JP6908807B2 - 木製壁材及びそれを用いた木造建築物 - Google Patents
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Description
また、個人の自宅の車庫や倉庫などのように比較的小型の木造建築物でも、一般素人が建築することは現実には難しかった。
一方、建築物には生活に必要な給排水管や電気配線などの設備の配置をしなければならないが、素人が、壁や柱などに、そのために必要な特別の構造や装置を設置することは難しいという問題もある。
そして、それら壁材は、比較的大きな建築物の他に、小屋や犬小屋等の小型建築物にも、適宜に改良、変更又は追加をしながら実施できると記載されているが、小型建築物に適用できうる改善策については具体的な開示が無い。
また、各壁材の上面には通水溝が形成されていて、部材間に雨水が侵入した際に、この雨水を、通水溝を介して柱材の案内溝内部に導水する。壁材の間に侵入した雨水は、通水溝内に積極的に導かれ、通水溝からログハウスの内側への侵入が阻止される。このように、各壁材の一部に通水溝のように雨水対策は開示されているが、建築物として設置しなければならない電気配線や給排水管の設置のための構造は何ら開示されていない。
また、電気配線や給排水管の配置については何らの開示が無い。
また、建築物として必要な電気配線や給排水管などの設置については、何らの開示が無い。
また、素人が建築物に必要な電気配線や給排水管などを建築物に設置することができるとともに、それらの電気配線や給水管などが建築物の内部や外部の人目に触れる場所に目立つことが無く、美観を損なわないで、それらを配置することができるための構造が存在しなかったということが問題である。
即ち、上記の特許文献1〜5には、壁材を組み立てて建築物の壁を建設した場合に、各壁材が隣接する他の壁材との間に、水平方向及び垂直方向に電気配線や給排水管などを設置する空間が形成されない構造になっている。
幅が略同一で長さは略同一又は異なる第1及び第2の2枚の四角形状の木製板材と、前記第1及び第2の四角形状の木製板材より幅が狭く長さが前記第1又は第2の木製板材のうちの少なくとも一方の木製板材より短い第3の四角形状の木製板材からなり、
前記第3の木製板材は、前記第1及び第2の四角形状の木製板材の間で幅方向には中央部の位置で、長手方向には前記第1と第2の四角形状の木製板材の少なくとも一方の端部がずれた位置になるように、前記第1、第2及び第3の木製板材の各板面が接合されている
ことを特徴とする少なくとも3枚の四角形状の木製板材からなる木造建築物用の木製壁材
である。
また、この特徴によって、木製壁材の長さを適切に短くして、素人が少人数で大型の運搬機械無しに多数の木製板材を簡便に積み重ねて組み立てることができるという効果もある。
更には、少なくとも3枚の木製板材の長さや接合位置を適切に変更した複数種類の構造の木製壁材を構成することができる。それにより、それらの複数種類の構造の小型の基本的壁材を、組み立てるべき壁の位置によって適切に採用することができ、素人が、木造建築物を簡便に組み立てることができるという効果がある。
幅及び長さが略同一の第1及び第2の2枚の四角形状の木製板材と、
前記第1及び第2の四角形状の木製板材より幅が狭く長さが短い第3の四角形状の木製板材からなり、
前記第3の木製板材は前記第1及び第2の木製板材の間に挟まれて前記第1、第2及び第3の木製板材が接合され、
前記第1と第2の木製板材は長手方向にずれた位置にあり、
前記第3の木製板材は前記第1の木製板材の幅方向に略中央に位置し、かつ、前記第1の木製板材と前記第3の木製板材のいずれの端部も面一でないように接合されている
ことを特徴とする少なくとも3枚の四角形状の木製板材からなる木造建築物用の木製壁材
である。
幅及び長さが略同一の第1及び第2の2枚の四角形状の木製板材と、
前記第1及び第2の四角形状の木製板材より幅が狭く長さが短い第3の四角形状の木製板材からなり、
前記第3の木製板材は前記第1及び第2の木製板材の間に挟まれて前記第1、第2及び第3の木製板材が接合され、
前記第1と第2の木製板材は長手方向にずれた位置にあり、
前記第3の木製板材は前記第1の木製板材の幅方向に略中央に位置し、かつ、前記第1と第3の木製板材の一端が面一になるように接合されている
