JP6904027B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置に関する。
従来、定着部材の定着ニップを介して、トナー画像が転写されている用紙に熱及び圧力が付与され、用紙にトナー画像が定着される。このような用紙は、定着ニップを通過後、定着部材から分離するものである。しかし、用紙の種類又はトナー画像の画像形状等によっては、用紙は定着ニップを通過してからであっても定着部材から分離されないため、搬送経路にジャムが発生することがある。そこで、定着ニップの下流側に剥離部材を設け、剥離部材により定着部材とトナー画像との間にマイクロスリップを生じさせることにより、用紙の分離性を向上させる画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−164025号公報
しかし、特許文献1に記載の従来技術は、剥離部材と定着部材とが常に摺動接触しているため、定着部材の耐久性を低下させる恐れがある。
本開示はこのような状況に鑑みてなされたものであり、定着部材の耐久性の低下を防ぎ、且つ定着部材から用紙を確実に分離させることができるようにするものである。
本開示の一側面である画像形成装置は、通紙経路に沿って搬送される記録媒体にトナー画像を形成する画像形成部を備え、前記記録媒体に形成される前記トナー画像を定着させる画像形成装置であって、前記通紙経路に設けられ、前記記録媒体に前記トナー画像を定着させる定着ニップを形成する定着部材と、前記定着部材を移動自在である駆動部と、前記駆動部を制御する制御モジュールを実行する1個以上のプロセッサと、を備え、前記駆動部は、前記記録媒体が前記定着ニップを通過する際における、前記記録媒体の搬送方向と直交する方向のうち前記記録媒体の幅方向に沿って、前記定着部材を移動自在なものであり、前記制御モジュールは、前記定着部材が前記記録媒体の幅方向に沿って移動しているときに前記記録媒体の少なくとも先端が前記定着ニップを通過するように前記記録媒体を通紙させると共に前記定着部材における前記記録媒体の幅方向の移動が止まるときには前記記録媒体の少なくとも先端が前記定着ニップを通過するのを避けさせるための、又は前記記録媒体の少なくとも先端が前記定着ニップを通過しているときに前記定着部材を前記記録媒体の幅方向に沿って移動させると共に前記記録媒体の少なくとも先端が前記定着ニップを通過していないときに前記定着部材を前記記録媒体の幅方向に沿って移動するのを避けさせるための、調整指示、を含むものである。
また、前記定着部材は、定着ベルトから構成されるものであって、前記駆動部は、前記記録媒体の幅方向に沿って、前記定着ベルトを往復移動させるものである、ことが好ましい。
また、前記調整指示は、前記記録媒体の先端が前記定着ニップを通過する前又は通過した後の少なくとも一方において、前記定着ベルトの往復移動の折り返しが行われるように、前記記録媒体を通紙させるタイミング及び前記定着ベルトの往復移動の折り返しタイミングの少なくとも一方を調整させるものである、ことが好ましい。
また、前記調整指示は、前記記録媒体の紙間で、前記定着ベルトの往復移動の折り返しが行われるように、前記記録媒体を通紙させるタイミング及び前記定着ベルトの往復移動の折り返しタイミングの少なくとも一方を調整するものである、ことが好ましい。
また、前記調整指示は、前記定着ベルトの往復移動の折り返しのときに、前記記録媒体の紙間を広げるものである、ことが好ましい。
また、前記制御モジュールは、前記画像形成部のプロセス速度に基づき、前記記録媒体の幅方向に沿って前記定着部材を移動させる移動速度を設定するための設定指示、をさらに含むものである、ことが好ましい。
また、前記設定指示は、前記画像形成部のプロセス速度が速くなるにつれ、前記記録媒体の幅方向に沿って前記定着部材を移動させる移動速度を増加させるものである、ことが好ましい。
また、前記制御モジュールは、前記定着部材からの前記記録媒体の分離性が悪い場合、前記定着部材と前記記録媒体との間に生じるマイクロスリップを増加させるための分離性改善指示、をさらに含むものである、ことが好ましい。
また、前記分離性改善指示は、前記記録媒体の紙種及び坪量の少なくとも一方に応じて、前記記録媒体の幅方向に沿って前記定着部材を移動させる移動速度を設定するための紙種対応指示、を含むものである、ことが好ましい。
また、前記紙種対応指示は、前記記録媒体の坪量が小さくなるにつれ、前記記録媒体の幅方向に沿って前記定着部材を移動させる移動速度を増加させるものである、ことが好ましい。
また、前記分離性改善指示は、前記記録媒体のカバレッジに応じて、前記記録媒体の幅方向に沿って前記定着部材を移動させる移動速度を設定するためのカバレッジ対応指示、をさらに含むものである、ことが好ましい。
また、前記カバレッジ対応指示は、前記記録媒体のカバレッジが高くなるにつれ、前記記録媒体の幅方向に沿って前記定着部材を移動させる移動速度を増加させるものである、ことが好ましい。
また、前記分離性改善指示は、前記記録媒体の先端側の余白量に応じて、前記記録媒体の幅方向に沿って前記定着部材を移動させる移動速度を設定するための余白量対応指示、をさらに含むものである、ことが好ましい。
また、前記余白量対応指示は、前記記録媒体の先端側の余白量が小さくなるにつれ、前記記録媒体の幅方向に沿って前記定着部材を移動させる移動速度を増加させるものである、ことが好ましい。
また、前記定着ニップの出口側に設けられ、前記定着ベルトから前記記録媒体を分離させる分離補助部材、をさらに備え、前記分離補助部材は、前記定着ベルトの外周面側に設けられた爪、及び前記記録媒体と前記定着ベルトとの間に空気を噴射するエア噴射部、の少なくとも一方から構成される、ことが好ましい。
本開示の一側面によれば、定着部材の耐久性の低下を防ぎ、且つ定着部材から用紙を確実に分離させることができる。
本開示を適用した実施形態1に係る画像形成装置1の全体構成例を示す図である。 実施形態1に係る画像形成装置1のブロック図である。 実施形態1に係る定着部35の構成例を示す図である。 実施形態1に係る定着ベルト3515の往復運動の一例を示す図である。 実施形態1に係る定着部35のさらに別の構成例を示す図である。 実施形態1に係る用紙Pにマイクロスリップを生じさせる領域Aを説明する図である。 実施形態1に係る用紙Pの通紙タイミング及び定着ベルト3515の移動範囲の一例を示す図である。 実施形態1に係る坪量と、定着部材の移動速度vとの関係の一例を示す図である。 実施形態1に係るカバレッジと、定着部材の移動速度vとの関係の一例を示す図である。 実施形態1に係る用紙Pの先端余白量と、定着部材の移動速度vとの関係の一例を示す図である。 実施形態1に係る定着部35の制御例を説明するフローチャートである。 本開示を適用した実施形態2に係る定着部35の別の構成例を示す図である。
実施形態1.
