JP6904910B2 - Dna検査用チップ、dna検査方法、dna検査システム、及びdna検査チップ制御装置 - Google Patents

Dna検査用チップ、dna検査方法、dna検査システム、及びdna検査チップ制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、DNA検査用チップ、DNA検査方法、DNA検査システム、及びDNA検査チップ制御装置に関する。
犯罪捜査における容疑者の特定や、親子鑑定に用いられるDNA(deoxyribonucleic acid)検査技術が知られている。例えば、容疑者特定では、犯罪現場に残された血痕中のDNAと、容疑者のDNAとの間で、複数の遺伝子座(loci)におけるSTR(Short Tandem Repeat)配列中のリピート数が一致するか否かが判定される。また、DNA検査に用いられるマイクロチップも開発されている(特許文献1)。
国際公開第2009/119698号
以下の分析は、本発明の観点からなされたものである。なお、上記先行技術文献の開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。
上記のDNA検査技術において、各遺伝子座のSTR配列中のリピート数を測定するためには、遺伝子座ごとに個別にPCR(Polymerase Chain Reaction)及び電気泳動を行う必要がある。何故なら、複数の遺伝子座に対するPCR及び電気泳動を一括で行う(例えばPCRを1本のPCRチューブ内で行い、1本のキャピラリを用いて電気泳動する)と、検出ピークがいずれの遺伝子座に由来するものなのかを特定できないためである。STR配列中のリピート数は、遺伝子座毎に特定されなければ意味がない。このように、上記のDNA検査技術では、複雑な処理工程及び処理機構を必要としており、より簡単な処理工程及び処理機構でDNA検査を実行する技術に対するニーズがあった。
そこで、本発明では、簡単な処理工程及び処理機構でDNA検査を実行することが可能なDNA検査用チップ、方法、システム、及び装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の視点によれば、PCR反応液が注入されるチャンバと、センサとを含み、チャンバは、1本鎖DNAが固相化されるスポットが複数配列される領域を含み、複数配列されたスポットは、対応する遺伝子座及びリピート数の組み合わせがそれぞれ異なるように設けられ、1本鎖DNAは、前記スポットの各々に対応する遺伝子座及びリピート数のSTR配列を含み、センサは、各スポット上の1本鎖DNAに対して、前記PCR反応液中の相補的な1本鎖DNAが水素結合しているか否かを判定するためのものである、DNA検査用チップが提供される。
本発明の第2の視点によれば、DNA検査用チップを使用するDNA検査方法であって、該DNA検査用チップを用意する工程を含み、DNA検査用チップは、PCR反応液が注入されるチャンバと、センサとを含み、チャンバは、1本鎖DNAが固相化されるスポットが複数配列される領域を含み、複数配列されたスポットは、対応する遺伝子座及びリピート数の組み合わせがそれぞれ異なるように設けられ、1本鎖DNAは、前記スポットの各々に対応する遺伝子座及びリピート数のSTR配列を含み、センサは、各スポット上の1本鎖DNAに対して、PCR反応液中の相補的な1本鎖DNAが水素結合しているか否かを判定するためのものであり、DNA検査方法は更に、チャンバへ前記PCR反応液を注入する工程と、各スポット上の1本鎖DNAに対して、前記PCR反応液中の相補的な1本鎖DNAが水素結合しているか否かを判定する工程と、を含むDNA検査方法が提供される。
本発明の第3の視点によれば、DNA検査用チップと、DNA検査チップ制御装置とを含むDNA検査システムであって、DNA検査用チップは、PCR反応液が注入されるチャンバと、センサとを含み、チャンバは、1本鎖DNAが固相化されるスポットが複数配列される領域を含み、複数配列されたスポットは、対応する遺伝子座及びリピート数の組み合わせがそれぞれ異なるように設けられ、1本鎖DNAは、スポットの各々に対応する遺伝子座及びリピート数のSTR配列を含み、センサは、各スポット上の1本鎖DNAに対して、PCR反応液中の相補的な1本鎖DNAが水素結合しているか否かを判定するためのものであり、DNA検査チップ制御装置が、チャンバへPCR反応液を注入する処理と、各スポット上の1本鎖DNAに対して、PCR反応液中の相補的な1本鎖DNAが水素結合しているか否かを判定する処理とを実行するDNA検査システムが提供される。
本発明の第4の視点によれば、DNA検査用チップを使用してDNA検査を実行するDNA検査チップ制御装置であって、DNA検査用チップは、PCR反応液が注入されるチャンバと、センサとを含み、チャンバは、1本鎖DNAが固相化されるスポットが複数配列される領域を含み、複数配列されたスポットは、対応する遺伝子座及びリピート数の組み合わせがそれぞれ異なるように設けられ、1本鎖DNAは、スポットの各々に対応する遺伝子座及びリピート数のSTR配列を含み、センサは、各スポット上の1本鎖DNAに対して、PCR反応液中の相補的な1本鎖DNAが水素結合しているか否かを判定するためのものであり、チャンバへPCR反応液を注入する処理と、各スポット上の1本鎖DNAに対して、PCR反応液中の相補的な1本鎖DNAが水素結合しているか否かを判定する処理とを実行するDNA検査チップ制御装置が提供される。
本発明の各視点によれば、簡単な処理工程及び処理機構でDNA検査を実行することに寄与するDNA検査用チップ、方法、システム、及び装置が提供される。
一実施形態に係るDNA検査用チップ100の概要を説明するための図である。 一実施形態に係るDNA検査用チップ100の概要のPCR反応液注入前を説明するための図である。 一実施形態に係るDNA検査用チップ100の概要のPCR反応液注入時を説明するための図である。 一実施形態に係るDNA検査用チップ100の概要の洗浄後を説明するための図である。 DNA検査用チップ100の具体的な一例を示す図である。 DNA調製チップ101上での流路制御機構を説明するための図である。 DNA調製チップ101上での流路制御機構の一状態を説明するための図である。 DNA調製チップ101上での流路制御機構の別の状態を説明するための図である。 DNA検査用チップ100の構成の一例を示す図である。 スワブ受容部116の構成の一例を示す図である。 検査チップ102の構成の一例の外観を示す図である。 検査チップ102の構成の一例の詳細を示す図である。 検査チップ102の構成の一例の断面を示す図である。 DNA検査チップ制御装置200の一例を示す図である。 コントローラ223の構成を示すブロック図である。 RAM253に格納される情報の一例を示す図である。 表示部222に表示される情報の一例を示す図である。 ROM252に格納される情報の一例を示す図である。 遊離1本鎖DNA162の配列を説明するための図である。 固相化1本鎖DNA161の配列を説明するための図である。 DNA検査チップ制御装置200による処理の流れを説明するフローチャートである。 第2の実施形態に係る検査チップ102の一例を示す図である。 SPRセンサの検出原理を説明するための図である。 SPRセンサの検出原理を説明するための別の図である。 FRETセンサの検出原理を説明するための第1の図である。 FRETセンサの検出原理を説明するための第2の図である。 FRETセンサの検出原理を説明するための第3の図である。 FRETセンサの検出原理を説明するための第4の図である。 FRETセンサの検出原理を説明するための第5の図である。
