<実施形態>
以下、本発明の一実施形態に係る干渉評価装置1について、図面を参照しながら説明する。
[干渉評価装置の機能の概要]
以下、干渉評価装置1の機能の概要について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る干渉評価装置1の機能の概要を示す概略図である。
干渉評価装置1が備える主な機能として、複数の与干渉局情報及び複数の被干渉局情報をデータベース(以下「DB」という。)に格納して管理する局DB管理機能がある。与干渉局情報には、送信電力、周波数及び帯域幅、アンテナ利得及びフィルタ特性等を示す情報が含まれる。また、被干渉局情報には、周波数及び帯域幅、アンテナ利得及びフィルタ特性、許容干渉電力等を示す情報が含まれる。
また、干渉評価装置1が備えるその他の主な機能として、伝搬損失算出ソフトウェア又は計算モデルによって、与干渉局情報と被干渉局情報とから伝搬損失を計算する伝搬損失計算機能がある。伝搬損失ソフトウェアは、地図情報を用いて伝搬損失を計算するソフトウェアである。計算モデルは、伝搬損失計算式から伝搬損失を計算するためのモデルである。
また、干渉評価装置1が備えるその他の機能として、伝搬損失計算機能による計算結果に基づいて与干渉局と被干渉局との共用が可能か否かを判定する合否判定機能、あるいは、伝搬損失計算機能による計算結果によって算出される受信信号強度を示す情報を出力する受信信号強度出力機能がある。
また、干渉評価装置1が備えるその他の機能として、上述した各機能によって利用又は生成される情報を視覚的に表した表示画面を表示するGUI(Graphical User Interface)表示機能がある。GUI表示機能によって表示される、与干渉局情報及び被干渉局情報の選択を行わせるための表示画面では、局情報DB管理機能によってDB化された与干渉局情報及び被干渉局情報の中から、所望の与干渉局情報及び被干渉局情報がそれぞれ選択可能に表示される。伝搬損失計算機能は、選択された与干渉局情報及び被干渉局情報を伝搬損失計算に利用する。
なお、図1に示すように、GUI表示機能によって表示される各表示画面において、ユーザに対して、ガイダンス(あるいは、アドバイスやコメント)を表示するガイダンス(アドバイス、コメント)表示機能があってもよい。ガイダンス(あるいは、アドバイスやコメント)は、例えば、アノテーション(注釈)の形式で表示される。
[干渉評価装置の機能構成]
図2は、本発明の一実施形態に係る干渉評価装置1の機能構成を示すブロック図である。図2に示すように、干渉評価装置1は、制御部10と、入力設定・選択・登録変更指示部11と、干渉法(メニュー)選択部12と、局情報入力・登録部13と、与・被干渉局選択部14と、履歴選択部15と、少なくとも1つの計算条件設定部16と、少なくとも1つの計算結果表示指定部17と、干渉電力計算・合否判定部18と、計算結果の図表示部19と、記憶部20と、入出力部30と、を含んで構成される。
干渉評価装置1は、情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータ、又はタブレット型端末などの小型情報端末)を含んで構成される。
制御部10は、干渉評価装置1の各機能ブロックが実行する処理を制御する。制御部10は、プロセッサ(例えば、CPU(Central Processing Unit))を含んで構成される。
記憶部20は、図2に示すように、局DB201と、履歴保存部202と、地図情報DB203と、を含む。記憶部20は、記憶媒体(例えば、磁気ディスク、半導体メモリ、又はこれら記憶倍と井の組み合わせ)を含んで構成される。
入出力部30は、図2に示すように、操作入力部301と、表示部302と、を含む。操作入力部301は、ユーザによる操作入力を受け付ける入力部材(例えば、キーボード及びマウス等)を含んで構成される。表示部302は、ユーザに対して提示される表示画面を表示する出力部材(例えば、液晶ディスプレイ)を含んで構成される。なお、操作入力部301と表示部302とが、入出力機能を有する1つの部材(例えば、タッチパネル)によって構成されてもよい。
なお、入力設定・選択・登録変更指示部11と、干渉法(メニュー)選択部12と、局情報入力・登録部13と、与・被干渉局選択部14と、履歴選択部15と、少なくとも1つの計算条件設定部16と、少なくとも1つの計算結果表示指定部17と、干渉電力計算・合否判定部18と、計算結果の図表示部19とは、制御部10によって実行されるソフトウェアプログラムによって実装される機能であってもよい。この場合、例えば、このソフトウェアプログラムは、記憶部20に記憶されており、制御部10によって読み出され、実行される。
入力設定・選択・登録変更指示部11は、ユーザによる操作入力によって操作入力部301から入力された情報を取得する。入力設定・選択・登録変更指示部11は、干渉評価装置1の各機能ブロックによって認識可能な、入力設定・選択・登録変更等を示す指示に変換して、各機能ブロックへ出力する。具体的には、入力設定・選択・登録変更指示部11は、例えば、操作入力部301から入力された電気信号を、干渉評価装置1の各機能ブロックを構成するソフトウェアプログラムに対して入力される入力データに変換する。
地図情報DB203は、地図情報を記憶するデータベースである。ここでいう地図情報とは、例えば、位置(例えば、緯度及び経度など)ごとの標高や存在する物体(例えば、建物、道路又は川など)を示す情報である。地図情報DB203は、干渉評価の対象とされる無線局の位置及び干渉評価結果等を、地図上へ表示させるために用いられる。
計算結果表示指定部17は、ユーザからの指示を示す、操作入力部301から入力された指示情報に基づいて、干渉評価における計算結果等を、表示部302に表示される地図上においてどのように表示させるかについての指定を行う。
計算結果の図表示部19は、計算結果表示指定部17による指定に基づいて、干渉評価の評価結果を、表示部302に表示される地図上へ表示させる。
履歴保存部202は、過去に干渉評価の対象とした無線局に対する干渉評価時の計算条件及び評価結果を示す情報(以下「履歴情報」ともいう。)を蓄積する。履歴保存部202に記憶された履歴情報は、新たな干渉評価において活用される。
履歴選択部15は、ユーザからの指示を示す、操作入力部301から入力された指示情報に基づいて、履歴保存部202に蓄積されたた履歴情報を、どのように選択して活用させるかについての指定を行う。
局DB201(局情報記憶部)は、干渉評価の対象になる無線局に関する情報からなるデータベースである。
与・被干渉局選択部14(局情報選択部)は、ユーザからの指示を示す、操作入力部301から入力された指示情報に基づいて、局DB内201に記憶された、無線局に関する情報を選択して干渉評価に利用させる。
局情報入力・登録部13は、ユーザからの指示を示す、操作入力部301から入力された指示情報に基づいて、無線局に関する情報を、局DB201に対して入力し、登録させる。
干渉法(メニュー)選択部12は、ユーザからの指示を示す、操作入力部301から入力された指示情報に基づいて、どのような干渉評価を行うかの決定を行う。
計算条件設定部16は、干渉法(メニュー)選択部12によって選択された干渉法における干渉評価の計算条件を設定する。計算条件設定部16は、与・被干渉局選択部14によって選択された無線局に関する情報を用いて、干渉評価の計算条件を設定することができる。
なお、上述した、無線局の情報の選択や、干渉評価の計算条件の設定は、入力設定・選択・登録変更指示部11を介して行われる。
干渉電力計算・合否判定部18は、干渉電力の計算及び合否判定を行う。干渉電力計算・合否判定部18は、計算条件設定部16によって、評価対象となる無線局に関する情報の選択、及び、干渉評価の計算条件の設定がなされた後、入力設定・選択・登録変更指示部11を介して計算実行の指示がなされると、干渉電力計算・合否判定部18は、干渉電力の計算を実行する。干渉電力計算・合否判定部18は、干渉電力の計算の実行結果に基づく干渉電力の値と、干渉が許容できる値とを比較して、合否判定を行う。ここでいう合否判定とは、評価対象の無線局である与干渉局と、この与干渉局からの影響を受ける被干渉局とが、共用可能であるか否かを示す判定である。
計算結果表示指定部17は、干渉電力計算・合否判定部18から出力された、干渉評価の計算結果を示す情報を、履歴保存部202へ蓄積させたり、上述したように、表示部302に表示される地図上に表示させたりする。
計算条件設定部16及び計算結果表示指定部17は、上述したように、それぞれ複数存在することがある。この場合、複数の計算条件設定部16及び複数の計算結果表示指定部17は、それぞれ互いに、部分的に機能が異なる。これら複数の計算条件設定部16及び複数の計算結果表示指定部17は、ユーザからの指示を示す、操作入力部301から入力された指示情報に基づく干渉評価の種類に応じてそれぞれ選択され、用いられる。
以下、図1を参照しながら説明した干渉評価装置1の機能の概要(以下「機能概要という」。)と、図2を参照しながら説明した干渉評価装置1の機能構成(以下「機能構成」という。)との関係について説明する。
上述した機能概要における、複数の与干渉局情報及び複数の被干渉局情報をDBに格納して管理する局DB管理機能は、上述した機能構成における、局情報入力・登録部13及び与・被干渉局選択部14に相当する。
また、上述した機能概要における、伝搬損失算出ソフトウェア又は計算モデルによって、与干渉局情報と被干渉局情報とから伝搬損失を計算する伝搬損失計算機能は、上述した機能構成における、少なくとも1つの計算条件設定部16及び干渉電力計算・合否判定部18の一部に相当する。
また、上述した機能概要における、(伝搬損失計算機能による計算結果に基づいて与干渉局と被干渉局との共用が可能か否かを判定する)合否判定機能は、上述した機能構成における、干渉電力計算・合否判定部18の一部及び計算結果表示指定部17による結果表示機能に相当する。
また、上述した機能概要における、(伝搬損失計算機能による計算結果によって算出される受信信号強度を示す情報を出力する)受信信号強度出力機能は、上述した機能構成における、干渉電力計算・合否判定部18の一部及び計算結果表示指定部17による結果表示機能に相当する。
以下、上述した、干渉評価装置1が備えるGUI表示機能によって生成される表示画面の画面例等を参照しながら、干渉評価装置1が備える各機能の詳細について説明する。
[メインメニュー画面]
以下、表示部302に表示されるメインメニュー画面について説明する。
図3は、本発明の一実施形態に係る干渉評価装置1によって表示されるメインメニュー画面の一例を示す模式図である。図示するように、メインメニュー画面mには、「干渉検討」、「相互変調検討」、「簡易置局検討」及び「管理ツール」の4つのメニューが表示される。各メニューには、それぞれサブメニューが含まれる。
なお、メインメニュー画面mは、干渉法(メニュー)選択部12によって生成されて、表示部302によって表示される。また、干渉法(メニュー)選択部12は、操作入力部301によって入力された情報に基づいて、表示部302によるメインメニュー画面mの表示を制御する。