以下、図面に基づいて本開示の実施形態を説明するが、本開示は以下の実施形態に限られるものではない。なお、本開示の実施形態の説明で使用されているように、「構成する」、「より成る」、「含む」、「含んでいる」、「有する」、「備える」又はそれらの他の何らかの同義語は、非排他的な包含関係をカバーするように意図される。例えば、要素の列挙を含むプロセス、方法、物品又は装置は、それらの要素だけに限定されることは必須でなく、明示的には列挙されていない又は本来備わっているはずの他の要素が、そのようなプロセス、方法、物品又は装置に含まれてもよい。さらに、明示的に言及しない限り、「又は」は包括的なものであり、排他的な和ではない。例えば、「条件A又はB」は、Aが存在し且つBが存在しない場合、Aが存在せず且つBが存在する場合、AもBも両方とも存在する場合の何れの場合でも満たされるものである。
本開示はここで説明される処理を実行する装置にも関連している。その装置は、必要な目的に応じて特別に構築されてもよいし、コンピュータに格納されているコンピュータプログラムによって選択的にアクティブにされる又は再構成される汎用コンピュータで構築されてもよい。
また、ここで説明されるアルゴリズムは、特定のコンピュータその他の装置のどれにも固有に関連するものではない。さまざまな汎用システムがここで教示するものによるプログラムと共に使用されてよく、又は、必要な方法ステップを実行するように、よりいっそう特化した装置を構築することが便利なことが分かるかもしれない。これらさまざまなシステムに必要な構造は以下の説明から明らかになるであろう。さらに、本開示は特定のプログラミング言語のどれにも依存しない。ここで説明される本開示の教示内容を実現するのにさまざまなプログラミング言語が使用されてよいことが分かるであろう。
図1は、本開示を適用した実施形態1に係る画像形成装置1の全体構成例を示す図である。図2は、実施形態1に係る画像形成装置1のブロック図である。図3は、実施形態1に係る定着部35の構成例を示す図である。図4は、実施形態1に係る定着ベルト3515の往復運動の一例を示す図である。図5は、実施形態1に係る定着部35のさらに別の構成例を示す図である。
図1に示すように、画像形成装置1は、読取部10と、給紙部20と、画像形成部30とを備える。給紙部20は、給紙カセット21と、給紙搬送部22とを備える。給紙カセット21は、用紙サイズの異なる記録媒体を収納する。給紙搬送部22は、各種ローラーを備え、給紙カセット21に収納された記録媒体を画像形成部30の画像形成位置まで搬送する。記録媒体は、例えば、用紙P又は長尺紙である。用紙Pは、例えば、単票、光沢紙、又は両端に一定ピッチで孔が形成された連続用紙等である。画像形成部30は、露光装置31と、感光ドラム32と、現像装置33と、転写ベルト34と、定着部35とを備える。画像形成部30は、読取部10により読み取られた原稿の画像データに基づき、露光装置31により感光ドラム32に異なる色のトナーを供給して現像する。画像形成部30は、転写ベルト34により感光ドラム32に現像されたトナー画像Xを給紙部20から供給された記録媒体に転写する。画像形成部30は、記録媒体に転写されたトナー画像Xのトナーを定着部35で融解させることにより、記録媒体にトナー画像Xが定着する。
読取部10は、ADF10aと、画像読取部10bとを備える。ADF10aは、原稿トレイ11、排紙トレイ12、通紙経路13、密着型イメージセンサー14、及び濃度基準部材15等を備える。濃度基準部材15は、ADF10aのシェーディング補正時に利用される。画像読取部10bは、原稿照明部42、反射ミラー43、集光レンズ44、ラインイメージセンサー45、及びプラテンガラス46等を備える。読取部10は、原稿トレイ11にセットされている原稿を、1枚ずつ分離して繰り出し、密着型イメージセンサー14が配置されている通紙経路13に沿って副走査方向に搬送し、排紙トレイ12に排紙する。原稿照明部42は、ランプ42aと、ミラー42bとを備える。原稿は通紙経路13に沿って副走査方向に搬送されつつ、主走査方向のライン単位の読取動作が、原稿照明部42、反射ミラー43、集光レンズ44、及びラインイメージセンサー45により繰り返し実行される。画像読取部10bに近接対向して白基準板41が取り付けられている。白基準板41は、画像読取部10bのシェーディング補正時に利用される。画像読取部10bと白基準板41との間に原稿が存在しない状態でランプ42aを点灯させ、その光は白基準板41に照射される。白基準板41の反射光を含む光は、ミラー42b、反射ミラー43、及び集光レンズ44を介してラインイメージセンサー45により受光される。
図2に示すように、画像形成装置1は、メイン回路110と、ADF10aと、画像読取部10bと、上記で概略を説明した画像形成部30と、給紙部20と、操作パネル160と、センサー201と、センサー202と、センサー203とを含み、それらがバス101を介して接続されている。ADF10aは、原稿を画像読取部10bに搬送するものである。画像読取部10bは、ADF10aにより搬送された原稿を読み取るものである。画像形成部30は、画像読取部10bにより読み取られた原稿の画像データに基づいて用紙P等のような記録媒体に画像を形成するものである。給紙部20は、画像形成部30に用紙P等のような記録媒体を供給するものである。
操作パネル160は、画像形成装置1の上面側に設けられ、表示部161及び操作部163を含む。操作パネル160は、各種モードに関する内容の表示及び操作の受け付けをするものである。表示部161は、表示装置であり、例えば、液晶表示装置からなる。表示部161は、ユーザーへの指示メニュー、画像読取部10bにより読み取られた原稿の画像データに関する情報、又は各種モードに関する情報等を表示する。
