JP6898232B2 - 加圧拘束アニーリングを利用する入れ子式バルーンを製造する方法 - Google Patents

加圧拘束アニーリングを利用する入れ子式バルーンを製造する方法 Download PDF

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Description

関連出願
本出願は、2014年10月27日に出願された米国特許仮出願第62/069,303号の非仮出願として、米国特許法119条(e)項の下で優先権を主張する。前述の優先権出願の開示の全体が、すべての目的について、参照により本明細書に組み込まれている。
2006年12月15日に出願された米国特許出願第11/611748号(現在は、2011年5月17日に発行された米国特許第7,942,847号)の開示の全体も、その全体が参照により組み込まれている。
実施形態は、概して、バルーンカテーテルと、医療用途のためにバルーンカテーテルを作るための方法とに関する。詳細には、実施形態は、異なる特性を有する少なくとも2つのバルーンを有する入れ子式バルーンに関する。バルーンは、低摩擦係数を備える層など、複数の層を有してもよい。
外科的処置の数の益々の増加により、カテーテルと呼ばれる小径中空シャフトの遠位端に取り付けられた膨張可能な薄い壁のポリマーバルーンを採用する経皮的に挿入される装置が必要とされている。この装置を、動脈、静脈、尿道、または、皮膚の下の他の利用可能な導管を介して、治療部位まで進行させることができる。シャフトは、通常、バルーンを患者の体内深くに位置決めできるように、130cmの長さを超える。典型的には膨張連結器を有するシャフトの反対の(近位)端は、患者の外部に留まる。
バルーンを治療部位に進行させるとき、バルーンは、その断面を最小とし、導管を通じた簡単な挿入と案内とを容易にするために、収縮させ、シャフトの周りにぴったりと巻き付ける。所望の場所に到達した後、バルーンを高圧の生理食塩水でゆっくりと膨張させる。バルーンの壁は径方向に開いて拡張する。この過程の間、実質的に径方向の力が、バルーンの壁によって、または、バルーンの壁に加えられる。この液圧で発生させる径方向の力は、例えば、血管拡張、ステント配置、導管閉塞、および、骨の圧縮または伸延(脊柱における椎骨の伸延など)など、数多くの異なる医療処置のために利用され得る。
患者の内部にある間にバルーンが加えることができる力をいくつかの要因が制限し得る。例えば、特定の断面のバルーンの大きさについて、バルーンの設計、バルーンを構築するために使用される材料、およびバルーンの構造的な一体性が、バルーンが損傷する(例えば、破裂する)ことなく加えることができる力を制限し得る。破裂すると、バルーンの破片が患者の内部で引っ掛かることになり、深刻な外傷を引き起こす可能性があるため、バルーンが破裂する危険性を最小限とすることは、多くの医療処置において重要であり得る。また、より高い圧力が、治療に影響を与えるために必要とされる可能性がある。
前述したような液圧で発生させる圧力は、典型的には、バルーンに2種類の応力を加える。径方向応力(または、周方向応力)は、円筒状の形とされたバルーンを径方向外向きに押す。径方向応力は、バルーンの長手方向軸と平行なバルーンの軸方向の破裂をもたらす可能性がある。他方で、軸方向応力は、円筒状の形とされたバルーンを径方向外向きに押す。軸方向応力は、バルーンの周囲に沿ったどこかでバルーンの径方向の破裂(例えば、バルーンの完全な破砕)をもたらす可能性がある。
径方向応力と軸方向応力は共に、バルーンの壁厚に対して、および、バルーンの壁厚に対するバルーンの直径の比に対して、圧力において線形の関係を有する。結果として、圧力または直径の大きさの増加は、バルーンを破裂させる臨界圧力レベル(つまり、破裂圧力)を回避するために、バルーンの厚さにおいて等しく比例的な増加を必要とする。概して、径方向応力は軸方向応力の2倍の大きさであり、そのため、バルーンは、何らかの変形も事前準備もなく、軸方向にしばしば破裂することになる。しかしながら、バルーンの変形がある場合、バルーンは径方向に破裂する可能性がある。このような径方向の破裂は、カテーテルが取り除かれた後、患者の内部にバルーンの分離した破片を残す可能性があることが不都合である。
バルーンの壁厚を増加させると、挿入のために収縮させて巻き付けるとき、バルーンの断面も増加させる。結果的に、増大したバルーンの壁厚を有するバルーンは、バルーンの増加した大きさのため、患者の特定の領域へのアクセスが制限される可能性がある。典型的には、バルーンの剛性は、バルーンの厚さの3乗で変化する。例えば、破裂圧力を高めるためにバルーンの壁厚を2倍にすると、剛性を8倍増加させることになる。この付け加えられた壁の剛性は、バルーンの断面積の大きさを制限するのに必要な、バルーンをカテーテルシャフトの周りにぴったりと巻き付ける能力を損なう。バルーンがその剛性を過剰に超えて折り曲げられる場合、望ましくない変形が生じ得る。通常、0.0030インチ未満の壁厚を有するバルーンが、前述の問題を回避するために使用されなければならない。
数多くの技術が、バルーンの機能性を向上させるために、バルーンの特性を変更するのに用いられている。これらの技術は、異なる種類のポリマーを混合すること、可塑剤をバルーンに加えること、および、バルーン形成工程のパラメータを変更することを含む。これらの方法は、向上された機械的特性を伴うより望ましいバルーンを作り出すことに必ずしも完全に成功していないことが多い。典型的には、これらの知られている技術は、1つのバルーン性能パラメータを向上させるが、別のパラメータを悪化させる。
この問題を、多層バルーンを用いて解決する試みもあった。後に記載している理由のため、これらの先行技術の多層バルーンも重大な欠陥を持っている。
米国特許第7,762,804号 米国特許第7,578,165号
一部の実施形態で開示されているのは、商業的に実行可能な高圧の入れ子式バルーンカテーテルである。実施形態の一態様は、入れ子式バルーンを作製することを含む。入れ子式バルーンは、内側壁の伸長を最適にすることで最大限のバルーン強度を提供する伸長特性を各々が有し得る少なくとも2つのバルーンを備える。入れ子式バルーンは、場合によっては、非常に高い圧力の定格と強靱性とを有し、なおも優れた折り畳み特性を有する。既存のバルーン形成設備を用いてこのような入れ子式バルーンを生産するための方法も、提供される。
一部の実施形態では、入れ子式バルーンを製造する方法が提供される。方法は、第1のバルーン層を提供するステップを含み得る。方法は、第2のバルーン層を提供するステップを含み得る。方法は、第1のバルーン層を第2のバルーン層に挿入するステップを含み得る。方法は、第1のバルーン層と第2のバルーン層とを、約華氏200度から約華氏270度までの間の温度で、約10分間から約60分間までの間の期間の間、型でアニーリングするステップを含み得る。一部の実施形態では、アニーリングするステップは、入れ子式バルーンを約5atmから約30atmまでの間の圧力で加圧するステップと、約1ポンドから約5ポンドまでの間の伸長力でバルーンを伸長させるステップとを含む。
一部の実施形態では、第1のバルーン層はナイロンを含む。一部の実施形態では、第2のバルーン層はナイロンを含む。一部の実施形態では、アニーリングの温度は約華氏215度から約華氏255度までの間である。一部の実施形態では、アニーリングの温度は約華氏235度である。一部の実施形態では、圧力は約15atmから約25atmまでの間である。一部の実施形態では、圧力は約15atmから約25atmまでの間である。一部の実施形態では、伸長力は約1ポンドから約2ポンドまでの間である。一部の実施形態では、期間は約15分間から約45分間までの間である。一部の実施形態では、期間は約30分間である。方法は、約40℃から約60℃までの間の温度で、約1時間から約3時間までの間の期間の間、アニーリングするステップの後、入れ子式バルーンを殺菌するステップを含み得る。方法は、アニーリングするステップの前に、第1のバルーン層と第2のバルーン層とを吹込み成形するステップであって、吹込み成形はアニーリングするステップの前の約48時間以内に行う、ステップを含み得る。方法は、アニーリングするステップの前に、第1のバルーン層と第2のバルーン層とを吹込み成形するステップであって、吹込み成形はアニーリングするステップの前の約24時間以内に行う、ステップを含み得る。方法は、バルーンカテーテルを形成するために、入れ子式バルーンをカテーテルシャフトに溶接するステップを含み得る。一部の実施形態では、第1のバルーン層は共押出しされたバルーン層である。一部の実施形態では、第2のバルーン層は共押出しされたバルーン層である。一部の実施形態では、共押出しされた層または共押出しされていない層のいずれかであり得る複数の層(例えば、2つ、3つ、またはより多くの層)を有する入れ子式バルーンが、比較的高圧の下で入れ子式バルーンをアニーリングすることを含め、本明細書で開示されているような方法を介して形成され得る。
一部の実施形態では、入れ子式バルーンが提供される。入れ子式バルーンは、内側層と外側層とを有する第1のバルーンを備え得る。一部の実施形態では、第1のバルーンの各々のバルーン層は、その内側壁において第1の二軸分子配向を有する。入れ子式バルーンは、第1のバルーン内に配置されるように構成される第2のバルーンを備え得る。入れ子式バルーンは、内側層と外側層とを有する第2のバルーンを備え得る。一部の実施形態では、第2のバルーンの各々のバルーン層は、その内側壁において第2の二軸分子配向を有する。一部の実施形態では、第1のバルーンの内側層の内側壁および外側層の内側壁の少なくとも一方の拡張率は、第1のバルーンの内側層および外側層がさらなる伸長に抵抗するように最適化される。一部の実施形態では、第2のバルーンの内側層の内側壁および外側層の内側壁の少なくとも一方の拡張率は、第1のバルーン内に配置されるとき、第2のバルーンの内側層および外側層がさらなる伸長に抵抗するように最適化される。一部の実施形態では、第1のバルーンの内側層および外側層、ならびに/または、第2のバルーンの内側層および外側層は、共押出しチューブから形成される。一部の実施形態では、第1のバルーンおよび第2のバルーンは、共押出しチューブから形成される。一部の実施形態では、平均的な破裂圧力は、第1のバルーンと第2のバルーンとを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンの平均的な破裂圧力より実質的に大きい。
一部の実施形態では、第1のバルーンの内側層の内側壁と外側層の内側壁との両方の拡張率は、第1のバルーンの内側層および外側層がさらなる伸長に抵抗するように最適化される。一部の実施形態では、第2のバルーンの内側層の内側壁と外側層の内側壁との両方の拡張率は、第1のバルーンの内側層および外側層がさらなる伸長に抵抗するように最適化される。一部の実施形態では、第1のバルーンおよび第2のバルーンは、異なる伸長特性を有する少なくとも2つの異なる材料で、共押出しチューブから各々形成される。
