以下、添付の図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の実施の形態を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
情報処理装置100は、コピー機能、ファクス機能、プリント機能、スキャナ機能、また、入力画像(スキャナ機能による読み取り原稿や、プリンタ機能あるいはファクス機能により入力された画像)に画像処理を施す機能、入力画像を保存や配信する機能等を複合して有するいわゆるMFP(Multi Function Peripheral)と称される複合機である。なお、本実施形態において、情報処理装置100で処理される「画像」には画像データだけでなく、画像データが含まれていないデータ、つまりテキスト情報のみのデータも含むものとする。
図1を用いて情報処理装置100のハードウェア構成について説明する。図1に示すように、情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)1、ROM(Read Only Memory)2、RAM(Random Access Memory)3、HDD(Hard Disk Drive)4、外部記録媒体ドライブ5、エンジンI/F(Interface)6、および操作入力I/F7とが、コントローラーボード10上に搭載されている。さらに、これらはシステムバス15を介して相互に接続されている。
CPU1は、情報処理装置100の動作を制御する。すなわちCPU1は、RAM3をワークエリア(作業領域)としてROM2又はHDD4に格納されたプログラムを実行することで、情報処理装置100全体の動作を制御し、上述したコピー機能、スキャナ機能、ファクス機能、プリンタ機能などの各種機能を実現する。これらの各種機能の実行した動作(以降ジョブと呼ぶことがある)は、その都度、情報処理装置100の動作ログとしてHDD4に保存可能である。
なお、ROM2又はHDD4に格納されたプログラムは、コンピュータで処理可能なプログラムである。情報処理装置100の製造時や出荷時にROM2又はHDD4にインストールしてもよいし、販売後にインストールすることもできる。販売後にインストールする方法としては、プログラムが保存された外部記憶媒体を用い外部記憶媒体ドライブ5を介してインストールする方法や、無線LAN I/F14などを用いてネットワークを介してインストールする方法が可能である。
外部記録媒体ドライブ5は、外部記録媒体500とのインターフェースである。外部記憶媒体500は例えば、CD(Compact Disc)やDVD、SD(Secure Degital)メモリカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ等がある。情報処理装置100は、外部記録媒体ドライブ5を介して、外部記録媒体500の読み取りや書き込みを行うことができる。
エンジンI/F6はさらにエンジン部8に接続される。エンジン部8は、プリンタ機能、コピー機能、ファクス機能、などを実現させるための、汎用的な情報処理及び通信以外の処理を行うハードウェアである。すなわちプリンタ、コピー、ファクス,スキャナ等のハードウェアである。プリンタ機能は電子写真方式、インクジェット方式などが適用可能だが、これに限られない。その他印刷済み記録媒体を仕分けるフィニッシャや、原稿を自動給送するADF(Auto Document Feeder)のような特定のオプションを備えることもできる。エンジン部8はエンジンI/F6を介し、CPU1により制御される。情報処理装置100は、画像形成を行うエンジン部8を有しているため画像形成装置と呼ぶことも可能である。
操作入力I/F7はさらに、操作パネル9に接続される。操作パネル9は利用者の操作に応じた各種の入力を受け付けるとともに、各種の情報(例えば受け付けた操作を示す情報、情報処理装置100の動作状況を示す情報、情報処理装置100の設定状態を示す情報など)を表示する。操作パネル9は、一例としてタッチパネル機能を搭載した液晶表示装置(LCD:Liquid Cristal Display)で構成されるが、これに限られるものではない。例えばタッチパネル機能が搭載された有機EL(Electro−Luminescence)表示装置で構成されてもよい。さらに、これに加えて又はこれに代えて、ハードウェアキー等の操作部やランプ等の表示部を設けることもできる。操作入力I/F8を介し、CPU1により制御される。
