JP6912644B1 - 現場混合吹付け方法 - Google Patents

現場混合吹付け方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6912644B1
JP6912644B1 JP2020204018A JP2020204018A JP6912644B1 JP 6912644 B1 JP6912644 B1 JP 6912644B1 JP 2020204018 A JP2020204018 A JP 2020204018A JP 2020204018 A JP2020204018 A JP 2020204018A JP 6912644 B1 JP6912644 B1 JP 6912644B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
mixed
supply system
site
spraying
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020204018A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022091279A (ja
Inventor
関 浩之
浩之 関
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
1/1ASAHI YUKIZAI CORPORATION
Original Assignee
1/1ASAHI YUKIZAI CORPORATION
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 1/1ASAHI YUKIZAI CORPORATION filed Critical 1/1ASAHI YUKIZAI CORPORATION
Priority to JP2020204018A priority Critical patent/JP6912644B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6912644B1 publication Critical patent/JP6912644B1/ja
Priority to PCT/JP2021/044906 priority patent/WO2022124301A1/ja
Priority to PCT/JP2021/044905 priority patent/WO2022124300A1/ja
Publication of JP2022091279A publication Critical patent/JP2022091279A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Nozzles (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)
  • Accessories For Mixers (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Abstract

【課題】ポリイソシアネートとポリオール及び/又は有機リン酸エステルとの混合物を、現場吹付け装置で吹き付けるに際して、吹付け作業終了後における触媒の混入液体の廃棄量の削減を効果的に図りつつ、それらの液体の触媒による劣化が効果的に阻止され得る現場混合吹付け方法を提供する。【解決手段】ポリイソシアネートを含む第一の液体とポリオール及び/又は有機リン酸エステルを含む第二の液体とを、現場吹付け装置より吹き付けて、吹付け層を形成する方法において、触媒を含む第三の液体が調製されて、第一及び第二の液体の混合位置よりも上流側に位置する第二の供給系統14に対して、混合位置から5mを超えて離隔することのない部位において接続された第三の供給系統20を通じて、第二の液体中に混入せしめられるように構成した。【選択図】図1

