JP6905364B2 - 土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価方法、評価装置および土圧式シールド掘削機 - Google Patents

土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価方法、評価装置および土圧式シールド掘削機 Download PDF

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Description

本発明は、土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価方法、評価装置および土圧式シールド掘削機に関するものである。
従来、シールドトンネル工事に適用される土圧式シールド工法が知られている。この工法は、カッター装置の背後に掘削土を取り込むためのチャンバーを設けた土圧式シールド掘削機を用いて、チャンバー内に取り込んだ掘削土に対して加水ベントナイトや高分子材料等の薬液等の加泥材(添加材)を添加して攪拌翼で攪拌することにより、掘削土に所定の塑性流動性を持たせてその土圧を切羽に作用させて切羽を安定に保持しつつ掘進を行う工法である。
この土圧式シールド工法においては、掘削土による土圧を切羽に対して均一かつ安定に作用させることが重要であるため、チャンバー内における掘削土の塑性流動性を適切に設定しかつ安定に維持する必要がある。そのためには掘削土がチャンバー内全体において均一に塑性流動化しているか否かを掘削中に逐次確認する必要がある。特に昨今においては土圧式シールド工法の大断面化に伴い、チャンバー内の掘削土の塑性流動性を評価するニーズが高まっている。
従来の掘削土の塑性流動性を評価する技術としては、例えば、特許文献1〜7に記載の技術が知られている。
特許文献1は、チャンバー内に回転フラッパー式の回転板を設置し、この回転板の回転トルクを測定することにより、設置箇所での掘削土の塑性流動性を評価するものである。この方法は、設置箇所の塑性流動性を評価することはできるが、チャンバー内全体の塑性流動性を評価することは困難である。
特許文献2は、カッター回転に伴う土圧変動の大きさ(標準偏差)から掘削泥土(以下、泥土ということがある。)の硬軟(塑性流動性)を評価する方法と、それをPCモニタ等に可視化表示する方法である。
特許文献3は、カッターに装備されている撹拌翼に作用するせん断力からチャンバー内掘削土の塑性流動性を評価しようとするものである。
特許文献4は、チャンバー内に装備されている固定翼に回転トルクを計測できる装置を装備して、チャンバー内掘削土の塑性流動性を評価しようとするものである。
特許文献5は、チャンバー内に装備されているアジテータのトルク値と、あらかじめ粒子法解析(MPS解析)により解析しておいた塑性流動性パラメータ(塑性粘度、降伏値等)を照らし合わせることによって、チャンバー内の塑性流動性(粘性係数)を評価しようとしたものである。ただし、土の塑性流動性パラメータ(塑性粘度、降伏値等)を適切に評価する必要がある。
特許文献6は、上記の特許文献2の課題であった土圧計の設置条件を考慮した塑性流動性評価方法である。
特許文献7は、あらかじめ粒子法解析(MPS解析)によって添加材の注入・拡散状況を解析しておき、現場の状況に合わせて注入パターンを決定する方法である。
特許第4770472号公報 特許第5967426号公報 特開2015−169561号公報 特開2016−172955号公報 特開2017−20188号公報 特開2017−25480号公報 特願2016−211895号(現時点で未公開)
ところで、上記の特許文献2、6に記載の技術は、いずれも土圧変動の大きさ(標準偏差)から掘削土の塑性流動性を定性的に評価するものであるため、塑性流動性を定量的に評価することはできなかった。このため、掘削土の塑性流動性を定量的に評価することのできる技術が望まれていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、チャンバー内掘削土の塑性流動性を定量的に評価することのできる土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価方法、評価装置および土圧式シールド掘削機を提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価方法は、カッタースポーク側に設置された攪拌翼により、チャンバー内の掘削土を攪拌してこの掘削土に塑性流動性を付与し、この掘削土の土圧を切羽に作用させることによって切羽を安定化しつつ掘進を行う土圧式シールド工法に適用され、前記チャンバーを隔てた隔壁側に設置された土圧計により、前記チャンバー内の掘削土の土圧を計測し、計測した土圧に基づいて前記チャンバー内における前記掘削土の塑性流動性を評価する評価方法であって、掘進の前に、予め前記掘削土を模擬した硬軟の異なる泥土ごとに粘性測定試験を行って、この試験結果に基づいて各泥土ごとに解析モデル用の粘性パラメータを設定するステップと、設定した粘性パラメータを用いた流動解析により、前記チャンバー内における前記各泥土の塑性流動状態を解析し、この解析結果に基づいて、前記土圧計の設置位置の