情報処理装置100はさらに、電源として、主電源11を有している。主電源11は一例としてPSU(Power Supply Unit)からなり、エンジン部8、操作パネル9、コントローラーボード10など情報処理装置100内の各装置へ電力を供給する。各装置への電力供給は、CPU1が主電源11と各装置間のスイッチを制御して行う。
情報処理装置100はさらに、給電I/F12および給電スイッチ13を有している。給電I/F12は、主電源11の電力を外部装置に給電するインターフェースである。給電スイッチ13は主電源11の電力を給電I/F12へ供給するためのスイッチである。給電スイッチ13はシステムバス15に接続されており、CPU1により制御される。例えば主電源11から給電I/F12へは常時電源が供給されており、CPU1が給電スイッチ13のオン、オフを制御することで給電I/F12からの外部装置への給電を制御できる。
情報処理装置100はさらに、無線通信I/F14を有する。無線通信I/F14は、情報処理装置100の外部との無線通信を行う。無線通信I/F14はさらに、CPU141を有している。CPU141は、RAM3をワークエリアとしてROM2に格納されたプログラムを実行することで、少なくとも無線通信I/F14全体の動作を制御可能である。CPU141は、システムバス15を介して情報処理装置内100内の他のCPU、一例としてCPU1と協働して情報処理装置100を制御することも可能である。なお、無線通信I/F14がさらにRAM,ROMを有し、CPU141は無線通信I/F14内のRAMをワークエリアとして無線通信I/F14内のROMに格納されたプログラムを実行することで無線通信I/F14の動作を制御してもよい。
情報処理装置100は、外部との通信I/Fとして無線LAN I/F14を有しているが、有線通信のI/F、短距離(近距離と呼ばれることもある)通信I/Fも搭載可能である。
さらに、システムバス15に拡張メモリI/Fを接続することで情報処理装置100のメモリ容量を増設することも可能である。また、システムバス15に拡張USB I/Fを接続することで情報処理装置100においてUSBを用いることも可能である。
図2を用いて操作部200のハードウェア構成について説明する。操作部200は、汎用の携帯端末装置であり、かつ情報処理装置100と連動して、情報処理装置100の操作部として動作可能である。言い換えると情報処理装置100は操作部200を有する。
図2に示すように、操作部200は、CPU21と、ROM22と、RAM23と、入力手段24と、ディスプレイ25とを有する。これらはシステムバス29を介して相互に接続されている。入力手段24、ディスプレイ25を合わせて、一例としてタッチパネル機能を搭載した液晶表示装置(LCD:Liquid Cristal Display)で構成されるが、これに限られるものではない。例えばタッチパネル機能が搭載された有機EL(Electro−Luminescence)表示装置で構成されてもよい。入力手段24はさらに音声入力などで構成されていてもよい。
CPU21は、RAM23をワークエリアとしてROM22に格納されたプログラムを実行することで、操作部200全体の動作を制御し、携帯端末装置としての各種機能および情報処理装置100の操作部としての各種機能を実現する。
操作部200はさらに、電源としての二次電池26を有する。二次電池とは充電を行うことにより電力を蓄えて電池として繰り返し使用できる電池で、蓄電池、バッテリーなどともいう。
操作部200はさらに受電I/F27を有する。二次電池26は受電I/F27を介し、商用電源や情報処理装置100など、外部の電源から充電可能である。
操作部200はさらに無線通信I/F28を有し、情報処理装置100の外部との無線通信を行う。
さらに、システムバス29にBluetooth(登録商標) I/Fを接続することでBluetoothを利用した通信を行うことも可能である。Bluetooth以外でも適宜利用したい近距離無線I/Fを接続することが可能である。
さらに、フラッシュメモリなどのメモリや、有線通信機能、個人認証部、傾きセンサなどのセンサ類を有していてもよい。
図3は情報処理装置100および操作部200が行う無線LAN通信で使用されるパケットフォーマットの一例を説明する。
