JP6906753B2 - 画像読取装置、及び、画像形成装置 - Google Patents

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Description

この発明は、原稿の画像情報を読み取る画像読取装置と、それを備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機や印刷機等の画像形成装置と、に関するものである。
従来から、複写機やプリンタや印刷機等の画像形成装置に設置される画像読取装置(スキャナ)において、幅広い画像読取範囲となる原稿の画像情報を幅方向(主走査方向)にわたって切れ間なく読み取ることなどを目的として、複数の画像読取センサ(CIS)を千鳥状に配列したものが知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。
一方、特許文献3には、読取画像の画像品質を向上させることを目的として、コンタクトガラス上において、画像読取センサ(イメージセンサ)の読取位置に対して上流側の位置に、凸部を形成する技術が開示されている。
従来の画像読取装置は、原稿の画像情報を幅方向にわたって切れ間なく読み取るために複数の画像読取センサを設置した場合であって、画像読取センサの画像読取位置に向けて原稿を案内するガイド部材をコンタクトガラス上に設置したときに、複数の画像読取センサで読み取った画像情報を繋ぎ合わせるように合成する処理をおこなうと、その繋ぎ目に相当する部分にガイド部材が写り込んでしまうことがあった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、複数の画像読取センサで読み取った画像情報を繋ぎ合わせるように合成する処理をおこなったときに、その繋ぎ目に相当する部分にガイド部材が写り込んでしまう不具合が生じにくい、画像読取装置、及び、画像形成装置を提供することにある。
この発明における画像読取装置は、原稿を所定の搬送方向に搬送する搬送手段と、前記搬送方向に直交する幅方向の全域よりも狭い幅方向の範囲を画像読取範囲として原稿の画像情報を読み取る複数の画像読取センサと、前記複数の画像読取センサを覆うように設置されて、前記複数の画像読取センサから射出される光と前記複数の画像読取センサに向けて入射される光とを透過するコンタクトガラスと、前記コンタクトガラス上に設置されて、前記複数の画像読取センサの画像読取位置に向けて搬送される原稿を案内するガイド部材と、前記画像読取位置に対して前記搬送方向の上流側の位置で、前記画像読取位置に向けて搬送される原稿を前記ガイド部材に向けて押圧する押圧部材と、を備え、前記複数の画像読取センサは、前記搬送方向に隣り合う画像読取センサ同士の画像読取範囲の一部が重なるように配置されて、前記ガイド部材は、前記搬送方向に隣り合う画像読取センサ同士のうち、一方の画像読取センサの画像読取位置に向けて突出する部分と、他方の画像読取センサの画像読取位置に向けて突出する部分と、が双方の画像読取センサの画像読取範囲が重なる部分で繋がるように段差部が形成され、前記搬送方向の上流側に配置された画像読取センサで読み取った画像情報を遅延させて、前記搬送方向の下流側に配置された画像読取センサで読み取った画像情報と合成することで、原稿に対して前記幅方向の全域の画像情報を読み取るときに、その合成する画像情報の繋ぎ目が前記段差部の位置に一致しない位置であって前記ガイド部材に遮られない位置になるように画像情報を合成する画像合成手段が設けられたものである。
本発明によれば、複数の画像読取センサで読み取った画像情報を繋ぎ合わせるように合成する処理をおこなったときに、その繋ぎ目に相当する部分にガイド部材が写り込んでしまう不具合が生じにくい、画像読取装置、及び、画像形成装置を提供することができる。
この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。 原稿搬送装置を示す構成図である。 画像読取装置を上方からみた概略図である。 画像読取ユニットを側方からみた概略図である。 複数の画像読取センサとガイド部材とを示す上面図である。 画像読取装置の制御部を示すブロック図である。 画像読取装置でおこなわれる制御を示すフローチャートである。
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
まず、図1にて、画像形成装置における全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としての複写機、2は原稿Dの画像情報を光学的に読み取る画像読取装置、3は画像読取装置2で読み取った画像情報に基いた露光光Lを感光体ドラム5の表面に照射する露光部(書込部)、を示す。