土圧変動を求めるステップと、求めた土圧変動に基づいて、施工管理用の管理値を設定するステップと、掘進時に、前記土圧計で計測した土圧に基づいて求めた土圧変動と前記管理値とに基づいて、前記チャンバー内における前記掘削土の塑性流動状態を評価するステップと、評価した塑性流動状態を可視化するステップとを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る他の土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価方法は、上述した発明において、前記掘削土が前記チャンバー内で最も硬くなる場合の前記掘削土に対応する前記泥土の前記流動解析により得られる土圧変動を施工管理用の上限値として設定し、掘進時に、前記土圧計で計測した土圧に基づいて求めた土圧変動を、前記上限値で除して塑性流動性指数を求め、求めた塑性流動性指数に基づいて、前記チャンバー内における前記掘削土の塑性流動状態を評価することを特徴とする。
また、本発明に係る他の土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価方法は、上述した発明において、前記流動解析は、前記泥土を粒子の集まりとして表現するとともに、この粒子の動きを計算によって解析する粒子法の解析対象とする一方、前記泥土を攪拌する前記チャンバー内の形状を多面体で近似して、この多面体をなす面を、前記粒子が通過しないように斥力が生じる仮想的な反発力を分布させた壁による剛体とするとともに、前記攪拌翼を移動可能な移動壁で表現した解析モデルを作成し、作成した前記解析モデルにおける前記泥土の塑性流動状態を流動解析することを特徴とする。
また、本発明に係る土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価装置は、カッタースポーク側に設置された攪拌翼により、チャンバー内の掘削土を攪拌してこの掘削土に塑性流動性を付与し、この掘削土の土圧を切羽に作用させることによって切羽を安定化しつつ掘進を行う土圧式シールド工法に適用され、前記チャンバーを隔てた隔壁側に設置された土圧計により、前記チャンバー内の掘削土の土圧を計測し、計測した土圧に基づいて前記チャンバー内における前記掘削土の塑性流動性を評価する評価装置であって、掘進の前に、予め前記掘削土を模擬した硬軟の異なる泥土ごとに行われる粘性測定試験の結果に基づいて各泥土ごとに解析モデル用の粘性パラメータを設定する手段と、設定した粘性パラメータを用いた流動解析により、前記チャンバー内における前記各泥土の塑性流動状態を解析し、この解析結果に基づいて、前記土圧計の設置位置の土圧変動を求める手段と、求めた土圧変動に基づいて、施工管理用の管理値を設定する手段と、掘進時に、前記土圧計で計測した土圧に基づいて求めた土圧変動と前記管理値とに基づいて、前記チャンバー内における前記掘削土の塑性流動状態を評価する手段と、評価した塑性流動状態を可視化する手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る他の土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価装置は、上述した発明において、前記掘削土が前記チャンバー内で最も硬くなる場合の前記掘削土に対応する前記泥土の前記流動解析により得られる土圧変動を施工管理用の上限値として設定し、掘進時に、前記土圧計で計測した土圧に基づいて求めた土圧変動を、前記上限値で除して塑性流動性指数を求め、求めた塑性流動性指数に基づいて、前記チャンバー内における前記掘削土の塑性流動状態を評価することを特徴とする。
また、本発明に係る他の土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価装置は、上述した発明において、前記流動解析は、前記泥土を粒子の集まりとして表現するとともに、この粒子の動きを計算によって解析する粒子法の解析対象とする一方、前記泥土を攪拌する前記チャンバー内の形状を多面体で近似して、この多面体をなす面を、前記粒子が通過しないように斥力が生じる仮想的な反発力を分布させた壁による剛体とするとともに、前記攪拌翼を移動可能な移動壁で表現した解析モデルを作成し、作成した前記解析モデルにおける前記泥土の塑性流動状態を流動解析することを特徴とする。
また、本発明に係る土圧式シールド掘削機は、カッタースポーク側に設置された攪拌翼により、チャンバー内の掘削土を攪拌してこの掘削土に塑性流動性を付与し、この掘削土の土圧を切羽に作用させることによって切羽を安定化しつつ掘進を行う土圧式シールド掘削機であって、上述した土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価装置を備えることを特徴とする。