一部の実施形態では、平均的な破裂圧力は、第1のバルーンと第2のバルーンとを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンの平均的な破裂圧力より少なくとも約10%大きい。一部の実施形態では、平均的な破裂圧力は、第1のバルーンと第2のバルーンとを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンの平均的な破裂圧力より少なくとも約25%大きい。一部の実施形態では、平均的な破裂圧力は、第1のバルーンと第2のバルーンとを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンについてより少なくとも約60%大きい。一部の実施形態では、平均的な破裂圧力は、第1のバルーンと第2のバルーンとを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンの平均的な破裂圧力より約25%から約75%大きい。
一部の実施形態では、平均的な破裂圧力は、第1のバルーンと第2のバルーンとを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンの平均的な破裂圧力よりおよそまたは少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%大きい。一部の実施形態では、平均的な破裂圧力は、第1のバルーンと第2のバルーンとを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンの平均的な破裂圧力より約10%〜20%、15%〜25%、20%〜30%、25%〜35%、30%〜40%、35%〜45%、40%〜50%、45%〜55%、50%〜60%、55%〜65%、60%〜70%、65%〜85%、70%〜80%、75%〜85%、80%〜90%、85%〜95%、または90%〜100%大きい。一部の実施形態では、平均的な破裂圧力は、第1のバルーンと第2のバルーンとを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンの平均的な破裂圧力より約10%〜30%、15%〜35%、20%〜40%、25%〜45%、30%〜50%、35%〜55%、40%〜60%、45%〜65%、50%〜70%、55%〜75%、60%〜80%、65%〜85%、70%〜90%、75%〜95%、または80%〜100%大きい。一部の実施形態では、平均的な破裂圧力は、第1のバルーンと第2のバルーンとを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンの平均的な破裂圧力より約10%〜40%、15%〜45%、20%〜50%、25%〜55%、30%〜60%、35%〜65%、40%〜70%、45%〜75%、50%〜80%、55%〜85%、60%〜90%、65%〜95%、または70%〜100%大きい。一部の実施形態では、平均的な破裂圧力は、第1のバルーンと第2のバルーンとを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンの平均的な破裂圧力より約10%〜50%、15%〜55%、20%〜60%、25%〜65%、30%〜70%、35%〜75%、40%〜80%、45%〜85%、50%〜90%、55%〜95%、または60%〜100%大きい。一部の実施形態では、平均的な破裂圧力は、第1のバルーンと第2のバルーンとを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンの平均的な破裂圧力より約10%〜40%、15%〜45%、20%〜50%、25%〜55%、30%〜60%、35%〜65%、40%〜70%、45%〜75%、50%〜80%、55%〜85%、60%〜90%、65%〜95%、または70%〜100%大きい。一部の実施形態では、平均的な破裂圧力は、第1のバルーンと第2のバルーンとを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンの平均的な破裂圧力より約10%〜100%、15%〜95%、20%〜90%、25%〜85%、30%〜80%、35%〜75%、40%〜70%、45%〜55%大きい。
一部の実施形態では、入れ子式バルーンの最大の周方向応力は、第1のバルーンと第2のバルーンとを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンの最大の周方向応力より実質的に大きい。一部の実施形態では、最大の周方向応力は、第1のバルーンと第2のバルーンとを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンについてよりおおよそ30%大きい。一部の実施形態では、最大の周方向応力は、第1のバルーンと第2のバルーンとを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンについてよりおおよそ40%大きい。一部の実施形態では、最大の周方向応力は、第1のバルーンと第2のバルーンとを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンについてよりおおよそ50%大きい。一部の実施形態では、最大の周方向応力は、第1のバルーンと第2のバルーンとを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンの最大の周方向応力より約25%から約55%大きい。
一部の実施形態では、最大の周方向応力は、第1のバルーンと第2のバルーンとを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンの最大の周方向応力よりおよそまたは少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%大きい。一部の実施形態では、最大の周方向応力は、第1のバルーンと第2のバルーンとを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンの最大の周方向応力より約10%〜20%、15%〜25%、20%〜30%、25%〜35%、30%〜40%、35%〜45%、40%〜50%、45%〜55%、50%〜60%、55%〜65%、60%〜70%、65%〜85%、70%〜80%、75%〜85%、80%〜90%、85%〜95%、または90%〜100%大きい。一部の実施形態では、最大の周方向応力は、第1のバルーンと第2のバルーンとを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンの最大の周方向応力より約10%〜30%、15%〜35%、20%〜40%、25%〜45%、30%〜50%、35%〜55%、40%〜60%、45%〜65%、50%〜70%、55%〜75%、60%〜80%、65%〜85%、70%〜90%、75%〜95%、または80%〜100%大きい。一部の実施形態では、最大の周方向応力は、第1のバルーンと第2のバルーンとを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンの最大の周方向応力より約10%〜40%、15%〜45%、20%〜50%、25%〜55%、30%〜60%、35%〜65%、40%〜70%、45%〜75%、50%〜80%、55%〜85%、60%〜90%、65%〜95%、または70%〜100%大きい。一部の実施形態では、最大の周方向応力は、第1のバルーンと第2のバルーンとを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンの最大の周方向応力より約10%〜50%、15%〜55%、20%〜60%、25%〜65%、30%〜70%、35%〜75%、40%〜80%、45%〜85%、50%〜90%、55%〜95%、または60%〜100%大きい。一部の実施形態では、最大の周方向応力は、第1のバルーンと第2のバルーンとを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンの最大の周方向応力より約10%〜40%、15%〜45%、20%〜50%、25%〜55%、30%〜60%、35%〜65%、40%〜70%、45%〜75%、50%〜80%、55%〜85%、60%〜90%、65%〜95%、または70%〜100%大きい。一部の実施形態では、最大の周方向応力は、第1のバルーンと第2のバルーンとを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンの最大の周方向応力より約10%〜100%、15%〜95%、20%〜90%、25%〜85%、30%〜80%、35%〜75%、40%〜70%、45%〜55%大きい。
また、入れ子式バルーンは、第1のバルーンと第2のバルーンとを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンの柔軟性より大きい柔軟性を有し得る。一部の実施形態では、柔軟性は、第1のバルーンと第2のバルーンとを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンについてよりおおよそ25%大きい。一部の実施形態では、柔軟性は、第1のバルーンと第2のバルーンとを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンについてよりおおよそ50%大きい。一部の実施形態では、柔軟性は、第1のバルーンと第2のバルーンとを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンについてよりおおよそ75%大きい。一部の実施形態では、柔軟性は、第1のバルーンと第2のバルーンとを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンの柔軟性より約25%から約75%大きい。
一部の実施形態では、柔軟性は、第1のバルーンと第2のバルーンとを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンの柔軟性よりおよそまたは少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%大きい。一部の実施形態では、柔軟性は、第1のバルーンと第2のバルーンとを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンの柔軟性より約10%〜20%、15%〜25%、20%〜30%、25%〜35%、30%〜40%、35%〜45%、40%〜50%、45%〜55%、50%〜60%、55%〜65%、60%〜70%、65%〜85%、70%〜80%、75%〜85%、80%〜90%、85%〜95%、または90%〜100%大きい。一部の実施形態では、柔軟性は、第1のバルーンと第2のバルーンとを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンの柔軟性より約10%〜30%、15%〜35%、20%〜40%、25%〜45%、30%〜50%、35%〜55%、40%〜60%、45%〜65%、50%〜70%、55%〜75%、60%〜80%、65%〜85%、70%〜90%、75%〜95%、または80%〜100%大きい。一部の実施形態では、柔軟性は、第1のバルーンと第2のバルーンとを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンの柔軟性より約10%〜40%、15%〜45%、20%〜50%、25%〜55%、30%〜60%、35%〜65%、40%〜70%、45%〜75%、50%〜80%、55%〜85%、60%〜90%、65%〜95%、または70%〜100%大きい。一部の実施形態では、柔軟性は、第1のバルーンと第2のバルーンとを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンの柔軟性より約10%〜50%、15%〜55%、20%〜60%、25%〜65%、30%〜70%、35%〜75%、40%〜80%、45%〜85%、50%〜90%、55%〜95%、または60%〜100%大きい。一部の実施形態では、柔軟性は、第1のバルーンと第2のバルーンとを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンの柔軟性より約10%〜100%、15%〜95%、20%〜90%、25%〜85%、30%〜80%、35%〜75%、40%〜70%、45%〜55%大きい。
