JP6898856B2 - 長時間作用型薬物送達装置および避妊におけるその使用 - Google Patents

長時間作用型薬物送達装置および避妊におけるその使用 Download PDF

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Description

本発明は、特許クレームで特徴づけられる主題、すなわち、2つの異なる薬学的に活性な薬物(A)および(B)を含有し、装用期間の初期段階で「バースト」の少ない、長時間作用型薬物送達装置に関する。
本発明はさらに、そのような初期「バースト」の少ない長時間作用型薬物送達装置を製造するためのプロセス、2つの薬学的に活性な薬物(A)および(B)を含有する長時間作用型薬物送達装置の放出特性を変更するための方法、ならびにそのような薬物送達装置の避妊および婦人科治療での使用に関する。
序文
ホルモン避妊薬は、適用の容易さおよび避妊薬の高い信頼性のために使用者に広く用いられている。それらの中で、経口避妊薬(ピル)は、多くの国で最も頻繁に使用される避妊方法である。しかし、経口避妊薬と比較して必要とする医学的指導および患者のコンプライアンスが最小である、新しい長時間作用型可逆性避妊薬(LARC)の開発に対する需要がある。子宮内避妊器具(IUD)(例えば、Mirena(登録商標);欧州特許第0652738B1号および欧州特許第0652737B1号)または皮下に設置されるポリマー系植込剤(例えばノルプラント(Norplant)(登録商標)、Jadelle(登録商標))のような新しいLARCは、経口避妊薬と比較して必要な患者のコンプライアンスが少ない。
膣内リング(IVR)、例えばヌーバリング(Nuvaring)(登録商標)は、使用者自身によって膣に挿入することができ、従って植込剤と比較して侵襲性が低いので、さらに広く用いられている長時間作用型の避妊方法である。
膣内リング、膣リング、およびIVRという用語は、本願の文脈において同義的に使用される。膣内リングは、実質的にリングの形状のポリマー剤形であり、それは、胃腸管を回避することによって薬物吸収が行われる(1または複数の)有効成分の膣への制御放出を長期間にわたってもたらす。
IVRでの適用は、毎日(定期的に)薬物摂取を思い出す必要がないので、原薬の肝臓初回通過代謝を避け、処置コンプライアンスを改善する、薬物放出率の変動性の低い簡便な製剤を提供する。
リングは、数週間から1年にわたる(1または複数の)有効成分の連続放出を提供する。
膣内リングは、過去45年間にわたって臨床研究中である。そのような膣内リングは、活性薬物を含む、エチニルビニルアセテート(EVA)またはシリコーンエラストマーなどの可撓性かつ薬物透過性のポリマー(本発明の状況においてマトリックスまたはコア材料とも名付けられる)製の装置であり、(1または複数の)活性薬物をポリマーマトリックス材料から膣粘膜に特定の期間、所定の速度で放出する[詳細については、例えば、Brache et al.Contraception 2013;87:264−273;Harwood et al.Semin Reprod Med 2001;19:381−390)を参照]。
酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)を放出するIVRについての最初の研究は、MishellおよびLumkinによって1970年に既に発表された[Mishell and Lumkin.Fertil Steril 1970;21:99−103]。それ以来、プロゲステロン、ネストロン、レボノルゲストレルおよびその他のプロゲスチンなどの異なるプロゲスチンを放出するIVRによるいくつかの臨床試験が発表された。
膣内リングは、欧州特許第0050867号、米国特許第3,920,805A号および米国特許第4,292,965号のようないくつかの特許にも記載されている。文献に記載された一部のIVRは、ポリマーマトリックスを含むが、前記マトリックスを包み込む膜または壁は含まない(モノリシック剤形)。
膜を含まない膣内リングも文献に記載されているが、膜は装用中にポリマーコア区分からのさらに一定の薬物放出を確実にするので、大部分の膣リング(ヌーバリング(登録商標)を含む)だけでなく植込剤(例えばノルプラント(登録商標)1など)も膜(外層とも呼ばれる)に取り囲まれている[脚注1 ノルプラントは有効成分として膜材料に難溶性であるレボノルゲストレルしか含まないので、初期バーストはここでは直接関連する問題ではない。]。
エチニルエストラジオールとエトノゲストレルの組合せ(ヌーバリング(登録商標);欧州特許第00876815号)を放出するIVRは、オルガノン社によって開発され、1990年代の初頭に市場に登場した。ヌーバリング(登録商標)マトリックスは、エチニルビニルアセテート(EVA)からなる。これは非常に薄い膜(ここで「スキン」という用語も文献で使用される)で覆われており、これもEVAから本質的に構成される。ヌーバリング(登録商標)では、両方の有効成分が混合され、リング(マトリックス)全体に等しく分配されている。このように、個々の薬物を含有する異なるコア区分は、ヌーバリング(登録商標)には存在しない。
