JP6914546B2 - 遊技機 - Google Patents

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本発明は、パチンコ遊技機や回胴式遊技機(パチスロ遊技機)等に代表される遊技機に関する。
遊技機の一例としてパチンコ遊技機には、様々な制御手段が設けられている。下記特許文献1に記載されているように、制御手段として例えば、遊技の結果に及ぼす遊技制御処理を実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置のCPU等)や、遊技の進行に係る演出を制御可能な演出制御手段(演出制御装置のCPU等)がある。遊技制御手段は、遊技の進行に伴って、表示手段である特別図柄表示器にて遊技の結果を表示するようになっている。演出制御手段は、遊技の進行に伴って、表示手段である画像表示装置にて様々な演出画像を表示するようになっている。
特開2009−061160号公報
ところで、表示手段での表示は、当該表示手段の機能が正常であることが前提になっている。しかしながら、表示手段には故障や不具合等が生じることがあるため、常に正常であることが保証されているわけではない。そこで、遊技場の従業員等に表示手段が正常に機能することを確認させることが考えられるが、確認の際に特別な操作が必要になると、確認作業が煩雑になってしまう。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものである。すなわちその課題は、簡易的に表示手段が正常に機能するか否かを確認することが可能な遊技機を提供することにある。
本発明の遊技機は、
入賞口が設けられた遊技領域と、
前記遊技領域へ向けて発射された遊技球を用いて行われる遊技の結果に影響を及ぼす遊技制御処理を実行可能な遊技制御手段と、
前記遊技制御手段を実装する遊技制御部と、
前記遊技制御部に電源を供給可能な電源供給部と、
前記入賞口に遊技球が入賞した場合に、予め定められた賞球を払い出す払出手段と、
を備える遊技機において、
前記遊技領域を流下した遊技球の数に対して遊技者が獲得した賞球数の割合であるベースを表示可能な表示手段と、
所定の演出を制御する演出制御手段と、
を備え、
前記遊技制御手段は、
前記遊技制御処理を開始する前に所定の遅延処理を実行可能であり、
前記電源供給部により前記遊技制御部に電源が供給されると、前記表示手段の点灯部分の全てを点灯させて、前記表示手段が正常であることを示す初期表示を実行可能であり、
前記遅延処理を実行することで、前記演出制御手段の起動よりも前記遊技制御処理の実行を遅延させ、
前記初期表示を前記遅延処理の実行中に実行可能であり、
前記初期表示を実行している場合に、前記表示手段の点灯部分を全て消灯させて、前記初期表示を終了させることを特徴とする遊技機である。
本発明の遊技機によれば、簡易的に表示手段が正常に機能するか否かを確認することが可能である。
実施形態に係る遊技機の斜視図である。 同遊技機が備える遊技機枠の構造を示す斜視図である。 実施形態に係る遊技機の正面図である。 同遊技機が備える遊技盤の正面図である。 図4に示すA部分の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。 図2に示す内枠の斜視図である。 図6に示す内枠の分解斜視図である。 図7に示す内枠本体の下側部の拡大斜視図である。 図8のV1−V1線に沿った断面図である。 図9のV2−V2線に沿った断面図である。 下流側排出路と排出口センサと排出口とを示す断面図である。 (A)は段部により遊技球が球詰まりした状態を説明するための図であり、(B)は球詰まりした遊技球が崩れることを説明するための図である。 図1に示す遊技機枠を後方側から見たときの斜視図である。 図13に示す遊技制御基板と主基板ケースとの分解斜視図である。 図14に示す7セグ表示器の正面図である。 図15に示す7セグ表示器においてダイナミック点灯制御を説明するための図である。 同遊技機の遊技制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 同遊技機の演出制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 当たり種別判定テーブルである。 遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。 (A)は大当たり判定テーブルであり、(B)はリーチ判定テーブルであり、(C)は普通図柄当たり判定テーブルであり、(D)は普通図柄変動パターン選択テーブルである。 特図変動パターン判定テーブルである。 電チューの開放パターン決定テーブルである。 (A)は7セグ表示器における初期表示の際に全点灯している状態を示す図であり、(B)は7セグ表示器における初期表示の際に全消灯している状態を示す図である。 図24(A)に示す全点灯においてダイナミック点灯制御を説明するための図である。 主制御メイン処理のフローチャートである。 電源投入時処理のフローチャートである。 起動遅延処理のフローチャートである。 メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。 入力処理のフローチャートである。 出力処理のフローチャートである。 電源断監視処理のフローチャートである。 サブ制御メイン処理のフローチャートである。 受信割り込み処理のフローチャートである。 1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 第2形態において7セグ表示器での初期表示を説明するための図である。 第3形態において7セグ表示器での初期表示を説明するための図である。 第4形態において7セグ表示器での初期表示を説明するための図である。 第5形態において7セグ表示器での初期表示を説明するための図である。 第6形態において特図表示器での初期表示を説明するための図である。 第7形態においてサブ制御メイン処理のフローチャートである。 第7形態において起動遅延処理のフローチャートである。 第7形態において画像表示装置での初期表示を説明するための図である。
1.遊技機の構造
本発明の実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として説明する。
図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2を備えている。遊技機枠2は、図2に示すように、外枠22と内枠21と前扉23(前枠)とを備えている。外枠22は、パチンコ遊技機PY1の外郭部を形成する縦長方形状の枠体である。内枠21は、外枠22の内側に配置されていて、後述の遊技盤1を取付ける縦長方形状の枠体である。前扉23は、外枠22及び内枠21の前面側に配置されていて、遊技盤1を保護する縦長方形状のものである。前扉23は、遊技者に正対する部分であり、種々の飾り付けがなされている。
遊技機枠2は、左端側にヒンジ部24を備えて構成されている。このヒンジ部24により、前扉23は、外枠22及び内枠21に対してそれぞれ回動自在になっていて、内枠21は、外枠22及び前扉23に対してそれぞれ回動自在になっている。前扉23の中央には開口部23aが形成されていて、遊技者が後述の遊技領域6を視認できるように透明の透明板23tが開口部23aに取付けられている。透明板23tは、本形態ではガラス板であるが、透明な合成樹脂板であってもよい。すなわち、透明板23tは、前方から遊技領域6を視認可能なものであればよい。
この遊技機枠2の内枠21には、その内枠21が外枠22に対して開放(回動)していることを検出可能な枠開放センサ(枠開放検出手段)2aが設けられている。そのため、内枠21が外枠22に対して閉鎖しているときには、枠開放センサ2aが内枠21の開放を検出していない状態(OFF状態)になる。一方、内枠21が外枠22に対して開放しているときには、枠開放センサ2aが内枠21の開放を検出している状態(ON状態)になり、ON状態を示す検出信号を出力する。以下では、内枠21の外枠22に対する開放を、遊技機枠2の開放として説明することがある。
本形態の枠開放センサ(枠開放検出手段)2aは、フォトスイッチ(フォトセンサ)である。しかしながら、押しボタンとスプリングとによって物理的な接触を検出するスイッチや、圧力スイッチ(圧力センサ)、近接スイッチ(近接センサ)等であっても良く、適宜変更可能である。なお枠開放検出手段は、内枠21の外枠22に対する開放を検出するものに限られるわけではない。例えば、前扉23の内枠21に対する開放を検出するものであっても良く、内枠21の外枠22に対する開放と、前扉23の内枠21に対する開放の両方を検出できるものであっても良い。また枠開放検出手段の配置箇所は、内枠21に限られるものではなく、外枠22や前扉23であっても良く、適宜変更可能である。
図1〜図3に示すように、前扉23には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル72k(遊技球打込手段)、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)34、及び打球供給皿34に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)35が設けられている。また前扉23には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン(入力部)40k及びセレクトボタン42kが設けられている。なおセレクトボタン(十字キー)42kは、上方向ボタンと下方向ボタンと左方向ボタンと右方向ボタンとによって構成されている。また前扉23には、装飾用の枠ランプ212及び音を出力するスピーカ(図1において不図示)が設けられている。
遊技機枠2には、図4に示す遊技盤1が取付けられている。図4に示すように、遊技盤1には、ハンドル72kの操作により発射された遊技球が流下する遊技領域6が、レール部材62で囲まれて形成されている。また遊技盤1には、装飾用の盤ランプ54が設けられている。また遊技領域6には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。なお遊技盤1は、前側に配されている板状部材と、後側に配されている裏ユニット(後述する各種制御基板、画像表示装置50、ハーネス等を取付けるユニット)とが一体化されたものである。
また遊技領域6の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置50(演出表示手段)が設けられている。なお画像表示装置は、有機EL表示装置などの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置50の表示画面50a(表示部)には、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄EZ(装飾図柄)の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄EZを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの演出図柄表示領域からなる。左演出図柄表示領域には左演出図柄EZ1が表示され、中演出図柄表示領域には中演出図柄EZ2が表示され、右演出図柄表示領域には右演出図柄EZ3が表示される。演出図柄EZはそれぞれ、例えば「1」〜「8」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置50は、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3の組み合わせによって、後述の第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bにて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特図表示器81aや第2特図表示器81bにより把握するのではなく、画像表示装置50にて把握する。なお、演出図柄表示領域の位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置50は、上記のような演出図柄EZを用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面50aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄EZのほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄EZ以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置50の表示画面50aには、後述の第1特図保留や第2特図保留の記憶数に応じて保留アイコンHA(演出保留画像)を表示する保留アイコン表示領域がある。保留アイコンHAの表示により、後述の第1特図保留表示器83aにて表示される第1特図保留の記憶数や、後述の第2特図保留表示器83bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域6の中央付近であって画像表示装置50の前方には、センター枠61(内側壁部)が配されている。センター枠61の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口11へと誘導可能なステージ61sが形成されている。またセンター枠61の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ61sへ遊技球を流出させるワープ61wが設けられている。またセンター枠61の上部には、上下動可能な盤可動体55kが設けられている。盤可動体55kは、表示画面50aの上方の原点位置から表示画面50aの中央と前後方向に重なる演出位置に移動可能なものである。
遊技領域6における画像表示装置50の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口11を備える第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動口11を、第1入球口や、固定入球口、第1始動入賞口、第1始動領域ともいう。また第1始動入賞装置11Dを、第1入球手段や、固定入球手段、第1始動入賞装置ともいう。第1始動口11への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また遊技領域6における第1始動口11の下方には、第2始動口12を備える普通可変入賞装置(普通電動役物いわゆる電チュー)12Dが設けられている。第2始動口12を、第2入球口や、可変入球口、第2始動入賞口、第2始動領域ともいう。電チュー12Dを、第2入球手段や、可変入球手段、第2始動入賞装置ともいう。第2始動口12への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。
電チュー12Dは、開状態と閉状態とをとる電チュー開閉部材12k(入球口開閉部材)を備え、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12を開閉するものである。電チュー開閉部材12kは、後述の電チューソレノイド12sにより駆動される。電チュー開閉部材12kが開状態にあるときには、第2始動口12への遊技球の入球が可能となり、閉状態にあるときには、第2始動口12への遊技球の入球が不可能となる。つまり、第2始動口12は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チューは、電チュー開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口への入球を不可能とするものでなくてもよい。
また、遊技領域6における第1始動口11の右方には、大入賞口14を備えた大入賞装置(特別電動役物)14Dが設けられている。大入賞口14を、特別入賞口ともいう。また大入賞装置14Dを、アタッカー(AT)や、特別入賞手段、特別可変入賞装置ともいう。大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とをとるAT開閉部材14k(特別入賞口開閉部材)を備え、AT開閉部材14kの作動により大入賞口14を開閉するものである。AT開閉部材14kは、後述のATソレノイド14sにより駆動される。大入賞口14は、AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
また、センター枠61の右方には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。ゲート13を、通過口や通過領域ともいう。ゲート13への遊技球の通過は、電チュー12Dを開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域6の下部には、複数の一般入賞口10が設けられている。また遊技領域6の最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6外へ排出するアウト口19が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域6には、左右方向の中央より左側の左遊技領域6L(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域6R(第2遊技領域)とがある。左遊技領域6Lを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域6Rを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機PY1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口11と、一般入賞口10、電チュー12Dと、アウト口19とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口11や一般入賞口10への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲートは配されていないため、左打ちをしている場合に電チュー12Dが開放されることはない。
一方、第2流路R2上には、ゲート13と、一般入賞口10と、大入賞装置14Dと、電チュー12Dと、アウト口19とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート13への通過や、一般入賞口10、第2始動口12、及び大入賞口14への入賞を狙うことができる。
また図4に示すように、遊技盤1の右下部には表示器類8が配置されている。表示器類8には、図5に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特図表示器81a、第2特別図柄を可変表示する第2特図表示器81b、及び、普通図柄(普図)を可変表示する普図表示器82が含まれている。第1特別図柄を、第1特図又は特図1ともいい、第2特別図柄を第2特図又は特図2ともいう。また、普通図柄を普図ともいう。
