JP6906340B2 - 中空pc用型枠装置、pc棒状材、コンクリート製柱用建材及びその製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1(特開2003−285315号公報)には、遠心成形を利用して中空PCを製造する方法が開示されている。
特許文献2(特開平4−64666号公報)には、外側を型枠で構成し、中央部に流体マットを配置して、中空PCを製造する方法が開示されている。
特許文献3(特開平4−155059号公報)には、外側を型枠で構成し、保持型の周囲に多数のエアチューブを中央に円形に配置して、中空PCを製造する方法が開示されている。
特許文献4(特開2001−9821号公報)には、中空用の内側型枠として、コア枠体に発熱シートとコッターシートを貼り付けた養生機能を備え、外枠の内側にエアパネルを用いた中空PCの製造用型枠が提案されている。
特許文献6(特開平7−148717号公報)には、遠心成形法により構築される中空PC柱の製造方法が開示されている。
1.外型枠と内型枠とを備え、両型枠で形成される間隙にコンクリートを打設して、中空部を備えたコンクリート柱体を成形する中空PC用型枠装置であって、
内型枠は、大エアチューブ、又は大エアチューブとその周囲に配置された複数の小エアチューブとから構成されているコア部と該コア部の表面に螺旋状に配置された可撓性ホースを備えていることを特徴とする中空PC用型枠装置。
2.温水供給装置から可撓性ホースに養生用温水が供給されることを特徴とする1.記載の中空PC用型枠装置。
3.1.又は2.に記載の中空PC用型枠装置を用いて、加温養生/非加温養生を行う中空PCを試験施工する工程、
試験施工工程に基づいて、積算温度比(加温養生積算温度/非加温養生積算温度)を求める工程、を備え、
積算温度比に基づいて、本施工の中空PCの養生温度をコントロールすることを特徴とする中空PCの製造方法。
2.溝形成手段として、可撓性ホースを螺旋状に内型枠表面に設け、内型枠にエアチューブを使用することにより、周方向の溝形成と内型枠の脱型性を向上させることができ、周方向溝形成中空PCの製造工程を容易かつ短縮できる。
3.溝形成用に可撓性ホースを螺旋状に配置したので、ピッチの調整が容易であり、ホースの太さを変更することにより、溝の深さの調整ができる。また、ホース内に温水を流すことにより、打設された直後のフレッシュコンクリートの内周面側に高温外被型枠を実現することで、コンクリートを構成するセメント化合物と水との水和反応が促進されるために、コンクリートの強度発現が早まり、かつ高強度とすることができる。さらに、ホース内に流れる温水により高温外被型枠が形成されることで、フレッシュコンクリートの硬化過程において、水和反応時に発熱するコンクリート温度と外気温との温度差を小さくすることができ、温度差によって生じるコンクリートの温度ひびわれを抑制することができる。
4.内型枠に複数の小エアチューブを配置した場合、シートで周囲を覆うことにより、小エアチューブの間にノロが入り込むことを防止して、脱型を容易にすることができる。
5.中空PCを用いて建て込みを行い、建築現場で後打ちコンクリートを打設して十分な強度を発揮するコンクリート製柱を構築することができる。中空PCであるので、軽量であり、作業が容易にできる。
6.コンクリート製柱用建材は、長手方向の中空部の外周に先行打設された外周部コンクリートと、中空部に後充填された内周部コンクリートで構成される。内周部コンクリートは、外周部コンクリートより低強度であっても、外周部コンクリートによる拘束効果によって、内周部コンクリートより大きな強度を発揮するコンクリート製柱を実現することができる。
7.可撓性ホースを利用した温水加温養生によって、コンクリートの硬化を加速することができ、必要なコンクリート強度を発現する養生時間を短縮でき、試験施工を行って、そのデータに基づいて、本施工を行う中空PCの製造方法を確定できる。
内型枠の表面に螺旋状に可撓性ホースを配置することにより、内面に螺旋状の溝を形成したPC棒状材を製造することができる。
