JP2020182695A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技制御部から特定の制御信号が出力されていることの確認を容易に行うことが可能な遊技機を提供すること。【解決手段】パチンコ遊技機PY1は、遊技を制御可能な遊技制御基板100を備える。遊技制御基板100は、待機位置から回転位置へ操作可能な設定キーシリンダ180を備える。また遊技制御基板100は、電源投入時に設定キーシリンダ180が待機位置にある場合には、当該遊技制御基板100から外端出力信号を出力しない一方、電源投入時に設定キーシリンダ180が回転位置にある場合には、当該遊技制御基板100から外端出力信号を出力可能である。【選択図】図38

Description

本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
遊技機の一例としてパチンコ遊技機は、例えば下記特許文献1に記載されているように、遊技を制御可能な遊技制御基板(遊技制御部)が設けられている。遊技制御基板は、その他の様々な基板に接続されていて、接続されている基板に対して制御信号を出力可能になっている。なお遊技制御基板は、遊技の結果に影響を与える遊技制御処理を実行可能な基板であるため、正しく制御信号を出力できることが保証されていなければならないものである。
特開2001−017621号公報
ところで、遊技制御部から様々な制御信号が出力されるものの、予め制御信号が正しく出力されているか否かを容易に確認する方法は、従来からあまり考えられていなかった。即ち、遊技制御部から特定の制御信号の出力を人為的にコントロールすることで、予め遊技制御部から特定の制御信号が正しく出力されているかを確認するという方法は、従来からあまり考えられていなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものである。すなわちその課題は、遊技制御部から特定の制御信号が出力されていることの確認を容易に行うことが可能な遊技機を提供することにある。
本発明の遊技機は、
遊技を制御可能な遊技制御部を備える遊技機において、
前記遊技制御部は、
所定の初期位置から操作位置へ操作可能な操作手段を備え、
電源投入時に前記操作手段が前記初期位置にある場合には特定の制御信号を出力しない一方、
電源投入時に前記操作手段が前記操作位置にある場合には前記特定の制御信号を出力可能であることを特徴とする遊技機である。
本発明の遊技機によれば、遊技制御部から特定の制御信号が出力されていることの確認を容易に行うことが可能である。
実施形態に係る遊技機の斜視図である。 同遊技機が備える遊技機枠の構造を示す斜視図である。 実施形態に係る遊技機の正面図である。 同遊技機が備える遊技盤の正面図である。 図4に示すA部分の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。 同遊技機の遊技制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 同遊技機の演出制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 実施形態に係る遊技機の裏側を示す斜視図である。 当たり種別判定テーブルである。 遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。 大当たり判定テーブルである。 (A)はリーチ判定テーブルであり、(B)は普通図柄当たり判定テーブルであり、(C)は普通図柄変動パターン選択テーブルである。 特図変動パターン判定テーブルである。 電チューの開放パターン決定テーブルである。 (A)は遊技制御基板と遊技制御基板ケースとを示す斜視図であり、(B)は遊技制御基板と遊技制御基板ケースとを示す正面図である。 7セグ表示器を示す正面図である。 遊技制御用マイコンの周りの電気回路を示す図である。 (A)は設定キーシリンダが回転位置にあるときの電気回路を示す図であり、(B)は設定キーシリンダが回転位置から待機位置への操作途中であるときの電気回路を示す図であり、(C)は設定キーシリンダが待機位置にあるときの電気回路を示す図である。 7セグ表示器で初期表示が実行された後に特定時間毎に表示態様が切替わることを説明するための図である。 1回前ベースと2回前ベースと3回前ベースとが未だ記憶されていない場合を説明するための図である。 第1形態において設定キーシリンダの位置と制御内容との関係を示す表である。 エラー報知を示す図である。 主制御メイン処理のフローチャートである。 電源投入時処理のフローチャートである。 電源投入時エラー処理のフローチャートである。 メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。 異常監視処理のフローチャートである。 遊技中エラー処理のフローチャートである。 電源断監視処理のフローチャートである。 サブ制御メイン処理のフローチャートである。 受信割り込み処理のフローチャートである。 1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 変動演出開始処理のフローチャートである。 第2形態において設定キーシリンダの位置と制御内容との関係を示す表である。 第2形態において電源投入時エラー処理のフローチャートである。 第3形態において設定キーシリンダの位置と制御内容との関係を示す表である。 第3形態において電源投入時エラー処理のフローチャートである。 第4形態において設定キーシリンダの位置と制御内容との関係を示す表である。 試験用遊技制御基板に試験装置が接続されている状態を示す図である。 第4形態において電源投入時エラー処理のフローチャートである。 第5形態において設定キーシリンダの位置と制御内容との関係を示す表である。 第5形態において電源投入時エラー処理のフローチャートである。 第6形態において設定キーシリンダの位置と制御内容との関係を示す表である。 第6形態において電源投入時処理のフローチャートである。 第6形態において異常監視処理のフローチャートである。 第7形態において設定キーシリンダの位置と制御内容との関係を示す表である。 第7形態において電源投入時処理のフローチャートである。 第7形態において異常監視処理のフローチャートである。 第8形態において(A)は設定値「1」のときに用いる大当たり判定テーブルであり、(B)は設定値「2」のときに用いる大当たり判定テーブルであり、(C)は設定値「3」のときに用いる大当たり判定テーブルであり、(D)は設定値「4」のときに用いる大当たり判定テーブルであり、(E)は設定値「5」のときに用いる大当たり判定テーブルであり、(F)は設定値「6」のときに用いる大当たり判定テーブルである。 第8形態において設定キーシリンダの位置と制御内容との関係を示す表である。
1.遊技機の構造
本発明の実施形態であるパチンコ遊技機PY1について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明においてパチンコ遊技機PY1の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機PY1の各部の前方向をパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機PY1の各部の後方向をパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から離れる方向として説明する。
図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2を備えている。遊技機枠2は、図2に示すように、パチンコ遊技機PY1の外郭を構成するものであり、外枠22と内枠21と前扉23(前枠)とを備えている。外枠22は、パチンコ遊技機PY1の外郭部を形成する縦長方形状の枠体である。内枠21は、外枠22の内側に配置されていて、後述の遊技盤1を取付ける縦長方形状の枠体である。前扉23は、外枠22及び内枠21の前面側に配置されていて、遊技盤1を保護する縦長方形状のものである。前扉23は、遊技者に正対する部分であり、種々の飾り付けがなされている。
遊技機枠2は、左端側にヒンジ部24を備えて構成されている。このヒンジ部24により、前扉23は、外枠22及び内枠21に対してそれぞれ回動自在になっていて、内枠21は、外枠22及び前扉23に対してそれぞれ回動自在になっている。前扉23の中央には開口部23aが形成されていて、遊技者が後述の遊技領域6を視認できるように透明の透明板23tが開口部23aに取付けられている。透明板23tは、本形態ではガラス板であるが、透明な合成樹脂板であってもよい。すなわち、透明板23tは、前方から遊技領域6を視認可能なものであればよい。
図1〜図3に示すように、前扉23には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル72k(遊技球打込手段)、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)34、及び打球供給皿34に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)35が設けられている。また前扉23には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン(入力部)40k及びセレクトボタン42kが設けられている。なおセレクトボタン(十字キー)42kは、上方向ボタンと下方向ボタンと左方向ボタンと右方向ボタンとによって構成されている。また前扉23には、装飾用の枠ランプ212及び音を出力するスピーカ(図1において不図示)が設けられている。
遊技機枠2には、図4に示す遊技盤1が取付けられている。図4に示すように、遊技盤1には、ハンドル72kの操作により発射された遊技球が流下する遊技領域6が、レール部材62で囲まれて形成されている。また遊技盤1には、装飾用の盤ランプ54が多数設けられている。また遊技領域6には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。なお遊技盤1は、前側に配されている板状部材と、後側に配されている裏ユニット(後述する各種制御基板、画像表示装置50、ハーネス等を取付けるユニット)とが一体化されたものである。
また遊技領域6の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置50(演出表示手段,画像表示手段)が設けられている。なお画像表示装置は、有機EL表示装置などの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置50の表示画面50a(表示部)には、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄EZ(装飾図柄)の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。演出図柄EZを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの演出図柄表示領域からなる。左演出図柄表示領域には左演出図柄EZ1が表示され、中演出図柄表示領域には中演出図柄EZ2が表示され、右演出図柄表示領域には右演出図柄EZ3が表示される。
演出図柄EZはそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置50は、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3の組み合わせによって、後述の第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bにて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄EZを停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄EZを停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特図表示器81aや第2特図表示器81bにより把握するのではなく、画像表示装置50にて把握する。なお、演出図柄表示領域の位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄EZの変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置50は、上記のような演出図柄EZを用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面50aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄EZのほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄EZ以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置50の表示画面50aには、後述の第1特図保留や第2特図保留の記憶数に応じて保留アイコンHA(演出保留画像)を表示する保留アイコン表示領域がある。保留アイコンHAの表示により、後述の第1特図保留表示器83aにて表示される第1特図保留の記憶数や、後述の第2特図保留表示器83bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域6の中央付近であって画像表示装置50の前方には、センター枠61(内側壁部)が配されている。センター枠61の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口11へと誘導可能なステージ61sが形成されている。またセンター枠61の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ61sへ遊技球を流出させるワープ61wが設けられている。またセンター枠61の上部には、上下動可能な盤可動体55kが設けられている。盤可動体55kは、表示画面50aの上方の原点位置から表示画面50aの中央と前後方向に重なる演出位置に移動可能なものである。
遊技領域6における画像表示装置50の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口11(入球口)を備える第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動口11を、第1入球口や、固定入球口、第1始動入賞口、第1始動領域ともいう。また第1始動入賞装置11Dを、第1入球手段や、固定入球手段、第1始動入賞装置ともいう。第1始動口11への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また遊技領域6における第1始動口11の下方には、第2始動口12(入球口)を備える普通可変入賞装置(普通電動役物いわゆる電チュー)12Dが設けられている。第2始動口12を、第2入球口や、可変入球口、第2始動入賞口、第2始動領域ともいう。電チュー12Dを、第2入球手段や、可変入球手段、第2始動入賞装置ともいう。第2始動口12への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。
電チュー12Dは、開状態と閉状態とをとる電チュー開閉部材12k(入球口開閉部材)を備え、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12を開閉するものである。電チュー開閉部材12kは、後述の電チューソレノイド12sにより駆動される。電チュー開閉部材12kが開状態にあるときには、第2始動口12への遊技球の入球が可能となり、閉状態にあるときには、第2始動口12への遊技球の入球が不可能となる。つまり、第2始動口12は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チューは、電チュー開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口への入球を不可能とするものでなくてもよい。
また、遊技領域6における第1始動口11の右方には、大入賞口14を備えた大入賞装置(特別電動役物)14Dが設けられている。大入賞口14を、特別入賞口(特別入賞部)ともいう。また大入賞装置14Dを、アタッカー(AT)や、特別入賞手段、特別可変入賞装置ともいう。大入賞装置14Dは、開状態(第1状態)と閉状態(第2状態)とをとるAT開閉部材14k(特別入賞口開閉部材)を備え、AT開閉部材14kの作動により大入賞口14を開閉するものである。AT開閉部材14kは、後述のATソレノイド14sにより駆動される。大入賞口14は、AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
また、センター枠61の右方には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。ゲート13を、通過口や通過領域ともいう。ゲート13への遊技球の通過は、電チュー12Dを開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域6の下部には、複数の一般入賞口10が設けられている。また遊技領域6の最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6外へ排出するアウト口19が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域6には、左右方向の中央より左側の左遊技領域6L(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域6R(第2遊技領域)とがある。左遊技領域6Lを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域6Rを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機PY1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口11と、一般入賞口10、電チュー12Dと、アウト口19とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口11や一般入賞口10への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲートは配されていないため、左打ちをしている場合に電チュー12Dが開放されることはない。
一方、第2流路R2上には、ゲート13と、一般入賞口10と、大入賞装置14Dと、電チュー12Dと、アウト口19とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート13への通過や、一般入賞口10、第2始動口12、及び大入賞口14への入賞を狙うことができる。
また図4に示すように、遊技盤1の右下部には表示器類8が配置されている。表示器類8には、図5に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特図表示器81a、第2特別図柄を可変表示する第2特図表示器81b、及び、普通図柄(普図)を可変表示する普図表示器82が含まれている。第1特別図柄を、第1特図又は特図1ともいい、第2特別図柄を第2特図又は特図2ともいう。また、普通図柄を普図ともいう。
また表示器類8には、第1特図表示器81aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器83a、第2特図表示器81bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器83b、および普図表示器82の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器84が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(特図、識別図柄)ということがある。また、第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bを総称して特図表示器81(識別図柄表示手段)ということがある。また、第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83bを総称して特図保留表示器83ということがある。また第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。
特図表示器81では、特別図柄(識別図柄)を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口14を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口の開放パターンについては後述する。
具体的には特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報、判定用情報)は、後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。詳細には、第1始動口11への入賞であれば第1特図保留として、後述の第1特図保留記憶部105aに記憶され、第2始動口12への入賞であれば第2特図保留として、後述の第2特図保留記憶部105bに記憶される。各々の特図保留記憶部105に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ「4」となっている。
特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器83に表示される。具体的には特図保留表示器83はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート13への遊技球の通過を契機として行われる。普図表示器82では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口12を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口12の開放パターンについては後述する。
具体的には普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており(図5参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、後述の普図保留記憶部106に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は「4」となっている。