操作部163は、ユーザーの操作による指示を受け付けるものである。操作部163は、ハードキー部167を含む。ハードキー部167は、複数のキーからなる。複数のキーのそれぞれは、各種の指示、文字、及び数字等のデータの入力を受け付けるものである。操作部163は、タッチパネル165を含む。タッチパネル165は、表示部161上に設けられ、表示部161の表示画面が触れられた場所に対応する座標を検出するものである。
メイン回路110は、1つ以上のプロセッサ113と、インターフェース部111とを含む。1つ以上のプロセッサ113は、ADF10a,画像読取部10b、画像形成部30、給紙部20、及び操作パネル160と接続され、画像形成装置1を制御するものである。メモリ115は、1つ以上のプロセッサ113が実行する1個以上の制御モジュール1151又はその1個以上の制御モジュール1151を実行するために必要なデータをメモリコントローラー114を介して記憶するものである。インターフェース部111は、外部から送信される各種データ又は指示を受信し、1つ以上のプロセッサ113の処理結果を外部に送信するものである。
定着部35は、搬送ガイド221,222で形成される通紙経路231に設けられ、用紙Pにトナー画像Xを定着させる定着ニップを形成するものであり、上側定着部351と、下側定着部353とを備える。上側定着部351は、定着ニップを介してトナー画像Xに熱を供給するものである。下側定着部353は、上側定着部351と対向して設けられ、定着ニップを介してトナー画像Xに圧力を付与するものである。
具体的には、図3に示すように、上側定着部351は、加熱ローラー3512、上加圧ローラー3511、及び定着ベルト3515を備える。下側定着部353は、下加圧ローラー3531を備える。加熱ローラー3512は、定着用ヒーター3516を備え、定着用ヒーター3516がON状態及びOFF状態の何れかに制御されることにより、熱を供給自在なものである。上加圧ローラー3511は、加熱ローラー3512と連動して回転方向S_1に回転するものであり、定着ニップを形成するものである。下加圧ローラー3531は、上加圧ローラー3511と対向して設けられ、上加圧ローラー3511との間で定着ニップを形成するものであり、回転方向T_1に回転するものである。定着ベルト3515は、加熱ローラー3512と、上加圧ローラー3511とに巻き掛けられているものである。なお、センサー201は、定着ニップ出口側に設けられ、用紙Pの通過を検知するものであり、例えば、用紙Pの通過の検知に応じて通紙信号を出力するものである。
また、図4に示すように、定着ベルト3515は、駆動部355により用紙Pが定着ニップを通過する際における、用紙Pの搬送方向と直交する方向のうち用紙Pの幅方向に沿った向きNで移動自在に構成されている。駆動部355は、具体的には、向きNに沿って、定着ベルト3515を往復運動させるものである。例えば、加熱ローラー3512の両端にそれぞれ、少なくとも1個以上のセンサー202を設け、センサー202により定着ベルト3515の移動を検知する。定着ベルト3515の移動は、傾き基準角度θ0を基準として傾き角度θ+又はθ−に加熱ローラー3512を駆動部355により傾かせて制御すればよい。また、図5に示すように、定着部35は、上側定着部351として回転方向S_2に回転する定着ローラー3513を備え、下側定着部353として回転方向T_2に回転する加圧ローラー3532を備えてもよい。この場合、定着ローラー3513の往復運動制御は、定着ローラー3513の軸を支持している部材を、定着ローラー3513も含めて軸方向に沿って駆動部355により移動させることにより実現すればよい。
なお、定着ベルト3515及び定着ローラー3513を総称する場合、定着部材と称する。つまり、定着部材は、定着ベルト3515から構成されるもの、又は定着ローラー3513から構成されるものである。定着部材は、駆動部355により移動自在なものである。
定着部材の往復運動制御は、具体的には、メモリ115に記憶されている制御モジュール1151を実行する1個以上のプロセッサ113により実行される。制御モジュール1151は、定着部材が用紙Pの幅方向に沿って移動しているときに用紙Pの少なくとも先端が定着ニップを通過するように用紙Pを通紙させるための、又は用紙Pの少なくとも先端が定着ニップを通過しているときに定着部材を用紙Pの幅方向に沿って移動させるための、調整指示を含むものである。つまり、用紙Pと、定着部材との位置関係を定着部材の移動の向きN方向に沿って相対的にずらせばよい。用紙Pと、定着部材との位置関係が定着部材の移動の向きN方向に沿って相対的にずらされることにより、定着部材の移動の向きN方向の移動速度vに応じたマイクロスリップが生じるため、用紙Pに形成されるトナー画像Xと定着部材との間の付着力が低減することにより分離がよくなる。よって、マイクロスリップ量δに応じてトナー画像Xと定着部材との間の付着力が弱まるため、用紙Pの少なくとも先端が分離されない状況を回避することができる。
