JP6911575B2 - 脆性き裂伝播停止特性に優れた鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、これら知見に基づき成されたものであり、その要旨とするところは次の通りである。
質量%で、
C :0.040〜0.120%、
Si:0.03〜0.50%、
Mn:0.30〜2.00%、
P :0.020%以下、
S :0.010%以下、
Nb:0.005〜0.050%、
Ti:0.005〜0.030%、
Al:0.001〜0.100%、
N :0.0010〜0.0080%を含有し、
残部がFeおよび不可避的不純物からなり、下記式1〜式3で規定されるPs値が0.45〜0.60%であって、
ミクロ組織が面積率にして
フェライト:10〜30%、
パーライト:5%以下、
ベイナイト:70%以上を含有するとともに、
ベイナイトの平均アスペクト比が2.5以下であり、円相当径が50nm以上の析出物および介在物のうち円相当径の大きいものから個数割合にして20%までのものの平均円相当径が0.30μm以下であり、
さらに圧延方向垂直断面においてEBSDを用いた結晶方位解析において、き裂伝播有効結晶粒径が下記式4のd(μm)以下であり、板厚t(mm)が50mm以上であることを特徴とする、脆性き裂伝播停止特性に優れた鋼板。
Ps=Ceq+3.6×[Nb]+79×Bsol …式1
Ceq=[C]+[Mn]/6+([Cu]+[Ni])/15+([Cr]+[Mo]+[V])/5 …式2
Bsol=[B]−([N]−[Ti]×14/48)×11/14 …式3
d=(5.4×[Ni]+16)×(1.2−t/300) …式4
ここで、[C]などの[元素記号]は当該元素の含有量(質量%)を示し、含有しない場合は0を代入するものとする。また、B無添加または式3においてBsol<0の場合は式1においてBsol=0とする。
[2]
さらに、質量%で、
Cu:0.05〜1.50%、
Ni:0.05〜2.00%、
Cr:0.05〜1.00%、
Mo:0.02〜0.50%、
V :0.005〜0.100%、
B :0.0002〜0.0030%の1種または2種以上を含有することを特徴とする、
上記[1]に記載の脆性き裂伝播停止特性に優れた鋼板。
[3]
さらに、質量%で、
Mg :0.0003〜0.0050%、
Ca :0.0005〜0.0030%、
Zr :0.0005〜0.0050%、
REM:0.0005〜0.0100%の1種または2種以上を含有することを特徴とする、上記[1]または[2]に記載の脆性き裂伝播停止特性に優れた鋼板。
[4]
上記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の組成を有する鋼片を加熱する際に、加熱下限温度TLを下記の式9によるものとし、加熱上限温度TUを下記の式10によるものとしたとき、加熱炉内に鋼片を装入してから、鋼片の温度が加熱下限温度TLに達した時点を保持開始として、鋼片の温度が加熱下限温度TLから加熱上限温度TUの範囲に保たれるように加熱炉の温度を制御し、保持開始から、前記鋼片を加熱炉から抽出する迄の時間を、保持時間tm(分)とし、そして、保持時間tm(分)における鋼片の温度の時間平均温度を加熱温度T(℃)としたとき、加熱温度T(℃)と保持時間tm(分)が下記の式5〜式7を満たしており、900℃以上の温度域で圧延を行うに際し、少なくとも最終3パスの圧下率がそれぞれ10%以上、パス間時間がそれぞれ15秒以下、かつ前パスの圧下率を下回らないように圧延を行い、さらに、各圧延をする前の鋼片の厚さをtbとしたときに、鋼板表面からtb/4の部分の温度が、下記式8で示すAr3を用いてAr3+20℃〜Ar3+70℃の範囲で、圧延を行なう複数のパスにおいて、各パスの平均圧下率が5.0%以下、累積圧下率が40%以上、平均パス間時間が25秒以下の条件で圧延を行った後、得られた鋼板の板厚をtとしたときに、引き続き鋼板表面からt/4の部分の温度がAr3以上の温度から400℃以下の温度まで、板厚平均で5℃/秒以上の冷却速度で冷却を行うことを特徴とする脆性き裂伝播停止特性に優れた鋼板の製造方法。
