JP6913584B2 - 給湯システム - Google Patents

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Description

本明細書で開示する技術は、給湯システムに関する。
特許文献1には、水を貯えるタンクと、自然環境から吸熱して水を加熱するヒートポンプと、タンクとヒートポンプの間で水を循環させる循環手段と、燃料ガスの燃焼によって水を加熱する燃焼装置と、浴槽への湯はりの開始を指示する湯はり指示装置と、コントローラを備える給湯システムが開示されている。この給湯システムでは、タンクの水をヒートポンプで加熱しながら、タンクの水を浴槽へ供給する湯はり運転を実行可能である。
特開2013−224762号公報
上記のような給湯システムでは、湯はり運転を速やかに完了するために、湯はり運転において浴槽へ供給される水の流量を大きくすると、ヒートポンプでの加熱によるタンク内の高温の水の増加に対して、浴槽への湯はりによるタンク内の高温の水の減少の方が大きくなり、タンク内の高温の水が徐々に減少していく。タンク内の高温の水を使い切ってしまうと、その後の湯はり運転では、燃焼装置による水の加熱が必要となる。燃焼装置による水の加熱は、ヒートポンプによる水の加熱に比べてエネルギー効率が低いため、湯はり運転において燃焼装置による水の加熱は可能な限り行わないことが好ましい。
しかしながら、湯はり運転において、燃焼装置による水の加熱を行わないように、浴槽へ供給される水の流量を小さくすると、タンク内の高温の水の減少は抑制されるものの、湯はり運転の完了までに長時間を要することになってしまう。湯はり運転の完了までに長時間を要すると、ユーザが入浴したい時に未だ浴槽への湯はりが完了していない事態が生じて、ユーザの利便性を損なってしまう。
本明細書では、上記の課題を解決する技術を提供する。本明細書では、ヒートポンプを備える給湯システムにおいて、ユーザの利便性を損なうことなく、湯はり運転におけるエネルギー効率を向上することが可能な技術を提供する。
本明細書が開示する給湯システムは、水を貯えるタンクと、自然環境から吸熱して水を加熱するヒートポンプと、タンクとヒートポンプの間で水を循環させる循環手段と、燃料ガスの燃焼によって水を加熱する燃焼装置と、浴槽への湯はりの開始を指示する湯はり指示装置と、入浴を検知する入浴検知装置と、コントローラを備えている。給湯システムは、タンクの水をヒートポンプで加熱しながら、タンクの水を浴槽へ供給する湯はり運転を実行可能である。コントローラは、過去の第1所定期間における各日の入浴開始時刻に基づいて、当日の入浴開始時刻を推定するように構成されている。コントローラは、当日の湯はり運転の開始時刻と、推定される当日の入浴開始時刻に基づいて、当日の湯はり運転において浴槽へ供給する水の流量を設定するように構成されている。
上記の構成によれば、浴槽への湯はりの開始から、入浴が開始されるまでの間に、時間的な余裕がある場合には、湯はり運転において浴槽へ供給する水の流量を小さくすることで、タンク内の高温の水の減少を抑制することができる。これによって、入浴開始時刻までに湯はり運転を完了させてユーザの利便性を確保しつつ、燃焼装置による水の加熱を抑制して湯はり運転におけるエネルギー効率を向上することができる。
上記の給湯システムでは、コントローラは、過去の第1所定期間における各日の入浴開始時刻と、過去の第1所定期間とは長さが異なる第2所定期間における各日の入浴開始時刻に基づいて、当日の入浴開始時刻を推定するように構成されていてもよい。
上記の構成によれば、入浴開始時刻に関して、比較的長い期間での過去の実績と、比較的短い期間での過去の実績の両方を勘案して、当日の入浴開始時刻を推定することができる。当日の入浴開始時刻を、より適切に推定することができる。
上記の給湯システムでは、コントローラは、過去の第1所定期間において当日と曜日が同じである各日の入浴開始時刻に基づいて、当日の入浴開始時刻を推定するように構成されていてもよい。
通常、ユーザの生活様式は、曜日ごとに異なることがあっても、同一曜日については同様の生活様式となることが多い。上記の給湯システムによれば、当日と同一曜日での過去の実績に基づいて当日の入浴開始時刻を推定するので、当日の入浴開始時刻を、より適切に推定することができる。
本明細書が開示する別の給湯システムは、水を貯えるタンクと、自然環境から吸熱して水を加熱するヒートポンプと、タンクとヒートポンプの間で水を循環させる循環手段と、燃料ガスの燃焼によって水を加熱する燃焼装置と、浴槽への湯はりの開始を指示する湯はり指示装置と、入浴を検知する入浴検知装置と、コントローラを備えている。給湯システムは、タンクの水をヒートポンプで加熱しながら、タンクの水を浴槽へ供給する湯はり運転を実行可能である。コントローラは、過去の第1所定期間における各日の湯はり運転の開始時刻から入浴開始時刻までの時間差に基づいて、当日の湯はり運転の開始時刻から入浴開始時刻までの時間差を推定するように構成されている。コントローラは、推定される当日の湯はり運転の開始時刻から入浴開始時刻までの時間差に基づいて、当日の湯はり運転において浴槽へ供給する水の流量を設定するように構成されている。
上記の構成によれば、浴槽への湯はりの開始から、入浴が開始されるまでの間に、時間的な余裕がある場合には、湯はり運転において浴槽へ供給する水の流量を小さくすることで、タンク内の高温の水の減少を抑制することができる。これによって、入浴開始時刻までに湯はり運転を完了させてユーザの利便性を確保しつつ、燃焼装置による水の加熱を抑制して湯はり運転におけるエネルギー効率を向上することができる。
上記の給湯システムでは、コントローラは、過去の第1所定期間における各日の湯はり運転の開始時刻から入浴開始時刻までの時間差と、過去の第1所定期間とは長さが異なる第2所定期間における各日の湯はり運転の開始時刻から入浴開始時刻までの時間差に基づいて、当日の湯はり運転の開始時刻から入浴開始時刻までの時間差を推定するように構成されていてもよい。
上記の構成によれば、湯はり運転の開始時刻から入浴開始時刻までの時間差に関して、比較的長い期間での過去の実績と、比較的短い期間での過去の実績の両方を勘案して、当日の湯はり運転の開始時刻から入浴開始時刻までの時間差を推定することができる。当日の湯はり運転の開始時刻から入浴開始時刻までの時間差を、より適切に推定することができる。
上記の給湯システムでは、コントローラは、過去の第1所定期間において当日と曜日が同じである各日の湯はり運転の開始時刻から入浴開始時刻までの時間差に基づいて、当日の湯はり運転の開始時刻から入浴開始時刻までの時間差を推定するように構成されていてもよい。
