(実施例)
図1に示すように、本実施例に係る給湯システム2は、タンク10と、タンク水循環路20と、水道水導入路30と、供給路40と、ヒートポンプ50と、燃焼装置60と、コントローラ100と、リモコン110を備える。
ヒートポンプ50は、自然環境である外気から吸熱して、タンク水循環路20内の水を加熱する熱源である。ヒートポンプ50は、図示しないが、冷媒(代替フロン、例えばR410A等)を循環させる冷媒循環路と、外気と冷媒との間で熱交換を行う蒸発器と、冷媒を圧縮して高温高圧にする圧縮器と、タンク水循環路20内の水と高温高圧の冷媒との間で熱交換を行う凝縮器と、熱交換を終えた後の冷媒を減圧させて低温低圧にする膨張弁と、を備えている。また、ヒートポンプ50には、外気温を測定する外気温センサ52が備えられている。
タンク10は、ヒートポンプ50によって加熱された水を貯える。タンク10は、密閉型であり、断熱材によって外側が覆われている。タンク10内には満水まで水が貯留されている。本実施例では、タンク10の容量は100Lである。タンク10には、サーミスタ12、14、16、17、18がタンク10の高さ方向に所定間隔で取り付けられている。各サーミスタ12、14、16、17、18は、その取付位置の水の温度を測定する。例えば、各サーミスタ12、14、16、17、18は、それぞれ、タンク10の上部から6L、12L、30L、50L、70Lの位置の水の温度を測定する。
タンク水循環路20は、上流端がタンク10の下部に接続されており、下流端がタンク10の上部に接続されている。タンク水循環路20には、循環ポンプ22が介装されている。循環ポンプ22は、タンク水循環路20内の水を上流側から下流側へ送り出す。また、タンク水循環路20は、ヒートポンプ50の熱交換器(図示省略)を通過している。そのため、ヒートポンプ50を作動させると、タンク水循環路20内の水がヒートポンプ50の熱交換器で加熱される。従って、循環ポンプ22とヒートポンプ50とを作動させると、タンク10の下部の水がヒートポンプ50で加熱され、加熱された水がタンク10の上部に戻される。即ち、タンク水循環路20は、タンク10に蓄熱するための水路である。また、タンク水循環路20のヒートポンプ50の上流側には、サーミスタ24が介装されている。サーミスタ24は、タンク10の下部から導出され、ヒートポンプ50を通過する前の水の温度を測定する。サーミスタ24は、循環ポンプ22よりもヒートポンプ50に近い位置のタンク水循環路20に設けられていてもよいし、循環ポンプ22よりもタンク10に近い位置のタンク水循環路20に設けられていてもよい。
水道水導入路30は、上流端が水道水供給源31に接続されている。水道水導入路30には、サーミスタ32が介装されている。サーミスタ32は、水道水の温度を測定する。水道水導入路30の下流側は、第1導入路30aと第2導入路30bに分岐している。第1導入路30aの下流端は、タンク10の下部に接続されている。第2導入路30bの下流端は、供給路40の途中に接続されている。第2導入路30bの下流端と供給路40との接続部分には、混合弁42が設けられている。混合弁42は、供給路40内を流れる水に、第2導入路30b内の水を混合させる量を調整する。
供給路40は、上流端がタンク10の上部に接続されている。第2導入路30bとの接続部より下流側の供給路40には、燃焼装置60が介装されている。また、燃焼装置60より下流側の供給路40には、サーミスタ44が介装されている。サーミスタ44は、供給される水の温度を測定する。燃焼装置60は、燃料ガスの燃焼によって水を加熱する。燃焼装置60は、サーミスタ44が測定する水の温度が、給湯設定温度と一致するように、供給路40内の水を加熱する。供給路40の下流端は、給湯箇所(例えば図示しない台所のカランや、浴室48のシャワー54やカラン56等)に接続されている。また、供給路40の下流端には、浴室48の浴槽58に湯はりをするための湯はり弁46が設けられている。なお、浴室48には、浴室48内の入浴者の有無を検知する人感センサ62が設けられている。
コントローラ100は、各構成要素と電気的に接続されており、各構成要素の動作を制御する。コントローラ100には、リモコン110が接続されている。リモコン110は、給湯システム2に関連する各種の情報を表示することができる。また、リモコン110は、給湯システム2に関連する各種の操作入力を受け入れることができる。給湯システム2のユーザは、リモコン110を介して、シャワー54やカラン56等に供給する水の温度である給湯設定温度、浴槽58に供給する水の温度であるふろ設定温度、浴槽58への湯はりを完了する時刻である湯はり完了時刻などを設定しておくことができる。
次いで、本実施例の給湯システム2の動作について説明する。給湯システム2は、沸上運転、給湯運転および湯はり運転を実行することができる。なお、本明細書では、給湯システム2の給湯運転と湯はり運転の両方を、給湯システム2による給湯という。以下、各運転について説明する。
(沸上運転)
