JP6911052B2 - オキソアルキル置換フェニルトリアゾール誘導体およびその使用 - Google Patents

オキソアルキル置換フェニルトリアゾール誘導体およびその使用 Download PDF

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Description

本発明は、新規のオキソアルキル置換1−フェニル−1,2,4−トリアゾール誘導体、かかる化合物の調製方法、かかる化合物を含有する医薬組成物、ならびに疾患の治療および/または予防のための、とりわけ心血管疾患および腎疾患の治療および/または予防のためのかかる化合物または組成物の使用に関する。
ヒトの身体の液体内容物は、様々な生理的コントロールメカニズムの支配下にあり、その目的はこれを一定に保つこと(液量恒常性)である。そのプロセスにおいて、脈管系を満たす液量およびまた血漿のモル浸透圧濃度の両方が適切なセンサー(圧受容器および浸透圧受容器)により連続的に記録される。これらのセンサーが脳内の関連中枢に供給する情報は、液性および神経性のシグナルによって飲水行動を制御し、腎臓を介した液体排出をコントロールする。ペプチドホルモンであるバソプレッシンは、これにおいて中心的な重要性を有する[Schrier R.W.,Abraham W.T.,New Engl.J.Med. 341,577−585(1999)]。
バソプレッシンは第三脳室の壁(視床下部)内の視索上核および室傍核内にある特定の内分泌ニューロンにおいて生産され、ここから神経のプロセスに沿って下垂体(神経下垂体)の後葉に移送される。ここでこのホルモンは刺激に応答して血流中に放出される。例として急性失血、激しい発汗、長時間の渇きまたは下痢の結果としての液量喪失は、ホルモン放出増強のための刺激である。逆に、バソプレッシンの分泌は、例として液体摂取増加の結果としての血管内液量の増加により阻害される。
バソプレッシンは主に3つの受容体への結合を介してその作用を発揮し、これらの受容体はV1a、V1bおよびV2受容体として分類される、Gタンパク質共役受容体のファミリーに属するものである。V1a受容体は、主に血管平滑筋系の細胞上に位置する。それらの活性化は血管収縮を生じ、その結果として末梢の抵抗および血圧が上昇する。このほか、V1a受容体は肝臓においても検出することができる。V1b受容体(V3受容体とも呼ばれる)は中枢神経系において検出することができる。コルチコトロピン放出ホルモン(CRH)と共に、バソプレッシンは、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の基礎的およびストレス誘導性の分泌をV1b受容体を介して制御する。V2受容体は腎臓内の遠位尿細管上皮および集合管の上皮内に位置する。それらの活性化はこれらの上皮を水浸透性にする。この現象は上皮細胞の管腔膜内のアクアポリン(特別な水チャネル)の取り込みによるものである。
腎臓における尿からの水の再吸収のためのバソプレッシンの重要性は、尿崩症の臨床像から明らかになっており、これは例として下垂体損傷が原因のホルモン欠乏により引き起こされる。この疾患を患う患者は、補充ホルモンが与えられないと24時間あたり最大20リットルの尿を排泄する。この量は、原尿の約10%に相当する。尿からの水の再吸収のためのその高い重要性のため、バソプレッシンは同義的に抗利尿ホルモン(ADH)とも呼ばれる。その結果として、V2受容体に対するバソプレッシン/ADHの作用の薬理学的阻害は、尿排泄の増加をもたらす。しかしながら、他の利尿剤(チアジドおよびループ利尿剤)の作用と対照的に、V2受容体アンタゴニストは電解質排出を実質的に増加させることなく、水排出の増加を引き起こす。このことは、V2アンタゴニスト薬を用いると、電解質恒常性に影響することなく液量恒常性を回復することができることを意味する。それゆえ、V2アンタゴニスト活性を有する薬剤は、並行して電解質が適切に増加していなくても、身体への水の過負荷に関連した全ての病状の治療にとりわけ適しているものと思われる。
著しい電解質異常は、低ナトリウム血症(ナトリウム濃度<135mmol/L)として臨床化学において測定することができ;これは、入院患者において最も重要な電解質異常であり、約5%つまり米国のみで年間250000症例に発生している。血漿ナトリウム濃度が115mmol/L未満に下がると、昏睡状態および死が差し迫る。根本的原因に応じて、細胞外液量減少型、細胞外液量正常型および細胞外液量増加型の低ナトリウム血症のなかで区別がなされる。浮腫形成を伴う細胞外液量増加型の形態は、臨床的に顕著である。これらの典型例は、ADH/バソプレッシン不適合分泌症候群(SIADH)(例として頭蓋脳損傷後の、または癌腫における腫瘍随伴病変としてのもの)、ならびに肝硬変、様々な腎疾患および心不全における細胞外液量増加型低ナトリウム血症である[De Luca L. et al.,Am.J.Cardiol. 96(suppl.),19L−23L(2005)]。とりわけ、心不全を有する患者は、比較的低ナトリウム血および多血であるにもかかわらず、しばしばバソプレッシンレベル上昇を呈し、これは心不全において神経液性の制御が全般的に攪乱された結果として見られるものである[Francis G.S. et al.,Circulation 82,1724−1729(1990)]。
神経液性制御の攪乱は、本質的に、交感神経緊張の上昇およびレニン−アンジオテンシン−アルドステロン系の不適切な活性化に現れる。一方でベータ受容体ブロッカーによる、他方でACE阻害剤またはアンジオテンシン受容体ブロッカーによるこれらの成分の阻害は今や心不全の薬理学的治療の本来の役割であるが、進行した心不全におけるバソプレッシン分泌の不適切な上昇は現在もなお適切に治療することができない。V2受容体により媒介される水の保持および負荷増加の点でこれに関連した好ましくない血行動態帰結のほか、左心室の排出、肺血管内圧力および心拍出力もまたV1a媒介性の血管収縮により悪影響を受ける。さらには、動物における実験データに基づくと、心筋に対する直接的な肥大促進作用もバソプレッシンに起因する。V2受容体の活性化により媒介される液量増大の腎作用と対照的に、心筋に対する直接的な作用はV1a受容体の活性化が引き金となる。
これらの理由のため、V2および/またはV1a受容体に対するバソプレッシンの作用を阻害する剤は、心不全の治療に適していると思われる。とりわけ、両バソプレッシン受容体(V1aおよびV2)に対する複合型の活性を有する化合物は、望ましい腎作用と血行動態作用の両方を持つであろうことから、心不全を有する患者の治療のために特に理想的なプロファイルを提供する。かかる複合型バソプレッシンアンタゴニストの提供はまた同様に意義があると思われるが、それは、V2受容体遮断のみを介した液量減少は浸透圧受容器の刺激を伴うことがあり、結果としてバソプレッシン放出のさらなる代償性増加につながり得るためである。これを通じて、V1a受容体を同時に遮断する成分の非存在下で、バソプレッシンの有害作用、例えば血管収縮および心筋肥大などがさらに増強されることがある[Saghi P. et al.,Europ.Heart J. 26,538−543(2005)]。
ある種の4−フェニル−1,2,4−トリアゾール−3−イル誘導体は、WO2005/063754−A1およびWO2005/105779−A1中に、婦人科障害、特には月経障害、例えば月経困難症などの治療に有用なバソプレッシンV1a受容体アンタゴニストとして作用すると記載されている。
WO2011/104322−A1中に、ビス−アリール結合1,2,4−トリアゾール−3−オン類の特定のグループであって、その5−フェニル−1,2,4−トリアゾール−3−イル誘導体および1−フェニル−1,2,3−トリアゾール−4−イル誘導体を包含するものが、心血管疾患の治療および/または予防に有用なバソプレッシンV1aおよび/またはV2受容体のアンタゴニストとして開示されている。しかしながら、この構造分類のさらなる調査の間に、候補化合物は、覚醒ラットへの経口投与後にインビボで評価されたときに不満足な水利尿力によりしばしば悪評判であることが明らかとなった。それでもなお、上で概説したように、頑強な水利尿効力は、例えばうっ血性心不全などにおける身体への水の過負荷に関連した病状の治療のために望ましい必要条件である。
水利尿力の著しい上昇はまた、所望の治療効果を達成して維持するために必要になる物質の量を低減させること、したがって例えば急性または慢性の心不全または腎不全などのリスクが既に高いであろう患者の治療の際の許容されない副作用および/または望まれない薬剤−薬剤間相互作用の可能性を制限することに対して役立つものである。
WO2005/063754−A1 WO2005/105779−A1 WO2011/104322−A1
Schrier R.W.,Abraham W.T.,New Engl.J.Med. 341,577−585(1999) De Luca L. et al.,Am.J.Cardiol. 96(suppl.),19L−23L(2005) Francis G.S. et al.,Circulation 82,1724−1729(1990) Saghi P. et al.,Europ.Heart J. 26,538−543(2005)
本発明によって解決される技術的課題は、それゆえに、バソプレッシンV1aおよびV2受容体の両方の強力なアンタゴニストとして作用し、加えてインビボでの水利尿力の実質的な向上を示す新たな化合物を同定および提供することに見られ得る。
驚くべきことに、ここに、ある種の1−フェニル−1,2,4−トリアゾール誘導体は、経口での適用後にインビボで顕著に増強された水利尿力を示す、バソプレッシンV1aおよびV2受容体の大いに強力なデュアルアンタゴニストとなることが見出された。この改良された活性プロファイルは、本発明の化合物を心血管疾患および腎疾患の治療および/または予防にとりわけ有用なものとする。
1の態様において、本発明は、一般式(I−A)または一般式(I−B)
Figure 0006911052
の1−フェニル−1,2,4−トリアゾール誘導体であって、
は、式
Figure 0006911052
の基を表し、ここで
は、窒素原子への付着点を表し、
ならびに
Arは、フルオロ原子、クロロ原子、シアノ、メチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、エチル、メトキシ、ジフルオロメトキシおよびトリフルオロメトキシから選択される1または2個の基で置換されていてもよいフェニル基を表す、前記1−フェニル−1,2,4−トリアゾール誘導体に関する。
本発明による化合物はまた、それらの塩、溶媒和物および/または塩の溶媒和物の形態で存在することもできる。
本発明による化合物は、式(I)中に包含され以下に言及される化合物が既に塩、溶媒和物および塩の溶媒和物でない場合に、式(I)の化合物ならびにその塩、溶媒和物および塩の溶媒和物、以下に言及される式のうちの式(I)中に包含される化合物ならびにその塩、溶媒和物および塩の溶媒和物、ならびに式(I)中に包含され以下にプロセス生成物(process product)および/または実施形態の例として言及される化合物ならびにその塩、溶媒和物および塩の溶媒和物である。
本発明の目的のためのは、好ましくは本発明による化合物の薬学的に許容される塩である(例えば、S.M.Berge et al.,“Pharmaceutical Salts”,J.Pharm.Sci.1977,66,1−19を参照されたい)。それら自体は医薬的使用に適していないものの本発明による化合物の例えば単離、精製または保存のために用いることができる塩もまた包含される。
薬学的に許容される塩としては、鉱酸、カルボン酸およびスルホン酸の酸付加塩、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸および安息香酸の塩が挙げられる。
薬学的に許容される塩としてはまた、慣例的な塩基の塩、例えばアルカリ金属塩(例えばナトリウムおよびカリウムの塩)、アルカリ土類金属塩(例えばカルシウムおよびマグネシウムの塩)、ならびにアンモニアに由来するアンモニウム塩または有機アミン、例えば例証的におよび好ましくはエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、プロカイン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン、N−メチルモルフォリン、N−メチルピペリジン、アルギニン、リジンおよび1,2−エチレンジアミンなどが挙げられる。
本発明との関連での溶媒和物は、溶媒分子との化学量論的配位により固体または液体状態で錯体を形成している本発明による化合物の形態として呼ばれる。水和物は、水との配位が生じている溶媒和物の特定の形態である。水和物は、本発明との関連で好ましい溶媒和物である。
とりわけ、本発明による式(I−A−2)および(I−B)の3,3,3−トリフルオロ−2−オキソプロピル誘導体(ケトン形態)はまた、3,3,3−トリフルオロ−2,2−ジヒドロキシプロピル形態(I−A−2)’および(I−B)’(水和物形態)でも存在し得て(下のスキーム1aおよびスキーム1bを参照されたい);両形態は明確に本発明に包含される。
スキーム1a
Figure 0006911052
スキーム1b
Figure 0006911052
本発明の化合物は、不斉中心の特質により、または制限された回転により、異性体(エナンチオマー、ジアステレオマー)の形態で存在し得る。不斉中心が(R)−、(S)−または(R,S)−立体配置である任意の異性体が存在し得る。
また、本発明の化合物内に2以上の不斉中心が存在するとき、例示された構造のうちいくつかのジアステレオマーおよびエナンチオマーが多くの場合に可能であること、ならびに純粋なジアステレオマーおよび純粋なエナンチオマーが好ましい実施形態となることも理解される。純粋な立体異性体、純粋なジアステレオマー、純粋なエナンチオマーおよびそれらの混合物は、本発明の範囲内にあることが意図される。
本発明の化合物の全ての異性体は、分離されたもの、純粋なもの、部分的に純粋なものまたはラセミ混合物中のもののいずれであっても、本発明の範囲内に包含される。前記異性体の精製および前記異性体混合物の分離は、当該技術分野で公知の標準的技術により達成され得る。例えば、ジアステレオマー混合物は、クロマトグラフィープロセスまたは結晶化により個々の異性体に分離することができ、ラセミ体はキラル相に対するクロマトグラフィープロセスまたは分割によりそれぞれのエナンチオマーに分離することができる。
加えて、上記の化合物の全ての可能な互変異性形態が、本発明によって包含される。