通常、ユーザの生活様式は、曜日ごとに異なることがあっても、同一曜日については同様の生活様式となることが多い。上記の給湯システムによれば、当日と同一曜日での過去の実績に基づいて当日の湯はり運転の開始時刻から入浴開始時刻までの時間差を推定するので、当日の湯はり運転の開始時刻から入浴開始時刻までの時間差を、より適切に推定することができる。
上記の給湯システムでは、コントローラは、当日の湯はり運転を完了する前に、入浴を検知した場合に、当日の湯はり運転において浴槽へ供給する水の流量を最大流量に変更するように構成されていてもよい。
上記の構成によれば、ユーザが推定よりも早く入浴を開始した場合に、湯はり運転において浴槽へ供給する水の流量を最大流量とすることで、速やかに湯はり運転を完了することができる。ユーザの利便性を確保することができる。
実施例1,2の給湯システム2、202の構成を模式的に示す図。 一般的な家庭において給湯が行われる時間帯を模式的に示す図。 実施例1,2のコントローラ100が実行する第1のヒートポンプ作動処理を示すフローチャート。 実施例1,2のコントローラ100が実行する第2のヒートポンプ作動処理を示すフローチャート。 実施例1のコントローラ100が実行する湯はり処理を示すフローチャート。 実施例2のコントローラ100が実行する湯はり処理を示すフローチャート。
(実施例1)
図1に示すように、本実施例に係る給湯システム2は、タンク10と、タンク水循環路20と、水道水導入路30と、供給路40と、ヒートポンプ50と、燃焼装置60と、コントローラ100と、リモコン110と、携帯端末装置120を備える。
ヒートポンプ50は、自然環境である外気から吸熱して、タンク水循環路20内の水を加熱する熱源である。ヒートポンプ50は、図示しないが、冷媒(代替フロン、例えばR410A等)を循環させる冷媒循環路と、外気と冷媒との間で熱交換を行う蒸発器と、冷媒を圧縮して高温高圧にする圧縮器と、タンク水循環路20内の水と高温高圧の冷媒との間で熱交換を行う凝縮器と、熱交換を終えた後の冷媒を減圧させて低温低圧にする膨張弁と、を備えている。また、ヒートポンプ50には、外気温を測定する外気温センサ52が備えられている。
タンク10は、ヒートポンプ50によって加熱された温水を貯える。タンク10は、密閉型であり、断熱材によって外側が覆われている。タンク10内には満水まで水が貯留されている。本実施例では、タンク10の容量は100Lである。タンク10には、サーミスタ12、14、16、17、18がタンク10の高さ方向に所定間隔で取り付けられている。各サーミスタ12、14、16、17、18は、その取付位置の水の温度を測定する。例えば、各サーミスタ12、14、16、17、18は、それぞれ、タンク10の上部から6L、12L、30L、50L、70Lの位置の水の温度を測定する。
タンク水循環路20は、上流端がタンク10の下部に接続されており、下流端がタンク10の上部に接続されている。タンク水循環路20には、循環ポンプ22が介装されている。循環ポンプ22は、タンク水循環路20内の水を上流側から下流側へ送り出す。また、タンク水循環路20は、ヒートポンプ50の熱交換器(図示省略)を通過している。そのため、ヒートポンプ50を作動させると、タンク水循環路20内の水がヒートポンプ50の熱交換器で加熱される。従って、循環ポンプ22とヒートポンプ50とを作動させると、タンク10の下部の水がヒートポンプ50で加熱され、加熱された水がタンク10の上部に戻される。即ち、タンク水循環路20は、タンク10に蓄熱するための水路である。また、タンク水循環路20のヒートポンプ50の上流側には、サーミスタ24が介装されている。サーミスタ24は、タンク10の下部から導出され、ヒートポンプ50を通過する前の水の温度を測定する。サーミスタ24は、循環ポンプ22よりもヒートポンプ50に近い位置のタンク水循環路20に設けられていてもよいし、循環ポンプ22よりもタンク10に近い位置のタンク水循環路20に設けられていてもよい。
水道水導入路30は、上流端が水道水供給源31に接続されている。水道水導入路30には、サーミスタ32が介装されている。サーミスタ32は、水道水の温度を測定する。水道水導入路30の下流側は、第1導入路30aと第2導入路30bに分岐している。第1導入路30aの下流端は、タンク10の下部に接続されている。第2導入路30bの下流端は、供給路40の途中に接続されている。第2導入路30bの下流端と供給路40との接続部分には、混合弁42が設けられている。混合弁42は、供給路40内を流れる温水に、第2導入路30b内の水を混合させる量を調整する。
供給路40は、上流端がタンク10の上部に接続されている。第2導入路30bとの接続部より下流側の供給路40には、燃焼装置60が介装されている。また、燃焼装置60より下流側の供給路40には、サーミスタ44が介装されている。サーミスタ44は、供給される温水の温度を測定する。燃焼装置60は、燃料ガスの燃焼によって水を加熱する。燃焼装置60は、サーミスタ44が測定する温水の温度が、給湯設定温度と一致するように、供給路40内の水を加熱する。供給路40の下流端は、給湯箇所(例えば台所のカランや、浴室48のシャワー54やカラン56等)に接続されている。また、供給路40の下流端には、浴室48の浴槽58に湯はりをするための湯はり弁46が設けられている。湯はり弁46は、開度を調整することにより浴槽58へ供給される温水の流量を調整可能である。なお、浴室48には、入浴者の有無を検知する人感センサ62が設けられている。
コントローラ100は、各構成要素と電気的に接続されており、各構成要素の動作を制御する。コントローラ100には、リモコン110が接続されている。リモコン110は、給湯システム2に関連する各種の情報を表示することができる。また、リモコン110は、給湯システム2に関連する各種の操作入力を受け入れることができる。給湯システム2のユーザは、リモコン110を介して、シャワー54やカラン56等に供給する水の温度である給湯設定温度、浴槽58に供給する水の温度であるふろ設定温度などを設定しておくことができる。また、給湯システム2のユーザは、リモコン110を介して、浴槽58への湯はりの開始を指示することができる。リモコン110は、無線通信を介して、図示しないルータと通信可能であり、ルータを介してインターネットに接続可能である。
