1.遊技機の構造
本発明の実施形態であるパチンコ遊技機PY1について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明においてパチンコ遊技機PY1の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機PY1の各部の前方向をパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機PY1の各部の後方向をパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から離れる方向として説明する。
図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2を備えている。遊技機枠2は、図2に示すように、パチンコ遊技機PY1の外郭を構成するものであり、外枠22と内枠21と前扉23(前枠)とを備えている。外枠22は、パチンコ遊技機PY1の外郭部を形成する縦長方形状の枠体である。内枠21は、外枠22の内側に配置されていて、後述の遊技盤1を取付ける縦長方形状の枠体である。前扉23は、外枠22及び内枠21の前面側に配置されていて、遊技盤1を保護する縦長方形状のものである。前扉23は、遊技者に正対する部分であり、種々の飾り付けがなされている。
遊技機枠2は、左端側にヒンジ部24を備えて構成されている。このヒンジ部24により、前扉23は、外枠22及び内枠21に対してそれぞれ回動自在になっていて、内枠21は、外枠22及び前扉23に対してそれぞれ回動自在になっている。前扉23の中央には開口部23aが形成されていて、遊技者が後述の遊技領域6を視認できるように透明の透明板23tが開口部23aに取付けられている。透明板23tは、本形態ではガラス板であるが、透明な合成樹脂板であってもよい。すなわち、透明板23tは、前方から遊技領域6を視認可能なものであればよい。
図1〜図3に示すように、前扉23には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル72k(遊技球打込手段)、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)34、及び打球供給皿34に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)35が設けられている。また前扉23には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン(入力部)40k及びセレクトボタン42kが設けられている。演出ボタン40kは、内部に当該演出ボタン40kを水平方向に振動させるための演出ボタン振動モータ40mを備えていて、演出時や遊技者が演出ボタン40kを操作したときに、振動可能になっている。なおセレクトボタン(十字キー)42kは、上方向ボタンと下方向ボタンと左方向ボタンと右方向ボタンとによって構成されている。また前扉23には、装飾用の枠ランプ212及び音を出力するスピーカ(図1において不図示)が設けられている。
遊技機枠2には、図4に示す遊技盤1が取付けられている。図4に示すように、遊技盤1には、ハンドル72kの操作により発射された遊技球が流下する遊技領域6が、レール部材62で囲まれて形成されている。また遊技盤1には、装飾用の盤ランプ54が多数設けられている。また遊技領域6には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。なお遊技盤1は、前側に配されている板状部材と、後側に配されている裏ユニット(後述する各種制御基板、画像表示装置50、ハーネス等を取付けるユニット)とが一体化されたものである。
また遊技領域6の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置50(演出表示手段,画像表示手段)が設けられている。なお画像表示装置は、有機EL表示装置などの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置50の表示画面50a(表示部)には、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄EZ(装飾図柄)の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。演出図柄EZを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの演出図柄表示領域からなる。左演出図柄表示領域には左演出図柄EZ1が表示され、中演出図柄表示領域には中演出図柄EZ2が表示され、右演出図柄表示領域には右演出図柄EZ3が表示される。
演出図柄EZはそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置50は、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3の組み合わせによって、後述の第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bにて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄EZを停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄EZを停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特図表示器81aや第2特図表示器81bにより把握するのではなく、画像表示装置50にて把握する。なお、演出図柄表示領域の位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄EZの変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置50は、上記のような演出図柄EZを用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面50aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄EZのほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄EZ以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置50の表示画面50aには、後述の第1特図保留や第2特図保留の記憶数に応じて保留アイコンHA(演出保留画像)を表示する保留アイコン表示領域がある。保留アイコンHAの表示により、後述の第1特図保留表示器83aにて表示される第1特図保留の記憶数や、後述の第2特図保留表示器83bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域6の中央付近であって画像表示装置50の前方には、センター枠61(内側壁部)が配されている。センター枠61の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口11へと誘導可能なステージ61sが形成されている。またセンター枠61の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ61sへ遊技球を流出させるワープ61wが設けられている。またセンター枠61の上部には、上下動可能な盤可動体55k(図4では図示省略)が設けられている。盤可動体55kは、表示画面50aの上方の初期位置から表示画面50aの中央と前後方向に重なる演出位置に移動可能なものである。
遊技領域6における画像表示装置50の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口11(入球口)を備える第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動口11を、第1入球口や、固定入球口、第1始動入賞口、第1始動領域ともいう。また第1始動入賞装置11Dを、第1入球手段や、固定入球手段、第1始動入賞装置ともいう。第1始動口11への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また遊技領域6における第1始動口11の下方には、第2始動口12(入球口)を備える普通可変入賞装置(普通電動役物いわゆる電チュー)12Dが設けられている。第2始動口12を、第2入球口や、可変入球口、第2始動入賞口、第2始動領域ともいう。電チュー12Dを、第2入球手段や、可変入球手段、第2始動入賞装置ともいう。第2始動口12への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。
電チュー12Dは、開状態と閉状態とをとる電チュー開閉部材12k(可動部材)を備え、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12を開閉するものである。電チュー開閉部材12kは、後述の電チューソレノイド12sにより駆動される。電チュー開閉部材12kが開状態にあるときには、第2始動口12への遊技球の入球が可能となり、閉状態にあるときには、第2始動口12への遊技球の入球が不可能となる。つまり、第2始動口12は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チューは、電チュー開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口への入球を不可能とするものでなくてもよい。
また、遊技領域6における第1始動口11の右方には、大入賞口14を備えた大入賞装置(特別電動役物)14Dが設けられている。大入賞口14を、特別入賞口(特別入賞部)ともいう。また大入賞装置14Dを、アタッカー(AT)や、特別入賞手段、特別可変入賞装置ともいう。大入賞装置14Dは、開状態(第1状態)と閉状態(第2状態)とをとるAT開閉部材14k(特別入賞口開閉部材)を備え、AT開閉部材14kの作動により大入賞口14を開閉するものである。AT開閉部材14k(可動部材)は、後述のATソレノイド14sにより駆動される。大入賞口14は、AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
また、センター枠61の右方には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。ゲート13を、通過口や通過領域ともいう。ゲート13への遊技球の通過は、電チュー12Dを開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域6の下部には、複数の一般入賞口10が設けられている。また遊技領域6の最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6外へ排出するアウト口19が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域6には、左右方向の中央より左側の左遊技領域6L(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域6R(第2遊技領域)とがある。左遊技領域6Lを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域6Rを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機PY1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口11と、一般入賞口10、電チュー12Dと、アウト口19とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口11や一般入賞口10への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲートは配されていないため、左打ちをしている場合に電チュー12Dが開放されることはない。
一方、第2流路R2上には、ゲート13と、一般入賞口10と、大入賞装置14Dと、電チュー12Dと、アウト口19とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート13への通過や、一般入賞口10、第2始動口12、及び大入賞口14への入賞を狙うことができる。
また図4に示すように、遊技盤1の右下部には表示器類8が配置されている。表示器類8には、図5に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特図表示器81a、第2特別図柄を可変表示する第2特図表示器81b、及び、普通図柄(普図)を可変表示する普図表示器82が含まれている。第1特別図柄を、第1特図又は特図1ともいい、第2特別図柄を第2特図又は特図2ともいう。また、普通図柄を普図ともいう。
また表示器類8には、第1特図表示器81aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器83a、第2特図表示器81bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器83b、および普図表示器82の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器84が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(特図)ということがある。また、第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bを総称して特図表示器81ということがある。また、第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83bを総称して特図保留表示器83ということがある。また第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。
特図表示器81では、特別図柄(識別図柄)を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口14を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口の開放パターンについては後述する。