本発明に係る土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価方法によれば、カッタースポーク側に設置された攪拌翼により、チャンバー内の掘削土を攪拌してこの掘削土に塑性流動性を付与し、この掘削土の土圧を切羽に作用させることによって切羽を安定化しつつ掘進を行う土圧式シールド工法に適用され、前記チャンバーを隔てた隔壁側に設置された土圧計により、前記チャンバー内の掘削土の土圧を計測し、計測した土圧に基づいて前記チャンバー内における前記掘削土の塑性流動性を評価する評価方法であって、掘進の前に、予め前記掘削土を模擬した硬軟の異なる泥土ごとに粘性測定試験を行って、この試験結果に基づいて各泥土ごとに解析モデル用の粘性パラメータを設定するステップと、設定した粘性パラメータを用いた流動解析により、前記チャンバー内における前記各泥土の塑性流動状態を解析し、この解析結果に基づいて、前記土圧計の設置位置の土圧変動を求めるステップと、求めた土圧変動に基づいて、施工管理用の管理値を設定するステップと、掘進時に、前記土圧計で計測した土圧に基づいて求めた土圧変動と前記管理値とに基づいて、前記チャンバー内における前記掘削土の塑性流動状態を評価するステップと、評価した塑性流動状態を可視化するステップとを備えるので、チャンバー内の掘削土の塑性流動性を定量的に評価することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価方法によれば、前記掘削土が前記チャンバー内で最も硬くなる場合の前記掘削土に対応する前記泥土の前記流動解析により得られる土圧変動を施工管理用の上限値として設定し、掘進時に、前記土圧計で計測した土圧に基づいて求めた土圧変動を、前記上限値で除して塑性流動性指数を求め、求めた塑性流動性指数に基づいて、前記チャンバー内における前記掘削土の塑性流動状態を評価するので、施工中のチャンバー内の掘削土が閉塞に近い塑性流動状態であるか否かを容易に判断することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価方法によれば、前記流動解析は、前記泥土を粒子の集まりとして表現するとともに、この粒子の動きを計算によって解析する粒子法の解析対象とする一方、前記泥土を攪拌する前記チャンバー内の形状を多面体で近似して、この多面体をなす面を、前記粒子が通過しないように斥力が生じる仮想的な反発力を分布させた壁による剛体とするとともに、前記攪拌翼を移動可能な移動壁で表現した解析モデルを作成し、作成した前記解析モデルにおける前記泥土の塑性流動状態を流動解析するので、解析対象が掘削土のような高粘度で大変形する流動体でも安定的に解析することができ、チャンバー内全体における掘削土の塑性流動状態を安定的に評価することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価装置によれば、カッタースポーク側に設置された攪拌翼により、チャンバー内の掘削土を攪拌してこの掘削土に塑性流動性を付与し、この掘削土の土圧を切羽に作用させることによって切羽を安定化しつつ掘進を行う土圧式シールド工法に適用され、前記チャンバーを隔てた隔壁側に設置された土圧計により、前記チャンバー内の掘削土の土圧を計測し、計測した土圧に基づいて前記チャンバー内における前記掘削土の塑性流動性を評価する評価装置であって、掘進の前に、予め前記掘削土を模擬した硬軟の異なる泥土ごとに行われる粘性測定試験の結果に基づいて各泥土ごとに解析モデル用の粘性パラメータを設定する手段と、設定した粘性パラメータを用いた流動解析により、前記チャンバー内における前記各泥土の塑性流動状態を解析し、この解析結果に基づいて、前記土圧計の設置位置の土圧変動を求める手段と、求めた土圧変動に基づいて、施工管理用の管理値を設定する手段と、掘進時に、前記土圧計で計測した土圧に基づいて求めた土圧変動と前記管理値とに基づいて、前記チャンバー内における前記掘削土の塑性流動状態を評価する手段と、評価した塑性流動状態を可視化する手段とを備えるので、チャンバー内の掘削土の塑性流動性を定量的に評価することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価装置によれば、前記掘削土が前記チャンバー内で最も硬くなる場合の前記掘削土に対応する前記泥土の前記流動解析により得られる土圧変動を施工管理用の上限値として設定し、掘進時に、前記土圧計で計測した土圧に基づいて求めた土圧変動を、前記上限値で除して塑性流動性指数を求め、求めた塑性流動性指数に基づいて、前記チャンバー内における前記掘削土の塑性流動状態を評価するので、施工中のチャンバー内の掘削土が閉塞に近い塑性流動状態であるか否かを容易に判断することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価装置によれば、前記流動解析は、前記泥土を粒子の集まりとして表現するとともに、この粒子の動きを計算によって解析する粒子法の解析対象とする一方、前記泥土を攪拌する前記チャンバー内の形状を多面体で近似して、この多面体をなす面を、前記粒子が通過しないように斥力が生じる仮想的な反発力を分布させた壁による剛体とするとともに、前記攪拌翼を移動可能な移動壁で表現した解析モデルを作成し、作成した前記解析モデルにおける前記泥土の塑性流動状態を流動解析するので、解析対象が掘削土のような高粘度で大変形する流動体でも安定的に解析することができ、チャンバー内全体における掘削土の塑性流動状態を安定的に評価することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る土圧式シールド掘削機によれば、カッタースポーク側に設置された攪拌翼により、チャンバー内の掘削土を攪拌してこの掘削土に塑性流動性を付与し、この掘削土の土圧を切羽に作用させることによって切羽を安定化しつつ掘進を行う土圧式シールド掘削機であって、上述した土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価装置を備えるので、チャンバー内の掘削土の塑性流動性を定量的に評価することのできる土圧式シールド掘削機を提供することができるという効果を奏する。
