本実施形態に係る投入ロット編成装置1は、要求される処理条件が異なる複数のロットLを、異なる処理条件の処理を実行する複数の処理装置2を用いて処理する場合に、処理装置2で同時に処理する複数のロットLのまとまりを投入ロットILとして、処理装置2ごとに編成することができる装置である。本実施形態においては、処理が行われる対象物をワークW、複数のワークWから構成される管理上のまとまりをロットLとして説明する。また、本実施形態では、1つの処理装置2に、複数のロットLを投入して同時に処理を行う場合があり、1つの処理装置2で同時に処理する複数のロットLのまとまりを投入ロットILと称す。さらに、本実施形態では、ロットLを構成する全てのワークWが処理装置2内に投入できない場合に、ロットLを複数のサブロットSLに分割し、分割したサブロットSLを同一の処理装置2において、連続して、バッチ処理する場合もある。
また、以下においては、ワークWである半導体ウエハを、加熱処理装置である処理装置2を用いて加熱処理する場面を例示して説明するが、ワークWは半導体ウエハWに限定されず、また、処理装置2も加熱処理装置に限定されるものではない。
まず、処理装置2に投入されるロットLについて説明する。本実施形態では、処理装置2で処理される複数のワークWをロットL単位で管理しており、ワークWを処理装置2に投入する際に、ロットL単位で編成処理が行われる。本実施形態において、ワークWは、加熱処理の対象となる半導体ウエハであり、1つのインゴットから製造された半導体ウエハが1つのロットLとして管理されている。また、ロットLにおけるワークWの枚数(ロットサイズ)は、一律ではなく、ロットごとに決められる。たとえば、ロットLAは、170枚の半導体ウエハ(ワークW)からなるロット単位で管理され、ロットLBは、140枚の半導体ウエハからなるロット単位で管理され、ロットLCは、180枚の半導体ウエハからなるロット単位で管理される。ワークWはロットL単位で処理装置2に投入され、ロット単位で処理される(ただし、後述するように、ロットLの全てのワークWを処理装置2に投入できない場合、ロットLをサブロットSLに分割し、サブロットSL単位で処理装置2に投入する場合もある。)。
また、本実施形態では、ロットLごとに、ロットLを構成するワークWの大きさ、ワークWの枚数(ロットサイズ)、加熱温度や加熱時間などのワークWの処理条件、ワークWの処理に適した処理装置2のライフ帯、ロットLの納期が決められており、これらの情報が、ロット情報として投入ロット編成装置1の記憶装置20に記憶されている。なお、処理条件には、上記加熱温度や加熱時間の他、ワークWのサイズや形状、ドーパントの種類、ドープ量(抵抗幅)、ガス組成や流量などを含めることができる。また、処理装置2のライフ情報とは、たとえば、処理装置2における治具の劣化度や処理装置2自体の劣化の状態をいい、傷が付きやすいロットLAにおいては治具の劣化度が低い方が適しており、このような場合、ロットLAのワークWに適した処理装置2のライフ帯は「初期」などのように設定される。さらに、本実施形態では、受注時、加工指示時、あるいは前工程終了時などの時点から現時点までのロットLの滞留時間の情報も、ロット情報として記憶装置20に記憶される。ロットLの滞留時間も「長い」、「普通」、「短い」など段階的に設定され、適宜更新される。なお、本実施形態において、複数のロットLは、要求される処理条件が異なる2以上の品種のロットLを有するが、処理条件が同じ同品種のロットLを複数含む場合もある。
次に、処理装置2について説明する。本実施形態において、処理装置2は、少なくとも異なる処理条件で処理を実施する2以上の処理装置を含み、処理装置2ごとに設定された処理条件で、処理装置2内に投入された複数のロットLのまとまりである投入ロットILの処理を実行する。たとえば、本実施形態において、処理装置2は、半導体ウエハの加熱処理を行う加熱処理装置であり、異なる処理条件(たとえば異なる加熱温度や加熱時間)で加熱処理を実行する。この場合に、処理装置2Aは、1200℃で10時間、投入ロットILを加熱する処理を実行し、処理装置2Bは、1300℃で10時間、投入ロットILを加熱する処理を実行する構成とすることができる。なお、複数の処理装置2のうち一部は、他の処理装置2と同じ処理条件で処理を行う構成としてもよい。たとえば上述の例において、処理装置2Aと同じく、1200℃で10時間、投入ロットILを加熱する処理装置2A’をさらに有する構成とすることもできる。また、処理装置2は2以上の処理条件を選択的に実行できる構成とすることもできる。たとえば、処理装置2Aは、1200℃で10時間、投入ロットILを加熱する加熱処理と、1300℃で10時間、投入ロットILを加熱する加熱処理とを選択的に実行する構成とすることができる。さらに、本実施形態では、処理装置2ごとに、処理可能なワークWの大きさ、1回の処理当たり(1バッチ当たり)の投入可能枚数、1バッチ当たりの処理時間、処理装置2のライフ情報、実行可能な処理条件(たとえば加熱温度や加熱時間など)が決まっており、これらの情報を装置情報として、投入ロット編成装置1の記憶装置20に記憶している。なお、処理装置2のライフ情報とは、処理装置2における治具の劣化度や処理装置2自体の劣化の状態であり、処理装置2の最大ライフ分のバッチ処理を実行した場合に、治具の交換やメンテナンス作業などが行われる。また、処理装置2のライフ情報は、処理装置2が加熱処理を行ったバッチ回数やバッチ処理を実行した延べ時間に応じて、「初期」、「中期」、「末期」のように複数の段階に分けて設定される。以下においては、処理装置2が加熱処理を行ったバッチ回数に基づいて、処理装置2のライフを判定する構成を例示する。
次に、本実施形態に係る投入ロット編成装置1について説明する。図1は、本実施形態に係る投入ロット編成装置1の構成図である。投入ロット編成装置1は、図1に示すように、演算装置10と、記憶装置20と、外部出力装置30と、入力装置40と、を有する。
演算装置10は、記憶装置20に記憶されている、投入ロットILを編成するためのプログラムを実行することで、ロットLに関するロット情報を取得するロット情報取得機能と、処理装置2に関する装置情報を取得する装置情報取得機能と、投入ロットILの編成を行う投入ロット編成機能と、投入ロット編成機能による編成結果をユーザに出力する出力機能とを実行する。
演算装置10のロット情報取得機能は、ロットLに関するロット情報を取得する。上述したように、ロット情報には、ロットLを構成するワークWの大きさ、ロットサイズ(1ロット当たりのワークの枚数)、加熱温度や加熱時間などのワークWの処理条件、ワークWの処理に適した処理装置2のライフ帯、ロットLの納期、ロットLの滞留時間の情報が含まれ、記憶装置20に記憶されている。そのため、ロット情報取得機能は、記憶装置20を参照することで、これらロット情報を取得することができる。また、外部装置または外部媒体にロット情報を記憶しておき、ロット情報取得機能が、外部装置または外部媒体にアクセスすることで、外部装置または外部媒体からロット情報を取得する構成としてもよい。
演算装置10の装置情報取得機能は、処理装置2に関する装置情報を取得する。上述したように、装置情報には、処理装置2が処理可能なワークWの大きさ、1回の処理当たり(1バッチ当たり)の投入可能枚数、1バッチ当たりの処理時間、処理装置2のライフ情報、処理装置2が実行可能な処理条件(たとえば加熱温度や加熱時間)、などの処理装置2の仕様に関する情報が装置情報として含まれ、記憶装置20に記憶されている。