ことを特徴とする少なくとも3枚の四角形状の木製板材からなる木造建築物用の木製壁材
である。
四角形状の第1の木製板材と、
前記第1の四角形状の木製板材と幅が略同一で長さが前記第1の四角形状の木製板材より長い第2の四角形状の木製板材と、
前記第1及び第2の四角形状の木製板材より幅が狭く前記第2の木製板材より短い第3の四角形状の木製板材からなり、
前記第3の四角形状の木製板材は前記第1及び第2の四角形状の木製板材の間で幅方向に略中央の位置で接合され、
前記第1、第2、及び第3の木製板材の長手方向の各一端は面一であり、各木製板材の他端は長手方向にずれた位置になるように接合されている
ことを特徴とする少なくとも3枚の四角形状の木製板材からなる木造建築物用の木製壁材
である。
四角形状の第1の木製板材と、
前記第1の四角形状の木製板材と幅が略同一で長さが前記第1の四角形状の木製板材より長い第2の四角形状の木製板材と、
前記第1及び第2の四角形状の木製板材より幅が狭く前記第1の木製板材より長く前記第2の木製板材より短い長さの第3の四角形状の木製板材からなり、
前記第3の四角形状の木製板材は前記第1及び第2の四角形状の木製板材の間で幅方向に略中央の位置で接合され、
前記第1、第2、及び第3の木製板材の長手方向の各一端は面一であり、他端は長手方向にずれた位置になるように接合されており、
前記第1の四角形の木製板材は、前記第1、第2及び第3の木製板材が面一になっている端部において、幅方向の両端に切欠き部が形成されている
ことを特徴とする少なくとも3枚の四角形状の木製板材からなる木造建築物用の木製壁材
である。
四角形状の第1の木製板材と、
前記第1の四角形状の木製板材と幅が略同一で長さが前記第1の四角形状の木製板材より長い第2の四角形状の木製板材と、
前記第1及び第2の四角形状の木製板材より幅が狭く長さが短い第3の四角形状の木製板材からなり、
前記第3の四角形状の木製板材は前記第1及び第2の四角形状の木製板材の間で幅方向に略中央の位置で接合され、
前記第1、第2及び第3の木製板材の長手方向の各一端は面一の位置にあり、他端は長手方向にずれた位置になるように接合されており、
前記第1の四角形状の木製板材は、前記第1、第2及び第3の木製板材が面一になっている端部において、幅方向の両端に切欠き部が形成されている
ことを特徴とする少なくとも3枚の四角形状の木製板材からなる木造建築物用の木製壁材
である。
少なくとも3枚の四角形状の木製板材が少なくとも一方の一端面が面一でないように接合された第1の木製壁材と、前記第1の木製壁材の前記面一でない一端面で組み合わされて面一の端面にするための第2の木製壁材とからなる木造建築物用の木製壁材であって、
前記第1の木製壁材は、
四角形状の第1の木製板材と、
幅が前記第1の木製板材と略同一の四角形状の第2の木製板材と、
前記第1及び第2の木製板材より幅が狭く、少なくとも前記第2の木製板材より短い長さの第3の四角形状の木製板材からなり、
前記第3の木製板材は前記第1及び第2の木製板材の間で幅方向に略中央の位置で接合され、
前記第1の木製壁材の一端において、長手方向に、前記第3の木製板材の端部が前記第1の木製板材と前記第2の木製板材の中間の位置にあって各木製板材が面一でないように接合されており、
前記第2の木製壁材は、
前記第1及び第2の木製板材の幅と厚さが略同一の第4の木製板材と、
前記第4の木製板材の一面に前記第4の木製板材と同一の幅で形成されて接合されたコの字状の第5の木製板材からなり、
前記第4の木製板材と前記第5の木製板材は一端において面一になるように接合されており、
前記第1の壁材と前記第2の壁材を組み立てることによって、少なくとも一端面が面一の少なくとも3層構造の木製壁材を形成する
ことを特徴とする木造建築物用の木製壁材
である。
なお、第1の壁材としては第1、第2及び第3の板材の一端が面一でない壁材を対象としているが、他端は面一であっても、面一でなくても良い。
少なくとも3枚の四角形状の木製板材が少なくとも一方の一端面が面一でないように接合された第1の木製壁材と、前記第1の木製壁材の前記面一でない一端面で組み合わされて面一の端面にするための第2の木製壁材とからなる木造建築物用の壁材であって、
前記第1の木製壁材は、
四角形状の第1の木製板材と、
