JP6913617B2 - 磁気センサ、計測装置及び磁気センサの製造方法 - Google Patents

磁気センサ、計測装置及び磁気センサの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、磁気センサ、計測装置及び磁気センサの製造方法に関する。
公報記載の従来技術として、非磁性基板上に形成された硬磁性体膜からなる薄膜磁石と、前記薄膜磁石の上を覆う絶縁層と、前記絶縁層上に形成された一軸異方性を付与された一個または複数個の長方形状の軟磁性体膜からなる感磁部と、前記感磁部の複数個の軟磁性体膜を電気的に接続する導体膜を備え、前記感磁部の長手方向において、前記薄膜磁石の両端部は、前記感磁部の両端部の外側に位置し、前記絶縁層は、前記薄膜磁石のそれぞれの端部の上に開口部を有しており、前記絶縁層の上には、前記薄膜磁石と前記感磁部との間に磁路を形成する軟磁性体膜からなるヨーク部が、前記絶縁層の開口部を介して、前記薄膜磁石の端部から、前記感磁部の端部近傍に渡り形成されている磁気インピーダンス効果素子が存在する(特許文献1参照)。
特開2008−249406号公報
ところで、磁気センサは、磁気センサに対向して設けられ、磁気センサに対して相対的に移動する対向部材と組み合わされて、対向部材の相対的な移動量から位置や角度などの計測に用いられる場合がある。このような場合に、磁気インピーダンス効果(magneto-impedance effect)を用いたセンサを用いると、ホール効果(Hall effect)や磁気抵抗効果(magneto-resistive effect)を用いたセンサなどに比べ、高感度に対向部材の相対的な移動量が計測できる。
本発明は、薄膜磁石が対向部材との磁気回路に含まれない場合に比べ、相対的に移動する対向部材の移動量が計測しやすい磁気インピーダンス効果を用いた磁気センサなどを提供する。
本発明が適用される磁気センサは、硬磁性体層で構成され、面内方向に磁気異方性を有する薄膜磁石と、硬磁性体層に積層して設けられた軟磁性体層で構成され、長手方向と短手方向とを有し、長手方向が薄膜磁石の発生する磁界の方向に向くとともに、長手方向と交差する方向に一軸磁気異方性を有し、磁気インピーダンス効果により磁界を感受する感受素子を備える感受部と、を備え、薄膜磁石と感受素子とは、薄膜磁石の一方の磁極に対向して、外部に設けられる対向部材と磁気回路を構成するように設けられていることを特徴とする。
このような磁気センサにおいて、薄膜磁石は、対向部材に対向する磁極が、対向部材に対して磁気的に露出していることを特徴とすることができる。
このようにすることで、磁気センサの薄膜磁石と感受素子と対向部材とで容易に磁気回路が構成できる。
また、このような磁気センサにおいて、感受部の感受素子は、Ru又はRu合金から構成される反磁界抑制層を挟んで反強磁性結合した複数の軟磁性体層から構成されることを特徴とすることができる。
このようにすることで、感受素子の感度が向上する。
また、他の観点から捉えると、本発明が適用される計測装置は、硬磁性体層で構成され、面内方向に磁気異方性を有する薄膜磁石と、硬磁性体層に積層して設けられた軟磁性体層で構成され、長手方向と短手方向とを有し、長手方向が薄膜磁石の発生する磁界の方向に向くとともに、長手方向と交差する方向に一軸磁気異方性を有し、磁気インピーダンス効果により磁界を感受する感受素子を備える感受部と、を備えた磁気センサと、磁気センサの薄膜磁石の一方の磁極に対向して設けられ、薄膜磁石及び感受素子との間で磁気回路を構成する、対向部材と、を備え、対向部材の磁気センサに対する相対的な移動により発生する磁界の変化を感受素子により計測することを特徴とする。
さらに、他の観点から捉えると、本発明が適用される磁気センサの製造方法は、非磁性の基板上に、磁気異方性が面内方向に制御された薄膜磁石を構成する硬磁性体層を形成する硬磁性体層形成工程と、硬磁性体層に軟磁性体層を積層して、薄膜磁石の発生する磁界の方向と交差する方向に一軸磁気異方性を有し、磁気インピーダンス効果により磁界を感受する感受素子を含む感受部を形成する感受部形成工程と、薄膜磁石の一方の磁極に対向するように外部に設けられる対向部材に対して、薄膜磁石の一方の磁極が対向部材に対して磁気的に露出するように硬磁性体層を薄膜磁石に加工する薄膜磁石加工工程とを含む。
このような磁気センサの製造方法において、非磁性の基板と硬磁性体層との間に、硬磁性体層の磁気異方性を面内方向に制御する制御層を形成する制御層形成工程を含むことを特徴とすることができる。
このようにすることで、硬磁性体層の面内異方性の制御が容易になる。
本発明によれば、薄膜磁石が対向部材との磁気回路に含まれない場合に比べ、相対的に移動する対向部材の移動量が計測しやすい磁気インピーダンス効果を用いた磁気センサなどが提供できる。
第1の実施の形態が適用される計測装置の一例が用いられる自動車エンジンを説明する図である。 第1の実施の形態が適用される計測装置に用いられる磁気センサの一例を説明する図である。(a)は、平面図、(b)は、(a)のIIB−IIB線での断面図である。 磁気センサの感受部における感受素子の長手方向に印加された磁界と感受部のインピーダンスとの関係を説明する図である。 計測装置による角度の計測方法を説明する図である。(a)は、計測装置における歯車と磁気センサとの関係を示す図、(b)は、磁気センサにおける感受部のインピーダンスの時間変化である。 磁気センサの製造方法の一例を説明する図である。(a)〜(e)は、磁気センサの製造方法における工程を示す。 変形例である磁気センサの一例を説明する図である。(a)は、平面図、(b)は、(a)のVIB−VIB線での断面図である。 変形例である他の磁気センサの一例を説明する図である。(a)は、平面図、(b)は、(a)のVIIB−VIIB線での断面図である。 変形例であるさらに他の磁気センサの一例を説明する図である。(a)は、平面図、(b)は、(a)のVIIIB−VIIIB線での断面図である。 変形例であるさらに他の磁気センサの製造方法の一例を説明する図である。(a)〜(g)は、磁気センサの製造方法における工程を示す。 第2の実施の形態が適用される計測装置の一例を用いたXYステージを説明する図である。(a)は、平面図、(b)は、側面図である。 第2の実施の形態が適用される計測装置による位置の計測方法を説明する図である。
本明細書で説明する磁気センサは、いわゆる磁気インピーダンス効果を用いたものである。磁気インピーダンス効果を用いた磁気センサは、ホール効果や磁気抵抗効果を用いたセンサに比べ、高感度である。よって、磁気センサに磁気インピーダンス効果を用いることにより、計測の精度を向上させやすい。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態が適用される計測装置200の一例が用いられる自動車エンジン500を説明する図である。ここで示す計測装置200は、角度を計測する。ここでは、角度を計測する例として、自動車エンジン500のクランク角を計測する場合を説明する。