さらに、本実施形態において、装置情報は、処理装置2のコンディションに関する情報を含む。処理装置2のコンディションに関する情報としては、処理装置2が稼働しているか否かを示す稼働状況や、処理装置2に既に割り当てられたワークWの通算枚数の情報が挙げられる。また、本実施形態に係る投入ロット編成処理では、ロットLの全てのワークWを一度のバッチ処理で処理できない場合には、同じロットLのワークWを、同一の処理装置2で複数回に分けて処理する場合があり、このような場合、同一の処理装置2について複数回分のバッチ処理を行うように投入ロットILが編成される。そのため、同一の処理装置2においてバッチ処理を複数回行う場合は、上記処理装置2に割り当てられたワークWの通算枚数として、全てのバッチ処理において割り当てられたワークWの合計枚数が記録される。さらに、バッチ処理を複数回行う場合の最終回のバッチ処理を「最終バッチ処理」と称した場合の、最終バッチ処理におけるワークWの割り当て済み枚数、最終バッチ処理における処理条件、最終バッチ処理の開始時刻、最終バッチ処理の終了時刻、最終バッチ処理終了時の処理装置2のライフ帯の情報が、装置情報(処理装置2のコンディションに関する情報)として記憶装置20に記憶される。
装置情報取得機能は、記憶装置20を参照することで、これら装置情報を取得することができる。また、ロット情報と同様に、外部装置または外部媒体に装置情報を記憶しておき、装置情報取得機能が、外部装置または外部媒体にアクセスすることで、外部装置または外部媒体から装置情報を取得する構成としてもよい。
演算装置10の投入ロット編成機能は、ロット情報取得機能により取得したロット情報と、装置情報取得機能により取得した装置情報とに基づいて、処理装置2に投入する投入ロットILの編成を行う。具体的には、投入ロット編成機能は、まず、ロットLを処理装置2に投入できるか否かを、ロットLごと、処理装置2ごとに判定する投入可否判定処理を行う。より具体的には、投入ロット編成機能は、処理装置2が稼働しているか(投入可否判定条件1)、処理装置2の処理終了時刻がロットLの処理終了期限前であるか(投入可否判定条件2)、ロットLに処理装置2の指定がある場合に、処理装置2が当該ロットLの指定する処理装置であるか(投入可否判定条件3)、処理装置2のライフ内においてロットLを処理できるか(投入可否判定条件4)、および、処理装置2の処理条件とロットLの処理条件とが一致するか(投入可否判定条件5)、の投入可否判定条件をそれぞれ判定し、1つの投入可否判定条件でも満たさない場合には、ロットLを処理装置2に投入しないと判定する。なお、投入可否判定処理の詳細については後述する。
また、投入ロット編成機能は、投入可否判定処理において投入可能と判定されたロットLと処理装置2との組み合わせについて、ロットLを処理装置2に投入する際の適合度を評価する適合度評価処理を行う。具体的には、投入ロット編成機能は、投入可能と判定されたロットLと処理装置2との組み合わせについて、ロットLを処理装置2で処理した場合の処理終了時刻(適合度評価条件1)、ロットLを処理装置2に投入した場合の処理装置2の最終バッチ処理における充填率(適合度評価条件2)、いずれかのロットLから指定されている処理装置2について、判定対象のロットLが、処理装置2を指定するロットLであるか(適合度評価条件3)、処理装置2のライフ帯がロットLに適したライフ帯であるか(適合度評価条件4)、ロットLを処理装置2に投入する場合に段取りが必要であるか(適合度評価条件5)、のいずれか2つ以上の適合度評価条件について判定を行い、適合度評価条件ごとに個別適合度を算出する。さらに、投入ロット編成機能は、算出した個別適合度の合計値や当該合計値を相対化した値を、適合度評価値として算出する。なお、適合度評価処理の詳細については後述する。
そして、投入ロット編成機能は、投入可否判定処理において投入可能と判定されたロットLと処理装置2との複数の組み合わせのうち、適合度評価値が最も高い組み合わせを選出し、当該組み合わせにおけるロットLを、当該組み合わせにおける処理装置2に割り当てる。そして、投入ロット編成機能は、処理装置2に未だ割り当てられていないロットLについて、上述した投入可否判定処理と、適合度評価処理とを繰り返すことで、生産計画などで必要とされる分のロットLの処理装置2への割り当てを行う。
演算装置10の出力機能は、投入ロット編成機能により生成された投入ロットILの編成情報を、外部出力装置30に出力する。外部出力装置30は、特に限定されず、モニターやタッチパネルディスプレイなどの表示装置、音声を出力する音声出力装置、プリンターなど編成情報を印刷する印刷装置など、ユーザに編成情報を把握させることができる装置が一例として挙げられる。また、外部出力装置30は、編成情報を外部媒体に記憶するものや、搬送システムなどの外部システムに編成情報を伝達する装置であってもよい。本実施形態において、外部出力装置30は、ディスプレイであり、投入ロットILの編成情報を表示することで、どのロットLをどの処理装置2に投入すればよいかをユーザに迅速に把握させることができる。
次に、本実施形態に係る投入ロット編成処理について説明する。図2は、本実施形態に係る投入ロット編成処理を示すフローチャートである。なお、以下に示す投入ロット編成処理は、投入ロット編成装置1の演算装置10により実行される。また、以下に示す例では、ロットLA〜LCを、処理装置2A〜2Cで処理する場面を例示して説明する。
図2に示すように、ステップS1では、演算装置10のロット情報取得機能により、ロット情報の取得が行われる。本実施形態において、ロット情報には、ロットLを構成するワークWの大きさ、ロットサイズ(1ロット当たりのワークの枚数)、加熱温度や加熱時間などのワークWの処理条件、ワークWの処理に適した処理装置2のライフ帯、ロットLの納期、ロットLの滞留時間の情報が含まれる。
ここで、下記表1は、ロットLA〜LCのロット情報の一例を示す表である。たとえば、表1に示すように、ロットLAのロット情報に関し、ロットLAを構成するワークWの大きさ(直径)が150mmであり、1ロット当たりのワークWの枚数が170枚であり、加熱温度や加熱時間などの処理条件が「処理条件1」であり、治具などのライフが「初期」である処理装置2で処理されることが望ましく、処理装置2の指定はないとの情報が得られる。また、ロットLAは、現在までの滞留時間が「長く」、納期が「8月3日12時」となっているとのロット情報が得られる。
ステップS2では、演算装置10の装置情報取得機能により、処理装置2に関する装置情報が、記憶装置20から取得される。本実施形態において、装置情報には、処理装置2が処理可能なワークWの大きさ、1回の処理当たり(1バッチ当たり)の投入可能枚数、1バッチ当たりの処理時間、処理装置2のライフ情報、処理装置2が実行可能な処理条件(たとえば加熱温度や加熱時間など)などの、処理装置2の仕様を示す情報が含まれる。
ここで、下記表2は、処理装置2A〜2Cの装置情報の一例を示す表である。たとえば、表2に示すように、処理装置2Aの装置情報のうち、処理装置2Aの仕様を示す情報として、処理装置2Aが処理可能なワークWの大きさ(直径)が「150mm」であり、1バッチ当たりの投入可能なワークWの枚数が「120枚」であり、1バッチ当たりの処理時間が「3時間」であり、最大ライフ「NA」とライフ帯との関係(たとえば、バッチ回数が0.3×NA未満であればライフは「初期」であり、バッチ回数が0.3×NA以上かつ0.6×NA未満であればライフは「中期」であり、バッチ回数が0.6NA以上であればライフは「末期」である)、処理装置2Aが実行可能な処理条件が「条件1」および「条件2」であるとの装置情報が得られる。なお、1バッチ当たりの処理時間は、処理装置2へのワークWの出し入れの時間を含めた時間とすることができる。
