以下、実施形態のワイヤレスフットスイッチ及び医用画像診断システムを図面を参照して説明する。
[全体構成]
図1は、実施形態に係るワイヤレスフットスイッチを備える医用画像診断システムの一例を示す概念的な構成図である。ここでは、医用画像診断システム1がモダリティ及び当該モダリティを操作するためのワイヤレスフットスイッチ60を備える場合を例として説明するが、ワイヤレスフットスイッチ60は、医用画像診断システム1とは独立した構成要素であってもよい。
図1は、モダリティの一例としてX線装置2aを備えた医用画像診断システム1を示す。なお、モダリティには、X線CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、X線アンギオ装置、マンモグラフィ装置、核医学診断装置、及び放射線治療装置などの医療機器が含まれる。
X線装置2aは、高電圧発生装置10、X線管保持装置20、スタンド装置30、寝台装置40及び通信制御装置50を備える。X線管保持装置20、スタンド装置30、寝台装置40及び通信制御装置50は、検査室に設置され、高電圧発生装置10は、検査室に隣接する制御室又は機械室に設置される。
高電圧発生装置10は、高電圧を発生させて、発生させた高電圧をX線管23に供給する。即ち、高電圧発生装置10は、X線管23に供給する電圧や電流を調整することで、被検体に対して照射されるX線量の調整や、被検体へのX線照射のオン/オフの制御を行う。
高電圧発生装置10は、不図示の操作パネルを備える。操作パネルには、X線量を調整するための管電圧及び管電流の調整スイッチ、X線線量の設定スイッチが設けられている。
なおスイッチには、スイッチの操作と当該スイッチにより実行される機能とが関連付けされている。押しボタン式のスイッチの場合、当該押しボタン式のスイッチを押下する操作と、当該スイッチが押下されたときに実行される機能とが関連付けされている。
X線管保持装置20は、支柱部21、撮像ユニット27及び移動機構25を備える。撮像ユニット27は、支柱部21に固定され、スイッチSW1、絞り制御装置22、X線管23及びX線可動絞り24が一体となって構成されている。
車輪などの移動手段を備える移動機構25は、例えば検査室の天井に敷設されたレール26に沿って、支柱部21と撮像ユニット27とを一体的に水平方向に移動させてもよいし、床に敷設されたレール又は床と壁との両方に敷設されたレールに沿って支柱部21と撮像ユニット27とを一体的に水平方向に移動させてもよい。
支柱部21は、鉛直方向に伸縮可能に構成される。撮像ユニット27は、支柱部21の伸縮によって鉛直方向に沿って上下に移動する。また、撮像ユニット27は、支柱部21に回転可能に取付けられており、撮像ユニット27を回転させることによりX線管23のX線照射方向を変更できる。
X線管23は、陰極から放出された熱電子を、高電圧発生装置10から供給された電圧によって加速して陽極ターゲットに衝突させることでX線を発生させる。
X線可動絞り24は、絞り制御装置22の制御に従いX線管23から照射されるX線の照射範囲を調整する。X線可動絞り24は、複数枚の鉛羽で構成されてもよいし、X線管23の管軸に平行なシャッターの羽を持つコリメータにより構成されてもよい。
絞り制御装置22は、X線の照射範囲を調整する不図示のスイッチを備える。絞り制御装置22に設けられたスイッチには、X線可動絞り24を構成する鉛羽の開度を調整するスイッチや、被検体の撮像位置を決めるため照射野中心に光を照射するスイッチが含まれる。
スイッチSW1は、撮像ユニット27の位置調整のための複数のスイッチを含む。撮像ユニット27の位置調整のためのスイッチには、レール26に対する支柱部21の水平位置を固定するスイッチと、レール26に対する支柱部21の水平位置の固定を解除するスイッチとがある。上記支柱部21の水平位置の固定を解除することで、支柱部21と撮像ユニット27とをレール26に沿って水平方向に移動させることができる。
なお、撮像ユニット27の水平移動を実行するスイッチは、デッドマンスイッチで構成されてもよい。デッドマンスイッチとは、ユーザがスイッチを操作している間のみその機能が実行されるスイッチである。従って、撮像ユニット27の水平移動を実行するスイッチがデッドマンスイッチの場合、スイッチを操作している間、撮像ユニット27は水平移動し、スイッチの操作をやめると撮像ユニット27は停止する。
また、スイッチSW1には、撮像ユニット27の支柱部21への固定を解除するスイッチと、撮像ユニット27を支柱部21に固定するスイッチとが含まれる。撮像ユニット27の支柱部21への固定を解除するスイッチを操作することで、撮像ユニット27を回転させることができる。撮像ユニット27の水平移動の場合と同様に、撮像ユニット27の回転移動を実行するスイッチもデッドマンスイッチで構成されてもよい。
スイッチSW1は、支柱部21の伸縮を調整するスイッチ、X線量を調整するスイッチ、又はX線照射のON/OFFを制御するスイッチをさらに備えてもよい。
スタンド装置30は、支持台31、検出ユニット33、スイッチSW3及びフットスイッチSW4を備える。検出ユニット33は、立位検出器32及びスイッチSW2を備える。スタンド装置30は、被検体を立位で撮像する場合に用いられる装置である。
検出ユニット33は、鉛直方向に上下に移動可能に支持台31に取付けられている。また、検出ユニット33は、鉛直方向と垂直な方向であって、X線装置2aの装置座標系のz軸に平行な方向に移動可能に支持台31に取付けられている。さらに、検出ユニット33は、支持台31に対して所定の角度だけチルト可能に取付けられている。
ここでは一例として、X線装置2aの装置座標系を以下のように定義する。即ち、鉛直方向をy軸方向とし、支持台31の長手方向はy軸と平行であるものとする。また、支持台31の短手方向であって、図1の紙面の手前奥方向をx軸方向とし、y軸とx軸とに直交する方向をz軸と定義する。
立位検出器32は、X線管23から放射され被検体を透過したX線を検出するX線検出器を備える。X線検出器は、複数の検出素子(電荷蓄積素子)を含む。X線検出器は、被検体を透過したX線を検出して電気信号に変換し、変換された電気信号を用いてX線画像を生成する。なお、X線検出器は、X線をシンチレータにより可視光に変換した後、可視光を検出することにより、間接的にX線を検出するものでも良いし、X線を直接的に検出するものでも良い。また、X線検出器は、X線用写真フィルムでも良い。
スイッチSW2は、検出ユニット33を支持台31に対してチルトさせるスイッチである。矢印34は、検出ユニット33のチルト方向を示している。検出ユニット33の検出面は、初期状態ではy軸に平行である。スイッチSW2は、検出ユニット33の検出面の法線方向が初期状態よりも検査室の天井側又は床側に向くように検出ユニット33をチルトさせる。
スイッチSW3は、立位検出器32における検出面の大きさを設定するスイッチ、立位検出器32における検出面の位置を設定するスイッチ、検出ユニット33の移動と撮像ユニット27の移動とを連動させるスイッチを含む。さらに、スイッチSW3は、X線可動絞り24を調整するスイッチを含んでもよい。
フットスイッチSW4は、検出ユニット33の鉛直方向(y軸方向)の位置を調整するスイッチである。ユーザは、検出ユニット33を支持台31に沿って鉛直上方向に移動させるスイッチと、鉛直下方向に移動させるスイッチとにより、検出ユニット33の位置を調整する。
寝台装置40は、天板41、臥位検出器42、土台部43及びフットスイッチSW5を備える。寝台装置40は、検査室の床面に設置され、天板41の上面には、被検体が載置される。寝台装置40は、被検体を臥位で撮像する場合に用いられる装置である。
