JP6910032B2 - 固体電解質部材の製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、固体電解質部材の製造方法に関する。
本出願は、2016年7月29日出願の日本出願第2016−150074号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
3価の元素をドープしたバリウムジルコネートは、高いプロトン伝導性を示す材料の中でもCOやHOに対して比較的安定であることから、中温型燃料電池の固体電解質としての利用が期待されている。また、同様に3価の元素をドープしたバリウムセレートは、より高いプロトン伝導性を示す材料として知られている。例えば、特許文献1には、燃料電池用のイオン伝導体として、式:BaZr1−x−yCe3−p(ただし、Mは3価の置換元素、xおよびyはそれぞれ0よりも大きく1未満の数値、x+yは1未満、pは0よりも大きく1.5未満の数値)で表されるペロブスカイト型酸化物を用いることが記載されている。
特開2001−307546号公報
本開示の一態様に係る固体電解質部材の製造方法は、
プロトン伝導性を有する固体電解質部材を製造する方法であって、
ペロブスカイト型結晶構造を有する金属酸化物を乾燥雰囲気で200℃以上に加熱する加熱工程と、
前記金属酸化物を200℃以上で水和する水和工程と、
を有する、固体電解質部材の製造方法、である。
[本開示が解決しようとする課題]
上記の3価の元素をドープしたバリウムジルコネートがプロトン伝導性を示すためには、バリウムジルコネートが水和していることが必要となる。水和とは、下記の式(1)及び式(2)にしたがって水がバリウムジルコネート中に入ることを意味する。
+ Zr× Zr + O× → Y’Zr + ZrO + V・・ (1)
O + V・・ = 2OH (2)
一般に、バリウムジルコネートやバリウムセレート等の固体電解質の水和は加湿雰囲気下で室温から昇温することにより行なわれるが、その際に固体電解質が破損してしまい、歩留まりが悪いという問題があった。
そこで本開示は、プロトン伝導性を有する固体電解質部材を効率よく製造することが可能な固体電解質部材の製造方法を提供することを目的とする。
[本開示の効果]
本開示によれば、プロトン伝導性を有する固体電解質部材を効率よく製造することが可能な固体電解質部材の製造方法を提供することができる。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
(1)本開示の一態様に係る固体電解質部材の製造方法は、
プロトン伝導性を有する固体電解質部材を製造する方法であって、
ペロブスカイト型結晶構造を有する金属酸化物を乾燥雰囲気で200℃以上に加熱する加熱工程と、
前記金属酸化物を200℃以上で水和する水和工程と、を有する、固体電解質部材の製造方法、である。
上記(1)に記載の開示の態様によれば、プロトン伝導性を有する固体電解質部材を効率よく製造することが可能な固体電解質部材の製造方法を提供することができる。
(2)上記(1)に記載の固体電解質部材の製造方法は、
前記金属酸化物が、Baα1Zr1−x3−δ1(但し、α1は0.85以上、1.00以下であり、MはY、Sc、In、Ho、Er、Tm及びYbからなる群より選択される1種以上であり、xは0.50以上、0.99以下であり、δ1は酸素欠損量である)、Baα2Ce1−y3−δ2(但し、α2は0.85以上、1.00以下であり、MはY、Sc、In、Ho、Er、Tm及びYbからなる群より選択される1種以上であり、yは0.50以上、0.99以下であり、δ2は酸素欠損量である)、又はこれらの混合物もしくは固溶体であることが好ましい。
上記(2)に記載の開示の態様によれば、燃料電池や水素ポンプ、水電解装置等に利用可能な固体電解質部材を効率よく製造することができる。
(3)上記(2)に記載の固体電解質部材の製造方法は、
前記金属酸化物において前記Mがイットリウム(Y)であることが好ましい。
上記(3)に記載の開示の態様によれば、プロトン伝導性がより高い固体電解質部材を製造することができる。
(4)上記(1)から上記(3)のいずれか一項に記載の固体電解質部材の製造方法は、
水和工程後に前記金属酸化物を室温に冷却する冷却工程を有することが好ましい。
上記(4)に記載の開示の態様によれば、昇温や冷却を繰り返しても割れず、繰り返し利用することが可能な固体電解質部材を提供することができる。