図6は、実施形態1に係る用紙Pにマイクロスリップを生じさせる領域Aを説明する図である。パターンIは、用紙Pの先端側にマイクロスリップを生じさせるものである。パターンIIは、用紙Pの全体にマイクロスリップを生じさせるものである。パターンIIIは、用紙Pの先端側及び用紙Pの途中にマイクロスリップを生じさせるものである。パターンIVは、用紙Pの途中から後端側にかけてマイクロスリップを生じさせるものである。なお、用紙Pが定着部材から適切に分離されるためには、少なくとも用紙Pの先端が分離されている必要がある。しかし、パターンI〜IVのうち、パターンIVは、用紙Pの先端にマイクロスリップが生じないため、用紙Pの先端の付着力が低減されず、用紙Pを定着部材から適切に分離させるという目的を達成することはできず、用紙Pを定着部材から分離させることができない。一方、パターンI〜IVのうち、パターンI〜IIIは、何れも用紙Pの先端側にマイクロスリップを生じさせることができるため、上記で説明したように、トナー画像Xと定着部材との間の付着力が低減することにより分離がよくなる。よって、トナー画像Xと定着部材との間の付着力が弱まるため、定着部材から用紙Pを分離させることができる。ただし、定着部材は往復運動制御されるものである。よって、定着部材の折り返しのときに定着部材の移動の向きN方向に沿った移動速度vは0となるため、向きN方向に沿ったマイクロスリップが発生しないときがある。このような時に用紙Pの先端が定着ニップを通過するとマイクロスリップが発生せず、用紙Pが定着部材に巻き付くことにより、通紙経路231でジャムが生じる恐れがある。
そこで、調整指示は、定着部材が折り返すときには、用紙Pの少なくとも先端が定着ニップを通過するのを避けさせるものである。具体的には、調整指示は、用紙Pの先端が定着ニップを通過する前又は通過した後の少なくとも一方において、定着ベルト3515の往復移動の折り返しが行われるように、用紙Pを通紙させるタイミング及び定着ベルト3515の往復移動の折り返しタイミングの少なくとも一方を調整させるものである。具体的には、図4に示すように、センサー203を定着ニップが形成される位置よりも用紙Pの通紙方向Mの上流側に設けることにより、センサー203が用紙Pを通過するタイミングを検知できる。用紙Pがセンサー203を通過する計測開始時間t0と、センサー203が用紙Pを検知する位置から定着ニップまでの計測距離x0と、用紙Pの搬送速度Vとに基づき、用紙Pが定着ニップを通過する通過タイミングを含めた時間の長さである通過時間tは、計測開始時間t0+計測距離x0/搬送速度Vで求めることができる。このような通過時間tが求まれば、用紙Pの先端が定着ニップを通過する前又は通過した後の少なくとも一方において、定着ベルト3515の往復移動の折り返しが行われるように、用紙Pを通紙させるタイミング及び定着ベルト3515の往復移動の折り返しタイミングの少なくとも一方を調整させることができる。なお、画像形成部30が用紙Pに画像を形成するタイミングにより用紙Pの先端が定着ニップを通過するタイミングを求めてもよい。例えば、図1に示すように、二次転写ローラー341の転写ニップを用紙Pの先端が通過する計測開始時間t1と、二次転写ローラー341の転写ニップから定着部35の定着ニップまでの計測距離x1と、プロセス速度Vpとに基づき、通過時間tは、計測開始時間t1+計測距離x1/プロセス速度Vpで求めることができる。
なお、調整指示は、用紙Pの紙間で、定着ベルト3515の往復移動の折り返しが行われるように、用紙Pを通紙させるタイミング及び定着ベルト3515の往復移動の折り返しタイミングの少なくとも一方を調整してもよい。図7は、実施形態1に係る用紙Pの通紙タイミング及び定着ベルト3515の移動範囲の一例を示す図である。図7に示すように、定着ベルト3515の往復運動が折り返すときには、定着ベルト3515の移動の向きN方向に沿った移動速度vが0となる。このようなときに用紙Pを通紙させると、マイクロスリップが発生しないため、通紙経路231でジャムが発生する恐れがある。そこで、定着ベルト3515の移動の向きN方向に沿った移動速度vが略0となる時間を通紙不可時間とし、通紙不可時間のときには用紙Pが定着ニップを通過しない状態とする。また、調整指示は、定着ベルト3515の往復移動の折り返しのときに、用紙Pの紙間を広げるものであってもよい。また、図7に示すように、例えば、用紙Pの5枚目と6枚目との間の紙間を広げたタイミングと、定着ベルト3515の往復移動の折り返しタイミングとが一致するように調整する。なお、定着ベルト3515の移動範囲は上限値と下限値とがありそれぞれが移動限界値に該当する。移動限界値は、例えば、図4に示すセンサー202のうち、それぞれ外側の方で検知する位置に基づき設定すればよい。
ところで、プロセス速度Vpと、マイクロスリップ量δとは相関関係があり、マイクロスリップ量δを一定とするような制御をする場合、プロセス速度Vpと、定着部材の移動の向きN方向に沿って定着部材を移動させる移動速度vとは相関関係が生まれる。よって、制御モジュール1151は、プロセス速度Vpに基づき、向きN方向に沿って定着部材を移動させる移動速度vを設定するための設定指示を含むことが好ましい。設定指示は、プロセス速度Vpが速くなるにつれ、向きN方向に沿って定着部材を移動させる移動速度vを増加させるのが好ましい。具体的には、定着部材の移動の向きN方向に沿って定着部材を移動させる移動速度vは、プロセス速度Vpの0.05〜1%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜0.4%である。より具体的には、用紙Pに与えられるマイクロスリップ量δ、特に、トナー画像Xに与えらえるマイクロスリップ量δは、用紙Pの先端が定着ニップを通過する時間の長さである通過時間tiと、定着部材の移動の向きN方向に沿って定着部材を移動させる移動速度vと、に基づき、マイクロスリップ量δ=通過時間ti×移動速度vとなる。さらに、プロセス速度Vpと、定着ニップ幅Lとに基づき、通過時間ti=定着ニップ幅L/プロセス速度Vpとなるため、マイクロスリップ量δ=(定着ニップ幅L×移動速度v)/プロセス速度Vpとなる。つまり、プロセス速度Vpが増加すれば、マイクロスリップ量δは減少する。よって、プロセス速度Vpの増加に追従して、移動速度vを増加させるのが好ましい。なお、マイクロスリップ量δは、トナー画像Xと、定着部材との間で生じさせるものが好ましい。これによりトナー画像Xと定着部材との間の付着力が低減し、分離性が向上する。