少なくとも2つの異なる薬物を含有する子宮内避妊器具(子宮内避妊システム;IUSとも呼ばれる)は、欧州特許出願公開第133975334号、欧州特許第2313084号および欧州特許第1427390号に記載されている。しかし、これらの出願では活性薬物は、空間で隔てられている(例えば、IUDのTフレームの異なる場所にリザーバを備えることによる)かまたは分離膜で隔てられている、異なる区分(リザーバ)に含められる。従って、区分(リザーバ)A’の薬物Aが区分B’へ拡散することは(そしてその逆も)ここでは不可能である。
本発明の文脈では、文字A(B)は、薬物に使用され、それにより文字A’(B’)は、薬物AまたはBを含有するコア区分に使用されることに留意する必要がある。
IVRを含む全ての長時間作用型避妊方法は十分に発達し、市場で広く受け入れられているが、それらは共通の問題に取り組む必要がある。それは、装用期間全体にわたる、特に薬物放出の増加(いわゆる「バースト作用」)が観察される装用期間の初期における、一定の薬物放出である。このことは患者に活性薬剤で不当な負担を招く。それによって、この問題は、ポリマー膜材料に難溶性の薬物に関して無視できるが、膜材料に溶解性の高い薬物には直接関連する問題である。
従って、膜材料は、装用期間にわたって薬物放出を調節するだけでなく、一種の貯蔵所の働きもする。ここで薬物はコア材料から膜へ拡散し、貯蔵および輸送期間中に膜に集中する。
「蓄積した薬物」は、特に挿入後の最初の1〜3日の間に膜から放出され、より高い薬物放出をもたらす(いわゆる「初期バースト」作用)。一部の例では、この初期バーストは最大7日続き得る。
そのため、膜に薬物が蓄積することを防ぐために、ヌーバリング(登録商標)は使用者に投与する前に2〜8℃の温度で貯蔵することが必要である(ヌーバリング(登録商標)の添付文書の「貯蔵」の項参照)。最終使用者に関しても、温暖な気候帯で冷蔵庫での貯蔵が望ましく、最大貯蔵期間は25℃で4カ月を超えてはならない。
低温での貯蔵および輸送は、製造業者および薬局にさらなる努力を必要とするので、装用期間の初期段階に「バースト率」の増加をもたらすことなく周囲温度での貯蔵が可能な、代わりとなる長時間作用型薬物送達システムおよび膣内リングを見出す必要がある。
用語「初期バースト」を本願の文脈において使用する場合、挿入後の最大7日の薬物放出が意味される。「初期バースト」は、装置挿入後の最初の日に特に顕著であり、最大7日の期間にわたって、本質的に一定(定常状態)の放出に達するまで低下する。この初期バースト段階の長さは、コア区分および膜に使用されるポリマー、薬物送達装置の設計(例えば膜厚)、および薬物の物理化学的性質(physic chemical properties)に依存する。従って、本発明の文脈において用語「初期放出」は、定常状態(本質的に一定)の放出に達する前の放出の増加を意味する。
欧州特許第0652738B1号明細書 欧州特許第0652737B1号明細書 欧州特許第0050867号明細書 米国特許第3920805号明細書 米国特許第4292965号明細書 欧州特許第00876815号明細書 欧州特許出願公開第13397533.4号明細書 欧州特許第2313084号明細書 欧州特許第1427390号明細書
Brache et al.Contraception 2013;87:264−273 Harwood et al.Semin Reprod Med 2001;19:381−390 Mishell and Lumkin.Fertil Steril 1970;21:99−103
発明の目的
そのため、本発明の目的は、2つの薬学的に活性な薬物(A)および(B)を含有し、放出プロフィールの改善された、すなわち「初期バースト」が減少し、貯蔵条件とは独立して装用期間全体にわたって薬物放出が本質的に一定の、長時間作用型薬物送達装置を提供することである。
本発明のさらなる目的は、放出プロフィールの改善された、2つの薬学的に活性な薬物(A)および(B)を含有するそのような長時間作用型薬物送達装置の製造プロセスを提供することである。
本発明のさらなる目的は、2つの活性薬物(A)および(B)を含有する長時間作用型薬物送達装置の放出特性を変更する方法である。
用語「放出特性」は、本発明の文脈において、装置の挿入後の初期段階の(1または複数の)薬物の放出プロフィールをさす。
本発明のさらなる目的は、避妊および婦人科治療における、特に子宮内膜症の治療における、放出プロフィールの改善されたそのような薬物送達装置の使用である。
背景情報