(5)本開示の他の一態様に係る固体電解質部材の製造方法は、
プロトン伝導性を有する固体電解質部材を製造する方法であって、
ペロブスカイト型結晶構造を有する金属酸化物を乾燥雰囲気で200℃以上に加熱する加熱工程と、
前記金属酸化物を200℃以上で水和する水和工程と、
を有し、
前記金属酸化物は、Baα1Zr1−x3−δ1(但し、α1は0.85以上、1.00以下であり、xは0.50以上、0.99以下であり、δ1は酸素欠損量である)、Baα2Ce1−y3−δ2(但し、α2は0.85以上、1.00以下であり、yは0.50以上、0.99以下であり、δ2は酸素欠損量である)、又はこれらの混合物もしくは固溶体である、固体電解質部材の製造方法である。
上記(5)に記載の開示の態様によれば、燃料電池や水素ポンプ、水電解装置等に利用可能で、より高いプロトン伝導性を有する固体電解質部材を効率よく製造することが可能な固体電解質部材の製造方法を提供することができる。
(6)本開示の他の一態様に係る固体電解質部材の製造方法は、
プロトン伝導性を有する固体電解質部材を製造する方法であって、
ペロブスカイト型結晶構造を有する金属酸化物を乾燥雰囲気で200℃以上に加熱する加熱工程と、
前記金属酸化物を200℃以上で水和する水和工程と、
前記水和工程後に行う前記金属酸化物を室温に冷却する冷却工程と、
を有し、
前記金属酸化物は、Baα1Zr1−x3−δ1(但し、α1は0.85以上、1.00以下であり、xは0.50以上、0.99以下であり、δ1は酸素欠損量である)、Baα2Ce1−y3−δ2(但し、α2は0.85以上、1.00以下であり、yは0.50以上、0.99以下であり、δ2は酸素欠損量である)、又はこれらの混合物もしくは固溶体である、固体電解質部材の製造方法である。
上記(6)に記載の開示の態様によれば、燃料電池や水素ポンプ、水電解装置等に利用可能で、より高いプロトン伝導性を有し、昇温や冷却を繰り返しても割れず、繰り返し利用することが可能な固体電解質部材を効率よく製造することが可能な固体電解質部材の製造方法を提供することができる。
[本発明の実施態様の詳細]
本開示の実施態様に係る固体電解質部材の製造方法の具体例を、以下に、より詳細に説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
前述のように、従来は、金属酸化物の水和は、加湿雰囲気下で室温から昇温することにより行なわれており、その過程において金属酸化物に割れが生じ歩留まりが悪かった。本発明者等が、割れが生じる原因を鋭意探求したところ、次のことに起因することが見出された。
すなわち、バリウムジルコネート等の金属酸化物の水和は表面から起こり、表面で取り込まれた水が内部へと拡散していくため、試料内において水和の状態に分布ができる。また、水和が進行すると金属酸化物は水が取り込まれることにより格子定数が大きくなり膨張する。試料の表面と内部において格子定数の差が生じることにより応力が発生し、試料に割れが生じ易くなってしまう。
試料内部への水の拡散は、温度が高いほど早く進行し、温度が低いほど遅く進行する。このため、拡散の早い高温では試料の表面と内部とで水和量に大きな差は生じないが、拡散の遅い低温では表面と内部で水和量に大きな差が生じて、破損する確率が高くなる。
上記の知見に基づいて本発明者等が更なる探求を重ねた結果、金属酸化物を200℃以上に昇温してから水和を行なうことで、割れ等の破損を生じさせることなく、効率よく固体電解質部材を製造できることが見出された。
すなわち、本開示の実施形態に係る固体電解質部材の製造方法は、ペロブスカイト型結晶構造を有する金属酸化物を乾燥雰囲気で200℃以上に加熱する加熱工程と、前記金属酸化物を200℃以上で水和する水和工程と、を有するものである。以下、各工程について詳細に説明する。
<加熱工程>
加熱工程は、ペロブスカイト型結晶構造を有する金属酸化物を乾燥雰囲気で200℃以上に加熱する工程である。
(乾燥雰囲気)
本開示の実施形態に係る固体電解質部材の製造方法において「乾燥雰囲気」とは、露点が−60℃以下の雰囲気であれば良く、さらには、露点が−70℃以下であればより好ましい。露点が−60℃以下の雰囲気中で前記金属酸化物を加熱することにより、金属酸化物を水和させることなく昇温させることができる。
乾燥雰囲気は金属酸化物と反応しない雰囲気であればよく、例えば、Arガス、Nガス、大気などを好ましく利用できる。
(加熱温度)