また、向きNに沿って定着部材を移動させる移動速度vが遅すぎれば、マイクロスリップは発生しないため、定着部材からの用紙Pの分離性の向上は実現できない。一方、定着部材の移動の向きN方向に沿って定着部材を移動させる移動速度vが速すぎれば、画像不良等のような不具合が生じる恐れがある。そこで、制御モジュール1151は、定着部材からの用紙Pの分離性が悪い場合、定着部材と用紙Pとの間に生じるマイクロスリップ量δを増加させるための分離性改善指示を含むのが好ましい。分離性改善指示は、用紙Pの紙種及び坪量の少なくとも一方に応じて、向きN方向に沿って定着部材を移動させる移動速度vを設定するための紙種対応指示を含むのが好ましい。図8は、実施形態1に係る坪量と、定着部材の移動速度vとの関係の一例を示す図である。図8に示すように、紙種対応指示は、用紙Pの紙種に対応する用紙Pの坪量が小さくなるにつれ、向きN方向に沿って定着部材を移動させる移動速度vを増加させるものである。また、分離性改善指示は、用紙Pのカバレッジに応じて、向きN方向に沿って定着部材を移動させる移動速度vを設定するためのカバレッジ対応指示を含むのが好ましい。図9は、実施形態1に係るカバレッジと、定着部材の移動速度vとの関係の一例を示す図である。図9に示すように、カバレッジ対応指示は、用紙Pのカバレッジが高くなるにつれ、向きN方向に沿って定着部材を移動させる移動速度vを増加させるものである。また、分離性改善指示は、用紙Pの先端側の余白量に応じて、定着部材の移動の向きN方向に沿って定着部材を移動させる移動速度vを設定するための余白量対応指示を含むのが好ましい。図10は、実施形態1に係る用紙Pの先端余白量と、定着部材の移動速度vとの関係の一例を示す図である。図10に示すように、余白量対応指示は、用紙Pの先端側の余白量が小さくなるにつれ、定着部材の移動の向きN方向に沿って定着部材を移動させる移動速度vを増加させるものである。
図11は、実施形態1に係る定着部35の制御例を説明するフローチャートである。まず、処理の前提として、定着ベルト3515の移動が開始される前に、定着ベルト3515は向きN方向の位置が初期位置にあることを想定する。初期位置は、定着ベルト3515の移動可能範囲の中央とする。ステップS11において、定着ベルト3515の移動の向きN方向に沿って定着ベルト3515の移動が開始される。ステップS12において、次の用紙Pの先端が定着ニップを通過するまでの間に定着ベルト3515が移動限界値を超えるか否かが判定される。次の用紙Pの先端が定着ニップを通過するまでの間に定着ベルト3515が移動限界値を超えると判定される場合(ステップS12;Y)、ステップS17の処理に移行する。ステップS17において、定着ベルト3515の移動方向が変えられ、ステップS11の処理に戻る。一方、次の用紙Pの先端が定着ニップを通過するまでの間に定着ベルト3515が移動限界値を超えないと判定される場合(ステップS12;N)、ステップS13の処理に移行する。ステップS13において、用紙Pが通紙される。ステップS14において、用紙Pの先端が定着ニップを通過したか否かが判定される。用紙Pの先端が定着ニップを通過したと判定される場合(ステップS14;Y)、ステップS15の処理に移行する。一方、用紙Pの先端が定着ニップを通過しないと判定される場合(ステップS14;N)、ステップS14の処理が維持される。
ステップS15において、最終ページの用紙Pが通紙されたか否かが判定される。最終ページの用紙Pが通紙されたと判定される場合(ステップS15;Y)、ステップS16の処理に移行する。ステップS16において、定着ベルト3515の移動の向きN方向の位置を初期位置に戻し、定着ベルト3515の移動の向きN方向に沿った定着ベルト3515の移動を停止し、処理は終了する。一方、最終ページの用紙Pが通紙されないと判定される場合(ステップS15;N)、ステップS12の処理に戻る。
以上の説明から、本開示を適用した画像形成装置1によれば、定着部材が用紙Pの幅方向に沿って移動しているときに用紙Pの少なくとも先端が定着ニップを通過するように用紙Pを通紙させる、又は用紙Pの少なくとも先端が定着ニップを通過しているときに定着部材を用紙Pの幅方向に沿って移動させる。これにより、用紙Pの少なくとも先端において、用紙Pと定着部材との位置関係が定着部材の移動の向きN方向に沿って相対的にずらされ、用紙Pに形成されるトナー画像Xと定着部材との間にマイクロスリップが発生する。また、マイクロスリップ量δに応じてトナー画像Xと定着部材との間の付着力が弱まる。よって、定着部材から用紙Pを確実に分離させることができる。
また、画像形成装置1は、定着ベルト3515の内周側が固定部材と摺動することがない。よって、固定部材との摺動による定着ベルト3515の劣化が生じることがない。
したがって、定着部材の耐久性の低下を防ぎ、且つ定着部材から用紙Pを確実に分離させることができる。
また、本開示を適用した画像形成装置1によれば、駆動部355による定着部材の移動に関し、用紙Pの幅方向の移動、すなわち、定着部材の移動の向きN方向の移動が止まるときには、用紙Pの少なくとも先端が定着ニップを通過するのを避けるものである。よって、定着部材が折り返すときには、用紙Pの少なくとも先端が定着ニップを通過しない。したがって、定着部材から用紙Pを確実に分離させることができる。
また、本開示を適用した画像形成装置1によれば、向きN方向に沿って、定着ベルト3515を往復移動させるものであることにより、定着ベルト3515とトナー画像Xとの相対的な位置ずれを生じさせることができるため、定着ベルト3515とトナー画像Xとの間にマイクロスリップを簡易に発生させることができる。