また表示器類8には、第1特図表示器81aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器83a、第2特図表示器81bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器83b、および普図表示器82の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器84が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(特図)ということがある。また、第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bを総称して特図表示器81ということがある。また、第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83bを総称して特図保留表示器83ということがある。また第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。
特図表示器81では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口14を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口の開放パターンについては後述する。
具体的には特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報、判定用情報)は、後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。詳細には、第1始動口11への入賞であれば第1特図保留として、後述の第1特図保留記憶部105aに記憶され、第2始動口12への入賞であれば第2特図保留として、後述の第2特図保留記憶部105bに記憶される。各々の特図保留記憶部105に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ「4」となっている。
特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器83に表示される。具体的には特図保留表示器83はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート13への遊技球の通過を契機として行われる。普図表示器82では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口12を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口12の開放パターンについては後述する。
具体的には普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており(図5参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、後述の普図保留記憶部106に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は「4」となっている。
普図保留記憶部106に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器84に表示される。具体的には普図保留表示器84は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。
2.内枠の構成及び排出口センサの配置
次に図6〜図13に基づいて、内枠21を詳細に説明する。内枠21は、図6に示すように、内枠本体21aと、発射機構21bと、施錠装置21cとを備えている。内枠本体21aは、図7に示すように、枠状に形成されていて、下側に発射機構21bを取付ける下側部21fを有し、右下側に施錠装置21cを有している。また内枠本体21aは、後方(裏側)に透明な合成樹脂材で構成された裏ケース21kを有している。発射機構21bは、遊技球を遊技領域6に向けて発射させるための機構であり、前方側に発射機構本体21dを有し、後方側に取付プレート21eを有している。発射機構本体21dは、取付プレート21eを介して内枠本体21aの下側部21fに取付けられている。
施錠装置21cは、遊技機枠2の閉鎖状態を維持するものである。つまり、施錠装置21cによって、内枠21の外枠22に対する閉鎖状態が維持されると共に、前扉23の内枠21に対する閉鎖状態が維持される。施錠装置21cに対して鍵を差し込んで、時計方向に回すと、内枠21の外枠22に対する閉鎖状態が解除され、反時計方向に回すと、前扉23の内枠21に対する閉鎖状態が解除されるようになっている。
ここで、図8は、図7に示す内枠本体21aの下側部21fの拡大斜視図である。下側部21fは、上側に左右方向に長く開口している落下進入部21gを有している。落下進入部21gは、遊技領域6に打込まれた遊技球が遊技盤1外へ排出された際に、それらの遊技球を進入させる部分である。つまり、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、一般入賞口10の各種入賞口に入賞した遊技球と、アウト口19に進入した遊技球は、遊技盤1外へ流下して、全て落下進入部21gに進入するようになっている。
ここで、図9は、図8のV1−V1線に沿った断面図である。内枠本体21aの下側部21fは、内部に受け部21hと流入口21jと排出経路部25(排出通路)とを有している。受け部21hは、落下進入部21gに進入した遊技球を受け止める部分であり、左右方向に長く形成されている。そして、受け部21hは、流入口21jに向かって斜め下方に傾斜した傾斜面になっていて、受け止めた遊技球を全て流入口21jに向かわせる。流入口21jは、内枠本体21aの左右方向のほぼ中央に設けられていて、上下方向に開口している。そして流入口21jは、流入した遊技球を全て排出経路部25に向かわせる。こうして、遊技領域6に打込まれた遊技球は、各入賞口に入賞する又はアウト口19に進入した後に、内枠本体21aの下側部21fの内部にて、落下進入部21g、受け部21h、流入口21jを通って、全て排出経路部25に向かうことになる。
ここで、図10は、図9のV2−V2線に沿った断面図である。排出経路部25は、進入した遊技球を当該パチンコ遊技機PY1の外側へ排出するまでの経路である。排出経路部25は、図10に示すように、後方側に後壁部27を有し、上側に上壁部28を有し、下側に下壁部29を有している。また排出経路部25は、図9に示すように前側に前壁部26を有している。こうして、図10に示すように、排出経路部25の上流側では、前壁部26(図9参照)と後壁部27と上壁部28(後述する上流側壁部28a)と下壁部29とによって囲まれた上流側排出路Q1が形成されている。
上流側排出路Q1において、前壁部26と後壁部27との前後方向の距離は(間隔)、遊技球の直径(11mm)よりも僅かに大きい長さ(例えば13mm)である。つまり前壁部26と後壁部27との前後方向の距離は、遊技球の直径の2倍の長さ(22mm)よりも小さい。従って、上流側排出路Q1では、遊技球が前後方向において2つ並ぶことがないようにしている。
図9に示すように、前壁部26のうち上流側排出路Q1に対応する部分では、蛇行している前側蛇行壁部26aが形成されている。即ち、前側蛇行壁部26aには、下流側(左側)に向かうに従って、前方側に湾曲している部分と、後方側に湾曲している部分とが交互に形成されている。また図10に示すように、後壁部27のうち上流側排出路Q1に対応する部分では、蛇行している後側蛇行壁部27aが形成されている。即ち、後側蛇行壁部27aには、下流側に向かうに従って、前方側に湾曲している部分と、後方側に湾曲している部分とが交互に形成されている。これら前側蛇行壁部26aと後側蛇行壁部27aとは、前後方向に略平行に配されている。
こうして上流側排出路Q1において、前側蛇行壁部26a及び後側蛇行壁部27a(蛇行部)によって、流下する遊技球を蛇行させることが可能である。よって、上流側排出路Q1に勢い良く遊技球が流れ込んできても、遊技球の流下速度を減少させることが可能である。つまり、上流側排出路Q1には、様々な流下速度で遊技球が流れ込んでくるものの、前側蛇行壁部26a及び後側蛇行壁部27aによって各遊技球の速度をほぼ一定速度まで減速させて均すことが可能である。
上壁部28は、図10に示すように、主に流入口21jから左斜め下方に延びるように形成されている。そして上壁部28は、右側(上流側)に上流側壁部28aを有し、左側(下流側)に下流側壁部28bを有し、上流側壁部28aと下流側壁部28bとの間に、段差状の段部28cを有している。上流側壁部28aは、上流側から下流側に向かって下方へ直線状に傾斜している。下流側壁部28bは、上流側から下流側に向かって下方へ円弧状に湾曲している。
下壁部29は、図10に示すように、流入口21jから下流側に向かって円弧状に湾曲していて、湾曲している部分の下端から下流側に向かって僅かに下方へ傾斜した直線状になっている。そして下壁部29は、直線状に傾斜している部分の下端から屈曲して、下方に延びる下流部29aを有している。
図10において、下流側排出路Q2を流下する遊技球は、図10の矢印で示す方向(後方)に向かう。図10の矢印で示す方向と、図11の矢印で示す方向とは、同じ方向(後方)である。図11に示す下流側排出路Q2は、上述した下壁部29の下流部29aと、前側L字壁部31と、後側L字壁部32と、図示しない左側壁部とに囲まれている。前側L字壁部31は、略L字状に曲がっていて、上端にて上述した前壁部26と一体になっている。また後側L字壁部32は、略L字状に曲がっていて、上端にて上述した後壁部27に一体的になっている。
下流側排出路Q2は、その断面を構成する任意(全て)の一辺が、遊技球の直径(11mm)以上であって、且つ遊技球の直径の2倍の長さ(22mm)よりも短くなるように構成されている。つまり、下流側排出路Q2の断面積は、遊技球の断面積よりも僅かに大きく、遊技球が同時に2球以上通過できない断面積になっている。従って、下流側排出路Q2(通過部)において、遊技球は1球ずつしか流下(通過)できないようになっている。
下流側排出路Q2の下端には、パチンコ遊技機PY1外へ遊技球を排出する排出口33が設けられている。そして排出口33には、排出口33を通過する遊技球を検出可能な排出口センサ30a(排出球検出手段)が設けられている。排出口センサ30aは、電磁式のスイッチである近接スイッチで構成されている。具体的に、排出口センサ30aは、高周波発振回路を有し、高周波発振回路の検出コイルのインピーダンスの変化によって金属体(遊技球)を検出するものである。なお、排出口センサ30aは、電磁式のスイッチである近接スイッチに限られるものではなく、光学式のフォトセンサや、機械式のスイッチ(マイクロスイッチ)等であっても良い。
本パチンコ遊技機PY1では、下流側排出路Q2において1球ずつ遊技球が流下していく。そして、遊技球が排出口33から1球ずつ当該パチンコ遊技機PY1の外部(遊技機島の設備等)へ排出される。このときに、排出口センサ30aにより、排出口33を通過する遊技球を1球ずつ検出することが可能である。ここで、排出口33を通過する遊技球は、各種入賞口(第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、一般入賞口10)に入賞した遊技球、又はアウト口19に進入した遊技球であって、言い換えれば、遊技領域6に打込まれた全ての遊技球(発射球数)である。こうして、内枠本体21aの下側部21fに設けた1つの排出口センサ30aにより、発射球数を1球ずつ精度良く検出することが可能である。なお、遊技領域6に打込まれた全ての遊技球の数は、総発射球数と呼ぶこともできる。また、パチンコ遊技機PY1外に排出される全ての遊技球の数と同じことであるため、排出球数、総排出球数、アウト球数と呼ぶこともできる。
図12(A)(B)に基づいて、上壁部28に段部28cが設けられている理由について説明する。段部28cは、2球以上の遊技球が同時に通過することを規制して、当該段部28cよりも下流側(下流側排出路Q2)では遊技球を1球ずつ通過させるためのものである。段部28cは、略直角の角部分を形成するように段差状になっていて、この段部28cにより、上流側壁部28aが下流側壁部28bよりも高くなっている。
上流側排出路Q1(段部28cよりも上流側)では、上下方向の長さが遊技球の直径の2倍(22mm)以上になっている。例えば図12(A)に示すように、上流側排出路Q1の所定部分SBでは、上下方向の長さH1が24mmになっている。そのため、上流側排出路Q1のうち段部28cよりも上流側では、図12(A)に示すように、遊技球が上下方向において2つ並ぶことがあり得る。つまり、下側の遊技球J1に対して上側の遊技球J2が乗り上がることがあり得る。なお上述したように、上流側排出路Q1では、遊技球が前後方向において2つ並ぶことはない。
これに対して、上壁部28のうち段部28cが形成されている部分では、上下方向の長さH2が遊技球の直径の2倍(22mm)未満になっている。具体的に長さH2は、20mmである。従って、段部28cでは、遊技球が上下方向において2つ並ぶことがない(図12(A)参照)。なお段部28c及び下流側排出路Q2でも、遊技球が前後方向において2つ並ぶことがない。こうして排出経路部25では、段部28cを境に遊技球が1球ずつしか通過できないようにしている。即ち、段部28cを境に2条から1条にして、下流側排出路Q2では遊技球が1球ずつ流下(通過)するようにしている。
ところで本形態では、図12(A)に示すように、下側の遊技球J1と上側の遊技球J2とが上下方向に並んだときに、上側の遊技球J2が段部28cの角に当接して、球詰まり(球噛み)が生じるおそれがある。しかしながらこれは問題にならない。即ち、図12(B)に示すように、球詰まりが生じていても、上流(後ろ)から流下してきた遊技球J3が下側の遊技球J1に当接する。これにより、下側の遊技球J1が下流側に押されて、球詰まりを解消できるからである。
こうして、段部28cが形成されていることで、軽度の球詰まりが生じ得るものの、重度の球詰まりを確実に防止することができる。即ち、段部28cを形成しないで、例えば排出経路部25の断面積が徐々に小さくなる流路を設ける構成が考えられる。この構成の場合、球詰まりが生じたときに、設計開発者の意図しない状態で遊技球が固定されるおそれがある。そうなると、上流から流下してきた遊技球が当接したとしても、球詰まりが解消しない可能性がある。
そこで本形態では、球詰まりが生じたときには、図12(A)に示すように、上側の遊技球J2が下側の遊技球J1に乗り上げて、上側の遊技球J2が段部28cの角に当接した状態が積極的に作られるようにしている。これにより、設計開発者の意図しない状態で遊技球が固定されるのを回避している。そしてこの状態であれば、下側の遊技球J1には比較的大きな拘束力(固定力)が作用することにはならず、図12(B)に示すように、上流から流下してきた遊技球J3との当接で、球詰まりを解消し易くすることが可能である。以上により、段部28cによって、軽度の球詰まりを作っても、すぐに球詰まりを解消させることが可能である。
なお、排出経路部25では、遊技機枠2の裏側(後方側)にある貯留タンクと異なり、それほど多くの遊技球が一度に流れ込むわけではない。つまり、上流側排出路Q1には、およそ1分間に60球程度の遊技球が流下するのであって、上流側排出路Q1にある各遊技球に作用する圧力は、貯留タンクにある各遊技球に作用する圧力よりも少ない。よって、上述したように、段部28cによって球詰まりが生じても(図12(A)参照)、上側の遊技球J2と下側の遊技球J1とが、大きな力で固定されることはほぼ生じない。
特に本形態では、段部28cよりも上流側(上流側排出路Q1)において、前側蛇行壁部26a及び後側蛇行壁部27aにより、各遊技球の速度をほぼ一定速度まで減速させて、できるだけ1球ずつ段部28cの方へ流れ込むようにしている。こうして、段部28cに向かって、複数の遊技球が勢い良く流れ込むのを回避している。その結果、段部28cにて、大きな力で固定されるような球詰まりが生じるのを防ぐことが可能である。
3.ベースの表示
次に、図13〜図16に基づいて、ベースの表示について説明する。本形態では、後述する7セグ表示器150にてベースを表示可能である。ベース(特定値)は、遊技者が発射した遊技球の数である発射球数(総発射球数)に対して遊技者が獲得した賞球数(総賞球数)の割合のことである。7セグ表示器150にて、ベースを確認することで、本パチンコ遊技機PY1に不正な改造が施されていたり、故障や不具合が生じていることを把握することが可能である。
なお本形態において、ベースには3種類ある。通常遊技状態(非時短状態)でのベースと、時短状態(高確率状態且つ時短状態、又は低確率状態且つ時短状態)でのベースと、大当たり遊技状態でのベース(大当たり遊技の開始から終了までのベース)である。通常遊技状態でのベースは、通常遊技状態に限ってカウントされた発射球数に対する賞球数の割合である。時短状態でのベースは、時短状態に限ってカウントされた発射球数に対する賞球数の割合である。大当たり遊技状態でのベースは、大当たり遊技状態に限ってカウントされた発射球数に対する賞球数の割合である。こうして遊技状態毎に区切った各ベースを確認できることにより、全ての遊技状態に対するベースだけを確認できる場合に比べて、パチンコ遊技機PY1の異常をより正確に判断することが可能である。
図13は、図1に示す遊技機枠2を後方側から見たときの斜視図である。図13に示すように、内枠21の内部(遊技機枠2の裏側)には、後述する遊技制御基板100が配されている。遊技制御基板100は、遊技基板ケース107に収容されている。遊技基板ケース107は、遊技盤1の裏ユニット(図示省略)の後側に脱着可能に取付けられている。また遊技制御基板100よりも下方には、後述する払出制御基板170が配されている。払出制御基板170は、払出基板ケース171に収容されている。払出基板ケース171は、払出制御基板170を収容している状態で、内枠21の下側の後方部に脱着可能に取付けられている。
図14に示すように、遊技基板ケース107は、遊技制御基板100上の電子部品(集積回路等)の見通しを妨げないように透明な合成樹脂で構成されている。この遊技基板ケース107は、後方側に配される後方側ケース107aと、前方側に配される前方側ケース107bとによって2分割される構造である。遊技制御基板100の左下部(図14の右下)には、ベースを表示可能な7セグ表示器150(表示手段)が一体的に取付けられている。
図13に示すように、パチンコ遊技機PY1がホールに設置されている状態において、遊技機枠2が閉鎖(内枠21が外枠22に対して閉鎖)されていれば、遊技制御基板100及び7セグ表示器150を視認することが不可能である。これに対して、遊技機枠2を開放(内枠21を外枠22に対して開放)させれば、透明な裏ケース21k及び後方側ケース107aを介して、遊技制御基板100及び7セグ表示器150を視認することが可能である。こうして、7セグ表示器150で表示されるベースを確認するためには、内枠21(遊技機枠2)を開放させてから行うようになっている。
遊技制御基板100(遊技制御用マイコン101)は、後述する演出制御基板120等と異なり、試験において適正動作の検査対象になっている。つまり、遊技制御用マイコン101による制御処理は適正であることが保証されるようになっている。従って、遊技制御用マイコン101によってベースの表示が行われるのであれば、ベースの表示の信頼性が高い。要するに、ベースの表示自体が不正に行われるのを回避するために、7セグ表示器150を遊技制御基板100上に配して、ベースの表示を遊技制御用マイコン101に行わせている。その結果、ベースを確認する人に対して、信頼性のある情報としてのベースを把握させることが可能である。
図15に示すように、7セグ表示器150は、所謂4連7セグであり、合計で32個の点灯(発光)する部分を備えている。具体的に、7セグ表示器150は、左から右に向かって順番に、第1表示領域151と第2表示領域152と第3表示領域153と第4表示領域154とを備えている。そして4つの表示領域151、152、153、154は、それぞれ「0」〜「9」までの数字を表すことができるように、8個の点灯部分(LED素子)LB1〜LB8、LB9〜LB16、LB17〜LB24、LB25〜LB32を有している。なお4連7セグは市場に多く流通している流通品であるため、4連7セグ(7セグ表示器150)を用いることで、表示手段を安価に構成することが可能である。
