以下に、本願にかかる配信装置、配信方法および配信プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ説明する。なお、この実施形態により本願にかかる配信装置、配信方法および配信プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
(第1の実施形態)
〔1.配信処理〕
以下では、図1および図2を用いて、第1の実施形態にかかる配信処理の一例について説明する。図1は、第1の実施形態にかかる配信処理が行われるための前処理を示す図である。図2は、第1の実施形態にかかる配信処理の一例を示す図である。第1の実施形態にかかる配信処理は、配信装置100を含む図1および図2にわたる配信システムSy1によって行われる。
まず、配信システムSy1について説明する。配信システムSy1は、配信主端末10と、ユーザ端末20と、オークションサーバ301と、ショッピングサーバ302と、顧客管理サーバ60と、配信装置100とを含む。配信主端末10、ユーザ端末20、オークションサーバ301、ショッピングサーバ302、顧客管理サーバ60、配信装置100は、ネットワークを介して有線または無線により通信可能に接続される。なお、図1および図2に示す配信システムSy1には、複数台の配信主端末10や、複数台のユーザ端末20や、複数台のオークションサーバ301や、複数台のショッピングサーバ302や、複数台の顧客管理サーバ60や、複数台の配信装置100が含まれてもよい。このような、配信システムSy1については、後程、図3を用いて詳細に説明する。
ここで、配信装置100は、管理会社T(以下、単に「会社T」と表記する)によって管理されるものとする。また、配信システムSy1に含まれる各装置のうち、配信主端末10と、オークションサーバ301と、ショッピングサーバ302と、顧客管理サーバ60と、配信装置100とを含むシステムは、会社T内に構築された会社T独自のシステムであるものとする。また、このようなシステムを以下では「社内システムSy1−1」と表記する。
例えば、会社Tは、サービスシステムの一例であるオークションサーバ301を用いて、ユーザに対してオークションサービスを提供する。また、会社Tは、同様にサービスシステムの一例であるショッピングサーバ302を用いて、ユーザに対してオンラインショッピングサービスを提供する。また、会社Tは、顧客管理サーバ60を用いて、ユーザに対して広告配信等を行う。
次に、配信システムSy1および社内システムSy1−1に含まれる各装置について説明する。まず、配信主端末10は、配信主によって利用される端末装置である。図1では、配信主端末10は、配信主C1によって利用される例を示す。また、配信主端末10は、例えば、スマートフォン等の携帯電話機や、タブレット端末や、PDA(Personal Digital Assistant)や、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PC等である。
また、配信主C1は、会社Tに属し、社内システムSy1−1に蓄積されたユーザ情報を用いて、ユーザに対して商品をプロモーションしたり、広告を配信したりする。
オークションサーバ301は、オークションサービスを提供するサービスシステムに含まれるサーバ装置である。例えば、オークションサーバ301は、商品の出品および入札を受け付け、オークション処理を実行することにより商品落札者を決定する。ショッピングサーバ302は、オンラインショッピング(電子モール)サービスを提供するサービスシステムに含まれるサーバ装置である。例えば、ショッピングサーバ302は、実店舗や仮想店舗によって出品された商品をオンライン販売する。
顧客管理サーバ60は、各サービスシステムの利用者に関する情報(利用者情報)を一元管理するサーバ装置である。例えば、顧客管理サーバ60は、各サービスシステム(例えば、オークションサーバ301や、ショッピングサーバ302)に蓄積されるサービス独自の利用者情報から抽出されたより汎用的な利用者情報を蓄積する。また、このようなことから、顧客管理サーバ60は、いずれかのサービスシステムに属するサーバ装置であってよい。
ここで、オークションサーバ301は、出品および落札に関する詳細な利用者情報を蓄積し、ショッピングサーバ302は、商品購入に関する詳細な利用者情報を蓄積する。しかし、コンテンツ(例えば、広告)配信において、このようなサービス独自の利用者情報は適していない場合がある。これは、コンテンツ配信では、例えば、ピンポイントな利用者情報より、広く一般的な、すなわち汎用的な利用者情報を用いた方が、より多くのユーザに対してスムーズに広告を配信することができるといったことが考えられるためである。したがって、顧客管理サーバ60に蓄積される汎用的な利用者情報は、例えば、会社Tの配信主によって広告配信の際に利用される。
しかし、この一方で、配信主の中には、コンテンツの訴求力を高めるために、自身のコンテンツを自身が所望する利用者に対して的確に配信したいというニーズがある。かかる場合、汎用的な利用者情報を用いていては、このようなニーズに答えることが困難な場合がある。この点について一例を示す。
上記の通り、顧客管理サーバ60は、会社T全体で共通の利用者情報を蓄積している一方で、例えば、サービス独自の会員情報やサービス独自のHML層等の細かなデータソースを有していない。このため、顧客管理サーバ60の利用者情報を用いる場合では、配信主の望む利用者に対して的確にコンテンツを配信することができるとは限らない。
したがって、実施形態にかかる配信装置100は、社内システムSy1−1に含まれる各サービスシステムを連携させることで、各サービスシステムに蓄積される利用者情報を組み合わせたコンテンツ配信を実現する。例えば、実施形態にかかる配信装置100は、配信主に対して、オークションサーバ301、ショッピングサーバ302、および、顧客管理サーバ60に蓄積される利用者情報を組み合わせたターゲティングを可能にすることで、訴求力の高いコンテンツ配信を実現する。
より具体的には、配信装置100は、コンテンツを配信する配信先に関する条件情報の指定をコンテンツの配信主から受け付け、配信主により指定されたタイミングに基づいて、条件情報を満たすユーザを抽出する。そして、配信装置100は、配信主により指定されたタイミングで、抽出したユーザに対してコンテンツを配信する。なお、かかる配信処理が行われる前処理として、配信主による条件情報の設定が必要となる。このような前処理について、図1を用いて説明する。図1では、配信主C1によって条件情報の設定が行われる例について説明する。
ここで、配信主端末10には、専用のアプリケーションAP1(以下、「アプリAP1」と表記する)が予めインストールされているものとする。アプリAP1は、各サービスシステムにログインし、各サービスシステム内においてコンテンツを配信する配信先に関する条件情報を設定可能にする。したがって、配信主C1は、配信主端末10を操作してオークションサーバ301、ショッピングサーバ302、および、顧客管理サーバ60にログインする。そして、配信主C1は、配信主端末10を操作してオークションサーバ301、ショッピングサーバ302、および、顧客管理サーバ60内において条件情報を設定する(ステップS1)。
図1に示すように、オークションサーバ301は、自装置内の記憶部であるデータベースDB301において利用者情報を記憶している。例えば、データベースDB301は、オークションサービスを利用したユーザの識別情報(ユーザID)毎に、当該ユーザが落札した商品の識別情報である商品IDと、商品名と、落札価格と、落札日時とを対応付けて記憶する。このため、オークションサーバ301にアクセスした配信主C1は、データベースDB301を参照して、オークションサーバ301内に条件情報を設定する。条件情報は、条件式と、その条件式を識別する識別情報である条件式IDとを含む。
そして、図1では、配信主C1が「2016年10月1日以降において、電化製品カテゴリに属する商品を50,000円以上で落札したユーザ」といった条件式「CE1−1」を設定するとともに、条件式「CE1−1」に対して条件式ID「Au_101」を設定した例を示す。また、オークションサーバ301は、配信主C1の識別情報と、条件式「CE1−1」と、条件式ID「Au_101」とを所定の記憶部に記憶する。
また、図1に示すように、ショッピングサーバ302は、自装置内の記憶部であるデータベースDB302において利用者情報を記憶している。例えば、データベースDB302は、ショッピングサービスを利用したユーザの識別情報(ユーザID)毎に、当該ユーザが購入した商品の識別情報である商品IDと、商品名と、商品価格と、購入日時とを対応付けて記憶する。このため、ショッピングサーバ302にアクセスした配信主C1は、データベースDB302を参照して、ショッピングサーバ302内に条件情報を設定する。
そして、図1では、配信主C1が「2016年10月1日以降において、20,000円以上の買い物をしたユーザ」といった条件式「CE1−2」を設定するとともに、条件式「CE1−2」に対して条件式ID「Sp_101」を設定した例を示す。また、ショッピングサーバ302は、配信主C1の識別情報と、条件式「CE1−2」と、条件式ID「Sp_101」とを所定の記憶部に記憶する。