普図保留記憶部106に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器84に表示される。具体的には普図保留表示器84は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。
2.遊技機の電気的構成
次に図6及び図7に基づいて、本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図6及び図7に示すように、パチンコ遊技機PY1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う遊技制御基板100(主制御基板、遊技制御部)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う演出制御基板120(サブ制御基板、演出制御部)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板170等を備えている。なお、遊技制御基板100は、払出制御基板170とともにメイン制御部を構成し、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140及びサブドライブ基板162とともにサブ制御部を構成する。
なお、サブ制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50やスピーカ620、盤ランプ54、盤可動体55k、枠ランプ212等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機PY1は、電源ユニット190を備えている。電源ユニット190(電力供給部)は、パチンコ遊技機PY1の外部からAC24Vの電源を入力して、AC24Vの電源に基づいてパチンコ遊技機PY1の動作に必要な各種電圧(DC5V,DC12V,DC18V,DC24V,DC37V)の電力(電源)を生成するものである。なおDC5Vの電力は主に、各種の集積回路(IC)の電源として用いられる。またDC12Vの電力は主に、各種のセンサやソレノイドの電源として用いられる。またDC18Vの電力は主に、各種のLEDの電源として用いられる。またDC24Vの電力とDC37Vの電力は主に、演出用のモータ(駆動手段)の電源として用いられる。
電源ユニット190(電力供給部)は、生成した電力を、先ず払出制御基板170に供給する。そして生成した電力を、払出制御基板170を介して遊技制御基板100と演出制御基板120に供給する。更に生成した電力を、払出制御基板170と遊技制御基板100と演出制御基板120を介してその他の機器に対して供給するようになっている。本形態では、電源ユニット190にバックアップ電源回路が設けられておらず、払出制御基板170にバックアップ電源回路179が設けられている。
電源ユニット190には、電源スイッチ195(電力切替部)が接続されている。電源スイッチ195は、外部から供給されるAC24Vの電源に基づいて電力を供給可能な投入状態、又は電力を供給不能な遮断状態に切替可能なものである。つまり、電源スイッチ195は、ON操作又はOFF操作により、電源の投入又は電源の遮断を切替えるものであり、電源スイッチ195がON操作されると投入状態になり、電源スイッチ195がOFF操作されると遮断状態になる。
また電源ユニット190には、押下操作可能なRAMクリアスイッチ191(RAMクリア操作手段)が設けられている。RAMクリアスイッチ191は、後述する遊技制御用マイコン101の遊技用RAM(Random Access Memory)104に記憶されている遊技に係る情報(例えば高確率状態などの遊技状態の情報、特図保留や大当たりの当否判定の結果などの情報)を消去するためのものである。図8に示すように、RAMクリアスイッチ191は、本パチンコ遊技機PY1の裏側に配置された電源ユニット190上に設けられている。そのため、遊技機枠2を開放可能な遊技場の従業員等でなければ、RAMクリアスイッチ191を操作することはできない。即ち、RAMクリアスイッチ191は、実質的に遊技者による操作が不可能な操作手段といえる。RAMクリアスイッチ191が押下操作されると、RAMクリアスイッチ191がONであることを示す検出信号が遊技制御用マイコン101に入力される。なお本形態では、RAMクリアスイッチ191が電源ユニット190上に設けられているが、RAMクリアスイッチ191の配置箇所は適宜変更可能であり、例えば遊技制御基板100上や専用の基板上に設けられていても良い。
図6に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン101(遊技制御手段)には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート部118が含まれている。遊技用RAM104(記憶手段)には、上述した特図保留記憶部105(第1特図保留記憶部105aおよび第2特図保留記憶部105b)と普図保留記憶部106の他、後述するベース情報記憶部108とが設けられている。また遊技制御基板100には、図8に示すように、7セグ表示器300と設定キーシリンダ180とが設けられている。7セグ表示器300と設定キーシリンダ180については後に詳述する。
遊技制御基板100には、図6に示すように、中継基板110を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、遊技制御基板100には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには遊技制御基板100から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、大入賞口センサ14a、一般入賞口センサ10a、および排出口センサ18aが接続されている。
第1始動口センサ11aは、第1始動口11内に設けられて第1始動口11に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ12aは、第2始動口12内に設けられて第2始動口12に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ13aは、ゲート13内に設けられてゲート13を通過した遊技球を検出するものである。大入賞口センサ14aは、大入賞口14内に設けられて大入賞口14に入賞した遊技球を検出するものである。一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10内に設けられて一般入賞口10に入賞した遊技球を検出するものである。
排出口センサ18aは、パチンコ遊技機PY1外へ遊技球を排出する排出口(図示省略)内に設けられて、排出口を通過した遊技球を検出するものである。排出口は、内枠21の下端部に設けられていて、遊技領域6に打ち込まれた遊技球は、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、一般入賞口10、アウト口19の何れかに入球した後、最終的に排出口を通過するようになっている。従って、排出口を通過した遊技球を排出口センサ18aで検出することにより、遊技領域6に打ち込まれた全ての遊技球を検出することが可能である。なお、遊技領域6に打ち込まれた全ての遊技球の数を、総発射球数と呼ぶことができる。また総発射球数は、パチンコ遊技機PY1外に排出される全ての遊技球の数と同じであるため、排出球数、総排出球数、アウト球数と呼ぶこともできる。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド12s、およびATソレノイド14sが接続されている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動するものである。ATソレノイド14sは、大入賞装置14DのAT開閉部材14kを駆動するものである。
さらに遊技制御基板100には、特図表示器81(第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81b)、普図表示器82、特図保留表示器83(第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83b)、および普図保留表示器84が接続されている。すなわち、これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドや信号を送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。発射装置72には、ハンドル72k(図1参照)が含まれる。
払出制御基板170(第1制御基板)は、プログラムに従って遊技球の払い出しに係る制御処理を実行可能な払出制御用ワンチップマイコン(以下「払出制御用マイコン」)171を実装している。払出制御用マイコン171(払出制御手段)には、払い出しを制御するためのプログラムを記憶した払出用ROM173、ワークメモリとして使用される払出用RAM174、払出用ROM173に記憶されたプログラムを実行する払出用CPU172、データや信号の入出力を行うための払出用I/Oポート部(入出力回路)178が含まれている。なお、払出用ROM173は外付けであっても良い。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、パチンコ遊技機PY1に接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モータ73mを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。例えば、遊技球が第1始動口11に入球(入賞)すると、第1始動口センサ11aによる検出信号が遊技制御用マイコン101に入力される。これにより、遊技制御用マイコン101は、遊技球が第1始動口11に入球したことを示す賞球信号を払出制御基板170に出力する。この場合、賞球信号を受信した払出制御用マイコン171は、払出用ROM173に記憶されている賞球数情報に基づいて、発射制御回路175を介して発射ソレノイド72sを駆動して、第1始動口11への入球に基づく賞球(例えば3個)の払い出しを行う。このとき、払い出される遊技球は、その計数のため賞球センサ73aにより検知されて、賞球センサ73aによる検知信号が払出制御基板170に出力される。
払出制御基板170に設けられているバックアップ電源回路179は、本パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する遊技制御基板100の遊技用RAM104に対して電力(バックアップ電源)を供給する。従って、遊技制御基板100の遊技用RAM104に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。なお遊技制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を遊技制御基板100に設けたり、電源基板に設けたりしても良い。
遊技者による発射装置72のハンドル72k(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ72aがハンドル72kへの接触を検知し、発射ボリューム72bがハンドル72kの回転量を検知する。そして、発射ボリューム72bの検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sが駆動されることとなる。本パチンコ遊技機PY1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また遊技制御基板100は、演出制御基板120に対し各種コマンドを送信する。遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
また図6に示すように、外部端子板160(外部端子部)は、払出制御基板170に接続されていて、払出制御用マイコン171により出力された外端出力信号に基づいて、各種の外端出力信号をデータ表示器161等の本パチンコ遊技機PY1の外部に配された外部装置に出力する。また外部端子板160は、払出制御基板170を介して遊技制御基板100に接続されていて、遊技制御用マイコン101により出力された外端出力信号に基づいて、各種の外端出力信号をデータ表示器161に出力する。
外部端子板160には、外部出力用の複数のチャネルが設けられている。各チャネルに対応するコネクタと、データ表示器161側のコネクタとは、ケーブルによって接続されている。そして各コネクタからそれぞれ1つの信号が外部に出力されるようになっている。
外部端子板160は、複数のチャネルのうち1つのチャネルから大当たり信号を出力可能である。大当たり信号は、大当たり遊技の実行中であることを示す信号である。よって遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技の開始から終了までの間、ON状態の大当たり信号を払出制御基板170を介して外部端子板160に出力して、ON状態の大当たり信号を入力する外部端子板160は、データ表示器161にON状態の大当たり信号を出力することになる。ON状態の大当たり信号が、複数種類ある外端出力信号のうちの一つの外端出力信号(外部出力信号)である。
である。
また外部端子板160は、複数のチャネルのうち1つのチャネルから図柄確定信号を出力可能である。図柄確定信号は、変動表示されていた特別図柄が停止表示したことを示す信号である。よって遊技制御用マイコン101は、特別図柄が停止表示したタイミングで、図柄確定信号を払出制御基板170を介して外部端子板160に出力して、図柄確定信号を入力する外部端子板160は、データ表示器161に図柄確定信号を出力することになる。図柄確定信号は、瞬間的なパルス信号であり、複数種類ある外端出力信号のうちの一つの外端出力信号(外部出力信号)である。
また外部端子板160は、複数のチャネルのうち1つのチャネルから高確状態信号を出力可能である。高確状態信号は、後述する高確率状態であることを示す信号である。よって遊技制御用マイコン101は、高確率状態の開始から終了までの間、ON状態の高確状態信号を払出制御基板170を介して外部端子板160に出力して、ON状態の高確状態信号を入力する外部端子板160は、データ表示器161にON状態の高確状態信号を出力することになる。ON状態の高確状態信号が、複数種類ある外端出力信号のうちの一つの外端出力信号(外部出力信号)である。
また外部端子板160は、複数のチャネルのうち1つのチャネルから電サポ状態信号を出力可能である。電サポ状態信号は、後述する電サポ制御状態(高ベース状態)であることを示す信号である。よって遊技制御用マイコン101は、電サポ制御状態の開始から終了までの間、ON状態の電サポ状態信号を払出制御基板170を介して外部端子板160に出力して、ON状態の電サポ状態信号を入力する外部端子板160は、データ表示器161にON状態の電サポ状態信号を出力することになる。ON状態の電サポ状態信号が、複数種類ある外端出力信号のうちの一つの外端出力信号(外部出力信号)である。
また外部端子板160は、複数のチャネルのうち1つのチャネルから第1始動口信号を出力可能である。第1始動口信号は、遊技球が第1始動口11に入球したことを示す信号である。よって遊技制御用マイコン101は、遊技球が第1始動口11に入球したタイミングで、第1始動口信号を払出制御基板170を介して外部端子板160に出力して、第1始動口信号を入力する外部端子板160は、データ表示器161に第1始動口信号を出力することになる。第1始動口信号は、瞬間的なパルス信号であり、複数種類ある外端出力信号のうちの一つの外端出力信号(外部出力信号)である。
また外部端子板160は、複数のチャネルのうち1つのチャネルから第2始動口信号を出力可能である。第2始動口信号は、遊技球が第2始動口12に入球したことを示す信号である。よって遊技制御用マイコン101は、遊技球が第2始動口12に入球したタイミングで、第2始動口信号(外端出力信号)を払出制御基板170を介して外部端子板160に出力して、第2始動口信号を入力する外部端子板160は、第2始動口信号をデータ表示器161に出力することになる。第2始動口信号は、瞬間的なパルス信号であり、複数種類ある外端出力信号のうちの一つの外端出力信号(外部出力信号)である。
また外部端子板160は、複数のチャネルのうち1つのチャネルからセキュリティー信号を出力可能である。セキュリティー信号は、電チュー12Dや大入賞装置14Dの未作動時にこれらの装置に係る入賞口(第2始動口12、大入賞口14)に入賞があったことを示す信号である。よって遊技制御用マイコン101は、電チュー12Dや大入賞装置14Dの未作動時に入賞があったタイミングで、セキュリティー信号を払出制御基板170を介して外部端子板160に出力して、セキュリティー信号を入力する外部端子板160は、データ表示器161にセキュリティー信号を出力することになる。セキュリティー信号は、瞬間的なパルス信号であり、複数種類ある外端出力信号のうちの一つの外端出力信号(外部出力信号)である。
また外部端子板160は、複数のチャネルのうち1つのチャネルから賞球情報信号を出力可能である。賞球情報信号は、所定数(例えば10球)の賞球がなされたことを示す信号である。払出制御用マイコン171は、賞球数を所定数カウントしたタイミングで、賞球情報信号を外部端子板160に出力して、賞球情報信号を入力する外部端子板160は、データ表示器161に賞球情報信号を出力することになる。賞球数信号は、瞬間的なパルス信号であり、複数種類ある外端出力信号のうちの一つの外端出力信号である。
なお本パチンコ遊技機PY1には、遊技機枠2の開放(内枠21の外枠22に対する開放、前扉23の内枠21に対する開放)を検出可能な枠開放センサ(図示省略)が設けられている。枠開放センサの検出に基づく枠開放信号は、払出制御基板170に入力されるものの、払出制御用マイコン171に入力されることない。そのため枠開放信号は、払出制御用マイコン171をスルーして、払出制御基板170を介して外部端子板160に入力される。枠開放信号は、瞬間的なパルス信号であり、複数種類ある外端出力信号のうちの一つの外端出力信号である。
本形態では、払出制御用マイコン171が外部端子板160に対して出力する外端出力信号や、遊技制御用マイコン101が外部端子板160に対して出力する外端出力信号、又は枠開放信号は、それぞれ別個の信号(パラレルデータ)になっていて、パラレルデータのまま外部端子板160に入力される。パラレルデータが外部端子板160に入力されると、各チャネルに対応して設けられているフォトリレー等の信号伝達素子は、それぞれの入力信号に応じて導通状態/非導通状態を切替える。その結果、フォトリレーが導通状態になったチャネルから、外端出力信号(大当たり信号、図柄確定信号、高確状態信号、電サポ状態信号、第1始動口信号、第2始動口信号、セキュリティー信号、賞球数信号、枠開放信号)が出力されることになる。
なお、払出制御用マイコン171が外部端子板160に対して出力する信号や、遊技制御用マイコン101が外部端子板160に対して出力する信号を、複数ビットの情報量を持つシリアルデータとしても良い。この場合には、シリアルデータが、図示しないS/P変換回路(シリアル/パラレル変換回路)によってパラレルデータに変換されて、パラレルデータとして外部端子板160に入力されることになる。
図7に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート部138が含まれている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。演出制御基板120は、払出制御基板170を介して電源ユニット190から電力(例えばDC5Vの電力)が供給されるようになっている。
また図7に示すように、演出制御基板120には、画像制御基板140が接続されていると共に、サブドライブ基板162(サブドライブ回路)が接続されている。演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお演出制御用マイコン121は、画像制御基板140の画像用入力回路147を介して制御信号を送信する。そして画像用CPU141は、画像制御基板140の画像用出力回路148を介して画像表示装置50に制御信号を送信する。
画像制御基板140の画像用RAM143は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板140の画像用ROM142には、画像表示装置50に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(装飾図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板140の画像用CPU141は、演出制御用マイコン121からの指令に基づいて画像用ROM142から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
画像制御基板140には、スピーカ620(音出力手段)が接続されている。演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板140の音声用CPU149を介してスピーカ620から音声、楽曲、効果音等を出力する。なお音声用CPU149は、画像用CPU141からの指令に基づいて、音声制御回路150を介してスピーカ620の音声制御を行う。スピーカ620から出力する音声等の音響データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。但し、音響データを画像制御基板140の画像用ROM142に格納しても良い。
なお画像制御基板140にスピーカ620の音声制御を行わせたが、画像制御基板140とは別に音声制御基板を設けて、この音声制御基板にスピーカ620の音声制御を行わせても良い。この場合、音声制御基板は演出制御基板120に接続されていても良いし、画像制御基板140を介して演出制御基板120に接続されていても良い。また音声制御基板にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。
また図7に示すように、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して、枠ランプ212や盤ランプ54等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して、盤可動体55kの駆動制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、盤可動体55kの動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って、盤可動体55kを駆動させるためのモータの駆動制御を行う。動作パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