次に、7セグ表示器150での表示について説明する。第1表示領域151では、通常遊技状態でのベース(以下「通常ベース」と呼ぶ)、又は時短状態でのベース(以下「時短ベース」と呼ぶ)をパーセント(百分率)で表示する場合の十の位の数字を表示させる。但し、通常ベース及び時短ベースは1(100%)を超えることがほぼあり得ないが、大当たり遊技状態でのベース(以下「大当たりベース(出玉率)」と呼ぶ)はほぼ1を超えることになる。従って、第1表示領域151では、大当たりベースをパーセントで表示する場合の百の位を表示させる。
第2表示領域152では、通常ベース又は時短ベースをパーセントで表示する場合の一の位の数字を表示させるのに対して、大当たりベースをパーセントで表示する場合の十の位を表示させる。なお、7セグ表示器150において、大当たりベースをパーセントで表示する場合の一の位を表示させることはない。大当たりベースのうち有効数字の3桁目まで確認するのはほとんど無意味であるためである。
第3表示領域153では、第1表示領域151及び第2表示領域152で表示しているベースが、通常ベースと時短ベースと大当たりベースの何れであるかを示すようになっている。本形態では、通常ベースを表示している場合には、第3表示領域153で「1」を表示する。また時短ベースを表示している場合には、第3表示領域153で「2」を表示する。また大当たりベースを表示している場合には、第3表示領域153で「3」を表示する。
第4表示領域154では、第1表示領域151及び第2表示領域152で表示しているベースが、有効値又は参考値のどちらであるかを示すようになっている。有効値又は参考値を示す意味は、ベースがある程度収束した値になっているか否かを示すことである。本形態では、電源が投入されてから現時点までの発射球数(通常遊技状態での発射球数(通常発射球数)と時短状態での発射球数(時短発射球数)と大当たり遊技状態での発射球数(大当たり発射球数)の合計)が「100000」発以上であるという第1条件、又は電源が投入されてから現時点までに特別図柄の変動表示が実行された変動回数が「3000」(所定回転数)回以上であるという第2条件の何れかの条件が満たされていれば、ベースがある程度収束した値(有効値)とみなすようにしている。その反対に、上記した第1条件又は第2条件の何れも満たしていなければ、ベースがある程度収束していない値(参考値)とみなすようにしている。
次に、図16に基づいて、7セグ表示器150でのダイナミック点灯制御について説明する。ダイナミック点灯制御では、4ms毎に、4つの表示領域151,152,153,154のうち点灯させ得る表示領域を順次切替える。これにより、残像現象を利用して、人間の目には4つの表示領域151,152,153,154で同時に発光(点灯)しているように見せることが可能である。
例えば、ダイナミック点灯制御により、有効値としての時短ベースを「60」%で示すこととする。この場合には、遊技制御用マイコン101が、図16(A)に示すように、第1表示領域151で、点灯部分LB1,LB3,LB4,LB5,LB6,LB7を点灯させる。続いて4ms後に、遊技制御用マイコン101が、図16(B)に示すように、第2表示領域152で、点灯部分LB9,LB10,LB11,LB12,LB13,LB14を点灯させる。続いて4ms後に、遊技制御用マイコン101が、図16(C)に示すように、第3表示領域153で、点灯部分LB17,LB18,LB20,LB21,LB23を点灯させる。続いて4ms後に、遊技制御用マイコン101が、図16(D)に示すように、第4表示領域154で、点灯部分LB26,LB27を点灯させる。
その後、遊技制御用マイコン101は、図16(A)⇒図16(B)⇒図16(C)⇒図16(D)の点灯制御を上述したように繰り返す。これにより、ベースを確認する人の目には、7セグ表示器150において「6021」を示す発光態様で同時に発光しているように見える。その結果、ベースを確認する人は、有効値としての時短ベースが「60」%であるのを把握することが可能である。
ここで本形態では、後述するRAMクリアスイッチ193を操作する度に、7セグ表示器150にて、通常ベースと時短ベースと大当たりベースの表示を切替えるようにしている。具体的に、第1表示領域151及び第2表示領域152で通常ベースが表示されているときにRAMクリアスイッチ193を操作すると、第1表示領域151及び第2表示領域152では時短ベースの表示に切替わる。そしてこのときには、第3表示領域153では、時短ベースであることを示す表示として、「2」が表示される。続いて、RAMクリアスイッチ193を操作すると、第1表示領域151及び第2表示領域152では大当たりベースの表示に切替わる。そしてこのときには、第3表示領域153では、大当たりベースであることを示す表示として、「3」が表示される。続いて、RAMクリアスイッチ193を操作すると、第1表示領域151及び第2表示領域152では通常ベースの表示に切替わる。そしてこのときには、第3表示領域153では、通常ベースであることを示す表示として、「1」が表示される。
以上により、RAMクリアスイッチ193という既存の操作手段を用いて、通常ベースと時短ベースと大当たりベースの表示を切替えることができる。従って、表示を切替えるための新たな操作手段を用いることがなくて、7セグ表示器150という1つの表示器によって、通常ベースと時短ベースと大当たりベースという3つのベースを逐次把握することが可能である。
4.遊技機の電気的構成
次に図17及び図18に基づいて、本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図17及び図18に示すように、パチンコ遊技機PY1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う遊技制御基板100(主制御基板)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う演出制御基板120(サブ制御基板)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板170等を備えている。なお、遊技制御基板100は、メイン制御部を構成し、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140、音声制御基板161、及びサブドライブ基板162とともにサブ制御部199を構成する。
なお、サブ制御部199は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50やスピーカ600、盤ランプ54、盤可動体55k、枠ランプ212等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190(電源供給部)は、外部からAC24Vの電源を入力して、AC24Vの電源に基づいてパチンコ遊技機PY1の動作に必要な各種電圧(DC5V,DC12V,DC18V,DC24V,DC37V)の電源を生成するものである。電源基板190は、生成した電源を遊技制御基板100、演出制御基板120、及び払出制御基板170に対して供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して供給する。
電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、本パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する遊技制御基板100の遊技用RAM(Random Access Memory)104や演出制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、遊技制御基板100の遊技用RAM104や演出制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また、電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、遊技制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を遊技制御基板100に設けたり、演出制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路を演出制御基板120に設けたりしてもよい。
また電源基板190には、遊技制御基板100に対して遊技用RAM104に記憶されている情報を遊技用CPU102にクリアさせるためのRAMクリアスイッチ(RAMクリア操作手段)193が実装されている。図13に示すように遊技制御基板100が本パチンコ遊技機PY1の裏側(後面側)に配されている他、電源基板190を含むその他の各種制御基板も本パチンコ遊技機PY1の裏側に配されている。そのため、遊技機枠2(内枠21)を開放可能なホールの従業員やベースを確認(検査)する人等でなければ、RAMクリアスイッチ193や電源スイッチ191を操作することはできない。すなわち、RAMクリアスイッチ193や電源スイッチ191は、実質的に遊技者による操作が不可能な操作手段といえる。RAMクリアスイッチ193の操作に基づく信号は、電源基板190から遊技制御基板100に出力される。なおRAMクリアスイッチ193の配置箇所は、電源基板190に限られるものではなく、適宜変更可能であり、例えば遊技制御基板100であっても良い。
また電源基板190には、電圧監視回路194が設けられている。電圧監視回路194は、所定電圧(例えばDC24V)の電源を監視するものである。また電源基板190には、電源断信号出力回路195が設けられている。電源断信号出力回路195は、遊技制御基板100と払出制御基板170とに電源断信号を出力するものである。また電源基板190には、リセット信号出力回路196が設けられている。リセット信号出力回路196は、リセット信号を遊技制御基板100と払出制御基板170と演出制御基板120とに出力するものである。
本形態では、電源投入時(電源スイッチ191の操作時、又は停電等によって電源が遮断された後の復電時)に、電圧監視回路194により監視している電源の電圧が規定電圧(例えばDC12V)以上であると判断されると、電源断信号出力回路195が、遊技制御基板100と払出制御基板170とに電源断信号を出力する。そして、電源断信号が出力されてから(監視している電圧が規定電圧以上になってから)、所定時間(例えば60ms)が経過すると、リセット信号出力回路196が、遊技制御基板100と払出制御基板170と演出制御基板120とにHレベルのリセット信号を出力するようになっている。なお所定時間は、監視している電源の電圧が12Vから24Vへ上昇するのに要する時間に設定されている。こうしてHレベルのリセット信号が出力されることにより、遊技制御基板100(遊技制御用マイコン101)と払出制御基板170と演出制御基板120(演出制御用マイコン121)は、制御動作(電源投入時の処理)を開始することになる。
一方、電断等によって、電圧監視回路194により監視している電源の電圧(例えばDC24V)が所定期間(例えば25ms)に亘って検出されていないと判断されると、電源断信号出力回路195が、遊技制御基板100と払出制御基板170とに電源断信号を出力する。そして、電源断信号が出力されてから、一定時間が経過すると、リセット信号出力回路196が、遊技制御基板100と払出制御基板170と演出制御基板120とにLレベルのリセット信号を出力するようになっている。なお一定時間は、電源断を把握してから電源断に関する制御処理を完了するまでに要する時間に設定されている。こうしてLレベルのリセット信号が出力されることにより、遊技制御基板100(遊技制御用マイコン101)と払出制御基板170と演出制御基板120(演出制御用マイコン121)は、制御動作を終了することになる。
図17に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート118が含まれている。遊技用RAM104には、上述した特図保留記憶部105(第1特図保留記憶部105aおよび第2特図保留記憶部105b)と普図保留記憶部106とが設けられている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
遊技制御基板100には、中継基板110を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、遊技制御基板100には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには遊技制御基板100から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、大入賞口センサ14a、一般入賞口センサ10a、排出口センサ30a、枠開放センサ2aが接続されている。
第1始動口センサ11aは、第1始動口11内に設けられて第1始動口11に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ12aは、第2始動口12内に設けられて第2始動口12に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ13aは、ゲート13内に設けられてゲート13を通過した遊技球を検出するものである。大入賞口センサ14aは、大入賞口14内に設けられて大入賞口14に入賞した遊技球を検出するものである。一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10内に設けられて一般入賞口10に入賞した遊技球を検出するものである。排出口センサ30aは、排出口33内(下流側排出路Q2の下端)に設けられて(図11参照)排出口33に進入した(下流側排出路Q2を通過する)遊技球を検出するものである。枠開放センサ2aは、内枠21に設けられて(図2参照)、内枠21の外枠22に対する開放(遊技機枠2の開放)を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド12s、およびATソレノイド14sが接続されている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動するものである。ATソレノイド14sは、大入賞装置14DのAT開閉部材14kを駆動するものである。
さらに遊技制御基板100には、特図表示器81(第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81b)、普図表示器82、特図保留表示器83(第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83b)、および普図保留表示器84が接続されている。すなわち、これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドや信号を送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。発射装置72には、ハンドル72k(図1参照)が含まれる。
また遊技制御基板100には、7セグ表示器150が取付けられている(図14参照)。7セグ表示器150では、遊技制御用マイコン101からの信号に基づいて、ダイナミック点灯制御が実行される(図16参照)。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、パチンコ遊技機PY1に接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モータ73mを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため賞球センサ73aにより検知されて、賞球センサ73aによる検知信号が払出制御基板170に出力される。
なお遊技者による発射装置72のハンドル72k(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ72aがハンドル72kへの接触を検知し、発射ボリューム72bがハンドル72kの回転量を検知する。そして、発射ボリューム72bの検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sが駆動されることとなる。本パチンコ遊技機PY1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また遊技制御基板100は、演出制御基板120に対し各種コマンドを送信する。遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図18に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート138が含まれている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
また図18に示すように、演出制御基板120には、画像制御基板140、音声制御基板161(音声制御回路)、サブドライブ基板162(サブドライブ回路)が接続されている。画像制御基板140には画像表示装置50が接続され、音声制御基板161にはスピーカ600が接続されている。またサブドライブ基板162には、盤ランプ54、盤可動体55k、枠ランプ212が接続されている。
図18に示すように、演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の制御を行わせる。画像制御基板140は、画像表示等の制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。なお、画像用ROM142には、画像表示装置50に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。
また演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板161を介してスピーカ600から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ600から出力する音声等の音響データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御基板161にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板161にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ600を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音響データを格納してもよい。
また図18に示すように、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して、枠ランプ212や盤ランプ54等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプ駆動データともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して、盤可動体55kの駆動制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、盤可動体55kの動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って、盤可動体55kを駆動させるためのモータの駆動制御を行う。動作パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