パケットフォーマットは、図3にあるようにプリアンブル、物理ヘッダ、IEEE802.11ヘッダ、データ、FCS(Frame Check Sequence)からなる。
プリアンブルは送信側と受信側で同期を取るための信号である。物理ヘッダは送信側の伝送速度が含まれた信号である。この情報により通信速度が決定される。
IEEE802.11ヘッダは、さらに以下の7項目のフィールドを有する。すなわち、フレームの種類、あて先、有線/無線などの情報を有するFrame Control、電波を使用する予定期間の情報であるDuration/ID、宛先MAC(Media Access Control)アドレスであるAddress1、送信元MACアドレスであるAddress2、アクセスポイントのMACアドレス、BSS(Business Support System)IDであるAddress3、送信データのシーケンス番号などの情報であるSequence Control、特に情報が含まれていないAddress4である。
データは、送信データのフィールドであり最大2Kバイトの情報である。FCSは、パケットのデータ誤りを検出するためのフィールドである。
図4を用いて、情報処理装置100と操作部200の利用形態について説明する。情報処理装置100はMFPとして、操作部200とは独立して機能することが可能である。操作部200は、汎用の携帯端末装置として情報処理装置100とは独立して機能することが可能である。情報処理装置100と操作部200とが連動して機能する際に、操作部200は情報処理装置100の操作部として機能する。また情報処理装置100と操作部200が連動して機能して、一つの情報処理装置としていうこともできる。操作部200の一例として図4でタブレット型携帯端末装置を示している。
情報処理装置100と操作部200が連動して機能するための通信手段としては、一例としてそれぞれの無線LAN I/F間で通信可能である。さらに社内LANなどのネットワーク接続には情報処理装置100、操作部200がそれぞれアクセスポイント300と通信できる。情報処理装置100と操作部200との間、又は、それぞれと社内LANなどのネットワーク接続に有線を使用することも可能である。
操作部200は、汎用携帯情報端末である。汎用携帯情報端末の機能として、ソフトウェアアップデートなどのデータを受信した場合は、データをダウンロードすると自動でインストールが開始される、いわゆる自動アップデートを行うものが知られている。操作部200は、情報処理装置100の操作部として機能している間も汎用携帯情報端末としてアクセスポイント300からデータを受信して自動アップデートが可能である。
また操作部200が前述のように二次電池26を有しているため、情報処理装置100は、実行する処理の一部に二次電池26の電力を使用することも可能である。その場合、主電源11の電力供給無しで実行する分、主電源11から供給される消費電力は少なくできる。
操作部200は、一例として図4に示すように情報処理装置100に設けられたクレードルTに置かれた状態で、情報処理装置100と連動して動作する。利用者はクレードルT上で操作部200を操作して使用できる。操作部として機能するトリガーの例としては、情報処理装置100および操作部200が互いに近距離無線通信により認証することや、その他の例としては、利用者が情報処理端末100と操作部200を有線接続し、情報処理装置100や操作部200から所定の入力を行うことでもよい。
また、操作部200がクレードルTに置かれた状態で、操作部200内部の二次電池26はクレードルTの一部に設けられた給電I/F12を介して情報処理装置100の主電源11から充電をうけることが可能である。給電I/F12と、図2に示した受電I/F27との間で適宜方式を選択すれば、有線、無線のいずれによる充電でもよい。
なお操作部200は、情報処理装置100から取り外し可能な操作部ということもできる。取り外し可能とは、上述のようにクレードルT上に置くなどして、情報処理装置100に無線または有線通信により両者が連動して機能する状態と、クレードルTから取り外して両者が連動していない状態とを、利用者が切り替え可能ということもできる。なお以降は特に断りのない限り、情報処理装置100と操作部200が連動した状態として説明を行う。