また、4は感光体ドラム5の表面にトナー像(画像)を形成する作像部、7は感光体ドラム5上に形成されたトナー像を用紙P(シート)に転写する転写部(画像形成部)、を示す。
また、10は原稿載置部にセットされた原稿Dを画像読取位置Mに搬送する原稿搬送装置、12〜14は用紙Pが収納された給紙部、17は転写部7に向けて用紙Pを搬送するレジストローラ(タイミングローラ)、を示す。
また、20は用紙P上に担持されたトナー像(未定着画像)を定着する定着装置、21は定着装置20に設置された定着ローラ、22は定着装置20に設置された加圧ローラ、31は装置本体1から排紙された用紙Pが積載される排紙トレイ、を示す。
図1を参照して、画像形成装置本体1における、通常の画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿Dは、原稿搬送装置10において、原稿載置部61から搬送(給送)されて、画像読取位置M(図1において破線で囲んだ位置であって、図2をも参照できる。)を通過する。このとき、画像読取装置2(画像読取ユニット70)では、画像読取位置Mを通過する原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
そして、画像読取装置2で読み取られた光学的な画像情報は、電気信号に変換された後に、露光部3(書込部)に送信される。そして、露光部3からは、その電気信号の画像情報に基づいたレーザ光等の露光光Lが、作像部4の感光体ドラム5の表面に向けて発せられる。
一方、作像部4において、感光体ドラム5は図1の時計方向に回転しており、所定の作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程)を経て、感光体ドラム5上に画像情報に対応した画像(トナー像)が形成される。
その後、感光体ドラム5の表面に形成された画像は、画像形成部としての転写部7で、レジストローラ17により搬送された用紙P上に転写される。
一方、転写部7(画像形成部)に搬送される用紙Pは、次のように動作する。
まず、画像形成装置1における複数の給紙部12〜14のうち、1つの給紙部が自動又は手動で選択される(例えば、装置本体1内の最上段の給紙部12が選択されたものとする。)。そして、給紙部12に収納された用紙Pの最上方の1枚が、給紙機構52(フィードローラ、ピックアップローラ、バックアップローラ、等で構成されている。)によって給送されて、搬送経路に向けて搬送される。その後、用紙Pは、複数の搬送ローラが配設された搬送経路を通過して、レジストローラ17の位置に達する。
レジストローラ17の位置に達した用紙Pは、感光体ドラム5上に形成された画像と位置合わせをするためにタイミングを合わせて、転写部7(画像形成部)に向けて搬送される。
そして、転写工程後の用紙Pは、転写部7の位置を通過した後に、搬送経路を経て定着装置20に達する。定着装置20に達した用紙Pは、定着ローラ21と加圧ローラ22との間に送入されて、定着ローラ21から受ける熱と双方の部材21、22から受ける圧力とによってトナー像が定着される(定着工程である)。トナー像が定着された定着工程後の用紙Pは、定着ローラ21と加圧ローラ22との間(定着ニップである。)から送出された後に、画像形成装置本体1から排出されて、出力画像として排紙トレイ31上に積載されることになる。
こうして、一連の画像形成プロセス(コピー動作)が完了する。
なお、本実施の形態における画像形成装置1は、装置本体の側方に手差し用の給紙部14(手差し給紙トレイ)が設けられている。この手差し用の給紙部14は、幅方向(図1の紙面垂直方向である。)のサイズが大きな幅広の用紙P(例えば、A1サイズの用紙である。)をセットできるように構成されている。そして、幅広サイズの用紙Pに対してコピー動作をおこなうときには、手差し用の給紙部14にセットされた幅広サイズの用紙Pが、手差し用の給紙部14から給送されて、上述したものと同様に、画像形成プロセスがおこなわれることになる。
次に、図2を用いて、画像読取装置2における原稿搬送装置10について詳述する。
図2に示すように、画像読取装置2には、原稿搬送装置10と画像読取ユニット70とが設けられている。
原稿搬送装置10は、原稿載置部61(原稿台)、原稿排出部62(排紙トレイ)、突当爪63、ピックアップローラ64、分離搬送部としての搬送ベルト機構65(FRR方式分離搬送機構)、プルアウトローラ66、複数の搬送ローラ67〜69、等で構成されている。
なお、本実施の形態における原稿搬送装置10は、幅方向(図2の紙面垂直方向である。)のサイズが大きな幅広の原稿D(例えば、A1サイズの原稿である。)を搬送できるように構成されている。
