[第1実施形態]
以下、本発明をパチンコ遊技機に適用した第1実施形態を、図1〜図19に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態の遊技機10では、遊技盤11に略円形の遊技領域R1が設けられている。
遊技盤11の前面は、遊技機10の前面に開閉可能に取り付けられた前面枠10Zにて覆われ、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して遊技領域R1の全体が視認可能となっている。ガラス窓10Wの上方には、スピーカー25Sが備えられ、そのスピーカー25Sの両側に、サイドランプ22R,22Rが備えられている。ガラス窓10Wより下方には、上皿26A及び下皿26Bが上下2段にして設けられ、下皿26Bの右端部には操作ノブ28が設けられている。そして、操作ノブ28を回動操作すると、上皿26Aに収容された遊技球が遊技領域R1に向けて弾き出される。
上皿26Aの上部には、遊技者が押し下げ可能な操作ボタン29が備えられている。また、図示はしないが、操作ボタン29の側方には、上下左右に操作可能な十字キーが設けられている。また、下皿26Bの左側には、左右方向に回動可能な操作ハンドル27が備えられている。
遊技領域R1には、例えば、液晶モジュールで構成された表示装置34が備えられている。表示装置34は、四角形状の液晶表示画面34Gを有し、その液晶表示画面34Gが遊技領域R1における中央より若干上寄り位置に配置されている。遊技領域R1のうち液晶表示画面34Gの下方には、第1及び第2の始動入賞口14A,14B、大入賞口15及びアウト口16が、上から順に間隔を開けて並べて設けられている。また、表示装置34の左側には、始動ゲート18が設けられている。なお、図示はしないが、これら各種入賞口14A,14B,15や表示装置34等以外に、遊技領域R1には、遊技球の流下方向を変化させる障害釘や風車等が配置されている。
次に所要の各部位についてさらに詳説する。始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなし、始動ゲート18を遊技球が通過すると、普通図柄当否判定が行われ、普通図柄表示装置(図示せず)にて普通図柄が変動表示後に停止表示される。なお、普通図柄表示装置の変動表示中に始動ゲート18を遊技球が通過した場合、その通過に起因した普通図柄当否判定の結果は、最大で4回分まで保留記憶され、普通図柄表示装置の変動表示が終了すると、その保留記憶に基づいて再び普通図柄表示装置が変動表示される。
第1と第2の始動入賞口14A,14Bは、共に遊技盤11から突出した部材の上面に開口を備えた、所謂、ポケット構造をなしている。そして、各始動入賞口14A,14Bに入った遊技球は、遊技盤11に設けた図示しない貫通孔を通って、遊技盤11の裏側に回収される。
上側に配置された第1の始動入賞口14Aは、遊技球が1つだけ入る開口幅を有している。一方、下側に配置された第2の始動入賞口14Bは、第1の始動入賞口14Aの真下に配置され、その開口の左右両側には可動翼片14C,14Cが備えられている。これら両可動翼片14C,14Cは、常には起立状態になっており、両可動翼片14C,14Cに挟まれた第2の始動入賞口14Bの開口幅は、遊技球が1つだけ入る大きさとなっている。即ち、第2の始動入賞口14Bの上方空間は、常には、第1の始動入賞口14Aを構成する部材と可動翼片14C,14Cとで囲まれて、遊技球が入らないようになっている。そして、上述の普通図柄当否判定が当り(以下、適宜「小当り」という。)であった場合に、可動翼片14C,14Cが所定期間に亘って横に倒され、遊技球が可動翼片14Cを案内にして第2の始動入賞口14Bに入球可能となる。なお、図1には、横倒しにされた可動翼片14Cが示されている。
各始動入賞口14A,14Bに遊技球が入球すると、例えば、4個の遊技球が賞球として上皿26Aに払い出されると共に、特別図柄当否判定が行われる。その判定結果は、液晶表示画面34Gにおいて特別図柄32A,32B,32Cの組み合わせで表示される。
具体的には、液晶表示画面34Gには、図1に示すように、通常、3つの左、中、右の特別図柄32A,32B,32Cが横並びに停止表示されている。これら各特別図柄32A,32B,32Cは、例えば、「0」〜「11」の数字を表記した複数種類のもので構成されており、通常は、各特別図柄32A,32B,32Cごと、所定の種類のものが停止表示されている。そして、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞したときに、これら3つの特別図柄32A,32B,32Cが、上下方向にスクロール表示され、所定時間後に停止表示される。そして、当否判定結果が当り(以下、「大当り」という)の場合には、各特別図柄32A,32B,32Cが全て同じ図柄(ゾロ目)で停止表示され、遊技が「大当り遊技状態」に移行する。これに対し、当否判定結果が外れの場合には、ゾロ目以外の組み合わせで停止表示され、「大当り遊技状態」ではない通常の遊技状態が続く。
ところで、液晶表示画面34Gにおいて変動表示又は大当り遊技の最中に始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞した場合、その入賞に起因した当否判定権利、即ち、特別図柄32A,32B,32Cの変動表示は、最大で4回分まで保留記憶され、特別図柄32A,32B,32Cが停止表示されるか又は大当り遊技が終了すると、その保留記憶に基づいて再び変動表示が行われる。なお、特別図柄の変動表示の保留記憶数は、液晶表示画面34G内の特別図柄保留表示部(図示せず)にて表示される。
大入賞口15は、横長矩形に形成されて、常には、可動扉15Tにて閉塞されている。そして、大当り遊技が行われると、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒されて大入賞口15が開放し、可動扉15Tを案内にして、大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能となる。ここで、可動扉15Tが、開放してから閉じるまでの間を「ラウンド」と称すると、1回の大当り遊技は、所定回数のラウンドが実行されるまで継続する。また、1つのラウンドは、可動扉15Tの開放時間が所定時間(例えば、29秒)に達したか、又は、大入賞口15に遊技球が所定個数(例えば10個)入賞したか、の何れかの条件が先に満たされた場合に終了する。大入賞口15の内部には、入賞センサ(図示せず)が設けられており、入賞球数をカウントする。なお、大入賞口15に遊技球が入賞すると、例えば、1個の入賞につき15個の遊技球が賞球として上皿26Aに払い出される。
ここで、本実施形態の遊技機10では、ラウンド数(大入賞口15の開放回数)が異なる複数種類の大当り遊技が設けられている。ここで、大入賞口15が「n」回開放する大当り遊技のことを『「n」R大当り』と呼ぶことにすると、本実施形態の大当り遊技には、2R大当り、4R大当り、16R大当りの3種類が備えられている。
また、本実施形態では、大当り遊技の終了後、回数限定の確変遊技、所謂、スペシャルタイム(本発明の「特典遊技」に相当する。以下、「ST」という。)が実行されることがある。具体的には、2R大当りと4R大当りが終了したときには、必ず、STが実行され、16R大当りが終了したときには、STが実行される場合と実行されない場合とがある。なお、16R大当りの終了後、STが実行されるか否か、即ち、STの当否判定は、特別図柄の当否判定時に取得したST抽選乱数により決定される。
STの当否判定結果は、16R大当り遊技中に液晶表示画面34Gで行われる特典決定演出(本発明の「特典報知演出」に相当する。)にて報知される。具体的には、特典決定演出は、競馬をモチーフにしたレース演出となっていて、そのレース結果によってSTの当否判定結果が報知される。以下、このレース演出について詳説する。
図2(A)〜図2(D)に示すように、レース演出では、5頭の競走馬35(図2の例では、競走馬a〜e)でレースを行い、それら5頭の競走馬35うちの特定競走馬35T(図2(A)〜図2(D)では、競走馬b)の着順によってSTの当否判定結果が報知される。具体的には、特定競走馬35Tの着順が1着又は2着であると、STが実行されること(ST当選)を意味し、3着以下であると、STが実行されないこと(ST非当選)を意味する。