幅が前記第1の木製板材と略同一の四角形状の第2の木製板材と、
前記第1及び第2の木製板材より幅が狭く長さが短い第3の四角形状の木製板材からなり、
前記第3の木製板材は前記第1及び第2の木製板材の間で幅方向に略中央の位置で接合され、
前記第1の木製板材の一端において前記第1、第2及び第3の木製板材が面一であり、他端において前記第3の木製板材の端部が前記第1及び第2の木製板材のいずれの端部より長手方向に後退した位置にあって、各木製板材が面一でないように接合されており、
前記第2の木製壁材は、
幅と厚さが前記第1の木製壁材の前記第1及び第2の木製板材と略同一の第4の木製板材と、
前記第4の木製板材の一面に前記第4の木製板材と同一の幅で形成されて接合されたコの字状の第5の木製板材とからなり、
前記コの字状の第5の木製板材は、コの字状部分の内側が前記第4の木製板材と実質的に同一長さまで埋められており、
前記第4の木製板材と前記第5の木製板材は一端において面一になるように接合されており、
前記第1の壁材と前記第2の壁材を組み立てることによって、少なくとも一端面が面一の少なくとも3層構造の木製壁材を形成する
ことを特徴とする木造建築物用の木製壁材
である。
幅及び長さが略同一の第1及び第2の2枚の四角形状の木製板材と、
前記第1及び第2の四角形状の木製板材より幅が狭く長さが短い第3の四角形状の木製板材からなり、
前記第3の木製板材は前記第1及び第2の木製板材の間に挟まれて前記3枚の四角形状の木製板材が接合され、
前記第1と第2の木製板材は長手方向及び幅方向にずれた位置にあり、
前記第3の木製板材は前記第1の木製板材の幅方向に略中央に位置し、かつ、前記第1の木製板材と前記第3の木製板材の各一端が面一でないように接合されている
ことを特徴とする少なくとも3枚の四角形状の木製板材からなる木造建築物用の木製壁材
である。
また、3枚の木製板材のうちの建築物の外側又は内側の1枚を取り外すことによって、壁材そのものや、隣接する壁材との間に形成する空間に収納したパイプ部材や補強部材の保守点検を容易に行うことができる。
四角形状の第1の木製板材と、
前記第1の四角形状の木製板材と幅が略同一で長さが前記第1の四角形状の木製板材より長い第2の四角形状の木製板材と、
前記第1及び第2の四角形状の木製板材より幅が狭く長さが短い第3の四角形状の木製板材からなり、
前記第3の木製板材は前記第1及び第2の木製板材の間に挟まれて前記3枚の四角形状の木製板材が接合され、
前記第1と第2の木製板材は、両方の木製板材が所定の角度を有して交差する関係にあり、
前記第3の木製板材は前記第1の木製板材の幅方向に略中央に位置し、かつ、前記第1の木製板材と前記第3の木製板材のいずれの端部も面一でないように接合されている
ことを特徴とする少なくとも3枚の四角形状の木製板材からなる木造建築物用の木製壁材
である。
3枚の板材から構成される壁材であって、前記壁材は、
幅が略同一で長さが略同一又は異なる第1及び第2の2枚の四角形状の木製板材と、 前記第1及び第2の四角形状の木製板材より幅が狭い第3の四角形状の木製板材とからなり、
前記第3の木製板材は前記第1及び第2の木製板材の間に挟まれて前記第1、第2及び第3の木製板材が接合されて構成され、
前記壁材と同じ構造の壁材を隣接して壁を形成した場合に、前記第1、第2及び第3の木製板材で囲まれた水平方向の空間と垂直方向の空間が前記壁材に形成され、それらの空間は隣接する前記壁材に形成される別の水平方向の空間と垂直方向の空間に接続される構造であることを特徴とする木造建築物用の木製壁材。
少なくとも3枚の四角形状の木製板材の広い面同士を接合して少なくとも3層構造の木製壁材を、長手方向を水平方向にして積み重ねることによって壁を形成した木造建築物であって、
前記少なくとも3層構造の木製壁材は、
幅が略同一の第1及び第2の2枚の四角形状の木製板材と、
前記第1及び第2の四角形状の木製板材より幅が狭く長さが前記第1又は第2の木製板材のうちの少なくとも一方の木製板材より短い第3の四角形状の木製板材とからなり、
前記第3の木製板材は、前記第1及び第2の四角形状の木製板材の間で幅方向に前記第1の木製板材の中央部の位置で接合され、かつ、前記第1と第2の四角形状の木製板材は、長手方向にずれた位置になるように、前記第1、第2及び第3の木製板材の各板面が接合されており、
