JP6905953B2 - 血液検体案内器具、及び血液検査キット - Google Patents

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Description

本発明は、血液検体案内器具、及び血液検査キットに関する。
一般に、採血には、医師等一定の有資格者が注射器を用いて静脈から血液を採取する一般採血と、検査対象者が、自分の手の指等に採血針を刺して血液を採取する自己採血とがある。
一般採血により採取された血液は、採血容器に密閉された状態で医療機関又は検査機関に搬送され、そこで検査が行われている。血液検体を血球と血漿とに分離せずに搬送する場合には、医療機関又は検査機関にて遠心分離機により血液検体を血球と血漿とに分離した後に検査が行われる。また、検査対象者が行う自己採血では、採血後の血液検体は分離膜により血球と血漿とに分離され、この分離された状態で検査場所に輸送され、そこで検査が行われる。
血液検体を自己採血するため、血液検体案内器具を用いることが多い。例えば、特許文献1には、皮膚突刺部材と、採取部位に圧力を加えるように構成された加圧部材と、を備える一体化装置を開示する。
特表2010−502278号公報
ところで、皮膚突刺部材を指に穿刺した後、指から出た血液を収容器具に移送する必要がある。しかしながら、特許文献1では、指から出た血液が、指を離れて収容器具に確実に移送できない懸念がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、指から出た血液を収容器具に案内できる血液検体案内器具、及び血液検査キットを提供することを目的とする。
第1の態様に係る血液検体案内器具は、血液検査キットに用いられる血液検体案内器具であって、第1開口と、第1開口と連通する第2開口とが画定され、指と接触する筒形状体と、筒形状体の外周面に取り付けられ、指を締め付け、かつ筒形状体を指へ押し付ける締め付け部と、を有する。
第2の態様に係る血液検体案内器具において、指と接触する部分の筒形状体の形状は、上面視で、指の側に突出する湾曲形状である。
第3の態様に係る血液検体案内器具において、筒形状体の第1開口は第2開口より大きく、筒形状体の内周面の少なくとも一部はテーパー面で構成される。
第4の態様に係る血液検体案内器具において、締め付け部は、支持部材と、離間して配置された少なくとも2個の結束部材とから構成される。
第5の態様に係る血液検体案内器具において、結束部材は、指の締め付け力を調整できる。
第6の態様に係る血液検体案内器具において、結束部材は、筒形状体の外周面に設けられた、位置決め部に設けられる。
第7の態様に係る血液検体案内器具において、筒形状体の内周面が撥水性を有する。
第8の態様に係る血液検体案内器具において、筒形状体の第2開口の側に、希釈液を収容する収容器具の開口と連結される連結部を有する。
第9の態様に係る血液検査キットは、血液検体を採取するため上述の血液検体案内器具と、採取した血液検体を希釈するための希釈液と、血液検体の希釈物を収容するための収容器具と、含み、血液中に恒常的に存在する標準成分、又は希釈液が含有する血液中に存在しない標準成分を用いて血液検体中の対象成分の濃度を分析する。
第10の態様に係る血液検査キットにおいて、血液検査キットが、血液検体の希釈物から血漿を分離回収するための分離器具を含む。
本発明の血液検体案内器具、及び血液検査キットによれば、指から出た血液を収容器具に案内できる。
図1は、血液検体案内器具の一例を示す斜視図である。 図2は、図1を別の方向から見た斜視図である。 図3は、血液検体案内器具の断面図である。 図4は、血液検体案内器具の上面図である。 図5は、血液検体の希釈物を収容するための収容器具の構成の一例を示す図である。 図6は、血液検体案内器具の使用方法を説明する説明図である。 図7は、血液検体案内器具の使用方法を説明する説明図である。 図8は、分離器具を保持する保持器具の一例を示す図である。 図9は、分離器具の作用を示す断面図である。 図10は、分離器具の作用を示す断面図である。
以下、添付図面にしたがって本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明は以下の好ましい実施形態により説明される。本発明の範囲を逸脱すること無く、多くの手法により変更を行うことができ、実施形態以外の他の実施形態を利用することができる。したがって、本発明の範囲内における全ての変更が特許請求の範囲に含まれる。本明細書中で、数値範囲を“ から ”を用いて表す場合は、“ から ”で示される上限、下限の数値も数値範囲に含むものとする。血液中に恒常的に存在する標準成分のことを、外部標準物質又は外部標準ということがある。また、血液中に存在しない標準成分のことを、内部標準物質又は内部標準ということがある。
<血液検体案内器具>
実施形態の血液検体案内器具について、図1から図4に基づいて説明する。図1、及び図2は血液検体案内器具の斜視図であり、図3は血液検体案内器具の断面図であり、図4は血液検体案内器具の上面図である。