ここで、本実施形態の遊技機10のSTには、確変遊技の上限回数(以下、「規定上限回数」という。)が異なる複数種類が備えられ、この規定上限回数は、STの当否判定時に決定される。そして、レース演出では、特定競走馬35Tの着順が上位になるにつれて、規定上限回数が大きいSTが実行されることを意味するようになっている。具体的には、本実施形態では、STの規定上限回数に、50回と100回の2種類があり、特定競走馬35Tの着順が1着であると、STの規定上限回数が100回であることを意味し、2着であると、STの規定上限回数が50回であることを意味する。
詳細には、STの規定上限回数は、STの当否判定に用いられるST抽選乱数によって決定される。即ち、本実施形態では、STを実行するか否かと、STを実行する場合における規定上限回数とが、共通の乱数で決定される。なお、以下では、規定上限回数が100回のSTを「ST100」、50回のSTを「ST50」と呼ぶことにする。また、ST非当選は、別の見方をすれば、規定上限回数が0回のSTと捉えることが可能であるので、ST非当選を「ST0」と適宜呼ぶことにし、16R大当たり後、ST100、ST50、ST0の何れとなるかについての抽選を「ST抽選」と呼ぶことにする。
ところで、特定競走馬35Tは、レース演出が開始される前に遊技者によって選択可能となっている。本実施形態では、16R大当たりの大当たり遊技が開始されると、液晶表示画面34Gに2頭の競走馬a,b(本発明の「特定演出要素候補」に相当する。)が表示され、その2頭のうち何れか一方が遊技者によって選択可能となる。なお、競走馬a,bの選択には、上述した十字キー(図示せず)、操作ボタン28及び操作ハンドル27が必要に応じて用いられる。
なお、本実施形態では、特定競走馬35Tが本発明の「特定演出要素」に相当する。また、5頭の競走馬35のうち特定競走馬35T以外の競合馬35Kは、特定競走馬35が1着になることを妨げる役割を担っていて、本発明の「阻害要素」に相当する。
次に、ST抽選結果がST100である場合を例にして、レース演出の具体的な流れについて説明する。レース演出が開始されると、まず、5頭の競走馬35(即ち、特定競走馬35Tと4頭の競合馬35K)が1着を争う演出が行われる。具体的には、図2(A)に示すように、液晶表示画面34G上に、各競走馬35が右に向かって走っているように表示される。なお、図2(A)〜図2(D)の例では、特定競走馬35Tが競走馬bとなっているが、レース演出の流れは、特定競走馬35Tの相違(即ち、競走馬aと競走馬bの違い)によっては変わらない。
レース演出が進行すると、液晶表示画面34G上に、操作ハンドル27又は操作ボタン29(以下、これらを纏めて適宜「操作部」という。)を遊技者に操作させることを促すメッセージが所定期間に亘って表示される。そして、その所定期間中に操作部が操作されるか、或いは、操作部が操作されずに上記所定期間が経過すると、図2(A)から図2(B)への変化に示すように、競合馬35Kが1着争いから脱落する演出(以下、適宜、「減少演出」という。)が実行される。具体的には、1頭の競合馬35K(競走馬e)が液晶表示画面34Gの右側に表示された先頭集団(競走馬a〜d)に対して左側に後退していくように表示され、やがて、その競合馬35K(競走馬e)は表示されなくなる。そして、液晶表示画面34Gでは、特定競走馬35Tと、残った3頭の競合馬35K(競走馬a,c,d)とで引き続き1着を争う演出が行われ、特定競走馬35Tの4着以上が確定する。なお、以下では、競合馬35Kが液晶表示画面34Gの左側に後退して表示されなくなることを「削除表示」という。なお、本実施形態では、1着争いから脱落した競合馬35Kは、液晶表示画面34Gに表示されなくなる構成であるが、例えば、1着争いに参加することがないように思わせる表示方法(例えば、液晶表示画面34Gの左端に先頭集団の競走馬35よりも小さく表示される等)で表示される構成であってもよい。
レース演出がさらに進行すると、再度、操作部の操作を促すメッセージが所定期間に亘って表示される。そして、先の場合と同様に、操作部が操作されるか、又は、所定期間が経過すると、図2(B)から図2(C)への変化に示すように、再度、減少演出が実行される。具体的には、1頭の競合馬35K(競走馬d)が削除表示され、液晶表示画面34Gでは、特定競走馬35T(競走馬b)と、残った2頭の競合馬35K(競走馬a,c)とで引き続き1着を争う演出が行われ、特定競走馬35Tの3着以上が確定する。そして、レース演出がさらに進行すると、図2(D)に示すように、特定競走馬35Tの着順が確定し、ST抽選結果が報知される。
このように、本実施形態のレース演出では、特定競走馬35Tの着順が確定する前に、特定競走馬35T(競走馬b)と1着を争う競合馬35Kの数が減少するので、特定競走馬35Tが1着になる可能性が高まり、STに対する期待を遊技者に与えることが可能となる。これにより、ST抽選結果を報知する前の演出に対して遊技者に興味を持たせることができる。また、競合馬35Kの減少が複数回に亘って行われるので、特定競走馬35Tが段階的に1着に近づいていくように見せることが可能となる。
ここで、図2(A)に示す状態から競走馬eが脱落するタイミングと、図2(B)に示す状態から競走馬dが脱落するタイミング(詳細には、これら2つのタイミングは、操作部が操作されるタイミング、又は、操作部の操作を促すメッセージの表示が終了するタイミングである。)を、それぞれ第1タイミング、第2タイミングと呼び、特定競走馬35Tの着順が確定するタイミングを決定タイミングと呼ぶことにすると、レース演出のタイムチャートは図3に示すようになっている。そして、図2(A)〜図2(D)の例で示したレース演出では、第1と第2のタイミングで、競合馬35Kが1頭ずつ減少していることになる。
ところで、本実施形態のレース演出では、図4及び図5に示すように、第1と第2の各タイミングで競合馬35Kが1頭より多く減少する場合がある。具体的には、レース演出では、第1タイミングにおいて競合馬35Kが3頭減少する場合(図4(A)から図4(C)への変化を参照)があり、第2タイミングにおいて競合馬35Kが3頭減少する場合(図5(A)から図5(D)への変化を参照)がある。なお、図4において、図4(A)から図4(B)への変化が上述した図2(A)から図2(B)への変化に対応し、図5において、図5(A)から図5(B)への変化が上述した図2(B)から図2(C)への変化に対応している。
また、図6(A)〜図6(C)に示すように、第1タイミングで競合馬35Kが3頭減少した場合には、第2タイミングで、競合馬35Kの数が維持される維持演出が行われる。従って、本実施形態のレース演出では、第2タイミングにおいて、競合馬35Kの数が減少する場合と維持される場合とがある。なお、図6(A)に示す状態は、図4(C)に示す状態と同じとなっている。
このように、本実施形態のレース演出では、第1タイミングでの減少演出のパターンとして、競合馬35Kの減少数が「1」と「3」の2パターンを備え、第2タイミングでの減少演出のパターンとして、競合馬35Kの減少数が「1」と「3」の2パターンを備えているので,各タイミングでの競合馬35Kの減少数の相違によって、特定競走馬35Tが1着となる可能性が異なる印象を遊技者に与えることができる。
なお、詳細には、第1と第2のタイミングで実行される減少演出のパターンは、特別図柄の当否判定時にST抽選乱数と共に取得される第1タイミング乱数及び第2タイミング乱数によって決定される。具体的には、第1と第2のタイミング乱数は、共に0〜99の範囲で随時更新され、それらタイミング乱数と図7(A)〜図7(H)に示した演出パターンテーブルとによって、第1と第2のタイミングで実行される減少演出が決定される。なお、図7(A)〜図7(C)には、ST100の場合の演出パターンテーブルが、図7(D)〜図7(F)には、ST50の場合の演出パターンテーブルが、図7(G)〜図7(H)には、ST0の場合の演出パターンテーブルが示されている。また、図7(A)〜図7(H)の各演出パターンテーブルには、特定競走馬35Tが競走馬aの場合と競走馬bの場合とが併記されていて、各演出パターンテーブルにおける「0」、「1」、「3」の数字は、その演出パターンにおける競合馬35Kの減少数を表している、