図5を用いて、第1の実施形態の情報処理装置100の電力状態の遷移を説明する。図5において、電力状態をモードと呼び、異なるモード間の状態遷移を矢印で示している。オフモードS1001は、主電源11がオフもしくは情報処理装置100の電源プラグからオフとなっている状態である。つまり情報処理装置100に通電が行われていない。オフモードS1001において利用者が主電源11をオンすると、主電源11から、情報処理装置100内の各種装置、一例としてはエンジン部8に電力が供給される。各種装置それぞれが必要なウォームアップを完了すると、情報処理装置100全体がウォームアップ完了し、印刷動作を含む通常動作が可能となる。この通常動作可能な状態に維持する電力を供給している状態を、レディモードS1002と呼ぶ。レディモードS1002は、外部端末装置等から情報処理装置100へのプリント指示を受けた際に、他のモードと比較して最も短い時間でプリント開始可能なモードということもできる。
レディモードにおいて情報処理装置100に対する動作指示があると、情報処理装置100は指示内容に従い動作を実行する。動作指示の具体例としては、プリント指示の受信、利用者による操作パネル9や操作部200、スキャナの操作等が挙げられる。動作指示の具体的内容によって、情報処理装置100が動作実行中には情報処理装置100内の各装置に必要な電力が供給されるが、動作実行中の電力モードは図5においては説明を省略する。
一方、レディモードにおいて夜間など、上述のような動作指示がない時間が続く場合がある。この場合、その時間の間、各種装置それぞれがウォームアップ完了した状態を維持するだけで電力を消費する。そこで情報処理装置100の省エネ化を目的として、情報処理装置100内の一部の装置への電力供給を止めることにより、レディモードよりも省電力でかつ動作指示を受け付け可能である省エネモードに遷移する。なお、省エネモードにおいて、少なくとも動作指示を受け付けるのに最小限の装置、およびCPU141には通電を行う。また、CPUへの通電は行わず、RAM3や、無線LAN I/F14に搭載させたRAM内に情報を維持してその他の装置の電源を落とす、いわゆるSuspend to RAMを利用して省エネを図ることも可能である。
情報処置装置100が省エネモードへの遷移する具体的な条件として、その時間が経過したら省エネモードに遷移する遷移時間をあらかじめ決めておいて、遷移時間が経過したことを条件に自動で遷移するよう、情報処理装置100に設定できる。また利用者が操作パネル9や操作部200を用いて省エネモードへ遷移をするように入力があったことを条件としてもよい。これらの遷移条件を満たすことを、情報処理装置100への遷移指示と呼ぶ。
なお、省エネモードとして最も消費電力が低い電力状態は、各種動作指示を受け付けてレディモードへの復帰を開始するために必要な最小限の装置にのみ通電した電力状態である。省エネモードの中でもこの最も電力状態の低い電力状態をスリープモードと呼ぶことがある。図5においては、省エネモードの例として、スリープモードS1003を示している。スリープモードS1003において、動作指示を受け付けるのに最小限の装置、およびCPU141には通電を行う。また、Suspend to RAMを利用して省エネを図ることも可能である。
スリープモードS1003において、利用者から情報処理装置100への動作指示を受け付けた場合、情報処理装置100が動作可能な状態まで復帰するために、電力供給を制限していた各装置に対し、電力供給が再開される。
ここで上述した各モードにおける、二次電池26に対する主電源11からの充電状態について述べる。まずオフモードS1001では、主電源11自体がオフであるため、充電を行うための供給元が無く、したがって充電は行われない。
レディモードS1002では情報処理装置100が通常動作可能なように情報処理装置100全体に通電された電力状態である。この時二次電池26への充電は、必要に応じて、つまり充電残量が少ない場合は自動的に充電したり、または利用者の指示に基づいて充電したりすることが可能である。
一方省エネモードは、情報処理装置100の省エネを目的にしているため、二次電池26への充電は行わない。つまり、省エネモードへの遷移前に二次電池26への充電を行っていた場合は、省エネモードへの遷移時に充電を切り、省エネモードへの遷移前に二次電池26への充電を行っていなかった場合は、省エネモードへの遷移後も充電を行わない状態を継続する。