57000/{1.2−0.16×log([C][Nb])}≦PH
≦84000/(1.9−0.18×log[Ti]) …式5
PH=(T+273)×{log(tm)+25} …式6
tm≧30 …式7
Ar3=910−310[C]+65[Si]−80[Mn]−20[Cu]−15[Cr]−55[Ni]−80[Mo] …式8
TL=57000/{1.2−0.16×log([C][Nb])}/{log(30)+25}−273 …式9
TU=84000/(1.9−0.18×log[Ti])/{log(30)+25}−273 …式10
ここで、[C]などの[元素記号]は当該元素の含有量(質量%)を示し、含有しない場合は0を代入するものとする。
[5]
さらに、300〜600℃の温度で熱処理を行うことを特徴とする、[4]に記載の脆性き裂伝播停止特性に優れた鋼板の製造方法。
一般に、靭性を支配する基本組織単位は、フェライト鋼ではフェライト粒径であり、ベイナイト鋼ではパケットやブロックと呼ばれる領域のサイズであり、これらのサイズが小さいほど靭性が向上する。ところが、降伏強度550MPa級の鋼ではベイナイトに一部フェライトが混在する組織であり、通常の光学顕微鏡による組織観察では、基本組織単位を客観的に定義し、そのサイズを測定することは非常に困難である。
図1中の結晶方位差の数字は、隣接する等方位領域の方位を一致させるために必要な回転角度である。また、き裂伝播偏向角の数字は、隣接する等方位領域における、RDに最も近い<001>軸をND面に投影させたベクトル同士のなす角であり、RDおよび圧延幅方向(TD)を軸とする回転を許容してそろえるために必要な角度である。図中の矢印は、破面をSEMにて観察した破面写真から、き裂伝播の抵抗となっていると考えられる、破面の方位が大きく変化している境界、または破面上で大きなティアリッジが確認された境界である破面単位境界を示した。
すなわち、圧延方向垂直断面(RD面)においてEBSDを用いた結晶方位解析を行い、方位差15°以内の領域(等方位領域)に区分した組織に、JIS G 0551に準拠した切断法を適用して、測定線上で連続して隣り合う複数の等方位領域における3つの<001>軸を表すベクトルの内、RDとのなす角が最小であるベクトルを鋼板表面(ND面)に投影したベクトル同士が相互になす角度(き裂伝播偏向角)が25°未満の、前記測定線上で連続して隣り合う複数の等方位領域を1つの領域(等き裂伝播抵抗領域)と見なすとき、その等き裂伝播抵抗領域の前記切断法により算出される平均円相当径が、き裂伝播有効結晶粒径である。
d=(5.4×[Ni]+16)×(1.2−t/300) …式4
ここで、[Ni]はNi含有量(質量%)、tは板厚(mm)を表す。
その一つがベイナイト主体の組織に混在するパーライトである。パーライト組織の面積率が高くなると、大きなパーライトが増え、これが脆性破壊の起点になることで、アレスト性も劣化する傾向があることが分かった。そのため、パーライト面積率は5%以下にする必要がある。
さらに、過度に延伸したベイナイトもアレスト性を低下させることが判明した。この偏平ベイナイトは、Ar3以上の温度域において適正な圧下を施さなかったか、または、仕上圧延中のパス間時間が必要以上に長くなった場合に生成する。ベイナイトの平均アスペクト比が2.5以下であれば、顕著なアレスト性低下は回避できる。アレスト性を確保する観点から、好ましくはアスペクト比を2.3以下に、さらに好ましくは2.0以下にするとよい。
次に、本発明の成分限定理由について説明する。
Ps=Ceq+3.6×[Nb]+79×Bsol …式1
