JP6912280B2 - ドアスイッチ - Google Patents
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Description
ドアにはドアの開閉を検知するドアスイッチが設置され、ドアが開いた状態では機械装置を停止させる、つまり、ドアが閉じた状態でないと機械装置を稼働させないようにしている。
このようなドアスイッチによれば、ドア開時に機械装置の稼働停止が可能である。しかし、作業員が安全柵内に立ち入った状態で、意図せずにドアが閉じられると、機械装置が稼働再開してしまう。
さらに、アクチュエータをドアのラッチで兼用するのではなく、独立したレバーで突没操作するものとし、意図的な操作を行った際にのみアクチュエータが突出してドア閉鎖を検知できるようにしたドアスイッチも提案されている(特許文献3)。
これに対し、通常はアクチュエータがドア側に格納されるドアスイッチが提案されている。このドアスイッチでは、ドア枠側にドアに向けて小さなピンを設置しておき、ドアが閉鎖状態に近づいた際にピンでドアの受け部を押すことで、アクチュエータがドアから突出するように構成されている。つまり、作業員がドアを閉じようとすると、アクチュエータが自動的に突出するので、余分な操作を省略することができる(特許文献4)。
しかし、意図的な操作が必要ということは、余分な作業による作業性の低下を招くともいえる。
しかし、このような自動化により、意図せずにドアが閉じかけた場合でも、アクチュエータが自動的に突出してしまい、作業員が立ち入った状態での機械装置の稼働再開を防止できないという問題がある。
本発明では、ドアハンドルの操作がない状態では、アクチュエータは付勢手段により進退方向の格納側に維持される。
開いた状態のドアを閉じる際には、作業者がドアハンドルを操作してドアを閉じる方向へ移動させる。作業者がドアハンドルを操作することにより、ドアハンドルがドアに対して変位し、アクチュエータが格納側から進出側へと移動し、アクチュエータがスイッチ装置に挿入される。
付勢手段の付勢力が比較的大きい場合、作業者がドアハンドルを操作しても直ちにドアハンドルがドアに対して変位せず、アクチュエータが格納された状態のままドアが閉じ、ドアが閉じた状態となった後、ドアハンドルが移動してアクチュエータが進出する。
いずれの場合も、アクチュエータが進出するのは、作業者がドアハンドルを操作したときに限られる。
従って、本発明によれば、アクチュエータを進出させるために、ドアハンドルの操作が必要であり、作業員が立ち入った状態での機械装置の稼働再開を防止できる。さらに、ドアを開閉させるためのドアハンドルの操作が、アクチュエータを進出させるための動作となるため、余分な操作を省略することができる。
本発明において、同方向とは、同一の方向および類似の方向(方向成分の一部が共通している)であればよい。
本発明では、ドアを閉じる操作と、ドアハンドルを変位させてアクチュエータを突出させる操作とを、そのまま連続するようにでき、従って、操作をさらに簡略化できる。
本発明では、進出したアクチュエータがスイッチ装置に挿入された状態で、作業者がドアハンドルの操作を止めても、進出側にあるアクチュエータがロック機構によりロックされるため、付勢手段によって格納側に戻されることがなく、ドアが閉じた状態でアクチュエータがスイッチ装置に挿入された状態を維持することができる。
本発明では、作業者がドアハンドルを把持したことを接触センサで検知し、ロック機構を解除可能な状態とすることができる。例えば、ロック機構の開閉制御が、本発明のドアスイッチが設置されたドアを有する安全柵で囲われた機械装置を制御する制御装置のインターロックにより行われる場合、接触センサで作業者がドアハンドルを把持したことを検知した際に、制御装置がインターロックの他の解除条件を判定し、他の解除条件も揃っていればロック解除を行う、という手順を採用することができる。
このため、ドアを閉じる際に、作業者がロック機構の解除を行うスイッチ操作などを省略することができる。
本発明では、ドアに設置されるドアハンドルおよび伝達機構が回動支持されることで、簡単な構造でアクチュエータを進退させるための変位を確保することができる。
このような飛び出し防止機構は、ドアが閉位置にあることを検出する手段と、アクチュエータを格納状態に規制する機構とで構成することができ、例えば機械的なリンクや、電気的なセンサを利用して適宜構成することができる。