血液検体案内器具100は、指と接触する筒形状体110と、筒形状体110の外周面110Aに取り付けられた締め付け部150と、を備えている。締め付け部150は、指を締め付け、かつ筒形状体を指へ押し付ける。指を締め付けることにより、締め付けられた領域の指の血圧をあげることができる。血圧の高い領域にランセットなどのナイフ付の器具を穿刺することにより、血液を指から出しやすくできる。血液の出た領域に筒形状体110を押し付けることにより、血液を指から分離でき、血液を筒形状体110に移送することができる。血液検体案内器具100を介して、血液を検査、及び分析用の収容器具等に案内し、血液を移送できる。血液が検査、及び分析の対象とされる場合、血液検体と称される。
図3に示されるように、血液検体案内器具100の筒形状体110には、第1開口110C、及び第2開口110Dが画定されており、筒形状体110は第1開口110Cと第2開口110Dとが連通する中空構造を有している。実施形態では、第1開口110Cの開口面積が第2開口110Dの開口面積より大きい。筒形状体110の内周面110Bは、第2開口110Dから第1開口110Cに向かうに従って広がるテーパー面を有している。内周面110Bをテーパー面にすることで、血液検体を第1開口110Cから第2開口110Dに向けて滴下しやすくできる。
締め付け部150は、手指を支持する2個の支持部材152と、離間して配置された少なくとも2個の結束部材160とから構成される。2個の支持部材152は、離間され、かつ対向する位置に配置される。図1に示されるように、支持部材152は、連結部153を介して筒形状体110の外周面110Aに配置されている。2個の支持部材152の距離は、筒形状体110の外径の距離より大きい。支持部材152には、筒形状体110と離間する位置に、切欠き部154が形成されている。
2個の結束部材160は、第1開口110Cの側の外周面110Aに設けられた位置決め部161を介して、筒形状体110に設けられている。図4に示されるように、2個の位置決め部161は、指と接触する平面161Aをそれぞれ有している。2個の位置決め部161の間に位置する、筒形状体110の外周面110Aが、指に接触する接触部分110Eとなる。外周面110Aの一部が接触部分110Eを構成する。図4に示されるように、接触部分110Eにおける、筒形状体110の形状は、上面視で、指の側に突出する湾曲形状を有している。指の側に突出する湾曲形状にすることにより、筒形状体110の外周面110Aを指に深く押し付けることが可能となり、指からの血液の分離を容易にできる。筒形状体110の形状は、上面視で、接触部分110Eは、2個の平面161Aを結んだ仮想線より、指側に突出していることが好ましい。位置決め部161により、筒形状体110を安定して押し付けることができる。位置決め部161を指に接触させているので、指と筒形状体110との位置関係が決定され、筒形状体110を安定的に押し付けることが可能となる。
結束部材160は、第1開口110Cから離間する方向に突出する略円弧形状を有しいている。結束部材160には、複数の薄肉部162が形成されている。結束部材160は薄肉部162を起点に変形容易な構造を有している。結束部材160の先端側には、棒形状部材163、及び164が設けられている。棒形状部材163、及び164は支持部材152の切欠き部154に嵌合するよう構成されている。結束部材160の棒形状部材163、及び164と、支持部材152の切欠き部154とにより、結束部材160の固定位置を調整できる。固定位置の調整は、指に対する締め付け力、及び筒形状体110の押し付け力の調整を容易にする。また、固定位置の調整は、人毎に異なる指の太さへの対応を容易にする。
2個の結束部材160で指を締め付けることにより、ランセットなどのナイフ付の器具を穿刺すべき指の領域が容易に把握できる。2個の結束部材160の間を標的にランセットなどのナイフ付の器具を容易に穿刺できる。
血液検体案内器具100を構成する材料として合成樹脂を適用することができ、例えばポリプレピレン等を適用することができる。筒形状体110と締め付け部150とは一体成形物であることが好ましい。血液検体案内器具100の製造が容易となる。
実施形態の血液検体案内器具100は、筒形状体110の第2開口110Dの側に、収容器具(不図示)の開口と連結される連結部200を有する。図3に示されるように、連結部200は、収容器具の開口の周縁部と係合する隙間部202を画定する構造を備えている。連結部200により、筒形状体110と収容器具の開口とが位置合わせされるので、血液を確実に収容器具へと移送することができる。
なお、筒形状体110の内周面110Bは撥水性であることが好ましい。内周面110Bに血液が付着することを抑制でき、指から出た血液を収容器具へと移送できる。内周面110Bを撥水膜でコーティングすることにより、内周面110Bは撥水性を有することができる。撥水膜として、フッ素系樹脂、及びシリコーン系樹脂を適用することができる。撥水性は接触角を観察することにより評価することができる。接触角が90°以上である場合、「撥水性がある」と評価される。接触角は、画像測定、又は接触角測定器により測定することができる。
<血液検査キット>
血液検査キットは、上述の血液検体案内器具100のほか、採取した血液検体を希釈するための希釈液と、血液検体の希釈物を収容するための収容器具と、を含み、血液中に恒常的に存在する標準成分、又は前記希釈液に含有される標準成分であって血液中に存在しない標準成分を用いて血液検体中の対象成分の濃度を分析するための血液検査キットである。