具体的には特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報、判定用情報)は、後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。詳細には、第1始動口11への入賞であれば第1特図保留として、後述の第1特図保留記憶部105aに記憶され、第2始動口12への入賞であれば第2特図保留として、後述の第2特図保留記憶部105bに記憶される。各々の特図保留記憶部105に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ「4」となっている。
特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器83に表示される。具体的には特図保留表示器83はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート13への遊技球の通過を契機として行われる。普図表示器82では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口12を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口12の開放パターンについては後述する。
具体的には普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており(図5参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、後述の普図保留記憶部106に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は「4」となっている。
普図保留記憶部106に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器84に表示される。具体的には普図保留表示器84は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。
2.遊技機の電気的構成
次に図6及び図7に基づいて、本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図6及び図7に示すように、パチンコ遊技機PY1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う遊技制御基板100(遊技制御部、主制御基板)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う演出制御基板120(演出制御部、サブ制御基板)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板170等を備えている。なお、遊技制御基板100は、払出制御基板170とともにメイン制御部を構成し、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140及びサブドライブ基板162とともにサブ制御部を構成する。
なお、サブ制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50やスピーカ620、盤ランプ54、盤可動体55k、枠ランプ212等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機PY1は、電源ユニット190を備えている。電源ユニット190(電力供給部)は、パチンコ遊技機PY1の外部からAC24Vの電源を入力して、AC24Vの電源に基づいてパチンコ遊技機PY1の動作に必要な各種電圧(DC5V,DC12V,DC18V,DC24V,DC37V)の電力(電源)を生成するものである。なおDC5Vの電力は主に、各種の集積回路(IC)の電源として用いられる。またDC12Vの電力は主に、各種のセンサやソレノイドの電源として用いられる。またDC18Vの電力は主に、各種のLEDの電源として用いられる。またDC24Vの電力とDC37Vの電力は主に、演出用のモータ(駆動手段)の電源として用いられる。
電源ユニット190(電源投入手段、メイン電力部)は、生成した電力を、先ず払出制御基板170に供給する。そして生成した電力を、払出制御基板170を介して遊技制御基板100と演出制御基板120に供給する。更に生成した電力を、払出制御基板170と遊技制御基板100と演出制御基板120を介してその他の機器に対して供給するようになっている。なお本形態では、電源ユニット190に、バックアップ電源回路が設けられていない。この点については後に詳述する。
また電源ユニット190には、電源スイッチ195(電力切替部)が接続されている。電源スイッチ195は、外部から供給されるAC24Vの電源に基づいて電力を供給可能な投入状態(ON状態)、又は電力を供給不能な遮断状態(OFF状態)に切替可能なものである。つまり、電源スイッチ195は、ON操作又はOFF操作により、電源の投入又は電源の遮断を切替えるものであり、電源スイッチ195がON操作されると投入状態になり、電源スイッチ195がOFF操作されると遮断状態になる。なお、電源スイッチ195がON状態である場合、パチンコ遊技機PY1は電源投入状態であり、電源スイッチ195がOFF状態である場合、パチンコ遊技機PY1は電源遮断状態である。
また電源ユニット190には、押下操作可能なRAMクリアスイッチ191(RAMクリア操作手段)が設けられている。RAMクリアスイッチ191は、後述する遊技制御用マイコン101の遊技用RAM(Random Access Memory)104に記憶されている遊技に係る情報(例えば高確率状態などの遊技状態の情報、特図保留や大当たりの当否判定の結果などの情報、後述する遊技用CPU102の処理情報)を消去するためのものである。図8に示すように、RAMクリアスイッチ191は、本パチンコ遊技機PY1の裏側に配置された電源ユニット190上(詳しくは、パチンコ遊技機PY1を裏側から見た場合に電源ユニット190における電源スイッチ195の右方)に設けられている。そのため、遊技機枠2を開放可能な遊技場の従業員等でなければ、RAMクリアスイッチ191を操作することはできない。即ち、RAMクリアスイッチ191は、実質的に遊技者による操作が不可能な操作手段といえる。なお、RAMクリアスイッチ191は、タクトスイッチであり、RAMクリアスイッチ191が押下操作されると、RAMクリアスイッチ191がONであることを示す検出信号が遊技制御用マイコン101に入力される。RAMクリアスイッチ191が押されている状態をRAMクリアスイッチ191のON状態といい、RAMクリアスイッチ191が押されていない状態をRAMクリアスイッチ191のOFF状態という。本形態では、RAMクリアスイッチ191が電源ユニット190上に設けられているが、RAMクリアスイッチ191の配置箇所は適宜変更可能であり、例えば遊技制御基板100上や専用の基板上に設けられていても良い。
図6に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン101(主制御手段、遊技制御手段)には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM104(記憶手段)、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート部118が含まれている。遊技用RAM104(記憶手段)には、上述した特図保留記憶部105(第1特図保留記憶部105aおよび第2特図保留記憶部105b)と普図保留記憶部106の他、設定値の情報を記憶するための設定値情報記憶部107、及びベースの値を記憶するためのベース情報記憶部108が設けられている。また遊技制御基板100には、図8に示すように、7セグ表示器300と設定キーシリンダ180とが設けられている。7セグ表示器300と設定キーシリンダ180については後に説明する。
遊技制御基板100には、図6に示すように、中継基板110を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、遊技制御基板100には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには遊技制御基板100から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、大入賞口センサ14a、一般入賞口センサ10a、および排出口センサ18aが接続されている。
第1始動口センサ11aは、第1始動口11内に設けられて第1始動口11に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ12aは、第2始動口12内に設けられて第2始動口12に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ13aは、ゲート13内に設けられてゲート13を通過した遊技球を検出するものである。大入賞口センサ14aは、大入賞口14内に設けられて大入賞口14に入賞した遊技球を検出するものである。一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10内に設けられて一般入賞口10に入賞した遊技球を検出するものである。
排出口センサ18aは、パチンコ遊技機PY1外へ遊技球を排出する排出口(図示省略)内に設けられて、排出口を通過した遊技球を検出するものである。排出口は、内枠21の下端部に設けられていて、遊技領域6に打ち込まれた遊技球は、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、一般入賞口10、アウト口19の何れかに入球した後、最終的に排出口を通過するようになっている。従って、排出口を通過した遊技球を排出口センサ18aで検出することにより、遊技領域6に打ち込まれた全ての遊技球を検出することが可能である。なお、遊技領域6に打ち込まれた全ての遊技球の数を、総発射球数と呼ぶことができる。また総発射球数は、パチンコ遊技機PY1外に排出される全ての遊技球の数と同じであるため、排出球数、総排出球数、アウト球数と呼ぶこともできる。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド12s、およびATソレノイド14sが接続されている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動するものである。ATソレノイド14sは、大入賞装置14DのAT開閉部材14kを駆動するものである。
さらに遊技制御基板100には、特図表示器81(第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81b)、普図表示器82、特図保留表示器83(第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83b)、および普図保留表示器84が接続されている。すなわち、これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドや信号を送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。発射装置72には、ハンドル72k(図1参照)が含まれる。
払出制御基板170(第1制御基板)は、プログラムに従って遊技球の払い出しに係る制御処理を実行可能な払出制御用ワンチップマイコン(以下「払出制御用マイコン」)171を実装している。払出制御用マイコン171(払出制御手段)には、払い出しを制御するためのプログラムを記憶した払出用ROM173、ワークメモリとして使用される払出用RAM174、払出用ROM173に記憶されたプログラムを実行する払出用CPU172、データや信号の入出力を行うための払出用I/Oポート部(入出力回路)178が含まれている。なお、払出用ROM173は外付けであっても良い。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、パチンコ遊技機PY1に接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モータ73mを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。例えば、遊技球が第1始動口11に入球(入賞)すると、第1始動口センサ11aによる検出信号が遊技制御用マイコン101に入力される。これにより、遊技制御用マイコン101は、遊技球が第1始動口11に入球したことを示す賞球信号を払出制御基板170に出力する。この場合、賞球信号を受信した払出制御用マイコン171は、払出用ROM173に記憶されている賞球数情報に基づいて、発射制御回路175を介して発射ソレノイド72sを駆動して、第1始動口11への入球に基づく賞球(例えば3個)の払い出しを行う。このとき、払い出される遊技球は、その計数のため賞球センサ73aにより検知されて、賞球センサ73aによる検知信号が払出制御基板170に出力される。ここで本形態では、払出制御基板170にバックアップ電源回路179が設けられている。
なお遊技者による発射装置72のハンドル72k(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ72aがハンドル72kへの接触を検知し、発射ボリューム72bがハンドル72kの回転量を検知する。そして、発射ボリューム72bの検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sが駆動されることとなる。本パチンコ遊技機PY1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また遊技制御基板100は、演出制御基板120に対し各種コマンドを送信する。遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図7に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート部138が含まれている。演出用RAM124には、設定値の情報を記憶するための設定値フラグ125が設けられている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。上述したように、演出制御基板120は、払出制御基板170を介して電源ユニット190から電力(例えばDC5Vの電力)が供給されるようになっている。
また図7に示すように、演出制御基板120には、画像制御基板140が接続されていると共に、サブドライブ基板162(サブドライブ回路)が接続されている。演出制御基板120の演出制御用マイコン121(演出制御手段)は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお演出制御用マイコン121は、画像制御基板140の画像用入力回路147を介して制御信号を送信する。そして画像用CPU141は、画像制御基板140の画像用出力回路148を介して画像表示装置50に制御信号を送信する。