なお、サブドライブ基板162にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や、盤可動体55kの駆動制御を行わせてもよい。さらにこの場合、サブドライブ基板162にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
また演出制御基板120には、入力部検知センサ(演出ボタン検知センサ)40aおよびセレクトボタン検知センサ42aが接続されている。入力部検知センサ40aは、入力部40k(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。入力部40kが押下操作されると入力部検知センサ40aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。セレクトボタン検知センサ42aは、セレクトボタン42k(図1参照)が押下操作されたことを検知するものである。セレクトボタン42kが押下操作されるとセレクトボタン検知センサ42aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。
なお図6及び図7は、あくまで本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図6及び図7に示す基板だけが設けられているわけではない。遊技制御基板100を除いて、図6及び図7に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図6及び図7に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
図8に基づいて各種制御基板の配置について説明する。遊技制御基板100は、遊技盤1に取付けられていて、図8に示すように、電源ユニット190及び払出制御基板170よりも上方に配置されている。電源ユニット190は、内枠21の後方の下側に配置されていて、電源ユニット190よりも後方に、払出制御基板170が配置されている。電源ユニット190と払出制御基板170とは、遊技盤1の後方に設けられている透明の外側カバー25よりも、外側に配置されている。よって、払出制御基板170は、遊技盤1ではなく、遊技機枠2(内枠21)に設けられている「枠側基板」ということができる。なお払出制御基板170は、払出制御用マイコン171の視認性を妨げない払出制御基板ケース170Aに収容されている。
一方、遊技制御基板100や、上述した演出制御基板120、サブドライブ基板162、画像制御基板140は、遊技盤1の外側カバー25の内部に配置されている。そのため、遊技制御基板100、演出制御基板120、サブドライブ基板162、画像制御基板140は、遊技機枠2ではなく、遊技盤1に設けられている「盤側基板」ということができる。なお遊技制御基板100は、遊技制御用マイコン101の視認性を妨げない遊技制御基板ケース100Aに収容されている。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特図表示器81に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特図表示器81に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口14を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技を特別遊技ともいう。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別は図9に示す通りである。図9に示すように、本形態では大きく分けて2つの種別がある。確変大当たりと通常大当たりである。確変大当たりは、大当たり遊技後の遊技状態を後述する高確率状態に制御する大当たりである。通常大当たりは、大当たり遊技後の遊技状態を後述する通常確率状態(低確率状態)に制御する大当たりである。
より具体的には、特図1の抽選(第1特別図柄の抽選)にて当選可能な確変大当たり及び通常大当たりは、1Rから8Rまでは大入賞口14を1R当たり最大29.5秒(所定期間)にわたって開放し、9Rから16Rまでは大入賞口14を1R当たり最大0.1秒(所定期間)にわたって開放する大当たりである。つまり、これらの大当たりの総ラウンド数は16Rであるものの、実質的なラウンド数は8Rである。実質的なラウンド数とは、1ラウンド当たりの入賞上限個数(本形態では8個)まで遊技球が入賞可能なラウンド数のことである。これらの大当たりでは9Rから16Rまでは、大入賞口14の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。なお、特図1の抽選によって「確変大当たり」に当選した場合には、第1特図表示器81aに「特図1_確変図柄」が停止表示され、「通常大当たり」に当選した場合には、第1特図表示器81aに「特図1_通常図柄」が停止表示される。
また、特図2の抽選(第2特別図柄の抽選)にて当選可能な確変大当たり及び通常大当たりは、1Rから16Rまで大入賞口14を1R当たり最大29.5秒(所定期間)にわたって開放する大当たりである。つまり、これらの大当たりは実質的なラウンド数も16Rである。特図2の抽選によって「確変大当たり」に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特図2_確変図柄」が停止表示され、「通常大当たり」に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特図2_通常図柄」が停止表示される。
いずれの大当たりに当選した場合であっても、大当たり遊技後には後述する電サポ制御状態(高ベース状態)に制御される。電サポ制御状態は、高確率状態に伴って制御される場合には次回の大当たり当選まで継続する。一方、通常確率状態(低確率状態)に伴って制御される場合には、電サポ回数(時短回数)が100回に設定される。電サポ回数とは、電サポ制御状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数のことである。
なお図9に示すように、特図1の抽選および特図2の抽選における大当たりの振分率は、共に確変大当たりが65%、通常大当たりが35%となっている。但し、特図1の抽選に基づいて大当たりに当選した場合には実質的なラウンド数が8ラウンドの大当たり遊技が実行される一方、特図2の抽選に基づいて大当たりに当選した場合には実質的なラウンド数が16ラウンドの大当たり遊技が実行される点で、特図1の抽選よりも特図2の抽選の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
ここで本パチンコ遊技機PY1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図10(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄EZのうち変動表示されている演出図柄EZが残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄EZがどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄EZの組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄EZは、表示画面50a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。また、ゲート13への通過に基づいて取得される乱数には、図10(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー12Dを開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。
ここで本形態のパチンコ遊技機PY1では、図11に示す大当たり判定テーブルを用いて、大当たりである否か(大当たり遊技を実行するか否か)を決定し得る。なお本形態では、大当たり判定確率に対応する設定値(例えば「1」〜「6」)を設定不能になっている。即ち本パチンコ遊技機PY1では、設定値が設けられておらず、設定値が設定されることはない。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機PY1の特図表示器81および普図表示器82には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特図表示器81の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。図11に示すように、高確率状態で用いられる大当たり判定テーブルの方が、通常確率状態で用いられる大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定され易いように設定されている。
また、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図13参照)。つまり、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特図表示器81の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特図表示器81の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図12(B)参照)。つまり、普図表示器82の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普図表示器82による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では7秒であるが、時短状態では1秒である(図12(C)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図14参照)。すなわち、電チュー12Dの開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図14参照)。すなわち、電チュー12Dの開放回数増加機能が作動している。
普図表示器82の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー12Dの開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー12Dが頻繁に開放され、第2始動口12へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー12Dにより第2始動口12への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、高ベース状態を電サポ制御状態や入球容易状態ともいう。これに対して、低ベース状態を非電サポ制御状態や非入球容易状態ともいう。
高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普図表示器82の確率変動機能、普図表示器82の変動時間短縮機能、電チュー12Dの開放時間延長機能、および電チュー12Dの開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー12Dが開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機PY1では、確変大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では10000回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。つまり本形態では、高確高ベース状態は実質的に次回の大当たり当選まで継続する。なお、高確高ベース状態の終了条件を、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることだけとしてもよい。
また、通常大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機PY1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することとする。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特典遊技状態」と称することとする。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域6R(図4参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー12Dが開放されやすくなっており、第1始動口11への入賞よりも第2始動口12への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート13へ遊技球を通過させつつ、第2始動口12へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域6L(図4参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー12Dが開放されにくくなっており、第2始動口12への入賞よりも第1始動口11への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口11へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
5.遊技制御基板
次に、遊技制御基板100について説明する。遊技制御基板100上には、図15(A)(B)に示すように、左方の下側に、設定キーシリンダ180が設けられている。設定キーシリンダ180(設定操作手段)は、挿入された設定キーを回転操作することで、図15(B)に示す待機位置(初期位置)と、その待機位置から90度回転した回転位置(操作位置)との間で移動(回転)可能になっている。なお設定キーシリンダ180は、初期状態では待機位置になっていて、専用の設定キーを用いなければ、回転位置へ移動できないように構成されている。
設定キーシリンダ180は、図15(A)に示すように、遊技制御基板100に直接組付けられている略立方体状のベース部180bと、ベース部180bから後方に延びる円柱状の円柱部180cとを備えている。ベース部180bと円柱部180cは、黒色の合成樹脂で構成されていて、円柱部180cに設定キーを挿通可能な挿通穴が形成されている。
ここで遊技制御基板ケース100Aの後面部100Bには、設定キーシリンダ180の位置に対応して切り欠かれた露出部100Cが形成されている。露出部100Cは、設定キーシリンダ180の円柱部180cの後面180dと略同じ大きさの円形に形成されている。そのため、遊技制御基板100が遊技制御基板ケース100Aに収容された状態では、設定キーシリンダ180の円柱部180cの後面180dだけが、露出部100Cから露出するようになっている。また遊技制御基板ケース100Aの後面部100Bのうち、設定キーシリンダ180に対応する位置には、後方に延びる周壁部100Dが形成されている
また遊技制御基板100上には、図15(A)(B)に示すように、7セグ表示器300(表示手段)が設けられている。なお本形態の7セグ表示器300は、後述するベースを表示するためのものであり、設定値を表示するものではない。7セグ表示器300の表示制御は、遊技制御用マイコン101によって実行されている。なお7セグ表示器300が、例えば演出制御基板120上ではなく、遊技制御基板100上に設けられているのは、以下の理由に基づく。即ち、遊技制御基板100(遊技制御用マイコン101)は、適正動作を確かめる試験の検査対象になっているところ、その遊技制御基板100によって設定値の表示が制御されれば、設定値の表示の信頼性が担保できるからである。
図16に示すように、7セグ表示器300は、所謂4連7セグであり、合計で32個の点灯(発光)する部分を備えている。具体的に、7セグ表示器300は、左から右に向かって順番に、第1表示領域310と第2表示領域320と第3表示領域330と第4表示領域340とを備えている。そして4つの表示領域310、320、330、340は、それぞれ「0」〜「9」までの数字を表すことができるように、8個の点灯部分(LED素子)LB1〜LB8、LB9〜LB16、LB17〜LB24、LB25〜LB32を有している。なお4連7セグは市場に多く流通している流通品であるため、4連7セグ(7セグ表示器300)を用いることで、表示手段を安価に構成することが可能である。
次に、図17及び図18に基づいて、設定キーシリンダ180の内部に設けられている設定キーシリンダスイッチ180aの構成と、遊技制御用マイコン101の周りの電気回路の構成を説明する。
図17に示すように、遊技制御用マイコン101には入力端子P14(図18(A)(B)(C)参照)が設けられている。入力端子P14は、信号ラインE1から、「H」レベル(上限閾値電圧よりも高い電圧)又は「L」レベル(下限閾値電圧よりも低い電圧)の何れかのスイッチ信号を入力するようになっている。なお遊技制御用マイコン101は、信号ラインE1から「H」レベルのスイッチ信号(第1信号)を入力すれば、設定キーシリンダスイッチ180aがONであると判断し、信号ラインE1から「L」レベルのスイッチ信号(第2信号)を入力すれば、設定キーシリンダスイッチ180aがOFFであると判断する。
信号ラインE1は、設定キーシリンダスイッチ180aの端子s1に接続されている。信号ラインE1のうち分岐部分Q1からグランドGに向かって延びるグランドラインE4が設けられている。グランドラインE4には、抵抗T2が直列的に接続されていて、抵抗T2によって信号ラインE1からグランドラインE4の方へ電流を流れ難くしている。このようにして、入力端子P14から延びる信号ラインE1を、設定キーシリンダスイッチ180aに接続しつつ、設定キーシリンダスイッチ180aと入力端子P14との間にある分岐部分Q1にてグランドラインE4を接続している。そして、抵抗T2をプルダウン抵抗にしている。よって、信号ラインE1では、設定キーシリンダスイッチ180aを介してDC5Vの電力が供給されない限り、スイッチ信号のレベルが「L」レベルになる。
設定キーシリンダスイッチ180aには、端子s2が設けられている。端子s2には電力ラインE2が接続されていて、電力ラインE2にはDC5Vの電力が供給されている。なお図17において、符号Vcは、DC5Vの電力が供給されていることを意味している。電力ラインE2には、抵抗T3が直列的に接続されている。また設定キーシリンダスイッチ180aには、端子s3が設けられている。端子s3には、グランドGに向かって延びるグランドラインE3が接続されている。
ここで設定キーシリンダスイッチ180aには、切替片s4が設けられている。切替片s4の一端部は、端子s1に接続されている。一方、切替片s4の他端部は、設定キーを用いた回転操作によって、端子s2又は端子s3に接触可能になっている。こうして、設定キーシリンダ180が待機位置にあるときには、切替片s4は端子s3に接触していて(図17の実線参照)、設定キーシリンダ180が回転位置にあるときには、切替片s4は端子s2に接触している(図18(A)参照)。
図18(A)は、設定キーシリンダ180が回転位置にあるときの設定キーシリンダスイッチ180aの状態を示す図である。このときには、端子s1と端子s2とが導通状態になっていて、電力ラインE2に供給されているDC5Vの電力が、設定キーシリンダスイッチ180aを介して、信号ラインE1に供給される。これにより、信号ラインE1から遊技制御用マイコン101の入力端子P14に、「H」レベルのスイッチ信号が入力される。
図18(B)は、設定キーシリンダ180が回転位置から回転し始めた瞬間の設定キーシリンダスイッチ180aの状態を示す図である。図18(B)に示すように、切替片s4が端子s2から離れると、端子s1と端子s2とが非導通状態になる。そのため、電力ラインE2に供給されているDC5Vの電力が、設定キーシリンダスイッチ180aを介して、信号ラインE1に供給されなくなる。このとき、入力端子P14に接続されている信号ラインE1は、分岐部分Q1にてグランドラインE4に接続されているため、スイッチ信号は「H」レベルから「L」レベルに切替わる。つまり、遊技制御用マイコン101の入力端子P14に、「L」レベルのスイッチ信号が入力される。
なお図18(C)は、設定キーシリンダ180が待機位置にあるときの設定キーシリンダスイッチ180aの状態を示す図である。設定キーシリンダ180を待機位置まで完全に回転させると、切替片s4が端子s3に接触する。このときには上記と同様、電力ラインE2に供給されているDC5Vの電力が、設定キーシリンダスイッチ180aを介して、信号ラインE1に供給されないため、スイッチ信号は「L」レベルのままである。
続いて、図17に示すLEDドライバ350について説明する。LEDドライバ350は、7セグ表示器300の内部に一体的に組み込まれているものであり、遊技制御基板100上に実装されているわけではない。こうして、LEDドライバ350を組み込んだ汎用品の7セグ表示器300を用いることで、遊技制御基板100上にLEDドライバを実装するためのスペースが不要になる。その結果、遊技制御基板100に対する設計変更の負担を小さくしつつ、7セグ表示器300の表示制御を行うことが可能である。
図17に示すように、遊技制御用マイコン101には、シリアルデータ送信端子TX3が設けられている。またLEDドライバ350には、シリアルデータ受信端子RXDが設けられている。シリアルデータ送信端子TX3とシリアルデータ受信端子RXDとは、シリアルデータラインE5で接続されている。よって、遊技制御用マイコン101は、シリアルデータラインE5を介してシリアルデータを送信することで、LEDドライバ350の駆動を制御することが可能である。その結果、7セグ表示器300にて後述する初期表示やベース表示の制御を行うことが可能である。このようにして、シリアル通信で表示制御を行うことにより、パラレル通信で表示制御を行う場合に比べて、遊技制御基板100上の配線を簡素化することが可能である。その結果、遊技制御基板100に対する設計変更の負担を一層小さくすることが可能である。
なお図23に示すように、シリアルデータラインE5には、ダンピング抵抗T4が直列的に接続されている。このダンピング抵抗T4により、シリアルデータラインE5でのノイズを減衰させることが可能である。またLEDドライバ350には、RST端子が設けられている。RST端子には、リセット信号ラインE6が接続されている。リセット信号ラインE6は、電源ユニット190から払出制御基板170を介してリセット信号が送信されるラインであり、このリセット信号ラインE6には、コンデンサCA5が並列的に接続されている。このコンデンサCA5により、静電気等の影響でリセット信号が「H」レベルであるにも拘わらず、「L」レベルにドロップするような事態を防ぐことが可能である。