さらに、血液検査キットは血液検体の希釈物から血漿を分離回収するための分離器具を備えることが好ましい。
[収容器具]
図5は、血液検体の希釈物を収容するための収容器具の構成の一例を示す断面図である。図5に示されるように、収容器具400は、透明な材質の円筒形状の採血容器410を有する。採血容器410の上端側には、外面に螺子部412が形成され、内面に係止部414が突設されている。また、採血容器410の下端部には、下端側に突出する円錐形状の底部416が形成されている。底部416の周囲に円筒形状の脚部418が形成されている。「上」及び「下」とは、脚部418を載置面に設置した状態における「上」及び「下」を意味する。
脚部418は、血液の分析検査時に使用するサンプルカップ(不図示)と同一外径を有しており、好ましくは、その下端の対向する位置にそれぞれ鉛直方向にスリット溝420が形成されている。さらに、採血容器410には、図5に示されているように、所要量、例えば、500mmの希釈液422が収容されることが好ましい。
図5に示すように、収容器具400の使用前は、採血容器410の上端開口が、キャップ424によりパッキン426を介して密閉されることが好ましい。
[血液中に恒常的に存在する標準成分]
血漿成分の希釈倍率の高い希釈血漿の希釈後の対象成分について、希釈前の血液の血漿中に存在する濃度を分析するためには、希釈液中にあらかじめ存在する物質の濃度の変化率から求める方法を採用することができる。また、血液中に恒常的に存在する標準成分を用いて血液検体中の対象成分の濃度を分析する方法を採用することも可能である。より少量の血液から血液成分を分析する場合には、血液中に恒常的に存在する標準成分を用いる方法を採用する場合に、測定誤差の小さい測定が可能となるため好ましい。したがって本発明の血液検査キットとしては、血液中に恒常的に存在する標準成分を用いて血液検体中の対象成分の濃度を分析するための、血液検査キットであることが好ましい態様の一つである。
ここで、標準成分を「用いて」とは、標準成分についての標準値(血液中に恒常的に存在する標準成分を用いる場合には、恒常値)に基づき、対象成分の濃度を分析するための希釈倍率を決定する意である。したがって、血液中に恒常的に存在する標準成分を用いて血液検体中の対象成分の濃度を分析する場合には、血液中に恒常的に存在する標準成分の恒常値(標準値)に基づき希釈倍率を決定し、対象成分の濃度を分析することでもある。
血液中に恒常的に存在する標準成分は、例えば、ナトリウムイオン、塩化物イオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、総タンパク、及びアルブミン等が挙げられる。血液検体の血清及び血漿中に含まれるこれらの標準成分の濃度は、ナトリウムイオン濃度は、134mmol/Lから146mmol/L(平均値:142mmol/L)、塩化物イオン濃度は、97mmol/Lから107mmol/L(平均値:102mmol/L)、カリウムイオン濃度は、3.2mmol/Lから4.8mmol/L(平均値:4.0mmol/L)、マグネシウムイオン濃度は、0.75mmol/Lから1.0mmol/L(平均値:0.9mmol/L)、カルシウムイオン濃度は、4.2mmol/Lから5.1mmol/L(平均値:4.65mmol/L)、総タンパク濃度は、6.7g/100mから8.3g/100m(平均値:7.5g/100mL)、アルブミン濃度は、4.1g/100mLから5.1g/100mL(平均値:4.6g/100mL)である。実施形態では、対象者の痛みを和らげるために採血する血液量が非常に少ない場合における対象成分の測定を可能にするためのものであり、微量の血液を希釈液で希釈した際に、希釈液中に存在する「血液中に恒常的に存在する標準成分」の濃度を精度よく測定する必要がある。希釈倍率が高くなると、もともと血液中に存在する成分の希釈液中の濃度が低下し、希釈倍率によっては濃度測定時に、測定誤差を含む可能性がある。したがって、微量な血液成分を希釈倍率高く希釈したときに、上記標準成分を十分に精度高く検出するためには、微量な血液中に高い濃度で存在する標準成分を測定することが好ましい。本発明では、血液検体中に恒常的に存在する成分の中でも高濃度に存在する、ナトリウムイオン(Na)又は塩化物イオン(Cl)を用いることが好ましい。さらには、上述の血液中に恒常的に存在する標準成分の中でも血液中に存在する量が一番高いナトリウムイオンを測定することが最も好ましい。ナトリウムイオンは、平均値が標準値(基準範囲の中央値)を表し、その値は、142mmol/Lであり、血漿中の総陽イオンの90モル%以上を占める。
[血液中に存在しない標準成分]
実施形態の好ましい態様の一つは、血液中に存在しない標準成分を用いて血液検体中の対象成分の濃度を分析するための、血液検査キットである。このような血液検査キットは、血液中に恒常的に存在する標準成分とともに、血液中に存在しない標準成分を用いるためのものであってもよく、血液中に恒常的に存在する標準成分を用いずに、血液中に存在しない標準成分を単独で用いるためのものであってもよい。