自動車エンジン500は、ピストン510、及びピストン510が内部を往復運動するシリンダ520を備える。ピストン510とシリンダ520とで囲まれた空間は、燃焼空間530を構成する。また、自動車エンジン500は、燃焼空間530内に燃料を含むガスを吸気する吸気バルブ540、燃焼したガスを排気する排気バルブ550、及び、燃料に点火する点火プラグ560を備える。つまり、吸気バルブ540、排気バルブ550、点火プラグ560は、シリンダ520の燃焼空間530を構成する部分に設けられている。
そして、自動車エンジン500は、ピストン510に接続され、ピストン510の往復運動を回転運動に変換するコンロッド(コネクティングロッド)570を備える。さらに、自動車エンジン500は、コンロッド570が接続され、ピストン510の往復運動に伴って回転するクランク(クランクシャフト)580を備える。
クランク580は、クランク580の回転軸を横方向から見た場合、コの字状に飛び出した部分を有している。そして、コの字状に飛び出した部分に、コンロッド570が回転自在に接続されている。なお、自動車エンジン500が複数のピストン510を有する場合、回転軸に沿ってピストン510の数に応じたコの字状に飛び出した部分が複数設けられる。なお、これらのコの字状に飛び出した部分は、回転軸の周りにピストン510の数に応じて設定された角度で配置されている。
計測装置200は、自動車エンジン500におけるクランク580の角度(回転角)を計測する。計測装置200は、クランク580に接続されクランク580の回転に伴って回転する円盤状の歯車(ギア)210及び歯車210の外周に近接して設けられた磁気センサ1を備える。歯車210には、外周に沿って外側に突起する歯211が定められた間隔で設けられている。なお、歯車210の外周の一部は、歯211が設けられていない欠歯部210bとなっている。なお、歯車210の外周の歯211が設けられた部分は、歯部210aである。なお、歯車210は、対向部材の一例である。
そして、自動車エンジン500は、計測装置200によって計測されたクランク580の回転角に基づいて、吸気バルブ540、排気バルブ550を開閉するタイミングや、点火プラグ560を点火するタイミングを制御する制御部590を備える。
まず、自動車エンジン500の動作の概要を説明する。
図1において、ピストン510が図1において最上部にあるとする。つまり、ピストン510とシリンダ520とが作る燃焼空間530が、最も狭い(体積が小さい)状態にある。制御部590は、計測装置200の計測したクランク580の回転角から、ピストン510が最上部にあることを検知する。すると、制御部590は、吸気バルブ540を開にする。次に、ピストン510が下降するにしたがい燃料を含んだガスが吸気バルブ540を介して燃焼空間530に吸引される。次に、制御部590は、ピストン510が最下部に下降したことを、計測装置200の計測したクランク580の回転角から検知する。すると、制御部590は、吸気バルブ540を閉にする。
次に、ピストン510が最上部に向かって上昇すると、燃焼空間530に吸引された燃料を含むガスが圧縮される。制御部590は、ピストン510が最上部に到達したことを計測装置200の計測したクランク580の回転角から検知する。すると、制御部590は、点火プラグ560に点火して(点火プラグ560をスパークさせて)、圧縮されたガスの燃料に点火し、燃料を燃焼させる。これにより、ピストン510が下方に押される。そして、制御部590は、ピストン510が最下部に到達したことを計測装置200の計測したクランク580の回転角から検知する。すると、制御部590は、排気バルブ550を開にする。
次に、ピストン510が最上部に向かって上昇すると、燃焼空間530内の燃焼済の燃料を含むガスが排気バルブ550を介して排気される。制御部590は、ピストン510が最上部に到達したことを計測装置200が計測したクランク580の回転角から検知する。すると、制御部590は、排気バルブ550を閉にするとともに、再び吸気バルブ540を開にする。
そして、上記の一連の動作が繰り返される。
以上説明したように、自動車エンジン500では、制御部590は、計測装置200の計測したクランク580の回転角に基づいて、吸気バルブ540及び排気バルブ550を開閉するタイミング、点火プラグ560を点火するタイミングを制御する。なお、上記では、ピストン510が最上部に到達したタイミング又は最下部に到達したタイミングにおいて、吸気バルブ540又は排気バルブ550を開閉し又は点火プラグ560に点火するとして説明したが、これらは一例であって、これらからずれたタイミングなど他のタイミングであってもよい。
(磁気センサ1)
次に、クランク580の回転角を計測する計測装置200を説明する。
図2は、第1の実施の形態が適用される計測装置200に用いられる磁気センサ1の一例を説明する図である。図2(a)は、平面図、図2(b)は、図2(a)のIIB−IIB線での断面図である。
図2(b)に示すように、第1の実施の形態が適用される磁気センサ1は、非磁性の基板10上に設けられた硬磁性体(硬磁性体層103)で構成された薄膜磁石20と、薄膜磁石20に対向して積層され、軟磁性体(軟磁性体層105)で構成されて磁場を感受する感受部30とを備える。なお、磁気センサ1の断面構造については、後に詳述する。
ここで硬磁性体とは、外部磁界によって磁化されると、外部磁界を取り除いても磁化された状態が保持される、いわゆる保磁力の大きい材料である。一方、軟磁性体とは、外部磁界によって容易に磁化されるが、外部磁界を取り除くと速やかに磁化がないか又は磁化が小さい状態に戻る、いわゆる保磁力の小さい材料である。
なお、本明細書においては、磁気センサ1を構成する要素(薄膜磁石20など)を二桁の数字で表し、要素に加工される層(硬磁性体層103など)を100番台の数字で表す。そして、要素の数字に対して、要素に加工される層の番号を( )内に表記する。例えば薄膜磁石20の場合、薄膜磁石20(硬磁性体層103)と表記する。図においては、20(103)と表記する。他の場合も同様である。
図2(a)により、磁気センサ1の平面構造を説明する。磁気センサ1は、一例として四角形の平面形状を有する。ここでは、磁気センサ1の最上部に形成された感受部30及びヨーク40を説明する。感受部30は、平面形状が長手方向と短手方向とを有する短冊状である複数の感受素子31と、隣接する感受素子31をつづら折りに直列接続する接続部32と、電流供給のための電線が接続される端子部33とを備える。ここでは、4個の感受素子31が、長手方向が並列するように配置されている。感受素子31が、磁気インピーダンス効果素子である。
感受素子31は、例えば長手方向の長さが約1mm、短手方向の幅が数10μm、厚さ(軟磁性体層105の厚さ)が0.5μm〜5μmである。感受素子31間の間隔は、50μm〜100μmである。
