JP6904342B2 - 画像認識システム、動体検知ユニットおよびケアサポートシステム - Google Patents

画像認識システム、動体検知ユニットおよびケアサポートシステム Download PDF

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Description

本発明は、動体検知に用いられる画像認識システムと、その画像認識システムを備えた動体検知ユニットと、その動体検知ユニットを用いて構成されるケアサポートシステムとに関するものである。なお、ケアサポートシステムは、見守りシステムとも呼ばれる。
近年、介護施設で過ごす人(以下、被介護者とも称する)の健康状態の異常などを検出するためにケアサポートシステムが提案されている。ケアサポートシステムでは、カメラで被介護者を含む居室内を撮影し、画像認識によって被介護者の状態や動作を認識することで、被介護者の転倒などの異常の有無を判断し、被介護者を見守っている。
ケアサポートシステムで利用される画像認識用のカメラには、例えば超広角レンズや魚眼レンズがある。これらのカメラは、例えば居室の天井に設置され、被介護者を含む居室内全体を天井から死角レスで撮影できるようになっている。なお、天井に取り付けられたカメラにより、居室内にいる被介護者のほぼ直上から撮影が行われることから、そのような撮影を行うカメラのことを、以下では、「直上視点カメラ」または「天井視点カメラ」とも称する。直上視点カメラを用いる場合、その直上視点カメラから居室の隅(地面高さ)までの距離が、最大被写体距離となる。
例えば、一般的な住居の天井高さは2.4mである。一方、介護施設の広さは、法令で規制されており、有料老人ホームの介護居室(個室)で13m2以上(10畳相当)であり、特別養護老人ホームの多床室で10.65m2であり、ケアハウスで21.6m2である。平均的な10畳の部屋を想定した場合、居室の天井の中央部にカメラを取り付けると、カメラから居室の床面の隅までの距離は、約4mとなり、この距離が最大被写体距離となる。
最大被写体距離が約4mである場合、天井のカメラで床面全域を撮影するのに必要な画角は、約127°となる。この画角を満足する超広角レンズや魚眼レンズは、画角が広いために、撮影画像において、周辺部の画質が中央部の画質と比較して劣っていることが通常である。また、直上視点カメラによって同じ被写体を撮影しても、画面周辺部は画面中央部よりも小さく写り、また、暗く写る。これは、カメラから画面周辺部に写る被写体の実際の位置までの距離(実距離)が、カメラから画面中央部に写る被写体の実際の位置までの距離(実距離)よりも長いためである。
また、画像認識用のカメラは、一般的な監視カメラやネットワークカメラとその特徴や仕様において違いがある。監視カメラやネットワークカメラの場合、人間の目にきれいに見える良好な画像を取得することが重要視される。一方、画像認識用のカメラの場合、認識精度の高い画像を取得することが重要視される。具体的には、監視カメラやネットワークカメラの場合、画面中央部の画質が良好な画像を取得することが必要とされ、画像認識用のカメラの場合、画面上の位置に関わらず、高い認識精度が得られる画像を取得することが必要とされる。
なお、上記した画像認識とは、形状認識のことであり、例えば対象物(被写体)の輪郭を抽出してパターンマッチング等の手法で形状を判断することである。画像認識精度を向上させるためには、画像のコントラストやSN比(signal-to-noise ratio)は高いほうが望ましい。一般的に、画面上の対象物が大きい場合、コントラストやSN比の影響を受けにくく、画面上の対象物が小さくなると、コントラストやSN比の影響を受けやすくなり、認識精度が低下しやすくなる。
画像認識用のカメラを用いたケアサポートシステムでは、良好なSN比で被写体を撮影するために、照明部によって被写体を照明することも行われる。直上視点カメラを用いた撮影では、上記のように画面周辺部は画面中央部に比べて、被写体が小さく、暗く写るという点を考慮し、照明配向に関して、一般的な水平視点カメラ(被写体に対して水平方向から撮影するカメラ)とは異なるアプローチが必要である。
ここで、撮影のための照明ではないが、照明対象を均一に照明する技術として、例えば特許文献1および2に開示されたものがある。特許文献1では、居室の天井に取り付けられる室内照明用の照明装置が開示されている。この照明装置では、光源部と、面状に配置された複数のプリズムを含む配光制御部材と、拡散層とを備え、光源部から出射された光を、配光制御部材および拡散層によってバットウィング状の光度角分布(光軸に対して対称な2方向に光度のピーク値を有する2峰性の分布)となるように配光することで、光軸上の光度の過度な低下を抑制し、被照明面上の照度の均一性を向上させるようにしている。
また、特許文献2では、LED光源と、入射面および出射面を有する光学レンズとを含む照明器具が開示されている。上記光学レンズの入射面は、LED光源側に凹状であり、出射面は、光軸を含む中心光束を広げ、周辺光束を集光させる形状である。このような形状の光学レンズを用いることにより、均一な照明を実現するようにしている。
特開2013−73735号公報(請求項1、段落〔0002〕、〔0017〕、〔0027〕、〔0054〕、図1等参照) 特開2011−44315号公報(段落〔0004〕、図15等参照)
一般的な監視カメラは、通常、狭い視野角で視野を確保できて、目立ちにくい天井の角部に設置されるため、照明は監視カメラの光軸中心に配光されるものが多い。しかし、このような監視カメラの配置では、監視カメラの下方に死角が生じる。
これに対して、直上視点の画像認識用カメラでは、上述したように死角は出ないが、直上視点カメラ用の照明には、直上視点カメラの超広角の撮影範囲に対応して超広角の照明が求められる。この場合、照明用の光源として、スポット光源の集合体を用いると、非常に多くの光源が必要になるため、拡散光源(例えば発光ダイオード)またはこれに近い光源を用いることになる。拡散光源を照明光軸が天井に垂直となるように設置した場合、鉛直方向に対する角度θ(放射角)が大きくなるほど、床面の照度はcos4乗則に従って低下する。また、直上視点カメラにおいても、撮像センサの受光面の中心から位置が離れるほど、受光面の照度はcos4乗則に従って低下する。したがって、照明部および直上視点カメラの2つを併せ持つ画像認識機器では、直上視点カメラで撮影された画像の周辺部が極端に暗くなる。画像認識処理においては、画像認識の前に輪郭抽出も行われるが、撮影画像に照度低下によるノイズが多いと、輪郭抽出を適切に行うことができなくなり、抽出した輪郭に基づく画像認識の精度が低下する。このため、照明の際に照明対象の周辺部の照度をできるだけ増大させることが必要となる。
また、ケアサポートシステムは、被介護者の状態監視を目的としているが、被介護者に対して常に監視されているとの圧迫感や精神的苦痛をできるだけ与えないようにして、被介護者が日常生活を普通に送れるようにすることも重要である。そのためには、例えば撮影のために用いる上述した照明用の光源を目立ちにくくすることが必要となる。特に、直上視点カメラは、居室内において、被介護者が一日の生活の中で最も長時間いる場所(例えばベッドや布団)の直上付近に設けられるのが通常である。したがって、直上視点カメラの直下を含む領域内(例えばベッドの上)から天井を見上げたときに、天井に取り付けた照明用の光源が目立たないようにすることが必要である。
上述した特許文献1および2は、いずれも均一な照明を実現するものであるが、撮影(監視)のための照明を行うものではなく、また、照明の際に照明対象の周辺部の照度を増大させて、画像認識精度を向上させつつ、監視のための照明によって被介護者に与える圧迫感等を軽減すべく、直上視点カメラとの位置関係を考慮して照明配光を設定することについての開示は一切ない。
