JP6915848B2 - 味覚電気刺激装置 - Google Patents
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Description
<単発矩形波刺激による味覚増強効果の検証・比較>
(1−1)実験内容
従来の陰極電気刺激手法では、単発矩形波刺激が利用されてきた(図1(b))。本実験では、単発矩形波刺激の及ぼす味覚増強効果が、食事を通して味覚が増強できる持続時間を持つかどうかを検証することを目的とし、前記カウンター現象での継続的増強手法(i)に基づき、単発矩形波刺激の電流印加時間と、味覚増強効果の持続時間、増強強度との関係を調査する。
精製水を用いて作成した1.0%のNaCl水溶液を試料として用意した。被験者には、知覚した味強度に応じた変化をスライドバーにより表現させた。スライドバーは、中心部を試料濃度(1.0%)、左端を精製水、右端を3.0%のNaCl水溶液の呈する味強度とし、実験開始時に被験者にそれぞれを飲んで確認するように指示した。被験者に単発矩形波刺激(図1(b))を印加し、知覚した味強度に応じたスライドバーの操作を行わせた。刺激電流は電流量1.0mAで、印加時間は、0,25,50,100,500,1000,2000,3000,4000,5000(単位:ms)の10条件で検証した。1人の被験者に対して、各条件での試行を3回ずつ行った。実験参加者は、20代の男性5名であり、体に電気を流すことを実験前に十分に説明し、合意の上で実験を行った。
図3、図4に、単発矩形波刺激の電流印加時間に対する2つの増強効果の持続時間の平均値を示す。図3及び図4において、電流印加時間(横軸)は対数目盛である。図中の*は、Kruskal-Wallis ANOVAとScheffeの多重比較法により認められた有意差(p<.05)を示しており、エラーバーは標準誤差を示している。
図3〜図5より、印加中増強効果の持続時間が得られていないことから、単発矩形波刺激は電流印加中には塩味の増強を引き起こさないが、停止後増強効果では、味強度、持続時間ともに塩味の増強みられたため、電流印加停止後には塩味を増強することが示された。
<連続矩形波刺激による味覚増強効果の検証・比較>
(2−1)実験内容
実験Iから、単発矩形波刺激の及ぼす味覚増強効果である停止後増強効果の持続時間が短時間であり、食事を通しての継続的な塩味の増強は困難であることが確認された。そこで、実験IIでは、前記カウンター現象に則り、味覚の増強効果を断続的に引き起こすことで継続的な味覚増強効果を得る手法について検証する。実験IIでは、図1(c)に示すような周期的な連続矩形波刺激を用いたときに生じると考えられる味覚増強効果の、刺激周波数に対する持続時間と増強度を調査した。
精製水を用いて作成した1.0%のNaCl水溶液を試料として用意した。被験者には、知覚した味強度に応じた変化をスライドバーにより表現させた。スライドバーは、中心部を試料濃度(1.0%)、左端を精製水、右端を3.0%のNaCl水溶液の呈する味強度とし、実験開始時に被験者にそれぞれを飲んで確認するように指示した。被験者には、連続矩形波刺激を印加し、知覚した味強度に応じたスライドバーの操作を行わせた。刺激電流は電流量1.0mAで、刺激パターンの周波数条件を変えることで得られる増強効果に差異があると考えられるため、周波数条件として0,1,5,10,20,50,100,200,500,1000(単位:Hz)の10条件で効果を検証した。但し、周波数0Hzは、電流もゼロのコントロール条件を指す。なお、刺激時間は全条件共通で5000msである。1人の被験者に対して、各条件での試行を3回ずつ行った。実験参加者は、20代の男性5名であり、体に電気を流すことを実験前に十分に説明し、合意の上で実験を行った。なお、電極配置は実験Iの場合と同様である。
図6、図7に、連続矩形波刺激の周波数に対する2つの増強効果の持続時間の平均値を示す。なお、図6及び図7は、周波数軸(横軸)が対数目盛であり、図中の*は、Kruskal-Wallis ANOVAとScheffeの多重比較法により認められた有意差(p<.05)を示しており.**は、有意傾向(p < .1)を示している。また、エラーバーは標準誤差を示している。
実験IIにより、連続矩形波刺激が刺激印加中に塩味を増強すること(印加中増強効果)が示された。また、塩味の増強時間が最も長いのは20Hz程度の刺激であり、最も増強の強度が高いのは1Hz程度の刺激であった。
<連続矩形波刺激による味覚惹起の検証・比較>
(3−1)実験内容
実験IIIでは、周期的な連続矩形波刺激を用いたときに生じる味覚刺激の惹起及び強度を計測した。