図3に示すように、「干渉検討」のメニューに属するサブメニューには「地図」及び「モデル」、「簡易置局検討」のメニューに属するサブメニューには「簡易置局検討」、「相互変調検討」のメニューに属するサブメニューには「選択禁止周波数計算」及び「妨害波レベル検討」、及び、「管理ツール」のメニューに属するサブメニューには「局DB管理」がある。
各サブメニューはそれぞれ選択ボタンとなっており、各サブメニューのいずれかが、ユーザによる操作入力部301による操作入力に基づいて選択される(すなわち、選択ボタンが押下される)ことによって、干渉評価装置1は各種の処理を開始する。
図3に示すメインメニュー画面mにおいて、「干渉検討」、「簡易置局検討」及び「相互変調検討」のメニューに属するサブメニューは、ユーザが干渉評価を行う場合に選択されるサブメニューである。これらのサブメニューは、どのような干渉計算の方法による干渉評価を用いるかを選択させる(すなわち、用いる干渉評価の種類を選択させる)ために設けられたサブメニューである。
また、図3に示すメインメニュー画面mにおいて、「管理ツール」のメニューに属するサブメニュー(「局DB管理」)は、ユーザが干渉評価装置1に関する設定や情報の管理を行う場合に選択されるサブメニューである。
図3に示すメインメニュー画面mにおいて、「干渉検討」、「簡易置局検討」、「相互変調検討」のいずれかのメニューに含まれるいずれかのサブメニューに相当する選択ボタンが押下されると、このメインメニュー画面mから、選択されたサブメニューに対応する干渉評価を行うための干渉計算の条件設定画面へ、画面遷移する。
以下に、図3に示したメインメニュー画面mに含まれる各メニューの機能についてそれぞれ説明する。
図4は、本発明の一実施形態に係る干渉評価装置1によって生成されるメインメニュー画面に表示される各メニューの機能を説明するための機能一覧表である。
「干渉検討」のメニューに属するサブメニューである「地図」は、干渉を発生させる与干渉局又は干渉源の具体的な位置及び干渉の影響を受ける被干渉局の具体的な位置のうち少なくとも一方を干渉計算の条件設定に指定することによって行われる干渉評価(以下、「地図ベースでの干渉評価」という。)」を行う場合に、ユーザによって選択されるサブメニューである。
また、詳細については後述するが、地図ベースでの干渉評価においては、干渉評価結果、地図上での与干渉局及び被干渉局の配置、与干渉局と被干渉局との間の地形情報等も、プロフィール図によって示される。
なお、図4に示した機能一覧表には示されていないが、地図ベースでの干渉評価の種類はさらに細分化される。詳細については後述するが、地図ベースでの干渉評価のための干渉計算には、「地点計算」と、「面的計算」と、「衛星と地上局の計算」とがある。
なお、地図ベースでの干渉計算に含まれる複数種類の干渉計算(すなわち、「地点計算」、「面的計算」、「衛星と地上局の計算」)、及びモデルベースでの干渉計算等、干渉計算の種類ごとに、(図2に示すように)それぞれ計算条件設定部16、及び計算結果表示指定部17が設けられる。
地点計算は、与干渉局の位置と被干渉局の位置とがいずれも特定されている場合において用いられる評価計算である。地点計算による地図ベースでの干渉評価では、特定されている与干渉局の位置と被干渉局の位置とに基づいて、与干渉局と被干渉局との間に生じる干渉が計算される。これにより、干渉が許容できるか否かの合否判定がなされる。また、被干渉局において干渉が許容される許容量と、干渉の影響を受けた場合における干渉量と、の差分値が算出される。
面的計算は、与干渉局の位置及び被干渉局の位置のうちいずれか一方が特定されている場合において用いられる評価計算である。面的計算による地図ベースでの干渉評価では、特定されている与干渉局の位置又は被干渉局の位置を基準として、地図上において、その位置の周囲がメッシュ上(網目状)に区切られる。そして、位置が特定されていない与干渉局又は被干渉局をメッシュ上に配置した場合における、与干渉局と被干渉局との間の干渉量が算出される。これにより、干渉の影響が生じる範囲及び干渉を許容できる範囲が地図上に示される。
衛星と地上局の計算は、地上局の位置が特定されている場合において用いられる評価計算である。衛星と地上局の計算による地図ベースでの干渉評価では、静止・軌道周回にかかわらず、衛星による干渉の影響が生じるか否かが判定される。また、衛星による干渉の影響が生じる場合、その影響が許容できるか否かが判定される。また、その逆に、(位置が特定されている)地上局からの干渉が衛星に対して影響を与える否かについても判定される。
「干渉検討」のメニューに属するサブメニューである「モデル」は、「与干渉局や被干渉局の位置が曖昧(または、不明)である場合において、モデル的な条件を干渉計算の条件設定に指定することによって行われる干渉評価(以下、「モデルベースでの干渉評価」という。)」を行う場合に、ユーザによって選択されるサブメニューである。モデル的な条件とは、例えば、与干渉局と被干渉局との間の距離、及び、与干渉局及び被干渉局それぞれの相対的なアンテナ方向の角度等に基づく指定条件である。
モデルベースでの干渉評価では、個々の無線局が設置された地理的な環境に依存することなく、与干渉局と被干渉局との間の距離をどの程度確保すれば(すなわち、どの程度の離隔をとれば)干渉の影響を受けないかを示す指標が求められる。
「簡易置局検討」のメニューに属するサブメニューである「簡易置局検討」は、「与干渉局及び被干渉局のうちいずれか一方の位置が特定されている場合において、干渉の影響がある(与干渉局と被干渉局とが共用不可能である)エリア及び干渉の影響がない(与干渉局と被干渉局とが共用可能である)エリアを算出することによって行われる干渉評価」を行う場合に、ユーザによって選択されるサブメニューである。簡易置局検討による干渉評価では、干渉レベルを示す計算結果が、地図上においてヒートマップ表示される。
上述したように、「相互変調検討」のメニューに属するサブメニューには、「選択禁止周波数選択」と「妨害波レベル検討」とがある。相互変調検討とは、2つの異なる周波数f1及びf2の干渉波が、さらに別の周波数であるf3(=2f1±f2)に影響を与える現象(3次高調波)の検討である。この相互変調検討に用いられる「選択禁止周波数計算」及び「妨害波レベル検討」の内容については説明を省略する。
上述した、図3に示すメインメニュー画面及び図4に示す機能一覧表が示すにように、干渉評価装置1によれば、ユーザは、複数の干渉評価の方法の中から所望の方法を容易に選択でき、選択された方法に応じた干渉計算が行われて干渉評価がなされる。
「管理ツール」のメニューに属するサブメニューである「局DB管理」は、「干渉評価の対象となる与干渉局や被干渉局の局情報を、局DBにおいて管理(例えば、追加、編集又は干渉計算における活用)」する場合に、ユーザによって選択されるサブメニューである。
[局DB管理]
以下、表示部302に表示される局DB管理画面について説明する。
図5は、本発明の一実施形態に係る干渉評価装置1によって表示される局DB管理画面の一例を示す模式図である。
図5に示す局DB管理画面smは、与干渉局及び被干渉局となる無線局の局情報を管理するための設定画面である。
なお、局DB管理画面smは、局情報入力・登録部13によって生成されて、表示部302によって表示される。また、局情報入力・登録部13は、操作入力部301によって入力された情報に基づいて、表示部302による局DB管理画面smの表示を制御する。
図5に示すように、局DB管理画面smには、新たな局情報を局DB201へ登録させるための「追加」ボタン、既に局DB201に記憶されている局情報の内容を修正させるための「修正」ボタン、及び、局DB201に記憶されている局情報を削除させるための「削除」ボタンが配置されている。
また、図5に示すように、局DB管理画面smの下部には、局情報の一覧が表示される。この一覧に表示される局情報は、局DB管理画面smの上部の「絞込み条件」の欄に表示された「周波数帯」や「局名」等の項目による絞り込み条件に合致した局情報である。この局情報の一覧に表示された局情報の中から、少なくとも1つの局情報が選択された状態で、「修正」ボタン又は「削除」ボタンが押下されることにより、局DB201に記憶されている局情報の修正又は削除がなされる。
例えば、図5に示す局DB管理画面smにおいて、「周波数帯」のプルダウンメニューにおいて「2GHz」が選択された状態で「表示」ボタンが押下された場合、「システム名」の欄にシステム名のリストが表示される。図5においては、「システム_21」、「システム_22」「システム_23」、「システム_24」及び「システム_25」が表示されている。
ここで、「システム_24」と「システム_23」2か所のチェックボックスが選択された状態で「表示」ボタンが押下されると、局DB管理画面smの下部に、「システム_24」と「システム_23」のどちらかに該当する無線局の局情報の一覧が表示される。図5に示すように、局情報の一覧には、各無線局の「局名」、各無線局が設置されている位置を示す情報(「緯度」及び「経度」)、各無線局に対向する無線局の位置を示す情報(「緯度2」及び「経度2」)、各無線局において使用されている「システム名」、このシステムによる無線通信における「中心周波数」等が表示される。
なお、これら「周波数帯」や「中心周波数」により干渉評価の対象とする無線局の候補を絞り込むことは、干渉評価においては重要となる。なぜならば、無線システムにおける干渉は、同じ周波数帯を使用するシステム間や、中心周波数が近いシステム間において発生するためである。
図5に例示する局DB管理画面smにおいては、4つの無線局(局「1」、局「2」、局「3」及び局「4」)が局情報の一覧に列挙されている。例えば、局情報の一覧の最上段には、局名が「局2」であり、この無線局がある位置は緯度が「35.65XX」及び経度が「139.89XX」であり、対向する、無線局の位置は緯度が「35.73XX」及び経度が「139.94XX」であり、システム名が「システム_23」であり、中心周波数が「2.24XXMHz」である局情報が表示されている。また、例えば、局情報の一覧の4段目(最下段)には、局名が「局1」であり、この無線局がある位置は緯度が「35.39XX」及び経度が「139.58XX」であり、対向する、無線局の位置は緯度が「35.52XX」及び経度が「139.91XX」であり、システム名が「システム_24」であり、中心周波数が「2.24XXMHz」である局情報が表示されている。
また、図5に示す局DB管理画面smにおいては、局情報の一覧の3段目の局情報がハイライト表示(強調表示)されている。このハイライト表示は、局情報の一覧において特定の局情報が選択されていることを表す。このように、局情報の一覧から特定の局が選択された状態で、局DB管理画面の下部に配置された「追加」ボタン、「修正」ボタン又は「削除」ボタンが押下されることにより、新たな局情報の追加、局DB201に記憶されている局情報の修正、又は、局DB201に記憶されている局情報の削除がなされる。
このように、図5に示す局DB管理画面smによって、干渉計算において用いられる、無線局(与干渉局情報及び被干渉局情報)の局情報を記憶する、局DB201の管理を行うことができる。