加熱工程においては前記金属酸化物を200℃以上に加熱すればよい。金属酸化物を水和させる前の状態において200℃以上にしておくことにより、続く水和工程において金属酸化物の内部への水の拡散を速やかに進行させて、金属酸化物の表面と内部との間に生じる応力を小さくすることができる。加熱工程において金属酸化物を加熱する温度は高いほど好ましいが、900℃以上になると金属酸化物中への水和量が少なくなるため、800℃以下程度で行なえばよい。これらの観点から、加熱工程において金属酸化物を加熱する温度は、200℃以上、800℃以下であることがより好ましく、400℃以上、700℃以下であることが更に好ましい。
(昇温速度)
前記金属酸化物の昇温速度は特に限定されるものではない。例えば、1℃/分以上、10℃/分以下程度であることが好ましく、1.5℃/分以上、9℃/分以下程度であることがより好ましく、2℃/分以上、8℃/分以下程度であることが更に好ましい。昇温速度が1℃/分以上であることにより、固体電解質部材の製造に要する時間を少なくすることができる。また、昇温速度が10℃/分以下であることにより、固体電解質部材の内部の温度差を小さくすることが出来、熱膨張差による応力発生を抑えることが出来る。
(金属酸化物)
ペロブスカイト型結晶構造を有する金属酸化物としては、水和することによってプロトン伝導性を発揮するものを用いればよい。例えば、式I:Baα1Zr1−x3−δ1で表される金属酸化物や、式II:Baα2Ce1−y3−δ2で表される金属酸化物、又はこれらの混合物もしくは固溶体による金属酸化物を好ましく用いることができる。
上記式I及び式IIにおいて、MはY、Sc、In、Ho、Er、Tm及びYbからなる群より選択される1種以上であることが好ましい。特に、前記Mがイットリウム(Y)であることにより、プロトン伝導性がより高い固体電解質部材を製造することができる。
上記式Iにおいて、xは0.50以上、0.99以下であればよく、0.70以上、0.95以下であることが好ましく、0.75以上、0.90以下であることがより好ましい。xが0.50以上であることによりプロトン伝導を阻害する第二相の析出を抑制できる。また、xが0.99以下であることにより、プロトン伝導性が高くなる。
また、上記式Iにおいて、δ1は酸素欠損量であり、xの数値、雰囲気に応じて決まる。
また、上記式Iにおいて、α1は0.85以上、1.00以下であればよい。上記α1は、水や二酸化炭素に対する耐久性の観点から上限値以下が好ましく、伝導度を確保する観点から下限値以上が好ましい。
また、上記式IIにおいて、yは0.50以上、0.99以下であればよく、0.70以上、0.95以下であることが好ましく、0.75以上、0.90以下であることがより好ましい。yが0.50以上であることによりプロトン伝導を阻害する第二相の析出を抑制できる。また、yが0.99以下であることにより、プロトン伝導性が高くなる。
また、上記式IIにおいて、δ2は酸素欠損量であり、xの数値、雰囲気に応じて決まる。
また、上記式IIにおいて、α2は0.85以上、1.00以下であればよい。上記α2は、水や二酸化炭素に対する耐久性の観点から上限値以下が好ましく、伝導度を確保する観点から下限値以上が好ましい。
<水和工程>
この工程は、加熱されて200℃以上の状態にある金属酸化物を水和する工程である。ペロブスカイト型結晶構造を有する前記金属酸化物を水和することで、プロトン伝導性を有する固体電解質部材を得ることができる。金属酸化物を水和する方法は特に限定されるものではないが、例えば、室温の水に通して水蒸気を導入したガスを200℃以上の状態にある金属酸化物に供給すればよい。金属酸化物の水和に利用するガスは、金属酸化物と反応しない雰囲気であればよく、例えば、Arガス、Nガス、大気などを好ましく利用できる。
水和工程を200℃以上で行なうと、金属酸化物中への水の拡散が早く進行するため、金属酸化物の表面部分と内部との間に発生する応力を小さくすることができる。これにより、水和工程において金属酸化物に割れを生じさせることがなく、固体電解質部材の製造効率を高めることができる。水和工程を行なう温度は高いほど好ましいが、900℃以上になると金属酸化物中への水和量が少なくなるため、800℃以下程度で行なえばよい。これらの観点から、加熱工程において金属酸化物を加熱する温度は、200℃以上、800℃以下であることがより好ましく、400℃以上、700℃以下であることが更に好ましい。