1以上の活性薬物を含む長時間作用型薬物送達装置では、原理上は異なる装置設計/構造が可能である。従って、1つの選択肢は、ヌーバリング(登録商標)の例のように異なる薬物が薬物混合物としてポリマーコアマトリックスに含められることであり、そこでは薬物(エトノゲストレルおよびエチニルエストラジオール)が膣リングのポリマーマトリックス(コア領域)全体に等しく(均一に)分布している。しかし、薬物放出は表面積に対して線形であるので、(ヌーバリングでの特定の薬物/ポリマーの組合せには作用するが)これは一般に高すぎる薬物放出をもたらす。そのため、膣内リングでは、同じポリマーマトリックス材料から作製されるが(1または複数の)薬物を含まない、通常不活性の区分が加えられる[脚注2 次式は薬物放出に関して適用される:Q=k[C]xDxA/W;Q=薬物放出;C=濃度;D=拡散率;A=表面積;W=壁厚]。
ヌーバリング(登録商標)(両方の薬物がポリマーマトリックスに等しく分布している)とは対照的に、文献に記載される大部分の膣リングでは、異なる薬物(A)および(B)は異なる(マトリックス)区分に位置し、それらは連結されて薬物送達装置を形成する。
2つの異なる薬物が異なるマトリックス区分に含められる場合、そのマトリックス区分は、異なる順序で、例えば、単純なABの順番で構築されることができる。
単純なA/Bの設計に加えて、より複雑な設計、例えばA/B/AまたはB/A/Bの順序も可能である。この設計では、薬物B(A)はそれぞれ、2つのA(B)を含む区分に囲まれている。
長時間作用型薬物送達装置が膣内リングである場合、通常不活性の区分が装置に加えられる。不活性区分(以降、「化学作用を起こさない区分」または「スペーサー区分」とも呼ぶ)は、通常、同じポリマーマトリックス材料で作製されるが薬物は含まない。不活性区分の目的の1つは、使用者の膣において信頼できるIVRリングを固定するために必要な、十分なリングサイズを実現することである。
下により詳細に記載されるように、化学作用を起こさない区分のさらなる目的は、薬物を含有する区分間の空間的な分離を設けて薬物を含有する区分間に障壁を作製することであり得る。不活性区分は、好ましくは隣接する薬物含有区分と同じ材料で作製される。
膜を含まない特定のIVRシステムでは、放出される用量はそれぞれの区分の表面積に依存するので、不活性区分のさらなる目的は、放出される用量を調節することであり得る。これに反して膜を含有するシステムでは、放出は、(膜の)表面積のほかに膜の物理化学的性質によっても影響され得る。
不活性区分の付加が、区分の順番に関してバリエーションの数を広げることは言うまでもない。例えば、IVRでは、区分の順番は、(1)不活性区分、(2)それに続く区分A’、(3)それに続く区分B’、(4)それに続く、不活性区分(1)に連結される区分A’であり得る。
さらなる順序は、(1)不活性/(2)薬物A/(3)不活性/(4)薬物B/不活性区分(1)への連結、であり得る。多くのその他の配置が原則として可能であり、そのために、a.m.順序(a.m. sequences)はまさに可能性のある構造を例示するのに役立つ。
発明の説明
区分の順序が、特に長時間作用型薬物送達装置の挿入後の初期段階において、薬物放出に驚くほどに影響を及ぼすことが見出された。
従って、本発明の課題(初期バーストの減少)は、異なる区分を特定の順序/順番で配置することによって解決される。
長時間作用型薬物送達装置の挿入後の初期段階の薬物放出は、それぞれのマトリックスポリマーにより良好な溶解性をもつ化合物(B)が、化合物(B)と比較してマトリックスポリマーへの溶解性の低い薬物(A)を含有する2つの区分間に置かれる場合に、低い初期放出という点で改良されることが見出された。
「初期バースト」に関してさらに良好な結果は、ポリマーマトリックス材料への溶解性がより良好な薬物(B)を含有する区分(溶解性の低い薬物(A)を含有する2つの区分間に包まれている)が、薬物(B)に加えて溶解性の低い薬物(A)を含み、両方の薬物を含有する区分(AB’)中の溶解性の劣る薬物(A)と溶解性のより良好な薬物(B)との比が5/95〜30/70の範囲内である場合に得られる。
膣内リングに関して、薬物を含まない、通常、薬物(A)、(B)または(AB)を含有する周囲の区分と同じポリマー材料で作製される不活性区分を付加することが必要とされる。この不活性区分は、2つのA’区分の間に位置し、2つのA’区分を連結してリングを形成する。不活性区分は、薬物(A)を含有する2つのコア区分の空間的な分離をもたらす。そのような不活性コア区分がないと、リング形状であるために、A/B/Aの順序は、実際にはA/Bの順序となることになる。
膣内リングに関する前述の順序付けは、皮下に留置される挿入物に、それぞれ子宮内避妊器具にも、これらの装置が2つの異なる薬物を含む場合には基本的に当てはまる。理論上は可能であるが、子宮内避妊器具(IUD)または植込剤の例では化学作用を起こさない区分はさらなる利益を装置に与えないので不活性区分は必要ではない。