本発明はまた、本発明による化合物の全ての好適な同位体異型を包含する。本発明による化合物の同位体異型は、本発明による化合物内の少なくとも1の原子が、原子番号は同じだが天然において通常または優勢に存在する原子質量と異なる原子質量を有する別の原子と交換されている化合物を意味するものと理解される。本発明による化合物内に組み込むことができる同位体の例は、水素、炭素、窒素、酸素、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素の同位体、例えばH(重水素)、H(トリチウム)、13C、14C、15N、17O、18O、18F、36Cl、82Br、123I、124I、129Iおよび131Iなどである。本発明による化合物の特定の同位体異型、特に1または複数の放射性同位体が組み込まれたものは、例えば作用メカニズムまたは体内の活性化合物分布の試験に有益であり得る。調製および検出が比較的容易であるため、特にH、14Cおよび/または18F同位体で標識された化合物は、この目的に適している。加えて、同位体、例えば重水素の組み込みは、化合物のより高い代謝安定性の結果としての具体的な治療的利点、例えば体内半減期の延長または必要とされる活性用量の低減をもたらすことができる。本発明による化合物のかかる修飾は、それゆえに、いくつかの場合において本発明の好ましい実施形態をも構成する。本発明による化合物の同位体異型は、当業者に公知のプロセスにより、例えば下に記載される方法および実施例中に記載される方法により、その中の特定の試薬および/または出発化合物の対応する同位体修飾物を用いることにより、調製することができる。
さらなる実施形態において、本発明は、一般式(I)の化合物であって、式中、
Arが、フルオロ、クロロ、メチルおよびメトキシから選択される1または2個の基で置換されているフェニル基を表す、前記化合物に関する。
好ましい実施形態において、本発明は、一般式(I)の化合物であって、式中、
Arが、式
Figure 0006911052
の基を表し、ここで
は、窒素原子への付着点を表し、
2Aは、塩素原子を表し、ならびに
2Bは、フッ素原子および塩素原子から選択される基を表す、前記化合物に関する。
さらなる実施形態において、本発明は、上で定義される一般式(I)の化合物を調製する方法であって、
[A]一般式(III):
Figure 0006911052
の中間体化合物を最初にヒドラジンと反応させることで、式(IV)
Figure 0006911052
のヒドラジドを与え、これを次いで式(V)
Figure 0006911052
のアミジンまたはその塩で、塩基の存在下で縮合させることで、式(VI)
Figure 0006911052
の1,2,4−トリアゾール誘導体および/またはその互変異性体を与え、
続いて式(VII)
Figure 0006911052
のフェニルボロン酸であって、ここでArは上で定義される一般式(I)の化合物について定義されているとおりである、前記フェニルボロン酸と、銅触媒およびアミン塩基の存在下でカップリングさせることで、式(II)
Figure 0006911052
の中間体化合物であって、ここでArは上で定義される一般式(I)の化合物について定義されているとおりである、前記中間体化合物を産生するステップ、その後に続いて
[B]式(II)の中間体化合物を適量の好適な酸化剤と反応させることで、式(I−A−1)および/または(I−A−2)
Figure 0006911052
の標的化合物であって、ここでArは上で定義される一般式(I)の化合物について定義されているとおりである、前記標的化合物を産生するステップ
を含み、その後に
[C]一般式(I−A−2)のジケトンの一般式(I−B)のケトンへの変換ステップであって、
[C−1]一般式(I−A−2)のジケトンの3,3,3−トリフルオロ−2−オキソプロピル基を好適なケトン保護基で保護し、それによって一般式(VIII):
Figure 0006911052
の中間体化合物であって、ここで
は、保護されている3,3,3−トリフルオロ−2−オキソプロピル基、とりわけ2−(トリフルオロメチル)−1,3−ジオキソラン−2−イル基であり、および
Arは、上で定義される一般式(I)の化合物について定義されているとおりである、前記中間体化合物を与える第一のステップ、その後に
[C−2]一般式(VIII)の中間体化合物を好適な還元剤と反応させ、それによって一般式(IX):
Figure 0006911052
の中間体化合物であって、ここで
は、保護されている3,3,3−トリフルオロ−2−オキソプロピル基、とりわけ2−(トリフルオロメチル)−1,3−ジオキソラン−2−イル基であり、および
Arは、上で定義される一般式(I)の化合物について定義されているとおりである、前記中間体化合物を与える第二のステップ、その後に
[C−3]公知の脱保護方法を用いた、とりわけ三臭化ホウ素と反応させることによる、一般式(IX)の構造のうちの3,3,3−トリフルオロ−2−オキソプロピル基の脱保護によって、一般式(I−B):
Figure 0006911052
の化合物であって、Arは上で定義される一般式(I)の化合物について定義されているとおりである、前記化合物を与える第三のステップを含む変換ステップを含んでもよく、
適切な場合、[B]および[C]の各々の後に、(i)このようにして得られた式(I)の化合物を、好ましくはクロマトグラフィー法を用いてそのそれぞれのジアステレオマーに分離すること、ならびに/または(ii)式(I)の化合物を、対応する溶媒および/もしくは酸もしくは塩基での処理によってそのそれぞれの水和物、溶媒和物、塩および/もしくは塩の水和物もしくは溶媒和物に変換することが続いてもよい、前記方法に関する。
式(I−B)の化合物はまた、上記の縮合反応においてアミジン(V)の適切なエナンチオマー、すなわち(V−A)もしくは(V−B)
Figure 0006911052
またはその塩を使用することによって、ジアステレオマーとして純粋な形態で得ることもできる。
転換(III)→(IV)は、通常の方法で、メチルエステル(III)をヒドラジンまたはヒドラジン水和物を使用してアルコール性溶媒、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールまたはn−ブタノールなどの中で+20℃から+100℃の範囲内の温度で処理することによって行われる。
縮合反応(IV)+(V)→(VI)は、通常、不活性な双極性非プロトン性溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリジノン(NMP)またはN,N’−ジメチルプロピレン尿素(DMPU)などの中で、十分な強塩基、例えばナトリウムヒドリドまたはナトリウムもしくはカリウムのアルコキシド、例えばナトリウムもしくはカリウムのメトキシド、ナトリウムもしくはカリウムのエトキシド、またはナトリウムもしくはカリウムのtert−ブトキシドなどの存在下で行われる。アミジン(V)は、この反応中でそのまま、または塩の形態で、例として塩酸塩として使用され得る。後者において、比例的過剰量(proportional excess)の塩基が用いられる。反応は、一般に、+80℃から+150℃の間の温度で実施される。マイクロ波反応装置を使った加熱は、この縮合反応のために有益な効果を持ち得る。
この反応により生産される式(VI)の1,2,4−トリアゾール誘導体はまた、他の互変異性形態、例えば(VI−A)もしくは(VI−B)
Figure 0006911052
などで、または互変異性体の混合物として存在し得る。
カップリング反応(VI)+(VII)→(II)は、典型的に、銅触媒およびアミン塩基を用いて行われる[「Chan−Lamカップリング」条件;例えばD.M.T.Chan et al.,Tetrahedron Lett.44(19),3863−3865(2003);J.X.Qiao and P.Y.S.Lam,Synthesis,829−856(2011);K.S.Rao and T.−S.Wu,Tetrahedron 68,7735−7754(2012)を参照されたい]。本プロセスに適した銅触媒は、とりわけ銅(II)の塩、例えば酢酸銅(II)、トリフルオロメタンスルホン酸銅(II)または臭化銅(II)である。実際的なアミン塩基としては、例えば、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンおよび4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジンが挙げられる。反応は、不活性の有機溶媒、例えばジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、メチル tert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、トルエン、ピリジン、酢酸エチル、アセトニトリルもしくはN,N−ジメチルホルムアミドなどの中で、またはこれらの溶媒の混合物の中で実施される。好ましくは、ピリジンが溶媒および塩基の両方として用いられる。カップリングは、一般に、+20℃から+120℃の範囲内の温度で、好ましくは+20℃から+70℃で行われる。同時のマイクロ波照射は、同様にこの反応においても有益な効果を持ち得る。
酸化反応(ステップ[B]:(II)→(I−A)、(II)→(I−B)のそれぞれ)は、文献から公知の慣例的な酸化方法を用いて行われる[例としてJOC,1983,48,4155(デス・マーチン酸化);Tet Lett,1994,35,3485(IBX酸化);JOC,1970,35,3589(酸ジクロメート酸化);Tet Lett,1979,399(PDC酸化);Tetrahedron,1978,34,1651(スワーン酸化)、Bulletin of the Chemical Society of Japan,1990,vol.63,7,1888(酸化マンガン(IV)酸化)]。したがって、一般式(II)の化合物中のアルコール基は、好ましくはデス・マーチン・ペルヨージナン(DMP)または酸化マンガン(IV)を用いて酸化される。典型的な手法において、反応は、ジクロロメタン中で、0℃の温度で、その後に室温まで温めて行われる。モノケトン(I−A)またはジケトン(I−B)への選択性は、当業者に明らかである特異的酸化剤を介して、および/または添加する酸化剤の量を介して制御され得る。したがって、典型的な好ましい実施形態において、ケトン(I−A)への酸化は、化学量論量のDMP(酸化されるアルコール基あたり等モル)を用いて行われる。ジケトン(I−B)への酸化のために少なくとも2モルのDMPが典型的に用いられるが、好ましくは3モルのDMPが使用される(酸化されるアルコール基あたり1,5モル)。
他のトリアゾール窒素原子において起こるカップリング反応から生じ得る位置異性体のフェニルトリアゾール誘導体[互変異性体(VI−A)、(VI−B)を参照されたい]は、結果的に、慣用的なHPLCクロマトグラフィーにより中間体生成物(II)から容易に分離することができる。
保護基(PG)の導入および除去(ステップ[C−1]:(VIII)→(IX)、ステップ[C−3]:(IX)→(I−B)のそれぞれ)は、文献から公知の慣例的な方法によって行われる[例えば、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,Wiley,New York,1999を参照されたい]。したがって、ケトンは、好ましくは環状ケタール、例えば1,3−ジオキソラン基などとして保護され、これは例えば塩基性条件、例えば炭酸カリウムなどの下でのジメチルホルムアミド中での2−クロロエタノールとの反応によって導入することができる[例としてBMC,2003,vol.11,20,p.4487]。環状ケタールで保護されたケトンの脱保護のための典型的な反応条件は、ジクロロメタン中で三臭化ホウ素を使用するものである。
還元反応(ステップ[C−2]:(VIII)→(IX))は、文献から公知の慣例的な還元方法を用いて行われる。例示的な好ましい条件は、水素化ホウ素ナトリウムのメタノール溶液を用いることである。
式(III)の化合物は、国際特許出願WO2011/104322−A1中に記載されている手法により合成することができる(下の合成スキーム2aおよび2bも参照されたい)。
式(V)、(VI−A)、(VI−B)および(VII)の化合物は、市販されている、文献から公知である、または文献中に記載されている標準的方法の適用によって容易に利用可能な出発物質から調製することができる。出発物質を調製するための詳細な手法および参考文献はまた、出発物質および中間体の調製についてのセクション中の実験部においても見出すことができる。
本発明の化合物の調製は、以下の合成スキームによって説明され得る:
スキーム2a
Figure 0006911052
[国際特許出願WO2011/104322−A1を参照されたい]。
スキーム2b
Figure 0006911052
[国際特許出願WO2011/104322−A1を参照されたい]。
スキーム3
Figure 0006911052
スキーム4
Figure 0006911052
本発明の化合物は役立つ薬理学的性質を持ち、ヒトおよび他の哺乳動物における様々な疾患および疾患が誘発する状態の予防および/または治療のために用いることができる。
本発明との関連において、用語「治療」または「治療すること」は、疾患、障害、症状もしくは状態、それらの発生および/もしくは進行、ならびに/またはそれらの症候を阻害すること、遅らせること、軽減すること、緩和すること、抑止すること、低減させること、または退行を引き起こすことを包含する。用語「予防」または「予防すること」は、疾患、障害、症状もしくは状態、それらの発生および/もしくは進行、ならびに/またはそれらの症候を持つ、これに罹患するまたはこれを経験するリスクを低減させることを包含する。予防(prevention)という用語は、予防(prophylaxis)を包含する。障害、疾患、症状または状態の治療または予防は、部分的であっても完全であってもよい。
本書類の全体を通じて、簡便性のため、複数形の言語より単数形の言語の使用が優先されるが、特に述べられないかぎり、これは一般に複数形の言語を包含することを意味する。例えば、表現「患者に有効量の式(I)の化合物を投与することを含む、患者における疾患を治療する方法」は、1より多い疾患の同時治療、同様に1より多い式(I)の化合物の投与を包含することを意味する。
本発明の化合物は、バソプレッシンV1aおよびV2受容体の大いに強力なデュアルアンタゴニストである。加えて、本発明の化合物は、経口での適用後にインビボで著しい水利尿効果を示す。本発明の化合物は、それゆえに、疾患の治療および/または予防のための、とりわけ心血管疾患および腎疾患の治療および/または予防のための治療薬として大いに役立つものと期待される。
