JP6900596B2 - 赤血球疾患およびそれによって媒介される症状を治療するための亜塩素酸塩の使用 - Google Patents

赤血球疾患およびそれによって媒介される症状を治療するための亜塩素酸塩の使用 Download PDF

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Description

本発明は、早期および後期糖化最終生成物(AGE)の発生によって引き起こされる高血糖誘発赤血球疾患/機能不全(RBCD)、ならびにRBCDに関する症状、およびそれによって媒介される関連の病状/症状を治療する方法に関する。RBCDには、溶血性貧血、くすぶり型溶血性貧血、出血性疾患、出血性事象、易出血性出血(hemorrhagic bleeding)が含まれる。
本発明は、早期糖化によって引き起こされるRBCDの治療を可能にする。糖尿病におけるRBCDは、早期糖化生成物HbA1cの発生によって生化学的に定量化され、形態学的には円盤形状の喪失およびRBCの変形能によって特徴付けられる。
より具体的には、本発明は、WF10などの亜塩素酸塩溶液またはそのような治療のための使用に関する。
赤血球(Red Blood Cell(RBC))または赤血球(erythrocyte)は、最も一般的な種類の血液細胞であり、脊椎動物の組織に酸素を送るその主要な手段である。また、それらの役割はエネルギーを生成することである。健常者のRBCは、核を有しない非常に丈夫な細胞であり、「美しい」円盤形状をもたらす。全てのヒト細胞の約30%がRBCである。RBCは赤血球と呼ばれている。毎秒2〜3百万の新たな赤血球が生成され、同じ数が排出される。
骨髄から新しく発生した網状赤血球は、数日以内に丈夫で健康な赤血球に成熟する。慢性的な高血糖または血糖変動の下では、赤血球タンパク質の開環糖アルデヒド基とアミノ基との間で非酵素反応が起こり、これは「早期糖化」と呼ばれている。これらの生成物は、その発見者のフランス人化学者Louis−Camille Maillardにちなんで名付けられている。最良に定義された早期糖化生成物はヘモグロビンA1cである。HbA1cは、ヘモグロビンのベータ鎖上にN末端バリンを有するヘモグロビンのサブフラクションである。数日から数週間の過程で、早期糖化生成物は、「進行した糖化最終」生成物(AGE,Norge 1989,Yamagishi 2012)に至る更なる反応(イタリア人化学者であるAmadoriにちなんで名付けられたAmadorri転位)を受ける。早期および後期糖化生成物の上昇は、赤血球を機能不全、不調にする。それらの赤血球は、増加した機械的脆性を示し、あまり丈夫ではなく、円盤形状が歪んだ形態および乱れた/危険なレオロジーに変化する(Pretorius/Lippi,SEM,AFM)。
これらの赤血球は、酸素を運搬する能力を失っており(第一鉄状態(Fe2+)の代謝産物を有する赤血球のみが酸素を運搬し得る)、遊離第二鉄(Fe3+)ヘモグロビンおよびFe4+プロトフォルフィリンIX/へミンを、それが血管壁に結合して大障害を招く小脈管内に遊離および放出することを伴うくすぶり型細胞内および血管内溶血をもたらす。これらの機能不全の赤血球およびそれらの放出された細胞傷害性ヘモグロビン種が、有害な糖尿病関連病状の原因である。
本発明は、それらの不調で機能不全の赤血球を治療標的として特定する。本発明は、12ヶ月死亡率およびDFU疾患の大規模な切断を大幅に減少させ、腎臓機能を安定化/改善し、他の糖尿病関連病状(最近ではシンドロームXと称される)を低下させる。
ヒト赤血球へのグルコースの浸透は、受動透過と容易に区別される(Hajjawi,O.S.2013)。高血糖では、赤血球によるグルコース取り込みは制限されず、血管内血漿グルコースおよびグルコース利用のレベルによってのみ調節される。赤血球によるグルコース取り込み(グルコース取り込み受容体Glut1を介する)は、インスリンとは無関係である。インスリン依存性細胞は、主に、取り込み受容体GLUT4を有する肝細胞、筋肉細胞、および脂肪細胞である。単一または併用治療としてのインスリンおよび厳格な経口抗糖尿病薬剤の過剰投与は、空腹時糖を制御することができるが、高血糖下の赤血球および内皮細胞におけるグルコース取り込みを阻害することもできないし、早期および後期糖化最終生成物の発生を予防することもできない。
赤血球における早期(HbA1c)および進行した糖化最終生成物(AGE)の発生は、主にプロトフォルフィリンIX(ヘミンと呼ばれる)などのFe+4状態の非常に毒性のヘモグロビン代謝産物の発生を伴う細胞内溶血くすぶりを招く。
インスリンは、AGEの生成を予防するか、または有害なヘモグロビン代謝産物を低減し、それによって健康な赤血球機能を回復させる立場にない。
現在、そのようなアプローチは視野に入っていない。
新たな発明は、第1の工程において糖尿病患者の血液から全ての機能不全のRBCを「除去」するための治療を提供し、第2の工程において本発明は全ての有害な代謝産物を即座に低減する。長期の高血糖を有する患者では、これは、機能不全のRBCの量に依存するヘマトクリットの一次的な低下を伴い得る。また、本発明は、溶血性くすぶりを低減する方法を提供し、この反応によって、それは、円盤形状および損傷のない形態を有する、赤血球生成によって「生まれた」ばかりの新たな赤血球の「再感染」を予防する。1日目の治療的「除去」およびその後の所定期間(1〜5日間)にわたる捕捉なしでは有害な病状への進行は止められない。