携帯端末装置120は、給湯システム2のユーザが日常的に使用している、携帯電話、スマートフォン等の携帯端末装置である。携帯端末装置120は、インターネットを介して、リモコン110と通信可能である。携帯端末装置120には、給湯システム2を遠隔で管理するためのアプリがインストールされている。携帯端末装置120は、給湯システム2に関連する各種の情報を表示することができる。また、携帯端末装置120は、給湯システム2に関連する各種の操作入力を受け入れることができる。給湯システム2のユーザは、携帯端末装置120を介して、シャワー54やカラン56等に供給する水の温度である給湯設定温度、浴槽58に供給する水の温度であるふろ設定温度などを設定しておくことができる。また、給湯システム2のユーザは、携帯端末装置120を介して、浴槽58への湯はりの開始を指示することができる。
次いで、本実施例の給湯システム2の動作について説明する。給湯システム2は、沸上運転、給湯運転および湯はり運転を実行することができる。なお、本明細書では、給湯システム2の給湯運転と湯はり運転の両方を、給湯システム2による給湯という。以下、各運転について説明する。
(沸上運転)
沸上運転は、ヒートポンプ50によって、タンク10内の水を加熱する運転である。コントローラ100によって沸上運転の実行が指示されると、ヒートポンプ50が作動するとともに、循環ポンプ22が作動する。循環ポンプ22が作動すると、タンク水循環路20内をタンク10内の水が循環する。即ち、タンク10の下部に存在する水がタンク水循環路20内に導入され、導入された水がヒートポンプ50内の熱交換器を通過する際に、冷媒の熱によって加熱され、加熱された水がタンク10の上部に戻される。これにより、タンク10に高温の水が貯められる。タンク10の内部には、低温の水の層の上に高温の水の層が積層された、温度成層が形成される。
(給湯運転)
給湯運転は、タンク10内の水を給湯箇所に供給する運転である。給湯運転は、上記の沸上運転中にも実行することができる。給湯箇所において給湯栓が開かれると、水道水供給源31からの水圧によって、水道水導入路30(第1導入路30a)からタンク10の下部に水道水が流入する。同時に、タンク10上部の温水が、供給路40を介して給湯箇所に供給される。
コントローラ100は、タンク10から供給路40に供給される水の温度(即ち、サーミスタ12の測定温度)が、給湯設定温度より高い場合には、混合弁42を開いて第2導入路30bから供給路40に水道水を導入する。従って、タンク10から供給された水と第2導入路30bから供給された水道水とが、供給路40内で混合される。コントローラ100は、給湯箇所に供給される水の温度が、給湯設定温度と一致するように、混合弁42の開度を調整する。一方、コントローラ100は、タンク10から供給路40に供給される水の温度が、給湯設定温度より低い場合には、燃焼装置60を作動させる。従って、供給路40を通過する水が燃焼装置60によって加熱される。コントローラ100は、給湯箇所に供給される水の温度が、給湯設定温度と一致するように、燃焼装置60の出力を制御する。
(湯はり運転)
湯はり運転は、タンク10内の水を浴槽58に供給する運転である。リモコン110や携帯端末装置120から湯はりの開始が指示されると、コントローラ100は、湯はり弁46を開く。これによって、給湯運転と同様にして、ふろ設定温度に調温された水が浴槽58へ供給される。なお、後述するように、コントローラ100は、湯はり運転を実行する際に、上記の沸上運転も実行する。
(学習制御)
図2は、ある1日の間に、給湯が行われる時間帯を模式的に示す図である。なお、本実施例では、2:00を始点とする24時間を、1日を特定するための単位時間としている。
一般的には、例えば、6:00〜7:00に最初に給湯が行われる(図2の例では6:00)。最初の給湯は、例えば、朝食の用意や洗面のための給湯である。最初の給湯では、5L〜20L程度の温水が供給される。その後、例えば、11:00〜12:00に二度目の給湯が行われる(図2の例では11:00)。二度目の給湯は、例えば、昼食の用意のための給湯である。二度目の給湯でも、5L〜20L程度の温水が供給される。その後、例えば、20:00に三度目の給湯が行われる(図2の例では20:00)。三度目の給湯は、浴槽58への湯はり運転である。湯はり運転では、150L〜180L程度の温水が供給される。その後、例えば、23:00〜0:00に最後の給湯が行われる(図2の例ではおよそ23:00)。最後の給湯は、例えば、歯磨き等のための給湯である。最後の給湯では、5L〜10L程度の温水が供給される。最後の給湯は、0:00頃に終了する。
本実施例では、コントローラ100は、給湯が行われる度に、給湯が開始された時刻と、給湯が終了した時刻と、給湯で使用された温水の量を示す給湯使用量を、給湯実績として記憶する。また、コントローラ100は、浴槽58への湯はりが開始される度に、湯はりの開始を指示した端末装置(リモコン110から湯はりの開始が指示されたのか、あるいは携帯端末装置120から湯はりの開始が指示されたのか)と、湯はりを開始した時刻を、湯はり実績として記憶する。さらに、コントローラ100は、人感センサ62によって浴室48内の入浴者を検知する度に、入浴が開始された時刻(入浴者を検知しない状態から入浴者を検知している状態に切り換わった時刻)と、入浴が終了した時刻(入浴者を検知している状態から入浴者を検知しない状態に切り換わった時刻)を、入浴実績として記憶する。そして、コントローラ100は、1日分の給湯実績と、湯はり実績と、入浴実績を、1日分の運転履歴として記憶する。本実施例では、コントローラ100は、過去の所定期間(例えば12週間)の各日の運転履歴を記憶している。
続いて、コントローラ100が、24時間毎(時刻が2:00になる毎)に実行する処理について説明する。コントローラ100は、24時間毎に、前日の運転履歴を新たに記憶する。
次いで、コントローラ100は、過去7日分の運転履歴から、過去7日間において、最初の給湯が開始された時刻(給湯開始時刻)のうち、最も早い時刻を特定する。以下では、この時刻を「給湯開始時刻S1」と呼ぶ。例えば、コントローラ100は、6:00を給湯開始時刻S1として特定する(図2参照)。
さらに、コントローラ100は、過去7日分の運転履歴から、過去7日間において、給湯開始時刻から湯はり開始前までの給湯使用量のうち、最も多い給湯使用量を特定する。以下では、この給湯使用量を「第1給湯量Q1」と呼ぶ。例えば、コントローラ100は、30Lを第1給湯量Q1として特定する。