Description

本発明は、現場混合吹付け方法に係り、特に、吹付け現場において、ポリイソシアネートを含む第一の液体とポリオール及び/又は有機リン酸エステルを含む第二の液体とを、触媒の存在下において混合せしめ、反応を進行せしめる一方、その得られた混合液を吹き付けて、目的とする対象物の部位に所定の吹付け層を形成する方法の改良に関するものである。
従来から、建築物の壁面や天井等の被着体(対象物)に対して、ポリイソシアネートを原料とする所定の樹脂層、例えば、ポリウレタンフォームやポリイソシアヌレートフォームの被覆層を所定厚さで形成すべく、その施工現場に持ち込まれて、使用される現場吹付け型発泡機として、ポリイソシアネートを含む第一の液体を圧送する第一の供給系統と、ポリオールや有機リン酸エステルの少なくとも何れか一方を含む第二の液体を圧送する第二の供給系統と、それら第一及び第二の供給系統からそれぞれ供給される第一及び第二の液体を混合して、それらの反応を促進せしめる触媒の存在下において、噴射する噴射装置とを有する構成のものが、知られており、例えば、特開2000−102751号公報、特開2005−105157号公報等には、そのような構成を採用する吹付けシステムの一例が、それぞれ、明らかにされている。
そして、そのような現場吹付け型発泡機によるポリウレタンフォームやポリイソシアヌレートフォームの如き樹脂の形成には、原料であるポリイソシアネートやポリオールを反応させるべく、各種の触媒、例えば三量化触媒、樹脂化触媒、泡化触媒等が用いられてきており、それら触媒は、一般に、ポリオールを含む第二の液体に含有せしめられて、ポリイソシアネートを含む第一の液体に混合され、かかるポリイソシアネートとポリオール等との反応が進行せしめられるようになっている。これは、ポリオール等を含む第二の液体よりも、ポリイソシアネートを含む第一の液体の方が反応活性が高いために、第二の液体が混合対象とされているのである。このとき、第二の液体の組成と触媒との組み合わせや触媒の量によっては、液体と触媒が反応して、液体の活性が低下するようになる問題がある。また、かかるポリオール等を含む第二の液体には、必要に応じて、発泡剤や整泡剤、難燃剤、減粘剤等も含有せしめられ、更に難燃性の高いポリイソシアヌレートを形成する場合にあっては、ポリオールに代えて、リン酸エステル等を含む第二の液体が用いられることとなる。
ところで、上述の如き現場吹付け型発泡機を用いた吹付け作業においては、第一の液体や第二の液体を収容するタンクや、それらの液体を汲み上げ、圧送するための各種ポンプ等の機器を含む装置本体が、その重量が重いものであることに加えて、広範な領域における吹付け作業や、高い建物に対する吹付け作業、更には狭い場所における吹付け作業等を考慮して、そのような重い装置本体から、スプレーガン等の噴霧装置に至る第一及び第二の供給系統における液体流路が、100m、或いはそれ以上の長さの可撓性のホースにて、構成されているのである。このため、特に、第二の液体と触媒とが反応して、活性が低下し易い組成の場合において、吹付け作業が終了すると、そのような極めて長いホースを含む第二の供給系統内に残留する、触媒を混入せしめてなる第二の液体は、廃棄せざるを得なくなるのであり、また、収容タンク内に触媒を混入せしめた第二の液体が存在する場合においては、その残留する第二の液体を廃棄する必要があったのであり、このため、大きな材料ロスを発生せしめ、また、液体の廃棄処理にも手間がかかり、最終的に吹付けコストの上昇に繋がる問題が内在していたのであるが、この点に関して、従来では何等の顧慮も払われていなかったのである。
しかも、ポリイソシアネートを含む第一の液体ではなく、ポリオール等を含む第二の液体に触媒を添加して、含有せしめた場合にあっても、それを収容するタンク内において、また、スプレーガンの如き噴霧装置による吹付けに時間がかかる場合、特に、吹付け作業の中断により、触媒を添加、含有せしめた第二の液体が第二の供給系統内に長時間保持されることとなる場合において、かかる触媒による液の劣化が経時的に進行し、第二の液体の貯蔵安定性が悪くなることに加えて、そのような劣化した第二の液体を用いて、ポリイソシアネートを含む第一の液体に混合して、反応せしめた場合にあっては、それらの反応性にも悪影響をもたらす恐れがあり、また、形成されるポリウレタンフォーム等の樹脂特性が低下するようになる問題も、内在するものであった。
特開2000−102751号公報 特開2005−105157号公報
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、ポリイソシアネートを含む第一の液体と、ポリオール及び/又は有機リン酸エステルを含む第二の液体とを、吹付け現場にて混合して、反応せしめると共に、その混合物を現場吹付け装置(スプレーガン)を用いて吹き付けるに際して、吹付け作業終了後における触媒混入液体の廃棄量の削減を効果的に図りつつ、それらの液体の触媒による劣化が効果的に阻止され得るようにした現場混合吹付け方法を提供することにある。
そして、本発明は、上記した課題を解決するために、以下に列挙せる如き各種の態様において、好適に実施され得るものである。なお、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに何等限定されることなく、明細書の記載から把握され得る発明思想に基づいて、認識され得るものであることが、理解されるべきである。
(1) ポリイソシアネートを含む第一の液体を、第一の供給系統を通じて供給し、更に ポリオール及び/又は有機リン酸エステルを含む第二の液体を、第二の供給系統を 通じて供給して、それら第一及び第二の液体を、触媒の存在下において混合せしめ 、反応を進行せしめる一方、かかる第一の液体と第二の液体との混合液を現場吹付 け装置より吹き付けて、目的とする対象物の部位に所定の吹付け層を形成する方法 において、前記触媒が、それを含む第三の液体として調製されて、前記第一及び第 二の液体の混合位置において、それら第一及び第二の液体の混合と同時に混合せし められるか、或いはそれら第一及び第二の液体の混合位置よりも上流側に位置する 前記第二の供給系統に対して、該混合位置から5mを超えて離隔することのない部 位において接続された第三の供給系統を通じて、該第二の供給系統内に導入され、 該第二の供給系統内を導かれる前記第二の液体中に混入せしめられるように構成し たことを特徴とする現場混合吹付け方法。
(2) 前記第三の液体が、50〜2000mPa・sの粘度となるように調製されてい ることを特徴とする前記態様(1)に記載の現場混合吹付け方法。
(3) 前記第三の液体が、前記触媒として、少なくとも三量化触媒を含有していること を特徴とする前記態様(1)又は前記態様(2)に記載の現場混合吹付け方法。
(4) 前記第一及び第二の供給系統が前記現場吹付け装置にそれぞれ接続されて、それ ら第一及び第二の供給系統を通じて導かれる前記第一及び第二の液体が、該現場吹 付け装置において混合せしめられるようになっていることを特徴とする前記態様(
1)乃至前記態様(3)の何れか1つに記載の現場混合吹付け方法。
(5) 前記第一及び第二の供給系統がそれらの下流端において連結されて、その連結部 において、前記第一及び第二の液体が混合された後、前記現場吹付け装置に導かれ るように構成されていることを特徴とする前記態様(1)乃至前記態様(3)の何 れか1つに記載の現場混合吹付け方法。
(6) 前記第一の液体と前記第二の液体の混合位置にミキサーが配設されており、該ミ キサーにて混合せしめられた後、前記現場吹付け装置による吹付けが行なわれるよ うになっていることを特徴とする前記態様(1)乃至前記態様(5)の何れか1つ に記載の現場混合吹付け方法。
(7) 前記第一の供給系統の所定部位に対して、及び/又は前記第二の供給系統に対す る前記第三の供給系統の接続部位よりも上流側の部位に対して、第四の供給系統が 接続され、該第四の供給系統を通じて、液状発泡剤が供給されるようになっている ことを特徴とする前記態様(1)乃至前記態様(6)の何れか1つに記載の現場混 合吹付け方法。
そして、このような本発明に従う現場混合吹付け方法によれば、以下に列挙せる如き各種の効果が奏され得ることとなる。
(1)本発明においては、吹付け現場において、第一の液体と第二の液体の混合時に、或 いはそれら液体の混合直前に、かかる第二の液体に対して、触媒を含む第三の液体が 導入されるようになっているところから、第二の液体に対して予め触媒を添加して、 含有せしめてなる状態において、準備しておく必要がなく、そのために、かかる触媒 による第二の液体の劣化が有利に防止され得て、液の貯蔵安定性が効果的に向上せし められ得ることとなる。
(2)第一及び第二の供給系統における、極めて長い液体流路によって導かれる第一及び 第二の液体の混合地点に近接した位置において、触媒の導入が行なわれるものである ところから、吹付け作業の終了後における触媒の混入された第二の液体の廃棄量を効 果的に低減せしめ得ると共に、収容タンク内の第二の液体にも触媒が混入されていな いために、吹付け作業終了後におけるタンク内の液体の廃棄も不必要となるところか ら、廃液量が著しく低減され得て、材料ロスの問題、ひいては吹付けコストの増大が 効果的に抑制乃至は阻止され得ることとなる。