なお、画像認識によって被介護者の状態を認識するシステムは、例えば病院において、入院している人(被看護者、患者)の病室内での転倒やベッドからの転落を監視するシステムにも適用可能である。したがって、上記した被介護者および被看護者を、検知対象として検知すべき被検者としたとき、画像認識システムにおいて、照明の際に照明対象の周辺部の照度を増大させて画像認識精度を向上させつつ、監視のための照明によって被検者に与える圧迫感等を軽減すべく、直上視点カメラとの位置関係を考慮して照明配光を適切に設定することが望まれる。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、照明の際に照明対象の周辺部の照度を増大させて、画像認識精度を向上させることができるとともに、直上視点カメラ(撮像部)との位置関係を考慮して照明配光を適切に設定することにより、照明によって被検者に与える圧迫感や精神的苦痛を軽減し得る画像認識システムと、その画像認識システムを用いた動体検知ユニットと、その動体検知ユニットを用いたケアサポートシステムとを提供することにある。
本発明の一側面に係る画像認識システムは、居室の天井に位置し、少なくとも床面全域に向けて照明光を出射する照明部と、前記居室の天井に位置し、前記照明部による照明のもとで、前記居室内を撮影して画像を取得する撮像部と、前記撮像部にて取得された前記画像の画像データに対して画像認識処理を行うことにより、前記居室内の被検者の状態を認識する画像認識部とを備え、前記照明光は、拡散光である第1の光と、前記第1の光よりも拡散度合いの低い第2の光とを含み、前記照明部は、前記居室内で、前記撮像部の直下の床面上の第1の領域を含む第2の領域に向けて前記第1の光を出射する一方、床面上の前記第2の領域よりも外側に向けて、前記第2の光を出射する。
上記の構成によれば、照明の際に撮像部の直下から離れた床面周辺部の照度を増大させることができ、これによって、撮影画像に基づく画像認識の精度を向上させることができる。また、監視のための照明によって被検者に与える圧迫感や精神的苦痛を軽減することができる。
本発明の実施の一形態に係るケアサポートシステムの全体の構成を模式的に示す説明図である。 上記ケアサポートシステムの一部の構成を模式的に示す説明図である。 動体検知ユニットが設置された居室内の様子を模式的に示す説明図である。 画像認識システムを含む上記動体検知ユニットの概略の構成を示すブロック図である。 上記画像認識システムが有する光学検出部の詳細な構成を示すブロック図である。 上記光学検出部での撮影によって取得された画像の一例を模式的に示す説明図である。 上記居室を天井から照明するときの照明配光の一例を模式的に示す説明図である。 上記居室内での照明領域の一例を模式的に示す説明図である。 上記居室内での照明領域の他の例を模式的に示す説明図である。 上記画像認識システムが有する照明部の詳細な構成の一例を示す断面図である。 上記照明部の光源の発光特性を示す説明図である。 可視光吸収カバーを配置せずに、上記光源の向きを変化させた場合の、床面上の照度分布の変化を示す説明図である。 上記光源を鉛直方向に対して傾斜して配置した場合において、上記可視光吸収カバーの有無のよる床面上の照度分布の変化を示す説明図である。 上記可視光吸収カバーの透過領域に入射する光に含まれる主光線の入射角度と透過率との関係を示すグラフである。 上記照明部の他の構成を示す断面図である。 図15の照明部の可視光吸収カバーが有するリブの一構成例を示す斜視図である。 上記リブの他の構成例を示す斜視図である。 上記可視光吸収カバーの外観形状を示す斜視図である。
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本明細書において、数値範囲をA〜Bと表記した場合、その数値範囲に下限Aおよび上限Bの値は含まれるものとする。
〔ケアサポートシステム〕
図1は、本実施形態のケアサポートシステム1の全体の構成を模式的に示す説明図(フロア図)であり、図2は、図1のケアサポートシステム1の一部の構成を模式的に示す説明図である。ケアサポートシステム1は、介護施設に入居している被介護者や、病院に入院している患者(被看護者)の日常の生活を支援するためのシステムであり、見守りシステムとも呼ばれている。被介護者および被看護者は、ケアサポートシステム1による支援の対象、つまり、後述する画像認識システム20によって検知、認識される対象者(被検者)である。ここでは、例として、ケアサポートシステム1が介護施設内で構築されている場合について説明する。
介護施設には、スタッフステーション100および居室101が設けられている。スタッフステーション100は、介護施設で過ごす被介護者の生活をサポートする介護者のいわゆる詰め所である。このスタッフステーション100には、サーバー100aおよび表示部100bが設けられている。サーバー100aは、通信回線200を介して、居室101に設置される後述の動体検知ユニット10と通信可能に接続される端末装置である。なお、通信回線200は、例えば有線LAN(Local Area Network)で構成されるが、無線LANであっても勿論構わない。
サーバー100aは、通信回線200を介して、動体検知ユニット10から送信される各種の情報(例えば居室101内の撮影画像や介護者の生体情報(例えば呼吸状態))を受信して管理するとともに、受信した情報を表示部100bに表示する処理を行う。これにより、介護施設の介護者は、表示部100bに表示された情報を見て、被介護者の健康状態等を把握することができる。表示部100bは、例えばパーソナルコンピュータのディスプレイで構成することができる。また、後述する画像認識システム20での画像認識処理により、被介護者が床面で転倒するなど、被介護者の動作が異常であることが認識されたときには、サーバー100aは、動体検知ユニット10からその旨の情報を受信して、動体検知ユニット10の光学検出部23で取得される居室101内の撮影画像のデータを、介護者が所有する携帯端末に送信し、被介護者の異常を介護者に知らせることも可能である。なお、サーバー100aから上記携帯端末への画像データの送信時には、画像のサイズや解像度は適宜調整される。
介護施設において、居室101は少なくとも1つ設けられており、図2では例として居室101が2つ設けられている場合を示している。居室101内には、被介護者が使用するベッド102が設置されている。1つの居室101内に被介護者が二人以上入居する場合、被介護者の各々に対応する複数のベッド102が設置される(図1参照)。また、ベッド102は、生活空間を確保するためと、プライバシーを考慮して、ドアから離れた壁際に置かれることが多い(図3、図6参照)。
図3は、動体検知ユニット10が設置された居室101内の様子を模式的に示す説明図である。図2および図3に示すように、動体検知ユニット10は、各居室101の天井101aに設置され、通信回線200と通信可能に接続されている。居室101が複数のベッド102が設置された多床室である場合、動体検知ユニット10は1つのベッド102に対して1つ設置される。居室101において、床面101bからの天井101aの高さaは、例えば2.4mであり、居室101の広さを10畳と仮定した場合、居室101の天井101aの中央部から床面101bの隅までの距離bは、約4mである。
上述したケアサポートシステム1は、少なくとも1つの居室101に設置される動体検知ユニット10(少なくとも1つの動体検知ユニット10)と、スタッフステーション100に設けられたサーバー100aとを、通信回線200を介して通信可能に接続して構成されている。
〔動体検知ユニットおよび画像認識システム〕
次に、上記した動体検知ユニット10の詳細について説明する。図4は、画像認識システム20を含む動体検知ユニット10の概略の構成を示すブロック図である。動体検知ユニット10は、画像認識システム20、電波検出部30およびユニット制御部40を備えている。なお、画像認識システム20の詳細については後述する。動体検知ユニット10は、上記の電波検出部30をはじめ、後述する光学検出部23など、種々のセンサを備えていることから、センサボックスとも呼ばれる。
電波検出部30は、電波を放射および受信して被介護者の生体情報を個別に検出するためのマイクロ波ドップラーセンサによって構成される。電波検出部30は、不図示の放射部および受信部を備えており、例えば24GHz帯のマイクロ波を各居室のベッドに向けて放射し、被介護者にて反射してドップラーシフトした反射波を受信する。これにより、電波検出部30は、受信した反射波から被介護者の呼吸状態や睡眠状態、心拍数などを検出することができる。