接続部32は、隣接する感受素子31の端部間に設けられ、隣接する感受素子31をつづら折りに直列接続する。図2(a)に示す磁気センサ1では、4個の感受素子31が並列に配置されているため、接続部32は3個ある。感受素子31の数は、感受(計測)したい磁界の大きさや後述する感受部30のインピーダンスZなどによって設定される。よって、感受素子31が2個であれば、接続部32は1個である。また、感受素子31が1個であれば、接続部32を備えない。なお、接続部32の幅は、感受部30に流す電流によって設定すればよい。例えば、接続部32の幅は、感受素子31と同じであってもよい。
端子部33は、接続部32で接続されていない感受素子31の端部(2個)にそれぞれ設けられている。端子部33は、感受素子31から引き出す引き出し部と、電流を供給する電線を接続するパッド部とを備える。引き出し部は、2個のパッド部を感受素子31の短手方向に設けるために設けられている。引き出し部を設けずパッド部を感受素子31に連続するように設けてもよい。パッド部は、電線を接続しうる大きさであればよい。なお、感受素子31が4個であるため、2個の端子部33は図2(a)において左側に設けられている。感受素子31の数が奇数の場合には、2個の端子部33を左右に分けて設ければよい。
そして、感受部30の感受素子31、接続部32及び端子部33は、1層の軟磁性体層105で一体に構成されている。軟磁性体層105は、導電性であるので、一方の端子部33から他方の端子部33に、電流を流すことができる。
なお、感受素子31の長さ及び幅、並列させる個数など上記した数値は一例であって、感受(計測)する磁界の値や用いる軟磁性体材料などによって変更してもよい。
さらに、磁気センサ1は、感受素子31の長手方向の端部に対向して設けられたヨーク40を備える。ここでは、感受素子31の長手方向の両端部に対向してそれぞれが設けられた2個のヨーク40a、40bを備える。なお、ヨーク40a、40bをそれぞれ区別しない場合は、ヨーク40と表記する。ヨーク40は、感受素子31の長手方向の端部に磁力線を誘導する。このため、ヨーク40は、磁力線が透過しやすい軟磁性体(軟磁性体層105)で構成されている。つまり、感受部30及びヨーク40は、一層の軟磁性体層105により形成されている。なお、感受素子31の長手方向に磁力線が十分透過する場合には、ヨーク40を備えなくてもよい。
以上のことから、磁気センサ1の大きさは、平面形状において数mm角である。なお、磁気センサ1の大きさは、他の値であってもよい。
次に、図2(b)により、磁気センサ1の断面構造を詳述する。磁気センサ1は、非磁性の基板10上に、密着層101、制御層102、硬磁性体層103(薄膜磁石20)、絶縁層104及び軟磁性体層105(感受部30、ヨーク40)がこの順に配置(積層)されて構成されている。
基板10は、非磁性体からなる基板であって、例えばガラス、サファイアといった酸化物基板やシリコン等の半導体基板が挙げられる。
密着層101は、基板10に対する制御層102の密着性を向上させるための層である。密着層101としては、Cr又はNiを含む合金を用いるのがよい。Cr又はNiを含む合金としては、CrTi、CrTa、NiTa等が挙げられる。密着層101の厚さは、例えば5nm〜50nmである。なお、基板10に対する制御層102の密着性に問題がなければ、密着層101を設けることを要しない。なお、本明細書においては、Cr又はNiを含む合金の組成比を示さない。以下同様である。
制御層102は、硬磁性体層103で構成される薄膜磁石20の磁気異方性が膜の面内方向に発現しやすいように制御する層である。制御層102としては、Cr、Mo若しくはW又はそれらを含む合金(以下では、制御層102を構成するCr等を含む合金と表記する。)を用いるのがよい。制御層102を構成するCr等を含む合金としては、CrTi、CrMo、CrV、CrW等が挙げられる。制御層102の厚さは、例えば5nm〜100nmである。
薄膜磁石20を構成する硬磁性体層103は、Coを主成分とし、Cr又はPtのいずれか一方又は両方を含む合金(以下では、薄膜磁石20を構成するCo合金と表記する。)を用いることがよい。薄膜磁石20を構成するCo合金としては、CoCrPt、CoCrTa、CoNiCr、CoCrPtB等が挙げられる。なお、Feが含まれていてもよい。硬磁性体層103の厚さは、例えば50nm〜500nmである。
制御層102を構成するCr等を含む合金は、bcc(body-centered cubic(体心立方格子))構造を有する。よって、薄膜磁石20を構成する硬磁性体(硬磁性体層103)は、bcc構造のCr等を含む合金で構成された制御層102上において結晶成長しやすいhcp(hexagonal close-packed(六方最密充填))構造であるとよい。bcc構造上にhcp構造の硬磁性体層103を結晶成長させると、hcp構造のc軸が面内に向くように配向しやすい。よって、硬磁性体層103によって構成される薄膜磁石20が面内方向に磁気異方性を有するようになりやすい。なお、硬磁性体層103は、多結晶であって、各結晶が面内方向に磁気異方性を有する。よって、この磁気異方性は、結晶磁気異方性と呼ばれることがある。
なお、制御層102を構成するCr等を含む合金及び薄膜磁石20を構成するCo合金の結晶成長を促進するために、基板10を100℃〜600℃に加熱するとよい。この加熱により、制御層102を構成するCr等を含む合金が結晶成長しやすくなり、hcp構造を持つ硬磁性体層103が面内に磁化容易軸を持つように結晶配向されやすくなる。つまり、硬磁性体層103の面内に磁気異方性が付与されやすくなる。
絶縁層104は、非磁性の絶縁体で構成され、薄膜磁石20と感受部30との間を電気的に絶縁する。絶縁層104を構成する絶縁体としては、SiO、Al等の酸化物、又は、Si、AlN等の窒化物等が挙げられる。絶縁層104の厚さは、例えば100nm〜500nmである。
感受部30における感受素子31は、長手方向に交差する方向、例えば直交する短手方向(幅方向)に一軸磁気異方性が付与されている。感受素子31を構成する軟磁性体(軟磁性体層105)としては、Coを主成分にした合金に高融点金属Nb、Ta、W等を添加したアモルファス合金(以下では、感受素子31を構成するCo合金と表記する。)を用いるのがよい。感受素子31を構成するCo合金としては、CoNbZr、CoFeTa、CoWZr等が挙げられる。感受素子31を構成する軟磁性体(軟磁性体層105)の厚さは、例えば0.5μm〜5μmである。
なお、長手方向に交差する方向とは、長手方向に対して45°を超えた角度を有すればよい。
密着層101、制御層102、硬磁性体層103(薄膜磁石20)及び絶縁層104は、平面形状が四角形(図2(a)参照)になるように加工されている。そして、露出した側面の内、対向する二つの側面において、薄膜磁石20がN極(図2(b)における(N))及びS極(図2(b)における(S))となっている。なお、薄膜磁石20のN極とS極とを結ぶ線が、感受部30の感受素子31の長手方向に向くようになっている。なお、長手方向に向くとは、N極とS極とを結ぶ線と長手方向とのなす角度が45°未満であることをいう。なお、N極とS極とを結ぶ線と長手方向とのなす角度は、小さいほどよい。