画像制御基板140の画像用RAM143は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板140の画像用ROM142には、画像表示装置50に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(装飾図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板140の画像用CPU141は、演出制御用マイコン121からの指令に基づいて画像用ROM142から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
画像制御基板140には、スピーカ620(音出力手段)が接続されている。演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板140の音声用CPU149を介してスピーカ620から音声、楽曲、効果音等を出力する。なお音声用CPU149は、画像用CPU141からの指令に基づいて、音声制御回路150を介してスピーカ620の音声制御を行う。スピーカ620から出力する音声等の音響データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。但し、音響データを画像制御基板140の画像用ROM142に格納しても良い。
なお画像制御基板140にスピーカ620の音声制御を行わせたが、画像制御基板140とは別に音声制御基板を設けて、この音声制御基板にスピーカ620の音声制御を行わせても良い。この場合、音声制御基板は演出制御基板120に接続されていても良いし、画像制御基板140を介して演出制御基板120に接続されていても良い。また音声制御基板にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。
また図7に示すように、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して、枠ランプ212や盤ランプ54等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して、盤可動体55kや演出ボタン40kの駆動制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、盤可動体55kや演出ボタン40kの動作態様(振動態様)を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って、盤可動体55kを駆動させる盤可動体駆動モータ55mのモータ制御、演出ボタン40kを振動させる演出ボタン振動モータ40mのモータ制御を行う。動作パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
なお、サブドライブ基板162にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や、盤可動体55kや演出ボタン40kの駆動制御を行わせてもよい。さらにこの場合、サブドライブ基板162にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
また演出制御基板120には、演出ボタン検知センサ(入力部検知センサ)40aおよびセレクトボタン検知センサ42aが接続されている。入力部検知センサ40aは、演出ボタン40k(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン40kが押下操作されると演出ボタン検知センサ40aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。セレクトボタン検知センサ42aは、セレクトボタン42k(図1参照)が押下操作されたことを検知するものである。セレクトボタン42kが押下操作されるとセレクトボタン検知センサ42aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。
また演出制御基板120には、遊技制御基板100と異なり、バックアップ電源回路126が組み込まれている。バックアップ電源回路126は、図示しないコンデンサを備えていて、演出制御用マイコン121は、通常電源が供給されない電断時に、バックアップ電源回路126(コンデンサ)からDC5Vの電力(バックアップ電源)が供給されることで、作動できるようになっている。
なお図6及び図7は、あくまで本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図6及び図7に示す基板だけが設けられているわけではない。遊技制御基板100を除いて、図6及び図7に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図6及び図7に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特図表示器81に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特図表示器81に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口14を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技を特別遊技ともいう。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別は図9に示す通りである。図9に示すように、本形態では大きく分けて2つの種別がある。確変大当たりと通常大当たりである。確変大当たりは、大当たり遊技後の遊技状態を後述する高確率状態に制御する大当たりである。通常大当たりは、大当たり遊技後の遊技状態を後述する通常確率状態(低確率状態)に制御する大当たりである。
より具体的には、特図1の抽選(第1特別図柄の抽選)にて当選可能な確変大当たり及び通常大当たりは、1Rから8Rまでは大入賞口14を1R当たり最大29.5秒(所定期間)にわたって開放し、9Rから16Rまでは大入賞口14を1R当たり最大0.1秒(所定期間)にわたって開放する大当たりである。つまり、これらの大当たりの総ラウンド数は16Rであるものの、実質的なラウンド数は8Rである。実質的なラウンド数とは、1ラウンド当たりの入賞上限個数(本形態では8個)まで遊技球が入賞可能なラウンド数のことである。これらの大当たりでは9Rから16Rまでは、大入賞口14の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。なお、特図1の抽選によって「確変大当たり」に当選した場合には、第1特図表示器81aに「特図1_確変図柄」が停止表示され、「通常大当たり」に当選した場合には、第1特図表示器81aに「特図1_通常図柄」が停止表示される。
また、特図2の抽選(第2特別図柄の抽選)にて当選可能な確変大当たり及び通常大当たりは、1Rから16Rまで大入賞口14を1R当たり最大29.5秒(所定期間)にわたって開放する大当たりである。つまり、これらの大当たりは実質的なラウンド数も16Rである。特図2の抽選によって「確変大当たり」に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特図2_確変図柄」が停止表示され、「通常大当たり」に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特図2_通常図柄」が停止表示される。
いずれの大当たりに当選した場合であっても、大当たり遊技後には後述する電サポ制御状態(高ベース状態)に制御される。電サポ制御状態は、高確率状態に伴って制御される場合には次回の大当たり当選まで継続する。一方、通常確率状態(低確率状態)に伴って制御される場合には、電サポ回数(時短回数)が100回に設定される。電サポ回数とは、電サポ制御状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数のことである。
なお図9に示すように、特図1の抽選および特図2の抽選における大当たりの振分率は、共に確変大当たりが65%、通常大当たりが35%となっている。但し、特図1の抽選に基づいて大当たりに当選した場合には実質的なラウンド数が8ラウンドの大当たり遊技が実行される一方、特図2の抽選に基づいて大当たりに当選した場合には実質的なラウンド数が16ラウンドの大当たり遊技が実行される点で、特図1の抽選よりも特図2の抽選の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
ここで本パチンコ遊技機PY1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図10(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄EZのうち変動表示されている演出図柄EZが残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄EZがどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄EZの組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄EZは、表示画面50a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。また、ゲート13への通過に基づいて取得される乱数には、図10(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー12Dを開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。
ここで本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり判定テーブルを用いて、大当たりである否か(大当たり遊技を実行するか否か)を決定し得る。大当たり判定テーブルは、図11(A)から図11(F)に示すように、設定値の各々に対応して設けられている。本形態では、設定値として「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、又は「6」の6種類が設けられている。
設定値は、大当たり判定処理で大当たりと判定される確率(「大当たり判定確率」や「大当たり当選確率」と適宜呼ぶ)を定めるパラメータである。設定値は、後述するように、遊技場の従業員等によって設定される。図11(A)〜図11(F)に示すように、各々の設定値に対応する大当たり判定テーブルのそれぞれには、通常確率状態で用いられる大当たり判定テーブルと、高確率状態で用いられる大当たり判定テーブルとがある。なお設定値の種類、及び大当たり判定テーブルの種類は、6種類に限られるものではなく、適宜変更可能である。
図11(A)〜図11(F)に示すように、各々の設定値に対応する大当たり判定テーブルのそれぞれには、大当たり又はハズレと判定される大当たり乱数値が振り分けられている。本パチンコ遊技機PY1は、設定値に対応した大当たり判定テーブルを用いて、大当たり又はハズレの何れかであるかを判定する。なお本形態では、小当たりに当選することがないように設定されているが、小当たりに当選することがあるように設定しても良い。また大当たりと判定される確率や、大当たりと判定される大当たり乱数値の振り分け方は、図11(A)〜図11(F)に限られるものではなく、適宜変更可能である。
なお、設定値が「1」である設定を「設定1」と言い、設定値が「2」である設定を「設定2」と言い、設定値が「3」である設定を「設定3」と言い、設定値が「4」である設定を「設定4」と言い、設定値が「5」である設定を「設定5」と言い、設定値が「6」である設定を「設定6」とも言う。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機PY1の特図表示器81および普図表示器82には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特図表示器81の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。
本形態では図11(A)〜図11(F)に示すように、各々の設定値において、高確率状態で用いられる大当たり判定テーブルの方が、通常確率状態で用いられる大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定され易いように設定されている。更に、通常確率状態又は高確率状態の遊技状態において、同一の遊技状態であれば、設定値が高く設定されるほど、大当たりと判定され易いように設定されている。
また、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図13参照)。つまり、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特図表示器81の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特図表示器81の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図12(B)参照)。つまり、普図表示器82の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普図表示器82による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では7秒であるが、時短状態では1秒である(図12(C)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図14参照)。すなわち、電チュー12Dの開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図14参照)。すなわち、電チュー12Dの開放回数増加機能が作動している。
普図表示器82の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー12Dの開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー12Dが頻繁に開放され、第2始動口12へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー12Dにより第2始動口12への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、高ベース状態を電サポ制御状態や入球容易状態ともいう。これに対して、低ベース状態を非電サポ制御状態や非入球容易状態ともいう。