なお、サブドライブ基板162にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や、盤可動体55kの駆動制御を行わせてもよい。さらにこの場合、サブドライブ基板162にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
また演出制御基板120には、入力部検知センサ(演出ボタン検知センサ)40aおよびセレクトボタン検知センサ42aが接続されている。入力部検知センサ40aは、入力部40k(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。入力部40kが押下操作されると入力部検知センサ40aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。セレクトボタン検知センサ42aは、セレクトボタン42k(図1参照)が押下操作されたことを検知するものである。セレクトボタン42kが押下操作されるとセレクトボタン検知センサ42aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。
なお図17及び図18は、あくまで本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図17及び図18に示す基板だけが設けられているわけではない。遊技制御基板100を除いて、図17及び図18に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図17及び図18に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
5.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特図表示器81に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特図表示器81に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口14を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技を特別遊技ともいう。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別は図19に示す通りである。図19に示すように、本形態では大きく分けて2つの種別がある。確変大当たりと通常大当たりである。確変大当たりは、大当たり遊技後の遊技状態を後述する高確率状態に制御する大当たりである。通常大当たりは、大当たり遊技後の遊技状態を後述する通常確率状態(低確率状態)に制御する大当たりである。
より具体的には、特図1の抽選(第1特別図柄の抽選)にて当選可能な確変大当たり及び通常大当たりは、1Rから8Rまでは大入賞口14を1R当たり最大29.5秒にわたって開放し、9Rから16Rまでは大入賞口14を1R当たり最大0.1秒にわたって開放する大当たりである。つまり、これらの大当たりの総ラウンド数は16Rであるものの、実質的なラウンド数は8Rである。実質的なラウンド数とは、1ラウンド当たりの入賞上限個数(本形態では8個)まで遊技球が入賞可能なラウンド数のことである。これらの大当たりでは9Rから16Rまでは、大入賞口14の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。なお、特図1の抽選によって「確変大当たり」に当選した場合には、第1特図表示器81aに「特図1_確変図柄」が停止表示され、「通常大当たり」に当選した場合には、第1特図表示器81aに「特図1_通常図柄」が停止表示される。
また、特図2の抽選(第2特別図柄の抽選)にて当選可能な確変大当たり及び通常大当たりは、1Rから16Rまで大入賞口14を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する大当たりである。つまり、これらの大当たりは実質的なラウンド数も16Rである。特図2の抽選によって「確変大当たり」に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特図2_確変図柄」が停止表示され、「通常大当たり」に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特図2_通常図柄」が停止表示される。
いずれの大当たりに当選した場合であっても、大当たり遊技後には後述する電サポ制御状態(高ベース状態)に制御される。電サポ制御状態は、高確率状態に伴って制御される場合には次回の大当たり当選まで継続する。一方、通常確率状態(低確率状態)に伴って制御される場合には、電サポ回数(時短回数)が100回に設定される。電サポ回数とは、電サポ制御状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数のことである。
なお図19に示すように、特図1の抽選および特図2の抽選における大当たりの振分率は、共に確変大当たりが65%、通常大当たりが35%となっている。但し、特図1の抽選に基づいて大当たりに当選した場合には実質的なラウンド数が8ラウンドの大当たり遊技が実行される一方、特図2の抽選に基づいて大当たりに当選した場合には実質的なラウンド数が16ラウンドの大当たり遊技が実行される点で、特図1の抽選よりも特図2の抽選の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
ここで本パチンコ遊技機PY1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図20(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面50a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。また、ゲート13への通過に基づいて取得される乱数には、図20(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー12Dを開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。
6.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機PY1の特図表示器81および普図表示器82には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特図表示器81の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図21(A)参照)。つまり、特図表示器81の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特図表示器81による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図22参照)。つまり、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特図表示器81の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特図表示器81の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図21(C)参照)。つまり、普図表示器82の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普図表示器82による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では7秒であるが、時短状態では1秒である(図21(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図23参照)。すなわち、電チュー12Dの開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図23参照)。すなわち、電チュー12Dの開放回数増加機能が作動している。
普図表示器82の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー12Dの開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー12Dが頻繁に開放され、第2始動口12へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー12Dにより第2始動口12への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、高ベース状態を電サポ制御状態や入球容易状態ともいう。これに対して、低ベース状態を非電サポ制御状態や非入球容易状態ともいう。
高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普図表示器82の確率変動機能、普図表示器82の変動時間短縮機能、電チュー12Dの開放時間延長機能、および電チュー12Dの開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー12Dが開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機PY1では、確変大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では10000回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。つまり本形態では、高確高ベース状態は実質的に次回の大当たり当選まで継続する。なお、高確高ベース状態の終了条件を、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることだけとしてもよい。
また、通常大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機PY1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することとする。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特典遊技状態」と称することとする。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域6R(図4参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー12Dが開放されやすくなっており、第1始動口11への入賞よりも第2始動口12への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート13へ遊技球を通過させつつ、第2始動口12へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域6L(図4参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー12Dが開放されにくくなっており、第2始動口12への入賞よりも第1始動口11への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口11へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
7.7セグ表示器での初期表示
次に、7セグ表示器150での初期表示について説明する。本形態では上述したように、遊技制御基板100に配されている7セグ表示器150(図14参照)で、ベース(通常ベース、時短ベース、大当たりベース)を表示することが可能である。そのため、ベースを確認することで、本パチンコ遊技機PY1に故障や不具合、或いは不正な改造が施されているか否かを判断することが可能である。しかしながら、7セグ表示器150で表示されるベースは、その7セグ表示器150が正常に機能していることを前提とするものであって、7セグ表示器150自体に故障や不具合、或いは不正な改造が施されている可能性が完全にないわけではない。
そこで本形態では、7セグ表示器150が正常であることを示す初期表示を、7セグ表示器150で実行するようにしている。これにより、7セグ表示器150での初期表示を確認することで、7セグ表示器150自体が正常に機能していることを把握することが可能である。ここで、初期表示を実行させる方法が問題になる。
7セグ表示器150は、遊技制御基板100に配されているため、初期表示は、遊技制御用マイコン101によって実行される。この場合、以下の方法が考えられる。先ず第1の方法として、入力部40kやセレクトボタン42k等の演出用の操作手段への操作によって、初期表示を実行可能にすることが考えられる。しかしながらこの方法では、遊技機の技術的な制約により、入力部検知センサ40aやセレクトボタン検知センサ42a(図18参照)の検知信号を遊技制御基板100に送信することができない。また第2の方法として、初期表示を行う遊技制御用マイコン101に対して所定の信号を送信可能な新たな操作手段を、遊技制御基板100上、或いは遊技制御基板100と異なる部位に設ける方法が考えられる。しかしながらこの方法では、既存の遊技制御基板等の設計変更が大きくなって、開発費用が大きくなり過ぎるおそれがある。更に遊技場の従業員や検査員等が、確認の際に特別な操作が必要になって、確認作業が煩雑になるおそれもある。
そこで本形態では、電源基板190から遊技制御基板100(制御部、遊技制御部)に電源が投入されることに基づいて、遊技制御用マイコン101が7セグ表示器150(表示手段)にて初期表示を実行するようにしている。これにより、従来のパチンコ遊技機に対して、初期表示を実行させるための新たな操作手段を設ける必要がない。従って、設計変更が大きくならず、開発費用が大きくなり過ぎるのを防ぐことが可能である。更に遊技場の従業員や検査員等が、確認の際に特別な操作が不要であるため、初期表示の確認の作業を簡易的に行うことが可能である。
ところで、遊技機分野における遊技制御用マイコン101は、技術的制約が大きいものであり、その処理能力には大きな制限が課されている。従って、仮に遊技制御用マイコン101が、遊技の進行に係る制御処理(遊技制御処理)と並行して、初期表示に係る新たな制御処理(初期表示処理)を実行することになると、処理負担が増加してしまう。
そこで本形態では、遊技制御用マイコン101は、電源が投入されてから遊技制御処理(特定の制御処理)を開始する前の起動遅延処理の実行中に限り、初期表示処理を実行することにしている。ここで、遊技制御用マイコン101による起動遅延処理について説明する。遊技制御用マイコン101は、電源投入時にHレベルのリセット信号の入力に基づいて制御動作を開始するものの、そのリセット信号を入力したタイミングから遊技制御処理をすぐに開始するわけではない。つまり遊技制御用マイコン101は、リセット信号を入力してから予め定められた待機時間(例えば5秒)だけ起動遅延処理を実行し、その起動遅延処理を終了した後に遊技制御処理を開始するようになっている。
このように起動遅延処理が設けられているのは、以下の理由に基づく。即ち、仮に起動遅延処理が設けられていない場合には、遊技制御用マイコン101がリセット信号を入力してからすぐに遊技制御処理を実行して、演出制御基板120にコマンド(指令信号)を送信してしまう事態が生じ得る。そうなると、演出制御用マイコン121が未だ起動していないにも拘わらず、コマンドが送られることによって、対応できない不具合が生じるおそれがある。従って遊技制御用マイコン101が、起動遅延処理を実行することで、演出制御用マイコン121の起動よりも遊技制御処理の開始を確実に遅らせることできて、上述したような演出制御用マイコン121が対応できない不具合を回避することが可能である。
以上、遊技制御用マイコン101は、電源投入時にリセット信号を入力したタイミングから起動遅延処理を実行し、本形態ではこの起動遅延処理の実行中に、7セグ表示器150での初期表示を実行する。具体的に起動遅延処理は、4msの割り込み信号に基づいて、待機時間が経過するのを待っているだけの処理であり、遊技制御用処理のように遊技制御用マイコン101にとって処理負担が大きくなるものでない。従って、起動遅延処理の実行中に限り初期表示処理を実行することで、処理負担が増加するのを回避することが可能である。つまり、遊技制御用マイコン101にとって最も重要である遊技制御処理に何ら影響を与えることなく(遊技制御用マイコン101の本来の機能を阻害することなく)、7セグ表示器150にて初期表示を実行することが可能である。なお、起動遅延処理の実行に伴う待機時間は、5秒に限られるものではなく、演出制御用マイコン121の起動よりも遊技制御処理の開始を遅らせることできれば、適宜変更可能である。
ここで本形態における初期表示の表示態様について説明する。7セグ表示器150での初期表示では、起動遅延処理の開始に伴って、図24(A)に示すように、第1表示領域151から第4表示領域154までの全ての点灯部分を点灯させる。即ち、第1表示領域151での点灯部分LB1〜LB8と、第2表示領域152での点灯部分LB9〜LB16と、第3表示領域153での点灯部分LB17〜LB24と、第4表示領域154での点灯部分LB25〜LB32とを全て点灯させる。そして、起動遅延処理の終了に伴って、図24(B)に示すように、第1表示領域151から第4表示領域154までの全ての点灯部分を消灯させる。
以上により本形態では、初期表示の表示態様を確認する場合、電源が投入されてから約5秒の間(遊技制御用マイコン101が起動してから5秒の間)に、第1表示領域151から第4表示領域154までの全ての点灯部分が点灯している状態を視認すれば良い。こうして、初期表示の表示態様がシンプルで分かり易いため、7セグ表示器150で初期表示がなされている状態を容易に把握することが可能である。
なお本形態では、初期表示でもダイナミック点灯制御がなされる。即ち、遊技制御用マイコン101は、図25(A)に示すように、第1表示領域151の全ての点灯部分LB1〜LB8を点灯させる。続いて4ms後に、遊技制御用マイコン101は、図25(B)に示すように、第2表示領域152の全ての点灯部分LB9〜LB16を点灯させる。続いて4ms後に、遊技制御用マイコン101は、図25(C)に示すように、第3表示領域153の全ての点灯部分LB17〜LB24を点灯させる。続いて4ms後に、遊技制御用マイコン101は、図25(D)に示すように、第4表示領域154の全ての点灯部分LB24〜LB32を点灯させる。その後、遊技制御用マイコン101は、図25(A)⇒図25(B)⇒図25(C)⇒図25(D)の点灯制御を上述したように繰り返す。これにより、初期表示を確認する人の目には、7セグ表示器150において第1表示領域151から第4表示領域154までの全ての点灯部分が同時に点灯しているように見えることになる。
8.パチンコ遊技機の制御動作
次に、図26〜図32に基づいて遊技制御用マイコン101(制御手段)の動作について説明し、図33〜図37に基づいて演出制御用マイコン121の動作について説明する。まず、遊技制御用マイコン101の動作について説明する。