以下、表示部302に表示される局DB編集画面について説明する。
図6は、本発明の一実施形態に係る干渉評価装置1によって表示される局DB編集画面の一例を示す模式図である。
図6に示す局DB編集画面seは、局DB201に記憶された局情報を編集するための設定画面である。
なお、局DB編集画面seは、局情報入力・登録部13によって生成されて、表示部302によって表示される。また、局情報入力・登録部13は、操作入力部301によって入力された情報に基づいて、表示部302による局DB編集画面seの表示を制御する。
図6に示すように、局DB編集画面seの上部には、「地上局」、「衛星」及び「通信システム以外」の項目のうちいずれか1つを選択するためのラジオボタンが配置されている。このうち、どの項目に対するラジオボタンが選択されたかによって、局DB編集画面seの下部に表示される項目が異なる。
図6に例示する局DB編集画面seにおいては、「地上局」のラジオボタンが選択された状態である。そのため、例えば、「衛星」において必要な「軌道の高度」のような設定項目は非表示となっている。例えば、「通信システム以外」のラジオボタン選択された場合には、「アンテナ諸元」に関する設定項目が非表示となる。
図6に示すように、局DB編集画面seにおいて設定される局情報の項目は、「局名」、「位置(緯度・経度)」、「システム諸元」及び「アンテナ諸元」に分類できる。システム諸元の属する設定項目には、「周波数帯」、「システム名」、「フィルタ特性」、「装置種別」、「偏波」、「送信電力」、「送信帯域幅」及び「被干渉所要I/N」がある。
「周波数帯」は、無線通信として使用される周波数の帯域を示す。この「周波数帯」の値は、干渉評価の対象とする無線局の候補の絞り込みの際に重要となるパラメータである。
なお、図6に例示する局DB編集画面seにおいては、「中心周波数」を設定する設定項目が表示されていないが、表示させるようにしてもよい。この「中心周波数」も、「周波数帯」と同様に、干渉評価において対象の無線局とするか否かを決定する際に重要となるパラメータである。例えば、与干渉局と被干渉局とにおいて、中心周波数が同一又は近似している場合、その与干渉局と被干渉局は干渉評価の対象とされ、中心周波数が大きく異なる場合、その与干渉局と被干渉局は干渉評価の対象外とされる。
「システム名」は、通信に用いられる無線システムの名称を示す。「フィルタ特性」は、周波数帯に従うフィルタの特性を示す。「装置種別」は、無線システムにおける無線装置の種類を示す。「偏波」の設定項目では、プルダウンメニューにより、「垂直偏波(V偏波)」、「水平偏波(H偏波)」、又は(例えば、衛星等においては)「円偏波」が選択される。「送信電力」は、無線送信からアンテナへ電波として送信される電力を示す。
「送信帯域幅」は、搬送波の変調で占める周波数の範囲を示す。なお、送信帯域幅は、「占有帯域幅」あるいは単に「帯域幅」とも呼ばれる。送信帯域幅は、無線伝送に使われる最高周波数と最低周波数との差に基づいて算出される。「被干渉所要I/N」は、許容干渉電力の判定基準となる指標値である。具体的には、システム雑音NS[dBm]と被干渉所要I/N[dBm]とを合算した値(NS+被干渉所要I/N[dBm])が許容干渉電力となる。
図6に示すように、「アンテナ諸元」の設定項目は、送信側の設定項目と受信側の設定項目とがある。なお、通信に用いられる無線局は、多くの場合、送信アンテナと受信アンテナとが共用されている。そのため、送信側と受信側の双方のパラメータの値は、多くの場合、同一の値である。しかしながら、送信アンテナと受信アンテナとが別々のアンテナで構成される場合であっても対応できるように、図6に示す局DB編集画面seにおいては、送信側と受信側とで、アンテナに関する諸元をそれぞれ設定できる構成となっている。
図6に示すように、「アンテナ諸元」の設定項目には、(送信、受信ともに)「アンテナ名」、「アンテナ利得」、「アンテナ方位角」、「アンテナ地上高」及び「アンテナ仰角」がある。
アンテナ名は、無線局に設置されているアンテナを示す。「アンテナ利得」は、アンテナにより送信電力に作用する利得を示し、アンテナパターンの指向性も含まれる。「アンテナ方位角」は、アンテナが向いている水平面での方向を示す。なお、一般的な無線通信においては、この「アンテナ方位角」が示す方位に、関連する対向局が位置することが多い。「アンテナ地上高」は、設置されているアンテナの地上からの高さを示す。地形を考慮して干渉評価が行われる場合には、この「アンテナ地上高」に標高が加算された値が干渉計算に用いられる.「アンテナ仰角」は、アンテナの垂直面での方向を示す。
図6に示すように、「対向局」の設定項目は、プルダウンメニューで選択可能に構成されている。そのため、局DB201に記憶されている無線局を、プルダウンメニューに表示された無線局の候補の中から、所望の無線局を選択することが可能である。または、DBに記憶された無線局の数が多い場合は、図5の局DB管理での画面seで絞り込まれ一覧表示された局をプルダウンメニューに表示して、選択できるようにしてもよい。そして、「対向局」が選択された後、「対向局」の項目の左隣りに表示されている「←(左矢印)」のボタンが押下されると、無線局の位置(緯度、経度)と、選択された対向局の位置(緯度、経度)とから、自動的にアンテナ方位角が計算され、計算された値を自動的に設定させることが可能である。なお、アンテナ方位角は、例えば、北方向を0度として時計回りにした角度である。
このように、「対向局」がプルダウンメニューによって選択された後、「←(左矢印)」のボタンからアンテナ方位角を設定することができる機能は、送信アンテナと受信アンテナのそれぞれに対して設けられている。例えば、中継局の場合には、送信アンテナのアンテナ方位角と受信アンテナのアンテナ方位角とが、それぞれ異なる対向局の方向であることがある。
なお、上記の各設定項目の値が登録又は修正され、局DB編集画面seの下部に配置された「保存」ボタンが押下されることにより、局DB201への新たな局情報の追加、又は、既に局DB201に記憶されている局情報の修正がなされる。
上述したように、干渉評価装置1では、自動的にアンテナ方向が対向局から自動的に計算されて設定されるため、アンテナパターン特性の減衰を考慮した干渉評価において、より正確な値を簡易に得ることができる。
以下に、局DB管理における表示画面の画面遷移について説明する。
図7は、本発明の一実施形態に係る干渉評価装置1によって表示される表示画面の画面遷移を説明するための図である。
図7に示すように、メインメニュー画面から、局DB管理画面へ遷移する。さらに、局DB管理画面から、局DB編集画面へ遷移する。なお、ここでいうメインメニュー画面とは、例えば図3に示したメインメニュー画面mであり、ここでいう局DB管理画面とは、例えば図5に示した局DB管理画面smであり、ここでいう局DB編集画面とは、例えば図6に示した局DB編集画面seである。
これらの表示画面を介して管理及び編集される局情報は、後述する計算条件設定の画面において与干渉局及び被干渉局が設定される際に、選択的に用いられる。これにより、ユーザは、干渉評価を行う際に、与干渉局及び被干渉局の情報を詳細に調べる必要がなく、局DB201に記憶された局情報の中から所望の局情報を選ぶことができる。これにより、干渉評価がより容易になる。
[地図ベースでの干渉評価]
以下、地図ベースでの干渉評価について説明する。
図8は、本発明の一実施形態に係る干渉評価装置1によって表示される地図ベースでの干渉評価における実行条件指定画面の一例を示す模式図である。
なお、図8に示す実行条件指定画面h1は、計算条件設定部16によって生成されて、表示部302によって表示される。また、計算条件設定部16は、操作入力部301によって入力された情報に基づいて、表示部302による実行条件指定画面h1の表示を制御する。
図8に示すように、実行条件指定画面h1の最上段には、「計算方法」を指定する項目が表示されている。図8では、この「計算方法」を指定する項目において、ラジオボタンによって「地点計算」がチェックされることにより、「地点計算」が選択されている。
このように、「計算方法」を指定する項目において「地点計算」が選択された場合、実行条件指定画面h1は、図8に示すような画面となる。すなわち、予め与干渉局の位置と被干渉局の位置とがそれぞれ既知である場合において、これら与干渉局と被干渉局との間の干渉を計算するための実行条件を指定する画面である。
図8に示すように、実行条件指定画面h1には、「与干渉選択」ボタン及び「被干渉選択」ボタンが配置されている。この「与干渉選択」ボタン及び「被干渉選択」ボタンが押下されることにより、局DB201に記憶された局情報の中から、与干渉局として設定する無線局の局情報及び被干渉局として設定する無線局の局情報をそれぞれ選択して、干渉計算の実行条件として指定することができる。
「与干渉選択」ボタン及び「被干渉選択」ボタンが押下され、与干渉局及び被干渉局の局情報が指定された場合、実行条件指定画面h1の中段に表示された「与・被干渉情報」の一覧表示領域には、局DB201から読み出された局情報であって、上記指定された局情報のリストが表示される。図8に示すように、「与・被干渉情報」の一覧表示領域に表示されるリストには、「与/被」、「局名」、「緯度1」、「経度1」、「緯度2」、「経度2」、「システム名」及び「アンテナ名」の項目が含まれる。
「与/被」の項目の欄には、選択された無線局が与干渉局であるか被干渉局であるかの区別を示す情報(すなわち、「与干渉」又は「被干渉」のいずれかの値)が表示される。
「局名」の項目の欄には、選択された与干渉局又は被干渉局の名称が表示される。
「緯度1」及び「経度1」の項目の欄には、選択された与干渉局又は被干渉局が設置された地点の緯度及び経度がそれぞれ表示される。
「緯度2」及び「経度2」の項目の欄には、選択された与干渉局又は被干渉局に対向している対向局が設置された地点の緯度及び経度がそれぞれ表示される。
「システム名」の項目の欄には、選択された与干渉局又は被干渉局に使用されている無線システムの名称が表示される。
「アンテナ名」の項目の欄には、選択された与干渉局又は被干渉局に使用されているアンテナの名称が表示される。
図8に例示する実行条件指定画面h1では、「与・被干渉情報」の一覧表示領域に表示されたリストには、選択された4つの無線局の局情報が表示されている。図示するように、リストの最上段に表示された局情報は、「与/被」、「局名」、「緯度1」、「経度1」、「システム名」及び「アンテナ名」の項目に表示された情報は、それぞれ、「与干渉」、「局2」、「35.65X」、「139.84X」、「システム_52」及び「B」である。
これは、リストの最上段に表示された局情報に示される無線局が、「与干渉局」として選択された無線局であり、名称が「局2」であり、緯度及び経度が「35.65X」、「139.84X」である地点に設置されており、使用されている無線システムの名称が「システム_52」であり、使用されているアンテナの名称が「B」である無線局であることを表している。