また、コントローラ100は、過去7日分の運転履歴から、過去7日間において、湯はりが開始された時刻(湯はり開始時刻)のうち、最も早い時刻を特定する。以下では、この時刻を「湯はり開始時刻B1」と呼ぶ。例えば、コントローラ100は、20:00を湯はり開始時刻B1として特定する(図2参照)。
また、コントローラ100は、過去7日分の運転履歴から、過去7日間において、最初に入浴を開始した時刻(入浴開始時刻)のうち、最も早い時刻を特定する。以下では、この時刻を「入浴開始時刻T1」と呼ぶ。例えば、コントローラ100は、21:00を入浴開始時刻T1として特定する(図2参照)。
さらに、コントローラ100は、過去7日分の運転履歴から、過去7日間において、最後の給湯が終了した時刻(給湯終了時刻)のうち、最も遅い時刻を特定する。以下では、この時刻を「給湯終了時刻G1」と呼ぶ。例えば、コントローラ100は、0:00を給湯終了時刻G1として特定する(図2参照)。
さらに、コントローラ100は、サーミスタ32が測定する温度TW(即ち、水道水の水温)と第1給湯量Q1に基づいて、第1の所定時間αを特定する。また、コントローラ100は、サーミスタ32が測定する温度TW(即ち、水道水の水温)に基づいて、第2の所定時間β、及び、第3の所定時間γを特定する。
図2に示すように、温度TWが21℃以上の場合、コントローラ100は、第1の所定時間αとして「20分」を特定する。温度TWが13℃以上21℃未満の場合、コントローラ100は、第1の所定時間αとして「30分」を特定する。温度TWが13℃未満の場合、コントローラ100は、第1の所定時間αとして「45分」を特定する。コントローラ100は、温度TWが高いほど、第1の所定時間αとして、短い時間を特定する。
また、図2に示すように、第1給湯量Q1が12L未満の場合、コントローラ100は、第1の所定時間αの加算時間として「5分」を特定する。第1給湯量Q1が12L以上30L未満の場合、コントローラ100は、第1の所定時間αの加算時間として「10分」を特定する。第1給湯量Q1が30L以上の場合、コントローラ100は、第1の所定時間αの加算時間として「15分」を特定する。コントローラ100は、第1給湯量Q1が少ないほど、第1の所定時間αの加算時間として、短い時間を特定する。
同様に、図2に示すように、温度TWが21℃以上の場合、コントローラ100は、第2の所定時間βとして「40分」を特定する。温度TWが13℃以上21℃未満の場合、コントローラ100は、第2の所定時間βとして「50分」を特定する。温度TWが13℃未満の場合、コントローラ100は、第2の所定時間βとして「60分」を特定する。コントローラ100は、温度TWが高いほど、第2の所定時間βとして、短い時間を特定する。
さらに同様に、図2に示すように、温度TWが21℃以上の場合、コントローラ100は、第3の所定時間γとして「80分」を特定する。温度TWが13℃以上21℃未満の場合、コントローラ100は、第3の所定時間γとして「50分」を特定する。温度TWが13℃未満の場合、コントローラ100は、第3の所定時間γとして「40分」を特定する。コントローラ100は、温度TWが高いほど、第3の所定時間γとして、長い時間を特定する。
次いで、コントローラ100は、給湯開始時刻S1から、特定された第1の所定時間αだけ前の時刻である第1のヒートポンプ作動時刻S0を特定する。本実施例では、コントローラ100は、第1のヒートポンプ作動時刻S0が到来すると、後述の第1のヒートポンプ作動処理(図3参照)を開始する。
また、コントローラ100は、湯はり開始時刻B1から、特定された第2の所定時間βだけ前の時刻である第2のヒートポンプ作動時刻B0を特定する。本実施例では、コントローラ100は、第2のヒートポンプ作動時刻B0が到来すると、後述の第2のヒートポンプ作動処理(図4参照)を開始する。
さらに、コントローラ100は、給湯終了時刻G1から、特定された第3の所定時間γだけ前の時刻であるヒートポンプ停止時刻G0を特定する。本実施例では、コントローラ100は、ヒートポンプ停止時刻G0が到来すると、後述のヒートポンプ停止処理を開始する。
(第1のヒートポンプ作動処理)
図3は、コントローラ100が実行する第1のヒートポンプ作動処理の内容を示すフローチャートである。上記の通り、第1のヒートポンプ作動時刻S0が到来すると、コントローラ100は、図3の処理を開始する。
まず、S10では、コントローラ100は、タンク10に取り付けられているサーミスタ12、14、16、17、18のうち、第1給湯量Q1に対応するサーミスタを選択する。本実施例では、第1給湯量Q1が30Lなので、コントローラ100は、30Lに対応するサーミスタ16を選択する。
続くS12では、コントローラ100は、上記のS10で選択したサーミスタ16が測定する温度(即ち、タンク10の上部から30Lの位置の水温)が、所定の閾値TAより高いか否か判断する。
本実施例では、所定の閾値TAは、「沸上設定温度−10℃」である。沸上設定温度は、例えば47℃である。そのため、所定の閾値TAは、例えば37℃である。S12でYESと判断される場合、少なくとも、タンク10の上部から30Lの位置の水温は閾値TA(例えば37℃)より高い。上記の通り、タンク10の内部には、低温の水の層の上に高温の水の層が積層された、温度成層が形成される。そのため、S12でYESと判断される場合には、タンク10の30Lの位置からタンク上部までの間には、沸上設定温度(例えば47℃)に近い高温の水が貯められている。即ち、S12でYESと判断される場合には、給湯開始時刻S1の近傍の時刻に行われる予定の最初の給湯に必要な量(5L〜20L程度)の温水がタンク10内に貯められていることを意味する。S12でYESと判断される場合、S18に進む。一方、S12でNOと判断される場合、S14に進む。
S14では、コントローラ100は、ヒートポンプ50が作動中であるか否か判断する。ヒートポンプ50が作動している場合、コントローラ100はS14でYESと判断し、S12に戻る。この場合、コントローラ100は、ヒートポンプ50によってタンク10内の水を加熱する沸上運転を継続する。一方、ヒートポンプ50が作動していない場合、コントローラ100はS14でNOと判断し、S16に進む。
S16では、コントローラ100は、ヒートポンプ50を作動させる。また、コントローラ100は、循環ポンプ22を回転させる。即ち、コントローラ100は、沸上運転を開始する。これにより、タンク10の下部に存在する水がタンク水循環路20内に導入され、導入された水がヒートポンプ50によって加熱され、加熱された水がタンク10の上部に戻される。これにより、タンク10に高温の水が貯められる。S16でヒートポンプ50を作動させた後は、S12に戻り、コントローラ100は、サーミスタ16が測定する温度が、所定の閾値TAより高くなること(即ちタンク10に第1給湯量Q1の水が所定の閾値TAより高い水温で貯められている状態になること)を監視する。サーミスタ16が測定する温度が所定の閾値TAより高くなる場合(S12でYES)、S18に進む。
