JP6907662B2 - ゲート駆動回路およびこれを備えた負荷駆動装置 - Google Patents

ゲート駆動回路およびこれを備えた負荷駆動装置 Download PDF

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Description

本発明は、スイッチング素子を駆動するゲート駆動回路およびこれを備えた負荷駆動装置に関する。
この種の負荷駆動装置としては、ブリッジ回路のスイッチングアームを構成する2つのスイッチング素子を備えたインバータが知られている(例えば、特許文献1)。従来のインバータでは、上下のアームが短絡することを防止するために、スイッチングアームを構成する全てのスイッチング素子がオフ状態になる動作期間が設けられている。
特開2015−12624号公報
しかしながら、従来のインバータは、このような動作期間を設けたとしても、一のスイッチングアームを構成するスイッチング素子がオン状態となることに起因して、この一のスイッチングアームの対向アームを構成するスイッチング素子が寄生容量によってオン状態となる場合がある。このため、従来のインバータは、上下のアームが短絡する可能性があるという課題を有している。
そこで、本発明は、上記従来例の課題に着目してなされたものであり、スイッチング素子が誤ってオン状態となることによるスイッチングアームの短絡を防止できるゲート駆動回路およびこれを備えた負荷駆動装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の一態様によるゲート駆動回路は、直列に接続されて接続点が電力変換回路のスイッチング素子に接続された高電位側駆動素子および低電位側駆動素子と、スイッチング素子を状態変化させるときにのみ高電位側駆動素子および低電位側駆動素子の一方をオン状態に制御する駆動制御部と、スイッチング素子の停止中に、このスイッチング素子を低電位に接続する停止時制御部とを備え、停止時制御部は、矩形波制御信号のオフ状態が設定時間以上継続したときに低電位側駆動素子をオン状態に制御する。
また、上記目的を達成するために、本発明の一態様による負荷駆動装置は、正極側ラインおよび負極側ライン間に、直列に接続された2つのスイッチング素子を有するスイッチングアームを少なくとも2組並列に接続された負荷を駆動するインバータ回路と、このインバータ回路の各スイッチング素子を個別に駆動する上記一態様によるゲート駆動回路とを備えている。
本発明の一態様によれば、スイッチング素子が誤ってオン状態となることによるスイッチングアームの短絡を防止できるゲート駆動回路およびこれを備えた負荷駆動装置を提供できる。
本発明の第1実施形態による負荷駆動装置の概略構成を示す回路図である。 本発明の第1実施形態による第1スイッチングアームのゲート駆動回路の概略構成を示す回路図である。 本発明の第1実施形態による第2スイッチングアームのゲート駆動回路の概略構成を示す回路図である。 図2のゲート駆動回路におけるタイマ回路を示す回路図である。 本発明の第1実施形態による負荷駆動装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。 本発明の第1実施形態による第1スイッチングアームのゲート駆動回路の起動時の動作を説明するタイミングチャートである。 本発明の第1実施形態による第1スイッチングアームのゲート駆動回路の起動後の図6に続く動作を説明するためのタイミングチャートである。 従来のゲート駆動回路を示す回路図である。 従来のゲート駆動回路の起動時の動作を説明するためのタイミングチャートである。 本発明の第2実施形態による第1スイッチングアームのゲート駆動回路の概略構成を示す回路図である。 本発明の第2の実施形態の変形例を示す回路図である。
次に、図面を参照して、本発明の一実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
また、以下に示す実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
以下、本発明の一の実施の形態に係るゲート駆動回路およびこれを備えた負荷駆動装置について図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態によるゲート駆動回路およびこれを備えた負荷駆動装置について図1から図7を用いて説明する。ここで、負荷駆動装置は、例えば誘導加熱装置などに用いられる共振形インバータ回路で構成される。
図1に示すように、本実施形態による負荷駆動装置10は、三相の交流電源11に接続されている。負荷駆動装置10は、交流電源11から入力する交流電力を全波整流する整流回路12と、整流回路12で整流された電力を平滑化する平滑用コンデンサ13とを備えている。
整流回路12は、正極側ラインLpおよび負極側ラインLn間にそれぞれ2つのダイオード12a,12b、12c,12dおよび12e,12fを直列に接続した3組の直列回路で構成されている。各直列回路のダイオード間の接続点が交流電源11に接続されている。
また、平滑用コンデンサ13は、正極側ラインLpおよび負極側ラインLn間にダイオード12eおよび12fの直列回路と並列に接続されている。
また、負荷駆動装置10は、整流回路12および平滑用コンデンサ13で生成された直流電力が入力される電力変換回路としての共振形インバータ回路15を備えている。この共振形インバータ回路15は、正極側ラインLpおよび負極側ラインLn間に並列に接続された第1スイッチングアームSAおよび第2スイッチングアームSBでHブリッジ回路が構成されている。
第1スイッチングアームSAは、正極側ラインLpおよび負極側ラインLn間に直列に接続された高電位側のスイッチング素子Q1および低電位側のスイッチング素子Q2を備えている。第2スイッチングアームSBは、正極側ラインLpおよび負極側ラインLn間に直列に接続された高電位側のスイッチング素子Q3および低電位側のスイッチング素子Q4を備えている。