また、装置情報取得機能は、処理装置2のコンディションを示す情報も、装置情報として、記憶装置20から取得する。処理装置2のコンディション示す情報としては、処理装置2の稼働状態、処理装置2に割り当てられたワークWの通算枚数、最後バッチ処理におけるワークWの割り当て済み枚数、最終バッチ処理における処理条件、最終バッチ処理の開始時刻、最終バッチ処理の終了時刻、最終バッチ処理終了時の処理装置2のライフ帯の情報が含まれる。
たとえば、表2に示す例において、装置情報取得機能は、処理装置2Aについて、処理装置2の稼働状態が「稼働中」であり、割り当て済みのワークWの通算枚数が「300枚」であり、最後バッチ処理におけるワークWの割り当て済み枚数が「60枚」であり、最終バッチ処理における処理条件が「条件1」であり、最終バッチ処理の開始時刻が「8月1日2時」であり、最終バッチ処理の終了時刻が「8月1日5時」であり、最終バッチ処理終了時の処理装置2Aのライフ帯が「初期」であるとの装置情報を取得することができる。
ステップS3では、投入ロット編成機能により、ステップS1で取得したロット情報およびステップS2で取得した装置情報に基づいて、ロット分割シミュレーションが行われる。ロット分割シミュレーションとは、ロットLのロットサイズが、処理装置2の最終バッチの投入可能枚数よりも大きい場合などに、投入ロットILを編成するために、ロットLを複数のサブロットSLに分割することである。なお、ロット分割シミュレーションは、ロットLと処理装置2との組み合わせごとに行われる。
たとえば、上記表1に示すロットLA、および、上記表2に示す処理装置2Aとの組み合わせについてロット分割シミュレーションを行う場面を説明する。上記表1に示すように、ロットLAはロットサイズが170枚である。また、上記表2に示すように、処理装置2Aは1バッチ当たりの投入可能枚数が120枚であり、最終バッチ処理の割り当て済み枚数が60枚である。そのため、処理装置2Aには、ロットLAを投入することができるスペースがあることがわかる。
この場合、投入ロット編成機能は、ロットLAを処理装置2Aに混成させることができるか否かを判定する。具体的には、投入ロット編成機能は、まず、処理装置2Aに別のロットLが既に投入されているかを判定する。そして、投入ロット編成機能は、処理装置2Aに別のロットLが既に投入されている場合には、たとえば下記に示す条件を満たす場合に、ロットLAを処理装置2Aに混成できると判定することができる。すなわち、投入ロット編成機能は、たとえば、(1)処理装置2Aが、ロットLAが要求する処理条件で処理を実行可能であり、(2)ロットLAのワークWの大きさと処理装置2Aの最終バッチ処理において処理可能なワークWの大きさが一致し、(3)処理装置2Aの最終バッチ処理に空きがあり(最終バッチ処理の充填率が100%未満であり)、(4)ロットLAの処理条件と処理装置2Aの最終バッチにおける処理条件とが一致する場合に、既に投入された別のロットLと、ロットLAとは混成可能であると判定することができる。また、上記条件に加えて、加熱温度が一致する、加熱時間が一致する、ドーパント種が一致する、あるいは、抵抗が所定範囲内である場合に、混成可能であると判定する構成としてもよい。
そして、投入ロット編成機能は、処理装置2AにおいてロットLAを混成できると判定した場合には、処理装置2Aの投入可能枚数の120枚から、既に割り当てられている最終バッチ処理のロットLの60枚を差し引いた、60枚分のスペースにロットLAを割り当てる。また、ロットLAはロットサイズが170枚であるため、残りの110枚については、次回のバッチ処理として、処理装置2Aに割り当てる。これにより、投入ロット編成機能は、下記表3に示すように、ロットLAを処理装置2Aに投入する場合には、ロットLAを、1バッチ目の60枚と、2バッチ目の110枚の2つのサブロットに分割するものとして算出し、そのシミュレーション結果を、記憶装置20に記憶する。
また、ロットLAを処理装置2Bに投入する場合のシミュレーションについて説明する。上記表2に示すように、処理装置2Bは、1バッチ当たりの投入可能枚数が100枚であり、最終バッチ処理における割り当て済み枚数は50枚であるため、最終バッチ処理におけるスペースに余裕があるが、処理装置2Bの最終バッチにおける処理条件が「条件2」でありロットLAの処理条件が「条件1」であるため、最終バッチ処理において割り当て済みのロットLと投入候補のロットLAとを混成して処理することができない。そのため、投入ロット編成機能は、最終バッチ処理の次のバッチ処理から、ロットLAを処理装置2Bに投入する。この場合、処理装置2Bの1バッチ当たりの投入可能枚数は100枚であるため、投入ロット編成機能は、1バッチ目のサブロットを100枚と設定し、2バッチ目のサブロットを70枚と設定する。このように、ロットLAを処理装置2Bに投入する場合、投入ロット編成機能は、ロットLAを、1バッチ目の100枚と、2バッチ目の70枚の2つのサブロットに分割するシミュレーションを行うこととなる。同様に、ロットLAと処理装置2Cとの組み合わせ、並びに、ロットLB,LCと処理装置2A〜2Cの各組み合わせについてもシミュレーションを行い、必要な場合に、サブロットSLへの分割を行う。
さらに、ステップS3のロット分割シミュレーションにおいて、投入ロット編成機能は、ロットLを複数のサブロットSLに分割した場合の、1バッチ目の処理開始時刻、最終バッチの処理開始時刻、最終バッチの処理終了時刻、最終バッチのサブロットSLを投入した際の処理装置2の充填率、および最終バッチ終了時の処理装置2のライフ帯についても、シミュレーションを行う。
たとえば、ロットLAを処理装置2Aに投入する場合、上述したように、ロットLAは2つのサブロットSLA1,SLA2に分割され、1バッチ目のサブロットSLA1が、表2に示す処理装置2Aの最終バッチ処理において処理される。そのため、投入ロット編成機能は、ロットLAの1バッチ目の処理開始時刻を、表2に示す処理装置2Aの最終バッチ処理の開始時刻である「8月1日2時」と算出することができる。また、ロットLAの2バッチ目のサブロットSLA2は、ロットLAの最終バッチ目のサブロットとなる。表2に示すように、処理装置2Aの1バッチ当たりの処理時間は3時間であるため、投入ロット編成機能は、ロットLAの最終バッチ目(2バッチ目)のサブロットSLA2の処理開始時刻を、1バッチ目の処理開始時刻から3時間後の「8月1日5時」と算出し、また、最終バッチ目(2バッチ目)のサブロットSLA2の処理終了時刻をさらに3時間後の「8月1日8時」と算出する。さらに、投入ロット編成機能は、ロットLAの最終バッチ目(2バッチ目)のサブロットSLA2を投入した後の処理装置2Aの充填率を110/120=91.7%と算出する。