また、本発明は、前記中空PC用型枠装置を使用したPC棒状材、及び当該PC棒状材の中空部に、後施工によってコンクリートを充填させたコンクリート製柱用建材でもある。具体的には、PC棒状材は、外型枠と内型枠との間の隙間部分にコンクリートが打設された横断面の中央部分に中空部を備えた中空コンクリート体である。また、コンクリート製柱用建材は、周方向に溝を形成させたPC棒状材の中空部に、建設現場、またはPC工場にてコンクリートを充填すると、溝を挟んだPC棒状材を形成する先行施工のコンクリートと、後施工による中空部分のコンクリートが凹凸状の打継界面を介して一体化される。周方向に溝を形成したPC棒状材の中空部分にコンクリートを打設すると付着力が向上し、圧縮強度も十分なコンクリート製柱建材を構築することができる。
PC棒状材は、中実なPCよりも軽量であって、建て込み作業など建築現場作業が容易になる。一方、現場打ち鉄筋コンクリート柱は現場型枠を構築し、コンクリートを打設するので、型枠構築及びコンクリート打設作業が大がかりになり、硬化養生期間も長くなるが、本発明は、これらを容易かつ短縮することができる。
中空PCの外形は、角柱、円柱など設計に応じて決定する。
内型枠は、何度も使用することができ、可撓性ホースは、中空PCに形成する溝の形に合わせてゴム弾性体などで作成する。可撓性ホースは天然ゴム系、人造ゴム系などの素材を用いることができる。可撓性ホースの太さや螺旋の間隔を調整することによって、溝の大きさ、ピッチを調整することができる。そして、このホースに温水などの流体を流すことによって、養生期間の短縮などの調整ができ、また、流体圧によってホースがコンクリート圧に抵抗させることができる。
この型枠施工は、この例に限らず大きさや複雑さなどそれぞれの個別事情に応じて適宜採用することができる。内型枠の建込み後に外型枠をセットして、その間に柱籠鉄筋を挿入してセットする。また、予め外周型枠の内側に柱籠鉄筋を組み付けて、その内部に内周型枠を挿入してセットすることもできる。組み付け順序は、製造する中空PCの構造や具体的な中空PCの構成によって、適宜検討する。
内外型枠および鉄筋のセットを完了させた後、エアチューブに圧搾空気を供給して、エアチューブを膨らませ、内外の型枠の間にコンクリートを打設する。
養生において、可撓性ホースに温水を流す場合は、流すスピードや時間をコントロールする。例えば、上方から下方に向けて循環させる。
可撓性ホースに温水を流して、コンクリートを加温養生することにより、水和反応を促進させ、積算温度が増加して、コンリート強度の発現を加速し、製造時間を短縮することができる。
小径の複数のエアチューブの外側を被覆するシートは、帆布やテント用シートなどを用いる。
中空PC用型枠の横断面の例を図1に示す。
内型枠3が中心にあって、その周囲に間隔をおいて外型枠2を配置して、中空PC用型枠1が構成されている。
図2に中空PC用型枠1の縦断面の例が示されている。図2には、鉄筋9をセット状態で示している。
下端に端型枠7を配置し、その上部に外型枠2と内型枠3を、間隔を設けて配置してキャビティ6を形成し、該キャビティ内に鉄筋9を挿入する。あるいは、外型枠2の内側に鉄筋9を配した後に、内型枠3をセットすることもできる。本図示の例では、端型枠7より下方に内型枠3の下端側を配置している。これは、内型枠を形成するエアチューブの外径が所定の円柱状に安定した部分を打設部分に利用するためである。エアチューブの端部が細くなっているので、その部分を突き出すようにセットしている。
鉄筋9は、主筋91と帯筋92を組み付けた鉄筋籠を用いることができる。
図3は横断面であって、中空PC用型枠1の内型枠3と外周型枠2との間に設けたキャビティ6内にコンクリートCを打設した状態を示している。
図4は、コア31を1本の大エアチューブ41で形成した例を示している。
大径のエアチューブ41を特注して作成し、上方から下方に向けて螺旋状に可撓性ホース51を設けている。(a)に正面図、(b)に側面図、(c)に断面図を示している。
可撓性ホースの上端部51aがエアチューブの上部に設けられ、下端部51bがエアチューブの下部に設けられている。温水などの流体を上下に流すことができる。