第1のバルーンの外側層は、第2のバルーンの内側層に対して滑るように構成され得る。第1のバルーンの内側層および外側壁の少なくとも一方は、第1のバルーンの外側層のための応力亀裂軽減層を備え得る。一部の実施形態では、内側層はペバックスを含む。応力亀裂軽減層は、互いに対するバルーン同士の滑りを可能にするために、同じ材料の入れ子式バルーンに対してより小さい摩擦係数を有し得る。第2のバルーンの内側層は応力亀裂軽減層を備え得る。一部の実施形態では、第1のバルーンの外側層および第2のバルーンの外側層はナイロンを含み、第1のバルーンの内側層および第2のバルーンの内側層はペバックスを含む。一部の実施形態では、ナイロンとペバックスとの比は約70:30である。一部の実施形態では、第1のバルーンの外側層および第2のバルーンの外側層はナイロンを含み、第1のバルーンの内側層および第2のバルーンの内側層はペバックスを含む。一部の実施形態では、ナイロンとペバックスとの比は約60:40である。一部の実施形態では、第1のバルーンの外側層および第2のバルーンの外側層はナイロンを含み、第1のバルーンの内側層および第2のバルーンの内側層はペバックスを含む。一部の実施形態では、ナイロンとペバックスとの比は約50:50である。一部の実施形態では、ナイロンとペバックスとの比は、約90:10〜80:20、80:20〜70:30、70:30〜60:40、または60:40〜50:50の間である。一部の実施形態では、ナイロンとペバックスとの比は、約90:10〜70:30、80:20〜60:40、または70:30〜50:50の間である。一部の実施形態では、ナイロンとペバックスとの比は、約で90:10〜60:40または80:20〜50:50の間である。
一部の実施形態では、第1のバルーンの首部は、カテーテルの近位端から離間された場所において、第2のバルーンの首部に溶着される。一部の実施形態では、第1のバルーンの首部の少なくとも一方の端は、第2のバルーンの首部の対応する端から千鳥配置される。一部の実施形態では、第1のバルーンの首部の少なくとも一方の端は、第2のバルーンの首部の対応する端から軸方向にずらされる。
一部の実施形態では、医療用途のための入れ子式バルーンを作り出すための方法が提供される。方法は、第1の近位首部および第1の遠位首部を有する第1のバルーンと、第2の近位首部および第2の遠位首部を有する第2のバルーンとを提供するステップを含み得る。方法は、第2のバルーンを第1のバルーンに挿入するステップを含み得る。方法は、第1のバルーンの内側壁の伸長を最適化するために、第1のバルーンを加熱して伸長させるステップを含み得る。方法は、第2のバルーンの内側壁の伸長を最適化するために、第2のバルーンを加熱して伸長させるステップを含み得る。一部の実施形態では、第2のバルーンは、第1のバルーンと異なる伸長特性を有する。
一部の実施形態では、入れ子式バルーンを作る方法が提供される。方法は、第1の内側層と第1の外側層とを備える第1の共押出しチューブ部分を選択するステップであって、第1の内側層および第1の外側層は、同じまたは異なる伸長特性を伴う同じまたは異なる材料のいずれかを有する、ステップを含み得る。方法は、第2の内側層と第2の外側層とを備える第2の共押出しチューブ部分を選択するステップであって、第2の内側層および第2の外側層は、同じまたは異なる伸長特性を伴う同じまたは異なる材料を有する、ステップを含み得る。方法は、第1および第2の共押出しチューブ部分の各々の層を、その最適な径方向伸長のおおよそ15%以内まで伸長させるステップであって、各々の層についての最適な径方向伸長は、層の内面に基づいて決定される、ステップを含み得る。方法は、入れ子式バルーンを形成するために、第1の共押出しチューブ部分を第2の共押出しチューブ部分内で位置決めするステップを含み得る。
一部の実施形態では、伸長させるステップは、位置決めするステップの前に実施される。一部の実施形態では、伸長させるステップは、位置決めするステップの後に実施される。方法は、第1の共押出しチューブ部分にひだを付けるステップを含み得る。方法は、第1の共押出しチューブ部分を巻き付けるステップを含み得る。一部の実施形態では、ひだを付けるステップおよび巻き付けるステップは、位置決めするステップの前に実施される。一部の実施形態では、第2の内側層の径方向内側を向く面に滑り層が設けられる。一部の実施形態では、滑り層はカーボンナノ粒子を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの層はナイロンを含む。一部の実施形態では、第2の外側層はナイロンを含む。一部の実施形態では、伸長させるステップは、各々の層をその最適な径方向伸長のおおよそ10%以内まで伸長させるステップを含む。一部の実施形態では、伸長させるステップは、各々の層をその最適な径方向伸長のおおよそ5%以内まで伸長させるステップを含む。一部の実施形態では、第1の共押出しチューブ部分および第2の共押出しチューブ部分は、圧力が入れ子式バルーンに加えられるとき、おおよそ同じ圧力にならない。一部の実施形態では、第1および第2の共押出しチューブ部分は、少なくとも約40気圧の加えられる圧力に耐えるように構成される。一部の実施形態では、第1および第2の共押出しチューブ部分は、少なくとも約50気圧の加えられる圧力に耐えるように構成される。一部の実施形態では、第1および第2の共押出しチューブ部分は、実質的に同じ内径と実質的に同じ外径とを有する。
一部の実施形態では、平均的な破裂圧力は、入れ子式バルーンを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンの平均的な破裂圧力より少なくとも30%大きい。一部の実施形態では、平均的な破裂圧力は、入れ子式バルーンを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンの平均的な破裂圧力より少なくとも40%大きい。一部の実施形態では、平均的な破裂圧力は、入れ子式バルーンを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンの平均的な破裂圧力より少なくとも50%大きい。一部の実施形態では、平均的な破裂圧力は、入れ子式バルーンを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンの平均的な破裂圧力より少なくとも60%大きい。一部の実施形態では、最大の周方向応力は、入れ子式バルーンを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンの最大の周方向応力より少なくとも30%大きい。一部の実施形態では、最大の周方向応力は、入れ子式バルーンを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンの最大の周方向応力より少なくとも40%大きい。一部の実施形態では、最大の周方向応力は、入れ子式バルーンを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンの最大の周方向応力より少なくとも50%大きい。一部の実施形態では、最大の周方向応力は、入れ子式バルーンを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンの最大の周方向応力より少なくとも60%大きい。
一部の実施形態では、入れ子式バルーンを作る方法が提供される。方法は、第1の内側層と第1の外側層とを備える第1の共押出しバルーンを選択するステップであって、第1の内側層および第1の外側層は、異なる伸長特性を伴う異なる材料を有する、ステップを含み得る。方法は、第2の共押出しバルーンを選択するステップを含み得る。方法は、第1のバルーンを第1の内側層の内面の最適な径方向伸長のおおよそ15%内まで拡張するステップを含み得る。方法は、第2のバルーンを第2のバルーンの内面の最適な径方向伸長のおおよそ15%内まで拡張するステップを含み得る。方法は、第1の共押出しバルーンを第2の共押出しバルーン内で入れ子にするステップを含み得る。一部の実施形態では、第1の内側層は、ナイロンより低い強度で低い硬度の材料を含む。
一部の実施形態では、入れ子式バルーンを作る方法が提供される。方法は、第1の内側層と第1の外側層とを備える第1の共押出しバルーンを選択するステップを含み得る。方法は、第2の内側層と第2の外側層とを備える第2の共押出しバルーンを選択するステップであって、第2の内側層および第2の外側層は、異なる伸長特性を伴う異なる材料を有する、ステップを含み得る。方法は、第1のバルーンを第1の内側層の内面の最適な径方向伸長のおおよそ15%内まで拡張するステップを含み得る。方法は、第2のバルーンを第2の内側層の内面の最適な径方向伸長のおおよそ15%内まで拡張するステップを含み得る。方法は、第1の共押出しバルーンを第2の共押出しバルーン内で入れ子にするステップを含み得る。一部の実施形態では、第2の外側層はナイロンを含む。
一部の実施形態では、入れ子式バルーンが提供される。入れ子式バルーンは、内側層と外側層とを有する第1のバルーンを備えてもよく、第1のバルーンの各々のバルーン層は、その内側壁において第1の二軸分子配向を有する。入れ子式バルーンは、第1のバルーン内に配置されるように構成される第2のバルーンを備えてもよく、第2のバルーンは、内側層と外側層とを有し、第2のバルーンの各々のバルーン層は、その内側壁において第2の二軸分子配向を有する。一部の実施形態では、内側層のうちの少なくとも一方の内側壁の拡張率は、内側層がさらなる伸長に対抗するように実質的に最適化される。一部の実施形態では、第1のバルーンの首部の少なくとも一方の端は、第2のバルーンの首部の対応する端から軸方向にずらされる。