なお、被介護者が呼吸しているとき(睡眠中も含む)、被介護者の呼吸による体の微小な動き(微体動)が生じる。このため、被介護者の呼吸状態や睡眠状態を検出することは、被介護者の微体動を検出するのと同じである。このことから、電波検出部30は、被介護者(被検者)の微体動を検出する微体動検出部として機能しているとも言うことができる。
ユニット制御部40は、画像認識システム20および電波検出部30の動作を制御するとともに、画像認識システム20および電波検出部30から得た情報に対して画像処理や信号処理を行い、得られた結果を被介護者の状態に関する情報としてサーバー100aに出力する制御基板である。このユニット制御部40は、主制御部41、情報処理部42、インターフェース部43、記憶部24および画像認識部25を備えている。記憶部24および画像認識部25は、ここではユニット制御部40に設けられているが、ユニット制御部40とは独立して設けられていてもよい。なお、記憶部24および画像認識部25の詳細については後述する。
主制御部41は、動体検知ユニット10内の各部の動作を制御する中央演算処理装置(CPU;Central Processing Unit)で構成されている。情報処理部42および画像認識部25は、上記のCPUで構成されてもよいし(主制御部41と一体化されていてもよいし)、他の演算部や、特定の処理を行う回路で構成されてもよい。
情報処理部42は、画像認識システム20の後述する光学検出部23から出力される情報(例えば画像データ)や、電波検出部30から出力される情報(例えば呼吸状態に関するデータ)に対して、所定のアルゴリズムに基づいた信号処理を行う。信号処理によって得られた情報は、画像認識システム20(特に画像認識部25)での画像認識に利用される。
インターフェース部43には、通信回線200のネットワークケーブル(不図示)が電気的に接続される。画像やマイクロ波に基づいて動体検知ユニット10が検出した被介護者の状態に関する情報は、インターフェース部43および通信回線200を介してサーバー100aに送信される。
次に、画像認識システム20の詳細について説明する。画像認識システム20は、照明部21、照明制御部22および光学検出部23を備えている。
照明部21は、居室101の天井101aに位置しており、天井101aから少なくとも床面101bの全域に向けて照明光を出射し、居室101内を照明する。なお、照明部21の詳細については後述する。照明部21の照明範囲は、床面101bのみであってもよいし、床面101bから壁部101c(図3参照)にまたがる範囲であってもよい。なお、壁部101cは、ドアや窓を含んでいてもよい。
照明制御部22は、照明部21の照明を制御するものであり、例えばCPUで構成される。なお、図4では、照明制御部22は、ユニット制御部40とは独立して設けられているが、ユニット制御部40に設けられていてもよい。また、ユニット制御部40の主制御部41が、照明制御部22を兼ねている構成であっても勿論構わない。
光学検出部23は、居室101の天井101aに位置し、照明部21による照明のもとで、居室101内を撮影して画像を取得する撮像部であり、例えばカメラ(直上視点カメラ、天井視点カメラ)で構成される。図5は、光学検出部23の詳細な構成を示すブロック図であり、図6は、光学検出部23での撮影によって取得された画像の一例を模式的に示している。光学検出部23は、居室101の天井101aの中央部に、照明部21と隣接して配置されており、撮影によって視野方向が直下である直上視点の画像を取得する。この光学検出部23は、レンズ51、撮像素子52、AD変換部53、画像処理部54および制御演算部55を備えている。
レンズ51は、例えば一般的な超広角レンズや魚眼レンズで構成される固定焦点レンズであり、支持部51a(図10参照)を介して撮像素子52上に設置されている。超広角レンズとしては、対角画角が120°以上(望ましくは150°以上)のレンズを用いることができる。これにより、図6で示したように、天井101aから居室101の全体を撮影することが可能となり、室内の被介護者と部屋全体とを死角レスで撮影することが可能となる。
撮像素子52は、例えばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)といったイメージセンサで構成されている。撮像素子52は、真っ暗な環境でも被介護者の状態が画像として検出できるように、IRカットフィルタを除去して構成されている。撮像素子52からの出力信号は、AD変換部53に入力される。
AD変換部53は、撮像素子52によって撮像された画像のアナログの画像信号を受信し、そのアナログの画像信号をデジタルの画像信号に変換する。AD変換部53から出力されるデジタルの画像信号は、画像処理部54に入力される。
画像処理部54は、AD変換部53から出力されるデジタルの画像信号を受信し、そのデジタルの画像信号に対して、例えば黒補正、ノイズ補正、色補間、ホワイトバランスなどの画像処理を実行する。画像処理部54から出力される画像処理後の信号は、画像認識部25に入力される。
制御演算部55は、撮像素子52の制御に関する例えばAE(Automatic Exposure)などの演算を実行するとともに、撮像素子52に対して露光時間やゲインなどの制御を実行する。また、制御演算部55は、必要に応じて、照明部21に対して好適な光量設定や配光設定などの演算を実行するとともに、制御を実行する。なお、制御演算部55に、上述の照明制御部22の機能を持たせるようにしてもよい。また、上述した撮像素子52、AD変換部53、画像処理部54および制御演算部55は、一体的に構成されていてもよい。
上記した画像認識システム20は、さらに、上述した記憶部24および画像認識部25を備えている。
記憶部24は、ユニット制御部40が実行する制御プログラムや各種の情報を記憶するメモリであり、例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、不揮発性メモリなどで構成されている。
画像認識部25は、光学検出部23にて取得された画像の画像データに対して画像認識処理を行う。より具体的には、画像認識部25は、光学検出部23の画像処理部54が画像処理を実行した後の信号を受信し、例えば対象物(被写体)の輪郭を抽出してパターンマッチング等の手法で形状を認識する画像認識処理を実行する。これにより、画像認識部25は、居室101内にいる被介護者の状態や動作を認識することができる。
ここで、居室101内にいる被介護者の状態や動作としては、起床、離床、入床、転倒などが想定される。起床は、被介護者が目を覚ましてから、ベッドの上で体を起こすまでの状態を指す。離床は、被介護者がベッドの上で体を起こしてから、床面に降りてベッドから離れるまでの状態を指す。入床は、被介護者が床面からベッドの上に上がり、横になるまでの動作を指す。転倒は、被介護者が床面上で転倒する動作を指す。上記の起床、離床、入床、転倒は、被介護者の体の大きさ動作(体動)を伴う点で、電波検出部30で検出される微体動(呼吸等による体の微小な動き)と区別される。
〔照明光について〕
本実施形態のケアサポートシステム1では、上述のように、天井視点カメラである光学検出部23で撮影された画像を、画像認識部25での画像認識処理に用いている。画像認識の対象は、被介護者の頭部や顔などであり、その大きさはある範囲内に収まっている。つまり、画像認識部25は、人間の頭部よりも極めて大きなものや、極めて小さなものを画像認識する必要はない。定性的には、天井視点カメラで物体を撮影すると、物体は画面中央部で大きく写り、画面周辺部では小さく写る(図6参照)。画像認識の際、大きな物体については、多少ノイズが多くても、形状の認識は可能であるが、元々小さく写る物体については、ノイズに埋もれてしまうと、形状の認識が難しくなってしまう。したがって、天井視点カメラで画像認識性能を向上させようとすると、物体が大きく写る画面中央部(物体との距離が近い側)よりも、物体が小さく写る画面周辺部(物体との距離が遠い側)に照射中心を合わせたほうがよいと言える。