沸上運転は、ヒートポンプ50によって、タンク10内の水を加熱する運転である。コントローラ100によって沸上運転の実行が指示されると、ヒートポンプ50が作動するとともに、循環ポンプ22が作動する。循環ポンプ22が作動すると、タンク水循環路20内をタンク10内の水が循環する。即ち、タンク10の下部に存在する水がタンク水循環路20内に導入され、導入された水がヒートポンプ50内の熱交換器を通過する際に、冷媒の熱によって加熱され、加熱された水がタンク10の上部に戻される。タンク10の内部には、低温の水の層の上に高温の水の層が積層された、温度成層が形成される。
(給湯運転)
給湯運転は、給湯設定温度の水を給湯箇所に供給する運転である。給湯運転は、上記の沸上運転中にも実行することができる。給湯箇所であるシャワー54やカラン56等が開かれると、水道水供給源31からの水圧によって、水道水導入路30(第1導入路30a)からタンク10の下部に水道水が流入する。同時に、タンク10上部の水が、供給路40を介して給湯箇所に供給される。
コントローラ100は、タンク10から供給路40に供給される水の温度(即ち、サーミスタ12の測定温度)が、給湯設定温度より高い場合には、混合弁42を開いて第2導入路30bから供給路40に水道水を導入する。従って、タンク10から供給された高温の水と第2導入路30bから供給された低温の水道水とが、供給路40内で混合される。コントローラ100は、給湯箇所に供給される水の温度が、給湯設定温度と一致するように、混合弁42の開度を調整する。一方、コントローラ100は、タンク10から供給路40に供給される水の温度が、給湯設定温度より低い場合には、燃焼装置60を作動させる。従って、供給路40を通過する水が燃焼装置60によって加熱される。コントローラ100は、給湯箇所に供給される水の温度が、給湯設定温度と一致するように、燃焼装置60の出力を制御する。
(湯はり運転)
湯はり運転は、ふろ設定温度の水を浴槽58に供給する運転である。湯はり運転は、上記の沸上運転中にも実行することができる。リモコン110で設定された湯はり完了時刻に基づく湯はり開始時刻になると、コントローラ100は、湯はり弁46を開く。これによって、給湯運転と同様にして、ふろ設定温度に調温された水が浴槽58へ供給される。
(学習制御)
図2は、ある1日の間に、給湯が行われる時間帯を概略的に示す図である。なお、本実施例では、2:00を始点とする24時間を、1日を特定するための単位時間としている。
一般的には、例えば、6:00~7:00に最初に給湯が行われる(図2の例では6:00)。最初の給湯は、例えば、朝食の用意や洗面のための給湯である。最初の給湯では、5L~20L程度の高温の水が供給される。その後、例えば、11:00~12:00に二度目の給湯が行われる(図2の例では11:00)。二度目の給湯は、例えば、昼食の用意のための給湯である。二度目の給湯でも、5L~20L程度の高温の水が供給される。その後、例えば、20:00に三度目の給湯が行われる(図2の例では20:00)。三度目の給湯は、浴槽58への湯はり運転である。湯はり運転では、150L~180L程度の高温の水が供給される。その後、例えば、23:00~0:00に最後の給湯が行われる(図2の例ではおよそ23:00)。最後の給湯は、例えば、歯磨き等のための給湯である。最後の給湯では、5L~10L程度の高温の水が供給される。最後の給湯は、0:00頃に終了する。
本実施例では、コントローラ100は、給湯が行われる度に、給湯が開始された時刻と、給湯が終了した時刻と、給湯で使用された高温の水の量を示す温水供給量を、給湯実績として記憶する。また、コントローラ100は、人感センサ62によって浴室48内の入浴者を検知する度に、入浴が開始された時刻(入浴者を検知しない状態から入浴者を検知している状態に切り換わった時刻)と、入浴が終了した時刻(入浴者を検知している状態から入浴者を検知しない状態に切り換わった時刻)と、入浴が開始された時刻から入浴が終了した時刻までの間の時間を示す入浴時間と、入浴中に使用された高温の水の量を示す入浴時温水供給量を、入浴実績として記憶する。なお、給湯システム2が、浴室48内の人物を特定する人物特定装置(図示せず)を備えている場合には、コントローラ100は、それぞれの入浴実績に、人物特定装置によって特定された入浴者を関連付けて記憶してもよい。このような人物特定装置としては、例えば、顔認証や指紋認証、虹彩認証といった画像認識によって人物を特定する装置や、身長、体重等の身体的特徴を計測することによって人物を特定する装置を用いてもよい。なお、このような人物特定装置によって、浴室48内の入浴者の有無を検知可能な場合には、人感センサ62を設けることなく、人物特定装置によって、浴室48内の入浴者の有無の検知と、浴室48内の入浴者の特定の両方を行ってもよい。
そして、コントローラ100は、1日分の給湯実績と入浴実績を、1日分の運転履歴として記憶する。本実施例では、コントローラ100は、過去の所定期間(例えば1ヶ月間)の各日の運転履歴を記憶している。