Ceq=[C]+[Mn]/6+([Cu]+[Ni])/15+([Cr]+[Mo]+[V])/5 …式2
Bsol=[B]−([N]−[Ti]×14/48)×11/14 …式3
ここで、[C]のように[元素記号]で示す項は、当該元素の含有量(質量%)を示す。(たとえば[C]は、炭素(C)の含有量(質量%)を示す。)式1の係数は焼入れ性への寄与から実験的に求めた。Bsolは固溶Bの推定値に相当するもので、B無含有、または式3においてBsol<0の場合は式1においてBsol=0とする。上記のPs値が0.45%未満であると降伏強度550MPaを確保することは困難であり、0.60%超であると強度過大で靭性とアレスト性が低下するおそれがある。
続いて本発明鋼を製造するための手段について説明する。
まず、上記に説明した所定の成分を含有する鋼片を加熱する際に、加熱温度と保持時間を下記に示すように制御する。上述した式5の左辺にC、Nbの含有量を代入し、tmを式7より最短の30(分)として式6に代入し、式5の左辺がPHと等しいとして加熱下限温度TLを算出する。
TL=57000/{1.2−0.16×log([C][Nb])}/{log(30)+25}−273 …式9
次に、式5の右辺にTiの含有量を代入し、tmを式7より最短の30(分)として式6に代入し、式5の右辺とPHが等しいとして加熱上限温度TUを算出する。
TU=84000/(1.9−0.18×log[Ti])/{log(30)+25}−273 …式10
ここで、[元素記号]は、当該元素の含有量(質量%)を示す。
例えば、C:0.10%、Nb:0.010%、Ti:0.010%の場合は、加熱下限温度TLは1008℃であり、加熱上限温度TUは1131℃である。
鋼片の温度とは、鋼片の表面温度、加熱炉内の雰囲気温度、鋼片の加熱炉内での加熱経過時間等から伝熱計算により、逐次算出される鋼片の板厚方向の断面の平均温度とする。
加熱炉内に鋼片を装入してから、鋼片の温度が加熱下限温度TLに達した時点を保持開始として、鋼片の温度が加熱下限温度TLから加熱上限温度TUの範囲に保たれるように加熱炉の温度を制御し、鋼片を加熱炉から抽出する。上述した保持開始から、鋼片を加熱炉から抽出する迄の時間を、保持時間tm(分)とする。そして、保持時間tmの間における鋼片の温度の時間平均温度を加熱温度T(℃)とする。Tとtmは以下の式5〜式7を満たす条件で加熱する必要がある。
57000/{1.2−0.16×log([C][Nb])}≦PH
≦84000/(1.9−0.18×log[Ti]) …式5
PH=(T+273)×{log(tm)+25} …式6
tm≧30 …式7
ここで、[元素記号]は、上記したように当該元素の含有量(質量%)を示す。
式5の各係数や定数は、粗大オーステナイト(γ)が生成する限界条件、固溶Nb量を確保するための限界条件から実験的に定めた。なお、表2(表2−1と表2−2を総称して表2と表現する。)中では、式5の左辺をML、右辺をMUとして記載している。
ML=57000/{1.2−0.16×log([C][Nb])}
MU=84000/(1.9−0.18×log[Ti])
保持時間は30分以上としたが、これはNb等の微量合金元素を均一に固溶させるためである。
式6に示すPHは焼戻しの温度と保持時間の換算に用いられる焼戻しパラメータを基に規定した。式5の左辺はCとNb量に応じて変化する加熱条件の下限であり、右辺はTi量に応じて変化する加熱条件の上限である。
最終3パスの圧下率がそれぞれ10%未満であると、再結晶γが十分微細化できない。最終3パスにおいて後段パスの方が軽圧下となると、再結晶γが粗大化するおそれがある。
また、パス間時間が長すぎると、再結晶γが粒成長してしまい、最終組織の微細化が困難となる。
なお、圧下率は(入側板厚−出側板厚)/入側板厚×100(%)、パス間時間は当パス圧延終了から次パス圧延開始までの時間とする。