一部の実施形態では、両方の内側層の内側壁の拡張率は、内側層がさらなる伸長に対抗するように最適化される。一部の実施形態では、第1のバルーンおよび第2のバルーンは、異なる伸長特性を有する少なくとも2つの異なる材料で、共押出しチューブから各々形成される。一部の実施形態では、第1のバルーンの外側層は、第2のバルーンの内側層に対して滑るように構成される。一部の実施形態では、内側層のうちの少なくとも一方は応力亀裂軽減層を備える。一部の実施形態では、第1のバルーンの首部は、カテーテルの近位端から離間された場所において、第2のバルーンの首部に溶着される。一部の実施形態では、第1のバルーンの首部の少なくとも一方の端は、第2のバルーンの首部の対応する端から千鳥配置される。一部の実施形態では、第2のバルーンの首部は、第1のバルーンの首部より小さい直径を有する。一部の実施形態では、第2のバルーンの首部は、第1のバルーンの首部より大きい長さを有する。一部の実施形態では、第2のバルーンの首部は、カテーテルに溶着されるように構成される。一部の実施形態では、第1のバルーンの首部は、第2のバルーンの首部に沿った場所において第2のバルーンの首部に溶接されるように構成される。
一部の実施形態では、入れ子式バルーンを作る方法が提供される。方法は、第1の内側層と第1の外側層とを備える第1の共押出しチューブ部分を選択するステップであって、第1の内側層および第1の外側層は、異なる伸長特性を伴う異なる材料を有する、ステップを含み得る。方法は、第2の内側層と第2の外側層とを備える第2の共押出しチューブ部分を選択するステップであって、第2の内側層および第2の外側層は、異なる伸長特性を伴う異なる材料を有する、ステップを含み得る。方法は、入れ子式バルーンを形成するために、第1の共押出しチューブ部分を第2の共押出しチューブ部分内で位置決めするステップを含み得る。一部の実施形態では、第1のバルーンの首部の少なくとも一方の端は、第2のバルーンの首部の対応する端から軸方向にずらされる。
方法は、第1および第2の共押出しチューブ部分の各々の層を、その最適な径方向伸長のおおよそ15%以内まで伸長させるステップであって、各々の層についての最適な径方向伸長は、層の内面に基づいて決定される、ステップを含み得る。方法は、第1の共押出しチューブ部分にひだを付けるステップを含み得る。方法は、第1の共押出しチューブ部分を巻き付けるステップを含み得る。一部の実施形態では、第2の内側層の径方向内側を向く面に滑り層が設けられる。一部の実施形態では、少なくとも1つの層はナイロンを含む。一部の実施形態では、第2の外側層はナイロンを含む。一部の実施形態では、第1の共押出しチューブ部分および第2の共押出しチューブ部分は、圧力が入れ子式バルーンに加えられるとき、おおよそ同じ圧力にならない。方法は、第2のバルーンの首部をカテーテルに溶接するステップを含み得る。一部の実施形態では、第1のバルーンの首部を、第2のバルーンの首部に沿った場所において第2のバルーンの首部に溶接するステップを含み得る。
他の態様は、同じまたは異なる材料特性を有する2つのバルーンを伴う入れ子式バルーンを備える。一部の実施形態では、バルーンのうちの少なくとも一方の外側層は、高い強度および硬度の材料を含み得る。なおも他の態様では、外側層は、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリウレタン、およびそれらの共重合体であり得る。1つの適切な材料はポリアミド(ナイロン)である。他の材料または化学的組成の構造層を伴うさらなる変形が可能であることは、明らかである。
一部の実施形態では、バルーンのうちの少なくとも一方の内側層は、低い強度および硬度の材料を含み得る。1つの適切な材料はペバックス(アルケマポリエーテルブロックアミド)である。他の態様はバルーンを備え、バルーンのうちの少なくとも1つの少なくとも1つの層が少なくとも1つの低摩擦表面を有する。バルーンのうちの1つの内側層は、隣接するバルーン間の滑りを有利に可能にするために、低摩擦係数を有し得る。結果として、入れ子式バルーンの柔軟性が、同じ壁の厚さを有する単一のバルーンに対して高められる。他の態様は、例えば、3つの構造層、4つの構造層、および5つの構造層など、各々の個別のバルーンについて異なる数の構造層を伴う。
他の態様は、各々のバルーンが異なる大きさ(例えば、直径および/または壁厚)を有する入れ子式バルーンを伴う。一部の実施形態では、各々のバルーンは、同じ材料から、または、実質的に同一の機械的特性を有する材料からなる。一部の実施形態では、各々のバルーンは、バルーンの本体部に同じ度合いの分子配向を有する。
他の態様は、複数のバルーンを入れ子にすることで、小さい摩擦境界面を伴うバルーンを作り出すための方法を伴う。これらの方法は、互いに組み合わされてもよく、より強いバルーンを生産するために、他のバルーンを形成する方法と組み合わされてもよいことは、明らかである。
一態様では、バルーンの本体は、適切な大きさを有することを確保するために、異なる型で別々に形成され得る。首部は、カテーテルへの最適な溶接および/または取り付けを確保するために特に設計され得る。他の方法が用いられ得ることは明らかである。同様の結果が、外側バルーンを内側バルーンより幅広に作ることで達成され得る。
別の態様では、別々に形成されたバルーンは、1つのバルーンをより薄くして挿入を容易にするために、1つのバルーンの配向を変えた後、入れ子にされ得る。
バルーンは、同等の破裂強度および/または分子配向を得るために、同じように形成および処理される必要はない。これは、異なる材料のバルーンに特に当てはまる。他の適切な方法が、バルーン間に均一の分子配列を達成するために使用されてもよい。
一部の実施形態の別の態様では、すでに入れ子にされたバルーンが単一のバルーンとして取り扱われ得る。結果として、本明細書で具体的に開示されている数より多くの数のバルーン(およそまたは少なくともほぼ2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、またはより多くのバルーン)を伴う入れ子式バルーンを製造することができる。
高圧のバルーンカテーテルの性能評価のための一部の重要なパラメータには、定格破裂圧力、バルーン伸展性、導入器の大きさ、カテーテルの折り畳まれたバルーン部分の柔軟性、および生産コストがある。一部の実施形態では、定格破裂圧力は、約で20気圧以上、25気圧以上、30気圧以上、35気圧以上、またはそれ以上の気圧である。一部の実施形態では、バルーン伸展性は、名目上の圧力と定格破裂圧力との間で測定されるとき、約5パーセント未満である。
ここで、本発明のこれらおよび他の特徴、態様、および利点が、添付の図面に示した本発明の好ましい実施形態との関連で記載される。しかしながら、図示した実施形態は、単なる例であり、本発明を限定するように意図されていない。図面は、以下のように簡潔に説明される。
例示の先行技術のバルーンカテーテルの斜視図である。 先行技術のバルーンカテーテルシャフトの断面の拡大した斜視図である。 複数のひだを有するバルーンカテーテルの斜視図である。 巻き付けが実施される前のひだ付きバルーンカテーテルの断面図である。 巻き付けの後のひだ付きバルーンカテーテルの断面図である。 巻き付けの後の異なるひだ付きバルーンカテーテルの拡大した断面図である。 巻き付けの後の異なるひだ付きバルーンカテーテルの拡大した断面図である。 巻き付けの後の異なるひだ付きバルーンカテーテルの拡大した断面図である。 巻き付けおよび圧縮の後のひだ付きバルーンカテーテルの拡大した断面図である。 巻き付けるときに亀裂変形が生じたひだ付きバルーンカテーテルの拡大した断面図である。 軸方向の破れが生じたバルーンカテーテルの斜視図である。 フィッシュアイ変形が生じたバルーンカテーテルの斜視図である。 巻き付けの後のひだ付き入れ子式バルーンカテーテルの拡大した断面図である。 巻き付けの後のひだ付き単一バルーンカテーテルの拡大した断面図である。 膨張の後の入れ子式バルーンカテーテルの断面図である。 膨張の後の単一バルーンカテーテルの断面図である。 吹込み成形工程を通じて分子鎖を配列するためのポリマーの伸長を示す概略図である。 x軸においてバルーンが形成の間に伸長する歪みまたは大きさと、y軸における応力または加えられる圧力とを伴う応力-歪み曲線である。図10は、最適な伸長がひとたび達成されると、バルーン材料がその最も大きい強度を有し、さらなる増大に抵抗することを示している。 拡張されるときの単一バルーンチューブの内径の伸長および外径の伸長を示し、外径の伸長が内径の伸長より小さいことを示す図である。 単一バルーンチューブの内側壁の伸長が最適化されるとき、外側壁の伸長は、準最適であり、加えられる圧力が増加するときに拡張し続けることを示す応力-歪み曲線である。 拡張されていない状態および拡張されている状態における単一バルーンチューブの内半径および外半径を示す図である。 x軸における壁厚と、y軸における内側壁の伸長に対する外側壁の伸長の比とを伴う、2mm、4mm、6mm、8mm、および10mmの直径を有する単一バルーンカテーテルを示すグラフである。 図16のグラフにおいて表されている単一バルーンカテーテルの壁輪郭を示す概略図である。 x軸における壁位置と、y軸における内側バルーン伸長の百分率とを伴う壁切片の関数として、相対的な伸長の比を示す単一バルーンカテーテルのグラフである。 x軸における壁厚と、y軸における、内側壁伸長に対する外側壁伸長の相対的な比によって調節された壁厚とを伴う相対的な壁の強度を示す単一バルーンカテーテルのグラフである。 二重の層のバルーンを形成するときに同じ材料の入れ子とされたチューブについての内側の伸長/外側の伸長を示す概略図である。 単一バルーンの対応する壁切片の内側の伸長に対する、内側壁伸長が外側押出しにおいて最適化されていない、図18の入れ子式チューブから形成された2つの同一でないバルーンを有する入れ子式バルーンの壁切片の内側の伸長のグラフである。 x軸において、図18の入れ子式チューブについての形成の間にバルーンが伸長する歪みまたは大きさと、y軸における応力または加えられる圧力とを伴う応力-歪み曲線である。図20は、最適な伸長が内側バルーンの内側壁について達成されるだけであることを示している。 x軸における二重壁の厚さと、y軸における平均的な破裂圧力とを伴う、厚さに伴って増加する平均的な破裂圧力を示す多数のバルーンロットのグラフである。 x軸における二重壁の厚さと、y軸における周方向応力とを伴う、均一な材料の最大の周方向応力から逸脱する図21に示したバルーンロットの最大の周方向応力を示すグラフである。 x軸における二重壁の厚さと、y軸における平均的な破裂圧力とを伴う、均一な材料の平均的な破裂圧力から逸脱する平均的な破裂圧力を示す図21のグラフである。 二重層バルーンを形成するために異なる最大伸長特性を持つ材料からの共押出しチューブの内径伸長と外径伸長とを示す図である。 x軸における二重壁の厚さと、y軸における平均的な破裂圧力とを伴う、入れ子式バルーンの追加された図21からのグラフである。 x軸における二重壁の厚さと、y軸における周方向応力とを伴う、入れ子式バルーンの追加された図22のグラフである。 内側壁伸長が最大強度のために最適化されているチューブから製造された単一バルーンカテーテルおよび二重層バルーンカテーテルのグラフである。単一バルーンと二重層バルーンとの両方が同じ全体の壁厚を有する。二重層バルーンは、図24に示しているように押出しチューブから吹き込まれる入れ子式バルーンまたはバルーンであり得る。