[主制御メイン処理]遊技制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、電源投入時に、電源基板190のリセット信号出力回路196からHレベルのリセット信号を入力すると、遊技用ROM103から図26に示す主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。なお、遊技制御用マイコン101の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。カウンタの初期値は「0」であり、フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」である
図26に示すように、主制御メイン処理では、まず後述する電源投入時処理(S001)を行う。本形態で説明する「遊技制御処理」とは、遊技の結果に影響を及ぼす制御処理のことであり、電源投入時処理(S001)以降に実行されるステップS002からステップS005までの処理のことである。電源投入時処理(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図20に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[電源投入時処理]図27に示すように、電源投入時処理(S001)では、遊技制御用マイコン101はまず、後述する起動遅延処理を実行する(S010)。そして、起動遅延処理(S010)の後、遊技用RAM104へのアクセスの許可設定を行う(S011)。これにより、遊技用RAM104に対する情報の書き込みや読み出しが可能になる。続いて、RAMクリアスイッチ193が操作されたか否か(ONか否か)を判定する(S012)。RAMクリアスイッチ193がONであれば(S012でYES)、ステップS018に進む。これに対して、ONでなければ(S012でNO)、続いて電源断フラグがONであるか否かを判定する(S013)。電源断フラグは、電断の発生を示すフラグであり、後述する電源断監視処理(図32参照)でONにされるフラグである。
電源断フラグがONでなければ(S013でNO)、正常に電源が遮断されていない可能性があるため、ステップS018に進む。一方、電源断フラグがONであれば(S013でYES)、チェックサムを算出して(S014)、これを電断時に算出しておいたチェックサム(図32のステップS402参照)と比較する(S015)。チェックサムは、遊技用RAM104に記憶されている遊技情報を数値とみなしてその合計が算出されたものである。チェックサムの値が一致しなければ(S015でNO)、遊技用RAM104の記憶内容が正常でないため、ステップS018に進む。これに対して、チェックサムの値が一致すれば(S015でYES)、遊技用RAM104の記憶内容が正常であると判断し、ステップS016に進む。
ステップS016では、復電時における遊技用RAM104の作業領域の設定管理を行う。この設定処理では、遊技用ROM103から復電時情報を読み出し、この復電時情報を遊技用RAM104の作業領域にセットする。その後、遊技制御用マイコン101は、電源断フラグをOFFして(S017)、ステップS021に進む。
一方、ステップS018では、遊技用RAM104に記憶されている全ての遊技情報をクリアする。その後、遊技制御用マイコン101は、遊技用RAM104の作業領域の初期設定を行う(S019)。この初期設定の処理では、遊技用ROM103から読み出された初期設定情報が遊技用RAM104の作業領域にセットされる。続いて遊技制御用マイコン101は、RAMクリアを行ったことを通知するためのRAMクリア通知コマンドを演出制御基板120に対して出力して(S020)、ステップS021に進む。
ステップS021では、その他の初期設定として、例えば遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定等を行って、本処理を終える。
[起動遅延処理]起動遅延処理(S010)は、遊技制御処理の開始を遅らせる処理である。図28に示すように、起動遅延処理(S010)では、遊技制御用マイコン101はまず、4ms毎に出力される割り込み信号(パルス)を入力したか否かを判定する(S021)。入力していれば(S021でYES)、遅延カウンタの値を「1」だけ加算して(S023)、ステップS024に進む。遅延カウンタは、遊技制御処理の開始を遅らせるための期間をカウントするものである。一方、割り込み信号を入力していなければ(S021でNO)、初期表示処理を実行して(S022)、再びステップS021に戻る。
初期表示処理(S022)は、7セグ表示器150にて図24(A)に示す初期表示を実行するための処理である。具体的には遊技制御用マイコン101は、図25(A)⇒図25(B)⇒図25(C)⇒図25(D)に示す点灯制御を4ms毎に繰り返す。これにより、7セグ表示器150において第1表示領域151から第4表示領域154までの全ての点灯部分が同時に点灯しているように見せることが可能である。
ステップS024では、遅延カウンタの値が「1250」以上になったか否かを判定する。「1250」未満であれば(S024でNO)、遊技制御用マイコン101が起動してから未だ5秒が経過していないことになり、ステップS022の初期表示処理に戻る。これに対して、「1250」以上であれば(S024でYES)、初期表示終了処理を実行する(S025)。初期表示終了処理(S025)では、図24(B)に示すように、7セグ表示器150において第1表示領域151から第4表示領域154までの全ての点灯部分を消灯させる。こうして、遊技制御用マイコン101が起動してから5秒の間だけ、7セグ表示器150で初期表示を実行することが可能である。そして、その5秒間に限り、ステップS002からステップS005までの処理(遊技制御処理,図26参照)を開始しないようにしている。ステップS025の初期表示終了処理の後、ステップS026にて遅延カウンタの値を「0」にリセットして、本処理を終える。
[メイン側タイマ割り込み処理]遊技制御用マイコン101は、図29に示すメイン側タイマ割り込み処理を例えば4msecといった短時間毎に繰り返す。まず、遊技制御用マイコン101は、大当たり抽選に用いる大当たり乱数、大当たりの種別を決めるための当たり種別乱数、演出図柄変動演出においてリーチ状態とするか否か決めるためのリーチ乱数、変動パターンを決めるための変動パターン乱数、普通図柄抽選に用いる普通図柄乱数(当たり乱数)等を更新する乱数更新処理を行う(S101)。なお各乱数の少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。全ての乱数をハードウェア乱数とする場合、ソフトウェアによる乱数の更新処理は必要ない。また乱数発生回路は、遊技制御用マイコン101に内蔵されていてもよい。
次に、遊技制御用マイコン101は、後述する入力処理を行う(S102)。続いて、遊技制御用マイコン101は、始動口センサ検出処理(S103)、特別動作処理(S104)、および普通動作処理(S105)を実行する。始動口センサ検出処理(S103)では、第1始動口センサ11a又は第2始動口センサ12aによる入賞検知があれば、入賞検知のあった始動口に対応する保留記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の乱数(大当たり乱数、当たり種別乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数(図20(A)参照))を取得する。また、ゲートセンサ13aによる通過検知があれば、普図保留が4個未満であることを条件に普通図柄乱数(図20(B)参照)を取得する。
特別動作処理(S104)では、始動口センサ検出処理(S103)にて取得した大当たり乱数等の乱数を所定の判定テーブル(図19,図21(A)(B),図22参照)を用いて判定する。そして、大当たり抽選の結果を示すための特別図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。この特別図柄の表示に際しては、特別図柄の変動表示の変動パターンの情報を含む変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。そして、大当たり乱数の判定の結果、大当たりに当選していた場合には、大当たりの種別に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、図19参照)に従って大入賞口14を開放させる大当たり遊技(特別遊技)を行う。この大当たり遊技の実行に際しては、当選した大当たり図柄の種別の情報を含むオープニングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なお特別動作処理(S104)において、大当たり乱数等の乱数の記憶がない場合には、演出制御用マイコン121に客待ち演出を実行させるための客待ち待機コマンドをセットする。
普通動作処理(S105)では、始動口センサ検出処理(S103)にて取得した普通図柄乱数を所定の判定テーブル(図21(C)参照)を用いて判定する。そして、その判定結果を報知するための普通図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。普通図柄乱数の判定の結果、普通当たり図柄に当選していた場合には、遊技状態に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、図23参照)に従って電チュー12Dを開放させる補助遊技を行う。次に、遊技制御用マイコン101は、後述する出力処理(S106)を実行して、本処理を終える。
[入力処理]図30に示すように、入力処理(S102)ではまず、主にパチンコ遊技機PY1に取付けられている各種センサ(第1始動口センサ11a,第2始動口センサ12a、大入賞口センサ14a、一般入賞口センサ10a、排出口センサ30a、枠開放センサ2a(図17参照))が検知した検出信号を読み込む(S201)。そして、その検出信号が排出口センサ30aの検出に基づく信号(排出検知信号)であるか否かを判定する(S202)。
ステップS202にて、排出検知信号であると判定すれば(S202でYES)、排出球数(排出口33を通過した遊技球の数、即ち発射球数)をカウントするカウンタの値を「1」だけ加算する排出球数カウント処理(発射球数カウント処理)を実行して(S203)、ステップS204に進む。こうして、排出口センサ30aによる検出に基づいて、発射球数をカウントすることが可能である。但し本形態では、ステップS203の処理は、具体的に以下のようになっている。即ち、遊技状態毎にカウンタが区分けされていて、通常遊技状態であれば、通常排出球数カウンタの値を加算して、時短状態であれば、時短排出球数カウンタの値を加算して、大当たり遊技状態であれば、大当たり排出球数カウンタの値を加算する。こうして、遊技状態毎の発射球数(排出球数)をカウントしている。ステップS202にて、排出検知信号でないと判定すれば(S202でNO)、ステップS203をパスして、ステップS204に進む。
ステップS204では、ステップS201で読み込んだ検出信号が、賞球の払い出し(各種入賞口への入賞)に係る入賞検知信号であるか否かを判定する(S204)。入賞検知信号であれば(S204でYES)、遊技用ROM103に記憶されている賞球数テーブル(図示省略)を参照する。そして、賞球数をカウントするカウンタの値を、入賞口の種類に応じた賞球数の値だけ加算する賞球数カウント処理を実行する(S205)。但し本形態では、ステップS205の処理は、具体的に以下のようになっている。即ち、遊技状態毎にカウンタが区分けされていて、通常遊技状態であれば、通常賞球数カウンタの値を加算して、時短状態であれば、時短賞球数カウンタの値を加算して、大当たり遊技状態であれば、大当たり賞球数カウンタの値を加算する。こうして、遊技状態毎の賞球数をカウントしている。またこのステップS205においては、入賞口の種類に応じた賞球数を払い出すための賞球コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。この賞球コマンドは、後述する出力処理(S106)により払出制御基板170に送信される。ステップS204にて、入賞検知信号でないと判定すれば(S204でNO)、ステップS205をパスして、ステップS206に進む。
ステップS206では、遊技機枠2が(内枠21が外枠22に対して)開放しているか否か、即ち枠開放センサ2aからON状態の検出信号を受信したか否かを判定する。受信していれば(S206でYES)、続いて、客待ち状態であるか否かを判定する(S207)。客待ち状態は、特別図柄の変動表示が実行されておらず、且つ大当たり遊技が実行されていない状態のことである。客待ち状態であれば(S207でYES)、ベース演算処理を実行する(S208)。
ベース演算処理(S208)では、通常ベース、時短ベース、大当たりベースを演算する。具体的には、通常賞球数カウンタの値を通常排出球数カウンタの値で除算して、通常ベースを演算する。また、時短賞球数カウンタの値を時短排出球数カウンタの値で除算して、時短ベースを演算する。また、大当たり賞球数カウンタの値を大当たり排出球数カウンタの値で除算して、大当たりベースを演算する。一方、ステップS206の判定結果がNOである場合、又はステップS207の判定結果がNOである場合には、ステップS208のベース演算処理を実行することなく、ステップS209に進む。
こうして本形態では、遊技機枠2が開放していて且つ客待ち状態であるという表示条件が成立する場合に限って、ベース演算処理(S208)を行う。これは以下の理由に基づく。即ち、パチンコ遊技機PY1の遊技制御用マイコン101には、処理能力に制限がある。そして、特別図柄の変動表示の実行中や大当たり遊技状態への制御中(遊技制御状態)では、客待ち状態に比べて、遊技制御用マイコン101にとって、負荷が大きい制御処理の実行中になる。従って、仮に遊技制御用マイコン101が特別図柄の変動表示に関わる制御処理(特定の制御処理)又は大当たり遊技状態の制御中での制御処理(特定の制御処理)に加えて、負荷が大きい除算の処理を行うベース演算処理(S208)まで実行することになると、過大な処理負担になる可能性がある。
以上のことから、制御処理の負担が大きい遊技制御状態では、ベース演算処理(S208)を行わず、制御処理の負担が小さい客待ち状態では、ベース演算処理(S208)を行うことにより、遊技制御用マイコン101の制御処理の負担を分散させることが可能である。また後述するように、遊技機枠2が閉鎖している又は客待ち状態でない場合(表示条件が成立しない場合)には、7セグ表示器150にベースを表示しない。そのため、ベースを表示しないときにはベース演算処理(S208)を実行しないことで、無駄な制御処理を行わないようにしている。
ステップS209では、RAMクリアスイッチ193が操作されたか否かを判定する。操作されていなければ(S209でNO)、ステップS211に進む。一方、操作されていれば(S209でYES)、現時点での表示フラグの値を切替える(S210)。ここで表示フラグについて説明する。表示フラグは、通常ベースと時短ベースと大当たりベースのうちどのベースを表示するのかを示すものである。表示フラグの値が「1」である場合には、通常ベースを表示することを示している。表示フラグの値が「2」である場合には、時短ベースを表示することを示している。表示フラグの値が「3」である場合には、大当たりベースを表示することを示している。こうして、ステップS210の処理では、表示フラグの値が「1」であれば「2」に切替わり、表示フラグの値が「2」であれば「3」に切替わり、表示フラグの値が「3」であれば「1」に切替わるようになっている。
ステップS211では、その他の入力設定処理を実行して、本処理を終える。例えば磁気センサや衝撃センサ等の検出による不正検知信号を入力した場合には、その他の入力設定処理(S211)として不正報知を行うための処理を実行する。
[出力処理]図31に示すように、出力処理(S106)ではまず、遊技制御用マイコン101は、遊技機枠2が(内枠21が外枠22に対して)開放しているか否か、即ち枠開放センサ2aによる検出があるか否かを判定する(S301)。遊技機枠2が閉鎖している(S301でNO)、即ち枠開放センサ2aによる検出がなければ、遊技表示処理を実行して(S306)、ステップS307に進む。遊技表示処理(S306)は、遊技の進行に係る遊技情報(特別図柄や遊技状態等)を表示器類8に表示(変動表示や停止表示も含む)させるための処理である。
一方、遊技機枠2が開放していれば(S301でYES)、続いて、客待ち状態であるか否かを判定する(S302)。客待ち状態でなければ(S302でNO)、遊技中であることになり、遊技表示処理を実行して(S306)、ステップS307に進む。これに対して、客待ち状態であれば(S302でYES)、表示フラグの値を確認する(S303)。つまり、表示フラグの値が「1」又は「2」或いは「3」であるかを確認する。これにより、表示するベースが、通常ベース又は時短ベース或いは大当たりベースの何れであるかを判断する。
続いて、表示するベースが、有効値又は参考値のどちらであるかを判断する有効値判断処理を実行する(S304)。具体的には、電源が投入されてから現時点までの発射球数(通常発射球数と時短発射球数と大当たり発射球数の合計)が「100000」発以上であるという第1条件、又は電源が投入されてから現時点までに特別図柄の変動表示が実行された変動回数が「3000」(所定回転数)回以上であるという第2条件の何れかの条件が満たされていれば、ベースがある程度収束した値(有効値)と判断する。一方、上記した第1条件又は第2条件の何れも満たされていなければ、ベースは未だ収束していない値(参考値)と判断する。
そしてステップS305では、ダイナミック点灯制御によって、7セグ表示器150にベースを表示するためのベース表示処理を実行して、ステップS307に進む。こうして、ベース表示処理(S305)により、第1表示領域151及び第2表示領域152にて、ベースの値が2桁で表示される。また第3表示領域153では、表示しているベースの値が、通常ベース又は時短ベース或いは大当たりベースの何れであるかが示される。また第4表示領域154では、表示しているベースの値が有効値であるか又は参考値であるのかが示される(図16参照)。
ステップS307では、その他の出力設定処理として、遊技制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、演出制御基板120や払出制御基板170等に出力して、本処理を終える。
こうして本形態では、遊技機枠2が閉鎖していたり、特別図柄の変動表示や大当たり遊技の実行中であれば、遊技表示処理(S306)を実行する。一方、遊技機枠2が開放していて、特別図柄の変動表示及び大当たり遊技が実行されていなければ、ベース表示処理(S305)を実行する。言い換えると、7セグ表示器150にベースを表示させるための表示条件(以下、単に「表示条件」ともいう)を、遊技機枠2が開放していて且つ客待ち状態であることに制限している。このように表示条件を制限しているのは、以下の理由に基づく。
先ず、ベースを確認する人に信頼性のある情報としてのベースを確認させるべく、7セグ表示器150は遊技制御基板100に配されている(図14参照)。そのため、遊技機枠2を開放しなければ7セグ表示器150を視認できないことになる。従って、表示条件を、7セグ表示器150が視認できるようになる遊技機枠2の開放とするのは、好適である。言い換えれば、遊技機枠2が開放しているときには、基本的に遊技者による遊技が行われていないこととして、表示器類8に遊技情報(特別図柄等)を表示させなくても良いという点で好適である。