高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普図表示器82の確率変動機能、普図表示器82の変動時間短縮機能、電チュー12Dの開放時間延長機能、および電チュー12Dの開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー12Dが開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機PY1では、確変大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では10000回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。つまり本形態では、高確高ベース状態は実質的に次回の大当たり当選まで継続する。なお、高確高ベース状態の終了条件を、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることだけとしてもよい。
また、通常大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機PY1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することとする。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特典遊技状態」と称することとする。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域6R(図4参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー12Dが開放されやすくなっており、第1始動口11への入賞よりも第2始動口12への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート13へ遊技球を通過させつつ、第2始動口12へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域6L(図4参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー12Dが開放されにくくなっており、第2始動口12への入賞よりも第1始動口11への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口11へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
5.設定値の変更方法
続いて、設定の変更方法について、説明する。図8に示すように、遊技制御基板100上に、設定キーシリンダ180が設けられている。設定キーシリンダ180(移行操作手段)は、専用の設定キーを用いてON状態とOFF状態とを切り替えることが可能なスイッチ部品である。設定キーシリンダ180に設定キーを挿入し、設定キーをOFF位置(待機位置や初期位置とも言う)から、ON位置(回転位置や移動位置とも言う)に回転させることにより、設定キーシリンダ180内のスイッチング回路(後述する設定キーシリンダスイッチ180a)のON/OFFを切り替えることができる。なお、設定キーシリンダスイッチ180aがOFFである状態を設定キーシリンダ180のOFF状態といい、設定キーシリンダスイッチ180aがONである状態を設定キーシリンダ180のON状態という。また、設定キーのON位置は、OFF位置から90度回転させた位置である。
ここで、7セグ表示器300(表示手段)について説明する。7セグ表示器300の表示制御は、遊技制御用マイコン101によって実行される。図8に示すように、7セグ表示器300は、所謂4連7セグ(7セグメント表示器)であり、合計で32個の点灯(発光)する部分(セグメント)を備えている。本形態では、「1」〜「6」までの何れかの設定値は、7セグ表示器300で表示される。
次に、設定値の変更方法について説明する。設定値を変更するためには、設定変更モード(設定モード)に移行させる必要がある。設定変更モードへの移行は、電源投入時のみ行うことが可能である。ここでは、設定変更モードに移行させるための操作だけでなく、パチンコ遊技機PY1の電源投入時に行うことが可能な種々の操作についてまとめて説明する。図15に示すように、パチンコ遊技機PY1の電源投入時に行うことが可能な操作には、設定変更モード移行操作、設定確認操作、RAMクリア操作、通常の電源投入操作の4つの種類がある。
設定変更モード移行操作は、設定値の変更が可能な設定変更モードに移行させるための操作である。具体的には、設定キーシリンダ180(設定キースイッチ)及びRAMクリアスイッチ191を共にON状態にしつつ、電源スイッチ195をON状態にする(電源スイッチ195をON操作する)という操作である。この操作により、パチンコ遊技機PY1に電力が供給される(パチンコ遊技機PY1が電源投入状態になる)とともに、電源投入後のモードが設定変更モードになる。設定変更モードにおいては、RAMクリアスイッチを押下操作する度に、設定値が1つずつ増加するように切替わる。なお設定値が「6」であるときに、RAMクリアスイッチ191を押下操作すると、設定値が「1」に切替わる。設定変更モードであるときに、設定キーシリンダ180をON状態からOFF状態に切替える確定操作を行うと(設定キーがOFF位置に回転操作されると)、設定値が確定すると共に、設定変更モードは終了する。これにより、遊技可能な遊技モード(遊技制御状態)となる。
設定確認操作は、設定確認モード(非設定変更モードの1つ)に移行させるための操作である。設定確認モードとは、設定値の変更はできないが、設定値が7セグ表示器300に表示されることで設定値を確認することができるモードである。設定確認操作は、具体的には、設定キーシリンダ180をON状態にしつつ、電源スイッチ195をON状態にする(電源スイッチ195をON操作する)という操作である。設定確認操作では、RAMクリアスイッチ191はOFF状態のままにする。このような設定確認操作により、パチンコ遊技機PY1に電力が供給されるとともに、電源投入後のモードが設定確認モードになる。設定確認モードは、設定キーシリンダ180がOFF状態になる(設定キーがOFF位置に回転操作される)ことにより終了する。これにより、遊技可能な遊技モード(遊技制御状態)となる。
RAMクリア操作は、RAMクリアモード(非設定変更モードの1つ)に移行させるための操作である。RAMクリアモードとは、遊技制御用マイコン101に設けられた遊技用RAM104の所定の記憶領域等を初期化する「RAMクリア」がなされるモードである。RAMクリアがなされると、これまでの遊技内容(遊技用CPU102の処理情報)がクリアされる。なお、RAMクリアがされても、遊技用RAM104に記憶されている設定値の情報は、消去されず保持される。また、RAMクリアモードに移行しても、設定値の変更は可能とはならず、7セグ表示器300に設定値が表示されることもない。RAMクリア操作は、具体的には、RAMクリアスイッチ191をON状態にしつつ、電源スイッチ195をON状態にする(電源スイッチ195をON操作する)という操作である。RAMクリア操作では、設定キーシリンダ180はOFF状態のままにする。このようなRAMクリア操作により、パチンコ遊技機PY1に電力が供給されるとともに、RAMクリアがなされる。なお、RAMクリアモードは、RAMクリアに関する所定の処理が実行されることにより自動的に終了する。RAMクリアモードが終了すると、遊技可能な遊技モード(遊技制御状態)となる。なお本形態では、設定変更モードを終了させた場合にもRAMクリアがなされる。しかしながら、このように設定の変更を伴わずにRAMクリアだけを行わせる操作を設けておくことで、設定変更の作業量よりも少ない作業量でRAMクリアだけを行わせることが可能となっている。
通常の電源投入操作は、設定変更モードへの移行、設定確認モードへの移行、及び、RAMクリアを伴わずに、パチンコ遊技機PY1に電源を投入するための操作である。通常の電源投入操作は、具体的には、設定キーシリンダ180及びRAMクリアスイッチ191を共にOFF状態のままとし、電源スイッチ195をON状態にする(電源スイッチ195をON操作する)という操作である。この操作により、パチンコ遊技機PY1に電力が供給され、遊技可能な遊技モードとなる。
なお、上述した4つの操作(設定変更モード移行操作、設定確認操作、RAMクリア操作、通常の電源投入操作)は、一般的に遊技場の従業員が行うものであって、パチンコ遊技機PY1の裏側(図8参照)を視認できない遊技者には行うことが不可能なものである。
次に、パチンコ遊技機PY1に、設定値を示す情報(設定値情報)が記憶されていない場合について説明する。設定値情報は、設定変更モードで設定値が選択(変更)される度に、遊技用RAM104の設定値情報記憶部107に記憶される。但し、パチンコ遊技機PY1が生産工場から出荷(工場出荷)される際には、設定値情報記憶部107には、設定値情報が記憶されていない。つまり設定値が何も設定されていない状態になっている。
本パチンコ遊技機PY1では、設定値が何も設定されていない状態で電源投入を行った場合に、エラーモードに移行し得るようにしている。なお設定値が何も設定されていない状態でも、設定変更モード移行操作を行えば、エラーモードではなく、設定変更モードに移行する。エラーモードは、パチンコ遊技機PY1にて遊技に係る制御が実行不可能なモードであり、電源スイッチ195をOFF操作して電源を遮断しない限り、解除されることはない。
本形態では、遊技用RAM104の設定値情報記憶部107に記憶されている設定値情報は、電源投入時にRAMクリアスイッチ191が押下操作されても、消去されない。従って、工場出荷後に設定変更モード移行操作を行って、設定値情報記憶部107に設定値情報を一旦記憶させれば、その後に設定値情報記憶部107に設定値情報が記憶されていないという事態は生じない。よってこの場合には、次回以降の電源投入時でエラーモードに移行することはない。要するに、エラーモードに移行するのは、一度も設定値が設定されていない状態で、電源投入時に設定変更モード移行操作を行わなかった場合である。このようにして、単にRAMクリアスイッチ191が押下操作された場合や、電源が投入されていない場合(遮断状態)でも、設定値情報を消去しないことで、不必要にエラーモードに移行するのを防ぐことが可能である。なお設定値情報記憶部107は、比較的多くの(頻繁な)アクセスにも対応できるように揮発性の記憶手段(DRAM)で構成されているが、例えば不揮発性の記憶手段(EEPROM等)で構成されていても良い。
なお本形態では、7セグ表示器300(図8参照)にてベースを表示可能である。ベースは、遊技者が発射した遊技球の数である発射球数(総発射球数)に対して遊技者が獲得した賞球数(総賞球数)の割合のことである。7セグ表示器300にて、ベースを確認することで、本パチンコ遊技機PY1に不正な改造が施されていたり、故障や不具合が生じていることを把握することが可能である。
6.メイン可動部材の初期動作
次に、メイン可動部材の初期動作について説明する。メイン可動部材とは、遊技制御用マイコン101(制御手段)によって動作が制御される可動部材のことである。本パチンコ遊技機PY1では、大入賞装置14DのAT開閉部材14kと、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kとが、メイン可動部材である。また初期動作とは、遊技とは関係なく、可動部材が正常に動作することを確認するために、可動部材を動作させることを意味する。
ところで、従来のパチンコ遊技機においては、メイン可動部材の初期動作が行われていなかった。つまり、電源が投入されてから遊技が開始されるまでの間に、メイン可動部材が正常に動作することを確認するために、遊技制御用マイコン101がメイン可動部材を動作させることはなかった。そのため従来において、遊技場の従業員等は、実際に遊技を行って、特別図柄の抽選で大当たりに当選することで、大入賞装置14DのAT開閉部材14kや、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを開閉動作させている。これにより、メイン可動部材が正常に動作することを確認していた。
しかしながら、上述したように、遊技中に大当たりに当選することで、メイン可動部材の動作確認を行う方法は、非常に手間がかかる方法であった。即ち、遊技場の従業員が、自力で大当たりに当選する必要があるため、電源が投入されてからメイン可動部材の動作確認ができるまでに時間が非常にかかる。特に、大量のパチンコ遊技機に対して、メイン可動部材の動作確認を行う場合には、遊技場の従業員の作業負担が極めて大きくなる。よって、パチンコ遊技機に電源が投入されてから、できるだけ早く且つ簡易に、メイン可動部材の動作確認ができることが好ましい。
そこで本パチンコ遊技機PY1では、上記した実情に鑑みて、電源が投入されてからRAMクリアが実行されるまでの間に、遊技制御用マイコン101が、メイン可動部材の初期動作(AT開閉部材14kの初期動作、電チュー開閉部材12kの初期動作)を実行できるようになっている。AT開閉部材14kの初期動作は、具体的に、AT開閉部材14kが開状態と閉状態とを所定回数(例えば3回)繰り返す動作のことである。また電チュー開閉部材12kの初期動作は、具体的に、電チュー開閉部材12kが開状態と閉状態とを所定回数(例えば3回)繰り返す動作のことである。
ここで本形態では、電源投入後のモードに応じて、メイン可動部材の初期動作の有無、メイン可動部材の初期動作の実行タイミングが異なっている。よって、図16に示すように、電源投入後のモードに分けて、メイン可動部材の初期動作について説明する。図16は、電源投入後のモードと遊技制御状態までの推移との関係を示す表である。なお遊技制御状態とは、遊技可能な遊技モードになっていることであり、特別図柄の変動表示及び演出図柄EZの変動表示が実行可能な状態であることを意味する。
先ず、電源投入後のモードとして、設定変更モードである場合について説明する。なお、設定変更モードは、図15に示すように、電源投入時に設定変更モード移行操作を行う場合に移行するモードである。図16に示すように、電源投入後に設定変更モードに移行すると、その設定変更モード中に、メイン可動部材の初期動作(AT開閉部材14kの初期動作、電チュー開閉部材12kの初期動作)が実行される。その後、設定キーシリンダ180をOFFにすると、設定変更モードが終了する。次に、RAMクリアが実行される。続いて、RAMクリアが終了すると、遊技制御状態に移行して、遊技が実行可能になる。