各スイッチング素子Q1,Q2,Q3およびQ4は、例えばNチャネルMOSFETが適用されている。これらスイッチング素子Q1〜Q4のそれぞれは、NチャネルMOSFETを適用する場合に限らず、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)等のSi系の電圧制御型半導体素子の他、炭化ケイ素、窒化ガリウムおよびダイアモンドの少なくとも1つを主材料とするワイドバンドギャップ半導体素子で構成される電圧制御型半導体素子を適用することができる。
各スイッチング素子Q1,Q2,Q3およびQ4には、それぞれ還流ダイオードD1,D2,D3およびD4が逆並列に接続されている。これら還流ダイオードD1,D2,D3およびD4は、Si系の半導体素子だけでなく、炭化ケイ素、窒化ガリウムおよびダイアモンドの少なくとも1つを主材料とするワイドバンドギャップ半導体素子であってもよい。還流ダイオードD1,D2,D3およびD4として、スイッチング素子Q1,Q2,Q3およびQ4のボディダイオードを利用してもよい。
ここで、スイッチング素子Q1およびQ3はハイサイドアームを構成し、スイッチング素子Q2およびQ4がローサイドアームを構成している。
また、共振形インバータ回路15は、スイッチング素子Q1およびQ2間の接続点とスイッチング素子Q3およびQ4間の接続点との間に直列に接続された共振用コンデンサ16および誘導加熱を行う負荷となる加熱コイル17とを備えている。
スイッチング素子Q1,Q2,Q3およびQ4のそれぞれは、制御端子としてのゲート端子に接続されたゲート駆動回路GDU1,GDU2,GDU3およびGDU4によって個別にオン・オフ制御される。ハイサイドアームを構成するスイッチング素子Q1およびQ3を制御するゲート駆動回路GDU1およびGDU3には、ハイサイド電源回路20Haおよび20Hbからハイサイド用直流電圧が供給されている。また、ローサイドアームを構成するスイッチング素子Q2およびQ4を制御するゲート駆動回路GDU2およびGDU4には、ローサイド電源回路20Laおよび20Lbからローサイド用直流電圧が供給されている。
ハイサイド電源回路20Ha及び20Hbは、交流電源11の交流電力からハイサイド用直流電圧を生成する。ローサイド電源回路20Laおよび20Lbは、交流電源11の交流電力からローサイド用直流電圧を生成する。なお、この例ではローサイド用電源としてローサイド電源回路20La,20Lbの2つの電源回路としているが、ローサイド電源回路はゲート駆動回路GDU2,GDU4に対して共通の1つの電源回路でもよい。
そして、各ゲート駆動回路GDU1,GDU2,GDU3およびGDU4が制御信号生成部21から供給される制御信号CS1,CS2,CS3およびCS4によって駆動される。
すなわち、共振形インバータ回路15は、加熱コイル17に電力供給して誘導加熱を行う際に、スイッチング素子Q1およびQ4をオフ状態とし、スイッチング素子Q2およびQ3をオン状態とする第1制御態様と、スイッチング素子Q2およびQ3をオフ状態とし、スイッチング素子Q1およびQ4をオン状態とする第2制御態様とが交互に繰り返される。
次に、本実施形態によるゲート駆動回路GDU1,GDU2,GDU3およびGDU4の回路構成について図2、図3および図4を用いて説明する。ここでは、負荷となる加熱コイル17の通電を所定時間以上停止している停止中では、制御信号CS1〜CS4がローレベルとなってスイッチング素子Q1〜Q4が全てオフ状態を維持する。この停止中から加熱コイル17に通電を開始する起動時に、制御信号生成部21は、最初に、ハイレベルの制御信号CS2およびCS3を出力する。
図2に示すように、ゲート駆動回路GDU1は、ハイサイド電源回路20Haからハイサイド用直流電圧が入力される正極側ラインHSLpaと負極側ラインHSLnaとの間に直列に接続された高電位側駆動素子Q11および低電位側駆動素子Q12を備えている。高電位側駆動素子Q11および低電位側駆動素子Q12は例えばNチャネルMOSFETで構成されている。
また、高電位側駆動素子Q11および低電位側駆動素子Q12の接続点が配線LNを介してスイッチング素子Q1のゲート端子に接続されている。ここで、配線LNの長さは、配線インダクタンスL1および配線抵抗R1がスイッチング素子Q1のスイッチングの高速化を妨げない程度の値になるように設定されている。
高電位側駆動素子Q11には、逆並列接続した状態のボディダイオードBD11が形成されている。このボディダイオードBD11は、還流ダイオードとしての機能を発揮する。低電位側駆動素子Q12には、逆並列接続した状態のボディダイオードBD12が形成されている。このボディダイオードBD12は、還流ダイオードとしての機能を発揮する。
また、ゲート駆動回路GDU1は、高電位側駆動素子Q11および低電位側駆動素子Q12と並列にコンデンサC11およびC12の直列回路が接続されている。これらコンデンサC11およびC12の接続点がスイッチング素子Q1のソース端子に接続されている。したがって、スイッチング素子Q1のソース端子Sには、正電圧HSVpaおよび負電圧HSVnaの電位差に相当する直流電圧をコンデンサC11およびコンデンサC12の間の電圧が印加される。
さらに、ゲート駆動回路GDU1は、高電位側駆動素子Q11および低電位側駆動素子Q12を駆動する駆動制御部30と、負荷駆動装置10の停止時に低電位側駆動素子Q12を駆動する停止時制御部40とを備えている。
この駆動制御部30は、絶縁回路31と、第1ワンショット回路32と、第1増幅回路33と、第2ワンショット回路34と、第2増幅回路35とを備えている。
絶縁回路31は、フォトカプラや絶縁トランス等で構成され、信号入力側と信号出力側とが絶縁されている。この絶縁回路31は、信号入力側に制御信号生成部21から出力される矩形波パルス状の制御信号CS1が入力され、信号出力側から出力される制御信号CS1′が第1ワンショット回路32および第2ワンショット回路34に供給される。
第1ワンショット回路32は、入力される制御信号CS1′の立ち上がり時に所定時間オン状態を継続する第1ワンショットパルスPos11を生成し、生成した第1ワンショットパルスPos11を第1増幅回路33に出力する。