ここで、原稿載置部61は、上方に開放された空間が形成されていて、ユーザーによって上方から原稿Dを載置できるように構成されている(複数枚の原稿Dの束や、幅広サイズの原稿Dを載置できるように構成されている)。
原稿排出部62は、原稿載置部61の下方に設置されていて、画像読取装置2にて画像が読み取られた後の原稿Dが排出されて載置されるように構成されている(複数枚の原稿Dの束や、幅広サイズの原稿Dが排出・載置されるように構成されている)。
また、原稿載置部61から原稿排出部62に至る搬送経路(原稿Dを搬送する搬送手段による搬送経路である。)には、上流側から順に、ピックアップローラ64、搬送ベルト機構65(分離搬送部)、プルアウトローラ66(搬送ローラ対)、複数の搬送ローラ67〜69、が設置されている。これらの部材64〜69は、原稿載置部61に載置された原稿Dを画像読取位置Mに向けて搬送して、その後にその原稿Dを原稿排出部62に向けて搬送する搬送手段として機能するものである。
画像読取位置Mの下方には、コンタクトガラス80を介して画像読取ユニット70(図3、図4をも参照できる。)が設置されている。そして、画像読取ユニット70によって、画像読取位置Mを通過する原稿Dの画像(画像情報)が光学的に読み取られることになる。
なお、本実施の形態において、画像読取ユニット70は、複数のCIS71A〜71E(画像読取センサ)などで構成されているが、その詳細については後で説明する。
以下、原稿搬送装置10において、原稿Dを搬送する動作について説明する。
まず、原稿載置部61において、原稿D(上面に画像が形成された状態のものである。)が、突当爪63に先端部(搬送方向の先端部である。)が突き当たった状態で積載される。そして、操作表示パネル100の操作によって原稿Dの画像を読み取る指示(コピー指示)がされると、ピックアップローラ64によって、原稿載置部61上の上方の原稿Dから順次に、搬送ベルト機構65に向けて搬送される。このとき、搬送ベルト機構65に向けて複数枚の原稿Dが搬送される可能性があるが、搬送ベルト機構65におけるFRR方式の分離によって、最上方の原稿Dのみが分離されて下流側の搬送経路へと送り込まれることになる。
なお、搬送ベルト機構65は、原稿Dの搬送方向に沿うように走行する搬送ベルト、搬送ベルトとの間にニップを形成する分離ローラ、などで構成されている。分離ローラは、トルクリミッタが内設されていて、搬送ベルトとのニップに1枚の原稿Dが挟持されている状態では図2の反時計方向に従動回転して、搬送ベルトとのニップに複数枚の原稿Dが挟持されている状態では図2の時計方向に回転することで原稿Dの重送を抑止する。
その後、搬送経路に搬送された原稿Dは、プルアウトローラ66の位置に達する。プルアウトローラ66の位置に達した原稿Dは、その後にプルアウトローラ66によって下流側に搬送されて、第1搬送ローラ67によって画像読取位置Mに搬送される。そして、画像読取位置Mで、画像読取装置2(画像読取ユニット70)によって原稿Dの画像(画像情報)が光学的に読み取られることになる。
その後、画像が読み取られた原稿Dは、第2搬送ローラ68、第3搬送ローラ69によって、原稿排出部62に排紙される。
このような一連の原稿搬送動作が、原稿載置部61に積載されたすべての原稿Dに対して繰り返しおこなわれることになる。
以下、図3〜図7等を用いて、本実施の形態における画像読取装置2(画像形成装置1)の、特徴的な構成・動作について詳述する。
先に図2等を用いて説明したように、画像読取装置2には、原稿Dを所定の搬送方向(図3、図5の白矢印方向で合って、図4の破線矢印方向である。)に搬送する搬送手段として機能する搬送ローラ67、68などの部材が設けられている。特に、第1搬送ローラ67は、画像読取ユニット70(画像読取位置M)に対して搬送方向上流側に設置されていて、第2搬送ローラ68は、画像読取ユニット70(画像読取位置M)に対して搬送方向下流側に設置されている。これらの搬送ローラ67、68は、駆動機構によって、原稿Dの搬送方向に沿うように回転駆動される。
また、図4等に示すように、第1搬送ローラ67の下流側には、第1搬送ローラ67によって搬送される原稿Dを画像読取ユニット70(画像読取位置M)に向けて案内するために第1案内板81が、原稿Dの原稿面(読取面)に対向するように設置されている。第1案内板81を設けることで、第1搬送ローラ67によって搬送される原稿Dの先端が、画像読取ユニット70に引っ掛かってしまう不具合を防止することができる。