(3)触媒を含む第三の液体の粘度を調整して、供給せしめることが出来るところから、 粘度が高い触媒であっても有利に採用され得て、触媒の供給ラインにおける供給圧力 を低減することが出来ることに加えて、そのような粘度の調整された触媒を含有する 第三の液体を、第一の液体と第二の液体の反応直前に導入することによって、それら 第一の液体と第二の液体とが効率よく反応せしめられ得て、均一な発泡等の反応を行 なうことが可能となる。
(4)第二の液体として、ポリオール及び/又は有機リン酸エステルに加えて、更に触媒 を予め添加、含有せしめてなる液体を準備して、吹付け現場に持ち込む必要がないこ とに加えて、第二の液体の劣化が防止されることにより、第一の液体との反応性に悪 影響を受ける恐れもなく、更には、それら第一及び第二の液体を反応して得られる反 応生成物(樹脂)の特性が低下するような恐れも顧慮する必要がない。
(5)所定の触媒が、第三の液体として調製されて、第一の液体と第二の液体との混合時 に、或いはそれら液体の反応直前(混合直前)に導入されるものであるところから、 第一の液体と第二の液体との反応が効率よく進行せしめられ得ることとなり、これに よって、品質の良好な反応生成物(樹脂)、例えば、均一な発泡体を有利に得ること が出来る。特に、触媒として三量化触媒を用いる場合にあっては、ヌレート化反応が 効果的に促進され得て、反応生成物たる発泡体等の難燃性を有利に向上させることが 可能となる。
本発明に従う現場混合吹付け方法の一例を示す系統図である。 図1に示される系統図において、第二の供給系統に対する第三の供給系統の接続部において、第二の液体に対する第三の液体の混合構造を具体的に示す部分断面説明図である。 本発明に従う現場混合吹付け方法の他の一例を示す系統図である。 本発明に従う現場混合吹付け方法の更に別の一例を示す系統図である。
以下、本発明に従う現場混合吹付け方法について更に具体的に明らかにするために、本発明の代表的な実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1には、本発明に従う現場混合吹付け方法において用いられる現場吹付け型発泡機の一例に係る機器の配置構成が、概略的に示されている。そこにおいて、発泡機10は、ポリイソシアネートを含む第一の液体(A液)を圧送する第一の供給系統12と、ポリオール及び/又は有機リン酸エステルを含む第二の液体(B液)を圧送する第二の供給系統14と、それら第一及び第二の供給系統12,14にて供給される第一の液体と第二の液体とを、所定の触媒の存在下において混合して、噴射する噴射装置である、手持ち式等の公知のスプレーガン16と、それら第一及び第二の供給系統12,14によって供給される第一の液体や第二の液体の供給量を制御する(ここでは、発泡機内のシーケンサーによって制御されるようになっているが、遠隔操作で供給量や温度等を設定出来るようにしてもよい)発泡機制御装置18とを含んで、構成されている。なお、第一及び第二の供給系統12,14には、それぞれの供給系統を通じて供給される第一の液体及び第二の液体の流路を加熱するためのジャケット装置が、図示はされていないが、従来と同様に、それぞれ設けられている。
そして、第一の供給系統12において、所定圧力の第一の液体を導く液体圧送路となる第一の液体流路12aは、ポリイソシアネートを含む第一の液体(A液)を収容する第一のタンク12bに接続されており、この第一のタンク12b内の第一の液体が、第一の汲上げポンプ12cにて汲み上げられた後、第一の圧送ポンプ12dにて圧送され、その吐出圧力が第一の圧力計12eにて検出され、更に、第一のヒータ12fにて加熱せしめられた後、スプレーガン16に供給されるようになっている。一方、第二の供給系統14においても、同様に、所定圧力の第二の液体を導く液体圧送路となる第二の液体流路14aが、ポリオール及び/又は有機リン酸エステルを含む第二の液体(B液)を収容する第二のタンク14bに接続され、そこに収容されている第二の液体が、第二の汲上げポンプ14cにて汲み上げられた後、第二の圧送ポンプ14dにてスプレーガン16に向かって圧送せしめられるようになっており、更に、その圧送せしめられる第二の液体の吐出圧力が、第二の圧力計14eにて検出されると共に、第二のヒータ14fにて所望の温度に加熱せしめられて、粘度調整された後に、スプレーガン16に供給されるようになっている。また、そこでは、吹付け現場における広い領域での吹付け作業を可能ならしめるために、各ヒータ12f,14fからスプレーガン16に至る第一の液体流路12aや第二の液体流路14aは、従来と同様に、100m、或いはそれ以上の長さを有する長尺のホースにて構成され、距離の遠い現場や狭い環境下の現場での吹付け作業を、容易に行ない得るようになっている。
なお、このような発泡機10においては、第一の供給系統12の第一の液体流路12aを通じて、第一のタンク12b内に収容されたポリイソシアネートを含む第一の液体が、発泡機制御装置18による制御の下に、所定の圧力及び温度にてスプレーガン16に供給される一方、第二の供給系統14の第二の液体流路14aを通じて、第二のタンク14b内に収容されたポリオール及び/又は有機リン酸エステルを含む第二の液体が、発泡機制御装置18による制御の下に、所定の圧力及び温度にて圧送されて、スプレーガン16に供給せしめられ、そこにおいて、第一の液体と第二の液体とが混合された後、吹付け現場において、スプレーガン16から壁等の対象物に対して吹き付けられて、所定厚さのポリウレタンフォーム層等の吹付け層が形成せしめられるようになっている。
また、第一のタンク12b内に収容される第一の液体に含有せしめられるポリイソシアネートとしては、ポリオールとの反応やそれ自身の三量化反応によってポリウレタンやポリイソシアヌレートを形成し得る、イソシアネート基を2個以上有する公知の化合物の何れもが使用可能であり、例えば、芳香族系、脂環族系、芳香脂肪族系及び脂肪族系のポリイソシアネート、それらの2種以上の混合物、並びにそれらを変性して得られる変性ポリイソシアネート等を挙げることが出来る。具体的には、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンイソシアネート、キシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のポリイソシアネートや、それらのプレポリマー変性体、ヌレート変性体、ウレア変性体等を挙げることが出来る。
そして、そのようなポリイソシアネートを含む第一の液体には、更に必要に応じて、整泡剤、難燃剤、減粘剤等の公知の添加成分を含有せしめることも可能ではあるが、かかる第一の液体中のポリイソシアネートの含有量としては、一般に、50〜100質量%の範囲内において、好ましくは70〜100質量%、より好ましくは80〜100質量%の範囲内において、選定されることとなる。また、かかる第一の液体は、一般に、20℃における粘度が50〜2000mPa・s程度、好ましくは80〜1500mPa・s程度となるように、調製されることとなる。
さらに、第二のタンク14b内に収容される第二の液体(B液)は、ポリイソシアネートを含む第一の液体との反応等のために、ポリオール及び有機リン酸エステルのうちの少なくとも何れか一方を含み、それらは、第二の液体の主成分を構成するものである。そして、そのような第二の液体は、一般に、20℃における粘度が50〜2000mPa・s程度、好ましくは80〜1500mPa・s程度となるように、調製されることとなるのである。
なお、そこにおいて用いられるポリオールとしては、ポリイソシアネートとの反応によってポリウレタンを形成し得る、水酸基を2個以上有する公知の各種の化合物の中から適宜に選定されることとなるが、その中でも、特に、ポリエーテル系ポリオールやポリエステル系ポリオール、或いはそれらの混合物が、好適に用いられることとなる。なお、ポリエーテル系ポリオールとしては、多価アルコール、糖類、アルカノールアミン、ポリアミン、その他の開始剤に、環状エーテル、特に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加重合して得られるポリエーテルポリオールが、好ましく用いられる。また、ポリエステル系ポリオールとしては、多価アルコール−多価カルボン酸縮合系のポリエステルポリオールや環状エステル開環重合体のポリエステルポリオール等が挙げられ、そこにおいて、多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、メチルプロパンジオール等が挙げられ、カルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等が挙げられ、開環系としては、グリコールにε−カプロラクトンを開環付加重合させたポリエステルポリオールを挙げることが出来る。