さらに、ロット分割シミュレーションにおいて、投入ロット編成機能は、上記表3に示すように、ロットLAの最終バッチ終了時のライフ帯も算出する。ここで、処理装置2のライフ帯は、図2に示すように、ライフの最大値を所定のバッチ回数NAで定めており、実行したバッチ回数に応じてライフが3段階で判断される。たとえば、表2に示す処理装置2Aにおいては、最大ライフのバッチ回数NAに対して、バッチ回数が0.3×NA回までを「初期(<0.3NA)」、0.6×NA回までを「中期(<0.6NA)、0.6×LA回以上を「末期(≧0.6NA)」としている。そのため、たとえば、処理装置2Aの最大ライフがバッチ処理100回である場合において、処理装置2AでロットLAを処理した後の処理装置2Aのバッチ処理の通算回数が、30回までである場合は「初期」と設定し、60回までである場合は「中期」と設定し、60回以上は「末期」と設定される。なお、ライフは治具の交換やメンテナンスで回復し、回復後は再度、バッチ処理の通算回数を0回としてライフが評価される。また、上記例では、ライフを3段階で評価する構成を例示したが、この構成に限定されず、2段階または4段階以上で評価する構成としてもよい。
ステップS4では、投入ロット編成機能により、投入可否判定処理が行われる。ここで、図3は、ステップS4の投入可否判定処理を示すフローチャートである。図3に示す投入可否判定処理では、各ロットLについて、各処理装置2に投入できるか否かを、ロットLごと、処理装置2ごとに判定される。そのため、ステップS41では、まず、投入ロット編成機能により、投入可否判定処理の処理対象となるロットLと処理装置2との組み合わせが特定される。なお、本実施形態では、投入可否判定処理の対象となるロットLを判定対象ロットLT1と称し、投入可否判定処理の対象となる処理装置2を判定対象装置2T1と称す。
ステップS42では、投入ロット編成機能により、ステップS2で取得された判定対象装置2T1の装置情報に基づいて、判定対象装置2T1が稼働しているか否か(投入可否判定条件1)の判定が行われる。たとえば、判定対象装置2T1が上記表2に示す処理装置2Aである場合、稼働状態が「稼働中」であるため、投入ロット編成機能は、判定対象装置2T1は稼働していると判定する。また、判定対象装置2T1が上記表2に示す処理装置2Cである場合、稼働状態は「停止中」であるため、投入ロット編成機能は、判定対象装置2T1は稼働していないと判定する。そして、投入ロット編成機能は、判定対象装置2T1が稼働していると判定した場合は、投入可否判定条件1のステータスを「YES」に設定し、判定対象装置2T1が稼働していないと判定した場合は、投入可否判定条件1のステータスを「NO」に設定し、判定結果を記憶装置20に記憶する。
ステップS43では、投入ロット編成機能により、判定対象ロットLT1を判定対象装置2T1で処理した場合に、判定対象ロットLT1の納期に間に合うか否か(投入可否判定条件2)の判定が行われる。具体的には、投入ロット編成機能は、ステップS3のロット分割シミュレーションで算出した判定対象ロットLT1の複数のサブロットSLのうち最終バッチ目のサブロットSLの処理終了時刻と、ステップS1で取得したロット情報にある判定対象ロットLT1の納期に応じた処理終了期限とを比較する。そして、投入ロット編成機能は、判定対象ロットLT1の最終バッチ目のサブロットSLの処理終了時刻が判定対象ロットLT1の処理終了期限よりも早い場合に、判定対象ロットLT1の納期に間に合うと判定する。そして、投入ロット編成機能は、判定対象ロットLT1を判定対象装置2T1で処理した場合に、判定対象ロットLT1の納期に間に合うと判定した場合は、投入可否判定条件2のステータスを「YES」に設定し、一方、判定対象ロットLT1の納期に間に合わないと判定した場合は、投入可否判定条件2のステータスを「NO」に設定し、設定した投入不可判定条件2のステータスを記憶装置20に記憶する。
たとえば、上記表3に示す例において、判定対象ロットLT1がロットLAであり、判定対象装置2T1が処理装置2Aである場合、表3に示すように、ロットLAの最終バッチ目のサブロットSLA2の処理終了時刻が「8月1日8時」であり、表2に示す、ロットLAの納期である「8月3日12時」よりも早い。そのため、投入ロット編成機能は、ロットLAを処理装置2Aで処理した場合に、ロットLAの納期に間に合うと判定し、投入可否判定条件2のステータスを「YES」に設定する。
また、ステップS44では、投入ロット編成機能により、判定対象ロットLT1について処理装置2の指定があるか否か、および、判定対象装置2T1が判定対象ロットLT1の指定する処理装置2であるか否か(投入可否判定条件3の判定)の判定が行われる。具体的に、投入ロット編成機能は、ステップS1で取得したロット情報に基づいて、判定対象ロットLT1に、処理装置2の指定があるか判定する。また、判定対象ロットLT1に処理装置2の指定がある場合には、投入ロット編成機能は、判定対象装置2T1が、判定対象ロットLT1の指定する処理装置2であるか否かを判定する。そして、投入ロット編成機能は、判定対象ロットLT1に処理装置2の指定がない場合、あるいは、判定対象装置2T1が判定対象ロットLT1の指定する処理装置2である場合、投入可否判定条件3のステータスを「YES」に設定し、一方、判定対象ロットLT1に処理装置2の指定があり、かつ、判定対象装置2T1が判定対象ロットLT1の指定する処理装置2ではない場合には、投入可否判定条件3のステータスを「NO」に設定し、設定した投入不可判定条件3のステータスを記憶装置20に記憶する。
たとえば、判定対象ロットLT1がロットLAである場合、上記表1に示すように、ロットLAは処理装置2の指定がないため、投入ロット編成機能は、判定対象装置2T1が処理装置2A〜2Cのいずれについても、投入可否判定条件3のステータスを「YES」に設定する。同様に、判定対象ロットLT1がロットLBである場合も、処理装置2の指定がないため、処理装置2A〜2Cのいずれについても、投入可否判定条件3のステータスが「YES」に設定される。一方、判定対象ロットLT1がロットLCである場合、表1に示すように、ロットLCは処理装置2の指定があり、ロットLCを処理するための処理装置2として処理装置2Aを指定している。そのため、投入ロット編成機能は、判定対象ロットLT1がロットLCであり、判定対象装置2T1が処理装置2Aである場合には、投入可否判定条件3のステータスを「YES」に設定し、判定対象装置2T1が処理装置2B,2Cの場合には、投入可否判定条件3のステータスを「NO」に設定する。
ステップS45では、投入ロット編成機能により、判定対象装置2T1のライフ内において判定対象ロットLT1を処理できるか否かの判定(投入可否判定条件4の判定)が行われる。具体的に、投入ロット編成機能は、まず、ステップS2で取得した装置情報に基づいて、判定対象装置2T1のライフを確認し、判定対象装置2T1で判定対象ロットLT1を処理した場合に、判定対象装置2T1の処理回数が判定対象装置2T1の最大ライフを超えない場合には、判定対象装置2T1のライフ内において判定対象ロットLT1を処理できると判定し、一方、判定対象装置2T1の処理回数が判定対象装置2T1の最大ライフを超える場合には、判定対象装置2T1のライフ内において判定対象ロットLT1を処理できないと判定する。特に、本実施形態において、投入ロット編成機能は、判定対象ロットLT1をサブロットSLに分割する場合は、複数のサブロットの全てを判定対象装置2T1のライフ内で処理可能であるかを判定する。そして、投入ロット編成機能は、判定対象装置2T1のライフ内において判定対象ロットLT1を処理できると判定した場合には、投入可否判定条件4のステータスを「YES」と設定し、一方、判定対象装置2T1のライフ内において判定対象ロットLT1を処理できないと判定した場合には、投入可否判定条件4のステータスを「NO」と設定し、設定した投入可否判定条件4のステータスを記憶装置20に記憶する。