このように省エネモードにおいては二次電池26に充電が行われないが、その間にも操作部200は省エネモードにおける情報処理装置100の操作部として機能するために必要な電力を消費する。また、操作部200は上述したように携帯情報端末としても機能するため、携帯情報端末として機能するために必要な電力、例えばソフトウェアアップデートなどのために電力を消費することがある。その結果、省エネモードにおいて二次電池26の残量が充電の必要な程度まで少なくなる場合が生じる。この時、レディモードに遷移すれば充電可能であるが、レディモードでは画像形成装置100内の各種装置に対しても主電源11から電力が供給される。そのため、実際は不要である各種装置に対する電力供給を行うこととなる。
そこで、本実施形態1では、省エネモードであるスリープモードS1003において操作部200の二次電池26の充電要否を判断し、充電が必要となった場合は充電モードS1004への遷移を行う。充電モードS1004とは、省エネモードであるスリープモードS1003で情報処理装置100が実行している動作に加え、操作部200の二次電池26への充電を実行しているモードである。充電モードS1004で二次電池26に充電が行われ、充電が完了すると、遷移する前の省エネモードに戻る遷移が実行される。
充電モードS1004における主電源11からの電力供給の消費電力は、省エネモードの消費電力に操作部200の二次電池26への充電に必要な消費電力を加えたものとなる。つまり省エネモードよりも、二次電池26への充電を行う分、消費電力は大きくなっている。しかしレディモードS1002に遷移して充電を行う場合と比較すると省エネの効果は十分に高い。なぜならレディモードS1002では、例えば消費電力が大きいエンジン部8にも通電を行うが、その分の電力だけでも汎用携帯情報端末である操作部200の二次電池26への充電と比較すると十分に大きい。したがって充電のためにレディモードに遷移するよりも、充電モードを設けて充電を行う方が、情報処理装置100全体の省エネになる。
次に図6を用いて情報処理装置100および操作部200の機能ブロック図を説明する。
情報処理装置100は、入力受付部110と、通信制御部120と、電力状態遷移部130と、時間計測部140と、給電判断部150とを有する。
入力受付部110は、操作パネル9の処理によって実現され、操作者に対し操作に必要な情報を表示し、操作者による各種入力を受け付ける機能を実行する。
通信制御部120は、無線LAN I/F14の処理によって実現され、プリント指示を受信したり、画像情報を外部へメール送信する。さらに、画像処理装置100に対する操作や各種設定変更を外部から受け付ける機能を実行する。
電力状態遷移部130は、CPU1がRAM3をワークエリアとしてROM2に格納されたプログラムを実行することで実現され、情報処理装置100で消費される電力を制御し、レディモード、省エネモード等の各電力状態への遷移を行う機能を実行する。
時間計測部140は、CPU1がRAM3をワークエリアとしてROM2に格納されたプログラムを実行することで実現され、経過時間を計測したり保存したりする機能を実行する。少なくとも情報処理装置100が省エネモードへ遷移した時からの経過時間を計測する機能を実行している。
給電判断部150は、CPU141がRAM3をワークエリアとしてROM2に格納されたプログラムを実行することで実現され、二次電池26への主電源11からの給電の実施を判断する機能を実行する。
給電判断部150はさらに、充電要否判断部151と、電池残量取得部152と、通信状況監視部153とを有する。充電要否判断部151は、操作部200の二次電池26に充電が必要かどうか判断する機能を実行する。電池残量取得部152は、操作部200から二次電池26の電池残量を取得する機能を実行する。
通信状況監視部153は、CPU141がRAM3をワークエリアとしてROM2に格納されたプログラムを実行することで実現され、操作部200の通信状況を監視する機能を実行する。一例として、操作部200が受信するデータと同じデータを受信することで操作部200とアクセスポイント300間の通信状況を監視する機能を実行している。
なお、無線LAN I/F14内にもRAM、ROMを有するハードウェア構成の場合は、一例として、電力状態遷移部130は、CPU1がRAM3をワークエリアとしてROM2に格納されたプログラムを実行することで実現され、給電判断部150は、CPU141が無線LAN I/F14内のRAMをワークエリアとして無線LAN I/F14内のROMに格納されたプログラムを実行することで実現されて、それぞれの機能を実行することも可能である。