図27は、単一バルーンの対応する壁切片の内側の伸長に対する二重層バルーンの各々の層の壁切片の内側の伸長を示す。 長手方向および横方向に配列されて示された要素を有するバルーンカテーテルの斜視図である。 図28Aに示しているように、バルーンカテーテルの長手方向に配列された要素の拡大した斜視図である。 加えられた力および最大撓みを伴って示された、片持ち梁のように曲がっている小さい厚さの要素の図である。 加えられた力および最大撓みを伴って示された、片持ち梁のように曲がっている大きい厚さの要素の図である。 加えられた力および最大撓みを伴って示された、片持ち梁のように曲がっている小さい厚さを各々有する3つのバルーンを備える要素の図である。 図29Cに示した要素の拡大した側方からの立面図である。 入れ子式バルーンを形成するためにバルーンを入れ子にするための方法で用いられる内側バルーンの側方からの立面図である。 図30Aの入れ子式バルーンのための方法の加熱および伸長(誇張して示されている)の後の内側バルーンの側方からの立面図である。 図30Aの入れ子式バルーンのための方法のひだ付けの後の内側バルーンの側方からの立面図である。 内側バルーンが、図30Aの入れ子式バルーンための方法で用いられる外側バルーンに挿入される、入れ子式バルーンの側方からの立面図である。 入れ子式バルーンを伴うカテーテルの側方からの立面図である。 同等の強度を伴う単一バルーンのために構成されたバルーン溶接の側方からの立面図である。 多層バルーンのために構成されたバルーン溶接の側方からの立面図である。 入れ子式バルーンのために構成されたバルーン溶接の側方からの立面図である。 所与の壁厚における共押出しされた内側層と共押出しされた外側層とを備える入れ子式バルーンの優れた予想外の壁伸長特性を、同じ壁厚を有する単一層バルーンに対して図示および比較する、単一バルーンカテーテルおよび入れ子式バルーンカテーテルのグラフである。前述したように、入れ子式バルーンカテーテルにおける各々のバルーンは、共押出しチューブから製造された二重層バルーンである。単一バルーンと入れ子式バルーンとの両方が同じ全体の壁厚を有する。図33Aは、応力亀裂軽減内側層が最適化されていない実施形態を示している。 所与の壁厚における共押出しされた内側層と共押出しされた外側層とを備える入れ子式バルーンの優れた予想外の壁伸長特性を、同じ壁厚を有する単一層バルーンに対して図示および比較する、単一バルーンカテーテルおよび入れ子式バルーンカテーテルのグラフである。前述したように、入れ子式バルーンカテーテルにおける各々のバルーンは、共押出しチューブから製造された二重層バルーンである。単一バルーンと入れ子式バルーンとの両方が同じ全体の壁厚を有する。図33Bは、応力亀裂軽減内側層が最適化されている実施形態を示している。 一部の実施形態による、ナイロンバルーンの平均的な破裂圧力についての標準偏差のグラフである。 一部の実施形態による、伸展性が名目上の圧力から定格破裂圧力までのバルーン直径における百分率変化である、ナイロンバルーンの伸展性のグラフである。 一部の実施形態による、標準的なバルーン伸展性を計算するための初期直径がより小さいと、より大きい伸展性値をもたらすことを示す、入れ子式バルーンの伸展性のグラフである。 一部の実施形態による、アニーリングされていない入れ子式バルーンについて、圧力の変化による直径の変化のグラフである。 一部の実施形態による、アニーリングされている入れ子式バルーンについて、圧力の変化による直径の変化のグラフである。
ここで、本発明の実施形態が、好ましい実施形態が示されている添付の図面を参照して、以後より完全に記載されることになる。しかしながら、本発明は、異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に明記されている実施形態に限定されるとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が完全となり、当業者への本発明の範囲の例示となるように提供されている。
図1Aおよび図1Bは、先行技術のバルーンカテーテルシステム1の例示の実施形態を示している。バルーン2は、カテーテルシャフト3の遠位端に取り付けられ、膨張ルーメン4を通じて膨張させる。案内ワイヤルーメン5がカテーテルシステム1に設けられており、カテーテルシステム1は、システム1が患者内に配置されるとき、バルーン2およびカテーテル3の外部からの制御を可能にする。さらなる変形(例えば、素早い交換、同心のルーメンなど)がこの構造のために可能であることに留意されたい。
図2は、巻き付けられていない収縮させた構成での先行技術のカテーテルバルーン2の実施形態の斜視図を示している。バルーン2は、典型的には3つから8つのひだの範囲である複数のひだ6へと折り畳まれている。複数のひだ6は、バルーン7の長手方向と実質的に平行な方向に形成されている。複数のひだ6は、ひだ付きバルーン2をカテーテルシャフト3の周りに後で巻き付けるのを容易にするために、若干湾曲させて折り畳まれている(図1Aに示されるように)。バルーン2は、バルーン50の近位首部とバルーン51の遠位首部との両方において、カテーテルシャフト3に付着している。バルーン2は本体部52も備えており、本体部52は、バルーン2が特定の医療処置の間に患者の体の中に配置されるとき、膨張および収縮させることができる。
図3Aは、カテーテルシャフト3における先行技術のひだ付きバルーン2の実施形態の断面を示している。ひだ付きバルーン2は複数のひだ6を有する。図示した実施形態では、複数のひだ6は、6つのひだを備えている。収縮させたひだ付きバルーン2は、比較的小さい断面積を有するが、薄いひだ6がカテーテルシャフト3から径方向外向きに伸長するため、比較的大きい直径を有し得る。膨張すると、バルーン2は、図3Aにおいて円形の仮想線で示されているように、はるかに大きい直径および断面積8を有するように拡張できる。
図3Bは、先行技術のひだ付きバルーン2の実施形態が巻き付けられた後のその断面を示している。複数のひだ6は、互いに、および、カテーテルシャフト3と密接するように、カテーテルシャフト3の周りに折り畳まれている。バルーン2が巻き付けられると、収縮させたバルーンの直径および断面積9(横断輪郭と称される場合がある)は、膨張させたバルーンの直径および断面積8(図3Bでは円形の仮想線で見られる)よりはるかに小さくなる。バルーン2に小さい直径および断面積9を持たせることで、カテーテル3を、患者の体内のより小さい通路を通じて案内することができる。より大きい直径および断面積8を有するようにバルーン2を膨張させることは、カテーテル3が患者の体の中で特定の治療部位にひとたび到達すると、より大きいステントの配置、より大きい通路の閉塞、および、概してより優れた多用途性を有利に可能にする。
図3C〜図3Eは、バルーンを折り畳むパターンのいくつかの構成の拡大図を概して示している。図3Cは、巻き付けの後の先行技術のひだ付きバルーン2cの断面の拡大した側方からの立面図を示している。図3Cに示しているように、カテーテルシャフト3の周りに巻き付けられたバルーン2cの大きさの縮小は、バルーンの曲げ半径10cによって制限されている。概して、バルーンの曲げ半径は、図3Cを図3Dおよび図3Eと比較することで見られ得るように、バルーンの厚さおよび強靱性と共に増加する。図3Dは、図3Cに示したバルーン2cより厚いバルーン2dを示している。図3Dで見られるように、より厚いバルーン2dについての曲げ半径10dは、図3Cにおけるバルーン2cの曲げ半径より大きい。図3Eは、図3Cのバルーン2cと同じ厚さを有するが、図3Cのバルーンの材料より大きい強靱性または小さい柔軟性の材料からなるバルーン2eを示している。図3Eで見られるように、より強靱なバルーン2eについての曲げ半径10eも、図3Cにおけるバルーン2cの曲げ半径より大きい。したがって、より厚いバルーン2dおよびより強靱なバルーン2eは、典型的には、図3Cのバルーン2cと同じ小ささの断面へと折り畳むことができない。バルーンの曲げ半径は、バルーンをその曲げ半径を超えて折り曲げると、膨張させるときに破裂に対するバルーンの抵抗を低下させる変形を引き起こし得るため、重要である。
図3Fは、カテーテルシャフト3の周りに巻き付けられたバルーン2fを示している。バルーン2fは、無視することができる曲げ半径を有しており、そのため、折り曲げられて巻き付けられたバルーン2fの外面に突起が生じることなく、カテーテルシャフト3の周りにぴったりと巻き付けることができる。有利には、この構成は、患者の体へのバルーンカテーテルシステムの挿入の前および最中に、バルーン2fの直径および断面を最小にすることができる。また、後でより詳細に説明するように、この構成は、バルーンの外面に生じる変形による、医療行為の間のバルーン2fの損傷を最小限にする。
図4〜図6は、バルーンの外面において生じ得る変形を概して示している。図4に示しているように、巻き付けられたバルーン2は、その曲げ半径10を超えて折り畳まれて圧縮されており、折り畳みの場所の近くで、巻き付けられたバルーン2の外面に亀裂11を作り出している。このような亀裂は、より小さい伸展性の材料についてより起こりやすく、その材料は、より大きな破裂強度も概して有する。したがって、破裂強度と柔軟性との間に大まかな二律背反がある。亀裂11が形成されると、バルーン2が膨張するときに応力が亀裂11の近くに集中し、亀裂11を拡張させ、最終的にバルーン2の損傷(例えば、破裂によって)を引き起こす。
図5は、バルーンにおいて起こる別の変形を示している。ステントなどの医療装置は、バルーン2に適用されるとき、引っ掻きまたは軸方向の破れ12を作り出す可能性がある。引っ掻きまたは軸方向の破れ12は、概して、バルーン2の長手方向に延びる。ここでも、引っ掻きの可能性は、より大きい伸展性の材料を用いることで最小限にでき、その材料はより小さい破裂強度も有する。引っ掻き12が形成されると、バルーン2が膨張するときに応力が引っ掻き12の近くに集中し、引っ掻き12を拡張させ、最終的にバルーン2の損傷(例えば、破裂によって)を引き起こす。
図6は、なおも別の種類の変形を示している。バルーンが形成されるとき、低分子密度の領域、または、分子格子における不完全部があり得る。結果として、小さい孔13が、バルーン2が伸長するときにできる可能性がある。孔13は、バルーン2がさらに伸長するにつれて増大する可能性があり、「魚の目(フィッシュアイ)」に似ていることが多い。応力は、フィッシュアイ変形13の縁の近くに集中する。バルーン2が膨張の間に伸長するため、これもバルーン2の損傷(例えば、破裂によって)をもたらす可能性がある。
図7Aおよび図8Aは、第1のバルーン20、第2のバルーン22、および第3のバルーン24を有する入れ子式バルーン2の実施形態の拡大した断面を示している。各々のバルーンは、同じ工程または異なる工程によって形成され得る。一部の実施形態では、第1のバルーン20、第2のバルーン22、および第3のバルーン24のうちの1つまたは複数は、パリソンまたは共押出しから形成される。入れ子式バルーン2は3つのバルーン20、22、24で示されているが、他の構成が検討されてもよい(例えば、2つのバルーン、4つのバルーン、5つのバルーン、6つのバルーンなど)。