たとえば、上記表3に示す例において、判定対象ロットLT1がロットLAであり、判定対象装置2T1が処理装置2Aである場合、ステップS3のロット分割シミュレーションの結果、ロットLAを分割した複数のサブロットSLA1,SLA2の最終バッチ処理における処理装置2Aのライフは最大ライフNAに達していない「中期(<0.6×NA)」として予測されている。この場合、投入ロット編成機能は、ロットLAの全てのサブロットSLA1,SLA2を処理しても、処理装置2Aの処理回数が最大ライフNAを超えないため、処理装置2Aのライフ内でロットLAを処理可能であると判定し、投入可否判定条件4を「YES」に設定する。
ステップS46では、投入ロット編成機能により、判定対象装置2T1の処理条件と、判定対象ロットLT1の処理条件とが一致するか否かの判定が行われる。たとえば、本実施形態において、投入ロット編成機能は、加熱温度や加熱時間、ドーパントの種類、ドープ量(抵抗幅)、ガス組成や流量などの処理条件が一致するかを判定することができる。また、本実施形態において、投入ロット編成機能は、判定対象ロットLT1のワークWの大きさや形状と、判定対象装置2T1が処理可能なワークWの大きさや形状とが一致するかも処理条件として判定することができる。投入ロット編成機能は、判定対象装置2T1の処理条件と判定対象ロットLT1の処理条件とが一致すると判定した場合には、投入可否判定条件5のステータスを「YES」に設定し、一方、判定対象装置2T1の処理条件と判定対象ロットLT1の処理条件とが一致しない場合には、投入可否判定条件5のステータスを「NO」に設定し、設定した投入可否判定条件5のステータスを記憶装置20に記憶する。
たとえば、判定対象ロットLT1がロットLAであり、判定対象装置2T1が処理装置2Aである場合、表1に示すように、ロットLAの処理条件は「条件1」であり、表2に示すように、処理装置2Aが実施可能な処理条件は「条件1、2」であるため、処理条件は一致し、また、ロットLAのワークWの大きさが150mmであり、処理装置2Aの処理可能なワークWの大きさも150mmで一致するため、投入ロット編成機能は、ロットLAの処理条件と処理装置2Aの処理条件とが一致すると判定し、投入可否判定条件5のステータスを「YES」に設定する。
このように、ステップS42〜S46において、投入可否判定条件1〜5の判定を行うことで、下記表4に示すように、判定対象ロットL
T1における、処理装置2ごとの投入可否判定条件1〜5のステータスが記憶装置20に記憶されることとなる。なお、下記表4は、ロットLAにおける、処理装置2A〜2Cの投入可否判定条件1〜5のステータスを示している。
そして、ステップS47では、投入ロット編成機能により、ステップS41で特定された判定対象ロットLT1について、全ての処理装置2を判定対象装置2T1として、ステップS41〜S46の処理が行われたか否かの判定が行われる。ステップS41で特定された判定対象ロットLT1について、全ての処理装置2を判定対象装置2T1としてステップS41〜S46の処理が行われた場合は、ステップS48に進み、一方、全ての処理装置2を判定対象装置2T1としてステップS41〜S46の処理が行われていない場合は、ステップS41に戻り、処理が行われてない処理装置2が新たに判定対象装置2T1として特定され、ステップS42〜S46の処理が行われる。
ステップS48では、投入ロット編成機能により、全てのロットLを判定対象ロットLT1として、ステップS41〜S47の処理が行われたか否かの判定が行われる。全てのロットLを判定対象ロットLT1としてステップS41〜S47の処理が行われた場合は、図3に示す投入可否判定処理を終了し、図2に示すステップS5に進む。一方、全てのロットLを判定対象ロットLT1としてステップS41〜S47の処理が行われていない場合は、ステップS41に戻り、処理が行われてないロットLが新たに判定対象ロットLT1として特定され、ステップS41〜S47の処理が行われる。
図2に戻り、ステップS5では、投入ロット編成機能により、各ロットLについて、各処理装置2に投入した場合の適合度を評価する適合度算出処理が行われる。ここで、図4は、ステップS5の適合度評価処理を示すフローチャートである。図4に示す適合度評価処理では、複数の適合度評価条件のそれぞれについて、ロットLを処理装置2に投入した際の個別適合度を求め、求めた各個別適合度に重み付けを行った後、重み付けした複数の個別適合度の合計値や、当該合計値を相対化した値(たとえば、0〜1の範囲内となるようにシグモイド関数を用いて導出した値)を、適合度評価値として算出する。
図4に示すように、ステップS51では、まず、投入ロット編成機能により、各適合度評価条件に重み付けを行うための重みの取得が行われる。本実施形態において、適合度評価条件の重みは、階層分析法により、適合度評価条件ごとに予め決定され、記憶装置20に記憶されている。ここで、本実施形態では、適合度評価条件として、(1)ロットLを処理装置2で処理した場合の処理終了時刻、(2)ロットLを処理装置2に投入した場合の処理装置2の最終バッチ処理における充填率、(3)いずれかのロットLから指定されている処理装置2について、判定対象のロットLが、処理装置2を指定するロットLであるか、(4)処理装置2のライフ帯がロットLに適したライフ帯であるか、(5)ロットLを処理装置2に投入する場合に段取りが必要であるか、の5つの適合度評価条件が評価される。そのため、本実施形態では、階層分析法により、(1)〜(5)の適合度評価条件1〜5を1:1でそれぞれ比較し、比較する適合度評価条件のどちらを優先するかを5段階で評価することで、各適合度評価条件の重みを決定している。
たとえば、下記表5の先頭行に示すように、(1)の処理終了時刻に関する適合度評価条件1と(2)の最終バッチの充填率に関する適合度評価条件2とを比較する場合に、(1)の処理終了時刻に関する適合度評価条件1よりも、(2)の最終バッチの充填率に関する適合度評価条件2を大きく優先する場合には、(1)の適合度評価条件1について1点を付与し、(2)の適合度評価条件2について5点を付与する。また、下記表5の先頭から2行目に示すように、(1)の処理終了時刻に関する適合度評価条件1と(3)の処理装置2の指定に関する適合度評価条件3とを比較する場合に、(1)の処理終了時刻に関する適合度評価条件1よりも、(3)の処理装置2の指定に関する適合度評価条件3を小さく優先する場合には、(1)の適合度評価条件1について2点を付与し、(2)の適合度評価条件2について3点を付与する。
そして、適合度評価条件ごとに付与した点数の合計点に応じて、(1)〜(5)の適合度評価条件1〜5の重みを決定する。本実施形態では、合計点が最も高い適合度評価条件の重みを1となるように、各適合度評価条件1〜5の重みを調整する。その結果、下記表6に示すように、(1)〜(5)の適合度評価条件1〜5の重みW1〜W5が決定され、記憶装置20に記憶される。
続いて、ステップS52では、投入ロット編成機能により、評価対象ロットLT2および評価対象装置2T2の選定が行われる。すなわち、図4に示す適合度評価処理でも、図3に示す投入可否判定処理と同様に、各ロットLを各処理装置2に投入する場合の適合度が、ロットLごと、処理装置2ごとに判定される。そのため、ステップS52では、適合度評価処理の処理対象となるロットLを評価対象ロットLT2として特定し、適合度評価処理の処理対象となる処理装置2を評価対象装置2T2として特定する。