図1は、本発明に係る土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価方法、評価装置および土圧式シールド掘削機の実施の形態を示す概略フローチャート図である。 図2は、土圧計の設置位置の一例を示すチャンバーの概略図であり、(1)は正面図、(2)は側断面図である。 図3は、粘性測定試験結果の一例を示す図である。 図4は、粘性測定試験結果の一例を示す図である。 図5は、任意の点Pの塑性流動性の算定説明図である。 図6は、可視化表示されたディスプレイ画面の一例を示す図である。
以下に、本発明に係る土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価方法、評価装置および土圧式シールド掘削機の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
[土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価方法]
まず、本発明に係る土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価方法について説明する。
本発明に係る土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価方法は、カッタースポーク側に設置された攪拌翼により、チャンバー内の掘削土を攪拌してこの掘削土に塑性流動性を付与し、この掘削土の土圧を切羽に作用させることによって切羽を安定化しつつ掘進を行う土圧式シールド工法に適用され、チャンバーを隔てた隔壁側に設置された土圧計により、チャンバー内の掘削土の土圧を計測し、計測した土圧に基づいてチャンバー内における掘削土の塑性流動性を評価する評価方法であり、図1に示すような手順(ステップS1〜S5)により実施される。
ステップS1は、掘進の前に、予め掘削土を模擬した硬軟の異なる泥土ごとに粘性測定試験を行って、この試験結果に基づいて各泥土ごとに解析モデル用の粘性パラメータを設定するものである。
ステップS2は、設定した粘性パラメータを用いた流動解析により、チャンバー内における各泥土の塑性流動状態を解析し、この解析結果に基づいて、土圧計の設置位置の土圧変動を求めるものである。
ステップS3は、求めた土圧変動に基づいて、施工管理用の管理値を設定するものである。
ステップS4は、掘進時に、土圧計で計測した土圧に基づいて求めた土圧変動と管理値とに基づいて、チャンバー内における掘削土の塑性流動状態を評価するものである。
ステップS5は、評価した塑性流動状態を可視化するものである。
このようにすることで、チャンバー内の掘削土の塑性流動性を定量的に評価することができる。
ここで、チャンバー、攪拌翼、土圧計等の位置関係について図2を参照しながら説明する。なお、図2(2)においては、攪拌翼の一部と固定翼の図示を省略している。まず、図2(2)に示すように、チャンバー1は、カッタースポーク3と隔壁4とによって区画形成される。図2(1)および(2)に示すように、攪拌翼2は、チャンバー1内に突出するようにカッタースポーク3の背部に設置される。一方、土圧計5は、隔壁4に設置される。土圧計5は、半径方向外側の攪拌翼2の回転軸心Z周りの回転軌跡である円の周方向を略12等分する位置と、半径方向内側の攪拌翼2の回転軌跡である円の周方向を略4等分する位置とに分散配置される。このため図の例では16個の土圧計5が設置される。固定翼6は、チャンバー1内に突出するように隔壁4に設置される。
次に、本発明による具体的な塑性流動性の評価手順を説明する。
(粒子法解析に用いる泥土の粘性パラメータの設定)
まず、掘進前のステップS1では、想定されうる範囲の泥土を用いて粘性測定試験を行い、粘性パラメータを決定する。想定されうる範囲の泥土としては、例えばスクリューコンベアから噴発する程度の軟らかい土から、チャンバー内で再圧密して硬くなった土を想定することができる。この粘性測定試験に用いる泥土試料は原位置でサンプリングされたものが好ましい。
次に、採取した泥土試料を、例えば下表の管理基準となる状態を目安として調整する。
Figure 0006905364
続いて、レオメータ等を用いて泥土試料の粘性測定試験を行い、各状態における泥土試料のせん断速度とせん断応力の関係、せん断速度と塑性粘度の関係を取得する。
余力があれば、他の状態(例えば中間の状態)の泥土試料を作製して粘性測定試験を行うとともに、コーン貫入試験を実施してコーン指数等を評価しておいてもよい。このようにすると、後に泥土の状態をより定量的に把握できるようになるので好ましい。