次に、操作部200は、入力受付部210と、通信制御部220と、電池残量算定部230とを有する。
入力受付部210は、入力手段24,ディスプレイ25の処理によって実現され、操作者に対し操作に必要な情報を表示し、操作者による各種入力を受け付ける機能を実行する。
電池残量算定部230は、CPU21がRAM23をワークエリアとしてROM22に格納されたプログラムを実行することによって実現され、要求に応じて二次電池26の残量を算出し、返答する機能を実行する。一例として、無線LAN I/F28を介して情報処理装置100からの要求に応じて、二次電池26の電圧値や電流値に基づいて電池残量を算出し、算出した電池残量を返答する機能を実行している。
なお、ROM22に格納されたプログラムは、コンピュータで処理可能なプログラムである。操作部200の製造時や出荷時にROM22にインストールしてもよいし、販売後にインストールすることもできる。販売後にインストールする方法としては、プログラムが保存された外部記憶媒体を用いてインストールする方法や、ネットワークを介してインストールする方法が可能である。
次に、図7のシーケンス図を用いて、省エネモードへ遷移する際の、情報処理装置100および操作部200の動作について説明する。本シーケンスは、他モードから省エネモードへ遷移した際に実施される動作であり、レディモードから省エネモードへの遷移、充電モードから省エネモードへの遷移いずれの場合も行う。また装置の設計やユーザの設定によってその他の電力モードが存在すれば、その電力モードから省エネモードへの遷移の際に実施される。
まず、情報処理装置100の電力状態遷移部130は、情報処理装置100内に省エネモードへの遷移を通知する(s1)。充電要否判断部151は、省エネモードへの遷移時点の電池残量取得部152に操作部200の二次電池26の電池残量を取得するよう要求する(s2)。電池残量取得部152は、操作部200の電池残量算定部230にこの時点の電池残量を要求する(s3)。電池残量算定部230は、二次電池26の電池残量を算定し(s4)、電池残量取得部に回答する(s5)。電池残量取得部152は、充電要否判断部151に電池残量を回答すると(s6)、充電要否判断部151は回答である電池残量を保存する(s7)。なお省エネモードへの遷移時点とは、遷移と全く同時だけを意味するのではない。二次電池26の充電残量が大きく変化しない範囲で省エネモードへの遷移する前後の時点も含む。
次に図8のフローチャートを使用して、省エネモード遷移後の情報処理装置100の動作を説明する。
したがって、省エネモードへの遷移後、操作部200は情報処理装置100の操作部として二次電池26は放電を続ける。そこで所定時間経過ごとに、二次電池26の消費電力を算出する。
また、操作部200は情報処理装置100の操作部として、さらに汎用の携帯情報端末として、必要な通信のために二次電池26が電力を消費する。特に、ソフトウェアアップデートなどは大きな電力を消費する。したがって通信データ量を受信した場合にも消費電力量を算出する。
図8のフローチャートに沿って説明する。省エネモード遷移後も、少なくともCPU141には通電されており、充電要否判断部151は、所定時間経過ごとに通信状況監視部153が通信データを受信しているか確認する(s8、s9)。なお、CPU1に通電が行われていても良いが、少なくともCPU141に通電されていればよいため、CPU1に通電をしなければその分、主電源11からの給電による消費電力を減らすことが可能である。またSuspend to RAMを利用して省エネを図ることも可能である。
通信データを受信していれば、受信したデータのデータ量を加算し(s10)、現在の省エネモードに遷移してから操作部200が消費した消費電力を算出する(s11)。なお、s11における消費電力の算出アルゴリズムについては後述する。
次に、充電要否判断部151は、あらかじめ保存していた電池残量から、算出した消費電力量を差し引いた値を現状の電池残量とし、充電要否を判断する(s12)。すなわち電池残量が所定値以下である場合は充電要と判断する(s13)。この時、CPU1に通電が行われていない場合には、充電要否判断部151はCPU1への通電を指示する。その結果電力状態遷移部130による電力制御が再開する。電力状態遷移部130は、給電スイッチ13にオン信号を送信する。一方、s12で所定値より大きい場合は充電不要と判断し、省エネモードが継続する。なお、s12の詳細については後述する。