また、本開示を適用した画像形成装置1によれば、用紙Pの先端が定着ニップを通過する前又は通過した後の少なくとも一方において、定着ベルト3515の往復移動の折り返しが行われるように、用紙Pを通紙させるタイミング及び定着ベルト3515の往復移動の折り返しタイミングの少なくとも一方を調整させるものであることにより、用紙Pの先端が定着ニップを通過中でないときに定着ベルト3515の折り返しが行われ、且つ用紙Pの先端が定着ニップを通過中のときに定着ベルト3515は移動の向きN方向に移動している。よって、定着ベルト3515の移動の向きN方向が切り替わるタイミングで用紙Pの先端が定着ニップを通過せず、且つ定着ベルト3515が移動の向きN方向に移動中に用紙Pの先端が定着ニップを通過する。したがって、定着ニップにおいて、用紙Pと、定着ベルト3515との相対的な位置ずれを生じさせることができるため、定着ニップにおいて、定着ベルト3515と用紙Pとの間にマイクロスリップを確実に発生させることができる。
また、本開示を適用した画像形成装置1によれば、用紙Pの紙間で、定着ベルト3515の往復移動の折り返しが行われるように、用紙Pを通紙させるタイミング及び定着ベルト3515の往復移動の折り返しタイミングの少なくとも一方を調整するものであることにより、図6のパターンIIのように、用紙Pの全長に渡ってマイクロスリップを発生させることが可能となり、より分離性を向上させることができる。
また、本開示を適用した画像形成装置1によれば、定着ベルト3515の往復移動の折り返しのときに、用紙Pの紙間を広げるものであることにより、定着ベルト3515を余裕を持って折り返すことができるため、定着ベルト3515の折り返し時における定着ベルト3515が移動の向きN方向に沿って移動していないときに、用紙Pの先端が定着ニップを通過してしまう状況をより確実に回避させることができる。
また、本開示を適用した画像形成装置1によれば、用紙Pの幅方向に沿って定着部材を移動させる移動速度vが遅すぎる場合、マイクロスリップが生じないため定着部材から用紙Pを分離させることができない。一方、用紙Pの幅方向に沿って定着部材を移動させる移動速度vが速すぎる場合、用紙Pに形成されているトナー画像Xに画像不良等のような不具合が生じる可能性がある。そこで、画像形成装置1は、画像形成部30のプロセス速度Vpに基づき、用紙Pの幅方向に沿って定着部材を移動させる移動速度vを設定する。よって、用紙Pの幅方向に沿って定着部材を移動させる移動速度vを適切に設定できるため、定着部材から用紙Pを安定して分離させることができる。
また、本開示を適用した画像形成装置1によれば、用紙Pの幅方向に沿って定着部材を移動させる移動速度vが増加するにつれ、マイクロスリップ量δは増加する。画像形成部30のプロセス速度Vpが増加するにつれ、マイクロスリップ量δは減少する。よって、画像形成装置1は、画像形成部30のプロセス速度Vpが速くなるにつれ、用紙Pの幅方向に沿って定着部材を移動させる移動速度vを上げることにより、マイクロスリップ量δを適切に調整することができるため、定着部材から用紙Pを安定して分離させることができる。
また、本開示を適用した画像形成装置1によれば、定着部材からの用紙Pの分離性が悪い場合、定着部材とトナー画像Xとの間に生じるマイクロスリップ量δを増加させることにより、用紙Pと定着部材との付着力をさらに弱めることができるため、定着部材から用紙Pをさらに確実に分離させることができる。
また、本開示を適用した画像形成装置1によれば、用紙Pの紙種及び坪量の少なくとも一方に応じて、用紙Pの幅方向に沿って定着部材を移動させる移動速度vが設定されることにより、用紙Pの分離性が悪い紙種又は坪量であっても、用紙Pの幅方向に沿って定着部材を移動させる移動速度vを適切に設定できるため、用紙Pの分離性を向上させることができる。
また、本開示を適用した画像形成装置1によれば、用紙Pの坪量が小さくなるにつれ、用紙Pの幅方向に沿って定着部材を移動させる移動速度vを上げることにより、用紙Pの分離性が悪い紙種であっても、定着部材とトナー画像Xとの間に生じるマイクロスリップ量δを増加させることができるため、用紙Pの分離性を向上させることができる。
また、本開示を適用した画像形成装置1によれば、用紙Pのカバレッジに応じて、用紙Pの幅方向に沿って定着部材を移動させる移動速度vが設定されることにより、用紙Pに形成されているトナー画像Xのトナー量により用紙Pの分離性が悪かったとしても、用紙Pの幅方向に沿って定着部材を移動させる移動速度vを適切に設定できるため、用紙Pの分離性を向上させることができる。
また、本開示を適用した画像形成装置1によれば、用紙Pのカバレッジが高くなるにつれ、用紙Pの幅方向に沿って定着部材を移動させる移動速度vを増加させることにより、用紙Pの分離性が悪くなるほどのトナー量が用紙Pに付着していたとしても、定着部材とトナー画像Xとの間に生じるマイクロスリップ量δを増加させることができるため、用紙Pの分離性を向上させることができる。
また、本開示を適用した画像形成装置1によれば、用紙Pの先端側の余白量に応じて、用紙Pの幅方向に沿って定着部材を移動させる移動速度vが設定されることにより、用紙Pを構成する余白により用紙Pの分離性が悪かったとしても、定着部材とトナー画像Xとの間に生じるマイクロスリップ量δを増加させることができるため、用紙Pの分離性を向上させることができる。
また、本開示を適用した画像形成装置1によれば、用紙Pの先端側の余白量が小さくなるにつれ、用紙Pの幅方向に沿って定着部材を移動させる移動速度vを上げることにより、用紙Pの分離性が悪くなるほどの小さな余白が用紙Pにあるとしても、定着部材とトナー画像Xとの間に生じるマイクロスリップ量δを増加させることができるため、用紙Pの分離性を向上させることができる。
実施形態2.