図2(b)に矢印で示すように、磁気センサ1において、薄膜磁石20のN極から出た磁力線は、一旦外部に出る。そして、一部の磁力線が、ヨーク40aを介して感受素子31を透過し、ヨーク40bを介して再び外部に出る。そして、感受素子31を透過した磁力線が透過しない磁力線とともに薄膜磁石20のS極に戻る。つまり、薄膜磁石20は、感受素子31の長手方向に磁界を印加する。
なお、薄膜磁石20のN極とS極とをまとめて両磁極と表記し、N極とS極とを区別しない場合は磁極と表記する。
なお、図2(a)に示すように、ヨーク40(ヨーク40a、40b)は、基板10の表面側から見た形状が、感受部30に近づくにつれて狭くなっていくように構成されている。これは、感受部30に磁界を集中させる(磁力線を集める)ためである。つまり、感受部30における磁界を強くして感度のさらなる向上を図っている。なお、ヨーク40(ヨーク40a、40b)の感受部30に対向する部分の幅を狭くしなくてもよい。
ここで、ヨーク40(ヨーク40a、40b)と感受部30との間隔は、例えば1μm〜100μmであればよい。
図3は、磁気センサ1の感受部30における感受素子31の長手方向に印加された磁界と感受部30のインピーダンスとの関係を説明する図である。図3において、横軸が磁界H、縦軸がインピーダンスZである。感受部30のインピーダンスZは、2個の端子部33間に電流を流して測定される。高周波電流で測定すると表皮効果によって、磁界Hの変化ΔHによるインピーダンスZの変化ΔZが大きくなる。
図3に示すように、感受部30のインピーダンスZは、感受素子31の長手方向に印加する磁界Hが大きくなるにしたがい大きくなる。しかし、印加する磁界Hが感受素子31の異方性磁界Hkに達すると、インピーダンスZは最大値(ピーク)に至る。さらに印加する磁界Hが大きくなると、インピーダンスZは逆に小さくなる。よって、印加する磁界Hが異方性磁界Hkより小さい範囲において、磁界Hの変化ΔHに対してインピーダンスZの変化ΔZが急峻な部分(ΔZ/ΔHが大きい)を用いれば、磁界Hの微弱な変化をインピーダンスZの変化ΔZとして取り出すことができる。図3では、ΔZ/ΔHが大きい磁界Hの中心を磁界Hbとして示している。つまり、磁界Hbの近傍(図3で矢印で示す範囲)における磁界Hの変化(ΔH)が高精度に測定できる。磁界Hbは、バイアス磁界と呼ばれることがある。
次に、計測装置200における角度の計測方法を説明する。
図4は、計測装置200による角度の計測方法を説明する図である。図4(a)は、計測装置200における歯車210と磁気センサ1との関係を示す図、図4(b)は、磁気センサ1における感受部30のインピーダンスZの時間変化である。図4(a)において、歯車210の二つの状態が実線と破線とで記載されている。図4(b)において、縦軸がインピーダンスZ、横軸が時間tである。
図4(a)に示すように、計測装置200において、磁気センサ1は、歯車210の外周部に対向して配置されている。つまり、磁気センサ1は、薄膜磁石20の一方の磁極、ここではN極が歯車210の外周部に対向するように配置されている。そして、歯車210は、磁力線が透過しやすい磁性体(例えば軟磁性体)で構成されている。よって、磁気センサ1における薄膜磁石20と感受部30(感受素子31)と歯車210とが、磁気回路を構成する。つまり、磁気センサ1における薄膜磁石20のN極から出た磁力線は、歯車210及び感受部30の感受素子31を経由して、薄膜磁石20のS極に戻る。そして、実線で示したように、薄膜磁石20のN極が歯車210の歯211(山)に近接する場合と、破線で示したように、薄膜磁石20のN極が歯車210の歯211の間(谷)に近接する場合とで、薄膜磁石20のN極と歯車210との距離(ギャップ)が異なる。これにより、上記の二つの場合で、感受部30に印加される磁界Hが異なることになり、感受部30のインピーダンスZが変化する。
すなわち、薄膜磁石20のN極が歯車210の歯211(山)に近接すると、薄膜磁石20からの磁力線が歯211(山)に向かって延びやすくなる(吸われる)ので、感受部30に戻る磁力線が少なくなる。このため、感受部30に印加される磁界が小さくなり、感受部30のインピーダンスZが小さくなる。
逆に、薄膜磁石20のN極が歯車210の歯211の間(谷)に近接すると、薄膜磁石20からの磁力線が歯車210に向かって延びにくくなる(吸われにくい)ので、感受部30に戻る磁力線が多くなる。このため、感受部30に印加される磁界が大きくなり、感受部30のインピーダンスZが大きくなる。
よって、図4(b)に示すように、クランク580の回転に伴って歯車210が回転すると、インピーダンスZが、時間tに対してパルス(矩形波)状に変化する。そして、歯車210の欠歯部210bでは、歯211の間(谷)に近接する場合と同様に、インピーダンスZが大きい状態となる。よって、磁気センサ1が欠歯部210bに近接する場合は、歯211の間(谷)に近接する場合に比べ、インピーダンスZが大きい状態が継続する。そこで、この欠歯部210bを基準として、インピーダンスZのパルスをカウントすることにより、クランク580の角度(回転角)が計測される。
以上説明したように、計測装置200は、磁気センサ1に磁性体で形成された歯車210の歯211(山)と歯211の間(谷)とを交互に近接させることにより、薄膜磁石20によって感受部30に印加される磁界Hを変調させている。よって、磁気センサ1により角度(回転角)が計測される。ここでは、一例として自動車エンジン500のクランク580の角度(回転角)を計測したが、計測装置200を他の角度(回転角)の計測に用いてもよい。
このような計測装置200に用いるため、磁気センサ1は、図2(b)に示したように、薄膜磁石20の一方の磁極(N極又はS極)から歯車210に向けて磁力線が延び易いように、薄膜磁石20の磁極を磁気的に露出させている。ここで、磁気的に露出させているとは、薄膜磁石20の磁極が、磁極からの磁力線を終端するような磁性体で覆われていないことをいう。つまり、薄膜磁石20を構成する硬磁性体層103の磁極となる側面が露出されている。このことを、磁極が開放されていると表現することがある。なお、硬磁性体層103の側面は、磁気的に露出していればよく、汚染や腐食などから薄膜磁石20を保護するための非磁性の材料で覆われていてもよい。
なお、磁気インピーダンス効果を用いた磁気センサとして、薄膜磁石20を感受部30と一体に構成しない場合がある。この場合、磁気センサと対向部材(ここでは、歯車210)とで磁気回路を構成するために、磁石を別途設けることが必要となる。これに対して、磁気センサ1では、薄膜磁石20を一体に構成しているので小型化が図れる。