加えて、第二の液体には、上記したポリオールと共に、又はそれに代えて、所定の有機リン酸エステルが含有せしめられることとなるが、この有機リン酸エステルは、難燃剤として、更には減粘剤として機能するものであって、液状であれば、特に限定されるものではなく、モノリン酸エステル、縮合リン酸エステル等の公知のものを、単独で又は組み合わせて、用いることが出来る。具体的には、モノリン酸エステルとしては、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリス(フェニルフェニル)ホスフェート、トリナフチルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、ジフェニル(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ジ(イソプロピルフェニル)フェニルホスフェート、モノイソデシルホスフェート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、メラミンホスフェート、ジメラミンホスフェート、メラミンピロホスフェート、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリクレジルホスフィンオキサイド、メタンホスホン酸ジフェニル、フェニルホスホン酸ジエチル、レジルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、ホスファフェナントレン、トリス(1−クロロ−2−プロピル)ホスフェート等を挙げることが出来、また縮合リン酸エステルとしては、例えば、トリアルキルポリホスフェート、レゾルシノールポリフェニルホスフェート、レゾルシノールポリ(ジ−2,6−キシリル)ホスフェート(大八化学工業株式会社製PX−200)、ハイドロキノンポリ(2,6−キシリル)ホスフェート、並びにこれらの縮合物等の縮合リン酸エステルを挙げることが出来る。更に、市販の縮合リン酸エステルとしては、例えば、レゾルシノールポリフェニルホスフェート(CR−733S)、ビスフェノールAポリクレジルホスフェート(CR−741)、芳香族縮合リン酸エステル(CR747)、レゾルシノールポリフェニルホスフェート(株式会社ADEKA製アデカスタブPFR)、ビスフェノールAポリクレジルホスフェ−ト(FP−600、FP−700)等を挙げることが出来る。その中でも、硬化前の組成物中の粘度を低下させる効果が高いため、モノリン酸エステルを使用することが好ましく、特に、トリス(1−クロロ−2−プロピル)ホスフェートが好適に用いられることとなる。なお、このような有機リン酸エステルが、ポリオールに代わって含有せしめられた第二の液体を用いることにより、ポリイソシアネートを三量化触媒にて三量化して得られるポリイソシアヌレートの難燃性が、更に有利に高められ得ることとなる。
そして、そのような第二の液体には、上述の如きポリオール及び/又は有機リン酸エステルと共に、従来と同様な各種の添加剤を添加せしめることが可能である。例えば、臭素系難燃剤、塩素系難燃剤、リン系難燃剤、無機系難燃剤等の公知の各種の難燃剤を含有せしめることが可能であり、更に、水やハイドロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、ハロゲン化オレフィン等の発泡剤の他、整泡剤、減粘剤等の添加剤も、従来と同様にして、含有せしめることが可能である。
ところで、本発明にあっては、上述の如き構成の現場吹付け型発泡機10に対して、ポリイソシアネートを含む第一の液体とポリオール及び/又は有機リン酸エステルを含む第二の液体との反応を促進する触媒を含む第三の液体(C液)を供給する第三の供給系統20が、配設されているのである。この第三の供給系統20は、所定の触媒を含む第三の液体が、第三の流路を流れる液体として、その粘度が50〜2000mPa・sとなるように調整されて、第一及び第二の液体の混合位置において、それら第一及び第二の液体の混合と同時に混合せしめられる他、それら第一及び第二の液体の混合位置よりも上流側に位置する第二の供給系統14に対して、上記の混合位置から5mを超えて離隔することのない部位において接続された第三の供給系統20を通じて、第二の供給系統14内に導入され、この第二の供給系統14内を導かれる第二の液体中に混入せしめられるようになっているのである。ここで、流路を流れる液体の粘度が50〜2000mPa・sとは、第三の供給系統20を流れる状態での粘度を言い、例えば、加熱手段で第三のタンク20bを加熱して使用する場合には、タンク内での粘度が50〜2000mPa・sになればよい。なお、第三の液体の20℃における粘度は、50〜2000mPa・sであることが好ましい。この20℃における粘度が2000mPa・s超であっても、加熱して、粘度が50〜2000mPa・sとなる状態で使用することも可能である。
図1には、そのような本発明に従う現場混合吹付け方法の一形態が示されており、そこでは、第一の液体と第二の液体との反応触媒を含有する第三の液体(C液)が、第三の供給系統20を通じて、第二の供給系統14における第二の液体流路14aに対して、供給せしめられるようになっている。具体的には、所定の触媒を含有する第三の液体(C液)は、加熱手段(図示せず)を備えた第三のタンク20b内に収容されて、第三の液体流路20aを流れるときの粘度が50〜2000mPa・sとなるように調整されて、保持されてなる状態下において、第三の汲上げポンプ20dにて汲み上げられて、第三の液体流路20aを通じて、第二の液体流路14aに導入せしめられるようになっているのであるが、その導入位置と、第一の液体と第二の液体との混合を行なうスプレーガン16との間の距離:Xは、5m以内となるようになっている。
このように、第二の液体流路14aに対する第三の液体流路20aの接続部位、換言すれば、第三のタンク20bからの第三の液体が導入される第二の液体流路14aの位置が重要であり、本発明においては、そのような第三の液体の導入位置が、スプレーガン16から5mを超えて離隔しないように(X≦5mとなるように)、構成されており、これによって、現場吹付け作業の終了後における第二の液体の廃棄量を著しく低減せしめ得ることに加えて、触媒による第二の液体の劣化、特に、現場吹付け作業の中断が長引くことによる、第二の液体流路14aや第二のタンク14b内における第二の液体の劣化が、有利に回避され得ることとなるのである。
しかも、そのような第三の液体流路20aを通じて供給される、触媒を含む第三の液体は、粘度が50〜2000mPa・sとなるように調整されているところから、粘度の高い触媒液をそのまま用いる場合よりも、触媒の供給ラインである第三の供給系統20(第三の液体流路20a)における供給圧力を効果的に低減し得ることに加えて、第二の液体との混合性を向上せしめることが出来、以て、第二の液体と第一の液体とを効率よく反応せしめて、均一な発泡等を実現し、良好な吹付け層が有利に形成され得ることとなる。これに反して、第三の液体流路20a内を圧送される第三の液体の粘度が50mPa・sよりも低くなると、流路内で分離し易くなる等という問題が惹起されるようになり、また、2000mPa・sよりも高くなると、圧力損失が高くなり、送液するためには、高い圧力を必要として、装置に負荷がかかる等という問題が、惹起されるようになる。
なお、第二の液体流路14aに対する第三の液体流路20aの接続には、従来から公知の各種の接続構造が採用され得るところであり、その一例が、図2に示されている。そこにおいて、第二の液体流路14a上に接続ブロック30が配設されて、かかる接続ブロック30内に形成された主流路30aによって、第二の液体流路14aの連通状態が確保されている。なお、第二の液体流路14aは、所定のカップリング32を介して、接続ブロック30に取り付けられている。一方、かかる主流路30aに連通する副流路30bの入口部に対して螺入されたカップリング32を介して、第三の液体流路20aが接続されており、更に、カップリング32の出口に配設された流量調整弁34によって、第三の液体流路20aを通じて導かれる第三の液体の流量が制御されつつ、副流路30b内に導かれ、そして、主流路30a内を流通せしめられる第二の液体中に、第三の液体が混入せしめられるようになっているのである。
そして、かくの如く第二の液体に対して混入せしめられる第三の液体中の必須成分たる触媒としては、ポリイソシアネートとポリオールとの反応によってポリウレタンを得るための公知の各種の触媒や、ポリイソシアネートの三量化によってポリイソシアヌレートを得るための公知の触媒があり、例えば、特開2019−14839号公報に明らかにされている如きアミン系触媒やイミダゾール系触媒があり、更に、樹脂化触媒としてのウレタン化触媒やイソシアヌレート化触媒が、単独で用いられたり、或いは併用されたりすることとなるが、特に、本発明にあっては、第三の液体中の触媒は、少なくとも、ヌレート化触媒である三量化触媒を含むものであることが望ましく、これによって、本発明の特徴が有利に発現され得ることとなる。