いずれの場合も、血液中に存在しない標準成分は、後述する希釈液に所定の濃度になるように添加して用いることができる。血液中に存在しない標準成分としては、血液検体中に全く含まれないか、若しくは含まれていたとしても極微量である物質を使用することができる。血液中に存在しない標準成分としては、血液検体中の対象成分の測定に干渉を与えない物質、血液検体中の生体酵素の作用を受けて分解しない物質、希釈中で安定な物質、血球膜を透過せず血球中に含まれない物質、緩衝液の保存容器に吸着しない物質、精度良く測定できる検出系が利用できる物質を用いることが好ましい。
血液中に存在しない標準成分としては、希釈液に添加した状態で長期間保管しても安定した物質が好ましい。血液中に存在しない標準成分の例としては、グリセロール三リン酸、アルカリ金属としてLi、Rb、Cs、又はFr、そしてアルカリ土類金属としてはSr、Ba、又はRaが挙げられ、Li及びグリセロール三リン酸が好ましい。
これらの血液中に存在しない標準成分は、血液希釈後の濃度測定時に第二の試薬を添加することで発色させ、その発色濃度から希釈血液中の濃度を求めることができる。例えば、希釈液に添加したリチウムイオンの測定は、キレート比色法(ハロゲン化ポルフィリンキレート法:パーフルオロ−5,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィリン)を利用して生化学自動分析装置で大量試料を微量の試料で容易に測定できる。また、グリセロール三リン酸の測定は、例えば、公知資料である、「在宅医療革命」(臨床検査 Vol.59、p397、2015年)に記載された、酸化縮合による色素発色の濃度測定を利用して生化学自動分析装置で大量試料を微量の試料で容易に測定できる。
[希釈液]
血液検査キットは、採取した血液検体を希釈するための希釈液を含む。希釈液は、血液検査キットが血液中に恒常的に存在する標準成分を用いて、血液検体中の対象成分の濃度を分析するためのものである場合、血液中に恒常的に存在する標準成分を含有しない。「含有しない」とは、「実質的に含有しない」ことを意味する。ここで、「実質的に含有しない」とは、希釈倍率を求める時に使用する恒常性のある物質をまったく含まないか、あるいは含まれていたとしても、血液検体を希釈した後の希釈液の恒常性のある物質の測定に影響を及ぼさない程度の極微量の濃度で含まれる場合を意味する。血液中に恒常的に存在する標準成分として、ナトリウムイオン又は塩化物イオンを用いる場合には、希釈液としては、ナトリウムイオン又は塩化物イオンを実質的に含有しない希釈液を使用する。
血液のpHは、健常者では通常pH7.30からpH7.40程度で一定に保たれていることから、対象成分の分解や変性を防止するために、希釈液は、pH6.5からpH8.0の範囲、好ましくはpH7.0からpH7.5の範囲、さらに好ましくはpH7.3からpH7.4の範囲のpH域で緩衝作用を有する緩衝液であることが好ましく、希釈液は、pHの変動を抑える緩衝成分を含有する緩衝液であることが好ましい。
従来、緩衝液の種類としては、酢酸緩衝液(Na)、リン酸緩衝液(Na)、クエン酸緩衝液(Na)、ホウ酸緩衝液(Na)、酒石酸緩衝液(Na)、Tris(トリス(ヒドロキシメチル)アミノエタン)緩衝液(Cl)、HEPES([2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸])緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水(Na)等が知られている。これらの中でpH7.0からpH8.0付近の緩衝液としては、リン酸緩衝液、Tris緩衝液、HEPES緩衝液が代表的なものである。しかしながら、リン酸緩衝液はリン酸のナトリウム塩が含まれていること、Tris緩衝液は、解離pKaは8.08であるため、pH7.0からpH8.0付近で緩衝能を持たせるためには通常は塩酸と組み合わせて使用されること、HEPESのスルホン酸の解離のpKaは7.55であるが、イオン強度一定での緩衝溶液を調整するため、通常は水酸化ナトリウムと塩化ナトリウムとHEPESの混合物が用いられることから、これらはpHを一定に保つ作用を有する緩衝液としては有用であるが、実施形態において外部標準物質として用いることが好ましい物質であるナトリウムイオンあるいは塩化物イオンを含有するため、血液検査キットが血液中に恒常的に存在する標準成分を用いて血液検体中の対象成分の濃度を分析するためのものである場合、適用は好ましくない。
血液検査キットが血液中に恒常的に存在する標準成分を用いて血液検体中の対象成分の濃度を分析するためのものである場合、用いる緩衝液としては、ナトリウムイオン又は塩化物イオンを含有しない(「含有しない」の意味は、すでに述べたとおりである。)ことが好ましい。このような緩衝液は好ましくは、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)、2−エチルアミノエタノール、N−メチル−D−グルカミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンからなる群から選択される少なくとも1種のアミノアルコール化合物、並びにGood’s緩衝液(グッドバッファー)でpKaが7.4付近の緩衝剤であるHEPESとも称する2−[4−(2−ヒドロキシエチル−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸)(pKa=7.55)、TESとも称するN−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸(pKa=7.50)、MOPSとも称する3−モルホリノプロパンスルホン酸(pKa=7.20)、及びBESとも称するN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(pKa=7.15)からなる群から選択される緩衝剤を含む希釈液である。上記の中でも、2−アミノー2−メチル−1−プロパノール(AMP)とHEPES、TES、MOPS又はBESとの組み合わせが好ましく、さらに、2−アミノー2−メチル−1−プロパノール(AMP)とHEPESとの組み合わせが最も好ましい。なおpKaは、酸解離定数を表す。