以上のように本形態では、電源が投入されてから設定変更モードに移行した場合、その設定変更モードにおいて、メイン可動部材の初期動作が実行される。従って、遊技場の従業員は、従来のように実際に遊技を行って、特別図柄の抽選で大当たりに当選した後、メイン可動部材が正常に動作することを確認する必要がない。また、RAMクリアが実行される前に、メイン可動部材の初期動作が実行されるため、電源が投入されてからすぐに、メイン可動部材の動作確認を行うことができる。従って、大量のパチンコ遊技機に対して、メイン可動部材の動作確認を行う場合であっても、遊技場の従業員は、できるだけ早く且つ簡易に、メイン可動部材の動作確認を行うことが可能である。
次に、電源投入後のモードとして、設定確認モードである場合について説明する。なお、設定確認モードは、図15に示すように、電源投入時に設定確認操作を行う場合に移行するモードである。図16に示すように、電源投入後に設定確認モードに移行すると、その設定確認モード中に、メイン可動部材の初期動作(AT開閉部材14kの初期動作、電チュー開閉部材12kの初期動作)が実行される。その後、設定キーシリンダ180をOFFにすると、設定確認モードが終了する。そして、設定確認モードが終了すると、RAMクリアが実行されることなく、遊技制御状態に移行して、遊技が実行可能になる。
こうして本形態では、電源が投入されてから設定確認モードに移行した場合、その設定確認モードにおいて、メイン可動部材の初期動作が実行される。従って、この場合でも、設定変更モードに移行した場合と同様、電源が投入されてからすぐに、メイン可動部材の動作確認を行うことができる。
ここで、設定確認モード及び設定変更モードは、遊技制御状態に移行する前の設定値に関するモードであり、遊技が実行不能な遊技停止状態になっている。従って、この遊技停止状態で、メイン可動部材の初期動作(AT開閉部材14kの初期動作、電チュー開閉部材12kの初期動作)が実行されても、AT開閉部材14kや電チュー開閉部材12kが誤作動しているという誤解を与えることはない。言い換えると、仮に遊技制御状態で、メイン可動部材の初期動作を実行すると、AT開閉部材14kや電チュー開閉部材12kが誤作動しているという誤解を与えるおそれがあり、本形態ではそのような誤解を防ぐことが可能である。
ところで、設定変更モードや設定確認モードでメイン可動部材の初期動作が開始された場合、設定変更モードや設定確認モードが終了するときに、メイン可動部材の初期動作が終了していない場合があり得る。この場合、遊技制御用マイコン101は、設定変更モードや設定確認モードが終了するときに、メイン可動部材の初期動作が終了していないと判断すると、メイン可動部材(AT開閉部材14k、電チュー開閉部材12k)を原点位置(閉状態)に復帰させて、メイン可動部材の初期動作を強制的に終了するようになっている。これにより、遊技制御状態であるときに、AT開閉部材14kや電チュー開閉部材12kが原点位置にいない(閉状態になっていない)という事態を防ぐことが可能である。
続いて、電源投入後のモードとして、RAMクリアモードである場合について説明する。なお、RAMクリアモードは、図15に示すように、電源投入時にRAMクリア操作を行う場合に移行するモードである。図16に示すように、電源投入後にRAMクリアモードに移行すると、RAMクリアが実行される。続いて、RAMクリアが終了すると、遊技制御状態に移行して、遊技が実行可能になる。こうして、RAMクリアモードに移行する場合には、メイン可動部材の初期動作が実行されることはない。
最後に、電源投入後のモードとして、遊技モードである場合について説明する。なお、遊技モードは、図15に示すように、電源投入時に通常の電源投入操作を行う場合に移行するモードである。図16に示すように、電源投入後に遊技モードに移行すると、RAMクリアが実行されることなく、遊技制御状態に移行して、遊技が実行可能になる。こうして、遊技モードに移行する場合には、メイン可動部材の初期動作が実行されることはない。
こうして、電源投入後に、RAMクリアモード又は遊技モードに移行する場合には、設定変更モード又は設定確認モードに移行する場合と異なり、メイン可動部材の初期動作が実行されることはない。従って、例えば遊技中の停電による電断の後、電源を再投入する場合には、遊技モードに移行することになって、メイン可動部材の初期動作が実行されない。従って、遊技を途中で中断された遊技者に、メイン可動部材の初期動作(AT開閉部材14kや電チュー開閉部材12kの動作)を見せないようにすることが可能である。言い換えると、設定変更モードや設定確認モードという遊技者が確実に周囲にいない状況に限り、メイン可動部材の初期動作を実行することで、メイン可動部材が自動で動く初期動作を、遊技場の従業員や設計開発者という限られた者にだけ確認させることが可能である。
ここで、本形態におけるサブ可動部材の初期動作について説明する。サブ可動部材とは、演出制御用マイコン121(制御手段)によって動作が制御される可動部材のことである。本パチンコ遊技機PY1では、演出ボタン40kと、盤可動体55kとが、サブ可動部材である。演出ボタン40kの初期動作は、具体的に、演出ボタン40kが所定時間(例えば3秒)だけ振動する動作のことである。また盤可動体55kの初期動作は、具体的に、盤可動体55kが表示画面50aの上方の初期位置から表示画面50aの中央と前後方向に重なる演出位置に移動した後、演出位置から初期位置へ戻る動作のことである。
図16に示すように、サブ可動部材の初期動作は、遊技制御状態に移行したタイミングで開始されるようになっている。即ち、電源投入後のモードとして設定変更モードに移行した場合には、設定変更モードが終了して、RAMクリアが実行された後に、遊技制御状態に移行したタイミングで、サブ可動部材の初期動作が実行される。また、電源投入後のモードとして設定確認モードに移行した場合には、設定確認モードが終了した後に、遊技制御状態に移行したタイミングで、サブ可動部材の初期動作が実行される。また、電源投入後のモードとしてRAMクリアモードに移行した場合には、RAMクリアが実行された後に、遊技制御状態に移行したタイミングで、サブ可動部材の初期動作が実行される。また、電源投入後のモードとして遊技モードに移行した場合には、電源が投入された直後で、遊技制御状態に移行したタイミングで、サブ可動部材の初期動作が実行される。
こうして、サブ可動部材の初期動作は、RAMクリアが実行される場合において、メイン可動部材の初期動作と異なり、RAMクリアの後に開始される。そのため、メイン可動部材の初期動作と、サブ可動部材の初期動作とは、同じタイミングでは実行されることはない。これにより、遊技場の従業員には、メイン可動部材の動作確認とサブ可動部材の動作確認とを同時に行わせることがなく、確認動作が煩雑になるのを防ぐことが可能である。なお、サブ可動部材の初期動作は、遊技制御状態に移行したタイミングで実行されるため、遊技制御状態に移行した直後に仮に特別図柄の変動表示及び演出図柄EZの表示が開始されても、サブ可動部材の初期動作は継続して行われるようになっている。
次に、電源投入時に設定変更モード移行操作を行った場合の表示画面50aの表示態様の推移について、図27に基づいて説明する。電源投入時に設定変更モード移行操作を行った場合、設定変更モードに移行することになる。この場合、図27(A)に示すように、先ず、表示画面50aでは、「設定変更中」の文字を示す設定変更モード画像SHが表示される。設定変更モード画像SHは、設定変更モードに設定されていることを示唆するものである。また設定変更モードに設定されているときには、メイン可動部材の初期動作として、AT開閉部材14kが開状態と閉状態とを所定回数(例えば3回)繰り返すと共に、電チュー開閉部材12kが開状態と閉状態とを所定回数(例えば3回)繰り返す。またこのときには、表示画面50aでは、「初期動作中」の文字を示す初期動作示唆画像SDが表示される。初期動作示唆画像SDは、メイン可動部材の初期動作が実行されていることを示唆するものである。こうして、遊技場の従業員は、設定変更モードに設定されているときに、メイン可動部材の初期動作が実行されていることを容易に認識することが可能である。即ち、AT開閉部材14k及び電チュー開閉部材12kが自動で動いていても、誤作動でないことを確実に認識することが可能である。
その後、設定変更モードが終了すると、RAMクリアが実行される。このとき、表示画面50aには、図27(B)に示すように、「RAMクリア中」の文字を示すRAMクリア中画像RCが表示される。これにより、遊技場の従業員は、RAMクリアの実行中であって、未だ遊技が開始できる状況ではないことを認識することが可能である。
そして、RAMクリアが終了すると、遊技制御状態になる。このとき、表示画面50aでは、通常遊技状態であることを示唆する昼背景画像Haが表示されると共に、演出図柄EZが初期表示態様である「179」で停止表示した状態で表示される。なお、演出図柄EZの初期表示態様とは、電源投入後に演出図柄EZの初期出目として示される表示態様のことである。また、遊技制御状態に移行したタイミングから、サブ可動部材の初期動作として、演出ボタン40kが所定時間(例えば3秒)だけ振動すると共に、盤可動体55kが、初期位置から演出位置に移動した後、演出位置から初期位置へ戻ることになる。
なお、電源投入時に設定確認操作を行った場合で、設定確認モードになった場合には、図27(A)に示す設定変更モード画像SHに替えて、「設定確認中」の文字を示す設定確認モード画像が表示される。設定確認モード画像は、設定確認モードに設定されていることを示唆するものである。その後、設定確認モードが終了すると、表示画面50aでは、図27(B)に示すRAMクリア中画像RCが表示されることなく、図27(C)に示すように遊技制御状態であることが示される。また、遊技制御状態に移行したタイミングから、サブ可動部材の初期動作が実行される。
また、電源投入時にRAMクリア操作を行った場合で、RAMクリアモードになった場合には、表示画面50aでは先ず、図27(B)に示すRAMクリア中画像RCが表示される。そして、RAMクリアが終了すると、図27(C)に示すように遊技制御状態であることが示される。また、遊技制御状態に移行したタイミングから、サブ可動部材の初期動作が実行される。
また、電源投入時に通常の電源投入操作を行った場合で、遊技制御状態になった場合には、表示画面50aでは、図27(C)に示すように遊技制御状態であることが示される。また、遊技制御状態に移行したタイミングから、サブ可動部材の初期動作が実行される。
7.遊技制御用マイコンの動作
次に、図17〜図23に基づいて、遊技制御用マイコン101の動作について説明する。
[主制御メイン処理]遊技制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、電源投入時に、遊技用ROM103から図17に示す主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。なお、遊技制御用マイコン101の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。カウンタの初期値は「0」であり、フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」である
図17に示すように、主制御メイン処理では、まず後述する電源投入時処理(S001)を行う。電源投入時処理(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S003)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図10に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[電源投入時処理]図18に示すように、電源投入時処理(S001)では、遊技制御用マイコン101はまず、遊技用RAM104へのアクセスの許可設定を行う(S009)。これにより、遊技用RAM104に対する情報の書き込みや読み出しが可能になる。次に、演出制御基板120に対して、遊技用RAM104の設定値情報記憶部107に記憶されている設定値の情報(設定値情報)を通知するための設定値指定コマンドを送信する(S010)。これにより、電源投入時に演出制御基板120が設定値指定コマンドを受信することにより、演出制御用マイコン121は、前回の遊技で設定されていた設定値を把握することが可能である。但し、ステップS010の処理において、設定値情報記憶部107に設定値情報が未だ記憶されていなければ、遊技制御用マイコン101は設定値指定コマンドを送信しないことになる。
続いて、RAMクリアスイッチ191がON(ON状態)であり(押下操作されていて)、且つ設定キーシリンダスイッチ180aがON(ON状態)であるか否かを判定する(S011)。即ち、設定変更モード移行操作が実行されているか否かを判定する。設定変更モード移行操作が実行されていれば(S011でYES)、後述する設定変更モード処理(S012)を経て、ステップS013に進む。
一方、ステップS011で設定変更モード移行操作が実行されていないと判定すれば(S011でNO)、続いて、設定値情報記憶部107に設定値情報が記憶されているか否かを判定する(S016)。設定値情報が記憶されていなければ(S016でNO)、未だ一度も設定値が設定されていないことになり、後述するエラーモード処理(S021)に進む。これに対して、設定値情報が記憶されていれば(S016でYES)、次に、RAMクリアスイッチ191がONであるか否かを判定する(S017)。要するにステップS017の処理は、設定変更モードには移行しないものの、RAMクリアスイッチ191を押下操作した状況か否かを判定する処理である。RAMクリアスイッチ191がONであれば(S017でYES)、ステップS013に進む。
これに対して、RAMクリアスイッチ191がONでなければ(S017でNO)、続いて、設定キーシリンダスイッチ180aがONであるか否かを判定する(S018)。要するにステップS018の処理は、設定変更モードに移行しないものの、設定キーシリンダ180が回転位置になっている状況か否かを判定する処理である。設定キーシリンダスイッチ180aがONであれば(S018でYES)、後述する設定値確認モード処理を実行して(S019)、ステップS020に進む。一方、設定キーシリンダスイッチ180aがONでなければ(S018でNO)、電源投入時に、RAMクリアスイッチ191を押下操作しておらず、且つ設定キーシリンダ180を回転位置にしていないことになる。この場合には、ステップS019の設定確認モード処理を実行することなく、ステップS020に進む。ステップS020に進むと、後述する電断復旧時処理を実行して、ステップS022に進む。
