図1は、実施例1に係る通信システム10の構成を示すブロック図である。まず、通信システム10及びその周辺機器を含むネットワーク全体の構成例について説明する。本実施例においては、通信システム10は、近距離無線通信によって互いに通信を行う通信装置(第1の装置又は1の装置)20及び電子装置(第2の装置)30を含む。
また、通信装置20は電子装置30を含む複数の電子装置との通信を行う。本実施例においては、通信装置20は、電子装置30及び電子装置T1(他の装置)と近距離無線通信によって通信を行う。例えば、通信装置20、電子装置30及びT1は、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)などの通信規格に対応した通信モジュール(図示せず)を有し、これを用いて互いに通信を行う。なお、本明細書における「通信」の用語は、近距離無線通信を指す。
本実施例においては、通信装置20は、電子装置30との間で、2つの通信プロファイル(以下、単にプロファイルと称する)P1及びP2を用いた近距離無線通信を行う。また、通信装置20は、電子装置T1との間で、プロファイルP2を用いた近距離無線通信を行う。本実施例においては、プロファイルP1及びP2は、1の規格に準拠したプロファイルである。例えば、通信装置20は、電子装置30及びT1との間で、Bluetooth(登録商標)通信のプロファイルを用いた通信を行う。
例えば、プロファイルP1(1のプロファイル)は、Bluetooth(登録商標)通信のSPP(Serial Port Profile)である。また、プロファイルP2(他のプロファイル)は、Bluetooth(登録商標)通信のA2DP(Advanced Audio Distribution Profile)又はVDP(Video Distribution Profile)である。
通信装置20は、電子装置30又はT1から受信したデータを出力する出力装置OPに接続されている。出力装置OPは、例えばスピーカS1及びディスプレイD1を含む。例えば、通信装置20は、電子装置30又はT1から音声データ又は映像データを受信し、当該受信した音声データ又は映像データを出力装置OPから出力するメディア再生装置である。
また、電子装置30及びT1は、例えば光ディスクやハードディスク、メモリなどに音声データ又は映像データを記憶する外部記憶装置である。例えば、電子装置30は、CD(Compact Disk)ドライブ、DVD(Digital Versatile Disc)ドライブ又はBD(Blu-ray(登録商標) Disc)ドライブなどのディスクドライブである。また、電子装置T1は、音声データや映像データを記憶するスマートフォンやタブレットである。
例えば、通信装置20及び電子装置30としての再生装置及び外部記憶装置は、それぞれ車載用オーディオ機器のヘッドユニット及びディスクドライブとして自動車内に搭載されることができる。例えば、通信装置20は自動車のダッシュボードに設置され、電子装置30はセンターコンソールに設置されることができる。
なお、通信装置20、電子装置30及びT1の構成はこれに限定されない。通信装置20、電子装置30及びT1の他の構成例としては、通信装置20としてゲーム機が、電子装置30及びT1として2つのコントローラが挙げられる。また、他の構成例としては、通信装置20としてパーソナルコンピュータ本体が、電子装置30及びT1として2つのマウスが挙げられる。
次に、通信システム10の通信装置20及び電子装置30の構成について説明する。通信装置20は、電子装置30及びT1との通信の制御を行う通信制御部21を有する。本実施例においては、通信制御部21は、プロファイルP2を用いた通信を電子装置30との間で確立するか又は電子装置T1との間で確立するかを切り替える制御を行う。
通信装置20は、プロファイルP2を用いた近距離無線通信によって電子装置30又はT1から送信されたデータを受信するデータ受信部22を有する。例えば、データ受信部22が受信するデータは、音声データ又は映像データ(音楽コンテンツ又は映像コンテンツ等のコンテンツデータ)である。