上記緩衝液を調製するためには、アミノアルコールとGood‘s緩衝液を1:2から2:1、好ましくは1:1.5から1.5:1、さらに好ましくは1:1の濃度比で混合すればよい。緩衝液の濃度は限定されないが、アミノアルコール又はGood‘s緩衝液の濃度は、0.1mmol/Lから1000mmol/L、好ましくは、1mmol/Lから500mmol/L、さらに好ましくは10mmol/Lから100mmol/Lである。
緩衝液中には、分析対象成分を安定に保つことを目的にキレート剤、界面活性剤、抗菌剤、防腐剤、補酵素、糖類等が含有されていてもよい。キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)塩、クエン酸塩、シュウ酸塩等が挙げられる。界面活性剤としては、例えば、陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤又は非イオン界面活性剤が挙げられる。防腐剤としては、例えば、アジ化ナトリウムや抗生物質等が挙げられる。補酵素としては、ピリドキサールリン酸、マグネシウム、亜鉛等が挙げられる。赤血球安定化剤の糖類としては、マンニトール、デキストロース、オリゴ糖等が挙げられる。特に、抗生物質の添加により、手指採血時に手指表面から一部混入する細菌の増殖を抑えることができ、細菌による生体成分の分解を抑制し、生体成分の安定化を図ることができる。
緩衝液はまた、血液中に存在しない標準成分を用いて対象成分を分析するための血液検査キットにおいては、この血液中に存在しない標準成分を含む。後述する内部標準物質を含まず、血液分析の測定系に干渉を与えないことも重要である。
全血を希釈するとの観点からは、緩衝液の浸透圧を血液と同等(285mOsm/kg(mOsm/kgは、溶液の水1kgが持つ浸透圧で、イオンのミリモル数をあらわす))又はそれ以上とすることにより血球の溶血を防止することができる。浸透圧は、対象成分の測定、及び血液中に恒常的に存在する標準成分の測定に影響しない塩類、糖類又は緩衝剤等により、等張に調整することができる。緩衝液の浸透圧は、浸透圧計により測定することができる。
血液検査として、肝機能、腎機能、メタボリズムなど、特定の臓器、特定の疾患を検査する場合には、臓器や疾患に特有の複数の測定対象成分の情報を入手して、臓器の状態、生活習慣の予測などを行うために、一般的には、複数の測定対象成分の分析が同時に行われる。例えば、肝臓の状態を検査するためには、一般的には、ALT(アラニントランスアミナーゼ)、AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)、γ―GTP(γグルタミルトランスペプチダーゼ)、ALP(アルカリホスファターゼ)、総ビリルビン、総タンパク、アルブミン等、数種類以上もの物質の血液中の濃度が測定される。このように、複数の対象成分を一つの血液検体から測定するためには、再測定の可能性も考慮して、希釈された血液の量はある程度必要となる。したがって、採取した血液を希釈する希釈液は、ある程度の量を確保することが重要である。しかしながら、被検者の侵襲性を少しでも低く抑えることを考慮すると、採血量は微量となるため希釈倍率は例えば、7倍程度以上の高倍率となる。
(採血方法、及び血液検体の希釈物)
上述の血液検体案内器具100による採血方法について図6及び図7を参照して説明する。図6に示されるように、収容器具400の採血容器410からキャップ424を取り外す。血液検体案内器具100の連結部200と、採血容器410の開口部との位置合わせを行う。採血容器410には、上限目盛440、及び下限目盛442を付することが好ましい。上限目盛440と下限目盛442、及び採血容器410のレンズ効果により、採血容器410へ採取した血液の量を把握することが可能となる。また、採血容器410の一部の径を細くし、細くした部分に目盛を付すことで、より正確に採取した血液の量を把握することができる。
採血容器410は外周面にストラップ環450を備えることが好ましい。ストラップ環450にストラップ(不図示)を固定することにより、採血容器410を採血対象者の首等にかけることができ、採血容器410が落下することを防止することができる。また、採血容器410の落下を防止するため、例えば、指に固定させるためのベルト(不図示)、又は血液検体案内器具100と採血容器410をつなぐ落下防止ベルト(不図示)を備えることが好ましい。
次いで、連結部200を介して、血液検体案内器具100と採血容器410とを連結する。連結部200の隙間部202に、採血容器410の開口の側の周縁部を挿入し、係合させる。