(第1の実施形態)
本発明のとり得る好適な実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の記載に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。
先ず、一実施形態に係るDNA検査用チップの概要を説明する。図1に示すように、DNA検査用チップ100は、PCR反応液が注入される検出チャンバ槽134とセンサ150とを含む。検出チャンバ槽134は、1本鎖DNAが固相化されるスポット160が複数配列される領域を含み、当該スポット160は、例えば図1に示すように、対応する遺伝子座及びリピート数の組み合わせがそれぞれ異なるように設けられる。なお以下では、遺伝子座Aとリピート数nとに対応するスポット160を、「スポット(A,n)」ないし単に「(A,n)」と記載する。
スポット160上に固相化した固相化1本鎖DNA161は、スポット160の各々に対応する遺伝子座及びリピート数のSTR配列を含む。なお以下では、固相化1本鎖DNA161を「SP−ssDNA(Solid-Phase single strand DNA)」と記載し、遺伝子座Aとリピート数nとに対応するSP−ssDNAを「SP−ssDNA(A,n)」と記載する。
センサ150は、DNA検査チップ制御装置内のコントローラ223に接続される。コントローラ223は、センサ150を介して各スポット160上の固相化1本鎖DNA161に対して、PCR反応液中の相補的な1本鎖DNAが水素結合しているか否かを判定する。なお、PCR反応液中に遊離状態(free)で存在する遊離1本鎖DNA162を「free−ssDNA」と記載し、遺伝子座Aとリピート数nとに対応するfree−ssDNAを「free−ssDNA(A,n)」と記載する。
次に、図2を用いて、DNA検査用チップ100を用いたDNA検査を概念的に説明する。図2Aに示すように、検出チャンバ槽134の底面には、遺伝子座Aに対応するスポット(A,n−1)、(A,n)、(A,n+1)と、遺伝子座Bに対応するスポット(B,n−1)、(B,n)、(B,n+1)とが配列されている。PCR反応液は、遺伝子座A及び遺伝子座Bに対して一括でPCRを行い、更に変性処理を行うことによって調製され、free−ssDNA(A,n)、(B,n−1)を含む。
検出チャンバ槽134の中に上記のPCR反応液を注入すると、図2Bに示すように、free−ssDNA(A,n)は、SP−ssDNA(A,n−1)、(A,n)、(A,n+1)に対して水素結合する。この時、free−ssDNA(A,n)とSP−ssDNA(A,n)は、配列長が同一であるため、スポット(A,n)上には、ブラント(blunt:平滑)な2本鎖DNAが生じる。free−ssDNA(A,n)はSP−ssDNA(A,n+1)よりも1リピート分の配列が不足しており、SP−ssDNA(A,n−1)よりも1リピート分の配列が多い。そのため、スポット(A,n−1)、(A,n+1)上には、突出末端部を含むオーバーハング(overhung)した2本鎖DNA、又はバブル構造の2本鎖DNAが生じる。一方で、free−ssDNA(A,n)と、SP−ssDNA(B,n−1)、(B,n)、(B,n+1)とは相補的でないため、2本鎖DNAを生じない。
同様に、free−ssDNA(B,n−1)は、スポット(B,n−1)上にブラントな2本鎖DNAをもたらし、スポット(B,n)、(B,n+1)上にオーバーハングした2本鎖DNA又はバブル構造の2本鎖DNAをもたらす。
図2Bに示す状態において検出チャンバ槽134を洗浄すると、オーバーハングしたDNA及びバブル構造のDNAは、それらの1本鎖部分に起因して水素結合が解除される。
すなわち、SP−ssDNA(A,n−1)、(A,n+1)からfree−ssDNA(A,n)が遊離し、SP−ssDNA(B,n)、(B,n+1)からfree−ssDNA(B,n−1)が遊離する。その結果、図2Cに示すように、各スポット160のSP−ssDNAは、SP−ssDNA単独に戻った状態か、又はブラントな2本鎖DNAになった状態に至る。
図2Cに示す状態で、コントローラ223は、センサ150を介して各スポット160上のSP−ssDNAに対して、PCR反応液中の相補的なfree−ssDNAが水素結合しているか否か(すなわち、2本鎖DNAの有無)を判定する。センサ150は、例えば、QCM(Quartz Crystal Microbalance)センサ、SPR(Surface Plasmon Resonance)センサ、又はFRET(Fluorescence Resonance Energy Transfer)センサである。この時に、コントローラ223は、スポット(A,n)、(B,n−1)においてポジティブな判定結果を得る。つまり、PCR反応液中にfree−ssDNA(A,n)、(B,n−1)が含まれていたことが分かる。
このように、DNA検査用チップ100を用いれば、簡単な処理工程及び処理機構でDNA検査を実行することができる。
また、DNA検査用チップ100を用いたDNA検査では、複数の遺伝子座に対するPCRを一括で行った場合であっても、各遺伝子座におけるSTR配列中のリピート数を測定することができる。そのため、サンプルの分注などDNA検査における手間を削減することができる。
また、そもそもDNA検査用チップ100では、STR配列中のリピート数は、配列長ではなく、配列相補性に基づいて測定される。そのためDNA検査用チップ100は、電気泳動のための構成要素(キャピラリなど)を必要とせず、コスト削減や小サイズ化という点で有用であり得る。
(第2の実施形態)





先ず、第2の実施形態として、DNA検査用チップ100、及び、DNA検査用チップ100を制御する、DNA検査チップ制御装置200の一例を説明する。図3に示すように、DNA検査用チップ100は、DNA調製チップ101と検査チップ102とを組み合わせて形成される。DNA調製チップ101は、弾性シート111〜114と、樹脂プレート115とを積層してなる。樹脂プレート115上には、スワブ受容部116が取り付けられるとともに、樹脂プレート115を貫通する各種制御孔117が設けられる。
弾性シート111〜114は、耐熱性、耐酸・アルカリ性を有し、かつ伸縮性を有するシリコンゴム等を主材料とする。樹脂プレート115は、弾性シート111〜114の伸張を制御可能な程度に硬質であることが望ましい。弾性シート111〜114の一部は非接着であり、非接着箇所によって後述する流路120、液体槽121、バルブ機構123などが形成される。なお、以降の図面において非接着箇所は破線で示される。