図7(A)及び図7(B)に示すように、ST抽選結果がST100であるとき、第1タイミング及び第2タイミングでの減少演出の振り分けは、特定競走馬35Tが競走馬aの場合と競走馬bの場合とで異なっている。具体的には、図7(A)に示すように、第1タイミングの減少演出では、特定競走馬35Tが競走馬aである場合、60%の確率(第1タイミング乱数が0〜59の範囲に対応)で競合馬35Kが「1」減少し、40%の確率(第1タイミング乱数が60〜99の範囲に対応)で競合馬35Kが「3」減少する。一方、特定競走馬35Tが競走馬bである場合には、40%の確率(第1タイミング乱数が0〜39の範囲に対応)で競合馬35Kが「1」減少し、60%の確率(第1タイミング乱数が40〜99の範囲に対応)で競合馬35Kが「3」減少する。
同様に、第2タイミングの減少演出では、図7(B)に示すように、特定競走馬35Tが競走馬aである場合、30%の確率(第2タイミング乱数が0〜29の範囲に対応)で競合馬35Kが「1」減少し、70%の確率(第2タイミング乱数が30〜99の範囲に対応)で競合馬35Kが「3」減少する。一方、特定競走馬35Tが競走馬bである場合には、20%の確率(第2タイミング乱数が0〜19の範囲に対応)で競合馬35Kが「1」減少し、80%の確率(第2タイミング乱数が20〜99の範囲に対応)で競合馬35Kが「3」減少する。
ここで、図7(A)において、第1タイミング乱数が40〜59の範囲に注目すると、特定競走馬35Tが競走馬aであるか競走馬bであるかによって、減少演出における競合馬35Kの減少数が異なっている。同様に、第2タイミングの場合についても、図7(B)に示すように、第2タイミング乱数が20〜29の範囲では、特定競走馬35Tが競走馬aであるか競走馬bであるかによって、減少演出における競合馬35Kの減少数が異なっている。このように、本実施形態のレース演出では、特定競走馬35Tの相違によって、第1タイミング及び第2タイミングにおける減少演出での競合馬35Kの減少数が異なるので、好みの減少演出が選択されやすいように遊技者に特定競走馬35Tを選択させることができ、特定競走馬35Tの選択に対して遊技者に興味を持たせることができる。
図7(D)〜図7(H)に示すように、ST抽選結果がST50回とST0回の場合には、特定競走馬35Tが競走馬aの場合と競走馬bの場合とで、第1タイミング及び第2タイミングにおける減少演出の振り分けが共通している。
レース演出の流れに関する説明は以上である。なお、本実施形態では、第1タイミング及び第2タイミングが本発明の「中間タイミング」に相当する。また、第1タイミングを基準にすると、第1タイミング前のレース演出が本発明の「第1演出」に相当し、第1タイミングで行われる減少演出の後、第2タイミングまでのレース演出が本発明の「第2演出」に相当し、決定タイミング後に行われるレース演出が「第3演出」に相当する(図3参照)。また、第2タイミングを基準にすると、第2タイミング前のレース演出が本発明の「第1演出」に相当し、第2タイミングで行われる減少演出の後、決定タイミングまでのレース演出が「第2演出」に相当する。なお、請求項8の発明においては、第2タイミングが「後続タイミング」に相当し、第2タイミングから決定タイミングまでのレース演出が「後続演出」に相当する。
次に、図8を参照しつつ、本実施形態の遊技機10の電気的な構成について説明する。同図に示すように、符号50は、主制御回路50であって、CPU50AとRAM50B及びROM50C、複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータとサブ制御回路52を結ぶ入出力回路と、大入賞口15等が接続された中継回路57及び払出制御基板58等を結ぶ入出力回路とを備え、遊技に関わる主制御を行う。CPU50Aは、当否判定部、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、特別図柄当りや普通図柄当りに関する乱数等も生成し、制御信号をサブ制御回路52等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM50Bは、特別図柄用保留球数及び普通図柄用保留球数の記憶領域、CPU50Aで生成される各種乱数値用の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、CPU50Aの作業領域を備える。ROM50Cには、後述する主制御回路メインプログラムPG1(図9参照)や制御データ、特別図柄及び普通図柄の変動表示に関する図柄変動データ等が書き込まれている他、特別図柄当り及び普通図柄当りの判定値等が書き込まれている。なお、主制御回路50は、特別図柄の当否判定と同時に、ST抽選も行い、このST抽選を行っているときの主制御回路50が本発明の「特典抽選手段」に相当する。また、ST状態における遊技の主制御を行っているときの主制御回路50が本発明の「特典遊技実行手段」に相当する。
サブ制御回路52は、主制御回路50と同様に、CPU52AとRAM52B、ROM52C、複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、前記マイクロコンピュータと主制御回路50を結ぶ入出力回路と、表示制御回路54及びランプ制御回路56等を結ぶ入出力回路を備えている。CPU52Aは、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、制御信号を表示制御回路54及びランプ制御回路56、音声制御回路55等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM52Bは、各種データの記憶領域とCPU52Aによる作業領域を有している。ROM52Cには、後述するサブ制御回路メインプログラムPG2(図11参照)、特別図柄32A〜32C(図1参照)の変動パターンテーブル、減少演出パターンデータ(図7参照)等が記憶されている。なお、サブ制御回路52のROM52Cが、本発明の「減少演出パターン記憶手段」となっている。
表示制御回路54は、サブ制御回路52からの制御信号に基づきCPUがROMから所定の表示制御データを読み出し、RAMの記憶領域で制御用データを生成してVDP(図示せず)に出力する。VDPは、CPUからの指令に基づいてROMから必要なデータを読み出し、表示画面13Gで表示する表示画像(特別図柄32A,32B,32C、演出図柄、背景画像、キャラクター画像、文字画像等)のマップデータを作成し、VRAMに格納する。VRAMに格納記憶された画像データは、入出力回路に備えるD/A変換回路にてRGB信号に変換されて表示画面13Gに出力される。
ランプ制御回路56は、サブ制御回路52と接続され、サブ制御回路52から出力されたサイドランプ22R,22R等の電飾制御を行うための制御信号を中継するための回路である。
音声制御回路55は、サブ制御回路52から出力される制御信号に基づき、スピーカ25Sから発生されるBGMや演出時の音声の選択を行い、音声を制御する。
なお、各制御回路50,55,57,58,70,71は、図示しない電源基板からの電源供給を受けて作動する。
上記した本実施形態の遊技機10の動作を実現するため、主制御回路50、サブ制御回路52等は、前記した主制御回路メインプログラムPG1、サブ制御回路メインプログラムPG2等を実行して、情報を処理している。以下、主制御回路50及びサブ制御回路52における情報処理について説明する。
主制御回路50に備えたワンチップマイコンは、遊技機10の電源をオンすると、ROM50Cから図9に示した主制御回路メインプログラムPG1を取り出してランする。同図に示すように、主制御回路メインプログラムPG1がランされると、まずスタックの設定、定数設定、CPU50Aの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定等を行う初期設定が行われる(S1)。なお、初期設定(S1)は、主制御回路メインプログラムPG1が、電源オン後の1回目にランされたときだけ実行され、それ以降は実行されない。