但し、遊技機枠2が開放された直後において、未だ特別図柄の変動表示が実行されていたり、遊技球が第1始動口11又は第2始動口12に入球して特別図柄の変動表示が開始されてしまう場合はあり得る。この場合には、表示器類8に遊技情報を表示しなければならない。即ち、表示器類8での遊技情報の表示処理(遊技表示処理(S306))と、7セグ表示器150でのベースの表示処理(ベース表示処理(S305))とを択一的に実行している関係上、7セグ表示器150でベースを表示しないようにする必要がある。こうして、表示条件を遊技機枠2の開放中であることに加えて、客待ち状態であることに制限している。なお、ベースは遊技者に対して見せるものではなく、主に本パチンコ遊技機PY1に不正な改造が施されているか否かを検査する人に対して見せるものであり、基本的に検査時だけに表示されていれば十分である。従って、遊技中にベースを表示する必要はなく、表示条件を上記したように制限しても全く問題にならない。
[電源断監視処理]電源断監視処理(S107)では、図32に示すように、遊技制御用マイコン101はまず、電源断信号の入力の有無を判定し(S401)、入力がなければ(S401でNO)処理を終了する。電源断信号は、上述したように監視している電源の電圧(例えばDC24V)が所定期間(例えば25ms)に亘って検出されていないと、電源基板190の電源断信号出力回路195から出力されるものである。電源断信号の入力があれば(S401でYES)、チェックサムを算出して遊技用RAM104の出力バッファに格納するとともに(S402)、電源断フラグをONする(S403)。そして、遊技用RAM104へのアクセスの禁止設定を行う(S404)。これにより、遊技用RAM104に対する情報の書き込みや読み出しが不可能になる。その後はメイン側タイマ割り込み処理(図29参照)に戻ることなくループ処理を行う。
以上の遊技制御用マイコン101における処理と並行して、演出制御用マイコン121は図33〜図37に示す処理を行う。以下、演出制御用マイコン121の動作について説明する。
[サブ制御メイン処理]演出制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、電源投入時に、電源基板190のリセット信号出力回路196からHレベルのリセット信号を入力すると、演出用ROM123から図33に示すサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。なお、演出制御用マイコン121の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。
図33に示すように、サブ制御メイン処理では、サブ側電源断フラグ(電断時にONされるフラグ)がONで且つ演出用RAM124の内容が正常であるか否かを判定する(S4001)。そしてこの判定結果がNOであれば、つまり、サブ側電源断フラグがONでない場合、又はサブ側電源断フラグがONであっても演出用RAM124の内容が正常でない場合には、演出用RAM124の初期化をして(S4002)、ステップS4003に進む。
一方、ステップS4001の判定結果がYESであれば、つまり、電断によりサブ側電源断フラグがONとなったが演出用RAM124の内容が正常に保たれている場合には、続いて、RAMクリア通知コマンドを受信しているか否かを判定する(S4011)。RAMクリア通知コマンドを受信していれば(S4011でYES)、遊技制御基板100の遊技用RAM104はクリアされている。そのため、演出制御基板120の演出用RAM124をクリアして(S4002)、ステップS4003に進む。これに対して、RAMクリア通知コマンドを受信していなければ(S4011でNO)、演出用RAM124をクリアすることなく、ステップS4003に進む。
ステップS4003では、その他の初期設定を行う。その他の初期設定では例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。また、サブ側電源断フラグがONであればOFFにする。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理(S4006)では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、コマンドに従い画像表示装置50を用いて各種の演出(変動演出や、オープニング演出、ラウンド演出およびエンディング演出からなる大当たり演出等)を実行する。なお、画像制御基板140による各種の演出の実行に伴って演出制御基板120は、音声制御基板161を介してスピーカ600から音声を出力したり、サブドライブ基板162を介して盤ランプ54、枠ランプ212を発光させる。また、サブドライブ基板162を介して盤可動体55kを駆動させたりする。演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)は、ストローブ信号(STB信号)がONになると、すなわち遊技制御基板100から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン121の外部INT入力部に入力されると、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。図34に示すように、受信割り込み処理(S4008)では、遊技制御基板100から送信されてきた各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する(S4101)。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、演出制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図35に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、入力部検知センサ40a(図18参照)やセレクトボタン検知センサ42a(図18参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで盤ランプ54や枠ランプ212を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるその他の処理(S4304)で作成したランプデータをサブドライブ基板162に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ54や枠ランプ212を所定の発光態様で発光させる。
次いで、駆動制御処理(S4203)を行う。駆動制御処理(S4203)では、演出に合うタイミングで盤可動体55kを駆動させるべく、駆動データを作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、盤可動体55kを所定の動作態様で駆動させる。そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4204)を行って、本処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図36に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301)。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとして演出用RAM124に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。続いて、スイッチ状態取得処理(S4302)にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面50aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4303)。
その後、演出制御用マイコン121は、ランプデータ(盤ランプ54や枠ランプ212の点灯を制御するデータ)を作成したり、音声データ(スピーカ600からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板161への出力をしたり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4304)。
[受信コマンド解析処理]図37に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば変動演出開始処理(S4402)を行う。変動演出開始処理(S4402)では、変動開始コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を開始するための変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。なお、変動演出開始コマンドには、変動演出の時間、演出図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、SW演出(演出ボタン演出)の有無、SW演出の内容、演出展開構成、演出図柄の背景の種類等、変動演出の詳細な内容を示す変動演出パターンの情報が含まれている。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば変動演出終了処理(S4404)を行う。変動演出終了処理(S4404)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4405)、受信していればオープニング演出選択処理(S4406)を行う。オープニング演出選択処理(S4406)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していればラウンド演出選択処理(S4408)を行う。ラウンド演出選択処理(S4408)では、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行するラウンド演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していればエンディング演出選択処理(S4410)を行う。エンディング演出選択処理(S4410)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、その他の処理(S4411)として、上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(例えば、普通図柄の変動表示に伴う演出を行うための処理等)を行う。そして、受信コマンド解析処理を終える。
9.本形態の効果
以上詳細に説明したように本形態のパチンコ遊技機PY1では、遊技制御基板100に電源が供給されると、遊技制御用マイコン101は、図24(A)に示すように、7セグ表示器150が正常であることを示す初期表示を当該7セグ表示器150にて実行可能である。こうして、電源投入時に自動で7セグ表示器150に初期表示を表示させることで、特別な操作を要することなく、簡易的に7セグ表示器150が正常に機能するか否かを確認することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、遊技の結果に影響を及ぼす遊技制御処理(特別図柄の変動表示や大当たり遊技等)を実行する遊技制御用マイコン101によって、7セグ表示器150にて初期表示を実行させる。従って、例えば演出制御用マイコン121が初期表示を実行する場合に比べて、初期表示を確認する人に対して、信頼性のある制御手段による初期表示であると認識させることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、遊技制御用マイコン101は、遊技制御処理を開始する前の起動遅延処理の実行中(S010)に、初期表示処理(S022)を実行する一方、遊技制御処理の実行中には、初期表示処理(S022)を実行しない。従って、遊技制御用マイコン101に対して大きな処理負担をかけることなく、初期表示を実行させることが可能である。つまり、遊技制御用マイコン101は、遊技制御処理の実行に何ら影響することなく、初期表示を実行することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図24(A)に示すように、7セグ表示器150での初期表示として、4つの表示領域151〜154が備える各点灯部分の全てが点灯する。その後、図24(B)に示すように、4つの表示領域151〜154が備える各点灯部分の全てが消灯する。こうして、初期表示の表示態様が非常にシンプルで分かり易いため、初期表示を確認する人にとっては、初期表示の表示態様であるという判断を容易にすることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図14に示すように、7セグ表示器150が遊技制御基板100に配されている。その上で、遊技制御用マイコン101が、排出口センサ30aにより検出した遊技球の数である発射球数に基づいて、ベース(特定値)を演算する。そして、図16に示すように、7セグ表示器150に演算したベースを表示することが可能である。こうして遊技場の従業員や検査員等は、7セグ表示器150に表示されているベースを確認することで、本パチンコ遊技機PY1に故障又は不具合、或いは不正な改造が施されているかの判断を行うことが可能である。
10.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
<第2形態>
次に、第2形態について図38に基づいて説明する。第1形態では、図24(A)に示すように、7セグ表示器150での初期表示として、4つの表示領域151〜154が備える各点灯部分の全てを点灯させた。これに対して第2形態では、遊技制御用マイコン101が初期表示処理(図28のステップS022参照)により、図38に示すように、7セグ表示器150での初期表示を実行する。
即ち、先ず図38(A)に示すように、第1表示領域151の点灯部分LB1を点灯させる。次に図38(B)に示すように、第1表示領域151の点灯部分LB2を点灯させる。その後、第1表示領域151において、点灯部分LB3⇒LB4⇒LB5⇒LB6⇒LB7⇒LB8を順番に点灯させる。
そして、第1表示領域151での各点灯部分の点灯が終了すると、続いて、第2表示領域152において、点灯部分LB9⇒LB10⇒LB11⇒LB12⇒LB13⇒LB14⇒LB15⇒LB16を順番に点灯させる。そして、第2表示領域152での各点灯部分の点灯が終了すると、続いて、第3表示領域153において、点灯部分LB17⇒LB18⇒LB19⇒LB20⇒LB21⇒LB22⇒LB23⇒LB24を順番に点灯させる。そして、第3表示領域153での各点灯部分の点灯が終了すると、続いて、第4表示領域154において、点灯部分LB25⇒LB26⇒LB27⇒LB28⇒LB29⇒LB30を順番に点灯させる。
その後、図38(C)に示すように、第4表示領域154の点灯部分LB31を点灯させる。最後に、図38(D)に示すように、第4表示領域154の点灯部分LB32を点灯させる。以上、遊技制御用マイコン101は、起動してから5秒間にわたって、初期表示処理(図28に示すステップS022参照)として、4つの表示領域151〜154が備える各点灯部分を1つずつ順番に点灯させる。その後、初期表示終了処理(図28に示すステップS025参照)として、図24(B)に示すように全ての点灯部分を消灯させる。
第2形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図38に示すように、7セグ表示器150での初期表示として、4つの表示領域151〜154が備える各点灯部分が1つずつ順番に点灯する。従って、各点灯部分LB1〜LB32が個別に(それぞれ単独で)点灯可能であることを確認することが可能である。
<第3形態>
次に、第3形態について図38に基づいて説明する。第2形態では、図38に示すように、7セグ表示器150での初期表示として、4つの表示領域151〜154が備える各点灯部分を1つずつ順番に点灯させた。これに対して第3形態では、遊技制御用マイコン101が初期表示処理(図28のステップS022参照)により、図39に示すように、7セグ表示器150での初期表示を実行する。
即ち、先ず図39(A)に示すように、第1表示領域151の点灯部分LB1〜LB8を点灯させる。次に図39(B)に示すように、第2表示領域152の点灯部分LB9〜LB16を点灯させる。続いて図39(C)に示すように、第3表示領域153の点灯部分LB17〜LB24を点灯させる。最後に図39(D)に示すように、第4表示領域154の点灯部分LB25〜LB32を点灯させる。以上、遊技制御用マイコン101は、起動してから5秒間にわたって、初期表示処理(図28に示すステップS022参照)として、点灯部分が全て点灯する表示領域を、第1表示領域151から第4表示領域154まで順番に1つずつ切替える。その後、初期表示終了処理(図28に示すステップS025参照)として、図24(B)に示すように全ての点灯部分を消灯させる。
第3形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図39に示すように、7セグ表示器150での初期表示として、4つの表示領域151〜154のうち1つの表示領域における各点灯部分の全てを点灯させる状態を、表示領域毎に順番に切替える。従って、第1表示領域151から第4表示領域154までの表示領域毎に独立して点灯可能であることを確認することが可能である。
<第4形態>
次に、第4形態について図40に基づいて説明する。第1形態から第3形態までにおいて、7セグ表示器150での初期表示の表示態様は、特定の意味を有するものではなかった。これに対して第4形態では、7セグ表示器150での初期表示の表示態様は、図40に示すように、パチンコ遊技機PY1に関する特定の意味を有するものになっている。
第4形態では、パチンコ遊技機PY1の型式を示唆する情報(特定の識別情報)として、4桁の「14A2」が用いられている。そこで第4形態では、遊技制御用マイコン101が初期表示処理(図28のステップS022参照)により、図40に示すように、7セグ表示器150での初期表示を実行する。
即ち、図40に示すように、第1表示領域151の点灯部分LB2,LB3と、第2表示領域152の点灯部分LB10,LB11,LB14,LB15と、第3表示領域153の点灯部分LB17,LB18,LB19,LB21,LB22,LB23と、第4表示領域154の点灯部分LB25,LB26,LB28,LB29,LB31を点灯させる。以上、遊技制御用マイコン101は、起動してから5秒間にわたって、初期表示処理(図28に示すステップS022参照)として、7セグ表示器150にて「14A2」を表示する。なお「14A2」の表示は、ダイナミック点灯制御でなされる。その後、初期表示終了処理(図28に示すステップS025参照)として、図24(B)に示すように全ての点灯部分を消灯させる。
第4形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図40に示すように、7セグ表示器150での初期表示として、パチンコ遊技機PY1の型式を示唆する「14A2」が表示される。型式は一般的に、パチンコ遊技機PY1の製造メーカ等しか知りえない情報である。従って、7セグ表示器150にパチンコ遊技機PY1の型式を示唆する「14A2」を表示することで、初期表示が正しく行われていることの信頼性を高めることが可能である。即ち、第1〜第3形態のように7セグ表示器150での初期表示の表示態様が比較的シンプルな場合には、初期表示自体が不正に行われる可能性がある。そこで第4形態のように、7セグ表示器150での初期表示として、パチンコ遊技機PY1の製造メーカ等しか知りえない情報を表示することで、不正な改造による初期表示が行われ難くすることが可能である。
<第5形態>