本発明の化合物で治療および/または予防され得る本発明との関連における心血管疾患としては、限定されるものではないが、悪化した慢性心不全(または心不全のための入院)およびうっ血性心不全といった急性および慢性の心不全、動脈性高血圧症、抵抗性高血圧症、動脈性肺高血圧症、冠動脈心疾患、安定狭心症および不安定狭心症、心房性および心室性の不整脈、心房性および心室性の心拍および伝導の撹乱、例えばI〜III度の房室ブロック(AVB I−III)、上室性頻脈性不整脈、心房細動、心房粗動、心室細動、心室粗動、心室性頻脈性不整脈、トルサード・ド・ポアンツ頻拍、心房性および心室性の期外収縮、房室接合部期外収縮、洞不全症候群、失神、房室結節性リエントリー性頻拍およびウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群、急性冠動脈症候群(ACS)、自己免疫性心疾患(心膜炎、心内膜炎、弁膜炎、大動脈炎、心筋症)、例えば心原性ショック、敗血症性ショックおよびアナフィラキシー性ショックなどのショック、動脈瘤、ボクサー心筋症(早発性心室性収縮)、さらには血栓塞栓性疾患および虚血、例えば末梢灌流撹乱、再灌流傷害、動脈および静脈の血栓症、心筋不全、内皮機能障害、微小血管および大血管の損傷(血管炎)、ならびに例えば血栓溶解療法、経皮的血管形成術(PTA)、経皮的冠動脈形成術(PTCA)、心臓移植およびバイパス手術などの後の再狭窄を予防するためのもの、動脈硬化症、脂質代謝の撹乱、低リポ蛋白血症、脂質異常症、高トリグリセリド血症、高脂血症および複合性高脂血症、高コレステロール血症、無βリポタンパク血症、シトステロール血症、黄色腫症、タンジール病、脂肪過多症、肥満、メタボリックシンドローム、一過性虚血性発作、脳卒中、炎症性心血管疾患、末梢および心臓の血管疾患、末梢循環障害、冠動脈および末梢動脈の痙攣、ならびに例えば肺浮腫、脳浮腫、腎浮腫および心不全関連浮腫などの浮腫が挙げられる。
本発明の意味において、心不全という用語はまた、より具体的なまたは関連する疾患型、例えば右心不全、左心不全、全体的不全(global insufficiency)、虚血性心筋症、拡張型心筋症、先天性心臓欠陥、心臓弁欠陥、心臓弁欠陥を有する心不全、僧帽弁狭窄、僧帽弁閉鎖不全、大動脈弁狭窄、大動脈弁閉鎖不全、三尖弁狭窄、三尖弁閉鎖不全、肺動脈弁狭窄、肺動脈弁閉鎖不全、複合型心臓弁欠陥、心筋の炎症(心筋炎)、慢性心筋炎、急性心筋炎、ウイルス性心筋炎、糖尿病性心不全、アルコール性中毒性心筋症、心臓の貯蔵疾患、駆出率が保たれた心不全(HFpEFまたは拡張心不全)、および駆出率が低減した心不全(HFrEFまたは収縮心不全)などを包含する。
本発明による化合物はまた、腎疾患、とりわけ急性および慢性の腎機能不全の、ならびに急性および慢性の腎不全の治療および/または予防に適している。腎疾患には2つの主要な形態:急性腎疾患(急性腎障害、AKI)および慢性腎疾患(CKD)がある。本発明の意味において、腎機能不全という用語は、腎機能不全の急性および慢性両方の兆候、同様に潜在的なまたは関連する腎疾患、例えば腎低灌流、透析低血圧、閉塞性尿路疾患、糸球体症、IgA腎症、糸球体腎炎、急性糸球体腎炎、糸球体硬化症、尿細管間質性疾患、腎障害性疾患、例えば原発性および先天性の腎疾患、腎炎、免疫学的腎疾患、例えば腎移植拒絶、免疫複合体誘発性腎疾患、毒性物質により誘発される腎症、造影剤誘発性腎症、糖尿病性および非糖尿病性の腎症、腎盂腎炎、腎嚢胞、腎硬化症、高血圧性腎硬化症およびネフローゼ症候群を含み、これらは例えばクレアチニンおよび/もしくは水排出の異常低減、尿素、窒素、カリウムおよび/もしくはクレアチニンの血中濃度の異常上昇、腎臓酵素、例えばグルタミルシンテターゼの活性変化、尿モル浸透圧濃度もしくは尿量の変化、微量アルブミン尿の増加、顕性アルブミン尿、糸球体および細動脈の病変、尿細管拡張、高リン酸塩血症ならびに/または透析の必要性により診断的に特徴付けることができる。本発明はまた、腎機能不全の後遺症、例えば肺浮腫、心不全、尿毒症、貧血、電解質撹乱(例として高カリウム血症、低ナトリウム血症)ならびに骨および炭水化物の代謝の撹乱の治療および/または予防のための、本発明による化合物の使用を含む。
本発明の化合物は、心腎症候群(CRS)およびその様々なサブタイプの治療および/または予防にとりわけ有用であり得る。この用語は、1の器官における急性または慢性の機能障害が他の器官の急性または慢性の機能障害を誘発し得る、心臓および腎臓のある種の障害を包含する。CRSは、侵襲が始まった器官、同様に疾患の急性度および慢性度に基づいて、5つのタイプに下位分類されている(タイプ1:急性非代償性心不全に起因する腎機能不全の発生;タイプ2:進行性腎機能障害をもたらす慢性うっ血性心不全;タイプ3:腎機能の急低下に起因する急性心機能障害;タイプ4:心臓リモデリングに至る慢性腎疾患;タイプ5:心臓および腎臓の両方に関わる全身性疾患)[例えばM.R.Kahn et al.,Nature Rev.Cardiol.10,261−273(2013)を参照されたい]。
本発明による化合物はまた、多嚢胞腎疾患(PCKD)の、およびADH不適合分泌症候群(SIADH)の治療および/または予防に適している。さらには、本発明の化合物は、浮腫の治療のための利尿剤としての、ならびに電解質障害における、とりわけ細胞外液量増加型および細胞外液量正常型の低ナトリウム血症における使用に適している。
そのうえ、本発明による化合物は、原発性および続発性のレイノー現象、微小循環撹乱、跛行、末梢神経障害および自律神経障害、糖尿病性細小血管症、糖尿病性網膜症、糖尿病性肢潰瘍、壊疽、CREST症候群、紅斑性障害、爪真菌症、リウマチ性疾患の治療および/または予防のために、ならびに創傷治癒を促進するために用いられ得る。
さらには、本発明の化合物は、泌尿器疾患ならびに男性および女性の泌尿生殖器系疾患、例えば良性前立腺症候群(BPS)、良性前立腺過形成(BPH)、良性前立腺腫大(BPE)、膀胱下尿道閉塞(BOO)、下部尿路症候群(LUTS)、神経因性過活動膀胱(OAB)、間質性膀胱炎(IC)、尿失禁(UI)、例えば混合性、切迫性、ストレス性および溢流性の尿失禁(MUI、UUI、SUI、OUI)、骨盤痛、勃起機能障害および女性の性機能障害などを治療するために適している
本発明による化合物はまた、炎症性疾患、喘息性疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、急性肺損傷(ALI)、アルファ−1−アンチトリプシン欠乏(AATD)、肺線維症、肺気腫(例として喫煙誘発性肺気腫)および嚢胞性線維症(CF)の治療および/または予防のために用いられ得る。加えて、本発明の化合物はまた、肺動脈性高血圧症(PAH)および左心室性疾患に関連した肺高血圧症といった他の型の肺高血圧症(PH)、HIV感染症、鎌状赤血球貧血、血栓塞栓症(CTEPH)、サルコイドーシス、慢性閉塞性肺疾患(COPD)または肺線維症の治療および/または予防のために用いられ得る。
加えて、本発明による化合物は、肝硬変、腹水、糖尿病ならびに糖尿病合併症、例えば神経障害および腎症などの治療および/または予防のために用いられ得る。さらに、本発明の化合物は、中枢神経障害、例えば不安状態およびうつなどの、緑内障ならびにがんの、とりわけ肺腫瘍の治療および/または予防に、ならびにサーカディアンリズムのずれ、例えば時差ぼけおよび交代勤務などの管理に適している。
さらには、本発明による化合物は、疼痛症状、副腎の疾患、例えば褐色細胞腫および副腎卒中など、腸の疾患、例えばクローン病および下痢など、月経障害、例えば月経困難症など、または子宮内膜症、早期分娩の治療および/または予防に、ならびに子宮収縮抑制に有用であり得る。
それらの活性および選択性プロファイルのため、本発明の化合物は、急性および慢性の心不全、心腎症候群(タイプ1〜5)、細胞外液量増加型および細胞外液量正常型の低ナトリウム血症、肝硬変、腹水、浮腫ならびにADH不適合分泌症候群(SIADH)の治療および/または予防にとりわけ適していると考えられる。
上で言及された疾患は、ヒトにおいて良く性質決定されているが、他の哺乳動物においても同等の病因を伴って存在し、それらにおいて本発明の化合物および方法で治療され得る。
したがって、本発明はさらに、疾患、特に前述の疾患の治療および/または予防のための、本発明による化合物の使用に関する。
本発明はさらに、疾患、特に前述の疾患の治療および/または予防のための医薬組成物を調製するための、本発明による化合物の使用に関する。
本発明はさらに、疾患、特に前述の疾患の治療および/または予防のための方法における、本発明による化合物の使用に関する。
本発明はさらに、本発明による化合物のうちの少なくとも1の有効量を用いることによる、疾患、特に前述の疾患の治療および/または予防のための方法に関する。
本発明の化合物は、単独の医薬として、またはその組み合わせが望ましくないおよび/または許容されない副作用を導かないかぎり1もしくは複数の付加的な治療薬と組み合わせて投与され得る。かかる組み合わせ療法は、上で定義されている式(I)の化合物および1または複数の付加的な治療薬を含有する単一の医薬投与製剤の投与を、同様に式(I)の化合物および各々の付加的な治療薬のそれら自身の別々の医薬投与製剤での投与を包含する。例えば、式(I)の化合物およびある治療薬は、単一の(固定)経口投薬組成物、例えば錠剤またはカプセル剤などで一緒に患者に投与されてもよく、または各々の剤は別々の投与製剤で投与されてもよい。
別々の投与製剤が用いられる場合、式(I)の化合物および1または複数の付加的な治療薬は、本質的に同時に(すなわち同時期に)または別々の互い違いの時に(すなわち逐次的に)投与され得る。
とりわけ、本発明の化合物は、以下のものとの固定または別々の組み合わせで用いられ得る。
・有機硝酸塩およびNOドナー、例えばニトロプルシドナトリウム、ニトログリセリン、一硝酸イソソルビド、二硝酸イソソルビド、モルシドミンもしくはSIN−1、および吸入性NO;
・サイクリックグアノシン一リン酸(cGMP)の分解を阻害する化合物、例えばホスホジエステラーゼ(PDE)1、2および/もしくは5の阻害剤、とりわけPDE−5阻害剤、例えばシルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィル、ウデナフィル、ダサンタフィル、アバナフィル、ミロデナフィルもしくはロデナフィルなど;
・陽性変力剤、例えば強心配糖体(ジゴキシン)ならびにベータ−アドレナリン作動性およびドーパミン作動性のアゴニスト、例えばイソプロテレノール、アドレナリン、ノルアドリナリン、ドーパミンもしくはドブタミンなど;
・ナトリウム利尿ペプチド、例えば心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP、アナリチド)、B型ナトリウム利尿ペプチドもしくは脳ナトリウム利尿ペプチド(BNP、ネシリチド)、C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)もしくはウロジラチンなど;
・カルシウム増感剤、例えばおよび好ましくはレボシメンダンなど;
・可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)のNO非依存性およびヘム非依存性活性化剤、例えばとりわけシナシグアトならびにまたWO01/19355、WO01/19776、WO01/19778、WO01/19780、WO02/070462およびWO02/070510中に記載されている化合物など;
・可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)のNO非依存性であるがヘム依存性の刺激剤、例えばとりわけリオシグアト、ベリシグアトならびにまたWO00/06568、WO00/06569、WO02/42301、WO03/095451、WO2011/147809、WO2012/004258、WO2012/028647およびWO2012/059549中に記載されている化合物など;
・ヒト好中球エラスターゼ(HNE)の阻害剤、例えばシベレスタットもしくはDX−890(レルトラン(reltran))など;
・シグナル伝達カスケードを阻害する化合物、とりわけチロシンおよび/もしくはセリン/スレオニンキナーゼの阻害剤、例えばニンテダニブ、ダサチニブ、ニロチニブ、ボスチニブ、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、セジラニブ、アキシチニブ、テラチニブ、イマチニブ、ブリバニブ、パゾパニブ、バタラニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、カネルチニブ、レスタウルチニブ、ペリチニブ、セマクサニブもしくはタンデュチニブなど;
・心臓のエネルギー代謝に影響を及ぼす化合物、例えばおよび好ましくはエトモキシル、ジクロロアセテート、ラノラジンもしくはトリメタジジン、もしくは完全もしくはパーシャルなアデノシンA1受容体アゴニストなど;
・心拍数に影響を及ぼす化合物、例えばおよび好ましくはイバブラジンなど;
・心筋ミオシン活性化剤、例えばおよび好ましくはオメカムチブ メカルビル(omecamtiv mecarbil)(CK−1827452)など;
・抗血栓剤、例えばおよび好ましくは、血小板凝集阻害剤、抗凝固剤および線維素溶解促進物質の群からのもの;
・血圧降下剤、例えばおよび好ましくは、カルシウムアンタゴニスト、アンジオテンシンAIIアンタゴニスト、ACE阻害剤、バソペプチダーゼ阻害剤、エンドセリンアンタゴニスト、レニン阻害剤、アルファブロッカー、ベータブロッカー、ミネラルコルチコイド受容体アンタゴニストおよび利尿剤の群からのもの;ならびに/または
・脂肪代謝を変える剤、例えばおよび好ましくは、甲状腺受容体アゴニスト、コレステロール合成阻害剤、例えばおよび好ましくはHMG−CoA還元酵素もしくはスクアレン合成の阻害剤など、ACAT阻害剤、CETP阻害剤、MTP阻害剤、PPAR−アルファ、PPAR−ガンマおよび/もしくはPPAR−デルタのアゴニスト、コレステロール吸収阻害剤、リパーゼ阻害剤、ポリマー性胆汁酸吸着物質、胆汁酸再吸収阻害剤およびリポタンパク質(a)アンタゴニストの群からのもの。
抗血栓剤は、好ましくは、血小板凝集阻害剤、抗凝固剤および線維素溶解促進物質の群からの化合物と理解されるものである。
本発明の好ましい実施形態において、本発明による化合物は、血小板凝集阻害剤、例えばおよび好ましくはアスピリン、クロピドグレル、チクロピジンまたはジピリダモールと組み合わせて投与される。
本発明の好ましい実施形態において、本発明による化合物は、トロンビン阻害剤、例えばおよび好ましくはキシメラガトラン、ダビガトラン、メラガトラン、ビバリルジンまたはエノキサパリンと組み合わせて投与される。
本発明の好ましい実施形態において、本発明による化合物は、GPIIb/IIIaアンタゴニスト、例えばおよび好ましくはチロフィバンまたはアブシキシマブと組み合わせて投与される。
本発明の好ましい実施形態において、本発明による化合物は、第Xa因子阻害剤、例えばおよび好ましくはリバロキサバン、アピキサバン、オタミキサバン、フィデキサバン、ラザキサバン、フォンダパリヌクス、イドラパリヌクス、DU−176b、PMD−3112、YM−150、KFA−1982、EMD−503982、MCM−17、MLN−1021、DX 9065a、DPC 906、JTV 803、SSR−126512またはSSR−128428と組み合わせて投与される。
本発明の好ましい実施形態において、本発明による化合物は、ヘパリンまたは低分子量(LMW)ヘパリン誘導体と組み合わせて投与される。