金属酸化物の水和に利用するガスへの水蒸気の導入量は特に限定されるものではなく、例えば、露点が15℃以上、70℃以下程度となるようにすることが好ましく、18℃以上、60℃以下程度となるようにすることがより好ましく、20℃以上、50℃以下程度となるようにすることが更に好ましい。金属酸化物の水和に利用するガスの露点を15℃以上とすることにより、金属酸化物に供給する水蒸気量が多くなり、水和に要する時間を少なくすることができる。また、金属酸化物の水和に利用するガスの露点を70℃以下とすることにより、金属酸化物中への水和量を抑え、水和による膨張を小さくすることができる。
水和工程の時間は特に限定されるものではなく、水和工程を行なう温度、金属酸化物の種類、大きさ、形状、及び金属酸化物の水和に利用するガスに含まれる水蒸気量等に応じて適宜調整すればよい。例えば、厚さが20μmで、イットリウムをドープしたバリウムジルコネートに露点が25℃のアルゴンガスを供給して600℃で水和を行なう場合には、30分以上、60分以下程度の時間、水和工程を行なうことが好ましい。
水和工程後の200℃以上の状態にある固体電解質部材は、そのまま燃料電池や、水素ポンプ、水電解装置のセルに利用することもできる。例えば、前記金属酸化物を燃料電池のセルに組み込み、乾燥雰囲気で200℃以上に昇温し、続いて200℃以上のまま加湿ガスを供給して水和を行なうことで、燃料電池用の固体電解質部材を得ることができる。そして、水和工程に続けて600℃程度に昇温することで燃料電池を作動させることもできる。
<冷却工程>
この工程は、水和工程を経ることで得られたプロトン伝導性を有する固体電解質部材を室温まで冷却する工程である。水和工程後に得られる固体電解質部材は、室温に冷却した後に再度600℃程度に昇温しても割れが生じたりすることがない。このため、冷却後の固体電解質部材を燃料電池や、水素ポンプ、水電解装置のセルに組み込み、これらのデバイスを高温で作動させても固体電解質部材の割れ等による不具合を生じさせないようにすることが可能である。なお、ここで室温とは15℃から30℃のことをいう。
以下、実施例に基づいて本開示をより詳細に説明するが、これらの実施例は例示であって、本開示の固体電解質部材の製造方法はこれらに限定されるものではない。本開示の範囲は請求の範囲の記載によって示され、請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
[実施例1]
BZYとNiOの粉末を5:5の質量比となるように秤量した。そして、イソプロパノールを溶媒としてボールミルで混合し、乾燥させることでアノード用粉末を作製した。このアノード用粉末を1軸成型して、厚さが約1.2mmのペレット状の試料を作製し、1000℃で仮焼結した。
電解質粉末と、エチルセルロース(バインダー、エトキシ化度約49%)と、αテルピネオール(溶媒)とを、質量比で50:2:48となるように混合して電解質ペーストを作製した。電解質粉末にはBa0.95Zr0.80.23−δ1(以下、「Ba0.95ZY」と記載する)を用いて電解質ペーストを作製した。
仮焼結後の試料(アノード)に、電解質ペーストをスピンコートにより塗布し、600℃に加熱してバインダーを除去した。さらに、電解質ペーストをスピンコートにより塗布し、600℃に加熱してバインダーを除去する工程を2回繰り返した。つづけて、アノード用粉末、トルエン、2−プロパノール、マリアリム(日油株式会社製、高分子界面活性剤)を重量比が1:1.5:3:0.01となるように混合したペーストを作製し、それを電解質層上にスプレーにより塗布した。そして、酸素雰囲気にて10時間、1500℃で保持することで焼結を行い、金属酸化物1を得た。なお、電解質層の厚さは約20μmとした。
(加熱工程)
焼結後の金属酸化物1を炉に入れて露点が−60℃以下のアルゴン雰囲気中で600℃まで加熱した。炉の昇温速度は5℃/分とした。
(水和工程)
金属酸化物1を600℃に維持した状態で、室温の水に通すことで水蒸気を導入したアルゴンを炉内に60分間供給して金属酸化物の水和を行なった。さらに室温の水に通すことで水蒸気を導入した水素を60分以上供給して焼結体中のNiOをNiに還元し、Ba0.95ZY−Niサーメット電極に挟まれた固体電解質部材1を得た。
(冷却工程)
固体電解質部材1を室温まで冷却した。
[実施例2]