図9に示すように、初期設定(S1)に次いで、後述する主制御回路割り込み処理(S5)が実行されるまでの残余時間には、以下のステップS2〜S4の各処理がループして行われる。具体的には、まず、割り込みが禁止され(S2)、タイマ割り込みが入って来ても割り込み許可となるまで割り込み処理を行わないようにさせる。続いて、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)が実行される。この処理(S3)では、大当り判定等に用いられる乱数カウンタが更新され、更新されたカウンタ値は主制御回路50のRAM50Bの記憶領域に逐一記憶される。普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)が終了すると、割り込みが許可され(S4)、主制御回路割り込み処理(S5)が実行可能となる。
次に、主制御回路割り込み処理(S5)は、CPU50Aに割り込みパルスが入力すると、例えば、4msec周期で繰り返して実行される。そして、主制御回路割り込み処理(S5)が終了してから、次に主制御回路割り込み処理(S5)が開始されるまでの残余処理期間中に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)による各種カウンタ値の更新処理が複数回に亘って繰り返し実行される。また、割り込み禁止状態のときにCPU50Aに割り込みパルスが入力した場合は、主制御回路割り込み処理(S5)はすぐには開始されず、割り込み許可(S4)がされてから開始される。
主制御回路割り込み処理(S5)について説明する。図10に示すように、主制御回路割り込み処理(S5)では、まず、出力処理(S10)が行われる。出力処理(S10)では、以下説明する各処理により主制御回路50の出力バッファに記憶された各コマンド(制御信号)等が、サブ制御回路52へ出力される。ここで出力されるコマンド(制御信号)には、変動パターンコマンド等が挙げられる。
出力処理(S10)に次いで、入力処理(S11)が行われる。入力処理(S11)では、主に遊技機10に取り付けられている各種センサ(例えば、普通図柄始動スイッチ、始動口センサ、その他センサ、スイッチ類等)が検知した場合の信号入力が行なわれる。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S12)は、上記した主制御回路メインプログラムPG1のループ処理内で行われている普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同じである。即ち、上記表1に示した各種カウンタ値の更新処理は、主制御回路割り込み処理(S5)の実行期間と、その残余処理期間(主制御回路割り込み処理(S5)の終了後、次の主制御回路割り込み処理(S5)が開始されるまでの期間)の両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S12)に次いで、入賞検出処理(S13)が実行される。入賞検出処理(S13)では、始動入賞口14A,14Bに遊技球に入賞したかどうかを判断して、入賞した場合には、特別図柄保留球数を適宜更新する。
入賞検出処理(S13)が終了すると、普通動作処理(S14)が行われる。主制御回路50は、この処理(S14)によって、普通図柄当りの判定や普通図柄表示装置(図示せず)での普通図柄の変動及び停止表示、普通図柄当りに基づく始動入賞口14Bにおける可動翼片14C,14Cの開閉を、サブ制御回路52を介さずに直接制御して、普通図柄当りに関する処理を行う。
普通動作処理(S14)に次いで行われる特別動作処理(S15)は、特別図柄表示装置(図示せず)の表示状態を直接制御する一方、サブ制御回路52を介して表示装置34、ランプ装置、スピーカ25Sを間接的に制御する。
図10に示すように、主制御回路割り込み処理(S5)では、保留球数処理(S16)に次いで、本発明に深く関連しないその他の処理(S17)を実行して、主制御回路割り込み処理(S5)から抜ける。そして、図9に示すように、次にメインCPU50Aに割り込みパルスが入力するまで、ステップS2〜ステップS4の処理が繰り返し実行され、割り込みパルスの入力を起因(約4msec後)に、再度、主制御回路割り込み処理(S5)が実行される。すると、上述の如く、前回、主制御回路割り込み処理(S5)が実行されたときにRAM50Bの出力バッファにセットされた制御データが、次に実行された主制御回路割り込み処理(S5)の出力処理(S10)において出力される。以上が、主制御回路50が実行する主制御回路メインプログラムPG1についての説明である。
次に、サブ制御回路52が実行するサブ制御回路メインプログラムPG2の処理について、図11〜図19に示すフローチャートを参照しつつ詳説する。図11に示すように、サブ制御回路メインプログラムPG2では、まず最初にCPU初期化処理(S60)を行う。この処理では、後述する割り込み処理の設定を行う。また、電源基板(図示せず)に電源を投入すると、電源基板60から電源断信号がサブ制御回路52に送信される。この電源断信号が送信されたときに、電源断信号がONで、RAM52Bの内容が正常であるか判断する(S61)。正常であれば(S61でyes)次に進み、正常でなければ(S61でno)、RAM52Bを初期化し各種フラグ及びカウンタ値がリセットされる(S62)。以上の処理(S60〜62)を終えると、ウォッチドッグタイマカウンタ1,2が初期化される(S63)。なお、これらステップS60〜S63は、サブ制御回路メインプログラムPG2が、電源投入後の1回目にランされたときだけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS60〜S63によって初期設定が終了すると、割込みが禁止され(S64)、乱数シード更新処理(S65)が実行される。次いで、表示制御回路54、ランプ制御回路56、音声制御回路55(図8参照)に各種コマンドを送信するコマンド送信処理(S66)を実行し、ウォッチドッグタイマカウンタ1の初期化(S67)、割込み許可(S68)を行う。そして、これら処理(S64〜68)を無限ループで繰り返す。
サブ制御回路メインプログラムPG2の無限ループに対して、受信割り込み処理(S69)、2msタイマ割り込み処理(S70)、10msタイマ割り込み処理(S71)が割り込んで実行される。サブ制御回路52が主制御回路50からストローブ信号を受けると、他の割り込み処理(S70,S71)に優先して受信割り込み処理(S69)が実行される。また、2msタイマ割り込み処理(S70)は、10msタイマ割り込み処理(S71)より優先して実行され、10msタイマ割り込み処理(S71)は、2msタイマ割り込み処理(S70)間の残余時間に割り込んで実行される。
図12に示すように、受信割込み処理(S69)ではまず、ストローブ信号をチェックし(S430)、ストローブ信号がONでなければ(S430でNo)、そのままこの処理(S69)を抜ける。ストローブ信号がONであれば(S430でYes)、主制御回路50からコマンドや制御信号(変動態様や特別図柄当否判定に関するデータ)をサブ制御回路52が受信してRAM52Bに格納する(S431)。
2msタイマ割り込み処理(S70)は、サブ制御回路52に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する。図13に示すように、この処理(S70)では、ランプデータ出力処理(S440)、SW/駆動出力処理(S441)、入力処理(S442)、ウォッチドッグタイマ処理(S443)を行う。
ランプデータ出力処理(S440)では、10msタイマ割り込み処理(S71)で作成したランプデータの出力を行う。SW/駆動出力処理(S441)では、10msタイマ割込処理(S58)で作成したスイッチ有効期間及び動作の出力を行う。入力処理(S442)では、10msタイマ割込み処理(S71)でスイッチ状態に基づく処理を実行するために、演出用操作部27の演出用操作スイッチ27S(図8参照)等のオンオフ状態に対応したスイッチデータを作成し、そのスイッチデータをRAM52Bに記憶する。ウォッチドッグタイマ処理(S443)では、ウォッチドッグタイマをリセットする。