本発明の好ましい実施形態において、本発明による化合物は、ビタミンKアンタゴニスト、例えばおよび好ましくはクマリンと組み合わせて投与される。
血圧降下剤は、好ましくは、カルシウムアンタゴニスト、アンジオテンシンAIIアンタゴニスト、ACE阻害剤、バソペプチダーゼ阻害剤、エンドセリンアンタゴニスト、レニン阻害剤、アルファブロッカー、ベータブロッカー、ミネラルコルチコイド受容体アンタゴニストおよび利尿剤の群からの化合物と理解されるものである。
本発明の好ましい実施形態において、本発明による化合物は、カルシウムアンタゴニスト、例えばおよび好ましくはニフェジピン、アムロジピン、ベラパミルまたはジルチアゼムと組み合わせて投与される。
本発明の好ましい実施形態において、本発明による化合物は、アルファ−1−受容体ブロッカー、例えばおよび好ましくはプラゾシンまたはタムスロシンと組み合わせて投与される。
本発明の好ましい実施形態において、本発明による化合物は、ベータブロッカー、例えばおよび好ましくはプロプラノロール、アテノロール、チモロール、ピンドロール、アルプレノロール、オクスプレノロール、ペンブトロール、ブプラノロール、メチプラノロール、ナドロール、メピンドロール、カラゾロール、ソタロール、メトプロロール、ベタキソロール、セリプロロール、ビソプロロール、カルテオロール、エスモロール、ラベタロール、カルベジロール、アダプロロール、ランジオロール、ネビボロール、エパノロールまたはブシンドロールと組み合わせて投与される。
本発明の好ましい実施形態において、本発明による化合物は、アンジオテンシンAII受容体アンタゴニスト、例えばおよび好ましくはロサルタン、カンデサルタン、バルサルタン、テルミサルタン、イルベサルタン、オルメサルタン、エプロサルタンまたはアジルサルタンと組み合わせて投与される。
本発明の好ましい実施形態において、本発明による化合物は、バソペプチダーゼ阻害剤または中性エンドペプチダーゼ(NEP)の阻害剤、例えばおよび好ましくはサクビトリル、オマパトリラートまたはAVE−7688などと組み合わせて投与される。
本発明の好ましい実施形態において、本発明による化合物は、アンジオテンシンAII受容体デュアルアンタゴニスト/NEP阻害剤(ARNI)、例えばおよび好ましくはLCZ696と組み合わせて投与される。
本発明の好ましい実施形態において、本発明による化合物は、ACE阻害剤、例えばおよび好ましくはエナラプリル、カプトプリル、リシノプリル、ラミプリル、デラプリル、ホシノプリル、キノプリル(quinopril)、ペリンドプリルまたはトランドプリルと組み合わせて投与される。
本発明の好ましい実施形態において、本発明による化合物は、エンドセリンアンタゴニスト、例えばおよび好ましくはボセンタン、ダルセンタン、アンブリセンタン、テゾセンタンまたはシタクスセンタンと組み合わせて投与される。
本発明の好ましい実施形態において、本発明による化合物は、レニン阻害剤、例えばおよび好ましくはアリスキレン、SPP−600またはSPP−800と組み合わせて投与される。
本発明の好ましい実施形態において、本発明による化合物は、ミネラルコルチコイド受容体アンタゴニスト、例えばおよび好ましくはフィネレノン、スピロノラクトン、カンレノン、カンレノ酸カリウムまたはエプレレノンと組み合わせて投与される。
本発明の好ましい実施形態において、本発明による化合物は、利尿剤、例えばおよび好ましくはフロセミド、ブメタニド、ピレタニド、トルセミド、ベンドロフルメチアジド、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、キシパミド、インダパミド、ヒドロフルメチアジド、メチクロチアジド、ポリチアジド、トリクロロメチアジド、クロロタリドン、メトラゾン、キネタゾン、アセタゾラミド、ジクロロフェナミド、メタゾラミド、グリセリン、イソソルビド、マンニトール、アミロライドまたはトリアムテレンなどと組み合わせて投与される。
脂肪代謝を変える剤は、好ましくは、CETP阻害剤、甲状腺受容体アゴニスト、コレステロール合成阻害剤、例えばHMG−CoA還元酵素またはスクアレン合成の阻害剤など、ACAT阻害剤、MTP阻害剤、PPAR−アルファ、PPAR−ガンマおよび/またはPPAR−デルタのアゴニスト、コレステロール吸収阻害剤、ポリマー性胆汁酸吸着物質、胆汁酸再吸収阻害剤、リパーゼ阻害剤およびリポタンパク質(a)アンタゴニストの群からの化合物と理解されるものである。
本発明の好ましい実施形態において、本発明による化合物は、CETP阻害剤、例えばおよび好ましくはダルセトラピブ、アナセトラピブ、BAY 60−5521またはCETP−ワクチン(Avant)と組み合わせて投与される。
本発明の好ましい実施形態において、本発明による化合物は、甲状腺受容体アゴニスト、例えばおよび好ましくはD−チロキシン、3,5,3’−トリヨードチロニン(T3)、CGS 23425またはアキシチロム(CGS 26214)と組み合わせて投与される。
本発明の好ましい実施形態において、本発明による化合物は、スタチン類からのHMG−CoA還元酵素阻害剤、例えばおよび好ましくはロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチンまたはピタバスタチンと組み合わせて投与される。
本発明の好ましい実施形態において、本発明による化合物は、スクアレン合成阻害剤、例えばおよび好ましくはBMS−188494またはTAK−475と組み合わせて投与される。
本発明の好ましい実施形態において、本発明による化合物は、ACAT阻害剤、例えばおよび好ましくはアバシミベ、メリナミド、パクチミベ、エフルシミベまたはSMP−797と組み合わせて投与される。
本発明の好ましい実施形態において、本発明による化合物は、MTP阻害剤、例えばおよび好ましくはインプリタピド、R−103757、BMS−201038またはJTT−130と組み合わせて投与される。
本発明の好ましい実施形態において、本発明による化合物は、PPAR−ガンマアゴニスト、例えばおよび好ましくはピオグリタゾンまたはロシグリタゾンと組み合わせて投与される。
本発明の好ましい実施形態において、本発明による化合物は、PPAR−デルタアゴニスト、例えばおよび好ましくはGW 501516またはBAY 68−5042と組み合わせて投与される。
本発明の好ましい実施形態において、本発明による化合物は、コレステロール吸収阻害剤、例えばおよび好ましくはエゼチミブ、チクエシドまたはパマクエシドと組み合わせて投与される。
本発明の好ましい実施形態において、本発明による化合物は、リパーゼ阻害剤、例えばおよび好ましくはオルリスタットと組み合わせて投与される。
本発明の好ましい実施形態において、本発明による化合物は、ポリマー性胆汁酸吸着物質、例えばおよび好ましくはコレスチラミン、コレスチポール、コレソルバム(colesolvam)、CholestaGelまたはコレスチミドと組み合わせて投与される。
本発明の好ましい実施形態において、本発明による化合物は、胆汁酸再吸収阻害剤、例えばおよび好ましくはASBT(=IBAT)阻害剤、例えばAZD−7806、S−8921、AK−105、BARI−1741、SC−435またはSC−635などと組み合わせて投与される。
本発明の好ましい実施形態において、本発明による化合物は、リポタンパク質(a)アンタゴニスト、例えばおよび好ましくはゲムカベンカルシウム(CI−1027)またはニコチン酸と組み合わせて投与される。
とりわけ好ましい実施形態において、本発明の化合物は、利尿剤、アンジオテンシンAIIアンタゴニスト、ACE阻害剤、ベータ受容体ブロッカー、ミネラルコルチコイド受容体アンタゴニスト、有機硝酸塩、NOドナー、可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)の活性化剤、可溶性グアニル酸シクラーゼの刺激剤および陽性変力剤よりなる群から選択される1または複数の付加的な治療薬と組み合わせて投与される。
したがって、さらなる実施形態において、本発明は、疾患、特に前述の疾患の治療および/または予防のための、本発明による化合物のうちの少なくとも1および1または複数の付加的な治療薬を含む医薬組成物に関する。
さらには、本発明の化合物は、そのまままたは組成物中で、研究および診断においてまたは分析の標準品等として利用され得るものであり、これらは当該技術分野で周知である。
本発明の化合物が医薬としてヒトおよび他の哺乳動物に投与されるとき、それらをそれ自体で、または例えば1もしくは複数の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせた0.1%から99.5%(より好ましくは0.5%から90%)の活性成分を含有する医薬組成物として与えることができる。
したがって、別の態様において、本発明は、本発明による化合物のうちの少なくとも1を慣用的に1または複数の不活性な非毒性の薬学的に好適な賦形剤と共に含む医薬組成物、ならびに疾患、特に前述の疾患の治療および/または予防のためのその使用に関する。
本発明による化合物は、全身的におよび/または局所的に作用することができる。この目的のため、これらを好適な方法で、例えば経口、非経口、肺、鼻、舌、舌下、頬側、直腸、真皮、経皮、結膜、耳または局所の経路により、またはインプラントもしくはステントとして投与することができる。
これらの投与経路のため、本発明の化合物を好適な適用形態で投与することができる。
経口投与に適しているのは、技術水準に従って機能して本発明による化合物を迅速におよび/または改変された様式で送達する、本発明による化合物を結晶、非晶質および/または溶解された形で含有する適用形態であって、例えば錠剤(非コーティング錠、または例えば腸溶コーティング、もしくは不溶性もしくは遅延溶解性であって本発明による化合物の放出をコントロールするコーティングを持つコーティング錠)、口腔内で迅速に崩壊する錠剤、またはフィルム/オブラート、フィルム/凍結乾燥剤、カプセル剤(例としてハードまたはソフトゼラチンカプセル)、糖衣錠剤、粒剤、ペレット剤、散剤、エマルション剤、懸濁剤、エアロゾル剤または溶液剤である。
非経口適用は、吸収ステップを回避して(静脈内、動脈内、心臓内、脊髄内または腰椎内に)または吸収を含めて(筋肉内、皮下、皮内、経皮または腹腔内に)行うことができる。好適な非経口適用形態としては、溶液、懸濁液、エマルション、凍結乾燥物および滅菌粉末の形態の注射および注入調合剤が挙げられる。
他の適用経路に適している形態としては、例えば、吸入医薬形態(例として散剤吸入器、噴霧器)、点鼻薬、溶液剤またはスプレー剤、舌、舌下または頬側に投与される錠剤またはカプセル剤(例としてトローチ剤、舐剤)、坐剤、耳および眼の調合剤(例として滴剤、軟膏剤)、膣カプセル剤、水性懸濁剤(ローション剤、振盪混合剤(shaking mixture))、親油性懸濁剤、軟膏剤、クリーム剤、ミルク剤、ペースト剤、フォーム剤、散粉剤、経皮治療システム(例としてパッチ)、インプラントおよびステントが挙げられる。
好ましい実施形態において、上で定義されている式(I)の化合物を含む医薬組成物は、経口投与に適した形態で提供される。別の好ましい実施形態において、上で定義されている式(I)の化合物を含む医薬組成物は、静脈内投与に適した形態で提供される。
本発明による化合物は、不活性な非毒性の薬学的に好適な賦形剤と混合することにより、それ自体公知の方法で列挙された適用形態に変換することができる。これらの賦形剤としては、なかでも、担体(例として微結晶性セルロース、乳糖、マンニトール)、溶媒(例として液体ポリエチレングリコール)、乳化剤(例としてドデシル硫酸ナトリウム)、界面活性剤(例としてポリオキシソルビタンオレエート)、分散剤(例としてポリビニルピロリドン)、合成および天然のポリマー(例としてアルブミン)、安定剤(例として抗酸化剤、例えばアスコルビン酸など)、着色料(例として無機顔料、例えば酸化鉄など)ならびに香味および/または臭気のマスキング剤が挙げられる。
本発明の化合物の好ましい用量は、患者が耐えることができ、重篤な副作用を発生させない最大量である。例証的に、本発明の化合物は、約0.001mg/kg体重から約10mg/kg体重、好ましくは約0.01mg/kg体重から約1mg/kg体重の用量で非経口的に投与され得る。経口投与において、例示的な用量範囲は約0.01から100mg/kg体重、好ましくは約0.01から20mg/kg体重、より好ましくは約0.1から10mg/kg体重である。上で列挙した値の中間にある範囲もまた、本発明の一部であることが意図される。
それでもなお、本発明の医薬組成物中の活性成分の投与の実際の投薬量レベルおよびタイムコースは、特定の患者、組成物および投与様式に対する所望の治療応答を患者への毒性を伴わずに達成するために有効な活性成分の量を得るように変化させ得る。それゆえに、適切な場合、とりわけ患者の年齢、性別、体重、食事および全身健康状態、特定の化合物の生物学的利用能および薬力学的特性ならびにその投与様式および経路、投与を行う時間または間隔、選択される用量レジメン、個々の患者の活性成分への応答、併発する具体的な疾患、疾患の程度または併発もしくは重症度、同時治療の種類(すなわち本発明の化合物と他の共投与される治療薬との相互作用)ならびに他の関連のある状況に応じて、述べられた量から逸脱する必要があり得る。
したがって、前述の最少量よりも少ない量で十分に間に合うであろう場合もあれば、述べられた上限を超えなければならない場合もある。治療は、化合物の最適用量よりも少ない投薬量で開始することができる。その後、その状況下で最適の効果に達するまで、投薬量を少しずつ増やし得る。便宜上、一日あたりの総投薬量は、分割して、その日の中で分散させて個々の分量で投与され得る。
以下の例示的な実施形態は、本発明を説明するものである。本発明は、これらの例に限定されるものではない。
以下の試験および例におけるパーセンテージは、特に述べられないかぎり、重量により;部は重量による。液体/溶液について報告される溶媒の比率、希釈比率および濃度は各々容積に基づく。
実験部
略語および頭字語:
Figure 0006911052

Figure 0006911052
本出願中に記載される本発明の様々な態様は、本発明を限定することを何ら意味しない以下の例により説明される。
本明細書中に記載される例を試験する実験は本発明を説明するのに役立つものであり、本発明は与えられた例に限定されない。
実験部−一般的部分
その合成が実験部中に記載されていない全ての試薬は、市販されているか、または公知の化合物であるか、または当業者に公知の方法により公知の化合物から形成され得る。
