JP6913644B2 - シール装置 - Google Patents
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Description
特許文献1には、これを防止するための解決策は開示されていない。
屋内側と屋外側とに亘って貫通孔が形成された壁部と、
前記屋内側及び前記屋外側に亘って前記貫通孔に挿通される挿通部材と、
前記壁部の内周面と前記挿通部材の外周面との間をシールするシール部材と、
前記シール部材より前記屋内側で前記シール部材に隣接して前記壁部の内周面又は前記挿通部材の外周面のどちらか一方に固定されたストッパと、
を備える。
本明細書で言う「壁部」とは、建物及びその他の構造物全般の外壁、床など、構造物全般の外部と内部とを仕切る仕切り壁をすべて含むものとする。
前記ストッパは、前記壁部の内周面又は前記挿通部材の外周面の周方向に全周に亘って延在するリング形状を有する。
上記(2)の構成によれば、ストッパがリング形状を有するので、壁部の内周面又は挿通部材の外周面の全周でシール部材を支持できる。これによって、シール部材に対する支持力を高め、シール部材の分断防止効果を向上できる。
前記貫通孔の径方向に沿う面において、前記ストッパは、前記貫通孔の内周面と前記挿通部材の外周面との半径差の50%以下の領域に配置される。
上記(3)の構成によれば、上記ストッパは、貫通孔の内周面と挿通部材の外周面との半径差の50%以下の領域に配置されるので、シール部材が壁部と挿通部材との相対変位に追従して変形するのを阻害しない。これによって、シール部材はシール性能を保持できる。
前記ストッパの前記シール部材に対向する面は、前記貫通孔の前記内周面又は前記挿通部材の前記外周面から離れる方向に向かって前記シール部材から離れる方向へ湾曲する面を形成する。
上記(4)の構成によれば、シール部材に対向するストッパの面が上記構成の湾曲面を形成しているので、壁部と挿通部材との相対変位によってシール部材が上記湾曲面にもたれ掛かっても、シール部材が損傷するのを抑制できる。
前記ストッパは、
前記壁部の内周面に固定されたリング状の第1ストッパと、
前記挿通部材の外周面に固定されたリング状の第2ストッパと、
で構成される。
前記ストッパは、前記ストッパの周方向に沿って分割された複数の分割片で構成され、
前記複数の分割片は、前記壁部の内周面又は前記挿通部材の前記外周面に締付具で固定される。
上記(6)の構成によれば、ストッパを複数の分割片で構成するので、ストッパの取り扱いが容易になり、かつ複数の分割片を締付具で固定するので、壁部の内周面又は挿通部材の外周面への取付け作業が容易になる。
前記締付具はボルト又はホースバンドで構成される。
上記(7)の構成によれば、締付具としてボルト又はホースバンドを用いることで、ストッパを簡易にかつ着脱可能に壁部の内周面又は挿通部材の外周面に固定できる。
前記ストッパは前記壁部の内周面又は前記挿通部材の外周面に溶接される。
上記(8)の構成によれば、ストッパを壁部の内周面又は挿通部材の外周面に溶接することで、大きな強度でストッパを固定できる。
前記ストッパは前記壁部の内周面又は前記挿通部材の外周面に接着される。
上記(9)の構成によれば、ストッパを壁部の内周面又は挿通部材の外周面に接着することで、大きな強度でストッパを固定できる。接着手段として、例えば、接着剤を用いて壁部の内周面又は挿通部材の外周面に接着する方法や、ストッパをこれらの面に圧入により固定する方法等がある。
前記壁部の内周面と前記シール部材との間に介在するスリーブを備え、
前記ストッパは前記スリーブに溶接される。
上記(10)の構成によれば、上記スリーブを例えば金属製など溶接により高強度で接合可能な材料で構成し、このスリーブにストッパを溶接することで、ストッパを高い強度で壁部の内周面に固定できる。
前記壁部の内周面と前記シール部材との間に介在するスリーブを備え、
前記ストッパは前記スリーブに接着される。
上記(11)の構成によれば、上記スリーブを例えば金属製又は樹脂製など接着により高強度で接合可能な材料で構成し、このスリーブにストッパを接着することで、ストッパを高い強度で壁部の内周面に固定できる。
前記ストッパは、前記ストッパの周方向に沿って分割された複数の分割片で構成され、
前記壁部の内周面と前記シール部材との間に介在するスリーブと、
前記スリーブに固着されたスタッドボルトと、
前記スタッドボルトに螺合可能なナットと、