また、図4等に示すように、第2搬送ローラ68の上流側には、第2搬送ローラ68に向けて搬送される原稿Dを案内するために第2案内板82が、原稿Dの原稿面(読取面)に対向するように設置されている。第2案内板82を設けることで、第2搬送ローラ68に向けて搬送される原稿Dの先端が、第2搬送ローラ68にニップにスムーズに送入されずに引っ掛かってしまう不具合を防止することができる。なお、原稿Dの先端が第2案内板82に引っ掛かる不具合を防止するために、第2案内板82の上流側端部には、R部(図4の破線で囲んだ部分である。)が形成されている。
ここで、図3、図4に示すように、画像読取装置2における画像読取ユニット70には、複数の画像読取センサとしてのCIS71A〜71E(コンタクト・イメージ・センサ)が設けられている。
複数のCIS71A〜71E(本実施の形態では、5つのCISである。)は、いずれも、光源72が幅方向(原稿Dの搬送方向に直交する方向であって、図3、図5の左右方向である。)の端部に配置されている片光源CISである。このような片光源CISは、光源アレイが幅方向に延在するように配置されたCISに比べて、小型で低廉なものである。
また、複数のCIS71A〜71E(画像読取センサ)は、幅方向の全域(読取可能な最大幅サイズの原稿Dの幅方向の範囲である。)よりも狭い幅方向(主走査方向)の範囲を画像読取範囲として原稿Dの画像情報を読み取るものである。
具体的に、本実施の形態では、5つのCIS71A〜71Eは、いずれも、A4縦サイズの幅方向の範囲を画像読取範囲とするものである。したがって、最大サイズの幅広の原稿D(例えば、A1サイズの原稿である。)に対して、1つのCISでは幅方向の一部しか画像情報を読み取ることができない。これに対して、本実施の形態では、複数のCIS71A〜71Eを幅方向の異なる位置に配置して、個々の画像情報を繋ぎ合わせる(合成する)ように画像処理することで、幅広の原稿Dの幅方向全域の画像情報を読み取っている。
すなわち、図3に示すように、複数のCIS71A〜71Eは、幅方向の全域の画像読取範囲が切れ間なく形成されるように、搬送方向(図3、図5の上下方向であって、副走査方向である。)に隣り合うCIS同士の画像読取範囲の一部が重なるように配置されている。
詳しくは、複数のCIS(画像読取センサ)は、搬送方向上流側において幅方向に間隔をあけて並設された複数のCIS(第1CIS71Aと、第2CIS71Bと、第3CIS71Cと、である。)と、搬送方向下流側において幅方向に間隔をあけて並設された複数のCIS(第4CIS71Dと、第5CIS71Eと、である。)と、によって2列で略千鳥状に配列されたものである。したがって、本実施の形態において、先に図1、図2を用いて説明した画像読取位置M(画像読取装置2における搬送方向の画像読取位置である。)は、上流側の第1、第2、第3CIS71A〜71Cの画像読取位置と、下流側の第4、第5CIS71D、71Eの画像読取位置と、の搬送方向の離れた位置にそれぞれ存在することになる。
そして、画像合成手段として機能する画像処理部92などによって、搬送方向の上流側に配置されたCIS71A〜71Cで読み取った画像情報を遅延させて、搬送方向の下流側に配置されたCIS71D、71Eで読み取った画像情報と合成することで、原稿Dに対して幅方向の全域の画像情報を読み取っている。このとき上流側のCIS71A〜71Cで読み取った画像情報を遅延させる時間は、上流側のCIS71A〜71Cと下流側のCIS71D、71Eとの搬送方向の間隔と、原稿Dの搬送速度と、によって決定される。なお、画像合成手段の構成・動作については、後で図6等を用いてさらに詳しく説明する。
このように、本実施の形態では、最大サイズの幅広の原稿Dに合わせて幅広で高価なCISを1つ設けるのではなくて、通常サイズで汎用性がある複数のCIS71A〜71Eを設けて、最大サイズの幅広の原稿Dの画像情報を読み取れるように構成しているため、画像読取装置2を低コスト化することができる。
ここで、図4等に示すように、本実施の形態において、複数のCIS71A〜71E(画像読取センサ)は、いずれも、光源72、導光体73、レンズアレイ74、アレイ基板75、受光素子アレイ76、ケース77、などで構成されている。
光源72は、幅方向の一端側の端部に設置されていて、幅方向一端側から幅方向他端側(導光体73)に向けて光を射出する。光源72から射出された光は、導光体73、コンタクトガラス80を介して原稿Dに照射されることになる。
導光体73は、光源72から射出された光を幅方向に分布させて原稿D(画像読取位置Mを通過する原稿である。)に入射させるものである。導光体73を設けることにより、幅方向一端側に設置された光源72から射出された光が、原稿Dの幅方向の範囲(CISの画像読取範囲に対応した幅方向の範囲である。)にわたって入射されることになる。