ここで、図4A、4B、4Cを用いて、DNA調製チップ101の基本的な構造と、流路制御機構の一例を説明する。図4Aに示すように、DNA調製チップ101は、DNA検査チップ制御装置200の蓋213が樹脂プレート115を覆うように配設される。DNA調製チップ101の弾性シート113と弾性シート114の間には非接着箇所が設けられ、流路120A〜C及び液体槽121A、Bとなる部分が配される。樹脂プレート115において液体槽121A、Bに対応する箇所は貫通して制御孔117A、Bとなっており、DNA検査チップ制御装置200の蓋213に設けられた加圧穴214A、Bを介して加圧媒体(空気など)が出し入れされる。
また、DNA調製チップ101の弾性シート111と弾性シート112の間には、バルブ機構123A、Cとなる部分が配される。バルブ機構123A、Cは、流路120A、Cにそれぞれ対応し、樹脂プレート115、弾性シート112〜114を貫通する制御孔117(図示しない)と、蓋213に設けられた加圧穴214(図示しない)とを介して加圧媒体が出し入れされる。更に弾性シート112と弾性シート113の間には、バルブ機構123Bとなる部分が配される。バルブ機構123Bは、流路120Bに対応し、樹脂プレート115、弾性シート113、114を貫通する制御孔117(図示しない)と、蓋213に設けられた加圧穴214(図示しない)とを介して加圧媒体が出し入れされる。
図4Aは、液体槽121Aに液体が注入されている状態を示す。この時、バルブ機構123A〜Cには加圧媒体が注入されており、バルブ機構123A〜Cが膨張することによって弾性シート113が押し上げられ、流路120A〜Cが閉じられている。
図4Aに示す状態から、バルブ機構123B内の加圧媒体を放出して流路120Bを開き、制御孔117Aへ加圧媒体を注入すると、図4Bに示すように、液体槽121A内の液体は、流路120Bを通って液体槽121Bへ到達する。すなわち、液体槽121A内の液体は、弾性シート113を押し下げて流路120Bを形成しつつ下流へ移動し、弾性シート114を押し上げて液体槽121Bを形成して、液体槽121B内に溜まる。
その後、バルブ機構123B内へ上流側(すなわち、液体槽121A側)から、加圧媒体を注入すると、図4Cに示すように、流路120B内の液体が液体槽121Bへ押し出される。このように、DNA調製チップ101上では流路制御及び液体輸送が行われる。
図5は、DNA検査用チップ100における、流路120、液体槽121等の配置を示す図である。図5に示すように、DNA検査用チップ100には、液体槽としての、バッファ・試薬槽131、DNA抽出槽132、PCR槽133、検出チャンバ槽134及び洗浄バッファ槽135が配され、更に、サンプル注入孔136及び排液孔137が設けられる。各構成要素は、流路120を介して接続される。なお、図5では図面の明瞭化のために一部の構成が省略されている。
バッファ・試薬槽131には、細胞溶解バッファ、ビーズ洗浄バッファ、DNA溶出バッファなどが予め注入される。細胞溶解バッファは、例えば、細胞を溶解するためのアルカリリシスバッファである。ビーズ洗浄バッファは、磁性ビーズを洗浄するためのバッファである。DNA溶出バッファは磁性ビーズからDNAを溶出するためのバッファである。なお、DNA溶出バッファは、PCRのための試薬(ポリメラーゼなど)も含む。
バッファ・試薬槽131は、流路120及びサンプル注入孔136を介してスワブ受容部116の内部空間である細胞溶解槽138と接続される(図6参照)。また、バッファ・試薬槽131は、流路120を介してDNA抽出槽132及びPCR槽133とも接続される。
細胞溶解槽138は、具体的には、図6に示すように、筒状のスワブ受容部116の内空部に設けられ、下側開口部としてのサンプル注入孔136を介して流路120と接続される。細胞溶解槽138の中には、上側開口部から被験者の細胞が付着したスワブ139が投入され、DNA検査チップ制御装置200の蓋213が閉じられると、スワブ受容部116はDNA検査チップ制御装置200の細胞溶解ユニット218と接続される(図8参照)。この時、細胞溶解槽138は、細胞溶解槽138内の液体が加圧媒体によって直接押し出されること以外は、図4Aに示す液体槽121Aと同様に機能する。
図5の説明に戻ると、DNA抽出槽132は、DNA抽出処理が実行される液体槽である。具体的には、DNA抽出槽132の中には磁性ビーズ(シリカ)が予め封入されており、サンプル溶液(すなわち被験者の細胞が溶解した細胞溶解バッファ)内のDNAは磁性ビーズに吸着される。DNA抽出槽132におけるDNA抽出処理は、DNA検査チップ制御装置200のDNA抽出ユニット219を介して実行される。
PCR槽133は、PCRが実行される液体槽である。具体的には、PCR槽133の中にはSTR配列を増幅するためのプライマーが複数セット予め封入されており、複数の遺伝子座に対するPCRが一括で行われる。PCR槽133におけるPCRは、DNA検査チップ制御装置200のPCRユニット220を介して実行される。
検出チャンバ槽134は、検査チップ102上に設けられる。具体的には、検査チップ102は、単体では、図7Aに示すような外観を有し、図7Bに示すように、樹脂製の蓋部140と本体部141とを組み合わせてなる。検出チャンバ槽134は、本体部141に設けられ、DNA調製チップ101のPCR槽133と流路120Dを介して接続されるとともに、洗浄バッファ槽135と流路120Eを介して接続される。また、本体部141には検出チャンバ槽134内の液体を加熱するためのヒーター142が配設される。
更に、蓋部140及び本体部141には、排液孔137が設けられ、検出チャンバ槽134内の液体は排液孔137を介して検査チップ102の外部へ排出される。蓋部140には、通気口143も設けられ、検出チャンバ槽134内に生じる陽圧及び陰圧は、通気口143を通って空気が出入りすることによって解除される。
図7Cは、図7Bに示したX1−X2軸での本体部141の断面図である。図7Cに示すように、検出チャンバ槽134の底面にはSP−ssDNA(固相化1本鎖DNA161)が固相化された水晶振動子152が配列される。各水晶振動子152は本体部141に配設された入出力端子153を介して、DNA検査チップ制御装置200のコントローラ223と接続される。
なお、図1のスポット160とは、図7Cでは単一の水晶振動子152が配置される領域を意味する。また、図1のセンサ150は、図7CではQCM(Quartz Crystal Microbalance)センサに相当し、水晶振動子152、入出力端子153を含む。なお、本願開示における、固相化1本鎖DNA161(SP−ssDNA)が固相化されるスポット160、という文脈は、図7Cでは、固相化1本鎖DNA161(SP−ssDNA)が固相化される水晶振動子152、という趣旨で解釈される。つまり、各水晶振動子152は、対応する遺伝子座及びリピート数の組み合わせがそれぞれ異なるように配置され、SP−ssDNAは、各水晶振動子152に対応する遺伝子座及びリピート数のSTR配列を含む。SP−ssDNAの配列については、後に詳細に説明する。