本発明では、ドアが閉位置にない状態では、アクチュエータがドアに格納されており、例えばドアが回転式で、アクチュエータが回転中心から径方向に進退する構成であっても、アクチュエータがドア枠などと干渉することを防止することができる。
〔第1実施形態〕
図1から図3には、本発明の第1実施形態が示されている。
図1において、安全柵1は図示しない機械装置を囲うものであり、その一部にはドア枠2が設置されている。ドア枠2の内側は、図中右半分が壁面3で閉じられているが、図中左半分は開口4とされ、この開口4を通して作業者が立ち入ることができる。
ドア5は、図中左端まで移動した際に、開口4を完全に覆う状態(閉鎖状態)となる。また、図中右端まで移動した際に、開口4の開口面積が最大となる状態(開放状態)となる。
ドア5には、ドアスイッチ10を構成するドアハンドル11およびアクチュエータ12が設置され、ドア枠2にはスイッチ装置19が設置されている。
ドアハンドル11は、ドア5の表面に沿って棒状に形成され、上下一対の支持アーム111で支持されている。
支持アーム111は、ドア5の表面に形成されたスリット112を通してドア5の内部へ引き込まれ、ドア5の内部で垂直な回動軸AHまわりに回動自在に支持されている。このような支持アーム111は、ドアハンドル11の上端近傍および下端近傍にそれぞれ設置されている。
ドアハンドル11の変位方向DHは、厳密には回動軸AHを中心とした円弧状であるが、概略的にはドア5の開閉方向DDと同方向である。
アクチュエータ12の進退方向DAは、ドア5の内部空間を有効に利用するためにドア5の平面方向に沿っており、かつドア5の開閉方向DDと同方向である。
アクチュエータ12は、進退方向DAの格納側(図中右側)にあるとき、ドア5の内部に完全に格納される(図2参照)。一方、進退方向DAの進出側(図中左側)にあるとき、ドア5から所定の長さだけ進出した状態とされる(図3参照)
アクチュエータ12の先端近傍には、スリット121の外部に露出される領域に、ロック用の角孔122が形成されている。
リンクアーム131は、一端を回動軸ALまわりに回動自在に支持され、細く形成された部分が支持アーム111の開口を挿通する状態で係合されている。従って、支持アーム111が変位方向DHへ変位した際には、リンクアーム131も回動方向DLに沿って回動可能である。
このようなリンクアーム131によって、ドアハンドル11の変位をアクチュエータ12に伝達し、アクチュエータ12を進退方向DAに移動させる伝達機構13が構成されている。
コイルばね14は、支持アーム111をその回動軸AHに対して図中右側へと付勢しており、これによりドアハンドル11は変位方向DHの図中右端に常時維持され、アクチュエータ12は進退方向DAの格納側に常時維持される。
一方、ドア5がドア枠2に当たり、それ以上移動できない状態(ドア5が閉じた状態)であれば、ドアハンドル11に加えられる同方向の力により、コイルばね14が延びて、アクチュエータ12が突出する。
スイッチ装置19は、安全柵1の壁体内に埋設されており、ドア枠2の内周からアクチュエータ12が挿入可能である。
スイッチ装置19には、アクチュエータ12の挿入を検知するスイッチ機構191と、挿入されたアクチュエータ12をロックするロック機構192とを備えている。
スイッチ機構191は、安全柵1内に設置された機械装置の制御装置に接続され、この制御装置は、アクチュエータ12がない状態ではドア5が閉鎖されていないと判定して機械装置を稼働させない。
ロック機構192は、制御装置のスイッチ等を操作することで解除され、これによりアクチュエータ12のロックが解除され、作業者がドアハンドル11を掴んで開方向へ移動させることで、ドア5を開くことができる。
ドア5が閉じた状態(図1で開閉方向DDの左側、開口4を塞いだ状態)にあり、アクチュエータ12がスイッチ装置19に挿入されているとき、アクチュエータ12はロック機構192でロックされて挿入状態が維持される。
この状態では、スイッチ機構191によりアクチュエータ12の挿入が検出され、安全柵1内の機械装置が稼働可能な状態とされる。
アクチュエータ12が、スイッチ装置19に挿入された状態(進退方向DAの進出側、図中左側)にあるとき、付勢手段であるコイルばね14は引き延ばされた状態であり、ドアハンドル11も変位方向DHの進出側にある(図3の状態)。
操作によりドアハンドル11は、変位方向DHの格納側に変位し、アクチュエータ12も進退方向DAの格納側に移動する(図2の状態)。