図5は、金属製などの管体45の周囲に小エアチューブ42を多数密着するように配置した例を示している。さらに、小エアチューブ42、42・・・の外側をシート43で被覆し、さらにその外周面に可撓性ホース51を螺旋状に取り付けている。可撓性ホースの上端部と下端部は図4に示す例と同様に配置されている。(a)は側面図であり、(b)は断面図である。
エアチューブは、ゴムあるいは合成樹脂製の長尺状袋であって内部に圧搾空気を注入することにより膨らみ、打設されたコンクリートの圧力に抵抗して型枠としての機能を発揮する。
小エアチューブ42は、打設されたコンクリートの圧力に抵抗するために隣同士が密着するように配置する。また、小エアチューブが連接した表面は湾曲が激しく、剥離抵抗となるので、シート43で周囲を覆って、表面のうねりを小さくし、その上に可撓性ホース51を配置する。
可撓性ホース5の例を図6に示す。
本例では、底辺部54を長辺とし、上辺部56を短辺とし、両側の側辺を斜辺部55とするほぼ二等辺台形である。中央部に楕円形の穴部53を有している。材質は、弾性体の柔軟性のある素材52であって、内型枠の表面に沿って巻き付けられる可撓性を備えている。
ゴム系の弾性材、天然ゴム系、人造ゴム系、軟質系合成樹脂などで成形することができる。
なお、図示の中空PCの製造例として、1000mm角、3000mm長、中空径750mmの中空の角柱材を製造した。図6に示す可撓性ホースは、底辺50mm、上辺30mm、高さ20mm、内径14×12mmの長円形断面を用いた。
コンクリート製柱用建材の構造性能については、PC棒状材の中空部分にコンクリートを充填させたコンクリート製柱用建材の模型試験体と、従来構法による一度のコンクリート打設で形成された中実な柱用建材の標準試験体とを製作し、其々の試験体に対して、1軸圧縮強度試験、及び打継目せん断強度試験を行い、比較検証を行った。
試験に用いた角柱タイプの中空PCと中空部の表面性状を図7に示す。
中空部を平滑な状態の未処理とする試験体、中空部を洗い出して凹凸を形成した試験体、中空部にMCR(小気泡状のクッション材)シート体を用いて小凹凸を形成した試験体、中空面に溝を形成した試験体(本実施例)の4種類である。
圧縮強度試験方法、打継目せん断強度試験法の概略は、図7に示すとおりである。
試験結果を表1に示す。
1.試験体
(a)中実試験体:□形状300mm×300mm(水平横断面の形状)
(b)□形状タイプ:□形状300mm×300mm内に、中空径216mmの中空PC 全試験体とも高さは600mmである。中実試験体は1種類のコンクリートで形成される。中空PCは、外殻部(先行打設コンクリート)と中空部(後施工コンクリート)で構成される中空部充填コンクリート体である。
2.圧縮強度試験(その1)
□形状タイプの各中空PCは、外殻部の長手方向の中空部分に後施工によって上方からコンクリートを充填した無筋コンクリート試験体とした。
試験では、試験体の長手方向を立てて設置し、試験体の上端面に設置した加圧板を介して、外殻部、及び中空部の各コンクリート面に一様に上方から鉛直荷重をかけて、1軸圧縮強度を確認した。
外殻部のコンクリート強度:30N/mm2、60N/mm2
中空部の充填コンクリート強度:30N/mm2
コンクリート強度は、何れも設計基準強度である。
3.打継目せん断強度試験(その2)
鉄筋を配置した中空PCにコンクリートを充填した鉄筋コンクリート試験体とした。
試験では、試験体の長手方向を立てて設置し、その試験体の中空部のコンクリート上面のみに設置した加圧板を介して鉛直荷重をかけて、打設面のせん断強度を確認した。
外殻部のコンクリート強度:30N/mm2、60N/mm2
中空部の充填コンクリート強度:30N/mm2
主筋:4−D13
フープ筋:D6@50mm
コンクリート強度は、何れも設計基準強度である。
4.中空部のコンクリート表面処理(4種類)
(a)打設面未処理
(b)打設面に、内型枠に硬化遅延剤を処理し、脱型後洗浄仕上げ
(c)打設面に、内型枠に微小な中空凸部を多数設けたMCRシートを使用して凹凸を
形成
(d)打設面に、内型枠の外周側にホースを螺旋状に配置して巾30mm、高さ5mmの
溝を周方向に連続して形成
コンクリート製柱用建材の構造性能については、PC棒状材の中空部分にコンクリートを充填させたコンクリート製柱用建材の模型試験体と、従来構法による一度にコンクリートを打設して中実な柱用建材を形成させた標準試験体とを製作し、其々の試験体に対して、圧縮強度試験、及び打継目せん断強度試験を行い、比較検証を行った。