図5の説明に戻ると、洗浄バッファ槽135には、検出チャンバ槽134を洗浄するための洗浄バッファが予め注入される。洗浄バッファは、ストリンジェント(stringent)な条件(すなわち、オーバーハングしたDNA及びバブル構造のDNAにおける水素結合が解除される条件)をもたらすように調製される。洗浄バッファは、複数種類であっても良く、その場合には複数の洗浄バッファ槽135が設けられ、各洗浄バッファが個別に貯留される。
図8は、DNA検査チップ制御装置200の一例を示す図である。図8に示すように、DNA検査チップ制御装置200は、台座211にテーブル212が配置され、ヒンジを介して開閉可能な蓋213が設けられる。DNA検査用チップ100は、例えば、テーブル212に設けられたピンを、DNA検査用チップ100に設けられたピン穴に嵌合させることで、テーブル212上の所定の位置に載置される。
蓋213には、複数の加圧穴214が設けられる。加圧穴214は、DNA検査用チップ100における液体槽121、バルブ機構123、排液孔137のそれぞれに対して設けられるものであり、図8では、図面の明瞭化のために一部を除き省略されている。加圧穴214に対応する蓋213の領域は貫通しており、加圧穴214はチューブ215を介して電磁弁216に接続される。また、加圧穴214は、蓋213が閉じられた時に、DNA検査用チップ100上の制御孔117や排液孔137と接続される。なお、加圧穴214と制御孔117とはO−リングなどの密封機構を介在させて密着することが好ましい。
電磁弁216は、加圧/減圧器217に接続される。加圧/減圧器217には圧縮空気等の加圧媒体が封入されており、加圧媒体は、電磁弁216及び加圧穴214を介してDNA検査用チップ100上の制御孔117へ出し入れされる(図4A、図4B、図4C参照)。また、加圧/減圧器217は、減圧器としても機能し、排液孔137を介して吸引することで、DNA検査用チップ100から液体を排出する。なお、加圧/減圧器217の内部圧力は、図示しない圧力センサ及びポンプ等により、所定の圧力を維持するように制御される。
また、蓋213には、細胞溶解ユニット218及びDNA抽出ユニット219も配設される。細胞溶解ユニット218は、DNA検査用チップ100上のスワブ受容部116と接続される。具体的には、細胞溶解ユニット218は、細胞溶解槽138内の細胞溶解バッファを加熱するためのヒーターを備える。DNA抽出ユニット219は、例えば、電磁石やネオジム磁石などであり、DNA抽出槽132内に封入された磁性ビーズを保持又は解放する。
テーブル212には、PCRユニット220、検出ユニット221が配置される。PCRユニット220は、温度センサ、伝熱材、ペルチェ素子(熱電素子)、放熱板等を含み、DNA検査用チップ100上のPCR槽133を温度制御する。検出ユニット221は、検査チップ102のヒーター142、入出力端子153と接触するインターフェイスである。
DNA検査チップ制御装置200は、更に、表示部222及びコントローラ223を含む。表示部222は、例えばディスプレイやモニタなどであり、コントローラ223は、DNA検査チップ制御装置200の構成要素をコントロールするコンピュータである。
図9は、コントローラ223の構成を示すブロック図である。図9に示すように、コントローラ223は、入出力部251、ROM(Read Only Memory)252、RAM(Random Access Memory)253及びCPU(Central Processing Unit)260をバスなどで接続して構成される。
入出力部251は、DNA検査チップ制御装置200の各構成要素と、コントローラ223の各構成要素を接続するインターフェイスである。また、入出力部251はキーボード等の操作デバイスに接続され、ユーザによる入力を受け付け、CPU260へ送信する。
ROM252は、DNA検査チップ制御装置200の各構成要素を制御するプログラムが格納された記憶部である。RAM253は、ROM252に格納されたプログラムが実行される際に使用される記憶部である。
CPU260は、RAM253などを利用して、ROM252に格納されたプログラムを実行する。流路制御部261、溶解反応制御部262、DNA抽出処理制御部263、PCR制御部264、検出処理制御部265及び判定部266の各種処理モジュールは、CPU260がプログラムを実行することで実現される。
流路制御部261は、電磁弁216及び加圧/減圧器217を制御してDNA調製チップ101上の流路制御、液体輸送、DNA調製チップ101からの排液を実行する(DNA調製チップ101上での流路制御及び液体輸送については、図4A、図4B、図4Cなどを参照)。
溶解反応制御部262は、細胞溶解ユニット218を制御して被験者の細胞の溶解反応を実行する。具体的には、DNA検査用チップ100がDNA検査チップ制御装置200にセットされた状態になると、溶解反応制御部262はユーザによる処理開始指示の入力を受け付ける。溶解反応制御部262は、流路制御部261に対してバッファ・試薬槽131から細胞溶解槽138への細胞溶解バッファの移動を指示する。そして溶解反応制御部262は、電源部(図示しない)を介して、細胞溶解槽138内の細胞溶解バッファを加熱するように細胞溶解ユニット218を制御することで、溶解反応を実行する。
DNA抽出処理制御部263は、DNA抽出ユニット219を制御してサンプル溶液からDNAを抽出する。具体的には、DNA抽出処理制御部263は、流路制御部261に対して細胞溶解槽138からDNA抽出槽132へのサンプル溶液(すなわち被験者の細胞が溶解した細胞溶解バッファ)の移動を指示する。そして、DNA抽出処理制御部263は、電源部(図示しない)を介して、DNA抽出ユニット219による磁性ビーズの保持又は解放を制御しつつ、ビーズ洗浄バッファの移動及び排出を流路制御部261に対して指示する。この時にサンプル溶液中のDNAは磁性ビーズに吸着している。
PCR制御部264は、PCRユニット220を制御してPCRを実行する。具体的には、PCR制御部264は、流路制御部261に対してバッファ・試薬槽131からDNA抽出槽132へのDNA溶出バッファの移動を指示する。この時に、磁性ビーズに吸着したDNAはDNA溶出バッファ中に溶出される。そして、PCR制御部264は、流路制御部261に対して、DNA抽出槽132からPCR槽133へのDNA溶出バッファの移動を指示し、続いてPCRユニット220を制御してPCRを実行する。なお、PCRは、例えば、増幅されたDNAが1本鎖DNAに変性された状態(例えば98℃で保持した状態)で終了する。
検出処理制御部265は、固相化された固相化1本鎖DNA161に対する相補的な遊離1本鎖DNA162の結合を検出する。具体的には、検出処理制御部265は、流路制御部261に対してPCR槽133から検出チャンバ槽134へのPCR反応液の移動を指示する。この時に、PCR反応液中の遊離1本鎖DNA162が水晶振動子152に固相化された固相化1本鎖DNA161に対して結合する(図2B参照)。そして、検出処理制御部265は、検出ユニット221を介して検査チップ102のヒーター142を制御しつつ、洗浄バッファの移動及び排出を流路制御部261に対して指示する。すなわち、検出チャンバ槽134では、水晶振動子152の洗浄が行われ、水晶振動子152に固相化された1本鎖DNAに戻った状態か、又は2本鎖DNAになった状態になる(図2C参照)。