充電モードへ遷移後、主電源11による二次電池26への充電が完了すると(s14)、電力状態遷移部130は省エネモードへ戻る遷移を行う(s15)。具体的には給電スイッチ13から充電完了信号を受信したら給電スイッチ13をオフする。そうすることで元の省エネモードへと戻る遷移を行う。
ここで、ステップs11における操作部200の消費電力量の算出アルゴリズムの例を説明する。省エネモード遷移後の二次電池26の消費電力をWとすると、Wは式1で算出される。式1においてW1は、操作部200が情報処理装置100の操作部として省エネモードを維持するために二次電池26が消費した電力を表す。またW2は、操作部200がアクセスポイント300を介して行う通信のために二次電池26が消費した電力を表す。
W=W1+W2 …(式1)
W:二次電池26の総消費電力
W1:省エネモードを維持するために消費した電力
W2:通信のために消費した電力
W1は以下に示す式2で算出できる。t1は、省エネモード遷移後の経過時間を表す。前述したように、電力遷移制御部130の制御により情報処理装置100が省エネモードへ遷移した時から時間計測部140が時間を計測している。したがってt1は時間計測部140から取得できる。w1は、省エネモード時の二次電池26の時間当たりの消費電力を表す。w1は、操作部200が省エネモード時の画像処理装置100の操作部として動作した時の二次電池26の時間当たりの消費電力をあらかじめ計測し、その値を記憶して算出時に読み出すことができる。w1の他の例としては、省エネモード時の消費電力を例えば電力状態遷移部130が測定し、その測定結果を用いることもできる。
W1=t1×w1 …(式2)
t1:経過時間
w1:省エネモード時の時間当たり消費電力
W2は以下に示す式3で算出できる。t2は省エネモードになってからの操作部200の累積通信時間である。w2は、操作部200の通信時の二次電池26の時間当たりの消費電力を表す。
W2=t2×w2…(式3)
t2:累積通信時間
w2:通信時の時間当たり消費電力
t2はステップs9で受信し、ステップs10で加算した結果積算される通信データ量から算出する。つまり積算された通信データ量を所定の通信速度で通信完了できる時間を通信時間t2とすればよい。ここで所定の通信速度は一例として、操作部200で実行可能な通信の中で最も消費電力の大きい通信規格(例えばIEEE802.11ac)の通信速度をあらかじめHDD4等に記憶しておく。なお、所定の通信速度はこれに限定されず、操作部200の通信速度を例えば通信状況監視部153が測定し、その測定結果を用いることもできる。
またw2は操作部200の通信時の二次電池26の時間当たり消費電力である。一例として、操作部200で実行可能な通信の中で最も消費電力の大きい通信規格(例えばIEEE802.11ac)の通信速度で通信した場合における操作部200の時間当たりの消費電力をあらかじめHDD4等に記憶しておく。
なおW2の他の算出例としては、通信時間と消費電力とが対応づいたテーブルをあらかじめHDD4等に保存しておき、そのテーブルで決定してもよい。
また、消費電力量Wを式1を用いず算出する他の例として、通信時間と操作部200の動作と当該動作による通信時間とを紐付けたテーブルを、あらかじめHDD4等に保存しておき、そのテーブルを用いて動作を推定して充電可否を判断してもよい。
次に、図9を用いてステップs12を詳細に述べる。主に通信状況監視部153が実施するフローである。まず無線LAN I/F14のCPU141は、省エネモードにおいても動作可能に通電している。通信状況監視部153は、パケットを受信すると(s16)、受信したパケットを一旦蓄積し、宛先MACアドレスが操作部200のものかを確認する(s17)。操作部200のものであればパケットのデータフィールドのデータ量を充電可否判断部に通知する(s18)。操作部200のものでなければパケットを破棄する(s19)。ここで情報処理装置100は、操作部200と連動して動作するため、少なくとも操作部200のMACアドレスは記憶しているものとする。