両強度試験の実験パラメータは、(1)柱用建材試験体の構築方法(従来構法による一発打設、中空部を後打設)、(2)中空部が後打設された模型試験体のコンクリート強度(外殻部と中空部が同一強度、外殻部を高強度とし中空部を低強度)、(3)中空部を後打設する模型試験体におけるコンクリート打継面の処理方法(無し、洗浄、MCR凹凸シート貼り方法、ホース配置による溝の形成方法)である。
先ず、その1、圧縮強度試験の試験結果について、述べる。
コンクリート製柱用建材の圧縮強度は、表1に示すように、□形状タイプの中実試験体(NO.1、2)と、中空PCの中空部分に後施工でコンクリートを充填させた模型試験体(NO.3〜10)を対象として、1軸圧縮強度試験で確認した。
コンクリート強度30N/mm2を使用した中実試験体(NO.1)の圧縮強度は、32.1N/mm2である。また、外殻部と中空部が同一コンクリート強度30N/mm2で形成された模型試験体(NO.3〜6)の圧縮強度については、中実試験体(NO.1)の試験結果32.1N/mm2に対して、コンクリート打継面にMCR凹凸シート貼り処理方法によるNO.5試験体は29.9N/mm2で、溝を形成したNO.6試験体は33.0N/mm2であった。
次に、外殻部のコンクリート強度が60N/mm2で、中空部が30N/mm2の模型試験体(NO.7〜10)の圧縮強度においては、中空部のコンクリート打継面が未処理試験体(NO.7)は42.3N/mm2であった。これに対して、コンクリート打継面に、MCR凹凸シート貼り処理方法によるNO.9試験体は43.8N/mm2で、溝を形成したNO.10試験体は44.3N/mm2であった。
また、柱用建材試験体の構築方法については、従来構法による一発打設による試験体(NO.1試験体)と、コンクリート棒状材の中空部分にコンクリートを充填させた各試験体(NO.3〜6試験体)では、1軸圧縮強度に大きな違いはなく、NO.1試験体に対して、各試験体(NO.3〜6試験体)は0.93〜1.02程度であった。
中空部分の後施工コンクリートの各打継処理方法による1軸圧縮強度については、外殻部と中空部が同一コンクリート強度、または外殻部より中空部が低強度コンクリートであっても、無処理の試験体より溝を形成させた試験体の方が高い試験結果であった(NO.6、10)。
よって、圧縮強度試験の試験結果の範囲においては、外殻部と中空部が同一コンクリート強度、または外殻部より中空部が低強度コンクリートであっても、コンクリート打継面に溝を形成させた試験体の1軸圧縮強度は、中空部を形成するコンクリートの設計基準強度より高い試験結果であった(NO.6、10試験体)。
次に、その2、打継目せん断強度試験の試験結果について、述べる。
コンクリート製柱用建材の各打継処理方法による打継目せん断強度は、表1に示すように、□形状タイプのRC試験体において、中空部分のコンクリート打継面の処理方法を実験パラメータとした、押し抜き型のせん断強度試験で確認した。
外殻部と中空部のコンクリート強度が同一の30N/mm2の模型試験体(NO.11〜14)の打継目せん断強度は、コンクリート打継面が無処理のNO.11試験体の0.8N/mm2、に対して、MCRシート貼り処理方法による試験体は3.2N/mm2で、溝を形成させた試験体は5.1N/mm2であった(NO.13、14)。
また、外殻部のコンクリート強度が60N/mm2で、中空部が30N/mm2の模型試験体(NO.15〜18)の打継目せん断強度については、コンクリート打継面が無処理のNO.15試験体の1.1N/mm2に対して、コンクリート打継面にMCR凹凸シート貼り処理方法によるNO.17試験体は4.3N/mm2で、溝を形成したNO.18試験体は6.7N/mm2であった。
よって、打継目せん断強度試験の試験結果の範囲においては、外殻部と中空部が同一コンクリート強度、または外殻部より中空部が低強度コンクリートであっても、後施工コンクリートの打継面処理方法による打継目せん断強度は、無処理の試験体より、洗浄、またはMCR凹凸シート貼り処理試験体、またはホースにて溝が形成させた試験体の方が高かった(NO.13、14、16〜18試験体)。