10msタイマ割り込み処理(S71)は、10msec周期で繰り返して割り込み実行される。図14に示すように、10msタイマ割り込み処理(S71)では、スイッチ状態取得処理(S80)、音声制御処理(S81)、報知タイマ判定処理(S82)、メインコマンド解析処理(S83)、Sw処理(S84)及びランプ処理(S85)が順番に実行される。スイッチ状態取得処理(S80)では、2msタイマ割込処理(S70、図13参照)の入力処理(S442)で作成したスイッチデータを、10msタイマ割込処理用のスイッチデータとして取り込む。
音声制御処理(S81)では、音声制御データを作成して音声制御回路55(図3参照)に出力し、これによりスピーカ25Sからの音声が制御される。報知タイマ判定処理(S82)では、RAMクリア、扉開放報知等が行われた場合に、その報知時間をカウントしていて報知開始から一定時間経過後に報知を停止する。メインコマンド解析処理(S83)では、主制御回路50から受信したコマンドに関する処理を行う。Sw処理(S84)では、スイッチ操作の設定と、スイッチ状態取得処理(S80)で格納したスイッチデータに基づく処理を行う。また、ランプ処理(S85)では、ランプデータを作成してランプ制御回路56(図8参照)に出力し、これによりランプの点灯が制御される。そして、10msタイマ割り込み処理(S71)は、ランプ処理(S85)の実行後に終了する。
なお、Sw処理(S84)では、上述したレース演出における操作部の操作信号を監視して、第1タイミング及び第2タイミング(図3参照)を設定する処理も行われる。即ち、Sw処理(S84)を実行しているときのサブ制御回路52が本発明の「タイミング設定手段」に相当する。また、メインコマンド解析処理(S83)では、ST抽選結果を報知するレース演出に関する処理も行われる。以下、メインコマンド解析処理(S83)について詳説する。
図15に示すように、メインコマンド解析処理(S83)では、まず、サブ制御回路52が主制御回路50から受信したコマンド(以下、適宜「受信コマンド」という)が大当りに関するコマンドであるか否かを判定する(S450)。大当りに関するコマンドでない場合(S450でNo)は、受信コマンドが変動に関するコマンドであるか否かを判定し(S451)、変動に関するコマンドでない場合(S451でNo)は、受信したコマンドに基づいて、その他の設定処理(S452)を行ってからこの処理(S83)を抜ける。受信コマンドが変動に関するコマンドである場合(S451でYes)は、特別図柄32A,32B,32Cの停止表示図柄や特別図柄の変動パターンを作成(S453)してからこの処理(S83)を抜ける。
ステップS450にて、受信コマンドが大当りに関するコマンドである場合(S450でYes)は、「大当り演出」に関する設定を行う。具体的には、大当りが、16ラウンドの大当りか否かを判定し(S454)、16ラウンドの大当りでない場合(S454でNo)は、その大当りに対応した大当り演出に関する処理(S455)を行う。一方、16ラウンドの大当りである場合(S454でYes)は、特典決定演出処理(S456)を行い、この処理(S83)を抜ける。
図16に示すように、特典決定演出処理(S456)では、まず、レース演出における特定競走馬35T(図2(A)参照)の選択等を行う演出開始処理(S500)を行う。
そして、大当り遊技後に付与されるSTの規定上限回数が100回であるか否かを判定し(S501)、100回である場合(S501でYes)には、ステップS500で選択された特定競走馬35Tが競走馬bであるかを判定する(S502)。
競走馬bが選択されている場合(S502でYes)には、5頭の競走馬a〜eによるレースが行われ(S503)、第1タイミング乱数が0〜39の範囲内の数値であるかを判定する(S504)。第1タイミング乱数が0〜39の範囲内の数値である場合(S504でYes)は、第1タイミングになったときに、競走馬eを液晶表示画面34Gから削除表示して、特定競走馬35T(競走馬b)を含む残りの競走馬a〜dがレースをするように表示設定する(S505)。
次に、第2タイミング乱数が0〜19の範囲内の数値であるかを判定する(S506)。第2タイミング乱数が0〜19の範囲内の数値である場合(S506でYes)は、第2タイミングになったときに、競走馬dを液晶表示画面34Gから削除表示して、特定競走馬35T(競走馬b)を含む残りの競走馬a〜cがレースをするように表示設定する(S507)。その後、決定タイミングで、特定競走馬35T(競走馬b)が1着でゴールするように表示設定し(S508)、この処理(S456)を抜ける。一方、第2タイミング乱数が20〜99の範囲内の数値である場合(S506でNo)は、第2タイミングになったときに、競走馬a,c,dを液晶表示画面34Gから削除表示して、特定競走馬35T(競走馬b)のみがレースをするように表示設定する(S509)。その後、決定タイミングで、特定競走馬35T(競走馬b)が1着でゴールするように表示設定し(S510)、この処理(S456)を抜ける。
一方、ステップS504において、第1タイミング乱数が40〜99の範囲内の数値である場合(S504でNo)は、第1タイミングになったときに、競走馬c〜eを液晶表示画面34Gから削除表示して、特定競走馬35T(競走馬b)を含む残りの競走馬a,bがレースをするように表示設定する(S511)。その後、第2タイミングでは、取得した第2タイミング乱数に関わらず、競走馬35を削除表示せずに競走馬a,bが継続してレースをするように表示設定する(S512)。続く決定タイミングでは、特定競走馬35T(競走馬b)が1着でゴールするように表示設定し(S513)、この処理(S456)を抜ける。以上が、STの規定上限回数が100回で、特定競走馬35Tとして競走馬bが選択されている場合の説明である。
ステップS502において特定競走馬35Tとして競走馬aが選択されている場合(S502でNo)には、図17に示すフローチャートによって、競走馬bが選択されている場合と同様に、第2タイミングで減少する競走馬35の数の設定や決定タイミングで特定競走馬35T(競走馬a)が1着でゴールする表示設定等を行うが、その減少数の確率が、競走馬bが選択されている場合と異なっている。以下に詳細を説明する。
まず、競走馬aを特定競走馬35Tとして、5頭の競走馬a〜eによるレースが行われる(S514)。そして、第1タイミング乱数が0〜59の範囲内の数値であるかを判定する(S515)。第1タイミング乱数が0〜59の範囲内の数値である場合(S515でYes)は、第1タイミングになったときに、競走馬eを液晶表示画面34Gから削除表示して、特定競走馬35T(競走馬a)を含む残りの競走馬a〜dがレースをするように表示設定する(S516)。
次に、第2タイミング乱数が0〜29の範囲内の数値であるかを判定する(S517)。第2タイミング乱数が0〜29の範囲内の数値である場合(S517でYes)は、第2タイミングになったときに、競走馬dを液晶表示画面34Gから削除表示して、特定競走馬35T(競走馬a)を含む残りの競走馬a〜cがレースをするように表示設定する(S518)。その後、決定タイミングで、特定競走馬35T(競走馬a)が1着でゴールするように表示設定し(S519)、この処理(S456)を抜ける。一方、第2タイミング乱数が30〜99の範囲内の数値である場合(S517でNo)は、第2タイミングになったときに、競走馬b〜dを液晶表示画面34Gから削除表示して、特定競走馬35T(競走馬a)のみがレースをするように表示設定する(S520)。その後、決定タイミングで、特定競走馬35T(競走馬a)が1着でゴールするように表示設定し(S521)、この処理(S456)を抜ける。