本発明の方法に従って生産される化合物および中間体は、精製を必要とすることがある。有機化合物の精製は当業者に周知であり、同じ化合物を精製するいくつかの方法があり得る。いくつかの場合において、精製が必要でないこともある。いくつかの場合において、化合物は結晶化により精製され得る。いくつかの場合において、不純物は、好適な溶媒を用いた撹拌で除かれ得る。いくつかの場合において、化合物は、クロマトグラフィー、とりわけフラッシュカラムクロマトグラフィーにより、例えば充填済みのシリカゲルカートリッジ、例としてBiotage SNAPカートリッジKP−Sil(登録商標)またはKP−NH(登録商標)をBiotage自動精製装置システム(SP4(登録商標)またはIsolera Four(登録商標))および溶出液、例えばヘキサン/酢酸エチルまたはDCM/メタノールのグラジエントと組み合わせて用いて精製され得る。いくつかの場合において、化合物は、分取HPLCにより、例えばダイオードアレイ検出器および/またはオンラインエレクトロスプレーイオン化質量分析計を備えたWaters自動精製装置を、好適な充填済みの逆相カラム、ならびに例えばトリフルオロ酢酸、ギ酸またはアンモニア水などの添加物を含有し得る水およびアセトニトリルのグラジエントなどの溶出液と組み合わせて用いて精製され得る。
いくつかの場合において、上記の精製方法は、十分に塩基性または酸性の官能性を有する本発明の化合物を塩の形態で提供することができ、この塩は、例えば、十分に塩基性である本発明の化合物の場合は例えばトリフルオロ酢酸塩もしくはギ酸塩であり、または十分に酸性である本発明の化合物の場合は例えばアンモニウム塩である。このタイプの塩は、当業者に公知の様々な方法によりそれぞれその遊離塩基もしくは遊離酸の形態に転換することができ、または塩としてその後の生物学的アッセイにおいて用いることができる。本明細書中で単離され記載される本発明の化合物の具体的な形態(例として塩、遊離塩基など)は、必ずしも、具体的な生物学的活性を定量するために前記化合物を生物学的アッセイに適用することができる唯一の形態ではないことが理解されるものである。
以下でそれぞれ「ジアステレオマー1」および「ジアステレオマー2」と名付けられる1−ヒドロキシエチル置換基を保有する例化合物[一般式(I−B)]は、1−ヒドロキシエチル部分に関するその絶対配置(1Rまたは1S)が決定されていない分離されたジアステレオマーのペアを表す。
ジアステレオマー過剰率(d.e.)の値は、以下の式に従ってHPLCピーク面積の解析により通常の方法で決定した:
Figure 0006911052
LC/MSおよびHPLCの方法:
方法1(LC/MS):
機器:Waters Acquity SQD UPLC System;カラム:Waters Acquity UPLC HSS T3 1.8μ、50mm×1mm;溶出液A:1L 水+0.25mL 99%ギ酸、溶出液B:1L アセトニトリル+0.25mL 99%ギ酸;グラジエント:0.0分 90% A→1.2分 5% A→2.0分 5% A;オーブン:50℃;流速:0.40mL/分;UV検出:208−400nm。
方法2(LC/MS):
機器:Waters Acquity SQD UPLC System;カラム:Waters Acquity UPLC HSS T3 1.8μ、50mm×1mm;溶出液A:1L 水+0.25mL 99%ギ酸、溶出液B:1L アセトニトリル+0.25mL 99%ギ酸;グラジエント:0.0分 95% A→6.0分 5% A→7.5分 5% A;オーブン:50℃;流速:0.35mL/分;UV検出:210−400nm。
方法3(LC/MS):
機器 MS:Agilent MS Quad 6150;機器 HPLC:Agilent 1290;カラム:Waters Acquity UPLC HSS T3 1.8μ、50mm×2.1mm;溶出液A:1L 水+0.25mL 99%ギ酸、溶出液B:1L アセトニトリル+0.25mL 99%ギ酸;グラジエント:0.0分 90% A→0.3分 90% A→1.7分 5% A→3.0分 5% A;オーブン:50℃;流速:1.20mL/分;UV検出:205−305nm。
方法4(LC/MS):
機器 MS:Waters Synapt G2S;機器 UPLC:Waters Acquity I−CLASS;カラム:Waters、HSST3、2.1×50mm、C18 1.8μm;溶出液A:1L 水+0.01%ギ酸、溶出液B:1L アセトニトリル++0.01%ギ酸;グラジエント:0.0分 2% B→2.0分 2% B→13.0分 90% B→15.0分 90% B;オーブン:50℃;流速:1.20mL/分;UV検出:220nm 210nm。
方法5(分取HPLC):
カラム:Chromatorex C18 10μm、125mm×30mm;溶出液A:水+0.05% TFA、溶出液B:アセトニトリル+0.05% TFA;グラジエント:20% B→45% B、45% B アイソクラティック、45% B→80% B;カラム温度:室温;流速:50mL/分;UV検出:210nm。
実験部−出発物質および中間体
例1A
メチル {3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}アセテート
Figure 0006911052
アルゴン下、カリウム tert−ブトキシド(9.118g、81.26mmol)を、室温で、THF(40ml)中の5−(4−クロロフェニル)−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(WO2011/104322−A1中の例5A;20g、65.01mmol)の溶液に少しずつ加えた。この溶液にメチルブロモアセテート(10.939g、71.51mmol)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を次いで水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。16.4g(30.23mmol)の所望の化合物を得た(46.5%の収率、70%の純度)。
LC/MS[方法1]:R=0.90分;MS[ESIpos]:m/z=380(M+H)
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ[ppm] 3.70(s,3H),3.85(dd,1H),4.00(dd,1H),4.19−4.33(m,1H),4.72(s,2H),6.92(d,1H),7.60−7.69(m,2H),7.73−7.81(m,2H).
標題の化合物はまた、WO2011/104322−A1(例7A)中に記載されている手法によっても合成することができる。
例2A
2−{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}アセトヒドラジド
Figure 0006911052
7.2g(18.96mmol)のメチル {3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}アセテートを60mlの無水エタノール中に溶解した。この溶液に2.088g(41.71mmol)のヒドラジン水和物を加え、混合物を還流下で5時間、次いで室温で一晩撹拌した。結果として得られた混合物を真空中で部分的に濃縮し、次いで水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。残渣をジクロロメタン中に溶解し、結晶化の後に白色の固形物をろ過して除き、高真空下で乾燥させた。7.02g(18.49mmol)の所望の化合物を得た(97.5%の収率)。
LC/MS[方法1]:R=0.73分;MS[ESIpos]:m/z=380(M+H)
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ[ppm] 3.82(dd,1H),3.96(dd,1H),4.24−4.34(m,3H),4.38(d,2H),6.90(d,1H),7.61−7.66(m,2H),7.73−7.78(m,2H),9.23(t,1H).
例3A
5−(4−クロロフェニル)−2−({5−[(1RS)−1−ヒドロキシエチル]−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル}メチル)−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(ジアステレオマー混合物)
Figure 0006911052
アルゴン下、ナトリウムエトキシド(1.531g、21.59mmol、96%の純度)を、室温で、DMF(110ml)中の2−{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}アセトヒドラジド(4.1g、10.80mmol)および2−ヒドロキシプロパンイミドアミド塩酸塩(1.480g、11.88mmol)の溶液に少しずつ加えた。反応混合物を120℃で4.5時間撹拌した。冷却後、反応混合物を真空中で部分的に濃縮し、次いで酢酸エチルで希釈した。結果として得られた混合物を水で洗浄し、相分離後、水相を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。結果として得られた固形物を高真空下で乾燥させることで、4.90g(92%の純度、10.42mmol)の所望の化合物をジアステレオマーの混合物として与え、これをさらに精製せずに用いた。
LC/MS[方法1]:R=0.82分;MS[ESIpos]:m/z=433(M+H)
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ[ppm] 1.39(d,3H),3.79−3.88(m,1H),3.93−4.02(m,1H),4.24−4.36(m,1H),4.80(quin,1H),4.89−5.00(m,2H),5.73(d,1H),6.93(d,1H),7.58−7.65(m,2H),7.70−7.77(d,2H),13.68(s,1H).
例4A
5−(4−クロロフェニル)−2−({1−(3−クロロフェニル)−5−[(1RS)−1−ヒドロキシエチル]−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル}メチル)−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(ジアステレオマー混合物)
Figure 0006911052
ピリジン(10ml)中の5−(4−クロロフェニル)−2−({5−[(1RS)−1−ヒドロキシエチル]−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル}メチル)−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(430mg、0.795mmol、80%の純度)の溶液に、(3−クロロフェニル)ボロン酸(248.59mg、1.59mmol)および酢酸銅(II)(288.75mg、1.59mmol)を加えた。反応混合物を60℃まで2時間加熱し、次いで室温で5日間撹拌し、不完全な変換のため、その後に割増のボロン酸(62.1mg、0.40mmol)を加えた。反応混合物を再度60℃まで2時間加熱した後に、室温で一晩撹拌した。結果として得られた反応混合物を真空中で濃縮し、次いでMTBEで希釈し、塩酸水溶液(0.5M)でクエンチした。相分離後、水相をMTBEで2回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。粗精製の生成物を分取HPLC[方法5]により精製し、所望の化合物(130mg、0.24mmol)をジアステレオマーの混合物として得た(収率30.1%)。
LC/MS[方法2]:R=3.19分;MS[ESIpos]:m/z=543(M+H)
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ[ppm] 1.47(d,3H),3.85(dd,1H),4.01(dd,1H),4.30(br.s,1H),4.81(q,1H),5.02−5.13(m,2H),6.89(br.s,1H),7.56−7.67(m,5H),7.72−7.79(m,3H).
2つのジアステレオマーを分取キラルHPLC[試料調製:128mgを4mlのエタノール/イソヘキサン(1:1)中に溶解;注入量:1ml;カラム:Daicel Chiralcel(登録商標) OX−H 5μm、250×20mm;溶出液:イソヘキサン/エタノール 80:20;流速:15ml/分;温度:30℃;UV検出:220nm]により分離した。分離後、最初に溶出した52mgのジアステレオマー1(例5A)、および後で溶出した49mgのジアステレオマー2(例6A)が単離された。
例5A
5−(4−クロロフェニル)−2−{[1−(3−クロロフェニル)−5−(1−ヒドロキシエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]メチル}−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(ジアステレオマー1)
Figure 0006911052
LC/MS[方法2]:R=3.14分;MS[ESIpos]:m/z=543(M+H)
分析キラルHPLC:R=9.96分、d.e.=100%[カラム:LUX Cellulose−4、5μm、250×4.6mm;溶出液:イソヘキサン/エタノール 80:20;流速:1ml/分;温度:35℃;UV検出:220nm].
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ[ppm] 1.47(d,3H),3.85(dd,1H),4.01(dd,1H),4.23−4.36(m,1H),4.81(quin,1H),5.01−5.13(m,2H),5.76(d,1H),6.89(d,1H),7.56−7.66(m,5H),7.71−7.79(m,3H).
13C NMR(125MHz,DMSO−d):δ[ppm] 21.3,42.1,42.2,59.6,65.5,123.0,124.5,124.6,125.3,128.5,128.9(2x),130.0(2x),130.7,133.0,135.2,138.2,144.8,153.1,157.8,158.6.
例6A
5−(4−クロロフェニル)−2−{[1−(3−クロロフェニル)−5−(1−ヒドロキシエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]メチル}−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(ジアステレオマー2)
Figure 0006911052
LC/MS[方法2]:R=3.15分;MS[ESIpos]:m/z=543(M+H)
分析キラルHPLC:R=14.41分、d.e.=100%[カラム:LUX Cellulose−4、5μm、250×4.6mm;溶出液:イソヘキサン/エタノール 80:20;流速:1ml/分;温度:35℃;UV検出:220nm].
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ[ppm] 1.47(d,3H),3.85(dd,1H),4.01(dd,1H),4.24−4.37(m,1H),4.81(quin,1H),5.07(s,2H),5.76(d,1H),6.90(d,1H),7.56−7.66(m,5H),7.71−7.79(m,3H).