このとき、作業者の操作力により、アクチュエータ12が移動されるとともに、ドア5が開かれ、アクチュエータ12はスイッチ装置19から抜き出される。
その結果、スイッチ機構191が、アクチュエータ12が挿入状態でなくなったことを検知し、スイッチ装置19は安全柵1内の機械装置の稼働を停止状態に維持する。
このとき、ドアハンドル11はコイルばね14の付勢により、作業者の操作によって変位することはなく、元の位置に維持されている。従って、アクチュエータ12もドア5から突出することはなく、ドア5内に格納されたままである。
従って、作業者がドアハンドル11から手を離しても、コイルばね14の付勢に抗してアクチュエータ12は格納側に戻らず、アクチュエータ12はスイッチ装置19に挿入された状態に維持され、スイッチ機構191の検知状態が維持される。
従って、作業者が意図的にドアハンドル11を操作してドア5を閉じない限り、アクチュエータ12がスイッチ装置19に挿入されないため、ドア5が閉状態と検知されることはない。従って、意図せずに機械装置が稼働可能な状態となることはない。
本実施形態によれば、作業者がドアハンドル11を操作することなしに開いたドア5が閉じたとしても、付勢手段であるコイルばね14により、アクチュエータ12が格納側にあり、アクチュエータ12がスイッチ装置19に挿入されることはない。
つまり、アクチュエータ12を進出させるために、ドアハンドル11の操作が必要であり、作業員が立ち入った状態での機械装置の稼働再開を防止できる。
また、アクチュエータ12の進退方向DAをドア5の平面方向に合わせたため、伝達機構13をも含めた機構をドア5の内部空間に収めることが容易である。
図4から図6には、本発明の第2実施形態が示されている。
図4において、安全柵1Aは図示しない機械装置を囲うものであり、その一部にはドア枠2Aが設置されている。ドア枠2Aの内側は開口4Aとされ、この開口4Aを通して作業者が立ち入ることができる。
ドア5Aは、ドア枠2Aの内側へ移動した際に、開口4Aを完全に覆う状態(閉鎖状態)となる。また、ヒンジ6Aと反対側(図中左側)が手前側へ移動した際に、開口4Aが開かれた状態(開放状態)となる。
ドア5Aには、ドアスイッチ10Aを構成するドアハンドル11およびアクチュエータ12が設置され、ドア枠2Aにはスイッチ装置19が設置されている。
本実施形態のドアスイッチ10Aは、基本的に前述した第1実施形態のドアスイッチ10(図2および図3参照)と同じ構成を有する。このため、重複する説明は省略し、以下に異なる点のみ説明する。
本実施形態のドアハンドル11の変位方向DSは、ドア5Aの開閉方向DRと一致しないが、第1実施形態の変位方向DH(図2および図3参照)に比べてドア5Aの表面に交差する方向に近づいており、結果として開閉方向DRに近い方向とされている。
さらに、その他の構成については、第1実施形態と同様であり、これにより第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
飛び出し防止機構18は、ドア5Aが閉位置にあることを検出する近接センサ181と、アクチュエータ12をドア5Aに格納された状態に規制するラッチ機構182とで構成されている。近接センサ181は、ドア5Aが閉状態にある際に、対向するドア枠2Aを検知する。ラッチ機構182は、通常はアクチュエータ12の角孔122などを係止しているが、近接センサ181がドア枠2Aを検知している際には、この係止を解除する。
図7には、本発明の第3実施形態が示されている。
前述した第1実施形態においては、ロック機構192は、制御装置のスイッチ等を操作することで解除され、これによりアクチュエータ12が移動可能となり、作業者がドアハンドル11を掴んで開方向へ移動させることで、ドア5を開くことができた。
これに対し、本実施形態では、作業者がドアハンドル11を掴むことで、自動的にロック機構192が解除される。
なお、本実施形態は、基本構成が第1実施形態と同様であり、重複する構成には同じ符号を用いて説明を省略する。そして、以下には第1実施形態との相違点についてのみ説明する。
このような本実施形態によれば、前述した第1実施形態と同様な効果が得られるほか、ドア5を閉じる際にロック機構192の解除を行うスイッチ操作などを省略することができる。
なお、このような接触センサ11Bによるロック機構192の解除は、前述した第2実施形態に適用してもよい。
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形などは本発明に含まれる。