遊離ヘモグロビン/ヘミン疾患が、この疾患を新生網状赤血球に移すことを伴うくすぶり型細胞内溶血をもたらし、恒久的に一酸化窒素を消費する限り、虚血につながる毛細血管内の細胞外大障害は止まらない。
くすぶり型溶血とは、還元した酸化還元状態および貧血の真の程度が隠され、機能不全のRBCが除去された場合にのみ、溶血の真の程度が分かる状態を意味する。除去なしでは、赤血球の誘発およびRBCの回復は見られず、骨髄からの若い細胞(網状赤血球)の破壊の中断は見られない。それ故、くすぶりは、破裂前の溶血代謝産物の発生を意味する。これらは、還元した酸化還元状態(Fe3+およびFe4+)のRBCである。
この治療は、空腹時糖の急速な低下およびHbA1c値の正常化を伴う。クレアチニン値は安定したままであり、「推定糸球体濾過率」(eGFR)は増加する。それは、高い血小板数を正常範囲内に低下させる。高血糖における高い血小板数は、腎症の早期予測因子である。
最初の注入後5〜6週間以内で、貧血は減少し、ヘマトクリット値はベースラインよりも高かった。
現在利用可能な証拠に基づく治療は、主に糖制御に焦点を当てている。最適なレジメンは以下のように成果を改善し得る。
「The diabetes epidemic and its impact on Thailand」(Deerochanawong,C.,2013)では、糖尿病は、「膵臓がインスリンを生成しないか、または制御下で血糖を維持するのに十分なインスリンを生成および利用できない」と定義されている。
現在の学問的知見および臨床実験は、「二次的合併症および死亡」への疾患の進行を予防するために、厳格なグルコース制御が不可欠であることを教示している。
糖尿病の二次的合併症は、冠状動脈疾患(CAD)、末梢動脈疾患(PAD)、慢性腎臓疾患(CKD)、または不十分に、網膜症(RN)、ニューロパシー、糖尿病性足潰瘍(DFU)、脳卒中として定義され、これらは最近まとめて「シンドロームX」と称される。
HbA1cの1%毎のポイント低下の減少により次の通り長期合併症が低減するという証拠に基づくコンセンサスが存在する:下肢切断または致命的な末梢血管疾患では43%、微小血管疾患では37%、心不全および心筋梗塞は共に30%、脳卒中では12%。(Thailand Diabetes Report 2013のグラフを参照)。そのため、それは、全ての手段、および異なる形態のインスリンの広範な使用を強調することによって厳格なグルコース制御の必要性を促している。
しかし、これらの勧告は誤っているようである。世界的に糖尿病が増えており、合併症/病状の数も増えている。厳格かつ積極的な糖制御が合併症の数を減少させるであろうという想定に基づいて、1型糖尿病における合併症の11%のみがそのような積極的な治療によって説明され得、2型糖尿病では更に低くなる。これは最近行われた大規模なヒトでの試験の結果である(Nawroth 2016)。更に、この大規模な試験はまた、心不全、脳卒中、および死亡のより高いリスクを明らかにしている(Nawroth 2016)。
興味深いことに、2009年から2012年にかけて、マレーシアの患者においてインスリン投与を3倍に増加しても、平均HbA1cが減少する結果にならなかった(Malaysia National Report on Diabetes 2013)。インスリン投与を倍にしたにもかかわらず、高い百分率のHbA1c(<8%および<10%のHbA1c)を有する患者の数は増加した(2009年の糖尿病患者の74%に比較して2012年では76.9%)。既に高いHbA1c百分率を有するこの患者の群では、恒久的に古典的なグルコース制御薬(メトホルミン、スルホニル尿素、アルファ−グルコシダーゼ阻害薬、メグリチニド、グリタゾン、インスリン)の成功率は低いようである。
まとめると、HbA1cレベルを最大で1%低下させることが可能な多くの治療レジメンが存在するが、8%を超えるHbA1cレベルを示す患者の数は増えている。ベースラインから8%を超えるHbA1cの実質的な減少は例外であるようである。
厳格な血糖制御が必須であるように思われるため、糖尿病に由来する病状の原因を治療することに対して緊急的な必要性が存在する。この原因はインスリンとは無関係である。糖尿病の蔓延を阻止し、ヘルスケアシステムのコスト上昇を止める目的で、グルコーストランスポーター受容体GLUT1を有する細胞の別のセグメントを標的とした抜本的な新たな治療アプローチに対する緊急的な必要性が存在する。
赤血球(および内皮細胞)が新たな標的である。
貧血は一般的に高血糖と関係性があるが、現在では糖尿病関連病状またはシンドロームXの一部として列挙されていない。
シンドロームX(CAD、PAD、CKD、RN、ニューロパシー、DFU)の病因の分子的詳細は非常に複雑であり、我々の現在の知見では、赤血球機能不全と結びつきはないが、グルコースの開環形態と異なる標的との反応が、これらの病状の基礎を提供する。
生物学的流体において、グルコースは主に、反応性アルデヒド基を有する開環形態と平衡にある非反応性環形態で存在する。アルデヒドは、アミノ基を有するタンパク質と容易に相互作用する。