また、被介護者が照明によって常に監視されているとの圧迫感を抱いたり、監視による精神的苦痛を感じるのを極力避けるため、撮影に用いる照明用の光源を、被介護者側つまり床面側から見て目立ちにくくすることも必要である。
そこで、本実施形態では、図7に示すように、照明部21(図10参照)の照明光に、拡散光L1(第1の光)と、拡散光L1よりも拡散度合いの低い直接光L2(第2の光)とを含ませている。そして、天井101aに位置する照明部21(図4等参照)が、居室101内で光学検出部23の直下の第1の領域R1を含む第2の領域R2に向けて拡散光L1を出射する一方、第2の領域R2よりも外側(第1の領域R1とは反対側)に向けて、直接光L2を出射するようにしている。この結果、床面101b上で第2の領域R2の周囲の第3の領域R3や、床面101bと垂直に交わる壁部101cの下部に直接光L2が照射される。なお、直接光L3とは、後述する可視光吸収カバー63(図10参照)にて拡散されずにそこを透過して、第2の領域R2の外側の領域に直接向かう光を指す。また、拡散光L1とは、図10に示すように、拡散により光が1点から多方向に広がって出射されるような光を指す。
居室101内で、拡散光L1で照明された第2の領域R2(第1の領域R1を含む)では、照明部21からの光が拡散されているため、天井101aを見上げても照明部21がぼやけ、点光源として目立たなくなる。したがって、第2の領域R2内では、被介護者OB1に対して、監視のための照明によって圧迫感や精神的苦痛を与えることを軽減することができる。
また、直接光L2は、拡散光L1よりも拡散度合いが低いため、拡散光L1で照明された第2の領域R2の外側の領域(例えば第3の領域R3)は、拡散光L1よりも照度の高い直接光L2で照明される。これにより、照明の際に、床面101bの周辺部の照度を増大させることができる。よって、撮影画像(特に周辺部)の画像データに基づく画像認識部25での画像認識の精度を向上させることができる。したがって、たとえ居室101の隅の床面101b上で被介護者OB2が転倒した場合でも、その様子を撮影した画像から、被介護者OB2の転倒を精度よく認識して、サーバー100aにその旨の情報を送信するなどの適切な措置を講じることができる。
特に、照明部21は、居室101内で被介護者OB1の就寝領域R4を拡散光L1で照明することが望ましい。なお、就寝領域R4とは、被介護者OB1が就寝時に利用するベッド102(または布団)の設置領域を指す。就寝領域R4では、被介護者OB1は、拡散光L1で照明されるため、就寝領域R4で横になっている状態で天井101aを見上げても、照明部21がぼやけて視認しにくくなる。したがって、就寝時において、照明されていることの圧迫感で被介護者OB1の睡眠が妨げられるのを低減することができる。
なお、就寝領域R4は、その少なくとも一部が拡散光L1で照明される位置にあれば、上記の効果、つまり、就寝時の睡眠の妨げを低減できる効果の取得が期待できる。例えば、図8および図9は、居室101内での動体検知ユニット10の設置位置に応じた照明領域(第2の領域R2、第3の領域R3)をそれぞれ模式的に示しており、図8は、動体検知ユニット10を居室101の天井101aの中央部に設置した場合に対応しており、図9は、動体検知ユニット10を天井101aからずれた位置に設置した場合に対応している。動体検知ユニット10のいずれの配置においても、ベッド102(就寝領域R4)の一部は、照明部21の拡散光L1によって照明される第2の領域R2に入っている。このような照明の形態では、被介護者の頭部が第2の領域R2内に位置するように、被介護者が就寝時にベッド102に入って横になることで、被介護者は天井101aを見上げても、照明部21がぼやけて視認しにくくなる。したがって、この場合は、就寝時に、照明されていることの圧迫感で被介護者OB1の睡眠が妨げられるのを低減できる。
また、動体検知ユニット10は、上述した照明部21を有する画像認識システム20と、微体動検出部としての電波検出部30とを含んで構成されている。画像認識システム20では、上述した照明光の分布(照明配光)により、画像認識精度を向上させることができる。したがって、画像認識システム20での画像認識の結果と、電波検出部30での微体動の検出とに基づいて、被介護者の状態の監視を精度よく行うことができる。
また、動体検知ユニット10は、インターフェース部43を含んでいるため、上記の画像認識システム20および電波検出部30にて取得された情報を、インターフェース部43を介して外部のサーバー100aに送信することができ、外部のサーバー100aにて上記情報を一括管理することが可能となる。
また、本実施形態のケアサポートシステム1では、動体検知ユニット10から送信される情報をサーバー100aにて受信して管理することにより、居室101内での被介護者の異常(例えば転倒など)をサーバー100a側で把握することができる。これにより、サーバー100aから施設内の職員や介護者の携帯端末に情報を送信し、被介護者の状態の確認を促すなどの適切な措置を講じることが可能となる。
〔照明部の詳細について〕
以下、上述した照明配光を実現する照明部21の具体的な構成について説明する。図10は、照明部21の詳細な構成の一例を示す断面図である。照明部21は、複数の光源61と、支持部材62と、可視光吸収カバー63(可視光吸収部材)とを有している。
複数の光源61は、例えば発光ダイオード(LED)で構成されている。LEDは、ハロゲンランプなどに比べて省電力である。また、LEDは、レーザー光よりも拡がりを持つ光を出射し、出射光を2次元的に走査して照明する必要もないため、照明用の光源として非常に好適である。
図11は、光源61を構成するLEDの発光特性を示している。同図のように、LEDは、波長890nmあたりに発光強度のピークを有しており、ほぼ890±50nmの波長域の光を発光する。したがって、複数の光源61を備える照明部21は、照明光として、近赤外の波長域(例えば780〜1000nm)に強度ピークを有する光を出射することになる。このような照明部21に対応するため、光学検出部23(特に撮像素子52)は、近赤外の波長域に感度を有している。照明光が近赤外光であると、夜間の就寝時でも被介護者が照明を視認しにくくなるため、照明されている(監視されている)という圧迫感を与えて被介護者の睡眠が妨げられるのを低減することができる。
支持部材62は、例えば金属製のリードフレームで構成されてり、複数の光源61が天井101aに沿ってライン状に並ぶとともに、天井101aに沿って光学検出部23を囲むように、複数の光源61の各々を支持している。特に、支持部材62は、光学検出部23の撮影光軸Yから離れた位置で各光源61を支持するとともに、各々の光源61の照明光軸Xが、光源61を通る撮影光軸Yに沿った軸Y’に対して、光学検出部23の直下の第1の領域R1から離れる側(床面101bの周辺部側)に傾くように、各光源61を支持している。軸Y’に対する照明光軸Xの角度は、例えば、0°よりも大きく、90°以下に設定されることが望ましい。
なお、撮影光軸Yとは、光学検出部23のレンズ51の光軸を指す。本実施形態では、光学検出部23は、撮影光軸Yが居室101の天井101aに垂直に位置するように、天井101aに設置されているものとする。また、照明光軸Xとは、光源61(LED)の発光点を通り、発光強度の最も高い光線(主光線、中心光線)が進行する軸(中心軸)を指す。
可視光吸収カバー63は、光源61から出射される光に含まれる可視光を吸収するカバーであり、例えばポリカーボネートやアクリル樹脂を含んで構成されている。可視光吸収カバー63には、可視光吸収剤が含有されており、これによって光源61からの出射光に含まれる可視光が吸収される。可視光吸収剤としては、可視光領域の波長を効率よく吸収する色(例えば黒色)を呈する顔料や染料、金属酸化物などを用いることができる。より具体的には、顔料としては、例えばカーボンブラック、炭素繊維、黒鉛、膨張黒鉛、活性炭、カーボンナノチューブ、チタンブラックを用いることができる。染料としては、例えばアゾ系染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料などを用いることができる。金属酸化物としては、例えば酸化鉄、酸化銅などの有色金属酸化物を用いることができる。