そのような三量化触媒は、ポリイソシアネートからポリイソシアヌレート(樹脂)の形成に用いられる他、よく知られているように、ポリウレタン(樹脂)の形成にも用いられるものであって、公知の各種のものを適宜に選択して用いることが可能であるが、好ましくは、第四級アンモニウム塩やオクチル酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム、酢酸ナトリウム等のカルボン酸アルカリ金属塩;トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4−ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロトリアジン等の含窒素芳香族化合物;トリメチルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩、トリフェニルアンモニウム塩等の第三級アンモニウム塩等を挙げることが出来る。これらのうち、第四級アンモニウム塩を用いることが、難燃性の向上の点から、好ましく、中でも第四級アンモニウム塩とカルボン酸アルカリ金属塩とを併用することが、難燃性の更なる向上の点から、特に好ましい。
ここで有利に用いられる第四級アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウム、メチルトリエチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、プロピルトリメチルアンモニウム、ブチルトリメチルアンモニウム、ペンチルトリメチルアンモニウム、ヘキシルトリメチルアンモニウム、ヘプチルトリメチルアンモニウム、オクチルトリメチルアンモニウム、ノニルトリメチルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウム、ウンデシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、トリデシルトリメチルアンモニウム、テトラデシルトリメチルアンモニウム、ヘプタデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、ヘプタデシルトリメチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム等の脂肪族アンモニウム化合物、(2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウム、ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム、トリメチルアミノエトキシエタノール、ヒドロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルジメチルアンモニウム等のヒドロキシアンモニウム化合物、1−メチル−1−アザニア−4−アザビシクロ[2,2,2]オクタニウム、1,1−ジメチル−4−メチルピペリジニウム、1−メチルモルホリニウム、1−メチルピペリジニウム等の脂環式アンモニウム化合物等が、挙げられる。これらの中でも、触媒活性に優れ、工業的に入手可能なところから、テトラメチルアンモニウム、メチルトリエチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、ブチルトリメチルアンモニウム、ヘキシルトリメチルアンモニウム、オクチルトリメチルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、テトラデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム、(2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウム、ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム、ヒドロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルジメチルアンモニウム、1−メチル−1−アザニア−4−アザビシクロ[2,2,2]オクタニウム及び1,1−ジメチル−4−メチルピペリジニウムが、好ましく用いられることとなる。
また、かくの如き第四級アンモニウム塩を構成する有機酸基又は無機酸基としては、例えば、ギ酸基、酢酸基、オクチル酸基、蓚酸基、マロン酸基、コハク酸基、グルタル酸基、アジピン酸基、安息香酸基、トルイル酸基、エチル安息香酸基、メチル炭酸基、フェノール基、アルキルベンゼンスルホン酸基、トルエンスルホン酸基、ベンゼンスルホン酸基、リン酸エステル基等の有機酸基や、ハロゲン基、水酸基、炭酸水素基、炭酸基等の無機酸基が挙げられる。これらの中でも、触媒活性に優れ且つ工業的に入手可能なことから、ギ酸基、酢酸基、オクチル酸基、メチル炭酸基、ハロゲン基、水酸基、炭酸水素基、炭酸基が好ましい。
また、上述の如き触媒は、単独で又はその複数が組み合わされて、用いられることとなるが、そのような触媒に溶剤乃至は減粘剤を混合して、50〜2000mPa・sの粘度(20℃)を有する第三の液体を調製することが望ましい。なお、用いられ得る溶剤乃至は減粘剤としては、粘度調整が可能であれば、触媒を均一に溶解又は混和し得る液体(例えば、ミネラルスピリット、有機酸、アミン類、グルコース類、エステル類等)の何れもが、対象とされ得るところであるが、特に、粘度の低い前記した有機リン酸エステルや3級アミンを用いることにより、反応生成物(樹脂)の難燃性の向上やその反応促進効果が得られる利点を享受することが出来る。また、そのような触媒を含む第三の液体は、必要に応じて、粘度調整のために、常温以上に加温することも有効であり、そのために、図1に示される例の如く、第三のタンク20bにヒータを設けたり、第三の液体流路20aを取り囲むように加熱ジャケットを設けて、圧送される第三の液体を加温することも採用されるところである。
ところで、本発明に従う現場混合吹付け方法は、図1に示される如き構成の現場吹付け型発泡機10に適用されるのみならず、公知の各種の発泡吹付けシステム、ひいては吹付けシステムに適用可能であり、例えば、図3に示される如く、発泡剤供給装置を特別に配設してなる発泡吹付けシステムに対しても、同様に適用可能である。具体的には、図3に示される発泡剤供給装置40は、二酸化炭素や、CFC(クロロフルオロカーボン)、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)、HCFO(ハイドロクロロフルオロオレフィン)、HFC(ハイドロフルオロカーボン)、HFO(ハイドロフルオロオレフィン)等の、常温で気化可能な液状の発泡剤を収容する発泡剤タンク42と、この発泡剤タンク42から取り出された発泡剤(第四の液体:D液)を導き、第二の液体を給送する第二の供給系統14に供給すべく、かかる供給系統の第二の液体流路14aに対して接続せしめられる発泡剤供給流路44と、この発泡剤供給流路44上にそれぞれ配設された発泡剤ポンプ46、発泡剤圧力計48、流量調節弁50及び逆止弁52とを含んで、構成されている。そして、この発泡剤供給装置40による発泡剤の供給量が、発泡機制御装置18又はそれとは別の制御装置によって制御されるようになっている。
このような図3に示される発泡吹付けシステムにおいても、図1と同様に、第二の液体流路14aに対して、第三の液体流路20aが、スプレーガン16から5m以内の位置(X≦5mを満たす位置)において接続されて、触媒を含む第三の液体が、第三の液体流路20aを通じて、第二の液体流路14aに導入されて、そこを給送される第二の液体中に混入せしめられるようになっているのである。
また、第一の液体と第二の液体の混合位置についても、例示の具体例では、スプレーガン16とされているのであるが、図4に示されるように、第一の液体流路12aと第二の液体流路14aとをミキシングヘッド60に接続して、そこで、第一の液体と第二の液体とを混合せしめた後、混合液通路62を通じてスプレーガン16に導き、吹付けを行なうようにした構造も採用可能であるが、その場合において、第二の液体流路14aに対する第三の液体流路20aの接続部位が、ミキシングヘッド60から5m以内となるように(X≦5mを満足するように)、選定されることとなる。なお、ミキシングヘッド60とスプレーガン16との間の距離(混合液通路62の長さ:Y)は、第一の液体と第二の液体の混合によって反応が開始されるようになるところから、可及的に短くされていることが望ましく、一般に5m以下、好ましくは3m以下となるように、構成されることとなる。
さらに、第一の液体と第二の液体との混合部位には、それらを均一に混合せしめて、反応を効果的に進行せしめるべく、公知のミキサー(撹拌手段)が設けられていることが望ましく、加えて、第二の液体流路14aに対する第三の液体流路20aの接続部位においても、同様に、適当なミキサー(撹拌手段)が配設されていることが望ましい。