通信装置20は、各種の情報を記憶する記憶部23を有する。記憶部23は、例えば、データ受信部22が受信したデータを記憶する。また、記憶部23は、通信相手となる電子装置30及びT1に関する情報を記憶することができる。
また、通信装置20は、データ受信部22が受信したデータを出力装置OPから出力するための各種処理を行う出力処理部24とを有する。例えば、出力処理部24は、エンコードされて受信された音声データをデコード処理し、スピーカS1から出力する出力データを生成する。
また、通信装置20は、通信制御部21、データ受信部22、記憶部23及び出力処理部24による処理動作を制御する処理制御部25を有する。処理制御部25は、通信制御部21、データ受信部22、記憶部23及び出力処理部24に対し、動作指示を行う指令信号を生成及び供給することで、これらの処理を制御する。
次に、電子装置30は、通信装置20との通信を行うデータを取得するデータ取得部31を有する。例えば、電子装置30がディスクドライブである場合、データ取得部31は、ディスクの被挿入部(図示せず)及び挿入されたディスクからデータを読取るデータ読取部を有する。
電子装置30は、データ取得部31が取得したデータを、プロファイルP2を用いた通信によって送信するデータ送信部32を有する。具体的には、データ送信部32は、プロファイルP2を用いた通信を通信装置20との間で確立し、当該確立された通信によって通信装置20にデータを送信する。例えば、データ送信部32が送信するデータは、音声データ又は映像データ(音楽コンテンツ又は映像コンテンツ等のコンテンツデータ)である。
電子装置30は、プロファイルP2を用いた近距離無線通信が通信装置20及び電子装置T1間で確立されている場合、通信装置20に対して電子装置T1との間の通信を切断する命令を行う切断命令部33を有する。
具体的には、切断命令部33は、プロファイルP1、すなわちプロファイルP2とは異なるプロファイルを用いて通信装置20との通信を行う。そして、切断命令部33は、プロファイルP1を用いた通信によって通信装置20(1の装置)と電子装置T1(他の装置)との間で確立されているプロファイルP2を用いた通信の切断を通信装置20に命令する。
本実施例においては、切断命令部33は、データ送信部32がデータの送信を開始する際に、通信装置20との間でプロファイルP1を用いた通信を開始し、通信装置20がプロファイルP2を用いた通信を他の装置(本実施例においては電子装置T1)との間で行っているか否かを確認する。そして、切断命令部33は、通信装置20がプロファイルP2による通信を行っている場合、プロファイルP1を用いた通信によって、通信装置20に対して電子装置T1との通信の切断命令を行う。
電子装置30は、電子装置30内で処理された各種の情報を記憶する記憶部34を有する。記憶部34は、例えばデータ取得部31が取得したデータを記憶する。なお、本実施例においては、切断命令部33は、切断命令を行った際に通信装置20が通信していた電子装置T1の情報を受信し、記憶部34に供給する。記憶部34は、電子装置T1に関する情報を記憶する。
また、本実施例においては、データ送信部32は、データの送信が終了した際には通信装置20(データ受信部22)との間の通信を切断する。例えば、データ送信部32は、データ取得部31によるデータの取得が終了又は停止され、当該送信されるべきデータの送信後には、通信装置20との間のプロファイルP2を用いた通信を切断する。例えば、データ取得部31がデータの取得を終了する場合としては、電子装置30からディスクが取り出された場合が挙げられる。
切断命令部33は、データ送信部32が通信装置20との間の通信を切断した際には、通信装置20に対する切断命令を停止する。また、本実施例においては、切断命令部33は、当該切断命令の停止後、通信装置20に対して電子装置T1とのプロファイルP2を用いた通信の再開を命令する(通信の再開命令を行う)。
本実施例においては、切断命令部33による切断命令及び再開命令は、通信装置20の通信制御部21に対して行う。通信制御部21は、電子装置30の切断命令部33から切断命令を受けた場合は電子装置T1との通信を切断する。また、通信制御部21は、切断命令部33から再開命令を受けた場合は電子装置T1との通信を再開する。