図8に示す実行条件指定画面h1において指定された、干渉計算の実行条件を示す情報は、一時保存され、後に履歴保存部202に登録される。この一時保存及び履歴保存部202への登録は、実行条件指定画面h1の下段に配置された「一時保存」ボタンが押下されることによって行われる。
また、実行条件指定画面h1の上段右側にある「履歴選択」ボタンが押下されることにより、過去の干渉計算において指定された実行条件を示す情報を履歴保存部202から読み出すことができる。これにより、履歴保存部202に記憶された履歴情報の中から、過去の干渉計算において指定された実行条件を流用して実行条件の指定を行うことが可能になる。「履歴選択」ボタンが押下されると、例えば、図9に示すような履歴選択画面h2に画面遷移する。
図9は、本発明の一実施形態に係る干渉評価装置1によって表示される地図ベースでの干渉評価における履歴選択画面の一例を示す模式図である。図9に示す履歴選択画面h2では、履歴保存部202に記憶された履歴情報が読み出されて、表示される。また、履歴選択画面h2では、表示された履歴情報の中から、過去の干渉計算において指定された所望の実行条件が選択されて、干渉計算の実行条件に流用される。
なお、図9に示す履歴選択画面h2は、履歴選択部15によって生成されて、表示部302によって表示される。また、履歴選択部15は、操作入力部301によって入力された情報に基づいて、表示部302による履歴選択画面h2の表示を制御する。
図9に示すように、履歴選択画面h2の左側の部分には「履歴フォルダ一覧」の表示欄が表示され、右側の部分には「計算条件」の表示欄が表示される。「履歴フォルダ一覧」の表示欄には、例えば、「20171108100502_地点計算」及び「20171108100831_モデル計算」等のフォルダ名のリストが表示されている。このリストに含まれるフォルダ名は、履歴保存部202において、履歴情報が格納されたフォルダ(履歴フォルダ)のフォルダ名である。
例えば、図9に示すように、「履歴フォルダ一覧」の表示欄に表示されたリストにおいて、「20171121091351_面的計算」が選択されると、選択された履歴フォルダに格納された履歴情報が「計算条件」の表示欄に表示される。図9に例示する履歴選択画面h2の「計算条件」の表示欄には、例えば、与干渉局及び被干渉局に関する情報、及び計算条件を示す情報等が表示される。与干渉局及び被干渉局に関する情報には、例えば、局名、設置位置(緯度及び経度)、システム名、装置種別等が含まれる。
また、図9に例示する履歴選択画面h2の「履歴フォルダ一覧」の表示欄では、「面的計算」の履歴フォルダが選択されているため、「計算条件」の表示欄には「エリア指定」に関する情報が表示される。この「エリア指定」に関する情報には、面的な計算を行う領域の範囲を示す情報(すなわち、面的な計算を行う領域の、(北の方向を上とした地図における)左上の地点と右下の地点のそれぞれの緯度及び経度)が含まれる。
また、図9に例示する履歴選択画面h2の「計算条件」の表示欄には、与干渉局のアンテナ方向を示す情報、及び計算レベルを示す情報等が表示される。ここで、アンテナ方向が“最悪”とは、被干渉局の方向にアンテナが向いていることを指す。この他に、被干渉局に対し一定角度ズレのアンテナ方向や与干渉アンテナがある特定の方向を指定することなどがある。また、計算レベルについては,“最悪(自由空間損失計算)”以外に地形や建物による減衰考慮等がある。
このように、履歴選択画面h2において、「履歴フォルダ一覧」の表示欄に表示されたリストに含まれる履歴フォルダの1つ1つについて、その履歴フォルダに格納された履歴情報の詳細(干渉計算の実行条件等)が表示させることが可能である。これにより、ユーザは、履歴選択画面h2において履歴情報の詳細を1つ1つ確認しながら、履歴情報の選択を行うことができる。
すなわち、履歴選択画面h2は、各履歴情報による干渉評価の方法(例えば、地点計算、面的計算及びモデル計算等)と、干渉計算の実行条件(例えば、局名、種類、位置及びシステム名等)との両方を、ユーザが同時に確認を行いながら履歴情報を選択することができる仕組みを有している。この仕組みよって、これから行う干渉評価において、より適切な履歴情報の選択が可能になる。
なお、図9に例示する履歴選択画面h2の「計算条件」の表示欄には、「履歴フォルダ一覧」の表示欄に表示されたリストにおいて選択された履歴フォルダの名称(「履歴フォルダ名」)も表示されている。これにより、ユーザは、選択された履歴情報に含まれる、干渉評価の方法を示す情報と干渉計算の実行条件を示す情報とを、「計算条件」の表示欄のみを参照するだけで確認することができる。
なお、「履歴フォルダ一覧」の表示欄に表示されたリストの中から履歴フォルダが選択された場合、履歴選択画面h2の下段に配置された「選択」ボタンが、押下が不可能な状態から押下が可能な状態へと切り替わる。この「選択」ボタンが押下されると、図8に示した実行条件指定画面h1において、履歴情報に基づく干渉計算の実行条件が設定される。
具体的には、例えば、図9に例示する履歴選択画面h2の場合、選択された“20171121091351_面的計算”の履歴フォルダに格納された履歴情報には、図8に示した干渉評価の計算方法(「地点計算」)と干渉計算の実行条件設定の対象となる与干渉局と被干渉局とに加えて、計算レベル指定を示す情報(「地形による減衰考慮」、「建物による減衰考慮」及び「追加損出考慮」のそれぞれを指定する情報)も含まれている。これにより、ユーザは、履歴フォルダ一覧の中から履歴フォルダを選択するだけで、干渉計算の実行条件として設定が必要な全ての設定項目について設定を行うことできる。
以下に、干渉計算の実行条件として設定される与干渉局及び被干渉局を選択する局選択画面について説明する。
図10は、本発明の一実施形態に係る干渉評価装置1によって表示される局選択画面の一例を示す模式図である。図10に示す局選択画面ssは、図8に示した実行条件指定画面h1において、「与干渉選択」ボタン又は「被干渉選択」ボタンが押下された場合に表示される画面である。
なお、局選択画面ssは、局情報入力・登録部13によって生成されて、表示部302によって表示される。また、局情報入力・登録部13は、操作入力部301によって入力された情報に基づいて、表示部302による局選択画面ssの表示を制御する。
図10に示すように、局選択画面ssの上段に表示された「絞込み条件」の表示領域に、「周波数帯」を選択するプルダウンメニューが配置されている。また、「周波数帯」の表示領域の下側には「システム名」の表示領域が配置され、システム名のリストが表示されている。上記のプルダウンメニューにより、無線局が使用する周波数帯が選択されると、リストに表示されるシステム名の絞り込みがなされる。
例えば、図10に例示する局選択画面ssは、プルダウンメニューによって、5GHz帯の周波数帯が選択された状態を表している。これにより、「システム名」のリストには、5GHz帯を使用する無線システムのシステム名のみが表示される。なお、一般的に、干渉計算の対象とする無線局の候補を周波数帯によって絞り込むことは重要である。なぜならば、同一の周波数帯であるならば、異なる無線システム間であっても、干渉の影響が発生することがあるからである。
同一の無線システムである場合には、干渉が発生する。ユーザは、同一の無線システム同士の干渉評価を行う場合には、「システム名」のリストから同一の無線システムを選択して「表示」ボタンを押下する。「表示」ボタンが押下されると、図10に示すように、局選択画面ssの下段の表示領域には無線局のリストが表示される。表示されたリストの中から、干渉評価の対象とする無線局の選択が可能である。
また、干渉計算の対象とする無線局の候補を、「装置種別」(例えば、中継局、基地局又は端末局等)によって絞り込むこともできる。図10に例示する局選択画面ssでは、「装置種別」はプルダウンメニューによって選択可能であるため、ユーザは、容易に装置種別を選択して、干渉計算の対象とする無線局の候補を絞り込むことができる。「装置種別」が選択されて、「表示」ボタンが押下されると、リストに表示される無線局の絞り込みが行われる。これにより、ユーザは、絞り込まれた無線局の中から干渉評価の対象とする無線局を容易に選択することができる。
図10に例示する局選択画面ssでは、「システム名」のリストには、「システム_55」、「システム_56」、「システム_57」、「システム_58」及び「システム_59」が表示されている。ここで、例えば図10に示すように、「システム_57」のチェックボックスのみが選択された場合、「システム_57」に該当する無線システムを使用する無線局のリストが局選択画面ssの下段に表示される。
図10に例示する局選択画面ssでは、4つの無線局の局情報からなるリストが表示されている。例えば、リストの最上段に表示された局情報は、「局名」が「局1」であり、「局種別」が「地上局」であり、緯度が「36.47.XX」であり、経度が「135.21.XX」であり、「システム名」が「システム_57」であり、及び中心周波数が「5.XXX(GHz)」である。
図10に示す局選択画面ssに表示された複数の無線局の局情報の中から所望の無線局の局情報が選択されることにより、選択された無線局の局情報が、図8に示した実行条件指定画面h1において干渉計算の実行条件として設定される。例えば、図10に例示する局選択画面ssでは、リストの2段目に表示された局情報がチェックボックスによって選択されている。ユーザは、所望の無線局の局情報をリストの中からチェックボックスによって選択し、局選択画面ssの下段に配置された「OK」ボタンを押下する。これにより、ユーザは、所望の無線局を、与干渉局又は被干渉局として容易に設定することができる。
なお、図10に示す局選択画面ssは、干渉評価の対象とする無線局を、周波数帯によって絞り込む場合の画面例である。しかしながら、「周波数帯」ではなく、「中心周波数」によって絞り込むことも可能である。例えば、ユーザは、図10に示す局選択画面ssに表示された「中心周波数」の表示領域において、「5.000」〜「5.999」「GHz」と指定して「表示」ボタンを押下する。これにより、干渉評価の対象とする無線局の候補が、中心周波数よって絞り込まれる。
なお、一般的に、同一の周波数帯を使用する異なる無線システム同士、又は、中心周波数が近い値である異なる無線システム同士の場合、干渉の影響があることがあるため、周波数帯及び中心周波数は、干渉評価を行う上で重要なパラメータである。なお、干渉評価の対象とする無線局を中心周波数によって絞り込む場合には、図6に示した局DB編集画面seに入力する各種パラメータ(例えば、送信帯域幅等)を考慮して、中心周波数の値にある程度幅を持たせて、絞込みの条件として設定する必要がある。
以下、地図ベースでの干渉評価における干渉計算(第1干渉計算)の実行条件指定について、3つの例を示す。ここでいう3つの例とは、「地点間の計算」、「面的な計算」及び「衛星と地上の局間の干渉計算」である。
まず、「地点間の計算」について説明する。
図11は、本発明の一実施形態に係る干渉評価装置1によって表示される実行条件指定画面の一例を示す模式図である。図11に示す実行条件指定画面hpは、地点間の計算による干渉計算の実行条件を設定する画面の一例である。