入れ子式バルーン2が複数のバルーンを備える一部の実施形態では、1つまたは複数のバルーンは、前述したように、1つ、2つ、またはそれ以上の層を備え得る。一部の実施形態では、入れ子式バルーンにおける各々のバルーンは、1つまたは複数の層を備え得る。一部の実施形態では、入れ子式バルーンにおける各々のバルーンは、2つ以上の層を備え得る。一部の実施形態では、同じバルーンの2つ以上の層が異なる特性を有する。一部の実施形態では、同じバルーンの2つ以上の層が同じ特性を有する。一部の実施形態では、単一のバルーンの2つ以上の層が一体に結合される。一部の実施形態では、単一のバルーンの2つ以上の層が一体に形成される。
層の特性は、入れ子式バルーン内の層の場所に依存する可能性がある。例えば、第1のバルーン20は、高い強度および硬度の材料など、外側層を備え得る。第1のバルーン20は、小さい摩擦係数を有する材料など、内側層を備え得る。外側層と内側層とは一体に結合され得る。他の層が、第1のバルーン20の外側層と内側層との間に配置され得る。各々の層は内側壁を有し得る。内側壁の特性は、本明細書で開示しているように最適化され得る。第1のバルーン20、第2のバルーン22、および第3のバルーン24の層の材料選択は、本明細書においてより詳しく記載されている。
入れ子式バルーン2が、図7Aにおいて巻き付けられた位置で示されている。巻き付けられた位置は、図3Aおよび図3Bに関連して記載されている。比較として、単一バルーン2'も、図7Bにおいて巻き付けられた位置で示されている。図7Aおよび図7Bに示したバルーン2、2'の累積の厚さは等しい。
3つのバルーンを伴う一部の実施形態では、入れ子式バルーン2の第1のバルーン20は、図7Bに示した単一バルーン2'の厚さのおおよそ3分の1の厚さを有する。第2のバルーン22および第3のバルーン24も、図7Bに示した単一バルーン2'の厚さのおおよそ3分の1の厚さを各々有する。他の実施形態では、バルーン20、22、24は、単一バルーン2'の累積的な厚さに等しい不均等の厚さを有する。3つのバルーン20、22、24は図7Aに示されているが、2つのバルーンまたは4つのバルーンなど、他の構成が可能である。一部の実施形態では、2つのバルーンの入れ子式バルーン2の各々のバルーンは、単一バルーン2'の厚さの2分の1を有する。一部の実施形態では、4つのバルーンの入れ子式バルーン2の各々のバルーンは、単一バルーン2'の厚さの2分の1を有する。入れ子式バルーン2の各々のバルーン20、22、24は、図7Bの単一バルーン2'より薄いため、曲げ半径10はより小さい。図7Aの入れ子式バルーン2の累積的な厚さが、図7Bの単一バルーン2'の厚さと実質的に同じであるため、破裂圧力Pは、一部の場合では、入れ子式バルーン2の隣接するバルーン20、22、24が互いに対して滑ることができる限り、実質的に同じであり得る。しかしながら、一部の実施形態では、材料と、他のパラメータと、所望の臨床結果とに依存して、入れ子式バルーンの破裂圧力は、同じ累積的厚さを有する単一バルーンより大きい可能性がある。
一部の実施形態では、入れ子式バルーン2は、第1のバルーン20と第2のバルーン22とを備えるが、第3のバルーン24を備えない。一部の実施形態では、第1のバルーン20は、単一バルーン2'の2分の1の厚さを有し、第2のバルーン22は、単一バルーン2'の2分の1の厚さを有する。各々のバルーン20、22は、図7Bの単一バルーン2'より薄いため、曲げ半径10はより小さい。
図7Bおよび図8Bに示しているように、単一バルーン2'は、図7Aおよび図8Aに示した入れ子式バルーン2の厚さと等しい全体厚さ3tを有する。この例では、各々のバルーン20、22、24は厚さtを有する。図7Bに示しているように、単一バルーン2'は、より大きい曲げ半径10'を有しており、したがって、カテーテルシャフト3に近付けるようにして折り畳むことができない。図7Aでは、入れ子式バルーン2の隣接するバルーン20、22、24は、互いに対して滑ることができる。入れ子式バルーンは、より小さい曲げ半径を有し、したがって、カテーテルシャフト3により近付けて折り畳むことができる。
入れ子の設計はより柔軟であるため、後で詳述するように、図4〜図6に示したような変形が、より起こりにくくなる。さらに、バルーンの材料または入れ子式バルーン2の層の材料は、変形の危険を低減するために選択されてもよい。一部の実施形態では、第1のバルーン20または第1のバルーン20の外側層は、引っ掻きに抵抗できる。
その間、入れ子式バルーン2についての破裂圧力Pは、本明細書で記載しているように、同等の厚さの単一バルーン2'についての破裂圧力Pとして示されるため、実質的により大きい。同様の効果は、各々のバルーン層において材料を変えることで、バルーンの数を変えることで、および、この実施形態の他の態様を変えることで達成できることは、明らかである。
一部の実施形態では、入れ子式バルーン2の第1のバルーン20は、引っ掻きおよび穿刺への耐性があることが好ましい外側層を有する。ステントなどのデバイスがカテーテルシステムに適用されるとき、そのデバイスは、典型的には入れ子式バルーン2に圧着される。適用される圧着力は、十分に強い付着力を提供するようにされるべきであるが、入れ子式バルーン2に引っ掻き、穿孔、または他の損傷を与えないようにもすべきである。第1のバルーン20の材料または第1のバルーン20の外側層(入れ子式バルーン2の外面を備え得る)を選択することで、引っ掻きによる損傷の危険は低減し得る。
第2のバルーン22および第3のバルーン24(入れ子式バルーン2の内側バルーンを備える)は、第1のバルーン20と同じ材料、または、第1のバルーン20と異なる材料から作られ得る。一部の実施形態では、第2のバルーン22および第3のバルーン24は同じ材料を含む。これらのバルーン22、24は、第1のバルーン20によって引っ掻きから保護でき、入れ子式バルーン2に追加的な強度を提供できる。前述の効果は、常に同時に達成される必要はなく、必ずしもバルーンの数、他のバルーンの組成、カテーテルによって運ばれるデバイスの形態、または、この実施形態の他の態様に必ずしも敏感でないことに留意されたい。
後でより詳細に説明するように、各々のバルーン20、22、24は、バルーンの破裂特性を最適化するために、本体部において異なる大きさおよび形とされてもよい。入れ子式バルーン2が膨張するとき、各々のバルーン20、22、24は伸長し、各々のバルーン20、22、24の厚さを縮小させる。入れ子式バルーン2は、本明細書で説明しているように、各々のバルーン20、22、24の内側壁が最適な伸長の位置に到達するように設計され得る。各々のバルーン20、22、24の内側壁が最適な伸長に到達するとき、各々のバルーン20、22、24の外側壁の伸長は、単一のバルーン2'の外側壁より最適である。図7Aおよび図7Bに戻って参照すると、各々のバルーン20、22、24は厚さtを有し、単一バルーン2'は厚さ3tを有する。単一バルーン2'の内側壁から外側壁までの伸長の傾斜より、各々のバルーン20、22、24の内側壁から外側壁までの伸長の傾斜は小さい。
一部の実施形態では、バルーン20、22、24の各々について異なる材料を取り入れることで、入れ子式バルーン2を、必要な直径において各々の内側壁の最適な伸長に到達させることができる。一部の実施形態では、バルーン20、22、24の各々について異なる大きさを取り入れることで、入れ子式バルーン2を、必要な直径において各々の内側壁の最適な伸長に到達させることができる。一部の実施形態では、バルーン20、22、24の各々の層の設計は、入れ子式バルーン2を、必要な直径において各々の内側壁の最適な伸長に到達させることができる。
入れ子の構成において、第1のバルーン20の内側壁は、チューブ(収縮させている)の直径と必要とされる直径(膨張させている)との間の距離まで伸長する必要がある。第1のバルーン20の内側に配置された第2のバルーン22の内側壁は、チューブ(収縮させている)の直径と必要とされる直径(膨張させている)との間の第1のバルーン20より大きい距離まで伸長する必要がある。第2のバルーン22の内側に配置される第3のバルーンの内側壁は、もしある場合、チューブ(収縮させている)の直径と必要とされる直径(膨張させている)との間の第1のバルーン20および第2のバルーンより大きい距離まで伸長する必要がある。第3のバルーン24の内側壁は、もしある場合、最も大きい距離まで伸長する必要がある。構成は図8Aに示されている。バルーン20、22、24は、各々のバルーンの内側壁の伸長の適合を可能にするために、同じ直径または異なる直径のチューブから形成できる。バルーン20、22、24は、各々のバルーンの内側壁の伸長の適合を可能にするために、同じ材料または異なる材料から形成できる。
図9および図10を参照すると、バルーン形成における吹込み成形の目的は、最大の強度および半伸展性を達成するためにポリマー材料を伸長することである。高圧のPTAおよびPTCAのカテーテルで使用される吹込み成形では、意図は、ポリマー分子をバルーンの長さおよび周囲に沿って配列するように、二軸の形でチューブ用ポリマーを伸長することである。分子鎖のこの配列は図9に示されている。伸長させる工程の間、材料はポリマー鎖が配列されるまで増大する。ポリマー鎖が配列されると、材料は、さらなる増大に抵抗し、最大強度を提供する。このような配向は、材料にとって最も大きい強度を提供し、さらなる伸長への抵抗を提供する。バルーンを形成する薄いポリマー膜の極端な強度は、二軸分子配向に由来する。完全に配向された材料の最終的な引っ張り強さは、押出し時のチューブと比較して4倍から5倍増加する。分子配向の範囲は、バルーンの壁に付与される伸長(例えば、変形、歪み)の大きさに比例する。
理論的には、各々の材料について最適な伸長がある。これは、図10における理想的な応力-歪み曲線に示されている。伸長によって引き起こされた歪みに応じて、材料は、図10において平坦な領域によって示されている比較的一様な応力を呈する。ポリマー鎖が最適な伸長位置で配列されると、材料は、応力の増加によって示されているように、さらなる増大に抵抗する。理想的な場合、ポリマー鎖は、最適な伸長位置で均一に伸長する。様々なポリマー材料が、均一な分子配列を達成するために、異なる理想的な伸長比を有することになる。例えば、チューブが、図10に示した平坦な領域に沿った任意の位置など、十分に伸長していない場合、ポリマーは最適な配列および強度を達成しない。このようなバルーンを加圧すると、特に適切な温度および寸法制御のないとき、制御されない状態で、ポリマー鎖のさらなる増大と伸長とをもたらす。予想される結果は、破裂圧力の低減、疲労(最大圧力に繰り返し膨張する能力)の低減、および伸展性における回復の欠如である。例えば、チューブが、最適な伸長位置を越える任意の位置など、過剰に伸長する場合、ポリマーは歪み、より低い圧力および低減された疲労で破裂する結果となる。
バルーンのための最適な伸長は、いくつかの変数に依存している。所与の材料について、バルーンの最適な強度を提供する計算された最適な伸長がある。計算された最適な伸長は、例えば、バルーンの直径、および、バルーンを構成する層の厚さに依存している。実際には、バルーンをその正確に最適な伸長へと伸長させることは非常に難しい可能性がある。したがって、ほとんどの用途について、材料を、10%未満など、その最適な伸長の15%以内まで伸長させることは、最適なバルーン強度を提供することになる。
