠部位が背景部位とはっきり異なって見える。
次に、発光装置80の発光手段が赤色(第2の色)に発光した発光状態である赤色発光
時には、図73(a)の上から3段目に記載したように、発光装置80が前側に居る観察
者から見える。具体的には、たとえば図74(a)に示すように、発光装置80の正面に
おける案内部位は黄色の輪郭のある赤色の「PUSH」の文字として見え、発光装置80
の正面における意匠部位の赤色の星は背景部位に埋没してほとんど見えず、発光装置80
の正面における背景部位は赤みを帯びた黒色に見える。この図74(a)に示す赤色発光
時の表示状態では、図面には十分表せないが、図71に示した非発光時に比較して、全体
的に明るく(輝度が高く)、案内部位や意匠部位の赤や黄の色の鮮やかさ(彩度)も高い
。ただし、案内部位の「PUSH」の文字と輪郭の部分(特に黄色の輪郭の部分)が背景
部位から浮いてはっきり見えるものの、たとえば意匠部位の星を表す部分が背景部位と同
系色(赤色と赤みを帯びた黒色)であるため背景部位に埋没してはっきり見えない。
この赤色発光時の場合、案内部位の「PUSH」の文字の部分が赤色であるのに対して
、背景部位が赤みを帯びた黒色であって色相が近いため、案内部位の「PUSH」の文字
の部分が背景部位に埋もれて見難くなる懸念があるが、本願実施形態では、案内部位に「
PUSH」の文字の部分に加えて黄色に見える輪郭部分があるので、そのような不具合が
回避されて、案内部位の「PUSH」の文字を主に黄色の輪郭部分によって観察者がはっ
きり認識できる。また、この赤色発光時の場合、発光装置80の表示状態は、全体的に赤
色または赤みを帯びた色の部分が多くなり、その中に「PUSH」の文字の黄色い輪郭が
目立って見えるという、他の表示状態とは異なる配色の表示状態であって、他の表示状態
とは異なる固有の印象を観察者に与える表示状態となる。
次に、発光装置80の発光手段が黄色(第1の色)に発光した発光状態である黄色発光
時には、図73(a)の上から4段目に記載したように、発光装置80が前側に居る観察
者から見える。具体的には、たとえば図74(b)に示すように、発光装置80の正面に
おける案内部位は黄色の輪郭のある赤色の「PUSH」の文字として見え、発光装置80
の正面における意匠部位の星は赤色にはっきり見え、発光装置80の正面における背景部
位は黄みを帯びた黒色に見える。この図74(b)に示す黄色発光時の表示状態では、図
面には十分表せないが、図71に示した非発光時に比較して、全体的に明るく(輝度が高
く)、案内部位や意匠部位の赤や黄の色の鮮やかさ(彩度)も高い。そして、案内部位の
「PUSH」の文字や輪郭と、意匠部位の星を表す部分が、背景部位から浮いてはっきり
見える。つまり、案内部位や意匠部位が背景部位とはっきり異なって見える。
この黄色発光時の場合、発光装置80の表示状態は、全体的に黄色または黄みを帯びた
色の部分が多くなり、その中に赤色の星と「PUSH」の文字が目立って見えるという、
他の表示状態とは異なる配色の表示状態であって、他の表示状態とは異なる固有の印象を
観察者に与える表示状態となる。
次に、発光装置80の発光手段が青緑色(第2の色の補色)に発光した発光状態である
青緑色発光時には、図73(a)の上から5段目に記載したように、発光装置80が前側
に居る観察者から見える。具体的には、たとえば図75(a)に示すように、発光装置8
0の正面における案内部位は黄色の輪郭が目立つ「PUSH」の文字(赤色は見えない状
態)として見え、発光装置80の正面における意匠部位の星は黒色または灰色になってほ
とんど見えず、発光装置80の正面における背景部位は黒色または灰色(厳密には青緑を
帯びた黒色または灰色)に見える。この図75(a)に示す青緑色発光時の表示状態では
、図面には十分表せないが、図71に示した非発光時に比較して、全体的に明るく(輝度
が高く)、案内部位の黄色の鮮やかさ(彩度)も高い。
ただし、この青緑色発光時の場合、案内部位の「PUSH」の文字の輪郭部分が背景部
位から浮いて黄色にはっきり見えるものの、意匠部位の星を表す部分と案内部位の「PU
SH」の文字の部分(第2シート85の第2の特色透過部位85aの部分)が赤色を透過
させるものであるのに対して、発光手段の発光色が赤色の補色である青緑色であるため、
これらの部分は赤色としてほとんど発色せず(つまり、赤色の発色が格段に少なくなり)
、またこれらの部分(第2シート85の第2の特色透過部位85aの部分)を透過する光
量も格段に少なくなり、これらの部分は暗く見える(黒または灰色に見える)。この結果
、発光装置80の正面における案内部位は「PUSH」の文字の輪郭だけが黄色として見
え、意匠部位の星を含むそれ以外の部分は、背景部位と同じ黒色または灰色に見えて、背
景部位に埋没してしまいほとんど見えなくなる。
この青緑色発光時の場合、発光装置80の表示状態は、全体的に黒色または灰色に近い
色の部分が多くなり、その中に「PUSH」の文字の黄色い輪郭が目立って見えるという
、他の表示状態とは異なる配色の表示状態であって、他の表示状態とは異なる固有の印象
を観察者に与える表示状態となる。
次に、発光装置80の発光手段が青紫色(第1の色の補色)に発光した発光状態である
青紫色発光時には、図73(a)の上から6段目に記載したように、発光装置80が前側
に居る観察者から見える。具体的には、たとえば図75(b)に示すように、発光装置8
0の正面における案内部位は黄色の輪郭の無い赤色の「PUSH」の文字として見え、発
光装置80の正面における意匠部位は赤色の星として見え、発光装置80の正面における
背景部位は黒色または灰色(厳密には青紫を帯びた黒色または灰色)に見える。この図7
5(b)に示す青紫色発光時の表示状態では、図面には十分表せないが、図71に示した
非発光時に比較して、全体的に明るく(輝度が高く)、案内部位や意匠部位の赤色の鮮や
かさ(彩度)も高い。そして、案内部位の「PUSH」の文字と、意匠部位の星を表す部
分が、背景部位から浮いてはっきり見える。
ただし、案内部位の「PUSH」の文字の輪郭の部分(第1シート84の第1の特色透
過部位84aの部分)が黄色を透過させるものであるのに対して、発光手段の発光色が黄
色の補色である青紫色であるため、この部分は黄色としてほとんど発色せず(つまり、黄
色の発色が格段に少なくなり)、またこの部分(第1シート84の第1の特色透過部位8
4aの部分)を透過する光量も格段に少なくなり、この部分は暗く見える(黒または灰色
に見える)。この結果、発光装置80の正面における案内部位は輪郭を除く「PUSH」
の文字だけが赤色として見え、上述の輪郭の部分は、背景部位と同じ黒色または灰色に見
えて、背景部位に埋没してしまいほとんど見えなくなる。
この青紫色発光時の場合、発光装置80の表示状態は、全体的に黒色または灰色に見え
る部分が多くなり、その中に赤色の星と「PUSH」の文字(輪郭無し)が目立って見え
るという、他の表示状態とは異なる配色の表示状態であって、他の表示状態とは異なる固
有の印象を観察者に与える表示状態となる。
以上説明した変形例1の発光装置80でも、簡素で低コストな構成でありながら、上述
したような多彩な表示状態が実現できる。ただし、意匠部位の星の色や見え方が第3の実
施形態の発光装置80とは異なる。なお本願発明の発光装置は、以上説明した具体例に限
定されず、外形の大きさや形、文字を含む意匠の内容(すなわち、各シートの特色透過部
位の形状や大きさや配置)、配色(すなわち、各シートの特色透過部位の色の設定)など
の態様において、各種の変形が有り得る。また、プッシュボタンの案内用に限定されず、
装飾用、演出用、または情報報知用として広く応用できる。また、発光装置の発光手段は
、フルカラーLEDに限定されない。たとえば、発光色の種類が第1の色と第2の色と第
2の色の補色といった所定数に限定された発光手段であってもよい。また、第1の色と第
2の色と第2の色の補色といった複数種類の異なる色でそれぞれ発光する単色発光の発光
源を複数有し、これら発光源のうちの何れか一つの発光色の発光源を点灯させることで、
発光色を切り替える発光手段であってもよい。
[第3の実施形態の変形例2]
次に、第3の実施形態の変形例2について図76を用いて説明する。図76は、第3の
実施形態の変形例2の発光装置の一例を示す側断面図および分解斜視図である。図76の
うち、図76(a)は発光装置の側断面図であり、図76(b)は発光装置の分解斜視図
である。なお、第3の実施形態の変形例2の発光装置80aは、第3の実施形態の発光装
置80と同様の構成要素を有する点で同じであるが、一部構成要素の配置順序が異なる点
で相違する。
また、たとえば図61に示したように、発光装置80aおよびその構成要素を示す図に
おいては、配色の一例として、斜線部分は黄色であることを示し、黒塗り部分(黒色に見
える部分)は赤色であることを示し、その他の塗りつぶし部分(灰色に見える部分)は黒
または黒に近い色(白みを帯びた黒、赤みを帯びた黒、黄みを帯びた黒など)を示す。赤
色は黒色よりも基本的に明度が高いが(つまり実際には黒色の方が暗く見えるが)、ここ
では赤色の強い印象を表現するために、赤色を黒塗りで図示し、黒色を灰色の塗りつぶし
で図示している。
発光装置80aは、図76(a)および図76(b)に示すように、構成要素であるL
ED基板81、スモーク板82、第3シート86、第2シート85、第1シート84、拡
散板83、および前面板87(たとえばスモークレンズ)が、後側から前側に順次重ねて
配置されてなる。これにより、発光装置80aは、発光装置80と異なる表示効果を演出
することができる。
また、発光装置80aは、第3シート86、第2シート85、第1シート84のシート
色の濃度を、第3シート86を淡色にして、第2シート85、第1シート84の順に濃色
となるようにしてもよい。発光装置80aは、第3シート86、第2シート85、第1シ
ート84のシート色の濃度をこのように設定することで好適な表示効果を得る。また、発
光装置80aは、シート色の濃度が淡色から濃色に順次設定される範囲を、第3シート8
6、第2シート85、第1シート84の範囲に限らず、スモーク板82、第3シート86
、第2シート85、第1シート84の範囲、第3シート86、第2シート85、第1シー
ト84、拡散板83の範囲、あるいはスモーク板82、第3シート86、第2シート85
、第1シート84、拡散板83の範囲に拡張するものであってもよい。
なお、図61の正面図は、前側(図76(a)における左側)に居る観察者である遊技
者に見える開口40b内の発光装置80a(非発光時)を示している。ただし、発光装置
80aの取付構造は、図76(a)の構成に限定されず、たとえばセンターケース40を
構成する部材40aよりも前面側に各構成要素が配置されて取り付けられる構成でもよい
。各構成要素が図76に示す順番で積層配置されて取り付けられる構造であれば、いかな
る構成でもよい。
また、発光装置80aの各構成要素のうち、スモーク板82、第3シート86、第2シ
ート85、第1シート84、および拡散板83は、たとえば図76(a)に示すように密
接して配設される。LED基板81とスモーク板82の間や、拡散板83と前面板87の
間には、必要に応じて所定の間隔が設けられる。
なお、スモーク板82、拡散板83、第3シート86、第2シート85、および第1シ
ート84は、それぞれ任意の厚さとすることができる。スモーク板82、拡散板83、第
3シート86、第2シート85、および第1シート84のそれぞれの厚さは、すべてが同
じであってもよいし、すべてが同じでなくてもよい。図76(a)は、便宜上、スモーク
板82、拡散板83、第3シート86、第2シート85、および第1シート84をケース
88の半分程度の厚さ(たとえば、1mm)があるように示したが、シート状の厚さ(た
とえば、100μm)程度であってもよい。
また、スモーク板82、拡散板83、第3シート86、第2シート85、および第1シ
ート84は、それぞれの機能を発揮できるものであれば任意の素材とすることができる。
スモーク板82、拡散板83、第1シート84、第2シート85、および第3シート86
のそれぞれの素材は、すべてが同じ(たとえば、塩化ビニール)であってもよいし、すべ
てが同じでなくてもよい。
なお、スモーク板82、第3シート86、第2シート85、第1シート84、拡散板8
3、および前面板87の取付順序は、狙った表示効果に対応して任意の順序に変更された
ものであってもよい。
また、表示装置80aは、スモーク板82、第3シート86、第2シート85、第1シ
ート84、拡散板83、および前面板87のうち、必須構成要素となる第3シート86、
第2シート85、および第1シート84を備えればよく、狙った表示効果に対応してスモ
ーク板82、拡散板83、および前面板87のうちから1つ以上を省略可能な構成とする
ものであってもよい。たとえば、表示装置80aは、スモーク板82、拡散板83、およ
び前面板87のうちから前面板87だけを省略するものとしてもよいし、スモーク板82
と前面板87を省略するものとしてもよいし、すべてを省略するものとしてもよい。
なお、発光装置80aは、第2シート85を後側にして第1シート84を前側にして配
設したが、第1シート84を後側にして第2シート85を前側にして配設するものであっ
てもよい。これは、第1シート84と第2シート85とが相互に補色の関係にあることに
よる。したがって、発光装置80aは、第1シート84と第2シート85の配設順序を任
意の順序としても、同様の表示効果を得ることができる。発光装置80についても同様で
ある。
上述した第3の実施形態(変形例含む)の遊技機10、あるいは遊技機10における発
光装置80は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10における発光装置80は、第1の色(たとえば、黄色)の補色(たと
えば、青紫色)または第1の色の補色ではない第2の色(たとえば、赤色)の補色(たと
えば、青緑色)で発光可能な発光手段(たとえば、フルカラーLED81a)と、第1の
色を透過させる第1の特色透過部位(たとえば、第1の特色透過部位84a)を有し、発
光手段に対して発光手段からの出力光が照射される前側に配設される第1シート(たとえ
ば、第1シート84)と、第2の色を透過させる第2の特色透過部位(たとえば、第2の
特色透過部位85a)を有し、第1シートに対して前側に重ねて配設される第2シート(
たとえば、第2シート85)と、光の透過を制限する透過制限部位(たとえば、透過制限
部位86a)、および透過制限部位を除いた透明な部分である透明部位(たとえば、透明
部位86b)を有し、第2シートに対して前側に重ねて配設される第3シート(たとえば
、第3シート86)と、を備え、第3シートの透明部位を、第1の特色透過部位と第2の
特色透過部位に重なる位置に形成する。
(2)(1)の発光手段は、出力光の色を、第1の色(たとえば、黄色)、第1の色の
補色ではない第2の色(たとえば、赤色)、および第1の色の補色(たとえば、青紫色)
または第2の色の補色(たとえば、青緑色)を含む複数の色のうちの何れかに切り替える
ことが可能な手段である。
(3)(1)の発光手段は、出力光の色を、白色、白色でない第1の色(たとえば、黄
色)、白色でなく第1の色の補色ではない第2の色(たとえば、赤色)、および第1の色
の補色(たとえば、青紫色)または第2の色の補色(たとえば、青緑色)を含む複数の色
のうちの何れかに切り替えることが可能な手段である。
(4)(1)の第2の色は、第1の色(たとえば、黄色)に対して中差色相の関係にあ
る色(たとえば、赤色)である。
(5)(1)の第1シートは、第1の特色透過部位を除いた透明な部分である透明部位
(たとえば、透明部位84b)を有する。
(6)(1)の第2シートは、第2の特色透過部位を除いた透明な部分である透明部位
(たとえば、透明部位85b)を有する。
(7)(1)の第1シートは、第1の特色透過部位として、案内用(報知用)の文字(
たとえば、「PUSH」の文字)とこの文字の周囲に位置する輪郭を含む形状の案内情報
領域を有し、(1)の第2シートは、第2の特色透過部位として、案内用(報知用)の文
字(たとえば、「PUSH」の文字)の形状の案内情報領域を有し、第2シートの案内情
報領域が第1シートの輪郭を含む案内情報領域内の案内用の文字の位置(輪郭内の所定位
置)に重なるように、第1シートと第2シートが配設される。
(8)(1)の第1の特色透過部位と第2の特色透過部位は、少なくとも一部を除いて
重ならない位置に形成する。
(9)(1)の第1シートは、第1の特色透過部位として、装飾用の装飾意匠領域(た
とえば、星を表す装飾意匠領域)を有する。
(10)(1)の第2シートは、第2の特色透過部位として、装飾用の装飾意匠領域(
たとえば、星を表す装飾意匠領域)を有する。
(11)遊技機10は、(1)の発光装置80と、発光手段を制御する制御手段(たと
えば、演出制御装置300)とを備え、制御手段は、発光手段の発光色(出力光の色)を
第1の色の補色と第2の色の補色を含む複数の異なる発光色に所定時間毎に切り替えて発
光手段を発光させる発光色切替制御が可能である。
(12)遊技機10は、(1)の発光装置80と、発光手段を制御する制御手段(たと
えば、演出制御装置300)とを備え、制御手段は、発光手段の発光色(出力光の色)を
、特定の色(たとえば、黄色と赤色)を除く複数の異なる発光色(たとえば、紫色、青紫
、青、青緑、緑色)に所定時間毎に切り替えて発光手段を発光させる発光色切替制御が可
能である。
(13)遊技機10は、発光装置を備える。発光装置は、第1の色の補色、または第1
の色の補色ではない第2の色の補色で発光可能な発光手段と、第1の色を透過させる第1
の特色透過部位を有し、発光手段に対して発光手段からの出力光が照射される前側に配設
される第1シートと、第2の色を透過させる第2の特色透過部位を有し、第1シートに対
して前側に重ねて配設される第2シートと、光の透過を制限する透過制限部位、および透
過制限部位を除いた透明な部分である透明部位を有し、第2シートに対して前側に重ねて
配設される第3シートと、を含み、第1の特色透過部位と第2の特色透過部位に重なる位
置に第3シートの透明部位を形成する。
(14)遊技機10は、発光装置を備える。発光装置は、第1の色の補色、または第1
の色の補色ではない第2の色の補色で発光可能な発光手段と、第1の色を透過させる第1
の特色透過部位を有し、発光手段に対して発光手段からの出力光が照射される前側に配設
される第1シートと、第2の色を透過させる第2の特色透過部位を有し、第1シートに対
して前側に重ねて配設される第2シートと、光の透過を制限する透過制限部位、および透
過制限部位を除いた透明な部分である透明部位を有し、第2シートに対して前側に重ねて
配設される第3シートと、を含み、第3シートが第1の特色透過部位に重なる領域と、第
3シートが第2の特色透過部位に重なる領域とに第3シートの透明部位を形成する。
(15)遊技機10は、発光装置(たとえば、発光装置80,80a)を備える。発光
装置は、第1の色の補色、または第1の色の補色ではない第2の色の補色で発光可能な発
光手段と、第1の色を透過させる第1の特色透過部位を有する第1シートと、第2の色を
透過させる第2の特色透過部位を有する第2シートと、光の透過を制限する透過制限部位
、および透過制限部位を除いた透明な部分である透明部位を有する第3シートと、を含み
、第1の特色透過部位と第2の特色透過部位に重なる位置に第3シートの透明部位を形成
する。
[第4の実施形態]
次に、第4の実施形態の遊技機10について説明する。第4の実施形態の遊技機10は
、センターケース40の底部に発光装置95が設けられており、この発光装置95の視認
性が変化する構成である点に特徴を有する。
まず、発光装置95の配置や構成について図77から図79を用いて説明する。図77
は、第4の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。この図77では、遊技盤30を
簡略化して図示している。図78は、第4の実施形態の発光装置の一例を示す上面図およ
び側断面図である。図78のうち、図78(a)は発光装置95の上面図であり、図78
(b)は発光装置95の側断面図(図78(a)におけるA-A断面図)である。図79
は、第4の実施形態の発光装置および周辺構成の一例を示す側断面図である。図79のう
ち、図79(a)は第1状態にある発光装置および周辺構成を示す側断面図であり、図7
9(b)は第2状態にある発光装置および周辺構成を示す側断面図である。
発光装置95は、図77に示すように、センターケース40の底部であって表示装置4
1の表示部(表示領域)の下縁中央付近に配設されている。発光装置95は、図78(a
)および図78(b)に示すように、円筒状の遮蔽壁95aと、この遮蔽壁95a内に配
置された発光装置本体としての発光部95bとを有する。なお、円筒状の遮蔽壁95aは
、演出としてたとえば井戸を表現しており、発光部95bの後述する表示面は井戸の中を
表現している。
発光部95bは、上面が表示面となっており、内蔵されたLEDなどの発光源により、
この表示面がたとえば全体的に同じ色で発光したり、或いは文字や図形やキャラクタの絵
などを部分的に異なる色で浮き上がらせて発光させたりするもので、一種の表示手段であ
り、装飾手段も含めた演出手段に相当する。発光部95bは、たとえば盤装飾装置46の
うちの一つであり、主制御用マイコン311によって盤装飾LED制御回路332を介し
て駆動制御される。なお、発光部95bとして、第3の実施形態の発光装置80と同様の
構成のもの(必要に応じて案内部位や意匠部位の態様を変更したもの)を使用することも
できる。
発光装置95は、円筒状の遮蔽壁95aの軸方向が鉛直方向となるように水平に設置さ
れた場合、発光部95bの表示面である発光部95bの上面が遮蔽壁95aの上端よりも
低い位置にあるため、たとえば横方向(水平方向)の同じ高さからは発光部95bの表示
面が見えず、斜め上から或いは真上から覗き込むことにより発光部95bの表示面が見え
る特殊視認性発光装置である。
発光装置95は、たとえば図79(a)に示すように、センターケース40内の底部に
あるステージ40cよりも奥の奥側底面40d上に配置されている。ステージ40cは、
前述したワープ口39a(図2参照)からワープ流路に流入した遊技球が、その後転動す
る転動面が上面に形成された部分である。このステージ40cと奥側底面40dの間には
、これらの間を仕切る隔壁40eが形成されており、この隔壁40eにより奥側底面40
d上には遊技球が流入しないようになっている。
発光装置95は、たとえば図79(a)に示すように、前側の下端部が隔壁40eに支
持され(前側の下端部が隔壁40eに蝶番(ヒンジ)によって揺動可能に取り付けられて
いてもよい)、後側が持ち上がるように前傾する動きが可能となるように設けられている
。また発光装置95の後端部下方には、一般にソレノイドなどと呼ばれる電磁式のアクチ
ュエータ(駆動源)96が配設され、このアクチュエータ96の可動シャフト96a(図
79(b)に示す)の上端で発光装置95の後端部を下から支持している。
アクチュエータ96(ソレノイド)は、周知のように電磁石の吸引力でプランジャ(可
動側の磁性体、図示省略)を動かし、プランジャに固定された(或いは一体成形された)
可動シャフト96aを動かす。この場合のアクチュエータ96は、非作動状態(電磁石の
コイルに電流を流していないオフ状態)では可動シャフト96aの大部分が埋没しており
、作動状態(電磁石のコイルに所定電流を流しているオン状態)では可動シャフト96a
が所定量上昇するタイプのソレノイドである。アクチュエータ96は、主制御用マイコン
311によって、たとえば盤演出可動体制御回路334を介して制御される。
このため発光装置95の位置(姿勢含む)は、アクチュエータ96が非作動状態にある
場合には、図79(a)に示すように水平な姿勢の位置である定常位置(この位置にある
状態を第1状態という)となり、アクチュエータ96が作動状態にある場合には、図79
(b)に示すように定常位置よりも後部が上昇し前傾した前傾位置(この位置にある状態
を第2状態という)になる。
そして、発光部95bの表示面である発光部95bの上面は、定常位置において遮蔽壁
95aの上端よりも低い位置にあるため、発光装置95が定常位置にある第1状態にある
場合には、遮蔽壁95aに隠れて、観察者である遊技者からは視認不能または視認困難と
なっている。たとえば、第1状態である場合には、遊技者は斜め上から覗き込むようにし
ないと発光部95bの表示面(上面)が見えず、発光部95bの表示面の表示状態を観察
できない。また、観察できたとしても、発光部95bの表示面が遊技者の視線に対して斜
めになって相当に小さく見える。
しかし、発光装置95が前傾位置にある第2状態にある場合には、図79(b)に示す
ように発光装置95が前側から見易くなるように前傾するので、観察者である遊技者は比
較的良好に観察可能となる。たとえば、第2状態である場合には、遊技者は斜め上から覗
き込むようにしなくても発光部95bの表示面(上面)が小さく見えるようになり、また
、斜め上から覗き込むようにすれば、発光部95bの表示面が遊技者の視線に対して直交
する方向に近くなって比較的大きく見える。つまり、第2状態での発光装置95の表示面
(発光部95bの上面)の視認性は、第1状態での発光装置95の表示面の視認性に比較
して、格段に優れる。このため、たとえば、大当りになる信頼度が高い演出(たとえば、
特別なリーチ演出)が表示装置41でおこなわれる際に、この演出に連動して発光装置9
5を第1状態から第2状態に変換する(切り替える)などの制御をおこなえば、遊技者の
期待を高めて遊技の興趣を向上させることができる。
[第4の実施形態の変形例1]
次に、第4の実施形態の変形例1について図80を用いて説明する。図80は、第4の
実施形態の変形例1の発光装置および周辺構成の一例を示す側断面図である。図80のう
ち、図80(a)は第1状態にある発光装置および周辺構成を示す側断面図であり、図8
0(b)は第2状態にある発光装置および周辺構成を示す側断面図である。
この変形例1では、図80(a)に示すように、奥側底面40dが水平よりも前傾して
おり、発光装置95が第1状態においてもある程度水平よりも前傾している。そして、ア
クチュエータ96が作動状態である第2状態になると、図80(b)に示すように、発光
装置95が奥側底面40dに対して傾動してさらに大きく前傾する。
このため、発光装置95が第1状態にある場合にも、遊技者は観察可能である。たとえ
ば、第1状態である場合でも、遊技者は斜め上から覗き込むようにしなくても発光部95
bの表示面(上面)が小さく見えるようになり、また、斜め上から覗き込むようにすれば
、発光部95bの表示面が遊技者の視線に対して直交する方向に近くなって比較的大きく
見える。
また、発光装置95が第2状態にある場合には、図80(b)に示すように発光装置9
5が前側から見易くなるように大きく前傾するので、遮蔽壁95aにほとんど隠れずに、
観察者である遊技者は比較的良好に観察可能となる。たとえば、第2状態である場合には
、遊技者は斜め上から覗き込むようにしなくても発光部95bの表示面(上面)が比較的
大きく見えるようになり、また、斜め上から覗き込むようにすれば、発光部95bの表示
面が遊技者の視線に対して略直交する方向になってさらに大きく見える。この場合も、第
2状態での発光装置95の表示面の視認性は、第1状態での発光装置95の表示面の視認
性に比較して、格段に優れる。このため、たとえば、大当りになる信頼度が高い演出が表
示装置41でおこなわれる際に、この演出に連動して発光装置95を第1状態から第2状
態に変換するなどの制御をおこなえば、遊技者の期待を高めて遊技の興趣を向上させるこ
とができる。
[第4の実施形態の変形例2]
次に、第4の実施形態の変形例2について図81を用いて説明する。図81は、第4の
実施形態の変形例2の発光装置および周辺構成の一例を示す側断面図である。図81のう
ち、図81(a)は第1状態にある発光装置および周辺構成を示す側断面図であり、図8
1(b)は第2状態にある発光装置および周辺構成を示す側断面図である。
この変形例2では、図81(a)に示すように、第1状態にある発光装置95の発光部
95bの表示面(上面)が水平よりも前傾している。そして、アクチュエータ96が作動
状態である第2状態になると、図81(b)に示すように、発光装置95が傾動して発光
部95bの表示面がさらに大きく前傾する。このため、前述した変形例1の場合と略同様
の作用効果が得られる。
[第4の実施形態の変形例3]
次に、第4の実施形態の変形例3について図82を用いて説明する。図82は、第4の
実施形態の変形例3の発光装置および周辺構成の一例を示す側断面図である。図82のう
ち、図82(a)は第1状態にある発光装置および周辺構成を示す側断面図であり、図8
2(b)は第2状態にある発光装置および周辺構成を示す側断面図である。
この変形例3では、図82(a)に示すように、遮蔽壁95aの下端両側がセンターケ
ース40に支持され、遮蔽壁95aはセンターケース40に対して水平に(軸方向が鉛直
方向となる姿勢で)固定されている。一方、発光部95bは、遮蔽壁95aの内周面に沿
って上下動可能に設けられ、発光装置95の下面側と奥側底面40dの間に配置されたア