また、図1に示すように、顧客管理サーバ60は、自装置内の記憶部であるデータベースDB60において利用者情報を記憶している。かかる利用者情報は、会社T全体で共通の利用者情報であり、オークションサーバ301やショッピングサーバ302等の各サービスを提供するサービスシステムそれぞれにおいて蓄積されているサービス独自の利用者情報を統合して得られたものである。例えば、顧客管理サーバ60は、ユーザID毎に、デモグラフィック属性と、オークションサービスやショッピングサービスでこれまでに購入した商品、検索サービスで入力された検索クエリと、クリックされたコンテンツに関する情報(クリック情報)とを対応付けて記憶する。なお、データベースDB60には、図1の例以外の情報が記憶されてもよいことはいうまでもない。
そして、図1では、配信主C1が「関東在住で20歳以上の女性ユーザ」といった条件式「CE1−3」を設定するとともに、条件式「CE1−3」に対して条件式ID「Y_101」を設定した例を示す。また、顧客管理サーバ60は、配信主C1の識別情報と、条件式「CE1−3」と、条件式ID「Y_101」とを所定の記憶部に記憶する。
さて、ここまで図1を用いて、配信主C1が、各サービスシステム内および顧客管理サーバ60内において条件情報を設定する例を示した。次に、配信主C1は、配信装置100にアクセスし、配信装置100に対して、自身のコンテンツの配信先であるユーザをどのように抽出させるか、また、自身のコンテンツをどのように配信させるかといった配信に関するシナリオ設定を行う。そして、配信装置100は、設定されたシナリオに基づいて配信処理を行う。この点について、図2を用いて説明する。
まず、配信主C1は、配信主端末10にインストールされるアプリAP1を介して、配信装置100にログインする。配信主C1は、配信装置100に対して、連携方式を指定する(ステップS2)。
ここで、連携方式について説明する。本実施形態には、3つの連携方式があるものとする。まず、連携X1は、配信装置100と、各サービスを提供するサーバ装置(図1の例では、オークションサーバ301あるいはショッピングサーバ302)とのサーバ間連携である。次に、連携X2は、配信装置100と、顧客管理サーバ60とのサーバ間連携である。
次に、連携X3は、各サービスを提供するサーバ装置同士の連携、または、サービスを提供するサーバ装置と、顧客管理サーバ60とのサーバ間連携である。すなわち、連携X3は、複数の条件情報との掛け合わせを意味する。複数の条件情報との掛け合わせとは、例えば、複数の条件情報の双方を満たすユーザを抽出するよう配信装置100に対してシナリオ設定することである。ここでは、配信主C1が連携X3を指定したものとする。
配信装置100は、連携方式の指定を受け付けると、シナリオ設定を行うためのページを配信する。また、例えば、かかるページにおいて配信主C1が、掛け合わせ設定を行う旨指定したとすると、配信装置100は、図2に示すように、掛け合わせ設定ページP1−1(以下、単に「ページP1−1」と表記する場合がある)を配信主端末10に配信する(ステップPS3)。
図2に示すように、ページP1−1には、掛け合わされた条件式の名称を示す「条件名」を入力するための入力欄、「連携方式」を選択させるための入力欄、掛け合わせる条件式に対応する「条件式ID」を入力するための2つの入力欄、そして、掛け合わせの「理論式」を選択させるためのプルダウンが含まれる。図2では、配信主C1が、条件名「Au_101×Sp_101」を入力し、連携方式「連携X3」を選択した例を示す。
また、配信主C1が、掛け合わせ条件式ID「Au_101」および「Sp_101」を入力するとともに、理論式のプルダウンを押下して「ANDNOT」を選択した例を示す。ここで、理論式「ANDNOT」は、2つの条件式の双方を満たすユーザを抽出したうえで、同一ユーザが複数抽出された場合、すなわちユーザの重複が存在する場合には、重複排除を行うよう指定するものである。したがって、図2では、配信主C1が、掛け合わせ条件式ID「Au_101」に対応する条件式「CE1−1」と、掛け合わせ条件式ID「Sp_101」に対応する条件式「CE1−2」の双方を満たすユーザを抽出したうえで、ユーザの重複排除を行うよう配信装置100に対して指定した例を示す。
なお、理論式には、「ANDNOT」以外にも、例えば、「ORNOT」が存在する。これは、2つの条件式の少なくとも何れか一方を満たすユーザを抽出したうえで、同一ユーザが複数抽出された場合、重複排除を行うよう指定するものである。
そして、配信主C1によって「登録」ボタンが押下された場合には、配信装置100は、ページP1−1において配信主C1により設定された情報を登録完了する(ステップS4)。また、配信装置100は、掛け合わせ設定の登録を完了をすると、コンテンツ配信に関するシナリオを設定させるためのシナリオ設定ページP1−2(以下、単に「ページP1−2」と表記する場合がある)を配信主端末10に配信する(ステップP5)。
図2に示すように、ページP1−2には、「シナリオID」を入力させるための入力欄、「シナリオ名」を入力させるための入力欄、掛け合わされた条件式に対して配信装置100が発行した「条件式ID」が表示される表示欄が含まれる。「シナリオID」および「シナリオ名」は、配信主により指定された条件式IDと、当該条件式IDに対応する条件式を満たすユーザへのコンテンツ配信に関する設定情報とを一元管理するための識別情報である。
図2では、配信主C1が、シナリオID「C1001」、シナリオ名「NAME11」を入力した例を示す。また、配信装置100が、条件式ID「Au_101」に対応する条件式「CE1−1」と、掛け合わせ条件式ID「Sp_101」に対応する条件式「CE1−2」とを掛け合わせた条件式に対して条件式ID「10001」を付与した例を示す。
また、ページP1−2には、「配信情報設定」として、「配信種別」を選択させるためのプルダウン、「配信間隔」、「配信開始日」および「配信終了日」を入力させるための入力欄が含まれる。
「配信種別」には、「単発配信」と「トリガー配信」があるものとする。「単発配信」は、配信主により設定された日時において一度だけコンテンツを配信するといった配信形態を示す。また、「トリガー配信」は、配信主により設定された時間間隔でコンテンツを配信するといった配信形態を示す。図2に示すように、ここでは、配信主C1が、「トリガー配信」を選択したものとする。また、図2では、「トリガー配信」を選択したことにより、配信主C1が、配信間隔「10日」、配信開始日「2016年10月13日」、配信終了日「2017年2月24日」を設定した例を示す。これは、「2016年10月13日」から「10日間隔」で配信主C1のコンテンツを配信し、「2017年2月24日」に終了する、ことを示す。
したがって、このように配信主C1によりシナリオ設定された配信情報は、当該配信情報が示すタイミングに基づいて、配信主C1により設定された条件情報、具体的には、配信主C1により掛け合わせ設定された条件式を満たすユーザを抽出し、当該配信情報が示すタイミングでかかるユーザにコンテンツ配信するよう指定するものである。
そして、配信主C1によって「登録」ボタンが押下された場合には、配信装置100は、ページP1−2において配信主C1により設定された情報を登録完了する(ステップS6)。また、図示しないが、配信装置100は、シナリオ設定の登録を完了をすると、コンテンツの入稿を受け付けるための入稿受付ページを配信主端末10に配信する。そして、配信主C1は、入稿受付ページにおいてコンテンツの原稿を入稿する(ステップS7)。本実施形態では、コンテンツは、電子メールであるものとする。かかる場合、配信主C1は、入稿受付ページにおいて電子メールの件名や本文を入稿する。なお、コンテンツは、電子メールに限定されるものではなく、例えば、広告コンテンツであってもよい。
次に、配信装置100は、ページP1−2において配信主C1により指定されたタイミングに基づいて、ページP1−1で掛け合わされた条件式を満たすユーザを抽出する。具体的には、配信装置100は、配信主C1に設定されたタイミングである配信開始日に基づいて、条件式IDに対応するサーバ装置にアクセスする(ステップS8)。より具体的には、配信装置100は、配信主C1により設定されたタイミングである「2016年10月13日」へと日付が変わった場合に、条件式ID「Au_101」に対応する条件式「CE1−1」が設定されているオークションサーバ301にアクセスする。また、配信装置100は、配信主C1により設定されたタイミングである配信開始日「2016年10月13日」へと日付が変わった場合に、条件式ID「Sp_101」に対応する条件式「CE1−2」が設定されているショッピングサーバ302にアクセスする。
そして、配信装置100は、オークションサーバ301のデータベースDB301から条件式「CE1−1」を満たすユーザを抽出し、また、ショッピングサーバ302のデータベースDB302から条件式「CE1−2」を満たすユーザを抽出する(ステップS9)。そして、配信装置100は、配信主C1により理論式「ANDNOT」が選択されたことに従い、条件式「CE1−1」および条件式「CE1−2」を満たすユーザを抽出するとともに、ユーザの重複排除を行う(ステップS10)。
そして、配信装置100は、配信主C1により設定されたタイミングである配信開始日「2016年10月13日」の所定の時刻(例えば、10時)となった場合に、ステップS10で抽出したユーザに対して、配信主C1により入稿された電子メールを配信する(ステップS11)。