したがって、コンクリート製柱用建材を形成する中空部外周面の打継処理方法は、圧縮強度試験、及び打継目せん断強度の試験結果によると、ホース等によって溝を形成させる打継面の処理方法が好ましい。
そして、本願発明は、この周方向に溝を形成する中空PC用型枠であって、溝の形成方法と、その溝の設計変更の容易性、養生性能、脱型性に優れている。
1000mm角、2000mm長、中空径750mmの中空の角柱材を製造し、加温がコンクリートの硬化に及ぼす養生温度を測定した。可撓性ホースを内型枠に螺旋状に巻き付けて加温、非加温養生を行った。
試験体 :1000mm角、2000mm長、中空径750mm
可撓性ホース:図8に示す可撓性ホース形状、底辺50mm、上辺25mm、
高さ20mm、内径35×20×8mmの台形断面を用いた。
コンクリート:36−18−20N(水セメント比49.9%)
(圧縮強度36N/mm2、スランプ18cm、最大粗骨材寸法20m
m、普通ポルトランドセメントを使用した。)
加温水温度 :50℃
測定箇所 :試験体外周中央部
打設後20時間の温度変化を計測した結果、外気温10℃以下のところ非加温養生でもコンクリートの水和反応により自己発熱して緩やかにコンクリートの温度は上昇し、25℃程度になる。これを、50℃の加温水を流すことにより、コンクリートの温度を10℃上昇させて、35℃となることが確認された。
なお、水温が3時間のところで急に低下しているのは、測定エラーであって、使用した温水の温度に変化はない。
セメントの水和反応は、養生温度と材齢に大きく影響され、養生温度と材齢の積である積算温度によって、コンクリートの発現強度を表すことができる。
本試験結果は、最初の2時間を捨て、16時間の積算温度を計算すると、加温養生が493(℃・日)、非加温養生では356(℃・日)となる。
本試験の場合、積算温度比(加温養生積算温度/非加温養生積算温度)は、1.38となる。
つまり、加温養生することにより、1.38倍強度発現時期を早めることができることとなる。仮に、この積算温度比(加温養生積算温度/非加温養生積算温度)を加温養生加速指数と云うことができる。
一般的に、28日(4週間)で設計基準強度が得られるように、コンクリートを調合・配合されるので、1.38倍加速して、基準強度に達することとなり、約20日に短縮することとなる。
また、逆に、温水養生することで、FC26N/mm2(設計基準強度)で調合・配合すると材齢4週で1.38倍の約36N/mm2の圧縮強度が発現することとなる。
したがって、コンクリートの調合・配合に応じて、試験施工を行って、加温条件を特定することにより、中空PCの製造期間を短縮、あるいは、高強度にすることができる。
2・・・外型枠
3・・・内型枠
31・・・コア
41・・・大エアチューブ
42・・・小エアチューブ
43・・・シート
45・・・管体
5、51・・・可撓性ホース
52・・・素材
53・・・穴部
54・・・底辺部
55・・・斜辺部
56・・・上辺部
6・・・キャビティ
7・・・端型枠
9・・・鉄筋
91・・・主筋
92・・・帯筋
C・・・コンクリート
Claims (3)
- 外型枠と内型枠とを備え、両型枠で形成される間隙にコンクリートを打設して、中空部を備えたコンクリート柱体を成形する中空PC用型枠装置であって、
内型枠は、大エアチューブ、又は大エアチューブとその周囲に配置された複数の小エアチューブとから構成されているコア部と該コア部の表面に螺旋状に配置された可撓性ホースを備えていることを特徴とする中空PC用型枠装置。 - 温水供給装置から可撓性ホースに養生用温水が供給されることを特徴とする請求項1記載の中空PC用型枠装置。
- 請求項1又は2に記載の中空PC用型枠装置を用いて、加温養生/非加温養生を行う中空PCを試験施工する工程、
試験施工工程に基づいて、積算温度比(加温養生積算温度/非加温養生積算温度)を求める工程、を備え、
積算温度比に基づいて、本施工の中空PCの養生温度をコントロールすることを特徴とする中空PCの製造方法。
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