リング区分の製造および構築は、当技術分野で記載される、例えば、欧州特許第652738号、米国特許第3,920,805号、米国特許第4,888,074号、米国特許第4,215,691号または国際公開第2010/058070号に記載される標準的な手法に従って行うことができる。しかし、文献に記載される製造方法を使用する場合、初期バーストの減少したIVRを得るために、本発明の教示に従って異なる区分の正確な構築が考慮されなければならないことは言うまでもない。
本発明による初期バーストの減少した長時間作用型送達装置は、二段階プロセスによって製造される。最初の段階(i)で、活性薬物(A)、または活性薬物(B)それぞれ、薬物(A)と(B)の薬物混合物のいずれかを含有する、必要な長さのポリマーマトリックス材料中の個々のコア区分が調製される。段階(ii)では、符号の付いた区分A’、B’またはAB’が、A/B/AまたはA/AB/Aの順番で構築され、この際、薬物(B)は、選択されたポリマーマトリックスに薬物(A)よりもよく溶ける。
長時間作用型薬物送達システムがIVRである場合、薬物を含まない不活性区分が構築段階(ii)に加えられ、不活性区分の「解放端」が薬物(A)を含有する区分の「解放端」と結び付けられて、A/B/A/不活性またはA/AB/A/不活性の順序をもつリングを形成する。例となるIVRの設計および製造は実施例に記載されている。
本発明は、さらに、2つの薬学的に活性な薬物を含有する長時間作用型薬物送達システムの放出特性を変更するための方法に言及する。
本方法は、以下の:
(i)ポリマーマトリックス材料の個々のコア区分を作製する段階であって、個々のコア区分が、初期放出の低下した薬物送達装置を調製するための活性薬物(A)、活性薬物(B)または薬物(A)と(B)の薬物混合物のいずれかを含む段階および
(ii)個々のコア区分を、A/B/AまたはA/AB/Aの順番に構築する段階を含み、
薬物Bが、薬物Aよりも選択されたポリマーマトリックスに良好に溶ける、プロセスによって薬物送達装置を調製することを含む。
薬物送達装置が膣内リングである場合、薬物を含まない不活性区分がこの方法に付加される。不活性区分は2つの区分A’を連結して、A/B/A/不活性またはA/AB/A/不活性の順序をもつIVRを形成する。
多種多様の薬物が本発明の状況において使用され得る。従って女性疾患の治療のための医薬品および避妊薬活性薬剤が望ましく、プロゲスチンおよびエストロゲンが避妊に好ましく、アロマターゼ阻害薬、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)が治療に好ましい。
従って本発明は、避妊および治療において初期放出率の改善された、2つの異なる薬物を含有する長時間作用型薬物送達装置の使用にも言及する。
プロゲスチンとして、酢酸クロルマジノン(CMA)、ノルゲスチメート(NGM)、ノルエルゲストロミン(NGMN)、ノルエチステロン(NET)/酢酸ノルエチステロン(NETA)、エトノゲストレル(3−ケト−デソゲストレル)、酢酸ノメゲストロール(NOMAc)、デメゲストン、プロメゲストン、ドロスピレノン(DRSP)、酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)、酢酸シプロテロン(CPA)、トリメゲストン(TMG)、レボノルゲストレル(LNG)、ノルゲストレル(NG)、デソゲストレル(DSG)、ゲストデン(GSD)またはジエノゲスト(DNG)、その中でレボノルゲストレル(LNG)、デソゲストレル(DSG)、ゲストデン(GSD)およびジエノゲスト(DNG)が好ましい。特に好ましいものはレボノルゲストレルである。
エストロゲンとして、天然および合成エストロゲンが可能であり、特にエストラジオールまたはそのエステル、例えば吉草酸エストラジオールまたはその他の共役エストロゲン(CEEs=共役ウマエストロゲン)が好ましい。特に好ましいものは、エチニルエストラジオールおよびエストロゲンまたはそれらのエステル、例えば吉草酸もしくは安息香酸エストラジオールである。
アロマターゼ阻害薬として、選択的なアロマターゼ阻害薬、例えばアナストロゾール(アリミデックス(登録商標))、エキセメスタン(アロマシン(登録商標))、ファドロゾール(アフェマ(登録商標))、フォルメスタン(レンタロン(登録商標))、レトロゾール(フェマーラ(登録商標))、ペントロゾール、ボロゾール(Rivizor(登録商標))およびアロマターゼ阻害薬の製薬上許容され得る塩が適しており、アナストロゾール(AI)が好ましい。
NSAIDとして、非選択的Cox阻害剤、ならびに選択的Cox2阻害剤は本発明の状況において等しく適している。好ましいのは、メロキシカム、ピロキシカム、ナプロキセン、セレコキシブ、ジクロフェナク、テノキシカム、ニメスリド、ロルノキシカムおよびインドメタシンであり、その中でインドメタシンが特に好ましい。
選択された薬物に応じて、ポリマーマトリックス中の薬物の濃度は、5〜40%であり、10〜30%の範囲が好ましい。
薬物を含有する区分の正しい順序付けを設定するために、選択された薬物(A)および(B)のそれぞれのマトリックスポリマーへの溶解性を判定することが最初に求められる。