なお、所定の時刻(例えば、10時)は、配信装置100に対して予め設定された時刻であるが、例えば、配信装置100は、配信主による時刻設定が可能なページP1−2を配信してもよい。また、配信装置100は、配信主によって配信開始日とともに時刻が設定された場合には、例えば、その時刻の数分前(例えば、2、3分前)にステップS8〜S10を実行し、その時刻となった際に、電子メールを配信する。
また、配信装置100は、配信主C1により配信種別「トリガー配信」が選択されるとともに、配信間隔「10日」が設定されていることにより、「2016年10月13日」から「10日後」の「2016年10月23日」となった場合に、「2016年10月23日」を配信主C1により指定されたタイミングとして、ステップS8〜S11を再度実行する。また、配信装置100は、このような配信処理を「10日」毎に繰り返す。
以上、図1および図2を用いて説明してきたように、第1の実施形態にかかる配信装置100は、コンテンツを配信する配信先に関する条件情報の指定をコンテンツの配信主から受け付ける。そして、配信装置100は、配信主により指定されたタイミングに基づいて、条件情報を満たすユーザを抽出し、配信主により指定されたタイミングで、抽出したユーザに対してコンテンツを配信する。
これにより、第1の実施形態にかかる配信装置100は、配信主の希望するタイミングで、当該配信主の条件情報に合うユーザを抽出し、配信主の希望するタイミングでそのユーザに対してコンテンツ配信を行うことができる。つまり、配信装置100は、配信主の要望により応じたコンテンツ配信を行うことができるため、訴求効果の高いコンテンツ配信を行うことができる。
〔2.システムの構成〕
次に、図3を用いて、第1の実施形態にかかるシステムの構成について説明する。図3は、第1の実施形態にかかるシステムの構成例を示す図である。図3に示すように、配信システムSy1は、配信主端末10と、ユーザ端末20と、オークションサーバ301と、ショッピングサーバ302と、顧客管理サーバ60と、配信装置100とを含む。配信主端末10、ユーザ端末20、オークションサーバ301、ショッピングサーバ302、顧客管理サーバ60、配信装置100は、ネットワークNを介して有線または無線により通信可能に接続される。
また、配信システムSy1に属する社内システムSy1−1は、配信主端末10と、オークションサーバ301と、ショッピングサーバ302と、顧客管理サーバ60と、配信装置100とを含み、これらは、ネットワークNを介して有線または無線により通信可能に接続される。
また、オークションサーバ301と、ショッピングサーバ302とは、サービスシステムの一例であり、ユーザに対して所定のサービスを提供するサービス提供サーバである。また、配信システムSy1および社内システムSy1−1には、オークションサーバ301や、ショッピングサーバ302以外のサービスシステムも含まれてよい。また、顧客管理サーバ60もサービスシステムに含まれるサーバ装置である。
また、オークションサーバ301と、ショッピングサーバ302等のサービス提供サーバを区別する必要が無い場合には、これらを総称してサービス提供サーバ30と表記する場合がある。
〔3.配信装置の構成〕
次に、図4を用いて、第1の実施形態にかかる配信装置100について説明する。図4は、第1の実施形態にかかる配信装置100の構成例を示す図である。図4に示すように、配信装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、例えば、配信主端末10、ユーザ端末20、サービス提供サーバ30、顧客管理サーバ60との間での情報の送受信を行う。
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、設定情報記憶部121と、コンテンツ記憶部122とを有する。
(設定情報記憶部121について)
設定情報記憶部121は、コンテンツの配信先であるユーザをどのように抽出させるか、また、コンテンツをどのように配信させるかといった配信に関する配信情報、すなわち配信に関するシナリオ情報を記憶する記憶部である。例えば、図2の例では、設定情報記憶部121は、ページP1−1やページP1−2においてシナリオ設定された配信情報を記憶する。
ここで、図5に第1の実施形態にかかる設定情報記憶部121の一例を示す。図5の例では、設定情報記憶部121は、「配信主ID」、「シナリオID」、「シナリオ名」、「連携方式」、「条件式ID」、「理論式」、「対応サーバ」、「配信種別」、「配信日」、「配信間隔」、「配信開始日」、「配信終了日」といった項目を有する。
「配信主ID」は、配信主または配信主端末10を識別するための識別情報を示す。「シナリオID」は、配信主により指定された条件式IDと、当該条件式IDに対応する条件式を満たすユーザへのコンテンツ配信に関する設定情報とを含むシナリオを一元管理するための識別情報である。「シナリオ名」は、対応する「シナリオID」によって識別されるシナリオの名称を示す。
「連携方式」は、配信主により選択された連携方式を示す。図2で説明した通り、連携方式には、3つの連携方式として連携X1〜連携X3がある。連携X1は、配信装置100と、サービス提供サーバ30とのサーバ間連携を示す。連携X2は、配信装置100と、顧客管理サーバ60とのサーバ間連携を示す。連携X3は、サービス提供サーバ30同士の連携、または、サービス提供サーバ30と、顧客管理サーバ60とのサーバ間連携を示す。そして、この連携X3が、図2で説明した条件式IDの掛け合わせに相当する。
「条件式ID」は、サービス提供サーバ30あるいは顧客管理サーバ60内で事前に配信主により設定された条件式を識別するための識別情報であって、シナリオ設定において配信主により指定された条件式IDを示す。また、条件式IDおよび条件式は、コンテンツを配信する配信先のユーザに関する条件情報の一例である。「対応サーバ」は、対応する「条件式ID」が設定されたサーバ装置を示す。
「理論式」は、連携方式として「連携X3」を選択した配信主によって選択される。理論式には、「ANDNOT」と「ORNOT」とが存在する。「ANDNOT」は、2つの条件式の双方を満たすユーザを抽出したうえで、同一ユーザが複数抽出された場合、すなわちユーザの重複が存在する場合には、重複排除を行うよう指定するものである。「ORNOT」は、2つの条件式の少なくとも何れか一方を満たすユーザを抽出したうえで、同一ユーザが複数抽出された場合、重複排除を行うよう指定するものである。
「配信種別」は、コンテンツを配信する配信形態の種別であって、配信主により選択された配信種別を示す。本実施形態では、「配信種別」として「単発配信」と「トリガー配信」とがある。「単発配信」は、配信主により設定された日時において一度だけコンテンツを配信するといった配信形態を示す。「トリガー配信」は、配信主により設定された期間毎にコンテンツを配信するといった配信形態を示す。
「配信日」は、コンテンツを配信させる日時を示し、「単発配信」を選択した配信主が「配信日」を設定する。そして、設定された「配信日」を配信主により指定されたタイミングとして、かかる「配信日」に一度だけコンテンツ配信が行われる。
一方、「配信間隔」、「配信開始日」、「配信終了日」は、「トリガー配信」を選択した配信主によって設定される。「配信間隔」は、コンテンツ配信が行われる期間の間隔を示す。「配信開始日」は、コンテンツ配信が開始される日時を示す。「配信終了日」は、コンテンツ配信が終了される日時を示す。
すなわち、図5の例では、配信主C1が、条件式の掛け合わせのために、連携方式「連携X3」を選択し、掛け合わせの対象となる条件式を示す条件式ID「Au_101」と条件式ID「Sp_101」を指定した例を示す。また、配信主C1が、理論式「ANDNOT」を選択した例を示す。また、配信主C1が、配信間隔「10日」、配信開始日「2016年10月13日」、配信終了日「2017年2月24日」を設定した例を示す。つまり、配信主C1が、「2016年10月13日」から「10日間隔」で自身のコンテンツを配信し、「2017年2月24日」に終了するよう指定したことを示す。
また、図5の例では、上記のように配信主C1により設定されたコンテンツ配信に関する1つのシナリオに対して、配信主C1がシナリオID「C1001」、シナリオ名「NAME11」を設定した例を示す。
(コンテンツ記憶部122について)
コンテンツ記憶部122は、配信主により入稿されたコンテンツを記憶する記憶部である。例えば、コンテンツ記憶部122は、配信主により入稿された電子メールの件名や本文を記憶する記憶部である。また、コンテンツ記憶部122は、電子メールの本文とともに表示される画像情報も記憶してよい。
ここで、図6に第1の実施形態にかかるコンテンツ記憶部122の一例を示す。図6の例では、コンテンツ記憶部122は、「配信主ID」、「シナリオID」、「シナリオ名」、「メール内容」、「画像データ」といった項目を有する。
「配信主ID」、「シナリオID」、「シナリオ名」は、設定情報記憶部121に記憶されるものと同様であるため説明を省略する。「メール内容」は、対応する「配信主ID」によって識別される配信主により入稿された電子メールの件名および本文を示す。「画像データ」は、電子メールとともに表示される画像のデータを示す。
すなわち、図6の例では、配信主C1が、シナリオID「C1001」によって識別されるシナリオに基づき配信させる電子メールとして「TEXT11」を入稿するとともに、画像データ「IMG11」を入稿した例を示す。