なお、通信装置20及び電子装置30間のプロファイルP2を用いたデータ通信の切断は、通信装置20側から行ってもよい。例えば、通信装置20の通信制御部21は、データ受信部22が所定期間データを受信しなかった場合、電子装置30との間のデータ通信を切断してもよい。この場合、通信制御部21が電子装置T1との通信を再開してもよい。
電子装置30は、データ取得部31、データ送信部32、切断命令部33及び記憶部34による処理動作を制御する処理制御部35を有する。処理制御部35は、データ取得部31、データ送信部32、切断命令部33及び記憶部34に対し、動作指示を行う指令信号を生成及び供給することで、これらの処理を制御する。
図2は、電子装置30によるデータの送信フローを示す図である。図2を用いて、電子装置30のデータ送信動作について説明する。本実施例においては、電子装置30は、データ取得部31がデータを取得することで送信動作を開始する。まず、切断命令部33は、データ取得部31がデータを取得したことを示す信号(トリガ信号)を受信する。そして、切断命令部33は、このトリガ信号を受けて、プロファイルP1を用いて通信装置20との通信を開始する(ステップS11)。切断命令部33は、通信装置20にプロファイルP1を用いた通信の確立を要求する信号(第1通信要求信号)を送信する。なお、データ取得部31が取得したデータはデータ送信部32に供給される。
次に、切断命令部33は、通信装置20が他の装置(以下、電子装置T1と称する)との間でプロファイルP2を用いた通信を確立しているか否かを判定する(ステップS12)。具体的には、切断命令部33は、通信装置20の通信制御部21に対して、プロファイルP2を用いた通信の状況を問い合わせる信号(状況要求信号)を送信する。そして、切断命令部33は、通信制御部21からのプロファイルP2による通信の状況を示す信号(状況信号)を受信する。切断命令部33は、この状況信号を受信することで、通信装置20がプロファイルP2を用いた通信を行っているか否かを判定する。
なお、通信装置20がプロファイルP2を用いた通信を行っている時の例としては、データ受信部22が電子装置T1からコンテンツデータを受信しており、出力処理部24によって処理されて出力装置OPから出力されている時に相当する。これは、具体的には、例えば、通信装置20が電子装置T1から音声データを受信して出力装置OPのスピーカS1から出力する動作を行っている最中である場合に相当する。
次に、切断命令部33は、通信装置20が電子装置T1との通信を行っている場合、通信装置20に対して電子装置T1との通信の切断を命令する(ステップS13)。具体的には、切断命令部33は、プロファイルP1を用いた通信によって、通信装置20の通信制御部21に対し、電子装置T1との通信の切断を命令する信号(切断命令信号)を送信する。
通信装置20の通信制御部21は、切断命令信号を受けて、電子装置T1との通信を切断する。また、本実施例においては、切断命令部33は、通信制御部21から電子装置T1に関する情報を受信し、当該情報を記憶部34に記憶させる。
続いて、切断命令部33はデータ送信部32に対してデータの送信を開始する信号(送信開始信号)を供給する。データ送信部32は、送信開始信号を受けて通信装置20のデータ受信部22との間でプロファイルP2を用いた通信を確立する(ステップS14)。データ送信部22は、プロファイルP2を用いた通信の確立を要求する信号(第2通信要求信号)を通信装置20に送信する。そして、データ送信部22は通信装置20に対してデータの送信を開始する(ステップS15)。
なお、切断命令部33は、通信装置20が電子装置T1との通信を行っていないと判定した場合、切断命令を行わずに送信開始信号をデータ送信部32に供給する。
データ送信部32は、データの送信後には、通信装置20との間のプロファイルP2を用いた通信を切断する(ステップS16)。また、データ送信部32は、データの送信を終了したことを通知する信号(終了通知信号)を切断命令部33に供給する。