天板41は、xz平面内で移動可能である。土台部43は、天板41の鉛直方向(y軸方向)の位置を調整する。以下、天板41のy軸方向に垂直なxz平面内で天板41の移動を天板41の水平移動と称し、天板41の鉛直上方向の移動を寝台上昇と、鉛直下方向の移動を寝台下降と称する。
フットスイッチSW5は、天板41を移動させる寝台装置40のスイッチである。フットスイッチSW5には、寝台上昇スイッチと、寝台下降スイッチと、天板41の土台部43への固定を解除するスイッチとが含まれる。天板41は、天板41の土台部43への固定を解除するスイッチが操作されると、天板41を手動で水平移動させることができる。なお、天板41がスイッチの操作によって水平移動するよう寝台装置40を構成してもよい。例えば、十字スイッチにより天板41の水平移動方向が入力されるように寝台装置40を構成してもよい。
なお、フットスイッチSW5は、天板41の操作に加えてX線撮像及びX線透視を実行可能に構成されてもよい。ここで、X線撮像とは、被検体にX線を照射しX線画像を取得する機能である。X線透視とは、同一被検体について低いX線量で時系列的に多数のX線画像を収集する機能のことである。
臥位検出器42は、立位検出器32と同様に、X線管23から放射され被検体を透過したX線を検出するX線検出器を備える。X線検出器により検出されたX線信号に基づいてX線画像が生成される。
このように、X線装置2aを構成する各装置に備え付けられたスイッチや操作パネルのスイッチ設定は、据え付け調整前に行われており、据え付け調整後にその設定を変更することができない。一方、本実施形態に係るワイヤレスフットスイッチ60は、据え付け調整後であっても実際の運用に合わせてスイッチの設定を変更できる。以下、従来のX線装置2aとは異なる構成及びワイヤレスフットスイッチ60の構成について説明する。
通信制御装置50は、X線装置2aを構成する各装置と、ワイヤレスフットスイッチ60との間の信号の送受信を中継するインターフェースである。図1の構成例において、X線装置2aを構成する各装置とは、高電圧発生装置10、X線管保持装置20、スタンド装置30及び寝台装置40の4つである。以下、X線装置2aを構成する各装置を各構成装置10、20、30、40と称する。
通信制御装置50は、不図示の送受信器を備え、ワイヤレスフットスイッチ60との無線通信を統括する。また、通信制御装置50は、各構成装置10、20、30、40と有線又は無線で接続され、通信制御装置50は、各構成装置10、20、30、40の内、ワイヤレスフットスイッチ60の制御対象となる装置に対してワイヤレスフットスイッチ60から受信した制御信号を送信する。また、通信制御装置50は、各構成装置10、20、30、40からの識別信号を受信し、ワイヤレスフットスイッチ60に送信する。
なお、各構成装置10、20、30、40が通信制御装置50を介さずワイヤレスフットスイッチ60との間で無線信号を直接授受するよう医用画像診断システム1を構成してもよい。また、各構成装置10、20、30、40は、ワイヤレスフットスイッチ60と直接無線で通信する送受信器をそれぞれ備えてもよく、これらの送受信器は、各装置に着脱可能なものでもよい(図示せず)。
ここで、無線通信とは、電波、赤外線、又は超音波を利用したワイヤレス通信のことである。送受信器は、無線通信規格に応じた通信プロトコルに従って送信信号と受信信号を生成する。
ワイヤレスフットスイッチ60は、各構成装置10、20、30、40の遠隔操作に共通に使用される足踏み式のスイッチである。
またワイヤレスフットスイッチ60は、車輪やモータなどの移動手段を備えた自走式のワイヤレスフットスイッチであってもよい。自走式のワイヤレスフットスイッチは、例えば、使用時以外は検査室の所定の場所で待機し、ユーザの検査室への入室を検知してユーザとの距離を一定に保つよう移動手段により移動する。さらに、自走式のワイヤレスフットスイッチは、検査室に複数の人が存在する場合であってもユーザを識別することで、ユーザの移動に合わせて移動するように構成されてもよい。自走式のワイヤレスフットスイッチは、ユーザが検査室から退室したら待機場所に移動する。
なお、自走式のワイヤレスフットスイッチは、例えば、ユーザが身に着けている従業員証の無線識別(RFID:radio frequency identifier)タグに基づいてユーザを特定する。また自走式のワイヤレスフットスイッチは、ユーザの顔を認識するカメラを備え、顔認識システムによってユーザを特定してもよい。
[第1の実施形態]
(1)構成
図2は、第1の実施形態に係るワイヤレスフットスイッチ60aの機能構成例を示す機能ブロック図である。図2のワイヤレスフットスイッチ60aは、送受信回路61、処理回路62a、記憶回路63、ディスプレイ64、入力回路(スイッチ群)65及び外部インターフェース66を備える。
送受信回路61は、受信回路611及び送信回路612を備える。送受信回路61は、不図示のアナログデジタル変換器、アンプ、変調器及び復調器を内蔵する。
受信回路611は、通信制御装置50からの受信信号を受信する。受信信号には、各構成装置10、20、30、40を一意に特定する識別(ID:identification)信号が含まれる。ワイヤレスフットスイッチ60aは、検査室内に設置された装置をID信号に基づいて特定する。ワイヤレスフットスイッチ60aは、検査室内に設置された複数の装置の中から制御対象となる装置を特定する。
以下、ワイヤレスフットスイッチ60aの制御対象となる装置を「制御対象装置」と称する。ワイヤレスフットスイッチ60aは、ある瞬間に1つの装置のみを制御対象装置とするように構成されてもよいし、2つ以上の装置を同時に制御対象装置とするように構成されてもよい。
送信回路612は、通信制御装置50に制御対象装置の制御信号を送信する。制御信号には、例えば、制御対象装置に所定の機能を実行させるための制御信号が含まれる。
記憶回路63は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)の他、HDD(Hard Disk Drive)や光ディスク装置等の外部記憶装置を含む記憶媒体である。記憶回路63は、処理回路62aにおいて実行される各種プログラム(アプリケーションプログラムの他、オペレーティングシステム等も含まれる)、プログラムの実行に必要なデータ及び画像データを記憶する。また、記憶回路63は、オペレーティングシステムを制御するための各種コマンドを記憶してもよい。入力回路65からの入力を支援するGUI(Graphical User Interface)のプログラムを記憶してもよい。
記憶回路63は、スイッチ機能情報を記憶する。スイッチ機能情報とは、各装置が有する複数種類の機能、各機能に応じた操作のためのスイッチ及び各機能を示すピクトグラムとの対応関係を規定したデータである。
なお、スイッチ機能情報は、ユーザ毎に記憶されてもよい。また、スイッチ機能情報は、後述のスイッチ機能情報編集機能624によって登録及び編集される。スイッチ機能情報については後述の図5で詳細に説明する。
ディスプレイ64は、液晶ディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネル及び有機EL(Electro Luminescence)パネル等の表示デバイスである。
入力回路65は、複数のスイッチ群で構成される。入力回路65を構成するスイッチには、例えば、ボタンスイッチ、ペダルスイッチ、レバースイッチ、ジョイスティック、又はトラックボール等のユーザが足で操作可能なメカスイッチが含まれる。入力回路65は、ユーザによるメカスイッチの操作に応じた入力信号を生成し、当該入力信号を処理回路62に出力する。ワイヤレスフットスイッチ60aが複数のメカスイッチを備える場合、入力回路65は、ユーザにより選択されたメカスイッチからの入力信号を処理回路62aに入力する。