例7A
5−(4−クロロフェニル)−2−({1−(3−フルオロフェニル)−5−[(1RS)−1−ヒドロキシエチル]−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル}メチル)−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(ジアステレオマー混合物)
Figure 0006911052
ピリジン(10ml)中の5−(4−クロロフェニル)−2−({5−[(1RS)−1−ヒドロキシエチル]−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル}メチル)−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(430mg、0.795mmol、80%の純度)の溶液に、(3−フルオロフェニル)ボロン酸(222.432mg、1.59mmol)および酢酸銅(II)(288.75mg、1.59mmol)を加えた。反応混合物を60℃まで2時間加熱し、次いで室温で5日間撹拌し、不完全な変換のため、その後に割増のボロン酸(55.6mg、0.40mmol)を加えた。反応混合物を再度60℃まで2時間加熱した後に、室温で一晩撹拌した。結果として得られた反応混合物を真空中で濃縮し、次いでMTBEで希釈し、塩酸水溶液(0.5M)でクエンチした。相分離後、水相をMTBEで2回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。粗精製の生成物を分取HPLC[方法5]により精製し、所望の化合物(100mg、0.19mmol)をジアステレオマーの混合物として得た(収率23.9%)。
LC/MS[方法2]:R=2.99分;MS[ESIpos]:m/z=527(M+H)
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ[ppm] 1.47(d,3H),3.85(dd,1H),4.01(dd,1H),4.30(br.s,1H),4.83(q,1H),5.02−5.13(m,2H),6.89(br.s,1H),7.38(td,1H),7.48−7.66(m,5H),7.72−7.78(m,2H).
2つのジアステレオマーを分取キラルHPLC[試料調製:97mgを4mlのエタノール/イソヘキサン(1:1)中に溶解;注入量:1ml;カラム:Daicel Chiralcel(登録商標) OX−H 5μm、250×20mm;溶出液:イソヘキサン/エタノール 80:20;流速:15ml/分;温度:30℃;UV検出:220nm]により分離した。分離後、最初に溶出した36mgのジアステレオマー1(例8A)、および後で溶出した40mgのジアステレオマー2(例9A)が単離された。
例8A
5−(4−クロロフェニル)−2−{[1−(3−フルオロフェニル)−5−(1−ヒドロキシエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]メチル}−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(ジアステレオマー1)
Figure 0006911052
LC/MS[方法3]:R=1.24分;MS[ESIpos]:m/z=527(M+H)
分析キラルHPLC:R=9.71分、d.e.=100%[カラム:LUX Cellulose−4、5μm、250×4.6mm;溶出液:イソヘキサン/エタノール 80:20;流速:1ml/分;温度:40℃;UV検出:220nm].
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ[ppm] 1.47(d,3H),3.85(dd,1H),4.00(dd,1H),4.23−4.37(m,1H),4.82(quin,1H),5.01−5.13(m,2H),5.76(d,1H),6.89(d,1H),7.38(td,1H),7.48−7.66(m,5H),7.72−7.79(m,2H).
例9A
5−(4−クロロフェニル)−2−{[1−(3−フルオロフェニル)−5−(1−ヒドロキシエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]メチル}−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(ジアステレオマー2)
Figure 0006911052
LC/MS[方法2]:R=2.93分;MS[ESIpos]:m/z=527(M+H)
分析キラルHPLC:R=13.60分、d.e.=100%[カラム:LUX Cellulose−4、5μm、250×4.6mm;溶出液:イソヘキサン/エタノール 80:20;流速:1ml/分;温度:40℃;UV検出:220nm].
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ[ppm] 1.47(d,3H),3.85(dd,1H),4.01(dd,1H),4.24−4.36(m,1H),4.83(quin,1H),5.07(s,2H),5.76(d,1H),6.90(d,1H),7.38(td,1H),7.48−7.65(m,5H),7.72−7.78(m,2H).
例10A
5−(4−クロロフェニル)−2−({1−(2−クロロフェニル)−5−[(1RS)−1−ヒドロキシエチル]−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル}メチル)−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(ジアステレオマー混合物)
Figure 0006911052
ピリジン(50ml)中の5−(4−クロロフェニル)−2−({5−[(1RS)−1−ヒドロキシエチル]−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル}メチル)−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(2.10g、3.88mmol、80%の純度)の溶液に、(2−クロロフェニル)ボロン酸(1.214g、7.76mmol)および酢酸銅(II)(1.410g、7.76mmol)を加えた。反応混合物を60℃まで1時間加熱し、次いで室温で5日間撹拌し、不完全な変換のため、その後に割増のボロン酸(303mg、1.94mmol)を加えた。室温で追加で2日間撹拌した後、結果として得られた反応混合物を真空中で濃縮し、次いでMTBEで希釈し、塩酸水溶液(0.5M)でクエンチした。相分離後、水相をMTBEで2回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。粗精製の生成物を分取HPLC[方法5]により精製し、所望の化合物(580mg、1.01mmol、95%の純度)をジアステレオマーの混合物として得た(収率26.1%)。
LC/MS[方法3]:R=1.24分;MS[ESIpos]:m/z=543(M+H)
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ[ppm] 1.38(d,3H),3.85(dd,1H),4.00(dd,1H),4.30(br.s,1H),4.55−4.64(m,1H),5.01−5.13(m,2H),6.85−6.94(m,1H),7.50−7.65(m,5H),7.67−7.78(m,3H).
2つのジアステレオマーを分取キラルHPLC(SFC)[試料調製:575mgを35mlのメタノール中に溶解;注入量:0.4ml;カラム:Daicel Chiralcel(登録商標) OX−H 5μm、250×20mm;溶出液:二酸化炭素/メタノール 70:30;流速:80ml/分;温度:40℃;UV検出:210nm]により分離した。分離後、最初に溶出した206mgのジアステレオマー1(例11A)、および後で溶出した189mgのジアステレオマー2(例12A)が単離された。
例11A
5−(4−クロロフェニル)−2−{[1−(2−クロロフェニル)−5−(1−ヒドロキシエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]メチル}−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(ジアステレオマー1)
Figure 0006911052
LC/MS[方法3]:R=1.24分;MS[ESIpos]:m/z=543(M+H)
分析キラルHPLC:R=8.34分、d.e.=100%[カラム:LUX Cellulose−4、5μm、250×4.6mm;溶出液:イソヘキサン/エタノール 70:30;流速:1ml/分;温度:40℃;UV検出:220nm].
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ[ppm] 1.38(d,3H),3.85(dd,1H),4.00(dd,1H),4.30(br.s,1H),4.59(q,1H),5.01−5.13(m,2H),5.50(br.s,1H),6.90(d,1H),7.50−7.65(m,5H),7.67−7.78(m,3H).
例12A
5−(4−クロロフェニル)−2−{[1−(2−クロロフェニル)−5−(1−ヒドロキシエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]メチル}−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(ジアステレオマー2)
Figure 0006911052
分析キラルHPLC:R=11.88分、d.e.=98.1%[カラム:LUX Cellulose−4、5μm、250×4.6mm;溶出液:イソヘキサン/エタノール 70:30;流速:1ml/分;温度:40℃;UV検出:220nm].
H NMR(400MHz,DMSO−d):δ[ppm] 1.38(d,3H),3.85(dd,1H),4.00(dd,1H),4.24−4.36(m,1H),4.54−4.65(m,1H),5.07(s,2H),5.51(br.s,1H),6.90(d,1H),7.50−7.65(m,5H),7.68−7.79(m,3H).
例13A
2−{[5−アセチル−1−(3−クロロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]メチル}−5−(4−クロロフェニル)−4−{[2−(トリフルオロメチル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メチル}−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン
Figure 0006911052
DMF(1.7ml)中の2−{[5−アセチル−1−(3−クロロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]メチル}−5−(4−クロロフェニル)−4−(3,3,3−トリフルオロ−2−オキソプロピル)−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(160mg、0.25mmol、実施例4)に2−クロロエタノール(21μl、0.32mmol)および炭酸カリウム(44mg、0.32mmol)を室温で加えた。室温で18時間撹拌した後、混合物を固形物からろ過し、ろ液を真空中で濃縮した。残渣を15mlの酢酸エチル中に溶解し、10mlの水で3回、ブラインで1回洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。粗精製の生成物を分取HPLC[方法5]により精製した。99mg(0.17mmol)の所望の化合物を得た(収率=67.5%)。
LC/MS[方法6]:R=2.19分;MS[ESIpos]:m/z=583(M+H)
H NMR(400MHz,CDCl) δ[ppm] 2.68(s,3H),3.72−3.82(m,2H),3.92−3.97(m,2H),4.27(s,2H),5.28(s,2H),7.26−7.30(m,1H),7.36−7.41(m,2H),7.43−7.48(m,3H),7.54−7.59(m,2H).
例14A
5−(4−クロロフェニル)−2−{[1−(3−クロロフェニル)−5−(1−ヒドロキシエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]メチル}−4−{[2−(トリフルオロメチル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メチル}−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン
Figure 0006911052
メタノール(1.0ml)中の2−{[5−アセチル−1−(3−クロロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]メチル}−5−(4−クロロフェニル)−4−{[2−(トリフルオロメチル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メチル}−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(95mg、0.16mmol、例13A)の溶液に、0℃で水素化ホウ素ナトリウム(5.5mg、0.15mmol)を加えた。室温で2時間撹拌した後、混合物を5mlの水でクエンチし、110mlの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。粗精製の生成物をさらに精製せずに次の反応のために用いた。83mg(0.13mmol)の所望の化合物を得た(収率=80.1%)。
LC/MS[方法1]:R=1.13分;MS[ESIpos]:m/z=585(M+H)
実験部−実施例
実施例1
2−{[5−アセチル−1−(3−クロロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]メチル}−5−(4−クロロフェニル)−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン
Figure 0006911052
ジクロロメタン(14ml)中の5−(4−クロロフェニル)−2−{[1−(3−クロロフェニル)−5−(1−ヒドロキシエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]メチル}−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(200mg、0.368mmol、例6A ジアステレオマー2)の溶液に、デス・マーチン・ペルヨージナン(156.1mg、0.368mmol)を0℃で加えた。0℃で2時間撹拌した後、割増分量のデス・マーチン・ペルヨージナン(78mg、0.184mmol)を加え、反応混合物を0℃で一晩撹拌した。反応混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液(1M)およびチオ硫酸ナトリウム水溶液(10%)でクエンチした。相分離後、水相をジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。粗精製の生成物を最初に分取HPLC[方法5]により精製した。分取キラルHPLC(SFC)による2回目の精製[試料調製:117mgを10mlのイソプロパノールおよびイソヘキサンの混合物中に溶解;注入量:0.75ml;カラム:Daicel Chiralpak IF 5μm、250×20mm;溶出液:イソヘキサン/イソプロパノール 50:50;流速:20ml/分;温度:35℃;UV検出:220nm]は、72mg(0.13mmol)の所望の化合物を与えた(収率=36.1%)。
LC/MS[方法4]:R=8.15分;MS[ESIpos]:m/z=541(M+H)
H NMR(400MHz,DMSO−d) δppm 2.61(s,3H),3.86(dd,1H),4.01(dd,1H),4.23−4.36(m,1H),5.12−5.22(m,2H),6.89(d,1H),7.48−7.65(m,5H),7.71(t,1H),7.72−7.77(m,2H)
実施例2
2−{[5−アセチル−1−(3−フルオロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]メチル}−5−(4−クロロフェニル)−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン
Figure 0006911052
ジクロロエタン(9ml)中の5−(4−クロロフェニル)−2−{[1−(3−フルオロフェニル)−5−(1−ヒドロキシエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]メチル}−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(150mg、0.285mmol、例9A ジアステレオマー2)の溶液に、酸化マンガン(IV)(74.2mg、0.854mmol)を室温で加えた。反応混合物を60℃で4日間撹拌した。この間にわたって、4回の追加分量の酸化マンガン(IV)(合計123.75mg、1.42mmol)を加えた。反応混合物を次いでセライトを通してろ過した。セライトをジクロロメタンおよびメタノールの混合物で洗浄した後、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。粗精製の生成物を最初に分取HPLC[方法5]により精製した。分取キラルHPLC(SFC)による2回目の精製[試料調製:133mgをエタノール、メタノールおよびアセトニトリルの混合物(10ml)中に溶解;注入量:0.5ml;カラム:カラム:Daicel Chiralcel(登録商標) OX−H 5μm、250×20mm;溶出液:二酸化炭素/メタノール 90:10;流速:100ml/分;温度:40℃;UV検出:210nm]は、48mg(0.09mmol)の所望の化合物を与えた(収率=32%)。
LC/MS[方法4]:R=7.77分;MS[ESIpos]:m/z=525(M+H)
H NMR(400MHz,DMSO−d) δppm 2.62(s,3H),3.86(dd,1H),4.01(dd,1H),4.24−4.33(m,1H),5.12−5.22(m,2H),6.89(d,1H),7.35−7.43(m,2H),7.49−7.60(m,2H),7.60−7.65(m,2H),7.72−7.79(m,2H)
実施例3
2−{[5−アセチル−1−(2−クロロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]メチル}−5−(4−クロロフェニル)−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン
Figure 0006911052
ジクロロエタン(34ml)中の5−(4−クロロフェニル)−2−{[1−(2−クロロフェニル)−5−(1−ヒドロキシエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]メチル}−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(560mg、1.031mmol、例12A ジアステレオマー2)の溶液に、酸化マンガン(IV)(358.4mg、4.123mmol)を室温で加えた。反応混合物を60℃で5時間撹拌した。室温で一晩撹拌した後、不完全な変換のために割増分量の酸化マンガン(IV)(358.4mg、4.12mmol)を加えた。反応混合物を60℃で9時間撹拌し、次いでセライトを通してろ過した。セライトをジクロロメタンおよびメタノールの混合物で洗浄した後、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。粗精製の生成物を最初に分取HPLC[方法5]により精製した。分取キラルHPLC(SFC)による2回目の精製[試料調製:450mgをエタノール、メタノールおよびアセトニトリルの混合物(20ml)中に溶解;注入量:0.3ml;カラム:カラム:Daicel Chiralcel(登録商標) OX−H 5μm、250×20mm;溶出液:二酸化炭素/メタノール 85:15;流速:90ml/分;温度:40℃;UV検出:210nm]は、320mg(0.59mmol)の所望の化合物を与えた(収率=56.7%)。
LC/MS[方法4]:R=7.89分;MS[ESIpos]:m/z=541(M+H)
H NMR(400MHz,DMSO−d) δ[ppm] 2.61(s,3H),3.86(dd,1H),4.01(dd,1H),4.24−4.36(m,1H),5.15−5.24(m,2H),6.89(d,1H),7.48−7.54(m,1H),7.56−7.65(m,4H),7.67−7.71(m,1H),7.72−7.78(m,2H).