また、一体化した薄膜磁石20を感受部30の感受素子31にバイアス磁界(図3における磁界Hbに相当する磁界)を印加することに用いるように構成した磁気センサがある。この磁気センサでは、図2(b)に示したヨーク40a、40bの感受部30と対向しないそれぞれの部分(外側の部分)を、薄膜磁石20の極(N極、S極)まで延ばして構成している。この場合、薄膜磁石20の一方の極からの磁力線は、感受部30を透過して他方の極に到達する。つまり、薄膜磁石20は、一定の磁界を感受部30に印加する。このため、この磁気センサと対向部材(ここでは、歯車210)とで磁気回路を構成するために、磁石を別途設けることが必要になる。これに対して、磁気センサ1では、薄膜磁石20を感受部30にバイアス磁界を与えるとともに、対向部材との磁気回路の構成に用いている。よって、磁気センサ1では、計測装置200に用いる部材が少なくなり、計測装置200が小型化される。そして、計測装置200において、磁気センサ1と対向部材との位置の設定など、組み立てが容易になる。
(磁気センサ1の製造方法)
次に磁気センサ1の製造方法の一例を説明する。
図5は、磁気センサ1の製造方法の一例を説明する図である。図5(a)〜(e)は、磁気センサ1の製造方法における工程を示す。なお、図5(a)〜(e)は、代表的な工程であって、他の工程を含んでもよい。そして、工程は、図5(a)〜(e)の順に進む。図5(a)〜(e)は、図2(b)に示した図2(a)のIIB−IIB線での断面図に対応する。
基板10は、前述したように、非磁性材料からなる基板であって、例えばガラス、サファイアといった酸化物基板やシリコン等の半導体基板である。基板10には、研磨機などを用いて、例えば曲率半径Raが0.1nm〜100nmの筋状の溝又は筋状の凹凸が設けられていてもよい。なお、この筋状の溝又は筋状の凹凸の筋の方向は、硬磁性体層103によって構成される薄膜磁石20のN極とS極とを結ぶ方向に設けられているとよい。このようにすることで、硬磁性体層103における結晶成長が、溝の方向へ促進される。よって、硬磁性体層103により構成される薄膜磁石20の磁化容易軸がより溝方向(薄膜磁石20のN極とS極とを結ぶ方向)に向きやすい。つまり、薄膜磁石20の着磁をより容易にする。
ここでは、基板10は、一例として直径約95mm、厚さ約0.5mmのガラスとして説明する。磁気センサ1の平面形状が数mm角である場合、基板10上には、複数の磁気センサ1が一括して製造され、後に個々の磁気センサ1に分割(切断)される。図5(a)〜(e)では、中央に表記する一個の磁気センサ1に着目するが、左右に隣接する磁気センサ1の一部を合わせて示す。なお、隣接する磁気センサ1間の境界を一点鎖線で示す。
図5(a)に示すように、基板10を洗浄した後、基板10の一方の面(以下、表面と表記する。)上に、密着層101、制御層102、硬磁性体層103及び絶縁層104を順に成膜(堆積)して、積層体を形成する。なお、基板10上に密着層101、制御層102、硬磁性体層103及び絶縁層104が積層された積層体を形成する工程を、積層体形成工程と呼ぶ。また、制御層102を形成する工程を、制御層形成工程と呼び、硬磁性体層103を形成する工程を硬磁性体層形成工程と呼ぶ。
まず、Cr又はNiを含む合金である密着層101、Cr等を含む合金である制御層102、及び、薄膜磁石20を構成するCo合金である硬磁性体層103を順に連続して成膜(堆積)する。この成膜は、スパッタリング法などにより行える。それぞれの材料で形成された複数のターゲットに順に対面するように、基板10を移動させることで密着層101、制御層102及び硬磁性体層103が基板10上に順に積層される。前述したように、制御層102及び硬磁性体層103の形成では、結晶成長を促進するために、基板10を例えば100℃〜600℃に加熱するとよい。
なお、密着層101の成膜では、基板10の加熱を行ってもよく、行わなくてもよい。基板10の表面に吸着している水分などを除去するために、密着層101を成膜する前に、基板10を加熱してもよい。
次に、SiO、Al等の酸化物、又は、Si、AlN等の窒化物等である絶縁層104を成膜(堆積)する。絶縁層104の成膜は、プラズマCVD法、反応性スパッタリング法などにより行える。
そして、図5(b)に示すように、感受部30が形成される部分及びヨーク40(ヨーク40a、40b)が形成される部分を開口とするフォトレジストによるパターン(レジストパターン)111を、公知のフォトリソグラフィ技術により形成する。
そして、図5(c)に示すように、感受素子31を構成するCo合金である軟磁性体層105を成膜(堆積)する。軟磁性体層105の成膜は、例えばスパッタリング法を用いて行える。この軟磁性体層105を形成する工程を、軟磁性体層形成工程と呼ぶ。
図5(d)に示すように、レジストパターン111を除去するとともに、レジストパターン111上の軟磁性体層105を除去(リフトオフ)する。これにより、軟磁性体層105による感受部30及びヨーク40(ヨーク40a、40b)が形成される。つまり、感受部30とヨーク40とが、1回の軟磁性体層105の成膜で形成される。この感受部30を形成する工程を、感受部形成工程と呼ぶ。なお、感受部形成工程には、軟磁性体層形成工程又は/及びヨーク40を形成する工程が含まれてもよい。
この後、軟磁性体層105には、感受部30における感受素子31の幅方向に一軸磁気異方性を付与する。この軟磁性体層105への一軸磁気異方性の付与は、例えば3kG(0.3T)の回転磁場中における400℃での熱処理(回転磁場中熱処理)と、それに引き続く3kG(0.3T)の静磁場中における400℃での熱処理(静磁場中熱処理)とで行える。この時、ヨーク40を構成する軟磁性体層105にも同様の一軸磁気異方性が付与される。しかし、ヨーク40は、磁気回路としての役割を果たせばよく、一軸磁気異方性が付与されてもよい。
次に、薄膜磁石20を構成する硬磁性体層103を着磁する。硬磁性体層103に対する着磁は、静磁場中又はパルス状の磁場中において、硬磁性体層103の保磁力より大きい磁界を、硬磁性体層103の磁化が飽和するまで印加することで行える。
この後、図5(e)に示すように、基板10上に形成された複数の磁気センサ1を個々の磁気センサ1に分割(切断)する。つまり、図2(a)の平面図に示したように、平面形状が四角形になるように、基板10、密着層101、制御層102、硬磁性体層103、絶縁層104及び軟磁性体層105を切断する。すると、分割(切断)された硬磁性体層103の側面に薄膜磁石20の磁極(N極及びS極)が露出する。こうして、着磁された硬磁性体層103は、薄膜磁石20になる。この分割(切断)は、ダイシング法やレーザカッティング法などにより行える。この磁気センサ1を分割(切断)する工程を、分割工程と呼ぶ。なお、硬磁性体層103を加工して、磁極が露出した薄膜磁石20を形成する工程であることから、薄膜磁石形成工程と呼ぶことがある。
なお、図5(e)の分割工程の前に、基板10上において隣接する磁気センサ1の間の密着層101、制御層102、硬磁性体層103、絶縁層104及び軟磁性体層105を、平面形状が四角形(図2(a)に示した磁気センサ1の平面形状)になるようにエッチング除去してもよい。そして、露出した基板10を分割(切断)してもよい。