次に、図19及び図20に基づいて、ベースの表示について説明する。本形態では、7セグ表示器300にてベースを表示可能である。ベースは、遊技者が発射した遊技球の数である発射球数(総発射球数)に対して遊技者が獲得した賞球数(総賞球数)の割合のことである。7セグ表示器300にて、ベースを確認することで、本パチンコ遊技機PY1に不正な改造が施されていたり、故障や不具合が生じていることを把握することが可能である。
なお本形態で説明するベースとは、あくまで通常遊技状態でのベースを意味していて、大当たり遊技状態でのベース、高確率状態且つ時短状態でのベース、通常確率状態且つ時短状態でのベース、電源投入時から現時点までのベースを意味するものではない。つまり、本形態において以下で説明するベースとは、通常遊技状態において遊技者が発射した遊技球の数である発射球数(総発射球数)に対して、通常遊技状態において遊技者が獲得した賞球数(総賞球数)の割合のことである。従って、以下で説明する総発射球数又は賞球数は、あくまで通常遊技状態での総賞球数又は賞球数を意味するものとする。
本形態では、ベースは、総発射球数が60000発に達する度に、新たに演算されるようになっている。そして、60000発に達する度に演算されたベースの情報(ベース情報)は、遊技用RAM104のベース情報記憶部108(図6参照)に順次記憶されていく。但し、現在演算中のベース(以下「現在ベース」と呼ぶ)の情報と、現在ベースの演算を開始する前で総発射球数が60000発に達したときに演算されたベース(以下「1回前ベース」と呼ぶ)の情報と、1回前ベースの前に総発射球数が60000発に達したときに演算されたベース(以下「2回前ベース」と呼ぶ)の情報と、2回前ベースの前に総発射球数が60000発に達したときに演算されたベース(以下「3回前ベース」と呼ぶ)の情報までが、ベース情報記憶部108に記憶される。こうして7セグ表示器300では、ベース情報記憶部108に記憶されている現在ベースの情報と、1回前ベースの情報と、2回前ベースの情報と、3回前ベースの情報とに基づいて、現在ベースと、1回前ベースと、2回前ベースと、3回前ベースとが表示され得る。
図19(A)に示すように、電源投入時に7セグ表示器300で初期表示が開始されると、その初期表示は予め定められた特定時間(本形態では4.8秒)だけ実行される。その後、初期表示の終了に伴って、図19(B)に示すように、現在ベースの表示が開始される。ここで現在ベースが表示される場合には、現在ベース(例えば「36」)は7セグ表示器300の第3表示領域330と第4表示領域340とで2桁で表示(%表示)される。そして、第1表示領域310と第2表示領域320では、「bL.」を示すように点灯部分LB1〜LB16が点灯態様(発光し続ける態様)で発光する。即ち、「bL.」の点灯態様の発光を見れば、現在ベースが表示されていることを意味している。
図19(B)に示す現在ベースの表示は、予め定められた特定時間(本形態では4.8秒)だけ実行される。その後、現在ベースの表示の終了時に、ベース情報記憶部108に1回前ベースの情報が記憶されていれば、図19(C)に示すように、1回前ベースの表示が開始される。ここで1回前ベースが表示される場合には、1回前ベース(例えば「37」)は7セグ表示器300の第3表示領域330と第4表示領域340とで2桁で表示される。そして、第1表示領域310と第2表示領域320では、「b1.」を示すように点灯部分LB1〜LB16が点灯態様で発光する。即ち、「b1.」の点灯態様の発光を見れば、1回前ベースが表示されていることを意味している。
図19(C)に示す1回前ベースの表示は、予め定められた特定時間(本形態では4.8秒)だけ実行される。その後、1回前ベースの表示の終了時に、ベース情報記憶部108に2回前ベースの情報が記憶されていれば、図19(D)に示すように、2回前ベースの表示が開始される。ここで2回前ベースが表示される場合には、2回前ベース(例えば「35」)は7セグ表示器300の第3表示領域330と第4表示領域340とで2桁で表示される。そして、第1表示領域310と第2表示領域320では、「b2.」を示すように点灯部分LB1〜LB16が点灯態様で発光する。即ち、「b2.」の点灯態様の発光を見れば、2回前ベースが表示されていることを意味している。
図19(D)に示す2回前ベースの表示は、予め定められた特定時間(本形態では4.8秒)だけ実行される。その後、2回前ベースの表示の終了に伴って、ベース情報記憶部108に3回前ベースの情報が記憶されていれば、図19(E)に示すように、3回前ベースの表示が開始される。ここで3回前ベースが表示される場合には、3回前ベース(例えば「38」)は7セグ表示器300の第3表示領域330と第4表示領域340とで2桁で表示される。そして、第1表示領域310と第2表示領域320では、「b3.」を示すように点灯部分LB1〜LB16が点灯態様で発光する。即ち、「b3.」の点灯態様の発光を見れば、3回前ベースが表示されていることを意味している。
図19(D)に示す3回前ベースの表示は、予め定められた特定時間(本形態では4.8秒)だけ実行される。その後、3回前ベースの表示の終了に伴って、再び、図19(B)に示すように、現在ベースの表示が開始される。以後、予め定められた特定時間毎に、図19(B)に示す現在ベース表示と、図19(C)に示す1回前ベースの表示と、図19(D)に示す2回前ベースの表示と、図19(E)に示す3回前ベースの表示とが繰り返し実行される。なお現在ベースと1回前ベースと2回前ベースと3回前ベースとは、1%を基準の単位として表示されているが、例えば5%を基準の単位として表示しても良く、適宜変更可能である。
ところで、図19(C)ではベース情報記憶部108に1回前ベースの情報が記憶されている場合に、1回前ベースが表示される場合を示した。これに対して、ベース情報記憶部108に1回前ベースの情報が記憶されていない場合には、図20(C)に示す表示が実行される。即ち、図20(C)に示すように、7セグ表示器300の第3表示領域330と第4表示領域340では、「−−」を示すように点灯部分LB23、LB31(図16参照)が点灯態様で発光する。そして、第1表示領域310と第2表示領域320では、「b1.」を示すように点灯部分LB1〜LB16が点滅態様(発光と消灯を繰り返す態様)で発光する。こうして、「b1.」の点滅態様の発光と「−−」の表示により、1回前ベースが未だ表示不能であることを示している。
以下同様に、ベース情報記憶部108に2回前ベースの情報が記憶されていない場合には、図20(D)に示すように、7セグ表示器300の第3表示領域330と第4表示領域340では、「−−」を示すように点灯部分LB23、LB31が点灯態様で発光する。そして、第1表示領域310と第2表示領域320では、「b2.」を示すように点灯部分LB1〜LB16が点滅態様で発光する。こうして、「b2.」の点滅態様の発光と「−−」の表示により、2回前ベースが未だ表示不能であることを示している。
またベース情報記憶部108に3回前ベースの情報が記憶されていない場合には、図20(E)に示すように、7セグ表示器300の第3表示領域330と第4表示領域340では、「−−」を示すように点灯部分LB23、LB31が点灯態様で発光する。そして、第1表示領域310と第2表示領域320では、「b3.」を示すように点灯部分LB1〜LB16が点滅態様で発光する。こうして、「b3.」の点滅態様の発光と「−−」の表示により、3回前ベースが未だ表示不能であることを示している。なおベース情報記憶部108は、比較的多くの(頻繁な)アクセスにも対応できるように揮発性の記憶手段(DRAM)で構成されているが、例えば不揮発性の記憶手段(EEPROM等)で構成されていても良い。
ところで本形態では、上述したように、設定値を設定不能なパチンコ遊技機PY1であるにも拘わらず、遊技制御基板100上に設定キーシリンダ180が設けられている(図15(A)(B)参照)。この理由について、以下に説明する。従来、複数の設定値の中から一つの設定値を設定可能なパチンコ遊技機においては、設定キーシリンダが設けられている遊技制御基板が用いられる。設定キーシリンダは、設定値を変更可能な設定変更モードに移行するための操作手段として機能するためである。
即ち、従来においては、設定キーシリンダを回転位置へ操作(回転操作)しておき、RAMクリアスイッチを押下操作しながら、電源を投入することで、設定値を変更可能な設定変更モードに移行することができる。そして、設定変更モードに設定されているときだけ、設定値を変更することが可能になっている。なお設定変更モードにおいて、設定キーシリンダを回転位置から待機位置に向かって操作すれば、当該設定変更モードが終了して、選択していた設定値が確定されることになる。
こうして、複数の設定値の中から一つの設定値を設定可能なパチンコ遊技機では、設定キーシリンダが設けられている遊技制御基板を用いる。これに対して、設定値を設定不能なパチンコ遊技機では、設定キーシリンダが設けられていない遊技制御基板を用いることが一般的であった。しかしながら、パチンコ遊技機に応じて、設定キーシリンダが設けられている遊技制御基板と、設定キーシリンダが設けられていない遊技制御基板とを使い分けるようにすると、2種類の遊技制御基板をそれぞれ開発しなければならないことになる。その結果、開発費用の増加につながるという問題点がある。
そこで従来において、電源投入時に大当たり判定確率を変更しない(実質的に設定値を設定不能な)パチンコ遊技機であっても、設定キーシリンダが設けられている遊技制御基板を用いる方法があった。この方法であれば、設定値を設定可能なパチンコ遊技機と、設定値を設定不能なパチンコ遊技機とにおいて、共に設定キーシリンダが設けられている遊技制御基板を用いることになり、遊技制御基板の共通化を図ることができることになる。
但し、この方法では、以下のように対応していた。電源投入時に大当たり判定確率を変更しないパチンコ遊技機において、複数の設定値(例えば「1」〜「6」)が設けられているわけではなく、一つの設定値(例えば「1」)だけが設けられているように構成されている。この場合、設定キーシリンダを回転位置へ操作しておき、RAMクリアスイッチを押下操作しながら、電源を投入することで、設定変更モードに移行して、予め一つしかない設定値を選択する。そして、設定キーシリンダを待機位置へ操作することで、一つの設定値が確定されて、実質的に設定値を設定不能なパチンコ遊技機と同じ仕様にしていた。このような仕様であれば、遊技制御基板上に設定キーシリンダが設けられていても、設定キーシリンダが未使用という扱いにはならず、遊技機の試験において問題になることはない。
しかしながら、遊技制御用マイコンが1つの設定値だけを設定可能な仕様にする場合、遊技制御用マイコン(遊技用ROM)は、設定に関するプログラム(設定変更モードに移行する処理や設定値を設定するための制御処理等)を基本的に全て記憶しているため、記憶容量が圧迫されることになる。つまり、電源投入時に大当たり判定確率を変更可能なパチンコ遊技機でないにも拘わらず、遊技用ROMは、設定に関する不必要なプログラムを搭載することになり、処理能力に制限の多い遊技制御用マイコンにとっては無駄な制御処理が組み込まれていた。
具体的には、1つの設定値だけを設定可能なパチンコ遊技機の場合、工場出荷の段階では、設定値が何も設定されていない。そのため、遊技場に初めて設置された段階で、遊技場の従業員が、1つの設定値を先ず設定しなければならない。設定値が何も設定されていない状態では、遊技を実行することができず、電源投入時にエラーモードに移行するためである。このように、遊技制御用マイコンには、設定値を初期設定するためのプログラムも必ず組み込まれていて、プログラムの処理が重くなる要素になっていた。
そこで本形態では、設定キーシリンダ180が設けられている遊技制御基板100を用いつつ(図15(A)(B)参照)、設定値を設定不能なパチンコ遊技機PY1として構成している。即ち、上述したように1つの設定値だけを設定可能な仕様になっているわけでなく、設定値自体が1つも設けられていない仕様になっている。これにより、遊技制御用マイコン101(遊技用ROM103)には、設定に関するプログラム(設定変更モードに移行する処理や設定値を設定ための制御処理等)を設けておらず、上述したように記憶容量が圧迫される問題を解決することが可能である。その上で、設定値を設定可能なパチンコ遊技機を開発する場合には、本形態と同様に設定キーシリンダ180が設けられている遊技制御基板100を用いることで、遊技制御基板の共通化を図ることができる。その結果、設定キーシリンダ180の有無に応じた2種類の遊技制御基板を開発する必要がなくなり、開発費用の増加を抑えることが可能である。
ここで、遊技制御基板100に設けられている設定キーシリンダ180が未使用になると、遊技機の試験において問題になり得る。そこで本形態では、図21に示すように、設定キーシリンダ180の位置と遊技制御用マイコン101による制御内容との関係を定めている。
図21(A)に示すように、電源投入時に設定キーシリンダ180が待機位置にある場合(図18(B)(C)参照)、遊技制御用マイコン101は遊技制御処理を実行する。遊技制御処理は、遊技を実行するための処理であり、具体的には後述するメイン側タイマ割り込み処理(S005)においてステップS101〜S106の処理(図26参照)のことである。こうして、電源投入時に設定キーシリンダ180が通常通りに待機位置から操作されていなければ、遊技が実行可能になる。
一方、電源投入時に設定キーシリンダ180が回転位置にある場合(図18(A)参照)、遊技制御用マイコン101は電源投入時エラー処理を実行する。電源投入時エラー処理は、電源投入時に設定キーシリンダ180に対して誤った操作がなされていることを報知するための処理であり、具体的にはステップS013の処理(図25参照)のことである。この電源投入時エラー処理では、遊技制御用マイコン101はエラーコマンド(特定コマンド)を演出制御基板120に送信する。これにより、演出制御用マイコン121は、図22に示すように、エラー報知を実行する。
図22に示すように、エラー報知(特定演出)では、具体的に、表示画面50aに、「エラー25(エラー番号)」を示すエラー番号画像ER1が表示される。またスピーカ620から「エラー25です」というエラー音声が出力されると共に、枠ランプ212及び盤ランプ54が特定のエラー発光態様で発光する。このエラー報知により、周囲(遊技場の従業員等)に、電源投入時に設定キーシリンダ180に対して誤った操作がなれている状況を把握させ易くすることが可能である。
また図21(A)に示すように、電源投入時に設定キーシリンダ180が回転位置に操作されている場合、その後に設定キーシリンダ180が回転位置から待機位置へ操作されても、遊技制御用マイコン101は、電源投入時エラー処理をそのまま継続して実行する。つまり、遊技制御用マイコン101は、設定キーシリンダ180が正しい待機位置へ復帰しても、遊技制御処理を実行するわけではない。そのため、電源を再投入しない限り、遊技を実行することができない。こうして、電源投入時に設定キーシリンダ180を待機位置にしておかなければ遊技が実行できないというルールを徹底することが可能である。
続いて、図21(B)に示すように、遊技中(遊技制御処理の実行中)に、設定キーシリンダ180が待機位置にある場合には、遊技制御用マイコン101は、通常通りに遊技制御処理を実行する。つまり、遊技が実行可能である。
一方、図21(B)に示すように、遊技中に、設定キーシリンダ180が待機位置から回転位置へ操作されると、遊技制御用マイコン101は、遊技中エラー処理を実行する。遊技中エラー処理は、遊技中に設定キーシリンダ180に対して誤った操作がなされていることを報知するための処理であり、具体的にはステップS122の処理(図28参照)のことである。この遊技中エラー処理では、遊技制御用マイコン101は、特図表示器81(図5参照)のLEDを全て消灯した全消灯態様にする。遊技中エラー処理を除いて、遊技中に特図表示器81が全消灯態様になることはない。そのため、遊技中に特図表示器81で全消灯態様を見た遊技場の従業員等に、設定キーシリンダ180に対して誤った操作がなされていることを把握させることが可能である。
また遊技中エラー処理では、遊技制御用マイコン101は、自身が制御可能な全てのソレノイド(電チューソレノイド12s、ATソレノイド14s)の動作を停止させる。なお勿論、ソレノイドが動作中に限り、遊技制御用マイコン101はソレノイドの動作を停止させることになる。また遊技中エラー処理では、遊技制御用マイコン101は、自身が出力可能な全ての外端出力信号(大当たり信号、図柄確定信号、高確状態信号、電サポ状態信号、第1始動口信号、第2始動口信号、セキュリティー信号)をOFF状態にする。従って、パルス状の図柄確定信号、第1始動口信号、第2始動口信号、セキュリティー信号が出力されていれば、その出力を停止させる。またON状態の大当たり信号、高確状態信号、電サポ状態信号が出力されていれば、OFF状態の大当たり信号、高確状態信号、電サポ状態信号に切替えることになる。
また遊技中エラー処理では、遊技制御用マイコン101は、上述した電源投入時エラー処理と同様、エラーコマンドを演出制御基板120に送信する。これにより、演出制御用マイコン121は、図22に示すように、エラー報知を実行する。そのため遊技中にエラー報知を把握した遊技場の従業員等に、設定キーシリンダ180に対して誤った操作がなされていることを把握させることが可能である。
また図21(B)に示すように、遊技中に設定キーシリンダ180が待機位置から回転位置に操作された場合、その後に設定キーシリンダ180が回転位置から待機位置へ操作されても、遊技制御用マイコン101は、遊技中エラー処理をそのまま継続して実行する。つまり、遊技制御用マイコン101は、設定キーシリンダ180が正しい待機位置へ復帰しても、遊技制御処理を実行するわけではない。そのため、電源を再投入しない限り、遊技を実行することができない。こうして、設定キーシリンダ180が1回でも回転位置へ操作されると、その後は電源を再投入しない限り、遊技を実行することができないというルールを徹底することが可能である。要するに本形態(第1形態)では、設定キーシリンダ180が回転位置にあることは、極めて重度の異常が生じていることと判断して、必ず遊技を実行できないようにしている。
以上、図21に基づいて説明したように、本形態では、設定値を設定不能なパチンコ遊技機PY1において、設定キーシリンダ180が設けられている遊技制御基板100を用いつつ、遊技制御用マイコン101が設定キーシリンダ180の位置に応じた制御を行っている。これにより、遊技機の試験において、設定キーシリンダ180が未使用と判断されないようにしている。
6.パチンコ遊技機の制御動作
次に、図23〜図29に基づいて遊技制御用マイコン101の動作について説明し、図30〜図35に基づいて演出制御用マイコン121の動作について説明する。まず、遊技制御用マイコン101の動作について説明する。
[主制御メイン処理]遊技制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、電源投入時に、遊技用ROM103から図23に示す主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。なお、遊技制御用マイコン101の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。カウンタの初期値は「0」であり、フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」である
図23に示すように、主制御メイン処理では、まず後述する電源投入時処理(S001)を行う。電源投入時処理(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S003)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図10に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[電源投入時処理]図24に示すように、電源投入時処理(S001)では、遊技制御用マイコン101はまず、遊技用RAM104へのアクセスの許可設定を行う(S011)。これにより、遊技用RAM104に対する情報の書き込みや読み出しが可能になる。次に、設定キーシリンダスイッチ180aがONであるか否か(設定キーシリンダ180が回転位置であるか否か、図18(A)参照)を判定する(S012)。設定キーシリンダスイッチ180aがONであれば(S012でYES)、後述する電源投入時エラー処理を実行する(S013)。
一方、設定キーシリンダスイッチ180aがONでなければ(S012でNO)、続いて、RAMクリアスイッチ191がONであるか否かを判定する(S014)。つまり、RAMクリアスイッチ191が電源投入時に操作されているか否かを判定する。RAMクリアスイッチ191がONであれば(S014でYES)、ステップS015に進む。これに対して、ONでなければ(S014でNO)、続いて電源断フラグがONであるか否かを判定する(S018)。電源断フラグは、電断の発生を示すフラグであり、後述する電源断監視処理(図29参照)でONにされるフラグである。
電源断フラグがONでなければ(S018でNO)、正常に電源が遮断されていない可能性があるため、ステップS015に進む。一方、電源断フラグがONであれば(S018でYES)、チェックサムを算出して(S019)、これを電断時に算出しておいたチェックサム(図29のステップS161参照)と比較する(S020)。チェックサムは、遊技用RAM104に記憶されている遊技情報を数値とみなしてその合計が算出されたものである。チェックサムの値が一致しなければ(S020でNO)、遊技用RAM104の記憶内容が正常でないため、ステップS015に進む。これに対して、チェックサムの値が一致すれば(S020でYES)、遊技用RAM104の記憶内容が正常であると判断し、ステップS021に進む。
ステップS021では、復電時における遊技用RAM104の作業領域の設定管理を行う。この設定処理では、遊技用ROM103から復電時情報を読み出し、この復電時情報を遊技用RAM104の作業領域にセットする。その後、遊技制御用マイコン101は、電源断フラグをOFFして(S022)、ステップS023に進む。
一方、ステップS015では、遊技用RAM104に記憶されている遊技情報をクリアする。但しこのときには、ベース情報記憶部108に記憶されているベースに係わる情報(総発射球数の情報、総賞球数の情報、1回前ベースの情報、2回前ベースの情報、3回前ベースの情報)についてはクリアしない。こうして、電源投入時にRAMクリアスイッチ191を押下操作しても、ベースに係わる情報がクリアされないことで、7セグ表示器300にて電断前と同じ現在ベース、1回前ベース、2回前ベース、3回前ベースを表示することが可能である。