続いて、コントローラ100が、24時間毎(時刻が2:00になる毎)に実行する処理について説明する。コントローラ100は、24時間毎に、前日の運転履歴を新たに記憶する。
次いで、コントローラ100は、過去7日分の運転履歴から、過去7日間において、最初の給湯が開始された時刻(給湯開始時刻)のうち、最も早い時刻を特定する。以下では、この時刻を「給湯開始時刻S1」と呼ぶ。例えば、コントローラ100は、6:00を給湯開始時刻S1として特定する(図2参照)。
さらに、コントローラ100は、過去7日分の運転履歴から、過去7日間において、給湯開始時刻から湯はり開始前までの温水供給量のうち、最も多い温水供給量を特定する。以下では、この温水供給量を「第1給湯量Q1」と呼ぶ。例えば、コントローラ100は、30Lを第1給湯量Q1として特定する。
また、コントローラ100は、過去7日分の運転履歴から、過去7日間において、湯はり運転が開始された時刻(湯はり開始時刻)のうち、最も早い時刻を特定する。以下では、この時刻を「湯はり開始時刻B1」と呼ぶ。上記の通り、本実施例では、毎日20:00に湯はり運転を開始するように予め設定されている。例えば、コントローラ100は、20:00を湯はり開始時刻B1として特定する(図2参照)。
さらに、コントローラ100は、過去7日分の運転履歴から、過去7日間において、最後の給湯が終了した時刻(給湯終了時刻)のうち、最も遅い時刻を特定する。以下では、この時刻を「給湯終了時刻G1」と呼ぶ。例えば、コントローラ100は、0:00を給湯終了時刻G1として特定する(図2参照)。
さらに、コントローラ100は、サーミスタ32が測定する温度TW(即ち、水道水の水温)と第1給湯量Q1に基づいて、第1の所定時間αを特定する。また、コントローラ100は、サーミスタ32が測定する温度TW(即ち、水道水の水温)に基づいて、第2の所定時間β、及び、第3の所定時間γを特定する。
温度TWが21℃以上の場合、コントローラ100は、第1の所定時間αとして「20分」を特定する。温度TWが13℃以上21℃未満の場合、コントローラ100は、第1の所定時間αとして「30分」を特定する。温度TWが13℃未満の場合、コントローラ100は、第1の所定時間αとして「45分」を特定する。コントローラ100は、温度TWが高いほど、第1の所定時間αとして、短い時間を特定する。
また、第1給湯量Q1が12L未満の場合、コントローラ100は、第1の所定時間αの加算時間として「5分」を特定する。第1給湯量Q1が12L以上30L未満の場合、コントローラ100は、第1の所定時間αの加算時間として「10分」を特定する。第1給湯量Q1が30L以上の場合、コントローラ100は、第1の所定時間αの加算時間として「15分」を特定する。コントローラ100は、第1給湯量Q1が少ないほど、第1の所定時間αの加算時間として、短い時間を特定する。
同様に、温度TWが21℃以上の場合、コントローラ100は、第2の所定時間βとして「40分」を特定する。温度TWが13℃以上21℃未満の場合、コントローラ100は、第2の所定時間βとして「50分」を特定する。温度TWが13℃未満の場合、コントローラ100は、第2の所定時間βとして「60分」を特定する。コントローラ100は、温度TWが高いほど、第2の所定時間βとして、短い時間を特定する。
さらに同様に、温度TWが21℃以上の場合、コントローラ100は、第3の所定時間γとして「80分」を特定する。温度TWが13℃以上21℃未満の場合、コントローラ100は、第3の所定時間γとして「50分」を特定する。温度TWが13℃未満の場合、コントローラ100は、第3の所定時間γとして「40分」を特定する。コントローラ100は、温度TWが高いほど、第3の所定時間γとして、長い時間を特定する。
次いで、コントローラ100は、給湯開始時刻S1から、特定された第1の所定時間αだけ前の時刻である第1のヒートポンプ作動時刻S0を特定する。本実施例では、コントローラ100は、第1のヒートポンプ作動時刻S0が到来すると、後述の第1のヒートポンプ作動処理(図5参照)を開始する。
また、コントローラ100は、湯はり開始時刻B1から、特定された第2の所定時間βだけ前の時刻である第2のヒートポンプ作動時刻B0を特定する。本実施例では、コントローラ100は、第2のヒートポンプ作動時刻B0が到来すると、後述の第2のヒートポンプ作動処理(図6参照)を開始する。
さらに、コントローラ100は、給湯終了時刻G1から、特定された第3の所定時間γだけ前の時刻であるヒートポンプ停止時刻G0を特定する。本実施例では、コントローラ100は、第2のヒートポンプ作動処理の終了後、後述のヒートポンプ停止処理(図8参照)を開始する。