受光素子アレイ76は、アレイ基板75上に複数の受光素子が幅方向に配列されたものである。受光素子アレイ76は、幅方向に延在するように配列されて、原稿Dで反射した反射光(光源72から射出された光の反射光である。)をレンズアレイ74を介して受光する。そして、受光素子アレイ76によって原稿Dからの反射光が受光されて、その反射光の大きさ(照度)によって、原稿Dの画像情報(画像濃度)が読み取られることになる。
なお、光源72、導光体73、レンズアレイ74、アレイ基板75、受光素子アレイ76、などの部材は、ケース77の内部に収納されている。また、複数のCIS71A〜71Eを収納した画像読取ユニット70の天井面には、コンタクトガラス80(ガラスなどの光透過材料で形成されている。)が設置されている。コンタクトガラス80は、複数のCIS71A〜71E(画像読取センサ)を覆うように設置されていて、複数のCIS71A〜71Eから射出される光と、複数のCIS71A〜71Eに向けて入射される光(反射光)と、を透過することになる。
また、図3〜図5を参照して、本実施の形態における画像読取装置2には、複数のCIS71A〜71E(画像読取センサ)の画像読取位置に向けて搬送される原稿Dを案内するガイド部材87が、コンタクトガラス80上に設置されている。具体的に、ガイド部材87は、略櫛歯状に形成された板状部材であって、コンタクトガラス80を介して画像読取ユニット70に対向するようにコンタクトガラス80の上面に貼着されている。
詳しくは、ガイド部材87は、厚さが0.1〜2mm程度のマイラーなどからなる1つの板状部材である。そして、ガイド部材87は、上流側の第1、第2、第3CIS71A〜71Cの画像読取位置と、下流側の第4、第5CIS71D、71Eの画像読取位置と、に向けて原稿Dをそれぞれ案内するために、略櫛歯状(凹凸状)に形成されている。
したがって、図5に示すように、ガイド部材87は、搬送方向に隣り合うCIS(画像読取センサ)同士のうち、一方のCISの画像読取位置に向けて突出する部分と、他方のCISの画像読取位置に向けて突出する部分と、が双方のCISの画像読取範囲が重なる部分(重複部X1〜X4)で繋がるように段差部87a(境界部)が形成されている。
具体的に、図5に示すように、ガイド部材87には、第1CIS71Aと第4CIS71Dとの画像読取範囲の重複部X1に第1の段差部87aが形成され、第4CIS71Dと第2CIS71Bとの画像読取範囲の重複部X2に第2の段差部87aが形成され、第2CIS71Bと第5CIS71Eとの画像読取範囲の重複部X3に第3の段差部87aが形成され、第5CIS71Eと第3CIS71Cとの画像読取範囲の重複部X4に第4の段差部87aが形成されている。
そして、本実施の形態における画像読取装置2には、CIS71A〜71Eの画像読取位置に対して搬送方向上流側の位置で、画像読取位置に向けて搬送される原稿Dをガイド部材87に向けて押圧する押圧部材としての押圧ローラ83、84が設けられている。
詳しくは、第1の押圧ローラ83は、上流側の第1、第2、第3CIS71A〜71Cの画像読取位置に対して搬送方向上流側の位置で、ガイド部材87の先端部に圧接している。また、第2の押圧ローラ84は、下流側の第3、第4CIS71D、71Eの画像読取位置に対して搬送方向上流側の位置で、ガイド部材87の先端部に圧接している。2つの押圧ローラ83、84は、それぞれ、圧縮スプリング85、86によって下方に付勢されている。また、2つの押圧ローラ83、84は、それぞれ、駆動機構によって原稿Dの搬送方向に沿うように回転駆動される。
このように構成することにより、上流側の第1、第2、第3CIS71A〜71Cによって原稿Dの画像情報が読み取られるときにも、下流側の第3、第4CIS71D、71Eによって原稿Dの画像情報が読み取られるときにも、それぞれの画像読取位置の直前の位置で、押圧ローラ83、84(押圧部材)とガイド部材87とによって原稿Dの位置(読取方向の位置である。)が精度良く定められることになるため、CIS71A〜71Eによって読み取られる画像が、焦点ズレなどがほとんどなく良好なものになる。
特に、本実施の形態において、ガイド部材87は、押圧ローラ83、84(押圧部材)が当接する位置におけるCIS71A〜71E(画像読取センサ)との読取方向(略上下方向である。)の距離が、CIS71A〜71Eの焦点距離に略一致するように形成されている。具体的に、ガイド部材87と押圧ローラ83、84との当接位置までの読取方向の距離が、CIS71A〜71Eの焦点距離と一致するように、ガイド部材87の厚さ(本実施の形態では、0.3mmである。)が定められている。
これにより、CIS71A〜71Eによって焦点ズレなどがない良好な画像を読み取る効果がさらに発揮されることになる。