次に、図7に示されるように、締め付け部150を構成する支持部材152と結束部材160とにより採血対象者の指Fを締め付け、かつ筒形状体110を指Fに押し付ける。2個の結束部材160の間に指Fの皮膚をランセットなどのナイフ付の器具を用いて傷つけて、血液を皮膚外に出す。血液検体の採取は、対象者自身が行ってもよく、医師等の有資格者が行ってもよい。
皮膚外に出た血液を、血液検体案内器具100の筒形状体110を介して採血容器410へと移送する。締め付け部150により採血対象者の指Fが締め付けられ、かつ指Fに筒形状体110が押し付けられているので、血液は指Fから切り離され、採血容器410へと移送される。例えば、採血容器410に付された上限目盛440と下限目盛442とで、血液検査に必要な量の血液が採血容器410に移送できたことを確認した時点で、採血を終了する。その結果、採血容器410に血液検体の希釈物が収容される。
[分離器具]
血液検体案内器具100により採取された血液検体は、分析が行われるまで、希釈された状態で、収容器具400の中で長時間経過する可能性がある。その間に、例えば赤血球の溶血が起こると、血球内に存在する物質や酵素などが血漿あるいは血清中に溶出して検査結果に影響を与えたり、溶出したヘモグロビンが有する吸収により、分析対象成分の光学的な吸収などの光情報で分析対象成分量を測定する場合に影響を及ぼす可能性がある。したがって、溶血を防止することが好ましい。そのため、血液検体の希釈物から血漿を分離回収するための分離器具を血液検査キットに含む態様が好ましい。分離器具の好ましい例は、分離膜である。分離膜は、例えば血液検体の希釈物に圧力を加えることによって、血球成分は分離膜で捕獲し、血漿成分を通過させて、血球を分離して血漿成分を回収するように用いることができる。この場合、抗凝固剤を用いることが好ましい。また、測定の精度を確保するために、分離膜を通過した血漿が血球側へ逆流しないことが好ましく、そのためには具体的には、特開2003−270239号公報に記載の、逆流防止手段をキットの構成要素とすることができる。
図8は、分離器具を保持する保持器具の一例を示す図である。図8に示されるように、保持器具500は、収容器具400の採血容器410に嵌挿可能な筒体510と、筒体510に取り付けられたキャップピストン512と、キャップピストン512の下端に設けられた封止器具として機能する密閉蓋514とを備える。
筒体510は透明な材質製で円筒形状を有している。筒体510の上端部542には拡径部516が形成されている。拡径部516は薄肉部518を介して本体部520と接続されている。筒体510の下端部には、縮径部522が形成されている。縮径部522の内面には係止突起部524が形成されている。さらに、縮径部522の下端部には外鍔部526が形成されている。外鍔部526の下端開口部は分離器具として機能する濾過膜528により覆われている。濾過膜528は血液中の血漿の通過を許容し、血球の通過を阻止するよう構成される。縮径部522の外周にはシリコンゴム製のカバー530が装着されている。
キャップピストン512は、略円筒形状の摘み部532と、摘み部532と同心で下方に延びる心棒部534とで構成されている。摘み部532の内側上端部には筒体510の拡径部516が嵌合可能な円筒状の空間536が形成され、その下方は螺刻され、螺子に螺合可能となっている。心棒部534はその下端部538がピン状に形成され、下端部538に密閉蓋514が着脱可能に設けられている。密閉蓋514はシリコンゴム製である。密閉蓋514の下端部が外鍔状に形成された略円柱状を成し、外周にわたり段差部540が形成されている。摘み部532は頂部544を有し、頂部544の内面と拡径部516とは接触する。
次に、図9に示されるように、血液検体の希釈物が収容された採血容器410の状態において、キャップピストン512が取り付けられた筒体510を採血容器410内に嵌挿する。
次に、図10に示されるように、摘み部532を螺子部412に螺合させる。最初、摘み部532と筒体510とが回転する。採血容器410の係止部414が、筒体510の外周面に形成されたストッパ部(不図示)に係止すると、筒体510の回転が拘束され、薄肉部518はねじりにより破断する。この結果、筒体510は本体部520と拡径部516とに分離される。さらに摘み部532を回転させると、本体部520の上端部542が拡径部516の内側の空間536に入り込む。摘み部532の頂部544の内面により筒体510は下方に押圧されるようになるので、筒体510はさらに降下する。
筒体510の降下に伴い、筒体510に保持される濾過膜528は、採血容器410の底部416の側に移動する。その際、濾過膜528を通って血漿が筒体510の側に移動し、血球は濾過膜528を通過できずに採血容器410の側に残る。
カバー530の外径は筒体510の本体部520の外径より大きいので、筒体510は採血容器410の内面に密着した状態で降下する。したがって、筒体510を採血容器410に嵌挿させる過程で、採血容器410の中の希釈液422が採血容器410と筒体510との隙間を通って外部に漏出するおそれはない。
摘み部532を最下部まで螺子部412に螺合させると、密閉蓋514は縮径部522に嵌合する。採血容器410と筒体510との間の流路は密閉蓋514により密閉される。密閉蓋514は、逆流に起因する血漿と血球の混合を防止する。