処理回路62aは、専用のハードウェアで構成してもよいし、内蔵のプロセッサによるソフトウェア処理で後述する各種機能を実現するように構成してもよい。ここでは一例として、処理回路62aがプロセッサによるソフトウェア処理によって各種機能を実現する場合について説明する。
ここでプロセッサとは、専用又は汎用のCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array)などの回路を意味する。上記プログラマブル論理デバイスとしては、例えば、単純プログラマブル論理デバイス(SPLD:Simple Programmable Logic Device)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD:Complex Programmable Logic Device)などが挙げられる。処理回路62aは、記憶回路63に記憶されたプログラム又は処理回路62aのプロセッサ内に直接組み込まれたプログラムを読み出し、当該プログラムを実行することで各機能を実現する。
また、処理回路62aは、単一のプロセッサによって構成されてもよいし、複数の独立したプロセッサの組合せによって構成されてもよい。後者の場合、複数のプロセッサにそれぞれ対応する複数の記憶回路が設けられると共に、各プロセッサにより実行されるプログラムが当該プロセッサに対応する記憶回路に記憶される構成でもよい。別の例としては、1個の記憶回路が複数のプロセッサの各機能に対応するプログラムを一括的に記憶する構成でもよい。
処理回路62aは、装置選択機能621、スイッチ機能情報選択機能622a、制御信号生成機能623及びスイッチ機能情報編集機能624を実現する。なお、装置選択機能621、スイッチ機能情報選択機能622a、制御信号生成機能623及びスイッチ機能情報編集機能624は、記憶回路63に格納されているプログラムを処理回路62aのプロセッサが実行することによって実現される機能である。
装置選択機能621は、ワイヤレスフットスイッチ60aのまわりの所定の範囲内に存在する全ての装置の中から制御対象装置を選択する。各構成装置10、20、30、40のそれぞれを中心とした装置周辺の所定の範囲が判定空間SP10、SP20、SP30、SP40として予め設定されている。ここで、「予め」とは、ワイヤレスフットスイッチ60aにより制御対象装置が特定されるより前を意味し、各構成装置10、20、30、40の据付調整時に設定される他、据付後に管理者により適宜設定されても良く、各構成装置10、20、30、40の出荷時に設定されていることを意味するものではない。
判定空間とは、ある装置がワイヤレスフットスイッチ60aにより制御対象装置として判定される得る範囲のことである。判定空間は、装置の中心を起点として放射状に広がりを持ち、装置の外縁の外側に向かって所定の距離広がりを持つ。
ここで、「所定の距離」とは、ワイヤレスフットスイッチ60aが使用される際のワイヤレスフットスイッチ60aと制御対象装置との間の最大の距離を意味する。当該所定の距離は、ワイヤレスフットスイッチ60aに予め設定されている。なお、ここでの「予め」は前述同様である。
ワイヤレスフットスイッチ60aが1つの装置の判定空間内に存在する場合、装置選択機能621は、当該1つの装置をワイヤレスフットスイッチ60aの制御対象装置として選択する。ワイヤレスフットスイッチ60aが複数の装置の判定空間内に存在する場合、ここでは一例として、装置選択機能621は、これら複数の装置の中でワイヤレスフットスイッチ60aに最も近い装置を制御対象装置として選択する。例えば、寝台装置40の判定空間SP40内にワイヤレスフットスイッチ60aが存在するとき、装置選択機能621は、寝台装置40を制御対象装置として選択する。
なお、判定空間は、ワイヤレスフットスイッチ60aを中心とした所定の範囲であってもよい。即ち、装置選択機能621は、ワイヤレスフットスイッチ60aの判定空間内に存在する装置を制御対象装置として特定してもよい。
装置選択機能621は、通信制御装置50からの受信信号に含まれるID信号に基づいて、各構成装置10、20、30、40を特定する。装置選択機能621は、各構成装置10、20、30、40の中から制御対象装置を選択する。
装置選択機能621は、屋内測位法を用いて検査室内に設置された各構成装置10、20、30、40の位置と、検査室内におけるワイヤレスフットスイッチ60aの位置とを取得し、ワイヤレスフットスイッチ60aと各装置との距離を算出する。装置選択機能621は、算出された距離に基づいて、ワイヤレスフットスイッチ60aがどの装置の判定空間内に位置するかを判定し、制御対象装置特定する。
なお、装置選択機能621による制御対象装置の選択は、屋内測位法を用いた方法には限定されない。ワイヤレスフットスイッチ60aは、各構成装置10、20、30、40の位置を予め記憶しておいてもよい。装置選択機能621は、ワイヤレスフットスイッチ60aと通信制御装置50との位置関係に基づいてワイヤレスフットスイッチ60aの検査室内における位置を特定してもよい。装置選択機能621は、ワイヤレスフットスイッチ60aの検査室内における位置に基づいて、ワイヤレスフットスイッチ60aがどの装置の判定空間内に存在するかを判定し、制御対象装置を選択してもよい。
また、ワイヤレスフットスイッチ60aは、各構成装置10、20、30、40から送信される各装置のID信号を直接受信するよう構成されてもよい。即ち、通信制御装置50は必須の構成ではない。ワイヤレスフットスイッチ60aは、複数の装置からID信号を受信した場合、例えば、ID信号の信号強度に基づいて制御対象装置を選択してもよい。ID信号の信号強度は、ID信号を送信している装置とワイヤレスフットスイッチ60aとの距離に比例する。従って、装置選択機能621は、ID信号の信号強度からID信号を送信している装置との距離を算出し、算出された距離が一番近い装置を制御対象装置として選択してもよい。
なお、ユーザが任意で制御対象装置を選択できるようワイヤレスフットスイッチ60aが構成されてもよい。例えば、ディスプレイ64に制御対象装置の選択画面を表示し、入力回路65を介して制御対象装置を選択するようにワイヤレスフットスイッチ60aを構成してもよい。
装置選択機能621は、さらにユーザIDや生体認証などのユーザ認証によりユーザを特定する。
スイッチ機能情報選択機能622aは、装置選択機能621で選択された制御対象装置のスイッチ機能情報を記憶回路63から取得し、スイッチ機能情報に基づいてピクトグラムをディスプレイ64に表示する。
また、スイッチ機能情報選択機能622aは、装置選択機能621がユーザを特定した場合、特定したユーザのスイッチ機能情報を記憶回路63から取得する。スイッチ機能情報選択機能622aは、特定したユーザのスイッチ機能情報に基づいて、ピクトグラムをディスプレイ64に表示する。スイッチ機能情報は、ユーザの使い勝手や好みに応じて自由に設定できる。例えばユーザは、スイッチの順番や各機能を示すピクトグラムの種類を自由に設定できる。
制御信号生成機能623は、入力回路65からの入力信号に基づいて制御対象装置の制御信号を生成する。操作されたスイッチと、当該スイッチに対して行われた操作内容とが入力信号として入力回路65から制御信号生成機能623に入力される。制御信号生成機能623は、スイッチ機能情報に基づいて、操作されたスイッチにより実行される機能を特定し制御信号を生成する。
制御信号には、当該機能、スイッチに対する操作内容及び制御対象装置のID信号が含まれる。制御信号は、送信回路612を介して通信制御装置50に送信され、通信制御装置50から制御対象装置に送信される。