これらの反応には、中間体のシッフ塩基の形成およびAmadorri転位のような更なる変換が含まれる。このようにして、グルコース分子はタンパク質および他の生物学的標的に結合するようになる。明らかに、生物学的材料のこれらの翻訳後変換は、高血糖下でかなり増加する。集合的に、これらの変換の生成物は、「進行した糖化最終」(AGE)生成物として集約される。
これらの反応の1つの特別な例は、糖化側鎖を有するヘモグロビン形態の形成である。HbA1cは、赤血球の寿命(120日間)にわたって持続的な糖制御のための議論の余地のないマーカーとして今日では広く使用されているパラメータである、ヘモグロビンA1のベータ鎖上に糖化N−末端バリンを有するヘモグロビンのサブフラクションである。
ヘモグロビンA1c(HbA1c)レベルは、早期糖化生成物および「進行した糖化最終」生成物(AGE)の程度を表し、貧血、ならびに腎不全、視覚障害、およびニューロパシーを含む末梢器官損傷のリスクと強く相関している。最も顕著には、それは死と相関する。
HbA1cが1%低下する毎に、微小血管合併症のリスクは40%、死亡のリスクは21%低下する。(Graph from NaRCAD 2013)
HbA1c値が6.5%を超える場合には軽度のリスクを反映する「高血糖」と一般的に呼ばれ、HbA1cが8.5%を超える場合にはそれは「インスリン抵抗性」と一般的に称され、罹患率および死亡率に関連する高リスクの臨床状態を反映する。
HbA1cの百分率が6.0%未満であることが恒久的に測定される場合には、シンドロームXへの進行のリスクは劇的に低下するはずである。
生活習慣変更プログラム、新旧の経口抗糖尿病薬、および血中グルコース制御のための実質的な代替インスリン滴定の導入にもかかわらず、数百万人の糖尿病患者は、依然として、HbA1c値の増加を呈しており、これは、グルコース制御に焦点を当てる現在の利用可能な治療レジメン(単一または併用治療)の限定された治療効果を反映している。
糖尿病が風土病になると(米国では2500万人、タイでは400万人、世界で3億人)、これらの数百万人の患者は、重度の病状を発現する傾向があり、我々のヘルスケアシステムにとって最も費用の掛かる負担の要因である。
インスリン非依存性細胞におけるグルコース利用性を回復することに焦点を当てる、グルコース制御以外の新たな治療アプローチに対して緊急的な医学的必要性が存在する。
現在、HbA1c百分率を劇的に低下させることによって、または更には慢性的な高血糖の運命を逆行させるために、高血糖の二次的合併症および死亡への進行を止める治療は存在しない。現在、グルコースをより良好に制御する目的で世界で行われている1289件の研究が存在し、これらの研究のうち41件はタイで単独で行われている。これらの研究の全てにおいて終点はHbA1cを低下させる程度である。
この研究のいずれも、不調で危険な赤血球の除去によって、また、細胞内溶血および血管内大障害(血管壁に付着したヘミン)の有害なくすぶりを低減する目的で、赤血球機能不全の治療に焦点を当てていない。
正常範囲のHbA1c(<6.0%のHbA1c)に至る治療は、シンドロームXを発現するリスクを排除する。
そのような治療は現在存在しない。
本発明は、シンドロームXの原因としての赤血球機能不全を治療する方法を提供する。この治療は、健康なRBC機能および形態を回復するだけでなく、貧血を減少させ、腎臓機能を改善する。初期の治療後、HbA1cの百分率は、ベースラインの百分率とは無関係に、健常者のものと同様の範囲内にある。2015年にWF10で治療され、かつこの特許に提示された7つの場合の1つにおいて、第2の治療サイクルが骨髄炎解消(FWK)のために与えられた。
これらの研究のいずれも、有害なくすぶり型細胞内溶血および血管内大障害を低減する目的で、赤血球機能不全の治療に焦点を当てていない。グルコース取り込み受容体の発見は、グルコース取り込み受容体GLUT4を有する細胞のうち3種類のみがインスリン依存性であることを示しており、これらは肝細胞、筋肉細胞、および脂肪細胞である。これらの細胞によるグルコースの取り込みは、インスリン(膵臓のベータ細胞で生成されるホルモン)によって制御されるため、これらの細胞は「インスリン依存性細胞」または「インスリン依存性保存部(storage)」と呼ばれる。
糖尿病の治療の成功には、生活習慣の変更(栄養および運動)における恒久的なアプローチが必要であり、最良の場合では、HbA1cを0.3%低下させ得る。しかし、糖尿病の自然経過はインスリン感受性および生成の進行性喪失であるため、ほとんどの患者は7%を超えるHbA1c値を発現する。特定のHbA1c標的を達成するためには、経口抗糖尿病薬(OAD)およびインスリンの現在の治療レジメンを毎日投与しなければならない。メトホルミンなどに組み合わされるより新しい非インスリン薬は、HbA1cを0.5〜1%低下させる可能性があるが、AGEの発生の阻害の証拠も実際の末梢器官損傷の減少の証拠も示されておらず、現在知られている科学的アプローチに基づいてそれを行うこともできない可能性がある。
毎日の治療レジメンを置き換える長く持続する治療効果を有するより短い医学的治療アプローチに対する緊急的な必要性も存在する。