なお、図11に示す実行条件指定画面hpは、計算条件設定部16によって生成されて、表示部302によって表示される。また、計算条件設定部16は、操作入力部301によって入力された情報に基づいて、表示部302による実行条件指定画面hpの表示を制御する。
図示するように、実行条件指定画面hpの最上段には、「計算方法」を指定する項目が表示されている。図11では、この「計算方法」を指定する項目において、ラジオボタンによって「地点計算」がチェックされることにより、地点間の計算が選択されている。
ここで、地点間の計算とは、与干渉局の位置及び被干渉局の位置がそれぞれ既知である場合において、これらの与干渉局の位置及び被干渉局の位置に基づいて干渉計算を行い、被干渉局に干渉の影響が発生するか否かを判定するものである。
図11に示すように、実行条件指定画面hpの「与・被干渉情報」の表示領域には、干渉計算の対象として選択された与干渉局の局情報及び被干渉局の局情報のリストが表示される。図示するように、このリストに表示される局情報には、与干渉局であるか被干渉局であるかを区別する項目である「与/被」、「局名」、無線局が設置された位置を示す「緯度1」及び「経度1」、無線局において使用されている無線システムの名称を示す「システム名」、及び無線局において使用されているアンテナの名称を示す「アンテナ名」が表示されている。
また、図11に示す実行条件指定画面hpに表示された与干渉局の局情報及び被干渉局の局情報のリストでは、2つの与干渉局の局情報と1つの被干渉局の局情報とが、それぞれ含まれている。すなわち、4つの無線局が干渉評価の対象とされている。
例えば、図11に示すように、リストの最上段には、「与/被」が「与干渉」であり、「局名」が「局2」であり、「緯度1」が「35.65X」であり、「経度1」が「139.84X」であり、「システム名」が「システム_52」であり、及び「アンテナ名」が「B」である局情報が表示されている。また、例えば、図11に示すように、リストの2段目は、選択された状態となっており、この2段目には、「与/被」が「与干渉」であり、「局名」が「局3」であり、「緯度1」が「35.58X」であり、「経度1」が「139.74X」であり、「システム名」が「システム_52」であり、及び「アンテナ名」が「B」である局情報が表示されている。
また、図11に示すように、実行条件指定画面hpの下段には、干渉計算の実行条件として、「地形による減衰」、「建物による減衰」、及び「追加損失」の3つを考慮するか否かを選択するためのチェックボックスが表示されている。これらの項目について考慮することが選択された場合、必要な地形情報及び建物の高さ情報を含む地図情報に基づいて減衰が算出され、ユーザの判断に基づいて追加損失量が設定され、干渉計算に反映される。
なお、干渉計算における電波の減衰を計算する計算式として、例えば、2乗則、あるいは、地理的に見通しが遮られた場合にリッジを考慮して計算する、特許文献3に記載の計算式(特許文献3の(1)〜(8)式)等を用いることができる。
次に、「面的な計算」について説明する。
図12は、本発明の一実施形態に係る干渉評価装置1によって表示される実行条件指定画面の一例を示す模式図である。図12に示す実行条件指定画面hsは、面的な計算による干渉計算の実行条件を設定する画面の一例である。
なお、図11に示す実行条件指定画面hsは、計算条件設定部16によって生成されて、表示部302によって表示される。また、計算条件設定部16は、操作入力部301によって入力された情報に基づいて、表示部302による実行条件指定画面hsの表示を制御する。
図示するように、実行条件指定画面hsの最上段には、「計算方法」を指定する項目が表示されている。図12では、この「計算方法」を指定する項目において、ラジオボタンによって「面的計算」がチェックされることにより、面的な計算が選択されている。
ここで、面的な計算とは、与干渉局の位置と被干渉局の位置のうち、一方の無線局(例えば、被干渉局)の位置を固定し、もう一方の無線局(例えば、与干渉局)がどのエリア(範囲)にある場合に干渉の影響があるかを範囲で示すものである。具体的には、前者の無線局(例えば、被干渉局)の周辺で指定された範囲がメッシュ(網目状)に区切られ、各メッシュに後者の無線局(例えば、与干渉局)が存在するものと仮定して、干渉計算が面的に行われる。これにより、前者の無線局(例えば、被干渉局)に対して干渉の影響がある範囲が判定される。
図12に示すように、実行条件指定画面hsの「与・被干渉情報」の表示領域には、図11に示した実行条件指定画面hpと同様に、干渉計算の対象として選択された与干渉局の局情報及び被干渉局の局情報のリストが表示される。
図示するように、このリストに表示される局情報には、与干渉局であるか被干渉局であるかを区別する項目である「与/被」、「局名」、無線局が設置された位置を示す「緯度1」及び「経度1」、無線局において使用されている無線システムの名称を示す「システム名」、及び無線局において使用されているアンテナの名称を示す「アンテナ名」が表示されている。
また、図12に示すように、実行条件指定画面hsの下段には、図11に示した実行条件指定画面hpに表示される減衰や損失考慮の有無を指定するための項目(すなわち、干渉計算の実行条件として、「地形による減衰」、「建物による減衰」、及び「追加損失」の3つを考慮するか否かを選択するためのチェックボックス)に加えて、干渉計算を実行するエリアを指定するための「エリア指定」(2つの緯度及び経度による範囲指定)の項目と、「与干渉局アンテナ方向」の項目が表示されている。
「与干渉局アンテナ方向」の項目においては、「最悪」(すなわち、最悪条件)が指定された場合、常に与干渉局のアンテナ方向が被干渉局側へ向く場合についての干渉計算がなされる。この与干渉局のアンテナが被干渉局側に向いている時には、最も干渉量が大きくなる。
また、「与干渉局アンテナ方向」の項目においては、与干渉局のアンテナ方向を東西南北によって指定したり、被干渉局の方向に対して常に一定角度を取るように指定したりして、干渉量を計算することも可能である。図12に示すように、「与干渉局アンテナ方向」は、ラジオボタンによって選択される。
なお、干渉計算における電波の減衰を計算する計算式として、例えば、2乗則、あるいは、特許文献3に記載の計算式(特許文献3の(1)〜(8)式)等を用いることができる。
次に、「衛星と地上の局間の干渉計算」について説明する。
図13は、本発明の一実施形態に係る干渉評価装置1によって表示される実行条件指定画面の一例を示す模式図である。図12に示す実行条件指定画面hsは、衛星と地上の局間の干渉計算の実行条件を設定する画面の一例である。
なお、図13に示す実行条件指定画面haは、計算条件設定部16によって生成されて、表示部302によって表示される。また、計算条件設定部16は、操作入力部301によって入力された情報に基づいて、表示部302による実行条件指定画面haの表示を制御する。
図示するように、実行条件指定画面haの最上段には、「計算方法」を指定する項目が表示されている。しかしながら、「地点計算」あるいは「面的計算」を指定するラジオボタンの選択はできない状態(グレーアウトされた状態)となっている。この理由は,与干渉局又は被干渉局として、(人工)衛星が選択されているためである。与干渉局又は被干渉局として、衛星が選択されている場合には、衛星と地上の局間の干渉計算が行われる。
衛星と地上の局間の干渉計算では、計算条件の判断は、制御部10によって自動的に行われる。この計算条件の判断に基づいて、実行条件指定画面haに表示される内容は決定される。また、衛星と地上の局間の干渉計算では、衛星が地上局から見通せる位置に位置しているか否か、すなわち、地上局から見て衛星が上空に位置しているか(地球によって隠れた位置に位置していないか)否かについての判定も行われる。なお、衛星と地上の局間の干渉計算は、衛星が地上局から見通せる位置に位置していると判定された場合にのみ行われる。また、衛星と地上の局間の干渉計算では、最も干渉の影響が大きい場合における干渉量も算出され、算出された干渉量は表示部302によって表示される。
図13に示す実行条件指定画面haの「与・被干渉情報」の表示領域には、図11に示した実行条件指定画面hp及び図12に示した実行条件指定画面hsと同様に、干渉計算の対象として選択された与干渉局の局情報及び被干渉局の局情報のリストが表示される。
一方、図13に示す実行条件指定画面haの下段に表示される、干渉計算の実行条件を示す項目については、上述した図11に示した実行条件指定画面hp及び図12に示した実行条件指定画面hsとは異なり、「干渉検討諸元」を表す項目として、「受信地上高」、「最低受信感度」のレベル、「最低妨害波」のレベル、及び「同時送信台数」の項目が表示される。これらの干渉計算の実行条件の項目について、利用者によってそれぞれ値が指定され、干渉計算が行われる。
なお,この衛星と地上の局間における具体的な干渉量を計算する計算式としては、特許文献2に記載の計算式(特許文献2の(4)式)等を用いることができる。
このように、3つの異なる計算(すなわち、「地点間の計算」、「面的な計算」及び「衛星と地上の局間の干渉計算」における計算条件について、基本的には共通の表示形式で実行条件指定画面が表示される。また、計算条件に応じて、それぞれの項目について、設定が必要な項目か否かが判定される。そして、この判定結果に従って、各項目への入力の可否が設定される。これにより、ユーザは、設定が必要な項目を容易に認識することができ、干渉計算をより容易に実行することができる。
以下、地図ベースでの干渉評価における干渉計算の計算結果表示について説明する。
図14は、本発明の一実施形態に係る干渉評価装置1によって表示される計算結果表示画面の一例を示す模式図である。
図14には、地点間の計算による計算結果を示す結果表示画面rpと、面的な計算による計算結果を示す結果表示画面rsとが示されている。
なお、図14に示す結果表示画面rp及び結果表示画面rsは、計算結果表示指定部17によって生成されて、表示部302によって表示される。また、計算結果表示指定部17は、操作入力部301によって入力された情報に基づいて、表示部302による結果表示画面rp及び結果表示画面rsの表示を制御する。
これら2つの結果表示画面は、図14に図示するように、「個別評価結果」のタブと「地図表示」のタブをそれぞれ選択することによって切り替わる。
計算結果表示画面rpの「個別評価結果」の表示領域には、図11に示した実行条件指定画面hpにおいて干渉評価の対象として選択された4つの無線局について、図11に示した実行条件指定画面hpにおいて設定された干渉計算の実行条件によって干渉計算された場合における計算結果が示されている。
また、計算結果表示画面rsの「地図結果」の表示領域には、図12に示した実行条件指定画面hpにおいて干渉評価の対象として選択された無線局について、図12に示した実行条件指定画面hsにおいて設定された干渉計算の実行条件によって干渉計算された場合における計算結果が示されている。
計算結果表示画面rp及び計算結果表示画面rsともに、画面の上段には、干渉計算の対象とする与干渉局、被干渉局、及び計算条件が表示される。