スイッチ機能情報編集機能624は、記憶回路63に記憶されているスイッチ機能情報を登録及び編集する。ユーザは、ワイヤレスフットスイッチ60aをスイッチ機能情報編集モードにすることで、スイッチ機能情報を登録及び編集することができる。例えば、入力回路65に設けられたスイッチに対して所定の操作を実行することで、ワイヤレスフットスイッチ60aをスイッチモードからスイッチ機能情報編集モードに変更できても良い。
ここで、「所定の操作」とは、例えば、予め設定された複数のスイッチを同時に押下する又は所定のスイッチを複数回連続して押下するなどの操作のことである。また、ここでの「予め」は、スイッチ機能情報の編集開始前であり、ワイヤレスフットスイッチ60aの出荷時であってもよいし、据付調整時や、据付後に管理者により適宜設定されても良い。
スイッチ機能情報編集機能624は、スイッチ機能情報編集モードにおいてディスプレイ64にスイッチ機能情報の編集画面を表示する。スイッチ機能情報の編集画面では、制御対象装置毎のスイッチの機能及びピクトグラムの表示が設定できる。即ち、スイッチ機能情報の編集画面では、ワイヤレスフットスイッチ60aが備える複数のスイッチに対して、各スイッチに割り当てる制御対象装置の機能及び当該制御対象装置の機能を示すピクトグラムを設定できる。ユーザは、ディスプレイ64に表示された内容に応じて、入力回路65を構成するスイッチを押下し、スイッチ機能情報を登録及び編集する。
また、ワイヤレスフットスイッチ60aをパーソナルコンピュータやタブレット端末などの外部機器に接続することで、スイッチ機能情報編集モードに移行するようにワイヤレスフットスイッチ60aを構成してもよい。スイッチ機能情報編集機能624は、外部機器のディスプレイ上にスイッチ機能情報の編集画面を表示し、ユーザは、外部機器の入力回路を介してスイッチ機能情報を登録及び編集する。
外部インターフェース66は、ワイヤレスフットスイッチ60aがパーソナルコンピュータなどの外部装置と接続するための構成である。外部インターフェース66は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のバス規格で構成されてもよい。
なお、外部インターフェース66は、赤外線通信規格や近距離無線通信規格などの無線通信規格に準拠した構成であってもよい。また、外部インターフェース66は、スイッチ機能情報が記憶された薄型記録媒体等の外部記憶媒体と接続可能に構成されてもよい。ワイヤレスフットスイッチ60aに外部記憶装置が接続された場合、記憶回路63に記憶されたスイッチ機能情報が外部記憶装置に記憶されたスイッチ機能情報で上書きされるように構成されてもよいし、外部記憶装置に記憶されたスイッチ機能情報と記憶回路63に記憶されたスイッチ機能情報とを選択的に使用できるようにワイヤレスフットスイッチ60aを構成してもよい。
図3は、第1の実施形態に係るワイヤレスフットスイッチ60aの斜視図及び断面図である。図3(a)は、ワイヤレスフットスイッチ60aの斜視図であり、図3(b)は、ワイヤレスフットスイッチ60aのIIIb−IIIb断面図である。
図3(a)に示すように、ワイヤレスフットスイッチ60aは、2つのステップを有する略階段状の筐体で構成される。略階段状の筐体の2つのステップ面の内、底面76からの鉛直方向の距離が短い方を第1のステップ面72、他方を第2のステップ面74と称する。また、底面76から第1のステップ面72への立ち上がり部分を第1の立ち上がり部71、第1のステップ面72から第2のステップ面74への立ち上がり部分を第2の立ち上がり部73と称する。
以下の説明では、略階段状の筐体において、第1のステップ面72を有し、第1の立ち上がり部71によって形成される段差を第1のステップ、第2のステップ面74を有し、第2の立ち上がり部73によって形成される段差を第2のステップと称する。
入力回路65を構成する複数のスイッチ群65a、65b、65c、65d、65eは、第1のステップに支持される。一方、ディスプレイ64は、第2のステップに支持される。
図3(b)のIIIb−IIIb断面図に示すように、スイッチ65bは、第1のステップ面72に支持される。一方、第2のステップには、ディスプレイ64と、当該ディスプレイ64を保護する保護パネル67とが支持される。このように、第2のステップには、ユーザにスイッチの機能を示す情報を表示するディスプレイ64などの表示パネルが支持される。
ボタン式やペダル式のスイッチの場合、ユーザは、スイッチに置いた足を底面76側に踏みしめることでスイッチを操作する。スイッチとディスプレイとが同じ面内に存在する場合、スイッチを押下する際に足がディスプレイに当たることでディスプレイが破損する恐れがある。
一方、本実施形態に係るワイヤレスフットスイッチ60aは、保護パネル67を有する。保護パネル67が破損した場合であってもディスプレイ64が同時に破損しないように保護パネル67とディスプレイ64との間には空間75が設けられている。なお、保護パネル67は、例えば、透明又は半透明の強化プラスティックやアクリルなどの材質で構成されており、ユーザが体重をかけて踏んだ場合でも割れない強度を有する。
また、本実施形態に係るワイヤレスフットスイッチ60aは、足踏み式のスイッチ群65がディスプレイ64を支持する第2のステップよりも低い第1のステップに設けられている。このようにスイッチ群65とディスプレイ64とが高さが異なる夫々のステップに設けられることにより、ユーザは、ディスプレイ64が設けられた第2のステップに自分の足が干渉することなくスイッチを操作できる。このように、略階段状の筐体の形状により、ユーザがスイッチを操作する際にディスプレイ64に同時に衝撃を与えることを予防し、ディスプレイ64の破損を防止できる。
また、本実施形態に係るワイヤレスフットスイッチ60aが転倒した場合、第2のステップと第1のステップとの段差により、第1のステップ面72と床面との間に隙間ができる。そのため、第1のステップに設けられたスイッチが床面と接触して押下されるといった誤操作を防止することができる。
なお、ワイヤレスフットスイッチ60aの筐体の形状は、図3に示した略階段状の形状には限定はされない。例えば、図3では、第2のステップ面74が底面76と略平行である例を示したが、第2のステップ面74を底面76に対して傾斜させてもよい。例えば、第2のステップ面74の第2の立ち上がり部73側が低く、他方が高くなるように第2のステップ面74を底面76に対して斜めに構成してもよい。このように、第2のステップ面74に角度を設けることで、ワイヤレスフットスイッチ60aを操作するユーザからディスプレイ64が見やすくなる。
さらに、第2のステップ面74の角度を底面76に対して可変とするために、第2の立ち上がり部73に可動部を設け、ワイヤレスフットスイッチ60aを操作するユーザがディスプレイ64を見やすい角度に調整できるよう構成されてもよい。
また、第2のステップ面74に加えて、第1のステップ面72も底面76に対して所定の角度を設けて構成してもよい。例えば、第1のステップ面72を第2の立ち上がり部73側が高く、他方が低くなるように傾斜させてもよい。第1のステップ面72を傾斜させることで、第1のステップ側からワイヤレスフットスイッチ60aを操作するユーザにとって人間工学的にスイッチが操作しやすい形状となる。さらに、スイッチを操作するときにワイヤレスフットスイッチ60aが滑らないように底面76にゴムなどの滑り止めを設けてもよい。
(2)動作
図4は、第1の実施形態に係るワイヤレスフットスイッチ60aの動作の一例を示すフローチャートである。ここでは一例として、各構成要素10、20、30、40が設置された検査室において、ワイヤレスフットスイッチ60aを用いて、各構成要素10、20、30、40に対して被検体の撮像のための操作を行う場合について説明する。被検体の撮像のための操作は、X線量の調整などの撮像条件の設定及びX線曝射などのX線撮像の実行を含む。