実施例4
2−{[5−アセチル−1−(3−クロロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]メチル}−5−(4−クロロフェニル)−4−(3,3,3−トリフルオロ−2−オキソプロピル)−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン
Figure 0006911052
ジクロロメタン(15ml)中の2−{[5−アセチル−1−(3−クロロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]メチル}−5−(4−クロロフェニル)−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(500mg、0.92mmol、実施例1)の溶液に、デス・マーチン・ペルヨージナン(1175mg、2.77mmol)を0℃で加えた。0℃で2時間撹拌した後、反応混合物を25mlの飽和炭酸水素ナトリウム溶液でクエンチし、これに1.5gのチオ硫酸ナトリウムを溶解した。30分間撹拌した後、相を分離し、水相をジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。粗精製の生成物を分取HPLC[方法5]により精製した。162mg(0.30mmol)の所望の化合物を得た(収率=32.5%)。
LC/MS[方法6]:R=2.06分;MS[ESIpos]:m/z=539(M+H)
H NMR(400MHz,DMSO−d) δ[ppm] 2.60(s,3H),4.14(s,2H),5.12−5.22(m,2H),7.48−7.62(m,5H),7.64−7.73(m,3H)
実施例5
5−(4−クロロフェニル)−2−({1−(3−クロロフェニル)−5−[(1S,R)−1−ヒドロキシエチル]−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル}メチル)−4−(3,3,3−トリフルオロ−2−オキソプロピル)−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン
Figure 0006911052
ジクロロメタン(1.55ml)中の5−(4−クロロフェニル)−2−{[1−(3−クロロフェニル)−5−(1−ヒドロキシエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]メチル}−4−{[2−(トリフルオロメチル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メチル}−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(62mg、0.106mmol、例14A)の溶液に、三臭化ホウ素(0.212mlの1Mジクロロメタン溶液、0.212mmol)を−10℃で加えた。−10℃で3時間撹拌した後、追加分量の三臭化ホウ素(0.053mlの1Mジクロロメタン溶液、0.053mmol)を加えた。撹拌を室温で18時間続けた。追加の三臭化ホウ素(0.053mlの1Mジクロロメタン溶液、0.053mmol)を室温で加えた。2時間後、反応混合物を5mlの飽和炭酸水素ナトリウムでクエンチした。相を分離し、水相をジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。粗精製の生成物を分取HPLC[方法5]により精製した。28mg(0.05mmol)の所望の化合物を得た(収率=48.7%)。
LC/MS[方法6]:R=1.85分;MS[ESIpos]:m/z=541(M+H)
H NMR(400MHz,DMSO−d) δ[ppm] 1.43−1.49(m,3H),4.04−4−16(m,2H),4.76−4.85(m,1H),5.02−5.12(m,2H),5.76(t,1H),7.54−7.78(m,8H)
実験部−生物学的アッセイ
略語および頭字語:
Figure 0006911052

Figure 0006911052
本発明の化合物の活性の実証は、当該技術分野で周知のインビトロ、エクスビボおよびインビボのアッセイを通じて達成され得る。例えば、本発明の化合物の活性を実証するため、以下のアッセイが用いられ得る。
B−1.バソプレッシン受容体活性を決定するための細胞のインビトロアッセイ
ヒト、ラットおよびイヌからのV1aおよびV2バソプレッシン受容体のアゴニストおよびアンタゴニストの同定、同様に本発明の化合物の活性の定量は、組換え細胞株を用いて行われる。これらの細胞株は、ハムスター卵巣上皮細胞を起源とする(チャイニーズハムスター卵巣、CHO K1、ATCC:American Type Culture Collection,Manassas,VA 20108,米国)。試験細胞株は、ヒト、ラットまたはイヌのV1aまたはV2受容体を恒常的に発現する。Gαq共役V1a受容体の場合、細胞には改変形態のカルシウム感受性発光タンパク質であるエクオリン(ヒトおよびラットのV1a)またはオベリン(イヌのV1a)も安定的にトランスフェクトされ、これらは補因子セレンテラジンでの再構成後に遊離カルシウム濃度の上昇があると発光する[Rizzuto R,Simpson AW,Brini M,Pozzan T,Nature 358,325−327(1992);Illarionov BA,Bondar VS,Illarionova VA,Vysotski ES,Gene 153(2),273−274(1995)]。結果として得られたバソプレッシン受容体細胞は、カルシウムイオンの細胞内放出による組換え発現V1a受容体の刺激に反応し、これは、結果として得られた発光タンパク質の発光により定量することができる。G共役V2受容体は、CRE応答性プロモーターのコントロール下でホタルルシフェラーゼ遺伝子を発現する細胞株内に安定的にトランスフェクトされる。V2受容体の活性化は、cAMP上昇を介してCRE応答性プロモーターの活性化を誘導し、それによってホタルルシフェラーゼの発現を誘導する。V1a細胞株の発光タンパク質により発せられる光、同様にV2細胞株のホタルルシフェラーゼにより発せられる光は、それぞれのバソプレッシン受容体の活性化または阻害に対応する。細胞株の生物発光は、好適なルミノメーターを用いて検出される[Milligan G,Marshall F,Rees S,Trends in Pharmacological Sciences 17,235−237(1996)]。
試験手法:
バソプレッシンV1a受容体細胞株:
アッセイの前日に、細胞を384ウェルマイクロタイタープレート内の培養培地(DMEM/F12、2% FCS、2mMグルタミン、10mM HEPES、5μg/mlセレンテラジン)中に播き、細胞インキュベーター(96%湿度、5% v/v CO、37℃)内で維持する。アッセイの日に、様々な濃度の試験化合物をマイクロタイタープレートのウェル中に10分間置き、その後にEC50濃度のアゴニスト[Arg]−バソプレッシンを加える。結果として得られた光シグナルをルミノメーター内で直ちに測定する。
バソプレッシンV2受容体細胞株:
アッセイの前日に、細胞を384ウェルマイクロタイタープレート内の培養培地(DMEM/F12、2% FCS、2mMグルタミン、10mM HEPES)中に播き、細胞インキュベーター(96%湿度、5% v/v CO、37℃)内で維持する。アッセイの日に、様々な濃度の試験化合物およびEC50濃度のアゴニスト[Arg]−バソプレッシンを共にウェルに加え、プレートを細胞インキュベーター内で3時間インキュベートする。細胞溶解試薬Triton(商標)および基質ルシフェリンを添加したら、ホタルルシフェラーゼの発光をルミノメーター内で測定する。
下の表1Aに、ヒトV1aまたはV2受容体をトランスフェクトした細胞株から得られた本発明の化合物(ジアステレオマー混合物、同様に分離されたエナンチオピュアなジアステレオマーを包含する)について個々のIC50値を収載する:
表1A
Figure 0006911052
表1A中に収載されたIC50データは、本発明の化合物がバソプレッシンV1aおよびV2受容体の大いに強力なデュアルアンタゴニストとして作用していることを実証するものである。
比較目的のため、最も近い従来技術の代表であると考えられる、選択されたフェニル−トリアゾール誘導体およびイミダゾール誘導体(国際特許出願WO2011/104322−A1およびその中に記載されている例化合物を参照されたい)も、上記の細胞V1aおよびV2アッセイにおいて試験した。ヒトV1aまたはV2受容体をトランスフェクトした細胞株から得られたこれらの化合物についてのIC50値を下の表1Bに収載する:
表1B
Figure 0006911052
B−2.放射性結合アッセイ
IC50およびKの値は、ヒト、ラットまたはイヌのバソプレッシンV1aおよびV2受容体のそれぞれを発現する組換えCHO細胞株の膜画分を用いた放射性結合競合SPAアッセイにおいて決定した。これらの細胞は、ハムスター卵巣上皮細胞に由来する(チャイニーズハムスター卵巣、CHO K1、ATCC:American Type Culture Collection,Manassas,VA 20108,米国)。加えて、細胞にヒト、ラットまたはイヌのV1aまたはV2受容体を安定的にトランスフェクトする。膜調製物を、下に記載される放射性受容体結合競合アッセイに供した。
それぞれのバソプレッシン受容体をトランスフェクトしたCHO細胞を、DMEM/F12、10% FCS、15mM HEPES、1mg/ml G418を含むT−175フラスコ内で適切な量で増殖させ、細胞インキュベーター(96%湿度、5% v/v CO、37℃)内で維持した。適切な培養密度に達した後、膜調製のために細胞を回収した。細胞をPBS中に掻き取り、200×gで5分間、室温での穏やかな遠心分離により沈殿させた。ペレットをPBS中に再懸濁し、再度遠心分離した。このステップをもう一度繰り返した後、結果として得られたペレットを−80℃で30分間急速冷凍した。凍らせたペレットを氷冷調製バッファー(50mM TRIS、2mM EDTA、2mM DTT、Complete Protease Inhibitor Cocktail)中に再懸濁し、2000rpmで35秒間ホモジナイズした(Polytron PT3000,Kinematica)。ホモジネートを氷上で2分間冷やし、ホモジナイズを2回繰り返した。結果として得られたホモジネートを500×gで10分間、4℃で遠心分離した。膜を4500×gで20分間、4℃で沈殿させ、保存バッファー(7.5mM TRIS、12.5mM MgCl、0.3mM EDTA、250mMショ糖、cOmplete Protease Inhibitor Cocktail)中に再懸濁し、2000rpmで2秒間ホモジナイズした(Polytron PT3000,Kinematica)。タンパク質濃度をBCA Protein Assay(Thermo Scientific Pierce)を用いることにより決定し、膜調製物を−80℃で保存した。使用の日に、一定分量を解凍して短時間ボルテックスした。
試験化合物の受容体結合アフィニティーの決定のため、SPAアッセイを以下のように設定した。各々の膜調製物について、KおよびBmaxの値を決定した。これらのデータから、SPAビーズの数(WGA PVTビーズ、PerkinElmer、200μg/ウェル)、放射性リガンドの濃度(H−AVP、PerkinElmer、2.431TBq/mmol、終濃度1〜2×K)およびそれぞれの膜調製物の量(10μgタンパク質/ウェル)を、96ウェルプレート内での結合バッファー(50mM TRIS、0.2% BSA)中のアッセイ容量(100μl)に合わせた。試験化合物を結合バッファー中で希釈し(終濃度10−4Mから10−12M)、アッセイに供した。プレートを1〜3時間、室温で穏やかに振盪し、1〜2時間さらにインキュベートした。結合したH−AVPにより生成されたシグナルをβ−カウンター(1450 Microbeta Trilux)を用いて測定した。これらの結果から、試験化合物についてのIC50およびKの値をGraphPad Prismを用いて算出した。
B−3.線維形成促進遺伝子の制御に対するバソプレッシンV1a受容体アンタゴニストの作用を検出するための細胞のインビトロアッセイ
ラット心臓組織から単離された心筋細胞型として記載されている細胞株H9C2(American Type Culture Collection No.CRL−1446)は、バソプレッシンV1A受容体AVPR1Aを高コピー数で内因的に発現しているが、AVPR2発現を検出することはできない。受容体アンタゴニストによる遺伝子発現のAVPR1A受容体依存的制御の阻害についての細胞アッセイのための手法は以下の通りである:
H9C2細胞を、2.0mlのOpti−MEM培地(Invitrogen Corp.,Carlsbad,CA,米国,Cat.No.11058−021)中の50000細胞/ウェルの細胞密度で細胞培養用の6ウェルマイクロタイタープレート中に播種し、細胞インキュベーター(96%湿度、8% v/v CO、37℃)内で保つ。24時間後、3つのウェルのセット(3連)に、媒体溶液(陰性対照)およびバソプレッシン溶液([Arg]−バソプレッシンアセテート,Sigma,Cat.No.V9879)、または試験化合物(媒体:20% v/vエタノールを含む水中に溶解したもの)およびバソプレッシン溶液を入れる。細胞培養液中で、最終バソプレッシン濃度は1nMである。細胞アッセイにおけるエタノールの終濃度0.03%を超えないように、試験化合物溶液を細胞培養液に少量加える。5時間のインキュベーション時間の後、培養上清を吸引下で取り除き、付着細胞を350μlのRLTバッファー(Qiagen,Cat.No.79216)中に溶解し、RNeasyキット(Qiagen,Cat.No.74104)を用いて溶解液からRNAを単離する。この後に、DNAse消化(Invitrogen,Cat.No.18068−015)、cDNA合成(Promaga,ImProm−II Reverse Transcription System,Cat.No.A3800)およびRTPCR(pPCR MasterMix RT−QP2X−03−075,Eurogentec,Seraing,ベルギー)が行われる。全ての手法は試験試薬製造業者の作業プロトコールに従ってなされる。RTPCR用のプライマーセットはmRNA遺伝子配列(NCBI GenBank Entrez Nucleotide Data Base)に基いて、Primer3Plusプログラムを用いて、6−FAM TAMRA標識プローブと共に選択される。様々なアッセイバッチの細胞における相対的mRNA発現を決定するためのRTPCRは、Applied Biosystems ABI Prism 7700 Sequence Detectorを用いて、384ウェルマイクロタイタープレート様式で、機器操作説明書に従って行われる。相対的遺伝子発現は、リボソームタンパク質L−32遺伝子(GenBank Acc.No.NM_013226)の発現レベルおよびCt=35の閾値Ct値を参照して、デルタ−デルタCt値[Applied Biosystems,User Bulletin No.2 ABI Prism 7700 SDS,1997年12月11日(2001年10月アップデート)]により表される。