また、本実施の形態において、CIS71A〜71Eの画像読取位置(CISの射出光が反射する原稿Dの表面位置である。)では、原稿Dがコンタクトガラス80から離間して搬送されるように構成されているため、原稿Dが擦れてコンタクトガラス80にキズや汚れがついて読取画像の画像品質が低下してしまうような不具合も生じにくい。
ここで、本実施の形態における画像読取装置2には、搬送方向の上流側に配置された第1、第2、第3CIS71A〜71C(画像読取センサ)で読み取った画像情報を遅延させて、搬送方向の下流側に配置された第4、第5CIS71D、71E(画像読取センサ)で読み取った画像情報と合成することで、原稿Dに対して幅方向の全域の画像情報を読み取るときに、その合成する画像情報の繋ぎ目がガイド部材87の段差部87aの位置に一致しないようにする画像合成手段が設けられている。
詳しくは、画像読取装置2には、ガイド部材87における段差部87aの幅方向の位置を検知する検知手段が設けられている。本実施の形態において、そのような検知手段として、搬送方向の上流側に設置された第1、第2、第3CIS71A〜71Cを用いている。すなわち、上流側の第1、第2、第3CIS71A〜71Cによって、第1〜第4の段差部87aの幅方向の位置が光学的にそれぞれ検知されることになる。
そして、画像合成手段は、第1、第2、第3CIS71A〜71C(検知手段)の検知結果に基づいて、合成画像の繋ぎ目が段差部87aの位置に一致しないように画像情報を合成することになる。
このような制御をおこなうのは、複数のCIS71A〜71Eで読み取った画像情報を繋ぎ合わせるように画像合成手段によって合成する処理をおこなうときに、その繋ぎ目に相当する部分にガイド部材87の段差部87aが写り込んでしまう不具合を防止するためである。すなわち、読取画像(合成画像)に段差部87aが写り込んでしまって、読取画像の繋ぎ目に相当する位置に縦スジ状の線画が異常画像として形成されてしまう不具合を防止するためである。
本実施の形態では、ガイド部材87の段差部87aの位置を避けて合成画像の繋ぎ目が設定されるため、そのような不具合の発生が軽減されることになる。
なお、本実施の形態では、先に説明したように、上流側の第1、第2、第3CIS71A〜71Cによって、第1〜第4の段差部87aを光学的に検知している。これは、図5に示すように、ガイド部材87が、上流側の第1、第2、第3CIS71A〜71Cの画像読取範囲を縦断するような形状になっているためである。上流側の第1、第2、第3CIS71A〜71Cを段差部87aの検知手段としても機能させることで、専用の検知手段をCISとは別に設ける場合に比べて、装置を低コスト化することができる。
また、第1、第2、第3CIS71A〜71Cによって段差部87aを光学的に精度良く検知するために、ガイド部材87は、少なくとも段差部87aの部分が光反射性が高い材料(又は、色彩)で形成されていることが好ましい。
図6を参照して、画像合成手段は、装置の制御部の一部であって、A/D変換器91A〜91E、画像処理部92、CPU96、RAM97、ROM98、などで構成されている。
図6を参照して、画像形成装置1の電源が投入されると、まず、上流側のCIS71A〜71Cによって、その上に配置されたガイド部材87の段差部87aの位置が検知されて、その位置情報がCPU96を介してRAM97内に保存される。ROM98には、画像を合成するときに繋ぎ目の位置を補正するためのプログラム(繋ぎ目補正プログラム)が格納されている。そして、CPU96にて、ROM98に記憶された繋ぎ目補正プログラムに基づいて、RAM97内に保存された段差部87aの位置情報から、合成画像に段差部87aが写り込まない位置(例えば、段差部87aから0.5mm幅方向にずれた位置である。)が求められて、その位置が合成画像の繋ぎ目の位置(主走査繋ぎ目位置)として決定される。そして、決定された主走査繋ぎ目位置がRAM97に記憶される。
一方、原稿Dの搬送が開始されると、5つのCIS71A〜71Eによって、それぞれの位置での原稿Dの画像情報が取得される。そして、5つのCIS71A〜71Eによって読み取られた画像情報は、A/D変換器91A〜91Eを介して、画像処理部92内のメモリ93A〜93Eに格納される。その後、メモリ93A〜93Eに格納された画像情報は、シェーディング補正部94でシェーディング補正された後に、繋ぎ目補正部95に送られる。そして、CPU96によって、ROM98に記憶された繋ぎ目補正プログラムや、RAM97に記憶された主走査繋ぎ目位置の情報や上流側CIS71A〜71Cの画像情報の副走査遅延量に基づいて、繋ぎ目補正部95に送られた画像情報を合成して、読取画像99を出力する。