この状況において、薬物の溶解性は選択された薬物の物理化学的性質によるだけでなく、選択されたマトリックスポリマーによっても決まることに注意しなければならない。シリコーン−エラストマー系のマトリックスには、経験則で、疎水性の薬物のほうが親水性の薬物よりも溶解性が高い。
原理上、本発明の状況において異なるポリマーマトリックス材料を(薬物に依存して)異なる区分に使用することも可能である。しかし、コアマトリックス材料が全ての区分(不活性区分を含む)について同じである場合、それは有利である。
しかし、本発明の状況において、それぞれのポリマーへの選択された薬物の選択的溶解性は重要ではない。むしろ、薬物(A)と(B)の溶解性に違いがあることと、溶解性の高い物質Bを含む区分が、2つの溶解性の劣る物質Aの区分の間に常に位置することが重要である。溶解性のより良好な薬物Bを含む区分が、その上に(薬物混合物AおよびBを含有する区分に関して)5〜30ww%の範囲の薬物Aも含む場合、それは特に好ましい。
異なるポリマーへの薬物(API=活性医薬成分)の溶解性は、以下の通り求めることができる:
(A)ポリシロキサンへのAPIの溶解性
APIの溶解性を測定するために使用されるポリシロキサン(ポリエチレンオキシドブロック−ポリジメチルシロキサン共重合体、ポリ(3,3,3−トリフルオロプロピルメチルシロキサン、またはポリ(ジメチルシロキサン)は、低い粘度、約1000cSt(mm/s)を有するべきである。
15〜20mgのAPIを秤量し、10mlのポリシロキサンを含有する遠心管に添加し、マグネチックスターラーで3日間撹拌する。必要であればAPIを添加する。溶解しないAPIを遠心機によって分離する。透明な溶液のアリコートを取るか、またはシリンジでアリコートを濾過する。0.2gの溶液を5.0mlメスフラスコに添加し、THF(テトラヒドロフラン)で満たし、よく混合する。APIの溶解性に応じて、試料溶液をそのままでまたは希釈してHPLCによって分析する。
(B)熱可塑性ポリマーへのAPIの溶解性
APIの熱可塑性ポリマーへの溶解性は、A.Mahieu in Mol Pharm 2013,10,560−566、R.A.Bellantone et al in J Pharm Sci 2012,101,4549−4558、Y.Sun et al.in J Pharm Sci 2012,99,4023−4031またはP.Marsac et al.in Pharm Res 2006,23,2417−2426に記載される標準法に従って測定される。
本発明の薬物送達装置は、通常、ポリマー系の膜で覆われている。この膜は、既知の方法に従って、例えば、シクロヘキサンの膜の膨潤およびコア区分の挿入後の溶媒の除去によって、コア区分まで大きくすることができる。また、圧縮空気または真空を用いてコア区分の挿入の前に膜を拡張させることもできる。それぞれの方法は、例えば、欧州特許第065273881(B1)号に記載されている。
膜材料は、コア区分材料と同じもの、異なるものであり得、本発明の状況において、材料が異なっている場合、膜と同じようにマトリックス(コア区分)への薬物の溶解性が高いことが好ましい。異なるとは、膜ポリマーを異なる化合物クラスから選択することを必ずしも意味しておらず、むしろ、選択されたポリマーを例えば、3,3,3−トリフルオロプロピルメチル基などの官能基をケイ素エラストマーに添加することによって変性することによって材料の疎水性を変えることで十分である。様々なポリマーへの薬物の溶解性は、上記のように求めることができる。
マトリックス/コア区分材料として、EVA(エチニル−ビニル−アセテート)などの熱可塑性ポリマーまたはエラストマー性シリコーン、例えばポリシロキサンなどが適している。
そのような材料は、本発明の状況において膜材料としても使用することができる。ポリシロキサンは、薬物の透過速度を調節する。それらは生理学的に化学作用を起こさず、幅広い群の治療活性物質がポリシロキサン膜に浸透することができる。さらに、シロキサンは必要な強度特性も有する。
置換基が低級アルキル、好ましくは1〜6個の炭素原子からなるアルキル基、またはフェニル基であるポリ(二置換)シロキサン(前記アルキルまたはフェニルは置換または非置換であり得る)は、コア区分および膜材料として好ましい。この種類の広く使用される好ましいポリマーは、ポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS)である。その他の好ましいポリマーは、シロキサン単位(フルオロ変性ポリシロキサン)のケイ素原子と結合した3,3,3トリフルオロプロピル基かまたはポリ(アルキレンオキシド)基のいずれかを含むシロキサン系ポリマーであり、この際、前記ポリ(アルキレンオキシド)基は、ケイ素−炭素結合によって前記ポリシロキサン単位と結合したアルコキシ末端グラフトまたはブロックあるいはこれらの形態の混合物として存在する。ポリシロキサンおよび変性ポリシロキサンポリマーは、例えば欧州特許第0652738(B1)号、国際公開第00/29464号および国際公開第00/00550号に記載されている。中でもポリ(アルキレンオキシド)基を含むシロキサン系ポリマー、ポリエチレンオキシドブロック−ポリジメチルシロキサン共重合体(PEO−b−PDMS)が好ましい。