ステップS015の後、遊技制御用マイコン101は、遊技用RAM104の作業領域の初期設定を行う(S016)。この初期設定の処理では、遊技用ROM103から読み出された初期設定情報が遊技用RAM104の作業領域にセットされる。続いて遊技制御用マイコン101は、RAMクリアを行ったことを通知するためのRAMクリア通知コマンドを演出制御基板120に対して出力して(S017)、ステップS023に進む。
ステップS023では、遊技制御用マイコン101は、電源投入コマンド設定処理を行う。電源投入コマンド設定処理(S023)では、所定時間(本形態では3秒)経過後に演出制御基板120に電源投入コマンドを出力するための設定処理を行う。電源投入コマンド設定処理(S023)の後、ステップS024ではその他の初期設定として、例えば遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定等を行って、本処理を終える。
[電源投入時エラー処理]図25に示すように、電源投入時エラー処理(S013)では、遊技制御用マイコン101は、演出制御基板120に対して、エラーコマンドを送信する(S050)。これにより、エラーコマンドを受信した演出制御用マイコン121は、エラー報知を実行することになる(図22参照)。その結果、遊技場の従業員等は、電源投入時に設定キーシリンダ180が回転位置に操作されていることを把握することが可能である。ステップS050の後、遊技制御用マイコン101は、ループ処理を実行して、遊技制御処理を実行することがない。つまり、電源を再投入しない限り、遊技が実行されないことになる。
[メイン側タイマ割り込み処理]遊技制御用マイコン101は、図26に示すメイン側タイマ割り込み処理を例えば4msecといった短時間毎に繰り返す。まず、遊技制御用マイコン101は、大当たり抽選に用いる大当たり乱数、大当たりの種別を決めるための当たり種別乱数、演出図柄変動演出においてリーチ状態とするか否か決めるためのリーチ乱数、変動パターンを決めるための変動パターン乱数、普通図柄抽選に用いる普通図柄乱数(当たり乱数)等を更新する乱数更新処理を行う(S101)。なお各乱数の少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。全ての乱数をハードウェア乱数とする場合、ソフトウェアによる乱数の更新処理は必要ない。また乱数発生回路は、遊技制御用マイコン101に内蔵されていてもよい。
次に、遊技制御用マイコン101は、入力処理を行う(S102)。入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機PY1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ11a,第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、大入賞口センサ14a、一般入賞口センサ10a、排出口センサ18a(図6参照))が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための賞球コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なおセットされた賞球コマンドは、払出制御基板170に送信される。
続いて、遊技制御用マイコン101は、始動口センサ検出処理(S103)、特別動作処理(S104)、および普通動作処理(S105)を実行する。始動口センサ検出処理(S103)では、第1始動口センサ11a又は第2始動口センサ12aによる入賞検知があれば、入賞検知のあった始動口に対応する保留記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の乱数(大当たり乱数、当たり種別乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数(図10(A)参照))を取得する。また、ゲートセンサ13aによる通過検知があれば、普図保留が4個未満であることを条件に普通図柄乱数(図10(B)参照)を取得する。
特別動作処理(S104)では、始動口センサ検出処理(S103)にて取得した大当たり乱数等の乱数を、大当たり判定テーブル(図11参照)、当たり種別判定テーブル(図9参照)、リーチ判定テーブル(図12(A)参照)、特図変動パターン判定テーブル(図13参照)を用いて判定する。そして、大当たり抽選の結果を示すための特別図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。この特別図柄の表示に際しては、特別図柄の変動表示の変動パターンの情報を含む変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。そして、大当たり乱数の判定の結果、大当たりに当選していた場合には、大当たりの種別に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、図9参照)に従って大入賞口14を開放させる大当たり遊技(特別遊技)を行う。この大当たり遊技の実行に際しては、当選した大当たり図柄の種別の情報を含むオープニングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なお特別動作処理(S104)において、大当たり乱数等の乱数の記憶がない場合には、演出制御用マイコン121に客待ち演出を実行させるための客待ち待機コマンドをセットする。
普通動作処理(S105)では、始動口センサ検出処理(S103)にて取得した普通図柄乱数、普通図柄当たり判定テーブル(図12(B)参照)を用いて判定すると共に、普通図柄変動パターン選択テーブル(図12(C)参照)を用いて遊技状態に応じた普通図柄の変動時間を選択する。そして、普図抽選の判定結果を報知するための普通図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。普通図柄乱数の判定の結果、普通当たり図柄に当選していた場合には、遊技状態に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、図14参照)に従って電チュー12Dを開放させる補助遊技を行う。
次に、遊技制御用マイコン101は、上述の各処理においてセットしたコマンド等を演出制御基板120等に出力する出力処理を行う(S106)。そして、ベース演算処理を実行する(S107)。ベース演算処理(S107)では、遊技制御用マイコン101は、排出口センサ18aからの検出信号に基づいて、発射球数をカウントする。また第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、大入賞口センサ14a、一般入賞口センサ10aからの検出信号に基づいて、総賞球数をカウントする。そして、総賞球数を発射球数で除算することで、ベースを演算する。但し、ベースを演算する際には、60000発毎の発射球数に対するベースを演算する。これにより、現在ベース、1回前ベース、2回前ベース、3回前ベースを演算することが可能である。
遊技制御用マイコン101は、ベース演算処理(S107)の後、ベース表示処理を実行する(S108)。ベース表示処理(S108)では、7セグ表示器300にて、先ず図19(A)に示すように初期表示を実行する。その後、特定時間(本形態では4.8)ごとに、図19(B)に示すように現在ベースの表示⇒図19(C)に示すように1回前ベースの表示、⇒図19(D)に示すように2回前ベースの表示⇒図19(E)に示すように3回前ベースの表示を繰り返し実行することになる。なお1回目ベース、2回前ベース、3回目ベースが演算されていない場合には、図20(C)(D)(E)に示すように、7セグ表示器300において、第1表示領域310及び第2表示領域320を点滅態様にすると共に、第3表示領域330及び第4表示領域340を「−−」で表示する。
図26に示すように、遊技制御用マイコン101は、ベース演算処理(S107)及びベース表示処理(S108)の後、後述する異常監視処理(S109)、電源断監視処理(S110)を実行して、本処理を終える。
[異常監視処理]図27に示すように、異常監視処理(S109)では、遊技制御用マイコン101は、設定キーシリンダスイッチ180aがONであるか否か(設定キーシリンダ180が回転位置であるか否か、図18(A)参照)を判定する(S120)。設定キーシリンダスイッチ180aがONであれば(S120でYES)、後述する遊技中エラー処理を実行する(S122)。一方、設定キーシリンダスイッチ180aがONでなければ(S120でNO)、その他のエラー処理を実行して(S121)、本処理を終える。その他のエラー処理(S121)では、例えば、磁気による不正行為、振動による不正行為、電波による不正行為、不正な入賞行為等があるか否かを判断し、不正行為があると判断した場合には、遊技(遊技制御処理)を停止したり、不正行為を報知するための処理を実行する。
[遊技中エラー処理]図28に示すように、遊技中エラー処理(S122)では、遊技制御用マイコン101はまず、特図表示全消灯処理を実行する(S130)。特図表示全消灯処理(S130)では、特図表示器81(図5参照)のLEDを全て消灯した全消灯態様にする。これにより、遊技中に設定キーシリンダ180が回転位置に操作されたという異常を周囲に把握させ易くすることが可能である。
ステップS130の後、ソレノイドOFF処理を実行する(S131)。ソレノイドOFF処理(S131)では、遊技制御用マイコン101は、自身が制御可能な全てのソレノイド(電チューソレノイド12s、ATソレノイド14s)の動作を停止させる。こうして、電チュー12D又は大入賞装置14Dが作動していた場合に、これらの作動が急に停止することで、設定キーシリンダ180が回転位置に操作されたという異常を把握させ易くすることが可能である。
ステップS131の後、外端出力信号OFF処理を実行する(S132)。外端出力信号OFF処理(S132)では、遊技制御用マイコン101は、自身が出力可能な全ての外端出力信号(大当たり信号、図柄確定信号、高確状態信号、電サポ状態信号、第1始動口信号、第2始動口信号、セキュリティー信号)をOFF状態にする。これにより、データ表示器161では、以降の遊技の状況が反映されなくなる。即ち、遊技が停止する状況にも拘わらず、データ表示器161が大当たり回数や特別図柄の変動回数等をカウントするのを防ぐことが可能である。
ステップS132の後、エラーコマンドを演出制御基板120に送信する(S133)。エラーコマンドが送信されると、上述した電源投入時エラー処理(S013)で説明したように、演出制御用マイコン121は、エラー報知を実行することになる(図22参照)。その結果、遊技中に設定キーシリンダ180が回転位置に操作されたという異常を周囲に把握させ易くすることが可能である。ステップS133の後、遊技制御用マイコン101は、ループ処理を実行して、遊技制御処理を実行することがない。つまり、電源を再投入しない限り、遊技が実行されないことになる。
[電源断監視処理]電源断監視処理(S110)では、図29に示すように、遊技制御用マイコン101はまず、電源断信号を入力したか否かを判定し(S160)、入力していなければ(S160でNO)、本処理を終える。電源断信号は、監視している電源の電圧(例えばDC24V)が所定期間(例えば25ms)に亘って検出されていないと、電源ユニット190から出力される信号である。電源断信号の入力があれば(S160でYES)、チェックサムを算出して遊技用RAM104に格納するとともに(S161)、電源断フラグをONする(S162)。そして、遊技用RAM104へのアクセスの禁止設定を行う(S163)。これにより、遊技用RAM104に対する情報の書き込みや読み出しが不可能になる。その後はメイン側タイマ割り込み処理(S005、図26参照)に戻ることなくループ処理を行う。
以上の遊技制御用マイコン101における処理と並行して、演出制御用マイコン121は図30〜図35に示す処理を行う。以下、演出制御用マイコン121の動作について説明する。
[サブ制御メイン処理]演出制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、電源投入時に、演出用ROM123から図30に示すサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。なお、演出制御用マイコン121の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。
図30に示すように、サブ制御メイン処理では、サブ側電源断フラグ(電断時にONされるフラグ)がONで且つ演出用RAM124の内容が正常であるか否かを判定する(S1001)。そしてこの判定結果がNOであれば、つまり、サブ側電源断フラグがONでない場合、又はサブ側電源断フラグがONであっても演出用RAM124の内容が正常でない場合には、演出用RAM124の初期化をして(S1002)、ステップS1003に進む。
一方、ステップS1001の判定結果がYESであれば、つまり、電断によりサブ側電源断フラグがONとなったが演出用RAM124の内容が正常に保たれている場合には、続いて、RAMクリア通知コマンドを受信しているか否かを判定する(S1011)。RAMクリア通知コマンドを受信していれば(S1011でYES)、遊技制御基板100の遊技用RAM104はクリアされている。そのため、演出制御基板120の演出用RAM124をクリアして(S1002)、ステップS1003に進む。これに対して、RAMクリア通知コマンドを受信していなければ(S1011でNO)、演出用RAM124をクリアすることなく、ステップS1003に進む。
ステップS1003では、その他の初期設定を行う。その他の初期設定では例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。また、サブ側電源断フラグがONであればOFFにする。
ステップS1004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S1005)。乱数シード更新処理(S1005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理(S1005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S1006)。コマンド送信処理(S1006)では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、コマンドに従い画像表示装置50を用いて各種の演出(変動演出や、オープニング演出、ラウンド演出およびエンディング演出からなる大当たり演出等)を実行する。演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S1007)。以降、ステップS1004〜S1007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S1008)、1msタイマ割り込み処理(S1009)および10msタイマ割り込み処理(S1010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S1008)は、ストローブ信号(STB信号)がONになると、すなわち遊技制御基板100から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン121の外部INT入力部に入力されると、他の割り込み処理(S1009、S1010)に優先して実行される処理である。図31に示すように、受信割り込み処理(S1008)では、遊技制御基板100から送信されてきた各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する(S1101)。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S1009)は、演出制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図32に示すように、1msタイマ割り込み処理(S1009)ではまず、入力処理を行う(S1201)。入力処理(S1201)では、入力部検知センサ40a(図7参照)やセレクトボタン検知センサ42a(図7参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理を行う(S1202)。ランプデータ出力処理(S1202)では、演出に合うタイミングで枠ランプ212や盤ランプ54を発光させるべく、セットされたランプデータ(枠ランプ212や盤ランプ54の発光を制御するデータ)をサブドライブ基板162に出力する。これにより、サブドライブ基板162が枠ランプ212や盤ランプ54の発光を制御することで、後述するように、枠ランプ212及び盤ランプ54を特定のエラー発光態様(図22参照)で発光させることが可能である。
次いで、駆動制御処理(S1203)を行う。駆動制御処理(S1203)では、演出に合うタイミングで盤可動体55kを駆動させるべく、駆動データを作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、盤可動体55kを所定の動作態様で駆動させる。そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S1204)を行って、本処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S1010)は、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図33に示すように、10msタイマ割り込み処理(S1010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S1301)。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとして演出用RAM124に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S1302)。続いて、スイッチ状態取得処理(S1302)にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面50aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S1303)。
続いて、演出制御用マイコン121は、音声データ(スピーカ620からの音声を出力する制御データ)を作成したり、画像制御基板140に音声データを出力する音声制御処理を実行する(S1304)。この音声制御処理(S1304)により、後述するように、「エラー25です」というエラー音声をスピーカ620から出力することが可能である。その後、演出制御用マイコン121は、ランプデータを作成したり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行して(S1305)、本処理を終える。
[受信コマンド解析処理]図34に示すように、受信コマンド解析処理(S1301)ではまず、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S1401)、受信していれば後述する変動演出開始処理を行う(S1402)。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S1403)、受信していれば変動演出終了処理を行う(S1404)。変動演出終了処理(S1404)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S1405)、受信していればオープニング演出選択処理を行う(S1406)。オープニング演出選択処理(S1406)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S1407)、受信していればラウンド演出選択処理を行う(S1408)。ラウンド演出選択処理(S1408)では、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行するラウンド演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S1409)、受信していればエンディング演出選択処理を行う(S1410)。エンディング演出選択処理(S1410)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からエラーコマンドを受信したか否かを判定する(S1411)。受信していればエラー報知処理を行う(S1412)。エラー報知処理(S1412)では、図22に示すエラー番号画像ER1を表示するためのエラー表示コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。これにより、エラー表示コマンドを受信した画像制御基板140の画像用CPU141は、表示画面50aにてエラー番号画像ER1を表示する。
またエラー報知処理(S1412)では、「エラー25です」というエラー音声(図22参照)を出力するための音声データを、演出用RAM124の所定の記憶領域にセットする。これにより、その音声データを受信した画像制御基板140の音声用CPU149は、スピーカ620から「エラー25です」という音声を出力させる。またエラー報知処理(S1412)では、枠ランプ212及び盤ランプ54を特定のエラー発光態様(図22参照)で発光させるためのランプデータを、演出用RAM124の所定の記憶領域にセットする。これにより、そのランプデータを受信したサブドライブ基板162は、枠ランプ212及び盤ランプ54を特定のエラー発光態様で発光させる。以上、図22に示すエラー報知が実行されることで、設定値を設定不能なパチンコ遊技機PY1であるにも拘わらず、設定キーシリンダ180が回転位置にあるという異常を周囲に分かり易く示すことが可能である。
続いて、演出制御用マイコン121は、その他の処理(S1413)として、上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(例えば、普通図柄の変動表示に伴う演出を行うための処理等)を行う。そして、受信コマンド解析処理(S1301)を終える。
[変動演出開始処理]図35に示すように、変動演出開始処理(S1402)ではまず、演出制御用マイコン121は、変動開始コマンドを解析する(S1501)。変動開始コマンドには、変動パターン(図13参照)の情報や、大当たりの判定等に基づく特図停止図柄データの情報が含まれている。