前記第1、第2及び第3の木製板材に囲まれた水平方向に長い複数の空間と垂直方向に長い複数の空間が形成され、そのうちの一部の前記空間には中空のパイプ部材が埋め込まれ、前記パイプ部材の中に電気配線や給排水管などの設備が収納され、前記パイプ部材が埋め込まれない他の前記空間の全部又は一部には壁の強度を補強するための補強部材が埋め込まれている
ことを特徴とする木造建築物
である。
少なくとも3枚の四角形状の木製板材の広い面同士を接合して形成した少なくとも3層構造の第1、第2及び第3の木製壁材を、それぞれの長手方向を水平方向にして、積み重ねることによって壁及び壁の角部を形成した木造建築物であって、
所定の壁の中央部に配置される少なくとも3層構造の前記第1の木製壁材は、
幅及び長さが略同一の第6及び第7の2枚の四角形状の木製板材と、
前記第6及び第7の四角形状の木製板材より幅及び長さが短い第8の四角形状の木製板材とからなり、
前記第8の木製板材は、前記第6及び第7の四角形状の木製板材の間で幅方向に前記第6の木製板材の中央部の位置で接合され、かつ、前記第6と第7の四角形状の木製板材は、長手方向にずれた位置になるように、前記第6、第7及び第8の木製板材の各板面が接合されており、
前記所定の壁の角部に配置される少なくとも3層構造の前記第2の木製壁材は、
幅及び長さが略同一の第9及び第10の2枚の四角形状の木製板材と、
前記第9及び第10の四角形状の木製板材より幅が狭く長さが短い第11の四角形状の木製板材からなり、
前記第11の木製板材は前記第9及び第10の木製板材の間に挟まれて前記第9、第10及び第11の木製板材が接合され、
前記第9と第10の木製板材は長手方向にずれた位置にあり、
前記第11の木製板材は前記第9の木製板材の幅方向に略中央に位置し、かつ、前記第9と第11の木製板材の一端が面一になるように接合されており、前記第10の木製板材は 前記第9及び第11の木製板材の面一の面より延びており、
前記第2の壁材と前記角部にてほぼ直角に交差する少なくとも3層構造の前記第3の壁材は、
四角形状の第12の木製板材と、
前記第12の四角形状の木製板材と幅が略同一で長さが前記第12の四角形状の木製板材より長い第13の四角形状の木製板材と、
前記第12及び第13の四角形状の木製板材より幅が狭く前記第13の木製板材より短い第14の四角形状の木製板材からなり、
前記第14の四角形状の木製板材は前記第12及び第13の四角形状の木製板材の間で幅方向に略中央の位置で接合され、
前記第12、第13、及び第14の木製板材の長手方向の各一端は面一であり、他端は長手方向にずれた位置になるように接合されており、
前記第2の木製壁材の前記第10の木製板材の延びた面と前記第3の木製壁材の前記第12、第13及び第14の面一の端面が接しており、
前記第1、第2及び第3の木製壁材の3層の各板材に囲まれた水平方向及び垂直方向に長い複数の空間が形成され、そのうちの一部の前記空間には中空のパイプ部材が埋め込まれ、前記パイプ部材の中に電気配線や給排水管などの設備が収納され、前記パイプ部材が埋め込まれない他の前記空間の全部又は一部には壁の強度を補強するための補強部材が埋め込まれている
ことを特徴とする木造建築物
である。
少なくとも3枚の四角形状の木製板材の広い面同士を接合して少なくとも3層構造の木製壁材を、長手方向を水平方向にして積み重ねることによって壁を形成した木造建築物であって、
前記少なくとも3層構造の木製壁材は、
幅が略同一で長さが略同一又は異なる第1及び第2の2枚の四角形状の木製板材と、
前記第1及び第2の四角形状の木製板材より幅が狭い第3の四角形状の木製板材とからなり、
前記第3の木製板材は前記第1及び第2の木製板材の間に挟まれて前記第1、第2及び第3の木製板材が接合されて構成され、
前記第1、第2及び第3の木製板材に囲まれた水平方向に長い複数の空間と垂直方向に長い複数の空間が形成され、そのうちの一部の前記空間には中空のパイプ部材が埋め込まれ、前記パイプ部材の中に電気配線や給排水管などの設備が収納され、前記パイプ部材が埋め込まれない他の前記空間の全部又は一部には壁の強度を補強するための補強部材が埋め込まれている
ことを特徴とする木造建築物
である。
特に、そのような壁材として、複数種類の基本的な構造の壁材を形成することができる。