クチュエータ96の可動シャフト96a(図82(b)に示す)の上端で発光部95bの
下面を下から支持している。また、発光装置95の発光部95bの表示面(上面)は水平
よりも前傾している。
発光装置95の発光部95bの位置(上下方向位置)は、アクチュエータ96が非作動
状態にある場合には、図82(a)に示すように遮蔽壁95a内に埋没した位置である定
常位置(この位置にある状態を第1状態という)となり、アクチュエータ96が作動状態
にある場合には、図82(b)に示すように定常位置よりも上昇し発光部95bの上面(
表示面)が露出した高位置(この位置にある状態を第2状態という)になる。
そして、発光部95bの表示面である発光部95bの上面は、アクチュエータ96が非
作動状態にある場合(第1状態)には、図82(a)に示すように遮蔽壁95aの上端よ
りも低い位置にあるため、遮蔽壁95aに隠れて、観察者である遊技者からは視認不能ま
たは視認困難となっている。たとえば、第1状態である場合には、遊技者は斜め上から覗
き込むようにしないと発光部95bの表示面が見えず、発光部95bの表示面の表示状態
を観察できない。また、観察できたとしても、発光部95bの表示面が部分的に遮蔽壁9
5aに隠れて見えない。
しかし、発光装置95が第2状態にある場合には、図82(b)に示すように発光部9
5bの表示面が露出するので、観察者である遊技者は表示面全体を比較的良好に観察可能
となる。たとえば、第2状態である場合には、遊技者は斜め上から覗き込むようにしなく
ても発光部95bの表示面が小さく見えるようになり、また、斜め上から覗き込むように
すれば、発光部95bの表示面が遊技者の視線に対して直交する方向に近くなって比較的
大きく見える。つまり、第2状態での発光装置95の表示面(発光部95bの上面)の視
認性は、第1状態での発光装置95の表示面の視認性に比較して、格段に優れる。このた
め、たとえば、大当りになる信頼度が高い演出(たとえば、特別なリーチ演出)が表示装
置41でおこなわれる際に、この演出に連動して発光装置95を第1状態から第2状態に
変換する(切り替える)などの制御をおこなえば、遊技者の期待を高めて遊技の興趣を向
上させることができる。
[第4の実施形態の変形例4]
次に、第4の実施形態の変形例4について図83を用いて説明する。図83は、第4の
実施形態の変形例4の発光装置および周辺構成の一例を示す側断面図である。図83のう
ち、図83(a)は第1状態にある発光装置および周辺構成を示す側断面図であり、図8
3(b)は第2状態にある発光装置および周辺構成を示す側断面図である。
この変形例4では、図83(a)に示すように、発光部95bの下端がセンターケース
40(詳細には、奥側底面40dに形成された凸部40f)に支持され、発光部95bは
センターケース40に対して固定されている。一方、遮蔽壁95aは、発光部95bの外
周面に沿って上下動可能に設けられ、奥側底面40dに形成された凹部40gに配置され
たアクチュエータ97の可動シャフト97aの上端が遮蔽壁95aの下面に固定されてい
る。また、発光装置95の発光部95bの表示面(上面)は水平よりも前傾している。
ここで、アクチュエータ97は、非作動状態(電磁石のコイルに電流を流していないオ
フ状態)では可動シャフト97aがたとえば付勢手段で付勢されて所定量上昇した状態と
なり、作動状態(電磁石のコイルに所定電流を流しているオン状態)では可動シャフト9
7aの大部分が吸引されて埋没するタイプのプル型ソレノイドである。アクチュエータ9
7は、主制御用マイコン311によって、たとえば盤演出可動体制御回路334を介して
制御される。また図示省略しているが、アクチュエータ97に内蔵されたコイルバネ、あ
るいはアクチュエータ97とは別個に設けられたコイルバネなどの付勢手段と、可動シャ
フト97aまたは遮蔽壁95aの上昇を所定位置で制限するストッパとによって、遮蔽壁
95aと可動シャフト97aは非作動状態において可動シャフト97aが所定量上昇した
位置に保持される構成となっている。
このため発光装置95の遮蔽壁95aの位置(上下方向位置)は、アクチュエータ97
が非作動状態にある場合には、図83(a)に示すように発光部95bが遮蔽壁95a内
に埋没した位置である定常位置(この位置にある状態を第1状態という)となり、アクチ
ュエータ97が作動状態にある場合には、図83(b)に示すように定常位置よりも下降
して発光部95bの上面(表示面)が露出する位置(この位置にある状態を第2状態とい
う)になる。
そして、発光部95bの表示面である発光部95bの上面は、アクチュエータ97が非
作動状態にある場合(第1状態)には、図83(a)に示すように遮蔽壁95aの上端よ
りも低い位置にあるため、遮蔽壁95aに隠れて、観察者である遊技者からは視認不能ま
たは視認困難となっている。しかし、発光装置95が第2状態にある場合には、図83(
b)に示すように発光部95bの表示面が露出するので、観察者である遊技者は表示面全
体を比較的良好に観察可能となる。このため、前述した変形例3の場合と同様の作用効果
が得られる。
なお、以上説明した第4の実施形態(変形例含む)では、発光装置95を第1状態から
第2状態に変換する際、変換がおこなわれるタイミングを報知するようにしてもよい。た
とえば、第1状態から第2状態に変換する所定時間前からカウントダウン表示を表示装置
41でおこない、カウントダウン表示がゼロになると同時に変換を開始する。あるいは、
遮蔽壁95aを発光可能な構成としておき、たとえば第1状態から第2状態に変換する直
前(または所定時間前)から第1状態に戻るまで遮蔽壁95aを発光させるようにしても
よい。
また、発光装置95を第1状態から第2状態に変換するための駆動機構(駆動源含む)
は、上述したソレノイドからなる駆動機構に限られず、たとえばステッピングモータ(パ
ルスモータ)やサーボ制御されるモータ(サーボモータ)を使用した駆動機構でもよい。
ステッピングモータやサーボモータを使用した駆動機構であれば、第1状態から第2状態
へゆっくりまたは多段階に変化させたり、第2状態を多段階に設定したりすることが容易
にできる。
また、発光装置95の態様は、円形の井戸形に限らず、四角形あるいは多角形の井戸形
でもよいし、それ以外の態様でもよい。たとえば、戸板を表す板状体に張り付けにされた
幽霊のキャラクタを表す発光部が、定常状態では遊技盤の奥側に倒れて手前側にある遮蔽
壁に隠れて見えないか視認困難であるが(第1状態)、所定の演出の際に遊技盤の手前側
に起き上がって遮蔽壁の上側に露出して見えるようになる(第2状態)といったタイプの
発光装置でもよい。
また、発光部95bとして、液晶表示ディスプレイや有機EL(Electronic Luminesce
nt)ディスプレイなどのデバイスを使い、発光装置95の表示面で発光のみならず静止画
や動画の映像表示をおこなってもよい。
上述した第4の実施形態(変形例含む)の遊技機10は、一側面において以下のような
特徴を有する。
(1)遊技機10は、発光または表示が可能な演出手段(たとえば、発光装置95)を
備える。演出手段は、第1の視認性を有する第1状態と、第1の視認性よりも視認性に優
れる第2の視認性を有する第2状態とで観察可能であり、第1の視認性は視認不能を含む
(2)(1)の演出手段は、発光または表示がおこなわれる表示面(たとえば、発光部
95bの表示面)を有し、第1状態は、表示面が遮蔽手段(たとえば、遮蔽壁95a)に
隠れて視認不能または視認困難な状態であり、第2状態は、表示面の少なくとも一部が遮
蔽手段に隠れずに視認可能な状態である。
(3)(2)の遊技機10は、表示面を第1状態よりも遊技機の正面に向けて前傾させ
ることにより、第1状態から第2状態に変換する駆動機構(たとえば、アクチュエータ9
6よりなる駆動機構)を備える。
(4)(2)の遊技機10は、表示面を第1状態よりも遮蔽手段に対して上昇させるこ
とにより、第1状態から第2状態に変換する駆動機構(たとえば、アクチュエータ96よ
りなる駆動機構)を備える。
(5)(2)の遊技機10は、遮蔽手段を第1状態よりも表示面に対して下降させるこ
とにより、第1状態から第2状態に変換する駆動機構(たとえば、アクチュエータ97よ
りなる駆動機構)を備える。
(6)(2)の表示面は、第1状態において遊技機の正面に直交する方向(たとえば、
水平方向)に配置する。
(7)(2)の表示面は、第1状態において遊技機の正面に直交する方向(たとえば、
水平方向)に対して所定角度前傾した姿勢に配置する。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、実
施形態の遊技機が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプロ
グラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現され
る。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録し
ておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、
光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記憶装置には、ハードディス
ク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等がある。光ディスクに
は、DVD(Digital Versatile Disk)、DVD-RAM、CD(Compact Disk)-RO
M/RW(ReWritable)等がある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)
等がある。
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、C
D-ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの
記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュ
ータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログ
ラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納す
る。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに
したがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラム
を読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュ
ータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送され
るごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、A
SIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic De
vice)等の電子回路で実現することもできる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、開示した実施形態に示されるようなパチンコ
遊技機に限られるものではなく、たとえば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊
技機、雀球遊技機等の遊技球を使用するすべての遊技機、およびメダルを使用する遊技機
であるスロットマシンに適用可能である。
また、開示した実施形態はすべての点で例示されるものであって制限的なものではない
と考えられるべきである。また、上述の実施形態および変形例の各構成を組み合わせて適
用してもよい。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、
特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される
次に、第5の実施形態の遊技機10について説明する。
なお、第1~第4の実施形態と異なる形態の遊技機10であり、以下、第1~第4の実
施形態と同様の構成を有する部分についても符号を付しての説明を改めて行う。
以下、図面を参照して実施形態を詳細に説明する。
[第5の実施形態]
まず、第5の実施形態を図面にもとづいて説明する。図84は、第5の実施形態の遊技
機の一例を示す斜視図である。
第5の実施形態の遊技機10は、前面枠12を備え、該前面枠12は、外枠(支持枠)
11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図85参照)は、前面枠12の
表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12に
は、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠(透明部材
保持枠)15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の左右には、内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および
異常発生時の報知(たとえば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色
(たとえば、赤色)で点灯(点滅)させる)のために発光する枠装飾装置18や、音響(
たとえば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、
前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生
時はスピーカ19a,19bから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、
ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしてもよい。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿(貯留
皿)21、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が
流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する
下皿(受皿)23および打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿2
1の上縁部には、遊技者が各種オプションの設定をおこなうオプション設定部(プッシュ
ボタン)25が設けられている。このオプション設定部25の上面の周囲には複数の選択
ボタンスイッチ25aが設けられ、オプション設定部25の上面の中央には決定ボタンス
イッチ25bが設けられている。なお、オプション設定部25は、遊技者が演出態様を設
定する演出設定部として機能する。この場合、選択ボタンスイッチ25aは、演出態様を
選択する演出ボタンスイッチとして機能し、決定ボタンスイッチ25bは、演出態様を決
定する決定ボタンスイッチとして機能する。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠1
2やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられて
いる。
なお、選択ボタンスイッチ25aが演出ボタンスイッチとして機能する場合、遊技機1
0は、選択ボタンスイッチ25aと決定ボタンスイッチ25bとから受け付けた遊技者の
操作にもとづいて、遊技者の操作を介入させた演出をおこなうことができる。たとえば、
遊技者の操作を介入させた演出は、表示装置(変動表示装置)41(図85参照)におけ
る変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)における演出があり、遊技機10は、表示
装置41に表示するキャラクタを動作させたり、表示装置41に表示される飾り特図変動
表示ゲームにおける識別情報を停止させたりすることができる。
また、オプション設定部25の右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける
場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出さ
せるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図
示省略)等が設けられている。この第5の実施形態の遊技機10においては、遊技者が上
記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技
球を遊技盤30前面の遊技領域32(図85参照)に向かって発射する。また、遊技者が
選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25bを操作することによって、た
とえば、スピーカ19a,19bから放射される音量を設定したり、遊技盤30の明るさ
を設定したりすることができる。
次に、遊技盤30について図85を用いて説明する。図85は、第5の実施形態の遊技
盤の一例を示す正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成さ
れている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース3
3およびガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示
装置(変動表示装置)41と第2特別変動入賞装置(大入賞口2)93を備えたセンター
ケース(遊技演出構成体)40が配置されている。
表示装置41は、センターケース40下部に設けられた凹部に、センターケース40の
前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置
41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し、周囲の遊技領
域32から遊技球が飛び込みにくくなるように形成されている。
表示装置41は、たとえば、LCD(液晶表示器)、CRT(Cathode Ray Tube:ブラ
ウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域
(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラ
クタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表
示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示
)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームがおこなわれる。また
、表示画面には、遊技の進行にもとづく演出のための画像(たとえば、大当り表示画像、
ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
また、センターケース40の上部左側には、動作することによって遊技の演出をおこな
う盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図85に示す状態から表示
装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
また、センターケース40の上部右側には、第2種始動口(始動口3)への入賞を契機
にして遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第2特別変動入賞装
置93が配設されている。第2特別変動入賞装置93は、上端側が右方に倒れる方向に回
動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な可動部材93cを備えており
、この可動部材93cは、常時はほぼ鉛直となって遊技球が流入できない閉じた閉状態(
遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、変動入賞装置(第2種始動口)9
2への入賞があった場合(有効状態に限る)には、駆動装置としての大入賞口2ソレノイ
ド93b(図86参照)によって上端側が右方に倒れるように回動して第2特別変動入賞
装置93に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるよ
うになっている。第2特別変動入賞装置93に入賞した遊技球は、大入賞口スイッチ(カ
ウントスイッチ)93a(図86参照)により検出され、遊技者に所定の遊技価値(賞球
)を付与するようになっている。なお、第2特別変動入賞装置93は、大入賞口スイッチ
93aが複数個(たとえば2個)配設されてもよい。
また、第2特別変動入賞装置93に入賞した遊技球は、振分装置93eによって特定領
域93fと非特定領域93gとに振り分けられる。特定領域93fに振り分けられた遊技
球は、特定領域スイッチ93d(図86参照)により検出される。振分装置93eは、遊
技球を受け入れ可能な6つの受入部を有する回転体であり、うち1つの受け入れ部を特定
領域93fとし、その余の5つの受け入れ部を非特定領域93gとにしている。振分装置
93eは、振分モータ93h(図86参照)により一方向(たとえば、時計回り)に常時
回転駆動される。
遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、第1特図変動表示ゲーム(特図
1変動表示ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞口(始動入賞領域)をなす始動入賞
口36(始動口1)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1ス
イッチ36a(図86参照)により検出される。また、始動入賞口36の下方には、入賞
口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
遊技領域32におけるセンターケース40の側方右側(右側遊技領域32R)には、普
図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設け
られている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球(普図始動ゲート34を通過する遊技
球)は、ゲートスイッチ34a(図86参照)により検出される。
また、普図始動ゲート34よりも下方位置であって、センターケース40の右部には、
普通変動入賞装置37が設けられている。普通変動入賞装置37は、上端側が側方に倒れ
る方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な一対の可動部材3
7aを備えており、この可動部材37aは、常時はほぼ鉛直となって遊技球が流入できな
い閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲ
ームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド3
7b(図86参照)によって上端側が側方に倒れるように回動して普通変動入賞装置37
に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっ
ている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図86参照
)により検出され、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお
、普通変動入賞装置37が閉状態でも入賞できるようにし、閉状態では開状態よりは入賞
しにくいものとしてもよい。普通変動入賞装置37は普通電動役物(普電)に相当する。
普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、振分装置37dによって作動口37eと作
動口37fとに振り分けられる。振分装置37dは、普通変動入賞装置37に入賞した遊
技球を作動口37eに案内する流路と作動口37fに案内する流路とを、振分ソレノイド
37c(図86参照)の作動状態により切り替え可能にしている。たとえば、振分装置3
7dは、振分ソレノイド37cがオフのときに普通変動入賞装置37に入賞した遊技球を
作動口37eに案内し、振分ソレノイド37cがオンのときに普通変動入賞装置37に入
賞した遊技球を作動口37fに案内する。
作動口37eは、作動口37eに振り分けられた遊技球によって、変動入賞装置(非電
動役物)91を閉状態から開状態に変化させる。変動入賞装置91は、上端側が側方に倒
れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な一対の可動部材
91aを備えており、この可動部材91aは、常時はほぼ鉛直となって遊技球が流入でき
ない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、作動口37e
に遊技球が振り分けられた場合には、振り分けられた遊技球の流下勢によって上端側が側
方に倒れるように回動して変動入賞装置91に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとっ
て有利な状態)に変化させられるようになっている。
変動入賞装置91は、第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の開始条件を
与える第2始動入賞口(始動口2、始動入賞領域)をなす。変動入賞装置91に入賞した
遊技球は、始動口2スイッチ91b(図86参照)により検出され、遊技者に所定の遊技
価値(賞球)を付与するようになっている。また、変動入賞装置91は、開状態で遊技球
が入賞すると開状態から閉状態に変化する。なお、変動入賞装置91が閉状態でも入賞で
きるようにし、閉状態では開状態よりは入賞しにくいものとしてもよい。
作動口37fは、作動口37fに振り分けられた遊技球によって、変動入賞装置(非電
動役物)92を閉状態から開状態に変化させる。変動入賞装置92は、上端側が側方に倒
れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な一対の可動部材
92aを備えており、この可動部材92aは、常時はほぼ鉛直となって遊技球が流入でき
ない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、作動口37f
に遊技球が振り分けられた場合には、振り分けられた遊技球の流下勢によって上端側が側
方に倒れるように回動して変動入賞装置92に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとっ
て有利な状態)に変化させられるようになっている。
変動入賞装置92は、2種ゲームの開始条件を与える第2種始動口(始動口3、始動入
賞領域)をなす。変動入賞装置92に入賞した遊技球は、始動口3スイッチ92b(図8
6参照)により検出され、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている
。また、変動入賞装置92は、開状態で遊技球が入賞すると開状態から閉状態に変化する
。なお、変動入賞装置92が閉状態でも入賞できるようにし、閉状態では開状態よりは入
賞しにくいものとしてもよい。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、特図変動表示ゲーム(特
図1変動表示ゲーム、および特図2変動表示ゲーム)の結果によって遊技球を受け入れな
い状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第1特別変動入賞装置(大入賞口1)38が配
設されている。第1特別変動入賞装置38は、開閉部材(開閉扉)38cを有しており、
補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材38cが大入賞口を閉
じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材38cが退避して遊技領域3
2を流下する遊技球を受け入れ可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
すなわち特別変動入賞装置38は、駆動装置としての大入賞口1ソレノイド38b(図8
6参照)により駆動される開閉部材38cによって開閉される大入賞口を備え、特図1変
動表示ゲームおよび特図2変動表示ゲームの結果による大当り遊技状態(特別遊技状態)
中や、特図2変動表示ゲームの結果による大当り遊技状態(特別遊技状態)中は、大入賞
口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易
にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口
の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入
賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図86参照)が配設されている。なお、第1
特別変動入賞装置38は、大入賞口スイッチ38aが複数個(たとえば2個)配設されて
もよい。
遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側(左側遊技領域32L)には、二
つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の下方右側(右側遊技領域32R)
には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球
は、入賞口スイッチ35a(図86参照)により検出される。
また、センターケース40の左側側部には、図示しないワープ口(ワープ入口)が設け
られていてもよい。ワープ口からワープ流路に流入した遊技球は、センターケース40内
のステージ上を転動し、その一部が図示しないワープ出口に案内される。ワープ出口は、
始動入賞口36の直上に位置し、ワープ出口に案内された遊技球は、始動入賞口36に入
賞しやすくなる。
第5の実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、セン
ターケース40の左方の領域が左側遊技領域32Lとされ、センターケース40の右方の
領域が右側遊技領域32Rとされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領
域32Lへ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36や第1特別変動入
賞装置38、左側遊技領域32Lにある一般入賞口35への入賞を狙うことができ、右側
遊技領域32Rへ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通
変動入賞装置37、第2特別変動入賞装置93、変動入賞装置91,92、右側遊技領域
32Rにある一般入賞口35への入賞を狙うことができるようになっている。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲーム
をなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームおよび普図始動ゲート34への
入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50
が設けられている。
一括表示装置50は、LED等で構成されたラウンド表示部51と、特図1保留表示部
52と、特図1図柄表示部53と、特図2図柄表示部54と、普図図柄表示部55と、普
図保留表示部56と状態表示部57と、特図2保留表示部58とを備える(図89参照)
。一括表示装置50の詳細は、後述する。
次に、遊技機の制御システムについて図86を用いて説明する。図86は、第5の実施
形態の遊技機の制御システムの一例を示すブロック図である。
遊技機10は、遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制
御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイ
コンと称する)111を有するCPU(Central Processing Unit)部110と、入力ポ
ートを有する入力部120と、出力ポートやドライバ等を有する出力部130と、CPU
部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140等からなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC(Integrated Circuit))と呼ばれ
る遊技用マイコン111と、水晶振動子のような発振子を備え、遊技用マイコン111の
動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(
水晶発振器)113等を有する。遊技制御装置100および該遊技制御装置100によっ
て駆動されるソレノイドやモータ等の電子部品は、電源装置400で生成されたDC(Di
rect Current)32V、DC12V、DC5V等所定のレベルの直流電圧が供給されて動
作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC(
Alternating Current)-DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V、DC5V
等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC-DCコンバータ等を有する通常電源部4
10と、遊技用マイコン111の内部のRAM(Random Access Memory)に対して停電時
に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置
100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号等の制御信号を生成し
て出力する制御信号生成部430等を備える。
第5の実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されている
が、バックアップ電源部420および制御信号生成部430は、別個の基板上または遊技
制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30
および遊技制御装置100は、機種変更の際に交換の対象となるので、第5の実施形態の
ように、電源装置400または主基板とは別の基板にバックアップ電源部420および制
御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることが
できる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成
することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(
特に内蔵RAM)に供給され、停電中または電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保
持されるようになっている。制御信号生成部430は、たとえば通常電源部410で生成
された32Vの電圧を監視してそれがたとえば17V以下に下がると停電発生を検出して
停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源
投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このR
AM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これにもとづ
き遊技用マイコン111内のRAM111Cおよび払出制御装置200内のRAMに記憶
されている情報を強制的に初期化する処理がおこなわれる。特に限定されるわけではない
が、初期化スイッチ信号は、電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン1
11が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット
信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
また、遊技制御装置100には設定値変更スイッチ126と設定キースイッチ127が
設けられている。設定値変更スイッチ126は、たとえばプッシュスイッチであって、押
下操作を検出する。設定キースイッチ127は、設定キーを挿入してON状態とOFF状
態とを切り替え可能にする。遊技制御装置100は、遊技性能に関する設定を変更可能で
あって、停電中または電源遮断後もRAMに記憶された設定が保持されるようになってい
る。たとえば、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームおよび特図2変動表示ゲー
ムの当り確率を6段階の設定に応じて変更可能にしている。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ127がON状態かつRAM初期化スイッチ
112がON状態での電源投入で、遊技機10の設定変更をおこなうことができる設定変
更モードに制御状態を遷移する。たとえば、遊技制御装置100は、設定変更モードにお
いて設定内容を確率設定値表示装置136に表示しながら設定値変更スイッチ126の押
下操作検出により設定1から設定6までをサイクリックに変更可能にする。確率設定値表
示装置136は、設定値を表示可能な表示装置であり、たとえば1桁の7セグメントLE
Dであって基板上に実装される。
また、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127がON状態かつRAM初期化ス
イッチ112がOFF状態での電源投入で、遊技機10の設定確認をおこなうことができ
る設定確認モードに制御状態を遷移する。たとえば、遊技制御装置100は、設定確認モ
ードにおいて設定内容を確率設定値表示装置136に表示する。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A
、読出し専用のROM(Read Only Memory)111Bおよび随時読出し書込み可能なRA
M111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数
の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作
業領域あるいは各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111BまたはR
AM111Cとして、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)のよう
な電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、たとえば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リー
チ状態の発生の有無等を規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パター
ンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている
変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3をCPU111A
が参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブル
には、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当り
となる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパ
ターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決
定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)
、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル
(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここで、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装
置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果があらかじめ定め
られた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊
技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない
段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示
状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行
して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条
件からはずれていない表示態様をいう。そして、たとえば、特別結果態様が揃った状態を
維持しながら複数の変動表示領域による変動表示をおこなう状態(いわゆる全回転リーチ
)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示
結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表
示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結
果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、たとえば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動
表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別
情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するもので
ある場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば
、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべ
ての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変
動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば、同一の識別情報となっ
た状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つ
の変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可
能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペ
シャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3
リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、「リーチ
なし」<「ノーマルリーチ」<「スペシャル1リーチ」<「スペシャル2リーチ」<「ス
ペシャル3リーチ」<「プレミアリーチ」の順に高くなるようになっている。また、この
リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当り
となる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表
示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変
動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が
発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装
置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成し、ソレノイドや表
示装置の駆動信号を生成し出力して遊技機10全体の制御をおこなう。また、図示しない
が、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や
大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(
各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定
するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を
生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)にも
とづいてCPU111Aに対する所定周期(たとえば、4m秒(ms))のタイマ割込み
信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータ
を備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111B
に記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテー
ブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(当り
(大当りまたは小当り)またははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲーム
の確率状態(通常確率状態または高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装
置37の動作状態(時短動作状態)、始動記憶数等にもとづいて、複数の変動パターンテ
ーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CP
U111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数
の変動パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り
分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフ
ェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従っ
て、遊技機10に設けられた払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させる
ための制御をおこなう。また、払出制御装置200は、遊技機10に付設される球貸機の
カードユニットからの貸球要求信号にもとづいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、
貸球を払い出させるための制御をおこなう。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36
a、変動入賞装置91内の始動口2スイッチ91b、変動入賞装置92内の始動口3スイ
ッチ92b、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、第
1特別変動入賞装置38の大入賞口スイッチ38a、第2特別変動入賞装置93の大入賞
口スイッチ93a、第2特別変動入賞装置93の特定領域スイッチ93dに接続され、こ
れらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の
信号が入力され、0V-5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/
F)121が設けられている。この近接I/F121には、遊技機10に対する電波の発
射を検出する盤電波センサ62の検出信号も入力される。また近接I/F121は、入力
の範囲が7V-11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショー
トされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフロー
ティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するよう
に構成されている。
なお、入賞口スイッチ35aについて説明すると、図86では入賞口スイッチ35aが
1個のブロックで示されているが、実際には複数(n個)の入賞口スイッチ35a(本実
施形態では3個)が遊技盤30に設けられており、それぞれの信号が異なる信号線で近接
I/F121に入力されている。
また、図86では大入賞口スイッチ38a,93aが1個のブロックで示されているが
、実際には複数(x個)の大入賞口スイッチ38a(本実施形態では3個)や大入賞口ス
イッチ93a(本実施形態では1個)が遊技盤30に設けられている。そして、これら複
数の大入賞口スイッチ38a,93aが、それぞれ異なる信号線で接続されるか、あるい
は、たとえばスイッチと遊技制御装置100(主基板)の間に存在する図示省略した中継
基板上でワイヤードオア(wired OR)という方式で遊技制御装置100に大入賞口スイッ
チ38a,93aごとに接続されている。盤電波センサ62や後述する磁気センサ61も
、異なる複数の信号線で接続されてもよいし、同様にワイヤードオアという方式で遊技制
御装置100に接続されていてもよい。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123または第3入力ポート124へ供給
されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F
121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ91b、始動口3スイ
ッチ92b、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a、
大入賞口スイッチ93a、および特定領域スイッチ93dの検出信号は、第2入力ポート
123へ入力される。なお、特図1の始動口スイッチである始動口1スイッチ36a、特
図2の始動口2スイッチ91bの信号の出力(近接I/F121からの出力)については
、図86では1本の信号線で示しているが、実際には2本ある。
また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号およびセンサやス
イッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は、第3入力ポート124に入力さ
れる。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検
出用の磁気センサ61の検出信号、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開
放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体
枠開放検出スイッチ64の検出信号、設定値変更スイッチ126の検出信号、設定キース
イッチ127の検出信号、払出制御装置200からのタッチスイッチ信号(操作部24に
設けられたタッチスイッチの入力にもとづく信号)が入力されるようになっている。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、遊技制御装
置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになって
いる。さらに、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36aの検出信号と、
始動口2スイッチ91bの検出信号と、始動口3スイッチ92bの検出信号は、第2入力
ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル
変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動
作に必要なたとえば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになってい
る。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポー
ト123に割り当てられているアドレスをデコードすることによって図示省略したチップ
イネーブル信号CE(Chip Enable)をアサート(有効レベルに変化)することによって
、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様で
ある。
また、入力部120には、RAM初期化スイッチ112の検出信号、払出制御装置20
0からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することに
もとづき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能
な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)
、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロー
スイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)
を検出したときに出力される信号)、アウト球検出スイッチ信号(アウト球を検出したと
きに出力される信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供
給する第1入力ポート122が設けられている。
なお、アウト球検出スイッチ信号は、アウトセンサ(図示せず)が遊技機10のアウト
球を1個検出するごとにアウトセンサから出力される信号である。たとえば、アウト球検
出スイッチ信号は、遊技機10から遊技球(アウト球)を排出する排出口(図示せず)と
アウト口30aとの間に排出流路(図示せず)に設けられる。アウト球検出スイッチ信号
は、所定の稼働(たとえば、アウト球が60,000個)当たりの遊技性能(たとえば、
ベース)の算出に用いられ、算出した遊技性能は性能表示装置135に表示される。なお
、アウト球検出スイッチ信号は、演出制御装置300に入力されるものであってもよい。
その場合、アウト球検出スイッチ信号は、遊技演出や客待ち画面表示への切替トリガとな
る稼働状態の判定等に用いられるものであってもよい。たとえば、性能表示装置135は
、4桁の7セグメントLEDであって、10進数または16進数により遊技性能を表示す
ることができる。
また、遊技機10は、振動を検出する振動センサスイッチを設け、この振動センサスイ
ッチの検出信号が第1入力ポート122あるいは第3入力ポート124に入力されるよう
にしてもよい。
また、遊技制御装置100には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号等
の信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられ
ており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有す
る。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化ス
イッチ信号は、一旦、第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技
用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号
として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の
数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、
遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部
130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは、出力部130を介さ
ずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70の
ポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、
リセット信号RESETは、中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成される
ようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは、入力部120の第1乃至第3入力
ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に
遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータは、システム
の誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前
に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイ
コン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路および
遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッフ
ァ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300および払出制御
装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、遊技制御装置100から演
出制御装置300および払出制御装置200へのシリアル通信は、演出制御装置300側
から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試
験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号
等を中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバ
ッファ133は、遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技
制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F121から出力され
る始動口スイッチ等加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに
中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給で
きない検出信号は、一旦、遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号または情報に加
工されて、たとえば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデ
ータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験
装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝
達するコネクタ等が設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン11
1から出力されるチップイネーブル信号CE(図示省略)も供給され、このチップイネー
ブル信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっ
ている。
また、出力部130には、データバス140に接続され、第1特別変動入賞装置38(
大入賞口1)の開閉部材38cを開閉させる大入賞口1ソレノイド38bの開閉データ、
第2特別変動入賞装置93(大入賞口2)の可動部材(開閉部材)93cを開閉させる大
入賞口2ソレノイド93bの開閉データ、普通変動入賞装置37の可動部材37aを開閉
させる普電ソレノイド37bの開閉データ、振分装置37dを作動させる振分ソレノイド
37cの作動データ、振分装置93eを作動させる振分モータ93hの作動データ、およ
び性能表示装置135の表示データを出力するための第1出力ポート134aが設けられ
ている。
また、出力部130には、確率設定値表示装置136の表示データを出力するための第
2出力ポート134bが設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に
表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフ
データを出力するための第3出力ポート134c、一括表示装置50のLEDのカソード
端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート1
34dが設けられている。
また、出力部130には、大当り情報等遊技機10に関する情報を外部情報端子板71
へ出力するための第5出力ポート134eが設けられている。外部情報端子板71には、
フォトリレーが備えられ、たとえば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場
内部管理装置(ホールコンピュータ)等)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を
フォトリレーを介して外部装置に供給することができるようになっている。なお、外部装
置に供給する情報の一部は、第4出力ポート134dから出力される。また、第5出力ポ
ート134eからは、シュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可
信号も出力される。
さらに、出力部130には、第1出力ポート134aから出力される大入賞口1ソレノ
イド38bの開閉データ信号、大入賞口2ソレノイド93bの開閉データ信号、普電ソレ
ノイド37bの開閉データ信号、振分ソレノイド37cの作動データ、および振分モータ
93hの作動データを受けて駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138
a、第3出力ポート134cから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント
線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート134dから
出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力
する第3ドライバ138c、第5出力ポート134eや第4出力ポート134dから管理
装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ
138d、第1出力ポート134aから出力される性能表示装置135の表示データ信号
を受けて性能表示装置135の駆動信号を生成し出力する第5ドライバ138eが設けら
れている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドやモータを駆動できるよ
うにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括
表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給さ
れる。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を
電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12Vまたは5Vのいずれであっても
よい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード
端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よ
りセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択された
LEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第
4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給
される。なお、バッファ133や第1出力ポート134a、第1ドライバ138a等は、
遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設け
るようにしてもよい。また、性能表示装置135、あるいは第5ドライバ138eと性能
表示装置135は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、外
部基板(図示せず)側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置490へ各遊技機の識別コードやプログラ
ム等の情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139
は、遊技用マイコン111が検査装置490との間でシリアル通信によってデータの送受
信をおこなえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、
通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子
を利用しておこなわれるため、第1乃至第3入力ポート122,123,124のような
ポートは設けられていない。
次に、演出制御装置300の構成について図87を用いて説明する。図87は、第5の
実施形態の演出制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC
)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマン
ドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理をおこなうグラフィック
プロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効
果音等をスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI31
4を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したP
ROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるPROM321、作業領域を提供
するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM(
Ferroelectric RAM)323、現在の日時(年月日や曜日、時刻等)を示す情報を生成す
る計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制
御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAM311aが設けられている。ま
た、主制御用マイコン311には、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続
されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンド(演出コ
マンド)を解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音
源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、
演出時間の管理等の処理を実行したりする。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理する
ためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312には、キャラクタ画像や
映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラ
クタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM326
が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パ
ラレル方式でデータの送受信がおこなわれるように構成されている。パラレル方式でデー
タを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信すること
ができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や
遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYN
C、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312
から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割
込み信号INT0~nおよび主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ち
の状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAIT等も入力される。
演出制御装置300には、LVDS(Low Voltage Differential Signaling:小振幅信
号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けら
れている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSY
NCおよび垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成
された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には、音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。
主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接
続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは、割込み信号I
NTが入力されるようになっている。演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられ
た上スピーカ19aおよび前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディ
オパワーアンプ等からなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成
された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19aおよび下スピーカ19bから出
力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受
信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンド
I/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特
図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御
指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111
はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動
作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられ
ているLED(発光ダイオード)などを有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LE
D制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠
装飾装置(たとえば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊
技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(たとえば表示
装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演
出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータおよびソレノイド等を駆動制
御するこれらの制御回路332~334は、アドレス/データバス340を介して主制御
用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(たとえば演出用の装
置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制
御する枠演出可動体制御回路を備えていてもよい。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられたオプション設定部25の
選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25bと、盤演出装置44内のモー
タの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状
態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300
に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信
号を入力する機能を有するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300
やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モ
ータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モー
タやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5
Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するよう
に構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vまたは1.2Vの
ような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5VにもとづいてDC3.3V
やDC1.2Vを生成するためのDC-DCコンバータが演出制御装置300に設けられ
る。なお、DC-DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マ
イコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン
311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314
およびアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータ等を駆動制御する制
御回路332~334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする
。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され
、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされ
ている。また、演出制御装置300を構成する回路基板は、サブ制御基板(サブ基板とも
いう)に相当する。
次に、これらの制御回路においておこなわれる遊技制御について図88を用いて説明す
る。図88は、第5の実施形態の遊技制御装置が実行制御する遊技制御の一例を示す図で
ある。
遊技機10は、特図1変動表示ゲームと、特図2変動表示ゲームと、2種ゲームと、普
図変動表示ゲームとを実行可能にしている。遊技機10は、これらのゲームのうち特図1
変動表示ゲームと、特図2変動表示ゲームと、2種ゲームとから大入賞口1を開放する当
り(大当り)を導出可能にしている。
遊技機10は、通常遊技状態において、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域32L
へ遊技球を発射することによって始動入賞口36(始動口1)への入賞を狙う左打ち遊技
で遊技進行する。
始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36aにより検出され、特図1
変動表示ゲーム(特図1ゲーム)の開始条件を与える。遊技機10は、始動口1スイッチ
36aへの入賞ごとに特図1変動表示ゲームの開始条件を始動記憶として所定数(たとえ
ば、「4」)を上限に記憶する。遊技機10は、特図1変動表示ゲームの実行ごとに始動
記憶を消化し、はずれ、または当りとなる結果を導出する。遊技機10は、特図1変動表
示ゲームの実行結果がはずれの場合、始動記憶があるときには次回の特図1変動表示ゲー
ムを実行し、始動記憶がないときには始動口1への入賞を待つ。遊技機10は、特図1変
動表示ゲームの実行結果が当りの場合、大入賞口1を所定回数だけ開放する当り遊技(大
当り、特別遊技状態)を実行する。
遊技機10は、大入賞口1を開放する当り遊技を終了すると、通常遊技状態から普電サ
ポート遊技状態に遷移する。普電サポート遊技状態は、通常遊技状態と比較して普通変動
入賞装置37(普通電動役物、普電)への入賞機会が高められ、遊技者が有利に遊技進行
可能な遊技状態である。
遊技機10は、普電サポート遊技状態において、遊技者が発射勢を調節して右側遊技領
域32Rへ遊技球を発射することによって普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34、
普通変動入賞装置37、あるいは変動入賞装置91,92への入賞を狙う右打ち遊技で遊
技進行する。
普図始動ゲート(普図ゲート)34に入賞した遊技球(普図始動ゲート34を通過する
遊技球)は、ゲートスイッチ34aにより検出され、普図変動表示ゲーム(普図ゲーム)
の開始条件を与える。遊技機10は、普図始動ゲート34への入賞ごとに普図変動表示ゲ
ームの開始条件を始動記憶として所定数(たとえば、「4」)を上限に記憶する。遊技機
10は、普図変動表示ゲームの実行ごとに始動記憶を消化し、はずれ、または当りとなる
結果を導出する。遊技機10は、普図変動表示ゲームの実行結果がはずれの場合、始動記
憶があるときには次回の普図変動表示ゲームを実行し、始動記憶がないときには普図始動
ゲート34への入賞を待つ。遊技機10は、普図変動表示ゲームの実行結果が当りの場合
、普通変動入賞装置37(普電)を開放する当り遊技を実行する。
普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、振分装置37dによって作動口37e(作
動口1)と作動口37f(作動口2)とに振り分けられる。普通変動入賞装置37に入賞
した遊技球のうち作動口37eに振り分けられた遊技球は、その流下勢によって変動入賞
装置(非電動役物、始動口2)91を閉状態から開状態に変化させる。なお、あらかじめ
開状態にある変動入賞装置91は、作動口37eに振り分けられた遊技球があっても開状
態を維持する。
変動入賞装置91に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ91bにより検出され、特図
2変動表示ゲーム(特図2ゲーム)の開始条件を与える。また、開状態にある変動入賞装
置91に入賞した遊技球は、変動入賞装置91を開状態から閉状態に変化させる。遊技機
10は、始動口2スイッチ91bへの入賞ごとに特図2変動表示ゲームの開始条件を始動
記憶として所定数(たとえば、「4」)を上限に記憶する。遊技機10は、特図2変動表
示ゲームの実行ごとに始動記憶を消化し、はずれ、または当りとなる結果を導出する。遊
技機10は、特図2変動表示ゲームの実行結果がはずれの場合、始動記憶があるときには
次回の特図2変動表示ゲームを実行し、始動記憶がないときには始動口2への入賞を待つ
。遊技機10は、特図2変動表示ゲームの実行結果が当りの場合、大入賞口1を所定回数
だけ開放する当り遊技(大当り、特別遊技状態)を実行する。
なお、遊技機10は、普電サポート遊技状態において特図変動表示ゲーム(特図1変動
表示ゲーム、および特図2変動表示ゲーム)を規定回数(たとえば、100回)だけ実行
したときに普電サポート遊技状態から通常遊技状態に遷移する。すなわち、遊技機10は
、特図変動表示ゲームの実行結果が規定回数のはずれを導出するまで普電サポート遊技状
態にあり、規定回数を超えてはずれを導出した場合や規定回数のはずれに至る前に当りを
導出した場合に普電サポート遊技状態から通常遊技状態に遷移する。
なお、遊技機10は、右打ち遊技において特図1変動表示ゲームの実行機会が小さく、
特図2変動表示ゲームの実行機会が大きくなるように設計されているので、普電サポート
遊技状態における特図変動表示ゲームの規定回数は、特図2変動表示ゲームの実行によっ
て消化される。
また、普通変動入賞装置37に入賞した遊技球のうち作動口37fに振り分けられた遊
技球は、その流下勢によって変動入賞装置(非電動役物、第2種始動口、始動口3)92
を閉状態から開状態に変化させる。なお、あらかじめ開状態にある変動入賞装置92は、
作動口37fに振り分けられた遊技球があっても開状態を維持する。
変動入賞装置92に入賞した遊技球は、始動口3スイッチ92bにより検出され、第2
種ゲーム(2種ゲーム)の開始条件を与える。また、開状態にある変動入賞装置92に入
賞した遊技球は、変動入賞装置92を開状態から閉状態に変化させる。なお、第2種ゲー
ムは、始動口3への入賞を契機にして大入賞口2を開放し、大入賞口2内にある特定領域
への入賞を条件にして大入賞口1を開放する当りを導出可能にするゲームである。
遊技機10は、第2種ゲームの開始条件を得て第2特別変動入賞装置(大入賞口2)9
3を所定回数だけ開放する。第2特別変動入賞装置93に入賞した遊技球は、振分装置9
3eによって特定領域93fと非特定領域93gとに振り分けられる。第2種ゲームにお
いて、第2特別変動入賞装置93に入賞した遊技球が非特定領域93gに振り分けられた
場合、および第2特別変動入賞装置93に遊技球が入賞しなかった場合、遊技結果は、は
ずれが導出されたことを意味する。一方で、第2特別変動入賞装置93に入賞した遊技球
が特定領域93fに振り分けられた場合(特定領域93fへの入賞)、遊技結果は、当り
が導出されたことを意味する。
なお、遊技機10は、普電サポート遊技状態において第2種ゲームの実行結果がはずれ
であっても、そのことをもって普電サポート遊技状態から通常遊技状態に遷移することは
ない。
このような遊技機10は、普電サポート遊技状態において特図2変動表示ゲームの実行
結果にもとづく大入賞口1を開放する当りの導出機会を有することに加えて、第2種ゲー
ムでも大入賞口1を開放する当りの導出機会を有する。
なお、説明を簡単にするために、普電サポート遊技状態における特図1変動表示ゲーム
の実行について説明を省略したが、遊技機10は、特図1変動表示ゲームの実行機会を得
た場合には普電サポート遊技状態においても特図1変動表示ゲームを実行可能である。な
お、遊技機10は、特図1変動表示ゲームの始動記憶と特図2変動表示ゲームの始動記憶
とがともに存在した場合に、特図1変動表示ゲームの始動記憶に優先して特図2変動表示
ゲームの始動記憶を消化することができる。なお、遊技機10は、特図1変動表示ゲーム
の始動記憶に優先して特図2変動表示ゲームの始動記憶を消化することに代えて、特図1
変動表示ゲームの始動記憶と特図2変動表示ゲームの始動記憶の交互消化や入賞順消化等
を採用するものであってもよい。
また、遊技機10は、特図1変動表示ゲームの変動表示と、特図2変動表示ゲームの変
動表示とを排他的に実行し同時実行することがない。一方で、遊技機10は、特図1変動
表示ゲームの変動表示と2種ゲームとの同時実行、または特図2変動表示ゲームの変動表
示と2種ゲームとの同時実行を禁止していない。そのため、遊技機10は、特図1変動表
示ゲームの変動表示と2種ゲームとの同時実行の結果として、同時に当りが発生しないよ
うにしている。
たとえば、遊技機10は、特図1変動表示ゲームが先に当りを導出しているときに2種
ゲームの実行を抑止する。また、遊技機10は、特図1変動表示ゲームが変動表示中であ
って変動表示結果が当りを導出するときに、変動表示中から2種ゲームの実行を抑止する
ようにしてもよい。なお、遊技機10は、特図1変動表示ゲームが変動表示中であって変
動表示結果がはずれを導出するときに、2種ゲームの実行を抑止しない。
2種ゲームの実行の抑止は、2種ゲームの開始条件の無効化や、特定領域93fへの入
賞無効化によって実現できる。また、遊技機10は、2種ゲームの実行の抑止に代えて、
2種ゲームの実行保留をおこなうようにしてもよく、2種ゲームの開始条件成立を実行権
利の予約として所定数を上限にして記憶するようにしてもよい。
また、遊技機10は、2種ゲームが先に当りを導出しているときに特図1変動表示ゲー
ムの実行を抑止する。遊技機10は、2種ゲームの当りを契機に、特図1変動表示ゲーム