その他、図3に示される吹付けシステムでは、発泡剤供給装置40が第二の供給系統14に対して配設されているが、これに代えて、第一の供給系統12に対して配設することも可能であり、その場合において、発泡剤供給流路44が第一の液体流路12aに対して接続されることとなる。
また、第三の供給系統20における第三のタンク20bや第三の汲上げポンプ20dは、一般に、第一及び第二の供給系統12,14と同様に、発泡機10の装置本体部位に配置されて、そこから、第一の液体と第二の液体の混合位置まで、第三の液体流路20aが延長せしめられることとなる。
加えて、第三の液体には、触媒の他にも、悪影響が惹起されない程度において、第一及び第二の液体と同様な添加成分を添加することも可能であり、更には、第二の液体に対して、それに悪影響をもたらさない限りにおいて、触媒の一部を添加したりすることも可能である。
このように、本発明に従う現場混合吹付け方法やそれを採用してなる現場吹付けシステムにおいては、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、そして、そのような実施の態様が、本発明の主旨を逸脱しない限りにおいて、何れも、本発明の範疇に属するものであることは、言うまでもないところである。
以下に、本発明の実施例に係る試験例を幾つか示し、比較例に係る試験例と対比することにより、本発明の特徴を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、以下に示す百分率(%)及び部は、特に断りのない限り、何れも、質量基準にて示されるものである。
先ず、以下の実施例において評価された施工性(液だれ)及び貯蔵安定性(反応性)については、それぞれ、以下の如くして実施した。
(1)粘度の測定
各試験において得られたA液、B液及びC液の粘度を、それぞれ、JIS−K−7117−1:1999に準拠して、B型粘度測定装置を用いて、測定した。
(2)施工性(液だれ)の評価
各試験において調製されたA液(第一の液体)、B液(第二の液体)及びC液(第三の液体)を用いて(但し、試験2,4,6,8の場合は、C液はなし)、図1又は図3に示される吹付けシステムに修正した現場スプレー発泡機にて、雰囲気温度:15℃の条件下において、躯体である所定大きさのコンクリート板表面に吹き付けて、硬質ポリウレタンフォーム又はポリイソシアヌレートフォームからなる発泡層を形成せしめた。そして、そのような発泡層の形成に際しての「施工性」について、「初期の発泡性」及び「スプレーパターンの形状」から、以下の評価基準に従って、判断した。
×:液だれが発生し、スプレーパターンが円形でないため、表面が平滑でない
△:液だれが僅かに発生し、パターン形状が若干変化して、表面が一部平滑でない
○:液だれが発生せず、パターン形状が変化せず、表面が平滑である
◎:液だれが発生せず、パターン形状が変化せず、表面が平滑であり、厚みが均一である。
(3)貯蔵安定性(反応性)の評価
各試験において調製されたA液、B液及びC液(但し、試験2,4,6,8の場合は、C液はなし)を、それぞれ、耐圧容器に入れて、温度:60℃に保持された恒温槽内にて120時間静置した。その後、A液、B液及びC液を均一に混合する貯蔵安定性試験を行ない、それらの混合開始から発泡が終了するまでの各段階の反応時間(クリームタイム、ゲルタイム及びライズタイム)を測定した。この測定されたクリームタイム(ゲルタイム、ライズタイム)と、恒温槽内での静置を経ることなく混合されて、測定されたクリームタイム(ゲルタイム、ライズタイム)とを比較して、加温静置後のA液、B液及びC液を混合した場合のクリームタイム(ゲルタイム、ライズタイム)における時間の変化量(時間の延長)が、すべて2秒以内の場合には「○」と評価し、一つでも2秒を超えたものがある場合には「×」として、評価した。
また、以下の実施例において用いられる成分として、以下の各種原料を準備した。
ポリイソシアネート:ポリメリックMDI(万華化学ジャパン株式会社製Wannate PM−130)
ポリオール:フタル酸系ポリエステルポリオール(川崎化成工業株式会社製RFK505 、水酸基価:250mgKOH/g)
三量化触媒:第四級アンモニウム塩(サンアプロ株式会社製U−CAT 18X)
:第四級アンモニウム塩(花王株式会社製カオーライザーNo.420)
:オクチル酸カリウム(日本化学産業株式会社製プキャット15G)
樹脂化触媒:N,N−ジシクロヘキシルメチルアミン(エボニック・ジャパン株式会社製 Polycat12)
:オクチル酸ビスマス(日本化学産業株式会社製プキャット25)
難燃剤:赤リン(燐化学工業株式会社製ノーバエクセル140、赤リン成分:92%以上 、平均粒子径:24〜36μm)
:有機リン酸エステル[TCPP:トリス(1−クロロ−2−プロピル)ホスフェ ート](溶剤兼用)
発泡剤:HCFO−1233zd(Honeywell社製1−クロロ−3,3,3−ト リフルオロプロペン)
整泡剤:シリコーン系整泡剤(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン 合同会社製Niax Silicone L−6100)
−実施例1−
A液(第一の液体)をポリメリックMDIのみにて構成する一方、B液(第二の液体)及びC液(第三の液体)として、それぞれ、下記表1に示される割合において、各試験に用いられる液体を調製した。
そして、それら調製されたA液,B液及びC液を用いて、施工性及び貯蔵安定性の評価を行ない、下記表1に併せ示した。なお、試験7及び8においては、液状の発泡剤(二酸化炭素)からなるD液が、表1に示される割合においてB液に配合されて、それぞれの評価に供された。
Figure 0006912644
かかる表1の結果から明らかなように、本発明に従う現場混合吹付け方法を採用する試験1,3,5,7においては、施工性(液だれ)や貯蔵安定性(反応性)において優れた結果を得ることが出来たのに対して、第二のタンク(14b)内において、B液にC液を加えてなる混合液を保持して、それを、第二の液体流路(14a)を通じて供給し、A液に混合せしめる方式となる試験2,4,6,8においては、貯蔵安定性において、有効な結果を示すものではないことを、確認することが出来る。
−実施例2−
先の試験1において準備乃至は調製されたA液、B液及びC液を用いて、図1に従う発泡吹付けシステムを採用する現場スプレー発泡機(ヒータ12f,14fとスプレーガン16との間が100mのホースにて接続されている)により、現場スプレー発泡操作を実施し、その際、C液を供給する第三の液体流路20aの第二の液体流路14aに対する接続点とスプレーガン16との間の距離:Xを、種々変化させて、C液の導入を行なった。なお、試験9においては、スプレーガン16に対して第三の液体流路20aが直接に接続されて、スプレーガン16内において、A液とB液とC液との混合を行ったものである。また、試験13においては、図3における発泡液供給流路44の接続点付近において、第三の液体流路20aが接続されたものであり、更に、試験14においては、第二のタンク14b内において、C液がB液に混合せしめられてなる場合が、示されている。
そして、それら試験9〜試験14において、吹付け作業終了後における第二の液体流路14a内において、B液とC液とが混合されているために廃棄せざるを得ない混合液量を調べ、その結果を、第二のタンク14b内に残存する液体の廃棄の必要の有無と共に、下記表2に示した。
Figure 0006912644
かかる表2の結果から明らかな如く、本発明に従ってA液とB液の混合地点からB液とC液の混合地点に至る距離:Xが5m以内となる試験9〜11においては、吹付け作業終了後の廃液量が少なく、また、第二のタンク14b内に残存するB液を廃棄する必要もないものであった。これに対して、前記距離:Xが5mを超える試験12〜14の場合にあっては、第二の液体流路14a内に残留するB液とC液の混合液が多くなり、それによって、それらB液、C液の損失が大となることに加えて、試験14の場合においては、第二のタンク14b内に残留する液は、B液とC液の混合液であるために、それも廃棄する必要が生じ、そのために、材料ロスが大きくなる問題を内在していることが、認められるのである。
10 発泡機 12 第一の供給系統
12a 第一の液体流路 12b 第一のタンク
12c 第一の汲上げポンプ 12d 第一の圧送ポンプ
12e 第一の圧力計 12f 第一のヒータ
14 第二の供給系統 16 スプレーガン
18 発泡機制御装置 20 第三の供給系統
30 接続ブロック 30a 主流路
30b 副流路 32 カップリング
34 流量調整弁 40 発泡剤供給装置
42 発泡剤タンク 44 発泡剤供給流路
46 発泡剤ポンプ 48 発泡剤圧力計
50 流量調節弁 52 逆止弁
60 ミキシングヘッド 62 混合液通路