第1増幅回路33は、第1ワンショットパルスPos11を増幅して高電位側駆動素子Q11の制御端子(ゲート端子)に供給する。
第2ワンショット回路34は、絶縁回路31から出力される制御信号CS1′の立ち下がり時に所定時間オン状態を継続する第2ワンショットパルスPos12を生成し、生成した第2ワンショットパルスPos12が第2増幅回路35に供給される。
第2増幅回路35は第2ワンショットパルスPos12を増幅して低電位側駆動素子Q12の制御端子(ゲート端子)に供給する。
停止時制御部40は、タイマ回路41と、第3増幅回路42と、低電位側駆動素子Q12とを含んで構成されている。
タイマ回路41は、制御信号CS1がローレベルとなった後にハイレベルとなるまでの時間を、第2ワンショット回路34からの第2ワンショットパルスPos12と第1ワンショット回路32から第1ワンショットパルスPos11とに基づいて監視する。このタイマ回路41は、図4に示すように、カウンタ41aと、RSフリップフロップ回路41bとを備えている。
カウンタ41aには、セット端子sに第2ワンショット回路34から出力される第2ワンショットパルスPos12が入力され、クリア端子cに第1ワンショット回路32から出力される第1ワンショットパルスPos11が入力されている。このカウンタ41aは、セット端子sに第2ワンショットパルスPos12が入力されたときに、クロックパルスCPのカウントを開始し、クリア端子cに第1ワンショットパルスPos11が入力されたときにカウント値をクリアする。さらに、カウント値が予め設定された設定値に達すると、カウントを停止してタイムアップ信号StuをRSフリップフロップ回路41bのセット端子sに出力する。
RSフリップフロップ回路41bは、セット端子Sにタイムアップ信号Stuが入力され、リセット端子Rに第1ワンショットパルスPos11が入力されている。このRSフリップフロップ回路41bは、タイムアップ信号Stuがセット端子Sに入力されたときに、セットされて肯定出力端子Qから制御信号CS1′のハイレベルと等しいレベルのハイレベルの停止時制御信号CS1stを第3増幅回路42に出力する。
第3増幅回路42はタイマ回路41のRSフリップフロップ回路41bから出力される停止時制御信号CS1stを増幅して低電位側駆動素子Q12の制御端子(ゲート端子)に供給する。
したがって、RSフリップフロップ回路41bからハイレベルの停止時制御信号CS1stが出力されると、このハイレベルの停止時制御信号CS1stを第3増幅回路42で増幅し、この第3増幅回路42から出力される増幅出力によって低電位側駆動素子Q12をオン状態に制御する。
また、ゲート駆動回路GDU2は、図2に示すように、ゲート駆動回路GDU1に対して停止時制御部40が省略されているとともに、ローサイド電源回路20Laからローサイド用直流電圧が入力される正極側ライン及び負極側ラインがLSVpa及びLSVnaとされ、高電位側駆動素子がQ21とされ、低電位側駆動素子がQ22とされている。
さらに、ゲート駆動回路GDU3は、図3に示すように、ゲート駆動回路GDU2と同様に、ゲート駆動回路GDU1に対して停止時制御部40が省略されているとともに、ハイサイド電源回路20Hbからハイサイド用直流電圧が入力される正極側ライン及び負極側ラインがHSVpb及びHSVnbとされ、高電位側駆動素子がQ31とされ、低電位側駆動素子がQ32とされている。
また、ゲート駆動回路GDU4は、図3に示すように、ゲート駆動回路GDU1と同様に、停止時制御部40を備えているとともに、ローサイド電源回路20Lbからローサイド用直流電圧が入力される正極側ライン及び負極側ラインがLSVpb及びLSVnbとされ、高電位側駆動素子がQ41とされ、低電位側駆動素子がQ42とされている。
このように、本実施形態では、初期状態でオン状態に制御される低電位側のスイッチング素子Q2およびQ3と直列に接続されて対向アームとなるスイッチング素子Q1およびQ4のゲート駆動回路GDU1およびGDU4に対して停止時制御部40が付加されている。
次に、本実施形態の動作について図5〜図8を伴って説明する。
先ず、負荷駆動装置10の基本動作について図5を伴って説明する。
図2および図3に示すように、スイッチング素子Q1〜Q4にはそれぞれ、寄生静電容量が形成されている。
スイッチング素子Q1のドレイン端子Dおよびゲート端子Gの間には、ミラー静電容量となるドレイン・ゲート間静電容量Cdg1が寄生されている。また、スイッチング素子Q1のゲート端子Gおよびソース端子Sの間には、ゲート・ソース間静電容量Cgs1が寄生されている。さらに、スイッチング素子Q1のドレイン端子Dおよびソース端子Sの間には、ドレイン・ソース間静電容量Cds1が寄生されている。
スイッチング素子Q2にも、ドレイン・ゲート間静電容量Cdg2、ゲート・ソース間静電容量Cgs2およびドレイン・ソース間静電容量Cds2が寄生されている。スイッチング素子Q3にも、ドレイン・ゲート間静電容量Cdg3、ゲート・ソース間静電容量Cgs3およびドレイン・ソース間静電容量Cds3が寄生されている。スイッチング素子Q4にも、ドレイン・ゲート間静電容量Cdg4、ゲート・ソース間静電容量Cgs4およびドレイン・ソース間静電容量Cds4が寄生されている。
各スイッチング素子Qj(j=1〜4)において、ドレイン・ゲート間静電容量Cdgjとゲート・ソース間静電容量Cgsjとを加算したものが入力容量Ciss(=Cdgj+Cgsj)となり、ドレイン・ゲート間静電容量Cdgjが帰還容量Crssとなり、ドレイン・ゲート間静電容量Cdgjとドレイン・ソース間静電容量Cdsjとを加算したものが出力容量Coss(=Cdgj+Cdsj)となる。
今、制御信号生成部21から図5(a)に示す時点t0〜t1間でローレベルとなり、時点t1〜t5間でハイレベルとなり、時点t5〜t9間でローレベルとなり、時点t9〜t13間でハイレベルとなる制御信号CS1がゲート駆動回路GDU1の絶縁回路31に入力されるものとする。この絶縁回路31から制御信号CS1と同一波形の制御信号CS1′が第1ワンショット回路32および第2ワンショット回路34に出力される。