また、コントローラ100は、過去7日分の運転履歴から、当日に入浴を予定している入浴者と、入浴者ごとの入浴時間と、入浴者ごとの入浴時温水供給量を特定する。例えば、図3に示すように、過去の運転履歴において、1日の間に3回の入浴実績があった場合には、コントローラ100は、過去の各日における入浴者を3人の入浴者A,B,Cと特定する。そして、過去の運転履歴において、それぞれの入浴実績に入浴者が関連付けられている場合には、コントローラ100は、それぞれの入浴実績に関連付けられている入浴者を、その入浴実績に対応する入浴者として特定する。また、過去の運転履歴において、それぞれの入浴実績に入浴者が関連付けられていない場合、コントローラ100は、過去の運転履歴におけるそれぞれの入浴実績がどの入浴者に対応するかを特定する。例えば、コントローラ100は、過去の各日における入浴時間に基づいて、それぞれの入浴実績がどの入浴者に対応するかを特定してもよい。例えば、入浴者が3人と特定されている場合、コントローラ100は、過去7日間の各日について、最も入浴時間が長い入浴実績を入浴者Aに対応するものと特定し、最も入浴時間が短い入浴実績を入浴者Bに対応するものと特定し、残りの入浴実績を入浴者Cに対応するものと特定してもよい。あるいは、コントローラ100は、過去の各日における入浴時温水供給量に基づいて、それぞれの入浴実績がどの入浴者に対応するかを特定してもよい。例えば、入浴者が3人と特定されている場合、コントローラ100は、過去7日間の各日について、最も入浴時温水供給量が多い入浴実績を入浴者Cに対応するものと特定し、最も入浴時温水供給量が少ない入浴実績を入浴者Bに対応するものと特定し、残りの入浴実績を入浴者Aに対応するものと特定してもよい。
そして、コントローラ100は、過去に入浴を行った入浴者A,B,Cを、当日に入浴を予定している入浴者として特定するとともに、入浴者A,B,Cそれぞれについて、過去7日間における入浴時間と入浴時温水供給量の平均値または最大値を算出し、入浴者A,B,Cが入浴する際の入浴時間および入浴時温水供給量を特定する(図4参照)。なお、当日に入浴を予定している入浴者の特定は、例えば、ユーザが、リモコン110や、コントローラ100と通信可能な通信端末を介して、当日に入浴を予定している入浴者を入力することによって、行ってもよい。
(第1のヒートポンプ作動処理)
図5は、コントローラ100が実行する第1のヒートポンプ作動処理の内容を示すフローチャートである。上記の通り、第1のヒートポンプ作動時刻S0が到来すると、コントローラ100は、図5の処理を開始する。
まず、S10では、コントローラ100は、タンク10に取り付けられているサーミスタ12、14、16、17、18のうち、第1給湯量Q1に対応するサーミスタを選択する。本実施例では、第1給湯量Q1が30Lなので、コントローラ100は、30Lに対応するサーミスタ16を選択する。
続くS12では、コントローラ100は、上記のS10で選択したサーミスタ16が測定する温度(即ち、タンク10の上部から30Lの位置の水温)が、所定の閾値TAより高いか否か判断する。
本実施例では、所定の閾値TAは、「沸上設定温度-10℃」である。沸上設定温度は、例えば47℃である。そのため、所定の閾値TAは、例えば37℃である。S12でYESと判断される場合、少なくとも、タンク10の上部から30Lの位置の水温は閾値TA(例えば37℃)より高い。上記の通り、タンク10の内部には、低温の水の層の上に高温の水の層が積層された、温度成層が形成される。そのため、S12でYESと判断される場合には、タンク10の30Lの位置からタンク上部までの間には、沸上設定温度(例えば47℃)に近い高温の水が貯められている。即ち、S12でYESと判断される場合には、給湯開始時刻S1の近傍の時刻に行われる予定の最初の給湯に必要な量(5L~20L程度)の高温の水がタンク10内に貯められていることを意味する。S12でYESと判断される場合、S18に進む。一方、S12でNOと判断される場合、S14に進む。
S14では、コントローラ100は、ヒートポンプ50が作動中であるか否か判断する。ヒートポンプ50が作動している場合、コントローラ100はS14でYESと判断し、S12に戻る。この場合、コントローラ100は、ヒートポンプ50によってタンク10内の水を加熱する沸上運転を継続する。一方、ヒートポンプ50が作動していない場合、コントローラ100はS14でNOと判断し、S16に進む。
S16では、コントローラ100は、ヒートポンプ50を作動させる。また、コントローラ100は、循環ポンプ22を回転させる。即ち、コントローラ100は、上記の沸上運転を開始する。これにより、タンク10の下部に存在する水がタンク水循環路20内に導入され、導入された水がヒートポンプ50によって加熱され、加熱された水がタンク10の上部に戻される。これにより、タンク10に高温の水が貯められる。S16でヒートポンプ50を作動させた後は、S12に戻り、コントローラ100は、サーミスタ16が測定する温度が、所定の閾値TAより高くなること(即ちタンク10に第1給湯量Q1の水が所定の閾値TAより高い水温で貯められている状態になること)を監視する。サーミスタ16が測定する温度が所定の閾値TAより高くなる場合(S12でYES)、S18に進む。