S18では、コントローラ100は、ヒートポンプ50及び循環ポンプ22を停止させる。上記の通り、S12でYESと判断される場合には、タンク10内には、既に最初の給湯に必要な量(第1給湯量Q1(30L))の温水が貯められているためである。
図3の第1のヒートポンプ作動処理を開始した後、給湯開始時刻S1の近傍の時刻に、最初の給湯運転が実行されると、タンク10上部の温水が、供給路40を介して給湯箇所に供給される。上記の通り、本実施例の給湯システム2では、給湯開始時刻S1において、タンク10内に、給湯に必要な量の温水を貯えておくことができる。即ち、第1の所定時間αは、その時間の間だけヒートポンプ50を作動させることによって、給湯開始時刻S1の時点で、タンク10内に、給湯に必要な量の温水を貯めることが可能となる時間である。
(第2のヒートポンプ作動処理)
図4は、コントローラ100が実行する第2のヒートポンプ作動処理の内容を示すフローチャートである。上記の通り、第2のヒートポンプ作動時刻B0が到来すると、コントローラ100は、図4の処理を開始する。
まず、S30では、コントローラ100は、サーミスタ24が測定する温度(即ち、タンク10の下部から導出され、ヒートポンプ50を通過する前の水の温度)が、所定の閾値TBより高いか否か(即ちタンク10が満蓄状態か否か)判断する。S30でYESと判断される場合、S38に進む。一方、S30でNOと判断される場合、S32に進む。
S32では、コントローラ100は、ヒートポンプ50を作動させる。また、コントローラ100は、循環ポンプ22を回転させる。即ち、コントローラ100は、沸上運転を開始する。なお、S32の時点で既にヒートポンプ50及び循環ポンプ22が作動している場合、コントローラ100は、ヒートポンプ50及び循環ポンプ22を継続して作動させる。S32を終えると、S34に進む。
一方、S38では、ヒートポンプ50及び循環ポンプ22を停止させる。上記の通り、S30でYESと判断される場合には、タンク10は満蓄状態である。そのため、それ以上、ヒートポンプ50及び循環ポンプ22を作動させる必要がない。S38を終えると、S34に進む。
S34では、コントローラ100は、リモコン110または携帯端末装置120から、湯はり開始指示が行われたか否か判断する。S34でYESと判断される場合、S36に進み、湯はり処理(図5参照)を開始する。一方、S34でNOの場合、S30に戻る。
本実施例では、コントローラ100は、第2のヒートポンプ作動時刻B0にヒートポンプ50を作動させる(S32)と、湯はり開始時刻B1において、サーミスタ24が測定する温度が、所定の閾値TB未満になるように、第2の所定時間βを特定している。しかしながら、実際にユーザから湯はりの開始が指示される時刻は、湯はり開始時刻B1より早くなる場合もあれば、遅くなる場合もある。また、第2のヒートポンプ作動時刻B0におけるタンク10内部の温水の量が、想定よりも多くなっている場合もあれば、少なくなっている場合もある。このため、上記のS32でヒートポンプ50を作動させた後、タンク10が満畜状態になる前に、ユーザから湯はりの開始が指示される場合もあるし、タンク10が満畜状態となって、上記のS38でヒートポンプ50を停止させた後に、ユーザから湯はりの開始が指示される場合もある。
(湯はり処理)
上記の通り、ユーザから湯はりの開始が指示されると、S36において、コントローラ100は、湯はり処理を開始する。図5は、湯はり処理の内容を示すフローチャートである。
図5のS50では、コントローラ100は、現在時刻、すなわち湯はりの開始が指示された時刻を取得する。
S52では、コントローラ100は、S50で取得された現在時刻と、過去の運転実績から推定された入浴開始時刻T1から、湯はり運転において浴槽58へ温水を供給する流量(以下では湯はり流量ともいう)を特定する。具体的には、コントローラ100は、現在時刻から入浴開始時刻T1までの時間ΔT1を算出し、湯はり運転において浴槽58へ供給すべき温水の量L(例えば150L)を、時間ΔT1で供給するための流量を算出することで、湯はり流量を特定する。
S54では、コントローラ100は、湯はり運転を開始する。即ち、コントローラ100は、浴槽58の湯はり弁46を開き、浴槽58への温水の供給を開始する。この際に、コントローラ100は、浴槽58へ供給する温水の流量が、S52で特定された湯はり流量となるように、湯はり弁46の開度を調整する。
S56では、コントローラ100は、ヒートポンプ50が作動中であるか否か判断する。ヒートポンプ50が作動している場合、コントローラ100はS56でYESと判断し、S62に進む。一方、ヒートポンプ50が停止している場合、コントローラ100はS56でNOと判断し、S58に進む。
S58では、コントローラ100は、サーミスタ18が測定する温度が、所定の閾値TA以下になることを監視する。なお、S58において、サーミスタ18が測定する温度を監視する代わりに、サーミスタ24が測定する温度が、所定の閾値TA以下になることを監視してもよい。S58でYESの場合、S60に進む。S60では、コントローラ100は、ヒートポンプ50を作動させるとともに、循環ポンプ22を回転させる。
S62では、コントローラ100は、燃焼装置60の作動および停止について制御する。例えば、コントローラ100は、サーミスタ12が測定する温度(即ち、タンク10の上部から6Lの位置の水温)が、ふろ設定温度以下になると、燃焼装置60を作動させる。この場合、浴槽58には、ヒートポンプ50及び燃焼装置60で加熱された温水が供給される。また、コントローラ100は、サーミスタ14が測定する温度(即ち、タンク10の上部から12Lの位置の水温)が、ふろ設定温度を超えると、燃焼装置60を停止させる。この場合、浴槽58には、ヒートポンプ50で加熱された温水が供給される。
S64では、コントローラ100は、人感センサ62で入浴者を検知したか否かを判断する。S64でYESの場合、浴槽58への湯はりが完了する前に、浴室48に入浴者が入ってきているから、浴槽58への湯はりを速やかに完了する必要がある。このため、S64でYESの場合、S66へ進み、湯はり流量を最大流量に変更する。S64でNOの場合、S66をスキップする。
