JP6899361B2 - ドラム - Google Patents
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Description
このように、上記態様によれば、工具が不要であり、解体作業または組み立て作業をより簡便にしたドラムを提供することができる。
以下、第1実施形態のドラムについて図面に基づいて説明する。
図1に示すように、ドラム1は、円筒状の胴部2と、胴部2の両端に設けられた鍔部3と、を備えている。
胴部2には、各種のケーブル類が巻き付けられる。ケーブル類を巻き付ける際には、巻き崩れなどを防止するために所定の張力がケーブル類に加えられる。このため胴部2には、ケーブル類の張力によって変形しないだけの剛性が求められる。また、ドラム1を搬送用車両などに積載する際には、鍔部3を下方から支持する場合もあるため、鍔部3にも剛性が求められる。
そこで、本実施形態のドラム1は、胴部2および鍔部3の剛性を確保するとともに、解体した際の容積を小さく抑えることができるように構成されている。以下、より詳しく説明する。
ここで本実施形態では、胴部2の中心軸を中心軸Oという。また、中心軸Oに沿う方向を単に軸方向という。軸方向のうち、鍔部3から見た胴部2側を軸方向内側といい、胴部2から見た鍔部3側を軸方向外側という。
軸方向から見て、中心軸Oの回りに周回する方向を周方向といい、中心軸Oに交差する方向を径方向という。
図1のように、中心軸Oに沿う断面を縦断面という。図2のように、中心軸Oに直交する断面を横断面という。
図2に示すように、胴部2は、複数(本実施形態では4つ)の分割部材10により構成されている。軸方向から見て、各分割部材10は円弧状に形成されている。周方向で隣り合う分割部材10の端面同士は、互いに接している。これらの分割部材10を組み合わせることで、1つの円筒状の胴部2が形成される。ドラム1を解体した際は、分割部材10を互いに重ね合わせることで、ドラム1の容積を小さく抑えることができる。
図1に示すように、ドラム1は、一対の鍔部3を備えている。一対の鍔部3は、互いに同様の構成を有している。鍔部3は、鍔部材20およびガイド部材30により構成されている。本実施形態では、別体の鍔部材20およびガイド部材30が互いに固定されることで、鍔部3が形成されている。ただし、鍔部材20およびガイド部材30が一体に形成された鍔部3を採用してもよい。
図1、図2、および図7に示すように、鍔部材20には、軸孔21と、複数の操作孔22と、凹部23と、座ぐり孔24と、ネジ孔25と、が形成されている。
操作孔22は、軸孔21の径方向外側かつ胴部2の径方向内側に位置している。操作孔22は、鍔部材20を軸方向に貫通している。操作孔22は、周方向に間隔を空けて複数形成されている。各操作孔22は、後述するピンユニット40に対応する位置に配置されている。ピンユニット40は胴部2の内側に位置しているが、操作孔22を通して、ドラム1の外部からピンユニット40を視認可能となっている。
座ぐり孔24は、鍔部材20における軸方向外側の側面から、軸方向内側に向けて窪むように形成されている。座ぐり孔24の端部は、凹部23の内部に連なっている。座ぐり孔24は、軸方向の外側からボルトB1を挿入可能に形成されている。
ネジ孔25は、座ぐり孔24よりも径方向内側に形成されている。
そして本実施形態のドラム1は、複数のピンユニット40を備えている。ピンユニット40は、1つの分割部材10につき、2つずつ設けられている。つまり、本実施形態のドラム1は、8つのピンユニット40を備えている。ただし、ピンユニット40の数は適宜変更可能である。
各ピンユニット40は、鍔部3における鍔部材20に固定されている。図7に示すように、各ピンユニット40は、ピン41と、把持部42と、保持部43と、付勢部材44と、を備えている。
保持部43は、ピン41および付勢部材44を保持している。保持部43には、座ぐり孔43aが形成されている。座ぐり孔43aを通してボルトB2がネジ孔25に螺着されることで、保持部43が鍔部3に固定されている。また、この構成によりピンユニット40の全体が鍔部3に固定されている。
次に、以上のように構成されたドラム1の作用について説明する。
ドラム1を組み立てる際は、あらかじめ、ガイド部材30、鍔部材20、およびピンユニット40をボルトB1、B2により互いに固定しておく。このとき、ピンユニット40のロック機構を作動させることで、ピン41を退避位置に位置させておく。これにより、ピン41が内ガイド32と外ガイド33との間から離脱した状態となる。なお、内ガイド32および外ガイド33が上方を向くように、鍔部3を床面または地面などに対して寝かせた姿勢としておくと、以降の作業が行いやすい。
次に、操作孔22から手や腕を入れて、把持部42を把持して操作する。このとき、操作孔22がピンユニット40に対して周方向で同等の位置にあるため、把持部42を把持しやすい。把持部42を操作してピンユニット40のロック機構を解除し、ピン41を退避位置から延出位置へと移動させる。これにより、ピン41がピン孔32aを通して連結孔12aの内部に進入し、分割部材10が鍔部3に固定される。同様の作業を、他の分割部材10に対しても繰り返すことで、円筒状の胴部2が1つの鍔部3に固定された状態となる。