後述の流動解析(粒子法解析)に用いる泥土の粘性モデルとしては、非ニュートン流体であるビンガム流体、もしくはパワーローモデル等を用いるのが好ましい。どちらのモデルを使うかは、泥土試料の粘性測定試験結果を見て総合的に判断すればよい。図3および図4は、粘性測定試験結果の一例を示したものである。図3はせん断速度とせん断応力の関係、図4はせん断速度と塑性粘度の関係である。この例では、Aはビンガム流体としてモデル化してもよいが、Bはパワーローモデルとした方が低せん断速度領域で高粘度な状態も適切に考慮できるため好ましいことがわかる。
泥土をビンガム流体としてモデル化する場合は、降伏値と塑性粘度を粘性パラメータとして用いる。一方、パワーローモデルとしてモデル化する場合は、粘性測定試験で得られるせん断速度とせん断応力の関係を近似的に表す式の係数を粘性パラメータとして用いる。このようにして、次のステップS2の流動解析に用いる泥土の粘性パラメータを設定しておく。
(流動解析)
次のステップS2では、上記のステップS1で設定した泥土の粘性パラメータを用いて流動解析を実行する。流動解析の方法としては、例えば上記の特許文献5に記載の粒子法解析による方法を用いることができる。この場合、泥土を粒子の集まりとして表現するとともに、この粒子の動きを計算によって解析する粒子法の解析対象としてモデル化する。泥土は、上記のステップS1で設定した粘性パラメータが付与された流動体でモデル化する。
一方、泥土を攪拌するチャンバー内の形状をポリゴン(多面体)で近似して、ポリゴンをなす面を、粒子が通過しないように斥力が生じる仮想的な反発力を分布させた壁による剛体とする解析モデルを作成する。ここで、チャンバーを形成する外壁の部分は固定ポリゴン壁で、攪拌部材は移動ポリゴン壁(移動壁)で表現する。この移動ポリゴン壁は、回転軸の周りに回転移動可能である。そして、作成した解析モデルにおける泥土の塑性流動状態をコンピュータを用いて流動解析する。
(施工管理時の上限値の決定)
次のステップS3では、上記のステップS2の解析結果より、土圧計の設置位置ごとに土圧の時刻歴の変化を取得し、この変化に基づいて土圧変動(標準偏差)を求める。ここで、チャンバー内で最大限硬くなる状態(チャンバー内で再圧密されて、シールドマシンに固着する程度の硬い泥土)での土圧変動を施工管理における上限値と定めることが好ましい。
このように、土圧計ごとに土圧変動の上限値を設定しておくことで、土圧計の設置位置ごとの影響も考慮できる。これにより、上記の特許文献6に記載したような課題も解決することが可能となる。すなわち、攪拌翼と土圧計の離隔距離や通過速度といった攪拌条件によって土圧変動幅が異なるので、土圧計間で相互に比較できず、攪拌条件が異なる場合の土圧変動の違いを考慮できないといった課題も解決することが可能となる。
(施工時の管理方法:可視化方法)
施工時の土圧変動値(標準偏差)を、上記のステップで設定した上限値で除した値を、塑性流動性指数Vi と定義する。ここで、Vi は0〜1の範囲の値であり、下添え字iは土圧計の番号を表している。
施工時のステップS4では、カッターを回転しながら、図5に示すように、各土圧計の設置位置での塑性流動性指数Vi をリアルタイムに求めるとともに、このVi を用いてチャンバー内掘削土の任意の点Pの塑性流動性指数VP をリアルタイムに求める。VP の算定式として、例えば、VP =Σ(αi ×Vi )を用いてもよい。ここで、αi は番号iの土圧計に関する重み係数である。重み係数αi は、例えばクリギング等の手法によって求めることができる。
次のステップS5では、求めた塑性流動性指数VP に対応する情報を、従来の場合と同様に、チャンバー全体の状況とともにコンピュータのディスプレイなどの画面に可視化表示する。
図6は、可視化表示された画面の一例である。画面左側には、チャンバーを正面から見た断面図が表示され、画面右側には、各種データ7(土圧、カッタートルク、ジャッキストローク、掘進速度等)と、各土圧計で計測された土圧の時間波形8がリアルタイムに表示されている。また、画面左側の上部には、カッターの回転方向9が表示され、その下側のチャンバー10の図には、チャンバー内掘削土の塑性流動状態が各点の塑性流動性指数に応じた色でリアルタイムに表示されており、さらに土圧計の位置11、カッターの現在位置12が表示されている。このチャンバー図の例では、土圧変動が大きい場合、つまり流動性が小さい(硬い)場合は例えば赤色で表示し、土圧変動が小さい場合、つまり流動性が大きい(軟らかい)場合は例えば青色で表示する。土圧変動の大小については、例えば色の濃淡の違いで表現する。
このようにして、チャンバー内掘削土の塑性流動状態が各点の塑性流動性指数に応じた色でリアルタイムに可視化表示される。この画面表示を見た施工管理者は、チャンバー内掘削土の状態が閉塞に近い粘性状態であるか否かを、従来の方法に比べて容易に判断することができる。なお、従来の方法では、土圧変動(標準偏差)をディスプレイ画面等に直接表示するのみであった。
施工管理者は、カッター回転時にディスプレイの表示内容を監視することで、チャンバー内の掘削土の塑性流動性をリアルタイムに精度良く連続的に把握することができ、それに基づき適切な塑性流動性管理、および切羽土圧管理を行いつつ掘削を行うことが可能である。これにより、シールド掘進時の周辺地盤への影響を低減することができる。例えば、施工管理者はこの画面表示を見ながら、塑性流動性指数Vi が1を超えないように施工管理してもよい。このようにすれば、チャンバー内掘削土のシールドマシンへの固着による不具合を回避することができる。