更に、その複数種類の壁材を適切に組み合わせて形成した壁を有する木造建築物を提供できる。
図2において、壁2の広い中央部には3枚の板材からなる3層構造の木製壁材8が用いられる。壁2の両端部に位置する角部7には、複数種類の構造の木製壁材9、10、11、12が用いられる。木製壁材8も木製壁材9、10、11、12も、基本的には、大型重機を用いなくても運搬したり組み立てたりすることが可能な大きさと重量であり、10Kg以下が望ましい。
なお、この実施形態では木製壁材8を千鳥状に配置したが、言うまでも無く、千鳥状でなくても良い。千鳥状でない実施態様については後述する。
なお、壁材として図9(d)に示す壁材11を使用した場合には、コの字状壁材15が好ましい。
これらのコの字状壁材14、15については、図7、8にて詳述する。
また、中間の板材の幅が両端の板材の幅よりも狭いことから、各壁材の中間の板材と両側の2枚の板材の間にも、多数の空間17が壁2の水平方向に形成される。
ここで、木製壁材8は、3枚の細長い長方形状の木製板材が接合された3層構造である。3枚の木製板材は、エポキシ樹脂などの接着剤によって接着されるのが望ましいが、この接着剤による接着以外にも、何らかの方法によって接合されればよい。両側の第1の木製板材20と第2の木製板材21は、一例として、長方形状の長手方向の寸法(A)が910mm、短い方向の寸法、即ち、幅(B)が105mm、板厚(C)が37.5mmである。第1の木製板材20と第2の木製板材21の間に挟まれた中間の第3の木製板材22は、長手方向の寸法(D)が870.0mm、短い方向の寸法、即ち、幅(E)が65.0mm、板厚(F)が30.0mmであり、図示されるように、第1の木製板材20の長手方向及び幅方向に中央の位置に接合されている。そのために、第1の木製板材20と第3の木製板材22の端部は面一になっていない。
図10において、パイプ部材18として、いわゆる「C型管」を採用する。「C型管」は、4面のうち3面が閉じられたコの字状の管である。「C型管」の場合には、1つの面が開いているので、パイプ部材18が位置する板材を取り外して、パイプ部材18やその中の配線等の保守点検を行うのに好適である。「C型管」に代えて、中空の「丸型管」又は「角型管」でもよい。
図10のパイプ部材18は、壁材8によって形成される垂直方向の空間16と水平方向の空間17との間で方向転換するには、空間16と空間17の交差点に配置した市販のエルボ23を利用することによって簡単に行うことができる。
また、木製板材54と木製板材55の間の幅方向及び長手方向の中央の位置に、木製板材54と木製板材55より幅方向及び長手方向にわずかに短い木製板材57が接合されている。幅方向及び長手方向に短いゆえに、3枚の木製板材54,55,57に囲まれた空間によって水平方向と垂直方向の空間が形成されて、図17に示すように、これらの空間に電気配線や給排水管などの設備が納められるC型管などのパイプ材や壁の補強部材が配置される。
この壁材58は、図3(a)に示す壁材8と比べて、3枚の木製板材59,60,61のうち、中間の板材61が両端共に、板材59や板材60より引っ込んだ位置にあることだけが異なる。このように、両端ともに中間の板材61が両側の板材59,60よりも引っ込んでいるので、同種の壁材58同士を接続した場合に、その接続部分に形成される垂直方向の空間62が大きくなる。電気配線や給排水管などを納めるパイプ材や補強部材を多めに、集中的に配置したい場合には好適である。
この壁材63は、3枚の木製板材64,65,66のうち、中間の板材66が両端において、両側の板材64,65の中間の位置にある点が、図3(a)や図18に示す実施態様の壁材と異なる。
この壁材63は、図21に示すように、図18に示す壁材58と接続すると、接続部に形成される垂直方向の空間66の大きさを、図19に示す場合に比べて適切な大きさにすることができる。
この壁材67は、3枚の板材68,69,70のうち、両側の板材68,69の長さが異なり、中間の板材70の両端が両側の板材68,69の中間の位置にある点が他の実施態様の壁材と異なる。
この壁材67は、図23に示すように、同種の壁材67同士を裏表反対にして接続することによって、両方の壁材67の間に垂直方向の空間71を形成することができる。