以上のように第1の実施形態では、スリープモード時に少なくとも通信状況監視部153が機能できるように通電を行い、操作部200の通信を監視している。そして充電モードへの遷移を、操作部200が通信のために消費した電力に基づき、算出した二次電池26の充電残量を算出して充電要否を判断する。したがって夜間などに情報処理装置100が長時間省エネモードとなっている間、操作部200が自動アップデートなどの通信いために比較的消費電力が大きくなる処理を実行しても、途中で二次電池26の充電が無くなることで自動アップデートが中断することがないという効果が得られる。
一方、二次電池26の充電が十分な時は、二次電池26を使った処理を完了するために、必ずしも充電モードに遷移して充電する必要は無い。例えば通信が発生するたび、または自動アップデートを実施するたびに必ずしも充電を行う必要は無い。上述のように二次電池26の充電要否を判断しているため、不必要に充電モードに遷移して、操作部200の実行動作に時間がかかったりすることがない。
次に第2の実施形態を説明する。第1の実施形態で説明したように、省エネモードであるスリープモードは、動作指示を受け付け、レディモードへの復帰動作に必要な装置とCPU141のみ通電し、その他の装置には通電していない。したがってレディモードへ復帰するためには、通電していなかった各装置がウォームアップ完了するための時間が必要である。この復帰のための時間を少なくするために、省エネモードを複数設けて、情報処理装置100全体の省エネとレディモードへの復帰時間の速さを両立させる機器も知られている。
省エネモードの具体例について述べる。ディモード時の電力供給先である装置のうち、電力供給を止める装置の例として操作パネルを選び操作パネル9をオフすれば、操作パネル9で消費される電力が減る分、情報処理装置100全体で省電力できる。また操作パネル9への電力供給を完全に止めなくても、例えば液晶パネルであった場合、画面の明るさを減らすことでもその分消費電力は減らせる。
またエンジン部8が一例として静電潜像方式である場合、用紙上に付着したトナーに熱を加えて、用紙にトナーを定着させるための定着装置がある。省エネモードとしてレディモード時よりも定着装置の温度を低く保つよう設定したり、定着装置への電力供給を止めたりすれば、定着装置で消費される電力が減る分、やはり情報処理装置100全体で消費する電力を減らせる。
このように、情報処理装置100内部で電力供給を止める装置を選択したり、装置毎に段階的に消費電力を減らしたりすることで、省エネモードを複数設定できる。その結果、省エネとレディモードへの復帰時間の速さを両立させることができる。
図10を用い、第2の実施形態の電力状態遷移を説明する。なお第2の実施形態のハードウェア構成図、機能ブロック図、フロー図、シーケンス図は第1の実施形態および後述する第3の実施形態と共通であるため省略する。
第2の実施形態では省エネモードを複数、具体的には省エネモード1(S1007)と省エネモード2(S1008)の二段階設定している。レディモード(S1006)で情報処理装置100が遷移指示を受けると省エネモード1(S1007)へ、省エネモード1(S1007)で遷移指示を受けると省エネモード2(S1008)へとさらに遷移する。
省エネモード2(S1008)の方が省エネモード1(S1007)より消費電力が少ない。そのかわりレディモード(S1006)への復帰時間は省エネモード2(S1008)からの復帰の方が、省エネモード1(S1007)からの復帰時間より長くなる。
利用者の動作指示があると、省エネモード(S1007、S1008)からレディモード(S1006)に復帰する。また図示していないがオフモード(S1005)を除くすべてのモードにおいて、主電源がオフになるとオフモード(S1005)に遷移する。
第1の実施形態でも説明したように、省エネモードの中で最も省電力できるモードは、レディモードへの復帰に必要な各装置のみに通電しているスリープモードである。したがって図10においては省エネモード2がスリープモードにあたる。それに対し、省エネモード1を低電力モード、節電モードなどと、適宜スリープモードと区別して呼ぶこともある。
第1の実施形態と同様、省エネモード1(S1007)、省エネモード2(S1008)においては省エネのため二次電池26への充電は行わない。給電判断部150により充電が必要と判断されるとそれぞれ充電モード1(S1009)、充電モード2(S1010)に遷移し、充電が完了するとそれぞれ元の省エネモードに遷移する。
以上のように、第2の実施形態においては、省エネモードを複数設定しているため、第1の実施形態からさらに、省エネとレディモードへの復帰時間の速さを両立するという効果を有する。