置換基を含まないポリシロキサンは単極のポリマーであり、そのため親水性の薬物はそのようなシロキサンエラストマーに難溶性である。しかし、親水性のAPIの溶解性は、極性基、例えばポリ(アルキレンオキシド)基などがシロキサンに存在する場合に向上させることができる。従って単極のポリマーが疎水性薬物に使用され、極性シロキサンが親水性薬物に好ましい。
本発明の好ましい実施形態は、レボノルゲストレル(LNG)およびエチニルエストラジオール(EE)を含有するポリシロキサン系避妊リングをさし、この薬物の組合せにおいてEEは溶解性の高い薬物であり、そのためこの区分の順番は、(1)不活性、(2)LNG、(3)EE、(4)リングを形成するために不活性材料区分(1)に連結されたLNGである。
特に好ましいのは、EE区分(3)がレボノルゲストレルをさらに含むことである。ここで、薬物混合物を含有する区分(3)のLNG/EE/の比は、5/95〜30/70w/w%である。
本発明のさらに好ましい実施形態は、アナストロゾールおよびレボノルゲストレルを含有するシリコンエラストマーに基づくIVRをさし、この組合せでは、アナストロゾールのほうがシリコンエラストマーへの溶解性の低い薬物であるので、レボノルゲストレル含有区分(B’)は、2つのアナストロゾール含有区分(A’)の間に位置する。特に好ましいのは、レボノルゲストレル区分がアナストロゾールをさらに含み、薬物混合物を含有する区分のアナストロゾール対LNGの比が、5/95〜40/60w/w%である場合である。
本発明のIVRは、約1カ月から最大1年、好ましくは1〜6カ月間連続的に使用することができる。連続使用には、IVRを断続的に1時間〜最大4時間、例えば、洗浄または性交中に取り出すことができることが含まれる。あるいは、本発明によれば、IVRは女性の自然のサイクル(例えば、21、22、23または24日あるいは1カ月まで)を模倣し、その後に取り出して出血を開始させ、7、6、5、4または3日後に再び挿入するような方法で使用することができる(装用日数および非装用日数は合計して少なくとも28日にするべきである)。あるいは、この期間の後に新しい未使用のIVRを挿入することができる。
送達装置、特にIVRからの薬物の放出は、放出率によって説明される。放出率は、周囲組織による吸収に利用できる、装置から24時間以内に放出された活性のある原薬の平均量を意味する。
コア区分および/または膜のポリマー組成、膜厚、ならびに膜の表面積は、放出率に影響を及ぼす主なパラメータである。試験管内放出試験は、IVRなどのホルモンを含有する送達装置を特徴づけるために当技術分野で常套的に使用される。この試験では、放出率は、37℃の試験管内での薬物の放出量を分析することによって(例えば、生体内装置の意図する使用時間の間の振盪水浴中のシクロデキストリンの水溶液中で)求められる。各サンプリング時点での試験管内放出率は、1日(24時間)当たりの放出量(μg)として計算される[μg/日、またはμg/d]。用量および放出率という用語は本願において同義的に使用される。
以降の実施例は本発明を例示するのに役立つ。
実施例1a)は、区分の順序がLNG/EE/LNG/不活性であるリングをさす。この実施例の不活性または化学作用を起こさない材料は、PDMSエラストマーである。比較のために、不活性/EE/不活性/LNGの順序をもつ膣リングが調製された(実施例1b)。このそれぞれのリング構造は図1に示される(左:LNG/EE/LNG/PDMS;右:PDMS/EE/PDMS/LNG)。
実施例1の表1では、異なる区分の寸法が示される。表2は、異なる構築体、つまり本発明によるLNG/EE/LNG/不活性と、最先端の技術による不活性/EE/不活性/LNG、について測定されたEEの放出率をさす。放出率は、シクロデキストリンの水溶液中で、37℃での試験管内試験において上記のように測定された。
表1に示されるような時間(日数)に依存するEEの放出率は、計算図表にもプロットされる(図2参照)。最大の初期バーストは、25℃で2カ月貯蔵した後の比較構築体、エラストマー(不活性)/EE/エラストマー(不活性)/LNGについて観察される。ここで、初期バースト期では、放出は1日目に55μgを上回る(菫色の×印の曲線)。図は、初期放出が35μgだけである0カ月の貯蔵期間の後の同一の構築体(赤色の四角形の曲線)に関して、貯蔵期間に依存する膜でのEEの蓄積も明白に示す。
これに反して、本発明による構築体LNG/EE/LNGエラストマー(不活性)に関して、0カ月の貯蔵期間の後の1日目の放出率は、27μgだけであり(青色の菱形の曲線)、25℃で2カ月の貯蔵期間の後にごくわずかな増加が観察される。35μgの値は1日目に観察された(緑色の三角形の曲線)。