ここで、検出処理制御部265は、電源部(図示しない)を制御して各水晶振動子152に交流電圧を印加して発振させ、その周波数をカウントし、カウントした周波数を、遺伝子座及びリピート数と対応付けてRAM253に格納する。RAM253には、例えば、図10に示す情報が格納される。
判定部266は、各スポット160上の固相化1本鎖DNA161に対して、PCR反応液中の遊離1本鎖DNA162が水素結合しているか否かを判定する。具体的には、判定部266は、RAM253から遺伝子座及びリピート数と対応付けられた周波数を読み出し、各遺伝子座において周波数が高いリピート数を決定する。例えば、図10では、遺伝子座Aに関して、リピート数2及びリピート数4の周波数が他のリピート数の周波数よりも高いと判定する。そして、判定部266は、遺伝子座の名称と、決定されたリピート数とを対応付けて表示部222に出力する。つまり、表示部222には、被験者のSTR配列中のリピート数が遺伝子座の名称に対応付けて表示される。図11は、表示部222に表示される情報の一例である。
なお、図10及び図11に示すように、ヒトは二倍体生物であるので、周波数が高いリピート数が2つ決定される場合(つまりヘテロ)と、1つ決定される場合(つまりホモ)がある。決定されたリピート数が1つである場合には、図11の遺伝子座Yのように「ホモ」であることを示す情報を補足しても良い。
また、判定部266は、予め測定されROM252に格納した各遺伝子座に固有の周波数と、RAM253から読み出した周波数とを比較しても良い。例えば、ROM252には、図12に示す情報が予め格納される。
以下では、固相化1本鎖DNA161及び遊離1本鎖DNA162の配列について説明する。そもそも、本実施形態ではPCRによってSTR配列を含む領域が増幅される。すなわち、PCRのプライマーはSTR配列の上流と下流にアニールするように設計される。そのため、PCR反応液中に遊離状態で存在する遊離1本鎖DNA162(free−ssDNA)は、図13Aに示すように、上流プライマー配列、上流配列、STR配列、下流配列、及び下流プライマー配列を含む。ここで、上流プライマー配列の5´側及び下流プライマー配列の3´側には、任意の配列を設計することが可能である。その一方で、スポット160上に固相化される固相化1本鎖DNA161(SP−ssDNA)は、合成オリゴヌクレオチドであり、任意の長さ及び配列を設計することが可能である。
第2の実施形態では、free−ssDNAとSP−ssDNAの配列長が同一である場合にはブラントな2本鎖DNAが形成される。そのために、SP−ssDNAには、基本的にはfree−ssDNAと相補的な配列が設計されるが、SP−ssDNAに、ミスマッチ配列やA/Tリッチな配列を組み込むことが考えられる。例えば、図13Bに示すように、上流側から下流側へ向かうに従ってミスマッチ配列又はA/Tリッチな配列の量が多くなるようにSP−ssDNAを設計する。このような配列を有するSP−ssDNAの上流側は、free−ssDNAに対して安定に結合するが、下流側は、free−ssDNAに対してトランジェント(transient)に結合する(つまり、結合と解離を繰り返す)。結果的に、free−ssDNAとSP−ssDNAは、SP−ssDNAの下流側から上流側へ向かって徐々に結合するため、ブラントな2本鎖DNAが形成される。この時に、バッファの温度を徐々に下げることや、バッファの塩濃度を徐々に低下させることが好ましい。
また、ブラントな2本鎖DNAを維持しつつ、オーバーハングした2本鎖DNA及びバブル構造の2本鎖DNAの水素結合を特異的に解除するために、カオトロピック剤(chaotropic agent)(例えば、尿素やホルムアミド)の使用が考えられる。オーバーハングした2本鎖DNAは上流又は下流側にYフォーク状の開裂部分を有し、バブル構造の2本鎖DNAはSTR配列中に開裂部分を有すると考えられる。カオトロピック剤は、この開裂部分に優先的に嵌り込んで2本鎖構造を不安定にするため、カオトロピック剤の使用によってオーバーハングした2本鎖DNA及びバブル構造の2本鎖DNAは、ブラントな2本鎖DNAよりも解離し易くなると考えられる。また、2本鎖DNA中の開裂部分を更に広げるように機能するDNAヘリカーゼの利用も考えられる(例えば、「You et. al., The EMBO Journal, November 17 (2003), Volume 22, Issue 22:P.6148-60.」が参考文献として挙げられる)。
なお、センサ150は、スポット160上にブラントな2本鎖DNA、オーバーハングした2本鎖DNA又はバブル構造の2本鎖DNAが存在する状態(図2B参照)で、ブラントな2本鎖DNAが結合したスポット160を特異的に検出しても良い。例えば、各スポット160について、ブラントな2本鎖DNAが存在する時の周波数と、オーバーハングした2本鎖DNA又はバブル構造の2本鎖DNAが存在する時の周波数とを予め測定しておく。そして、実施の際に測定される周波数と比較して、各スポット160について、ブラントな2本鎖DNAが存在しているか、又はオーバーハングした2本鎖DNA又はバブル構造の2本鎖DNAが存在しているかを判定しても良い。この時に、例えば、クレノウ酵素を用いて通常の塩基よりも分子量が多い塩基をオーバーハングした2本鎖DNAの1本鎖部分に組み込むことや、バブル構造部分に特異的に嵌り込むインターカレーターを使用することが考えられる。クレノウ酵素やインターカレーターの使用によって、オーバーハング又はバブル構造の2本鎖DNAは、ブラントな2本鎖DNAよりも重量が増加するので、水晶振動子152の周波数が異なるものになる。
以下では、DNA検査チップ制御装置200による処理の流れを説明する。図14に示すように、DNA検査チップ制御装置200は、ユーザによる処理開始指示の入力を受け付けると、細胞の溶解反応を実行し(ステップS01)、サンプル溶液からDNAを抽出し(ステップS02)、そして、PCRを実行する(ステップS03)。続いてDNA検査チップ制御装置200は、PCR反応液中のfree−ssDNAを水晶振動子152に固相化されたSP−ssDNAに対して結合させ(ステップS04)、水晶振動子152を洗浄し(ステップS05)SP−ssDNAに対するfree−ssDNAの結合を検出する(ステップS06)。そして、DNA検査チップ制御装置200は、遺伝子座の名称と、STR配列中のリピート数とを対応付けた検査結果を表示する(ステップS07)。
