JP6910046B2 - 擬似不良品を用いて動作確認される検査装置 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の一実施形態に係る検査装置10を示す。検査装置10は、例えば袋詰めされた食品などの物品の搬送ラインに設置され、金属片などの異物が物品に混入しているかを検査するものである。検査装置10は、シールドボックス20、搬送機構30、タッチパネル40、検査結果出力部45、検査機構50、および図示されていない制御部60を有する。検査装置10は、その前段および後段に配置されるコンベアと高さを整合させるために、台Sの上に載置されている。
図1に戻り、検査装置10の詳細を説明する。検査装置10は、X線を用いて物品Aを検査する。
シールドボックス20は、検査装置10のケーシングである。シールドボックス20は、X線を透過しない材質で構成されている。シールドボックス20には、物品Aを受け取る物品受取口21と、物品Aを排出する物品排出口22が形成されている。物品受取口21と物品排出口22にはいずれも遮蔽カーテン23が取り付けられている。遮蔽カーテン23は、X線がシールドボックス20の外部へ漏洩することを抑制する。
搬送機構30は、物品Aを物品受取口21から物品排出口22まで搬送する。図3に示すように、搬送機構30は、無端ベルト31、駆動ローラ32、従動ローラ33、駆動モータ34有する。無端ベルト31は、駆動ローラ32から従動ローラ33わたって掛けられている。無端ベルト31は、X線を透過する材料により構成されている。駆動モータ34は駆動ローラ32を回転させる。無端ベルト31の上面31aは、従動ローラ33から駆動ローラ32に向かって物品Aとともに搬送方向Cへ移動し、これによって物品Aに検査機構50を通過させる。無端ベルト31の下面31bは、駆動ローラ32から従動ローラ33に向かって移動する。
図1に示すタッチパネル40は、ユーザからの入力を受け付けるキーおよび、ユーザに情報を提供するティスプレイとして機能する。
検査結果出力部45は、複数の物品Aについて実施された検査ルーティーンに関する検査レポートを出力する。検査結果出力部45は、プリンタとして構成されている。これに代えて、検査結果出力部45はディスプレイやその他の出力装置として構成されてもよい。
図3に示す検査機構50は、X線照射器51と、X線ラインセンサ52とを有する。X線照射器51は、搬送機構30の無端ベルト31によって搬送される物品Aに、X線53を照射する。物品Aは、例えば、X線53を透過する包装材Wによって包装された、食品などの商品Gである。X線53は、物品Aおよび無端ベルト31の上面31aを透過して、無端ベルト31の上面31aと下面31bの間に設置されているX線ラインセンサ52に到達する。X線ラインセンサ52は、搬送方向Cに直交する方向に一列に並んだ複数のX線検出素子52aを有している。X線ラインセンサ52は、それぞれのX線検出素子52aが検出したX線53の強度に応じて信号を出力する。
図4に示す制御部60は、検査装置10の各部を制御する。制御部60は、中央処理部61、記憶部62、モード設定部63を有する。中央処理部61は、検査装置10の全体の動作を統括する。記憶部62は、データ、プログラム、変数、フラグ、画像、その他の情報を記憶する。モード設定部63には、検査装置10の動作モードが、ユーザによる入力部41を介した入力により設定される。制御部60は、さらに、以下に述べる各種インターフェイスを有する。キー入力インターフェイス65aは、タッチパネル40のキーとして構成された入力部41からの入力を処理する。ディスプレイインターフェイス65bは、タッチパネル40のディスプレイ42の画面制御を行う。検査結果出力部インターフェイス65cは、検査結果出力部45を制御する。照射器インターフェイス65dは、X線照射器51を制御する。ラインセンサインターフェイス65eは、X線ラインセンサ52の出力信号を増幅およびAD変換する。モータインターフェイス65fは、駆動モータ34を制御する。振り分け装置インターフェイス65gは、振り分け装置80に対して、検査対象の物品Aに関する判定の結果を送信する。
動作モードには、通常モードMNおよびテストモードMTがある。
通常モードMNは、物品Aの通常の検査ルーティーンを行うモードである。検査ルーティーンが開始されると、図3に示す検査機構50には、搬送機構30によって複数の物品Aが連続的に搬送される。物品Aを透過したX線53の強度は、X線ラインセンサ52によって検出される。図4の制御部60において、X線ラインセンサ52の出力信号は、ラインセンサインターフェイス65eで増幅およびAD変換をされた後、中央処理部61に取得される。中央処理部61は、X線ラインセンサ52の複数回分の出力信号を画像の形式に統合して、記憶部62に保存する。中央処理部61は、所定の処理手順によって、物品Aが良品であるか不良品であるかを判定する。ここでいう所定の処理手順は、例えば、記憶部62に保存された画像の画像処理、画像からの所定の指標の抽出、指標と所定の閾値との比較、などを含む。判定の結果は、振り分け装置80へ送信される。判定の結果は、さらに、タッチパネル40のディスプレイ42に逐次表示されてもよい。判定の結果は、記憶部62に格納されている良品数NPと不良品数NFのデータに計上される。