一方、ステップS515において、第1タイミング乱数が60〜99の範囲内の数値である場合(S515でNo)は、第1タイミングになったときに、競走馬c〜eを液晶表示画面34Gから削除表示して、特定競走馬35T(競走馬a)を含む残りの競走馬a,bがレースをするように表示設定する(S522)。その後、第2タイミングでは、取得した第2タイミング乱数に関わらず、競走馬35を削除表示せずに競走馬a,bが継続してレースをするように表示設定する(S523)。続く決定タイミングでは、特定競走馬35T(競走馬a)が1着でゴールするように表示設定し(S524)、この処理(S456)を抜ける。以上が、ST100で、特定競走馬35Tとして競走馬aが選択されている場合の説明である。
ステップS501において、大当り遊技後に付与されるST回数が100回でない場合(S501でNo)、図18に示すように、ST回数が50回であるか判定する(S530)。ST回数が50回である場合(S530でYes)、ステップS500で選択された特定競走馬35Tが競走馬bであるかを判定する(S531)。
ここで、ST回数が50回の場合は、競走馬a,bの何れが選択されていても、特定競走馬35Tが何れか一方である以外は同じ処理が行われるので、競走馬bが選択されている場合(S531でYes)を例に説明する。まず、競走馬bを特定競走馬35Tとして、5頭の競走馬a〜eによるレースが行われる(S532)。そして、第1タイミング乱数が0〜49の範囲内の数値であるかを判定する(S533)。
第1タイミング乱数が0〜49の範囲内の数値である場合(S533でYes)は、第1タイミングになったときに、競走馬eを液晶表示画面34Gから削除表示して、特定競走馬35T(競走馬b)を含む残りの競走馬a〜dがレースをするように表示設定する(S534)。その後、第2タイミングでは、取得した第2タイミング乱数に関わらず、競走馬dを液晶表示画面34Gから削除表示して、特定競走馬35T(競走馬b)を含む残りの競走馬a〜cがレースをするように表示設定する(S535)。続く決定タイミングでは、特定競走馬35T(競走馬b)が2着でゴールするように表示設定し(S536)、この処理(S456)を抜ける。
一方、ステップS533において、第1タイミング乱数が50〜99の範囲内の数値である場合(S533でNo)は、第1タイミングになったときに、競走馬c〜eを液晶表示画面34Gから削除表示して、特定競走馬35T(競走馬b)を含む残りの競走馬a,bがレースをするように表示設定する(S537)。その後、第2タイミングでは、取得した第2タイミング乱数に関わらず、競走馬35を削除表示せずに競走馬a,bが継続してレースをするように表示設定する(S538)。続く決定タイミングでは、特定競走馬35T(競走馬b)が2着でゴールするように表示設定し(S539)、この処理(S456)を抜ける。以上が、ST50の場合の説明である。
ST回数が0回である場合(S501でNo,S530でNo)は、図19に示す処理が実行される。具体的には、まず、ステップS500で選択された特定競走馬35Tが競走馬bであるかを判定する(S550)。ここで、ST回数が0回の場合は、競走馬a,bの何れが選択されていても、特定競走馬35Tが何れか一方である以外は同じ処理が行われるので、競走馬bが選択されている場合(S550でYes)を例に説明する。
まず、競走馬bを特定競走馬35Tとして、5頭の競走馬a〜eによるレースが行われる(S551)。そして、第1タイミングで、第1タイミング乱数に関わらず、競走馬eを液晶表示画面34Gから削除表示して、特定競走馬35T(競走馬b)を含む残りの競走馬a〜dがレースをするように表示設定する(S552)。その後、第2タイミングでは、取得した第2タイミング乱数に関わらず、競走馬dを液晶表示画面34Gから削除表示して、特定競走馬35T(競走馬b)を含む残りの競走馬a〜cがレースをするように表示設定する(S553)。続く決定タイミングでは、特定競走馬35T(競走馬b)が3着でゴールするように表示設定し(S554)、この処理(S456)を抜ける。以上が、ST0の場合の説明である。
なお、特典決定演出処理(S456)を実行するときのサブ制御回路52と表示装置34とが本発明の「特典報知手段」に相当し、演出開始処理(S500)を実行するときのサブ制御回路52が「選択手段」に相当する。また、ステップS503等を実行するときのサブ制御回路52が本発明の「第1演出実行手段」に相当し、ステップS505,511,507,509等を実行しているときのサブ制御回路52が本発明の「減少演出実行手段」及び「減少演出選択手段」に相当し、ステップS505,511,507,509,512等を実行しているときのサブ制御回路52が本発明の「第2演出実行手段」に相当し、ステップS508,510,513等を実行しているときのサブ制御回路52が本発明の「第3演出実行手段」に相当する。
また、請求項3の発明においては、ステップS512等を実行しているときのサブ制御回路52が本発明の「維持演出実行手段」に相当し、請求項8の発明においては、ステップS507,509,512等を実行しているときのサブ制御回路52が本発明の「後続演出実行手段」に相当する。
以上が、特典決定演出処理(S456)、メインコマンド解析処理(S83)、10msタイマ割り込み処理(S71)及びサブ制御回路メインプログラムPG2の説明である。
遊技機10の構成に関する説明は以上である。次に、遊技機10の作用効果について説明する。本実施形態の遊技機10では、各始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞して、16ラウンドの大当りになると、大当り遊技が始まり、液晶表示画面34Gには、2頭の競走馬a,bが特定競走馬35Tの候補として表示される。そして、2頭の競走馬a,bのうち1頭の競走馬を特定競走馬35Tとして選択すると、図2(A)に示すように、特定競走馬35T(図2(A)の競走馬b)と4頭の競合馬35K(図2(A)のa,c〜e)の合計5頭の競走馬35(競走馬a〜e)でレースを行うレース演出が開始される(図2(A)参照)。
レース演出が進行すると、操作部(操作ハンドル27又は操作ボタン29)の操作を促すメッセージが所定期間に亘って液晶表示画面34G上に表示され、その所定期間中に操作部が操作されるか又は所定期間が経過して第1タイミング(図3参照)になると、特定競走馬35Tが1着になることを妨げる競合馬35Kが先頭集団から脱落する減少演出が行われ、特定競走馬35Tと残りの競合馬35Kとで引き続き1着を争う演出が行われる(図2(B)参照)。
レース演出がさらに進行すると、再び、操作部(操作ハンドル27又は操作ボタン29)の操作を促すメッセージが所定期間に亘って液晶表示画面34G上に表示される。そして、先の場合と同様に、所定期間中に操作部が操作されるか又は所定期間が経過して第2タイミングになると、2回目の減少演出(図5(B)及び図5(D)参照)か競合馬35Kの数が維持される維持演出(図6(B)参照)の何れかの演出が行われる(図2(C)参照)。
そして、さらにレース演出が進行すると、図2(D)に示すように、レースが終了して特定競走馬35Tの着順が確定し、その着順によってST抽選結果が遊技者に報知される。
このように、本実施形態のレース演出では、レース中に、特定競走馬35T(競走馬b)が1着になることを妨げる競合馬35Kの数が減少する減少演出が行われるので、特定競走馬35Tが1着になる可能性が高まる印象を遊技者に与えることができる。これにより、遊技者に対し、着順を報知する前のレース中の演出で、ST抽選結果に対して期待させることができ、その演出に興味を持たせることができる。
しかも、レース演出では、競合馬35Kが減少する減少演出が複数備えられているので、特定競走馬35Tが段階的に1着に近づいていくように遊技者に感じさせることができる。
ここで、本実施形態のレース演出では、第1タイミングでの減少演出で、競合馬35Kが1頭減少する場合と、3頭減少する場合とがある(図4(B)及び図4(C)参照)。そして、第1タイミングの減少演出で、競合馬35Kが1頭減少した場合に、2回目の減少演出が行われ(図5参照)、競合馬35Kが3頭減少した場合に、維持演出が行われる(図6参照)。なお、第2タイミングでの減少演出についても、競合馬35Kが1頭減少する場合と、3頭減少する場合とがある(図5(B)及び図5(D)参照)。
このように、本実施形態のレース演出では、競合馬35Kの減少数が異なる複数のパターンが備えられているので、競合馬35Kの減少数の相違によって、特定競走馬35Tが1着となる可能性が異なる印象を遊技者に与えることができる。