上述のように、第2の実施形態のDNA検査用チップ100では、複数の遺伝子座に対するPCRが一括で行われ、STR配列中のリピート数が配列相補性に基づいて測定される。そのため、サンプルの分注などDNA検査における手間を削減することができるとともに、コスト削減や小サイズ化という点で有用であり得る。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、図1のセンサ150が、表面プラズモン共鳴を利用したSPR(Surface Plasmon Resonance)センサである場合について説明する。なお、以下では第1の実施形態と異なる点について説明する。
第3の実施形態に係る検査チップ102の本体部141は、図15に示すように、金粒子を薄膜状に蒸着させたガラス板171が検出チャンバ槽134の底面に配置され、SP−ssDNAは金粒子膜172上に固相化される。なお、図1のスポット160は、図15では単一種類のSP−ssDNAが固相化される領域を意味する。
DNA検査チップ制御装置200の検出ユニット221は、ガラス板171に対してレーザー光を照射する光源と、反射光を受光するカメラ(受光部)とを更に備える。
コントローラ223の検出処理制御部265は、検出ユニット221を制御して、各スポット160についての反射光を撮像する。そして、検出処理制御部265は、反射光において輝度が低い部分を特定し、その低輝度部分についての情報(例えば、反射角)を、各スポット160の遺伝子座及びリピート数と対応付けてRAM253に格納する。
SPRセンサの原理を踏まえて説明すると、図16Aに示すように、入射光173は、各スポット160に対して全反射するように照射される。全反射によって生じる反射光174は、金粒子膜172上に固相化されたSP−ssDNAに起因する低輝度部分175を有する。この低輝度部分175は、反射角によって識別され、例えば、SP−ssDNAが単独の場合の低輝度部分175は、反射角θ1で示される。また、図16Bに示すように、SP−ssDNAに対してfree−ssDNAが結合して2本鎖DNAになった状態のスポットに対しても入射光173が照射される。この時の低輝度部分175は、固相化1本鎖DNA161単独の場合と異なる反射角θ2で示される。
判定部266は、RAM253から遺伝子座及びリピート数と対応付けられた反射角を読み出し、各遺伝子座において反射角がユニーク(特有)なリピート数を決定する。そして、判定部266は、遺伝子座の名称と、決定されたリピート数とを対応付けて表示部222に出力する。
このように、表面プラズモン共鳴を利用したSPRセンサであってもDNA検査を実施することができる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、図1のセンサ150が、蛍光共鳴エネルギー移動を利用したFRET(Fluorescence Resonance Energy Transfer)センサである場合について説明する。
なお、以下では第2の実施形態と異なる点について説明する。
スポット160に固相化されるSP−ssDNAは、3´末端に第1の蛍光物質181が結合した状態に合成される。また、PCR槽133の中に予め封入されるプライマーは、5´末端に第2の蛍光物質182(クエンチャ)が予め結合した状態に合成される。つまり、free−ssDNAは、5´末端に第2の蛍光物質182を有する。
第4の実施形態に係る検査チップ102の本体部141は、検出チャンバ槽134の底面側から第1の蛍光物質181が発する蛍光を観察できるように、例えばガラス板で構成される。SP−ssDNAは検出チャンバ槽134の底面上に直接固相化される。なお、第4の実施形態では、水晶振動子152、入出力端子153は不要であり、図1のスポット160は、第4の実施形態では単一種類のSP−ssDNAが固相化される領域を意味する。
DNA検査チップ制御装置200の検出ユニット221は、励起光を照射する光源と、蛍光を受光するカメラ(受光部)とを更に備える。
コントローラ223の検出処理制御部265は、検出ユニット221を制御して、各スポット160の蛍光を撮像する。そして、検出処理制御部265は、各スポット160の蛍光輝度を遺伝子座及びリピート数と対応付けてRAM253に格納する。
FRETセンサの原理を踏まえて説明すると、図17Aに示すように、SP−ssDNAが単独である場合には、検査チップ102の本体部141の下側から照射される励起光によって第1の蛍光物質181が励起されて、第1の波長の蛍光を発する。一方で、図17Bに示すように、SP−ssDNAに対してfree−ssDNAが結合してブラントな2本鎖DNAになった状態では、第1の蛍光物質181と第2の蛍光物質182(クエンチャ)が近接するため共鳴エネルギー移動が生じる。この時、第1の蛍光物質181及び第2の蛍光物質182は、第1の波長とは異なる波長の蛍光を発する。つまり、図17Cに示すように、第1の波長の蛍光を撮像した場合には、SP−ssDNAが単独のスポット160は蛍光が観察されるが、SP−ssDNAがブラントな2本鎖DNAになったスポット160の蛍光は観察されない。
判定部266は、RAM253から遺伝子座及びリピート数と対応付けられた蛍光輝度を読み出し、各遺伝子座において蛍光輝度がユニーク(特有)又は所定値未満のリピート数を決定する。そして、判定部266は、遺伝子座の名称と、決定されたリピート数とを対応付けて表示部222に出力する。
このように、蛍光共鳴エネルギー移動を利用した場合であってもDNA検査を実施することができる。
なお、第4の実施形態では、スポット160上にオーバーハングした2本鎖DNAが存在する状態でも同様の結果を得ることができる。概念的には、図18Aに示すようにSP−ssDNAの配列長がfree−ssDNAの配列長より小さい場合であっても、図18Bに示すように大きい場合であっても第1の蛍光物質181と第2の蛍光物質182(クエンチャ)は近接しない。そのため、第1の波長の蛍光を撮像した場合には、オーバーハングした2本鎖DNAが存在するスポット160では、共鳴エネルギー移動が生じず、第1の蛍光物質181の蛍光が観察される。なお、バブル構造は、図13に示すように、下流側から上流側へ向かうに従ってミスマッチ配列又はA/Tリッチな配列の量が多くなるようにSP−ssDNAを設計すれば、排除することができる。
(第5の実施形態)
以下では、第5の実施形態として種々の変化形態を説明する。例えば、第1〜4の実施形態に示したように、センサ150は、様々な機構に置き換え可能である。すなわち、センサ150は、各スポット160上のSP−ssDNAに対して、PCR反応液中の相補的なfree−ssDNAが水素結合しているか否か(すなわち、ブラントな2本鎖DNAの有無)を判定するものであれば他の機構を有しても良い。
また、2本鎖DNAが形成又は解離される温度(例えば、50%の確率で2本鎖DNAが生じる温度、いわゆるTm値(melting temperature))に基づいて、ブラントな2本鎖DNAが結合したスポット160を検出しても良い。例えば、各スポット160に関して、ブラントな2本鎖DNAのTm値を予め測定し、データベース化しておく。そして、実施の際に、検出チャンバ槽134内の液体の温度を漸増又は漸減させつつ、各スポットについての周波数や反射角を経時的に計測して、温度に対する変化をグラフ化する。このグラフから、各スポット160についての実際のTm値を算出し、データベース上のTm値と比較することで、スポット160上の2本鎖DNAがブラントであるか否かを判定する。