第1ワンショット回路32では、図5(b)に示すように、制御信号CS1′がローレベルからハイレベルに立ち上がる時点t1で所定幅の第1ワンショットパルスPos11を生成する。この第1ワンショットパルスPos11は第1増幅回路33で増幅されて高電位側駆動素子Q11のゲート端子に供給する。このため、高電位側駆動素子Q11がオン状態となる。
これに対して、第2ワンショット回路34から出力される第2ワンショットパルスPos12は図5(c)に示すようにローレベルを維持する。このため、低電位側駆動素子Q12はオフ状態を維持する。
したがって、ハイサイド電源回路20Haから供給されるハイサイド用直流電圧HSVpaが高電位側駆動素子Q11を通ってスイッチング素子Q1のゲート端子に印加される。このため、スイッチング素子Q1の入力容量Cissが充電されてスイッチング素子Q1のゲート・ソース間電圧Vgs1が、図5(d)に示すように、負電位から正電位に向けて増加し、ターンオン状態となる。
この時点t1では、スイッチング素子Q1の対向アームとなるスイッチング素子Q2がオフ状態となることから還流ダイオードD1を通じて還流電流が流れ始め、ドレイン電流ID1は、図5(e)に示すように、負の値となる。このドレイン電流ID1は、その後負荷の特性により極性が反転して増加し、正弦波状の電流波形となる。このドレイン電流ID1と、これに対して逆位相となる図示しないスイッチング素子Q3のドレイン電流ID3とで出力電圧に対して位相遅れを有する正弦波出力電流が形成される。
そして、ゲート・ソース間電圧Vgs1が閾値電圧Vgthに達する時点t2でスイッチング素子Q1が導通状態となり、スイッチング素子Q1自身のドレイン電流が流れ始める。その後、時点t3でミラー容量が大きくなるミラー効果期間となり、ゲート・ソース間電圧Vgs1が一定電圧となる。
このミラー効果期間が終了すると、再度ゲート・ソース間電圧Vgs1が増加してハイサイド用直流電圧HSVpa(例えば+15V)に達する時点t4で、第1ワンショットパルスPos11がハイレベルからローレベルに復帰する。このため、高電位側駆動素子Q11がオフ状態となる。ここで、ゲート・ソース間電圧Vgs1は、必ずしもハイサイド用直流電圧HSVpaに一致させる必要はなく、ハイサイド用直流電圧HSVpa以下であればよい。
その後、時点t5で制御信号CS1が、図5(a)に示すように、ハイレベルからローレベルに復帰すると、これに応じて絶縁回路31から出力される制御信号CS1′もローレベルに復帰する。これに応じて、第2ワンショット回路34は所定幅の第2ワンショットパルスPos12を生成する。この第2ワンショットパルスPos12が第2増幅回路35に供給され、この第2増幅回路35で増幅して低電位側駆動素子Q12のゲート端子に供給される。このため、低電位側駆動素子Q12がオン状態となる。一方、第1ワンショット回路32から出力される第1ワンショットパルスPos11は図5(b)に示すようにローレベルを維持する。このため、高電位側駆動素子Q11はオフ状態を維持する。
したがって、スイッチング素子Q1がターンオフ状態となり、入力容量Cissに蓄積された電荷が低電位側駆動素子Q12を通じて放電され、ゲート・ソース間電圧Vgs1が図5(d)に示すように減少する。次いで、時点t6でミラー効果期間となり、ゲート・ソース間電圧Vgs1が一定電圧となるとともに、スイッチング素子Q1自身のドレイン電流が減少を開始する。そして、ミラー効果期間が終了すると再度ゲート・ソース間電圧Vgs1が減少し、閾値電圧Vgthに達する時点t7でスイッチング素子Q1が非導通状態となり、スイッチング素子Q1自身のドレイン電流が零となる。
その後、時点t8で第2ワンショットパルスPos12が、図5(c)に示すように、ハイレベルからローレベルに復帰し、スイッチング素子Q1のゲート・ソース間電圧Vgs1がハイサイド負電圧HSVna(例えば−5V)に復帰する。ここで、スイッチング素子Q1のゲート・ソース間電圧Vgs1は必ずしもハイサイド負電圧HSVnaに一致させる必要はなく、ハイサイド負電圧HSVna以上(例えば−4V)であればよい。
一方、タイマ回路41では、時点t5で第2ワンショットパルスPos12がローレベルからハイレベルとなることにより、カウンタ41aがカウントを開始し、そのカウント値Nが図5(f)に示すようにカウントアップされる。
その後、時点t9で制御信号CS1がローレベルからハイレベルに反転することから、図5(b)に示すように、第1ワンショット回路32から第1ワンショットパルスPos11が出力され、カウンタ41aのカウント値Nが図5(f)に示すように“0”にクリアされる。この状態では、カウンタ35aのカウント値Nが設定値Nsに達していないので、カウンタ41aからタイムアップ信号Stuは出力されず、RSフリップフロップ回路41bはリセット状態を維持し、肯定出力端子Qから出力される停止時制御信号CS1stは、ローレベルを維持する。
この時点t9では、第1ワンショット回路32の第1ワンショットパルスPos11がハイレベルとなることから、高電位側駆動素子Q11がオン状態となり、前述した時点t1〜t4と同様に時点t9〜t12でスイッチング素子Q1がターンオン状態となり、その後時点t13〜t16間でスイッチング素子Q1がターンオフ状態となる。
この時点t16以後に、制御信号CS1が図5(a)に示すようにローレベルを継続する停止状態となると、時点t13でカウンタ41aが、図5(f)に示すように、カウント開始する。
その後、負荷駆動装置10が停止されると、制御信号生成部21から出力される制御信号CS1がローレベルを維持し、第1ワンショット回路32から第1ワンショットパルスPos11が出力されない。このため、カウンタ41aのカウント値Nが設定値Nsに達する時点t17で、カウンタ41aのカウントが停止されるとともに、ハイレベルのタイムアップ信号StuがRSフリップフロップ35bのセット端子Sに入力される。