が変動表示を中断するようにしてもよい。なお、変動表示の中断タイミングは、特定領域
93fへの入賞と同時に中断するようにしてもよいし、所定時間経過等の所定のトリガ成
立を待って中断するようにしてもよい。また、遊技機10は、2種ゲームの当りがあって
も、特図1変動表示ゲームの変動表示終了を待つようにしてもよい。この場合、遊技機1
0は、特図1変動表示ゲームの次回変動開始を待機し、2種ゲームの当り終了を待つ。な
お、遊技機10は、特図1変動表示ゲームの変動表示結果が当りのとき、特図1変動表示
ゲームの当りを待機し、2種ゲームの当り終了を待つ。このとき、遊技機10は、特図1
変動表示ゲームの当り中に、特図1変動表示ゲームの当りが待機されていることを報知す
るようにしてもよい。
なお、遊技機10は、特図2変動表示ゲームについても、特図1変動表示ゲームと同様
にして、特図2変動表示ゲームの変動表示と2種ゲームとの同時実行の結果として、同時
に当りが発生しないようにすることができる。
次に、一括表示装置の構成について図89を用いて説明する。図89は、第5の実施形
態の一括表示装置の一例を示す図である。一括表示装置50は、7セグメントLED_d
1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18までの16個の
LEDを備える。一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED
_d2、およびLED_d3からLED_d18の点灯態様により各種状態表示をおこな
う。
一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、および
LED_d3からLED_d18に各種状態表示機能を振り分けることで、ラウンド表示
部51と、特図1保留表示部52と、特図1図柄表示部53と、特図2図柄表示部54と
、普図図柄表示部55と、普図保留表示部56と、状態表示部57と、特図2保留表示部
58とを備える。ラウンド表示部51は、LED_d3からLED_d6の4個のLED
の点灯態様により、特図ゲームにおけるラウンド数を表示する。特図1保留表示部52は
、LED_d11とLED_d12の2個のLEDの点灯態様により、特図1ゲームにお
ける保留数を表示する。特図1図柄表示部53は、7セグメントLED_d1の8個のL
ED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様により、特図1ゲーム
における図柄を表示する。特図2図柄表示部54は、7セグメントLED_d2の8個の
LED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様により、特図2ゲー
ムにおける図柄を表示する。普図図柄表示部55は、LED_d8、LED_d10、お
よびLED_d18の3個のLEDの点灯態様により、普図ゲームにおける図柄を表示す
る。普図保留表示部56は、LED_d15とLED_d16の2個のLEDの点灯態様
により、普図ゲームにおける保留数を表示する。状態表示部57は、LED_d7、LE
D_d9、およびLED_d17の3個のLEDの点灯態様により、特図ゲームにおける
遊技状態を表示する。特図2保留表示部58は、LED_d13とLED_d14の2個
のLEDの点灯態様により、特図2ゲームにおける保留数を表示する。
以下、このような遊技をおこなう遊技機の制御について説明する。まず、遊技制御装置
100の遊技用マイコン111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコ
ン111による制御処理は、主にメイン処理と、所定時間周期(たとえば4m秒)でおこ
なわれるタイマ割込み処理とからなる。
ここで、簡単に説明した普図変動表示ゲームについて改めて詳述する。遊技制御装置1
00の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲ
ートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき、普図の当り判定用乱数値
を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り
はずれを判定する処理をおこなう。そして、一括表示装置50の普図図柄表示部55に、
識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表
示する処理をおこなう。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図図柄表示部
55に第1当り停止図柄~第3当り停止図柄の各々に対応した特別の結果態様を表示する
とともに、普電ソレノイド37bを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37aを
所定時間(たとえば、0.5秒間または1.7秒間)上述のように開放する制御をおこな
う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37a)の変換制御をおこな
う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図図
柄表示部55にはずれの結果態様を表示する制御をおこなう。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の
入力にもとづき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶にもとづき、第1特図変動
表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比
較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。
また、変動入賞装置91に備えられた始動口2スイッチ91bからの遊技球の検出信号
の入力にもとづき始動記憶を記憶し、この始動記憶にもとづき、第2特図変動表示ゲーム
の大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2
特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第
2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド、演出コマンド)を
、演出制御装置300に出力する。そして、一括表示装置50の特図1図柄表示部53や
特図2図柄表示部54に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示す
る特図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、遊
技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(始動入賞口36、変動入賞装置91)への
入賞にもとづき変動表示ゲームの進行制御をおこなう遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき、表示
装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理をおこ
なう。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき
、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御
する処理等をおこなう。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に
関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当り
や小当りの場合は、特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54に特別結果態様や小当
り結果態様を表示するとともに、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理(すな
わち、特別遊技や小当り遊技を実行する処理)をおこなう。第1特図変動表示ゲームや第
2特図変動表示ゲームの結果が大当りとなったことによる特別遊技状態を発生させる処理
においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口1ソレノイド38bにより第1特別
変動入賞装置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とす
る制御をおこなう。この特別遊技状態でCPU111Aは、たとえば大入賞口に所定個数
(たとえば、9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経
過するかのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、
これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)をおこなう。また、
第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)あるいは第2特図変動表示ゲーム(特
図2変動表示ゲーム)の結果が小当りとなったことによる小当り遊技状態を発生させる処
理においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口1ソレノイド38bにより第1特
別変動入賞装置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能と
する制御をおこなう。
なお、これら小当り遊技状態でおこなわれる大入賞口の開閉動作パターン(開閉動作態
様)は、たとえば200m秒だけ開閉部材を開状態に維持する動作を1500m秒間隔で
4回おこなうといったものである。このように、遊技制御装置100は、停止結果態様が
特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御をおこなう大入賞口開閉制御手段
をなす。またCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、一括表示
装置50の特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54にはずれの結果態様を表示する
制御をおこなう。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状
態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、
特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。
また、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲ
ームの結果態様にもとづき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲームおよび第2特
図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状
態の終了後に、遊技状態として普電サポート状態(特定遊技状態、普図高確率状態)を発
生可能となっている。この普電サポート状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果
となる確率(普図確率)を通常確率(普図低確率状態)である0よりも高い高確率(普図
高確率状態)とすることが可能である。これにより、普通変動入賞装置37が普図低確率
状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が多くなるよう
に制御するようになっている。ここで、本実施形態における普通変動入賞装置37は、通
常遊技状態においては可動部材37aを開放しないように普図確率が「0」に設定されて
いる。
また、普電サポート状態において、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)は
、たとえば、500m秒となり、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間は、
たとえば、600m秒となり、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置
37が開放される場合に、第1当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(た
とえば、500m秒×1回)、第2当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数
(たとえば、1700m秒×2回)、第3当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開
放回数(たとえば、1700m秒×3回)となるように設定することが可能である。
なお、普図変動表示ゲームおよび普通変動入賞装置37を普電サポート状態とする制御
をおこなうよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電
開放時間を設定してもよく、たとえば、普電サポート状態においては、上述の普図変動表
示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間と
なるように制御することが可能である(たとえば、10000m秒が1000m秒)。ま
た、普電サポート状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を
第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(たとえば
、1604m秒が704m秒)。また、普電サポート状態においては、普図変動表示ゲー
ムが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時
間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように
制御することが可能である(たとえば、100m秒が1352m秒)。また、普電サポー
ト状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置3
7の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(たとえば、2回)よりも多い回数(たと
えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、普電サポート状態にお
いては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場
合の通常確率(普図低確率状態、たとえば、1/251)よりも高い高確率(普図高確率
状態、たとえば、250/251)とすることが可能である。
普電サポート状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放
時間、普図確率のいずれか一つまたは複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開
状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異な
る複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放
態様と第2開放態様のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、第1開放態様と
第2開放態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ
独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生さ
せることも可能である。また普電サポート状態は、時短状態、普電サポート中、あるいは
電サポ中等と称することもできる。
〔メイン処理〕
まず、第5の実施形態の遊技制御装置のメイン処理について図90から図94を用いて
説明する。図90は、第5の実施形態の遊技制御装置のメイン処理のフローチャートを示
す図(その1)である。図91は、第5の実施形態の遊技制御装置のメイン処理のフロー
チャートを示す図(その2)である。図92は、第5の実施形態の遊技制御装置のメイン
処理のフローチャートを示す図(その3)である。図93は、第5の実施形態の遊技制御
装置のメイン処理のフローチャートを示す図(その4)である。図94は、第5の実施形
態の遊技制御装置のメイン処理のフローチャートを示す図(その5)である。
メイン処理は、電源が投入されることで制御部(遊技用マイコン111)によって開始
される。このメイン処理においては、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)をお
こなってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスで
あるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)をおこなう
。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(たとえばDレジ
スタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。RAM11
1Cのアドレスの範囲は、0000h~01FFhで、上位としては00hか01hをと
る。ステップS4ではRAM111Cのアドレスの範囲のうち先頭側にある00hをセッ
トする。
次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)
。発射許可信号は、遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停
止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようにな
っている。
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を第1レジスタ(たとえばBレ
ジスタ)に読み込み(ステップS6)、続けて入力ポート3(第3入力ポート124)の
状態を第2レジスタ(たとえばCレジスタ)に読み込む(ステップS7)。
ここで、第1レジスタの所定ビットをマスクし、その他のビットをクリアする(ステッ
プS8)。たとえば、RAM初期化スイッチ112からの検出信号に対応するBレジスタ
の第2ビットだけを保持し、第0ビットと第1ビットと、第3ビットから第7ビットをク
リアする。そして、第2レジスタの所定ビットをマスクし、その他のビットをクリアする
(ステップS9)。たとえば、設定キースイッチ127からの検出信号に対応するCレジ
スタの第4ビットだけを保持し、第0ビットから第3ビットと第5ビットから第7ビット
をクリアする。
第1レジスタの情報を第2レジスタに統合し、第2レジスタが保持する情報をRAM1
11Cに頼らない参照用の情報として保持する(ステップS10)。たとえば、Bレジス
タとCレジスタの論理和をCレジスタに格納し、Cレジスタを状態参照用レジスタとして
保持する。
たとえば、状態参照用レジスタ(Cレジスタ)の値「00000000B」は、第0ビ
ットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり
、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オンに対応する「0」であり
、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オンに対応する「0」であること
を示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00000000B」は、RAM初期化ス
イッチ112がオン(ON)、かつ設定キースイッチ127がオン(ON)である設定変
更状態を示す。
また、状態参照用レジスタの値「00010000B」は、第0ビットと第1ビット、
第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRA
M初期化スイッチ112からの検出信号オンに対応する「0」であり、第4ビットが設定
キースイッチ127からの検出信号オフに対応する「1」であることを示す。すなわち、
状態参照用レジスタの値「00010000B」は、RAM初期化スイッチ112がオン
(ON)、かつ設定キースイッチ127がオフ(OFF)であるRAM初期化状態を示す
また、状態参照用レジスタの値「00000100B」は、第0ビットと第1ビット、
第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRA
M初期化スイッチ112からの検出信号オフに対応する「1」であり、第4ビットが設定
キースイッチ127からの検出信号オンに対応する「0」であることを示す。すなわち、
状態参照用レジスタの値「00000100B」は、RAM初期化スイッチ112がオフ
(OFF)、かつ設定キースイッチ127がオン(ON)である設定確認状態を示す。
また、状態参照用レジスタの値「00010100B」は、第0ビットと第1ビット、
第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRA
M初期化スイッチ112からの検出信号オフに対応する「1」であり、第4ビットが設定
キースイッチ127からの検出信号オフに対応する「1」であることを示す。すなわち、
状態参照用レジスタの値「00010100B」は、RAM初期化スイッチ112がオフ
(OFF)、かつ設定キースイッチ127がオフ(OFF)である復電(停電復旧)状態
を示す。
これにより、RAM初期化スイッチ112からの検出信号と設定キースイッチ127か
らの検出信号とがCレジスタに保持される。なお、RAM初期化スイッチ112からの検
出信号のBレジスタにおける格納位置(第2ビット)と設定キースイッチ127からの検
出信号のCレジスタにおける格納位置(第4ビット)とが異なるためBレジスタとCレジ
スタの論理和によっても、RAM初期化スイッチ112からの検出信号と設定キースイッ
チ127からの検出信号は、失われずに保存される。
その後、電源投入ディレイタイマを設定する処理をおこなう(ステップS11)。この
処理では、所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100か
らの指示にしたがい種々の制御をおこなう従制御手段(たとえば、払出制御装置200や
演出制御装置300等の従制御装置)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機
時間(たとえば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置10
0が先に立ち上がって従制御手段が立ち上がる前にコマンドを従制御手段へ送ってしまい
、従制御手段がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装
置100が、電源投入時において、主制御手段の起動を遅らせて従制御手段の起動を待つ
ための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAM領域が保持するデータの正当性判定(
チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域またはレ
ジスタ等)を用いておこなわれる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェック
データを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時
の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第2レジスタ(Cレジスタ)には、RAM初期化スイッチ112の検出信号が保
存されるようになっているが、待機時間の開始前までに保存されることで、RAM初期化
スイッチ112の操作を確実に保存できる。すなわち、待機時間の経過後にRAM初期化
スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってからRAM初期
化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過までRAM初期化スイッチ
112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むこ
とで、このような煩わしい操作をおこなわなくても電源投入後すぐに操作をおこなうこと
で検出されるようになり、電源投入時におこなった初期化の操作が受け付けられないよう
な事態を防止できる。
また、第2レジスタ(Cレジスタ)には、設定キースイッチ127の検出信号が保存さ
れるようになっているが、待機時間の開始前までに保存されることで、設定キースイッチ
127の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に設定キースイッチ12
7の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから設定キースイッチ127
を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで設定キースイッチ127を操作し続けた
りする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わ
しい操作をおこなわなくても電源投入後すぐに操作をおこなうことで検出されるようにな
り、電源投入時におこなった設定変更操作あるいは設定確認操作が受け付けられないよう
な事態を防止できる。
次に、電源投入ディレイタイマ(たとえば、約3秒)を設定する処理(ステップS11
)をおこなった後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(
ステップS12からS16)をおこなう。まず、電源装置400から入力されている停電
監視信号をポートおよびデータバスを介して読み込んでチェックする回数(たとえば2回
)を設定し(ステップS12)、停電監視信号がオンであるか否かの判定をおこなう(ス
テップS13)。
停電監視信号がオンである場合(ステップS13;Y)は、ステップS12で設定した
チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(ステップS1
4)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップ
S14;N)は、停電監視信号がオンであるか否かの判定(ステップS13)に戻される
。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS14;
Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機10の電源が遮断される
のを待つ。このように、所定期間にわたり停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生
したと判定することで、ノイズ等により停電を誤検知することを防止でき、電源投入時に
おける不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電
監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせてい
る期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に
適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAM111Cへのアクセス
が許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、
ここでの停電発生時にはバックアップの処理等はおこなう必要がない。このため、待機時
間中に停電が発生してもRAM111Cのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を
軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS13;N)、すなわち、停電が発生
していない場合には、電源投入ディレイタイマを「-1」更新し(ステップS15)、タ
イマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS16)。タイマの値が0でない場