ステップS53では、投入ロット編成機能により、ステップS4の投入可否判定処理の判定結果に基づいて、評価対象ロットLT2を評価対象装置2T2に投入できるか否かの判定が行われる。投入ロット編成機能は、上記表4に示すように、記憶装置20に記憶した、各評価対象ロットLT2に対する各評価対象装置2T2の投入可否判定条件1〜5のステータスを参照し、投入可否判定条件1〜5のうち1つでもステータスが「NO」の条件がある場合には「投入不可」と判定し、投入可否判定条件1〜5の全てのステータスが「YES」の場合に「投入可」と判定する。そして、投入ロット編成機能は、評価対象ロットLT2を評価対象装置2T2に投入できないと判定した場合には、適合度評価値を評価せずに、あるいは、適合度評価値を0と評価して、ステップS510に進み、評価対象ロットLT2を評価対象装置2T2に投入できると判定した場合には、ステップS54に進む。
ここで、上記表4では、ロットLAにおける処理装置2A〜2Cの投入可否判定条件1〜5のステータスを示している。評価対象ロットLT2がロットLAであり、評価対象装置2T2が処理装置2Aまたは処理装置2Bである場合、投入ロット編成機能は、上記表4に基づいて、ロットLAを処理装置2Aおよび処理装置2Bに投入できると判定し、ステップS54に進む。一方、評価対象ロットLT2がロットLAであり、評価対象装置2T2が処理装置2Cである場合に、投入ロット編成機能は、上記表4に基づいて、ロットLAを処理装置2Cに投入できないと判定し、ステップS510に進む。
ステップS54では、投入ロット編成機能により、評価対象ロットLT2の最終バッチの処理終了時刻(適合度評価条件1)に基づいて、評価対象ロットLT2を評価対象装置2T2に投入した場合の個別適合度F1が評価される。具体的には、投入ロット編成機能は、まず、ステップS3でシミュレーションした、評価対象ロットLT2を評価対象装置2T2に投入する場合における、評価対象ロットLT2の最終バッチ処理の終了時間を参照し、最終バッチ処理の終了時刻が早いほど評価値E1を高く評価する。たとえば、投入ロット編成機能は、処理装置2として3つの処理装置がある場合、最終バッチ処理の終了時刻が最も早い処理装置2の評価値E1を1.0と評価し、最終バッチ処理の終了時刻が次に早い処理装置2の評価値E1を0.5と評価し、最終バッチ処理の終了時刻が最も遅い処理装置2の評価値E1を0.0と評価することができる。そして、投入ロット編成機能は、評価した評価値E1に、ステップS51で取得した適合度評価条件1の重みW1を乗じることで、適合度評価条件1の個別適合度F1を算出する。
たとえば、上記表3に示す例において、評価対象ロットL
T2がロットLAである場合の最終バッチ処理の終了時刻は、処理装置2Aが「8月1日8時」であり、処理装置2Bが「8月1日8時30分」であり、処理装置2Cが「8月1日9時」である。そのため、投入ロット編成機能は、下記表7に示すように、最終バッチ処理の終了時刻が最も早い処理装置2Aに投入する場合の適合度評価条件1の評価値E1を「1」と評価し、最終バッチ処理の終了時刻が次に早い処理装置2Bに投入する場合の適合度評価条件1の評価値E1を「0.5」と評価し、最終バッチ処理の終了時刻が最も遅い処理装置2Cに投入する場合の適合度評価条件1の評価値E1を「0」と評価する。さらに、投入ロット編成機能は、上記表6に示すように、適合度評価条件1の重みW1である0.72を記憶装置20から取得し、算出した評価値E1に、取得した適合度評価条件1の重みW1を乗じて、個別適合度F1を算出する。たとえば、下記表7に示すように、評価対象ロットL
T2がロットLAである場合において、評価対象装置2
T2が処理装置2Aである場合の適合度評価条件1の個別適合度F1は1×0.72=0.72と算出され、評価対象装置2
T2が処理装置2Bである場合には適合度評価条件1の個別適合度F1は0.5×0.72=0.36と算出される。一方、評価対象装置2
T2が処理装置2Cである場合には、上記表4に示すように、ロットLAを処理装置2Cに投入できないため(ステップS53=No)、個別適合度F1は算出されない(他の個別適合度F2〜F5も同様)。なお、表7は、ロットLAを処理装置2A〜2Cに投入する場合の評価値E1〜E5、個別適合度F1〜F5および適合度評価値σの一例を示す。
なお、適合度評価条件1の評価値E1は、上述したように、最終バッチ処理の終了時刻が早いほど高い評価値E1を付与するものであれば、上記構成に限定されず、たとえば、処理装置2がN台ある場合に最終バッチ処理の終了時刻がi番目に早い処理装置2の評価値E1を(N−i)/(N−1)として算出する構成としてもよいし、あるいは、現在時刻から所定時間t1後(たとえば24時間後)までに終了する処理装置2の評価値E1を1.0と評価し、t1よりも遅いt2後(たとえば48時間後)までに終了する処理装置2の評価値E1を0.5と評価し、それ以上遅い処理装置2の評価値E1を0.0と評価することで、評価した適合度に適合度評価条件1の重みW1を乗じて、個別適合度F1を算出する構成とすることもできる。
ステップS55では、投入ロット編成機能により、評価対象ロットLT2を評価対象装置2T2に投入した場合の評価対象装置2T2の最終バッチ処理の充填率(適合度評価条件2)に基づいて、評価対象ロットLT2を評価対象装置2T2に投入した場合の個別適合度F2が評価される。たとえば、本実施形態において、投入ロット編成機能は、ステップS3でシミュレーションした評価対象ロットLT2を評価対象装置2T2に投入した場合の最終バッチ処理の充填率を、適合度評価条件2の評価値E2として算出する。そして、投入ロット編成機能は、評価した評価値E2に、ステップS51で取得した適合度評価条件2の重みW2を乗じることで、適合度評価条件2の個別適合度F2を算出する。
たとえば、上記表3に示す例において、評価対象ロットLT2がロットLAであり、評価対象装置2T2が処理装置2Aである場合、最終バッチ処理の充填率は91.7%であるため、投入ロット編成機能は、上記表7に示すように、0.917を適合度評価条件2の評価値E2として算出し、これに適合度評価条件2の重みW2である1.0を乗じて、適合度評価条件2の個別適合度F2を0.917として算出することができる。
ステップS56では、投入ロット編成機能により、評価対象装置2T2を指定するロットLの有無(適合度評価条件3)に基づいて、評価対象ロットLT2を評価対象装置2T2に投入した場合の個別適合度F3が評価される。具体的に、投入ロット編成機能は、評価対象装置2T2を指定するロットLがある場合に、当該ロットLを評価対象装置2T2に優先して投入できるように、評価対象装置2T2を指定するロットLがあるか、また、評価対象装置2T2を指定するロットLがある場合には当該評価対象装置2T2が評価対象ロットLT2の指定する処理装置2であるかを判定する。そして、投入ロット編成機能は、評価対象装置2T2を指定するロットLがあり、かつ、評価対象装置2T2が評価対象ロットLT2の指定する処理装置2である場合には、適合度評価条件3の評価値E3を「1」と評価する。また、投入ロット編成機能は、評価対象ロットLT2に処理装置2の指定がない場合には、適合度評価条件3の評価値E3を「0」と評価する。そして、投入ロット編成機能は、評価した適合度評価条件3の評価値E3に、ステップS51で取得した適合度評価条件3の重みW3を乗じることで、適合度評価条件3の個別適合度F3を算出する。