バルーン形成工程の間、ポリマー材料は、ポリマー鎖の二軸配向を達成するために、径方向と長手方向との両方で伸長させる。バルーンが典型的には円筒形であるため、作用する重要な応力の領域は2つある。第1の重要な応力の領域は、円筒の周囲に沿って位置を合わせた圧力から生じる周方向応力または径方向応力である。膨張したバルーンの周方向応力は、圧力に膨張したバルーンの半径を乗じたものを膨張したバルーンの厚さで割ったものに等しい。バルーンの周囲付近でのポリマーの伸長は、周方向応力による破裂に対する強度を提供する。ポリマーは、破裂を防止するために、樽の周りの帯のように作用する。第2の重要な応力の領域は、中心軸に沿って位置を合わせた軸方向応力または長手方向応力である。膨張したバルーンの軸方向応力は、圧力に膨張したバルーンの半径を乗算したものを膨張したバルーンの厚さの2倍で割ったものに等しい。そのため、周方向応力または径方向応力は、軸方向応力または長手方向応力の2倍である。結果として、径方向伸長を最適化することは、耐破裂性にとって、長手方向伸長より重要である。医療用バルーンについて、重大な属性は最大周方向強度であることが多い。
図11および図12を参照すると、径方向伸長は、ポリマー材料の均一な伸長を達成するための目標を阻害する。この理由は、バルーンがより厚い壁を有するチューブから吹込み成形されるからである。図11に示しているように、バルーン形成における阻害因子は、膨張したバルーンの内側壁に対するチューブの内側壁の周囲の伸長が、膨張したバルーンの外側壁に対するチューブの外側壁の周囲の伸長より常に大きいことである。チューブと膨張したバルーンとの間の壁厚の差は、最初のチューブの内側壁の伸長をそれぞれの外側壁の伸長より大きくすることになる。内側壁の伸長と外側壁の伸長との間のこの相違は、最初のチューブの厚さの増加と共に増加する。
一部の実施形態では、バルーンの外側壁は、同じバルーンの内側壁より小さいレベルの分子配向を有することになる。外側壁の分子配向のより小さいレベルは、チューブの内径からバルーン成形品の壁までの距離と比較して短い、チューブの外径からバルーン成形品の壁までの距離に関係する(バルーンの厚さは無視できると仮定する)。例えば、バルーンが、0.031の外径と0.019の内径とを有するナイロンチューブから生産される。成形品は、0.118の内径を有し、バルーンの厚さは、計算を簡単にするために、膨張したときは無視できる。外側壁についての拡張率は3.8(0.118/0.031)であり、内側壁の拡張率は6.2(0.118/0.019)である。
成形品は、内側壁が完全な分子配向に到達するように設計され得る。上記の例では、完全な分子配向が6.2の拡張率において起こると仮定する。最適な6.2ではなく、3.8の比率で拡張しただけの外側壁は、完全な分子配向に到達していない。より厚いチューブは、外側壁と内側壁との間の分子配向のレベルの相違をより大きくする。より薄いチューブは、外側壁と内側壁との間の分子配向のレベルの相違をより小さくすることがある。チューブの外径と内径との間の差が小さいほど、外側壁についての拡張率が大きくなる。チューブの外径と内径との間の差が小さいほど、外側壁は大きい分子配向を受ける。
当技術分野において直面する問題は、バルーンチューブの径方向伸長を最適化することである。チューブの内側壁と外側壁との間の不均一な伸長を考慮して、一部の実施形態は、内側壁の分子配向を最適化することを目指している。最も大きい周方向応力はバルーンの内側壁においてであり、そこでは分子は最大配向レベルにある。内側壁には、非常に小さい径方向の伸長性がある。バルーンを通じて外側壁に向かって移動する間、分子は最大の配向レベルにはない。外側壁では、外側壁がより小さい量で径方向に拡張するため(例えば、先の例では、6.2の最適な拡張率と比較して3.8の拡張率である)、より大きな径方向の伸長性がある。
分子配向の差はバルーン損傷に関する。一部の場合では、バルーンの割れが内側壁から始まる。内側壁は、最も大きい径方向の応力(例えば、最大の拡張)を受ける。最終的な破裂の損傷の前、微小な破れまたは応力亀裂が、バルーンの内側壁において形成され始めることになる。内側壁からのあらゆる追加的な力、せん断応力、または不均一な力は、微小な破れの形成を加速させることになる。外側壁は、最大の配向レベルになっていない(例えば、先の例では、6.2の最適な拡張率と比較して3.8の拡張率である)。そのため、あらゆる追加的な力、せん断応力、または不均一な力の伝達は、外側壁を伸長させることになり、そのためバルーンに追加的な強度を提供しない。バルーンの破裂強度は、内側壁を改良することで実質的に向上し得る。一部の実施形態では、バルーンは、異なる材料特性を有する層から形成される。内側壁は、応力亀裂軽減層として作用するために、より柔らかくより伸長性のある材料の内側層の表面であり得る。内側層は、内側層の強度および配向を最適化するために、径方向に伸長させてもよい。例えば、バルーン成形品は、内側壁が完全または実質的に完全な分子配向に到達するように設計され得る。応力亀裂形成を遅延または軽減させることで、バルーン破裂強度は実質的に増加し得る。増加の大きさは、バルーンの様々な特性の中でも、チューブの厚さ、バルーンの直径、および選択された材料に依存して、25%以上にもなり得る。
図12における応力-歪み曲線に示しているように、外側壁は、バルーンの内側壁に基づいて径方向伸長を最適にするとき、十分に伸長していない。応力-歪み曲線に示しているように、内側壁がそのポリマー鎖の最適な配列を達成するとき、外側壁は、図12の応力-歪み曲線のさらに下にあることで示されているように、そのポリマー鎖の最適な配列にまだ到達していない。バルーンの内側壁が損傷する場合、外側壁は伸長し続けることになり、そのため追加の強度をバルーンに提供しない。対照的に、外側壁の伸長が最適化される場合、内側壁は過剰に伸長する。結果として、内側壁は、バルーンの早すぎる損傷をもたらし得る微小な破れを生じさせることになる。そのため、一部の実施形態では、バルーンの設計は、外側壁よりも内側壁に基づいて、径方向伸長を最適にする。
外側壁の相対的な伸長不足は、かなりのものとなり得る。これは、所与の壁厚を伴うより小さい直径の中空の円筒(最初の押出しチューブ)の径方向の拡張を、より大きい直径とより薄い壁とを伴う中空の円筒(吹込み成形されたバルーン本体)に関連付ける数学モデルを用いて示すことができる。図13は、チューブおよびバルーンの断面から考慮される様々な半径を示している。格別に興味深いのは、内側壁伸長(Si=Ri/ri)および外側壁伸長(So=Ro/ro)である。Siが最適化された径方向伸長として与えられるとき、So/Siの相対比は、均一な壁の強度に対する径方向伸長の阻害の影響を実証するために用いられる。周囲の伸長は、径方向伸長として記載することもできる。内側壁伸長は(Si=2πRi/2πri=Ri/ri)と示され、外側壁伸長は(So=2πRo/2πro=Ro/ro)として示される。バルーン設計への最良の手法は内側壁伸長を最適化することであるため、Siは所与のものであると考えられる。ここでは、バルーンについてのroおよびSoを決定しなければならない。
断面における二軸伸長の効果を十分に理解するために、チューブとバルーンとの両方が円筒であると考えられる。後で明記されている式Iは、チューブの外径(ro)に基づく中空円筒の質量(M)と、チューブの内径(ri)と、長さ(L)と、密度(ρ)とを示している。
チューブとして表される中空の円筒をバルーンへと拡張するときに、質量は、後で明記されている式IIに示すように、同じままである。下付きのtを伴うパラメータはチューブに言及しており、下付きのBを伴うパラメータはバルーンに言及している。長さ、外径、内径、そしておそらくは密度は、変わり得る。質量が同じままであるため、式IIIに示しているように、チューブの半径とバルーンの半径との間に固定された関係がある。
Figure 0006898232
したがって、最適化された内側壁伸長(Si)を伴う所与の直径(2Ro)および壁厚(Wb)のバルーンについて、開始状態として用いなければならない特定のチューブの大きさがある。所与のバルーンについて、チューブについての必要とされる内半径は、バルーン外径から壁厚を減算したものを、使用されるポリマーについての最適な伸長で割ったものにすぎない。つまり、ri=(Ro-Wb)/Siである。チューブ外径roを決定することは、より複雑であるが、式IIIにおける等式から導くことができる。
後で明記しているように、式IVは、SLが長手方向伸長(SL=LB/Lt)を表すために使用されているそのような導出を示している。相対的な長手方向伸長SLは、チューブ長さに対するバルーン本体長さの比として表され得る。変数ρは、密度(ρ=ρBt)における相対変化を表している。これらの2つの等式で、SoおよびSiは計算でき、径方向伸長の阻害の影響を示すことができる。式IVは、バルーンの外径および壁厚に基づいて、チューブの外径を決定できる。
Figure 0006898232
式Vは、具体的な外径(Ro)、長手方向伸長(SL)、密度(ρ)、壁厚(Wb)、および内側壁伸長(Si)を伴う所与のバルーンについての壁厚の関数として、外側壁伸長の度合いSoを決定できる。
Figure 0006898232
式Vは、様々なバルーンについて、内側壁に対する外側壁伸長の比を、壁厚の増加に対して評価するために用いられ得る。図14は、バルーンの異なる直径について、壁厚の関数としてSo/Siの比を示している。わかるように、外側壁の相対的な伸長不足は、かなりのものとなり得る。例えば、0.001インチの壁厚を伴う2mmのバルーンについての外側壁は、内側壁に対して40%未満で伸長している。壁を強化しようとするための壁厚の増加は、相対的な伸長のさらなる低減を示している。0.002インチの壁厚を伴う同じ2mmのバルーンは、30%未満の外側壁の伸長を示している。正味の結果は、破裂圧力を高くするために壁厚を増加しようと試みると、外側壁の伸長に関して収穫逓減がもたらされることである。さらに、より厚いバルーンの壁は、本明細書に記載しているように、外側壁と内側壁との間の分子配向のレベルの相違をより大きくする。そのため、特定のバルーン直径について壁厚を大きくすることで、内側壁伸長に対する外側壁伸長の比(So/Si)の低下を引き起こす。これは、より大きい破裂圧力を達成するために、壁厚を大きくすることについて、収穫逓減を暗示している。
図14は、薄い壁とされたバルーン(例えば、おおよそ0.005の厚さを伴う)が、より大きい直径のバルーンについて、より大きいSo/Siの比を有することも示している。例えば、2mmのバルーンは、50%を超える相対的な外側壁の伸長を有する。10mmのバルーンは、80%を超える相対的な外側壁の伸長を有する。より大きい直径のバルーン(例えば、10mm以上)は、内側壁と外側壁との間により良好な伸長比の分布を有する。この分布は、直径の増加に伴う周方向応力の増加を相殺する助けとなり得る。