図12は、実施形態2に係る定着部35の別の構成例を示す図である。実施形態2において、用紙Pの先端にマイクロスリップを生じさせる構成は実施形態1と同様の構成及び機能である。実施形態2では、実施形態1と同様の構成及び機能についての説明は省略する。実施形態2では、実施形態1の構成に加え、爪241及びエア噴射部242の少なくとも一方の構成が設けられるものである。図12の一例では、定着ニップの出口側には、定着ニップの出口側を拡大した領域Zに示すように、爪241又はエア噴射部242が設けられている。爪241は、定着ニップ出口近傍に設けられ、定着ベルト3515から用紙Pを分離するための分離補助部材として機能するものである。爪241は、定着ベルト3515の外周側に当接可能に、又は微小ギャップを介して設けられ、定着ベルト3515側である先端側に行くにつれ、薄くなるような断面が三角形状部材241Aで形成され、その先端側とは反対側の後端に設けられた支軸241Bを回転軸として揺動可能に支持部材241Cに支持されている。
エア噴射部242は、予め設定された風量の空気を送り出すファン242Aと、ファン242Aから送られてきた空気が定着ニップから出てきた用紙Pと定着ベルト3515との間に噴射されるように導くノズル部242Bとを備え、定着ベルト3515から用紙Pを分離させるための分離補助部材として機能するものである。ノズル部242Bの先端の開口は、定着ベルト3515の回転方向S_1と直交する方向に沿って細長い形状に構成され、その細長い形状の長手方向が、上加圧ローラー3511の軸方向、すなわち、定着ニップとほぼ並行となるように設けられている。よって、エア噴射部242は、定着ニップを通過した用紙Pに一様に空気を噴射することができる。ノズル部242Bから噴射させる空気の風量は、ファン242Aに供給する電流値を制御してファン242Aの回転数を変えることにより調整することができる。
つまり、実施形態2においては、実施形態1で説明したような用紙Pの先端にマイクロスリップを生じさせる構成に加え、用紙Pに空気を吹き付けることにより用紙Pを定着部材から分離するエア噴射部242又は定着ニップの外周面側に用紙Pを定着部材から分離させるための爪241のような分離補助部材が設けられている構成となる。分離補助部材は、用紙Pの先端が定着部材から分離されている場合、用紙Pの分離性をさらに向上させるものである。これにより、図6のパターンIIのように用紙P全面にマイクロスリップを発生させることなく、例えば図6のパターンIの場合のような用紙Pの先端のみにマイクロスリップを発生させる場合であっても、より分離性を向上させることができ、より確実に用紙Pを定着部材から分離させることができる。
以上、本開示の一側面である画像形成装置1を実施形態に基づいて説明したが、本開示はこれに限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよい。
例えば、定着ベルト3515の往復運動を定着部材の傾き制御を加熱ローラー3512の傾き制御で実現する一例について説明したが、特にこれに限定されるものではない。例えば、図示は省略するが、定着ベルト3515に内包される他のローラーの傾きで調整してもよい。
また、上側定着部351が加熱ローラー3512、上加圧ローラー3511から構成され、下側定着部353が下加圧ローラー3531から構成される一例について説明したが、特にこれに限定されるものではない。例えば、定着ベルト3515を含む定着部35において、加熱ローラー3512を使用せずに加熱するもの、上加圧ローラー3511ではなく例えばパッドにより定着ニップを形成するもの、又は下加圧ローラー3531ではなく例えばパッドにより定着ニップを形成するもの等であってもよい。
なお、上記で説明した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもでき、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合は、そのソフトウェアを構成するプログラムが、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータに、プログラムを記録する記録媒体から、又は、インターネット等を介して、インストールされるものである。
また、プロセッサ113が実行するプログラムを記憶する記録媒体としてメモリ115を用いる一例について説明したが、これに限らず、光ディスク、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Disc)、及びEEPROM(Electrically EPROM)等の半導体メモリであってもよい。
なお、用紙Pの紙間とは、1枚の用紙Pと、その1枚の用紙Pの次に搬送される1枚の用紙Pとの間とを意味するものである。
1 画像形成装置、10 読取部、10a ADF、10b 画像読取部、
11 原稿トレイ、12 排紙トレイ、13 通紙経路、
14 密着型イメージセンサー、15 濃度基準部材、
20 給紙部、21 給紙カセット、22 給紙搬送部
201,202,203 センサー
221,222 搬送ガイド、231 通紙経路
241 爪、241A 三角形状部材、241B 支軸、241C 支持部材
242 エア噴射部、242A ファン、242B ノズル部
30 画像形成部、31 露光装置、32 感光ドラム、33 現像装置、
34 転写ベルト、341 二次転写ローラー
35 定着部、351 上側定着部、353 下側定着部
355 駆動部、3511 上加圧ローラー、3512 加熱ローラー
3513 定着ローラー、3515 定着ベルト、3516 定着用ヒーター
3531 下加圧ローラー、3532 加圧ローラー
41 白基準板、42 原稿照明部、42a ランプ、42b ミラー
43 反射ミラー、44 集光レンズ、
45 ラインイメージセンサー、46 プラテンガラス、
101 バス、 110 メイン回路、111 インターフェース部
113 プロセッサ、114 メモリコントローラー、115 メモリ
1151 制御モジュール
201,202,203 センサー
160 操作パネル、161 表示部、163 操作部