次に、変動演出において最終的に停止表示する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の選択を行う演出図柄選択処理を実行する(S1502)。具体的には、演出図柄決定用乱数を取得するとともに、リーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択する。そして、選択したテーブルを用いて、取得した演出図柄決定用乱数を判定することにより、演出図柄を選択する。これにより、最終的に停止表示される演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせ(例えば「777」等)が決定される。
続いて演出制御用マイコン121は、変動演出パターン選択処理を実行する(S1503)。変動演出パターン選択処理(S1503)では、変動パターンの種類に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択する。そして、選択したテーブルを用いて、取得した変動演出パターン抽選乱数を判定することにより、変動演出パターンを選択する。こうして変動演出パターンが決まれば、変動演出の時間、演出図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、演出ボタン演出(SW演出)の有無、演出ボタン演出の内容、演出展開構成、演出図柄の背景の種類等からなる変動演出の内容の詳細が決まることとなる。
変動演出パターン選択処理(S1503)の後、予告演出選択処理を実行する(S1504)。予告演出選択処理(S1504)では、予告演出決定用乱数を取得するとともに、リーチの有無等に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択する。そして、その選択したテーブルを用いて、取得した予告演出決定用乱数を判定することにより、予告演出を選択する。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容が決定される。
次いで、選択した変動演出パターンに応じて駆動データを設定するための駆動データ設定処理を実行する(S1505)。その後、選択した演出図柄と変動演出パターンと予告演出とに基づく変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S1506)、本処理を終える。ステップS1506でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S1006)により画像制御基板140に送信されると、表示画面50aにて特別図柄の変動表示に同期した変動演出が開始される。
7.本形態の効果
以上詳細に説明したように本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、電源投入時に大当たり判定確率に対応する設定値を設定不能であっても、設定キーシリンダ180を備える遊技制御基板100が用いられている。従って、電源投入時に設定値を設定可能なパチンコ遊技機、又は設定値を設定不能なパチンコ遊技機の何れであっても、設定キーシリンダ180を備える遊技制御基板100を用いることで、遊技制御基板100の共通化を図ることが可能である。その結果、開発費用を抑えることが可能である。即ち、本形態のパチンコ遊技機PY1のように設定値を設定不能な場合において、設定キーシリンダ180を備えていない遊技制御基板を開発する手間を無くすことが可能である。その上で、電源投入時に万一、設定キーシリンダ180が回転位置に操作されている場合には、遊技制御処理が実行されなくて、遊技が実行不能になる。従って、設定キーシリンダ180に対する想定外の操作がなされたまま遊技されるのを防ぐことが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、上述したように、電源投入時に万一、設定キーシリンダ180が回転位置にあると、遊技が実行不能になる。その後、設定キーシリンダ180を回転位置から待機位置へ操作しても、遊技が実行不能のままである。つまり、電源を再投入しなければ遊技を実行できないことになる。こうして、電源投入時に設定キーシリンダ180を待機位置にしておかなければ遊技を実行できないというルールを徹底することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、電源投入時に万一、設定キーシリンダ180が回転位置に操作されている場合には、演出制御用マイコン121(演出制御基板120)は、遊技制御基板100から送信されるエラーコマンドの受信に基づいて、異常であることを示すエラー報知(図22参照)を実行する。このエラー報知の実行により、設定キーシリンダ180に対して想定外の操作がなされている状況を、遊技場の従業員等に把握させ易くすることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、遊技中(遊技制御処理の実行中)に万一、設定キーシリンダ180が待機位置から回転位置へ操作されると、遊技が実行不能になる。従って、遊技中に設定キーシリンダ180に対する想定外の操作がなされた場合に、遊技が継続するのを防ぐことが可能である。
8.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態(第1形態)のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
<第2形態>
上記第1形態では、図21(A)に示すように、電源投入時に設定キーシリンダ180が回転位置にあることに基づいて遊技が実行不能になった後、設定キーシリンダ180を回転位置から待機位置へ操作しても、遊技が実行不能なまま(電源投入時エラー処理が実行されたまま)であった。これに対して、第2形態では、図36(A)に示すように、電源投入時に設定キーシリンダ180が回転位置にあることに基づいて遊技が実行不能になった後、設定キーシリンダ180を回転位置から待機位置へ操作すると、遊技が実行可能になるように構成されている。
[電源投入時エラー処理]図37に示すように、第2形態の電源投入時エラー処理(S013)では、遊技制御用マイコン101はまず、上述したようにエラーコマンドを送信して(S050)、演出制御用マイコン121にエラー報知(図22参照)を実行させる。続いて、遊技制御用マイコン101は、設定キーシリンダスイッチ180aがONであるか否かを判定する(S060)。設定キーシリンダスイッチ180aがONであれば(S060でYES)、設定キーシリンダ180が回転位置のままであり、再びステップS060に戻ってループ処理を実行する。つまり、設定キーシリンダ180が回転位置にある限り、遊技制御処理が実行されずに、遊技が実行されることはない。
これに対して、設定キーシリンダスイッチ180aがONでなければ(S060でNO)、設定キーシリンダ180が回転位置から待機位置へ操作されたことになり、ステップS061に進む。ステップS061では、遊技制御用マイコン101は、復帰コマンドを演出制御基板120に送信する。これにより、復帰コマンドを受信した演出制御用マイコン121は、実行していたエラー報知(図22参照)を終了する。そして遊技制御用マイコン101は、ステップS061の後、ステップS014以降の処理(図24参照)を実行する。即ち、ステップS014以降の処理を経て、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行されて、遊技制御処理が実行されることになる。なお第2形態のその他の構成は、上述した第1形態の構成と同様であるため、その説明を省略する。
第2形態のパチンコ遊技機PY1によれば、電源投入時に万一、設定キーシリンダ180が回転位置にあると、遊技が実行不能になる。但し、その後に設定キーシリンダ180を回転位置から待機位置へ操作すると、遊技が実行可能になる。こうして、電源投入時に設定キーシリンダ180に対する誤った操作を行っても、電源を再投入することなく、遊技を実行させることが可能である。つまり、例えば遊技場の新人の従業員が、設定値を設定不能なパチンコ遊技機PY1であるにも拘わらず、設定キーシリンダ180を誤って回転位置へ操作してしまうことがあり得る。この場合、開店前に忙しい遊技場の従業員にとっては、設定キーシリンダ180を回転位置から待機位置へ戻すだけで、遊技を開始させることができるため、遊技を開始させるまでの作業の煩雑化を防ぐことが可能である。第2形態のその他の作用効果は、上述した第1形態の作用効果と同様であるため、その説明を省略する。
<第3形態>
上記第1形態では、図21(A)に示すように、電源投入時に設定キーシリンダ180が回転位置にあると、遊技制御用マイコン101がエラーコマンドを送信した。これに対して、第3形態では、図38(A)に示すように、電源投入時に設定キーシリンダ180が回転位置にあると、遊技制御用マイコン101が外端出力信号を出力するように構成されている。
[電源投入時エラー処理]図39に示すように、第3形態の電源投入時エラー処理(S013)では、遊技制御用マイコン101は、外端出力信号全出力処理を実行して(S070)、その後、遊技制御処理を実行することなく、ループ処理を実行する。外端出力信号全出力処理(S070)では、遊技制御用マイコン101は、自身が出力可能な全ての外端出力信号(大当たり信号、図柄確定信号、高確状態信号、電サポ状態信号、第1始動口信号、第2始動口信号、セキュリティー信号)をON状態として外部端子板160に出力する。こうして第3形態では、電源投入時に設定キーシリンダ180が回転位置にあると、遊技制御基板100から外端出力信号が出力されることになる。なお第3形態のその他の構成は、上述した第1形態の構成と同様であるため、その説明を省略する。
ここで、外端出力信号が遊技制御基板100から出力される意味について説明する。外端出力信号は、データ表示器161で遊技の状況を表示したり、遊技場のホールコンピュータが遊技の状況を管理するために必要なものであり、適切にパチンコ遊技機PY1の外部に出力されている必要がある。しかしながら、外端出力信号は常に出力されているものでないため、事前に正しく出力されるか否かの確認がし難い。特に、外端出力信号の中でも、例えば大当たり信号、高確状態信号、電サポ状態信号、セキュリティー信号は、遊技中に頻繁に出力されるわけではないため、適切に出力されているか否かの確認がし難い。
そこで第3形態では、電源投入時に設定キーシリンダ180が回転位置にあると、遊技制御用マイコン101が出力可能な全ての外端出力信号(大当たり信号、図柄確定信号、高確状態信号、電サポ状態信号、第1始動口信号、第2始動口信号、セキュリティー信号)を出力するように構成している。これにより、遊技場の従業員等は、電源投入時に設定キーシリンダ180を敢えて回転位置に操作することで、遊技制御基板100から外端出力信号が適切に出力されているか否かの確認を行うことが可能である。特に頻繁に出力されるわけではない大当たり信号、高確状態信号、電サポ状態信号、セキュリティー信号について、適切に出力されるか否かを簡易な方法で確認することが可能である。
第3形態のパチンコ遊技機PY1によれば、電源投入時に、仮に意図的に設定キーシリンダ180を回転位置へ操作すれば、外端出力信号(大当たり信号、図柄確定信号、高確状態信号、電サポ状態信号、第1始動口信号、第2始動口信号、セキュリティー信号)が、当該パチンコ遊技機PY1の外部に出力される。これにより、遊技制御基板100から外端出力信号が正しく出力されることの確認を行うことが可能である。
また第3形態のパチンコ遊技機PY1によれば、電源投入時に設定キーシリンダ180が回転位置に操作されている場合は、設定キーシリンダ180に対して想定外の操作がなされていることとして、遊技を実行不能にする。その代わりに、設定キーシリンダ180を外端出力信号の出力のトリガとして機能させて、有効活用することが可能である。第3形態のその他の作用効果は、上述した第1形態の作用効果と同様であるため、その説明を省略する。
<第4形態>
上記第1形態では、図21(A)に示すように、電源投入時に設定キーシリンダ180が回転位置にあると、遊技制御用マイコン101がエラーコマンドを送信した。これに対して、第4形態では、図40(A)に示すように、電源投入時に設定キーシリンダ180が回転位置にあると、遊技制御用マイコン101が試験信号を出力するように構成されている。
ここで試験信号について説明する。試験信号は、遊技制御基板100の内部が正常であることを示すものであり、パチンコ遊技機の試験の際に検査されるものである。パチンコ遊技機の試験では、図41に示すように、本形態の遊技制御用マイコン101と同じ遊技制御用マイコンが実装された試験用遊技制御基板100Zが用意される。試験用遊技制御基板100Zには、試験用コネクタ100Yが設けられていて、試験用コネクタ100Yから試験信号が出力可能になっている。よって、パチンコ遊技機の試験では、試験用遊技制御基板100Zの試験用コネクタ100Yに、試験装置SKが接続される。そしてこの試験装置SKを用いて、試験用遊技制御基板100Zの試験用コネクタ100Yから試験信号が正しく出力されているか否かが検査されるようになっている。
なお、図15(A)に示す本形態の遊技制御基板100と、図41に示す試験用遊技制御基板100Zとは、以下の点が異なる。図15(A)に示す本形態の遊技制御基板100には、図22に示す試験用遊技制御基板100Zと異なり、試験用コネクタ100Yが無い。遊技制御基板100は、量産品であって、基本的に試験用コネクタ100Yから試験信号を出力する必要がない。よって遊技制御基板100では、試験用コネクタ100Yが取り外された状態になっている。但し、試験用コネクタ100Yが取り外されただけであって、試験用コネクタ100Yが設けられていた部分には、図15(A)(B)に示すように、試験用出力端子100Xが残っている。従って、遊技制御基板100では、実際に試験用出力端子100Xから試験信号が外部に出力されるわけではないが、試験用出力端子100Xから試験信号が出力可能になっている。
[電源投入時エラー処理]図42に示すように、第4形態の電源投入時エラー処理(S013)では、遊技制御用マイコン101は、試験信号全出力処理を実行して(S080)、その後、遊技制御処理を実行することなく、ループ処理を実行する。試験信号全出力処理(S080)では、遊技制御用マイコン101は、自身が出力可能な全ての試験信号を試験用出力端子100Xに向けて出力する。なお試験用出力端子100Xには、何も接続されていないため、試験信号が遊技制御基板100の外部に出力されるわけではない。試験信号は、具体的には、大当たり遊技を実行可能であることを示す試験信号、高確率状態に制御可能であることを示す試験信号、電サポ制御状態に制御可能であることを示す試験信号等がある。こうして第4形態では、電源投入時に設定キーシリンダ180が回転位置にあると、遊技制御基板100の試験用出力端子100Xから全ての試験信号が出力可能な状態になっている。なお第4形態のその他の構成は、上述した第1形態の構成と同様であるため、その説明を省略する。
第4形態のパチンコ遊技機PY1によれば、電源投入時に、仮に意図的に設定キーシリンダ180を回転位置へ操作すれば、試験信号が当該遊技制御基板100の外部に出力可能になっている。よって、図41に示すように、パチンコ遊技機の試験において、試験用遊技制御基板100Zの試験用コネクタ100Yに試験装置SKを接続しておき、電源投入時に設定キーシリンダ180を回転位置へ操作しておく。これにより、試験用遊技制御基板100Zから試験信号が正しく出力されているか否かの確認を容易に行うことが可能である。つまり、電源投入時に意図的に全ての試験信号を出力できることで、試験用遊技制御基板100Zから試験信号が正しく出力されていることの確認を容易にすることが可能である。その結果、量産品である遊技制御基板100でも、同様に試験信号を正しく出力できることになり、正規の遊技制御基板100であることが保証されている。第4形態のその他の作用効果は、上述した第1形態の作用効果と同様であるため、その説明を省略する。
<第5形態>
上記第1形態では、図21(A)に示すように、電源投入時に設定キーシリンダ180が回転位置にあると、遊技制御用マイコン101がエラーコマンドを送信した。これに対して、第5形態では、図43(A)に示すように、電源投入時に設定キーシリンダ180が回転位置にあると、遊技制御用マイコン101が特図表示器81(図5参照)のLEDを全て点灯した全点灯態様(特定表示態様)にする。特図表示器81での全点灯態様は、遊技中に特図表示器81で示されることのない表示態様である。つまり、遊技中に表示される特別図柄は、全点灯態様になることはない。そのため、特図表示器81で全点灯態様を見た遊技場の従業員等に、設定キーシリンダ180に対して誤った操作がなされていることを把握させることが可能である。
[電源投入時エラー処理]図44に示すように、第5形態の電源投入時エラー処理(S013)では、遊技制御用マイコン101は、特図表示器全点灯処理を実行して(S090)、その後、遊技制御処理を実行することなく、ループ処理を実行する。特図表示器全点灯処理(S090)では、遊技制御用マイコン101は、第1特図表示器81a及び第2特図表示器81bに設けられている全てのLEDが点灯するように特図表示器81の発光態様(点灯態様)を制御する。これにより、特図表示器81が全点灯態様になる。なお第5形態のその他の構成は、上述した第1形態の構成と同様であるため、その説明を省略する。
第5形態のパチンコ遊技機PY1によれば、電源投入時に、万一、設定キーシリンダ180が回転位置へ操作されている場合には、特図表示器81にて、遊技中の特別図柄の表示態様とは異なる全点灯態様が示される。よって、特図表示器81での全点灯態様を見ることで、設定キーシリンダ180に対して想定外の操作がなされている状況を、遊技場の従業員等に把握させ易くすることが可能である。第5形態のその他の作用効果は、上述した第1形態の作用効果と同様であるため、その説明を省略する。
ここで、第1形態、第3形態、第5形態において、電源投入時に設定キーシリンダ180が回転位置に操作されている場合の遊技制御用マイコン101の負荷について説明する。第1形態では、図21(A)に示すように、遊技制御用マイコン101がエラーコマンドを送信した。遊技制御用マイコン101にとって、エラーコマンドを送信するのは、一瞬であって、送信するコマンド(制御信号)は1つだけである。従って、第1形態と第3形態と第5形態の中で、第1形態が遊技制御用マイコン101にとって最も負荷が少ない。次に、第3形態では、図38(A)に示すように、遊技制御用マイコン101が出力可能な全ての外端出力信号を出力した。遊技制御用マイコン101にとって、外端出力信号を送信するのは、一瞬であるものの、出力可能な全て(複数の)外端出力信号を送信する。従って、第1形態と第3形態と第5形態の中で、第3形態が遊技制御用マイコン101にとって2番目に負荷が少ない。最後に、第5形態では、図43(A)に示すように、遊技制御用マイコン101が特図表示器81を全点灯態様にした。遊技制御用マイコン101にとって、特図表示器81を全点灯態様にすることは、ダイナミック点灯によってLEDを繰り返し点灯し続けることになるため、一瞬の作業(制御処理)ではない。従って、第1形態と第3形態と第5形態の中で、第5形態が遊技制御用マイコン101にとって最も負荷が大きい。以上、第1形態<第3形態<第5形態の順番に、遊技制御用マイコン101に対する負荷が大きくなる。即ち、第1形態>第3形態>第5形態の順番に、遊技制御用マイコン101にとって実施し易い実施形態といえる。
<第6形態>
上記第1形態では、図21(A)に示すように、遊技制御用マイコン101は、電源投入時に設定キーシリンダ180が回転位置にあることに基づいて、電源投入時エラー処理を実行した。そしてその後に、設定キーシリンダ180が回転位置から待機位置へ操作されても、電源投入時エラー処理を実行した。これに対して第6形態では、図45(A)に示すように、遊技制御用マイコン101は、電源投入時に設定キーシリンダ180が回転位置にあっても、遊技制御処理を実行可能である。そしてその後に、設定キーシリンダ180が回転位置から操作位置へ操作されても、遊技制御処理を実行可能である。なお第6形態では、図45(B)に示すように、図21(B)に示す第1形態と同様、遊技制御用マイコン101は、遊技中に設定キーシリンダ180が待機位置から回転位置に操作されると、遊技中エラー処理を実行することになる。つまり、遊技中に設定キーシリンダ180が回転位置へ操作されると、遊技が実行不能になる。
[電源投入時処理]図46に示すように、第6形態の電源投入時処理(S001)では、遊技制御用マイコン101は、ステップS011の後、設定キーシリンダスイッチ180aがONであるか否かを判定する(S012)。ONでなければ(S012でNO)、設定キーシリンダ180が通常通りに待機位置にあるため、ステップS014に進む。一方、設定キーシリンダスイッチ180aがONであれば(S012でYES)、電源投入時に設定キーシリンダ180が回転位置にあることになるため、ステップS025に進む。
ステップS025では、遊技制御用マイコン101は、演出制御基板120に対して、エラーコマンドを送信する。これにより、エラーコマンドを受信した演出制御用マイコン121は、エラー報知を実行することになる(図22参照)。そして遊技制御用マイコン101は、電源投入時回転位置フラグをONにして(S026)、ステップS014に進む。その後、電源投入時処理(S001)を終了すると、遊技制御処理を開始することになる(図26参照)。こうして第6形態では、電源投入時に設定キーシリンダ180が待機位置にある場合だけでなく、操作位置にある場合でも、電源投入時処理(S001)の後に、遊技が実行される。電源投入時回転位置フラグは、電源投入時に設定キーシリンダ180が回転位置にあることを示すものである。なおステップS014以降の処理は、第1形態のステップS014以降の処理(図24参照)と同じである。
[異常監視処理]図47に示すように、第6形態の異常監視処理(S109)ではまず、遊技制御用マイコン101は、電源投入時回転位置フラグがONであるか否かを判定する(S123)。ONでなければ(S123でNO)、電源投入時に通常通り、設定キーシリンダ180が待機位置にあることになり、ステップS120に進む。これに対して、電源投入時回転位置フラグがONであれば(S123でYES)、続いて、設定キーシリンダスイッチがONであるか否かを判定する(S124)。即ち、電源投入時には設定キーシリンダが回転位置にあって、その後でも、設定キーシリンダが回転位置のままであるか否かを判定する。設定キーシリンダスイッチ180aがONであれば(S124でYES)、ステップS121に進み、上述したその他の処理を実行して(S121)、本処理を終える。
一方、ステップS124にて、設定キーシリンダスイッチ180aがONでなければ(S124でNO)、設定キーシリンダ180が待機位置へ操作されたことになり、ステップS125に進む。ステップS125では、遊技制御用マイコン101は、復帰コマンドを演出制御基板120に送信する。これにより、復帰コマンドを受信した演出制御用マイコン121は、実行していたエラー報知(図22参照)を終了する。そして、電源投入時回転位置フラグをOFFにして(S126)、本処理を終える。