前記実施形態においては、スイッチ装置19のロック機構192としては、例えばピンを進出させてアクチュエータ12の角孔122を係止する構成とした。しかし、本発明のロック機構としては、このような構成に限らず、ラッチ機構などの他の機械的構成、吸着装置、マグネットなどの電磁気的な手段を用いてもよい。
付勢手段としては、コイルばね14に限らず、板ばねやガススプリング、その他の弾性部材を用いたものであってもよく、電磁気力などの非接触で付勢を行うものなど、所定方向に常時力を加えられるものであれば適宜利用できる。
これに対し、第1実施形態では、ドア5を閉じる操作によってドアハンドル11が変位し、アクチュエータ12が突出した状態でドア5が移動し、閉鎖位置に至る直前にスイッチ装置19にアクチュエータ12が挿入されるような動作を行うようにしてもよい。
ただし、アクチュエータ12をドア5Aの表面と交差する方向に配置し、つまりアクチュエータ12およびその進退方向DAとドア5Aの開閉方向DRとを一致させることで、ドア5Aの開閉動作によりアクチュエータ12をスイッチ装置19に挿入する動作を行うことができる。
例えば、ドア5Aに設置されるアクチュエータ12をドア5の回転方向(回転中心まわりの周方向)に延びる状態とし、ドア枠2Aに設置されるスイッチ装置19をアクチュエータ12が挿入可能な向きとすることができる。このような構成によれば、ドア5Aが閉じる際に、アクチュエータ12が突出した状態であっても、ドア枠2Aと干渉することはなく、第2実施形態のような飛び出し防止機構18は省略することができる。
Claims (6)
- 所定の開閉方向に移動可能なドアに設置され、所定の進退方向に移動可能であり、前記進退方向の格納側にあるとき前記ドアの内部に格納され、前記格納側と反対側の進出側にあるとき一部が前記ドアから突出するアクチュエータと、
前記ドアに設置されて前記ドアに対して所定の変位方向へ変位可能なドアハンドルと、
前記ドアハンドルの変位を前記アクチュエータに伝達して前記アクチュエータを前記進退方向の前記進出側へ移動させる伝達機構と、
前記アクチュエータを前記格納側へ付勢する付勢手段と、
前記ドアのドア枠側に設置され、前記ドアが閉じた状態で前記進出側にある前記アクチュエータが挿入可能なスイッチ装置と、を有し、
前記ドアハンドルは、前記ドアに対して回動自在に支持され、
前記伝達機構は、前記ドアに対して回動自在に支持されたリンクを介して前記ドアハンドルの変位を前記アクチュエータに伝達することを特徴とするドアスイッチ。 - 所定の開閉方向に移動可能なドアに設置され、所定の進退方向に移動可能であり、前記進退方向の格納側にあるとき前記ドアの内部に格納され、前記格納側と反対側の進出側にあるとき一部が前記ドアから突出するアクチュエータと、
前記ドアに設置されて前記ドアに対して所定の変位方向へ変位可能なドアハンドルと、
前記ドアハンドルの変位を前記アクチュエータに伝達して前記アクチュエータを前記進退方向の前記進出側へ移動させる伝達機構と、
前記アクチュエータを前記格納側へ付勢する付勢手段と、
前記ドアのドア枠側に設置され、前記ドアが閉じた状態で前記進出側にある前記アクチュエータが挿入可能なスイッチ装置と、
前記ドアが閉位置にないときに前記アクチュエータを前記ドアに格納された状態に規制する飛び出し防止機構と、を有することを特徴とするドアスイッチ。 - 前記ドアハンドルは、前記ドアに対して回動自在に支持され、
前記伝達機構は、前記ドアに対して回動自在に支持されたリンクを介して前記ドアハンドルの変位を前記アクチュエータに伝達する、請求項2に記載のドアスイッチ。 - 前記ドアハンドルの変位方向と前記ドアの開閉方向とが同方向である、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のドアスイッチ。
- 前記スイッチ装置は、前記アクチュエータが前記進出側に移動した状態で前記アクチュエータをロックするロック機構を有する、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のドアスイッチ。
- 前記ドアハンドルには、作業者が把持したことを検出する接触センサが設置され、
前記ロック機構は、前記接触センサで作業者が把持したことが検出された際に解除可能となることを特徴とする請求項5に記載のドアスイッチ。
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