例えば、臥位でのX線撮像の場合、高電圧発生装置10、X線管保持装置20、寝台装置40の3つの装置がワイヤレスフットスイッチ60aの制御対象装置となり得る。これら3つの装置のうち、例えばユーザが選択した順で制御対象装置が選択され、当該制御対象装置に対して被検体の撮像のための操作が行われる。
以下、図4のフローチャートのステップ番号に従って、実施形態に係るワイヤレスフットスイッチ60aの動作を説明する。
ステップST101において、装置選択機能621は、各構成装置10、20、30、40の中から制御対象装置を選択する。各構成装置10、20、30、40は、通信制御装置50から受信したID信号に基づいて区別される。ワイヤレスフットスイッチ60aの装置選択機能621は、例えば、ワイヤレスフットスイッチ60aと各構成装置10、20、30、40との間の各距離を算出し、算出した距離に基づいてワイヤレスフットスイッチ60aがどの装置の判定空間内に存在するかを判定し、制御対象装置を選択する。
なお、制御対象装置は、ワイヤレスフットスイッチ60aが設置された位置に基づいて装置選択機能621によって自動的に選択されてもよいし、ユーザにより手動で選択されてもよい。特に、非自走式のワイヤレスフットスイッチ60aの場合、ワイヤレスフットスイッチ60aと制御対象装置との距離にかかわらず、ユーザの選択により制御対象装置を変更できるよう選択機能621を構成してもよい。これにより、ユーザはワイヤレスフットスイッチ60aを移動させることなく制御対象装置を変更することができる。
ステップST102において、スイッチ機能情報選択機能622aは、特定された制御対象装置に対応するスイッチ機能情報を記憶回路63から取得する。スイッチ機能情報選択機能622aは、取得したスイッチ機能情報に基づいてピクトグラムをディスプレイ64に表示する。
ステップST103において、入力回路65は、ユーザの操作に応じた入力信号を制御信号生成機能623に入力する。制御信号生成機能623は、ユーザの操作に対応する制御信号を生成し、送信回路612に出力する。
ステップST104において、送信回路612は、通信制御装置50経由で制御信号を制御対象装置に送信する。制御信号を受信した制御対象装置は、制御信号に対応する機能を実行する。
臥位でのX線撮像の場合、高電圧発生装置10、X線管保持装置20、寝台装置40のいずれか1つの装置がワイヤレスフットスイッチ60aの制御対象装置として選択される(ステップST101に対応)都度、上記ステップST102〜ST104の処理が実行される。即ち、ワイヤレスフットスイッチ60aは、制御対象装置として選択された装置用の遠隔操作装置として機能し、各スイッチにはスイッチ機能情報に登録された機能が割り当てられる。同様に、ディスプレイ64には、スイッチ機能情報に登録されたピクトグラムが表示される。これにより、これら3つの装置が順に操作され、臥位での撮像条件が設定されX線撮像が実行される。立位でのX線撮像の場合、ワイヤレスフットスイッチ60aが寝台装置40ではなくスタンド装置30の判定空間内に設置され、スタンド装置30の操作が実行される点を除き、上記同様である。
以上がフローチャートの説明である。以下、図5及び図6を参照してワイヤレスフットスイッチ60aのスイッチ機能情報及びワイヤレスフットスイッチ60aの表示例について説明する。
図5は、スイッチ機能情報を説明する模式図である。また、図6は、第1の実施形態に係るワイヤレスフットスイッチ60aの表示例を示す模式図である。
図5は、制御対象装置が寝台装置40の場合のスイッチ機能情報を例示している。また、図6は、図5に示したスイッチ機能情報がスイッチ機能情報選択機能622aにより選択された場合のディスプレイ64の表示例を示している。図5及び図6は、寝台装置40が制御対象装置である場合のワイヤレスフットスイッチ60aの表示動作を説明している。
図5に示すように、スイッチ機能情報は、制御対象装置毎に存在する。図5のスイッチ機能情報を示す表の一段目には、スイッチ、機能及びピクトグラムの3つ情報項目が示されている。各制御対象装置のスイッチ機能情報は、ワイヤレスフットスイッチ60aの各スイッチに割り当てられた制御対象装置の機能と、当該機能を示すピクトグラムとの対応関係が規定されている。
図5及び図6では、寝台装置40の有する、寝台上昇、寝台下降、天板水平移動、X線撮像、X線透視の5つの機能が、ワイヤレスフットスイッチ60aのスイッチ65a、65b、65c、65d、65eの5つのスイッチに夫々割り当てられ場合を例として説明する。
図5のスイッチ機能情報の2段目には、ワイヤレスフットスイッチ60aのスイッチ65aに割り当てられる寝台装置40の機能とピクトグラムとが示されている。スイッチ65aに割り当てられる機能は、X線撮像であり、X線撮像に対応するピクトグラムは、ピクトグラムGaである。なお、スイッチ機能情報には、ピクトグラムGaの画像データのファイル名やファイルパス等がピクトグラムGaを示す情報項目として記憶される。
スイッチ65bに割り当てられる機能は、寝台上昇であり、寝台上昇に対応するピクトグラムは、ピクトグラムGbである。スイッチ65cに割り当てられる機能は、寝台下降であり、寝台下降に対応するピクトグラムは、ピクトグラムGcである。スイッチ65dに割り当てられる機能は、X線透視であり、X線透視に対応するピクトグラムは、ピクトグラムGdである。スイッチ65eに割り当てられる機能は、天板水平移動であり、天板水平移動に対応するピクトグラムは、ピクトグラムGeである。
図6に示したワイヤレスフットスイッチ60aの上面図を参照すると、ディスプレイ64のスイッチ65aの上には、X線撮像を示すピクトグラムGaが表示されている。同様に、スイッチ65bの上には、寝台上昇を示すピクトグラムGbが表示されている。スイッチ65cの上には、寝台下降を示すピクトグラムGcが表示されている。スイッチ65dの上には、X線透視を示すピクトグラムGdが表示されている。スイッチ65eの上には、天板水平移動を示すピクトグラムGeが表示されている。このように、ワイヤレスフットスイッチ60aは、制御対象装置のスイッチ機能情報に登録されているピクトグラムをディスプレイ64に表示し、各スイッチに割り当てられた機能を認識可能にする。
なおX線撮像は、安全性の確保のため、ダブルアクションによる制御が行われる場合がある。ダブルアクションは、X線撮像を許可する操作と、X線撮像を実際に行う操作との2つの操作を行うことにより実際にX線が曝射される制御のことである。ダブルアクションの制御は、例えば2段押しスイッチによって実現される。このように、ダブルアクションの制御が必要な機能は、その制御が実現可能なスイッチに割り当てられるようワイヤレスフットスイッチ60aが構成されてもよい。即ち、ダブルアクションにより制御される機能は、制御対象装置やユーザが異なる場合であっても特定のスイッチに割り当てられるように構成されてもよい。なお、X線透視の機能に対応するスイッチ65dの操作もダブルアクションによる制御が設定されてもよい。
スイッチ65bが押下されると、天板41が上昇する。スイッチ65bが押下され続けている間、天板41が上昇するようにワイヤレスフットスイッチ60aが構成されてもよいし、スイッチ65bが押下されると天板41が上昇し、天板41の上昇中にスイッチ65bが再び押下されると天板41が停止するようにワイヤレスフットスイッチ60aが構成されてもよい。寝台下降におけるスイッチ65bの操作は、スイッチ65bと同様である。
スイッチ65eが押下されると、天板41の固定が解除され、天板41を手動で水平移動させることができるようになる。また、スイッチ65eは、スイッチを操作する方向に応じて天板41の移動方向が制御されるように、例えばジョイスティックや十字スイッチのような方向スイッチで構成されてもよい。例えば、ジョイスティックを右に倒すと天板がx軸の正方向へ移動するように寝台装置40が構成されてもよい。