ステップS013では、遊技用RAM104に記憶されている情報をクリアする(S013)。即ち、RAMクリアを実行する。但しこのときには、設定値情報記憶部107に記憶されている設定値情報と、ベース情報記憶部108に記憶されているベースに係わる情報(総発射球数の情報、総賞球数の情報)についてはクリアしない。
こうして、電源投入時にRAMクリアスイッチ191の押下操作があっても、設定値情報がクリアされないことで、電断前に設定されていた設定値で遊技を再開することが可能である。つまり、電源投入の度に設定変更モードに移行して設定値を設定しなくても、遊技を行うことが可能である。また、電源投入時にRAMクリアスイッチ191の押下操作があっても、ベースに係わる情報がクリアされないことで、7セグ表示器300にて電断前と同じベースを表示することが可能である。
なお設定変更モード移行操作を行う場合には、ステップS011でYESと判定されて、ステップS012に進むことになる。この場合、ステップS012の設定変更モード処理を終えない限り、ステップS013において遊技用RAM104に記憶されている遊技に係る情報がクリアされない。要するに、設定変更モード移行操作を行う場合には、設定変更モードが終了した後に、遊技用RAM104に記憶されている遊技に係る情報をクリア(RAMクリア)することができる。これに対して、電源投入時に設定キーシリンダ180が回転位置になっていないものの、RAMクリアスイッチ191を押下操作している場合には、ステップS017でYESと判定されて、ステップS013に進むことになる。この場合には、電源投入後すぐに遊技用RAM104に記憶されている遊技に係る情報をクリアすることができる。
ステップS013の後、遊技制御用マイコン101は、遊技用RAM104の作業領域の初期設定を行う(S014)。この初期設定の処理では、遊技用ROM103から読み出された初期設定情報が遊技用RAM104の作業領域にセットされる。続いて、演出制御基板120に対して、遊技用RAM104の記憶内容のクリアを通知するためのRAMクリア通知コマンドを送信して(S015)、ステップS022に進む。
ステップS022では、その他の電源投入時処理として、例えば遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定等を行って、本処理を終える。
[設定変更モード処理]図19に示すように、設定変更モード処理(S012)では、遊技制御用マイコン101はまず、演出制御基板120に対して、設定変更モードへの移行を通知するための設定モード移行コマンドを送信する(S030)。続いて、メイン可動部材初期動作設定処理を実行する(S031)。これにより、設定変更モードにおいて、AT開閉部材14kの初期動作、及び電チュー開閉部材12kの初期動作が実行されるため、AT開閉部材14k及び電チュー開閉部材12kが正常に動作するか否かを確認することができる。そして、設定値情報記憶部107に設定値情報が記憶されているかを判定する(S032)。設定値情報が記憶されていれば(S032でYES)、電断前に設定値が設定されているため、設定値情報に基づいて設定値を7セグ表示器300に表示する(S033)。
ステップS034では、RAMクリアスイッチ191がONであるか否かを判定する。つまり、設定変更モードでRAMクリアスイッチ191が押下操作された状況か否かを判定する。ONであれば(S034でYES)、設定値を1つ繰り上げるために、新しい設定値情報を設定値情報記憶部107に記憶する(S035)。なお設定値が「6」であるとき、RAMクリアスイッチ191が押下操作された場合には、設定値が「1」であることを示す設定値情報が記憶されることになる。続いて、新しい設定値情報に基づいて、設定値を7セグ表示器300に表示する(S036)。
続いて、遊技制御用マイコン101は、演出制御基板120に対して、設定値が変更されたことを通知するための設定値変更コマンドを送信すると共に(S037)、1つ繰り上がった設定値の情報(設定値情報)を通知するための設定値指定コマンドを送信して(S038)、ステップS039に進む。ステップS039では、設定キーシリンダスイッチ180aがOFFであるか否かを判定する。即ち、設定確定操作が行われたか否かを判定する。OFFでなければ(S039でNO)、未だ設定変更モードを終了させるタイミングでないため、ステップS034に戻る。
一方、設定キーシリンダスイッチがOFFであれば(S039でYES)、メイン可動部材が原点位置にあるか否かを判定する(S040)。即ち、AT開閉部材14kが閉状態であると共に、電チュー開閉部材12kが閉状態であるかを判定する。なお、AT開閉部材14kと電チュー開閉部材12kとが原点位置にあるか否かを判断する方法は、ATソレノイド14sと電チューソレノイド12sの状態で判断したり、位置を検出するためのセンサを設けて、そのセンサの検出に基づいて判断すれば良い。
メイン可動部材が原点位置にいなければ(S040でNO)、メイン可動部材原点位置復帰処理を実行する(S041)。メイン可動部材原点位置復帰処理(S041)は、AT開閉部材14k及び電チュー開閉部材12kを原点位置(閉状態)に復帰させるための処理である。これにより、AT開閉部材14k又は電チュー開閉部材12kが、設定変更モードが終了した後に、閉状態になっていないことを防ぐことが可能である。メイン可動部材が原点位置にあれば(S040でYES)、ステップS041をパスして、ステップS042に進む。
ステップS042では、演出制御基板120に対して、確定された設定値の情報(設定値情報)を通知するための設定値指定コマンド(確定設定情報)を送信する。そして、演出制御基板120に対して、設定変更モードの終了を通知するための設定モード終了コマンドを送信する(S043)。更に、7セグ表示器300で表示していた設定値を非表示態様にして(S044)、上述したステップS013(図18参照)に進む。こうして、設定キーシリンダスイッチ180aがOFFになるとすぐに、7セグ表示器300では設定値が見えなくなって、周囲に確定した設定値を把握させ難くすることが可能である。ステップS013以降の処理は、上述しているため、説明を省略する。
[設定値確認モード処理]図20に示すように、設定値確認モード処理(S019)では、遊技制御用マイコン101はまず、設定値情報に基づいて設定値を7セグ表示器300に表示する(S050)。続いて、メイン可動部材初期動作設定処理を実行する(S051)。これにより、設定確認モードにおいて、AT開閉部材14kの初期動作、及び電チュー開閉部材12kの初期動作が実行されるため、AT開閉部材14k及び電チュー開閉部材12kが正常に動作するか否かを確認することができる。
続いて、設定キーシリンダスイッチがOFFであるか否かを判定する(S052)。OFFでなければ(S052でNO)、設定確認モードを維持するため、ステップS052の処理を繰り返す。一方、設定キーシリンダスイッチがOFFであれば(S052でYES)、設定確認モードを終了するため、7セグ表示器300にて表示していた設定値を非表示態様にする(S053)。そして、メイン可動部材が原点位置にあるか否かを判定する(S054)。即ち、AT開閉部材14kが閉状態であると共に、電チュー開閉部材12kが閉状態であるかを判定する。メイン可動部材が原点位置にいなければ(S054でNO)、メイン可動部材原点位置復帰処理を実行して(S055)、後述するステップS020(図18の電断復旧時処理参照)に進む。このメイン可動部材原点位置復帰処理(S055)により、AT開閉部材14k又は電チュー開閉部材12kが、設定確認モードが終了した後に、閉状態になっていないことを防ぐことが可能である。メイン可動部材が原点位置にあれば(S054でYES)、ステップS054をパスして、後述するステップS020(図18の電断復旧時処理参照)に進む。
[電断時復旧時処理]図21に示すように、電断復旧時処理(S020)では、遊技制御用マイコン101はまず、電源断フラグがONであるか否かを判定する(S060)。電源断フラグは、電断の発生を示すフラグである。電源断フラグがONでなければ(S060でNO)、正常に電源が遮断されていない可能性があるため、ステップS065に進む。
一方、電源断フラグがONであれば(S060でYES)、遊技用RAM104のチェックサムを算出して(S061)、これを電断時に格納(記憶)しておいた遊技用RAM104のチェックサムと一致するか否かを判定する(S062)。これらチェックサムの値が一致しなければ(S062でNO)、遊技用RAM104の記憶内容が異常であると判断し、ステップS065に進む。これに対して、チェックサムの値が一致すれば(S062でYES)、遊技用RAM104の記憶内容が正常であると判断し、ステップS063に進む。
ステップS063では、復電時における遊技用RAM104の作業領域の設定管理を行う。この設定処理では、遊技用ROM103から復電時情報を読み出し、この復電時情報を遊技用RAM104の作業領域にセットする。その後、遊技制御用マイコン101は、電源断フラグをOFFして(S064)、上述したステップS022(図18参照)に進む。ステップS022以降の処理は、上述しているため、説明を省略する。
一方、ステップS065では、遊技用RAM104に記憶されている情報をクリアする(RAMクリアを実行する)。このときには、設定値情報記憶部107に記憶されている設定値情報と、ベース情報記憶部108に記憶されているベースに係わる情報(総発射球数の情報、総賞球数の情報)についてはクリアしない。但し、ステップS065に進む場合は、正常に電源が遮断されていない可能性がある場合や、チェックサムの値が一致せずに遊技用RAM104の記憶内容が異常である可能性がある場合である。よって、ステップS065の処理の替わりに、設定値情報及びベースに係わる情報もクリアするようにしても良い。そしてこの場合には、設定値情報をクリアした後に、初期値の設定値として例えば「1」を示す設定値情報を設定値情報記憶部107に新たに記憶するようにしても良い。なおステップS065の処理において、遊技用RAM104にセットされている電源断フラグがONであれば、電源断フラグはOFFにされる。
ステップS065の後、遊技用RAM104の作業領域の初期設定を行う(S066)。この初期設定の処理では、遊技用ROM103から読み出された初期設定情報が遊技用RAM104の作業領域にセットされる。続いて遊技制御用マイコン101は、演出制御基板120に対して、遊技用RAM104の記憶内容のクリアを通知するためのRAMクリア通知コマンドを送信して(S067)、上述したステップS022(図18参照)に進む。
[エラーモード処理]図22に示すように、エラーモード処理(S021)では、遊技制御用マイコン101はまず、7セグ表示器300にて「E」の文字を示すためのエラー表示処理を実行する(S080)。これにより、遊技場の従業員等には、7セグ表示器300で「E」の文字を見せることで、エラーモードへの移行を把握させることが可能である。続いて、遊技制御用マイコン101は、演出制御基板120に対して、エラーモードへの移行を通知するためのエラーコマンドを送信する(S081)。その後は、電源投入時処理(S001、図17参照)に戻ることなく、ループ処理を行う。こうして、エラーモードに移行した場合には、電源を遮断するまでエラーモードが継続する。よって、次回の電源投入時に設定変更モードに移行して、設定値を設定しなければ、遊技を開始することができないようになっている。
[メイン側タイマ割り込み処理]遊技制御用マイコン101は、図23に示すメイン側タイマ割り込み処理(S005)を例えば4msecといった短時間毎に繰り返す。なおメイン側タイマ割り込み処理(S005)が、遊技の進行を制御する処理に相当し、遊技用CPU102によって実行されることになる。まず、遊技制御用マイコン101は、大当たり抽選に用いる大当たり乱数、大当たりの種別を決めるための当たり種別乱数、演出図柄変動演出においてリーチ状態とするか否か決めるためのリーチ乱数、変動パターンを決めるための変動パターン乱数、普通図柄抽選に用いる普通図柄乱数(当たり乱数)等を更新する乱数更新処理を行う(S101)。なお各乱数の少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。全ての乱数をハードウェア乱数とする場合、ソフトウェアによる乱数の更新処理は必要ない。また乱数発生回路は、遊技制御用マイコン101に内蔵されていてもよい。
次に、遊技制御用マイコン101は、入力処理を行う(S102)。入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機PY1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ11a,第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、大入賞口センサ14a、一般入賞口センサ10a、排出口センサ18a(図6参照))が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための賞球コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なおセットされた賞球コマンドは、払出制御基板170に送信される。
続いて、遊技制御用マイコン101は、始動口センサ検出処理(S103)、特別動作処理(S104)、および普通動作処理(S105)を実行する。始動口センサ検出処理(S103)では、第1始動口センサ11a又は第2始動口センサ12aによる入賞検知があれば、入賞検知のあった始動口に対応する保留記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の乱数(大当たり乱数、当たり種別乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数(図10(A)参照))を取得する。また、ゲートセンサ13aによる通過検知があれば、普図保留が4個未満であることを条件に普通図柄乱数(図10(B)参照)を取得する。