(制御部130について)
図4に戻り、制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、配信装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
図4に示すように、制御部130は、アクセス受付部131と、取得部132と、提供部133と、設定受付部134と、入稿受付部135と、抽出部136と、配信部137とを有し、以下に説明する配信処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図4に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
(アクセス受付部131について)
アクセス受付部131は、配信主端末10からのアクセスを受け付ける。例えば、アクセス受付部131は、配信装置100へのログインIDを含むアクセス要求を受け付け、ログインIDの認証を行う。そして、アクセス受付部131は、ログインIDを認証した場合に、配信主端末10からのアクセスを許可する。
ここで、アクセス受付部131には、図4に示すように、第1アクセス受付部131aと、第2アクセス受付部131bとが含まれる。第1アクセス受付部131aは、配信主端末10にインストールされるアプリAP1を介したアクセス要求を受け付ける。第1アクセス受付部131bは、配信主端末10にインストールされるアプリケーションであってアプリAP1とは異なるアプリケーションを介したアクセス要求を受け付ける。第2アクセス受付部131bについては後ほど詳細に説明するため、ここでの説明を省略する。
(取得部132について)
取得部132は、条件式に関する各種情報を取得する。具体的には、取得部132は、第1アクセス受付部131aによってアプリAP1を介したアクセス要求が受け付けられた場合に、各サービスシステムにアクセスし、各サービスシステムに対して設定された条件情報を取得する。例えば、取得部132は、第1アクセス受付部131aによってアプリAP1を介したアクセス要求が受け付けられた場合に、各サービス提供サーバ30および顧客管理サーバ60にアクセスする。そして、取得部131は、これらサーバ装置内において配信主により予め設定されている条件情報を取得する。
例えば、図1および図2の例では、取得部132は、オークションサーバ301、ショッピングサーバ302、顧客管理サーバ60それぞれにアクセスし、データベースDB301、データベースDB302、データベースDB60それぞれに格納されている条件式IDと条件式名とを取得する。なお、取得部132は、各サーバ装置に格納されている全ての条件情報を取得してもよいし、アクセスしてきた配信主により設定された条件情報のみを取得してもよい。
(提供部133について)
提供部133は、配信主に対して、コンテンツ配信に関する各種設定を行わせるためのウェブページを提供する。具体的には、提供部133は、図2で説明したように、提供主の操作に応じて、コンテンツ配信に関する各種設定を行わせることで、コンテンツ配信に関するシナリオを構築させるためのウェブページを配信主端末10に配信する。一例を示すと、提供部133は、取得部132によって取得された条件情報が一覧表示されるようなウェブページを提供主端末10に配信する。
(設定受付部134について)
設定受付部134は、コンテンツ配信に関する各種設定を受け付ける。具体的には、設定受付部134は、コンテンツを配信する配信先のユーザに関する条件情報の指定を受け付ける。より具体的には、設定受付部134は、条件情報として、所定のサービスを提供するサービスシステムにおいて配信主により予め設定された条件情報であって当該所定のサービスの利用者の中から、コンテンツを配信する対象となるユーザを特定するための条件情報の指定を受け付ける。
一例を示すと、設定受付部134は、提供部133によって配信主に対して提供されたウェブページを介して、配信主から条件情報の指定を受け付ける。また、設定受付部134は、提供部133によって配信主に対して提供されたウェブページを介して、連携方式、シナリオID、シナリオ名、配信種別、配信日、配信開始日、配信終了日等の選択や指定を受け付ける。以上のことから、設定受付部134は、コンテンツ配信に関するシナリオを構築させるための各種情報の設定を受け付ける。
また、設定受付部134は、配信主から受け付けた情報を設定情報記憶部121に格納する。例えば、設定受付部134は、図5に示すように、設定を受け付けた情報を配信主IDに対応付けて、設定情報記憶部121に格納する。
(入稿受付部135について)
入稿受付部135は、配信主により設定された条件情報を満たすユーザに配信されるコンテンツの入稿を当該配信主から受け付ける。例えば、入稿受付部135は、条件情報に対応するシナリオ(シナリオID)毎にコンテンツの入稿を受け付ける。
例えば、コンテンツが電子メールの場合、入稿受付部135は、電子メールの件名、本文、また、本文とともに表示される画像データを受け付ける。また、例えば、入稿受付部135は、電子メールの本文の入稿をテキスト形式またはHTML形式で受け付ける。
また、入稿受付部135は、配信主から受け付けたコンテンツをコンテンツ記憶部122に格納する。例えば、入稿受付部135は、図6に示すように、入稿されたコンテンツを配信主IDに対応付けて、コンテンツ記憶部122に格納する。
(抽出部136について)
抽出部136は、配信主により指定されたタイミングに基づいて、当該配信主の条件情報を満たすユーザを抽出する。例えば、抽出部136は、所定のサービスシステムのうち条件情報に対応するサービスシステム(サービス提供サーバ30)にアクセスすることで、条件情報を満たすユーザを抽出する。
また、例えば、抽出部136は、図2で説明したように、配信主により掛け合わせ設定が行われた場合には、掛け合わす条件情報それぞれに対応するサービスシステム(サービス提供サーバ30)にアクセスすることで、条件情報を満たすユーザを抽出する。また、条件情報それぞれに対応するサービスシステムは、例えば、それぞれ異なるサービスシステムである。
また、抽出部136は、配信主により指定されたタイミングとして、コンテンツを配信する配信日時に基づいて、ユーザを抽出する。例えば、抽出部136は、配信種別「トリガー配信」を選択した配信主C1によりタイミングとして配信開始日「2016年10月13日」が設定された場合には、自動設定されている時刻「10時」もさらに考慮し、例えば、「2016年10月13日10時」の数分前に、条件情報を満たすユーザを抽出する。
また、抽出部136は、配信主C1によりタイミングとして配信開始日「2016年10月13日13時」といったように時刻まで設定された場合であっても、同様に、「2016年10月13日13時」の数分前に、条件情報を満たすユーザを抽出する。
また、抽出部136は、配信種別「トリガー配信」において配信間隔「10日」が設定されている場合には、「10日」後の「2016年10月23日」を配信主C1によるタイミングとして、同様に抽出を行う。つまり、抽出部136は、「10日」毎に配信主C1によるタイミングに基づいて、条件情報を満たすユーザを抽出する。
なお、抽出部136は、配信種別「単発配信」が選択されるとともに、配信日が設定された場合には、その配信日を配信主により設定されたタイミングとして、かかるタイミングに基づいて、条件情報を満たすユーザを抽出する。
さらに、抽出部136は、配信主により選択された「理論式」に基づいて、上記のように抽出したユーザからユーザの絞込みを行う。図2で説明したように、このように「理論式」が選択されるのは、配信主により複数の条件式の掛け合わせが指定された場合である。例えば、図2に示すように、配信主C1により掛け合わせ設定において理論式「ANDNOT」が選択された場合には、抽出部136は、配信主C1のタイミングに基づき抽出したユーザ、すなわち配信主C1のタイミングにおいて条件式「CE1−1」、条件式「CE1−2」を満たすユーザの中から、これら双方の条件式を満たすユーザを抽出する。そして、抽出部136は、抽出した中に複数の同一ユーザが含まれる場合には、重複排除を行う。
なお、抽出部136は、理論式「ORNOT」が選択された場合には、条件式「CE1−1」、条件式「CE1−2」を満たすユーザの中から、これら条件式の少なくとも何れか一方の条件式を満たすユーザを抽出する。そして、抽出部136は、抽出した中に複数の同一ユーザが含まれる場合には、重複排除を行う。
(配信部137について)
配信部137は、配信主により指定されたタイミングで抽出部136により抽出されたユーザに対して、配信主が入稿している対応するコンテンツを配信する。例えば、配信部137は、配信主C1によりタイミングとして配信開始日「2016年10月13日」が設定されている場合には、自動設定されている時刻「10時」もさらに考慮し、「2016年10月13日10時」に、抽出部136により抽出されたユーザに対して、配信主C1のコンテンツを配信する。また、配信主C1により「2016年10月13日13時」といったように時刻まで設定されている場合には、配信部137は、「2016年10月13日13時」に、抽出部136により抽出されたユーザに対して、配信主C1のコンテンツを配信する。