Claims (7)

  1. ポリイソシアネートを含む第一の液体を、第一の供給系統を通じて供給し、更にポリオール及び/又は有機リン酸エステルを含む第二の液体を、第二の供給系統を通じて供給して、それら第一及び第二の液体を、触媒の存在下において混合せしめ、反応を進行せしめる一方、かかる第一の液体と第二の液体との混合液を現場吹付け装置より吹き付けて、目的とする対象物の部位に所定の吹付け層を形成する方法において、
    前記現場吹付け装置に至る前記第二の供給系統の流路部分が、ホースにて構成されていると共に、前記触媒が、それを含む第三の液体として調製されて、前記第一及び第二の液体の混合位置において、それら第一及び第二の液体の混合と同時に混合せしめられるか、或いはそれら第一及び第二の液体の混合位置よりも上流側に位置する前記第二の供給系統の流路部分を構成するホースに対して、該混合位置から5mを超えて離隔することのない部位において接続された第三の供給系統を通じて、該第二の供給系統内に導入され、該第二の供給系統内を導かれる前記第二の液体中に混入せしめられるように構成したことを特徴とする現場混合吹付け方法。
  2. 前記第三の液体が、50〜2000mPa・sの粘度となるように調製されていることを特徴とする請求項1に記載の現場混合吹付け方法。
  3. 前記第三の液体が、前記触媒として、少なくとも三量化触媒を含有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の現場混合吹付け方法。
  4. 前記第一及び第二の供給系統が前記現場吹付け装置にそれぞれ接続されて、それら第一及び第二の供給系統を通じて導かれる前記第一及び第二の液体が、該現場吹付け装置において混合せしめられるようになっていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の現場混合吹付け方法。
  5. 前記第一及び第二の供給系統がそれらの下流端において連結されて、その連結部において、前記第一及び第二の液体が混合された後、前記現場吹付け装置に導かれるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の現場混合吹付け方法。
  6. 前記第一の液体と前記第二の液体の混合位置にミキサーが配設されており、該ミキサーにて混合せしめられた後、前記現場吹付け装置による吹付けが行なわれるようになっていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の現場混合吹付け方法。
  7. 前記第一の供給系統の所定部位に対して、及び/又は前記第二の供給系統に対する前記第三の供給系統の接続部位よりも上流側の部位に対して、第四の供給系統が接続され、該第四の供給系統を通じて、液状発泡剤が供給されるようになっていることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の現場混合吹付け方法。
JP2020204018A 2020-12-09 2020-12-09 現場混合吹付け方法 Active JP6912644B1 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020204018A JP6912644B1 (ja) 2020-12-09 2020-12-09 現場混合吹付け方法
PCT/JP2021/044906 WO2022124301A1 (ja) 2020-12-09 2021-12-07 外付け型液体供給装置
PCT/JP2021/044905 WO2022124300A1 (ja) 2020-12-09 2021-12-07 現場混合吹付け方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020204018A JP6912644B1 (ja) 2020-12-09 2020-12-09 現場混合吹付け方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6912644B1 true JP6912644B1 (ja) 2021-08-04
JP2022091279A JP2022091279A (ja) 2022-06-21