を備え、
前記ストッパは、前記スタッドボルトと前記ナットとで前記スリーブに固定されるように構成される。
前記ストッパは、前記ストッパの周方向に沿って分割された複数の分割片で構成されると共に、前記複数の分割片は、前記壁部の内周面に配置されたとき、前記分割片の間にクサビ状の隙間が形成されるように構成され、
前記隙間に圧入するためのクサビ部材を備え、
前記複数の分割片で構成される前記ストッパは、前記隙間に挿入される前記クサビ部材によって拡径し、前記壁部の内周面を押圧するように構成される。
上記(13)の構成によれば、上記クサビ部材を用いることで、簡易にかつ着脱可能にストッパを貫通孔の内周面に固定できる。
前記壁部の内周面と前記シール部材との間に介在するスリーブを備え、
前記複数の分割片で構成される前記ストッパは、前記隙間に挿入される前記クサビ部材によって拡径し、前記スリーブの内周面を押圧するように構成される。
上記(14)の構成によれば、壁部の内周面とシール部材との間にスリーブを介在させ、複数の分割片及びクサビ部材をスリーブの内側面に接して配置することで、複数の分割片及びクサビ部材を安定して壁部の内周面に固定できる。
前記ストッパは、前記ストッパの周方向に沿って分割された複数の分割片で構成されると共に、前記複数の分割片の各々は、長手方向両端にフランジ部を有し、
前記複数の分割片が前記壁部の内周面に配置されたとき、前記フランジ部は、隣接する前記分割片の前記フランジ部と互いに対向するように配置され、
互いに対向する前記フランジ部の一方に形成されたネジ孔に螺合可能な押しボルトを備え、
前記複数の分割片の各々は、前記ネジ孔に螺合した前記押しボルトによって前記壁部の内周面を押圧するように構成される。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
また例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
なお、挿通部材16は、電線を通す四角断面の角ダクト、貫通孔14は、四角断面の孔でもよい。
図3に示すように、地震などによる外力Fがシール部18に作用すると、壁部12と挿通部材16との間で相対変位が起こり、挿通部材16は、壁部12に対して軸方向(矢印a方向)又は径方向(矢印b方向)を含むあらゆる方向に変位する。これに対し、図示のように、シール部18及びストッパ26(26B)も挿通部材16と共に変位し、シール性能を保持する。
なお、図1に示す実施形態では、ストッパ26(26A、26B)は、内周面12a及び外周面16aの両方に設けられているが、ストッパ26(26A)又はストッパ26(28B)のどちらか一方だけも設けてもよい。この場合においても、外力Fによるシール部18の損傷又はシール部18の内周面12a又は外周面16aからの分断を抑制できる。
図10に示すように、シール部18の受圧面積Sに対して外圧Pが加わり、シール部18に対してシール部18の接着せん断強さを上回るせん断力が加わると、シール部18が内周面12a又は外周面16aから分断して貫通孔14から抜け出す虞がある。上記実施形態によれば、シール部18の屋内側に隣接してストッパ26を設けることで、シール部18の抜け出しを防止できる。
但し、図1に示すシール装置10(10A)のように、スリーブ30を設けていなくても、壁部12が鋼などの金属又は樹脂との接着性の良い材料で構成されていれば、シール部18を直接壁部12に強い接着力で固定できる。
この実施形態によれば、ストッパ26がリング形状を有するので、内周面12a又は外周面16aの全周でシール部18を支持できる。これによって、シール部18に対する支持力を高め、シール部18の分断防止効果を向上できる。
この実施形態によれば、ストッパ26は、内周面12aと外周面16aとの半径差の50%以下の領域に配置されるので、シール部18が壁部12と挿通部材16との相対変位に追従して変形するのを阻害しない。これによって、シール部18はシール性能を保持できる。
なお、スリーブ30を備えるシール装置10(10B)においては、第1ストッパ26(26A)はスリーブ30の内周面30aに固定される。
この実施形態によれば、シール部18に外力F等が作用して、貫通孔14の軸方向(矢印a方向)又は径方向(矢印b方向)を含む任意の方向へ変位し、シール部18が対向面28に強く接触しても、シール部18に対向して配置される対向面28が上記構成の湾曲面を形成しているので、シール部18が損傷するのを抑制できる。