この壁材72は、3枚の板材73,74,75のうち、両側の板材73,74の長さが略同一で、長手方向にずれておらず、中間の板材75はわずかに短く、一端が両側の板材73,74より突出している点が、他の実施態様の壁材と異なる。
この壁材72は、図25に示すように、同種の壁材72同士を接続することによって、両方の壁材72の間に垂直方向の空間76を形成することができる。
木製板材26の端部には、壁の角部に垂直に挿入されるボルト35のボルト用穴28(図示せず)が有る。
木製壁材10は、3枚の長方形状の木製板材29、30、31が接合されており、壁の中央部に使用される壁材8よりも比較的短く、その断面形状は木製壁材8、9の断面形状と同じである。木製板材29と木製板材30は、同じ形状と寸法であり、長さが455mm、幅が105mm、厚さは37.5mmである。一方、中間に挟まれて接着されている木製板材31は、長さが435.0mm、幅が65.0mm、厚さが30.0mmであり、その一端が両側の木製板材29と板材30の一端の中間の位置にあり、他端は木製板材29の一端と面一に接合されている。
図5(a)の木製壁材10は、図2に示されるように、その一端は木製壁材8と組み立てられ、他端は前述の図6の木製壁材11と組み立てられることによって、壁2の角部7を構成している。
図11において、木製壁材10の一端側に木製壁材9の一端側が直交するように接合される。木製壁材10の上部に形成される水平方向の空間17は、木製壁材9の切欠き部27を通じて木製壁材9の上部に形成される空間17に連通される。それらの空間17は、木製壁材9、10の他端側に形成される垂直方向の空間16に連通される。
木製板材38にはボルト用穴39がある。木製板材36の一端には切欠き部40がある。
コの字状壁材14は、図7に示すように、コの字部41と、コの字部41の側面に組み合わせられた木製板材42とからなる。
コの字状壁材14の木製板材42の厚さは、図4に示す壁材9の木製板材24と25の間の中間板材26の厚さと略同一である。コの字部41が壁材9の中間板材26を挟んで両者が組み合わせられる。そして、その際には、木製板材42は、壁材9の両側の板材24、25のうちの一方の板材24の端部に接する程度の水平方向の長さを有する。
図8のコの字状壁材15は、図6に示す壁材11と組み合されて、窓や出入口に接する壁の端部のように、壁の端部が面一である場合に好適である。
このような2つの壁材の組合せ方は、図9(a)の場合に限らず、壁材9に代えて、図5(a)に示す壁材10を壁材8と組み合わせる場合も同様である。
これらの空間16及び17には、前述のように、配線や給水管などを収納するパイプ材18や壁2を補強する木材などの補強部材19を設置することができる。
更に、図示しないが、図5(b)に示す壁材12とコの字状壁材15を組み合わせることもできる。図9(d)の場合と同様に、壁2の角部7に近い場所で使用するのに好適である。
図13(b)は、図13(a)の2つの壁材46a、46bのY―Y断面図である。2個の木製壁材46aと木製壁材46bに囲まれた水平方向の空間17は、他の水平方向の空間17や他の図に示される垂直方向の空間16に連通する。
図15の実施態様では、壁材50としての長さが、同一となるため、板材52は板材51より長さが長い。
壁材77は、木製板材78と木製板材79の間に木製板材80が接合されて構成される。板材78と板材79は、長さと幅が略同一であり、平行に配置されている。板材80は、板材78,79より短くて幅が狭く、板材78、79に対してわずかに回転していて傾斜した位置関係にある。板材80は長方形であり、板材78、79は傾斜角だけ直角からずれた平行四辺形状である。
壁材77a、77b、77c、77dを、図27に示すように接続すると、壁材77の板材78、79の傾斜によって、壁に山と谷の傾斜模様が形成されるので、壁の美観が高まる。各板材78、79、80に囲まれた垂直方向の空間82と水平方向の空間83が形成され、それらの空間82、83は相互に連通する。
なお、図27は、壁材77が水平方向にのみ接続されているが、実際に壁を形成する場合には垂直方向にも接続される。それゆえに、板材78、79、80は、垂直方向に接続された壁材77の各板材78、79、80との間に小さい隙間ができて、その隙間が垂直方向の空間82や水平方向の空間83になる。