次に、第5形態について図41に基づいて説明する。第4形態では、7セグ表示器150での初期表示として、パチンコ遊技機PY1の型式を示唆する情報を表示した。これに対して、第5形態では、遊技制御用マイコン101のソフト制御版数を示唆する情報(特定の識別情報)表示するようにしている。
第5形態では、遊技制御用マイコン101のソフト制御版数を示唆する情報として、4桁の「E250」が用いられている。そこで第5形態では、遊技制御用マイコン101が初期表示処理(図28のステップS022参照)により、図41に示すように、7セグ表示器150での初期表示を実行する。
即ち、図41に示すように、第1表示領域151の点灯部分LB1,LB4,LB5,LB6,LB7と、第2表示領域152の点灯部分LB9,LB10,LB12,LB13,LB15と、第3表示領域153の点灯部分LB17,LB19,LB20,LB22,LB23と、第4表示領域154の点灯部分LB25,LB26,LB27,LB28,LB29,LB30を点灯させる。以上、遊技制御用マイコン101は、起動してから5秒間にわたって、初期表示処理(図28に示すステップS022参照)として、7セグ表示器150にて「E250」を表示する。なお「E250」の表示は、ダイナミック点灯制御でなされる。その後、初期表示終了処理(図28に示すステップS025参照)として、図24(B)に示すように全ての点灯部分を消灯させる。
第5形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図40に示すように、7セグ表示器150での初期表示として、遊技制御用マイコン101のソフト制御版数を示唆する「250E」が表示される。ソフト制御版数は一般的に、パチンコ遊技機PY1の製造メーカ等しか知りえない情報である。従って、7セグ表示器150に遊技制御用マイコン101のソフト制御版数を示唆する「E250」を表示することで、上述した第4形態の作用効果と同様、初期表示が正しく行われていることの信頼性を高めることが可能である。
<第6形態>
次に、第6形態について図42に基づいて説明する。第1〜第5形態では、7セグ表示器150において、当該7セグ表示器150が正常であることを示す初期表示を実行した。これに対して第6形態では、表示器類8において、当該表示器類8が正常であることを示す初期表示を実行するようにしている。
第6形態では、遊技制御用マイコン101が初期表示処理(図28のステップS022参照)により、図42に示すように、表示器類8での初期表示を実行する。即ち、特図表示器81(第1特図表示器81a及び第2特図表示器81b)の各LEDと、普図表示器82の各LEDと、特図保留表示器83(第1特図保留表示器83a及び第2特図保留表示器83b)の各LEDと、普図保留表示器84の各LEDとを点灯させる。なお図42に示す点灯は、ダイナミック点灯制御でなされる。以上、遊技制御用マイコン101は、起動してから5秒間にわたって、初期表示処理(図28に示すステップS022参照)として、表示器類8が備える全てのLEDを点灯させる。その後、初期表示終了処理(図28に示すステップS025参照)として、点灯させていた全てのLEDを消灯させる。
第6形態のパチンコ遊技機PY1によれば、遊技制御基板100に電源が供給されると、遊技制御用マイコン101は、図42に示すように、表示器類8が正常であることを示す初期表示を当該表示器類8にて実行可能である。こうして、電源投入時に自動で表示器類8に初期表示を実行させることで、特別な操作を要することなく、簡易的に表示器類8が正常に機能するか否かを確認することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、遊技制御用マイコン101は、遊技制御処理を開始する前の起動遅延処理(S010)の実行中に限り、表示器類8での初期表示を行う。従って、遊技制御用マイコン101に対して大きな処理負担をかけることなく、初期表示を実行させることが可能である。以上、第7形態では、第1形態の7セグ表示器150に関する作用効果を、表示器類8に関する作用効果に置き換えて奏することが可能である。従って、その他の詳細な作用効果については、説明を省略する。
<第7形態>
次に、第7形態について図43〜図45に基づいて説明する。第1〜第6形態では、遊技制御用マイコン101が、7セグ表示器150又は表示器類8にて初期表示を実行した。これに対して第7形態では、演出制御用マイコン121が、画像表示装置50にて初期表示を実行するようになっている。以下、第1形態と異なる演出制御用マイコン121の動作を中心に説明する。
[サブ制御メイン処理]演出制御用マイコン121は、電源投入時に、電源基板190のリセット信号出力回路196からHレベルのリセット信号を入力すると、演出用ROM123から図43に示すサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。サブ制御メイン処理では、図43に示すように、演出制御用マイコン121はまず、起動遅延処理(S4000)を実行し、その後にステップS4001以降の処理を実行する。
[起動遅延処理]起動遅延処理(S4000)は、演出制御処理の開始を遅らせる処理である。ここで「演出制御処理」とは、遊技の進行に伴う演出を実行するための制御処理のことであり、図43に示すステップS4004からステップS4010までの処理のことである。図44に示すように、起動遅延処理(S4000)では、演出制御用マイコン121はまず、10ms毎に出力される割り込み信号(パルス)を入力したか否かを判定する(S5001)。入力していれば(S5001でYES)、計時カウンタの値を「1」だけ加算して(S5002)、ステップS5003に進む。計時カウンタは、演出制御処理の開始を遅らせるための期間をカウントするものである。一方、割り込み信号を入力していなければ(S5001でNO)、再びステップS5001の処理に戻って、割り込み信号を入力するまでループ処理を繰り返す。
ステップS5003では、計時カウンタの値が「100」以上になったか否かを判定する。「100」未満であれば(S024でNO)、演出制御用マイコン121が起動してから未だ1秒が経過していないことになり、ステップS5001の処理に戻る。これに対して、「100」以上であれば(S5003でYES)、初期表示開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする(S5004)。これにより、初期表示開始コマンドを受信した画像制御基板140の画像用CPU141は、画像用ROM142から初期表示画像データを読み出して、図45に示すように、画像表示装置50の表示画面50aにて初期表示画像SHを表示する。初期表示画像SHでは、画像表示装置50が正常であることを示すものであり、本形態では図45に示すように、「初期表示中」の文字が示されるようになっている。
こうして、演出制御用マイコン121は、起動してから1秒後に画像表示装置50での初期表示を開始する。このように起動してから1秒後に初期表示を開始するのは、画像制御基板140が未だ起動していないにも拘わらず、画像制御基板140が初期表示開始コマンドを受信してしまう事態を回避するためである。演出制御用マイコン121は、ステップS5004の後、ステップS5005に進み、10ms毎に出力される割り込み信号を入力したか否かを判定する。入力していれば(S5005でYES)、計時カウンタの値を「1」だけ加算して(S5006)、ステップS5007に進む。一方、割り込み信号を入力していなければ(S5005でNO)、再びステップS5005の処理に戻って、割り込み信号を入力するまでループ処理を繰り返す。
ステップS5007では、計時カウンタの値が「400」以上になったか否かを判定する。「400」未満であれば(S024でNO)、演出制御用マイコン121が起動してから未だ4秒が経過していないことになり、ステップS5005の処理に戻る。これに対して、「400」以上であれば(S5007でYES)、初期表示終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S5008)、本処理を終える。これにより、初期表示終了コマンドを受信した画像制御基板140の画像用CPU141は、画像表示装置50の表示画面50aにて初期表示画像SHの表示を終了させる。こうして、演出制御用マイコン121は、起動してから4秒後に画像表示装置50での初期表示を終了する。なお第7形態において、画像表示装置50での初期表示(初期表示画像SHの表示)を、演出制御用マイコンが起動してから1秒後に開始して、演出制御用マイコン121が起動してから4秒後に終了させたが、これらの時間は適宜変更可能である。
第7形態のパチンコ遊技機PY1によれば、演出制御基板120に電源が供給されると、演出制御用マイコン121は、図45に示すように、画像表示装置50が正常であることを示す初期表示として、画像表示装置50の表示画面50aに初期表示画像SHを表示可能である。こうして、電源投入時に自動で画像表示装置50に初期表示を実行させることで、特別な操作を要することなく、簡易的に表示器類8が正常に機能するか否かを確認することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、演出制御用マイコン121は、演出制御処理を開始する前の起動遅延処理の実行中に限り、画像表示装置50での初期表示を行う。従って、演出制御用マイコン121に対して大きな処理負担をかけることなく、初期表示を実行させることが可能である。以上、第7形態では、第1形態の7セグ表示器150に関する作用効果を、画像表示装置50に関する作用効果に置き換えて奏することが可能である。従って、その他の詳細な作用効果については、説明を省略する。
<その他の変形例>
上記第1〜第5形態では、ベースを表示する表示手段として、図15に示すように各点灯部分LB1〜LB32が配置されている4連7セグを用いた。しかしながら表示手段は、4連7セグに限られるものではなく、3つ以下の表示領域を備えるものや、5つ以上の表示領域を備えるものであっても良い。また1つの表示領域における点灯部分が、8つであるものに限られず、7つ以下や9つ以上であっても良い。更に、表示手段は、表示器類8のように点灯部分が不作為(バラバラ)に配されているものであったり、液晶表示装置、有機ELディスプレイ等であっても良く、適宜変更可能である。そして、ベースを表示する表示手段の変更に伴って、初期表示を実行する対象となる表示手段も、4連7セグ以外のものに適宜変更可能である。
また上記第1形態では、7セグ表示器150での初期表示として、図24(A)に示すように、4つの表示領域151〜154が備える点灯部分の全てを点灯させた。また上記第2形態では、図38に示すように、4つの表示領域151〜154が備える各点灯部分の全てに対して1つずつ点灯部分を点灯させた。また上記第3形態では、図39に示すように、1つの表示領域における各点灯部分の全てを点灯させる状態を、4つの表示領域151〜154で順番に切替えた。しかしながら、7セグ表示器150での初期表示は、上記したものに限られず、適宜変更可能である。例えば、4つの表示領域151〜154が備える点灯部分の半分を点灯させたり、表示領域151,152が点灯する状態と表示領域153,154が点灯する状態とを交互に切替えるようにしても良い。
また上記第4形態では、7セグ表示器150での初期表示として、図40に示すように、パチンコ遊技機PY1の型式を示唆する「14A2」を表示した。しかしながら、「14A2」以外のパチンコ遊技機PY1の型式を示唆するようにしても良い。また上記第5形態では、7セグ表示器150での初期表示として、図41に示すように、遊技制御用マイコン101のソフト制御版数を示唆する「E250」を表示した。しかしながら、「E250」以外の遊技制御用マイコン101のソフト制御版数を示唆するようにしても良い。更に、パチンコ遊技機PY1に関わる特定の識別情報として、パチンコ遊技機PY1の型式や遊技制御用マイコン101のソフト制御版数以外のその他の情報(製造年月日、製造メーカ、演出制御用マイコン121等のその他の制御手段のソフト制御版数等)を示唆(表示)するようにしても良い。
また上記第6形態では、表示器類8での初期表示として、図42に示すように、当該表示器類8が備えるLEDの全てを点灯させた。しかしながら、表示器類8での初期表示は、上記したものに限られず、例えば当該表示器類8が備えるLEDを1つずつ点灯させたり、第1特図表示器81aのLED⇒第2特図表示器81bのLED⇒普図表示器82のLED⇒第1特図保留表示器83aのLED⇒第2特図保留表示器83bのLEDを順番に点灯させても良く、適宜変更可能である。
また上記第7形態では、画像表示装置50での初期表示として、図45に示すように、当該画像表示装置50の表示画面50aに、「初期表示中」の文字を示す初期表示画像SHを表示した。しかしながら、画像表示装置50での初期表示として、「初期表示中」以外の文字や演出態様、エフェクト等を示す画像を表示しても良い。
また上記第1〜第5形態では、電源基板190により遊技制御基板100に電源が供給されると、遊技制御用マイコン101が、7セグ表示器150での初期表示を実行した。しかしながら、特定の操作手段(例えばRAMクリアスイッチ193)への操作や、特定の時間(例えば営業時間外の午前8時)になることに基づいて、遊技制御用マイコン101が、7セグ表示器150での初期表示を実行するようにしても良い。
また上記第6形態では、電源基板190により遊技制御基板100に電源が供給されると、遊技制御用マイコン101が、表示器類8での初期表示を実行した。しかしながら、特定の操作手段(例えばRAMクリアスイッチ193)への操作や、特定の時間(例えば営業時間外の午前8時)になることに基づいて、遊技制御用マイコン101が、表示器類8での初期表示を実行するようにしても良い。
また上記第7形態では、電源基板190により演出制御基板120に電源が供給されると、演出制御用マイコン121が、画像表示装置50での初期表示を実行した。しかしながら、特定の操作手段(例えば入力部40kやセレクトボタン42k)への操作や、特定の時間(例えば営業時間外の午前8時)になることに基づいて、演出制御用マイコン121が、画像表示装置50での初期表示を実行するようにしても良い。
また上記第1〜第6形態では、遊技制御用マイコン101が、起動遅延処理(S010)の実行中に限り、初期表示処理(S022)を実行し得るようにした。しかしながら、客待ち中や遊技機枠2の開放検知等、その他の制御処理の実行中であっても、初期表示処理(S022)を実行し得るようにしても良い。またパチンコ遊技機PY1に電源が投入されてから最初の特別図柄の変動表示が開始されるまで、初期表示処理(S022)を実行し得るようにしても良い。
また上記第7形態では、演出制御用マイコン121が、起動遅延処理(S4000)の実行中に限り、初期表示開始コマンド出力処理(S5004)を実行し得るようにした。しかしながら、客待ち演出中、可動体の初期動作中等、その他の制御処理の実行中であっても、初期表示開始コマンド出力処理(S5004)を実行し得るようにしても良い。
また上記第7形態では、演出制御用マイコン121が、起動遅延処理(S4000)の終了に伴い、初期表示終了コマンド出力処理(S5008)を実行し得るようにした。しかしながら、例えばまたパチンコ遊技機PY1に電源が投入されてから最初の特別図柄の変動表示が開始されると、初期表示終了コマンド出力処理(S5008)を実行し得るようにしても良く、適宜変更可能である。
また上記各形態では、ベースを表示可能な7セグ表示器150が、図14に示すように遊技制御基板100上に配されていた。しかしながら、ベースを表示可能な7セグ表示器150を遊技制御基板100以外の制御基板に配しても良く、表示器類8のように制御基板上に配されていなくても良い。そして、ベースを表示すると共に、初期表示を実行する制御手段は、遊技制御用マイコン101や演出制御用マイコン121に限られるものではなく、画像制御基板140の画像用CPU141や払出制御基板170のCPUであっても良い。
また上記各形態では、遊技領域6を流下した遊技球の数(発射球数)をカウントするために、排出口センサ30aを設けた。しかしながら、排出口センサ30aを用いずに、発射球数をカウントするようにしても良い。この場合には、例えばレール部材62の傍に遊技球を検出可能なセンサを設けて、そのセンサの検出により発射球数をカウントするようにしても良い。また例えば、アウト口19を通過する遊技球を検出可能なアウト口センサを設けて、そのアウト口センサの検出と、各種入賞口センサ(第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、大入賞口センサ14a、一般入賞口センサ10a)の検出とに基づいて、発射球数をカウントするようにしても良い。
また上記各形態において、7セグ表示器150にベースを表示させるための表示条件を、遊技機枠2が開放していて且つ客待ち状態であることとした。しかしながら表示条件は、適宜変更可能であり、例えば、遊技機枠2の開放だけ、又は客待ち状態だけとしても良い。或いは、RAMクリアスイッチ193が操作されたこととしても良い。
また上記各形態では、7セグ表示器150(表示手段)でベース(特定値)を表示可能にした。しかしながら表示手段で表示する特定値は、ベースに限られるものではなく、排出口センサ30aの検出に基づく特定値であれば、適宜変更可能である。例えば特定値として、単に発射球数(通常発射球数、時短発射球数、大当たり発射球数)を表示したり、出玉(賞球数−発射球数)、又は出率を表示しても良い。出率は電源が投入された時点から現時点までに獲得した賞球数(総賞球数)のうち役物の作動に基づいて獲得した賞球数の割合である。そして出率の中には、役物比率と連続役物比率とがある。役物比率は、賞球数のうち、普通電動役物(電チュー12D)及び特別電動役物(大入賞装置14D)を含む全ての役物の作動に基づいて獲得した賞球数(役物賞球数)の割合である。連続役物比率は、賞球数のうち、特別電動役物を連続して作動させることに基づいて獲得した賞球数(連続役物賞球数)の割合のことである。つまり連続役物比率は、総賞球数のうち、大当たり遊技の実行のみに基づいて獲得した賞球数の割合のことである。
また上記各形態では、遊技制御用マイコン101が、排出口センサ30aによる検出信号(排出検知信号)を入力した。しかしながら、遊技制御用マイコン101以外の制御手段、例えば演出制御用マイコン121や、画像用CPU141等が、排出口センサ30aによる検出信号を入力しても良い。そしてこの場合には、遊技制御用マイコン101以外の制御手段(演出制御用マイコン121や画像用CPU141等)が、ベースや出率等の特定値を演算して、7セグ表示器150等の表示手段で、特定値や特定の画像を表示するようにしても良い。
また上記各形態では、通常遊技状態と時短状態と大当たり遊技状態という遊技状態毎に区切って、ベース(通常ベース、時短ベース、大当たりベース)を演算して表示した。しかしながら、ベースを区切る範囲は適宜変更可能であり、例えば大当たり遊技状態以外のベースと、大当たり遊技状態でのベースとを演算して表示するようにしても良い。また、遊技状態で区切らずに、電源が投入されてから現時点までの全ての状態を考慮したベースを演算して表示するようにしても良い。或いは、特定の状態(例えば時短状態)だけに限ったベースを演算して表示するようにしても良い。
また上記各形態では、電源が初めて投入された時点(所定の開始時点)から、発射球数を計測した。しかしながら、例えば、或る特定の日時(2017年1月1日)や、ホールの従業員等が特定の設定を開始した時点から等、所定の開始時点からの発射球数を計測しても良い。