以上が、第1の実施形態に係るワイヤレスフットスイッチ60aの説明である。このように、第1の実施形態に係るワイヤレスフットスイッチ60aは、スイッチ機能情報が登録されている全ての装置を制御対象とすることができ、複数の装置によって提供される複数の機能を、1つのワイヤレスフットスイッチ60aの操作によって実現できる。
このように、ワイヤレスフットスイッチ60aは、スイッチに割り当てられる機能を制御対象装置に応じて変更でき、かつ、各スイッチに割り当てられた機能を示す情報を制御対象装置に応じて表示することで、制御対象装置として選択された装置用のコントローラとして使用できる。このように、制御対象装置に応じてディスプレイ64に表示されるピクトグラムは、変更される。従って、制御対象装置が変更され各スイッチに割り当てられた機能が変更された場合であっても、ユーザは、各スイッチに割り当てられた機能を容易に認識できる。
また、装置が異なる場合であっても、ワイヤレスフットスイッチ60aは、機能が同じであれば当該機能について同じスイッチに、同じ操作、同じピクトグラムを設定することができる。即ち、装置が異なる場合であっても同じ機能についてはスイッチの態様を統一できる。スイッチが統一されることで誤操作を減らすことができる。
また、ワイヤレスフットスイッチ60aは、検査室内の複数の装置に共通して使用できる。従って検査室内に複数の装置がある場合、夫々の装置のスイッチを探すことなく、或いは、夫々の装置のスイッチがある場所まで移動せずとも、各装置をワイヤレスフットスイッチ60aにより操作することができる。
さらに、ワイヤレスフットスイッチ60aは、ユーザ毎にスイッチの順番やピクトグラムの種類を変更することができる。即ち、同じ装置においてユーザ毎に使用する機能が異なる場合でも、ユーザ毎にそのユーザが使用する機能に応じたスイッチを提供できる。
例えば、あるユーザは、X線撮像の機能をよく使用するが、別のユーザはX線透視の機能をよく使用する場合がある。このような場合、ユーザは、自分がよく利用する機能をワイヤレスフットスイッチ60aに登録し、自分が操作しやすい位置にあるスイッチに当該機能を割り当てられるようにできてもよい。このような設定は、スイッチ機能情報に記憶される。また、スイッチ機能情報は、スイッチ機能情報編集機能624により据え付け調整後であっても自由に編集が可能である。従って、ユーザのニーズに合わせて、自由にカスタマイズすることが可能である。
また、自走式のワイヤレスフットスイッチ60aの場合、ユーザは自分の移動に合わせてワイヤレスフットスイッチ60aを運ばなくてもよく、ユーザは持ち運びのために手を汚さずに済み、衛生的に使用できる。
なお、ワイヤレスフットスイッチ60aからの制御信号と、制御対象装置のスイッチからの制御信号とが制御対象装置に同時に入力された場合、制御対象装置のスイッチからの制御信号を優先させるよう医用画像診断システム1を構成してもよい。優先させるべき制御信号は、モダリティやX線装置2aを構成する各装置に内蔵された処理回路によって判定されてもよいし、モダリティやX線装置2aに着脱可能に取付けられた送受信回路によって判定されてもよい。
また、スイッチの種類に応じて優先させる制御信号を判定するよう医用画像診断システム1を構成してもよい。例えば緊急停止スイッチの制御信号は、制御対象装置及びのワイヤレスフットスイッチ60aどちらから入力されても優先されるべきである。このように、スイッチの種類に応じて予め優先度を設定してもよい。ここで「予め」とは、X線装置2aの据付調整時など、ワイヤレスフットスイッチ60aにより制御対象装置の操作が開始されるよりも前である。また、優先度の設定は、据付後に管理者により適宜設定されても良い。
以上が第1の実施形態の説明である。以下、図7を参照して、第1の実施形態の変形例を説明する。
図7は、第1の実施形態に係るワイヤレスフットスイッチ60aの変形例の斜視図及び上面図である。図7(a)は、ワイヤレスフットスイッチ60aの変形例の斜視図、図7(b)は、ワイヤレスフットスイッチ60aの変形例の上面図である。図7に示す第1の実施形態の変形例は、第1の実施形態の構成に加えて、足の先端部を挿入してワイヤレスフットスイッチ60aを移動させるためのフック80を備える。また、フック80は、ユーザが意図しない操作の防止機構としても使用可能である。
図7(a)に示すように、フック80は、第2のステップ面74を覆うように第2のステップに支持される。フック80は、第2のステップ面74の第2の立ち上がり部73とは反対側の位置に2か所で固定されている。フック80は、第2のステップ面74に固定された部分からユーザの足が入る長さだけ鉛直方向に立ち上がり部を有する。また、立ち上がり部の先は、第2のステップ面74に固定された部分から第2の立ち上がり部側に向かって第2のステップ面74と略平行に延伸し、第2立ち上がり部73の長軸方向に平行な方向に湾曲した湾曲部を有する。湾曲部は、ユーザが足を挿入しやすいよう略コの字形状を有する。
なお、フック80の形状は、図7(a)の態様には限定はされない。ユーザが足の先端部を挿入してワイヤレスフットスイッチ60aを移動させることができる形状であればどのような形状であってもよい。例えば、フック80の足を挿入する部分(湾曲部)の形状が足の甲の形状にあわせてU字型や半円型であってもよい。また、フック80が固定される位置についても、第2のステップ面74には限定されない。フック80は、入力回路65を覆うように第1のステップ面72の左右に固定されていてもよい。
図7(a)に示すように、フック80が第2のステップ面74を覆うように設置されている場合、第2のステップ面74に設けられたディスプレイ64の一部がフック80の陰になって見切れてしまう可能性がある。そこで、第1の実施形態の変形例に係るワイヤレスフットスイッチ60aは、フック80によって制御対象装置の機能を示すピクトグラムが遮られないよう、その表示位置を調整する。
ピクトグラムの表示位置の調整には、例えば、ディスプレイ64に表示するピクトグラムの表示位置の調整の他、ピクトグラムの画像を縮小することも含まれる。図7(b)は、ディスプレイ64の両端に表示されるピクトグラムGa及びピクトグラムGeの画像を縮小し、表示位置をディスプレイ64の端の位置合わせることで、フック80にピクトグラムが遮られないように調整された例を示している。
なお、表示位置の調整は、ピクトグラムの表示位置の調整やピクトグラムの画像を縮小には限定されない。例えば、フック80の設置位置に応じてディスプレイ64の表示領域を分割するようワイヤレスフットスイッチ60aが構成されてもよい。また、フック80の設置位置及び形状に応じた形状のディスプレイ64を備えてもよい。
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、ディスプレイ64を備え、制御対象装置に応じて当該ディスプレイ64に各スイッチに割り当てられた機能を示すピクトグラムが表示されるワイヤレスフットスイッチ60aを説明した。しかしながら、入力回路65に割り当てられた機能を示す情報は、ピクトグラムには限定されない。以下、第2の実施形態では、表示ラベル及びLEDの点灯により入力回路65に割り当てられた機能を示すワイヤレスフットスイッチ60bについて説明する。なお、第2の実施形態について、第1の実施形態とは異なる部分のみを説明し、重複する説明を省略する。
(1)構成
図8は、第2の実施形態に係るワイヤレスフットスイッチ60bの機能構成例を示す機能ブロック図である。第1の実施形態と異なり、ワイヤレスフットスイッチ60bは、ディスプレイ64に変えてLED68を備える。