これらの「インスリン非依存性」細胞は、主に赤血球、糸球体の毛細血管におけるメサンギウム細胞、神経およびSwann細胞である。これらの細胞は、グルコース取り込み受容体GLUT−1およびGlut−3を有する。最も重要なものは、明らかに、全ヒト細胞の25%超を占める赤血球である。
赤血球は、我々の現在の知見では、末梢器官損傷の原因における重要な細胞として関与していない。DFUのその治療は、遊離ヘモグロビン形態の解毒およびRBCの回復したレオロジーおよび形状に基づく一酸化窒素の生物学的利用能および血液循環と密接に関連することが示される。
本発明は、血管内皮および腎臓に広がる細胞内/細胞外溶血の原因としてのRBCDの悲惨な影響を特定する。
不調の赤血球を排除するため、および病状状態下での赤血球の過度の溶血の後に現れ得る細胞傷害性ヘモグロビン代謝産物の収率を効率的に低減するための治療方法が提供される。これらの代謝産物の有効で迅速な捕捉(ハプトグロビンおよびヘモペキシンの保護は経時的に使い尽くされる)のみが二次的合併症の原因を劇的に減少させる。ここでの1つの他の主要な点は、これらの非常に反応性であるヘモグロビン誘導体を酸化窒素の競合標的として不活性化することである。
グルコースは主に、開環形態と平衡にある非反応性環形態で存在し、後者は反応性アルデヒド基を有する。アルデヒドは、アミノ基を有するタンパク質と容易に反応する。
1つの特別な例は、赤血球中で最も放棄されたタンパク質である、早期糖化生成物(ヘムタンパク質)A1c(HbA1c)の発生である。
ヘムタンパク質の糖化は、赤血球における細胞内溶血の起点であり、くすぶり型溶血性貧血の原因である。糖化の程度は、HbA1cによって測定される。貧血の程度は、ヘマトクリットによって測定される。
8%を超えるHbA1c値を有する患者は、通常、実質的な貧血を反映する25%のヘマトクリット低下を有する。
長期高血糖および相関する溶血性貧血は、多数の組織および器官の損傷に関連する我々の生物にとって有害な状態である。
これらの疾患は、妨げられた血液循環および神経(Arnhold)における電気信号を翻訳する能力の低下に基づいて次第に発現していく。
それらの疾患の1つの古典的な例およびシンドロームXと称される群を抜いて最も進行した合併症は、糖尿病性足(DFU)である。
この合併症は、妨げられた血液循環および神経における電気信号を翻訳する能力の低下に基づいて次第に発現していく。血液、内皮細胞、および他の細胞におけるタンパク質の糖化の増加、RBCの浸透圧安定性の低減、およびRBCの還元した酸化還元状態、ならびに最終的に溶血の高度化は、16.7%という驚くほどの12ヶ月死亡率を有するこの有害な病状に寄与している(Insurance Medicine)。DFUにおける12ヶ月死亡率は、ほとんどの癌よりも高い。大規模な切断後では、12ヶ月死亡率は倍増して30%を超える。
糖尿病性微小血管合併症および糖尿病性ニューロパシーの罹患率はまた、血糖制御不良の患者でより高いことが報告されている。以前の研究では、HbA1cが全体的切断の重大なリスク因子であることが強く示されてきた。HbA1cは切断のリスクの予測的因子であり、リスクのカットオフ点は9.2%である(特異度81%および感度87.5%)。
DFUを有する192人の患者および治療された306人の患者全体の後ろ向き研究での死亡率(重度の感染、ニューロパシー、および虚血性の糖尿病性潰瘍を有する研究患者を治療し、12ヶ月死亡率を患者のファイルから記録し、国際的に実証された死亡率と比較した:「Insurance Medicine」で報告された16.7%の12ヶ月死亡率と比較して、192人の研究患者では1.55%の12ヶ月死亡率、および306人の患者全体では3.92%の12ヶ月死亡率)。
RBCにおける細胞内グルコースレベルの上昇は、アルドースレダクターゼを介するグルコースのソルビトールへの転化にも有利である(Gugliucci,2000,Brownlee,2005)。ポリオール経路における第1の工程を表すこの反応の間、NADPHはNADP+に酸化される。糖尿病の病因において、この反応はまた、網膜における毛細血管内皮細胞、腎糸球体におけるメサンギウム細胞、ならびにグルコース取り込みがインスリンに依存しない末梢神経のニューロンおよびSwann細胞において重要である。結果的に、高い細胞内グルコースはNADPHを枯渇させ、一酸化窒素、グルタチオンなどの値を低下させる。この代謝産物は全て、それらの合成のためにNADPHを必要とする。ポリオール経路の強化は、それらの細胞、特にRBCにおいて大障害を招くことが明らかとなる。
ソルビトールは細胞膜を通って自由に浸透せず、蓄積はRBC内の浸透圧ストレスを招く。RBCはまた、アルドースレダクターゼを含有する。この酵素の活性は、一酸化窒素によって調節される(Chandra et al 2002,Srivastava 2003)。酸化窒素の正常なレベルは、その活性を減弱化し、健康な赤血球では総グルコースの3%のみがソルビトールに代謝される。一酸化窒素の生物学的利用能が減少すると、アルドースレダクターゼの活性がかなり上昇し、グルコースの最大で30%がソルビトールに転化される。これは、赤血球の機械的脆性の増加に重大な結果をもたらす(Lippi 2011)。実際に、空腹時血漿グルコースは、赤血球の機械的脆性の増加と貧血の最も強い相関関係である。最後に、赤血球の浸透圧安定性および形態学的全体性は、HbA1c値の増加と負の相関がある(Kung 2009)。