テストモードMTは、物品Aが良品であるか不良品かであるかを判定する検査が正常に実行されているか否かを確認するために、検査装置10自身の動作確認を行うモードである。さらに、テストモードMTの実行中にも物品Aの検査は実施され、通常モードMNと同様に、良品は後段のコンベアB2へ渡される。
− X線画像42bを見ることにより、擬似不良品Qについて不良品の判定がなされていることをユーザは確認することができる。それによって、検査装置10の動作確認ができる。
− 検査レポートに記載された擬似不良品数NQが、テストモードMTの実行中に実際に擬似不良品Qを投入した回数と一致しているかを、ユーザは確認することができる。擬似不良品数NQと投入回数とが一致している場合には、検査装置10が正常に動作していることを確認ができる。
− 擬似不良品数NQと投入回数とが食い違っている場合には、例えば、擬似不良品Qについて良品であると判定された可能性が想定される。この場合には、テストモードMTの検査ルーティーンの実行中に製造された物品Aをすべて廃棄するという措置をユーザが採ることにより、擬似不良品Qが物品Aの良品として出荷されてしまうことを防止できる。
− 検査レポートから、出荷可能な良品数NPを知ることができる。
− 検査レポートから、不良品率NF/NPを知ることができる。
(4−1)
テストモードMTにおいて、擬似不良品Qは不良品数NFに計上されない。検査レポートに記載された不良品数NFは、物品Aの製造工程で発生した不良品の数である。したがって、検査装置10の動作確認の実行中においても、ユーザは検査レポートから正確な不良品率NF/NPを知ることができる。
テストモードMTにおいて、擬似不良品Qは擬似不良品数NQに計上される。したがって、ユーザは、検査レポートに記載された擬似不良品数NQが、テストモードMTの実行中に実際に擬似不良品Qを投入した回数と一致しているかを確認することによって、検査装置10の動作確認をすることができる。
テストモードMTにおいて、X線画像42bを見ることにより、不良品判定が物品Aの製造上の不具合に起因するか、または擬似不良品Qに起因するかをユーザが確認することができる。それによって、検査装置10の動作確認ができる。
検査機構50はX線を用いて検査を行う。したがって、物品Aへの金属異物Fの混入が簡単に検出できる。
(5−1)変形例A
上述の実施形態に係る検査装置10では、テストモードMTにおいて擬似不良品数NQが計上される。これに代えて、テストモードMTにおいて、擬似不良品数NQを数えない仕様としてもよい。
上述の実施形態に係る検査装置10には、X線光学系として構成された検査機構50が搭載されている。これに代えて、検査機構50は、その他の光学系または電磁波検出系により構成されてもよい。この場合、X線照射器51に代えて、紫外線、可視光線、赤外線、マイクロ波などの電磁波を放出する電磁波源が用いられる。X線ラインセンサ52に代えて、それらの電磁波を検出する電磁波センサが用いられる。
上述の実施形態に係る検査装置10には、透過X線強度の検出によって判定を行う検査機構50が搭載されている。これに代えて、検査機構50は、物品を透過した電磁波によって誘導された磁界の検出によって判定を行ってもよい。X線ラインセンサ52に代えて用いられる磁界センサは、ラインセンサである必要はない。制御部60は、磁界センサの出力信号を画像として統合する必要はない。不良判定画面Zでは、X線画像42bに代えて、検出された誘導磁界の大きさが表示される。擬似不良品Qとしては、通常の製造工程で混入される金属異物Fの量の範囲を超えるほど大量の金属異物Fが付加されたものを用いる。ユーザは、不良判定画面Zに表示された誘導磁界のレベルを見て、検査対象が物品Aの不良品であるか、擬似不良品Qであるかを判断する。その後、ユーザはその判断の指定を不良品キー41aまたは擬似不良品キー41bによって行う。
上述の実施形態に係る検査装置10は、物品Aへの金属異物Fの混入の有無を検査するものである。これに代えて、検査装置10は、物品Aの重量が所定の出荷許容範囲に収まっているか否かを検査するものであってもよい。この場合透過X線強度の検出によって判定を行う検査機構50に代えて、物品Aの重量の検出によって判定を行う検査機構50が搭載される。X線ラインセンサ52に代えて用いられる重量測定部は、ラインセンサである必要はない。制御部60は、重量測定部の出力信号を画像として統合する必要はない。不良判定画面Zでは、X線画像42bに代えて、検出された重量の大きさが表示される。擬似不良品Qとしては、通常の物品Aのとりうる重量の範囲を外れる値の重量を有するものを用いる。ユーザは、不良判定画面Zに表示された重量のレベルを見て、検査対象が物品Aの不良品であるか、擬似不良品Qであるかを判断する。その後、ユーザはその判断の指定を不良品キー41aまたは擬似不良品キー41bによって行う。