ここで、本実施の形態において、画像合成手段は、合成画像の繋ぎ目が、段差部に一致しない位置であって、ガイド部材87に遮られない位置になるように、画像情報を合成することが好ましい。
具体的に、図5を参照して、第1、第3の重複部X1、X3については、対応する段差部87aの左側に0.5mmほど外れた位置が合成画像の繋ぎ目となるように設定されて、第2、第4の重複部X2、X4については、対応する段差部87aの右側に0.5mmほど外れた位置が合成画像の繋ぎ目となるように設定される。
このように構成することにより、ガイド部材87が光を透過しない材料(又は、色彩)で形成されている場合であっても、上流側の第1、第2、第3CIS71A〜71Cで検知される繋ぎ目の部分がガイド部材87と重なることがなくなるため、合成画像の繋ぎ目やその近傍にガイド部材87が写り込むようなことはない。
また、本実施の形態において、ガイド部材87は、画像読取装置2(コンタクトガラス80)に対して着脱可能(交換可能)に構成することが好ましい。
具体的に、コンタクトガラス80上の所定位置に、ネジ締結やスナップフィットなどによってガイド部材87を着脱可能に設置することができる。
これにより、ガイド部材87自体のメンテナンス性(交換性)が向上することになる。特に、画像読取装置2のメンテナンスによってCIS71A〜71Eが交換されて、その焦点距離が僅かに変化してしまっても、その変化に対応するように、最適な厚さのガイド部材87に容易に交換することができる。
最後に、図7の制御フローを用いて、画像合成手段を用いた画像合成の制御について、まとめとして説明する。
まず、画像形成装置1の電源がオンされると(ステップS1)、上流側の第1、第2、第3CIS71A〜71Cによってガイド部材87の段差部87aが検知される(ステップS2)。そして、その検知結果に基いて、CPU96で、主走査繋ぎ目位置が決定される(ステップS3)。
その後、原稿Dが搬送されて(ステップS4)、各CIS71A〜71Eで画像情報(画像データ)が取得されると、その画像情報がA/D変換されて(ステップS5)、その画像情報がメモリ93A〜93Eに一時的に保存される(ステップS6)。そして、メモリ93A〜93Eに保存された画像情報がシェーディング補正されて(ステップS7)、ステップS3で決定された主走査繋ぎ目位置や、RAM97に記憶された上流側CIS71A〜71Cの画像情報の副走査遅延量などに基づいて、ステップS7でシェーディング補正された画像情報が合成されて(ステップS8)、読取画像が出力される(ステップS9)。
以上説明したように、本実施の形態における画像読取装置2(画像形成装置1)は、コンタクトガラス80上に設置されて押圧ローラ83、84(押圧部材)が押圧されたガイド部材87は、搬送方向上流側のCIS71A〜71C(画像読取センサ)の画像読取位置に向けて突出する部分と、搬送方向下流側のCIS71D、71E(画像読取センサ)の画像読取位置に向けて突出する部分と、が上下流のCISの画像読取範囲が重なる部分X1〜X4で繋がるように段差部87aが形成されている。そして、搬送方向上流側のCIS71A〜71Cで読み取った画像情報を遅延させて、搬送方向下流側のCIS71D、71Eで読み取った画像情報と合成することで、原稿Dに対して幅方向の全域の画像情報を読み取るときに、その合成する画像情報の繋ぎ目がガイド部材87の段差部87aの位置に一致しないようにしている。
これにより、複数のCIS71A〜71E(画像読取センサ)で読み取った画像情報を繋ぎ合わせるように合成する処理をおこなったときに、その繋ぎ目に相当する部分にガイド部材87が写り込んでしまう不具合を生じにくくすることができる。
なお、本実施の形態では、モノクロの画像形成装置1に設置される画像読取装置2に対して本発明を適用したが、カラーの画像形成装置に設置される画像読取装置に対しても当然に本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、電子写真方式の画像形成装置1に設置される画像読取装置2に対して本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されることなく、その他の方式の画像形成装置(例えば、インクジェット方式の画像形成装置や、孔版印刷機などである。)に設置される画像読取装置に対しても本発明を適用することができるし、単体の画像読取装置(スキャナ)に対しても本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、原稿Dを湾曲した搬送経路を搬送させる原稿搬送装置10が設置された画像形成装置1に対して、本発明を適用した。これに対して、原稿をストレートな搬送経路を搬送させる原稿搬送装置が設置された画像形成装置に対しても、当然に本発明を適用することができる。