特別動作処理(S104)では、始動口センサ検出処理(S103)にて取得した大当たり乱数等の乱数を、設定値情報が示す設定値に基づく大当たり判定テーブル(図11(A)〜(F)参照)、当たり種別判定テーブル(図9参照)、リーチ判定テーブル(図12(A)参照)、特図変動パターン判定テーブル(図13参照)を用いて判定する。そして、大当たり抽選の結果を示すための特別図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。この特別図柄の変動表示を開始する際には、特別図柄の変動表示の変動パターンの情報を含む変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。また特別図柄の停止表示を開始する際には、変動停止コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。大当たり乱数の判定の結果、大当たりに当選していた場合には、大当たりの種別に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、図14参照)に従って大入賞口14を開放させる大当たり遊技(特別遊技)を行う。この大当たり遊技の実行において、オープニングを開始する際には、当選した大当たり図柄の種別の情報を含むオープニングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。またラウンド遊技を開始する際には、ラウンド指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。またエンディングを開始する際には、エンディングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。また特別動作処理(S104)において、遊技状態が変更した場合等に、遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。また特別動作処理(S104)において、大当たり乱数等の乱数の記憶がない場合には、演出制御用マイコン121に客待ち演出を実行させるための客待ち待機コマンドをセットする。
普通動作処理(S105)では、始動口センサ検出処理(S103)にて取得した普通図柄乱数、普通図柄当たり判定テーブル(図12(B)参照)を用いて判定すると共に、普通図柄変動パターン選択テーブル(図12(C)参照)を用いて遊技状態に応じた普通図柄の変動時間を選択する。そして、普図抽選の判定結果を報知するための普通図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。普通図柄乱数の判定の結果、普通当たり図柄に当選していた場合には、遊技状態に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、図14参照)に従って電チュー12Dを開放させる補助遊技を行う。
次に、遊技制御用マイコン101は、上述の各処理においてセットしたコマンド等を演出制御基板120等に出力する出力処理を行って(S106)、本処理を終える。
8.演出制御用マイコンの動作
次に、図24〜図26に基づいて、演出制御用マイコン121の動作について説明する。
[サブ制御メイン処理]演出制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、電源投入時に、演出用ROM123から図24に示すサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。なお、演出制御用マイコン121の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。
図24に示すように、サブ制御メイン処理では、サブ側電源断フラグがONで且つ演出用RAM124の内容が正常であるか否かを判定する(S1001)。サブ側電源断フラグは、電断の発生を示すフラグである。ステップS1001の判定結果がNOであれば、つまり、サブ側電源断フラグがONでない場合、又はサブ側電源断フラグがONであっても演出用RAM124の内容が正常でない場合には、演出用RAM124の初期化をして(S1002)、ステップS1013に進む。
一方、ステップS1001の判定結果がYESであれば、つまり、電断によりサブ側電源断フラグがONとなったが演出用RAM124の内容が正常に保たれている場合には、続いて、RAMクリア通知コマンドを受信しているか否かを判定する(S1011)。RAMクリア通知コマンドを受信していれば(S1011でYES)、遊技制御基板100の遊技用RAM104はクリアされている。そのため、演出制御基板120の演出用RAM124をクリアして(S1002)、ステップS1013に進む。これに対して、RAMクリア通知コマンドを受信していなければ(S1011でNO)、演出用RAM124をクリアすることなく、ステップS1013に進む。
ここでステップS1002の処理において、演出用RAM124がクリアされる際には、後述する設定値フラグ125(図7参照)の情報もクリア(消去)される。設定値フラグ125は、演出制御用マイコン121が、演出側(サブ側)の情報として設定値を把握するものである。よって電源投入時に、演出制御用マイコン121は、演出用RAM124をクリアすれば、併せて設定値の情報もクリアするようになっている。
ステップS1003では、その他の初期設定を行う。その他の初期設定では例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。また、サブ側電源断フラグがONであればOFFにする。
ステップS1004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S1005)。乱数シード更新処理(S1005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理(S1005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S1006)。コマンド送信処理(S1006)では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、コマンドに従い画像表示装置50を用いて各種の演出(変動演出や、オープニング演出、ラウンド演出およびエンディング演出からなる大当たり演出等)を実行する。演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S1007)。以降、ステップS1004〜S1007をループさせる。割り込み許可中においては、サブ側電源断監視処理(S1012)、受信割り込み処理(S1008)、1msタイマ割り込み処理(S1009)および10msタイマ割り込み処理(S1010)の実行が可能となる。
受信割り込み処理(S1008)は、ストローブ信号(STB信号)がONになると、すなわち遊技制御基板100から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン121の外部INT入力部に入力されると、他の割り込み処理(S1009、S1010)に優先して実行される処理である。受信割り込み処理(S1008)では、遊技制御基板100から送信されてきた各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S1009)は、演出制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図25に示すように、1msタイマ割り込み処理(S1009)ではまず、入力処理を行う(S1201)。入力処理(S1201)では、演出ボタン検知センサ40a(図7参照)やセレクトボタン検知センサ42a(図7参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理を行う(S1202)。ランプデータ出力処理(S1202)では、演出に合うタイミングで枠ランプ212や盤ランプ54を発光させるべく、セットされたランプデータ(枠ランプ212や盤ランプ54の発光を制御するデータ)をサブドライブ基板162に出力する。これにより、サブドライブ基板162が枠ランプ212や盤ランプ54の発光を制御する。
次いで、駆動制御処理(S1203)を行う。駆動制御処理(S1203)では、演出に合うタイミングで盤可動体55kを駆動させるべく、駆動データを作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、盤可動体55kを所定の動作態様で駆動させる。また、演出制御用マイコン121は、この駆動制御処理(S1203)において、遊技制御状態に移行したと判断すると(演出図柄EZの変動表示を実行可能な状態になると)、サブ可動部材(演出ボタン40k、盤可動体55k)の初期動作を開始するようになっている。駆動制御処理(S1203)の後、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S1204)を行って、本処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S1010)は、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図26に示すように、10msタイマ割り込み処理(S1010)ではまず、受信コマンド解析処理を行う(S1301)。この受信コマンド解析処理(S1301)によって解析したコマンドに基づいて、演出制御用マイコン121は、変動演出を開始するための変動演出開始コマンド、変動演出を終了するための変動演出終了コマンド、オープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンド、ラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンド、エンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを、演出用RAM124にセットする。
また受信コマンド解析処理(S1301)において、演出制御用マイコン91は、設定モード移行コマンドを受信した場合には、図27(A)に示す設定変更モード画像SHと、図27(A)に示す初期動作示唆画像SDとを表示するためのコマンドを、演出用RAM124にセットする。その後、設定モード終了コマンドを受信した場合には、RAMクリア中画像RC(図27(B)参照)を表示するためのコマンドを、演出用RAM124にセットする。そして、遊技制御状態に移行すると、初期表示態様である演出図柄EZと昼背景画像Ha(図27(C)参照)を表示するためのコマンドを、演出用RAM124にセットすることになる。
演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理(S1301)の後、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとして演出用RAM124に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S1302)。続いて、スイッチ状態取得処理(S1302)にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面50aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S1303)。
続いて、演出制御用マイコン121は、音声データ(スピーカ620からの音声を出力する制御データ)を作成したり、画像制御基板140に音声データを出力する音声制御処理を実行する(S1304)。その後、演出制御用マイコン121は、ランプデータを作成したり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行して(S1305)、本処理を終える。
9.本形態の効果
従来において、メイン可動部材の動作確認を行う方法は、遊技中に大当たりに当選することでメイン可動部材を動作させる方法しかなく、煩雑な方法であった。そこで本パチンコ遊技機PY1によれば、遊技用CPU102が、電源投入に基づいて、メイン可動部材(AT開閉部材14k、電チュー開閉部材12k)を動作させる初期動作を実行する。これにより、従来の方法に比べて、遊技制御用マイコン101によって制御されるメイン可動部材の動作確認を簡単に行うことが可能である。
また本パチンコ遊技機PY1によれば、電源が投入されてから遊技用CPU102の処理情報(例えば遊技状態の情報)が消去されるまでの間(遊技停止期間)に、遊技制御用マイコン101が、メイン可動部材(AT開閉部材14k、電チュー開閉部材12k)を動作させる初期動作を実行する。従って、電源が投入されてからできるだけ早いタイミングで、メイン可動部材の動作確認を行うことが可能である。
ここで仮に、遊技制御状態に移行した直後に、メイン可動部材(AT開閉部材14k、電チュー開閉部材12k)の初期動作を実行しようとする方法が考えられる。しかしながらこの方法の場合、遊技制御状態でのメイン可動部材の動きが、誤作動と誤認される可能性があるため、現実的には、遊技制御状態でメイン可動部材の初期動作を実行することは不可能である。よって、本形態のように、遊技が実行不能な状態である遊技停止状態で、メイン可動部材の初期動作を実行することで、メイン可動部材の誤作動と誤認されるのを防ぐことが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、設定変更モードにおいては、遊技が実行されることがない遊技停止状態である。従って、この設定変更モードにおいて、メイン可動部材の初期動作が実行されることで、メイン可動部材の動作を確認する人は、確認用の動作であることを容易に判断することができる。こうして、設定変更モードが遊技停止状態であることを利用して、メイン可動部材の初期動作を実行するタイミングを作り出すことが可能である。言い換えれば、設定変更モードは、遊技場の従業員が設定キーシリンダのONとOFFとを切替えることで、人為的に設定できるモードである。そのため、この設定変更モードである期間を利用することで、RAMクリアが実行される前にメイン可動部材の初期動作を実行する期間を、確実に作り出すことができる。
10.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
上記形態では、図16に示すように、サブ可動部材の初期動作は、遊技制御状態に移行したタイミングで開始されるようにした。これに対して、図28に示す第1変形例のように、サブ可動部材(演出ボタン40k、盤可動体55k)の初期動作を、遊技制御状態に移行する前に、実行するようにしても良い。
具体的に、第1変形例では、図28に示すように、電源投入後のモードとして、設定変更モードに移行する場合には、設定変更モード中に、メイン可動部材の初期動作と、サブ可動部材の初期動作と、が行われる。また電源投入後のモードとして、設定確認モードに移行する場合には、設定確認モード中に、メイン可動部材の初期動作と、サブ可動部材の初期動作と、が行われる。また電源投入後のモードとして、RAMクリアモードに移行する場合には、電源が投入されると先ず、サブ可動部材の初期動作が実行される。その後、RAMクリアが実行されて、RAMクリアが終了すると、遊技制御状態に移行する。また電源投入後のモードとして、遊技モードに移行する場合には、電源が投入されると先ず、サブ可動部材の初期動作が実行される。その後、遊技制御状態に移行する。