合(ステップS16;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号
のチェック回数を設定する処理(ステップS12)に戻される。また、タイマの値が「0
」である場合(ステップS16;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合、RAM11
1CやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(Read Write Memory)のアクセス許
可をし(ステップS17)、全出力ポートにオフデータを出力(出力がない状態に設定)
する(ステップS18)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111にあらかじめ搭載されているポートで、
演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定する(ステップS19
)。
ステップS20では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込
み信号および乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC回路を起動する処理をおこ
なう。
ステップS21では、RAM異常フラグをセットする処理をおこなう。なお、RAM異
常フラグのセットは、暫定的なものであって後で実行されるRAMの異常を検査する処理
において更新され得る。
ステップS22では、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデ
ータ1(たとえば5Ah)であるか否かを判定する。停電検査領域1の値が正常であれば
(ステップS22;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェック
データ2(たとえばA5h)であるか否かを判定し(ステップS23)、停電検査領域2
の値が正常であれば(ステップS23;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出
するチェックサム算出処理(ステップS24)をおこなう。
なお、チェックサム算出処理では、遊技制御用ワーク領域のデータと状態表示用ワーク
領域のデータを合算したものをチェックサムとして算出してもよいし、遊技制御用ワーク
領域のデータと状態表示用ワーク領域のデータからそれぞれ別々にチェックサムを算出し
てもよいし、遊技制御用ワーク領域のデータだけからチェックサムを算出してもよい。遊
技制御用ワーク領域とは、RWM内の記憶領域のうち遊技制御用に使用される作業領域で
ある。状態表示用ワーク領域とは、RWM内の記憶領域のうち状態表示用に使用される作
業領域である。
次に、ステップS24で算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか
否かを判定(ステップS25)し、チェックサムが一致する(正常である)と判定された
場合(ステップS25;Y)は、ステップS21で暫定的にセットしたRAM異常フラグ
をクリアする(ステップS26)。
なお、チェックサムが一致しない(正常でない)と判定された場合(ステップS25;
N)は、ステップS26をパスしてステップS27へ移行することで、ステップS21で
暫定的にセットしたRAM異常フラグが確定的になる。停電検査領域のチェックデータが
正常なデータでない(ステップS22;NまたはステップS23;N)と判定された場合
も、ステップS26をパスしてステップS27へ移行することで、ステップS21で暫定
的にセットしたRAM異常フラグが確定的になる。
ステップS27では、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、設定キースイッチ12
7の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンであるか否かを判
定する。設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検
出信号がオンである場合には、ステップS33に進み、設定キースイッチ127の検出信
号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンでない場合には、ステップS
28に進む。
なお、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイ
ッチ112の検出信号とを第2レジスタ(Cレジスタ)に保持しているため、設定キース
イッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを同時に判定するこ
とができる。また、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127の検出信号とRAM
初期化スイッチ112の検出信号とを第2レジスタ(Cレジスタ)に保持しているため、
RAMの正当性判定をおこなう以前の設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化
スイッチ112の検出信号とを判定対象にすることができる。
ステップS28では、制御部は、RAM異常フラグがオンか否かを判定する。制御部は
、RAM異常フラグがオンである場合(すなわち、RAM異常フラグがセットされている
場合)にステップS30に進み、RAM異常フラグがオンでない場合(すなわち、RAM
異常フラグがクリアされている場合)にステップS29に進む。
ステップS29では、制御部は、設定変更モード中フラグがオンか否かを判定する。制
御部は、設定変更モード中フラグがオンである場合にステップS48に進み、設定変更モ
ード中フラグがオンでない場合にステップS30に進む。
ステップS30からステップS32は、RAM異常時、あるいは設定中に電源遮断があ
ったときにRAMクリアされずに再起動された時に実行される処理である。ステップS3
0では、制御部は、メイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信する。
これにより、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドに対応する演出制
御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドを受
信して、RAMクリアを伴う再起動を案内するメッセージを表示装置41に表示させたり
、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、メイ
ン異常エラー報知のコマンドを受信して、枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置
44によりメイン異常エラーを報知する。
ステップS31では、制御部は、遊技停止時の7セグ表示データを性能表示装置135
に出力する。このとき、制御部は、性能表示装置135にメイン異常エラーに対応するス
テータスを表示することができる。また、制御部は、遊技停止時の7セグ表示データを確
率設定値表示装置136に出力する。このとき、制御部は、確率設定値表示装置136に
確率設定値にない数値や文字を表示することができる。なお、制御部は、遊技停止時のL
ED表示データを含む7セグ表示データを一括表示装置50に出力するようにしてもよい
。このとき、制御部は、一括表示装置50を全消灯あるいは全点灯としてもよい。
ステップS32では、制御部は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報端子板71
から出力する。このとき、制御部は、外部情報端子板71から出力するその他の信号の出
力データをオフにする。制御部は、ステップS31とステップS32とを繰り返し実行し
て電源遮断を待つ。すなわち、遊技機10は、電源遮断を待つまでの間、外部情報端子板
71からセキュリティ信号を出力する。また、遊技機10は、電源遮断を待つまでの間、
外部情報端子板71からセキュリティ信号以外の信号を出力しない。
なお、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31とステップS32の繰り返し実
行において、RAMアクセスを禁止していない。これにより、遊技機10は、NMI(No
n-Maskable Interrupt)発生時に戻りアドレスをRAMに格納可能にして、プログラム暴
走の危険を低減している。このように、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31
とステップS32の繰り返し実行中のRAMの記憶内容をRAMアクセス禁止により保護
しないが、再起動時のRAMクリアが遊技制御開始の条件となるため、RAMの記憶内容
が保護されない危険を限定的にしている。すなわち、遊技機10は、RAMの記憶内容が
保護されない危険を限定的にして引き受けながら、プログラム暴走の危険低減効果を得る
。また、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31とステップS32の繰り返し実
行において、RAMアクセスを禁止しないことにより、ステップS31やステップS32
においてサブルーチンを呼出可能にしてプログラム効率の向上を図ることができる。
ステップS33からステップS36は、設定変更準備に関する処理であり、ステップS
27において、設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ11
2の検出信号がオンである場合に実行される処理である。
ステップS33では、制御部は、RAM異常フラグがオンか否かを判定する。制御部は
、RAM異常フラグがオンである場合にステップS34に進み、RAM異常フラグがオン
でない場合にステップS35に進む。
ステップS34では、制御部は、RAM異常フラグがオンであることから設定値をクリ
アする。なお、設定値のクリアは、設定値として無効な値をセットすることによってもよ
いし、不正対策の観点から遊技者にとって最も不利な値をセットすることによってもよい
ステップS35では、制御部は、設定変更モード中フラグをセットする処理をおこなう
。設定変更モード中フラグは、遊技機10が設定変更中か否かを示すフラグであって、設
定変更中であるときに設定変更モード中フラグがセットされ、設定変更中でないときに設
定変更モード中フラグがクリア(リセット)される。
ステップS36では、制御部は、設定変更中のコマンドを演出制御装置300に送信す
る。これにより、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドに対応する演出制御をお
こなう。たとえば、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドを受信して、設定変更
中であることを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,1
9bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドを受
信して、設定変更中であることを枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44によ
り報知する。
ステップS37は、設定変更準備(ステップS33からステップS36)の後、または
設定確認準備(ステップS49、ステップS50)の後に実行される処理である。ステッ
プS37では、制御部は、セキュリティ信号制御タイマに128msを設定する。これに
より、遊技機10は、少なくともセキュリティ信号制御タイマがタイムアップされるまで
の間、セキュリティ信号を出力する。
ステップS38からステップS40は、設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ち
に関する処理である。遊技機10は、ステップS37でセキュリティ信号を出力セットし
ていることにより設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理の実行を外
部から把握可能にしている。
制御部は、割込みを許可(ステップS38)した後、第2レジスタ(Cレジスタ)を参
照して、設定キースイッチ127の検出信号がオフであるか否かを判定する(ステップS
39)。制御部は、設定キースイッチ127の検出信号がオフである場合にステップS5
5に進み、設定キースイッチ127の検出信号がオフでない場合にステップS40に進む
ステップS40では、制御部は、停電が発生したか否かを判定する。なお、制御部は、
停電監視信号の所定時間の継続検出により、停電発生を判定することができる。制御部は
、停電が発生した場合にステップS41に進み、停電が発生していない場合にステップS
39に進む。すなわち、制御部は、ステップS38で割込みを許可した状態で、停電発生
までの間、設定キーのオフを待ち受ける。
制御部は、停電が発生していると判定した場合、割込みを禁止する処理(ステップS4
1)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS42)をおこなう。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS43
)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS44)。
さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップ
S45)、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブする処理(ステップS46
)をおこなった後、RAMへのアクセスを禁止する処理(ステップS47)をおこなって
から、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータ
をセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前に
RWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判
定することができる。
ステップS48は、ステップS29で設定変更モード中フラグがオンであると判定され
た場合に実行される。ステップS48では、制御部は、第2レジスタ(Cレジスタ)を参
照して、設定キースイッチ127の検出信号がオンであるか否かを判定する。制御部は、
設定キースイッチ127の検出信号がオンである場合にステップS49に進み、設定キー
スイッチ127の検出信号がオンでない場合にステップS51に進む。
ステップS49、ステップS50は、設定確認準備に関する処理である。ステップS4
9では、制御部は、設定確認モード中フラグをセットする処理をおこなう。設定確認モー
ド中フラグは、遊技機10が設定確認中か否かを示すフラグであって、設定確認中である
ときに設定確認モード中フラグがセットされ、設定確認中でないときに設定確認モード中
フラグがクリア(リセット)される。ステップS50では、制御部は、設定確認中のコマ
ンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、設定確認中
のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、設定確認
中のコマンドを受信して、設定確認中であることを案内するメッセージを表示装置41に
表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置3
00は、設定確認中のコマンドを受信して、枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装
置44により設定確認中であることを報知する。この後、制御部は、ステップS37に進
む。
一方、制御部は、ステップS48において設定キースイッチ127の検出信号がオンで
ないと判定した場合に、ステップS51を実行する。ステップS51では、制御部は、第
2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンで
あるか否かを判定する。制御部は、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンである
場合にステップS52に進み、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンでない場合
にステップS58に進む。すなわち、遊技機10は、RAM初期化スイッチ112の押下
操作を伴う起動検出によりRAM初期化(RAMクリア)に関する処理の実行に進み、R
AM初期化スイッチ112の押下操作を伴わない起動検出により停電復旧に関する処理の
実行に進む。
次に、ステップS52以降でおこなうRAM初期化に関する処理について説明する。R
AM初期化に関する処理では、制御部は、設定値以外のRAM領域を0クリア(ゼロクリ
ア)し(ステップS52)、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(
ステップS53)。たとえば、制御部は、RAMクリア時の先頭アドレスとしてRAMク
リア先頭アドレス2を設定し、RWM(たとえばRAM111C)の記憶領域(アクセス
禁止領域を含まない領域)のうちのクリア対象領域(遊技制御用ワーク領域)のデータを
ゼロクリアする。
なお、設定変更モード中フラグ、および設定確認モード中フラグは、クリア対象領域の
データに含まれることから、クリア対象領域のデータのゼロクリアによってクリアされる
ステップS54では、制御部は、RAM初期化時のコマンドを演出制御装置300に送
信する。これにより、演出制御装置300は、RAM初期化時のコマンドに対応する演出
制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、RAM初期化時のコマンドを受信し
て、RAMが初期化されたことを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、ス
ピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、RAM初
期化のコマンドを受信して、RAMが初期化されたことを枠装飾装置18や盤装飾装置4
6、盤演出装置44により報知する。
また、制御部は、設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理(ステッ
プS38からステップS40)の実行後に、設定キースイッチ127の検出信号がオフで
あることを検出した場合に、ステップS55を実行する。制御部は、割込みを禁止(ステ
ップS55)した後、報知終了のコマンドを演出制御装置300に送信する(ステップS
56)。
これにより、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドの受信により開始した設定
変更中であることの報知、あるいは設定確認中のコマンドの受信により開始した設定確認
中であることの報知を終了する。
次に、制御部は、設定変更モード中フラグを参照して、設定変更モード中であるか否か
を判定する(ステップS57)。制御部は、設定変更モード中である場合にステップS5
2に進み、RAM初期化に関する処理を実行する。一方、制御部は、設定変更モード中で
ない場合にステップS58に進み、停電復旧に関する処理を実行する。
ステップS58では、制御部は、停電復旧処理を実行する。停電復旧処理は、初期化す
べき領域に停電復旧時の初期値をセーブし、特図ステータスを参照して特図ゲームが高確
率中であるか否かを判定し、特図ゲームが高確率中である場合に高確率報知フラグ領域に
オン情報をセーブし、高確率報知LEDのオンデータをセグメント領域にセーブする処理
を含む。
なお、停電復旧処理における初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域
、設定変更モード中フラグ、設定確認モード中フラグ、およびエラー不正監視に係る領域
である。なお、停電復旧処理では、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否
かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリア
され、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッ
チスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチ
スイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。
次に、制御部は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板
(演出制御装置300)へ送信し(ステップS59)、ステップS60へ進む。なお、ス
テップS59では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、
確率情報コマンド、確率設定値情報コマンド、画面指定のコマンド等の複数のコマンドを
送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報や高確率回
数情報を送信する。なお、画面指定のコマンドとは、特図1変動表示ゲームと特図2変動
表示ゲームの制御状態がいずれも普段処理中(変動中、大当り中(第1特別遊技状態)、
小当り中(第2特別遊技状態)のうちの何れでもない状態)である場合には、客待ちデモ
画面の表示を指令するコマンドであり、それ以外である場合には復旧画面の表示を指令す
るコマンドである。
ステップS60では、制御部は、乱数生成回路を起動設定する処理をおこなう。その後
、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1~n)の値を抽
出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄初期値乱数、小当り図柄初期値乱数、当り初
期値乱数、当り図柄初期値乱数)の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセー
ブしてから(ステップS61)、割込みを許可する(ステップS62)。
続いて、制御部は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱
数更新処理(ステップS63)をおこなう。この初期値乱数更新処理は、各初期値乱数を
たとえばそれぞれ「+1」更新(インクリメント)する処理である。このように、遊技機
10は、メイン処理の中で時間が許す限り初期値乱数を更新し続けることによって、乱数
のランダム性を高めることができるようにしている。
ここで、制御部は、一旦、割込みを禁止(ステップS64)して、性能表示編集処理を
実行(ステップS65)し、性能表示編集処理の実行後に、割込みを許可する(ステップ
S66)。性能表示編集処理は、ベースの算出と表示に関する処理である。制御部は、性
能表示編集処理の処理負荷が比較的高いため、割込みを禁止してより速やかな処理結果導
出を図っている。これにより、遊技機10は、タイマ割込みにより遊技状態が更新される
までに、性能表示編集処理の処理結果導出を担保する。
ステップS67では、制御部は、停電が発生したか否かを判定する。なお、制御部は、
停電監視信号の所定時間の継続検出により、停電発生を判定することができる。制御部は
、停電が発生した場合にステップS41に進み、停電が発生していない場合にステップS
63に進む。
すなわち、制御部は、停電が発生しない限り、ステップS63からステップS67まで
の処理を繰り返し実行する。詳しくは、制御部は、停電が発生していない場合には、初期
値乱数更新処理と性能表示編集処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し
おこなう。
そして、初期値乱数更新処理(ステップS63)の前に割込みを許可する(ステップS
66)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優
先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされるこ
とで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
同様に、性能表示編集処理(ステップS65)の前に割込みを禁止する(ステップS6
4)ことによって、タイマ割込みに優先して性能表示編集処理が実行されるようになり、
性能表示編集処理が圧迫されるのを回避することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主
制御手段からの指示にしたがい種々の制御をおこなう従制御手段(払出制御装置200、
演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時におい
て、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御手段の起動を待つための所定の待機時間を設
定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監
視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電
の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御
装置100)は、所定期間にわたり停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと
判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、
外部からの操作が可能な初期化操作部(RAM初期化スイッチ112)と、初期化操作部
が操作されたことにもとづきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段
(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化操作部の操作状態を待機時間の開始前に
読み込むようにしていることとなる。
なお、遊技制御装置100は、データ異常時の初期化の処理(第1初期化処理)と、初
期化操作時の初期化の処理(第2初期化処理)とを区別して実行する機能(第1初期化手
段、第2初期化手段)を有するため、状況に応じた最適かつ無駄のない初期化の処理が実
現できる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、
外部からの操作が可能な設定操作部(設定値変更スイッチ126、設定キースイッチ12
7)と、設定操作部が操作されたことにもとづきRAM111Cに記憶された設定値を変
更する設定変更手段(遊技制御装置100)とを備えることで設定変更を可能にするとと
もに、設定表示部(確率設定値表示装置136)を備えることで設定(設定値)を確認可
能にしている。また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM
111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、RAM(RAM111C)へのアクセス
を禁止(ステップS47)してすべての処理の実行停止を待機する停電発生時待機処理(
ステップS47の後のループ)と、RAM(RAM111C)へのアクセスを許可(ステ
ップS17)しながらすべての処理の実行停止を待機するRAM異常時待機処理(ステッ
プS31、ステップS32のループ)と、を実行可能にしている。
ここで、停電発生時待機処理とRAM異常時待機処理について説明する。停電発生時待
機処理は、メイン処理のステップS47でRAMへのアクセスを禁止された後に実行され
て、すべての処理の実行停止を待機するループ処理である。また、停電発生時待機処理は
、メイン処理のステップS41で割込みを禁止された後に実行されることから、NMI割
込みでない割込み(タイマ割込み)が禁止される。なお、停電発生時待機処理は、NMI
割込みについて割込みを禁止することができないことからNMI割込みが発生し得る。た
だし、停電発生時待機処理は、停電発生時に実行される処理であることから、当該処理の
実行中にNMI割込みが発生する危険が小さい。また、停電発生時待機処理は、異常報知
を伴わない待機処理である。これにより、遊技機10は、電源遮断までの電力を停電処理
に振り向けることができる。なお、遊技機10は、停電発生時待機処理にRAMへのアク
セスを禁止することで、不安定な電圧によりRAMの記憶内容が変化する危険を低減して
いる。
RAM異常時待機処理は、メイン処理のステップS17でRAM(RWM)へのアクセ
スを許可された後に実行されて、すべての処理の実行停止を待機するループ処理である。