また、スイッチ機能情報選択機能622bは、第1の実施形態におけるスイッチ機能情報選択機能622aの機能に加えて、スイッチ機能情報に基づいてLEDの点灯及び消灯を制御する。第1の実施形態では、例えば、ユーザによって利用されないスイッチがある場合、ディスプレイ64にピクトグラムが表示されない。即ち、第1の実施形態では、スイッチに機能が割り当てられていない場合、スイッチ機能情報には機能やピクトグラムが登録されていない。
一方、第2の実施形態では、図9で詳述するが、ワイヤレスフットスイッチ60aにスイッチに割り当てられた機能を示す表示ラベルが第2のステップ面74に設けられている。第1の実施形態と同様に利用されないスイッチがある場合、LEDを消灯することで、機能の割り当てがないスイッチであることをユーザに認識させることができる。このため、第2の実施形態に係るスイッチ機能情報には、LEDの点灯及び消灯を示す情報項目が含まれる。
図9は、第2の実施形態に係るワイヤレスフットスイッチ60bの斜視図及び断面図である。図9(a)は、ワイヤレスフットスイッチ60bの斜視図であり、図9(b)は、ワイヤレスフットスイッチ60bのIXb−IXb断面図である。
図9(a)に示すように、ワイヤレスフットスイッチ60bの筐体の形状は、第1の実施形態と同様に略階段状の形状である。また、第1のステップに入力回路65が支持される点についても同様である。一方、第2の実施形態では、図9(b)の断面図に示すように、第2のステップの構成が第1の実施形態とは大きく異なる。
第2のステップは、第2のステップ面74側から底面76に向かって順に、保護パネル67、表示ラベル69、空間75、LED68を備える。図9(b)の例では、左から3つのLED68a、68b、68cを備える例を示している。
表示ラベル69は、例えば、制御対象装置の各機能を示す文字やピクトグラムが印刷された紙、シール、又はビニールシートなどで構成される。また、表示ラベル69は、スイッチ機能情報編集機能624でスイッチ機能情報を編集したときに、同時に印刷されるようにワイヤレスフットスイッチ60bを構成してもよい。また、例えば、文字の部分が切り抜かれた表示ラベル69を用いることで、表示ラベル69をLED68で文字の形に光らせることができる。
図9(b)に示すように、LED68は、1つのスイッチ65bに対してLED68a、68b、68cのように3つ設けられる。図9のように5つのスイッチを備えるワイヤレスフットスイッチ60bの場合、各スイッチに3つのLEDが設置されるため、全部で15個のLED68を有する。同様に、LED68a、68b、68cに対応して表示ラベル69も表示ラベル69a、69b、69cのように1つのスイッチ65bに対して3つ設けられる。
1つのスイッチ65bに対して設けられた各表示ラベル69a、69b、69cは、夫々異なる装置の機能を示す。即ち、図9に例示したワイヤレスフットスイッチ60bは、同時に最大3台の装置を制御対象装置として登録することができる。例えば、ワイヤレスフットスイッチ60bに寝台装置40、X線管保持装置20、スタンド装置30の3つの装置が登録されている場合、スイッチ65bには、寝台装置40の機能、X線管保持装置20の機能、スタンド装置30の機能の3つが割り当てられる。従って、表示ラベル69a、69b、69cには、寝台装置40、X線管保持装置20、スタンド装置30の各機能を示す情報が夫々設置される。
なお、ワイヤレスフットスイッチ60bに登録できる装置は、3台には限定されない。4台を制御対象装置として登録する場合、1つのスイッチに対して4つの機能が割り当てられ、4つの表示ラベルが設置される。
表示ラベル69aと表示ラベル69bとの間及び表示ラベル69bと表示ラベル69cとの間には、夫々遮光板90a、90bが設けられている。なお、図9(b)には図示されていないが、スイッチ65aに割り当てられた機能を示す表示ラベル群と、スイッチ65bに割り当てられた表示ラベル群69a、69b、69cとの間及びスイッチ65bに割り当てられた表示ラベル群69a、69b、69cと、スイッチ65cに割り当てられた機能を示す表示ラベル群との間にも遮光板が設けられている。これにより、表示ラベルは、当該表示ラベルの真下にあるLEDの点灯によってのみ光るように構成される。
このように、第2の実施形態に係るワイヤレスフットスイッチ60bは、LED68を点灯させることで上部にある表示ラベルを光らせ、スイッチ65に割り当てられた機能を識別可能にする。
(2)動作
以下、図10乃至図13を参照して第2の実施形態に係るワイヤレスフットスイッチ60bにおけるLED68の点灯によりスイッチに割り当てられた機能を示す動作について説明する。
図10乃至図13では、図9同様に、X線管保持装置20、スタンド装置30及び寝台装置40の3つの装置を制御対象装置として登録可能なワイヤレスフットスイッチ60bについて説明する。この場合、ワイヤレスフットスイッチ60bの第2のステップ面74には、X線管保持装置20、スタンド装置30及び寝台装置40の3つの装置の機能を示す表示ラベルが第2のステップ面74に設置される。
例えば、寝台装置40が寝台上昇、寝台下降、天板水平移動、X線撮像、X線透視の5つの機能を有する場合、これらの機能が印刷された表示ラベルが第2のステップ面74に設置される。同様に、X線管保持装置20及びスタンド装置30の有する機能に対応する表示ラベルも第2のステップ面74に設置される。
第2の実施形態では、制御対象装置の機能を示す表示ラベル69がLED68の点灯によって光ることで、ワイヤレスフットスイッチ60bの各スイッチに割り当てられた機能が識別可能となる。
まず、図10及び図11を参照して、制御対象装置が寝台装置40の場合のワイヤレスフットスイッチ60bの動作を説明する。
図10は、制御対象装置が寝台装置40の場合のスイッチ機能情報を説明する模式図である。図11は、制御対象装置が寝台装置40の場合のワイヤレスフットスイッチ60bの上面図である。
例えば、図10の上段に示す表の一段目は、表示区分及び装置の2つの情報項目を示す。表示区分の情報項目は、ワイヤレスフットスイッチ60bに登録された3つの装置の表示ラベルの設置位置を示す。表示ラベルの設置位置は、ワイヤレスフットスイッチ60bに登録可能な制御対象装置が3つの場合、例えば、第2のステップ面74の上段、中段、下段の3つとなる。
装置の情報項目は、ワイヤレスフットスイッチ60bに登録されている制御対象装置を示す。表示区分の「上段」に対応する装置の情報項目には、「寝台装置」が割り当てられている。同様に、表示区分の「中段」に対応する装置の情報項目には、「X線管保持装置」、表示区分の「下段」に対応する装置の情報項目には、「スタンド装置」が割り当てられている。例えば、図11に示したワイヤレスフットスイッチ60bには、上段D1、中段D2、下段D3の夫々の領域に、寝台装置40、X線管保持装置20、スタンド装置30の表示ラベルが夫々設置される。
図10の下段の表は、スイッチと制御対象装置の機能との対応関係を示すスイッチ機能情報を示す。寝台装置40が制御対象装置の場合、スイッチ65a、65b、65c、65d、65eには夫々寝台下降、寝台上昇、X線透視、天板水平移動、X線撮像の機能が割り当てられる。
図11の上段D1には、寝台下降、寝台上昇、X線透視、天板水平移動、X線撮像の各機能に対応する表示ラベルが設置されている。各表示ラベルの下にあるLED68の点灯により表示ラベルを光らせることで、ユーザは、各スイッチに割り当てられている機能を識別することができる。
図11では、LED68が点灯している表示ラベル69をグレースケールのハッチングで示し、LED68が点灯していない表示ラベル69を白抜きで示す。図11ではスイッチ65aを押下すると天板41が下降する。
なお、制御対象装置の種類が同じであっても、装置によって保有する機能が異なる場合がある。例えば、同じ寝台装置であっても、X線透視の機能を有する機種と有さない機種とがある。X線透視の機能を有さない機種を制御対象装置とする場合、ワイヤレスフットスイッチ60bは、X線透視の表示ラベル69の下にあるLED68を点灯させず、当該機能を有さないことを識別できるように構成されてもよい。このように、スイッチ機能情報は、機種による機能の違いを加味して登録されてもよい。