まとめると、高血糖患者において、一方で高血糖の程度と他方でHbA1c値との間には明確な関係がある。
それ故、くすぶり型細胞内溶血を有するRBCDを対処するための新たな治療アプローチに対する緊急的な医学的必要性が存在する。
DFUは、WF−10で治療され得ることが知られており(Yingsakmongol,Journal of Wound Care,“Clinical Outcomes of WF−10 adjunct to standard treatment of Diabetic Foot Ulcers,” August 16,2013,(参照により本明細書に組み込まれる);Yingsakmongol et al.,jfas Nov−Dec 2011,Vol.50,Issue 6,pp.635−640(参照により本明細書に組み込まれる)、RBCDを対処する改善が見られたメカニズムは知られておらず、結果的に、それは、特にDFUを発症していない患者において、糖尿病それ自体または他の糖尿病関連合併症を治療するために亜塩素酸塩含有組成物を採用することは知られておらず、明白でもなかった。
一態様では、本発明は、亜塩素酸イオン(ClO )を含有する組成物を使用して赤血球疾患/機能不全および早期糖化を、特にその組成物を使用して高血糖誘発赤血球疾患/機能不全を治療する方法を提供する。
亜塩素酸塩イオンの安定化溶液は、その技術分野において、例えば、米国特許第8,252,343号および出願第2011/0076344号において知られており、そのような開示は参照により組み込まれる。
別の態様では、本発明は、ヘモグロビンA1cを正常化することによって、高血糖患者において健康な赤血球機能を回復させる方法を提供する。
別の態様では、本発明は、シンドロームXと称される糖尿病関連合併症を減少させるか、またはそれらの病状の進行を止める方法を提供する。
別の態様では、本発明は、慢性腎臓疾患への進行を止めるか、またはその運命を逆行させる方法を提供する。
別の態様では、本発明は、ヘモグロビンからの細胞障害性代謝産物を捕捉することによってRBCDを効率的に軽減する方法を提供する。
別の態様では、本発明は、貧血または出血性症候を患っている患者に、治療的有効量の亜塩素酸イオンを含有する組成物を投与することを含む、溶血性貧血様症状の阻害、不活性化、減少、予防、または治療のための方法を提供する。
別の態様では、本発明は、出血性疾患におけるヘモグロビン代謝産物を捕捉するための方法を提供する。
別の態様では、本発明は、横紋筋融解症を治療するための方法を提供する。
本発明は更に、糖尿病を治療するための、および/またはHbA1Cを低減するための、および/または糖尿病関連腎臓機能不全、糖尿病関連冠動脈疾患、糖尿病関連末梢動脈疾患、糖尿病関連網膜症、または糖尿病関連ニューロパシーを治療するための方法を提供する。
添付図面を参照して本発明を以下に更に詳細に説明する。
図1は、ベースライン、4週目、8週目の7人の患者におけるHbA1cの血液分析を示すグラフである。WF10は、500mlの生理食塩水中で4〜6時間にわたって5日間連続して1日当たり0.5ml/kgの用量で注入した。A)4週間および8週間後の全ての値は正常範囲<6.5%のHbA1cである。B)平均値は、8週間後に9.8%から5.4%に減少した。 図2は、証拠に基づく治療が成果を改善することができることを示すグラフである:HbA1cの1%低下毎に微小血管合併症のリスクを40%、死亡を21%低下させる。 図3は、WF10注入後の1つの典型的な生化学的シナリオのグラフである:2型糖尿病を有する患者における経時的なHbA1c減少、空腹時糖減少、クレアチニン減少、ヘマトクリット増加。(スライドが続く) 図4は、WF10の5回連続注入後の空腹時糖が400mg/dlから約120mg/dlに減少することを示すグラフである。この患者は20年間の2型糖尿病歴を有し、インスリン抵抗性であり、糖尿病性足潰瘍を治療していた。
好ましい組成物は、アレルギー、喘息、および皮膚炎をWF10で治療する上で有用な薬剤として、例えば、米国特許第8,252,343号に開示されているWF10である。
WF10は無菌で発熱物質を含まない、薬剤物質OXO−K993の10%(w/v)希釈水溶液であり、これは、亜塩素酸イオン(4.25%)、塩化物イオン(2.0%)、塩素酸イオン(1.5%)、硫酸イオン(0.7%)、およびナトリウムイオン(4.0%)を含有する溶液として分析的に特徴付けられる。ヒトの臨床研究は、WF10を1日当たり0.5mL/kgの用量で5日間連続で注入し、続いて16日間の薬剤を注入しないインターバルが「サイクル」を構成する場合、安全性の実質的な証拠を作り出した。2つの手順では、患者は6サイクルの治療を受け、別の試験では、患者は4サイクルを受け、続いて最大で128週間で6週間毎に維持使用した。全ての場合において、WF10は、ステロイド様副作用、免疫抑制、抗ヒスタミン剤様副作用、および心臓血管の副作用のない優れた安全性プロファイルを示した。