Ar3=910−310[C]+65[Si]−80[Mn]−20[Cu]−15[Cr]−55[Ni]−80[Mo] …式8
ここで、[元素記号]は、上記したように当該元素の含有量(質量%)を示す。
これらの条件を満たさないと、き裂伝播有効結晶粒径を十分微細化できずに、アレスト性が低下してしまう。
なお、累積圧下率とは、鋼板表面からtb/4の部分が所定の温度範囲にある複数パスにおいて、(最初のパスの入側板厚−最後のパスの出側板厚)/最初のパスの入側板厚×100(%)のことである。また、当該パスの平均圧下率とは、上記複数パスのそれぞれのパスにおいて、(入側板厚−出側板厚)/入側板厚×100(%)で定まる各パス圧下率を平均したものである。
以上の製造方法は、本発明に係る鋼板を得るための製造方法の一態様であって、本発明に係る鋼板は、この態様の製造方法に限定されるものではない。
析出物径は、上記と同様の板厚位置3か所から抽出レプリカを作製し、透過電子顕微鏡により2万倍で撮影した写真を用いて、面積0.002μm2(0.002×10−12m2)以上の析出物の中から100個以上を無作為に抽出し、これを対象として画像解析を行い、大きいものから個数割合にして20%以内に相当する析出物の円相当径の平均値を算出した。
すなわち、析出物の円相当径(直径)が50nm(50×10−9m)以上の中から100個以上を無作為に抽出し、大きいものから個数割合にして20%以内に相当する析出物の円相当径の平均値を算出した。
き裂伝播有効結晶粒径は、上記と同様の板厚位置3箇所からRD面が測定面となるようにEBSD用サンプルを採取し、500×500μmの領域を1μmピッチで測定した後、結晶方位マップをもとに延べ長さ2mmの範囲にわたって方位解析を行うことにより粒界を決定し、JIS G 0551(2013)に準拠した切断法によって算出した。
母材強度は、板厚中心部からTD方向に採取したJIS Z 2241(2011)の4号引張試験片を用いて、降伏強度(YS)、引張強度(TS)を評価した。
母材靭性は、板厚中心部からRD方向に採取したJIS Z 2242(2005)の2mmVノッチ衝撃試験片を用いて、破面遷移温度(vTrs)を評価した。
アレスト性は、WES 2815(2014)に記載される方法に基づいて、全厚で500mm幅の試験片を採取して、温度勾配型ESSO試験を行い、Kca=6000N/mm1.5を示す温度にて評価した。
HAZ靭性は、角度30°のレ形開先、ルートギャップ5mm、入熱約3kJ/mmの条件で炭酸ガスアーク溶接継手を作製し、裏面部から採取したシャルピー試験片の溶融線に沿ってノッチを入れて、−40℃で3本試験したときの平均吸収エネルギーで評価した。
Claims (5)
- 質量%で、
C :0.040〜0.120%、
Si:0.03〜0.50%、
Mn:0.30〜2.00%、
P :0.020%以下、
S :0.010%以下、
Nb:0.005〜0.050%、
Ti:0.005〜0.030%、
Al:0.001〜0.100%、
N :0.0010〜0.0080%を含有し、
残部がFeおよび不可避的不純物からなり、下記式1〜式3で規定されるPs値が0.45〜0.60%であって、
ミクロ組織が面積率にして、
フェライト:10〜30%、
パーライト:5%以下、
ベイナイト:70%以上を含有するとともに、
ベイナイトの平均アスペクト比が2.5以下であり、
円相当径が50nm以上の析出物および介在物のうち円相当径の大きいものから個数割合にして20%までのものの平均円相当径が0.30μm以下であり、
さらに圧延方向垂直断面においてEBSDを用いた結晶方位解析において、き裂伝播有効結晶粒径が下記式4のd(μm)以下であり、板厚t(mm)が50mm以上であることを特徴とする、脆性き裂伝播停止特性に優れた鋼板。
Ps=Ceq+3.6×[Nb]+79×Bsol …式1
Ceq=[C]+[Mn]/6+([Cu]+[Ni])/15+([Cr]+[Mo]+[V])/5 …式2