このため、RSフリップフロップ回路41bがセットされて、図5(g)に示すように、肯定出力端子Qからハイレベルの停止時制御信号CS1stが出力される。この停止時制御信号CS1stが第3増幅回路42に供給され、この第3増幅回路425で増幅されて低電位側駆動素子Q12のゲート端子に供給される。このため、低電位側駆動素子Q12がオン状態に制御される。したがって、スイッチング素子Q1のゲート端子が低電位側駆動素子Q12を通じてハイサイド電源回路20Haの低電位側ラインHSLnaに接続される。
その後、時点t18で負荷駆動装置10が起動され、時点t19で制御信号CS1がローレベルからハイレベルに反転すると、第1ワンショット回路32から第1ワンショットパルスPos11がハイレベルとなる。このため、タイマ回路41のRSフリップフロップ回路41bがリセットされることにより、停止時制御信号CS1stがローレベルに復帰し、低電位側駆動素子Q12がオフ状態に復帰する。この結果、時点t1と同様に、スイッチング素子Q1のターンオン過程が開始される。
次に、共振形インバータ回路15の動作について図5〜図7を伴って説明する。
共振形インバータ回路15は停止中には、各スイッチング素子Q1〜Q4がオフ状態となっており、加熱コイル17への電力の供給は停止されている。また、ゲート駆動回路GDU1およびGDU4の低電位側駆動素子Q12およびQ42はタイマ回路41から出力される停止時制御信号CS1stがハイレベルとなることにより、オン状態に制御されている。それ以外の高電位側駆動素子Q11、Q21、Q31、Q41および低電位側駆動素子Q22、Q32はオフ状態に制御されている。
このため、スイッチングアームSAについて説明すると、図6に示すように、停止中は、駆動素子Q11,Q21,Q22はオフ状態となり、駆動素子Q12はオン状態となる。このとき、各スイッチング素子Q1およびQ2のゲート・ソース間電圧Vgs1およびVgs2は、負電圧HSVnaおよびLSVnaと等しくなって各スイッチング素子Q1およびQ2の閾値電圧Vgthより低くなる。このため、スイッチング素子Q1およびQ2のそれぞれのゲート端子Gには、負電圧HSVnaおよびLSVnaが印加される。その結果、共振形インバータ回路15の停止中では、スイッチング素子Q1およびQ2はオフ状態となる。同様に、スイッチング素子Q3およびQ4もオフ状態となる。
この停止状態から共振形インバータ回路15を起動すると、起動直後の時点t21で制御信号生成部21は、ハイレベルの制御信号CS2およびCS3をゲート駆動回路GDU2およびGDU3に出力する。
このため、スイッチングアームSAでは、ゲート駆動回路GDU2の第1ワンショット回路32からハイレベルの第1ワンショットパルスPos21が出力される。これにより、図6の時点t21で、ゲート駆動回路GDU2の高電位側駆動素子Q21がオン状態となる。このため、スイッチング素子Q2のゲート端子にローサイド電源回路20Laの正電圧LSVpaが印加され、入力容量Cissを充電するゲート電流IG2が、図6(k)に示すように、“0”から増加する。
これと同時に、スイッチング素子Q2のゲート・ソース間電圧Vgs2が、図6(l)に示すように、負電圧LSVnaから正電圧側に増加し、時点t22で閾値電圧Vgthに達すると、スイッチング素子Q2が導通状態となる。このため、ドレイン・ソース間電圧Vds2が図6(m)に示すように減少し、ドレイン電流ID2が、図6(n)示すように、増加する。このドレイン・ソース間電圧Vds2の減少時に、ドレイン・ゲート間静電容量Cdg2が存在することにより、ゲート端子Gからドレイン端子Dに向けてドレイン・ゲート間静電容量Cdg2とドレイン・ソース間電圧Vds2の微分値dv/dtとの積(Cdg2×dv/dt)で表される電流が流れる。しかしながら、時点t22では高電位側駆動素子Q21が図6(i)に示すようにオン状態であって、ゲート端子Gにハイサイド電源回路20Haの正電圧HSVpaが印加されているので、ゲート・ソース間電圧Vgs2が低下することはない。
一方、スイッチング素子Q2が導通状態となることで、対向スイッチング素子であるスイッチング素子Q1はオフ状態を維持するが、ソースにスイッチング素子Q2を介して負電位が印加されることにより、ドレイン・ソース間電圧Vds1が図6(g)に示すように増加する。
その後、時点t23でスイッチング素子Q2のドレイン・ソース間電圧Vds2が図6(m)に示すように“0”となり、スイッチング素子Q1のドレイン・ソース間電圧Vds1が図6(g)に示すように正極側ラインLpの電圧Vpに達する。
このスイッチング素子Q1のドレイン・ソース間電圧Vds1が増加する際に、ドレイン・ゲート間静電容量Cdg1が存在することにより、ドレイン端子Dからゲート端子Gに向けてドレイン・ゲート間静電容量Cdg1とドレイン・ソース間電圧Vds1の微分値dv/dtとの積(Cdg1×dv/dt)で表される電流が流れる。
しかしながら、時点t22ではゲート駆動回路GDU1の低電位側駆動素子Q12が図6(d)に示すようにオン状態であって、ゲート端子Gがハイサイド電源回路20Haの負電圧HSVnaに接続されているので、ゲート・ソース間電圧Vgs1は、図6(f)に示すように、負電圧HSVnaを維持する。このため、後述するようにスイッチング素子Q1が誤ってオン状態となって、スイッチングアームSAが短絡状態となることを確実に防止することができる。
その後、時点t24で、ゲート駆動回路GDU2の第2ワンショットパルスPos22がハイレベルからローレベルに復帰することにより、高電位側駆動素子Q21が図6(i)に示すようにオフ状態となる。このため、スイッチング素子Q2のゲート電流IG2は図6(k)に示すように“0”まで減少するが、低電位側駆動素子Q22がオフ状態を維持しているので、ゲート・ソース間電圧Vgs2は図6(l)に示すように正電圧LSVpaを維持する。