WF10は、貪食を刺激して炎症表現型を減少させることによって(M S.McGrath,V.Kodelja:Balanced Macrophage Activation Hypothesis:A Biological Model for Development of Drugs Targeted at Macrophage Functional States.Pathobiology 67(1999),277−281)、マクロファージ機能に影響を及ぼすことが示された(M S.McGrath,C.Benike,F.W.Kuehne,E.Englemann:Effect of WF10(TCDO)on antigen presentation.Transplant Proc.30(1998),4200−4202)。その証拠は、WF10が、炎症性マクロファージの慢性的なT細胞活性化への影響の除去を介して免疫学的活性化を下方制御し得ることを示唆している。
しかしながら、WF10に関する研究では、ステロイド様免疫抑制効果および抗ヒスタミン様効果は認められていない。むしろ免疫系の正常化効果がインビトロ研究で認められている(M.S.McGrath,J.O.Kahn,B.G.Herndier:Development of WF10,a novel macrophage−regulating agent.Curr.Opin.Investig.Drugs3(2002),365−373)。
WF10を用いる赤血球機能不全の治療は、予想外な新たな発明である。赤血球機能不全がシンドロームXと呼ばれる糖尿病関連病状の原因であり得ることは知られていなかった。一部のDFU治療患者では、最初の注入後にヘマトクリットの一時的な低下が認められ、輸血が示唆されたので、WF10は溶血を引き起こし得ると考えられた。この一時的なヘマトクリットの低下は、実質的な赤血球増加によって補われ、21日後にヘマトクリットはベースラインに戻り、3ヶ月後にはベースラインを上回った。結果的に、インビトロおよびインビボの研究が行われた。WF10は、健康な人およびHIVに感染した人では溶血を起こさないことを示すことができた。高血糖患者および代わりにサラセミアを有する患者では、WF10治療は、治療開始時に早期/最終糖化生成物および機能不全赤血球の除去を誘発し、即座に遊離ヘモグロビンおよびヘミンを不活性化/捕捉する(Kuehne,McGrath,unpublished data,Arnhold,personal communication)。
本発明は、治療的有効量のWF10を用いて、赤血球疾患/機能不全、溶血性貧血、出血性事象、易出血性出血を阻害/治癒する方法を提供する。
本発明はまた、進行中の細胞内および細胞外出血事象、易出血性出血の不活性化/低減、終結、減少のための方法を提供する。
上述の症候の種類の例には次のものが含まれるがこれに限定されない:患者が上部腸/膀胱に強い出血を有し、尿が深い赤色であること。最初の注入後、出血症候は消失し、朝の尿は黄色であった。
亜塩素酸塩、例えば、WF10が、出血症候の再発を予防するために症候のない糖尿病患者において、軽度の溶血性症候を有する患者において、または更に中程度〜重度の症候を有する患者において投与され得ることが明細書および提供される実施例から理解される。シンドロームXの一部を有する糖尿病患者では、薬剤は、再発を予防するため、または症状、すなわち、腎臓機能を安定化するために投与され得る。
亜塩素酸塩は、好ましくは、対象に静脈内投与される。亜塩素酸塩は、現在使用されている全ての抗糖尿病薬と同時投与または併用され得る。これらの薬には、メトホルミン、スルフリル尿素、およびインスリンが含まれる。亜塩素酸塩はまた、単独治療として投与され得る。
本発明の一実施形態は、1年に3回、1年に2回、1年に1回、または2年に1回での亜塩素酸塩の1治療サイクルの投与である。一実施形態では、0.5ml/kg体重の用量が、注入の治療サイクルとして5日間にわたって毎日投与される。一例では、WF10は、生理食塩水またはブドウ糖液で使用のために希釈され、理想的には調製から4時間以内に使用される。4時間の制限を伸ばすために冷蔵庫または冷蔵庫保管は推奨されない。例えば、亜塩素酸塩(例えば、WF10)は、0.5mL/kg体重の用量として投与され、少なくとも250mLの生理食塩水に希釈され、60〜90分間にわたって注入され得る。投与の容易性のため、体重に関係なく、50〜75mLの標準用量が成人に投与され得る。個々の医学的必要性に応じて、用量は、0.375、もしくは更には0.1ml/kg、または1人当たり5〜50mgに減少され得る。一方で幼児または感受性の高い人では、他方で非常に重度の罹患または抵抗性患者では、用量は0.01〜2ml/kgの範囲内で更に調整され得る。用量調整は、個々の医学的必要性に従って、また、治療を処方する医師の決定に沿って行われるべきである。
更なる実施形態では、亜塩素酸塩は、1リットル当たり約40〜約80mMolのClOの濃度を有する。別の実施形態では、亜塩素酸塩は、1リットル当たり約60mMolのClOの濃度を有する。