また、RAM異常時待機処理は、メイン処理のステップS1で割込みを禁止された後に実
行されることから、NMI割込みでない割込み(タイマ割込み)が禁止される。なお、停
電発生時待機処理は、NMI割込みについて割込みを禁止することができないことからN
MI割込みが発生し得る。RAM異常時待機処理は、電源遮断を待つ処理であることから
、当該処理の実行中にNMI割込みが発生する危険が停電発生時待機処理よりも大きい。
しかしながら、RAM異常時待機処理は、NMI割込みが発生してもRAMへのアクセス
が許可されていることから戻りアドレスをRAMに格納可能であって、NMI割込み発生
によるプログラム暴走の危険が小さい。また、遊技機10は、ステップS30においてメ
イン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信することから、RAM異常時
待機処理の実行中に、演出制御装置300による異常報知を並行しておこなうことができ
る。これにより、遊技機10は、速やかな再起動が期待できる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、遊技制御装置100のタイマ割込み処理について図95を用いて説明する。図9
5は、第5の実施形態のタイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。このタイマ
割込み処理は、上述のメイン処理において、割込み許可が出てから割込みが禁止されるま
での間(ステップS38からステップS41まで、ステップS38からステップS55ま
で、ステップS66からステップS64まで、ステップS66からステップS41まで)
に生じる割込み処理である。タイマ割込み処理は、CPU111Aが実行する処理である
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイ
マ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111に
おいて、タイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、タイマ割込み処
理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS7
1)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(たとえば、メイン処理で
使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理をおこなっ
たのと同等になる。次に、所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)にRAM先頭アドレス
の上位アドレスをセットする(ステップS72)。ステップS72では、メイン処理にお
けるステップS4と同じ処理をおこなっているが、レジスタバンクが異なる。
次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、すなわち、各入力ポート
の状態を読み込む入力処理(ステップS73)をおこなう。ステップS74では、制御部
は、設定変更モード中フラグと設定確認モード中フラグとを参照し、設定変更モード中ま
たは設定確認モード中であるか否かを判定する。制御部は、設定変更モード中または設定
確認モード中である場合にステップS75に進み、設定変更/確認処理を実行し、タイマ
割込み処理を終了する。設定変更/確認処理については、図95を用いて後で説明する。
一方、制御部は、設定変更モード中または設定確認モード中のいずれでもない場合にステ
ップS76に進む。
ステップS76では、制御部は、各種処理でセットされた出力データにもとづき、ソレ
ノイド(大入賞口1ソレノイド38b、普電ソレノイド37b)等のアクチュエータの駆
動制御等をおこなうための出力処理を実行する。
なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理
がおこなわれることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な
状態とされる。この発射許可信号は、払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される
。その際、信号の加工等はおこなわれない。また、当該発射許可信号は、遊技制御装置1
00から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置200から見た発射
許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置200内で生成され、発射
制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、
両者がともに発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成され
ている。
次に、制御部は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置20
0に出力する払出コマンド送信処理(ステップS77)、乱数更新処理1(ステップS7
8)、乱数更新処理2(ステップS79)を実行する。ここで、乱数更新処理1は、初期
値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図
柄乱数の初期値(スタート値)を更新するための処理である。また、乱数更新処理2は、
特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱
数を更新する処理である。なお、乱数更新処理1、あるいは乱数更新処理1に加えて乱数
更新処理2は、設定変更中の乱数更新の停止や更新周期の変更をおこなうようにしてもよ
い。
次に、制御部は、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ91b、始動口3スイッ
チ92b、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38
a,93a、特定領域スイッチ93dから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラ
ーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないか等)をおこなう入賞口スイッチ/状態
監視処理(ステップS80)をおこなう。また、始動口1スイッチ36a、始動口2スイ
ッチ91b、および始動口3スイッチ92bの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(
ステップS81)をおこなう。なお、始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口をな
す始動入賞口36、または第2始動入賞口をなす変動入賞装置91に遊技球の入賞がある
と、各種乱数(大当り乱数等)の抽出をおこない、特図変動表示ゲームの開始前の段階で
当該入賞にもとづく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定をおこなう。
次に、制御部は、特図1変動表示ゲームに関する処理をおこなう特図1ゲーム処理(ス
テップS82)、特図2変動表示ゲームに関する処理をおこなう特図2ゲーム処理(ステ
ップS83)、第2種ゲームに関する処理をおこなう2種ゲーム処理(ステップS84)
、普図変動表示ゲームに関する処理をおこなう普図ゲーム処理(ステップS85)を実行
する。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表
示するセグメントLED(たとえば、一括表示装置50の特図1図柄表示部53等のLE
D)を所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS86
)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理をおこなう
磁石不正監視処理(ステップS87)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして
異常がないか判定する処理をおこなう盤電波不正監視処理(ステップS88)をおこなう
。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処
理(ステップS89)、性能表示装置制御処理(ステップS90)をおこなって、タイマ
割込み処理を終了する。
ここで、第5の実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許
可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を
指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的におこな
われる。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバ
ンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔メイン処理〕
次に、演出制御装置300のメイン処理を図96を用いて説明する。図96は、第5の
実施形態の演出制御装置におけるメイン処理のフローチャートを示す図である。
メイン処理は、遊技機10の電源供給が開始された時点で演出制御装置300の制御部
(CPU311)によって実行される処理である。
[ステップD11]制御部は、割込みを禁止する。
[ステップD12]制御部は、CPU311の初期設定をおこなう。
[ステップD13]制御部は、VDP312の初期設定をおこなう。
[ステップD14]制御部は、割込みを許可する。
[ステップD15]制御部は、表示用データ生成を許可する。すなわち、制御部は、V
DP312内の表示回路(図示省略)がVDP312内のVRAM(図示省略)へアクセ
スをおこない、表示データを生成することを許可する。
[ステップD16]制御部は、乱数シードを設定する。これは、たとえばsrand関
数を用いて擬似乱数の発生系列を設定する処理である。ここで、制御部は、srand関
数に与える引数として0(ゼロ)等の固定値を使用してもよいし、遊技機ごとに異なるよ
うにCPU等のID値等を基に作成した値を使用してもよい。
[ステップD17]制御部は、演出制御装置300のRWM(たとえばRAM322)
における初期化すべき領域(たとえば、演出用フラグ領域(当該演出制御装置300の制
御処理において後述する各種のフラグとして使う記憶領域))に電源投入時の初期値をセ
ーブする。
[ステップD18]制御部は、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)をクリアする。
[ステップD19]制御部は、演出ボタン入力処理を実行する。演出ボタン入力処理は
、演出ボタン(選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25b)が有効時に
操作された場合の編集をおこなう処理である。なお、演出ボタンは高速でオンオフしない
ので、制御部は、演出ボタンの入力を感知する処理を演出ボタン入力処理内でおこなって
もよいし、図示していない短周期のタイマ割込み内でおこなってもよい。
[ステップD20]制御部は、ホール・遊技者設定モード処理を実行する。ホール・遊
技者設定モード処理は、LEDや表示装置41の輝度、音量等の変更可能範囲の設定や、
遊技者によるLEDや表示装置41の輝度、音量の変更等の操作を受け付ける処理である
[ステップD21]制御部は、乱数更新処理を実行する。乱数更新処理は、たとえばr
and関数を用いてメイン処理の制御周期ごとに少なくとも1回の擬似乱数の更新をおこ
なう処理である。rand関数は、再計算がおこなわれる度に指定の生成系列にもとづい
て乱数を生成するので、制御部は、rand関数を実行するだけで乱数を得ることができ
る。なお、主基板(遊技制御装置100)のように「1」ずつインクリメントするカウン
タを乱数として用いてもよい。
[ステップD22]制御部は、受信コマンドチェック処理を実行する。受信コマンドチ
ェック処理は、遊技制御装置100から受信したコマンドを所定数単位で解析する処理で
ある。
[ステップD23]制御部は、演出表示編集処理を実行する。演出表示編集処理は、V
DP312に表示装置41での描画内容を指示するための各種コマンドとそのパラメータ
の設定をおこなう処理である。たとえば、制御部は、演出表示編集処理においてコマンド
をテーブル状に設定する。
[ステップD24]制御部は、描画コマンド準備終了設定を実行する。描画コマンド準
備終了設定は、演出表示編集処理で設定されるVDP312へのすべてのコマンドの準備
が終了したことを設定する処理である。
[ステップD25]制御部は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定し、フレー
ム切替タイミングであればステップD26に進み、フレーム切替タイミングでなければフ
レーム切替タイミングを待つ。ここで、フレーム切替タイミングは、Vブランク割込み(
Vシンク割込みともいう)の周期(たとえば1/60秒)を基に作成された処理周期(た
とえば1/30秒≒33.333ms)に相当する時間的間隔で到来するタイミングであ
る。なお、Vブランク割込みは、VDP312によって描画のための画面全体の1回の走
査が終了する度に発生する。このVブランク割込みの発生周期は、前述したように、たと
えば1/60秒である。本実施例の場合、同じ描画が2回繰り返されてVブランク割込み
が2回発生するとフレーム切替がおこなわれ、フレーム切替タイミングの周期は、Vブラ
ンク割込みの周期(たとえば1/60秒)の2倍(たとえば1/30秒≒33.33ms
)になる。但し、この態様に限られず、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能で
あり、たとえば、1/30秒以上の周期でフレーム切替(画像の更新)をおこなってもよ
いし、1/30秒未満の周期でフレーム切替をおこなってもよい。
フレーム切替タイミングの判定処理によって、これより後の処理(ステップD26乃至
ステップD31、およびその後のステップD18乃至ステップD24)は、このフレーム
切替タイミングで上記処理周期ごとに実行される。なお、演出内容と同期する必要のある
時間管理は、このフレーム単位(即ち、上記処理周期単位)でおこなわれる。上記処理周
期が、1/30秒の場合、たとえば3フレームでは100msになる。このことは、主基
板(遊技制御装置)がタイマ割込み周期の4ms単位で時間管理しているのと同様である
[ステップD26]制御部は、ステップD23で設定したコマンドにしたがいVDP3
12に画面描画を指示する。たとえば、制御部は、テーブル状に設定したコマンドを順次
送信して、VDP312に画面描画を指示する。
[ステップD27]制御部は、サウンド制御処理を実行する。サウンド制御処理は、ス
ピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の音量制御に関する処理であ
る。
[ステップD28]制御部は、装飾制御処理を実行する。装飾制御処理は、盤装飾装置
46や枠装飾装置18等の各種LED等を制御する処理である。
[ステップD29]制御部は、可動体制御処理を実行する。可動体制御処理は、各種モ
ータやSOL(ソレノイド)を含む可動体(たとえば、盤演出装置44)を制御する処理
である。
[ステップD30]制御部は、発射情報制御処理を実行する。発射情報制御処理は、発
射状態フラグにもとづいて、発射関連情報を設定するとともに、特図回転状態(所定金額
分(即ち所定貸球数分)の遊技あたりの特図変動回数)に応じた演出のモード補正をおこ
なう処理である。
[ステップD31]制御部は、情報開示処理を実行する。情報開示処理は、遊技者に対
して遊技性能に関する性能情報を開示する処理である。
制御部は、ステップD31を実行した後にステップD18に戻り、以降、ステップD1
8乃至ステップD31の処理を繰り返し実行する。即ち、ステップD18乃至ステップD
31は、演出制御装置300の起動後に上記処理周期で繰り返し実行されるループ処理(
場合によりメインループ処理という)を構成している。
なお、制御部は、画面の演出に合わせるためメインループ処理内でステップD27乃至
ステップD29の処理を実行しているが、これら制御処理で生成または設定された信号や
データ(特に各種LEDやモータを駆動制御する信号等)を実際にポートに出力する処理
は、図示していない短周期のタイマ割込み内でおこなわれる。ただし、各種デバイスの制
御に特化したICを使用している場合は、シリアル通信等で指示するだけで、タイマ割込
みで信号等の出力をおこなわない場合もある。
次に、表示装置41における特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの表示につ
いて図97を用いて説明する。図97は、第5の実施形態の表示装置における装飾図柄を
用いた変動表示画面の一例を示す図である。
図97(1)に示す表示画面500は、変動表示ゲームにおいて図柄停止中の表示装置
41の表示内容である。表示画面500は、2組の飾り図柄と、特図1保留数表示503
と、特図2保留数表示504と、保留表示505と、保留消化表示506を表示内容に含
む。
2組の飾り図柄は、第1飾り図柄として大図柄群501と、第2飾り図柄として小図柄
群502とがある。大図柄群501は、興趣向上を目的として遊技演出を担当する。その
ため、大図柄群501は、表示装置41の略中央部に大きく表示される。大図柄群501
は、左図柄501Lと中図柄501Cと右図柄501Rとを含む。表示画面500の左図
柄501Lと中図柄501Cと右図柄501Rは、いずれも対応する特図変動表示ゲーム
が図柄停止状態であることを示す。
一般に、大図柄群501は、左図柄501L、右図柄501R、中図柄501Cの順に
変動を開始し、左図柄501L、右図柄501R、中図柄501Cの順に停止(仮停止を
含む)する。そのため、大図柄群501は、多くの場合において、左図柄501Lと右図
柄501Rとでリーチ態様を形成し、中図柄501Cの停止を待って当り態様を形成可能
にする。
小図柄群502は、遊技者の遊技状態把握の容易性向上を目的として変動表示状態の報
知を担当する。そのため、小図柄群502は、大図柄群501による表示演出を邪魔せず
視認性を確保するように表示装置41の周縁部に小さく表示される。小図柄群502は、
左図柄と中図柄と右図柄とを含む。表示画面500の小図柄群502における左図柄と中
図柄と右図柄は、いずれも対応する特図変動表示ゲームが図柄停止状態であることを示す
一般に、大図柄群501は、小図柄群502と比較して、大きく表示され、表示位置の
自由度が高く、またその表示態様が大きく変化可能である。反対に、小図柄群502は、
大図柄群501と比較して、小さく表示され、表示位置の自由度が低い(たとえば位置固
定)。
特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数(始動記憶数)を表示する。特
図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数を表示する。保留表示505は、そ
の表示態様により、特図変動表示ゲームの保留記憶数を明示するとともに、保留記憶ごと
のゲーム結果に対する期待度を報知できる。保留表示505が表示する保留記憶数は、特
図1保留数表示503が表示する保留記憶数と特図2保留数表示504が表示する保留記
憶数の和に相当する。保留消化表示506は、その表示態様により、特図変動表示ゲーム
が変動表示状態にあることを示すとともにゲーム結果に対する期待度を報知できる。
表示画面500は、特図1保留数表示503が示す特図1ゲームの保留記憶数が「0」
であり、特図2保留数表示504が示す特図2ゲームの保留記憶数が「0」であることか
ら、保留表示505が示す保留記憶数も「0」である。また、表示画面500は、保留消
化表示506により特図変動表示ゲームが図柄停止中であることを示す。
また、遊技機10は、大図柄群501と小図柄群502とをそれぞれ3桁の図柄で構成
したが、1つ以上の図柄を含むものであれば何桁であってもよい。また、遊技機10は、
大図柄群501と小図柄群502とで図柄の桁数を揃えているが、大図柄群501と小図
柄群502とで図柄の桁数を異ならせるものであってもよい。
また、遊技機10は、変動表示中と停止表示中とで、あるいは変動表示中において大図
柄群501について図柄の透明度を変更(たとえば透明度0%から50%に変更)するこ
とがあっても、小図柄群502について図柄の透明度を固定(たとえば透明度0%に固定
)することができる。これにより、遊技機10は、大図柄群501について表示演出の多
様性を確保しながら小図柄群502について視認性を確保し、遊技者の遊技状態把握を容
易にすることができる。
図97(2)に示す表示画面507は、変動表示ゲームにおいて図柄変動中の表示装置
41の表示内容である。表示画面507は、特図1保留数表示503が示す特図1ゲーム
の保留記憶数が「1」であり、特図2保留数表示504が示す特図2ゲームの保留記憶数
が「0」であることから、保留表示505が示す保留記憶数も「1」である。また、表示
画面507は、保留消化表示506により特図変動表示ゲームが図柄変動中であることを
示す。表示画面507の左図柄501Lと中図柄501Cと右図柄501Rは、いずれも
対応する特図変動表示ゲームが図柄変動状態であることを示す。また、表示画面507の
小図柄群502における左図柄と中図柄と右図柄は、いずれも対応する特図変動表示ゲー
ムが図柄変動状態であることを示す。
次に、特図1ゲームにおいて導出される当り(第1の当り)と、特図2ゲームにおいて
導出される当り(第2の当り)と、第2種ゲームにおいて導出される当り(第3の当り)
とで共通となる、表示装置41における当り演出の表示画面(演出表示画面)について、
図98および図99を用いて説明する。図98は、第5の実施形態の当りにおける演出表
示画面の一例(その1)を示す図である。図99は、第5の実施形態の当りにおける演出
表示画面の一例(その2)を示す図である。
図98(1)に示す表示画面510は、ファンファーレ演出に対応する演出表示画面で
ある。表示画面510は、演出案内511と、発射方向案内512と、演出要素513と
、大当り図柄案内514とを表示内容に含む。
演出案内511は、大当り種別に対応する当り名(たとえば「演出ボーナス」)を案内
する。発射方向案内512は、打球の発射方向が右側遊技領域であることを、メッセージ
「右打ち」と、ピクトグラム(右側を指す矢印)とにより遊技者に案内する。なお、遊技
機10は、打球の発射方向が右側遊技領域であるその他の遊技状態(たとえば普電サポー
ト中等)と同じ表示位置に発射方向案内512を表示することで、遊技者が発射方向案内
512を見逃す危険を低減している。演出要素513は、ファンファーレを演出する表示
要素であって、たとえばキャラクタやメッセージ、ムービー等を含む。大当り図柄案内5
14は、大当りを導出した図柄を表示する。たとえば、大当り図柄案内514は、3桁の
図柄「3」による大当りであることを案内する。
図98(2)に示す表示画面515は、当り中の演出表示画面である。表示画面515
は、演出案内511と、発射方向案内512と、演出要素513と、ラウンド案内516
と、当り回数案内519と、獲得賞球案内520と、楽曲案内521と、操作案内523
とを表示内容に含む。
演出案内511は、ファンファーレ中と比較して小さな領域で大当り種別に対応する当
り名を案内する。ラウンド案内516は、ラウンド数に対応する数の花弁517によって
ラウンド数を案内する。ラウンド案内516は、濃色の花弁517を8つ表示することに
より、演出ボーナスが8ラウンドであることを示す。
当り回数案内519は、当り回数(たとえば「1回目」)を表示する。獲得賞球案内5
20は、今回の当り中の獲得賞球数を表示する。なお、遊技機10は、射幸心抑制の観点
から直接的に賞球数を案内する「1000個」や「1000発」等の表記に代えて、間接
的に賞球数を案内する「1000pt」等の表記を採用する。楽曲案内521は、当り中
に選択可能な楽曲タイトルを案内する。操作案内523は、楽曲タイトルの選択操作を案
内する。操作案内523は、たとえば、操作部(プッシュボタン25)の概観を示すピク
トグラムと、操作案内メッセージとを含む。
これにより、遊技機10は、当り中の楽曲を遊技者に選択させながら、大当りを進行す
ることができる。また、遊技機10は、大当りにおける具体的なラウンド数を遊技者に案
内することなく、大当り中のラウンド進行を遊技者に感得させることができる。
なお、大当り種別は、特図1ゲームにおける当りの導出(第1の当りルート)と、特図
2ゲームにおける当りの導出(第2の当りルート)と、第2種ゲームにおける当りの導出
(第3の当りルート)とで、それぞれ異なるものとしてもよい。
図99(1)に示す表示画面525は、1回目の「選択曲と対応ムービー演出」に対応
する演出表示画面である。表示画面525は、演出案内511と、発射方向案内512と
、ラウンド案内516と、当り回数案内519と、獲得賞球案内520と、楽曲案内52
1と、楽曲歌詞案内522と、対応ムービー526とを表示内容に含む。
楽曲案内521は、当り中に音出力する楽曲を案内する。楽曲歌詞案内522は、楽曲
の演奏に協調して選択中の楽曲の歌詞を案内する。対応ムービー526は、楽曲の演奏に
対応するムービーを表示する。ラウンド案内516は、ラウンド進行に対応して濃色の花
弁517を淡色の花弁518に変更して表示することにより、演出ボーナスのラウンド進
行を案内する。たとえば、ラウンド案内516は、3ラウンドが進行し、残りが5ラウン
ドであることを案内する。なお、対応ムービー526は、演出要素513の1つである。
図99(2)に示す表示画面527は、エンディング演出に対応する演出表示画面であ
る。表示画面527は、発射方向案内512と、演出要素513と、当り獲得賞球案内5
28と、総獲得賞球案内529とを表示内容に含む。当り獲得賞球案内528は、1回の
当り中に獲得した獲得賞球数を表示する。総獲得賞球案内529は、連続して発生した当
り中に獲得した獲得賞球数を表示する。なお、当り獲得賞球案内528や総獲得賞球案内
529は、大入賞口入賞にもとづく賞球だけを積算対象としてもよいし、一般入賞口等入
賞にもとづく賞球を含めて積算対象としてもよい。
なお、遊技機10は、第2種ゲームにおいて導出した当り演出を実行中に特図1ゲーム
あるいは特図2ゲームの進行を中断していて、かつ中断再開後に特図1ゲームあるいは特
図2ゲームの結果として当りとなる場合、第2種ゲームにおいて導出した当り演出(イン
ターバル演出や、エンディング演出を含む)において特図1ゲームあるいは特図2ゲーム
の結果として実行される当りを予告報知するようにしてもよい。
次に、表示装置41における普電サポート状態の表示画面(演出表示画面)について、
図100を用いて説明する。図100は、第5の実施形態の普電サポート状態における演
出表示画面の一例を示す図である。
図100(1)に示す表示画面530は、普電サポート状態に対応する演出表示画面で
ある。表示画面530は、2組の飾り図柄(大図柄群501、小図柄群502)と、特図
1保留数表示503と、特図2保留数表示504と、保留表示505と、保留消化表示5
06と、演出案内531と、発射方向案内512とを表示内容に含む。演出案内531は
、普電サポート状態に対応する演出名(たとえば「普電サポート」)を案内する。
遊技機10は、右打ち遊技において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの
うち特図2変動表示ゲームを主体にして変動表示ゲームを実行する。ただし、遊技機10
は、右打ち遊技において、変動表示ゲームと2種ゲームとを同時実行する場合がある。
図100(2)に示す表示画面532は、普電サポート状態に対応する演出表示画面で
あって、変動表示ゲームと2種ゲームとを同時実行する場合の演出表示画面である。表示
画面532は、小図柄群502と、特図1保留数表示503と、特図2保留数表示504
と、保留表示505と、保留消化表示506と、演出案内531と、発射方向案内512
と、2種ゲーム案内533とを表示内容に含む。なお、遊技機10は、表示画面530で
表示していた大図柄群501に代えて、2種ゲーム案内533を表示する。
2種ゲーム案内533は、2種ゲームの遊技進行や遊技方法を案内する表示である。2
種ゲーム案内533は、2種ゲームの実行契機成立により表示される。たとえば、2種ゲ
ーム案内533は、始動口3スイッチ92bにおける遊技球の検出を契機にして表示され
る。2種ゲーム案内533は、遊技球イメージ534と、大入賞口2イメージ535を表
示内容に含み、第2特別変動入賞装置(大入賞口2)93への遊技球の入賞を狙うことを