さて、ここからは、これまで説明してきた制御部130による処理を設定画面の一例を用いてより具体的に説明する。また、配信主として配信主C1を例に用いることにする。まず、図7は、連携方式の設定を受け付けるための連携方式設定ページP1(以下、「ページP1」とする)の一例を示す図である。例えば、配信主C1が、アプリAP1を介して、配信装置100にアクセスしたとする。第1アクセス受付部131aは、配信主C1のログインを許可すると、配信主C1がログインした旨を提供部133に通知する。
提供部133は、第1アクセス受付部131aからの通知に応じて、例えば、シナリオ設定のトップページを配信主C1に提供する。また、提供部133は、トップページを介して、ページP1の要求を受け付けると、図7に示すようなページP1を配信主C1に提供する。つまり、提供部133は、配信主C1の配信主端末10に対して、ページP1を配信する。
図7の例では、ページP1は、連携方式として連携X1〜連携X3のいずれかを選択させるためのチェックボックスを含む領域R1と、エラー出力時間を選択させるためのプルダウンを含む領域R2と、エラー出力日を選択させるためのプルダウンを含む領域R3と、エラー送信先を入力させるための入力欄である領域R4とを含む。
ここでは、図7では、配信主C1が、連携方式「連携X3」、エラー出力時間「17時」、エラー出力日「配信日の前日」を選択するとともに、エラー出力先としてメールアドレス「ABC@co.jp」を入力した例を示す。ここで、例えば、制御部130は、配信主C1により設定された配信日(配信開始日でもよい)の前日までに、コンテンツの入稿が行われていない場合、あるいは、設定された情報に不備がある場合、「配信日の前日」の「17時」以降、所定の時間間隔で配信主C1の配信主端末10に対して、アラートを送信する。なお、このようなアラート送信にかかる処理は、専用の処理部(例えば、通知部)によって行われてもよい。
また、提供部133は、ページP1の「登録」ボタンが押下されたことを受け付けると、取得部132に通知を行う。ここで、取得部132は、各サーバシステムにアクセスし、各サーバシステム内に設定される条件情報を取得する。例えば、取得部132は、オークションサーバ301、ショッピングサーバ302、顧客管理サーバ60にアクセスし、データベースDB301、データベースDB302、データベースDB60それぞれに格納されている条件式IDと条件式名とを取得する。
そして、提供部133は、取得部132により取得された条件情報が一覧表示されるページであって掛け合わせ設定を行うための掛け合わせ設定ページP1−1(ページP1−1)を配信主C1に提供する。図8は、掛け合わせ設定ページP1−1の一例を示す図である。なお、図8に示すページP1−1は、図2で説明したものをより詳細に説明するものである。
図8の例では、ページP1−1は、掛け合わされた条件式の名称を示す「条件名」を入力するための入力欄である領域R11と、「連携方式」を選択させるための入力欄である領域R12を含む。また、ページP1−1は、掛け合わせる条件式に対応する「条件式ID」を入力するための2つの入力欄、および、掛け合わせの「理論式」を選択させるためのプルダウンが含まれる領域R13を含む。また、ページP1−1は、取得部132により取得された条件情報が一覧表示される領域R14を含む。図8に示すように、条件情報が一覧表示されることで、配信主は、掛け合わせたい条件式に対応する条件式IDを容易に探し出すことができる。
図8では、配信主C1が、条件名「Au_101×Sp_101」を入力し、連携方式「連携X3」を選択した例を示す。また、配信主C1が、掛け合わせ条件式ID「Au_101」および「Sp_101」を入力するとともに、理論式のプルダウンを押下して「ANDNOT」を選択した例を示す。
また、提供部133は、ページP1−1の「登録」ボタンが押下されたことを受け付けると、コンテンツ配信に関する配信情報を配信のシナリオとして設定させるためのシナリオ設定ページP1−2(ページP1−2)を配信主C1に提供する。図9は、シナリオ設定ページP1−2の一例を示す図である。
図9の例では、ページP1−2は、「シナリオID」を入力させるための入力欄である領域R21と、「シナリオ名」を入力させるための入力欄である領域R22が含まれる。また、掛け合わされた条件式に対して配信装置100が発行した「条件式ID」が表示される。なお、かかる「条件式ID」は、例えば、ページP1−2において配信主により設定されてもよい。
また、ページP1−2は、「配信種別」を選択させるためのプルダウンを含む領域R23と、「配信間隔」を入力させるための入力欄である領域R24と、「配信開始日」を入力させるための入力欄である領域R25と、「配信終了日」を入力させるための入力欄である領域R26とを含む。
図9では、配信主C1が、シナリオID「C1001」、シナリオ名「NAME11」を入力し、配信種別「トリガー配信」を選択し、配信間隔「10日」、配信開始日「2016年10月13日」、配信終了日「2017年2月24日」を入力した例を示す。
また、提供部133は、ページP1−2の「登録」ボタンが押下されたことを受け付けると、コンテンツの入稿を受け付けるための原稿登録ページP1−3(ページP1−3)を配信主C1に提供する。図10は、原稿登録ページP1−3の一例を示す図である。
図10の例では、ページP1−3は、電子メール本文の表示形式の種類である原稿入稿種類を選択させるためのプルダウンを含む領域R31と、電子メールの件名を入力させるための領域R32と、電子メール本文を入力させるための入力欄である領域R33および領域R34とを含む。なお、領域R33には、原稿入稿種類「テキスト」が選択された場合に、電子メール本文が入力される。一方、領域R34には、原稿入稿種類「HTML」が選択された場合に、電子メール本文が入力される。
ここまで、図7〜図10を用いて、配信主によるシナリオ設定について説明した。ここで、設定受付部134は、ページP1、ページP1−1、ページP1−2において配信主により入力および選択された設定情報を受け付ける。例えば、設定受付部134は、各ページに含まれる「登録」ボタンが押下されることにより、配信装置100に対して送信された配信主による設定情報を受け付ける。そして、設定受付部134は、受け付けた設定情報を設定情報記憶部121に格納する。
また、入稿受付部135は、ページP1−3において配信主により入力および選択された設定情報を受け付ける。例えば、入稿受付部135は、ページP1−3に含まれる「登録」ボタンが押下されることにより、配信装置100に対して送信された配信主による設定情報を受け付ける。そして、入稿受付部135は、受け付けた設定情報をコンテンツ記憶部122に格納する。
以上のように、コンテンツの入稿まで設定が完了すると、抽出部136は、配信主により設定されたタイミングに基づく抽出処理を開始する。配信主により設定されたタイミングとは、配信種別「トリガー配信」が選択された場合において配信主により設定された「配信開始日」、および、「配信開始日」と「配信間隔」とから算出される「配信日時」である。また、配信主により設定されたタイミングとは、配信種別「単発配信」が選択された場合において配信主により設定された「配信日」である。
また、配信部137は、抽出部136により抽出されたユーザに対して、当該ユーザが抽出されるきっかけとなった条件式に対応するコンテンツを当該ユーザに配信する。例えば、配信部137は、図5および図6に示すシナリオID「C1001」によって識別されるシナリオであって、条件式ID「Au_101」に対応する条件式「CE1−1」と、条件式ID「Sp_101」に対応する条件式「CE1−2」とを掛け合わせるといったシナリオに基づき抽出されたユーザに対して、当該シナリオに含まれるタイミングで、メール内容「TEXT11」、画像データ「IMG11」によって構成される電子メールを配信する。
〔4.配信処理フロー〕
次に、図11を用いて、第1の実施形態にかかる配信処理の手順について説明する。図11は、第1の実施形態にかかる配信システムSy1による配信処理手順を示すシーケンス図である。
まず、配信主は、自身の配信主端末10を操作して、条件情報を設定したいサービス提供サーバ30、あるいは、顧客管理サーバ60にログインする。そして、配信主は、ログインしたサービス提供サーバ30、あるいは、顧客管理サーバ60内において条件情報を設定する(ステップS101)。例えば、配信主は、条件情報として、条件式とその条件式を識別する条件式IDとを設定する。
次に、配信主は、配信主端末10を操作して、配信装置100にログインする(ステップS102)。図示しないが、配信装置100は、配信主がログインすると所定のトップページを配信主端末10に配信する。そして、配信装置100は、配信主端末10から送信される要求に応じて、配信に関する情報設定を配信主から受け付けるためのページを配信主端末10に配信する(ステップS103)。例えば、配信装置100は、配信主端末10から送信される要求に応じて、図7〜図10に示したページP1、ページP1−1、ページP1−2、ページP1−3を配信する。
また、配信装置100は、各ページを介して、配信に関する情報設定や、コンテンツの入稿を受け付ける(ステップS104)。そして、配信装置100は、配信主により設定されたタイミングに基づき、当該条件情報が設定されるサーバ装置にアクセスし、当該条件情報を満たすユーザを抽出する(ステップS105)。例えば、配信装置100は、配信主から、掛け合わせる複数の条件式それぞれの条件式IDを受け付けた場合には、各条件式IDが設定されるサーバ装置にアクセスし、各条件式IDに対応する条件式を満たすユーザを抽出する。