続いて、切断命令部33は、データ送信部32から終了通知信号を受信した場合、通信装置20に対する切断命令を停止(解除)する。本実施例においては、切断命令部33は、切断命令を行っていた場合、通信装置20に対し、電子装置T1との通信の再開を命令する(ステップS17)。切断命令部33は、通信装置20に対し、切断命令を停止するか、又は電子装置T1との通信の再開命令を行った後、動作を終了する。
図3は、通信装置20による電子装置30との通信フローを示す図である。図3を用いて、プロファイルP2を用いた電子装置T1との通信が確立されている時(データ通信中)の電子装置30との通信フローについて説明する。
まず、通信装置20の通信制御部21は、電子装置30からプロファイルP1を用いた通信の確立を要求する信号(第1通信要求信号)を受信する。そして、通信装置20は、電子装置30との間でプロファイルP1による通信を開始する(ステップS21)。
次に、通信制御部21は、電子装置30の切断命令部33から電子装置T1とのプロファイルP2を用いた通信の切断を命令する信号(切断命令信号)を受信する(ステップS22)。
これによって、通信制御部21は、電子装置T1とのプロファイルP2を用いたデータ通信を切断する。従って、データ受信部22による電子装置T1からのプロファイルP2を用いたデータの受信が停止される。また、本実施例においては、記憶部23は、切断命令を受けた際に通信を行っていた電子装置T1に関する情報を記憶する(ステップS23)。
続いて、通信装置20は、プロファイルP2を用いたデータ通信の確立を要求する信号(第2通信要求信号)を電子装置30から受信する。これによって、通信装置20の通信制御部21は、電子装置30のデータ送信部32との間でプロファイルP2を用いた通信を確立する(ステップS24)。また、通信装置20のデータ受信部22は、電子装置30からデータを受信し、出力装置OPから出力する(ステップS25)。これによって、例えば、電子装置T1からの音声データを出力(再生)していた状態から、電子装置30からの音声データを出力する状態へと切り替わる。
続いて、通信制御部21は、電子装置30とのプロファイルP2を用いたデータ通信が切断されたか否かを判定する(ステップS26)。通信制御部21は、例えば、電子装置30からのデータの受信状況などに基づいて、電子装置30側からプロファイルP2を用いた通信が切断されたと判定する。そして、通信制御部21は、データ通信の切断を確定する。
通信装置20は、電子装置30とのプロファイルP2を用いた通信が切断されたと判定した場合、電子装置T1とのプロファイルP2を用いた通信を再開する(ステップS27)。例えば、通信装置20は、電子装置30の切断命令部33からの切断命令が解除された場合、又は電子装置T1との通信の再開命令を受けた場合、電子装置T1との通信を再開する。通信装置20は、電子装置T1とのプロファイルP2を用いた通信を再開してデータの受信及び出力を再開する。
このように、本実施例においては、電子装置30は、近距離無線通信のプロファイルP1を用いた通信によって、通信装置20と電子装置T1との間で確立されている近距離無線通信のプロファイルP2を用いた通信の切断を通信装置20に命令する切断命令部33と、プロファイルP2を用いた通信を通信装置20との間で確立して当該確立された通信によって通信装置20にデータを送信するデータ送信部32とを有する。
換言すれば、電子装置30は、通信装置20によるプロファイルP2を用いた他の電子装置T1との間の通信、すなわち自身とは異なる2つの装置間の通信を切断及び再開させる。従って、電子装置30の操作を行うだけで通信装置20の通信相手の切替を行うことができる。従って、複雑な操作をすることなく複数の装置間でのスムーズな通信切替えを行うことが可能となる。例えば、まず通信装置20を操作して電子装置T1とのデータ通信を切断し、次いで電子装置30を操作して通信装置20とのデータ通信を開始するといった操作を行う必要がなくなる。
また、電子装置30は、通信装置20に対して電子装置T1との通信を切断する命令を行った際に、電子装置T1に関する情報を取得して記憶する。また、データ送信部32は、当該データの送信後にプロファイルP2を用いた通信装置20との通信を切断する。また、切断命令部33は、データ送信部32が通信装置20とのプロファイルP2を用いた通信を切断する際に、通信装置20に電子装置T1との間のプロファイルP2を用いた通信の再開を命令する。