また、図5(a)の積層体形成工程の後に、密着層101、制御層102、硬磁性体層103、絶縁層104を、平面形状が四角形(図2(a)に示した磁気センサ1の平面形状)になるように加工してもよい。
なお、図5(a)〜(e)に示した製造方法は、これらの製造方法に比べ、工程が簡略化される。
このようにして、磁気センサ1が製造される。なお、軟磁性体層105への一軸異方性の付与及び/又は薄膜磁石20の着磁は、図5(e)の分割(切断)工程の後に、磁気センサ1毎又は複数の磁気センサ1に対して行ってもよい。
なお、制御層102を備えない場合には、硬磁性体層103を成膜後、800℃以上に加熱して結晶成長させることで、面内に磁気異方性を付与することが必要となる。しかし、第1の実施の形態が適用される磁気センサ1のように、制御層102を備える場合には、制御層102により結晶成長が促進されるため、800℃以上のような高温による結晶成長を要しない。
また、感受部30の感受素子31への一軸異方性の付与は、上記の回転磁場中熱処理及び静磁場中熱処理で行う代わりに、感受素子31を構成するCo合金である軟磁性体層105の堆積時にマグネトロンスパッタリング法を用いて行ってもよい。マグネトロンスパッタリング法では、磁石(マグネット)を用いて磁界を形成し、放電によって発生した電子をターゲットの表面に閉じ込める(集中させる)。これにより、電子とガスとの衝突確率を増加させてガスの電離を促進し、膜の堆積速度(成膜速度)を向上させる。このマグネトロンスパッタリング法に用いられる磁石(マグネット)が形成する磁界により、軟磁性体層105の堆積と同時に、軟磁性体層105に一軸異方性が付与される。このようにすることで、回転磁場中熱処理及び静磁場中熱処理で行う一軸異方性を付与する工程が省略できる。
次に磁気センサ1の変形例を説明する。
(磁気センサ2)
図2(a)、(b)に示した磁気センサ1では、感受部30は、一層の軟磁性体層105で構成されていた。磁気センサ1の変形例である磁気センサ2では、感受部30が、反磁界抑制層を挟んで設けられた二つの軟磁性体層で構成されている。
図6は、変形例である磁気センサ2の一例を説明する図である。図6(a)は、平面図、図6(b)は、図6(a)のVIB−VIB線での断面図である。以下では、磁気センサ1と異なる部分を主に説明し、同様の部分は同じ符号を付して説明を省略する。
図6(b)に示すように、磁気センサ2では、磁性体層106は、下層(基板10)側の下層軟磁性体層106aと反磁界抑制層106bと上層(基板10と反対)側の上層軟磁性体層106cとを備える。つまり、下層軟磁性体層106aと上層軟磁性体層106cとが、反磁界抑制層106bを挟んで設けられている。
下層軟磁性体層106aと上層軟磁性体層106cには、磁気センサ1における軟磁性体層105と同様に、感受素子31を構成するCo合金を用いうる。反磁界抑制層106bには、Ru又はRu合金が用いうる。
ここで、Ru又はRu合金の反磁界抑制層106bの膜厚を0.4nm〜1.0nm又は1.6nm〜2.6nmの範囲とすることで、下層軟磁性体層106aと上層軟磁性体層106cとが反強磁性結合(AFC:Antiferromagnetically Coupled)構造となる。つまり、反磁界が抑制され、感受素子31の感度が向上する。
磁気センサ2は、図5(c)における軟磁性体層形成工程において、軟磁性体層105を成膜(堆積)する代わりに、磁性体層106を成膜(堆積)すればよい。つまり、軟磁性体層105の代わりに、下層軟磁性体層106a、反磁界抑制層106b、上層軟磁性体層106cをこの順に連続して成膜(堆積)すればよい。これらの成膜(堆積)は、スパッタリング法により行える。
(磁気センサ3)
図2(a)、(b)に示した磁気センサ1では、感受部30の接続部32、端子部33は、感受素子31と同じ軟磁性体層105で構成されていた。磁気センサ1の変形例である磁気センサ3では、磁気センサ1の接続部32、端子部33が、非磁性の導電性材料(導電体層)で構成されている。
図7は、変形例である他の磁気センサ3の一例を説明する図である。図7(a)は、平面図、図7(b)は、図7(a)のVIIB−VIIB線での断面図である。以下では、磁気センサ1と異なる部分を主に説明し、同様の部分は同じ符号を付して説明を省略する。
図7(a)に示すように、磁気センサ3の感受部30は、接続部32の代わりに非磁性の導電体層107で構成された接続導電体部52、端子部33の代わりに同じく非磁性の導電体層107で構成された端子導電体部53を備える。
接続導電体部52及び端子導電体部53を構成する非磁性の導電体層107は、導電性に優れた材料であればよく、例えばCu、Au、Al等が用いうる。
図2(a)、(b)に示した磁気センサ1は、接続部32及び端子部33が軟磁性体層105で構成されているために、接続部32及び端子部33においても磁気インピーダンス効果が生じる。しかし、磁気センサ3は、非磁性の導電体層107で構成された接続導電体部52及び端子導電体部53を用いているので、感受素子31のみの磁気インピーダンス効果で磁界が検出される。よって、検出したい磁界の方向の磁気インピーダンス効果のみが引き出されるため、検出感度が向上する。
また、端子導電体部53を用いることで、感受部30に電流を供給する電線が接続しやすくなる。
接続導電体部52及び端子導電体部53を構成する非磁性の導電体層107の成膜(堆積)は、例えば、メタルマスクを用いたスパッタリング法、真空蒸着法などにより行える。つまり、図5(d)の感受部形成工程の後に、接続導電体部52及び端子導電体部53の領域が開口となったメタルマスクを通して、導電体層107を成膜(堆積)すればよい。
また、接続導電体部52及び端子導電体部53は、フォトレジストを用いたリフトオフ法によって形成してもよい。つまり、図5(d)の感受部形成工程の後に、接続導電体部52及び端子導電体部53を形成する領域が開口となったレジストパターンを形成した後、導電体層107を成膜(堆積)し、レジストパターンを除去すればよい。
なお、接続導電体部52は、図7(a)、(b)に示すように、接続部32を設けないで感受素子31を接続するように設けてもよく、軟磁性体層105で構成した接続部32に重ねて設けてもよい。端子導電体部53についても同様である。
また、端子導電体部53の厚さ、特にパッド部分を接続導電体部52より厚くしたい場合などには、接続導電体部52と端子導電体部53又は端子導電体部53のパッド部とを別工程で形成してもよい。
図を省略するが、図6に示した磁気センサ2において、接続部32、端子部33の代わり、又は、接続部32、端子部33に重ねて、接続導電体部52、端子導電体部53を用いてもよい。
(磁気センサ4)