S68では、コントローラ100は、湯はり運転が完了することを監視する。湯はり運転において浴槽58へ供給すべき水の量L(例えば150L)を浴槽58に供給し終えると、コントローラ100は、S68でYESと判断し、S70に進む。S68でNOの場合、S56へ戻る。
S70では、コントローラ100は、サーミスタ24が測定する温度が、所定の閾値TBより高くなるまで(即ちタンク10が満蓄状態となるまで)待機する。S70でYESと判断される場合、S72でヒートポンプ50を停止する。S72を終えると、図5の湯はり処理が終了する。同時に、図4の処理も終了する。
上記の通り、本実施例の給湯システム2では、湯はり開始時刻B1において、タンク10内に、湯はりのために必要な量の一部の温水を貯えておくことができる。即ち、第2の所定時間βは、その時間の間だけヒートポンプ50を作動させることによって、湯はり開始時刻B1の時点で、タンク10内に、必要な量の温水を貯めることが可能となる時間である。
(ヒートポンプ停止処理)
ヒートポンプ停止時刻G0が到来すると、コントローラ100は、ヒートポンプ停止処理(図示省略)を開始する。即ち、コントローラ100は、ヒートポンプ停止時刻G0の時点で、ヒートポンプ50が作動中である場合、ヒートポンプ50を停止させる。なお、ヒートポンプ50が作動していない場合、コントローラ100は、そのままヒートポンプ50を停止させておく。コントローラ100は、ヒートポンプ停止時刻G0でヒートポンプ50を停止させると、次の日までヒートポンプ50を作動させない。その後、給湯終了時刻G1の近傍の時刻に、最後の給湯運転が終了する。従って、本実施例の給湯システム2では、給湯終了時刻G1において、タンク10内に、過剰な温水を貯えないようにすることができる。即ち、第3の所定時間γは、その時間の間にヒートポンプ50を作動させないことにより、給湯終了時刻G1の時点で、タンク10内に、過剰な温水を貯えないようにすることが可能となる時間である。
なお、上記において、コントローラ100は、過去7日分の運転履歴から、過去7日間における湯はり開始時刻の平均時刻を、湯はり開始時刻B1として特定してもよい。また、コントローラ100は、過去7日分の運転履歴から、過去7日間における入浴開始時刻の平均時刻を、入浴開始時刻T1として特定してもよい。
あるいは、コントローラ100は、過去7日分の運転履歴から、過去7日間における湯はり開始時刻の平均時刻を、第1湯はり開始時刻として特定し、過去12週間の運転履歴から、過去12週間における湯はり開始時刻の平均時刻を、第2湯はり開始時刻として特定し、第1湯はり開始時刻と第2湯はり開始時刻のうち早い方を、湯はり開始時刻B1として特定してもよい。また、コントローラ100は、過去7日分の運転履歴から、過去7日間における入浴開始時刻の平均時刻を、第1入浴開始時刻として特定し、過去12週間の運転履歴から、過去12週間における入浴開始時刻の平均時刻を、第2入浴開始時刻として特定し、第1入浴開始時刻と第2入浴開始時刻のうち早い方を、入浴開始時刻T1として特定してもよい。
あるいは、コントローラ100は、過去12週間の運転履歴から、過去12週間で同じ曜日にあたる日の湯はり開始時刻のうち最も早い時刻を、湯はり開始時刻B1として特定してもよい。あるいは、コントローラ100は、過去12週間の運転履歴から、過去12週間で同じ曜日にあたる日の湯はり開始時刻の平均時刻を、湯はり開始時刻B1として特定してもよい。また、コントローラ100は、過去12週間の運転履歴から、過去12週間で同じ曜日にあたる日の入浴開始時刻のうち最も早い時刻を、入浴開始時刻T1として特定してもよい。あるいは、コントローラ100は、過去12週間の運転履歴から、過去12週間で同じ曜日にあたる日の入浴開始時刻の平均時刻を、入浴開始時刻T1として特定してもよい。
あるいは、コントローラ100は、当日の湯はり開始指示が、リモコン110からなされた場合と、携帯端末装置120からなされた場合で、入浴開始時刻T1の特定の仕方を異なるものとしてもよい。例えば、リモコン110から湯はりの開始を指示された場合には、コントローラ100は、過去7日分(または過去12週間分)の運転履歴から、過去7日間(または過去12週間)のうちリモコン110から湯はりの開始を指示された日の入浴開始時刻のうち最も早い時刻(または入浴開始時刻の平均時刻)を、入浴開始時刻T1として特定してもよい。また、携帯端末装置120から湯はりの開始を指示された場合には、コントローラ100は、過去7日分(または過去12週間分)の運転履歴から、過去7日間(または過去12週間)のうち携帯端末装置120から湯はりの開始を指示された日の入浴開始時刻のうち最も早い時刻(または入浴開始時刻の平均時刻)を、入浴開始時刻T1として特定してもよい。
以上のように、一実施形態に係る給湯システム2は、水を貯えるタンク10と、自然環境から吸熱して水を加熱するヒートポンプ50と、タンク10とヒートポンプ50の間で水を循環させるタンク水循環路20および循環ポンプ22(循環手段の一例)と、燃料ガスの燃焼によって水を加熱する燃焼装置60と、浴槽58への湯はりの開始を指示するリモコン110または携帯端末装置120(湯はり指示装置の一例)と、入浴を検知する人感センサ62(入浴検知装置の一例)と、コントローラ100を備えている。給湯システム2は、タンク10の水をヒートポンプ50で加熱しながら、タンク10の水を浴槽58へ供給する湯はり運転を実行可能である。コントローラ100は、過去の第1所定期間(例えば12週間)における各日の入浴開始時刻に基づいて、当日の入浴開始時刻T1を推定するように構成されている。コントローラ100は、当日の湯はり運転の開始時刻と、推定される当日の入浴開始時刻T1に基づいて、当日の湯はり運転において浴槽58へ供給する水の流量を設定するように構成されている。
上記の構成によれば、浴槽58への湯はりの開始から、入浴が開始されるまでの間に、時間的な余裕がある場合には、湯はり運転において浴槽58へ供給する水の流量を小さくすることで、タンク10内の高温の水の減少を抑制することができる。これによって、入浴開始時刻T1までに湯はり運転を完了させてユーザの利便性を確保しつつ、燃焼装置60による水の加熱を抑制して湯はり運転におけるエネルギー効率を向上することができる。
一実施形態に係る給湯システム2では、コントローラ100は、過去の第1所定期間(例えば12週間)における各日の入浴開始時刻と、過去の第1所定期間とは長さが異なる第2所定期間(例えば7日間)における各日の入浴開始時刻に基づいて、当日の入浴開始時刻T1を推定するように構成されている。