また、計算結果表示画面rpには、指向性による減衰や追加損失を考慮するか否かをそれぞれ指定する、評価計算の実行条件の設定の表示領域が表示される。この干渉計算の実行条件の選択に応じて、プロフィール図が表示される。プロフィール表示については後に詳しく説明する。
また、計算結果表示画面rpの下段には、評価の対象となる与干渉局と被干渉局との組み合わせ及び計算結果を示すリストが表示される。ここでは、「局2」と「局3」とを与干渉局とし、「局1」と「局4」とを被干渉局とした場合に、それぞれの与干渉局と被干渉局との組合せにおける干渉計算結果の数値が示されている。また、その干渉結果の数値(括弧内の数値)が共用可能な数値であるか否かの判定結果示す情報(数値)と、その干渉計算結果が許容できるか否かを示す情報が(「○」印又は「×」印によって)示されている。
計算結果表示画面rsには、指向性による減衰や追加損失を考慮するか否かをそれぞれ指定する、評価計算の実行条件の設定の表示領域が表示される。また、計算結果表示画面rsの下段には、地形による減衰を考慮して計算するのか、建物による減衰を考慮して計算するのか、又はいずれも考慮せず最悪値を計算するのか、を選択させるためのラジオボタンが表示される。この干渉計算の実行条件の選択に応じて、地図が表示される。地図表示については後に詳しく説明する。
以下に、図14に示した計算結果表示画面rpにおいて表示条件の設定がなされた、地点間の計算による干渉計算の結果表示例を示す。
図15は、本発明の一実施形態に係る干渉評価装置1によって表示される干渉評価結果画面の一例を示す模式図である。図15には、地点間の計算による干渉計算の計算結果を地図に表す干渉評価結果画面mpと、地点間の計算による干渉計算の計算結果をプロフィール図に表す干渉評価結果画面pfとが示されている。
なお、図15に示す干渉評価結果画面mp及び干渉評価結果画面pfは、計算結果の図表示部19によって生成されて、表示部302によって表示される。また、計算結果の図表示部19は、操作入力部301によって入力された情報に基づいて、表示部302による干渉評価結果画面mp及び干渉評価結果画面pfの表示を制御する。
干渉評価結果画面mpでは、2つの与干渉局と2つの被干渉局とに関する、互いの位置関係及び距離が地図上に表されている。なお、実線の三角印によって表示された無線局は、地図の左側の「ファイル」欄に表示されたチェックボックスが選択された無線局を示している。また、破線の三角印によって表示された無線局は、地図の左側の「ファイル」欄に表示されたチェックボックスが選択されていない無線局を示している。
また、干渉評価結果画面mpに示される地図においては、チェックボックスが選択された与干渉局から2つの被干渉局までの距離は、図15に示すように、それぞれ「2.4km」及び「1.7km」であることが表されている。また、3つの無線局(チェックボックスが選択された、1つの与干渉局と2つの被干渉局)のアンテナ方向が、(北の方向を基準となる0°とした上で)時計回りにそれぞれ320°(北北西の方向)、120°(ほぼ南東方向)、85°(ほぼ南方向)であることが地図上に表されている。
また、地図の左側に表示されたファイル欄において、干渉評価結果画面mpの地図上に示される2つの与干渉局及び2つの被干渉局、2組の与干渉局と被干渉局間との直線距離等を示す項目が、パーツ一覧としてそれぞれツリー表示されている。ユーザは、このツリー表示において、各パーツをそれぞれ表示させるか否かを、チェックボックスを選択することによって切換えることができる。
干渉評価結果画面pfに示されるプロフィール図には、特定の与干渉局と特定の被干渉局とを結ぶ直線上の地形変化や建物の存在等の状況が示される。図15に例示する干渉評価結果画面pfにおいては、与干渉局及び被干渉局ともに、アンテナの高さ10m前後であることが示されている。また、与干渉局及び被干渉局との間の距離が2.4km程度であることが示されている。また、与干渉局及び被干渉局を結ぶ直線状の地形には、80m未満ではあるが起伏があるため互いに見通すことができないことが示されている。また、主に2つのエッジを超えて干渉波が及んでいることが示されている。
このように、地図表示やプロフィール表示において、与干渉局と被干渉局の箇所が表示される事によって、ユーザは無線局の位置関係等を容易に把握することができる。
図16は、本発明の一実施形態に係る干渉評価装置1によって表示される計算結果画面の一例を示す模式図である。図16には、面的な計算による干渉計算の計算結果を示す計算結果表示画面rs2が示されている。
なお、図16に示す計算結果表示画面rs2は、計算結果表示指定部17によって生成されて、表示部302によって表示される。また、計算結果表示指定部17は、操作入力部301によって入力された情報に基づいて、表示部302による結果表示画面rs2の表示を制御する。
図16に示す計算結果表示画面rs2は、別途、計算条件が設定されて、計算実行がなされた後の状態を表している。計算結果表示画面rs2では、干渉計算の計算結果を表示させる際の、表示条件の選択項目が示されている。図16に示すように、干渉計算の計算結果を表示させる条件の選択項目として、指向性による減衰量を考慮するか否かを選択する項目、及び追加損失を考慮するか否かを選択する項目がある。
さらに、図16に示すように、干渉計算の計算結果を表示させる条件の選択項目として、地形による減衰を考慮するか否か、建物による減衰を考慮するか否か、あるいは、地形による減衰及び建物による減衰の両方を考慮しない最悪値とするか、を選択する項目がある。
なお、図16に例示する計算結果表示画面rs2は、指向性による減衰量、及び追加損失を考慮して干渉計算に反映させ、地形や建物による減衰を考慮しない最悪値で干渉量を面的計算する、という条件が設定された状態を表している。
図17は、本発明の一実施形態に係る干渉評価装置1によって表示される干渉評価結果画面の一例を示す模式図である。図17には、面的な計算による干渉計算の計算結果を地図に表す干渉評価結果画面mp2が示されている。
なお、図17に示す干渉評価結果画面mp2は、計算結果の図表示部19によって生成されて、表示部302によって表示される。また、計算結果の図表示部19は、操作入力部301によって入力された情報に基づいて、表示部302による干渉評価結果画面mp2の表示を制御する。
干渉評価結果画面mp2では、被干渉局に対する与干渉局からの干渉影響が許容できない範囲と許容できる範囲とが地図上に示されている。すなわち、干渉影響が許容できない範囲は地図上において「干渉エリア」として表されており、干渉影響が許容できる範囲は地図上において干渉許容エリアとして表されている。
干渉評価結果画面mp2に表示された地図において、被干渉局の位置が示されており、被干渉局では南東方向に指向性のアンテナが向けられている。これにより、干渉評価結果画面mp2に表示された地図において、被干渉局から南東方向(図17の図中の右下方向)に干渉の影響を受ける範囲(干渉エリア)が広がっていることが表されている。また、干渉エリアと干渉許容エリアとの境界線上に位置する与干渉局が一例として挙げられている。
また、地図の左側に表示されたファイル欄において、干渉評価結果画面mp2の地図上に示される、与干渉局、被干渉局、干渉エリア、干渉許容エリア等を示す項目が、パーツ一覧としてそれぞれツリー表示されている。ユーザは、このツリー表示において、各パーツをそれぞれ表示させるか否かを、チェックボックスを選択することによって切り換えることができる。
上記において、干渉計算の計算結果を、例えば、干渉評価結果画面pf、干渉評価結果画面mp又は干渉評価結果画面mp2のような、プロフィール図や地図上に表示させることができることについて説明した。なお、以下に、干渉評価装置1が、個々の与干渉局と被干渉局との間の干渉計算についてのそれぞれの計算結果から、複数の与干渉局全てが1つの被干渉局に対して与える干渉の影響(総合的な干渉の影響)を、再計算することなく提示することができる点について説明する。この提示は、例えば、図11に示した実行条件指定画面hpにおいて設定される干渉計算の実行条件に関する設定内容や、図14に示した計算結果表示画面rpや計算結果表示画面において設定される計算結果の表示に関する設定内容が一部変更されるだけで実現される。
上述したように、図11示した実行条件指定画面hpにおいて、干渉計算における計算条件の設定がなされる。以下に、実行条件指定画面hpにおいて設定される干渉計算の条件について、さらに詳しく説明する。
上述したように、図11に示す実行条件指定画面hpの上段には、干渉評価の対象とする無線局の局情報のリストが表示されている。なお、図11に示す実行条件指定画面hpでは、4つの無線局が選択され、これら4つの無線局の局情報がそれぞれ表示されている。
図示するように、干渉評価の対象とする無線局の局情報のリストの最上段に表示された局情報では、干渉の種別を示す「与/被」の項目の値が干渉を与える与干渉局を示す「与干渉」であり、「局名」が「局2」であり、無線局が設置される位置の緯度及び経度を示す「緯度1」及び「経度1」がそれぞれ「35.65X」及び「139.84X」であり、「システム名」が「システム_52」であり、「アンテナ名」が「B」である。また、図示するように、干渉評価の対象とする無線局の局情報のリストの2段目に表示された局情報はハイライト表示されている。干渉評価の対象とする無線局の局情報のリストの2段目に表示された局情報では、干渉の種別を示す「与/被」が「与干渉」であり、「局名」が「局3」であり、「緯度1」及び「経度1」がそれぞれ「35.58X」及び「139.74X」であり、「システム名」が「システム_52」であり、「アンテナ名」が「B」である。
また、図示するように、干渉評価の対象とする無線局の局情報のリストの3段目に表示された局情報では、干渉の種別を示す「与/被」の項目の値が干渉を受ける被干渉局を示す「被干渉」であり、「局名」が「局4」であり、「緯度1」及び「経度1」がそれぞれ「35.46X」及び「139.62X」であり、「システム名」が「システム_52」であり、「アンテナ名」が「A」である。また、図示するように、干渉評価の対象とする無線局の局情報のリストの4段目(最下段)に表示された局情報では、干渉の種別を示す「与/被」が「被干渉」であり、「局名」が「局1」であり、「緯度1」及び「経度1」がそれぞれ「35.39X」及び「139.58X」であり、「システム名」が「システム_51」であり、「アンテナ名」が「A」である。
図11に示す実行条件指定画面hpの下段では、局情報以外の、干渉計算における計算条件が選択指定される。図11に示す実行条件指定画面hpにおいては、地形による減衰を考慮した干渉計算を「2乗則+リッジ損」で実施することが指定されている。すなわち、自由空間での距離に応じた電力の減衰に加えて、山や丘などの地形に応じた減衰を考慮した干渉量が計算される。また、「建物による減衰考慮」の項目は選択されていない。また、指定した数値(単位[dB])の追加損失が考慮されるように設定されている。
上述したように、図11に示した実行条件指定画面hpでは、それぞれ2つずつの与干渉局と被干渉局とを干渉評価の対象とする設定がなされた。ユーザは、この設定に対して部分的な設定変更を行うだけで、干渉評価の対象を変更すること(例えば、3つの与干渉局と1つの被干渉局とを干渉評価の対象とすること)等ができる。