B−4.心血管効果を検出するためのインビボアッセイ:麻酔ラットにおける血圧測定(バソプレッシン「チャレンジ」モデル)
ケタミン/キシラジン/ペントバルビタール注射麻酔下の雄性Sprague−Dawleyラット(250〜350g体重)において、ヘパリン(500IU/ml)を含有する等張性塩化ナトリウム溶液を予め満たしたポリエチレンチューブ(PE−50,Intramedic(登録商標))を頸静脈および大腿静脈の中に導入し、次いで接続する。1つの静脈アクセスを介して、シリンジを使ってArg−バソプレッシンを注入する;試験物質を2つ目の静脈アクセスを介して投与する。収縮期血圧の決定のため、血圧カテーテル(Millar SPR−320 2F)を頸動脈内に接続する。動脈カテーテルを、好適な記録ソフトウェアを備えた記録コンピューターにそのシグナルを送る血圧トランスデューサーにつなぐ。典型的な実験において、実験動物に、等張性塩化ナトリウム溶液中の決められた量のArg−バソプレッシン(30ng/kg)を含むボーラス注入物を、10〜15分の間隔で3〜4回連続的にボーラス注射で投与する。血圧が再度初期レベルに達したら、試験物質を、好適な溶媒中のボーラスとして、その後の連続注入を伴って投与する。この後、決められた間隔(10〜15分)で、開始時と同量のArg−バソプレッシンを再度投与する。血圧の値に基いて、試験物質がArg−バソプレッシンの昇圧効果を中和する程度から決定がなされる。対照動物は試験物質の代わりに溶媒のみを受ける。
静脈内投与の後に、本発明の化合物は、溶媒対照と比べて、Arg−バソプレッシンにより引き起こされる血圧上昇の阻害をもたらす。
B−5.心血管効果を検出するためのインビボアッセイ:代謝ケージ内で飼育された覚醒ラットにおける利尿調査
Wistarラット(220〜450g体重)を自由摂餌(Altromin)および自由飲水で飼育する。実験中、動物を自由飲水で4から8時間または最大24時間まで、この体重クラスのラットに適した代謝ケージ(Tecniplast Deutschland GmbH,D−82383 Hohenpeisenberg)内で個別に飼育する。実験開始時に、動物に、1から3ml/kg体重の量の好適な溶媒中の試験物質をゾンデを使って胃内投与する。対照動物は溶媒のみを受ける。対照および物質の試験は同じ日に並行して行われる。対照群および物質投薬群は、各々4から8匹の動物からなる。実験中、動物により排泄された尿をケージ基部の受器内に連続的に収集する。時間単位あたりの尿量を各動物について別々に決定し、尿中の電解質濃度を炎光光度法の標準的方法により測定する。実験開始前に、個々の動物の体重を決定する。
経口投与の後に、溶媒対照の適用と比べて、本発明の化合物は、尿排泄量の増加をもたらし、これは水排泄量の増加(水利尿)に本質的に基づくものである。
下の表2Aは、2つの異なる投薬量における例示的な本発明の化合物について、溶媒対照(=100%)に対する尿排泄量の観察された変化を示す:
表2A
Figure 0006911052
比較目的のため、最も近い従来技術の代表であると考えられる、選択されたフェニル−トリアゾール誘導体およびイミダゾール誘導体(国際特許出願WO2011/104322−A1およびその中に記載されている例化合物を参照されたい)も、このアッセイにおいて利尿効果を試験した。2つの異なる投薬量における、溶媒対照(=100%)に対する尿排泄量の観察された変化を下の表2B中に示す:
表2B
Figure 0006911052
表2Aおよび2B中に示される結果は、本発明の化合物がインビボで顕著により強力であることを実証するものであり:本発明の試験例は、3mg/kgの経口用量において、媒体対照群に対して3倍より多く、いくつかの場合において10倍より多く尿量を増加させ、大半の例が0.3mg/kgまたは1mg/kgの経口用量において既に実質的な水利尿活性を示した。これは、3mg/kg未満の経口用量で活性がなく3mg/kgでわずかに活性があった、最も近い従来技術の代表であると考えられるフェニル−トリアゾール誘導体およびイミダゾール誘導体と対照的である。
B−6.心血管効果を検出するためのインビボアッセイ:麻酔イヌにおける血行動態調査
体重が10から15kgの間の雄性ビーグル犬(Beagle,Marshall BioResources)を、外科的介入ならびに血行動態および機能の試験のためにペントバルビタール(30mg/kg i.v.,Narcoren(登録商標),Merial,ドイツ)で麻酔する。臭化パンクロニウム(2mg/動物 i.v.,Ratiopharm,ドイツ)を筋肉弛緩剤として加えて働かせる。イヌに挿管し、酸素/環境空気混合物(40/60%、約3−4L/分)を人工呼吸で入れる。人工呼吸はGE Healthcareからの人工呼吸器(Avance)を用いて行い、分析装置(Datex−Ohmeda,GE)を用いてモニターする。ペントバルビタールの連続注入(50μg/kg/分)により麻酔を維持し;フェンタニルを鎮痛剤として用いる(10−40μg/kg/時)。ペントバルビタールの代わりになるのは、イソフルラン(1〜2容量%)の使用である。
準備介入において、イヌに心臓ペースメーカーを備え付ける。最初の薬剤試験(すなわち実験の開始)の21日前に、Biotronikからの心臓ペースメーカー(Logos(登録商標))を皮下の皮膚ポケット内に埋め込み、外頸静脈を通して透過照明を使用して右心室内に進められたペースメーカー電極を介して心臓に接触させる。その後、全てのアクセスを除去し、イヌを自発的に麻酔から目覚めさせる。さらに7日後(すなわち最初の薬剤試験の14日前)に、上記ペースメーカーを作動させ、心臓を220拍/分の頻度で刺激する。
実際の物質試験実験は、ペースメーカー刺激の開始から14および28日後に、以下の計測手段を用いて行われる:
・膀胱解放のための、および尿の流れを測定するための膀胱カテーテルの導入;
・ECG測定のための四肢につながるECGの取り付け;
・塩化ナトリウム溶液を満たしたFluidmedic(登録商標) PE 300チューブの大腿動脈内への導入;このチューブは、体血圧を測定するために血圧センサー(Braun Melsungen,ドイツ)につながれる;
・心臓血行動態を測定するための、Millar Tipカテーテル(type 350 PC,Millar Instruments,Houston,米国)の左心房を通した、または頸動脈内に固定されたポートを通した導入;
・心拍出力、酸素飽和度、肺動脈圧および中心静脈圧を測定するための、Swan−Ganzカテーテル(CCOmbo 7.5F,Edwards,Irvine,米国)の頸静脈を通した肺動脈内への導入;
・ペントバルビタールを注入するための、液体置換のための、および血液採取(試験物質の血漿レベルの、または他の臨床的血液値の決定)のための、静脈カテーテルの橈側皮静脈内への設置;
・フェンタニルを注入するための、および試験物質の投与のための、静脈カテーテルの伏在静脈内への設置;
・バソプレッシンの連続注入(Sigma,4mU/kg/分);次いで、試験化合物をこのバソプレッシン注入下で異なる濃度で投与し、評価する。
必要な場合は1次シグナルを増幅し(ACQ 7700増幅器,DataSciences Inc.,Minneapolis,米国またはEdwards−Vigilance−Monitor,Edwards,Irvine,米国)、続いて評価のためにPonemahシステム(DataSciences Inc.,Minneapolis,米国)に送る。実験期間を通じてシグナルを連続的に記録し、ソフトウェアによりさらにデジタル処理して30秒間の平均を取る。
本発明は特定の実施形態を参照して開示されているが、本発明の他の実施形態およびバリエーションが本発明の真の趣旨および範囲から逸脱することなく当業者により考案され得ることは明らかである。特許請求の範囲は、全てのかかる実施形態およびその同等のバリエーションを包含するよう解釈されることが意図される。
C.医薬組成物に関する例
本発明による医薬組成物は、以下のように説明することができる:
滅菌i.v.溶液:
本発明の所望の化合物の5mg/mL溶液は、滅菌された注射用水を用いて作製することができ、必要な場合はpHが調整される。溶液は、投与のために滅菌5%ブドウ糖で1〜2mg/mLに希釈され、i.v.注入として約60分かけて投与される。
i.v.投与のための凍結乾燥粉末:
滅菌調合剤は、(i)凍結乾燥粉末としての100〜1000mgの本発明の所望の化合物、(ii)32〜327mg/mLのクエン酸ナトリウム、および(iii)300〜3000mgのデキストラン40を使用して調製することができる。製剤は、滅菌された注射用生理食塩水または5%ブドウ糖を使用して10から20mg/mLの濃度に再構成され、これがさらに生理食塩水または5%ブドウ糖を使用して0.2から0.4mg/mLに希釈され、i.v.ボーラスとして、またはi.v.注入により15〜60分かけて投与される。
筋肉内懸濁液:
以下の溶液または懸濁液を筋肉内注射のために調製することができる:
50mg/mLの本発明の所望の水不溶性化合物;5mg/mL ナトリウムカルボキシメチルセルロース;4mg/mL Tween 80;9mg/mL 塩化ナトリウム;9mg/mL ベンジルアルコール。
ハードシェルカプセル:
多数の単位カプセルが、標準的な2ピースのハードゼラチンカプセルに各々100mgの本発明の所望の粉状化合物、150mgの乳糖、50mgのセルロースおよび6mgのステアリン酸マグネシウムを充填することにより調製される。
ソフトゼラチンカプセル:
可消化油、例えばダイズ油、綿実油またはオリーブ油などの中で本発明の所望の化合物の混合物を調製し、容量型ポンプを使って溶融ゼラチン内に注入することで、100mgの活性成分を含有するソフトゼラチンカプセルが形成される。カプセルを洗浄し、乾燥させる。本発明の所望の化合物をポリエチレングリコール、グリセリンおよびソルビトールの混合物中に溶解することで、水混和性の薬ミックスを調製することができる。
錠剤:
投薬単位が100mgの本発明の所望の化合物、0.2mgのコロイド状二酸化ケイ素、5mgのステアリン酸マグネシウム、275mgの微結晶性セルロース、11mgのデンプンおよび98.8mgの乳糖となるように、多数の錠剤が慣用的な手法により調製される。適切な水性および非水性のコーティングが、嗜好性の向上、見栄え(elegance)および安定性の改良または吸収の遅延のために適用され得る。

Claims (11)

  1. 一般式(I−A)の化合物または一般式(I−B)の化合物
    Figure 0006911052

    であって、ここで
    は、式
    Figure 0006911052

    の基を表し、ここで
    は、窒素原子への付着点を表し、
    ならびに
    Arは、フルオロ原子、クロロ原子、シアノ、メチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、エチル、メトキシ、ジフルオロメトキシおよびトリフルオロメトキシから選択される1または2個の基で置換されていてもよいフェニル基を表す、前記化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物もしくは溶媒和物
  2. 式中、Arがフルオロ、クロロ、メチルおよびメトキシから選択される1または2個の基で置換されているフェニル基を表す、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物もしくは溶媒和物
  3. 式中、Arが、式
    Figure 0006911052

    の基を表し、ここで
    は、窒素原子への付着点を表し、
    2Aは、塩素原子を表し、ならびに
    2Bは、フッ素原子および塩素原子から選択される基を表す、請求項1または2に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物もしくは溶媒和物
  4. 疾患の治療および/または予防のための請求項1から3のいずれかにおいて規定される化合物。
  5. 急性および慢性の心不全、心腎症候群、細胞外液量増加型および細胞外液量正常型の低ナトリウム血症、肝硬変、腹水、浮腫ならびにADH不適合分泌症候群(SIADH)の治療および/または予防のための方法における使用のための、請求項1から3のいずれかにおいて規定される化合物。
  6. 急性および慢性の心不全、心腎症候群、細胞外液量増加型および細胞外液量正常型の低ナトリウム血症、肝硬変、腹水、浮腫ならびにADH不適合分泌症候群(SIADH)の治療および/または予防のための医薬組成物の製造のための、請求項1から3のいずれかにおいて規定される化合物の使用。
  7. 請求項1から3のいずれかにおいて規定される化合物および1または複数の薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
  8. 利尿剤、アンジオテンシンAIIアンタゴニスト、ACE阻害剤、ベータ受容体ブロッカー、ミネラルコルチコイド受容体アンタゴニスト、有機硝酸塩、NOドナー、可溶性グアニル酸シクラーゼの活性化剤、可溶性グアニル酸シクラーゼの刺激剤および陽性変力剤よりなる群から選択される1または複数の付加的な治療薬をさらに含む、請求項7の医薬組成物。
  9. 急性および慢性の心不全、心腎症候群、細胞外液量増加型および細胞外液量正常型の低ナトリウム血症、肝硬変、腹水、浮腫ならびにADH不適合分泌症候群(SIADH)の治療および/または予防のための、請求項7または8において規定される医薬組成物。
  10. その必要がある非ヒト哺乳動物に治療的有効量の請求項1から3のいずれかにおいて規定される1もしくは複数の化合物を投与することを含む、非ヒト哺乳動物における急性および慢性の心不全、心腎症候群、細胞外液量増加型および細胞外液量正常型の低ナトリウム血症、肝硬変、腹水、浮腫ならびにADH不適合分泌症候群(SIADH)の治療および/または予防のための方法。
  11. その必要がある非ヒト哺乳動物に請求項7から9のいずれかにおいて規定される医薬組成物を投与することを含む、非ヒト哺乳動物における急性および慢性の心不全、心腎症候群、細胞外液量増加型および細胞外液量正常型の低ナトリウム血症、肝硬変、腹水、浮腫ならびにADH不適合分泌症候群(SIADH)の治療および/または予防のための方法。
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