上記の構成によれば、入浴開始時刻に関して、比較的長い期間での過去の実績と、比較的短い期間での過去の実績の両方を勘案して、当日の入浴開始時刻T1を推定することができる。当日の入浴開始時刻T1を、より適切に推定することができる。
一実施形態に係る給湯システム2では、コントローラ100は、過去の第1所定期間(例えば12週間)において当日と曜日が同じである各日の入浴開始時刻に基づいて、当日の入浴開始時刻T1を推定するように構成されている。
通常、ユーザの生活様式は、曜日ごとに異なることがあっても、同一曜日については同様の生活様式となることが多い。上記の構成によれば、当日と同一曜日での過去の実績に基づいて当日の入浴開始時刻T1を推定するので、当日の入浴開始時刻T1を、より適切に推定することができる。
一実施形態に係る給湯システム2では、コントローラ100は、当日の湯はり運転を完了する前に、入浴を検知した場合に、当日の湯はり運転において浴槽58へ供給する水の流量を最大流量に変更するように構成されている。
上記の構成によれば、ユーザが推定よりも早く入浴を開始した場合に、湯はり運転において浴槽58へ供給する水の流量を最大流量とすることで、速やかに湯はり運転を完了することができる。ユーザの利便性を確保することができる。
(実施例2)
本実施例の給湯システム202は、図1に示す実施例1の給湯システム2と同様の構成を備えているが、コントローラ100が学習制御で行なう処理の内容と、コントローラ100が実行する湯はり処理の内容が異なる。
(学習制御)
本実施例の給湯システム202では、コントローラ100は、入浴開始時刻T1を特定する代わりに、湯はりの開始から、最初に入浴を開始するまでの時間差を、「湯はり入浴時間差ΔT1」として特定する。具体的には、コントローラ100は、過去7日分の運転履歴から、過去7日間について、湯はり開始時刻から入浴開始時刻までの時間差を算出し、過去7日間において、最も短い時間差を、湯はり入浴時間差ΔT1として特定する。例えば、コントローラ100は、1時間を湯はり入浴時間差ΔT1として特定する(図2参照)。
(湯はり処理)
本実施例の給湯システム202では、ユーザから湯はりの開始が指示されると、コントローラ100は、図6の湯はり処理を開始する。図6の湯はり処理は、図5の湯はり処理とほぼ同様であるが、S50、S52の処理の代わりに、S53の処理を実行する。
S53では、コントローラ100は、過去の運転実績から推定された湯はり入浴時間差ΔT1から、湯はり流量を特定する。具体的には、コントローラ100は、湯はり運転において浴槽58へ供給すべき温水の量L(例えば150L)を、湯はり入浴時間差ΔT1で供給するための流量を算出することで、湯はり流量を特定する。S53以降の処理は、図5の湯はり処理と同様であるため、説明を省略する。
なお、上記において、コントローラ100は、過去7日分の運転履歴から、過去7日間について、湯はり開始時刻から入浴開始時刻までの時間差を算出し、過去7日間における時間差の平均を、湯はり入浴時間差ΔT1として特定してもよい。
あるいは、コントローラ100は、過去7日分の運転履歴から、過去7日間における湯はり入浴時間差の平均を、第1湯はり入浴時間差として特定し、過去12週間の運転履歴から、過去12週間における湯はり入浴時間差の平均を、第2湯はり入浴時間差として特定し、第1湯はり入浴時間差と第2湯はり入浴時間差のうち短い方を、湯はり入浴時間差ΔT1として特定してもよい。
あるいは、コントローラ100は、過去12週間の運転履歴から、過去12週間で同じ曜日にあたる日の湯はり入浴時間差のうち最も短いものを、湯はり入浴時間差ΔT1として特定してもよい。または、コントローラ100は、過去12週間の運転履歴から、過去12週間で同じ曜日にあたる日の湯はり入浴時間差の平均を、湯はり入浴時間差ΔT1として特定してもよい。
あるいは、コントローラ100は、当日の湯はり開始指示が、リモコン110からなされた場合と、携帯端末装置120からなされた場合で、湯はり入浴時間差ΔT1の特定の仕方を異なるものとしてもよい。例えば、リモコン110から湯はりの開始を指示された場合には、コントローラ100は、過去7日分(または過去12週間分)の運転履歴から、過去7日間(または過去12週間)のうちリモコン110から湯はりの開始を指示された日の湯はり入浴時間差のうち最も短いもの(または湯はり入浴時間差の平均)を、湯はり入浴時間差ΔT1として特定してもよい。また、携帯端末装置120から湯はりの開始を指示された場合には、コントローラ100は、過去7日分(または過去12週間分)の運転履歴から、過去7日間(または過去12週間)のうち携帯端末装置120から湯はりの開始を指示された日の湯はり入浴時間差のうち最も短いもの(または湯はり入浴時間差の平均)を、湯はり入浴時間差ΔT1として特定してもよい。
以上のように、一実施形態に係る給湯システム202は、水を貯えるタンク10と、自然環境から吸熱して水を加熱するヒートポンプ50と、タンク10とヒートポンプ50の間で水を循環させるタンク水循環路20および循環ポンプ22(循環手段の一例)と、燃料ガスの燃焼によって水を加熱する燃焼装置60と、浴槽58への湯はりの開始を指示するリモコン110または携帯端末装置120(湯はり指示装置の一例)と、入浴を検知する人感センサ62(入浴検知装置の一例)と、コントローラ100を備えている。給湯システム202は、タンク10の水をヒートポンプ50で加熱しながら、タンク10の水を浴槽58へ供給する湯はり運転を実行可能である。コントローラ100は、過去の第1所定期間(例えば12週間)における各日の湯はり運転の開始時刻から入浴開始時刻までの時間差に基づいて、当日の湯はり運転の開始時刻から入浴開始時刻までの時間差ΔT1を推定するように構成されている。コントローラ100は、推定される当日の湯はり運転の開始時刻から入浴開始時刻までの時間差ΔT1に基づいて、当日の湯はり運転において浴槽58へ供給する水の流量を設定するように構成されている。
上記の構成によれば、浴槽58への湯はりの開始から、入浴が開始されるまでの間に、時間的な余裕がある場合には、湯はり運転において浴槽58へ供給する水の流量を小さくすることで、タンク10内の高温の水の減少を抑制することができる。これによって、入浴開始時刻までに湯はり運転を完了させてユーザの利便性を確保しつつ、燃焼装置60による水の加熱を抑制して湯はり運転におけるエネルギー効率を向上することができる。