実施例1の加熱工程において、金属酸化物1を200℃まで昇温し、水和工程において室温の水に通すことで水蒸気を導入したアルゴンを炉内に供給しながら金属酸化物1を200℃から600℃まで5℃/分の速度で昇温して、さらに600℃で60分以上維持した後、水素を供給せずNiOの還元を行わなかった以外は実施例1と同様にして固体電解質部材2を得た。
[比較例]
実施例1の加熱工程において、金属酸化物1を100℃まで昇温し、水和工程において室温の水に通すことで水蒸気を導入したアルゴンを炉内に供給しながら金属酸化物1を100℃から600℃まで5℃/分の速度で昇温して、さらに600℃で60分以上維持した後、水素を供給せずNiOの還元を行わなかった以外は実施例1と同様にして固体電解質部材3を得た。
<評価>
(外観観察)
実施例1、2及び比較例の固体電解質部材1〜3を、それぞれ2個ずつ作製し、その外観を肉眼により観察した。
その結果、実施例1、2の固体電解質部材1、2には、1つも割れが生じていなかったが、比較例の固体電解質部材3は2個中、2個に割れが確認された。
(プロトン伝導性)
割れが見られなかった固体電解質部材1、2について、集電体として白金ペーストを用い、600℃の加湿水素雰囲気(水分圧は0.03気圧)下で、印加電流を100mA/cmとして電流遮断測定を行った。両試料共、プロトン伝導率は1.7×10−3S/cmであり、高いプロトン伝導性を示した。
以上により、本開示の実施形態に係る固体電解質部材の製造方法によれば、プロトン伝導性を有する固体電解質部材を効率よく製造できることが確認された。

Claims (6)

  1. プロトン伝導性を有する固体電解質部材を製造する方法であって、
    ペロブスカイト型結晶構造を有する金属酸化物を乾燥雰囲気で200℃以上に加熱する加熱工程と、
    前記金属酸化物を200℃以上に維持した状態で水和する水和工程と、
    を有する、固体電解質部材の製造方法。
  2. 前記金属酸化物は、Baα1Zr1−x3−δ1(但し、α1は0.85以上、1.00以下であり、MはY、Sc、In、Ho、Er、Tm及びYbからなる群より選択される1種以上であり、xは0.50以上、0.99以下であり、δ1は酸素欠損量である)、Baα2Ce1−y3−δ2(但し、α2は0.85以上、1.00以下であり、MはY、Sc、In、Ho、Er、Tm及びYbからなる群より選択される1種以上であり、yは0.50以上、0.99以下であり、δ2は酸素欠損量である)、又はこれらの混合物もしくは固溶体である、請求項1に記載の固体電解質部材の製造方法。
  3. 前記金属酸化物において前記Mはイットリウム(Y)である、請求項2に記載の固体電解質部材の製造方法。
  4. 水和工程後に前記金属酸化物を室温に冷却する冷却工程を有する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の固体電解質部材の製造方法。
  5. プロトン伝導性を有する固体電解質部材を製造する方法であって、
    ペロブスカイト型結晶構造を有する金属酸化物を乾燥雰囲気で200℃以上に加熱する加熱工程と、
    前記金属酸化物を200℃以上に維持した状態で水和する水和工程と、
    を有し、
    前記金属酸化物は、Baα1Zr1−x3−δ1(但し、α1は0.85以上、1.00以下であり、xは0.50以上、0.99以下であり、δ1は酸素欠損量である)、Baα2Ce1−y3−δ2(但し、α2は0.85以上、1.00以下であり、yは0.50以上、0.99以下であり、δ2は酸素欠損量である)、又はこれらの混合物もしくは固溶体である、固体電解質部材の製造方法。
  6. プロトン伝導性を有する固体電解質部材を製造する方法であって、
    ペロブスカイト型結晶構造を有する金属酸化物を乾燥雰囲気で200℃以上に加熱する加熱工程と、
    前記金属酸化物を200℃以上に維持した状態で水和する水和工程と、
    前記水和工程後に行う前記金属酸化物を室温に冷却する冷却工程と、
    を有し、
    前記金属酸化物は、Baα1Zr1−x3−δ1(但し、α1は0.85以上、1.00以下であり、xは0.50以上、0.99以下であり、δ1は酸素欠損量である)、Baα2Ce1−y3−δ2(但し、α2は0.85以上、1.00以下であり、yは0.50以上、0.99以下であり、δ2は酸素欠損量である)、又はこれらの混合物もしくは固溶体である、固体電解質部材の製造方法。
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