また、配信装置100は、配信主により掛け合わせ設定が行われている場合には、理論式に基づき、ステップS105で抽出したユーザの中から、さらにユーザを抽出する(ステップS106)。なお、配信主により掛け合わせ設定が行われていない場合には、ステップS106は行われない。
そして、配信装置100は、配信主により設定されたタイミングで、ステップS105およびステップS106で抽出したユーザのユーザ端末20に対して、条件情報に対応するコンテンツを配信する(ステップS107)。
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態では、配信装置100が、配信主により設定されたタイミングで、条件情報を満たすユーザに対してコンテンツを配信する例を示した。そこで、配信装置100は、コンテンツ配信に関する実績情報を配信主に提示してもよい。このような提示処理を行う装置を配信装置200として、図12を用いて、配信装置200の構成について説明する。
〔配信装置の構成〕
図12は、第2の実施形態にかかる配信装置200の構成例を示す図である。図12に示すように、配信装置200は、通信部110と、記憶部220と、制御部230とを有する。図12に示すように、配信装置200は、第1の実施形態にかかる配信装置100が、実績情報記憶部223および提示部238を有するものに相当する。したがって、第1の実施形態にかかる配信装置100と同一符号が付された処理部については説明を省略する。
(記憶部220について)
記憶部220は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部220は、設定情報記憶部121と、コンテンツ記憶部122と、実績情報記憶部223を有する。
(実績情報記憶部223について)
実績情報記憶部223は、コンテンツ配信に関する実績情報を記憶する記憶部である。ここで、図13に第2の実施形態にかかる実績情報記憶部223の一例を示す。図13の例では、実績情報記憶部223は、「配信主ID」、「シナリオID」、「シナリオ名」、「配信回数」、「配信数」、「開封数」、「クリック数」、「クリック率」といった項目を有する。
「配信主ID」は、配信主または配信主端末10を識別するための識別情報を示す。「シナリオID」は、配信主により指定された条件式IDと、当該条件式IDに対応する条件式を満たすユーザへのコンテンツ配信に関する設定情報とを含むシナリオを一元管理するための識別情報である。「シナリオ名」は、対応する「シナリオID」によって識別されるシナリオの名称を示す。図13に示す「配信主ID」、「シナリオID」、「シナリオ名」は、図5および図6に示すものに対応する。
「配信回数」は、「シナリオID」および「シナリオ名」に対応するコンテンツが配信された回数を示す。「配信数」は、「シナリオID」および「シナリオ名」に対応するコンテンツが配信された数を示す。一例を示すと、配信回数「10回」の中で、重複を含めて「1000人」のユーザに配信されたコンテンツの配信数は「1000回」となる。「開封数」は、配信されたコンテンツの「配信数」のうち、開封された数を示す。なお、説明を簡単にするために、図13の例では、「配信数」と「開封数」の値を同一としている。
「クリック数」は、配信されたコンテンツがクリックされた回数を示す。なお、同一コンテンツが複数回クリックされた場合には、重複分は「クリック数」としてカウントされない。「クリック率」は、配信されたコンテンツがクリックされる確率を示す。例えば、「クリック率」は、「クリック数」を「配信数」で除算することにより算出される。
すなわち、図13の例では、配信主C1により入稿されたコンテンツであって、シナリオID「C1001」に対応するコンテンツ、つまりメール内容「TEXT11」および画像データ「IMG11」を含む電子メール(図6より)が、「10回」配信された(配信回数「10」)例を示す。また、図13の例では、かかる電子メールが、「10回」の配信の中で、「35,000人」のユーザに配信された(配信数「35,000」)例を示す。また、図13の例では、かかる電子メールが、「35,000人」のユーザに開封された(開封数「35,000」)例を示す。また、図13の例では、かかる電子メールが、「315回」クリックされた(クリック数「315」)ことにより、クリック率「0.90」が算出された例を示す。
(制御部230について)
図12に戻り、制御部230は、CPUやMPU等によって、配信装置200内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部230は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
図12に示すように、制御部230は、アクセス受付部131と、取得部132と、提供部133と、設定受付部134と、入稿受付部135と、抽出部136と、配信部137と、提示部238とを有し、以下に説明する配信処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部230の内部構成は、図12に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部230が有する各処理部の接続関係は、図12に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
(提示部238について)
提示部238は、コンテンツ配信に関する実績情報を配信主に提示する。例えば、提示部238は、実績情報記憶部223に記憶される実績情報に基づき統計情報を算出し、算出した統計情報を配信主に提示する。また、提示部238は、後述する優先度を設定するための参考情報として統計情報を配信主に提示する。提示部238が、提示する統計情報には、以下のようなものがある。
例えば、提示部238は、性別あるいは年代別に時間経過に伴うクリック率の遷移を提示する。また、提示部238は、配信主が条件情報を設定したサービスシステムにおいて提供されるサービスに特化した統計情報を提示する。一例を示すと、提示部238は、「オークションサービスを紹介する電子メール」を送信されたユーザのうち、どれだけのユーザが対応するオークションサイトを訪問したかといった統計情報を提示する。また、提示部238は、「オークションサービスを紹介する電子メール」を送信されたユーザのうち、どれだけのユーザが対応するオークションサイトで商品を落札したかといった統計情報を提示する。
(他の実施形態)
上述した第1および第2の実施形態は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、他の実施形態について説明する。
〔1.優先度とグループ設定〕
上記実施形態では、配信装置100および配信装置200の設定受付部134が、配信主からコンテンツ配信に関する各種情報設定を受け付ける例を示した。そして、設定受付部134は、上記例で示した設定情報以外にも優先度の設定を受け付けてもよい。具体的には、設定受付部134は、1の配信主により複数の条件情報毎に当該条件情報専用のコンテンツが対応付けられる場合に、各条件情報に対応するコンテンツのうち、いずれのコンテンツを優先して配信させるかを示す優先度の設定を受け付ける。
また、配信部137は、設定受付部134により受け付けられた優先度に基づいて、コンテンツを配信する。具体的には、配信部137は、上記のように設定受付部134により受け付けられた異なる条件情報毎に、抽出部136により各条件情報を満たす同一のユーザが抽出された場合に、各条件情報に対応付けられるコンテンツのうち、優先度に基づいて決定したコンテンツを配信する。この点について、図14を用いて説明する。
図14は、優先度に基づくコンテンツ配信の一例を示す図である。図14の例では、配信主C1が、ショッピングサーバ302内において2つの条件情報を設定したことにより、配信主C1が、配信装置100にログインし、かかる2つの条件情報毎にコンテンツ配信に関するシナリオを設定するとともに、コンテンツを入稿している例を示す。
まず、シナリオID「C1004」に属する情報について、より具体的に説明する。配信主C1が、ショッピングサーバ302内において予め、「検索クエリ「ビジネススーツ」_入力」といった条件式CE1−4を設定するとともに、条件式CE1−4に対して条件式ID「Sp_104」を設定している。なお、条件式CE1−4は、「検索クエリ「ビジネススーツ」を入力したユーザを対象とする」といったことを意味する。
また、設定受付部134は、条件式ID「Sp_104」によって識別される条件情報に対してシナリオID「C1004」によって識別されるシナリオの設定を受け付けている。具体的には、設定受付部134は、条件式ID「Sp_104」によって識別される条件情報に対応する配信のシナリオとして、シナリオID「C1004」、配信種別「トリガー配信」、配信間隔「10日」、配信開始日「2016年10月13日」、配信終了日「2017年2月24日」といった設定に加えて、優先度「2」の設定を受け付けている。