図4に示す実施形態では、第1ストッパ26(26A)及び第2ストッパ26(26B)の両方の対向面28が湾曲面を形成しているが、別な実施形態では、第1ストッパ26(26A)及び第2ストッパ26(26B)のどちらか一方の対向面28が湾曲面を形成していてもよい。
この実施形態によれば、複数の分割片26a及び26bを締付具32で固定するので、内周面12a又は外周面16aへの取付け作業が容易になる。
一実施形態では、ストッパ26を接着剤などを用いて挿通部材16の外周面16aに接着する。あるいは、ストッパ26を圧入などの手段で挿通部材16の外周面16aに圧入して固定する。これによって、簡易な手段で大きな強度でストッパを固定できる。
一実施形態では、壁部12が鋼などの金属で構成され、あるいは接着剤で接着可能な材料で構成されていれば、ストッパ26を接着剤などを用いて直接壁部12に強い接着力で固定できる。また、他の接着方法として、例えば、ストッパ26を壁部12の内周面12aに圧入するようにしてもよい。
この実施形態によれば、スリーブ30を溶接可能な材料で構成し、ストッパ26をスリーブ30に溶接することで、ストッパ26を高い強度でスリーブ30に固定できる。
一方、壁部12の内周面12aにスタッドボルト50が固着される。適宜数のスタッドボルト50が壁部12の内周面12aに沿って固着される。そして、各分割片26cの長孔48にスタッドボルト50を通した状態で、各分割片26cを壁部12の内周面12aに配置する。この状態でスタッドボルト50のナット52を螺合させることで、各分割片26cを壁部12の内周面12aに固定する。
この実施形態によれば、スリーブ30にスタッドボルト50を固着し、ストッパ26をスタッドボルト50によってスリーブ30に固定することで、ストッパ26を高い強度でスリーブ30に固定できる。
この実施形態に係るストッパ26は、周方向に沿って分割された複数の分割片26dで構成される。図4では、ストッパ26は4個の分割片26dで構成されている。複数の分割片26dは壁部12の内周面12aに配置されたとき、各分割片26dの間にクサビ状隙間Cwが形成される。クサビ状隙間Cwは分割片26dの幅方向に沿って徐々に隙間が広がる形状を有し、分割片26dの1辺に最大幅の開口が形成される。
クサビ部材54がクサビ状隙間Cwに挿入され、その挿入量が多くなるほど、クサビ状隙間Cwの面積が広がり、これによって、複数の分割片26dが構成するストッパ26の径は大きくなる。従って、ストッパ26は外側にある壁部12の内周面12aに押し付けられ、該内周面12aに固定される。
長孔68は継ぎ板64の中央部に形成され、長辺が分割片26cの幅方向に沿うように配置されている。これによって、長孔68は、クサビ状隙間Cwへのクサビ部材54の挿入量の違いによって位置が移動するネジ穴60に対して固定ボルト62の位置を調整可能になっている。
この実施形態によれば、壁部12の内周面12aとシール部18との間にスリーブ30を介在させ、複数の分割片26d及びクサビ部材54をスリーブ30の内側面に接して配置することで、複数の分割片26d及びクサビ部材54を安定して壁部12の内周面12aに固定できる。
図8に示すストッパ26は、4個の分割片26eで構成される。
12 壁部
12a 内周面
14 貫通孔
16 挿通部材
16a 外周面
18 シール部
20、20’ シール材
22 伸縮性部材
24 プライマ
26(26A、26B) ストッパ
26(26A) 第1ストッパ
26(26B) 第2ストッパ
26a、26b、26c、26d、26e 分割片
28 対向面
30 スリーブ
32 締付具
32(32a) 固定ボルト
32(32b) 押しボルト
34、44、56、76 ボルト装着部
36、46、58、78 ストッパ形成部
38、75 凹部
40、66 孔
42、60 ネジ穴
48、68 長孔
50 スタッドボルト
52 ナット
54 クサビ部材
62 固定ボルト
64 継ぎ板
70、72 フランジ部
74 ネジ孔
A1、A2 接着面積
Cw クサビ状隙間
F 外力
P 外圧
Rc 曲率半径
S 受圧面積
Claims (13)
- 屋内側と屋外側とに亘って貫通孔が形成された壁部と、
前記屋内側及び前記屋外側に亘って前記貫通孔に挿通される挿通部材と、
前記壁部の内周面と前記挿通部材の外周面との間をシールするシール部材と、
前記シール部材より前記屋内側で前記シール部材に隣接して前記壁部の内周面に固定された第1ストッパと、