(1)まず、本発明の対象は、木造建築物の壁に使用される壁材であり、壁材は少なくとも3層構造に接合された3枚の木製板材で1つの壁材が形成されている。3層構造の中間に位置する板材の幅は両側の板材の幅よりも狭い。
そして、更なる複数の技術的要素によって実現される本発明の特徴の1つは、「壁材の長手方向及び幅方向の両端部に、3枚の板材で囲まれた垂直方向と水平方向の空間が形成される構造である」ことにある。この空間に、建築物に必要な電気配線や給排水管などの設備を納めるパイプ材や壁の強度を補強する補強部材を配置することができる。これが本発明の本質である。
(A)3枚のうちの中間の板材が、両側の2枚の板材のいずれとも幅方向の中央部で接合されていない場合の壁材を選択できる。
これに該当する代表的な壁材として、図26に示す実施態様の壁材がある。
(B)3枚のうちの中間の板材が、両側の2枚のうちの1枚の板材のみと幅方向の中央部で接合されている場合の壁材を選択できる。
これに該当する代表的な壁材として、図12、15に示す各実施態様の壁材がある。
そのうち、
(Ba)両側の2枚の板材が幅方向及び長手方向にずれている場合の代表的な壁材は図12に示す実施態様の壁材であり、
(Bb)両側の2枚の板材が相互に傾斜している場合の代表的な壁材は図15に示す実施態様の壁材である。
(C)3枚のうちの中間の板材が、両側の2枚の板材と幅方向の中央部で接合されている場合の壁材を選択できる。
これに該当する代表的な壁材として、図3、4、5(a)、5(b)、6、16、18、20、22、24に示す各実施態様の壁材がある。
これに該当する代表的な壁材として、図16、24に示す各実施態様の壁材がある。なお、壁材の両端において中間の板材の端部が両側の2枚の板材の端部より突出する場合は、発明の効果の点から選択しない。
そのうち、
(Caa)壁材の一端において、中間の板材の端部が両側の2枚の板材の端部より引っ込んだ位置にあり、壁材の他端において、中間の板材が両側の2枚の板材より突出する場合の代表的な壁材は図24に示す実施態様の壁材であり、
(Cab)壁材の両端において、中間の板材の端部が両側の2枚の板材の端部より引っ込んだ位置にある場合の代表的な壁材は図16に示す実施態様の壁材である。
これに該当する代表的な壁材として、図4、6に示す各実施態様の壁材がある。なお、図4、6の壁材は、いずれも他端における3枚の板材は面一であり、これ以外の場合の壁材は発明の効果の点から選択しない。
図4、6のうち、
(Cba)上記一端において、中間の板材の端部が、両側の2枚の板材の端部の中間に位置する場合の壁材は図4に示す実施態様の壁材である。
(Cbb)上記一端において、中間の板材の端部が、両側の2枚の板材の端部より引っ込んだ位置にある場合の壁材は図6に示す実施態様の壁材である。
これに該当する代表的な壁材として、図3、5(a)、5(b)、18、20、22に示す各実施態様の壁材がある。
それらは、更に、以下のように分類される。
(Cca)壁材の一端において、中間の板材の端部が両側の2枚の板材の端部の中間に位置し、壁材の他端において、中間の板材の端部が両側の2枚の板材の端部より引っ込んだ位置にある場合の壁材がある。
これに該当する代表的な壁材として、図3に示す実施態様の壁材がある。
(Ccb)壁材の両端において、中間の板材の端部が両側の2枚の板材の端部の中間に位置にある場合の壁材がある。
これに該当する代表的な壁材として、図20に示す実施態様の壁材がある。
(Ccc)壁材の一端において、中間の板材の端部が両側の2枚の板材の端部の中間に位置し、壁材の他端において、中間の板材の端部が両側の2枚の板材のうちの1枚のみの端部と面一となる位置にあり、両側の板材のうちの他の1枚はその面一の他端よりも突出している場合の壁材がある。
これに該当する代表的な壁材として、図5(a)に示す実施態様の壁材がある。
(Ccd)壁材の3枚の板材の長手方向の長さが異なり、中間の板材の長さは両側の2枚の板材の中間の長さであり、壁材の両端において、中間の板材の端部が両側の2枚の板材の端部の中間に位置する場合の壁材がある。
これに該当する代表的な壁材として、図22に示す実施態様の壁材がある。
(Cce)壁材の両端において、中間の板材の端部が両側の2枚の板材の端部より引っ込んだ位置にある場合の壁材がある。
これに該当する代表的な壁材として、図18に示す実施態様の壁材がある。