20 シールドボックス
30 搬送機構
40 タッチパネル
50 検査機構
51 X線照射器
52 X線ラインセンサ
60 制御部
A 物品
F 金属異物
Q 擬似不良品
Z 不良表示画面
Claims (10)
- 物品を検査する検査装置であって、
検査対象の異物を検出することによって、前記物品が良品および不良品のいずれであるかを判定する検査を行う検査機構と、
前記物品を受け取り、前記検査機構を通過させ、排出する搬送機構と、
前記検査において判定された、前記良品の数である良品数および前記不良品の数である不良品数を記憶する記憶部と、
ユーザからの入力を受け付ける入力部と、
前記物品の前記検査のみを行う通常モード、および前記物品の前記検査とともに前記検査機構の動作確認を行うテストモードのいずれかを設定するモード設定部と、
制御部であって、
前記モード設定部が前記テストモードを設定しており、かつ、前記検査機構が前記検査対象に関して前記良品であると判定をした場合には、前記記憶部に、前記検査対象を前記良品数として計上させ、
前記モード設定部が前記テストモードを設定しており、前記検査機構が前記検査対象に関して前記不良品であると判定し、かつ、前記検査対象が、正常に動作する前記検査機構によって前記不良品であると判定されるように構成されている疑似不良品である、旨の前記入力を前記入力部が受け取った場合には、前記記憶部に、前記検査対象を前記不良品数として計上させない、制御部と、
を備える、検査装置。 - 前記モード設定部が前記テストモードを設定している場合には、前記記憶部は、前記検査機構によって前記不良品であると判定された前記擬似不良品の数である擬似不良品数をさらに記憶する、
請求項1に記載の検査装置。 - 前記ユーザに情報を提供する表示部、
をさらに備え、
前記モード設定部が前記テストモードを設定しており、かつ、前記不良品の判定した場合には、
前記表示部は、検査対象の表示を行い、
前記入力部は、前記表示が前記物品に関するものであるか、または前記擬似不良品に関するものであるかについての指定を、前記ユーザから受け付け、
前記記憶部は、前記指定が前記物品である場合には、前記不良品の前記判定を前記不良品数に計上する一方、前記指定が前記擬似不良品である場合には、前記不良品の前記判定を前記擬似不良品数に計上する、
請求項2に記載の検査装置。 - 前記検査機構は、電磁波を発する電磁波源を有し、
前記検査対象の前記表示は、前記電磁波を照射された前記物品に関するものである、
請求項3に記載の検査装置。 - 前記電磁波はX線であり、
前記検査対象の前記表示は、前記X線を照射された前記物品の画像である、
請求項4に記載の検査装置。 - 前記表示は、前記物品を透過した前記電磁波によって誘導された磁界に関する量である、
請求項4に記載の検査装置。 - 前記検査機構は、前記物品の重量を測定する重量測定部を有し、
前記表示は、前記物品の重量に関する量である、
請求項3に記載の検査装置。 - 前記良品数および前記不良品数を出力する検査結果出力部、
をさらに備える、
請求項1から7のいずれか1項に記載の検査装置。 - 物品を検査する検査方法であって、
前記物品の検査とともに検査機構の動作確認を行うテストモードにおいて、検査対象に関して良品であると判定する場合には、前記検査対象を前記良品の数に含まれるように記憶し、
前記テストモードにおいて、前記検査対象に関して不良品であると判定し、かつ、前記検査対象が、正常に動作する前記検査機構によって前記不良品であると判定さえるように構成されている疑似良品である、旨の入力をユーザから受け取る場合には、前記検査対象を前記不良品の数に含まれるようには記憶しない、
検査方法。 - 物品を検査する検査システムであって、前記検査システムは、
良品の数である良品数、および不良品の数である不良品数、を記憶する記憶ユニット、
を備え、
前記記憶ユニットは、
前記物品の検査とともに検査機構の動作確認を行うテストモードにおいて、前記検査対象に関して前記良品であると判定する場合には、前記検査対象を前記良品数に含まれるように記憶し、
前記テストモードにおいて、前記検査対象に関して前記不良品であると判定し、かつ、前記検査対象が、正常に動作する前記検査機構によって前記不良品であると判定されるように構成されている疑似不良品である、旨の入力をユーザから受け取る場合には、前記検査対象を前記不良品数に含まれるようには記憶しない、
検査システム。
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