一実施形態では、注入ポンプが亜塩素酸塩の投与のために使用され得る。一実施形態では、注入は、連続した日に毎日(例えば連続した5日間の各々の日)投与されるが、薬剤を1日おきに投与するか、または注入の間の中断を2日または3日に延長して、薬理学的効果を妨げることなく週末および休日に適応させることも可能である。一実施形態では、1サイクルは5回の注入を構成する。しかしながら、2〜3回の注入後に良好な効果が見られたので、治療は2回または3回または4回の短いサイクルのからなっていてもよい。個々の場合には、1回の注入が十分であり得る。
一実施形態では、亜塩素酸塩の対象への投与は、7〜28日の期間内、またはあるいは7〜21日の期間内、または7〜14日の期間内で毎日1〜6回の注入からなり得る。別の実施形態では、亜塩素酸塩の対象への投与は、7〜28日の期間内、または7〜21日の期間内、または7〜14日の期間内で毎日2〜5回の注入からなり得る。あるいは、亜塩素酸塩の対象への投与は、7〜28日の期間内、またはあるいは7〜21日の期間内、または7〜14日の期間内で毎日3〜5回の注入からなり得る。あるいは、亜塩素酸塩の対象への投与は、7〜28日の期間内、または7〜21日の期間内、または7〜14日の期間内で毎日4〜5回の注入からなり得る。
別の実施形態では、亜塩素酸塩の対象への投与は、7日の期間内で毎日1〜6回の注入からなり得る。あるいは、7日の期間内に、亜塩素酸塩は、毎日2〜5回の注入、またはあるいは毎日3〜5回の注入または毎日4〜5回の注入として対象に投与され得る。
サイクルは2〜3週間毎の頻度で繰り返され得るが、治療インターバルは1年に3回、1年に2回、1年に1回、または2年に1回であり得る。各サイクルの治療インターバルは、個々の症候に合うように調整され得る。単回コースは長期間で症候を減少させるのに十分であるが、重度の罹患者では、2〜4週間毎に間隔を空けて2また3回のサイクルが高血糖を抑制または大幅に減少させるのに必要であり得る。HbA1c値を正常化した後に良好な治療効果が達成されるとすぐに、7.5%を超えるHbA1cの増加まで更なるサイクルは必要とされず、それは、120日後もしくは240日後、または更にその後であり得る。あるいは、6.5%を超えるHbA1cの再発を予防するために、治療はより頻繁に繰り返され得る。
調製
亜塩素酸イオン溶液は、市販されているか、または当業者によって容易に調製され得る。例えば、テトラクロロデカオキシド(OXO−K993)を使用して以下のようにWF10を調製し得る。
1.WF10:製造プロセスの説明
200Lの場合の製造説明
生成方法:滅菌濾過を使用する無菌処理による溶液の充填。
出発材料の計量
20.0kg*のOXO−K993をステンレス鋼容器に計量導入し、容器を閉じ、生成物をバルク生成室に移す。
*このOXO−K993の量は100%の含有量に関する。正確な量は、生成に使用されるOXO−K993の定量的決定に従って計算しなければならない(95〜105%)。
バルク溶液の製造
およそ160kgの注射用水(WFI)を製造容器に添加し、スターラーのスイッチを入れる。WFIを含有する容器にOXO−K993を添加する。残りの精製水を添加して200L(=201.8kg)のWF10溶液とする。容器を閉じ、バルク溶液を30分間撹拌する。
バルク溶液のインプロセス制御および放出
QCUは以下のインプロセス制御を行う。
Figure 0006900596
バルク溶液の濾過
QCUによる放出後、バルク溶液を0.22μmのメンブレンフィルターを通して、窒素過剰圧力(>0.5バール)を使用して予め滅菌されたステンレス鋼保持タンクに濾過する。濾過された溶液の量を確認し、保持タンクを滅菌製造領域に移す。フィルタを全体性について試験する。
バイアルの滅菌充填
バイアル(I型ガラス、20R)を、注射用水を使用して工業用ボトル洗浄機によって洗浄し、その後、滅菌/発熱物質除去トンネルにおいて375℃に加熱する。
滅菌濾過したWF10溶液を含有する保持タンクを、チューブを介して自動充填機に接続されたオンライン濾過ユニット(0.22μmのメンブレンフィルターを使用する)に無菌的に接続する。最初の50個のバイアルを廃棄した後、溶液を無菌条件下で20mLバイアルに充填する。充填直後に、各バイアルを水蒸気滅菌した20mmの赤色クロロブチルゴム栓で閉じ、滅菌したアルミニウムシールで密閉する。
充填プロセスの間に、開始時、毎時間、および最後に2つのボトルの充填体積が決定される[限界:20.0〜22.0mL]。
充填されたバイアルは滅菌領域から取り除かれ、閉じた箱内で包装領域に移される。
フィルタを全体性について試験する。
充填されたバイアルの最終制御
QCUは以下の表に示すように制御を行う。
Figure 0006900596
2.NRI−1025:製造プロセスの説明
100Lの場合の製造説明
生成方法:滅菌濾過を使用する無菌処理による溶液の充填。
出発材料の計量
2,280.0g*の亜塩素酸ナトリウム溶液25%を好適な溶液に計量導入する。
*この亜塩素酸ナトリウムの量は25%の含有量に関する。正確な量は、使用される亜塩素酸ナトリウム溶液の定量的決定に従って計算しなければならない。
440.0gの亜塩素酸ナトリウムを好適な溶液に計量導入する。
69.0gの炭酸ナトリウム(無水物)を好適な溶液に計量導入する。
40.0gの水酸化ナトリウム(固体)を好適な溶液に計量導入する。
容器を閉じ、それらをバルク生成室に移す。
バルク溶液の製造