このように、本実施の形態によれば、掘進時に予想される各土圧計の土圧変動値(標準偏差)を、事前の粒子法解析により泥土の硬軟の状態ごとにいくつか推定しておき、掘進時に、解析による推定値と各土圧計の実測値とを照らし合わせることで、現在の塑性流動性がどの程度のものかを定量的に把握することができる。
また、本実施の形態によれば、施工時に計測される土圧変動から、施工管理基準の目安となる塑性流動状態であるか否かを定量的に評価できるようになる。また、上記の粒子法解析を用いることで、土圧計の設置位置による土圧変動の違いも考慮した形で塑性流動性の評価が可能となる。これにより、上記の特許文献6に記載の課題も解決することができる。
特に、大深度トンネルでは、チャンバー内掘削土のシールドマシンへの固着が問題となりやすい土丹層に遭遇する機会が増大すると考えられる。本発明はこうした施工環境下での施工管理に顕著な効果を発揮する。
[土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価装置]
次に、本発明に係る土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価装置について説明する。
本発明に係る土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価装置は、上記の本発明に係る土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価方法を装置として具現化したものであり、例えばCPUを有するコンピュータ、メモリ、ディスプレイ等のハードウェアにより構成することができる。
本発明に係る土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価装置によれば、現在の塑性流動性がどの程度のものかを定量的に把握することができる。
[土圧式シールド掘削機]
次に、本発明に係る土圧式シールド掘削機について説明する。
本発明に係る土圧式シールド掘削機は、カッタースポーク側に設置された攪拌翼により、チャンバー内の掘削土を攪拌してこの掘削土に塑性流動性を付与し、この掘削土の土圧を切羽に作用させることによって切羽を安定化しつつ掘進を行う土圧式シールド掘削機であって、上記の本発明の土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価装置を備えたものである。したがって、本発明によれば、上記の塑性流動性評価装置で説明したものと同様の作用効果を奏することができる。
以上説明したように、本発明に係る土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価方法によれば、カッタースポーク側に設置された攪拌翼により、チャンバー内の掘削土を攪拌してこの掘削土に塑性流動性を付与し、この掘削土の土圧を切羽に作用させることによって切羽を安定化しつつ掘進を行う土圧式シールド工法に適用され、前記チャンバーを隔てた隔壁側に設置された土圧計により、前記チャンバー内の掘削土の土圧を計測し、計測した土圧に基づいて前記チャンバー内における前記掘削土の塑性流動性を評価する評価方法であって、掘進の前に、予め前記掘削土を模擬した硬軟の異なる泥土ごとに粘性測定試験を行って、この試験結果に基づいて各泥土ごとに解析モデル用の粘性パラメータを設定するステップと、設定した粘性パラメータを用いた流動解析により、前記チャンバー内における前記各泥土の塑性流動状態を解析し、この解析結果に基づいて、前記土圧計の設置位置の土圧変動を求めるステップと、求めた土圧変動に基づいて、施工管理用の管理値を設定するステップと、掘進時に、前記土圧計で計測した土圧に基づいて求めた土圧変動と前記管理値とに基づいて、前記チャンバー内における前記掘削土の塑性流動状態を評価するステップと、評価した塑性流動状態を可視化するステップとを備えるので、チャンバー内の掘削土の塑性流動性を定量的に評価することができる。
また、本発明に係る他の土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価方法によれば、前記掘削土が前記チャンバー内で最も硬くなる場合の前記掘削土に対応する前記泥土の前記流動解析により得られる土圧変動を施工管理用の上限値として設定し、掘進時に、前記土圧計で計測した土圧に基づいて求めた土圧変動を、前記上限値で除して塑性流動性指数を求め、求めた塑性流動性指数に基づいて、前記チャンバー内における前記掘削土の塑性流動状態を評価するので、施工中のチャンバー内の掘削土が閉塞に近い塑性流動状態であるか否かを容易に判断することができる。