従って、電子装置30からのデータ通信を終了した際には、通信装置20の通信相手は、当該切断命令を受けた際に通信を行っていた装置である電子装置T1に切り替わる。従って、通信装置20による通信相手は、電子装置30によるデータ通信の割り込み前の電子装置T1に自動的に戻ることとなり、再度の切替操作が不要となる。
なお、通信装置20は、上記したように、電子装置30から切断命令を受けた際に自身でも命令前の通信相手の電子装置T1の情報を記憶部34に記憶することができる。従って、通信装置20は、電子装置30からの通信再開命令を受けない場合でも、電子装置30とのプロファイルP2を用いた通信が切断された際には、通信制御部21が電子装置T1との通信を再開してもよい。
特に、例えば自動車の運転中は、通信相手の切替に複雑な操作の回避が求められる。従って、通信システム10の通信装置20及び電子装置30が車載用メディア再生機器として構成される場合、効果が大きい。例えば、電子機器T1としてスマートフォン内の音声データ(音楽)を再生している時でも、電子装置30としてのディスクドライブにCDを挿入するだけで、自動的にスマートフォンからの音楽再生を停止してCD内の音楽を再生させることができる。また、例えば、ディスクドライブからCDを排出するだけで自動的にスマートフォン内の音楽再生が再開される。
なお、例えば、通信システム10がゲーム機器として構成される場合にも同様の効果を得ることができる。例えば、電子装置T1として通常のコントローラを通信装置20としてのゲーム機本端に接続している場合に、電子装置30としての特殊なコントローラのボタンなどを押すだけで、容易に当該特殊コントローラを用いたゲーム操作を行うことができる。
なお、本実施例においては、通信装置20又は電子装置30が電子装置T1の情報を記憶部23又は34に記憶して電子装置30との通信終了時に通信相手を電子装置T1に戻す構成を有する場合について説明した。しかし、通信装置20又は電子装置30はこの構成を有する場合に限定されない。例えば通信装置20は、電子装置30との通信を終了した際に自動的に通信可能な相手を探索する機能を有していれば、電子装置T1に関する情報(切断前に通信していたこと)を記憶していない場合でも電子装置T1との通信を再開することができる。
また、通信装置20が出力処理部24を有する場合について説明したが、通信装置20は出力処理部24を有していなくてもよい。例えば出力装置OPがデータを出力用に処理して出力してもよい。また電子装置30がデータ取得部31を有する場合について説明したが、電子装置30はデータ取得部31を有していなくてもよい。例えば、データ送信部32がデータの取得を行ってもよく、データが記憶部34に記憶されていてもよい。
また、本実施例においては、通信システム10が通信装置20及びこれと通信可能な電子装置30を有している。また、電子装置30は、プロファイルP1を用いた通信によって通信装置20及び電子装置T1間の通信を切断する切断命令部33と、プロファイルP2を用いた通信によって通信装置20にデータを送信し、当該データの送信後に通信装置20との間の通信を切断するデータ送信部32と、を有する。また、通信装置20は、データ送信部32によるプロファイルP2を用いた通信の切断後に、電子装置とT1の間でプロファイルP2を用いた通信を再開する通信制御部21を有する。従って、複数の装置間でのスムーズな通信切替えを行うことが可能な通信システム10となる。
なお、本実施例においては、通信システム10は通信装置20を含む場合について説明したが、通信システム10は通信装置20を含む場合に限定されない。具体的には、電子装置30を通信装置20以外の汎用の通信装置、例えば汎用のオーディオ再生装置に接続させることで、同様の効果を得ることができる。すなわち、汎用のオーディオ機器に対し、電子装置30としての外部記憶装置(例えばディスクドライブ)を組み合わせることで、スムーズな通信切替を行う通信システム(オーディオ再生システム)を構成することができる。