そして、それらのような場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
なお、本願において、「原稿」とは、紙からなる原稿の他に、コート紙、ラベル紙、OHPシート、フィルム等のシート状部材からなるすべての原稿を含むものと定義する。
1 画像形成装置(画像形成装置本体)、
2 画像読取装置(画像読取手段)、
10 原稿搬送装置(原稿自動搬送装置)、
67〜69 搬送ローラ(搬送手段)、
70 画像読取ユニット、
71A〜71E CIS(画像読取センサ)、
80 コンタクトガラス、
81、82 案内板、
83、84 押圧ローラ(押圧部材)、
85、86 圧縮スプリング、
87 ガイド部材(保持部材)、
87a 段差部(境界部)、
92 画像処理部(画像合成手段)、
96 CPU(画像合成手段)、
97 RAM(画像合成手段)、 98 ROM(画像合成手段)、
D 原稿、 X1〜X4 重複部。
特許第4263585号公報 特開2007−243664号公報 特開2009−225203号公報

Claims (6)

  1. 原稿を所定の搬送方向に搬送する搬送手段と、
    前記搬送方向に直交する幅方向の全域よりも狭い幅方向の範囲を画像読取範囲として原稿の画像情報を読み取る複数の画像読取センサと、
    前記複数の画像読取センサを覆うように設置されて、前記複数の画像読取センサから射出される光と前記複数の画像読取センサに向けて入射される光とを透過するコンタクトガラスと、
    前記コンタクトガラス上に設置されて、前記複数の画像読取センサの画像読取位置に向けて搬送される原稿を案内するガイド部材と、
    前記画像読取位置に対して前記搬送方向の上流側の位置で、前記画像読取位置に向けて搬送される原稿を前記ガイド部材に向けて押圧する押圧部材と、
    を備え、
    前記複数の画像読取センサは、前記搬送方向に隣り合う画像読取センサ同士の画像読取範囲の一部が重なるように配置されて、
    前記ガイド部材は、前記搬送方向に隣り合う画像読取センサ同士のうち、一方の画像読取センサの画像読取位置に向けて突出する部分と、他方の画像読取センサの画像読取位置に向けて突出する部分と、が双方の画像読取センサの画像読取範囲が重なる部分で繋がるように段差部が形成され、
    前記搬送方向の上流側に配置された画像読取センサで読み取った画像情報を遅延させて、前記搬送方向の下流側に配置された画像読取センサで読み取った画像情報と合成することで、原稿に対して前記幅方向の全域の画像情報を読み取るときに、その合成する画像情報の繋ぎ目が前記段差部の位置に一致しない位置であって前記ガイド部材に遮られない位置になるように画像情報を合成する画像合成手段が設けられたことを特徴とする画像読取装置。
  2. 前記ガイド部材における前記段差部の前記幅方向の位置を検知する検知手段を備え、
    前記画像合成手段は、前記検知手段の検知結果に基づいて、前記繋ぎ目が前記段差部の位置に一致しないように画像情報を合成することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
  3. 前記検知手段は、前記複数の画像読取センサのうち、前記搬送方向の上流側に設置された画像読取センサであることを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
  4. 前記ガイド部材は、前記押圧部材が当接する位置における前記画像読取センサとの読取方向の距離が、前記画像読取センサの焦点距離に略一致するように形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像読取装置。
  5. 前記複数の画像読取センサは、前記搬送方向上流側において前記幅方向に間隔をあけて並設された複数のCISと、前記搬送方向下流側において前記幅方向に間隔をあけて並設された複数のCISと、によって略千鳥状に配列されたものであって
    前記ガイド部材は、略櫛歯状に形成された板状部材であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像読取装置。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の画像読取装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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