S18では、コントローラ100は、ヒートポンプ50及び循環ポンプ22を停止させる。上記の通り、S12でYESと判断される場合には、タンク10内には、既に最初の給湯に必要な量(第1給湯量Q1(30L))の高温の水が貯められているためである。
図5の第1のヒートポンプ作動処理を開始した後、給湯開始時刻S1の近傍の時刻に、最初の給湯運転が実行されると、タンク10上部の水が、供給路40を介して給湯箇所に供給される。上記の通り、本実施例の給湯システム2では、給湯開始時刻S1において、タンク10内に、給湯に必要な量の高温の水を貯えておくことができる。即ち、第1の所定時間αは、その時間の間だけヒートポンプ50を作動させることによって、給湯開始時刻S1の時点で、タンク10内に、給湯に必要な量の高温の水を貯めることが可能となる時間である。
(第2のヒートポンプ作動処理)
図6は、コントローラ100が実行する第2のヒートポンプ作動処理の内容を示すフローチャートである。上記の通り、第2のヒートポンプ作動時刻B0が到来すると、コントローラ100は、図6の処理を開始する。
まず、S30では、コントローラ100は、サーミスタ24が測定する温度(即ち、タンク10の下部から導出され、ヒートポンプ50を通過する前の水の温度)が、所定の閾値TBより高いか否か(即ちタンク10が満蓄状態か否か)判断する。本実施例では、所定の閾値TBは、「沸上設定温度-5℃」である。沸上設定温度が、例えば47℃である場合、所定の閾値TBは、例えば42℃である。S30でYESと判断される場合、S38に進む。一方、S30でNOと判断される場合、S32に進む。
S32では、コントローラ100は、ヒートポンプ50を作動させる。また、コントローラ100は、循環ポンプ22を回転させる。即ち、コントローラ100は、上記の沸上運転を開始する。なお、S32の時点で既にヒートポンプ50及び循環ポンプ22が作動している場合、コントローラ100は、ヒートポンプ50及び循環ポンプ22を継続して作動させる。S32を終えると、S34に進む。
一方、S38では、ヒートポンプ50及び循環ポンプ22を停止させる。上記の通り、S30でYESと判断される場合には、タンク10は満蓄状態である。そのため、それ以上、ヒートポンプ50及び循環ポンプ22を作動させる必要がない。S38を終えると、S34に進む。
S34では、コントローラ100は、湯はり開始時刻B1が到来したか否か判断する。S34でYESと判断される場合、S36に進み、湯はり処理(図7参照)を開始する。一方、S34でNOの場合、S30に戻る。
本実施例では、図6の第2のヒートポンプ作動処理が開始された時点で、タンク10内に沸上設定温度の水が十分に貯められていない場合には、上記のS32でヒートポンプ50を作動させた後、タンク10が満蓄状態になる前に、湯はり開始時刻B1が到来する(S34でYES)。即ち、本実施例では、コントローラ100は、第2のヒートポンプ作動時刻B0にヒートポンプ50を作動させる(S32)と、湯はり開始時刻B1において、サーミスタ24が測定する温度が、所定の閾値TB未満になるように、第2の所定時間βを特定している。
(湯はり処理)
上記の通り、湯はり開始時刻B1が到来すると、S36において、コントローラ100は、湯はり処理を開始する。図7は、湯はり処理の内容を示すフローチャートである。なお、本実施例では、湯はり開始時刻B1が到来すると、自動的に湯はり処理が開始される例を説明するが、変形例では、ユーザによって所定の湯はり開始操作が行われる場合に、湯はり処理を開始してもよい。
図7のS50では、コントローラ100は、湯はり運転を開始する。即ち、コントローラ100は、湯はり弁46を開き、浴槽58への水の供給を開始する。次いで、S52では、コントローラ100は、ヒートポンプ50が作動中であるか否か判断する。上記の通り、湯はり開始時刻B1が到来した時点で、タンク10が満蓄状態でなかった場合には、ヒートポンプ50は継続して作動している。その場合、コントローラ100はS52でYESと判断し、S58に進む。一方、湯はり開始時刻B1が到来した時点で、タンク10が満蓄状態であった場合には、ヒートポンプ50は停止している。その場合、コントローラ100はS52でNOと判断し、S54に進む。
S54では、コントローラ100は、サーミスタ18が測定する温度が、所定の閾値TA以下になることを監視する。あるいは、コントローラ100は、サーミスタ24が測定する温度が、所定の閾値TA以下になることを監視する。S54でYESの場合、S56に進む。S56では、コントローラ100は、ヒートポンプ50を作動させるとともに、循環ポンプ22を回転させる。
続くS58では、コントローラ100は、サーミスタ12が測定する温度(即ち、タンク10の上部から6Lの位置の水温)が、ふろ設定温度以下になることを監視する。S58でYESと判断される場合には、タンク10内に貯められていた高温の水(ふろ設定温度より高い温度の水)の量が残り6L以下まで減少したことを意味する。以下では、この状態のことを「湯切れ状態」と呼ぶ場合がある。本実施例では、湯はり運転において、150L~180Lの高温の水が必要とされる。上記の通り、本実施例では、タンク10の容量は100Lであるため、湯はり運転の途中で必ず湯切れ状態(S58でYES)が発生する。S58でYESと判断される場合(即ち、湯切れ状態の場合)、S60に進む。