およそ70kgの注射用水(WFI)を製造容器に添加し、スターラーのスイッチを入れる。塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、および水酸化ナトリウムを、WFIを含有する容器に連続的に添加する。10分間撹拌し、次いで亜塩素酸ナトリウム溶液を撹拌下で添加する。残りのWFIを添加して100L(=約100.9kg)のNRI−1025溶液とする。容器を閉じ、バルク溶液を少なくとも10分間撹拌する。
バルク溶液のインプロセス制御および放出
QCUは以下のインプロセス制御を行う。
Figure 0006900596
バルク溶液の濾過
QCUによる放出後、バルク溶液を0.22μmのメンブレンフィルターを通して、窒素過剰圧力(>0.5バール)を使用して予め滅菌されたステンレス鋼保持タンクに濾過する。濾過された溶液の量を確認し、保持タンクを滅菌製造領域に移す。フィルタを全体性について試験する。
バイアルの滅菌充填
バイアル(I型ガラス、20R)を、注射用水を使用して工業用ボトル洗浄機によって洗浄し、その後、滅菌/発熱物質除去トンネルにおいて375℃に加熱する。
滅菌濾過したNRI−1025溶液を含有する保持タンクを、チューブを介して自動充填機に接続されたオンライン濾過ユニット(0.22μmのメンブレンフィルターを使用する)に無菌的に接続する。最初の50個のバイアルを廃棄した後、溶液を無菌条件下で20mLバイアルに充填する。充填直後に、各バイアルを水蒸気滅菌した20mmの赤色クロロブチルゴム栓で閉じ、滅菌したアルミニウムシールで密閉する。
充填プロセスの間に、開始時、毎時間、および最後に2つのボトルの充填体積が決定される[限界:20.0〜22.0mL]。
充填されたバイアルは滅菌領域から取り除かれ、閉じた箱内で包装領域に移される。
フィルタを全体性について試験する。
充填されたバイアルの最終制御
QCUは、以下の表6に示すように制御を行う。
Figure 0006900596
更なる詳述なしに、当業者は、前述の説明を使用して、本発明をその最大限まで利用し得ると考えられる。そのため、前述の好ましい特定の実施形態は、単なる例示として解釈されるべきであり、本開示の残りの部分を決して限定するものではない。
上記および実施例では、全ての温度は修正されずに摂氏度で表されており、全ての部および百分率は、他に示されていない限り重量による。
本明細書に引用された全ての出願、特許、および刊行物、ならびに2015年8月20日に提出された対応する米国仮出願第62/207,774号の開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
他の記載との重複もあるが、本発明を以下に示す。
[発明1]
糖尿病の治療を、それを必要とする患者に行う方法であって、前記患者が糖尿病性足潰瘍を発症しておらず、ClO を含む有効量の薬学的組成物を前記患者に投与することを含む、方法。
[発明2]
HbA1Cの低減を、それを必要とする患者に行う方法であって、前記患者が糖尿病性足潰瘍を発症しておらず、ClO を含む有効量の薬学的組成物を前記患者に投与することを含む、方法。
[発明3]
溶血性貧血の治療を、それを必要とする患者に行う方法であって、前記患者が糖尿病性足潰瘍を発症しておらず、ClO を含む有効量の薬学的組成物を前記患者に投与することを含む、方法。
[発明4]
糖尿病関連腎臓機能不全、糖尿病関連冠動脈疾患、糖尿病関連末梢動脈疾患、糖尿病関連網膜症、もしくは糖尿病関連ニューロパシーサラセミア、または横紋筋融解症の治療を、それを必要とする患者に行う方法であって、ClO を含む有効量の薬学的組成物を前記患者に投与することを、含む方法。
[発明5]
前記薬学的組成物が、亜塩素酸イオン、塩化物イオン、塩素酸イオン、硫酸イオン、およびナトリウムイオンを含む、発明1に記載の方法。
[発明6]
前記薬学的組成物がWF10である、発明1に記載の方法。
[発明7]
前記薬学的組成物が、亜塩素酸イオン、塩化物イオン、塩素酸イオン、硫酸イオン、およびナトリウムイオンを含む、発明2に記載の方法。
[発明8]
前記薬学的組成物がWF10である、発明2に記載の方法。
[発明9]
前記薬学的組成物が、亜塩素酸イオン、塩化物イオン、塩素酸イオン、硫酸イオン、およびナトリウムイオンを含む、発明3に記載の方法。
[発明10]
前記薬学的組成物がWF10である、発明3に記載の方法。
[発明11]
前記薬学的組成物が、亜塩素酸イオン、塩化物イオン、塩素酸イオン、硫酸イオン、およびナトリウムイオンを含む、発明4に記載の方法。
[発明12]
前記薬学的組成物がWF10である、発明4に記載の方法。

Claims (4)

  1. 貧血および重度の糖尿病性足潰瘍を有する患者におけるHbA1Cの低減のための、ClO を含む薬学的組成物であって、静脈内投与される、薬学的組成物
  2. 亜塩素酸イオン、塩化物イオン、塩素酸イオン、硫酸イオン、およびナトリウムイオンを含む、請求項に記載の薬学的組成物。
  3. 前記薬学的組成物がWF10である、請求項に記載の薬学的組成物。
  4. 8%を超えるHbA1cレベルを示す患者に投与される、請求項に記載の薬学的組成物。
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