ドラム1を解体する場合には、操作孔22から手や腕を入れて把持部42を操作し、付勢部材44の付勢力に抗して、ピン41を退避位置へと移動させる。これにより、ピン41が分割部材10の連結孔12aから離脱し、分割部材10を鍔部3から取り外し可能な状態となる。分割部材10を全て鍔部3から取り外し、分割部材10同士を重ねることで、解体されたドラム1全体の容積を小さく抑えることができる。
このように、本実施形態によれば、工具が不要であり、解体作業または組み立て作業をより簡便にしたドラム1を提供することができる。
さらに、分割部材10には、軸方向外側を向く段差11b、13aが形成されており、これらの段差11b、13aは鍔部3のガイド32、33に接している。これにより、分割部材10の鍔部3に対する姿勢がより安定する。
次に、本発明に係る第2実施形態について説明するが、第1実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態では、分割部材10の形状が第1実施形態と異なる。
また、第1実施形態と同様に、軸方向から見て隣り合う分割部材10同士が接した構造となるため、胴部2にケーブル類が巻き付けられたときに、ケーブル類の張力によって胴部2が変形することを抑止することができる。
図9(a)、(b)の例では、傾斜面16aによって第1オーバーラップ部16が形成され、傾斜面17aによって第2オーバーラップ部17が形成されている。傾斜面16aは、分割部材10の周方向の第1の端部に向かうに従って、分割部材10の外周面10aに向かうように傾斜している。傾斜面17aは、分割部材10の周方向の第2の端部に向かうに従って、分割部材10の内周面に向かうように傾斜している。この構成でも、分割部材10のオーバーラップ部16、17同士が径方向で重なり合うことで、分割部材10同士の径方向における相対的な位置が安定するとともに、胴部の剛性がより向上する。
例えば図11に示すように、ピンユニット40が複数の分割部材10のそれぞれに取り付けられ、鍔部3のピン孔32a、33aが連結孔として用いられてもよい。図11では、より詳しくは、保持部43が分割部材10と一体に形成されており、この保持部43によってピン41および付勢部材44が保持されている。換言すると、分割部材10によってピン41および付勢部材44が保持されている。そして、ピン41は、分割部材10の連結部12に形成された孔12a、および鍔部3の連結孔32a、33aに挿入される。付勢部材44は、ピン41を連結孔32a、33aに向けて径方向外側に付勢している。
Claims (12)
- 軸方向から見て円弧状に形成された複数の分割部材により構成された胴部と、
前記胴部の両端部に設けられた鍔部と、
前記鍔部と前記複数の分割部材とを連結する複数のピンと、
前記複数のピンをそれぞれ付勢する複数の付勢部材と、を備え、
前記複数の分割部材および前記鍔部のうちの一方には、前記ピンが挿入される連結孔が形成され、
前記複数の分割部材および前記鍔部のうちの他方には、前記ピンおよび前記付勢部材が取り付けられ、
前記付勢部材は前記連結孔に向けて前記ピンを付勢し、
前記鍔部には、径方向において前記胴部の内側に位置する操作孔が形成され、
前記ピンは前記鍔部および前記胴部の内周面で形成される内部空間に位置し、前記操作孔を通じて操作可能である、ドラム。 - 前記鍔部は、前記分割部材を支持するガイドを有している、請求項1に記載のドラム。
- 前記鍔部は、軸方向から見て円板状の鍔部材と、前記分割部材を支持するガイドを含むガイド部材と、を有し、
前記ガイド部材は前記鍔部材に対して着脱可能である、請求項2に記載のドラム。 - 軸方向から見て、隣り合う前記分割部材同士が接している、請求項1から3のいずれか1項に記載のドラム。
- 前記鍔部には前記操作孔が複数形成されている、請求項1から4のいずれか1項に記載のドラム。
- 前記分割部材には、軸方向外側を向く段差が形成されており、前記段差は前記鍔部に接している、請求項1から5のいずれか1項に記載のドラム。
- 前記複数の分割部材はそれぞれオーバーラップ部を有し、
軸方向から見て、隣り合う前記分割部材の前記オーバーラップ部同士が重なり合っている、請求項1から6のいずれか1項に記載のドラム。 - 前記鍔部と前記複数の分割部材とを連結する複数のピンユニットを備え、
複数の前記ピンユニットはそれぞれ、
前記ピンと、
前記付勢部材と、
前記ピンおよび前記付勢部材を保持し、前記鍔部に固定された保持部と、を有し、
前記鍔部には、前記ピンが挿入されるピン孔が形成され、
前記複数の分割部材にはそれぞれ、前記連結孔が形成されている、請求項1に記載のドラム。 - 前記鍔部は、軸方向から見て円板状の鍔部材と、前記分割部材を支持するガイドを有するガイド部材と、により構成され、
前記保持部および前記ガイド部材は、前記鍔部材に対して着脱可能である、請求項8に記載のドラム。 - 前記鍔部と前記複数の分割部材とを連結する複数のピンユニットを備え、
複数の前記ピンユニットはそれぞれ、
前記ピンと、
前記付勢部材と、
前記ピンおよび前記付勢部材を保持し、前記分割部材に固定された保持部と、を有し、
前記鍔部には、前記ピンが挿入されるピン孔が形成され、
前記複数の分割部材にはそれぞれ、前記連結孔が形成されている、請求項1に記載のドラム。 - 1つの前記分割部材につき、2つの前記ピンユニットが設けられている、請求項8から10のいずれか1項に記載のドラム。
- 前記ピンは、径方向に移動して前記連結孔に挿入される、請求項1から11のいずれか1項に記載のドラム。
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