フォークを電極として兼用したフォーク電極を陽極(A:フォーク陽極)、負極(B:フォーク陰極)として電気刺激を与えた場合、顎下132に電極を装着して陽極(C:顎下部陽極)、負極(D:顎下部陰極)として電気刺激を与えた場合における味覚惹起の確率と位置とを調査した。口腔内に1%の食塩水50mlを含み、5000ms、2.5mAの方形波(図1(c)参照)刺激を印加した。実験参加者は、20代の男性5名(被験者1〜5)であり、体に電気を流すことを実験前に十分に説明し、合意の上で実験を行った。
図11(a)に示すように、被験者1〜5の識別は必ずしも明確ではないものの、概ね、フォーク電極を陽極、陰極とした態様では、領域z1,z2に示すように、いずれも舌の先側で味覚惹起が認められた。また、顎下132に電極を装着した態様では、口腔内全域(舌中央〜喉の奥部)に亘って味覚惹起が認められた。また、図11(b)に示すように、フォーク電極の場合には、陰極(−)、陽極(+)双方において100%の味覚が惹起されたが、顎下132電極の場合も陰極(−)、陽極(+)に大きな差が見られなかった。全体として、いずれの場合にも、ほぼ味覚惹起が認められた。
<連続矩形波刺激による味覚惹起強度の検証・比較>
(4−1)実験内容
実験IVでは、周期的な連続矩形波刺激を用いたときに生じる味覚刺激の惹起及び強度を調査した。
ストローを利用して口腔内に1%の食塩水を含み、ストロー側が陰極となるように、5000ms、2.5mAの方形波(図1(c)参照)陰極刺激を印加した時の、電流印加中の味強度(ストロー印加中)、電流印加直後の味強度(ストロー印加後)と、口腔内に1%の食塩水50mlを含み、下顎が陰極電極からの電気刺激を5000ms間印加した時に被験者が感じた電流印加中の味強度(顎印加中)、電流印加直後の味強度(顎印加後)とをそれぞれ記憶して貰い、それらの味強度と等価な強度の食塩水を調整させたときの調整した試料の濃度を測定した。実験参加者は、20代の男性5名であり、体に電気を流すことを実験前に十分に説明し、合意の上で実験を行った。
図12に示すように、元の1%濃度に対して、「ストロー印加中」では半分程度の味覚刺激に抑制され、「ストロー印加後」では、1.5倍程度の味覚刺激に増強されたことが認められた。また、「顎印加中」では元の濃度と同等の味覚刺激であり、「顎印加後」では1.3倍程度の味覚刺激に増強されたことが認められた。なお、図中の*は、Kruskal-Wallis ANOVAとScheffeの多重比較法により認められた有意差(p<.05)を示しており、エラーバーは標準誤差を示している。
<下顎への刺激における周波数に対する印加中増強効果の持続時間の検証・比較>
実験Vでは、周期的な連続矩形波刺激を用いたときに生じる味覚刺激の惹起及び強度を調査した。実験内容及び実験方法は、実験IIと同様である。但し、陰極電極25は、(図10の陰極電極252参照)顎下132に装着され、刺激電流は電流量2.5mAとした。
21 刺激信号発生部
23 陽極電極(陽極)
25 陰極電極(陰極)
251,252,253 陰極電極(陰極)
Claims (9)
- 人体の後頭部及び頸部背側の一方の部位に装着される陽極と、
口腔及び下顎の一方の部位に設置される陰極と、
前記陽極と陰極との間に電気信号を印加する電気信号発生部とを備え、
前記電気信号は、前記口腔内で前記陽極と陰極との間にクーロン力を発生させる電気刺激と前記電気刺激の停止とを行う凸状波形を有する信号を所定の周波数で繰り返し出力するものである味覚電気刺激装置。 - 前記陰極は、舌に装着される請求項1に記載の味覚電気刺激装置。
- 前記陰極は、前記下顎に装着される請求項1に記載の味覚電気刺激装置。
- 前記陰極は、顎下に装着される請求項3に記載の味覚電気刺激装置。
- 前記陽極は、皮膚に接着されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の味覚電気刺激装置。
- 前記凸状波形は、矩形波である請求項1〜5のいずれかに記載の味覚電気刺激装置。
- 前記凸状波形は、三角波である請求項1〜5のいずれかに記載の味覚電気刺激装置。
- 前記電気信号発生部は、前記周波数の調整を可能とすることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の味覚電気刺激装置。
- 前記電気信号発生部は、前記凸状波形の振幅が調整可能である請求項1〜7のいずれかに記載の味覚電気刺激装置。
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