S60では、コントローラ100は、燃焼装置60を作動させる。なお、この場合も、コントローラ100は、ヒートポンプ50及び循環ポンプ22を継続して作動させる。この結果、浴槽58には、ヒートポンプ50及び燃焼装置60で加熱された水が供給される。
次いで、S62では、コントローラ100は、湯はり運転が完了することを監視する。所定量(例えば150L)の水を浴槽58に供給し終えると、コントローラ100は、S62でYESと判断し、S64に進む。
S64では、コントローラ100は、S60で作動させた燃焼装置60を停止させる。なお、この場合も、コントローラ100は、ヒートポンプ50及び循環ポンプ22を所定時間継続して作動させる。S64を終えると、図7の湯はり処理が終了する。同時に、図6の処理も終了する。上記の通り、本実施例の給湯システム2では、湯はり開始時刻B1において、タンク10内に、湯はりのために必要な量の一部の高温の水を貯えておくことができる。即ち、第2の所定時間βは、その時間の間だけヒートポンプ50を作動させることによって、湯はり開始時刻B1の時点で、タンク10内に、必要な量の高温の水を貯めることが可能となる時間である。
また、上記の通り、コントローラ100は、第2のヒートポンプ作動時刻B0にヒートポンプ50を作動させる(S32)と、湯はり開始時刻B1において、サーミスタ24が測定する温度が、所定の閾値TB未満になるように、第2の所定時間βを特定している。そのため、湯はり開始時刻B1が到来した時点で、タンク10が満蓄状態でない場合には、浴槽58に水の供給を開始した後も(図7のS50)、ヒートポンプ50を継続して作動させる(図7のS52でYES)。この場合、ヒートポンプ50で水を加熱してタンク10に貯めながら、浴槽58に高温の水を供給することができる。一方、湯はり開始時刻B1において、ヒートポンプ50が停止している場合(図7のS52でNO)、後でヒートポンプ50を再度作動させる必要があり、時間がかかる(図7のS56)。また、湯はり開始時刻B1において、ヒートポンプ50が継続して作動している場合には(図7のS52でYES)、湯はり開始時刻B1において、ヒートポンプ50が停止している場合(図7のS52でNO)と比べて、ヒートポンプ50の停止及び再作動が頻繁に行われることを抑制することができる。即ち、ヒートポンプ50の停止及び再作動によるロスを減らしてエネルギー効率を高くすることができ、さらに、ヒートポンプ50の耐久性の低下を抑制することができる。
(ヒートポンプ停止処理)
図8は、コントローラ100が実行するヒートポンプ停止処理の内容を示すフローチャートである。上記の通り、第2のヒートポンプ作動処理が終了すると、コントローラ100は、図8の処理を開始する。
まず、S70では、コントローラ100は、入浴の終了を検知したか否かを判断する。例えば、コントローラ100は、人感センサ62が入浴者の存在を検知した後、人感センサ62が入浴者の存在を検知しなくなった場合に、入浴が終了したものと判断する。S70でYESと判断される場合、S72に進む。一方、S70でNOと判断される場合、S86に進む。
S72では、コントローラ100は、S70で終了した入浴における入浴者を入浴済みの入浴者として特定し、入浴する予定の入浴者と、入浴済みの入浴者に基づいて、未だ入浴していない入浴者を特定する。S70で終了した入浴における入浴者の特定は、種々の方法により行うことができる。例えば、コントローラ100は、S70で終了した入浴における入浴時間を、それぞれの入浴者が入浴する際の入浴時間(例えば図4参照)と比較し、最も近い入浴時間の入浴者を、S70で終了した入浴における入浴者と特定してもよい。あるいは、コントローラ100は、S70で終了した入浴における温水供給量を、それぞれの入浴者が入浴する際の入浴時温水供給量(例えば図4参照)と比較し、最も近い入浴時温水供給量の入浴者を、S70で終了した入浴における入浴者と特定してもよい。あるいは、コントローラ100は、S70で終了した入浴における入浴時間および温水供給量の組み合わせを、それぞれの入浴者が入浴する際の入浴時間および入浴時温水供給量の組み合わせと比較し、最も近い入浴時間および入浴時温水供給量の組み合わせの入浴者を、S70で終了した入浴における入浴者と特定してもよい。あるいは、給湯システム2が、浴室48内の人物を特定する人物特定装置(図示せず)を備えている場合、コントローラ100は、人物特定装置により特定される人物を、S70で終了した入浴における入浴者として特定してもよい。このような人物特定装置としては、例えば、顔認証や指紋認証、虹彩認証といった画像認識によって人物を特定する装置や、身長、体重等の身体的特徴を計測することによって人物を特定する装置を用いてもよい。なお、このような人物特定装置を用いる場合、S70で入浴の終了を検知する前に、人感センサ62によって浴室48内に入浴者が入ったことを検知した時点で、人物特定装置により浴室48内の入浴者を特定して、S72以降の処理を行ってもよい。また、このような人物特定装置によって、浴室48内の入浴者の有無を検知可能な場合には、人感センサ62を設けることなく、人物特定装置によって、浴室48内の入浴者の有無の検知と、浴室48内の入浴者の特定の両方を行ってもよい。