また、設定受付部134は、条件式ID「Sp_104」によって識別される条件情報に対応する配信のシナリオとして、電子メール「TEXT14」の入稿を受け付けている。「TEXT14」は、「ショッピングサイトでポイント10%還元セール中!ぜひご利用ください」といった本文を含む。このようなことから、電子メール「TEXT14」は、「検索クエリ「ビジネススーツ」を入力したユーザ」(条件式CE1−4)を、ショッピングサイトへと誘導することを目的としていることかうかがえる。
次に、シナリオID「C1005」に属する情報について説明する。配信主C1が、ショッピングサーバ302内において予め、「ショッピング_閲覧_「ファッション」」といった条件式CE1−5を設定するとともに、条件式CE1−5に対して条件式ID「Sp_105」を設定している。なお、条件式CE1−5は、「ショッピングサイトのうちファッションカテゴリに属するページを閲覧したユーザを対象とする」といったことを意味する。また、ここでのショッピングサイトは、ショッピングサーバ302によって提供されるものを示す。
また、設定受付部134は、条件式ID「Sp_105」によって識別される条件情報に対してシナリオID「C1005」によって識別されるシナリオの設定を受け付けている。具体的には、設定受付部134は、条件式ID「Sp_105」によって識別される条件情報に対応する配信のシナリオとして、シナリオID「C1005」、配信種別「トリガー配信」、配信間隔「10日」、配信開始日「2016年10月13日」、配信終了日「2017年2月24日」といった設定に加えて、優先度「1」の設定を受け付けている。
また、設定受付部134は、条件式ID「Sp_105」によって識別される条件情報に対応する配信のシナリオとして、電子メール「TEXT15」の入稿を受け付けている。「TEXT15」は、「ショッピングサイトのカテゴリ「ファッション」内の商品半額セール中!」といった本文を含む。このようなことから、電子メール「ショッピングサイトのうちファッションカテゴリに属するページを閲覧したユーザ」(条件式CE1−5)を、商品購入へとつなげることを目的としていることかうかがえる。
ここで、「グループID」について説明する。「グループID」は、優先度を適用するシナリオ群をグループとし、そのグループに付与される識別情報である。優先度やグループIDの設定は、図示しないが、例えば、図9に示すページP1−2で行われてよい。図14の例では、配信主C1は、シナリオID「C1004」によって識別されるシナリオと、シナリオID「C1005」によって識別されるシナリオとを1つのグループとして、このグループにグループID「G01」を設定している。つまり、設定受付部134が、シナリオID「C1004」によって識別されるシナリオと、シナリオID「C1005」によって識別されるシナリオとから成るグループに対して、グループID「G01」の設定を受け付けた例を示す。
また、上記のようなグループ設定を用いて、優先度に基づくコンテンツ配信についてより具体的に説明する。例えば、優先度は、グループに属する各条件情報のそれぞれを満たすユーザが存在した場合に、そのユーザに優先的に配信するコンテンツを指定するものである。図14の例では、配信部137が電子メールを配信するタイミングによっては、「検索クエリ「ビジネススーツ」を入力したユーザ」といった条件式「CE1−4」と、「ショッピングサイトのうちファッションカテゴリに属するページを閲覧したユーザ」といった条件式「CE1−5」のそれぞれを満たすユーザが存在する場合がある。
かかる場合、優先度を考慮しないと、「ショッピングサイトのうちファッションカテゴリに属するページを閲覧したユーザ」、すなわち「既にショッピングサイトに訪問しているユーザ」に対して、ショッピングサイトへの誘導を目的とする電子メール「TEXT14」が配信されてしまう可能性がある。そして、このような配信が行われてしまうと、「既にショッピングサイトに訪問しているユーザ」に対して違和感を与えてしまうことになる。
したがって、配信部137は、電子メールを配信するタイミングにおいて、1つのグループに属する条件情報であって、それぞれコンテンツが対応付けられている条件情報のうち、複数の条件情報それぞれを満たす同一ユーザが抽出された場合には、その複数の条件情報それぞれに設定された優先度の中で、より高い(値が小さい)優先度が設定されたコンテンツを配信する。
図14の例では、配信部137は、配信主C1により設定されたタイミングにおいて、グループID「G01」に属する各シナリオに含まれる条件式「CE1−4」と、条件式「CE1−5」とを満たすユーザが抽出された場合には、当該ユーザに対して、優先度「1」が対応付けられる電子メール「TEXT15」を配信する。
これにより、第1の実施形態にかかる配信装置100、および、第2の実施形態にかかる配信装置200は、コンテンツが配信されたユーザに対して、コンテンツの内容による違和感を与えてしまうことを事前に防止することができる。
〔2.連携方式について(1)〕
上記実施形態では、配信装置100の設定受付部134が、複数の条件式を掛け合わせる連携方式である連携X3の選択を受け付け、抽出部136が、掛け合わせ連携として、かかる複数の条件式の双方を満たすユーザを抽出する例を示した。しかし、設定受付部134は、配信装置100と各サービス提供サーバ30(図1の例では、オークションサーバ301あるいはショッピングサーバ302)とのサーバ間連携を示す連携X1の設定を受け付けてもよい。以下では、配信主C1により図1のような条件情報の設定が行われ、さらに連携X1が選択された場合における配信処理について説明する。
例えば、設定受付部134は、図7に示すページP1を介して、配信主C1から連携X1の選択を受け付ける。また、提供部133は、ページP1において設定された情報が登録された場合に、図8に示すページP1−1の代わりに、条件情報を選択させるための条件式選択ページP1−1x(以下、「ページP1−1x」とする)を配信主C1に提供する。
図15は、条件式選択ページP1−1xの一例を示す図である。図15の例では、ページP1−1xは、「連携方式」を選択させるための入力欄である領域R12xと、取得部132により取得された条件情報が一覧表示される領域R14xとを含む。また、領域R14xには、一覧表示される条件情報の中から、連携させるサーバ装置、言い換えれば、サービス提供サーバ30内に設定された条件情報を選択させるためのチェックボックスが含まれる。図示しないが、一覧表示される条件情報それぞれには、当該条件情報が設定されたサービス提供するサーバ30の識別情報が対応付けられていてよい。また、このような対応付けは、例えば、取得部132によって行われる。
そして、図15では、配信主C1が、連携方式「連携X1」を選択するとともに、条件式ID「Au_101」を選択した例を示す。また、提供部133は、ページP1−1xの「登録」ボタンが押下されたことを受け付けると、図9に示すページP1−2を配信主C1に提供する。また、提供部133は、ページP1−2の「登録」ボタンが押下されたことを受け付けると、図10に示すページP1−3を配信主C1に提供する。
以上のように、コンテンツの入稿まで設定が完了すると、抽出部136は、配信主C1により設定されたタイミングに基づく抽出処理を開始する。また、配信部137は、抽出部136により抽出されたユーザに対して、配信主C1により設定されたタイミングでコンテンツを配信する。
なお、ここでは、連携X1が選択された場合における配信処理について説明したが、配信装置100と顧客管理サーバ60とのサーバ間連携である連携X2が選択された場合であっても、同様の配信処理が行われる。
〔3.連携方式について(2)〕
上記実施形態では、図1に示すように、配信主が、サービスシステムにログインし、サービスシステム内において予め条件情報を設定しておく例を示した。しかし、配信主は、配信装置100に対して、予め条件情報を設定してもよい。具体的には、提供部133が、条件情報の設定を受け付けるための条件情報設定ページP2(以下、「ページP2」とする)を配信主に提供する。そして、設定受付部134は、ページP2を介して、条件情報の設定を受け付ける。また、配信主は、このように配信装置100で条件情報を設定したい場合、アプリAP1とは異なるアプリケーションである「アプリAP2」を利用する。
アプリAP2は、顧客管理サーバ60に対応したアプリケーションである。したがって、配信主は、配信装置100と顧客管理サーバ60とを連携させたい場合、すなわち条件情報を満たすユーザを顧客管理サーバ60から抽出させたい場合に、アプリAP2を利用する。
例えば、第2アクセス受付部131bは、配信主C1のログインを許可すると、配信主C1がログインした旨を提供部133に通知する。提供部133は、第2アクセス受付部131bからの通知に応じて、配信に関するシナリオ設定を受け付けるための所定のページを提供する。提供部133は、アプリAP2に対応するトップページを介して、ページP2の要求を受け付けると、配信主C1の配信主端末10に対して、ページP2を配信する。
かかる場合、設定受付部134は、ページP2を介して、条件式および条件式IDの設定を受け付ける。また、設定受付部134は、配信主C1により設定された条件情報を所定の記憶部(図示しないが、例えば、条件情報記憶部)に格納する。また、提供部133は、ページP2において条件情報の設定が完了されると、配信主C1の要求に応じて、例えば、上述してきたページP1、P1−2、P1−3を順次提供することにより、配信主C1からシナリオの設定を受け付ける。