可視光吸収カバー63は、複数の光源61、支持部材12および光学検出部23を床面101b側から覆う形状で形成されている。より詳しくは、可視光吸収カバー63は、平板部64と、複数の側壁部65とを有している。平板部64および側壁部65は、ともに厚さが同じ(一定の)平板状の部材である。
平板部64は、光学検出部23の撮影光軸Yと垂直に交差するように位置している。平板部64は、平面視で(床面101b側から見たときに)矩形形状である。平板部64において、光学検出部23と対向する位置には、窓部63wが形成されており、光学検出部23は、照明によって被介護者で反射した光(近赤外光)を、窓部63wを介して受光することが可能となっている。窓部63wは、光学検出部23が上記光を受光できるのであれば、開口部で形成されてもよいし、上記光を透過させる材料からなる透過部で形成されてもよい。
側壁部65は、光源61の照明光軸Xと垂直に交差するように位置し、平板部64の端部と連結されている。平板部64は上記のように平面視で矩形形状であるため、側壁部65は、平板部64の周囲4辺に対応して4つ設けられて、平板部64の各端部と連結されている。このように平板部64と複数の側壁部65とが連結されている結果、可視光吸収カバー63は、撮影光軸Yに沿った断面形状が凹形状となっており、天井101a側に開口部63pを有する筐体となっている。
上記構成の可視光吸収カバー63は、拡散領域DRと、透過領域TRとを有している。拡散領域DRは、光源61から出射される光の一部を拡散させて拡散光L1として出射する領域である。この拡散領域DRは、可視光吸収カバー63に凹凸面63aが形成された領域であり、光源61の照明光軸Xよりも床面101b側(下方)に位置している。本実施形態では、上記の凹凸面63aは、可視光吸収カバー63の表面および裏面の両方に形成されているが、どちらか一方にのみ形成されていてもよい。また、上記の凹凸面63aは、可視光吸収カバー63の表面および裏面において、平板部64から側壁部65にまたがって形成されているが、平板部64にのみ形成されていてもよい。上記の凹凸面63aは、例えば可視光吸収カバー63の表面研磨、樹脂中へのマット剤(例えば金属微粒子)の混入、成形時における凹凸を有する型の押し付け、などによって実現することができる。
透過領域TRは、光源61から出射される光の残りを透過させて直接光L2として出射する領域である。この透過領域TRは、可視光吸収カバー63の側壁部65に位置しており、かつ、拡散領域DRよりも天井101a側(上方)に位置している。可視光吸収カバー63の透過領域TRにおける表面粗さは、拡散領域DR(凹凸面63a)の表面粗さに比べて格段に小さい(表面が平坦であるか、平坦に近い)。このため、可視光吸収カバー63は、透過領域TRに入射した光をほとんど拡散させることなく、そのまま透過させることが可能である。なお、透過領域TRが、誤差等により多少の表面粗さを有している場合でも、それが凹凸面63aの表面粗さよりも小さければ、透過領域TRを透過する光は、拡散光L1よりも拡散度合いの低い直接光L2として扱うものとする。
上記の構成において、各光源61から出射された光は、可視光吸収カバー63に入射する。このうち、可視光吸収カバー63の拡散領域DRに入射した光は、拡散領域DR(凹凸面63a)で拡散された後、上述した拡散光L1として床面101b側に出射される。一方、可視光吸収カバー63の透過領域TRに入射した光は、そこで拡散されずにそのまま透過し、上述した直接光L2として床面101b側に出射される。なお、透過領域TRに入射した光のうち、照明光軸Xの軸上以外の光は、可視光吸収カバー63(側壁部65)の表面および裏面で屈折した後、床面101b側に出射される。
上記の拡散領域DRは、可視光吸収カバー63において、照明光軸Xよりも床面101b側に位置しているため、拡散領域DRから出射される拡散光L1は、光源61の直下の第1の領域R1を含む第2の領域R2に導かれ、第2の領域R2を照明する(図7参照)。一方、透過領域TRは、拡散領域DRよりも天井101a側に位置しているため、透過領域TRから出射される直接光L2は、第2の領域R2の外側の領域である床面101bの周辺部に導かれ、上記周辺部を照明する。
ここで、図12は、上述した可視光吸収カバー63を配置せず、LEDのような拡散光源からなる光源61の向き(照明光軸Xの向き)を変化させた場合の、床面101b上の照度分布の変化を示している。なお、同図の横軸(角度)は、光源61の位置から、鉛直方向に対する角度がθ(°)となる方向の床面101b上の位置に対応している。照明光軸Xが0°傾斜となるように(照明光軸Xが鉛直方向と一致するように)、光源61を配置した場合、光源61の直下で照度が最も高く、鉛直方向に対して角度θが大きくなるほど(光源61の直下から床面101bに沿って位置が離れるほど)、床面101bの照度はcos4乗則に従って低下する(グラフa1参照)。
照明光軸Xが鉛直方向に対して40°傾斜、60°傾斜、80°傾斜となるように光源61を配置していくと、光源61の直下の照度が順に下がり、さらに、最大照度も順に下がり、しかも、照度が最大となる位置は、角度θが大きくなる側(床面101bの周辺部側)にシフトしていく(グラフa2〜a4参照)。しかし、照明光軸Xを傾斜させると、周辺照度(例えば光源61から鉛直方向に対して60°方向の床面101b上の位置の照度)は上がることがわかる。したがって、照明光軸Xを傾斜させることにより、周辺照度を増大させて、撮影画像の周辺部に基づく画像認識の精度を向上させることができると言える。ただし、照明光軸Xの傾斜による周辺照度の増大効果は、ある程度のところで頭打ちになり、それ以上は増大しなくなる(角度60°の位置参照)。なお、照明光軸Xが傾斜するにつれて全体の照度が低下し、暗くなるが、撮影画像は、あくまでも画像認識のために利用するものであり、鑑賞画像として利用するわけではないので、照明範囲全体の照度が下がっても特に問題はない。
図13は、照明光軸Xが鉛直方向(軸Y’)に対して30°傾斜するように光源61を配置(支持部材62にて支持)した場合において、上述した可視光吸収カバー63の有無のよる床面101b上の照度分布の変化を示している。可視光吸収カバー63を配置しなかった場合、光源61から角度θが0°〜40°の方向の位置で照度が高すぎて、光源61(照明部21)が目立ち、認識されやすくなる(グラフb1参照)。
これに対して、可視光吸収カバー63を配置した場合、光源61から角度θが0°〜40°の方向の位置でグラフb1の場合よりも照度が減少している(グラフb2参照)。これは、可視光吸収カバー63で可視光が吸収されるためと、光源61からの光の一部が可視光吸収カバー63の拡散領域DRで拡散されるためと考えられる。また、角度θが40°よりも大きい周辺部では、グラフb1の場合よりも照度が低下しているが(グラフb2参照)、図12のグラフa1のように照明光軸Xを傾けない場合と比較すると、周辺部の照度は増大していると言える。
以上のように、本実施形態の照明部21は、複数の光源61と、可視光吸収カバー63とを有している。各光源61から出射された光が可視光吸収カバー63を透過することにより、照明部21の照明光に近赤外光のみならず、可視光が含まれている場合でも、可視光吸収カバー63で可視光を吸収して、近赤外光のみを取り出すことができる。これにより、被介護者が照明を視認しにくい近赤外光で居室101内を照明する構成を確実に実現することができる。
また、可視光吸収カバー63は、拡散領域DRと透過領域TRとを有しているため、照明部21が上述した拡散光L1と直接光L2とを出射して居室101内を照明する構成を確実に実現することができる。