またステップS123にて、電源投入時回転位置フラグがONでなければ(S123でNO)、ステップS120に進む。ステップS120では、設定キーシリンダスイッチ180aがONであるか否かを判定し、ONであれば(S120でYES)、設定キーシリンダ180が回転位置にあることになり、上述した遊技中エラー処理を実行する(S122、図28参照)。一方、設定キーシリンダスイッチ180aがONでなければ(S120でNO)、設定キーシリンダ180が待機位置にあることになり、上述したその他の処理を実行して(S121)、本処理を終える。なお第6形態のその他の構成は、上述した第1形態の構成と同様であるため、その説明を省略する。
第6形態のパチンコ遊技機PY1によれば、電源投入時に設定値を設定不能であっても、設定キーシリンダ180を備える遊技制御基板100が用いられている。従って、電源投入時に設定値を設定可能なパチンコ遊技機、又は電源投入時に設定値を設定可能なパチンコ遊技機の何れであっても、設定キーシリンダ180を備える遊技制御基板100を用いることで、遊技制御基板100の共通化を図ることが可能である。その上で、電源投入時に万一、設定キーシリンダ180が回転位置へ操作されている場合でも、遊技が実行可能になる。従って、設定キーシリンダ180に対する想定外の操作がなされても遊技が実行不能になるのを防ぐことが可能である。
また第6形態では、図45(A)に示すように、電源投入時に設定キーシリンダ180が回転位置にあっても遊技が実行可能であるが、遊技中に設定キーシリンダ180が待機位置から回転位置に操作されると遊技が実行不能になる。これは、以下の理由に基づく。電源投入時は、一般的に遊技場の営業開始前(9時前)であって、遊技客がいない状況である。従って、電源投入時に設定キーシリンダ180が回転位置に操作されるのは、遊技場の従業員による誤操作である可能性が高い。よって、遊技場の従業員による誤操作であれば、電源を再投入しないで遊技を実行できた方が、遊技場の従業員にとっては都合が良い。
これに対して、遊技中に設定キーシリンダ180が待機位置から回転位置に操作される状況というのは、遊技客による不正な操作である可能性が高い。よって、遊技客による不正な操作であれば、電源を再投入しなければ遊技を実行できないようにした方が、不正対策という観点では好ましい。以上により第6形態では、遊技場の従業員による誤操作と、遊技客による不正な操作とを考慮して、図45(A)(B)に示すように、遊技が実行できる場合と遊技が実行できない場合とに分かれるようにしている。第6形態のその他の作用効果は、上述した第1形態の作用効果と同様であるため、その説明を省略する。
<第7形態>
上記第1形態では、図21(A)に示すように、遊技制御用マイコン101は、電源投入時に設定キーシリンダ180が回転位置にあることに基づいて、電源投入時エラー処理を実行して、遊技を実行不能にした。更に図21(B)に示すように、遊技制御用マイコン101は、遊技中に設定キーシリンダ180が待機位置から回転位置に操作されると、遊技中エラー処理を実行して、遊技を実行不能にした。これに対して第7形態では、図48(A)に示すように、遊技制御用マイコン101は、電源投入時に設定キーシリンダ180が回転位置にあると、外端出力信号を送信すると共に、遊技制御処理を実行して、遊技を実行可能にする。更に、図48(B)に示すように、遊技制御用マイコン101は、遊技中に設定キーシリンダ180が待機位置から回転位置に操作されても、遊技制御処理を実行して、遊技を実行可能にするように構成されている。
なお第7形態では、図48(A)に示すように、電源投入時に設定キーシリンダ180が回転位置にあって、その後に設定キーシリンダ180が回転位置から待機位置へ操作されても、遊技制御処理がそのまま継続して実行される。また図48(B)に示すように、遊技中に設定キーシリンダ180が待機位置から回転位置に操作されて、その後に設定キーシリンダ180が回転位置から待機位置へ操作されても、遊技制御処理がそのまま継続して実行される。以上、第7形態では、設定キーシリンダ180が待機位置と回転位置との間で如何に操作されても、遊技が実行不能になることはなく、遊技が実行できるように構成されている。
[電源投入時処理]図49に示すように、第7形態の電源投入時処理(S001)では、遊技制御用マイコン101は、ステップS011の後、設定キーシリンダスイッチ180aがONであるか否かを判定する(S012)。ONでなければ(S012でNO)、設定キーシリンダ180が通常通りに待機位置にあるため、ステップS014に進む。一方、設定キーシリンダスイッチ180aがONであれば(S012でYES)、電源投入時に設定キーシリンダ180が回転位置にあることになるため、ステップS027に進む。
ステップS027では、遊技制御用マイコン101は、外端出力信号全出力処理を実行して(S027)、ステップS014に進む。この場合、その後に電源投入時処理(S001)を終了すると、遊技制御処理を開始することになる(図26参照)。なお外端出力信号全出力処理(S027)では、上述した第3形態の外端出力信号全出処理(S070、図39参照)と同様、自身が出力可能な全ての外端出力信号(大当たり信号、図柄確定信号、高確状態信号、電サポ状態信号、第1始動口信号、第2始動口信号、セキュリティー信号)をON状態として外部端子板160に出力する。こうして第7形態では、電源投入時に設定キーシリンダ180が待機位置又は操作位置の何れであっても、電源投入時処理(S001)の後に、遊技が実行される。
[異常監視処理]図50に示すように、第7形態の異常監視処理(S109)では、遊技制御用マイコン101は、その他のエラー処理を実行して(S121)、本処理を終える。従って、第7形態では、第1形態と異なり(図27参照)、異常監視処理(S109)で遊技中エラー処理(S122)を実行することがなく、遊技中に設定キーシリンダ180が待機位置又は操作位置の何れに操作されても、遊技が継続して実行される。なお第7形態のその他の構成は、上述した第1形態の構成と同様であるため、その説明を省略する。
第7形態のパチンコ遊技機PY1によれば、電源投入時に、仮に意図的に設定キーシリンダ180を回転位置へ操作すれば、外端出力信号(大当たり信号、図柄確定信号、高確状態信号、電サポ状態信号、第1始動口信号、第2始動口信号、セキュリティー信号)が、当該パチンコ遊技機PY1の外部に出力される。これにより、遊技制御基板100から外端出力信号が正しく出力されることの確認を行うことが可能である。そしてこの場合、外端出力信号が出力されるようにしつつ、第3形態と異なり、遊技が実行不能になるわけではない。従って、外端出力信号が正しく出力されることの確認をしつつ、電源を再投入することなく遊技を実行することが可能である。
更に第7形態では、遊技中に万一、設定キーシリンダ180が待機位置から回転位置へ操作されても、遊技が実行可能である。従って、遊技中に設定キーシリンダ180に対する想定外の操作がなされても、電源を再投入することなく、遊技を継続させることが可能である。以上、第7形態では、設定キーシリンダ180に対してどのような操作がなされても、遊技制御用マイコン101に対して遊技を停止させるようなイレギュラーな制御処理を実行させる必要がない。よって、従来の遊技制御用マイコン101からの変更を極めて少なくして、実施することが可能である。第7形態のその他の作用効果は、上述した第1形態の作用効果と同様であるため、その説明を省略する。
<第8形態>
上記第1形態では、設定値を設定不能なパチンコ遊技機PY1として構成されていた。これに対して第8形態では、「1」〜「6」までの何れかの設定値に設定可能なパチンコ遊技機PY1として構成されている。なお設定値は、大当たり判定処理で大当たりと判定される確率(「大当たり判定確率」)を定めるパラメータである。図51(A)〜図51(F)に示すように、各々の設定値に対応する大当たり判定テーブルのそれぞれには、通常確率状態で用いられる大当たり判定テーブルと、高確率状態で用いられる大当たり判定テーブルとがある。なお設定値の種類、及び大当たり判定テーブルの種類は、6種類に限られるものではなく、適宜変更可能である。
第8形態では、設定キーシリンダ180が回転位置に操作されていて、且つRAMクリアスイッチ191が押下操作されている状態で電源が投入されると、設定値を変更可能な設定変更モードに移行する。この設定変更モードにおいて、RAMクリアスイッチ191を押下操作する度に、設定値が「1」⇒「2」⇒「3」⇒「4」⇒「5」⇒「6」に切替わる。また設定値が「6」であるときに、RAMクリアスイッチ191を押下操作すると、設定値が「1」に戻る。こうして設定変更モードで設定値を選択した後、設定キーシリンダ180が回転位置から待機位置に操作されると、設定変更モードが終了して、設定値が確定する。そして、確定した設定値で遊技が実行されるようになっている。
ここで第8形態では、図52に示すように、電源投入時に設定キーシリンダ180が回転位置に操作していれば、遊技制御用マイコン101は、上述した第4形態と同様、試験信号(特定の制御信号)を試験用出力端子100Xに向けて出力するようになっている。よって、図41に示すように、パチンコ遊技機の試験において、試験用遊技制御基板100Zの試験用コネクタ100Yに試験装置SKを接続しておき、電源投入時に設定キーシリンダ180を回転位置へ操作しておけば、試験用遊技制御基板100Zから試験信号が正しく出力されているか否かの確認を容易に行うことが可能である。
なお第8形態では、設定値を設定可能なパチンコ遊技機PY1であるため、電源投入時にRAMクリアスイッチ191が押下操作されていて、設定キーシリンダ180が回転位置に操作されていれば、設定変更モードに移行すると共に、上述したように試験信号が試験用出力端子100Xに向けて出力されることになる。但しこの場合、第4形態で説明したように、実際に遊技制御基板100の外部に試験信号が出力されるわけではないため、設定値を設定可能な一般的なパチンコ遊技機と同じ仕様になっている。よって、設定変更モードに移行した後、設定キーシリンダ180を回転位置から待機位置へ操作すれば、設定変更モードが終了して、遊技制御処理が実行される、即ち遊技が実行されることになる。なお第8形態のその他の構成は、上述した第1形態の構成と実質的に同様であるため、その説明を省略する。
第8形態のパチンコ遊技機PY1によれば、電源投入時に設定キーシリンダ180が待機位置にあれば、遊技制御基板100から試験信号が出力されない一方、電源投入時に設定キーシリンダ180が回転位置にあれば、遊技制御基板100から試験信号が出力可能になっている。こうして、電源投入時に設定キーシリンダ180を回転位置に操作することが、試験信号の出力のトリガになる。よって、パチンコ遊技機の試験において、図41に示すように、試験用遊技制御基板100Zから試験信号が出力されていることの確認を容易に行うことが可能である。第8形態のその他の作用効果は、上述した第1形態の作用効果と実質的に同様であるため、その説明を省略する。
<その他の変形例>
上記形態(例えば第1形態)では、設定キーシリンダ180が回転位置にあることを把握させるためのエラー報知(特定演出)として、図22に示すように、表示画面50aに、「エラー25(エラー番号)」を示すエラー番号画像ER1を表示した。更に、スピーカ620から「エラー25です」というエラー音声を出力すると共に、枠ランプ212及び盤ランプ54を特定のエラー発光態様で発光させた。しかしながら、設定キーシリンダ180が回転位置にあることを把握させるためのエラー報知(特定演出)は、上記した演出態様に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、盤可動体55kや遊技機枠2に設けられる枠可動体を通常の動作態様とは異なる特別動作態様で動作させるようにしても良い。
上記形態(例えば第1形態)では、図21(B)に示すように、遊技中に設定キーシリンダ180が待機位置から回転位置に操作されると、遊技中エラー処理(S122)として、特図表示器81を全消灯態様にして、全てのソレノイドの動作を停止させて、遊技制御用マイコン101が出力可能な全ての外端出力信号をOFF状態にした。更に、エラー報知を実行するためのエラーコマンドを演出制御基板120に送信した。しかしながら、遊技中に設定キーシリンダ180が待機位置から回転位置に操作されたときの遊技制御用マイコン101の制御内容は、上記した内容に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、特図表示器81において、全点灯態様にしたり、遊技中には示されることのない特別な発光態様でLEDを発光させるようにしても良い。また全てのソレノイドの動作を停止させるのではなく、一部の特定のソレノイドの動作を停止させるようにしても良い。また遊技制御用マイコン101が出力可能な全ての外端出力信号をOFF状態にするのではなく、一部の特定の外端出力信号をOFF状態にしたり、全ての外端出力信号をON状態にするようにしても良い。
上記第2形態では、電源投入時に設定キーシリンダ180が回転位置にあることに基づいて図22に示すエラー報知が実行された後、設定キーシリンダ180が回転位置から待機位置に操作されると、遊技制御用マイコン101は遊技制御処理を実行すると共に、復帰コマンドを送信してエラー報知を終了させた(図36(A)参照)。しかしながら、設定キーシリンダ180が回転位置から待機位置に操作されると、遊技制御用マイコン101は遊技制御処理を実行すると共に、遊技が開始できることを示す演出を演出手段(画像表示装置50、スピーカ620、枠ランプ212又は盤ランプ54)を用いて実行するようにしても良い。
上記第3形態では、電源投入時に設定キーシリンダ180が回転位置にあると、遊技制御用マイコン101は、大当たり信号、図柄確定信号、高確状態信号、電サポ状態信号、第1始動口信号、第2始動口信号、セキュリティー信号といった全ての外端出力信号(外部出力信号)を出力した(図38(A)参照)。しかしながら、上記した全ての外端出力信号のうち一部の外端出力信号を出力するようにしても良い。但しこの場合、頻繁に出力されるわけではない大当たり信号、高確状態信号、電サポ状態信号、セキュリティー信号が出力されるようにすると良い。遊技制御基板100から外端出力信号が正しく出力されることの確認を容易にできるという作用効果を顕著に得ることができるためである。
上記第3形態では、電源投入時に設定キーシリンダ180が回転位置にあると、遊技制御用マイコン101は、大当たり信号、図柄確定信号、高確状態信号、電サポ状態信号、第1始動口信号、第2始動口信号、セキュリティー信号といった外端出力信号(外部出力信号)を出力した。しかしながら、外端出力信号(外部出力信号)は、上記したものに限られるものではなく、例えば不正行為を検出したことを示す不正検出信号や、賞球数信号であっても良い。
上記第3形態では、設定値を設定不能なパチンコ遊技機PY1として構成されていた。しかしながら、設定値(例えば「1」〜「6」までの何れかの設定値)を設定可能なパチンコ遊技機PY1として構成されていても良い。この場合には、電源投入時に設定キーシリンダ180を回転位置に操作することが、外端出力信号の出力のトリガになる。よって、設定値を設定可能なパチンコ遊技機において、遊技制御基板100から外端出力信号が正しく出力されていることの確認を容易に行うことが可能である。
上記第4形態では、電源投入時に設定キーシリンダ180が回転位置にあると、遊技制御用マイコン101は、試験用出力端子100Xに向けて、大当たり遊技を実行可能であることを示す試験信号、高確率状態に制御可能であることを示す試験信号、電サポ制御状態に制御可能であることを示す試験信号といった全ての試験信号を出力した(図40(A)参照)。しかしながら、上記した全ての試験信号のうち一部の試験信号を出力するようにしても良い。
上記第4形態では、電源投入時に設定キーシリンダ180が回転位置にあると、遊技制御用マイコン101は、試験用出力端子100Xに向けて、大当たり遊技を実行可能であることを示す試験信号、高確率状態に制御可能であることを示す試験信号、電サポ制御状態に制御可能であることを示す試験信号を出力した。しかしながら、試験信号は上記したものに限られるものではなく、例えば入賞を検知可能であることを示す試験信号、遊技制御処理を正しく実行可能であることを示す試験信号であっても良い。
上記第3形態又は上記第4形態では、電源投入時に設定キーシリンダ180が回転位置にあると、遊技制御用マイコン101は、外端出力信号(特定の制御信号)又は試験信号(特定の制御信号)を出力可能になっていた。しかしながら、電源投入時に設定キーシリンダ180が回転位置にあるときに出力される特定の制御信号は、外端出力信号又は試験信号に限られるものではない。例えば、パチンコ遊技機に設けられている固有の製造番号を示す信号、ベースを表示するための信号、設定値の情報を示す信号、RAMクリアを示す信号などが出力されるようにしても良い。或いは、第1形態において、エラー報知を実行するためのエラーコマンドを「特定の制御信号」に相当するものとしても良い。
上記第3形態又は上記第4形態では、電源投入時に図15(A)(B)に示す設定キーシリンダ180(操作手段)を待機位置(初期位置)から回転位置(操作位置)に操作すると、外端出力信号(特定の制御信号)又は試験信号(特定の制御信号)を出力可能になっていた。しかしながら、外端出力信号や試験信号のような特定の制御信号を出力するための操作手段は、設定キーシリンダ180に限られるものではない。例えば、遊技制御基板100に専用のスイッチ(トグルスイッチ等)やボタンを設けて、そのスイッチやボタンを操作すると、外端出力信号や試験信号が出力可能になっていても良い。
上記第3形態又は上記第4形態では、遊技制御基板100上に設けられている設定キーシリンダ180(操作手段)を回転位置(操作位置)に操作することで、遊技制御基板100から外端出力信号(特定の制御信号)又は試験信号(特定の制御信号)が出力可能になっていた。しかしながら、特定の制御信号を出力するための操作手段は、遊技制御基板100上に設けられていなくても良く、例えば電源ユニット190や電源基板、払出制御基板170に設けられていても良い。
上記第5形態では、電源投入時に設定キーシリンダ180が回転位置にあると、遊技制御用マイコン101は、特図表示器81を全点灯態様(特定の表示態様)にした。しかしながら、電源投入時に設定キーシリンダ180が回転位置にあると、遊技制御用マイコン101は、例えば全消灯態様にしたり、遊技中には示されることのない特別な発光態様でLEDを発光させるようにしても良い。また図5に示す表示器類8のうち、特図表示器81ではないLED(例えば特図保留表示器83)を発光させるようにしても良い。また遊技制御基板100に専用のLEDを設けて、そのLEDを発光させるようにしても良い。
上記第第1形態から第8形態までの中で、第8形態だけ設定値を設定可能なパチンコ遊技機PY1として構成した。しかしながら第1形態から第7形態までにおいても、設定値を設定可能なパチンコ遊技機PY1として構成しても良い。
上記各形態では、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成したが、いわゆるV確機(大入賞口内の特定領域(V領域)の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成してもよい。また上記各形態では、一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が続く遊技機(いわゆる確変ループタイプの遊技機)として構成したが、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)や転落機(抽選結果によって高確率状態が終了する遊技機)として構成してもよい。また、いわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。すなわち、本明細書に示されている発明は、遊技機のゲーム性を問わず、種々のゲーム性の遊技機に対して好適に採用することが可能である。
また、特別遊技として、小当たり遊技(大入賞口の総開放時間が所定時間(例えば1.8秒)以下と短い特別遊技)を行うことがあってもよい。小当たり遊技の実行中の状態を小当たり遊技状態と言う。
大入賞口(大入賞装置)は、複数(例えば2つ)あってもよい。この場合には、第1大入賞口と、第1大入賞口に入賞した遊技球を検出可能な第1大入賞口センサと、第2大入賞口と、第2大入賞口に入賞した遊技球を検出可能な第2大入賞口センサとが設けられている遊技機になる。
上記各形態では、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて取得する乱数(判定用情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、当たりの種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
上記各形態では、大当たりに当選してそのことを示す特別図柄が停止表示されたことを制御条件として、大当たり遊技状態(特別遊技状態)に制御されるパチンコ遊技機として構成した。これに対して、スロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ遊技機)として構成してもよい。
また、スロットマシンのタイプは、どのようなタイプであってもよい。ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの入賞によって獲得メダルを増やす所謂ノーマル機(Aタイプのスロットマシン)であれば、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等のボーナスを実行している状態が特別遊技状態に相当する。また、小役に頻繁に入賞可能なART(アシストリプレイタイム)やAT(アシストタイム)等の特別な遊技期間にて獲得メダルを増やす所謂ART機やAT機であれば、ARTやAT中の状態が特別遊技状態に相当する。また、ノーマル機では特別遊技状態への制御条件は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選した上で、有効化された入賞ライン上に、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの移行契機となる図柄の組み合せが各リールの表示結果として導出表示されることである。また、ART機やAT機では特別遊技状態への制御条件は、例えば、ARTやATの実行抽選に当選した上で、規定ゲーム数を消化するなどしてARTやATの発動タイミングを迎えることである。
9.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
<手段A>
手段A1に係る発明は、
遊技を制御可能な遊技制御部(遊技制御基板100)を備え、