また上記各形態では、発射球数が100000発未満且つ変動回数が3000回未満であれば、第4表示領域154で「0」を表示して、ベースが参考値であることを示した。一方、発射球数が100000発以上又は変動回数が3000回以上であれば、第4表示領域154で「1」を表示して、ベースが有効値であることを示した。しかしながら、発射球数が100000発未満且つ変動回数が3000回未満であれば、第1表示領域151及び第2表示領域152でベースを表示せず(つまり参考値としてのベースを示さず)、発射球数が100000発以上又は変動回数が3000回以上であれば、第1表示領域151及び第2表示領域152でベースを表示するようにしても良い。この場合には、ベースを確認する人に対して、ベースが表示されていることを条件に、ある程度収束した値としてのベース(有効値としてのベース)と判断させることが可能である。
また上記各形態では、発射球数が100000発以上であるという第1条件と、変動回数が3000回以上であるという第2条件の何れか一方を満たせば、ベースが有効値であることを示した。しかしながら、第1条件及び第2条件の両方を満たせば、ベースが有効値であることを示すようにしても良い。また第1条件又は第2条件の何れか一方しか設けないようにして、ベースが有効値であるか否かを示すようにしても良い。そして第1条件だけを設けた場合に、第1条件を満たせばベースを表示するが、第1条件を満たさなければベースを表示しないようにしても良い。また第2条件だけを設けた場合に、第2条件を満たせばベースを表示するが、第2条件を満たさなければベースを表示しないようにしても良い。またパチンコ遊技機PY1に初めて電源が投入されてからの時間を計測して、その計測した時間が所定時間(例えば10時間)に達するという第3条件を満たせば、ベースが有効値であることを示すようにしても良い。また第1条件と第2条件と第3条件の中から適宜組合わせた条件で、ベースが有効値であることを示すようにしても良い。
また上記各形態では、ベースがある程度収束した有効値であると判断するために、発射球数が100000発(所定値)以上であるか否かという判定、又は変動回数が3000回(所定回転数)以上であるか否かという判定を行った。しかしながら、上記した発射球数の値や所定回転数の値は適宜変更可能であり、例えば発射球数が300000発(所定値)以上であるか否かという判定、又は変動回数が10000回(所定回転数)以上であるか否かという判定を行っても良い。
また上記各形態では、ベースが有効値であるのを報知するために第4表示領域154で「1」(特定の数字)を表示した。しかしながら、有効値であることを報知するための特定の数字は、「1」に限られるものではなく、「7」であっても良く適宜変更可能である。またベースが有効値であるの報知するために、必ずしも数字を表示する必要はない。例えば、第4表示領域154で「―」を表示すれば、ベースが有効値であるのを報知しても良い。またベースが有効値であるのを第4表示領域154以外の表示領域で報知しても良く、適宜変更可能である。
また上記各形態では、7セグ表示器150にベースを表示させることにより、ベースを報知するようにした。しかしながら、スピーカ600(音出力手段)からベースを示す音声を出力させることにより、ベースを報知するようにしても良い。この場合には遊技制御基板100が、演算されたベースの情報を含むコマンドを演出制御基板120に送信し、演出制御用マイコン121がベースの情報を含むコマンドに基づいて音声制御基板161を制御(音声制御)することになる。なお上記した表示条件の成立に基づいて、7セグ表示器150でベースを表示させると共に、スピーカ600からベースを示す音声を出力するようにしても良い。
また上記各形態では、7セグ表示器150での表示によって、ベースが有効値であるのを報知した。しかしながら、ベースが有効値であることの報知は、適宜変更可能である。例えば、画像表示装置50やサブ液晶表示装置で特定の表示を行ったり、盤ランプ54や枠ランプ等の発光手段を特定の発光態様で発光させたり、スピーカ600から特定の報知音を出力させることにより、ベースが有効値であるのを報知しても良い。
また上記各形態では、表示器類8での遊技情報の表示と、7セグ表示器150でのベースの表示とを択一的に行うようにした。しかしながら、表示器類8での遊技情報の表示と、7セグ表示器150でのベースの表示とを同時に実行できるようにしても良い。
また上記各形態において、図12に示すように、2球以上の遊技球が同時に通過することを規制する段部28cが、上壁部28に設けられていた。しかしながら、段部28cを設ける部位は、適宜変更可能である。従って、段部は、前壁部26、後壁部27、下壁部29に設けられていても良い。また段部28c、略直角の角部分を形成するように設けられていたが(図12参照)、段部の形状は、適宜変更可能である。例えば段部は、鋭角の角部分や、鈍角の角部分を形成するように設けられていたり、断面形状として円弧状になっても良い。
また上記各形態において、図12に示すように、段部28cによって、遊技球が同時に2球以上通過できる状態から、遊技球が1球しか通過できない状態に変わるようにした。しかしながら、段部28cの大きさを変えることで、遊技球が同時に3球以上通過できる状態から、遊技球が1球しか通過できない状態に変わるようにしても良い。例えば図12(A)に示す長さH1が、遊技球の直径の3倍(33mm)以上になっていて、段部28cが上下方向に長く形成されていても良い。
また上記各形態では、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成したが、いわゆるV確機(大入賞口内の特定領域(V領域)の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成してもよい。また上記形態では、一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が続く遊技機(いわゆる確変ループタイプの遊技機)として構成したが、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)として構成してもよい。また、いわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。すなわち、本明細書に示されている発明は、遊技機のゲーム性を問わず、種々のゲーム性の遊技機に対して好適に採用することが可能である。
また、特別遊技として、小当たり遊技(大入賞口の総開放時間が所定時間(例えば1.8秒)以下と短い特別遊技)を行うことがあってもよい。小当たり遊技の実行中の状態を小当たり遊技状態と言う。
また、大入賞口(大入賞装置)は、複数(例えば2つ)あってもよい。この場合には、第1大入賞口と、第1大入賞口に入賞した遊技球を検出可能な第1大入賞口センサと、第2大入賞口と、第2大入賞口に入賞した遊技球を検出可能な第2大入賞口センサとが設けられている遊技機になる。
また上記各形態では、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて取得する乱数(判定用情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、当たりの種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また上記各形態では、大当たりに当選してそのことを示す特別図柄が停止表示されたことを制御条件として、大当たり遊技状態(特別遊技状態)に制御されるパチンコ遊技機として構成した。これに対して、スロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ遊技機)として構成してもよい。
また、スロットマシンのタイプは、どのようなタイプであってもよい。ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの入賞によって獲得メダルを増やす所謂ノーマル機(Aタイプのスロットマシン)であれば、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等のボーナスを実行している状態が特別遊技状態に相当する。また、小役に頻繁に入賞可能なART(アシストリプレイタイム)やAT(アシストタイム)等の特別な遊技期間にて獲得メダルを増やす所謂ART機やAT機であれば、ARTやAT中の状態が特別遊技状態に相当する。また、ノーマル機では特別遊技状態への制御条件は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選した上で、有効化された入賞ライン上に、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの移行契機となる図柄の組み合せが各リールの表示結果として導出表示されることである。また、ART機やAT機では特別遊技状態への制御条件は、例えば、ARTやATの実行抽選に当選した上で、規定ゲーム数を消化するなどしてARTやATの発動タイミングを迎えることである。
11.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
〈手段A〉
手段A1に係る発明は、
所定の制御処理(遊技制御処理,演出制御処理)を実行可能な制御手段(遊技制御用マイコン101,演出制御用マイコン121)と、
前記制御手段を実装する制御部(遊技制御基板100,演出制御基板120)と、
前記制御部に電源を供給可能な電源供給部(電源基板190)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
所定の表示手段(7セグ表示器150,表示器類8,画像表示装置50)を備え、
前記制御手段は、前記電源供給部により前記制御部に電源が供給されると、前記表示手段が正常であることを示す初期表示を当該表示手段にて実行可能である(図24(A),図38,図39,図40,図41,図42,図45参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、制御手段を実装する制御部に電源が供給されると、制御手段は、表示手段が正常であることを示す初期表示を当該表示手段にて実行可能である。こうして、電源投入時に自動で表示手段に初期表示を表示させることで、特別な操作を要することなく、簡易的に表示手段が正常に機能するか否かを確認することが可能である。
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機において、
前記制御手段は、遊技の結果に影響を及ぼす遊技制御処理を実行可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)であり、
前記制御部は、前記遊技制御手段を実装する遊技制御部(遊技制御基板100)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技制御処理を実行する遊技制御手段によって、表示手段にて初期表示を実行させる。従って、初期表示を確認する人に対して、信頼性のある制御手段による初期表示であると認識させることが可能である。
手段A3に係る発明は、
手段A2に記載の遊技機において、
遊技球が流下可能な遊技領域(6)を備え、
前記表示手段は、前記遊技制御部に配されていて(図14参照)、
前記遊技制御手段は、前記遊技領域を流下した遊技球の数(発射球数)に基づく特定値(ベース)を演算して、前記表示手段に前記特定値を表示可能である(図16参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、表示手段に表示される特定値を確認することで、遊技場の従業員等は、本遊技機に故障又は不具合が生じているか等の判断を行うことが可能である。
手段A4に係る発明は、
手段A2又は手段A3に記載の遊技機において、
前記表示手段は、複数(4つ)の表示領域(151〜154)を備え、
前記各表示領域は、それぞれ点灯可能な複数の点灯部分(LB1〜LB32)を備え、
前記遊技制御手段は、前記初期表示として、前記複数の表示領域が備える前記各点灯部分の全てを点灯させる(図24(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、初期表示として、表示手段での複数の表示領域が備える各点灯部分の全てが点灯する。従って、初期表示の表示態様であるという判断を容易にすることが可能である。
手段A5に係る発明は、
手段A2又は手段A3に記載の遊技機において、
前記表示手段は、複数(4つ)の表示領域(151〜154)を備え、
前記各表示領域は、それぞれ点灯可能な複数の点灯部分(LB1〜LB32)を備え、
前記遊技制御手段は、前記初期表示として、前記複数の表示領域が備える前記各点灯部分の全てに対して1つずつ点灯部分を順番に点灯させる(図38参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、初期表示として、表示手段での複数の表示領域が備える各点灯部分の全てが1つずつ順番に点灯する。従って、各点灯部分が個別に点灯可能であることを確認することが可能である。
手段A6に係る発明は、
手段A2又は手段A3に記載の遊技機において、
前記表示手段は、複数(4つ)の表示領域(151〜154)を備え、
前記各表示領域は、それぞれ点灯可能な複数の点灯部分(LB1〜LB32)を備え、
前記遊技制御手段は、前記初期表示として、前記複数の表示領域のうち1つの表示領域における前記各点灯部分の全てを点灯させる状態を、前記表示領域毎に順番に切替えていく(図39参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、初期表示として、1つの表示領域における各点灯部分の全てが点灯する状態が、表示領域毎に順番に切替わる。従って、表示領域毎に独立して点灯可能であることを確認することが可能である。
手段A7に係る発明は、
手段A2又は手段A3に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、前記初期表示として、当該遊技機に関わる特定の識別情報(パチンコ遊技機PY1の型式を示唆する情報,遊技制御用マイコン101のソフト制御版数を示唆する情報)を前記表示手段にて表示させる(図40,図41参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、初期表示として、当該遊技機に関わる特定の識別情報が表示手段に表示される。従って、初期表示が正しく行われていることの信頼性を高めることが可能である。即ち、不正な改造による初期表示が行われ難くすることが可能である。
〈手段B〉
手段B1に係る発明は、
特定の制御処理(遊技制御処理,演出制御処理)を実行可能な制御手段(遊技制御用マイコン101,演出制御用マイコン121)と、
所定の表示手段(7セグ表示器150,表示器類8,画像表示装置50)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記制御手段は、
前記特定の制御処理を開始する前に所定の遅延処理(起動遅延処理(S010),起動遅延処理(S4000))を実行可能であり、
前記遅延処理の実行中に、前記表示手段が正常であることを示す初期表示を当該表示手段にて実行(ステップS022の初期表示処理を実行,ステップS5004の初期表示開始コマンド出力処理を実行)する一方、
前記特定の制御処理の実行中に、前記初期表示を実行しないことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、制御手段は、特定の制御処理を開始する前の遅延処理の実行中に、初期表示を実行する一方、特定の制御処理の実行中には、初期表示を実行しない。従って、制御手段に対して大きな処理負担をかけることなく、初期表示を実行させることができて、表示手段が正常に機能するか否かを確認することが可能である。
手段B2に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機において、
前記制御手段は、前記特定の制御処理として遊技の結果に影響を及ぼす遊技制御処理を実行可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)であり、
前記遊技制御手段は、
前記遅延処理(起動遅延処理(S010))の実行中に前記初期表示を実行(ステップS022の初期表示処理を実行)する一方、前記遊技制御処理の実行中に前記初期表示を実行しないことを特徴とする遊技機である。
遊技制御手段は、遊技制御処理の実行という重要な機能を果たすものであって、処理負担が大きくなり易いものである。そこでこの構成の遊技機によれば、遊技制御手段が遅延処理の実行中に限って初期表示を実行することで、遊技制御処理に影響することなく、初期表示を実行させることが可能である。
ところで、特開2009−061160号公報に記載の遊技機において、遊技制御手段は、遊技の進行に伴って、表示手段である特別図柄表示器にて遊技の結果を表示するようになっている。演出制御手段は、遊技の進行に伴って、表示手段である画像表示装置にて様々な演出画像を表示するようになっている。ここで多くの遊技機において、表示手段での表示は、当該表示手段の機能が正常であることが前提になっている。しかしながら、表示手段には故障や不具合等が生じることがあるため、常に正常であることが保証されているわけではない。そこで、制御手段によって、表示手段が正常であることを示す初期表示を当該表示手段にて実行させることが考えられる。しかし、制御手段は元々、特定の制御処理(例えば遊技制御処理)を実行するためのものであるため、特定の制御処理に加えて、初期表示を実行することになると、大きな処理負担になってしまう。そこで上記した手段B1〜B2に係る発明は、特開2009−061160号公報に記載の遊技機に対して、制御手段は、特定の制御処理を開始する前に所定の遅延処理を実行可能であり、前記遅延処理の実行中に、表示手段が正常であることを示す初期表示を当該表示手段にて実行する一方、特定の制御処理の実行中に、初期表示を実行しないという点で相違している。これにより、制御手段に大きな処理負担をかけることなく、初期表示を実行させるという課題を解決(作用効果を奏する)ことが可能である。
PY1…パチンコ遊技機
2…遊技機枠
6…遊技領域
8…表示器類
100…遊技制御基板
101…遊技制御用マイコン
120…演出制御基板
121…演出制御用マイコン
150…7セグ表示器
151〜154…第1〜第4表示領域
LB1〜LB32…点灯部分
190…電源基板

Claims (1)

  1. 入賞口が設けられた遊技領域と、
    前記遊技領域へ向けて発射された遊技球を用いて行われる遊技の結果に影響を及ぼす遊技制御処理を実行可能な遊技制御手段と、
    前記遊技制御手段を実装する遊技制御部と、
    前記遊技制御部に電源を供給可能な電源供給部と、
    前記入賞口に遊技球が入賞した場合に、予め定められた賞球を払い出す払出手段と、
    を備える遊技機において、
    前記遊技領域を流下した遊技球の数に対して遊技者が獲得した賞球数の割合であるベースを表示可能な表示手段と、
    所定の演出を制御する演出制御手段と、
    を備え、
    前記遊技制御手段は、
    前記遊技制御処理を開始する前に所定の遅延処理を実行可能であり、
    前記電源供給部により前記遊技制御部に電源が供給されると、前記表示手段の点灯部分の全てを点灯させて、前記表示手段が正常であることを示す初期表示を実行可能であり、
    前記遅延処理を実行することで、前記演出制御手段の起動よりも前記遊技制御処理の実行を遅延させ、
    前記初期表示を前記遅延処理の実行中に実行可能であり、
    前記初期表示を実行している場合に、前記表示手段の点灯部分を全て消灯させて、前記初期表示を終了させることを特徴とする遊技機。
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