また、抽出部136は、配信主C1により設定されたタイミングに基づいて、ページP2で設定された条件情報を満たすユーザを顧客管理サーバ60から抽出する。また、配信部137は、抽出されたユーザに対して、配信主C1により設定されたタイミングで配信主C1のコンテンツを配信する。
〔4.アップロード〕
配信主によっては、所定のサービスシステムによって提供されるサービスの利用者に関する情報をリスト化したリスト情報を所持している場合がある。さらに、配信主によっては、このリスト情報によって示される利用者の中からも、自身が設定した条件情報を満たすユーザが抽出されることを望む場合がある。
したがって、かかる場合、設定受付部134は、配信主からコンテンツの配信対象のユーザを示すリスト情報を受け付ける(リスト情報のアップロード)。また、抽出部136は、配信主により指定されたタイミングに基づいて、条件情報を満たすユーザをリスト情報から抽出する。そして、配信部137は、抽出部136によりリスト情報から抽出されたユーザに対して、コンテンツを配信する。
これにより、第1の実施形態にかかる配信装置100、および、第2の実施形態にかかる配信装置200は、配信主側により指定されたユーザ群の中から、配信主により設定された条件情報を満たすユーザを抽出し、抽出したユーザに配信主のコンテンツを配信することができる。すなわち、第1の実施形態にかかる配信装置100、および、第2の実施形態にかかる配信装置200は、配信主の要望により応じたコンテンツ配信を行うことができる。
〔5.重複排除について〕
上記実施形態では、例えば、条件情報を掛け合わせるよう指定された場合に、抽出部136が、各条件情報に対応する条件式の双方を満たすユーザを抽出する例を示した。また、抽出したユーザの中に同一のユーザが含まれる場合には、抽出部136が、重複分のユーザを排除する重複排除を行う例を示した。
かかる重複排除について一例を示す。例えば、抽出部136が、各条件情報に対応する条件式の双方を満たすユーザとして、ユーザU1を示すレコードを3つ、ユーザU2を示すレコードを1つ抽出したとする。かかる場合、抽出部136は、ユーザU1を示すレコードを3つであることからユーザU1が重複していることを認識する。これにより、抽出部136は、3つのユーザU1のうち重複分の2つのユーザU1を排除する。これにより、1人のユーザに対して、同一のコンテンツが同時に複数配信されてしまうといった状況を防止することができる。
一方で、上記のような重複排除とは別に、抽出部136は、条件式を満たすユーザの中から特定のユーザを排除する場合がある。例えば、検索式「オークション_検索_「ファッション」」(オークションで「ファッション」カテゴリに属する商品を検索したユーザ)といった条件式Aと、「コンテンツを配信してはいけないユーザ」といった条件式Bとが掛け合わせ設定される場合がある。
かかる場合、抽出部136は、条件式Aを満たすユーザと、条件式Bを満たすユーザをそれぞれ特定する。例えば、条件式Aを満たすユーザとして、ユーザU5、ユーザU6、ユーザU7が特定されたとする。また、条件式Bを満たすユーザとして、ユーザU6、ユーザU7が特定されたとする。
このような状態において、抽出部136は、ユーザU6およびU7は、「コンテンツを配信してはいけないユーザ」であることから、条件式Aを満たすユーザユーザU5、U6、U7の中からユーザユーザU6およびU7を排除し、これにより残ったユーザU5を抽出する。
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた各実施形態にかかる配信装置100および配信装置200は、例えば図16に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、配信装置100を例に挙げて説明する。図16は、配信装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網50を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信網50を介して他の機器へ送信する。
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
例えば、コンピュータ1000が第1の実施形態にかかる配信装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信網50を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
また、例えば、コンピュータ1000が第2の実施形態にかかる配信装置200として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部230の機能を実現する。
〔7.その他〕
上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
また、上述してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
〔8.効果〕
第1の実施形態にかかる配信装置100、および、第2の実施形態にかかる配信装置200は、設定受付部134と、抽出部136と、配信部137とを有する。設定受付部134は、コンテンツを配信する配信先に関する条件情報の指定をコンテンツの配信主から受け付ける。抽出部136は、配信主により指定されたタイミングに基づいて、条件情報を満たすユーザを抽出する。配信部137は、配信主により指定されたタイミングで抽出部136により抽出されたユーザに対してコンテンツを配信する。
これにより、第1の実施形態にかかる配信装置100、および、第2の実施形態にかかる配信装置200は、配信主の要望により応じたコンテンツ配信を行うことができるため、訴求効果の高いコンテンツ配信を行うことができる。
また、設定受付部134は、条件情報として、所定のサービスを提供するサービスシステムにおいて配信主により予め生成された条件情報であって当該所定のサービスの利用者の中からユーザを特定するための条件情報の指定を受け付ける。
これにより、第1の実施形態にかかる配信装置100、および、第2の実施形態にかかる配信装置200は、所定のサービスを提供するサービスシステムが蓄積している独自のユーザ情報に基づく条件情報を満たすユーザに対してコンテンツ配信できるため、配信主の要望により応じたコンテンツ配信を行うことができる。
また、抽出部136は、サービスシステムのうち条件情報に対応するサービスシステムにアクセスすることで、条件情報を満たすユーザを抽出する。
これにより、第1の実施形態にかかる配信装置100、および、第2の実施形態にかかる配信装置200は、条件情報が設定されたサービスシステムが保有する独自のユーザ情報から、条件情報を満たすユーザを抽出することができるため、条件情報を満たすユーザを精度よく抽出することができる。
また、抽出部136は、異なる複数のサービスシステムにおいて配信主により予め生成されたそれぞれの条件情報の双方を満たすユーザを抽出する。
これにより、第1の実施形態にかかる配信装置100、および、第2の実施形態にかかる配信装置200は、配信対象のユーザをより詳細にターゲティングすることができる。
また、抽出部136は、配信主により指定されたタイミングとして、コンテンツを配信する配信日時に基づいて、ユーザを抽出する。
これにより、第1の実施形態にかかる配信装置100、および、第2の実施形態にかかる配信装置200は、配信主により指定された日時において、配信主の条件情報を満たすユーザに対してコンテンツ配信することができるため、配信主の要望により応じたコンテンツ配信を行うことができる。
また、設定受付部134は、条件情報毎に当該条件情報に対応するコンテンツを配信主から受け付ける。
これにより、第1の実施形態にかかる配信装置100、および、第2の実施形態にかかる配信装置200は、条件情報を満たすユーザにより適したコンテンツを配信することができる。
また、配信部137は、異なる条件情報のそれぞれを満たす同一のユーザが抽出された場合に、異なる条件情報のそれぞれに対応付けられるコンテンツのうち、優先度に基づいて決定されたコンテンツを配信する。
これにより、第1の実施形態にかかる配信装置100、および、第2の実施形態にかかる配信装置200は、コンテンツが配信されたユーザに対して、コンテンツの内容による違和感を与えてしまうことを事前に防止することができる。
また、第2の実施形態にかかる配信装置200は、提示部238を有する。提示部238は、条件情報に対応する統計情報を優先度を設定するための参考情報として提示する。
これにより、第2の実施形態にかかる配信装置200は、どのコンテンツを優先して配信させるかを設定させ易くすることができる。
また、設定受付部134は、配信主からコンテンツの配信対象のユーザを示す情報を受け付け、抽出部136は、配信主により指定されたタイミングに基づいて、条件情報を満たすユーザをユーザを示す情報から抽出し、配信部137は、抽出部136によりユーザを示す情報から抽出されたユーザに対して、コンテンツを配信する。
これにより、第1の実施形態にかかる配信装置100、および、第2の実施形態にかかる配信装置200は、配信主側により指定されたユーザ群の中から、配信主により設定された条件情報を満たすユーザを抽出し、抽出したユーザに配信主のコンテンツを配信することができる。
以上、本願の実施形態をいくつかの図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。