前記シール部材より前記屋内側で前記シール部材に隣接して前記挿通部材の外周面に固定された第2ストッパと、
を備え、
前記貫通孔の径方向に沿う面において、前記第1ストッパ及び前記第2ストッパが占めるストッパ配置領域が前記壁部の内周面と前記挿通部材の外周面との半径差の50%以下の領域に収まるように、前記第1ストッパと前記第2ストッパとが前記径方向にて間隔を空けて配置されることを特徴とするシール装置。 - 前記第1ストッパ又は前記第2ストッパは、前記壁部の内周面又は前記挿通部材の外周面の周方向に全周に亘って延在するリング形状を有することを特徴とする請求項1に記載のシール装置。
- 前記第1ストッパ又は前記第2ストッパの前記シール部材に対向する面は、前記貫通孔の内周面又は前記挿通部材の外周面から離れる方向に向かって前記シール部材から離れる方向へ湾曲する面を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載のシール装置。
- 前記第1ストッパ又は前記第2ストッパは、周方向に沿って分割された複数の分割片で構成され、
前記複数の分割片は、前記壁部の内周面又は前記挿通部材の外周面に締付具で固定されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のシール装置。 - 前記締付具はボルト又はホースバンドで構成されることを特徴とする請求項4に記載のシール装置。
- 前記第1ストッパ又は前記第2ストッパは前記壁部の内周面又は前記挿通部材の外周面に溶接されることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のシール装置。
- 前記第1ストッパ又は前記第2ストッパは前記壁部の内周面又は前記挿通部材の外周面に接着されることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のシール装置。
- 前記壁部の内周面と前記シール部材との間に介在するスリーブを備え、
前記第1ストッパは前記スリーブに溶接されることを特徴とする請求項6に記載のシール装置。 - 前記壁部の内周面と前記シール部材との間に介在するスリーブを備え、
前記第1ストッパは前記スリーブに接着されることを特徴とする請求項7に記載のシール装置。 - 前記第1ストッパは、周方向に沿って分割された複数の分割片で構成され、
前記壁部の内周面と前記シール部材との間に介在するスリーブと、
前記スリーブに固着されたスタッドボルトと、
前記スタッドボルトに螺合可能なナットと、
を備え、
前記第1ストッパは、前記スタッドボルトと前記ナットとで前記スリーブに固定されるように構成されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のシール装置。 - 前記第1ストッパは、周方向に沿って分割された複数の分割片で構成されると共に、前記複数の分割片は、前記壁部の内周面に配置されたとき、前記分割片の間にクサビ状の隙間が形成されるように構成され、
前記隙間に圧入するためのクサビ部材を備え、
前記複数の分割片で構成される前記第1ストッパは、前記隙間に挿入される前記クサビ部材によって拡径し、前記壁部の内周面を押圧するように構成されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のシール装置。 - 前記壁部の内周面と前記シール部材との間に介在するスリーブを備え、
前記複数の分割片で構成される前記第1ストッパは、前記隙間に挿入される前記クサビ部材によって拡径し、前記スリーブの内周面を押圧するように構成されることを特徴とする請求項11に記載のシール装置。 - 前記第1ストッパは、周方向に沿って分割された複数の分割片で構成されると共に、前記複数の分割片の各々は、長手方向両端にフランジ部を有し、
前記複数の分割片が前記壁部の内周面に配置されたとき、前記フランジ部は、隣接する前記分割片の前記フランジ部と互いに対向するように配置され、
互いに対向する前記フランジ部の一方に形成されたネジ孔に螺合可能な押しボルトを備え、
前記複数の分割片の各々は、前記ネジ孔に螺合した前記押しボルトによって前記壁部の内周面を押圧するように構成されることを特徴とする請求項5に記載のシール装置。
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