S74では、コントローラ100は、現在時刻と、未だ入浴していない入浴者が入浴する際の入浴時間に基づいて、全員の入浴が終了すると想定される時刻(想定入浴終了時刻)を算出する。例えば、図4に示す入浴者A,B,Cのうち、入浴者Aがすでに入浴済みであり、入浴者B,Cが未だ入浴していない場合、コントローラ100は、入浴者Bが入浴する際の入浴時間(例えば30分間)と入浴者Cが入浴する際の入浴時間(例えば45分間)を合算した時間(例えば75分間)を現在時刻に加算した時刻を、想定入浴終了時刻として算出する。あるいは、コントローラ100は、未だ入浴していない入浴者が入浴する際の入浴時間を合算した時間と、全員の入浴が終了した後に必要とされる温水供給量の高温の水をタンク10内に貯めることができる時間(入浴後必要量沸上時間)を現在時刻に加算して、想定入浴終了時刻を算出してもよい。入浴後必要量沸上時間は、例えば、所定時間(例えば20分)であってもよいし、季節に応じて設定される時間(例えば夏季では10分、冬季では30分、春季または秋季では20分)であってもよいし、過去の運転履歴に基づいて、過去の7日間において全員の入浴が終了した後にヒートポンプ50が作動した時間の平均値または最大値であってもよい。
S76では、コントローラ100は、S74で算出した想定入浴終了時刻が、ヒートポンプ停止時刻G0よりも遅いか否かを判断する。想定入浴終了時刻がヒートポンプ停止時刻G0よりも遅い場合(YESの場合)、処理はS78へ進む。
S78では、コントローラ100は、ヒートポンプ停止時刻G0を、S74で算出した想定入浴終了時刻に置き換える。これによって、ヒートポンプ停止時刻G0が、当初よりも遅い時刻に更新される。S78の後、処理はS80へ進む。
S76で、想定入浴終了時刻がヒートポンプ停止時刻G0よりも早い場合(NOの場合)、S78をスキップして、処理はS80へ進む。
S80では、コントローラ100は、未だ入浴していない入浴者が入浴する際の入浴時温水供給量に基づいて、必要温水供給量を算出する。例えば、図4に示す入浴者A,B,Cのうち、入浴者Aがすでに入浴済みであり、入浴者B,Cが未だ入浴していない場合、コントローラ100は、入浴者Bが入浴する際の入浴時温水供給量(例えば20L)と入浴者Cが入浴する際の入浴時温水供給量(例えば50L)を合算した温水供給量(例えば70L)を、必要温水供給量として算出する。あるいは、コントローラ100は、未だ入浴していない入浴者が入浴する際の入浴時温水供給量を合算した温水供給量に、さらに、全員の入浴が終了した後に必要とされる温水供給量を加算して、必要温水供給量を算出してもよい。全員の入浴が終了した後に必要とされる温水供給量は、例えば、所定値(例えば10L)であってもよいし、季節に応じて設定される値(例えば夏季では5L、冬季では15L、春季または秋季では10L)であってもよいし、過去の運転履歴に基づいて、過去の7日間において全員の入浴が終了した後に使用された温水供給量の最大値または平均値であってもよい。
S82では、コントローラ100は、タンク10の貯湯量を算出し、タンク10の貯湯量が必要温水供給量を超えているか否かを判断する。タンク10の貯湯量は、例えば、サーミスタ12、14、16、17、18で検出されるタンク10の高さ方向の水温の分布と、サーミスタ32で検出される水道水の温度に基づいて、算出することができる。タンク10の貯湯量が必要温水供給量を超えている場合(YESの場合)、処理はS84へ進む。
S84では、コントローラ100は、ヒートポンプ停止時刻G0を、現在時刻に置き換える。これによって、ヒートポンプ停止時刻G0が、当初よりも早い時刻に更新される。S84の後、処理はS86へ進む。
S82で、タンク10の貯湯量が必要温水供給量を超えていない場合(NOの場合)、S84をスキップして、処理はS86へ進む。
S86では、コントローラ100は、ヒートポンプ停止時刻G0が到来したか否かを判断する。S86でYESと判断される場合、S88に進む。一方、S86でNOと判断される場合、S70に戻る。
S88では、コントローラ100は、ヒートポンプ50の動作を禁止する。すなわち、S88の時点で、ヒートポンプ50が作動中である場合、コントローラ100は、ヒートポンプ50を停止させる。また、S88以降、次の日まで、コントローラ100は、ヒートポンプ50の作動を禁止する。従って、当日に、その後に行われる給湯運転は、S88の時点でタンク10内に残存している高温の水を利用して行われ、タンク10が湯切れした場合には、燃焼装置60による加熱が行われる。