以上、第1変形例によれば、RAMクリアが実行される場合、メイン可動部材の初期動作と同様、サブ可動部材の初期動作も、RAMクリアが実行される前に、実行される。よって、電源が投入されてからできるだけ早いタイミングで、サブ可動部材の動作確認を行うことが可能である。
上記形態では、図16に示すように、メイン可動部材の初期動作は、電源投入後のモードとして、RAMクリアモード又は遊技モードに移行する場合には、実行されることがなかった。これに対して、図29に示す第2変形例のように、メイン可動部材(AT開閉部材14k、電チュー開閉部材12k)の初期動作を、電源投入後のモードとして、RAMクリアモード又は遊技モードに移行する場合であっても、実行するようにしても良い。
具体的に、第2変形例では、図29に示すように、電源投入後のモードとして、RAMクリアモードに移行する場合には、電源が投入されると先ず、メイン可動部材の初期動作と、サブ可動部材の初期動作と、が実行される。その後、RAMクリアが実行されて、RAMクリアが終了すると、遊技制御状態に移行する。また電源投入後のモードとして、遊技モードに移行する場合には、電源が投入されると先ず、メイン可動部材の初期動作と、サブ可動部材の初期動作と、が実行される。その後、遊技制御状態に移行する。
以上、第2変形例によれば、電源が投入されてから、設定変更モード、設定確認モード、RAMクリアモード、遊技モードのうち何れのモードに移行しても、遊技制御状態の前に、メイン可動部材の初期動作が実行される。従って、遊技場の従業員が電源投入時にどの操作を行ったとしても、メイン可動部材の動作確認を行わせることが可能である。
上記形態では、RAMクリアの実行前に、メイン可動部材の初期動作を実行するようにした。しかしながら、RAMクリアの実行後であって、遊技制御状態に移行する前に、メイン可動部材の初期動作を実行するようにしても良い。この場合、メイン可動部材の初期動作と、サブ可動部材の初期動作とが、異なるタイミングで実行されるようにすると良い。メイン可動部材の動作確認と、サブ可動部材の動作確認とを同時に行う必要がなくて、確認作業の煩雑化を防ぐことができるためである。
上記形態では、初期動作が実行されるメイン可動部材(可動部材)が、AT開閉部材14kと、電チュー開閉部材12kであった。しかしながら、初期動作が実行されるメイン可動部材は、上記したものに限られるものではない。例えば、大入賞口14とは異なる他の大入賞口を備えていて、他の大入賞口を開閉する開閉部材を、初期動作が実行されるメイン可動部材としても良い。また、大入賞口の内部に特定領域と振分部材とを備えていて、遊技球の流れを振り分ける振分部材を、初期動作が実行されるメイン可動部材としても良い。
上記形態では、メイン可動部材の初期動作は、AT開閉部材14kが開状態と閉状態とを所定回数(例えば3回)繰り返し、電チュー開閉部材12kが開状態と閉状態とを所定回数(例えば3回)繰り返す動作のことであった。しかしながら、メイン可動部材の初期動作の動作態様は、上記したものに限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、AT開閉部材14kが1回だけ開閉し、電チュー開閉部材12kが1回だけ開閉するようにしても良い。但し、開閉動作は、複数回(2回以上)行われた方が、確認し易いというメリットがある。
上記形態では、初期動作が実行されるサブ可動部材(可動部材)が、演出ボタン40kと、盤可動体55kであった。しかしながら、初期動作が実行されるサブ可動部材は、上記したものに限られるものではない。例えば、遊技機枠2に枠可動部材が設けられていて、枠可動部材を、初期動作が実行されるサブ可動部材としても良い。
上記形態では、サブ可動部材の初期動作は、演出ボタン40kが所定時間(例えば3秒)だけ振動し、盤可動体55kが初期位置から演出位置へ移動した後に初期位置へ復帰した。しかしながら、サブ可動部材の初期動作の動作態様は、上記したものに限られるものではなく、適宜変更可能である。
上記形態では、メイン可動部材の初期動作を把握し易くするために、図27(A)に示すように、表示画面50aに、初期動作示唆画像SDを表示した。しかしながら、その他の演出態様によって、メイン可動部材の初期動作を把握し易くしても良い。例えば、スピーカ620(音出力手段)から特別音を出力したり、盤ランプ54や枠ランプ212(発光手段)を特別な発光態様で発光させるようにしても良い。
上記形態では、RAMクリアの実行(開始)前に、メイン可動部材の初期動作を実行した。しかしながら、RAMクリアが終了(完了)する前であれば、メイン可動部材の初期動作を、RAMクリアの実行中に実行しても良い。またRAMクリアが終了した後に、メイン可動部材の初期動作を実行(開始)するようにしても良い。
上記形態では、設定値が「1」〜「6」までの複数種類の設定値の中から選択されることで、当該設定値に対応する大当たり判定確率で遊技が実行されるパチンコ遊技機PY1であった。しかしながら、設定値が1種類しか設けられていないパチンコ遊技機であっても良く、このようなパチンコ遊技機であっても、設定変更モード(設定モード)が設定されているときに、メイン可動部材の初期動作を実行するようにすれば良い。
上記形態では、設定変更モードに設定されているときにメイン可動部材の初期動作を実行して、設定変更モードが終了するとRAMクリアを経て遊技制御処理に移行した。しかしながら、設定変更モードに設定されているか否かに拘わらず、メイン可動部材の初期動作を実行するようにしても良い。またメイン可動部材の初期動作が終了した後、自動的に遊技制御処理に移行するようにしても良い。その反対に、メイン可動部材の初期動作が終了した後、自動的に遊技制御処理に移行しないで、所定の操作手段(例えばRAMクリアスイッチ191)を操作することに基づいて、遊技制御処理に移行するようにしても良い。このようにすれば、遊技制御処理に移行するタイミングがランダム(固定されないこと)になり、ゴト師による不正を防ぎ易くすることが可能である。
上記形態では、電源投入後に、設定変更モードや設定確認モードに移行可能なパチンコ遊技機PY1であった。しかしながら、設定変更モードや設定確認モードに移行不能なパチンコ遊技機であっても良い。つまり、設定値を設定しないパチンコ遊技機であっても良い。この場合、電源投入後にRAMクリアモードに移行する場合に、RAMクリアの実行前に、メイン可動部材の初期動作、サブ可動部材の初期動作を実行しても良い。
また上記形態では、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成したが、いわゆるV確機(大入賞口内の特定領域(V領域)の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成してもよい。また上記各形態では、一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が続く遊技機(いわゆる確変ループタイプの遊技機)として構成したが、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)や転落機(抽選結果によって高確率状態が終了する遊技機)として構成してもよい。また、いわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。すなわち、本明細書に示されている発明は、遊技機のゲーム性を問わず、種々のゲーム性の遊技機に対して好適に採用することが可能である。
また、特別遊技として、小当たり遊技(大入賞口の総開放時間が所定時間(例えば1.8秒)以下と短い特別遊技)を行うことがあってもよい。小当たり遊技の実行中の状態を小当たり遊技状態と言う。
また、大入賞口(大入賞装置)は、複数(例えば2つ)あってもよい。この場合には、第1大入賞口と、第1大入賞口に入賞した遊技球を検出可能な第1大入賞口センサと、第2大入賞口と、第2大入賞口に入賞した遊技球を検出可能な第2大入賞口センサとが設けられている遊技機になる。
また上記形態では、大当たりに当選してそのことを示す特別図柄が停止表示されたことを制御条件として、大当たり遊技状態(特別遊技状態)に制御されるパチンコ遊技機として構成した。これに対して、スロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ遊技機)として構成してもよい。
また、スロットマシンのタイプは、どのようなタイプであってもよい。ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの入賞によって獲得メダルを増やす所謂ノーマル機(Aタイプのスロットマシン)であれば、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等のボーナスを実行している状態が特別遊技状態に相当する。また、小役に頻繁に入賞可能なART(アシストリプレイタイム)やAT(アシストタイム)等の特別な遊技期間にて獲得メダルを増やす所謂ART機やAT機であれば、ARTやAT中の状態が特別遊技状態に相当する。また、ノーマル機では特別遊技状態への制御条件は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選した上で、有効化された入賞ライン上に、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの移行契機となる図柄の組み合せが各リールの表示結果として導出表示されることである。また、ART機やAT機では特別遊技状態への制御条件は、例えば、ARTやATの実行抽選に当選した上で、規定ゲーム数を消化するなどしてARTやATの発動タイミングを迎えることである。
11.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
手段1に係る発明は、
遊技の進行を制御する遊技用CPU(102)と、
前記遊技用CPUの制御により動作可能な可動部材(AT開閉部材14k、電チュー開閉部材12k)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技用CPUは、電源投入に基づいて前記可動部材を動作させる初期動作を実行可能である(図27参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、電源投入に基づいて、遊技用CPUが可動部材を動作させる初期動作を実行する。そのため、従来よりも簡易な方法で、遊技用CPUの制御により動作可能な可動部材の動作確認を行うことが可能である。
手段2に係る発明は、
手段1に記載の遊技機において、
前記遊技用CPUの処理情報を記憶可能な記憶手段(遊技用RAM104)を備え、
前記遊技用CPUは、
電源が投入されてから、前記記憶手段に記憶されている前記遊技用CPUの処理情報を消去可能(RAMクリアを実行可能)であり、
電源が投入されてから前記遊技用CPUの処理情報が消去されるまでの間に、前記可動部材を動作させる初期動作を実行可能である(図27参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電源が投入されてから遊技用CPUの処理情報が消去されるまでの間に、遊技用CPUが可動部材の初期動作を実行する。従って、電源が投入されてからできるだけ早いタイミングで、可動部材の動作確認を行うことが可能である。
手段3に係る発明は、
手段2に記載の遊技機において、
前記遊技用CPUは、
大当たり判定確率に対応する設定値を設定するための設定モード(設定変更モード)に移行可能であり、
前記設定モードに設定されているときに、前記可動部材を動作させる初期動作を実行可能である(図27参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、設定変更モードにおいては、遊技が実行されることがない遊技停止状態である。従って、この設定変更モードにおいて、可動部材が動作することで、可動部材の動作を確認する人は、確認用の動作であることを容易に判断することができる。こうして、設定変更モードが遊技停止状態であることを利用して、可動部材の初期動作を実行するタイミングを作り出すことが可能である。
ところで、特開2014−045842号公報に記載の遊技機では、演出を制御可能な演出用CPUと、演出用PUの制御により動作可能な演出可動体と、を備えている。そして、演出用CPUが、電源投入に基づいて演出可動体を動作させる初期動作を実行可能になっている。ところで、遊技機には、演出用CPUの制御により動作可能な演出可動体の他、遊技用CPUの制御により動作可能な可動部材もある。しかしながら、特開2014−045842号公報に記載の遊技機では、電源投入時に、遊技用CPUが可動部材を動作させる初期動作を実行することはなく、可動部材の動作確認には改善の余地があった。そこで手段1〜3に係る発明は、特開2014−045842号公報に記載の遊技機に対して、遊技用CPUの制御により動作可能な可動部材を備え、遊技用CPUは、電源投入に基づいて前記可動部材を動作させる初期動作を実行可能である点で相違している。これにより、可動部材の動作確認を行うことが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
なお本発明の遊技機は、以下のように構成しても良い。
本発明は、
遊技を制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)と、
演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、
前記遊技制御手段により動作が制御される遊技用可動部材(AT開閉部材14k、電チュー開閉部材12k)と、
前記演出制御手段により動作が制御される演出用可動部材(演出ボタン40、盤可動体55k)と、を備え、
前記演出制御手段は、電源が投入されてから、前記演出用可動部材を動作させる演出用初期動作を実行可能であり(図27(C)参照)、
前記遊技制御手段は、電源が投入されてから、前記演出用初期動作の実行タイミングと異なるタイミングで、前記遊技用可動部材を動作させる遊技用初期動作を実行可能である(図27(A)参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、演出用初期動作と遊技用初期動作とが異なるタイミングで実行されるため、演出用可動部材の動作確認と遊技用可動部材の動作確認とを煩雑にならずに行うことが可能である。
上記した発明において、
前記遊技制御手段は、遊技が実行不能な遊技停止期間で、前記遊技用初期動作を実行することが好ましい。
この構成の遊技機によれば、遊技停止期間で遊技用初期動作が実行されるため、遊技用可動部材が誤作動しているという誤認を与えることが防ぐことが可能である。