Bsol=[B]−([N]−[Ti]×14/48)×11/14 …式3
d=(5.4×[Ni]+16)×(1.2−t/300) …式4
ここで、[C]などの[元素記号]は当該元素の含有量(質量%)を示し、含有しない場合は0を代入するものとする。また、B無添加または式3においてBsol<0の場合は式1においてBsol=0とする。
- さらに、質量%で、
Cu:0.05〜1.50%、
Ni:0.05〜2.00%、
Cr:0.05〜1.00%、
Mo:0.02〜0.50%、
V :0.005〜0.100%、
B :0.0002〜0.0030%の1種または2種以上を含有することを特徴とする、
請求項1に記載の脆性き裂伝播停止特性に優れた鋼板。
- さらに、質量%で、
Mg :0.0003〜0.0050%、
Ca :0.0005〜0.0030%、
Zr :0.0005〜0.0050%、
REM:0.0005〜0.0100%の1種または2種以上を含有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の脆性き裂伝播停止特性に優れた鋼板。
- 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の脆性き裂伝播停止特性に優れた鋼板の製造方法であって、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の組成を有する鋼片を加熱する際に、加熱下限温度TLを下記の式9によるものとし、加熱上限温度TUを下記の式10によるものとしたとき、加熱炉内に鋼片を装入してから、鋼片の温度が加熱下限温度TLに達した時点を保持開始として、鋼片の温度が加熱下限温度TLから加熱上限温度TUの範囲に保たれるように加熱炉の温度を制御し、保持開始から、前記鋼片を加熱炉から抽出する迄の時間を、保持時間tm(分)とし、そして、保持時間tm(分)における鋼片の温度の時間平均温度を加熱温度T(℃)としたとき、加熱温度T(℃)と保持時間tm(分)が下記の式5〜式7を満たしており、900℃以上の温度域で圧延を行うに際し、少なくとも最終3パスの圧下率がそれぞれ10%以上、パス間時間がそれぞれ15秒以下、かつ前パスの圧下率を下回らないように圧延を行い、さらに、各圧延をする前の鋼片の厚さをtbとしたときに、鋼板表面からtb/4の部分の温度が、下記式8で示すAr3を用いてAr3+20℃〜Ar3+70℃の範囲で、圧延を行う複数のパスにおいて、各パスの平均圧下率が5.0%以下、累積圧下率が40%以上、平均パス間時間が25秒以下の条件で圧延を行った後、得られた鋼板の板厚をtとしたときに、引き続き鋼板表面からt/4の部分の温度がAr3以上の温度から400℃以下の温度まで、板厚平均で5℃/秒以上の冷却速度で冷却を行うことを特徴とする脆性き裂伝播停止特性に優れた鋼板の製造方法。
57000/{1.2−0.16×log([C][Nb])}≦PH
≦84000/(1.9−0.18×log[Ti]) …式5
PH=(T+273)×{log(tm)+25} …式6
tm≧30 …式7
Ar3=910−310[C]+65[Si]−80[Mn]−20[Cu]−15[Cr]−55[Ni]−80[Mo] …式8
TL=57000/{1.2−0.16×log([C][Nb])}/{log(30)+25}−273 …式9
TU=84000/(1.9−0.18×log[Ti])/{log(30)+25}−273 …式10
ここで、[C]などの[元素記号]は当該元素の含有量(質量%)を示し、含有しない場合は0を代入するものとする。
- さらに、300〜600℃の温度で熱処理を行うことを特徴とする、請求項4に記載の脆性き裂伝播停止特性に優れた鋼板の製造方法。
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