以下に、図11に示した実行条件指定画面hpにおいて設定された干渉計算の計算条件のうち、対象局の種別のみを変更させた設定によって干渉計算を実行した場合について説明する。
図18は、本発明の一実施形態に係る干渉評価装置1によって表示される計算結果表示画面の一例を示す模式図である。図18には、計算結果表示画面rp2と計算結果表示画面rp3とが表示されている。
なお、図18に示す計算結果表示画面rs2及び計算結果表示画面rs3は、計算結果表示指定部17によって生成されて、表示部302によって表示される。また、計算結果表示指定部17は、操作入力部301によって入力された情報に基づいて、表示部302による計算結果表示画面rs2及び計算結果表示画面rs3の表示を制御する。
計算結果表示画面rp2の下段には、干渉計算の計算結果がされる。図18に示すように、計算結果表示画面rp2の下段には、3つタブ(「個別評価結果」、「総合評価結果」及び「地図表示」)がある。図18に示す計算結果表示画面rp2には、「個別評価結果」のタブが選択されて、干渉計算の対象となる与干渉局と被干渉局との組合せ及び計算結果を示すリストが表示される。図18に示すように、計算結果表示画面rp2には、3つの計算結果がリストで表示されている。
計算結果表示画面rp2に示されているリストの最上段には、与干渉局が「局2」であり、被干渉局が「局4」である無線局の組み合わせにおいて、与干渉局のアンテナが被干渉局の方向を向く最悪値における計算結果が「○」(すなわち、干渉の影響が許容できる範囲内であるという結果)であり、許容干渉所要I/N(閾値)に対する余裕量が「2.9dB」であるという計算結果が示されている。さらに、地形を考慮した場合における干渉計算の計算結果が「○」であり、許容干渉所要I/Nに対する余裕量が「13.2dB」であるという計算結果が示されている。
また、計算結果表示画面rp2に示されているリストの2段目には、与干渉局が「局3」であり、被干渉局が「局4」である無線局の組み合わせにおいて、与干渉局のアンテナが被干渉局の方向を向く最悪値における計算結果が「○」であり、許容干渉所要I/Nに対する余裕量が「10.7dB」であるという計算結果が示されている。さらに、地形を考慮した場合における干渉計算の計算結果が「○」であり、許容干渉所要I/Nに対する余裕量が「38.3dB」であるという計算結果が示されている。
また、計算結果表示画面rp2に示されているリストの3段目には、与干渉局が「局1」であり、被干渉局が「局4」である無線局の組み合わせにおいて、与干渉局のアンテナが被干渉局の方向を向く最悪値における計算結果が「○」であり、許容干渉所要I/Nに対する余裕量が「5.4dB」であるという計算結果が示されている。さらに、地形を考慮した場合における干渉計算の計算結果が「○」であり、許容干渉所要I/Nに対する余裕量が「16.7dB」であるという計算結果が示されている。
このように、計算結果表示画面rp2において「個別評価結果」のタブが選択された場合には、1つの与干渉局と複数の(3つの)被干渉局との組み合わせにおける、それぞれの干渉計算をした計算結果が示されている。
ここで、計算結果表示画面rp2において「総合評価結果」のタブが選択された場合の画面が、図18に示す計算結果表示画面rp3である。計算結果表示画面rp3では、上述した、3組の与干渉局と被干渉局との組み合わせ(すなわち、「局2」と「局4」、「局3」と「局4」及び「局1」と「局4」の組み合わせ)における評価計算の計算結果を全て纏めた総合評価結果が示される。
図18に示すように、計算結果表示画面rp3において、与干渉局を「局2」、「局3」及び「局1」とし、被干渉局を「局4」とした場合における総合評価結果が示されている。この総合評価結果では、最悪値における計算結果が「×」であり、許容干渉所要I/Nに対する余裕量がマイナスの値である「−4.1dB」であるという計算結果が示されている。また、この総合評価結果では、地形を考慮した場合における干渉計算の計算結果が「○」であり、許容干渉所要I/Nに対する余裕量が「8.2dB」であるという計算結果が示されている。
このように、複数の与干渉局と被干渉局との組み合わせにおいて、それぞれ干渉計算を行った場合における個々の計算結果が何れも「○」(すなわち、干渉が許容できる範囲内であるという結果)であったとしても、それら複数の与干渉局全てから1つの被干渉局への干渉の影響をまとめた場合、干渉計算の計算結果が「×」(すなわち、干渉の影響を許容することができない範囲内であるという結果)であることがある。
このような計算結果にもなりうる複数の与干渉局による影響を考慮した干渉計算を、(冒頭で図24及び図25を参照しながら説明したような)従来の汎用的な表計算ソフトウェアによって行う場合、複雑な作業となるため、ユーザにかかる作業負担が大きくなる。この例では、与干渉局が3局と被干渉局が1局で3組の与/被干渉局の組合せである。しかし、仮に与/被干渉の両局がそれぞれ10局となる例では合計100通りの組合せになるため、従来での干渉検討の手法では煩雑でさらに膨大な作業量になる。
一方、上述した干渉評価装置1によれば、ユーザは、図11に示した実行条件指定画面hpにおいて干渉計算の計算条件を設定しておき、図18に示した計算結果表示画面rp3のように「総合評価結果」のタブを選択するだけで、複雑な作業を行うことなく、干渉評価の計算を参照することができる。さらに、計算結果表示画面rp3において、ユーザは、許容干渉所要I/Nに対する余裕量がプラスの値であるか否か、及び余裕量の数値を容易に把握することができる。
このように、図18に示す計算結果表示画面rp3では、個々の与干渉局から被干渉局への干渉の影響に関する評価結果と、複数の与干渉局から被干渉局への干渉の影響に関する評価結果と、を「個別評価結果」のタグと「総合評価結果」のタグとを切り替えるだけでそれぞれ表示される。これにより、干渉の影響を回避するために、複数の与干渉局を比較したり、特定の与干渉局を除外することによって干渉の影響を回避可能であるか否かを検討したりすることも容易になる。
以上説明したように、干渉評価装置1は、複数の与干渉局が評価対象である場合、同時にそれら複数の与干渉局と被干渉局との組み合せの数の干渉計算を個々に実行する。さらに、干渉評価装置1は、個々に干渉計算を実行することによって得られた複数の計算結果をまとめることによって、同一の被干渉局に対する複数の与干渉局からの干渉の影響を計算する。そして、干渉評価装置1は、「個別評価結果」と「総合評価結果」とをタブによって切り替え可能に表示するため、ユーザは容易にそれぞれの評価結果を参照することができる。
なお、例えば、計算結果表示画面rp2に表示される「個別評価結果」を求める干渉計算、及び計算結果表示画面rp3に表示される「総合評価結果」を求める干渉計算は、実行条件指定画面に配置された「計算実行」ボタンが押下されることによって実行開始される。従って、図18に示す計算結果表示画面rp2あるいは計算結果表示画面rp3が表示された時点においては、「個別評価結果」と「総合評価結果」とがそれぞれ既に得られている状態である。
以下に、地図ベースでの干渉評価に関する画面遷移について説明する。
図19は、本発明の一実施形態に係る干渉評価装置1によって表示される画面の遷移を示す画面遷移図である。図19に示す画面遷移図では、地図ベースでの干渉評価(すなわち、与干渉局の位置及び被干渉局の位置のうち少なくとも一方が既知である場合における干渉評価)における、画面遷移の状態を表す。
図19に示す画面遷移図では、主要な画面が表示されている状態が、実線による囲みによって示されている。図示するように、主要な画面とは、「メニュー」画面、「計算条件設定(地図)」画面、「履歴選択利用」画面、及び「計算結果(地図)表示・設定」画面である。
ここでいう「メニュー」画面は、図3に示したにメインメニュー画面mに相当する。また、ここでいう「計算条件設定(地図)」画面は、図8に示した実行条件指定画面h1、図11に示した実行条件指定画面hp、図12に示した実行条件指定画面hs、及び図13に示した実行条件指定画面haに相当する。また、ここでいう「履歴選択利用」画面は、図9に示した履歴選択画面h2に相当する。また、ここでいう「計算結果(地図)表示・設定」画面は、図14に示した計算結果表示画面rp及び計算結果表示画面rs、及び図18に示した計算結果表示画面rp2及び計算結果表示画面rp3に相当する。
また、図19に示す画面遷移図では、上記の主要な画面以外の画面(以下、「サブ画面」という。)が表示されている状態が、破線による囲みによって示されている。図示するように、サブ画面とは、「局情報編集」画面、「与干渉局・被干渉局の選択」画面、「計算実行」画面、「アンテナパターン表示」画面、「プロフィール表示」画面、「結果地図表示」画面、及び「ヒートマップ表示」画面である。
ここでいう「局情報編集」画面は、図6に示した局DB編集画面seに相当する。また、ここでいう「与干渉局・被干渉局の選択」画面とは、図10に示した局選択画面ssに相当する。また、ここでいう「プロフィール表示」画面とは、図15に示した干渉評価結果画面pfに相当する。また、ここでいう「結果地図表示」画面とは、図15に示した干渉評価結果画面mpに相当する。また、ここでいう「ヒートマップ表示」画面とは、図17に示した干渉評価結果画面mp2に相当する。なお、「計算実行」画面は干渉計算の実行中である状態を示す画面であり、「アンテナパターン表示」画面はアンテナパターンを表示する画面であるが、その詳細については説明を省略する。
なお,図19に示す画面遷移図において、画面状態間の遷移を示す矢印に付された記載は、遷移元の画面における遷移指示の方法の一例を示したものであり、例えば、押下されるボタンの名称等を示している。
図19に示す画面遷移図に表すように、「局情報編集」画面及び「与干渉局・被干渉局の選択」画面へは、「計算設定条件(地図)」画面から遷移可能である。これにより、ユーザは、「計算設定条件(地図)」画面から、干渉評価に関係する無線局の局情報を編集したり、干渉計算に用いる与干渉局又は被干渉局を選択して局情報を読み出したりすることができる。
また、「計算条件設定(地図)」画面から「計算実行」画面へは、干渉計算の全ての実行条件が設定され、図8に示した実行条件指定画面h1、図11に示した実行条件指定画面hp、図12に示した実行条件指定画面hs、又は図13に示した実行条件指定画面haに配置された「計算実行」ボタンが押下されることによって遷移する。
また、「計算結果(地図)表示・設定」画面からは、「プロフィール表示」画面、「結果地図表示」画面及び「ヒートマップ表示」画面へ遷移可能である。これにより、ユーザは、「計算結果(地図)表示・設定」画面において所望の表示方法を選択して、干渉計算の計算結果を参照することができる。
「アンテナパターン表示」画面へは、「計算条件設定(地図)」画面及び「計算結果(地図)表示・設定」画面のいずれからも遷移可能である。これにより、ユーザは、干渉計算の実行の前後いずれにおいても、アンテナパターンを確認することができる。