実施例2は、本発明によるLNG/EE+LNG/LNG/PDMS構築体(PDMS区分=不活性区分)をさし、それは本発明の第2の実施形態によるLNG/EE/LNG/PDMS構築体と比較される。この比較は、EE区分(B)がLNGをさらに含む場合に、「初期バースト」の減少に関するさらなる改善を達成することができることを示す。リング構造は図3に示される。区分の寸法は表3に記載される。放出率は上記のように測定され、表3に記載される。経時的なEE放出は図4にプロットされる。データおよび図4から分かるように、「初期バースト」は、LNGをEE含有区分に加えるとさらに減少する。従って、最初の日のEE放出は、1日目の約45μg(青色の「菱形の」曲線)から、1日目の約30μg(緑色の三角形の曲線、赤色の四角形の曲線それぞれ)まで減少する。
[実施例1]:
EE−およびLNG−放出リングの製造
コア
3つのコア組成物、すなわち1つの化学作用を起こさないコア、1つのEEを含むコアおよび1つの(on)LNGを含むコアを調製した。EEを含むコアおよびLNGを含むコアのマトリックスをシリコーンエラストマー(ポリジメチルシロキサン)で作製し、化学作用を起こさないコアもシリコーンエラストマー(ポリジメチルシロキサン)で作製した。EEを含有するコアは、微粉化したEEとシリコーンエラストマーをミキサーで混合することによって製造した。混合物のEE含有量は、10重量%であった。混合物を型で成形し、硬化させて外径が約4.5mmの小型の円盤を得た。LNGを含有するコアは、微粉化したLNGとシリコーンエラストマーをミキサーで混合することによって製造した。混合物のLNG含有量は、50重量%であった。LNG−コアを、内径約2.0mmおよび外径約4.5mmの管に押出した。化学作用を起こさないシリコーンエラストマーコアも押出されて、内径約1.4mmおよび外径約4.5mmの弾性の管を得た。

薬物放出を制御する膜管を押出によって製造した。膜はシリコーンエラストマー(ポリジメチルシロキサン)で作製された。膜管の内径は約4.3mmであり、外径は約5.0mmであった。
リングの構築
a)LNG/EE/LNG/PDMS
LNGコアを2つの37mm断片(以降もコア区分と名付けられる)に切断した。リング全体を膨らませるために、PDMSコアの管をリングコアで化学作用を起こさない区分として使用した。157mmのコア全長が達成されるように、化学作用を起こさないPDMSエラストマーコアを80mmの長さに切断した。膜管を165mmの長さに切断し、シクロヘキサンで膨潤させた。リングは、コア区分を膨潤した膜管の中に次の順番:第1のLNG−コア区分、エラストマー−コア区分、第2のLNG−コア区分、およびEE−コア区分で押し込むことによって組み立てた。この管は、重ね合わせて接着することによってリングに成形された。リングの接合部を閉じるために、少量のPDMS接着剤を使用した。溶媒の蒸発後、管は収縮し、パーツを堅く圧縮した。
b)PDMS/EE/PDMS/LNG(比較例)
LNGコアを74mm断片(コア区分)に切断した。リング全体を膨らませるために、PDMSコアの管をリングコアで化学作用を起こさない区分として使用した。化学作用を起こさないPDMSエラストマーコアを2つの40mm断片に切断し、157mmのコア全長(コア区分)を得た。膜管を165mmの長さに切断し、シクロヘキサンで膨潤させた。リングは、コア区分を膨潤した膜管の中に次の順番:第1のエラストマー−コア−、LNG−コア−、第2のエラストマー−コア−、およびEE−コア−区分で押し込むことによって組み立てた。この管は、重ね合わせて接着することによってリングに成形された。リングの接合部を閉じるために、少量のPDMS接着剤を使用した。溶媒の蒸発後、管は収縮し、パーツを堅く圧縮した。リング構造は図1に示され、異なる区分の寸法は下の表1に記載される。
表1:エチニルエストラジオールおよびレボノルゲストレルを放出するIVRの性質および材料。ID(膜管の内径);OD(膜管の外径)。
Figure 0006898856
表2:エチニルエストラジオール(EE)の、構造および貯蔵の異なるIVRからの試験管内放出率。
Figure 0006898856
[実施例2]:
EE−およびLNG−放出リングの製造
コア