また、第2タイミングでは、競合馬35Kの数が減少する場合と、維持される場合とがあるので、遊技者に対し、競合馬35Kの数が減少するか否かについてドキドキ感を与えることができる。
また、本実施形態のレース演出では、ST抽選結果がST100回の場合、各タイミングでの減少演出における競合馬35Kの減少数が、レース演出の開始前に選択した特定競合馬35Tに左右される(図7参照)。具体的には、第1タイミングの減少演出では、特定競走馬35Tが競走馬aの場合、競合馬35Kは、60%の確率で1頭減少し、40%の確率で3頭減少する。一方、特定競走馬35Tが競走馬bの場合には、競合馬35Kは、40%の確率で1頭減少し、60%の確率で3頭減少する。そして、減少演出のパターンを振り分ける乱数(第1タイミング乱数、第2タイミング乱数)が特定の範囲(第1タイミング乱数では、40〜59の範囲)のときには、特定競走馬35Tが競走馬aであるか競走馬bであるかによって、競合馬35Kの減少数が相違するようになっている。
このように、本実施形態によれば、選択された特定競走馬35Tの相違により、減少演出で減少する競合馬35Kの数が相違するので、特定競走馬35Tの選択にたいして遊技者に興味を持たせることができる。
[他の実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、本発明の「特典報知演出」によって報知される抽選結果が、確変遊技(ST)に関する抽選結果であったが、大当り遊技後に「小当り」の発生確率が高くなる、所謂、時短状態の遊技に関する抽選結果であってもよいし、特別図柄当否判定の結果、即ち、大当たり遊技に関する抽選結果であってもよい。また、これらの遊技を組み合わせたものに関する抽選結果であってもよい。
(2)上記実施形態では、特典決定演出(レース演出)が、大当り遊技中に行われていたが、特別図柄32A〜32Cの変動中に行われてもよい。具体的には、特別図柄の当否判定結果が16R大当りである場合における特別図柄32A〜32Cの変動中に特典決定演出が行われ、その特典決定演出によって、16R大当りであることとST抽選結果とを報知する構成としてもよい。
(3)上記実施形態では、本発明の「特典報知演出」が、レースで順位を争う演出であったが、スポーツ、格闘技、ゲーム等の競技で順位を争う演出であってもよい。
(4)本発明の特典決定演出は、次のように構成されていてもよい。即ち、図20に示すように、メインキャラクター40Tが10秒以内にゴールできるか否かによって、STを実行するか否かを報知するように構成されてもよい。具体的には、メインキャラクター40Tは、スタート時点では5つの重り40Sを取り付けられていて、始めはゆっくり走っている(図20(A)参照)。そして、第1タイミングになると、5つの重り40Sのうち、例えば、2つの重り40Sが外され、メインキャラクター40Tがスピードアップする(図20(B)参照)。第2タイミングになるとさらに、例えば、2つの重り40Sが外れ、メインキャラクター40Tがさらにスピードアップする(図20(C)参照)。そして、メインキャラクター40Tが10秒以内にゴールすることで、STが実行されることを遊技者に認識させる(図20(D)参照)。なお、メインキャラクター40Tが本発明の「特定演出要素」に相当し、メインキャラクター40Tが10秒以内にゴールすることを妨げる重り40Sが、本発明の「阻害要素」に相当する。
(5)上記(4)の構成において、特典決定演出は、STの規定上限回数を合わせて報知する構成としてもよい。その一例として、メインキャラクター40Tが、8秒以内にゴールすればST100を報知し、8〜10秒でゴールすればST50を報知する構成が挙げられる。
(6)本発明の特典決定演出は、次のように構成されていてもよい。即ち、図21に示すように、メインキャラクター41Tと敵キャラクター41Sとがアイテム41Pを両方から引っ張り合い、メインキャラクター41Tがアイテム41Pを手に入れられるか否かによってSTを実行するか否かを報知するように構成されてもよい。ここで、始めは敵キャラクター41Sが3人いて、アイテム41Pは敵キャラクター41S側に引き寄せられるが(図21(A)参照)、第1タイミングになると敵キャラクター41Sが1人減少して両方の力が均衡し(図21(B)参照)、第2タイミングになると敵キャラクター41Sがさらに1人減少して、アイテム41Pはメインキャラクター41T側に引き寄せられる(図21(C)参照)。そして、メインキャラクター41Tがアイテム41Pを手に入れることで、確変遊技が実行されることを遊技者に認識させる(図21(D)参照)。この演出では、メインキャラクター41Tがアイテム41Pを手に入れることを妨げる敵キャラクター41Sが、本発明の「阻害要素」に相当する。
(7)上記実施形態では、レース演出が液晶表示画面34Gにて表示される構成であったが、例えば、馬の形をした複数の役物(本発明の「特定演出要素」及び「阻害要素」に相当する。)を競い合うように駆動させる構成であってもよい。
(8)上記実施形態では、特典決定演出によって、STの有無、及び、規定上限回数を報知する構成であったが、STの有無のみを報知する構成であってもよい。また、STが必ず実行される場合において、規定上限回数のみを報知する構成であってもよい。
(9)上記実施形態では、確変遊技が、回数が限定されたSTであったが、次の大当りまで継続する構成であってもよい。
(10)上記実施形態では、特定競走馬35Tは、遊技者が任意に選択可能な構成であったが、ランダムに設定される構成であってもよい。
(11)上記実施形態では、特定競走馬35Tは、複数の競走馬35の中から選択される構成であったが、1頭の競走馬35に固定されている構成であってもよい。
(12)上記実施形態では、操作ハンドル27、操作ボタン29等を用いて特定競走馬35Tを遊技者に選択させる構成であったが、以下のような構成であってもよい。即ち、遊技者が携帯端末等でカスタマイズした競走馬35を、パスワードの打ち込み等によって遊技機10に登録可能とし、その登録された競走馬35を特定競走馬35Tとして選択する構成であってもよい。
(13)上記実施形態では、特定競走馬35Tの選択が行われるのは、大当り遊技開始後であったが、例えば、特別図柄32A,32B,32Cの変動中や遊技開始前等であってもよい。
(14)減少演出での減少パターンは、特定競走馬35Tの選択に替えて、例えば、特定競走馬35Tに騎乗する騎手や、レースが行われるレース場等の選択に基づいて選択されてもよい。また、特定競走馬35T、騎手、レース場等の組合せに基づいて選択されてもよい。なお、この騎手やレース場等が本発明の「サブ演出要素」に相当する。
(15)上記実施形態では、第1タイミングで行われる演出は減少演出のみであったが、減少演出と維持演出とから選択されてもよい。
(16)上記実施形態では、2着でゴールした場合よりも1着でゴールした場合の方が、有利な特典が与えられる構成であったが、1着でゴールした場合よりも2着でゴールした場合の方が、有利な特典が与えられる構成であってもよい。
(17)上記実施形態では、減少演出が行われる回数が2回であったが、1回のみであってもよいし、3回以上であってもよい。
(18)第1と第2のタイミングが、レース演出の実行期間内に一義的に固定された構成であってもよい。例えば、レース演出の開始時に第1タイミングがレース開始から20秒後に設定され、第2タイミングが第1タイミングから10秒後に設定される構成であってもよい。なお、この場合、図16に示す演出開始処理(S500)でこれらのタイミングの設定が行われ、演出開始処理(S500)を実行しているときのサブ制御回路52が本発明の「タイミング設定手段」に相当する。
(19)上記実施形態の「減少演出」では、競合馬35Kが複数頭減少する場合、後退し始めるタイミングは全て同じであったが、1頭ずつ又は何頭かずつ、ずれていてもよい。具体的には、例えば、競合馬35Kが3頭減少する場合に、1頭の競合馬35Kが後退し始めた後、表示されなくなる前に、2頭の競合馬35Kが後退し始める構成であってもよい。