なお、オーバーハング又はバブル構造を形成する場合のTm値は、ブラントな2本鎖DNAを形成する場合のTm値よりも低いと考えられる(例えば、SantaLucia J Jr and Hicks D, Annual Review of Biophysics and Biomolecular Structure (2004) Vol. 33: P.415-440.を参照)。また、SP−ssDNAと、free−ssDNAとの間でリピート数の差が大きければ大きいほど、上記のTm値の下落幅が大きいと考えられる。
また、各スポット160に関して、オーバーハング又はバブル構造を形成する場合と、ブラントな2本鎖DNAを形成する場合を含めた全てのリピート数のfree−ssDNAについてのTm値をデータベース化してもよい。更に、各スポット160に関して、全てのfree−ssDNAの組み合わせ(ヘテロ及びホモを含む)についてのTm値をデータベース化してもよい。すなわち、free−ssDNAがヘテロである場合には、ポジティブなスポット160において、ブラントな2本鎖DNAのみならず、オーバーハング又はバブル構造の2本鎖DNAも形成される可能性がある。この場合であっても、スポット160上の2本鎖DNAがブラントであるか否かを正しく判定することができる。また、Tm値を比較するのではなく、温度に対する周波数や反射角の変化をグラフから比較することで、スポット160上の2本鎖DNAがブラントであるか否かを判定しても良い。
また、第1の実施形態では、DNA調製チップ101と検査チップ102とを組み合わせて成るDNA検査用チップ100を説明した。しかしながら、検査チップ102を単独で使用することもできる。すなわち、PCR反応液の調製までの工程を手動で行い、検査チップ102を用いてDNA検査を実行しても良い。この場合には、特に、PCR反応液の調製におけるサンプルの分注などの手間が削減される。
また、DNA検査用チップ100は、使い捨て可能なものであるが、DNA調製チップ101と検査チップ102を分離可能に構成して、検査チップ102を繰り返し使用するようにしても良い。その場合には、検出チャンバ槽134は1回使用される毎に洗浄によって使用前の状態に戻され、洗浄バッファ槽135には洗浄バッファが再充填される。
また、DNA調製チップ101の構成は様々に改変可能である。例えば、DNA抽出槽132におけるDNA抽出処理は磁性ビーズを使用するものに限定されず、カラムを使用するものであって良い。
なお、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)
PCR反応液が注入されるチャンバと、センサとを含み、
前記チャンバは、1本鎖DNAが固相化されるスポットが複数配列される領域を含み、 前記複数配列されたスポットは、対応する遺伝子座及びリピート数の組み合わせがそれぞれ異なるように設けられ、
前記1本鎖DNAは、前記スポットの各々に対応する遺伝子座及びリピート数のSTR配列を含み、
前記センサは、各スポット上の1本鎖DNAに対して、前記PCR反応液中の相補的な1本鎖DNAが水素結合しているか否かを判定するためのものである、
DNA検査用チップ。
(付記2)
前記センサが、水晶振動子を用いたQCM(Quartz Crystal Microbalance)センサであるか、表面プラズモン共鳴を利用したSPR(Surface Plasmon Resonance)センサであるか、又は蛍光共鳴エネルギー移動を利用したFRET(Fluorescence Resonance Energy Transfer)センサである付記1に記載のDNA検査用チップ。
(付記3)
スポット上の1本鎖DNAが、プライマー配列を含む、付記1又は2に記載のDNA検査用チップ。
(付記4)
前記プライマー配列が、ミスマッチ配列を含む、付記3に記載のDNA検査用チップ。
(付記5)
複数の遺伝子座のSTR配列に対して、PCR反応を実行するPCR反応槽を更に含む、付記1〜4のいずれか1つに記載のDNA検査用チップ。
(付記6)
被験者の細胞からDNAを抽出するDNA抽出槽を更に含む付記5に記載のDNA検査用チップ。
(付記7)
DNA検査用チップを使用するDNA検査方法であって、
該DNA検査用チップを用意し、
前記DNA検査用チップは、PCR反応液が注入されるチャンバと、センサとを含み、
前記チャンバは、1本鎖DNAが固相化されるスポットが複数配列される領域を含み、
前記複数配列されたスポットは、対応する遺伝子座及びリピート数の組み合わせがそれぞれ異なるように設けられ、
前記1本鎖DNAは、前記スポットの各々に対応する遺伝子座及びリピート数のSTR配列を含み、
前記センサは、各スポット上の1本鎖DNAに対して、前記PCR反応液中の相補的な1本鎖DNAが水素結合しているか否かを判定するためのものであり、
前記チャンバへ前記PCR反応液を注入し、
各スポット上の1本鎖DNAに対して、前記PCR反応液中の相補的な1本鎖DNAが水素結合しているか否かを判定する、
DNA検査方法。
(付記8)
DNA検査用チップと、DNA検査チップ制御装置とを含むDNA検査システムであって、
前記DNA検査用チップは、PCR反応液が注入されるチャンバと、センサとを含み、 前記チャンバは、1本鎖DNAが固相化されるスポットが複数配列される領域を含み、 前記複数配列されたスポットは、対応する遺伝子座及びリピート数の組み合わせがそれぞれ異なるように設けられ、
前記1本鎖DNAは、前記スポットの各々に対応する遺伝子座及びリピート数のSTR配列を含み、
前記センサは、各スポット上の1本鎖DNAに対して、前記PCR反応液中の相補的な1本鎖DNAが水素結合しているか否かを判定するためのものであり、
前記DNA検査チップ制御装置が、前記チャンバへ前記PCR反応液を注入する処理と、各スポット上の1本鎖DNAに対して、前記PCR反応液中の相補的な1本鎖DNAが水素結合しているか否かを判定する処理とを実行する、
DNA検査システム。
(付記9)
DNA検査用チップを使用してDNA検査を実行するDNA検査チップ制御装置であって、
前記DNA検査用チップは、PCR反応液が注入されるチャンバと、センサとを含み、 前記チャンバは、1本鎖DNAが固相化されるスポットが複数配列される領域を含み、 前記複数配列されたスポットは、対応する遺伝子座及びリピート数の組み合わせがそれぞれ異なるように設けられ、
前記1本鎖DNAは、前記スポットの各々に対応する遺伝子座及びリピート数のSTR配列を含み、
前記センサは、各スポット上の1本鎖DNAに対して、前記PCR反応液中の相補的な1本鎖DNAが水素結合しているか否かを判定するためのものであり、
前記チャンバへ前記PCR反応液を注入する処理と、各スポット上の1本鎖DNAに対して、前記PCR反応液中の相補的な1本鎖DNAが水素結合しているか否かを判定する処理とを実行する、
DNA検査チップ制御装置。