また、本発明に係る他の土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価方法によれば、前記流動解析は、前記泥土を粒子の集まりとして表現するとともに、この粒子の動きを計算によって解析する粒子法の解析対象とする一方、前記泥土を攪拌する前記チャンバー内の形状を多面体で近似して、この多面体をなす面を、前記粒子が通過しないように斥力が生じる仮想的な反発力を分布させた壁による剛体とするとともに、前記攪拌翼を移動可能な移動壁で表現した解析モデルを作成し、作成した前記解析モデルにおける前記泥土の塑性流動状態を流動解析するので、解析対象が掘削土のような高粘度で大変形する流動体でも安定的に解析することができ、チャンバー内全体における掘削土の塑性流動状態を安定的に評価することができる。
また、本発明に係る土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価装置によれば、カッタースポーク側に設置された攪拌翼により、チャンバー内の掘削土を攪拌してこの掘削土に塑性流動性を付与し、この掘削土の土圧を切羽に作用させることによって切羽を安定化しつつ掘進を行う土圧式シールド工法に適用され、前記チャンバーを隔てた隔壁側に設置された土圧計により、前記チャンバー内の掘削土の土圧を計測し、計測した土圧に基づいて前記チャンバー内における前記掘削土の塑性流動性を評価する評価装置であって、掘進の前に、予め前記掘削土を模擬した硬軟の異なる泥土ごとに行われる粘性測定試験の結果に基づいて各泥土ごとに解析モデル用の粘性パラメータを設定する手段と、設定した粘性パラメータを用いた流動解析により、前記チャンバー内における前記各泥土の塑性流動状態を解析し、この解析結果に基づいて、前記土圧計の設置位置の土圧変動を求める手段と、求めた土圧変動に基づいて、施工管理用の管理値を設定する手段と、掘進時に、前記土圧計で計測した土圧に基づいて求めた土圧変動と前記管理値とに基づいて、前記チャンバー内における前記掘削土の塑性流動状態を評価する手段と、評価した塑性流動状態を可視化する手段とを備えるので、チャンバー内の掘削土の塑性流動性を定量的に評価することができる。
また、本発明に係る他の土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価装置によれば、前記掘削土が前記チャンバー内で最も硬くなる場合の前記掘削土に対応する前記泥土の前記流動解析により得られる土圧変動を施工管理用の上限値として設定し、掘進時に、前記土圧計で計測した土圧に基づいて求めた土圧変動を、前記上限値で除して塑性流動性指数を求め、求めた塑性流動性指数に基づいて、前記チャンバー内における前記掘削土の塑性流動状態を評価するので、施工中のチャンバー内の掘削土が閉塞に近い塑性流動状態であるか否かを容易に判断することができる。
また、本発明に係る他の土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価装置によれば、前記流動解析は、前記泥土を粒子の集まりとして表現するとともに、この粒子の動きを計算によって解析する粒子法の解析対象とする一方、前記泥土を攪拌する前記チャンバー内の形状を多面体で近似して、この多面体をなす面を、前記粒子が通過しないように斥力が生じる仮想的な反発力を分布させた壁による剛体とするとともに、前記攪拌翼を移動可能な移動壁で表現した解析モデルを作成し、作成した前記解析モデルにおける前記泥土の塑性流動状態を流動解析するので、解析対象が掘削土のような高粘度で大変形する流動体でも安定的に解析することができ、チャンバー内全体における掘削土の塑性流動状態を安定的に評価することができる。
また、本発明に係る土圧式シールド掘削機によれば、カッタースポーク側に設置された攪拌翼により、チャンバー内の掘削土を攪拌してこの掘削土に塑性流動性を付与し、この掘削土の土圧を切羽に作用させることによって切羽を安定化しつつ掘進を行う土圧式シールド掘削機であって、上述した土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価装置を備えるので、チャンバー内の掘削土の塑性流動性を定量的に評価することのできる土圧式シールド掘削機を提供することができる。
以上のように、本発明に係る土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価方法、評価装置および土圧式シールド掘削機は、カッタースポーク側に設置された攪拌翼により、チャンバー内の掘削土を攪拌してこの掘削土に塑性流動性を付与し、この掘削土の土圧を切羽に作用させることによって切羽を安定化しつつ掘進を行う土圧式シールド工法に有用であり、特に、掘削土の塑性流動性を定量的に評価するのに適している。
1 チャンバー
2 攪拌翼
3 カッタースポーク
4 隔壁
5 土圧計
6 固定翼
7 各種データ
8 時間波形
9 カッターの回転方向
10 チャンバー
11 土圧計の位置
12 カッターの現在位置
Z 回転軸心

Claims (7)

  1. カッタースポーク側に設置された攪拌翼により、チャンバー内の掘削土を攪拌してこの掘削土に塑性流動性を付与し、この掘削土の土圧を切羽に作用させることによって切羽を安定化しつつ掘進を行う土圧式シールド工法に適用され、前記チャンバーを隔てた隔壁側に設置された土圧計により、前記チャンバー内の掘削土の土圧を計測し、計測した土圧に基づいて前記チャンバー内における前記掘削土の塑性流動性を評価する評価方法であって、
    掘進の前に、予め前記掘削土を模擬した硬軟の異なる泥土ごとに行われた粘性測定試験の結果に基づいて各泥土ごとに解析モデル用の粘性パラメータをコンピュータを用いて設定し、