たとえば、上記表1に示すように、ロットLAは処理装置2の指定がないが、ロットLBは処理を実施する処理装置2として処理装置2Aを指定している。そのため、評価対象ロットLT2がロットLAであり、評価対象装置2T2が処理装置2Aである場合、投入ロット編成機能は、ロットLAに処理装置2の指定がないと判定し、上記表7に示すように、適合度評価条件3の評価値E3を「0」として算出し、これに適合度評価条件3の重みW3である0.60を乗じて、適合度評価条件3の個別適合度F3を「0」として算出する。一方、評価対象ロットLT2がロットLBであり、評価対象装置2T2が処理装置2Aである場合、投入ロット編成機能は、処理装置2Aを指定するロットLがあり、かつ、処理装置2AがロットLBの指定する処理装置2であると判定し、適合度評価条件3の評価値E3として「1」を算出し、これに適合度評価条件3の重みW3である0.60を乗じて、適合度評価条件3の個別適合度F3を0.6として算出する。
なお、評価対象ロットLT2に処理装置2の指定があり、評価対象ロットLT2が評価対象ロットLT2の指定する処理装置2でない場合は、ステップS44において、投入可否判定条件3のステータスが「NO」に設定されるため、当該評価対象ロットLT2と当該評価対象装置2T2との組み合わせについて、適合度の評価は行われない(ステップS53=No)。よって、たとえば、評価対象ロットLT2がロットLBであり、評価対象装置2T2が処理装置2Bである場合には、適合度は評価されないこととなる。
ステップS57では、投入ロット編成機能により、評価対象装置2T2のライフが評価対象ロットLT2に適したライフ帯であるか(適合度評価条件4)の評価が行われる。たとえば、投入ロット編成機能は、評価対象装置2T2のライフが評価対象ロットLT2に適したライフ帯である場合は、適合度評価条件4の評価値E4を「1」として評価し、評価対象装置2T2のライフが評価対象ロットLT2に適したライフ帯ではない場合には、適合度評価条件4の評価値E4を「0」として評価する。そして、投入ロット編成機能は、評価した適合度評価条件4の評価値E4に、ステップS51で取得した適合度評価条件4の重みW4を乗じて、適合度評価条件4の個別適合度F4を算出する。
たとえば、上記表3に示す例において、評価対象ロットLT2がロットLAであり、評価対象装置2T2が処理装置2Aである場合、上記表2に示す処理装置2Aのライフが「初期」であり、上記表1に示すロットLAに適したライフ帯が「初期」であるため、投入ロット編成機能は、処理装置2AはロットLAに適したライフ帯であると判定し、上記表7に示すように、適合度評価条件4の評価値E4を「1」として評価し、これに適合度評価条件4の重みW4である0.56を乗じて適合度評価条件4の個別適合度F4を0.56と算出する。一方、評価対象ロットLT2がロットLAであり、評価対象装置2T2が処理装置2Bである場合、上記表2に示す処理装置2Bのライフが「中期」であり、ロットLAに適したライフ帯が「初期」であるため、投入ロット編成機能は、処理装置2BはロットLAに適したライフ帯ではないと判定し、上記表7に示すように、適合度評価条件4の評価値E4を「0」として評価し、これに適合度評価条件4の重みW4である0.56を乗じて適合度評価条件4の個別適合度F4を「0」と算出する。
なお、本実施形態では、上記表2を参照し、評価対象装置2T2のライフが、評価対象ロットLT2に適したライフ帯であるか否かを判定しているが、この構成に限定されず、ステップS3でシミュレーションした最終バッチ処理の終了時のライフ帯の情報に基づいて、評価対象ロットLT2のサブロットSLの最終バッチ処理の終了時のライフ帯が、評価対象ロットLT2に適したライフ内である場合に、適合度評価条件4の評価値E4を「1」として評価する構成とすることもできる。
ステップS58では、投入ロット編成機能により、評価対象ロットLT2を評価対象装置2T2に投入する場合に、連続して処理を実行できるか(適合度評価条件5)が評価される。たとえば、投入ロット編成機能は、評価対象ロットLT2を評価対象装置2T2に投入する場合、評価対象装置2T2の最終バッチ処理の処理条件に対して、処理条件を変える必要がある、段取りが必要であるなどの場合には、連続して処理できないと判定し、適合度評価条件5の評価値E5を「0」として評価する。一方、投入ロット編成機能は、評価対象装置2T2の最終バッチ処理の処理条件に対して、加熱温度が一致する、加熱時間が一致する、ドーパント種が一致する、抵抗が所定範囲内である、ガス組成および流量が一致するなど、連続して処理が行える場合には、適合度評価条件5の評価値E5を「1」として評価する。そして、投入ロット編成機能は、評価した適合度評価条件5の評価値E5に、ステップS51で取得した適合度評価条件5の重みW5を乗じて、適合度評価条件5の個別適合度F5を算出する。
たとえば、上記表3に示す例において、評価対象ロットLT2がロットLAであり、評価対象装置2T2が処理装置2Aである場合、上記表2に示す処理装置2Aの最終バッチ処理の処理条件が「条件1」であり、ロットLAの処理条件が「条件1」であるため、投入ロット編成機能は、ロットLAをそのまま連続して処理できると判定し、上記表7に示すように、適合度評価条件5の評価値E5を「1」として評価し、これに適合度評価条件5の重みW5である0.69を乗じて適合度評価条件5の個別適合度F5を「0.69」と算出する。一方、評価対象ロットLT2がロットLAであり、評価対象装置2T2が処理装置2Bである場合、上記表2に示す処理装置2Bの最終バッチ処理の処理条件が「条件2」であり、ロットLAの処理条件が「条件1」であるため、投入ロット編成機能は、ロットLAをそのまま連続して処理できないと判定し、上記表7に示すように、適合度評価条件5の評価値E5を「0」として評価し、これに適合度評価条件5の重みW5である0.69を乗じて適合度評価条件5の個別適合度F5を「0」と算出する。
ステップS59では、投入ロット編成機能により、ステップS54〜S58で算出された、評価対象ロットLT2を評価対象装置2T2に投入する場合の適合度評価条件1〜5の個別適合度F1〜F5に基づいて、評価対象ロットLT2および評価対象装置2T2の組み合わせでの適合度評価値σが算出される。本実施形態において、投入ロット編成機能は、適合度評価条件1〜5の個別適合度F1〜F5の合計値Σ(Fi)をシグモイド関数fに入力することで、上記表7に示すように、個別適合度F1〜F5の合計値が高いほど数値が高くなるように、適合度評価値σを0〜1の数値で算出する。そして、投入ロット編成機能は、評価対象ロットLT2および評価対象装置2T2の組み合わせに、当該組み合わせについて算出した適合度評価値T2を紐付けて、記憶装置20に記憶する。なお、投入ロット編成機能は、適合度評価条件1〜5の個別適合度F1〜F5の合計値Σ(Fi)をそのまま適合度評価値σとして算出する構成することもできる。
そして、ステップS510では、投入ロット編成機能により、ステップS52で特定された評価対象ロットLT2について、全ての処理装置2を評価対象装置2T2として、ステップS52〜S59の処理が行われたか否かの判定が行われる。ステップS52で特定された評価対象ロットLT2と、全ての処理装置2との組み合わせにおいて、ステップS52〜S59の処理が行われた場合は、ステップS511に進む。一方、ステップS52で特定された評価対象ロットLT2と、全ての処理装置2との組み合わせについて、ステップS52〜S59の処理が行われていない場合は、ステップS52に戻り、処理が行われてない処理装置2が新たに評価対象装置2T2として特定され、ステップS52〜S59の処理が行われる。