以下に、干渉評価において履歴選択をする場合の、干渉計算の実行条件の設定における画面遷移について説明する。
図20は、本発明の一実施形態に係る干渉評価装置1によって表示される画面の遷移を示す画面遷移図である。
上記において、「計算条件設定(地図)」画面に相当する画面として、図11に示した地点間の計算の実行条件を指定するための実行条件指定画面hp、図12に示した面的な計算の実行条件を指定するための実行条件指定画面hs、及び図13に示した衛星と地上の局間の干渉計算の実行条件を指定するための実行条件指定画面haについて説明した。これら3つの実行条件指定画面のうち、どの実行条件指定画面へ遷移するかについての判断は、干渉評価装置1の制御部10によって自動的に行われる。
具体的には、図11に示した実行条件指定画面hp及び図12に示した実行条件指定画面hsの最上段に配置されたラジオボタンのうち、「地点計算」が選択された場合には実行条件指定画面hpに自動的に切り替わり、「面的計算」が選択された場合には実行条件指定画面hsに自動的に切り替わる。また、図10に示した局選択画面ssにおいて、与干渉局又は被干渉局のいずれか一方に衛星局が設定された場合には、図13に示した実行条件指定画面haへ自動的に遷移する。
また、その他、図9に示した履歴選択画面h2において、「地点計算」の履歴フォルダが選択された場合には実行条件指定画面hpに自動的へ遷移し、「面的計算」の履歴フォルダが選択された場合には実行条件指定画面hsに自動的へ遷移し、及び「衛星計算」の履歴フォルダが選択された場合には実行条件指定画面haへ自動的に遷移する。
なお、与干渉局又は被干渉局の一方に衛星局が既に設定されている場合においては、図10に示した局選択画面ssで衛星以外の無線局(地上局など)が追加で選択した場合であっても、既に衛星局が設定されている状態であるため、再び、図13に示した衛星と地上の局間の干渉計算の実行条件を指定するための実行条件指定画面haへ遷移する。
[モデルベースでの干渉評価]
以下、モデルベースでの干渉評価について説明する。
図21は、本発明の一実施形態に係る干渉評価装置1によって表示される干渉評価結果画面の一例を示す模式図である。図21には、モデルベースでの干渉評価による干渉計算(第2干渉計算)の計算結果を地図に表す干渉評価結果画面mp3が示されている。
なお、図21に示す干渉評価結果画面mp3は、計算結果の図表示部19によって生成されて、表示部302によって表示される。また、計算結果の図表示部19は、操作入力部301によって入力された情報に基づいて、表示部302による干渉評価結果画面mp3の表示を制御する。
図21に示す干渉評価結果画面mp3の地図上において、被干渉局、離隔距離及びリッジ距離が示されている。また、離隔距離として、最悪値で求められた離隔距離と、リッジありの計算条件で求められた離隔距離とがそれぞれ示されている。リッジありの計算条件で求められた離隔距離とは、地図上の地形に基づいて被干渉局からの見通しを遮蔽する点が考慮された離隔距離である。また、最悪値で求められた離隔距離とは、そのような地形によるリッジを考慮しない計算条件によって計算された離隔距離である。
リッジ距離は、リッジありの計算条件での離隔距離を求める場合におけるリッジの位置を示したものである。図21に例示する干渉評価結果画面mp3の地図上においては、リッジ距離は、最悪値の半分の長さ(被干渉局からの距離)となる距離を表している。なお、ここでいう離隔距離とは、被干渉局が干渉の影響を受けないために必要となる距離を示す。
このように、干渉評価装置1は、上述した地図ベースでの干渉評価による干渉計算の計算結果を地図上に表示するだけでなく、モデルベースでの干渉評価による干渉計算の計算結果についても、テキスト表示だけではなく地図上に表示させることができる。
以下に、モデルベースでの干渉評価に関する画面遷移について説明する。
図22は、本発明の一実施形態に係る干渉評価装置1によって表示される画面の遷移を示す画面遷移図である。図22に示す画面遷移図では、モデルベースでの干渉評価(すなわち、与干渉局の位置及び被干渉局の位置がいずれも不明確である場合における干渉評価)における、画面遷移の状態を表す。
図22に示す画面遷移図には、主要な画面が表示されている状態が、実線による囲みによって示されている。図示するように、主要な画面とは、「メニュー」画面、「計算条件設定(モデル)」画面、「履歴選択利用」画面、及び「計算結果(モデル)表示・設定」画面である。ここでいう「メニュー」画面は、図3に示したにメインメニュー画面mに相当する。また、ここでいう「履歴選択利用」画面は、図9に示した履歴選択画面h2に相当する。
また、図22に示す画面遷移図では、サブ画面が表示されている状態が、破線による囲みによって示されている。図示するように、サブ画面とは、「計算実行」画面、「アンテナパターン表示」画面、「結果地図表示」画面、及び「局選択」画面である。ここでいう「結果地図表示」画面が、図21に示した干渉評価結果画面mp3に相当する。
なお,図22に示す画面遷移図において、画面状態間の遷移を示す矢印に付された記載は、遷移元の画面における遷移指示の方法の一例を示したものであり、例えば、押下されるボタンの名称等を示している。
図22に示すように、地図ベースでの干渉評価と同様、モデルベースでの干渉評価においても、「計算条件設定(モデル)」画面から「履歴選択利用」画面へ遷移することができる。また、地図ベースでの干渉評価と同様、「計算条件設定(モデル)」画面において干渉計算の全ての実行条件が設定されて、「計算実行」ボタンが押下されることによって、「計算実行」画面を介して、「計算結果(モデル)表示・設定」画面へ遷移する。
また、図22に示すように、地図ベースでの干渉評価と同様、「アンテナパターン表示」画面へは、「計算条件設定(モデル)」画面及び「計算結果(モデル)表示・設定」画面のいずれからも遷移可能である。ここで、地図ベースでの干渉評価と異なる点としては、「計算結果(モデル)表示・設定」画面から「局選択」画面へ遷移することが可能な点である。これにより、モデルベースでの干渉評価による干渉計算であっても、計算結果が、干渉の影響範囲が具体的な位置として地図上に投影されるため、ユーザは視覚的に干渉の影響を認識することが可能になる。
以下に、履歴選択利用に関する画面遷移について説明する。
図23は、本発明の一実施形態に係る干渉評価装置1によって表示される画面の遷移を示す画面遷移図である。
なお、図23に示す画面遷移図においては、「計算条件設定(地図)」画面及び「計算条件設定(モデル)」画面から、「計算実行」画面や「計算結果表示」画面への遷移については、記載を省略している。また、参考として、「メニュー」画面から、「局DB管理」画面及び「局DB編集」画面への遷移も示している。なお、ここでいう「局DB管理」画面とは、図5に示した局DB管理画面smに相当する。また、ここでいう「局DB編集」画面とは、図6に示した局DB管理画面seに相当する。
図23に示すように、「メニュー」画面から、「計算条件設定(地図)」画面及び「計算条件設定(モデル)」画面の双方へ遷移することができる。なお、「計算条件設定(地図)」画面とは、与干渉局及び被干渉局の詳細な情報を用いる地図ベースでの干渉評価による干渉計算の実行条件を設定するための画面である。また、「計算条件設定(モデル)」画面とは、与干渉局及び被干渉局の詳細な情報を必要としないモデルベースでの干渉評価による干渉計算の実行条件を設定するための画面である。
なお、地図ベースでの干渉評価と同様に与干渉局及び被干渉局の位置を示す情報を用いる簡易置局設計における計算条件を設定するための画面である「計算条件設定(簡易置局設計)」画面、及び、妨害波レベルを計算するための画面である「計算条件設定(妨害波レベル計算)」画面へは、「メニュー」画面において適切なボタンが押下されることによって遷移する。
「計算条件設定(地図)」画面、「計算条件設定(簡易置局設計)」画面、及び「計算条件設定(妨害波レベル計算)」画面からは、「与・被干渉局の選択」画面へ遷移することができる。ここで、干渉評価の対象とする無線局が設定されると、「計算条件設定(地図)」画面へ再び遷移する。
また、与干渉局及び被干渉局の詳細な情報を必要としないモデルベースでの干渉評価による干渉計算の実行条件を設定するための画面である「計算条件設定(モデル)」画面へは、「メニュー」画面において適切なボタンが押下されることによって遷移する。
さらに、上記説明した「メニュー」画面からそれぞれ遷移可能な「計算条件設定(地図)」画面及び「計算条件設定(モデル)」画面のどちらからでも、「履歴選択利用」画面への遷移が可能である。例えば、図8に示した実行条件指定画面h1、図11に示した実行条件指定画面hp、図12に示した実行条件指定画面hs、又は図13に示した実行条件指定画面haに配置された「履歴選択」ボタンが押下されることによって、図9に示した履歴選択画面h2へ遷移する。
「履歴選択利用」画面から参照される履歴保存部202には、過去に行われた干渉評価の履歴を含む履歴フォルダが残されている。この履歴フォルダの中から、例えば類似した過去の干渉計算の実行条件を読み出して、干渉計算の実行条件として利用することが可能である。このとき、既に設定していた実行条件とは異なる実行条件にあたる履歴情報フォルダを選択することも可能である。例えば、地図ベースの干渉評価に関する設定を行うための「計算条件設定(地図)」画面から「履歴選択利用」画面へ遷移した場合であっても、モデルベースの干渉計算の履歴フォルダが選択された場合には、遷移元の画面とは異なる「計算条件設定(モデル)」画面へ遷移する。
このように、干渉評価装置1が提供する干渉評価のメニューには、地図ベースの干渉評価、モデルベースの干渉評価、及び簡易置局設計等があるが、どの干渉評価においても必要となる局情報は、全て共通の局DB201から選択して利用可能である。図6に示した局DB変種画面seにおいて干渉検討において使用される各種パラメータが入力されて登録されるが、この登録された各種パラメータの全てが、全ての種類の干渉評価において常に使用されるというわけではない。
しかしながら、一部のパラメータ(共通パラメータ)については全ての干渉評価において共通して使用され、その他のパラメータ(個別パラメータ)については特定の干渉評価においてのみ使用される。干渉評価装置1は、共通パラメータと個別パラメータとをまとめて局DB201によって管理するため、選択メニューとして用意されている異なる種類の干渉評価それぞれにおいて、必要な局情報は共通の局DB201から読み出しが可能である。このように、必要な局情報が共通の局DB201から入手できることは、干渉評価を容易にする上で効果が大きい。なぜならば、干渉評価においては、干渉評価の対象とする無線局の設計仕様及び設置状況等の情報を収集して、収集されたそれら様々な情報に基づいて干渉計算がなされるためである。
以上、この発明の一実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
上述した実施形態における干渉評価装置1の一部または全部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。