採血容器410は、希釈液が収容された収容器具を構成し、また血液検体の希釈物を収容するための収容器具をも構成する。また、採血容器410に嵌挿され、血漿と血球とを分離した状態において、筒体510は、回収した血漿を収容するための収容器具を構成する。血液検体を収容するための収容器具は、採血容器410と筒体510の組み合わせに対応する。すなわち、希釈された血液検体を収容するための収容器具は1個でも2個以上の組み合わせでもよい。
血液検査キットは、100μL以下の採血量であっても、測定精度よく分析対象成分を分析できる方法を実現可能とするものである。対象者に、100μL以下の少ない採血量でも精度よく測定することが可能であることや、血液検体案内器具100によりどの程度まで血液検体を採取すべきか等の情報が記載された取り扱い説明書を含む血液検査キットであることが好ましい。
<血液分析方法>
実施形態の血液検査キットを用いた血液分析方法について説明する。血液分析方法は、ヒトに対する医療行為(医師が行う行為)である態様とヒトに対する医療行為ではない態様(例えば、採血者が患者自身であり、かつ分析者が医師以外の者である態様、非ヒト動物に対する態様、等)が含まれる。実施形態の血液分析方法は、対象者自身が血液を採取する自己採血で実施してもよいし、医師等の有資格者が血液を採取する一般採血においても実施してもよい。好ましい態様としては、患者本人が、ランセットなどのナイフ付の器具を用いて指先などを傷つけて皮膚外にでた血液を採取する。
本分析対象となる生体試料は血液であり、血液とは、血清又は血漿を含む概念である。好ましくは、被験者より微量の血液を採取し、緩衝液で希釈した後、フィルタや遠心分離により血球を分離することにより得られた血漿又は血清を用いることができる。血液検体の成分としては、分離手段により血液検体から分離された血漿成分であることが好ましい。血液検体の起源はヒトに限定されず、ヒト以外の動物(非ヒト動物)である哺乳類、鳥類、魚類等であっても良い。ヒト以外の動物としては、例えば、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、マウス、クマ、パンダ等が挙げられる。好ましくは、生体試料の起源はヒトである。
血液分析方法の第一の態様としては、血液検体中に恒常的に存在する標準成分を用いて、対象成分の濃度の分析を行う。血液検体中に恒常的に存在する標準成分については、[1]での説明が、ここでもそのまま当てはまる。
被験者の血液中における血漿成分の占有率は、容積の比率で約55%であるが、被験者の塩分摂取量の変化などで変動する。そのため、実施形態においては、血漿中に恒常的に存在する標準成分の標準値を用いて血漿の希釈倍率を算出し、算出した希釈倍率を用いて血液検体中の血漿中の対象成分の濃度を分析する。希釈倍率を算出する方法としては、血漿の希釈液中の外部標準物質(例えば、ナトリウムイオンなど)の測定値(濃度X)と、血液検体の血漿中に含まれる上記外部標準物質(例えば、ナトリウムイオンなど)の既知濃度値(濃度Y;ナトリウムイオンの場合には142mmol/L)とから、血液検体中の血漿成分の希釈倍率(Y/X)を算出することにより希釈倍率を求めることができる。この希釈倍率を用いて、血漿の希釈液中の対象成分の測定値(濃度Z)を測定し、この測定値に希釈倍率を掛け合わせることにより、実際に血液検体の血漿中に含まれる分析対象成分の濃度[Z×(Y/X)]を測定することが可能となる。
ナトリウムイオンなどの濃度は、例えば、炎光光度法、ガラス電極法、滴定法、イオン選択電極法、酵素活性法等により測定することができる。特に好ましい態様において、ナトリウムイオンの測定はβ−ガラクトシダーゼがナトリウムイオンで活性化することを利用し、緩衝液で希釈された試料のナトリウムイオン濃度とガラクトシダーゼ活性が比例関係にあることを利用した酵素的測定法が採用される。
また、部材に由来する標準成分の量を規定した血液検査キットが実際に使用されているか、また、血液の希釈と血漿の回収の方法が正常に行われているか確証するためには、血漿中の別の標準成分から独立に希釈倍率を追加的に求めて、その値が上で求めた希釈倍率と一致することを確認することが好ましい。一致するとは、2つの測定値(a,b)において、それらの差のそれらの平均値に対する割合、すなわち|a−b|/{(a+b)/2}×100が、20%以下であることであり、好ましくは10%以下であることであり、より好ましくは5%以下であることである。これにより、血液検体中の対象成分の濃度の分析が正常に行われていることの検証が可能となる。ここで、ナトリウムイオン又は塩化物イオン以外の血漿中に恒常的に存在する標準成分の例としては、総タンパク又はアルブミンから選択されることが好ましく、総タンパクであることがより好ましい。総タンパクの測定法は、ビューレット法や、紫外吸収法、ブッドフォード法、ローリー法、ビシンコニン酸(Bicinchoninic Acid:BCA)法、蛍光法など公知の方法があり、測定試料の特性や感度、試料量などに応じて適宜使用する方法を選択することができる。
血液分析方法の第二の態様としては、血液中に存在しない標準成分を用いて、対象成分の濃度の分析を行う。この場合、血液中に存在しない標準成分を含む希釈液を含む血液検査キットを用いる。