例えば、スイッチ機能情報は、制御対象装置毎にLED68の点灯を制御する情報項目を備えてもよい。これにより、表示ラベル69が設置されていても、当該表示ラベル69に対応する機能を有さない装置を制御対象とする場合、LED68を点灯しないことで当該機能を有さないことを識別可能にする。
また、ユーザによって使用する機能が異なる場合についても上記の制御を利用できる。即ち、ユーザAは、X線透視の機能を利用するが、ユーザBは、X線透視の機能を利用しないという設定をワイヤレスフットスイッチ60bにすることができる。この場合、ユーザAがワイヤレスフットスイッチ60bを使用するときは、X線透視の表示ラベルは光るが、ユーザBが使用するときはX線透視の表示ラベルは光らず、X線透視に対応するスイッチ65cを押下しても当該機能は実行されない。このような設定は、ユーザ毎のスイッチ機能情報に登録することができる。
なお、スイッチ65eに割り当てられたX線撮像の機能は、ダブルアクションの制御が必要な機能である。この場合、第1の操作でLEDライトを点滅させ、第2の操作が受付可能である旨を表示するようにワイヤレスフットスイッチ60bを構成してもよい。
次に、制御対象装置が寝台装置40からX線管保持装置20に変更された場合のワイヤレスフットスイッチ60bの動作について、図12及び図13を参照して説明する。
図12は、制御対象装置がX線管保持装置20の場合のスイッチ機能情報を説明する模式図である。図13は、制御対象装置がX線管保持装置20の場合のワイヤレスフットスイッチ60bの上面図である。
図12のスイッチ機能情報の上段の表に示すように、X線管保持装置の機能を示す情報は、ワイヤレスフットスイッチ60bの中段の表示ラベル群に示される。また、図12の下段の表に示すように、X線管保持装置20が制御対象装置の場合、スイッチ65a、65b、65c、65d、65eには、上下動ロック解除、回転ロック解除、X線透視、連動モード、X線撮像の機能が夫々割り当てられる。
図13の中段D2には、上下動ロック解除、回転ロック解除、X線透視、連動モード、X線撮像の各機能に対応する表示ラベル69が設置されており、各表示ラベル69の下にあるLED68の点灯により、ユーザは、各スイッチに割り当てられている機能を識別することができる。
図13では、図11と同様にLED68が点灯している表示ラベル69をグレースケールのハッチングで示し、LED68が点灯していない表示ラベルを白抜きで示す。図11では、スイッチ65aを押下するとX線管保持装置20の上下動のロックが解除され、X線管保持装置20を鉛直方向に上下に移動させることが可能となる。
なお、上段D1、中段D2、下段D3の表示ラベル群で異なる色のLEDが設置されてもよい。図13では、図11とは濃さが異なるハッチングで異なる色のLEDであることを示した。異なる色のLEDを利用することで、ユーザは、LEDの色によりワイヤレスフットスイッチ60bの制御対象装置を瞬時に判断することができる。
図11乃至図13では、表示ラベル69の下に設置されたLED68により表示ラベル69を光らせるワイヤレスフットスイッチ60bを説明したが、LED68の設置位置は表示ラベル69の下には限定されない。即ち、ユーザによる表示ラベル69の識別は、表示ラベル69を光らせる態様には限定されない。
図14は、LED68の設置位置の変形例を示すワイヤレスフットスイッチ60bの上面図である。図11及び図13とは異なり、LED68は、第2のステップ面74上の各表示ラベル69の左側に夫々設置されている。なお、LED68の設置位置は表示ラベル69の左側には限定されない。
図14の例では、図11同様に、制御対象装置が寝台装置40である場合を例示している。従って、寝台装置の機能を示す表示ラベル群が設置された上段D1に設置されたLED68が夫々点灯し、中段D2及び下段D3の表示ラベル群に設置されたLED68は点灯しない。なお、図14についても、図11と同様に、点灯しているLED68をグレースケールのハッチングで示し、点灯していないLED68を白抜きで示す。
このように、第2の実施形態に係るワイヤレスフットスイッチ60bにおいても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、第2の実施形態に係るワイヤレスフットスイッチ60bでは、LED68によりスイッチに割り当てられた機能を識別可能とするため、低コストで生産でき、かつ、長期間メンテナンスが不要なワイヤレスフットスイッチ60bを提供できる。
[第3の実施形態]
第1及び第2の実施形態では、1つの検査室内に複数の装置が存在する場合にワイヤレスフットスイッチ60が各装置に共通の遠隔操作装置として機能する例を説明した。しかしながら、ワイヤレスフットスイッチ60は、1つの検査室内で機能する場合には限定されず、複数の検査室を跨いで複数の装置に共通して使用されてもよい。
図15は、複数のモダリティで共通に使用されるワイヤレスフットスイッチ60の模式図である。図15は、ワイヤレスフットスイッチ60が複数の検査室にそれぞれ設置された異なるモダリティの遠隔操作装置として使用される場合を説明する図である。
図15は、検査室1、検査室2及び検査室3にそれぞれ異なるモダリティが設置された例を示している。検査室1には、X線CT装置2bが設置されている。検査室2には、MRI装置2cが設置されている。検査室3には、X線アンギオ装置2dが設置されている。
検査室1においてワイヤレスフットスイッチ60は、X線CT装置2bを制御対象装置とする。同様に、検査室2においてワイヤレスフットスイッチ60は、MRI装置2cを制御対象装置とし、検査室3においてワイヤレスフットスイッチ60は、X線アンギオ装置2dを制御対象装置とする。
なお、第3の実施形態に係るワイヤレスフットスイッチ60は、第1及び第2の実施形態に係るワイヤレスフットスイッチ60a及び60bと同等の機能を有するものとする。以下、第3の実施形態に係るワイヤレスフットスイッチ60の機能を第1のワイヤレスフットスイッチ60aの機能によって実現する場合を例として説明する。
装置選択機能621aは、検査室に設置されたモダリティのID信号に基づいて、モダリティを特定する。なお、ワイヤレスフットスイッチ60は、各モダリティから直接ID信号を受信してもよいし、通信制御装置50を介して受信してもよい。スイッチ機能情報選択機能622aは、特定したモダリティのスイッチ機能情報に基づいて当該モダリティの有する機能に応じたピクトグラムをディスプレイ64に表示する。
このように第3の実施形態に係るワイヤレスフットスイッチ60においても、第1及び第2の実施形態と同様の効果が得られる。さらに第3の実施形態では、天板41の操作のように各モダリティで共通する機能について、ピクトグラムの表示やスイッチ位置を共通化することができる。
以上述べた少なくともひとつの実施形態のワイヤレスフットスイッチ及び医用画像診断システムによれば、スイッチの設定を最適化することが可能となる。
なお、請求項の用語と、実施形態との対応関係は、例えば以下の通りである。
受信回路611は、請求項記載の受信部の一例である。送信回路612は、請求項記載の送信部の一例である。装置選択機能621a及び621bは、請求項記載の装置選択部の一例である。スイッチ機能情報選択機能622a及び622bは、請求項記載のスイッチ機能情報選択部の一例である。ディスプレイ64は、請求項記載の表示部の一例である。入力回路65は、請求項記載の入力部の一例である。記憶回路63は、請求項記載の記憶部の一例である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。