なお、上記の特許文献の開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
この出願は、2016年2月10日に出願された日本出願特願2016−023542を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
100 DNA検査用チップ
101 DNA調製チップ
102 検査チップ
111〜114 弾性シート
115 樹脂プレート
116 スワブ受容部
117 制御孔
120 流路
121 液体槽
123 バルブ機構
131 バッファ・試薬槽
132 DNA抽出槽
133 PCR槽
134 検出チャンバ槽
135 洗浄バッファ槽
136 サンプル注入孔
137 排液孔
138 細胞溶解槽
139 スワブ
140 蓋部
141 本体部
142 ヒーター
143 通気口
150 センサ
152 水晶振動子
153 入出力端子
160 スポット
161 固相化1本鎖DNA
162 遊離1本鎖DNA
171 ガラス板
172 金粒子膜
173 入射光
174 反射光
175 低輝度部分
181 第1の蛍光物質
182 第2の蛍光物質
200 DNA検査チップ制御装置
211 台座
212 テーブル
213 蓋
214 加圧穴
215 チューブ
216 電磁弁
217 加圧/減圧器
218 細胞溶解ユニット
219 DNA抽出ユニット
220 PCRユニット
221 検出ユニット
222 表示部
223 コントローラ
251 入出力部
252 ROM
253 RAM
260 CPU
261 流路制御部
262 溶解反応制御部
263 DNA抽出処理制御部
264 PCR制御部
265 検出処理制御部
266 判定部

Claims (7)

  1. PCR反応液が注入されるチャンバと、センサとを含み、
    前記チャンバは、1本鎖DNAが固相化されるスポットが複数配列される領域を含み、
    前記複数配列されたスポットは、対応する遺伝子座及びリピート数の組み合わせが、
    それぞれ異なるように設けられ、
    前記1本鎖DNAは、前記スポットの各々に対応する遺伝子座及びリピート数のSTR配列を含み、
    前記チャンバの内の前記PCR反応液の温度を、各スポット上の1本鎖DNAに対して、相補的な1本鎖DNAが結合又は解離される温度を含む範囲で制御するヒーターを含み、
    前記センサは、各スポット上の1本鎖DNAに対して、前記PCR反応液中の相補的な1本鎖DNAが水素結合しているか否かを判定する、水晶振動子を用いたQCM(Quartz Crystal Microbalance)センサである、
    DNA検査用チップ。
  2. 複数の遺伝子座のSTR配列に対して、PCR反応を実行するPCR反応槽を更に含む、請求項1に記載のDNA検査用チップ。
  3. 被験者の細胞からDNAを抽出するDNA抽出槽を更に含む請求項1または2に記載のDNA検査用チップ。
  4. スポット上の1本鎖DNAが、プライマー配列を含む、請求項1〜3のいずれか1項
    に記載のDNA検査用チップ。
  5. DNA検査用チップを使用するDNA検査方法であって、
    該DNA検査用チップを用意する工程を含み、
    前記DNA検査用チップは、PCR反応液が注入されるチャンバと、センサとを含み、
    前記チャンバは、1本鎖DNAが固相化されるスポットが複数配列される領域を含み、
    前記複数配列されたスポットは、対応する遺伝子座及びリピート数の組み合わせがそれぞれ異なるように設けられ、
    前記1本鎖DNAは、前記スポットの各々に対応する遺伝子座及びリピート数のSTR配列を含み、
    前記センサは、各スポット上の1本鎖DNAに対して、前記PCR反応液中の相補的な1本鎖DNAが水素結合しているか否かを判定するための水晶振動子を用いたQCM(Quartz Crystal Microbalance)センサであり、
    前記DNA検査方法は更に、
    前記チャンバへ前記PCR反応液を注入する工程と、
    前記チャンバの内の前記PCR反応液の温度を、各スポット上の1本鎖DNAに対して、相補的な1本鎖DNAが結合又は解離される温度を含む範囲で制御する工程と、
    各スポット上の1本鎖DNAに対して、前記PCR反応液中の相補的な1本鎖DNAが水素結合しているか否かを判定する工程と、
    を含むDNA検査方法。
  6. DNA検査用チップと、DNA検査チップ制御装置とを含むDNA検査システムであって、
    前記DNA検査用チップは、PCR反応液が注入されるチャンバと、センサとを含み、
    前記チャンバは、1本鎖DNAが固相化されるスポットが複数配列される領域を含み、
    前記複数配列されたスポットは、対応する遺伝子座及びリピート数の組み合わせがそれぞれ異なるように設けられ、
    前記1本鎖DNAは、前記スポットの各々に対応する遺伝子座及びリピート数のSTR配列を含み、
    前記センサは、水晶振動子を用いたQCM(Quartz Crystal Microbalance)センサであり、各スポット上の1本鎖DNAに対して、前記PCR反応液中の相補的な1本鎖DNAが水素結合しているか否かに依存する信号を出力し、
    前記DNA検査チップ制御装置が、前記チャンバへ前記PCR反応液を注入する処理と、
    前記チャンバの内の前記PCR反応液の温度を、各スポット上の1本鎖DNAに対して、相補的な1本鎖DNAが結合又は解離される温度を含む範囲で制御する処理と、
    前記センサの出力に基づいて各スポット上の1本鎖DNAに対して、前記PCR反応液中の相補的な1本鎖DNAが水素結合しているか否かを判定する処理とを実行する、
    DNA検査システム。
  7. DNA検査用チップを使用してDNA検査を実行するDNA検査チップ制御装置であって、
    前記DNA検査用チップは、PCR反応液が注入されるチャンバと、センサとを含み、
    前記チャンバは、1本鎖DNAが固相化されるスポットが複数配列される領域を含み、
    前記複数配列されたスポットは、対応する遺伝子座及びリピート数の組み合わせがそれぞれ異なるように設けられ、
    前記1本鎖DNAは、前記スポットの各々に対応する遺伝子座及びリピート数のSTR配列を含み、
    前記センサは、水晶振動子を用いたQCM(Quartz Crystal Microbalance)センサであり、各スポット上の1本鎖DNAに対して、前記PCR反応液中の相補的な1本鎖DNAが水素結合しているか否かに依存する信号を出力し、
    前記チャンバへ前記PCR反応液を注入する処理と、
    前記チャンバの内の前記PCR反応液の温度を、各スポット上の1本鎖DNAに対して、相補的な1本鎖DNAが結合又は解離される温度を含む範囲で制御する処理と、
    前記センサの出力に基づいて各スポット上の1本鎖DNAに対して、前記PCR反応液中の相補的な1本鎖DNAが水素結合しているか否かを判定する処理とを実行する、
    DNA検査チップ制御装置。
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