4つのコア組成物、すなわち1つの化学作用を起こさないコア、1つのEEを含むコア、1つのEE+LNGを含むコア、および1つのLNGを含むコアを調製した。EEを含むコア、EE+LNGを含むコア、およびLNGを含むコアのマトリックスをシリコーンエラストマー(ポリジメチルシロキサン)で作製し、化学作用を起こさないコアもシリコーンエラストマー(ポリジメチルシロキサン)で作製した。EEを含有するコアは、微粉化したEEとシリコーンエラストマーをミキサーで混合することによって製造した。混合物のEE含有量は、20重量%であった。EE+LNGを含有するコアは、微粉化したEE、微粉化したLNGおよびシリコーンエラストマーをミキサーで混合することによって製造した。混合物のEE含有量は20重量%であり、LNG含有量は10重量%であった。EE+エラストマーおよびEE+LNG+エラストマーの混合物を型で成形し、硬化させて外径が約4.5mmの小型の円盤を得た。LNGを含有するコアは、微粉化したLNGとシリコーンエラストマーをミキサーで混合することによって製造した。混合物のLNG含有量は、50重量%であった。LNG−コアを、内径約2.0mmおよび外径約4.5mmの管に押出した。化学作用を起こさないシリコーンエラストマーコアも押出して、内径約1.4mmおよび外径約4.5mmの弾性の管を得た。

薬物放出を制御する膜管を押出によって製造した。膜はシリコーンエラストマー(ポリジメチルシロキサン)で作製された。膜管の内径は約4.3mmであり、外径は約5.0mmであった。
リングの構築
LNGコアを2つの43〜46mmの断片(コア区分)に切断した。リング全体を膨らませるために、PDMSコアの管をリングコアで化学作用を起こさない区分として使用した。160mmのコア全長が達成されるように、化学作用を起こさないPDMSエラストマーコアを65〜71mmの長さ(コア区分)に切断した。膜管を160mmの長さに切断し、シクロヘキサンで膨潤させた。リングは、コア区分を膨潤した膜管の中に次の順番:第1のLNG−コア−、EE−コア−またはEE+LNG−コア、第2のLNG−コア、およびエラストマー−コア−区分で押し込むことによって組み立てた。この管は、接着することによってリングに成形された。リングの接合部を閉じるために、少量のPDMS接着剤を使用した。溶媒の蒸発後、管は収縮し、パーツを堅く圧縮した。
表3.エチニルエストラジオールおよびレボノルゲストレルを放出するIVRの性質および材料。
ID(膜管の内径);OD(膜管の外径)。
Figure 0006898856
表4.EE-コアにLNGを含むまたは含まないIVRからのエチニルエストラジオールの試験管内放出率
Figure 0006898856
Figure1 a)LNG/EE/LNG/エラストマーおよびb)エラストマー/EE/エラストマー/LNGのリング構造 Figure2 エチニルエストラジオール(EE)の、構造および貯蔵の異なるIVRからの試験管内放出率 Figure3 LNG/EEまたはEE+LNG/LNG/エラストマーのリング構造 Figure4 EE-コアにLNGを含むまたは含まないIVRからのエチニルエストラジオールの試験管内放出率

Claims (6)

  1. 2つの薬学的に活性な薬物を含有する植込剤または子宮内避妊器具(IUDの放出特性を変更するための方法であって、前記方法が、以下の:
    (i)ポリマーマトリックス材料の個々のコア区分を作製する段階であって、前記個々のコア区分が、初期放出の低下した植込剤またはIUDを調製するための活性薬物(A)、活性薬物(B)または薬物(A)と(B)の薬物混合物のいずれかを含む、段階および
    (ii)前記個々のコア区分を、A/B/AまたはA/AB/Aの順番に構築する段階であって、前記薬物Bは、薬物Aよりも前記選択されたポリマーマトリックスに良好に溶け、前記薬物Aを含むコア区分は前記薬物B又はABを含むコア区分の両端に隣接している、段階および
    (iii)前記コア区分をシリコン系の膜で覆う段階
    ここで、前記薬物(A)は、レボノルゲストレル(LNG)であり、薬物(B)はエチニルエストラジオール(EE)である
    を含むプロセスによって前記植込剤またはIUDを調製することを含む、方法。
  2. レボノルゲストレル(LNG)を含有する2つのコア区分に取り囲まれている前記コア区分が、薬物混合物LNG/EEを含ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. LNG/EE区分レボノルゲストレル(LNG)エチニルエストラジオール(EE)の比が5/95w/w%〜30/70w/w%の範囲内である、請求項に記載の方法。
  4. 前記コア区分がシリコンエラストマー材料で作製されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記シリコン系の膜が、PDMS、フルオロ変性ポリシロキサンまたはポリ(アルキレンオキシド)変性ポリシロキサンから成り、前記ポリ(アルキレンオキシド)基が、ケイ素−炭素結合によって前記ポリシロキサン単位と結合したアルコキシ末端グラフトまたはブロックあるいはこれらの形態の混合物として存在することを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記シリコン系の膜が、ポリエチレンオキシドブロック−ポリジメチルシロキサン共重合体(PEO−b−PDMS)であることを特徴とする、請求項に記載の方法。
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