また、本実施例は、例えば、図2に示すステップを経ることで、電子装置30を用いた通信装置20との間の通信方法としても実施することができる。すなわち、本発明による通信方法は、プロファイルP1を用いた近距離無線通信によって、通信装置20と電子装置T1との間で確立されているプロファイルP2を用いた近距離無線通信の切断を通信装置20に命令するステップS13と、プロファイルP2を用いた近距離無線通信を通信装置20との間で確立して当該確立された通信によって通信装置20にデータを送信するステップS14及びS15とを含む。これによって、複数の装置間でのスムーズな通信切替えを行うことが可能な通信方法を提供することができる。
図4は、実施例2に係る通信システム40の構成を示すブロック図である。通信システム40は、通信装置(第1の装置)50及びこれと通信可能な電子装置(第2の装置又は1の装置)60を含む。通信装置50は、プロファイルP1及びP2を用いて電子装置60との近距離無線通信を行う。また、通信装置50は、プロファイルP2を用いて電子装置T1(他の装置)との間で近距離無線通信を行う。なお、プロファイルP1及びP2については、実施例1と同様である。また、通信装置50は、通信装置20と同様に、出力装置OPに接続されている。
通信装置50は、プロファイルP1(1のプロファイル)を用いた通信によって、電子装置60からプロファイルP2(他のプロファイル)を用いた通信の確立の要求を受信する通信要求受信部51を有する。具体的には、通信要求受信部51は、電子装置60との間でプロファイルP1を用いた通信を確立する。そして、プロファイルP1を用いた通信によって、電子装置60からのプロファイルP2を用いた通信の確立を要求する信号(第2通信要求信号)を受信する。
通信装置50は、プロファイルP2を用いた通信の制御を行う通信制御部52を有する。本実施例においては、通信制御部52は、プロファイルP2を用いた通信を電子装置60との間で確立するか、又は電子装置T1との間で確立するかを切替える。本実施例においては、通信制御部52は、電子装置60からの通信要求(第2通信要求信号)に基づいて、電子装置T1との間で確立されているプロファイルP2を用いた通信を切断する。また、通信制御部52は、プロファイルP2を用いた通信を電子装置60との間で確立する。
通信装置50は、当該確立されたプロファイルP2を用いた通信によって電子装置60から送信されたデータを受信するデータ受信部53を有する。また、通信装置50は、通信装置50内で処理された各種情報を記憶する記憶部54を有する。本実施例においては、記憶部54は、電子装置60及びT1に関する情報、並びにデータ受信部53によって受信されたデータを記憶する。
また、通信装置50は、受信されたデータを出力装置OPに出力するための各種処理を行う出力処理部55とを有する。例えば、出力処理部55は、エンコードされて受信された音声データをデコード処理し、スピーカS1から出力する出力データを生成する。
また、通信装置50は、通信要求受信部51、通信制御部52、データ受信部53、記憶部54及び出力処理部55による処理動作を制御する処理制御部56を有する。処理制御部56は、通信要求受信部51、通信制御部52、データ受信部53、記憶部54及び出力処理部55に対し、動作指示を行う指令信号を生成及び供給することで、これらの処理を制御する。
次に、電子装置60は、通信装置50との通信を行うデータを取得するデータ取得部61を有する。例えば、電子装置60がディスクドライブである場合、データ取得部61は、ディスクの被挿入部(図示せず)及び挿入されたディスクからデータを読取るデータ読取部を有する。
電子装置60は、データ取得部61が取得したデータを、プロファイルP2を用いた通信によって送信するデータ送信部62を有する。具体的には、データ送信部62は、プロファイルP2を用いた通信を通信装置50との間で確立し、当該確立された通信によって通信装置50にデータを送信する。