なお、図8のヒートポンプ停止処理において、当日に入浴を予定している入浴者の特定を、S80でヒートポンプ50の動作を禁止するまで繰り返し行って、当日に入浴を予定している入浴者を逐次更新する構成としてもよい。この場合、S70で入浴の終了を検知していなくても、当日に入浴を予定している入浴者が変更されることで、S72で特定される未だ入浴していない入浴者が変化し、その後のS76やS82における判定結果が変化することがある。従って、このような構成とする場合、当日に入浴を予定している入浴者が更新された場合には、その時点でS72以降の処理を実行する。これによって、当日に入浴を予定している入浴者の更新を、その後の処理に速やかに反映することができる。
なお、上記において、コントローラ100は、過去7日分の運転履歴から、過去7日間における給湯開始時刻の平均時刻を、給湯開始時刻S1として特定してもよい。同様に、コントローラ100は、過去7日分の運転履歴から、過去7日間における湯はり開始時刻の平均時刻を、湯はり開始時刻B1として特定してもよい。さらに、コントローラ100は、過去7日分の運転履歴から、過去7日間における給湯終了時刻の平均時刻を、給湯終了時刻G1として特定してもよい。
上記の実施例では、給湯システム2が、人感センサ62を用いて、入浴者の有無を検知する構成について説明したが、入浴者の有無の検知はこれ以外の手法により行なってもよい。
以上のように、本実施例の給湯システム2は、水を貯えるタンク10と、自然環境から吸熱して水を加熱するヒートポンプ50と、タンク10とヒートポンプ50の間で水を循環させるタンク水循環路20および循環ポンプ22(循環手段の例)と、燃料ガスの燃焼によって水を加熱する燃焼装置60と、入浴を検出する人感センサ62(入浴検出手段の例)と、コントローラ100を備えている。コントローラ100は、人感センサ62で検出された入浴における入浴者を特定する入浴者特定手段として機能する。また、コントローラ100は、ヒートポンプ50による水の加熱を許可する第1のヒートポンプ作動時刻S0(運転開始時刻の例)と、ヒートポンプ50による水の加熱を禁止するヒートポンプ停止時刻G0(運転停止時刻の例)をそれぞれ設定する。図4に例示するように、コントローラ100は、入浴する予定の入浴者と、それぞれの入浴者が入浴する際の入浴時間および入浴時温水供給量(入浴関連情報の例)を特定する。コントローラ100は、入浴する予定の入浴者と、人感センサ62で検出された入浴における入浴者に基づいて、未だ入浴していない入浴者を特定する。コントローラ100は、未だ入浴していない入浴者が入浴する際の入浴時間や入浴時温水供給量に基づいて、ヒートポンプ停止時刻G0を変更する。
一般に、入浴中には多くの高温の水が使用される。従って、上記の構成によれば、当日の入浴状況を反映して、ヒートポンプ停止時刻G0を適切に変更することで、省エネルギー化を図ることができる。
本実施例の給湯システム2では、コントローラ100が、人感センサ62で検出された入浴における入浴時間や入浴時温水供給量に基づいて、人感センサ62で検出された入浴における入浴者を特定してもよい。
上記の構成によれば、画像認識等によって人物を特定する人物特定装置を用いることなく、人感センサ62で検出された入浴における入浴者を特定することができる。
本実施例の給湯システム2は、タンク10の貯湯量を取得するサーミスタ12、14、16、17、18、32(貯湯量取得手段の例)をさらに備えている。コントローラ100は、タンク10の貯湯量が、未だ入浴していない入浴者が入浴する際の入浴時温水供給量を超えている場合に、ヒートポンプ停止時刻G0が当初よりも早くなるようにヒートポンプ停止時刻G0を変更する。
一般に、入浴を予定している入浴者全員の入浴が終了した後は、それほど多くの高温の水が使用されることはない。従って、タンク10の貯湯量が、未だ入浴していない入浴者が入浴する際の入浴時温水供給量を超えていれば、ヒートポンプ停止時刻G0を早めてもタンク10の貯湯量が不足するおそれは少ない。上記の構成によれば、タンク10の貯湯量が不足するおそれが少ない場合に、ヒートポンプ停止時刻G0を早めることで、1日の最後に残存するタンク10の貯湯量を少なくすることができる。
本実施例の給湯システム2では、コントローラ100は、現在時刻に、未だ入浴していない入浴者が入浴する際の入浴時間を加算した時刻が、ヒートポンプ停止時刻G0より遅い場合に、ヒートポンプ停止時刻G0が当初よりも遅くなるようにヒートポンプ停止時刻G0を変更する。
一般に、入浴中にはシャワー54やカラン56などで高温の水が多く使用されるので、入浴を予定している入浴者全員の入浴が終了する前に、ヒートポンプ50による水の加熱を禁止してしまうと、タンク10の貯湯量が不足するおそれが生じる。上記の構成によれば、ヒートポンプ停止時刻G0よりも後に、入浴を予定している入浴者全員の入浴が終了すると見込まれる場合に、ヒートポンプ停止時刻G0を遅らせることで、タンク10の貯湯量が不足する事態が生じることを抑制することができる。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。