また、人間は、眼が暗闇に慣れてくると(順応してくると)、図11に示すように、可視光の波長域(例えば360〜830nm)よりも広い波長域(例えば360〜840nm)を視認することが可能となる。その結果、照明光に波長830〜840nm付近の光が少しでも含まれていると、人間はその光を視認することが可能となる。しかし、可視光吸収カバー63の拡散領域DRによって照明光が拡散されているため、照明光に波長830〜840nm付近の光が含まれていても、拡散光L1で照明された第2の領域R2からは、上記照明光を視認しにくくなり、上記照明光に含まれる近赤外光の発光点(光源61)が暗闇でも視認されにくくなる。これにより、監視のための照明によって被介護者に圧迫感等を与えるのを確実に低減することが可能となる。
また、照明部21の支持部材62は、光学検出部23の撮影光軸Yから離れた位置で各光源61を支持するとともに、各々の照明光軸Xが、光源61を通る撮影光軸Yに沿った軸Y’に対して第1の領域R1から離れる側に傾くように、各光源61を支持している。この場合、各光源61の照明光軸Xが床面101bに垂直な場合に比べて、床面101bの周辺部の照度を高めることができ、撮影画像における床面101bの周辺部の画像に基づく画像認識の精度を向上させることができる。また、照明部21(光源61)の直下は、照度の低い拡散光L1で照明されるため(図13参照)、光学検出部23と各光源61との距離を適切に設定することにより、光学検出部23の直下およびその周囲にも上記拡散光L1を供給することができる。これにより、光学検出部23の直下の第1の領域R1およびそれを含む第2の領域R2を拡散光L1で確実に照明することができる。
また、可視光吸収カバー63は、平板部64と側壁部65とを有しており、拡散領域DRは、少なくとも平板部64に位置し、かつ、照明光軸Xよりも床面101b側に位置している。これにより、光源61から出射された光のうち、照明光軸Xよりも床面101b側の光を、少なくとも平板部64の拡散領域DRで拡散させ、第2の領域R2に拡散光L1として導くことができる。また、透過領域TRは、側壁部65に位置し、かつ、拡散領域DRよりも天井101a側に位置している。これにより、光源61から出射された光のうち、拡散領域DRよりも天井101a側の光を、側壁部65の透過領域TRを介してそのまま直接光L2として例えば第3の領域R3に導くことができる。
また、拡散領域DRは、可視光吸収カバー63の表面および裏面の少なくとも一方に形成される凹凸面63aを含んでいる。凹凸面63aに入射した光は、そこで拡散されて拡散光となるため、光源61から出射される光の一部を拡散させて拡散光L1として出射する拡散領域DRを確実に実現することができる。
また、支持部材62は、居室101の天井101aに沿って並ぶように、複数の光源61を支持しているので、天井101aから床面101bに向かって広範囲の照明を実現することができる。また、支持部材62は、天井101aに沿って光学検出部23を囲むように、複数の光源61を支持しているので、居室101内で、光学検出部23の撮影光軸Yの周方向全体を照明して、少なくとも床面101b全域を照明することができる。
また、可視光吸収カバー63は、天井101a側に開口部63pを有し、少なくとも複数の光源61を床面101b側から覆うカバーで構成されている。これにより、光学検出部23を天井101aに取り付けた後に、開口部63p内に光学検出部23が嵌るように、光源61等と一体的に可視光吸収カバー63を天井101aに取り付けることが可能となる。つまり、光学検出部23が既に天井101aに設置されている居室101に対して、光源61等を含む可視光吸収カバー63を後付けで設置することが可能となる。また、光源61は可視光吸収カバー63によって床面101b側から覆われているため、床面101b側からは、光源61が外観上、可視光吸収カバー63で隠れて目立たなくなる。
ところで、図14は、可視光吸収カバー63の透過領域TRに入射する光に含まれる主光線(強度が最も高い中心光線)の入射角度と透過率との関係を示している。なお、透過率の測定波長は、890nmとする。同図に示すように、上記入射角度が60°を超えると、透過率が急激に低下しているが、これは、表面反射による光量ロスが増大するためと考えられる。透過率が低下すると、透過領域TRを介して床面101bの周辺部を照明する際の照度が大きく低下することが懸念される。このため、可視光吸収カバー63の側壁部65は、上記入射角度が60°以下となるように、照明光軸Xと交差していることが望ましい。また、透過領域TRでの透過率の急激な低下を確実に回避して、床面101bの周辺部を高い照度で確実に照明する観点から、側壁部65は、上記入射角度が30°以下となるように照明光軸Xと交差していることがより望ましく、さらに望ましくは、上記入射角度が0°となるように、すなわち、側壁部65と照明光軸Xとが垂直に位置していることである。
〔照明部の他の構成〕
図15は、照明部21の他の構成を示す断面図である。照明部21の上述した可視光吸収カバー63は、リブ66をさらに有していてもよい。リブ66は、断面が直角三角形状の柱状プリズム(光学素子)であり、居室101の天井101a側から床面101b側に向かうにつれて、側壁部65の厚み方向に沿った幅が増大する形状となっている。このリブ66は、平板部64と側壁部65との連結部に対して光源61側の光路中(光源61から出射されて可視光吸収カバー63に入射する光の光路中)に位置している。ここでは、リブ66は、平板部64および側壁部65と同一材料(例えば同一の樹脂材料)で形成され、かつ、平板部64および側壁部65と一体的に形成されている。
図16は、リブ66の一構成例を示す斜視図である。リブ66は、複数の光源61の各々に対応する別個のプリズムで構成されて、複数の光源61が並ぶ方向に間隔を空けて配置されてもよい(平板部64および側壁部65と連結されていてもよい)。また、図17は、リブ66の他の構成例を示す斜視図である。リブ66は、天井101aに沿って一方向に並ぶ複数の光源61に共通する1個の柱状プリズムで構成されていてもよい。上述したように、複数の光源61が光学検出部23の周囲を天井101aに沿って囲むように位置する場合、リブ66は、光学検出部23の周囲4方向に沿って並ぶ計4つ配置されることになる。
断面直角三角形のリブ66を、平板部64および側壁部65と一体的に形成するため、平板部64と側壁部65とは垂直に連結されている。そして、リブ66において直角に交わる2面がそれぞれ、平板部64および側壁部65の光源61側の面と一体化されている。平板部64と側壁部65とが垂直に連結されているため、可視光吸収カバー63の外観形状は、図18に示すように、床面101b側から見て直方体のように見える。ただし、図15に示すように、可視光吸収カバー63の天井101a側には開口部63pが存在しており、天井101aが開口している。
可視光吸収カバー63に上記形状のリブ66を設けることにより、図15に示すように、照明光軸Xが水平(鉛直方向に対して垂直)となるように光源61を支持部材62で支持しても、その照明光軸X上を進行する光(強度の最も高い光)は、リブ66と空気層との界面で、リブ66の厚みの大きい側(床面101b側)屈折され、側壁部65の透過領域TRを透過した後、直接光L2として床面101bの周辺部に向かう。これにより、床面101bの周辺部を高い照度で照明することが可能となる。
また、リブ66を設けることで、照明光軸Xが水平となるように光源61を支持部材62で支持できるため(そのように支持しても周辺照度を上げることができるため)、光源61の支持構造も簡素化される。つまり、図15の構成では、照明光軸Xが水平となるように光源61を支持するにあたり、支持部材62を90°に折り曲げればよく、支持部材62の折り曲げ角度を90°以外で管理する必要のある図10の構成に比べると、支持部材62の設計(折り曲げ)が容易となる。
また、例えば、リブ66を平板部64および側壁部65と別部材で構成してもよいが、この場合は、リブ66を平板部64および側壁部65に対して位置決めして接着することが必要となり、製造工程が煩雑となる。この点、リブ66を、平板部64および側壁部65と同一材料で一体的に形成することにより、そのような位置決め工程や接着工程が不要となり、リブ66を有する可視光吸収カバー63を容易に実現することが可能となる。