Family

ID=77057390

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020204018A Active JP6912644B1 (ja) 2020-12-09 2020-12-09 現場混合吹付け方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6912644B1 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009035628A (ja) * 2007-08-01 2009-02-19 Nippon Pafutemu Kk 硬質ポリウレタン系フォームの製造方法
JP2014169357A (ja) * 2013-03-01 2014-09-18 Kurabo Ind Ltd ポリウレタンフォーム製造方法
JP2014172984A (ja) * 2013-03-08 2014-09-22 Inoac Tokuzai Kk ポリウレタン発泡体の現場発泡方法とポリウレタン発泡体の現場発泡装置
JP2016145360A (ja) * 2010-08-18 2016-08-12 ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド 発泡剤、発泡性組成物、及びフォーム
JP2017029904A (ja) * 2015-07-30 2017-02-09 旭有機材株式会社 制御装置を備えた現場吹付け型発泡機
JP2018070707A (ja) * 2016-10-26 2018-05-10 日清紡ケミカル株式会社 硬質ポリウレタンフォームの製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009035628A (ja) * 2007-08-01 2009-02-19 Nippon Pafutemu Kk 硬質ポリウレタン系フォームの製造方法
JP2016145360A (ja) * 2010-08-18 2016-08-12 ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド 発泡剤、発泡性組成物、及びフォーム
JP2014169357A (ja) * 2013-03-01 2014-09-18 Kurabo Ind Ltd ポリウレタンフォーム製造方法
JP2014172984A (ja) * 2013-03-08 2014-09-22 Inoac Tokuzai Kk ポリウレタン発泡体の現場発泡方法とポリウレタン発泡体の現場発泡装置
JP2017029904A (ja) * 2015-07-30 2017-02-09 旭有機材株式会社 制御装置を備えた現場吹付け型発泡機
JP2018070707A (ja) * 2016-10-26 2018-05-10 日清紡ケミカル株式会社 硬質ポリウレタンフォームの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022091279A (ja) 2022-06-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9598605B2 (en) Method for minimizing emissions while forming a polyurethane foam
EP3033394B1 (en) Process for the preparation of lignin based polyurethane products
JP6917812B2 (ja) ポリウレタンフォーム用発泡性組成物及びそれを用いたポリウレタンフォームの製造法
JP2016188330A (ja) ポリウレタンフォームの製造方法及びそれによって得られたポリウレタンフォーム
JP6470610B2 (ja) ポリウレタンフォームの製造法及びそれによって得られたポリウレタンフォーム
JP6852949B2 (ja) 硬質ポリウレタンフォームの製造方法
WO2022124300A1 (ja) 現場混合吹付け方法
KR20120027027A (ko) 폴리에테르폴리올의 제조 방법, 및 이것을 사용한 경질 발포 합성 수지의 제조 방법
CN107922564A (zh) 得自位阻盐和具有异氰酸酯反应性基团的叔胺的三聚催化剂
CA2789150A1 (en) Polyurethane foam and resin composition
JP6978396B2 (ja) ポリウレタンフォームの製造方法
CN113015757A (zh) 不燃性聚氨酯泡沫用发泡性组合物
JP5183289B2 (ja) 硬質ポリウレタンフォームの製造方法
JP7034020B2 (ja) 難燃性ポリウレタンフォーム用発泡性組成物
JP6912644B1 (ja) 現場混合吹付け方法
CN108026247B (zh) 基于甲苯二异氰酸酯缩二脲的聚氨酯泡沫预聚物
CN111295405B (zh) 在喷涂施用期间具有低暴露于游离单体mdi异氰酸酯含量的聚氨酯组合物
US7705063B2 (en) Polyurethane foam and a resin composition
JP2009035628A (ja) 硬質ポリウレタン系フォームの製造方法
JP7513458B2 (ja) ポリウレタンフォーム用発泡性組成物及びそれを用いたポリウレタンフォームの製造方法
JP6359240B2 (ja) ポリウレタンフォーム製造方法
JP6861882B1 (ja) 外付け型液体供給装置
JP2008285578A (ja) ポリウレタンスプレーフォーム発泡装置
JP7513448B2 (ja) ポリウレタンフォーム用発泡性組成物及びそれを用いたポリウレタンフォームの製造方法
JPWO2020110332A1 (ja) 不燃性ポリウレタンフォーム用発泡性組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201228

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20201228

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20210318

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210323

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210524

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210629

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210708

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6912644

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250