遊技者に案内する。また、2種ゲーム案内533は、遊技球イメージ536と、大入賞口
2イメージ535と、振分装置イメージ537と、特定領域イメージ538とを表示内容
に含み、大入賞口2に入賞した遊技球が、振分装置93eを経て特定領域93f(V)に
入れば当り(大当り)となることを遊技者に案内する。
なお、2種ゲーム案内533は、2種ゲームの実行契機成立により表示されるとしたが
、作動口37fへの入賞契機で表示されるとしてもよい。
これにより、遊技機10は、特図変動表示ゲーム中であっても、2種ゲームの遊技を遊
技者に好適に案内できる。なお、遊技機10は、特図変動表示ゲームの進行案内を小図柄
群502により担保することができる。
次に、振分装置37dの制御と、振分装置37dの制御結果が与えるゲーム性について
図101を用いて説明する。図101は、第5の実施形態の普電内に備えられる振分装置
の制御と、その制御結果が与えるゲーム性の一例を示す図である。
図101(1)に示す振分装置37dは、振分装置37dを駆動する振分ソレノイド3
7cがオンの状態を示す。振分ソレノイド37cがオンのとき、振分装置37dは、普通
変動入賞装置37に入賞した遊技球を作動口37eに振り分ける。作動口37eに振り分
けられた遊技球は、特図2変動表示ゲームの始動契機を与える変動入賞装置91を閉状態
から開状態に変化させる。
図101(2)に示す振分装置37dは、振分装置37dを駆動する振分ソレノイド3
7cがオフの状態を示す。振分ソレノイド37cがオフのとき、振分装置37dは、普通
変動入賞装置37に入賞した遊技球を作動口37fに振り分ける。作動口37fに振り分
けられた遊技球は、第2種ゲームの始動契機を与える変動入賞装置92を閉状態から開状
態に変化させる。
図101(3)は、普電ソレノイド37bと振分ソレノイド37cの制御状態を示す。
普電ソレノイド37bは、普図変動表示ゲームが当りを導出することにより普通変動入賞
装置37を閉状態から開状態に変化させる。普通変動入賞装置37は、普電ソレノイド3
7bがオフのときに閉状態であり、普電ソレノイド37bがオンのときに開状態である。
普電ソレノイド37bは、普図変動表示ゲームが当りを導出したことにもとづいてタイミ
ングt0からタイミングt2までの期間TBでオンに制御され、タイミングt2からタイ
ミングt3までの期間TCをオフに制御される。遊技機10は、期間TBと期間TCから
なる期間TAを1回の普図ゲームの当り期間とし、タイミングt3を待って次の普図変動
表示ゲームを実行可能にする。
振分ソレノイド37cは、普図変動表示ゲームが当りを導出することにより所定動作を
開始する。振分ソレノイド37cは、タイミングt0からタイミングt1までの期間TD
を1周期とする。期間TDは、オン期間TEとオフ期間TFとを含む。期間TDは、オン
期間TEから始まり、オフ期間TFで終わる。振分ソレノイド37cは、普図ゲームの当
り期間中に普電ソレノイド37bと同期して3周期の動作をおこなう。
なお、振分ソレノイド37cは、普図ゲームの当り期間中に普電ソレノイド37bと同
期して動作するとしたが、非同期に動作するものであってもよい。たとえば、振分ソレノ
イド37cは、電源投入後の初期化処理終了後から定常動作をおこなうものとしてもよい
。また、振分ソレノイド37cは、普図ゲームの当り期間中に3周期の動作をおこなうと
したが、1周期、1周期未満、3周期に限らない2周期以上の動作をおこなうものであっ
てもよい。また、期間TEと期間TFは、同じ大きさであってもよいし、一方が他方に対
して大きいものであってもよい。
図101(4)に、振分装置37dによる作動口37e(作動口1)と作動口37f(
作動口2)の振分率を示す。振分装置37dは、普通変動入賞装置37に入賞した遊技球
を50パーセントの割合で作動口37eに振り分け、50パーセントの割合で作動口37
fに振り分ける。
図101(5)に、普電サポート回数(時短回数)が50回の時の普電サポート状態に
おける特図変動表示ゲーム(特図ゲーム)と第2種ゲーム(2種ゲーム)の期待作動回数
を示す。遊技機10は、時短回数が50回、すなわち普電サポート状態の終了条件が特図
ゲームの変動表示50回であることから、特図ゲームの期待作動回数(期待変動表示回数
)も50回となる。普電サポート状態中に、普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、
50対50の割合で作動口1と作動口2に振り分けられることから2種ゲームの期待作動
回数もまた50回となる。特図ゲームと2種ゲームのいずれも当り獲得機会となることか
ら、遊技機10は、時短回数50回にして100回の当り獲得機会を提供することができ
る。このような遊技機10は、普電サポート制御の終了条件達成に対する多様性を演出す
るとともに意外性を演出できる。
なお、遊技機10は、特図ゲームにより導出される当りと2種ゲームにより導出される
当りの価値を違えてもよい。また、特図1ゲームにより導出される当りと特図2ゲームに
より導出される当りの価値を違えてもよい。当りの価値は、当り中に獲得可能な賞球数の
他に、確率変動の有無や、確率変動がある場合の終了条件、普電サポートの有無、普電サ
ポートがある場合の終了条件等によって違えることができる。このような遊技機10は、
普電サポート制御の終了条件達成に対する多様性や意外性を演出するとともに、一層の興
趣向上を図ることができる。
次に、振分装置37dの制御と、振分装置37dの制御結果が与えるゲーム性の変形例
1について図102を用いて説明する。図102は、第5の実施形態の変形例1の普電内
に備えられる振分装置の制御と、その制御結果が与えるゲーム性の一例を示す図である。
図102(1)は、普電ソレノイド37bと振分ソレノイド37cの制御状態を示す。
普電ソレノイド37bは、普図変動表示ゲームが当りを導出することにより普通変動入賞
装置37を閉状態から開状態に変化させる。普通変動入賞装置37は、普電ソレノイド3
7bがオフのときに閉状態であり、普電ソレノイド37bがオンのときに開状態である。
普電ソレノイド37bは、普図変動表示ゲームが当りを導出したことにもとづいてタイミ
ングt0からタイミングt2までの期間TBでオンに制御され、タイミングt2からタイ
ミングt3までの期間TCをオフに制御される。遊技機10は、期間TBと期間TCから
なる期間TAを1回の普図ゲームの当り期間とし、タイミングt3を待って次の普図変動
表示ゲームを実行可能にする。
振分ソレノイド37cは、普図変動表示ゲームが当りを導出することにより所定動作を
開始する。振分ソレノイド37cは、タイミングt0からタイミングt3までの期間TA
を1周期とする。期間TAは、タイミングt0からタイミングt01までのオン期間TE
2とタイミングt01からタイミングt3までのオフ期間TF2とを含む。振分ソレノイ
ド37cは、普図ゲームの当り期間中に普電ソレノイド37bと同期して1周期の動作を
おこなう。オン期間TE2は、オフ期間TF2より小さい。また、オン期間TE2は、期
間TBより小さい。また、オン期間TE2は、期間TCより小さい。これにより、振分ソ
レノイド37cは、作動口1と作動口2の振分率に差を設けることを可能にしている。な
お、作動口1と作動口2の振分率の差は、オン期間とオフ期間の時間比によって設定でき
る他、オン期間とオフ期間の配置順序、普電ソレノイド37bのオン期間に占める期間や
位置(時間)との関係によっても設定できる。なお、振分ソレノイド37cは、普図ゲー
ムの当り期間中に普電ソレノイド37bと同期して動作するとしたが、非同期に動作する
ものであってもよい。
図102(2)に、振分装置37dによる作動口37e(作動口1)と作動口37f(
作動口2)の振分率を示す。振分装置37dは、普通変動入賞装置37に入賞した遊技球
を25パーセントの割合で作動口37eに振り分け、75パーセントの割合で作動口37
fに振り分ける。
図102(3)に、普電サポート回数(時短回数)が25回の時の普電サポート状態に
おける特図変動表示ゲーム(特図ゲーム)と第2種ゲーム(2種ゲーム)の期待作動回数
を示す。遊技機10は、時短回数が25回、すなわち普電サポート状態の終了条件が特図
ゲームの変動表示25回であることから、特図ゲームの期待作動回数(期待変動表示回数
)も25回となる。普電サポート状態中に、普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、
25対75の割合で作動口1と作動口2に振り分けられることから2種ゲームの期待作動
回数は75回となる。特図ゲームと2種ゲームのいずれも当り獲得機会となることから、
遊技機10は、時短回数25回にして100回の当り獲得機会を提供することができる。
このような遊技機10は、普電サポート制御の終了条件達成に対する多様性を演出すると
ともに意外性を演出できる。
なお、遊技機10は、特図ゲームにより導出される当りと2種ゲームにより導出される
当りの価値を違えてもよい。当りの価値は、当り中に獲得可能な賞球数の他に、確率変動
の有無や、確率変動がある場合の終了条件、普電サポートの有無、普電サポートがある場
合の終了条件等によって違えることができる。このような遊技機10は、普電サポート制
御の終了条件達成に対する多様性や意外性を演出するとともに、一層の興趣向上を図るこ
とができる。
次に、振分装置37dの制御と、振分装置37dの制御結果が与えるゲーム性の変形例
2について図103を用いて説明する。図103は、第5の実施形態の変形例2の普電内
に備えられる振分装置の制御と、その制御結果が与えるゲーム性の一例を示す図である。
図103(1)は、普電ソレノイド37bと振分ソレノイド37cの制御状態を示す。
普電ソレノイド37bは、普図変動表示ゲームが当りを導出することにより普通変動入賞
装置37を閉状態から開状態に変化させる。普通変動入賞装置37は、普電ソレノイド3
7bがオフのときに閉状態であり、普電ソレノイド37bがオンのときに開状態である。
普電ソレノイド37bは、普図変動表示ゲームが当りを導出したことにもとづいてタイミ
ングt0からタイミングt2までの期間TBでオンに制御され、タイミングt2からタイ
ミングt3までの期間TCをオフに制御される。遊技機10は、期間TBと期間TCから
なる期間TAを1回の普図ゲームの当り期間とし、タイミングt3を待って次の普図変動
表示ゲームを実行可能にする。
振分ソレノイド37cは、普図変動表示ゲームが当りを導出することにより所定動作を
開始する。振分ソレノイド37cは、タイミングt0からタイミングt3までの期間TA
を1周期とする。期間TAは、タイミングt0からタイミングt02までのオン期間TE
3とタイミングt02からタイミングt3までのオフ期間TF3とを含む。振分ソレノイ
ド37cは、普図ゲームの当り期間中に普電ソレノイド37bと同期して1周期の動作を
おこなう。オン期間TE3は、オフ期間TF3とほぼ同じ大きさであるが、同時に普電ソ
レノイドがオンしている期間TBとの重複期間が大きい。また、オン期間TE3は、期間
TBより小さい。また、オン期間TE3は、期間TCより大きい。これにより、振分ソレ
ノイド37cは、作動口1と作動口2の振分率に差を設けることを可能にしている。なお
、作動口1と作動口2の振分率の差は、オン期間とオフ期間の時間比によって設定できる
他、オン期間とオフ期間の配置順序、普電ソレノイド37bのオン期間に占める期間や位
置(時間)との関係によっても設定できる。なお、振分ソレノイド37cは、普図ゲーム
の当り期間中に普電ソレノイド37bと同期して動作するとしたが、非同期に動作するも
のであってもよい。
図103(2)に、振分装置37dによる作動口37e(作動口1)と作動口37f(
作動口2)の振分率を示す。振分装置37dは、普通変動入賞装置37に入賞した遊技球
を75パーセントの割合で作動口37eに振り分け、25パーセントの割合で作動口37
fに振り分ける。
図103(3)に、普電サポート回数(時短回数)が75回の時の普電サポート状態に
おける特図変動表示ゲーム(特図ゲーム)と第2種ゲーム(2種ゲーム)の期待作動回数
を示す。遊技機10は、時短回数が75回、すなわち普電サポート状態の終了条件が特図
ゲームの変動表示75回であることから、特図ゲームの期待作動回数(期待変動表示回数
)も75回となる。普電サポート状態中に、普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、
75対25の割合で作動口1と作動口2に振り分けられることから2種ゲームの期待作動
回数は25回となる。特図ゲームと2種ゲームのいずれも当り獲得機会となることから、
遊技機10は、時短回数75回にして100回の当り獲得機会を提供することができる。
このような遊技機10は、普電サポート制御の終了条件達成に対する多様性を演出すると
ともに意外性を演出できる。
なお、遊技機10は、特図ゲームにより導出される当りと2種ゲームにより導出される
当りの価値を違えてもよい。当りの価値は、当り中に獲得可能な賞球数の他に、確率変動
の有無や、確率変動がある場合の終了条件、普電サポートの有無、普電サポートがある場
合の終了条件等によって違えることができる。このような遊技機10は、普電サポート制
御の終了条件達成に対する多様性や意外性を演出するとともに、一層の興趣向上を図るこ
とができる。
次に、振分装置37dの制御と、振分装置37dの制御結果が与えるゲーム性の変形例
3について図104を用いて説明する。図104は、第5の実施形態の変形例3の普電内
に備えられる振分装置の制御と、その制御結果が与えるゲーム性の一例を示す図である。
図104は、普電ソレノイド37bと振分ソレノイド37cの制御状態を示す。普電ソ
レノイド37bは、普図変動表示ゲームが当りを導出することにより普通変動入賞装置3
7を閉状態から開状態に変化させる。
普電ソレノイド37bは、普図変動表示ゲームが当りを導出したことにもとづいてタイ
ミングt0からタイミングt2までの期間TBでオンに制御され、タイミングt2からタ
イミングt3までの期間TCをオフに制御される。遊技機10は、期間TBと期間TCか
らなる期間TAを1回の普図ゲームの当り期間とし、タイミングt3を待って次の普図変
動表示ゲームを実行可能にする。
また、普電ソレノイド37bは、普図変動表示ゲームが当りを導出したことにもとづい
てタイミングt10からタイミングt12までの期間TBでオンに制御され、タイミング
t12からタイミングt13までの期間TCをオフに制御される。遊技機10は、期間T
Bと期間TCからなる期間TAを1回の普図ゲームの当り期間とし、タイミングt13を
待って次の普図変動表示ゲームを実行可能にする。
振分ソレノイド37cは、電源投入後の初期化処理終了後から定常動作をおこなう。振
分ソレノイド37cは、タイミングt4までをオン期間TE4とし、タイミングt4から
をオフ期間TF4とする。
すなわち、振分ソレノイド37cのオン期間TE4とオフ期間TF4とからなる1周期
は、普電ソレノイド37bの当り動作期間(期間TA)と比較して大きい。これにより、
遊技機10は、普通変動入賞装置37の開放タイミングに対する振分の予見性を高め、遊
技者の興趣を向上可能である。
次に、振分装置37dの変形例について図105を用いて説明する。図105は、第5
の実施形態の変形例4の普電内に備えられる振分装置の一例を示す図である。
図105(1)に示す振分装置540は、シーソータイプであり、遊技球を受け入れる
ごとに左右に傾動する。たとえば、振分装置540は、左に傾いた状態で遊技球を受け入
れたときに遊技球を作動口37fに振り分けるとともに、右方向に傾動する。そして、振
分装置540は、右に傾いた状態で遊技球を受け入れたときに遊技球を作動口37eに振
り分けるとともに、左方向に傾動する。これにより、振分装置540は、モータやソレノ
イド等のアクチュエータを用いることなく作動口37eと作動口37fとに1つずつ交互
に遊技球を振り分けることができる。
図105(2)に示す振分装置541は、モータにより一方向に回転駆動される6穴の
回転体である。振分装置541は、6穴のそれぞれで遊技球を受け入れ可能にし、うち3
穴が遊技球を作動口37eに振り分け、その余の3穴が遊技球を作動口37fに振り分け
る。振分装置541は、穴の数、各穴の受け入れ率や、各穴の振分先をその形状により任
意に設定できる。そして、振分装置541の形状は、遊技者が感得可能であることから、
遊技球の振分に対する興趣を向上する。また、振分装置541は、モータの駆動態様を任
意に設定できる。振分装置541のモータは、一方向に定速回転するものであってもよい
し、あらかじめ定めた回転パターンを繰り返すものであってもよい。あらかじめ定める回
転パターンは、回転速度の切替や、回転方向の切替、一時停止等の組合せにより設定でき
る。
図105(3)に示す振分装置542は、遊技球が転動可能な皿に3つの振分穴を備え
る。振分装置542は、3つの振分穴のそれぞれで遊技球を受け入れ可能にし、うち1穴
が遊技球を作動口37eに振り分け、その余の2穴が遊技球を作動口37fに振り分ける
。振分装置542は、振分穴の数、各振分穴の受け入れ率や、各振分穴の振分先を任意に
設定できる。そして、振分装置542の形状は、遊技者が感得可能であることから、遊技
球の振分に対する興趣を向上する。
次に、表示装置41における普電サポート状態の表示画面(演出表示画面)の変形例に
ついて、図106を用いて説明する。図106は、第5の実施形態の変形例5の普電サポ
ート状態における演出表示画面の一例を示す図である。
表示画面545は、普電サポート状態に対応する演出表示画面であって、変動表示ゲー
ムと2種ゲームとを同時実行する場合の演出表示画面である。表示画面545は、小図柄
群502と、特図1保留数表示503と、特図2保留数表示504と、保留表示505と
、保留消化表示506と、演出案内531と、発射方向案内512と、当り機会案内54
6とを表示内容に含む。なお、遊技機10は、表示画面530で表示していた大図柄群5
01に代えて、当り機会案内546を表示する。
当り機会案内546は、特図ゲームにより獲得した当り機会(特図ゲーム実行回数、変
動表示回数)と2種ゲームにより獲得した当り機会(2種ゲーム実行回数、大入賞口2開
放回数)を案内する表示である。当り機会案内546は、普電サポート状態中に常時、ま
たは一時的に表示される。たとえば、当り機会案内546は、特図ゲーム実行ごと、かつ
2種ゲーム実行ごとに表示される。あるいは、当り機会案内546は、普電サポート終了
時に、普電サポート中の実績として表示されるものであってもよい。
当り機会案内546は、時短残り回数、時短消化回数、2種ゲーム実行回数、大入賞口
2入賞個数等を表示する。
これにより、遊技機10は、普電サポート状態において今までにない興趣を演出するこ
とができる。
なお、第5の実施形態において、第2種ゲームが非変動表示ゲームであるとして説明し
たが、変動表示を伴うものであってもよい。たとえば、遊技機10は、第2種ゲームの特
定領域への入賞を変動表示ゲームによって演出するようにしてもよい。より具体的には、
遊技機10は、大入賞口2への入賞検出により変動表示ゲームを実行し、特定領域への入
賞検出により変動表示ゲームの結果として当り態様を導出し、特定領域への入賞不検出に
より変動表示ゲームの結果としてはずれ態様を導出するようにしてもよい。また、遊技機
10は、第2種ゲームの特定領域への入賞後のラウンド数や普電サポート数の振分、確率
変動の有無、特別な演出の有無等を変動表示ゲームにより演出するようにしてもよい。
なお、第5の実施形態において、遊技機10は、第2種ゲームの特定領域への入賞によ
り、第1特別変動入賞装置(大入賞口1)38を遊技者に不利な状態から有利な状態に変
換するとしたが、第2特別変動入賞装置(大入賞口2)93を遊技者に不利な状態から有
利な状態に変換するものであってもよい。
なお、第5の実施形態において、遊技機10は、第2特別変動入賞装置(大入賞口2)
93を右側遊技領域32Rから入賞容易にしたが、左側遊技領域32Lから入賞容易にす
るものであってもよいし、右側遊技領域32Rと左側遊技領域32Lの両方から入賞容易
にするものであってもよい。
上述した第5の実施形態(変形例含む)の遊技機10は、一側面において以下のような
特徴を有する。
(1)遊技機(遊技機10)は、第1の変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の始
動契機を与える第1始動契機検出手段(始動口1、始動口1スイッチ36a)と、第2の
変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の始動契機を与える第2始動契機検出手段(始
動口2、始動口2スイッチ91b)と、第3の変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)の
始動契機を与える第3始動契機検出手段(普図始動ゲート34、ゲートスイッチ34a)
と、特定領域(特定領域93f)への入賞を狙うゲーム(第2種ゲーム、非変動表示ゲー
ム)の始動契機を与える第4始動契機検出手段(第2種始動口、始動口3スイッチ92b
)と、特定領域への入賞を検出する特定領域入賞検出手段(特定領域スイッチ93d)と
、遊技者に有利な状態と不利な状態とに変換可能な第1の変動入賞手段(大入賞口1、第
1特別変動入賞装置(電動役物)38)と、遊技者に有利な状態と不利な状態とに変換可
能な第2の変動入賞手段(普通変動入賞装置(電動役物)37)と、遊技者に有利な状態
と不利な状態とに変換可能な第3の変動入賞手段(大入賞口2、第2特別変動入賞装置(
電動役物)93)と、第2の変動表示ゲームの始動契機検出を容易な状態と困難な状態と
に変換可能な第4の変動入賞手段(変動入賞装置(非電動役物)91)と、ゲームの始動
契機検出を容易な状態と困難な状態とに変換可能な第5の変動入賞手段(変動入賞装置(
非電動役物)92)と、第1の変動表示ゲーム、第2の変動表示ゲーム、第3の変動表示
ゲーム、およびゲームを制御する制御手段(遊技制御装置100)と、を備える。第2の
変動入賞手段は、作動時(作動口37eへの振分)に、第4の変動入賞手段を第2の変動
表示ゲームの始動契機検出を困難な状態から容易な状態に変換するための第1の作動手段
(作動口37e)と、作動時(作動口37fへの振分)に、第5の変動入賞手段をゲーム
の始動契機検出を困難な状態から容易な状態に変換するための第2の作動手段(作動口3
7f)と、入賞した遊技球の振分により、第1の作動手段または第2の作動手段を作動さ
せる第1の振分手段(振分装置37d)と、を備える。第3の変動入賞手段は、特定領域
(特定領域93f)と特定領域と異なる非特定領域(非特定領域93g)とに入賞した遊
技球を振り分ける第2の振分手段(振分装置93e)を備える。制御手段は、第3の変動
表示ゲームの結果にもとづいて第2の変動入賞手段を遊技者に不利な状態から有利な状態
に変換し、ゲームの始動契機にもとづいて第3の変動入賞手段を遊技者に不利な状態から
有利な状態に変換し、第1の変動表示ゲームの結果(特図1ゲームにおける当りの導出、
第1の当りルート)、第2の変動表示ゲームの結果(特図2ゲームにおける当りの導出、
第2の当りルート)、または特定領域への入賞検出(第2種ゲームにおける当りの導出、
第3の当りルート)にもとづいて第1の変動入賞手段を遊技者に不利な状態から有利な状
態に変換する。(図85、図88参照)
(2) (1)の第4の変動入賞手段は、遊技球の入賞により、第2の変動表示ゲーム
の始動契機検出を容易な状態から困難な状態に変換し、第5の変動入賞手段は、遊技球の
入賞により、ゲームの始動契機検出を容易な状態から困難な状態に変換する。(図85、
図88参照)
(3) (1)の制御手段は、所定契機(当り終了)から第1の変動表示ゲームまたは
第2の変動表示ゲームが所定回数実行されるまでの間、遊技者にとって有利に第1の変動
表示ゲームまたは第2の変動表示ゲームを実行可能な特定状態(普電サポート状態、時短
状態、確率変動状態のうちのいずれか、またはその組合せ)に制御可能である。(図85
、図88参照)
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、実
施形態の遊技機が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプロ
グラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現され
る。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録し
ておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、
光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記憶装置には、ハードディス
ク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等がある。光ディスクに
は、DVD(Digital Versatile Disk)、DVD-RAM、CD(Compact Disk)-RO
M/RW(ReWritable)等がある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)
等がある。
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、C
D-ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの
記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュ
ータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログ
ラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納す
る。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに
したがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラム
を読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュ
ータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送され
るごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、A
SIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic De
vice)等の電子回路で実現することもできる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、開示した実施形態に示されるようなパチンコ
遊技機に限られるものではなく、たとえば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊
技機、雀球遊技機等の遊技球を使用するすべての遊技機、およびメダルを使用する遊技機
であるスロットマシンに適用可能である。
また、開示した実施形態はすべての点で例示されるものであって制限的なものではない
と考えられるべきである。また、上述の実施形態および変形例の各構成を組み合わせて適
用してもよい。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、
特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される
10 遊技機
41 表示装置
100 遊技制御装置
300 演出制御装置

Claims (1)

  1. 表示手段と、
    客待ち状態における客待ち演出表示と、遊技に関する設定変更操作を案内する設定変更操作表示とを前記表示手段に表示させる制御手段と、
    を含み、
    前記客待ち演出表示は、のめり込み注意喚起に関しない第1の情報を表示する第1の期間と、前記のめり込み注意喚起に関する第2の情報を表示する第2の期間とを含む期間を一周期として繰り返し表示可能であり、
    前記制御手段は、前記客待ち演出表示を表示しているとき、前記設定変更操作を受付可能状態にしながら、前記第1の期間において前記設定変更操作の受付前から前記第1の情報の視認性が低下するよう前記第1の情報に重ねて前記設定変更操作表示を前記表示手段に表示させ、前記第2の期間において前記設定変更操作の受付前にあっては前記設定変更操作表示を前記表示手段に表示させず前記設定変更操作の受付後から前記第2の情報の視認性が低下するよう前記第2の情報に重ねて前記設定変更操作表示を前記表示手段に表示させ、
    前記設定変更操作の終了検出後にあっては前記第2の期間において前記設定変更操作表示を非表示にして前記第2の情報を視認可能にして表示させ、
    前記客待ち演出表示の開始から所定期間経過で前記設定変更操作にもとづく設定変更を初期化する、
    遊技機。
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