図2(a)、(b)に示した磁気センサ1では、歯車210に対向する薄膜磁石20のN極に加え、S極も磁気的に露出した状態となっていた。よって、磁力線は、N極から歯車210を透過したのち、感受部30の感受素子31を透過してS極に戻る磁力線と、感受素子31を透過しないでS極に戻る磁力線とに分かれる。感受素子31を透過する磁力線が少ないと、感受素子31に薄膜磁石20から印加される磁界(図3における磁界Hbに相当)が小さくなる。このため、感受素子31に定められた磁界が印加されるように、薄膜磁石20の厚さを厚くすることが必要となる。
そこで、磁気センサ1の変形例である磁気センサ4では、薄膜磁石20の歯車210と対向する一方の磁極と反対側の他方の磁極が磁気的に露出しないように、薄膜磁石20の他方の磁極と感受部30の感受素子31との間にヨークを設けている。
図8は、変形例であるさらに他の磁気センサ4の一例を説明する図である。図8(a)は、平面図、図8(b)は、図8(a)のVIIIB−VIIIB線での断面図である。以下では、磁気センサ1と異なる部分を主に説明し、同様の部分は同じ符号を付して説明を省略する。
ここでは、薄膜磁石20の他方の磁極(ここでは、S極とする。)と感受部30の感受素子31との間にヨーク41を設けることで、S極に戻る磁力線の内、感受素子31を透過する磁力線が増加する。よって、薄膜磁石20の磁化(磁力)を有効に使うことができ、薄膜磁石20を薄くすることができる。
(磁気センサ4の製造方法)
図9は、変形例であるさらに他の磁気センサ4の製造方法の一例を説明する図である。図9(a)〜(g)は、磁気センサ4の製造方法における工程を示す。なお、図9(a)〜(g)は、代表的な工程であって、他の工程を含んでもよい。そして、工程は、図9(a)〜(g)の順に進む。図9(a)〜(g)は、図8(a)に示したVIIIB−VIIIB線での断面図である図8(b)に対応する。
図9(a)に示すように、基板10を洗浄した後、基板10の一方の面(以下、表面と表記する。)上、露出しない磁極が形成される部分レジストパターン112を形成する。ここでは、隣接する2個の磁気センサ4において、対向する磁極を露出しない側の磁極となるようにしている。つまり、図9(f)の中央に示す磁気センサ4は、S極が露出しない磁極、N極が露出した磁極であるが、右側に隣接する破線で示す磁気センサ4では、N極が露出しない磁極、S極が露出した磁極となる。また、左側に隣接する磁気センサ4も右側に隣接した磁気センサ4と同様になる。
次に、図9(b)に示すように、レジストパターン112が形成された基板10の表面上に、密着層101、制御層102、硬磁性体層103及び絶縁層104を順に成膜(堆積)する。この工程は、図5(a)の積層体形成工程と同様である。
そして、図9(c)に示すように、レジストパターン112を除去するとともに、レジストパターン112上に堆積した密着層101、制御層102、硬磁性体層103及び絶縁層104を除去(リフトオフ)する。
次に、図9(d)に示すように、感受部30が形成される部分及びヨーク40a、ヨーク41が形成される部分を開口とするレジストパターン113を形成する。この工程は、図5(b)と同様である。
そして、図9(e)に示すように、感受素子31を構成するCo合金である軟磁性体層105を成膜(堆積)する。この工程は、図5(c)の軟磁性体層形成工程と同様である。
図9(f)に示すように、レジストパターン113を除去するとともに、レジストパターン113上の軟磁性体層105を除去(リフトオフ)する。この工程は、図5(d)の感受部形成工程と同様である。これにより、軟磁性体層105による感受部30、ヨーク40a及びヨーク41が形成される。
この後、磁気センサ1と同様に、軟磁性体層105への一軸磁気異方性の付与、硬磁性体層103の着磁を行う。そして、図9(g)に示すように、個々の磁気センサ4に分割(切断)する。図9(g)は、図5(e)の分割工程(薄膜磁石形成工程)と同様である。
磁気センサ4では、磁気センサ1に比べて製造工程が複雑になるが、薄膜磁石20の一方の磁極が露出しない。なお、磁気センサ4は、他の製造工程を用いて製造されてもよい。
[第2の実施の形態]
図1に示した第1の実施の形態が適用される計測装置200は、角度(回転角)を計測するものであった。第2の実施の形態が適用される計測装置300は、位置を計測する。ここでは、位置を計測する例として、搭載物の位置を精度よく設定するXYステージを説明する。
図10は、第2の実施の形態が適用される計測装置300の一例を用いたXYステージ600を説明する図である。図10(a)は、平面図、図10(b)は、側面図である。図10(a)に示すように、横方向をX方向、縦方向をY方向とする。
図10(a)に示すように、XYステージ600は、X方向とY方向とに移動可能なステージ610、ステージ610を下方から保持しつつY方向に移動させるY方向支持台620、Y方向支持台620を下方から保持しつつX方向に移動させるX方向支持台630、及び、ステージ610のX方向及びY方向の位置を制御する制御部640を備える。
例えば、ステージ610は、Y方向支持台620上にY方向に設けられたレール(不図示)にボールベアリング(丸印で示す。)で保持されている。よって、ステージ610は、Y方向支持台620上をY方向に移動可能である。また、Y方向支持台620は、X方向支持台630上にX方向に設けられたレール(不図示)にボールベアリング(丸印で示す。)で保持されている。よって、Y方向支持台620は、X方向支持台630上をX方向に移動可能である。そして、X方向支持台630は、固定されている。これらにより、ステージ610は、X方向支持台630に対して、X方向及びY方向に移動可能である。
そして、XYステージ600は、ステージ610のX方向の位置を計測する計測装置300aと、ステージ610のY方向の位置を計測する計測装置300bとを備える。計測装置300a、300bを区別しないときは、計測装置300と表記する。
計測装置300aは、磁気センサ1aとリニア多極磁石310aとを備え、計測装置300bは、磁気センサ1bとリニア多極磁石310bとを備える。磁気センサ1a、1bは、第1の実施の形態で説明した磁気センサ1である。よって、磁気センサ1a、1bをそれぞれ区別しない場合は、磁気センサ1と表記する。また、リニア多極磁石310a、310bは、同様の構成を有している。よって、リニア多極磁石310a、310bをそれぞれ区別しない場合は、リニア多極磁石310と表記する。リニア多極磁石310(リニア多極磁石310a、310b)は、対向部材の他の一例である。
磁気センサ1aは、Y方向支持台620の裏面に固定されている。リニア多極磁石310aは、X方向支持台630のX方向の端部に固定されている。なお、磁気センサ1aは、Y方向支持台620がX方向に移動する間、リニア多極磁石310aと定められた距離で対向するように設けられている。なお、磁気センサ1aは、Y方向支持台620の表面や側面に設けられていてもよい。
同様に、磁気センサ1bは、ステージ610の裏面に固定されている。リニア多極磁石310bは、Y方向支持台620のY方向の端部に固定されている。なお、磁気センサ1bは、ステージ610がY方向に移動する間、リニア多極磁石310bと定められた距離で対向するように設けられている。また、磁気センサ1bは、ステージ610の表面や側面に設けられていてもよい。