以上のように、本実施形態では、比較的弱い拡散光源であるLED(光源61)の周辺光(照明光軸Xからの放射角の大きい光)をさらに拡散させている。これにより、光学検出部23の直下において、就寝環境の暗闇の中で近赤外の光源61が(拡散なしで)微かに見える状態であっても、拡散により光源61の輝度が低下するため、光源61が目立たなくなり、神経質な被介護者であっても就寝が妨げられるのを低減することができる。一方、ドア付近等の就寝場所から遠い場所は、光源61の照明光軸Xに近い光であって、拡散されない直接光L2で照明されるため、被介護者の転倒検知に必要な光量を十分に確保することができる。
また、光源61を可視光吸収カバー63とほぼ正対して配置することにより、可視光吸収カバー63での表面反射による光量損失を減らすことができる。また、光源61の照明光軸Xを鉛直方向から周辺部側に傾けることにより、超広角カメラ(光学検出部23)に入る直接光がなくなり、遮光構造の簡素化が可能となる。さらに、必然的にカメラ直下の光量が減り、さらに拡散によって光源輝度の低減が容易になる。また、上記したリブ66を光学素子として設ける構成では、可視光吸収カバー63の外観形状に影響を及ぼすことなく、リブ66を可視光吸収カバー63に一体的に形成して、光の利用効率を上げることが可能となる。
なお、本実施形態では、介護施設で過ごす被介護者を動体検知の対象(支援の対象)とするシステムについて説明したが、病院等で看護を受けることが必要な被看護者を動体検知の対象とするシステムにも、本実施形態の構成を勿論適用することができる。つまり、本実施形態の構成は、これらの被介護者および被看護者を含む被検者を支援の対象とするシステムに適用可能である。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
以上で説明した本実施形態の画像認識システム、動体検知ユニットおよびケアサポートシステムは、以下のように表現することができ、これによって以下の作用効果を奏すると言うことができる。
本実施形態の画像認識システムは、居室の天井に位置し、少なくとも床面全域に向けて照明光を出射する照明部と、前記居室の天井に位置し、前記照明部による照明のもとで、前記居室内を撮影して画像を取得する撮像部と、前記撮像部にて取得された前記画像の画像データに対して画像認識処理を行うことにより、前記居室内の被検者の状態を認識する画像認識部とを備え、前記照明光は、拡散光である第1の光と、前記第1の光よりも拡散度合いの低い第2の光とを含み、前記照明部は、前記居室内で、前記撮像部の直下の床面上の第1の領域を含む第2の領域に向けて前記第1の光を出射する一方、床面上の前記第2の領域よりも外側に向けて、前記第2の光を出射する。
上記の構成によれば、撮像部が照明部の照明のもとで居室内を天井から撮影して画像を取得すると、画像認識部は、上記画像の画像データに対して画像認識処理を行うことにより、被検者の状態を認識する。上記の照明部は、天井から、居室内で撮像部の直下の床面上の第1の領域を含む第2の領域を、拡散光である第1の光で照明し、第2の領域よりも外側の領域(例えば床面上で第2の領域の周囲の領域や、床面と垂直に交わる壁部の下部)を、第1の光よりも拡散度合いの低い第2の光で照明する。第1の光で照明された第2の領域では、被検者が天井を見上げたときに、天井の照明部は光の拡散によってぼやけて、目立たなくなる。これにより、監視のための照明によって被検者に与える圧迫感や精神的苦痛を軽減することが可能となる。また、第2の光は、第1の光よりも拡散度合いが低いため、照度が高く、第2の領域よりも外側の領域は、照度の高い第2の光で照明される。これにより、照明の際に照明対象の周辺部、つまり、撮像部の直下から離れた床面周辺部の照度を増大させることができ、撮影画像に基づく画像認識部での画像認識の精度を向上させることができる。
前記照明部は、前記照明光として、近赤外の波長域に強度ピークを有する光を出射し、前記撮像部は、前記近赤外の波長域に感度を有していてもよい。
照明部が近赤外光を出射し、撮像部が近赤外光を受光して画像を取得し、画像認識部が上記画像に基づいて画像認識を行う暗視野システムの構成において、上述の効果を得ることができる。また、照明光が近赤外光であるため、夜間の就寝時でも被検者が照明を視認しにくくなり、就寝時に被検者に与える圧迫感を軽減することができる。
前記照明部は、複数の光源と、前記光源から出射される光に含まれる可視光を吸収する可視光吸収部材とを有していてもよい。
照明部の照明光に近赤外光のみならず、可視光(特に近赤外に近い可視光)が含まれている場合でも、光源から出射された光が可視光吸収部材を透過することにより、近赤外光のみを取り出すことができる。これにより、近赤外光で居室内を照明する構成を確実に実現することができる。
前記可視光吸収部材は、前記光源から出射される光の一部を拡散させて前記第1の光として出射する拡散領域と、前記光源から出射される光の残りを透過させて前記第2の光として出射する透過領域とを有していてもよい。
可視光吸収部材が、拡散領域と透過領域とを有していることにより、照明部が上述した第1の光と第2の光とを出射して居室内を照明する構成を確実に実現することができる。
前記撮像部の撮影光軸は、前記居室の天井に対して垂直であり、前記照明部は、前記複数の光源の各々を、前記撮像部の前記撮影光軸から離れた位置で支持するとともに、各々の照明光軸が、前記光源を通る前記撮影光軸に沿った軸に対して、前記撮像部の直下の前記第1の領域から離れる側に傾くように、前記複数の光源の各々を支持する支持部材をさらに有していてもよい。
上記のように複数の光源の各々が支持部材で支持されていることにより、各光源の照明光軸が床面の周辺部側を向く。これにより、床面の周辺部の照度を高めて、撮影画像に基づく画像認識の精度を向上させることができる。
前記可視光吸収部材は、前記撮影光軸と交差するように位置する平板部と、前記光源の照明光軸と交差するように位置し、前記平板部の端部と連結される平板状の側壁部とを有しており、前記可視光吸収部材の前記拡散領域は、少なくとも前記平板部に位置し、かつ、前記照明光軸よりも床面側に位置している一方、前記透過領域は、前記側壁部に位置し、かつ、前記拡散領域よりも天井側に位置していてもよい。
可視光吸収部材において、拡散領域は、少なくとも平板部に位置し、かつ、照明光軸よりも床面側に位置しているため、光源から出射された光のうち、照明光軸よりも床面側の光を、少なくとも平板部の拡散領域で拡散させ、上記した第2の領域に第1の光(拡散光)として導くことができる。一方、可視光吸収部材において、透過領域は、側壁部に位置し、かつ、拡散領域よりも天井側に位置しているため、光源から出射された光のうち、拡散領域よりも天井側の光を、側壁部の透過領域を介してそのまま第2の光として、第2の領域の外側の領域に導くことができる。
前記可視光吸収部材は、前記平板部と前記側壁部との連結部に対して前記光源側の光路中に、前記居室の天井側から床面側に向かうにつれて、前記側壁部の厚み方向に沿った幅が増大する形状の光学素子を有していてもよい。
この構成では、照明光軸が水平となるように光源を支持部材で支持しても、その照明光軸上を進行する強度の高い光は、光学素子を透過する際に床面側に屈折するため、床面の周辺部を高い照度で照明することが可能となる。
前記光学素子は、前記平板部および前記側壁部と一体化されたプリズムであってもよい。この場合、光学素子付きの可視光吸収部材を容易に実現することができる。
前記拡散領域は、前記可視光吸収部材の表面および裏面の少なくとも一方に位置する凹凸面を含んでいてもよい。凹凸面に入射した光はそこで拡散されて拡散光となるため、光源から出射される光の一部を拡散させて第1の光として出射する拡散領域を確実に実現することができる。
前記支持部材は、前記複数の光源を、前記居室の天井に沿って並ぶように支持していてもよい。この場合、複数の光源を天井に沿って並べて、広角での照明を実現することができる。
前記支持部材は、前記複数の光源を、前記居室の天井に沿って前記撮像部を囲むように支持していてもよい。この場合、撮像部の撮影光軸の周方向全体を照明して、居室内の床面全域を照明することができる。