    設定した粘性パラメータを用いたコンピュータによる流動解析により、前記チャンバー内における前記各泥土の塑性流動状態を解析し、この解析結果に基づいて、前記土圧計の設置位置の土圧変動をコンピュータを用いてめ、
    求めた土圧変動に基づいて、施工管理用の管理値をコンピュータを用いて設定し、
    掘進時に、前記土圧計で計測した土圧に基づいて求めた土圧変動と前記管理値とに基づいて、前記チャンバー内における前記掘削土の塑性流動状態をコンピュータを用いて評価し、
    評価した塑性流動状態をコンピュータを用いて可視化することを特徴とする土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価方法。
  2. 前記掘削土が前記チャンバー内で最も硬くなる場合の前記掘削土に対応する前記泥土の前記流動解析により得られる土圧変動を施工管理用の上限値として設定し、
    掘進時に、前記土圧計で計測した土圧に基づいて求めた土圧変動を、前記上限値で除して塑性流動性指数を求め、求めた塑性流動性指数に基づいて、前記チャンバー内における前記掘削土の塑性流動状態を評価することを特徴とする請求項1に記載の土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価方法。
  3. 前記流動解析は、前記泥土を粒子の集まりとして表現するとともに、この粒子の動きを計算によって解析する粒子法の解析対象とする一方、
    前記泥土を攪拌する前記チャンバー内の形状を多面体で近似して、この多面体をなす面を、前記粒子が通過しないように斥力が生じる仮想的な反発力を分布させた壁による剛体とするとともに、前記攪拌翼を移動可能な移動壁で表現した解析モデルを作成し、
    作成した前記解析モデルにおける前記泥土の塑性流動状態を流動解析することを特徴とする請求項1または2に記載の土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価方法。
  4. カッタースポーク側に設置された攪拌翼により、チャンバー内の掘削土を攪拌してこの掘削土に塑性流動性を付与し、この掘削土の土圧を切羽に作用させることによって切羽を安定化しつつ掘進を行う土圧式シールド工法に適用され、前記チャンバーを隔てた隔壁側に設置された土圧計により、前記チャンバー内の掘削土の土圧を計測し、計測した土圧に基づいて前記チャンバー内における前記掘削土の塑性流動性を評価する評価装置であって、
    掘進の前に、予め前記掘削土を模擬した硬軟の異なる泥土ごとに行われる粘性測定試験の結果に基づいて各泥土ごとに解析モデル用の粘性パラメータを設定する手段と、
    設定した粘性パラメータを用いた流動解析により、前記チャンバー内における前記各泥土の塑性流動状態を解析し、この解析結果に基づいて、前記土圧計の設置位置の土圧変動を求める手段と、
    求めた土圧変動に基づいて、施工管理用の管理値を設定する手段と、
    掘進時に、前記土圧計で計測した土圧に基づいて求めた土圧変動と前記管理値とに基づいて、前記チャンバー内における前記掘削土の塑性流動状態を評価する手段と、
    評価した塑性流動状態を可視化する手段とを備えることを特徴とする土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価装置。
  5. 前記掘削土が前記チャンバー内で最も硬くなる場合の前記掘削土に対応する前記泥土の前記流動解析により得られる土圧変動を施工管理用の上限値として設定し、
    掘進時に、前記土圧計で計測した土圧に基づいて求めた土圧変動を、前記上限値で除して塑性流動性指数を求め、求めた塑性流動性指数に基づいて、前記チャンバー内における前記掘削土の塑性流動状態を評価することを特徴とする請求項4に記載の土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価装置。
  6. 前記流動解析は、前記泥土を粒子の集まりとして表現するとともに、この粒子の動きを計算によって解析する粒子法の解析対象とする一方、
    前記泥土を攪拌する前記チャンバー内の形状を多面体で近似して、この多面体をなす面を、前記粒子が通過しないように斥力が生じる仮想的な反発力を分布させた壁による剛体とするとともに、前記攪拌翼を移動可能な移動壁で表現した解析モデルを作成し、
    作成した前記解析モデルにおける前記泥土の塑性流動状態を流動解析することを特徴とする請求項4または5に記載の土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価装置。
  7. カッタースポーク側に設置された攪拌翼により、チャンバー内の掘削土を攪拌してこの掘削土に塑性流動性を付与し、この掘削土の土圧を切羽に作用させることによって切羽を安定化しつつ掘進を行う土圧式シールド掘削機であって、
    請求項4〜6のいずれか一つに記載の土圧式シールド工法におけるチャンバー内掘削土の塑性流動性評価装置を備えることを特徴とする土圧式シールド掘削機。
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