このように、起動時に先ずスイッチング素子Q2およびQ3がオン状態となり、且つスイッチング素子Q1およびQ4がオフ状態を維持する。これにより、共振形インバータ回路15には、正極側ラインLp→スイッチング素子Q3→加熱コイル17→共振用コンデンサ16→スイッチング素子Q2→負極側ラインLnの順に電流I2が流れ、共振用コンデンサ16に電荷が充電される。加熱コイル17に出力する出力電流I2は、スイッチング素子Q3が加熱コイル17に出力する出力電圧に対して位相が遅れる。このように、共振形インバータ回路15は、スイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4の損失やサージを抑制するため、出力電圧に対して出力電流を遅れ位相で運転するようになっている。
その後、時点t24から所定時間が経過した時点t25で制御信号CS2が図6(b)に示すようにハイレベルからローレベルに復帰すると、ゲート駆動回路GDU2の第2ワンショット回路34から第2ワンショットパルスPos22を出力する。これにより、低電位側駆動素子Q22が図6(j)に示すようにオン状態となる。このため、スイッチング素子Q2の入力容量Cissに蓄積された電荷が低電位側駆動素子Q22を通って放電され、ゲート電流IG2は図6(k)に示すように負方向に電流が増加する。
その後、時点t26でスイッチング素子Q2のゲート・ソース間電圧Vgs2がミラー効果期間となると、ドレイン・ソース間電圧Vds2が増加するとともに、ドレイン電流ID2が減少する。このスイッチング素子Q2のドレイン・ソース間電圧Vds2が増加することにより、スイッチング素子Q1のドレイン・ソース間電圧Vds1が図6(g)に示すように減少する。このドレイン・ソース間電圧Vds1が減少する際のdv/dtによって、スイッチング素子Q1のドレイン・ゲート間容量Cdgを通じてゲート端子からドレイン端子に電流が流れ、ゲート・ソース間電圧Vgs1が減少しようとする。
このとき、ゲート駆動回路GDU1のタイマ回路41では、第1ワンショット回路32から第1ワンショットパルスPos11が入力されないので、RSフリップフロップ回路41bがセット状態を維持し、停止時制御信号CS1stがハイレベルを維持している。このため、低電位側駆動素子Q12が図6(d)に示すようにオン状態を継続しており、スイッチング素子Q1のゲート端子がハイサイド電源回路20Haの負電圧HSVnaに接続されている。したがって、スイッチング素子Q1のゲート・ソース間電圧Vgs1は図6(f)に示すように負電圧HSVnaを維持する。
その後、時点t27でスイッチング素子Q2のゲート・ソース間電圧Vgs2が閾値電圧Vgthに達すると、スイッチング素子Q2が非導通状態となる。これにより、ドレイン電流ID2が図6(n)に示すように“0”となるとともに、ドレイン・ソース間電圧Vds2が図6(m)に示すようにVpまで上昇する。
その後、時点t28でゲート駆動回路GDU2の第2ワンショット回路34の第2ワンショットパルスPos22がハイレベルからローレベルに復帰することにより、低電位側駆動素子Q22がオフ状態となる。このため、スイッチング素子Q2のゲート電流IG2が“0”に戻るとともに、ゲート・ソース間電圧Vgs2が図6(l)に示すようにローサイド電源回路20Laの負電圧LSVnaに復帰する。
その後、所定時間経過した時点t29で、制御信号生成部21から出力される制御信号CS1が図7(a)に示すようにローレベルからハイレベルに反転する。このため、ゲート駆動回路GDU1の第1ワンショット回路32から第1ワンショットパルスPos11が高電位側駆動素子Q11のゲート端子に出力される。このため、高電位側駆動素子Q11が図7(c)に示すようにオン状態となる。
これと同時に、第1ワンショットパルスPos11がハイレベルとなることにより、タイマ回路41のカウンタ41aがクリアされるとともに、RSフリップフロップ回路41bがリセットされ、停止時制御信号CS1stがハイレベルからローレベルとなる。
したがって、高電位側駆動素子Q11を通じてスイッチング素子Q1のゲート端子にハイサイド電源回路20Haの正電圧HSVpaが印加されることにより、スイッチング素子Q1の入力容量Cissを充電するゲート電流IG1が図7(e)に示すように正方向に増加する。これと同時に、ゲート・ソース間電圧Vgs1が負電圧HSVnaから増加する。
そして、時点t30で、ゲート・ソース間電圧Vgs1が閾値電圧Vgthに達すると、スイッチング素子Q1がオン状態となって、ドレイン電流ID1が図7(h)に示すように流れ始める。
その後、時点t31でスイッチング素子Q1のドレイン・ソース間電圧Vds1が“0”となり、時点t32で第1ワンショットパルスPos11がハイレベルからローレベルに復帰すると、高電位側駆動素子Q11が図7(c)に示すようにオフ状態に復帰する。
このように、スイッチング素子Q1およびQ4がオン状態となり、スイッチング素子Q2およびQ3がオフ状態となる。これにより、共振形インバータ回路15には、正極側ラインLp→スイッチング素子Q1→共振用コンデンサ16→加熱コイル17−スイッチング素子Q4→負極側ラインLnの順に電流I1が流れ、共振用コンデンサ8に蓄積されていた電荷が放電される。
このように、本実施形態によるゲート駆動回路GDU1〜GDU4は、制御信号CS1〜CS4の立ち上がり時に高電位側駆動素子Q11〜Q41が所定時間オン状態に制御されてスイッチング素子Q1〜Q4をターンオンさせる。また、制御信号CS1〜CS4の立ち下がり時に低電位側駆動素子Q12〜Q42が所定時間オン状態に制御されてスイッチング素子Q1〜Q4をターンオフさせる。このため、高電位側駆動素子Q11〜Q41と低電位側駆動素子Q12〜Q42とが同時にオン状態となることがなく、貫通電流の発生を防止できる。
ここで、従来のゲート駆動回路およびそれを備えたインバータの問題点と、本実施形態によるゲート駆動回路およびそれを備えた負荷駆動装置の効果について、図2から図6を参照しつつ、図8および図9を用いて説明する。従来のゲート駆動回路およびそれを備えたインバータは、図8に示すように、ゲート駆動回路GDU1に設けられたタイマ回路41及び第3増幅回路42で構成される停止時制御部40が省略されて、ゲート駆動回路GDU2〜GDU3と同様の構成を有している。同様に図示しないがゲート駆動回路GDU4に設けられたタイマ回路41及び第3増幅回路42で構成される停止時制御部40が省略されている。