前記可視光吸収部材は、天井側に開口部を有し、少なくとも前記複数の光源を床面側から覆うカバーで構成されていてもよい。可視光吸収部材は、天井側に開口部を有しているため、例えば撮像部を天井に取り付けた後に、開口部内に撮像部が嵌るように、光源と一体的に可視光吸収部材を天井に取り付けることが可能となる。また、少なくとも複数の光源が可視光吸収部材によって床面側から覆われるため、光源が外観上、可視光吸収部材で隠れて目立たなくなる。
前記複数の光源は、発光ダイオードであってもよい。発光ダイオード(LED)は、ハロゲンランプなどに比べて省電力であり、レーザー光よりも拡がりを持つ光を出射するため、照明用の光源として非常に好適である。
前記照明部は、前記居室内で被検者の就寝領域を前記第1の光で照明してもよい。就寝領域では、被検者は、拡散光である第1の光で照明されるため、就寝領域で横になっている状態で天井を見上げても、照明部がぼやけて視認しにくくなる。
本実施形態の動体検知ユニットは、居室の天井に設置される動体検知ユニットであって、上述した画像認識システムと、被検者の微体動を検出する微体動検出部を含んでいる。上述した画像認識システムの構成によれば、画像認識精度を向上させることができるため、画像認識の結果と微体動の検出とに基づいて、被検者の状態の監視を精度よく行うことができる。
前記動体検知ユニットは、前記画像認識システムおよび前記微体動検出部にて取得された情報を外部に送信するためのインターフェース部をさらに含んでいてもよい。この場合、画像認識システムおよび微体動検出部にて取得された情報を、インターフェース部を介して外部(例えばサーバー)に送信することにより、外部にて上記情報を管理することが可能となる。
本実施形態のケアサポートシステムは、上述した少なくとも1つの動体検知ユニットと、前記動体検知ユニットと通信回線を介して接続され、前記動体検知ユニットから送信される前記情報を受信して管理するサーバーとを含んでいる。この構成では、動体検知ユニットから送信される情報を、サーバーにて受信して管理するので、床面上での転倒など、被検者の動作に異常が生じた場合には、サーバー側でその事態を把握して、施設内の職員、介護者、看護者の携帯端末に情報を送信し、被検者の確認を促すなどの適切な措置を講じることが可能となる。
本発明は、動体検知に用いられる画像認識システム、その画像認識システムを備えて動体検知を行う動体検知装置、その動体検知装置を備えて被介護者等の被検者の日常の生活を支援するケアサポートシステムに利用可能である。
1 ケアサポートシステム
10 動体検知ユニット
20 画像認識システム
21 照明部
23 光学検出部(撮像部)
25 画像認識部
30 電波検出部(微体動検出部)
43 インターフェース部
61 光源(発光ダイオード)
62 支持部材
63 可視光吸収カバー(可視光吸収部材)
63a 凹凸面
63p 開口部
64 平板部
65 側壁部
66 リブ(光学素子、プリズム)
100a サーバー
101 居室
101a 天井
101b 床面
102 ベッド
200 通信回線
L1 拡散光(第1の光)
L2 直接光(第2の光)
R1 第1の領域
R2 第2の領域
R4 就寝領域
DR 拡散領域
TR 透過領域
X 照明光軸
Y 撮影光軸

Claims (17)

  1. 居室の天井に位置し、少なくとも床面全域に向けて照明光を出射する照明部と、
    前記居室の天井に位置し、前記照明部による照明のもとで、前記居室内を撮影して画像を取得する撮像部と、
    前記撮像部にて取得された前記画像の画像データに対して画像認識処理を行うことにより、前記居室内の被検者の状態を認識する画像認識部とを備え、
    前記照明光は、拡散光である第1の光と、前記第1の光よりも拡散度合いの低い第2の光とを含み、
    前記照明部は、前記居室内で、前記撮像部の直下の床面上の第1の領域を含む第2の領域に向けて前記第1の光を出射する一方、床面上の前記第2の領域よりも外側に向けて、前記第2の光を出射することを特徴とする画像認識システム。
  2. 前記照明部は、前記照明光として、近赤外の波長域に強度ピークを有する光を出射し、
    前記撮像部は、前記近赤外の波長域に感度を有していることを特徴とする請求項1に記載の画像認識システム。
  3. 前記照明部は、複数の光源と、前記光源から出射される光に含まれる可視光を吸収する可視光吸収部材とを有していることを特徴とする請求項2に記載の画像認識システム。
  4. 前記可視光吸収部材は、
    前記光源から出射される光の一部を拡散させて前記第1の光として出射する拡散領域と、
    前記光源から出射される光の残りを透過させて前記第2の光として出射する透過領域とを有していることを特徴とする請求項3に記載の画像認識システム。
  5. 前記撮像部の撮影光軸は、前記居室の天井に対して垂直であり、
    前記照明部は、前記複数の光源の各々を、前記撮像部の前記撮影光軸から離れた位置で支持するとともに、各々の照明光軸が、前記光源を通る前記撮影光軸に沿った軸に対して、前記撮像部の直下の前記第1の領域から離れる側に傾くように、前記複数の光源の各々を支持する支持部材をさらに有していることを特徴とする請求項4に記載の画像認識システム。
  6. 前記可視光吸収部材は、
    前記撮影光軸と交差するように位置する平板部と、
    前記光源の照明光軸と交差するように位置し、前記平板部の端部と連結される平板状の側壁部とを有しており、
    前記可視光吸収部材の前記拡散領域は、少なくとも前記平板部に位置し、かつ、前記照明光軸よりも床面側に位置している一方、前記透過領域は、前記側壁部に位置し、かつ、前記拡散領域よりも天井側に位置していることを特徴とする請求項5に記載の画像認識システム。
  7. 前記可視光吸収部材は、前記平板部と前記側壁部との連結部に対して前記光源側の光路中に、前記居室の天井側から床面側に向かうにつれて、前記側壁部の厚み方向に沿った幅が増大する形状の光学素子を有していることを特徴とする請求項6に記載の画像認識システム。
  8. 前記光学素子は、前記平板部および前記側壁部と一体化されたプリズムであることを特徴とする請求項7に記載の画像認識システム。
  9. 前記拡散領域は、前記可視光吸収部材の表面および裏面の少なくとも一方に位置する凹凸面を含むことを特徴とする請求項5から8のいずれかに記載の画像認識システム。
  10. 前記支持部材は、前記複数の光源を、前記居室の天井に沿って並ぶように支持していることを特徴とする請求項5から9のいずれかに記載の画像認識システム。
  11. 前記支持部材は、前記複数の光源を、前記居室の天井に沿って前記撮像部を囲むように支持していることを特徴とする請求項10に記載の画像認識システム。
  12. 前記可視光吸収部材は、天井側に開口部を有し、少なくとも前記複数の光源および前記支持部材を床面側から覆うカバーで構成されていることを特徴とする請求項5から11のいずれかに記載の画像認識システム。
  13. 前記複数の光源は、発光ダイオードであることを特徴とする請求項3から12のいずれかに記載の画像認識システム。
  14. 前記照明部は、前記居室内で被検者の就寝領域を前記第1の光で照明することを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の画像認識システム。
  15. 居室の天井に設置される動体検知ユニットであって、
    請求項1から14のいずれかに記載の画像認識システムと、
    被検者の微体動を検出する微体動検出部を含んでいることを特徴とする動体検知ユニット。
  16. 前記画像認識システムおよび前記微体動検出部にて取得された情報を外部に送信するためのインターフェース部をさらに含んでいることを特徴とする請求項15に記載の動体検知ユニット。
  17. 請求項16に記載の、少なくとも1つの動体検知ユニットと、
    前記動体検知ユニットと通信回線を介して接続され、前記動体検知ユニットから送信される前記情報を受信して管理するサーバーとを含んでいることを特徴とするケアサポートシステム。
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