血液分析方法の第三の態様としては、血液中に恒常的に存在する標準成分、及び血液中に存在しない標準成分を用いて、対象成分の濃度の分析を行う。2つの標準成分を併用することで、より信頼性の高い分析方法とすることができる。
このとき、血液検体の希釈倍率は、血液中に恒常的に存在する標準成分としてナトリウムイオンを、血液中に存在しない標準成分としてリチウムイオンを用い、ナトリウムイオンの測定をβ−ガラクトシダーゼ活性が比例関係にあることを利用した酵素活性法(後述)で行い、リチウムイオンの測定をキレート比色法(後述)で行う場合には、下記式1から4のいずれかの式で算出することができる。
Figure 0006905953
上記式において、A、B、C、D、B’及びXは、以下のように定義される。
A : 緩衝液を発色させた際の吸光度
B : 血漿添加後の吸光度変化量
C : 血漿ナトリウム中央値142 mmol/Lの吸光度
D : 血漿希釈後のナトリウムイオン濃度における吸光度
B’: 血漿ナトリウムの吸光度から算出した希釈倍率による、希釈血漿中の血液中に存在しない標準成分の吸光度の補正値
X : 血漿希釈倍
希釈率を求める際のもう一つの算出方法として、二乗平均法を用いた式5で算出し、希釈液中の分析対象成分の濃度に、式5で算出した希釈率を乗じて血液検体の成分中の対象成分の濃度を分析する態様も好ましい。
Figure 0006905953
血液検体の成分中の対象成分の濃度は、希釈液中の対象成分の濃度から、上記希釈倍率に基づいて算出できる。
分析の対象成分は限定されず、生体試料中に含まれるあらゆる物質が対象となる。例えば臨床診断に用いられる血液中の生化学検査項目、腫瘍マーカーや肝炎のマーカー等各種疾患のマーカー等が挙げられ、タンパク質、糖、脂質、低分子化合物等が挙げられる。また、測定は物質濃度だけでなく、酵素等の活性を有する物質の活性も対象となる。各対象成分の測定は、公知の方法で行うことができる。
ナトリウムイオンの測定ではナトリウムイオンにより酵素ガラクトシダーゼは酵素活性が活性化することから、緩衝液で希釈された非常に低濃度ナトリウムイオン(24 mmol/L以下)試料を数μLで測定する酵素的測定法が使用できる。この方法は生化学・免疫自動分析装置に適応でき、ナトリウムイオン測定のために別の測定機器を必要としない点で効率性が高く経済的である。
100 血液検体案内器具
110 筒形状体
110A 外周面
110B 内周面
110C 第1開口
110D 第2開口
110E 接触部分
150 締め付け部
152 支持部材
153 連結部
154 切欠き部
160 結束部材
161 位置決め部
161A 平面
162 薄肉部
163 棒形状部材
164 棒形状部材
200 連結部
202 隙間部
400 収容器具
410 採血容器
412 螺子部
414 係止部
416 底部
418 脚部
420 スリット溝
422 希釈液
424 キャップ
426 パッキン
440 上限目盛
442 下限目盛
450 ストラップ環
500 保持器具
510 筒体
512 キャップピストン
514 密閉蓋
516 拡径部
518 薄肉部
520 本体部
522 縮径部
524 係止突起部
526 外鍔部
528 濾過膜
530 カバー
532 摘み部
534 心棒部
536 空間
538 下端部
540 段差部
542 上端部
544 頂部

Claims (9)

  1. 血液検査キットに用いられる血液検体案内器具であって、
    第1開口と、前記第1開口と連通する第2開口とが画定され、指と接触する筒形状体と、
    前記筒形状体の外周面に取り付けられ、指を締め付け、かつ前記筒形状体を指へ押し付ける締め付け部と、
    を有する血液検体案内器具であって、
    指と接触する部分の前記筒形状体の形状は、上面視で、前記指の側に突出する湾曲形状である、血液検体案内器具
  2. 前記筒形状体の前記第1開口は前記第2開口より大きく、前記筒形状体の内周面の少なくとも一部はテーパー面で構成される、請求項1に記載の血液検体案内器具。
  3. 前記締め付け部は、支持部材と、離間して配置された少なくとも2個の結束部材とから構成される、請求項1又は2に記載の血液検体案内器具。
  4. 前記結束部材は、前記指の締め付け力を調整できる、請求項に記載の血液検体案内器具。
  5. 前記結束部材は、前記筒形状体の外周面に設けられた、位置決め部に設けられる、請求項3又は4に記載の血液検体案内器具。
  6. 前記筒形状体の内周面が撥水性を有する、請求項1からの何れか一項に記載の血液検体案内器具。
  7. 前記筒形状体の前記第2開口の側に、希釈液を収容する収容器具の開口と連結される連結部を有する、請求項1からの何れか一項に記載の血液検体案内器具。
  8. 血液検体を採取するための請求項1からの何れか一項に記載の血液検体案内器具と、
    採取した血液検体を希釈するための希釈液と、
    血液検体の希釈物を収容するための収容器具と、
    を含み、血液中に恒常的に存在する標準成分、又は前記希釈液が含有する血液中に存在しない標準成分を用いて血液検体中の対象成分の濃度を分析する、血液検査キット。
  9. 前記血液検査キットが、前記血液検体の希釈物から血漿を分離回収するための分離器具を含む、請求項に記載の血液検査キット。
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