(20)上記実施形態では、第2タイミングが設定されるのは、第1タイミングで脱落した競合馬35Kが表示されなくなった後であったが、第1タイミングで脱落した競合馬35Kの後退中であってもよい。この構成によれば、複数頭の競合馬35Kが連続的に後退するように遊技者に見せることができる。なお、この場合、競合馬35Kが後退し始めるタイミングでのレース演出が減少演出に相当し、その競合馬35Kが後退し始めてから次の競合馬35Kが後退し始めるまでのレース演出が本発明の「第2演出」に相当する。
[上記実施形態及び上記他の実施形態の構成のまとめ]
上記実施形態及び上記他の実施形態には、以下の[1]〜[8]の構成が含まれている。[1]〜[8]の構成は、「遊技者に特典を付与する特典遊技を実行するか否か、又は、特典遊技を実行する場合における特典の大小を抽選し、その抽選結果を遊技者に報知する遊技機」に関し、「従来、この種の遊技機として、例えば、複数のキャラクターがレースで順位を争う演出を行い、特定のキャラクターの着順によって、特典遊技を実行するか否かを遊技者に報知するものが知られている(例えば、特許文献1(特開平8−309002号公報(段落[0031]、図16(B)))参照)。」という背景技術について、「特定のキャラクターの着順が確定する前のレース中の演出で、特定のキャラクターが上位の着順となることを妨げる相手の数が変化しないため、そのレース中の演出に対して遊技者に興味を持たせることが困難であるという問題があった。」という課題をもってなされ、「特典遊技に関する抽選結果を報知する前の演出に対して遊技者に興味を持たせることが可能な遊技機の提供」を目的としてなされたものと考えることができる。
[1]
遊技者に有利な特典を付与可能な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、
抽選条件の成立に起因して、前記特典遊技を実行するか否か、又は、前記特典遊技を実行する場合における前記特典の大小、を抽選する特典抽選手段と、
前記特典抽選手段による抽選結果を特典報知演出によって報知する特典報知手段と、を備えた遊技機において、
前記特典報知手段は、
前記特典報知演出の実行期間内に中間タイミングを設定するタイミング設定手段と、
前記中間タイミングの前に、予め設定された特定演出要素が前記特典報知演出において定められた目標を達成するために動作する一方で、前記特定演出要素とは異なる少なくとも1つの阻害要素が前記特定演出要素の目標達成を妨げる第1演出を実行する第1演出実行手段と、
前記中間タイミングで、前記阻害要素を新たに増やすことなく前記第1演出において前記特定演出要素の目標達成を妨げていた前記阻害要素の数を減少させる減少演出を実行する減少演出実行手段と、
前記減少演出の後、引き続き前記特定演出要素が前記目標達成のために動作する第2演出を実行する第2演出実行手段と、
前記第2演出の後に設定された決定タイミングで、前記特定演出要素の動作が終了すると共に、その特定演出要素の目標に対する達成度により前記特典抽選手段の抽選結果を遊技者に認識させる第3演出を実行する第3演出実行手段と、を備えたことを特徴とする遊技機。
[2]
前記タイミング設定手段は、前記中間タイミングを複数設定することを特徴とする[1]に記載の遊技機。
[3]
前記特典報知手段は、
前記中間タイミングで、前記減少演出の替わりに、前記阻害要素の数を維持する維持演出を実行可能な維持演出実行手段を備えて、
前記中間タイミングで、前記減少演出及び前記維持演出のうち何れか一方を実行するように構成されたことを特徴とする[1]又は[2]に記載の遊技機。
[4]
前記特定演出要素を複数の特定演出要素候補の中から選択するか、又は、前記特定演出要素及び前記阻害要素とは異なるサブ演出要素を複数のサブ演出要素候補の中から選択する選択手段と、
前記阻害要素の減少数が相違する複数の減少演出のパターンを記憶した減少演出パターン記憶手段と、
前記選択手段により選択された前記特定演出要素又は前記サブ演出要素の相違に応じて前記阻害要素の減少数が相違するように、前記減少演出実行手段にて実行される前記減少演出のパターンを、前記複数の減少演出のパターンの中から選択する減少演出選択手段と、を備えたことを特徴とする[1]乃至[3]のうち何れか1に記載の遊技機。
[5]
前記減少演出選択手段は、前記特定演出要素と前記サブ演出要素の組み合わせに応じて前記阻害要素の減少数が異なるように前記減少演出のパターンを選択することを特徴とする[4]に記載の遊技機。
[6]
前記第1演出は、前記特定演出要素と少なくとも1つの前記阻害要素とが順位争いをする演出であり、
前記第3演出実行手段は、前記決定タイミングで前記特定演出要素の最終的な順位を確定させて、前記特典抽選手段の抽選結果を遊技者に認識させることを特徴とする[1]乃至[5]のうち何れか1に記載の遊技機。
[7]
前記特定演出要素の最終的な順位が相違する複数の第3演出パターンを記憶した第3演出パターン記憶手段と、
前記特典抽選手段の抽選結果に応じて、前記第3演出実行手段が実行する前記第3演出のパターンを前記複数の第3演出パターンの中から選択する第3演出選択手段と、を備えたこと特徴とする[6]に記載の遊技機。
[8]
前記タイミング設定手段を、前記中間タイミングと前記決定タイミングとの間に、後続タイミングを設定する構成とすると共に、前記中間タイミングでは前記減少演出が実行されるように構成し、
前記第2演出実行手段を、前記中間タイミングと前記後続タイミングとの間で前記第2演出を実行する構成とし、
前記後続タイミングで、前記特定演出要素と順位争いをしている前記阻害要素の数を維持するか、又は、減少させる後続演出を実行する後続演出実行手段、を備えたことを特徴とする[6]又は[7]に記載の遊技機。
[1]の構成では、特典遊技を実行するか否か、又は特典遊技を実行する場合における特典の大小が抽選され、その抽選結果が特定報知演出で報知される。この特典報知演出では、特定演出要素が特定報知演出において定められた目標を達成するために動作し、その目標に対する達成度によって上記した抽選結果を遊技者に認識させる。そして、本発明によれば、特典報知演出の実行期間内に設定された中間タイミングで、特定演出要素の目標達成を妨げる阻害要素の数が減少する減少演出が行われるので、特定演出要素が目標を達成する可能性が高まる印象を遊技者に与えることができる。これにより、特典遊技に関する抽選結果が報知される前の演出に対して遊技者に興味を持たせることが可能となる。
[2]の構成では、特定演出要素の目標達成を妨げる阻害要素の数が複数回に亘って減少するので、特定演出要素が目標に向かって段階的に近づく感覚を遊技者に与えることが可能となる。
[3]の構成では、中間タイミングで、阻害要素の数が減少する場合と、維持される場合とがあるので、遊技者に対し、その阻害要素の数が減少するか否かについてドキドキ感を与えることが可能となる。
[4]の構成では、減少演出実行手段にて実行される減少演出のパターンが、阻害要素の減少数が異なる複数の減少演出パターンの中から選択されるので、減少演出で減少する阻害要素の数を異ならせることが可能となる。その結果、阻害要素の減少数について遊技者に興味を持たせることが可能となる。また、阻害要素の減少数は、選択手段により選択された特定演出要素又はサブ演出要素の相違によって異なるので、選択手段による選択についても遊技者に興味を持たせることが可能となる。
さらに、[5]の構成のように、減少演出選択手段が、特定演出要素とサブ演出要素の組み合わせに応じて阻害要素の減少数が異なるように減少演出のパターンを選択する構成とすれば、選択手段による選択だけでなく、特定演出要素とサブ演出要素との組み合わせについても遊技者に興味を持たせることが可能となる。
[6]の構成では、特定演出要素と順位を争う阻害要素が減少することで、特定演出要素が上位になる可能性が高まるので、遊技者に高揚感を与えることが可能となる。
[7]の構成によれば、特典演出要素の最終的な順位の優劣を、特典の有無や大小に対応させることが可能となる。
[8]の構成によれば、中間タイミングで阻害要素の数が減少した後の後続タイミングで、阻害要素の数が維持される場合と減少する場合とがあるので、阻害要素の数が一度減少しても、その後の阻害要素の数の動向に対して遊技者に興味をもたせることが可能となる。