従来のインバータの起動時では、図9に示すように、高電位側駆動素子Q11およびQ21と低電位側駆動素子Q12およびQ22はいずれもオフ状態に設定される。スイッチング素子Q1のゲート・ソース間電圧Vgs1およびスイッチング素子Q2のゲート・ソース間電圧Vgs2はいずれも、ソースが図示しない抵抗などを介して負極側ラインHSLna及びLSLnaに接続されることにより、図9(f)および(l)に示すように、閾値電圧Vgthより低い負電圧となっている。
時点t21から時点t24におけるゲート電流IG2、ゲート・ソース間電圧Vgs2、ドレイン・ソース間電圧Vds2およびドレイン電流ID2は、本実施形態(図6参照)と従来(図9参照)とで変わらない。しかしながら、時点t21から時点t24において、従来としてのゲート駆動回路GDU1に設けられた低電位側駆動素子Q12は、本実施形態における低電位側駆動素子Q12と異なり、オフ状態となっている。
時点t22から時点t23においてスイッチング素子Q1のドレイン・ソース間電圧Vds1の電圧値が図9(g)に示すように、上昇する時、ゲート駆動回路GDU1の低電位側駆動素子Q12はオフ状態である。このため、スイッチング素子Q1のゲート・ソース間電圧Vgs1の電圧値が上昇する。このときのドレイン−ゲート間の静電容量Cdg1のdv/dtによってスイッチング素子Q1のドレインからゲートに電流ID1が流れる。このとき、低電位側駆動素子Q12がオフ状態であるので、図9(f)に示すように、スイッチング素子Q1のゲート・ソース間電圧Vgs1がスイッチング素子Q1の閾値電圧Vgthを超えてしまい、スイッチング素子Q1が誤ってオフ状態からオン状態に切り替わってしまう場合がある。
同様に、図示しないが、スイッチングアームSBでも、停止状態からの起動時にスイッチング素子Q3がターンオンする際に、ゲート駆動回路GDU4の低電位側駆動素子Q42はオフ状態である。このため、スイッチング素子Q3がオン状態となったときに、スイッチング素子Q4のゲート・ソース間電圧Vgs4の電圧値が上昇する。このときのドレイン−ゲート間の静電容量Cdg4のdv/dtによってスイッチング素子Q4のドレインからゲートに電流ID4が流れる。この状態では、低電位側駆動素子Q42がオフ状態であるので、スイッチング素子Q4のゲート・ソース間電圧Vgs4がスイッチング素子Q4の閾値電圧Vgthを超えてしまい、スイッチング素子Q4が誤ってオフ状態からオン状態に切り替わってしまう場合がある。
このように、Q1及びQ4が誤ってオン状態になった時にスイッチング素子Q2及びQ3もオン状態であるため、スイッチング素子Q1およびQ2と、スイッチング素子Q3及びQ4とにそれぞれ貫通電流を流してしまう場合があるという問題を有している。
このように、従来のゲート駆動回路およびインバータは、停止状態からの起動時にゲート駆動回路によって2つのスイッチング素子をオフ状態からオン状態に切り替える場合に、オン状態となるスイッチング素子と対向するオフ状態に維持されるスイッチング素子が誤ってオン状態になってしまうという問題を有している。
これに対し、本実施形態によるゲート駆動回路GDU1およびGDU2は、停止状態からの起動時にスイッチング素子Q2及びQ3をオフ状態からオン状態に切り替える場合に、ゲート駆動回路GDU1の低電位側駆動素子Q12及びゲート駆動回路GDU4の低電位側駆動素子Q42をオン状態にしてスイッチング素子Q1及びQ4のゲート端子を負電位に接続するようになっている。これにより、本実施形態によるゲート駆動回路GDU1およびGDU2とGDU3およびGDU4は、停止状態からの起動時にスイッチング素子Q2及びQ3をオフ状態からオン状態に切り替える場合に、スイッチング素子Q2及びQ3で構成されるアームの対向アームを構成するスイッチング素子Q1及びQ4が誤ってオン状態となることを確実に防止できる。その結果、スイッチングアームSA及びSBに貫通電流が流れるのを確実に防止できる。
しかも、停止状態となった時にオン制御するスイッチ素子として低電位側駆動素子Q12及びQ14を使用しているので、別途スイッチ素子を設ける必要がなく、停止時制御部40を設けるだけで済み、ゲート駆動回路GDU1およびGDU4の構成を簡易化することができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について図10を伴って説明する。
この第2の実施形態では、停止時制御部を独立して設けたものである。
すなわち、第2の実施形態では、図10に示すように、前述した第1の実施形態におけるゲート駆動回路GDU1の停止時制御部40を構成する増幅回路42の増幅出力が制御端子に供給される停止時駆動素子43が設けられている。停止時駆動素子43は、例えばNチャネルMOSFETが適用され、低電位側駆動素子Q12と並列に接続されている。この停止時駆動素子43には、逆並列に還流ダイオード44が接続されている。ゲート駆動回路GD4についても、図示しないがゲート駆動回路GD1と同様に停止時駆動素子が設けられている。
この第2の実施形態によると、前述した第1の実施形態と同様にタイマ回路41で制御信号CS2のローレベルとなってからハイレベルとなるまでの間隔を監視し、制御信号CS1がローレベルとなってから再度ハイレベルになるまでにカウンタ41aのカウント値が設定値に達したときに停止状態であると判断してタイムアップ信号Stuを出力し、RSフリップフロップ回路41bをセットしてハイレベルの停止時制御信号CS1stを増幅回路42に出力する。
このため、増幅回路42から停止時制御信号CS1stが増幅されて停止時駆動素子43の制御端子(ゲート端子)へ出力され、この停止時駆動素子43がオン状態となり、スイッチング素子Q1のゲート端子がハイサイド電源回路20Haの負極側ラインHSLnaに接続される。