電源投入時に大当たり判定確率に対応する設定値を設定不能な遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御部は、
所定の初期位置(待機位置)から操作位置(回転位置)へ操作可能な設定操作手段(設定キーシリンダ)を備え、
電源投入時に前記設定操作手段が前記初期位置にある場合には、遊技を実行可能にする一方、
電源投入時に前記設定操作手段が前記操作位置にある場合には、遊技を実行不能にする(第1形態、図21(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電源投入時に大当たり判定確率に対応する設定値を設定不能であっても、設定操作手段を備える遊技制御部が用いられている。従って、電源投入時に設定値を設定可能な遊技機、又は電源投入時に設定値を設定可能な遊技機の何れであっても、設定操作手段を備える遊技制御部を用いることで、遊技制御部の共通化を図ることが可能であり、開発費用を抑えることが可能である。その上で、電源投入時に万一、設定操作手段が操作位置へ操作されている場合には、遊技が実行不能になる。従って、設定操作手段に対する想定外の操作がなされたまま遊技されるのを防ぐことが可能である。
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機において、
前記遊技制御部は、
電源投入時に前記設定操作手段が前記操作位置にある場合に遊技を実行不能にした後、前記設定操作手段が前記操作位置から前記初期位置へ操作されても、遊技を実行不能にする(第1形態、図21(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電源投入時に万一、設定操作手段が操作位置にあると、遊技が実行不能になる。その後、設定操作手段を操作位置から初期位置へ操作しても、遊技が実行不能のままである。つまり、電源を再投入しなければ遊技を実行できないことになる。こうして、電源投入時に設定操作手段を初期位置にしておくルールを徹底することが可能である。
手段A3に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機において、
前記遊技制御部は、
電源投入時に前記設定操作手段が前記操作位置にある場合に遊技を実行不能にした後、前記設定操作手段が前記操作位置から前記初期位置へ操作されることに基づいて、遊技を実行可能にする(第2形態、図36(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電源投入時に万一、操作手段が操作位置にあると、遊技が実行不能になる。但し、その後に設定操作手段を操作位置から初期位置へ操作すると、遊技が実行可能になる。こうして、電源投入時に設定操作手段に対する誤った操作を行っても、電源を再投入することなく、遊技を実行させることが可能である。
手段A4に係る発明は、
手段A1乃至手段A3の何れかに記載の遊技機において、
演出を制御可能な演出制御部(演出制御基板120)を備え、
前記遊技制御部は、
電源投入時に前記設定操作手段が前記操作位置にある場合には、特定コマンド(エラーコマンド)を前記演出制御部に送信可能であり、
前記演出制御部は、
前記特定コマンドの受信に基づいて、異常であることを示す特定演出(図22に示すエラー報知)を実行可能である(第1形態、図21(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電源投入時に万一、設定操作手段が操作位置へ操作されている場合には、演出制御部は、遊技制御部から送信される特定コマンドの受信に基づいて、異常であることを示す特定演出を実行する。この特定演出の実行により、設定操作手段に対して想定外の操作がなされている状況を、遊技場の従業員等に把握させ易くすることが可能である。
手段A5に係る発明は、
手段A1乃至手段A3の何れかに記載の遊技機において、
当該遊技機の外部に外部出力信号(外端出力信号)を出力可能な外部端子部(外部端子板160)を備え、
前記遊技制御部は、
電源投入時に前記設定操作手段が前記初期位置にある場合には、前記外部端子部に前記外部出力信号を出力しない一方、電源投入時に前記設定操作手段が前記操作位置にある場合には、前記外部端子部に前記外部出力信号を出力可能である(第3形態、図38(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電源投入時に、仮に意図的に設定操作手段を操作位置へ操作すれば、外部出力信号が当該遊技機の外部に出力される。これにより、遊技制御部から外部出力信号が正しく出力されることの確認を行うことが可能である。
手段A6に係る発明は、
手段A1乃至手段A3の何れかに記載の遊技機において、
前記遊技制御部は、
電源投入時に前記設定操作手段が前記初期位置にある場合には、当該遊技制御部の内部が正常であることを示す試験信号を当該遊技制御部の外部に出力しない一方、電源投入時に前記設定操作手段が前記操作位置にある場合には、前記試験信号を当該遊技制御部の外部に出力可能である(第4形態、図40参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電源投入時に、仮に意図的に設定操作手段を操作位置へ操作すれば、遊技制御部の内部が正常であることを示す試験信号が当該遊技制御部の外部に出力可能になっている。これにより、遊技制御部から試験信号が正しく出力されることの確認を容易に行うことが可能である。
手段A7に係る発明は、
手段A1乃至手段A3の何れかに記載の遊技機において、
大当たりであるかの判定結果を示す識別図柄(特別図柄)を表示可能な識別図柄表示手段(特図表示器81)を備え、
前記遊技制御部は、
電源投入時に前記設定操作手段が前記操作位置にある場合には、前記識別図柄表示手段にて前記識別図柄の表示態様とは異なる特定表示態様(全点灯態様)を示す(第5形態、図43(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電源投入時に、万一、設定操作手段が操作位置へ操作されている場合には、識別図柄表示手段にて、遊技中の識別図柄の表示態様とは異なる特定表示態様が示される。よって、識別図柄表示手段での特定表示態様を見ることで、設定操作手段に対して想定外の操作がなされている状況を、遊技場の従業員等に把握させ易くすることが可能である。
手段A8に係る発明は、
手段A1乃至手段A7の何れかに記載の遊技機において、
前記遊技制御部は、
遊技中に前記設定操作手段が前記初期位置から前記操作位置へ操作されると、遊技を実行不能にする(第1形態、図21(B)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技中に万一、設定操作手段が初期位置から操作位置へ操作されると、遊技が実行不能になる。従って、遊技中に設定操作手段に対する想定外の操作がなされた場合に、遊技が継続するのを防ぐことが可能である。
ところで、特開2019−025014号公報に記載の遊技機では、遊技を制御可能な遊技制御基板(遊技制御部)に設定キーシリンダ(設定操作手段)が設けられていて、電源投入時に設定キーシリンダが操作位置に操作されていることで、設定値を変更(設定)できるようになっている。ここで、設定値を設定可能な遊技機ではなく、設定値を設定不能な遊技機を開発する場合がある。この場合、設定操作手段が設けられていない遊技制御部を用いることが一般的に考えられる。しかしながら、設定値を設定可能な遊技機においては設定操作手段が設けられている遊技制御部を用いて、設定値を設定不能な遊技機においては設定操作手段が設けられていない遊技制御部を用いることになると、2種類の遊技制御部をそれぞれ開発しなければならない。その結果、開発費用の増加につながるおそれがある。そこで手段A1〜A8に係る発明は、特開2019−025014号公報に記載の遊技機に対して、電源投入時に大当たり判定確率に対応する設定値を設定不能であって、電源投入時に設定操作手段が操作位置にある場合には、遊技を実行不能にする点で相違している。これにより、開発費用を抑えることが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段B>
手段B1に係る発明は、
遊技を制御可能な遊技制御部(遊技制御基板100)を備え、
電源投入時に大当たり判定確率に対応する設定値を設定不能な遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御部は、
所定の初期位置(待機位置)から操作位置(回転位置)へ操作可能な設定操作手段(設定キーシリンダ180)を備え、
電源投入時に前記設定操作手段が前記初期位置にある場合には、遊技を実行可能にして、
電源投入時に前記設定操作手段が前記操作位置にある場合でも、遊技を実行可能にする(第6形態、図45(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電源投入時に大当たり判定確率に対応する設定値を設定不能であっても、設定操作手段を備える遊技制御部が用いられている。従って、電源投入時に設定値を設定可能な遊技機、又は電源投入時に設定値を設定可能な遊技機の何れであっても、設定操作手段を備える遊技制御部を用いることで、遊技制御部の共通化を図ることが可能であり、開発費用を抑えることが可能である。その上で、電源投入時に万一、設定操作手段が操作位置へ操作されている場合でも、遊技が実行可能になる。従って、設定操作手段に対する想定外の操作がなされても遊技が実行不能になるのを防ぐことが可能である。
手段B2に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機において、
演出を制御可能な演出制御部(演出制御基板120)を備え、
前記遊技制御部は、
電源投入時に前記設定操作手段が前記操作位置にある場合には、特定コマンド(エラーコマンド)を前記演出制御部に送信可能であり、
前記演出制御部は、
前記特定コマンドの受信に基づいて、異常あることを示す特定演出(図22に示すエラー報知)を実行可能である(第6形態、図45(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電源投入時に万一、設定操作手段が操作位置へ操作されている場合には、演出制御部は、遊技制御部から送信される特定コマンドの受信に基づいて、異常であることを示す特定演出を実行する。この特定演出の実行により、設定操作手段に対して想定外の操作がなされている状況を、遊技場の従業員等に把握させ易くすることが可能である。
手段B3に係る発明は、
手段B1又は手段B2に記載の遊技機において、
当該遊技機の外部に外部出力信号(外端出力信号)を出力可能な外部端子部(外部端子板160)を備え、
前記遊技制御部は、
電源投入時に前記設定操作手段が前記初期位置にある場合には、前記外部端子部に前記外部出力信号を出力しない一方、電源投入時に前記設定操作手段が前記操作位置にある場合には、前記外部端子部に前記外部出力信号を出力可能である(第7形態、図48(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電源投入時に、仮に意図的に設定操作手段を操作位置へ操作すれば、外部出力信号が当該遊技機の外部に出力される。これにより、遊技制御部から外部出力信号が正しく出力されることの確認を行うことが可能である。
手段B4に係る発明は、
手段B1又は手段B2に記載の遊技機において、
前記遊技制御部は、
電源投入時に前記設定操作手段が前記初期位置にある場合には、当該遊技制御部の内部が正常であることを示す試験信号を当該遊技制御部の外部に出力しない一方、電源投入時に前記設定操作手段が前記操作位置にある場合には、前記試験信号を当該遊技制御部の外部に出力可能である(第8形態、図52(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電源投入時に、仮に意図的に設定操作手段を操作位置へ操作すれば、遊技制御部の内部が正常であることを示す試験信号が当該遊技制御部の外部に出力可能になっている。これにより、遊技機の検査において、遊技制御部から試験信号が正しく出力されることの確認を容易に行うことが可能である。
手段B5に係る発明は、
手段B1乃至手段B4の何れかに記載の遊技機において、
前記遊技制御部は、
遊技中に前記設定操作手段が前記初期位置から前記操作位置へ操作されても、遊技を実行可能にする(第8形態、図52(B)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技中に万一、設定操作手段が初期位置から操作位置へ操作されても、遊技が実行可能である。従って、遊技中に設定操作手段に対する想定外の操作がなされても、電源を再投入することなく、遊技を継続させることが可能である。
手段B6に係る発明は、
手段B1乃至手段B4の何れかに記載の遊技機において、
前記遊技制御部は、
遊技中に前記設定操作手段が前記初期位置から前記操作位置へ操作されると、遊技を実行不能にする(第6形態、図45(B)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技中に万一、設定操作手段が初期位置から操作位置へ操作されると、遊技が実行不能になる。従って、遊技中に設定操作手段に対する想定外の操作がなされた場合に、遊技が継続するのを防ぐことが可能である。
ところで、特開2019−025014号公報に記載の遊技機では、遊技を制御可能な遊技制御基板(遊技制御部)に設定キーシリンダ(設定操作手段)が設けられていて、電源投入時に設定キーシリンダが操作位置に操作されていることで、設定値を変更(設定)できるようになっている。ここで、設定値を設定可能な遊技機ではなく、設定値を設定不能な遊技機を開発する場合がある。この場合、設定操作手段が設けられていない遊技制御部を用いることが一般的に考えられる。しかしながら、設定値を設定可能な遊技機においては設定操作手段が設けられている遊技制御部を用いて、設定値を設定不能な遊技機においては設定操作手段が設けられていない遊技制御部を用いることになると、2種類の遊技制御部をそれぞれ開発しなければならない。その結果、開発費用の増加につながるおそれがある。そこで手段B1〜B6に係る発明は、特開2019−025014号公報に記載の遊技機に対して、電源投入時に大当たり判定確率に対応する設定値を設定不能であって、電源投入時に設定操作手段が操作位置にある場合には、遊技を実行不能にする点で相違している。これにより、開発費用を抑えることが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段C>
手段C1に係る発明は、
遊技を制御可能な遊技制御部(遊技制御基板100)を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御部は、
所定の初期位置(待機位置)から操作位置(回転位置)へ操作可能な操作手段(設定キーシリンダ180)を備え、
電源投入時に前記操作手段が前記初期位置にある場合には特定の制御信号(外端出力信号、試験信号)を出力しない一方、
電源投入時に前記操作手段が前記操作位置にある場合には前記特定の制御信号を出力可能である(第3形態、図38(A)参照、第4形態、図40(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電源投入時に操作手段が初期位置にあれば、遊技制御部から特定の制御信号が出力されない一方、電源投入時に操作手段が操作位置にあれば、遊技制御部から特定の制御信号が出力可能になっている。こうして、電源投入時に操作手段を操作位置へ操作することが、特定の制御信号の出力のトリガになる。よって、遊技制御部から特定の制御信号が出力されていることの確認を容易に行うことが可能である。
手段C2に係る発明は、
手段C1に記載の遊技機において、
前記遊技制御部は、
電源投入時に前記操作手段が前記初期位置にある場合には前記特定の制御信号を出力しないで、遊技を実行可能にする一方、
電源投入時に前記操作手段が前記操作位置にある場合には前記特定の制御信号を出力して、遊技を実行不能にする(第3形態、図38(A)参照、第4形態、図40(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電源投入時に操作手段が操作位置に操作されている場合には、操作手段に対して想定外の操作がなされていることとして、遊技を実行不能にする。その代わりに、操作手段を特定の制御信号の出力のトリガとして機能させて、有効活用することが可能である。
手段C3に係る発明は、
手段C2に記載の遊技機において、
演出を制御可能な演出制御部(演出制御基板120)を備え、
前記遊技制御部は、前記特定の制御信号として特定コマンド(エラーコマンド)を前記演出制御部に送信可能であり、
前記演出制御部は、前記特定コマンドの受信に基づいて、異常であることを示す特定演出(図22に示すエラー報知)を実行可能である(第1形態、図21(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電源投入時に万一、操作手段が操作位置へ操作されている場合には、演出制御部は、遊技制御部から送信される特定コマンドの受信に基づいて、異常あることを示す特定演出を実行する。この特定演出の実行により、操作手段に対して想定外の操作がなされている状況を、遊技場の従業員等に把握させ易くすることが可能である。
手段C4に係る発明は、
手段C1又は手段C2に記載の遊技機において、
当該遊技機の外部に外部出力信号(外端出力信号)を出力可能な外部端子部(外部端子板160)を備え、
前記遊技制御部は、
電源投入時に前記操作手段が前記初期位置にある場合には、前記外部端子部に前記特定の制御信号として前記外部出力信号を出力しない一方、電源投入時に前記設定操作手段が前記操作位置にある場合には、前記外部端子部に前記外部出力信号を出力可能である(第3形態、図38(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電源投入時に、仮に意図的に操作手段を操作位置へ操作すれば、外部出力信号が当該遊技機の外部に出力されることになる。これにより、遊技制御部から外部出力信号が正しく出力されることの確認を行うことが可能である。
手段C5に係る発明は、
手段C1又は手段C2に記載の遊技機において、
前記遊技制御部は、
電源投入時に前記操作手段が前記初期位置にある場合には、前記特定の制御信号として当該遊技制御部の内部が正常であることを示す試験信号を当該遊技機の外部に出力しない一方、電源投入時に前記操作手段が前記操作位置にある場合には、前記試験信号を当該遊技機の外部に出力可能である(第4形態、図40(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電源投入時に、仮に意図的に操作手段を操作位置へ操作すれば、遊技制御部の内部が正常であることを示す試験信号が当該遊技機の外部に出力されることになる。これにより、試験信号が正しく出力されることの確認を行うことが可能である。
ところで、特開2001−017621号公報に記載の遊技機では、遊技制御基板(遊技制御部)は、その他の様々な基板に接続されていて、接続されている基板に対して制御信号を出力可能になっている。ここで、遊技制御部から様々な制御信号が出力されるものの、予め制御信号が正しく出力されているか否かを容易に確認する方法は、従来からあまり考えられていなかった。即ち、遊技制御部から特定の制御信号の出力を人為的にコントロールすることで、予め遊技制御部から特定の制御信号が正しく出力されているかを確認するという方法は、従来からあまり考えられていなかった。そこで手段C1〜C5に係る発明は、特開2001−017621号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御部は、所定の初期位置から操作位置へ操作可能な操作手段を備え、電源投入時に操作手段が初期位置にある場合には特定の制御信号を出力しない一方、電源投入時に操作手段が操作位置にある場合には特定の制御信号を出力可能である点で相違している。これにより、遊技制御部から特定の制御信号が出力されていることの確認を容易に行うことが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
PY1…パチンコ遊技機
50…画像表示装置
50a…表示画面
54…盤ランプ
100…遊技制御基板
101…遊技制御用マイコン
120…演出制御基板
121…演出制御用マイコン
160…外部端子板
180…設定キーシリンダ
180a…設定キーシリンダスイッチ
191…RAMクリアスイッチ
212…枠ランプ
300…7セグ表示器
620…スピーカ

Claims (5)

  1. 遊技を制御可能な遊技制御部を備える遊技機において、
    前記遊技制御部は、
    所定の初期位置から操作位置へ操作可能な操作手段を備え、
    電源投入時に前記操作手段が前記初期位置にある場合には特定の制御信号を出力しない一方、
    電源投入時に前記操作手段が前記操作位置にある場合には前記特定の制御信号を出力可能であることを特徴とする遊技機。
  2. 請求項1に記載の遊技機において、
    前記遊技制御部は、
    電源投入時に前記操作手段が前記初期位置にある場合には前記特定の制御信号を出力しないで、遊技を実行可能にする一方、
    電源投入時に前記操作手段が前記操作位置にある場合には前記特定の制御信号を出力して、遊技を実行不能にすることを特徴とする遊技機。
  3. 請求項2に記載の遊技機において、
    演出を制御可能な演出制御部を備え、
    前記遊技制御部は、前記特定の制御信号として特定コマンドを前記演出制御部に送信可能であり、
    前記演出制御部は、前記特定コマンドの受信に基づいて、異常であることを示す特定演出を実行可能であることを特徴とする遊技機。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の遊技機において、
    当該遊技機の外部に外部出力信号を出力可能な外部端子部を備え、
    前記遊技制御部は、
    電源投入時に前記操作手段が前記初期位置にある場合には、前記外部端子部に前記特定の制御信号として前記外部出力信号を出力しない一方、電源投入時に前記設定操作手段が前記操作位置にある場合には、前記外部端子部に前記外部出力信号を出力可能であることを特徴とする遊技機。
  5. 請求項1又は請求項2に記載の遊技機において、
    前記遊技制御部は、
    電源投入時に前記操作手段が前記初期位置にある場合には、前記特定の制御信号として当該遊技制御部の内部が正常であることを示す試験信号を当該遊技機の外部に出力しない一方、電源投入時に前記操作手段が前記操作位置にある場合には、前記試験信号を当該遊技機の外部に出力可能であることを特徴とする遊技機。
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