一実施形態に係る給湯システム202では、コントローラ100は、過去の第1所定期間(例えば12週間)における各日の湯はり運転の開始時刻から入浴開始時刻までの時間差と、過去の第1所定期間とは長さが異なる第2所定期間(例えば7日間)における各日の湯はり運転の開始時刻から入浴開始時刻までの時間差に基づいて、当日の湯はり運転の開始時刻から入浴開始時刻までの時間差ΔT1を推定するように構成されている。
上記の構成によれば、湯はり運転の開始時刻から入浴開始時刻までの時間差に関して、比較的長い期間での過去の実績と、比較的短い期間での過去の実績の両方を勘案して、当日の湯はり運転の開始時刻から入浴開始時刻までの時間差ΔT1を推定することができる。当日の湯はり運転の開始時刻から入浴開始時刻までの時間差ΔT1を、より適切に推定することができる。
一実施形態に係る給湯システム202では、コントローラ100は、過去の第1所定期間(例えば12週間)において当日と曜日が同じである各日の湯はり運転の開始時刻から入浴開始時刻までの時間差に基づいて、当日の湯はり運転の開始時刻から入浴開始時刻までの時間差ΔT1を推定するように構成されている。
通常、ユーザの生活様式は、曜日ごとに異なることがあっても、同一曜日については同様の生活様式となることが多い。上記の構成によれば、当日と同一曜日での過去の実績に基づいて当日の湯はり運転の開始時刻から入浴開始時刻までの時間差ΔT1を推定するので、当日の湯はり運転の開始時刻から入浴開始時刻までの時間差ΔT1を、より適切に推定することができる。
一実施形態に係る給湯システム202では、コントローラ100は、当日の湯はり運転を完了する前に、入浴を検知した場合に、当日の湯はり運転において浴槽58へ供給する水の流量を最大流量に変更するように構成されている。
上記の構成によれば、ユーザが推定よりも早く入浴を開始した場合に、湯はり運転において浴槽58へ供給する水の流量を最大流量とすることで、速やかに湯はり運転を完了することができる。ユーザの利便性を確保することができる。
なお、上記の実施例1,2では、給湯システム2、202が、人感センサ62を用いて、入浴者の有無を検知する構成について説明したが、入浴者の有無の検知はこれ以外の手法により行なうこともできる。例えば、浴槽58の水位を検出する水位センサを設けておいて、コントローラ100が、水位センサで検出される水位の変動に基づいて、入浴者の有無を検知してもよい。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2 :給湯システム
10 :タンク
12 :サーミスタ
14 :サーミスタ
16 :サーミスタ
17 :サーミスタ
18 :サーミスタ
20 :タンク水循環路
22 :循環ポンプ
24 :サーミスタ
30 :水道水導入路
30a :第1導入路
30b :第2導入路
31 :水道水供給源
32 :サーミスタ
40 :供給路
42 :混合弁
44 :サーミスタ
46 :湯はり弁
48 :浴室
50 :ヒートポンプ
52 :外気温センサ
54 :シャワー
56 :カラン
58 :浴槽
60 :燃焼装置
62 :人感センサ
72 :ヒートポンプ
100 :コントローラ
110 :リモコン
120 :携帯端末装置
202 :給湯システム

Claims (7)

  1. 水を貯えるタンクと、
    自然環境から吸熱して水を加熱するヒートポンプと、
    タンクとヒートポンプの間で水を循環させる循環手段と、
    燃料ガスの燃焼によって水を加熱する燃焼装置と、
    浴槽への湯はりの開始を指示する湯はり指示装置と、
    入浴を検知する入浴検知装置と、
    コントローラを備えており、
    タンクの水をヒートポンプで加熱しながら、タンクの水を浴槽へ供給する湯はり運転を実行可能であり、
    コントローラは、過去の第1所定期間における各日の入浴開始時刻に基づいて、当日の入浴開始時刻を推定するように構成されており、
    コントローラは、当日の湯はり運転の開始時刻と、推定される当日の入浴開始時刻に基づいて、当日の湯はり運転において浴槽へ供給する水の流量を設定するように構成されている、給湯システム。
  2. コントローラは、過去の第1所定期間における各日の入浴開始時刻と、過去の第1所定期間とは長さが異なる第2所定期間における各日の入浴開始時刻に基づいて、当日の入浴開始時刻を推定するように構成されている、請求項1の給湯システム。
  3. コントローラは、過去の第1所定期間において当日と曜日が同じである各日の入浴開始時刻に基づいて、当日の入浴開始時刻を推定するように構成されている、請求項1の給湯システム。
  4. 水を貯えるタンクと、
    自然環境から吸熱して水を加熱するヒートポンプと、
    タンクとヒートポンプの間で水を循環させる循環手段と、
    燃料ガスの燃焼によって水を加熱する燃焼装置と、
    浴槽への湯はりの開始を指示する湯はり指示装置と、
    入浴を検知する入浴検知装置と、
    コントローラを備えており、
    タンクの水をヒートポンプで加熱しながら、タンクの水を浴槽へ供給する湯はり運転を実行可能であり、
    コントローラは、過去の第1所定期間における各日の湯はり運転の開始時刻から入浴開始時刻までの時間差に基づいて、当日の湯はり運転の開始時刻から入浴開始時刻までの時間差を推定するように構成されており、
    コントローラは、推定される当日の湯はり運転の開始時刻から入浴開始時刻までの時間差に基づいて、当日の湯はり運転において浴槽へ供給する水の流量を設定するように構成されている、給湯システム。
  5. コントローラは、過去の第1所定期間における各日の湯はり運転の開始時刻から入浴開始時刻までの時間差と、過去の第1所定期間とは長さが異なる第2所定期間における各日の湯はり運転の開始時刻から入浴開始時刻までの時間差に基づいて、当日の湯はり運転の開始時刻から入浴開始時刻までの時間差を推定するように構成されている、請求項4の給湯システム。
  6. コントローラは、過去の第1所定期間において当日と曜日が同じである各日の湯はり運転の開始時刻から入浴開始時刻までの時間差に基づいて、当日の湯はり運転の開始時刻から入浴開始時刻までの時間差を推定するように構成されている、請求項4の給湯システム。
  7. コントローラは、当日の湯はり運転を完了する前に、入浴を検知した場合に、当日の湯はり運転において浴槽へ供給する水の流量を最大流量に変更するように構成されている、請求項1から6の何れか一項の給湯システム。
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