165 タッチパネル、167 ハードキー部
A 領域、I,II,III,IV パターン、X トナー画像、Z 領域
M 通紙方向、N 向き、P 用紙、S_1,S_2,T_1,T_2 回転方向
v 移動速度、V 搬送速度、Vp プロセス速度
L 定着ニップ幅、σ 微小ギャップ
t,ti 通過時間、t0,t1 計測開始時間、x0,x1 計測距離
δ マイクロスリップ量、θ0 傾き基準角度、θ+,θ− 傾き角度

Claims (15)

  1. 通紙経路に沿って搬送される記録媒体にトナー画像を形成する画像形成部を備え、前記記録媒体に形成される前記トナー画像を定着させる画像形成装置であって、
    前記通紙経路に設けられ、前記記録媒体に前記トナー画像を定着させる定着ニップを形成する定着部材と、
    前記定着部材を移動自在である駆動部と、
    前記駆動部を制御する制御モジュールを実行する1個以上のプロセッサと、
    を備え、
    前記駆動部は、
    前記記録媒体が前記定着ニップを通過する際における、前記記録媒体の搬送方向と直交する方向のうち前記記録媒体の幅方向に沿って、
    前記定着部材を移動自在なものであり、
    前記制御モジュールは、
    前記定着部材が前記記録媒体の幅方向に沿って移動しているときに前記記録媒体の少なくとも先端が前記定着ニップを通過するように前記記録媒体を通紙させると共に前記定着部材における前記記録媒体の幅方向の移動が止まるときには前記記録媒体の少なくとも先端が前記定着ニップを通過するのを避けさせるための、又は前記記録媒体の少なくとも先端が前記定着ニップを通過しているときに前記定着部材を前記記録媒体の幅方向に沿って移動させると共に前記記録媒体の少なくとも先端が前記定着ニップを通過していないときに前記定着部材を前記記録媒体の幅方向に沿って移動するのを避けさせるための、調整指示、
    を含むものである、
    画像形成装置。
  2. 前記定着部材は、
    定着ベルトから構成されるものであって、
    前記駆動部は、
    前記記録媒体の幅方向に沿って、前記定着ベルトを往復移動させるものである、
    請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記調整指示は、
    前記記録媒体の先端が前記定着ニップを通過する前又は通過した後の少なくとも一方において、前記定着ベルトの往復移動の折り返しが行われるように、前記記録媒体を通紙させるタイミング及び前記定着ベルトの往復移動の折り返しタイミングの少なくとも一方を調整させるものである、
    請求項に記載の画像形成装置。
  4. 前記調整指示は、
    前記記録媒体の紙間で、前記定着ベルトの往復移動の折り返しが行われるように、前記記録媒体を通紙させるタイミング及び前記定着ベルトの往復移動の折り返しタイミングの少なくとも一方を調整するものである、
    請求項に記載の画像形成装置。
  5. 前記調整指示は、
    前記定着ベルトの往復移動の折り返しのときに、前記記録媒体の紙間を広げるものである、
    請求項に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御モジュールは、
    前記画像形成部のプロセス速度に基づき、前記記録媒体の幅方向に沿って前記定着部材を移動させる移動速度を設定するための設定指示、
    をさらに含むものである、
    請求項1〜の何れか一項に記載の画像形成装置。
  7. 前記設定指示は、
    前記画像形成部のプロセス速度が速くなるにつれ、前記記録媒体の幅方向に沿って前記定着部材を移動させる移動速度を増加させるものである、
    請求項に記載の画像形成装置。
  8. 前記制御モジュールは、
    前記定着部材からの前記記録媒体の分離性が悪い場合、前記定着部材と前記記録媒体との間に生じるマイクロスリップを増加させるための分離性改善指示、
    をさらに含むものである、
    請求項1〜の何れか一項に記載の画像形成装置。
  9. 前記分離性改善指示は、
    前記記録媒体の紙種及び坪量の少なくとも一方に応じて、前記記録媒体の幅方向に沿って前記定着部材を移動させる移動速度を設定するための紙種対応指示、
    を含むものである、
    請求項に記載の画像形成装置。
  10. 前記紙種対応指示は、
    前記記録媒体の坪量が小さくなるにつれ、前記記録媒体の幅方向に沿って前記定着部材を移動させる移動速度を増加させるものである、
    請求項に記載の画像形成装置。
  11. 前記分離性改善指示は、
    前記記録媒体のカバレッジに応じて、前記記録媒体の幅方向に沿って前記定着部材を移動させる移動速度を設定するためのカバレッジ対応指示、
    をさらに含むものである、
    請求項9〜1の何れか一項に記載の画像形成装置。
  12. 前記カバレッジ対応指示は、
    前記記録媒体のカバレッジが高くなるにつれ、前記記録媒体の幅方向に沿って前記定着部材を移動させる移動速度を増加させるものである、
    請求項1に記載の画像形成装置。
  13. 前記分離性改善指示は、
    前記記録媒体の先端側の余白量に応じて、前記記録媒体の幅方向に沿って前記定着部材を移動させる移動速度を設定するための余白量対応指示、
    をさらに含むものである、
    請求項〜1の何れか一項に記載の画像形成装置。
  14. 前記余白量対応指示は、
    前記記録媒体の先端側の余白量が小さくなるにつれ、前記記録媒体の幅方向に沿って前記定着部材を移動させる移動速度を増加させるものである、
    請求項1に記載の画像形成装置。
  15. 前記定着ニップの出口側に設けられ、前記定着ベルトから前記記録媒体を分離させる分離補助部材、
    をさらに備え、
    前記分離補助部材は、
    前記定着ベルトの外周面側に設けられた爪、及び前記記録媒体と前記定着ベルトとの間に空気を噴射するエア噴射部、の少なくとも一方から構成される、
    請求項の何れか一項に記載の画像形成装置。
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