(Ccf)壁材の一端において、中間の板材の端部が両側の2枚の板材の端部より引っ込んだ位置にあり、壁材の他端において、中間の板材の端部と両側の2枚の板材のうちの1枚の端部とが面一の関係にある場合の壁材がある。
これに該当する代表的な壁材として、図5(b)に示す実施態様の壁材がある。
2‥‥壁
3‥‥屋根
4‥‥出入口
5‥‥窓
6‥‥壁材
7‥‥壁の角部
8、9、10、11、12、46、50、56、58、63、67、72、77‥‥壁材
13‥‥壁の端部
14、15‥‥コの字状壁材
16、17、62、71、76、82、83、84‥‥空間
18‥‥パイプ部材
19‥‥補強部材
20、24、29、32、36、47、51、54、59、64、68、73、78‥‥第1の木製板材
21、25、30、33、37、48、52、55、60、65、69、74、79‥‥第2の木製板材
22、26、31、34、38、49、53、57、61、66、70、75、80‥‥第3の木製板材
23‥‥エルボ
41、43‥‥‥コの字部
42、44、45‥‥‥板材
27、40‥‥‥切欠き部
35‥‥‥ボルト
28、39‥‥‥ボルト用穴
Claims (8)
- 少なくとも3枚の四角形状の木製板材の広い面同士を接合して形成した少なくとも3層構造の木製壁材を、長手方向を水平方向に積み重ねることによって壁を形成し、前記3枚の木製板材に囲まれた水平方向に長い複数の空間と垂直方向に長い複数の空間が形成され、そのうちの一部の空間には中空のパイプ部材が埋め込まれ、前記パイプ部材の中に電気配線や給排水管などの設備が収納され、前記パイプ部材が埋め込まれない他の前記空間の全部又は一部には壁の強度を補強するための補強部材が埋め込まれている木造建築物用の前記木製壁材であって、
前記木製壁材は、
四角形状の第1の木製板材と、
前記第1の木製板材と幅が略同一で長さが略同一又は異なる第2の四角形状の木製板材と、
前記第1及び第2の木製板材より幅が狭く前記第1の木製板材より短い第3の四角形状の木製板材からなり、
前記第3の木製板材は、前記第1及び第2の木製板材の間で幅方向に前記第1の木製板材の中央部の位置で接合され、
前記第1と第2の木製板材は、それらの両端において長手方向にずれた位置になるように、前記第1、第2及び第3の木製板材の各板面が接合されており、
複数の前記木製壁材を水平方向及び垂直方向に隣接して組み合わせることによって、前記第1、第2及び第3の木製板材に囲まれた水平方向に長い複数の空間と垂直方向に長い複数の空間が形成され、そのうちの一部の前記空間には中空のパイプ部材が埋め込まれ、前記パイプ部材の中に電気配線や給排水管などの設備が収納され、前記パイプ部材が埋め込まれない他の前記空間の全部又は一部には壁の強度を補強するための補強部材が埋め込まれる
ことを特徴とする少なくとも3枚の木製板材からなる木造建築物用の木製壁材。 - 前記第1の木製板材と前記第2の木製板材の長さが略同一である
ことを特徴とする請求項1に記載の木造建築物用の木製壁材。 - 前記第1と第2の木製板材は、それらの両端において長手方向にずれるとともに、幅方向にもずれた位置になるように、前記第1、第2及び第3の木製板材の各板面が接合されている
ことを特徴とする請求項2に記載の木造建築物用の木製壁材。 - 前記第2の木製板材の長さは、前記第1の木製板材の長さよりも長い
ことを特徴とする請求項1に記載の木造建築物用の木製壁材。 - 前記第1と第2の木製板材は、それらの両端において長手方向にずれるとともに、幅方向にもずれた位置になるように、前記第1、第2及び第3の木製板材の各板面が接合されている
ことを特徴とする請求項4に記載の木造建築物用の木製壁材。 - 前記第2の木製板材の長さは、前記第1の木製板材の長さよりも短い
ことを特徴とする請求項1に記載の木造建築物用の木製壁材。 - 前記第1と第2の木製板材は、それらの両端において長手方向にずれるとともに、幅方向にもずれた位置になるように、前記第1、第2及び第3の木製板材の各板面が接合されている
ことを特徴とする請求項6に記載の木造建築物用の木製壁材。 - 請求項1乃至7のいずれかの請求項に記載の前記壁材を有することを特徴とする木造建築物。
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