制御部640は、磁気センサ1aが計測したY方向支持台620のX方向の位置及び磁気センサ1bが計測したステージ610のY方向の位置に基づいて、ステージ610が定められたX方向の位置及びY方向の位置に移動するように、ステージ610をY方向に移動させ、Y方向支持台620をX方向に移動させる。これにより、ステージ610上に搭載された搭載物の位置が設定される。なお、図10(a)、(b)では、ステージ610をY方向に移動させる移動機構、Y方向支持台620をX方向に移動させる移動機構は、公知であるので記載を省略する。
次に、計測装置300における位置の計測方法を説明する。
図11は、第2の実施の形態が適用される計測装置300による位置の計測方法を説明する図である。
リニア多極磁石310は、複数の磁石311の露出したN極とS極とが列状に交互に並ぶように並列されて構成されている。そして、リニア多極磁石310の一方の極側が、磁気センサ1における薄膜磁石20の一方の極(図11ではN極)に対向するように近接して配置されている。そして、磁気センサ1の移動に伴って、薄膜磁石20の一方の極(N極)が、リニア多極磁石310の一方の極の配列に沿って移動する。つまり、磁気センサ1における薄膜磁石20の一方の極(N極)側は、リニア多極磁石310のN極、S極に交互に近接する。これにより、例えば、薄膜磁石20の一方の極がN極の場合、リニア多極磁石310のN極に近接した場合には、薄膜磁石20のN極からの磁力線と、リニア多極磁石310のN極からの磁力線とが重なって、磁気センサ1の感受素子31を通過する。一方、リニア多極磁石310のS極に近接した場合には、薄膜磁石20のN極からの磁力線が、リニア多極磁石310のS極への磁力線により差し引かれて、磁気センサ1の感受素子31を通過する。よって、リニア多極磁石310のN極に近接した場合の方が、リニア多極磁石310のS極に近接した場合に比べて、感受部30のインピーダンスZが大きくなる(図3参照)。
このようにして、図4(b)に示すようなインピーダンスZの時間tに対するパルス状の信号が得られる。そして、予め原点を設定しておくことで、ステージ610のX方向及びY方向の位置が計測される。
ここでは、第1の実施の形態が適用される磁気センサ1で説明したが、磁気センサ1の代わりに、第1の実施の形態で説明した磁気センサ1の変形例である磁気センサ2から磁気センサ4を用いてもよい。
また、第2の実施の形態が適用される計測装置300では、N極とS極とが列状に交互に配列されたリニア多極磁石310を用いた。リニア多極磁石310の代わりに、第1の実施の形態が適用される計測装置200の歯車210と同様に、磁性体(例えば軟磁性体)で構成された凹凸を列状に配列した部材を用いてもよい。
逆に、第1の実施の形態が適用される計測装置200において、歯車210の代わりに、第2の実施の形態におけるリニア多極磁石310と同様に、N極とS極とを円周方向に交互に配列したロータ多極磁石を用いてもよい。
以上第1の実施の形態において角度の計測、第2の実施の形態において位置の計測を説明したが、対向部材との相対的な移動を計測するものであれば角度や位置以外の計測に適用できる。そして、本発明の趣旨に反しない限りにおいて様々な変形や組み合わせを行っても構わない。
1、2、3、4…磁気センサ、10…基板、20…薄膜磁石、30…感受部、31…感受素子、32…接続部、33…端子部、40、40a、40b、41…ヨーク、52…接続導電体部、53…端子導電体部、101…密着層、102…制御層、103…硬磁性体層、104…絶縁層、105…軟磁性体層、106…磁性体層、106a…下層軟磁性体層、106b…反磁界抑制層、106c…上層軟磁性体層、107…導電体層、111、112、113…レジストパターン、200、300、300a、300b…計測装置、210…歯車(ギア)、210a…歯部、210b…欠歯部、211…歯、310、310a、310b…リニア多極磁石、500…自動車エンジン、600…XYステージ、H…磁界、Z…インピーダンス

Claims (4)

  1. 硬磁性体層で構成され、面内方向に磁気異方性を有する薄膜磁石と、
    前記硬磁性体層に積層して設けられた軟磁性体層で構成され、長手方向と短手方向とを有し、当該長手方向が前記薄膜磁石の発生する磁界の方向に向くとともに、当該長手方向と交差する方向に一軸磁気異方性を有し、磁気インピーダンス効果により磁界を感受する感受素子を備える感受部と、を備え、
    前記感受部の前記感受素子は、Ru又はRu合金から構成される反磁界抑制層を挟んで反強磁性結合した複数の軟磁性体層から構成され、
    前記薄膜磁石と前記感受素子とは、当該薄膜磁石の一方の磁極に対向して、外部に設けられる対向部材と磁気回路を構成するように設けられていることを特徴とする磁気センサ。
  2. 前記薄膜磁石は、前記対向部材に対向する磁極が、当該対向部材に対して磁気的に露出していることを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ。
  3. 硬磁性体層で構成され、面内方向に磁気異方性を有する薄膜磁石と、当該硬磁性体層に積層して設けられた軟磁性体層で構成され、長手方向と短手方向とを有し、当該長手方向が当該薄膜磁石の発生する磁界の方向に向くとともに、当該長手方向と交差する方向に一軸磁気異方性を有し、磁気インピーダンス効果により磁界を感受する感受素子を備える感受部と、を備えた磁気センサと、
    前記磁気センサの前記薄膜磁石の一方の磁極に対向して設けられ、当該薄膜磁石及び前記感受素子との間で磁気回路を構成する、対向部材と、を備え、
    前記磁気センサにおける前記感受部の前記感受素子は、Ru又はRu合金から構成される反磁界抑制層を挟んで反強磁性結合した複数の軟磁性体層から構成され、
    前記対向部材の前記磁気センサに対する相対的な移動により発生する磁界の変化を前記感受素子により計測することを特徴とする計測装置。
  4. 非磁性の基板上に、磁気異方性が面内方向に制御された薄膜磁石を構成する硬磁性体層を形成する硬磁性体層形成工程と、
    前記硬磁性体層に軟磁性体層を積層して、前記薄膜磁石の発生する磁界の方向と交差する方向に一軸磁気異方性を有し、磁気インピーダンス効果により磁界を感受する感受素子を含む感受部を形成する感受部形成工程と、
    前記薄膜磁石の一方の磁極に対向するように外部に設けられる対向部材に対して、当該薄膜磁石の一方の磁極が当該対向部材に対して磁気的に露出するように前記硬磁性体層を当該薄膜磁石に加工する薄膜磁石加工工程とを含む磁気センサの製造方法であって、
    前記基板と前記硬磁性体層との間に、当該硬磁性体層の磁気異方性を面内方向に制御する制御層を形成する制御層形成工程を含むことを特徴とする磁気センサの製造方法。
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