したがって、前述した第1の実施形態と同様に、負荷駆動装置10の停止状態からの起動時にスイッチング素子Q2およびQ3がオン状態となったときに、停止時駆動素子43がオン状態となって、低電位側のスイッチング素子Q2に対向する高電位側のスイッチング素子Q1の制御端子がハイサイド電源回路20Haの負電圧HSVnaを維持し、高電位側のスイッチング素子Q3に対向する低電位側のスイッチング素子Q4の制御端子がローサイド電源回路20Laの負電圧LSVnaを維持する。このため、ゲート・ソース間電圧Vgs1及びVgs4の上昇を防止することができ、スイッチング素子Q1及びQ4が誤ってオン状態となることを確実に防止することができる。
なお、上記第2の実施形態では、停止時駆動素子43の低電位側端子を低電位側駆動素子Q12と同じハイサイド電源回路20Haの負極側ラインHSLnaに接続する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図11に示すように、停止時駆動素子43の低電位側端子をハイサイド電源回路20Haの負極側ラインHSLnaとは異なる電位のグランドに接地するようにしてもよい。
また、上記第1および第2の実施形態では、第1ワンショット回路32が制御信号CS1の立ち上がりで第1ワンショットパルスPos11を出力し、第2ワンショット回路34が制御信号CS1の立ち下がりで第2ワンショットパルスPos12を出力する場合について説明した。しかしながら、本発明は、上記に限定されるものではなく、制御信号生成部21から制御信号CS1とこれとレベル反転した逆相の制御信号とを出力し、この逆相の制御信号の立ち上がりで第2ワンショット回路34から第2ワンショットパルスPos12を出力するようにしてもよい。要は、スイッチング素子Qjのターンオン時に所定時間だけ高電位側駆動素子Qj1を駆動し、スイッチング素子Qjのターンオフ時に低電位側駆動素子Qj2を所定時間だけ駆動できればよい。
また、上記第1および第2の実施形態では、負荷駆動装置10の起動時にスイッチング素子Q2およびQ3が最初にオン状態に制御される場合について説明したが、これに限定されるものではなく、起動時にスイッチング素子Q1およびQ4を最初にオン状態に制御するようにしてもよい。この場合には、スイッチング素子Q2及びQ3のゲート駆動回路GDU3に停止時制御部40を設けるようにすればよい。最初にオン状態に制御されるスイッチング素子が決まっていない場合には、全てのスイッチング素子Q1〜Q4のゲート駆動回路GDU1〜GDU4に停止時制御部40を設けるようにすればよい。
また、上記第1および第2の実施形態では、タイマ回路41としてカウンタ41aを適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば定電流回路とコンデンサとを直列に接続し、コンデンサへの充電開始を第1ワンショットパルスPos11で行い、コンデンサの充電終了および放電を第2ワンショットパルスPos12で行なうとともに、コンデンサの充電電圧でスイッチ素子を駆動することにより、停止時制御信号を得るようにしてもよい。
また、上記第1および第2の実施形態では、負荷として誘導加熱装置の加熱コイル17を駆動する場合にについて説明したが、これに限定されるものではなく、他の誘導性負荷を駆動する負荷駆動装置に本発明を適用することができる。
10…負荷駆動装置、11…交流電源、12…整流回路、13…平滑用コンデンサ、15…共振形インバータ回路、Q1〜Q4…スイッチング素子、GDU1〜GDU4…ゲート駆動回路、16…共振用コンデンサ、17…加熱コイル、Q11,Q21,Q31,Q41…高電位側駆動素子,Q12,Q22,Q32,Q42…低電位側駆動素子、31…絶縁回路、32…第1ワンショット回路,33…第1増幅回路,34…第2ワンショット回路、35…第2増幅回路、40…停止時制御部、41…タイマ回路、42…増幅回路、43…停止時駆動素子

Claims (7)

  1. 直列に接続されて接続点が電力変換回路のスイッチング素子に接続された高電位側駆動素子および低電位側駆動素子と、
    前記スイッチング素子を状態変化させるときにのみ前記高電位側駆動素子および前記低電位側駆動素子の一方をオン状態に制御する駆動制御部と、
    前記スイッチング素子の停止中に、当該スイッチング素子を低電位に接続する停止時制御部と
    を備え
    前記停止時制御部は、矩形波制御信号のオフ状態が設定時間以上継続したときに前記低電位側駆動素子をオン状態に制御すること
    を特徴とするゲート駆動回路。
  2. 前記駆動制御部は、前記矩形波制御信号の立ち上がりで第1ワンショットパルスを前記高電位側駆動素子に出力する第1ワンショット回路と、前記第1ワンショットパルスを前記高電位側駆動素子の制御端子に供給する第1増幅回路と、前記矩形波制御信号の立ち下がりで第2ワンショットパルスを前記低電位側駆動素子に出力する第2ワンショット回路と、前記第2ワンショットパルスを前記低電位側駆動素子の制御端子に供給する第2増幅回路とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のゲート駆動回路。
  3. 前記停止時制御部は、前記低電位側駆動素子と並列に接続されて前記矩形波制御信号のオフ状態が設定時間以上継続したときにオン状態に制御され停止時駆動素子を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のゲート駆動回路。
  4. 前記停止時駆動素子は、低電位側が前記低電位側駆動素子の低電位とは異なる低電位に接続されていることを特徴とする請求項に記載のゲート駆動回路。
  5. 正極側ラインおよび負極側ライン間に、直列に接続された2つのスイッチング素子を有するスイッチングアームを少なくとも2組並列に接続された負荷を駆動するインバータ回路と、該インバータ回路の各スイッチング素子を個別に駆動する請求項1からの何れか1項に記載のゲート駆動回路とを備えていることを特徴とする負荷駆動装置。
  6. 前記インバータ回路は、出力電圧に対して出力電流を遅れ位相で制御する共振形インバータで構成されていることを特徴とする請求項に記載の負荷駆動装置。
  7. 前記負荷は、誘導加熱装置であることを特徴とする請求項又はに記載の負荷駆動装置。
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