また、本実施例においては、データ送信部62は、データの送信後には通信装置50(データ受信部53)にデータ送信の終了通知を行う。例えば、データ送信部62は、データ取得部61によるデータの取得が終了又は停止され、当該送信されるべきデータの送信を終えた際には、通信装置50に当該終了通知を行う。例えば、データ取得部61がデータの取得を終了する場合としては、電子装置60からディスクが取り出された場合が挙げられる。
電子装置60は、プロファイルP1を用いた通信によって、通信装置50との間でプロファイルP2を用いた通信を確立することを要求する通信要求部63を有する。通信要求部63は、プロファイルP1を用いた通信を通信装置50との間で確立する。そして、通信要求部63は、通信装置50に対して、プロファイルP2を用いた通信を確立することを要求する信号(第2通信要求信号)を送信する。
電子装置60は、電子装置60内で処理された各種の情報を記憶する記憶部64を有する。記憶部64は、例えばデータ取得部61が取得したデータを記憶する。
本実施例においては、通信装置50の通信制御部52は、電子装置60のデータ送信部62からデータの送信の終了通知を受信した際には、電子装置60との間のプロファイルP2を用いた通信を切断する。また、通信制御部62は、電子装置60との間のプロファイルP2を用いた通信を切断した際には、電子装置T1との間でプロファイルP2を用いた通信を再開する。
なお、通信制御部52は、データの送信の終了通知を受信した場合のみならず、データ送信部62からのデータの送信が終了したか否かを判定する。例えば、通信制御部52は、データ受信部53が所定時間データを受信しなかった場合、データの送信が終了したと判定する。通信制御部52は、データの送信が終了したと判定した場合、電子装置60とのプロファイルP2を用いた通信を切断し、電子装置T1との通信を再開する。
電子装置60は、データ取得部61、データ送信部62、通信要求部63及び記憶部64による処理動作を制御する処理制御部65を有する。処理制御部65は、データ取得部61、データ送信部62、通信要求部63及び記憶部64に対し、動作指示を行う指令信号を生成及び供給することで、これらの処理を制御する。
図5は、通信装置50による電子装置60との通信フローを示す図である。通信装置50は、電子装置60との間でプロファイルP1を用いた通信を確立する(ステップS31)。具体的には、通信装置50の通信要求受信部51は、電子装置60にプロファイルP1を用いた通信の確立を要求する信号(第1通信要求信号)を送信する。そして、通信要求受信部51は、電子装置60との間でプロファイルP1を用いた通信を確立する。すなわち、本実施例においては、プロファイルP1を用いた通信は通信装置50側から開始される。
次に、通信要求受信部51は、電子装置60から、プロファイルP2を用いた通信の要求を受信する(ステップS32)。通信要求受信部51は、電子装置60の通信要求部63からプロファイルP2を用いた通信の確立を要求する信号(第2通信要求信号)を受信する。
続いて、通信制御部52は、プロファイルP2を用いた通信が他の装置との間で確立されているか否かを判定する(ステップS33)。例えば、通信制御部52は、データ受信部53によるデータの受信状況などに基づいて、プロファイルP2を用いた通信が電子装置60以外の他の装置(以下、電子装置T1と称する)との間で確立されているか否かを判定する。
通信制御部52は、プロファイルP2を用いた通信が電子装置T1との間で確立されている場合、電子装置T1との通信を切断する。これによって、データ受信部53による電子装置T1からのプロファイルP2を用いたデータの受信が停止される。また、本実施例においては、記憶部54は、切断前に通信を行っていた電子装置T1に関する情報を記憶する(ステップS34)。
続いて、通信装置50の通信制御部52は、電子装置60との間でプロファイルP2を用いた通信を確立する(ステップS35)。また、通信装置50のデータ受信部53は、当該確立された通信によって電子装置60のデータ送信部62から送信されたデータを受信し、出力装置OPから出力する(ステップS36)。これによって、例えば、電子装置T1からの音声データを出力(再生)していた状態から、電子装置60からの音声データを出力する状態へと切り替わる。