ステップS511では、投入ロット編成機能により、全てのロットLについて、ステップS52〜S59の処理が行われたか否かの判定が行われる。全てのロットLについてステップS52〜S59の処理が行われた場合は、図4に示す適合度評価処理を終了し、図2に示すステップS6に進む。一方、全てのロットLについてステップS52〜S59の処理が行われていない場合は、ステップS52に戻り、処理が行われてないロットLが新たに評価対象ロットLT2として特定され、ステップS52〜S59の処理が行われる。
図2に戻り、ステップS6では、投入ロット編成機能により、記憶装置20に記憶したステップS5の適合度評価処理の結果を参照し、適合度評価値が最も高かったロットLと処理装置2との組み合わせが特定される。そして、ステップS7は、投入ロット編成機能により、ステップS6で特定した組み合わせにおけるロットLを処理装置2に割り当てる処理が行われる。
ステップS8では、投入ロット編成機能により、生産計画などにおいて必要とされる分のロットLを処理装置2に割り当てたか否かの判断が行われる。必要な分のロットLを処理装置2に割り当てた場合には、ステップS9に進む。一方、必要な分のロットLを処理装置2に割り当てていない場合には、ステップS3に戻り、残りのロットLについて、上述したロット分割シミュレーション処理(ステップS3)、投入可否判定処理(ステップS4)、および適合度評価処理(ステップS5)を含むステップS3〜S7の処理が繰り返し実行される。
ステップS9では、投入ロット編成機能により、納期に間に合わないロットLがあるか否かの判断が行われる。納期に間に合わないロットLがない場合には(ステップS9=No)、ステップS10に進み、演算装置10の出力機能により、この投入ロット編成処理により生成した投入ロットILの編成情報が、外部出力装置30に出力される。本実施形態では、外部出力装置30はモニターなどの表示装置であるため、外部出力装置30により投入ロットILの編成結果を表示することで、ユーザは、投入ロットILの編成結果を把握することができる。一方、納期に間に合わないロットLがある場合(ステップS9=Yes)、ステップS11に進み、全てのロットLが納期に間に合うように、この投入ロット編成処理により生成した投入ロットILの編成情報を調整する。この場合、作業者が、投入ロットILの編成を手動で調整することができる。
以上のように、本実施形態に係る投入ロット編成装置1は、要求される処理条件が異なる複数のロットLを、異なる処理条件の処理を実行する複数の処理装置2を用いて処理する場合において、処理装置2で同時に処理する複数のロットLのまとまりを投入ロットILとして処理装置ごとに編成するものであり、ロット情報および装置情報に基づいて、ロットLと処理装置2との各組み合わせが投入可否判定条件に合致するか否かをそれぞれ判定し、投入可能と判定されたロットLと処理装置2との各組み合わせについて、複数の適合度評価条件のそれぞれに対する適合度を個別適合度として適合度評価条件ごとに算出し、複数の個別適合度に基づいて、ロットLを処理装置2で処理する場合の適合度評価値を算出し、適合度評価値が最も高い組み合わせにおけるロットLを処理装置2に割り当てた後、再度、未割り当てのロットLについて、投入可否判定と適合度評価値の算出とを繰り返すことで、処理装置2ごとの投入ロットILを編成する。これにより、本実施形態に係る投入ロット編成装置1では、複数の適合度評価条件に適した投入ロットILを迅速かつ高充填率で編成することができるという効果を奏することができる。ここで、図5は、本実施形態に係る投入ロット編成処理と従来の投入ロット編成処理での処理装置2の充填率を示すグラフであり、図6は、本実施形態に係る投入ロット編成処理および従来の投入ロット編成処理での編成時間を示すグラフである。従来は、作業者が手作業で投入ロットILの編成を行っていたため、処理装置2の平均充填率は89%と高い値となったが、投入ロットILを編成するための編成時間は1時間以上かかっていた。これに対して、本実施形態に係る投入ロット編成処理では、処理装置2の充填率は従来よりもさらに高い96%と向上することができたとともに、投入ロットILを編成するための編成時間を10分以内と大幅に低減することができた。
また、本実施形態では、投入可否判定条件として「判定対象ロットLT1が指定する判定対象装置2T1であるか」や「判定対象装置2T1のライフ内で判定対象ロットLT1を処理できるか」という、ロットLによる処理装置2の指定や処理装置2のライフに関する条件を判定するとともに、適合度評価条件として「評価対象装置2T2を指定するロットLがあるか、また、評価対象装置2T2が評価対象ロットLT2の指定する処理装置2であるか」や「評価対象装置2T2のライフが評価対象ロットLT2に適したライフ帯であるか」という、ロットLによる処理装置2の指定や処理装置2のライフに関する条件を判定する。このように、本実施形態では、投入可否判定条件と適合度評価条件とが、同一の事項(たとえば、ロットLによる処理装置2の指定や処理装置2のライフなどの事項)に関する条件を共通条件として有しており、これら共通条件をそれぞれ投入可否判定条件および適合度評価条件において判定することで、共通条件を満たすロットLを、共通条件を満たす処理装置2に優先的に割り当てることが可能となる。
以上、本発明の好ましい実施形態例について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態の記載に限定されるものではない。上記実施形態例には様々な変更・改良を加えることが可能であり、そのような変更または改良を加えた形態のものも本発明の技術的範囲に含まれる。
たとえば、上述した実施形態における投入可否判定条件に加えて、処理装置2についてワークWの投入保留指示がある場合、当該処理装置2については、投入不可と判定する構成とすることができる。
また、上述した実施形態における適合度評価条件に代えて、あるいは上述した実施形態に係る適合度評価条件に加えて、評価対象ロットLT2の納期の近さ、滞留日数の長さ、評価対象装置2T2への割り当て済み数の少なさ、または、評価対象ロットLT2を処理した後に評価対象装置2T2で実行可能な残りバッチ数の多さ、を適合度評価条件として個別適合度を算出し、これら個別適合度をさらに加味して、適合度評価値を算出する構成とすることができる。具体的には、納期が近い、あるいは、滞留日数が長い評価対象ロットLT2は、早めに処理することが好ましいため、投入ロット編成機能は、このような評価対象ロットLT2の個別適合度を高く評価することができる。また、投入ロット編成機能は、割り当て済みのワークWの数が少ない評価対象装置2T2ほど個別適合度を高く算出することで、処理装置2間の平準化を図ることができる。さらに、投入ロット編成機能は、評価対象ロットLT2を投入した後に評価対象装置2T2が実行可能なバッチ数が多いほど、個別適合度を高く算出することができる。これにより、評価対象ロットLT2を投入した後の充填率が低いが次の評価対象ロットLT2を処理するにはバッチ数が足りず、充填率が少ないまま処理を実施しなくてはいけなくなってしまう事態を有効に防止することができる。さらに、投入ロット編成機能は、評価対象ロットLT2を投入した後に、投入した評価対象ロットLT2と同じ品種であり、かつ、未割り当てのロットLを検索し、投入した評価対象ロットLT2と同じ品種かつ未割り当てのロットLがある場合には、このロットLを評価対象装置2T2に投入した場合の評価対象装置2T2の充填率を算出し、充填率が低い場合には、個別適合度を低く設定する構成とすることもできる。これにより、同品種かつ未割り当てのロットLが当該評価対象装置2T2に投入されるとは限らず、充填率の低い状態で次回の割り付け待ちになることを有効に防止することができる。