続いて、本実施例においては、通信制御部52は、電子装置60からプロファイルP2を用いたデータ通信の終了通知を受信したか否かを判定する(ステップS37)。通信制御部52は、当該終了通知が受信されたと判定した場合、以前に電子装置T1とのプロファイルP2を用いた通信を行っていたか否かを判定する(ステップS38)。通信制御部52は、電子装置60との通信前に電子装置T1との通信を行っていた場合、電子装置T1との通信を再開する(ステップS39)。通信装置50は、電子装置T1との通信を再開するか、電子装置60との間のプロファイルP2を用いたデータ通信が切断されることで、電子装置60との通信を終了する。
このように、本実施例においては、通信装置50は、近距離無線通信のプロファイルP1を用いた通信によって、電子装置60(1の装置)から近距離無線通信のプロファイルP2を用いた通信の確立の要求を受信する通信要求受信部51と、電子装置T1(他の装置)との間で確立されているプロファイルP2を用いた通信を切断し、プロファイルP2を用いた通信を電子装置60との間で確立する通信制御部52と、当該確立された通信によって電子装置60から送信されたデータを受信するデータ受信部53と、を有する。
換言すれば、通信装置50は、電子装置60からプロファイルP2によるデータ通信を要求された場合、このプロファイルP2を用いた電子装置T1との通信を切断した上で電子装置60とのプロファイルP2を用いた通信を確立させる。従って、スムーズな通信相手の切替を行うことができる通信装置50及び通信システム40を提供することができる。例えば、ユーザは、電子装置60の操作(例えばディスクの挿入)を行うだけでよい。
また、通信制御部52は、当該データの送信が終了したか否かを判定し、当該データの送信が終了したと判定した場合、電子装置60との間のプロファイルP2を用いた通信を切断し、電子装置T1との間でプロファイルP2を用いた通信を再開する。従って、電子装置60とのデータ通信の終了後に当該通信を行う前の電子装置T1との通信を自動的に再開する。従って、通信相手を元に戻す操作を行う必要がない。
本実施例は、電子装置60を汎用装置として用いることができる。例えば、プロファイルP1及びP2に対応した汎用の電子装置を通信装置50と組み合わせることで、同様の効果を得ることができる。すなわち、例えば、近距離無線通信によって接続されたオーディオシステムのうち、ディスクドライブが複数のプロファイルに対応していれば、ヘッドユニットを通信装置50に置き換えることで、通信システム40と同様のオーディオシステムを構成することができる。
また、本実施例は、例えば、図5に示すステップを経ることで、通信装置50を用いた電子装置60との間の通信方法としても実施することができる。すなわち、本発明による通信方法は、近距離無線通信のプロファイルP1を用いた通信によって、電子装置60から近距離無線通信のプロファイルP2を用いた通信の確立の要求を受信するステップS32と、電子装置T1との間で確立されているプロファイルP2を用いた通信を切断し、プロファイルP2を用いた通信を電子装置60との間で確立するステップS34と、当該確立された通信によって電子装置60からデータを受信するステップと、を含む。これによって、複数の装置間でのスムーズな通信切替えを行うことが可能な通信方法を提供することができる。
なお、上記実施例においては、近距離無線通信であるBluetooth(登録商標)通信を用いて通信を行う場合について説明したが、通信方式はBluetooth(登録商標)通信に限定されない。上記の通信システムは、Bluetooth(登録商標)通信に限らず、ZigBee(登録商標)等の他の近距離無線通信を用いてもよい。また、Wi-Fi(登録商標)などの近距離無線通信以外の無線通信を用いてもよい。
また、上記実施例においては、プロファイルP1及びP2は、1の規格に準拠したプロファイルである場合について説明したが、プロファイルP1及びP2は、互いに異なる規格に準拠したプロファイルであってもよい。例えば、プロファイルP1及びP2の一方がBluetooth(登録商標)規格に準拠したプロファイルであり、他方がZigBee(登録商標)規格に準拠したプロファイルであってもよい。