式は、バルーンの壁自体内の相対的な伸長を見るために使用されてもよい。ここで図15および図16を見ると、径方向伸長の阻害の影響が、壁内の相対的な伸長の分布を精査することで、より詳細に示され得る。これは、チューブにおけるそれぞれの壁切片をバルーンのそれぞれの壁切片に「マッピング」することで行うことができる。図15は、内側壁が0%の位置を有し、外側壁が100%の位置を有するこのようなマップを示している。例えば20%の線といった、チューブの壁についての切片の伸長を、バルーンにおける同等の切片に対して計算することで、相対的な径方向伸長の分布が示され得る。図16は、壁切片の関数として、相対的な伸長比を伴う代表的なバルーンのグラフを示している。わかるように、相対的な伸長の低下は線形ではない。実際の相対的な伸長は、内側壁からより素早く低下する。
次のモデルは、壁強度Wsにおいて、壁厚を増加させながら内側壁伸長に対する外側壁伸長の比(So/Si)を低下させる効果を評価する。式VIが関係を示している。
VI. Ws=Wb*So/Si
図17は理想的な壁を示しており、壁の強度は、厚さの増加と共に比例的に増加している。しかしながら、バルーンの伸長比は、図14に示しているように、厚さの増加に伴って低下している。そのため、伸長比の影響のため、壁強度は、理想的な壁に対して実質的に低下する。より小さい直径のバルーン(例えば、2mmのバルーン)については、壁強度は、最も小さい壁厚(例えば、0.0005インチ未満)であっても、理想的な壁に対して小さくなっている。すべてのバルーン直径について、壁強度は、より大きい壁の厚さにおいて、理想的な壁強度に対して低下している。これは、部分的には、より大きい壁厚について、外側壁の伸長の最適化不足によるものである。これは、壁強度を増加させるために壁厚を増加させることについて、収穫逓減を暗示している。
本明細書に記載されている入れ子式バルーンの一部の実施形態は、同じ材料、伸長特性、および/または大きさのチューブの使用に重きを置いている。図18は、入れ子式バルーン2の一例を示している。入れ子式バルーンは、外側バルーンAと内側バルーンBとを備えている。バルーンは、同じ材料または異なる材料の入れ子式チューブから生産され得る。このようにして、チューブは、同じまたは異なる内径(ri)および外径(ro)を最初に有し得る。一部の実施形態では、チューブは同じ内径(ri)を最初に有し得る。一部の実施形態では、チューブは異なる内径(ri)を最初に有し得る。一部の実施形態では、チューブは同じ外径(ro)を最初に有し得る。一部の実施形態では、チューブは異なる外径(ro)を最初に有し得る。一部の実施形態では、入れ子は、一部の場合で、径方向伸長の阻害の影響に基づいて、より弱い外側バルーンを相当に作り出す可能性がある。
バルーンの製造において、バルーンの外径Dは、成形品に基づいて選択される。直径は、本明細書に記載しているように、内側バルーンBの内側壁の伸長を最適化するために選択され得る。
内側バルーンBの内側壁は最適な伸長の位置に到達する。内側バルーンBは、内側バルーンBを破裂させることなくさらに伸長させることはできない。そのため、内側バルーンBの外側壁は十分に伸長しない可能性がある。また、バルーンA、Bは同一であり得る。そのため、外側バルーンAの内側壁および外側壁は十分に伸長しない可能性がある。
この問題は、一部の場合には、バルーンA、Bが一体に形成されるようにバルーンを共押出しすることでは解決されない可能性がある。内側バルーンが破裂する問題は、内側層が外側層と比較してより最適にした内側壁の伸長を必ず有するため、共押出しされた多層バルーンでは時々起こる可能性がある。これは図19において詳細に示されており、その図では、共押出しチューブから作られた二重層バルーンの壁切片の相対的な伸長が、同じ全体の壁厚を有する単一の壁のバルーンに対して示されている。図19に示しているように、三角形の印で示された外側層は、四角形の印によって示されているような内側層の伸長より、相当に小さく伸長している。多層バルーンを作り出す一部の方法は、多層バルーンを作り出すために、共押出しバルーン要素に主に注力している。径方向伸長の阻害の影響は、多層バルーンを共押出しするときには考慮されない可能性がある。
図20は、上記の図18と同様の2つのバルーンA、Bを有する入れ子式バルーン2についての応力-歪み曲線を示している。内側バルーンの内側壁は最適な伸長の位置にある。内側バルーンの外側壁は十分に伸長していない。外側バルーンの内側壁は十分に伸長しておらず、外側バルーンの外側壁は十分に伸長していない。内側バルーンの内側壁だけが、最適な伸長位置において配列されているポリマー鎖を有する。このようなバルーンを加圧すると、特に適切な温度および寸法制御のないとき、制御されない状態で、ポリマー鎖のさらなる増大と伸長とをもたらす。
破裂強度における内側壁の伸長と外側壁の伸長との差異の影響は、図21〜図23に示した内部生産データから実証され得る。平均的な二重壁厚さ(DWT)、周方向応力、および破裂圧力を含むデータが、すべてのロットについて作られている。図21〜図23に示したグラフは生産データから作られている。以下の分析を単純化するために、バルーンロットは、異なる壁厚を伴うナイロン12から各々作られた6×40バルーンに制限されている。各々のデータ位置は、生産ロットについての平均値である。
図21は、6mmナイロン12バルーンについての二重壁の厚さに対する平均的な破裂圧力を示している。平均的な破裂圧力は、最良適合線によって示されているように、おおよそ直線的な様態で壁厚と共に増加する。平均的な破裂圧力(ABP:Average Burst Pressure)は、材料の特定の性質を表している。
図22は、6mmナイロン12バルーンについての二重壁の厚さに対する最大の周方向応力を示している。式VIIは最大の周方向応力を表しており、平均的な破裂圧力をバルーン直径および二重壁厚さに正規化している。
Figure 0006898232
均一な特性を持つ材料について、最大の周方向応力(Maxσθ)は一定である。しかしながら、図22に示しているように、均一の特性を伴う材料と比較するとき、配向に対する径方向伸長の阻害の影響のため、最大の周方向応力の相当の低下がある。点線は、予想される均一な周方向応力を示している。各々のデータ位置は、生産ロットについての周方向応力の平均値を表している。最大の周方向応力は、最良適合線によって示されているように、おおよそ直線的な様態で壁厚と共に低下する。
図23は、6mmナイロン12バルーンについての二重壁の厚さに対する平均的な破裂圧力を示している。点線は、均一な周方向応力があると仮定して、予想される平均的な破裂圧力を示している。各々のデータ位置は、生産ロットについての破裂圧力の平均値を表している。平均的な破裂圧力は、最良適合線によって示されているように、おおよそ直線的な様態で壁厚と共に低下する。
図23に示しているように、点線で示された均一な特性を伴う材料と比較されるとき、平均的な破裂圧力において相当の低下がある。バルーン壁の最も外側の層における分子は、部分的にのみ配向でき、したがって材料の荷重を担持する能力に益々寄与しなくなる。これは、バルーン設計に相当の影響を与える可能性がある。低下する最大の周方向応力と平均的な破裂圧力とは、本明細書に記載しているように、より高い破裂圧力を達成するために壁厚を増加することにおいて、収穫逓減を確実にする。また、より厚い壁は、本明細書に記載したように、カテーテルの輪郭を増加させると共に、バルーンの柔軟性を低下させる。
本明細書に記載されている入れ子式バルーン2は、一部の実施形態では、様々な方法でこれらの欠点を克服することができる。一部の実施形態では、図18に示した外側バルーンAおよび内側バルーンBは、異なる材料を含む。一部の実施形態では、図18に示した外側バルーンAおよび内側バルーンBは、異なる内半径を有する。一部の実施形態では、図18に示した外側バルーンAおよび内側バルーンBは、異なる外半径を有する。一部の実施形態では、外側バルーンAの内側壁および内側バルーンBの内側壁は、両方で最適化される。図20では、外側バルーンAの内側壁と内側バルーンBの内側壁との両方は、図20に示した応力-歪み曲線における曲がった位置の近くで、最適化の位置に達する。一部の実施形態では、外側バルーンAおよび内側バルーンBは小さい厚さを有する(例えば、0.0005インチ未満、0.0010インチ未満、0.0015インチ未満、0.0020インチ未満などの二重壁の厚さ)。壁厚は、各々のバルーンA、Bの内側壁と外側壁との間の最適化における差を最小限にするために選択され得る。より小さい厚さについては、外側壁の伸長は、図20に示した応力-歪み曲線における曲がった位置により近くなり得る。
一部の実施形態では、入れ子式バルーン2の各々のバルーンA、Bは、共押出しチューブから形成される。図24は、異なる材料から作られた各々の層を伴う共押出しチューブの実施形態を示している。共押出しチューブは、内側層および外側層、または、三層バルーンを伴う一部の実施形態における内側層、中間層、および外側層など、複数の層を備え得る。一部の実施形態では、共押出しチューブは少なくとも3つ、4つ、5つ、またはより多くの層を備え得る。層は、異なる材料または同じ材料を有し得る。一部の実施形態では、外側層がナイロンから形成される。一部の実施形態では、内側層はペバックス(ポリエーテルブロックアミド)から形成される。他の組み合わせが検討される。
各々の層は、内側壁の伸長を最適化するために選択され得る。例えば、各々の層の材料、内半径、および外半径は、各々の層の内側壁の伸長を最適化するために選択され得る。ナイロン層の内側壁は、二重の矢印線で示しているように最適化され得る。ペバックス層の内側壁は、二重の矢印線で示しているように最適化され得る。各々の層の外側壁は、最適化された伸長へとより近付けられ得る。これは、部分的には、同等の単一層のバルーンより小さい厚さを有する各々の層のためである。
一部の実施形態では、各々のバルーンA、Bは共押出しチューブから形成され、バルーンA、Bは入れ子にされ得る。一部の実施形態では、内側バルーンBの内側層(例えば、ペバックス層)の内側壁は最適化される。内側バルーンBの外側層(例えば、ナイロン層)の内側壁は最適化される。一部の実施形態では、外側バルーンAの内側層(例えば、ペバックス層)の内側壁は最適化される。外側バルーンBの外側層(例えば、ナイロン層)の内側壁は最適化される。一部の実施形態では、1つだけのバルーンは共押出しチューブから形成される。一部の実施形態では、外側バルーンAと内側バルーンBとの両方は、共押出しチューブから形成される。一部の実施形態では、図7Aを見ると、第3のバルーンが提供される。各々のバルーン20、22、24は共押出しチューブから形成され得る。各々のバルーン20、22、24は1つまたは複数の層を有し得る。各々の層の内側壁は最適化され得る。各々の層の材料、内半径、または外半径は、各々の層の内側壁を最適化するために選択され得る。各々の共押出しバルーンは、当技術分野において知られている方法を用いて生産され得る。一部の実施形態では、1つまたは複数のバルーンは、例えば共押出し技術を用いて生産されるといった、複数の層から作られ得る。一部の実施形態では、両方の層は、両方ともナイロン層、または、両方ともペバックス層など、同じ材料から作られ得る。
上記の例では、径方向伸長を最適化することを詳述すると、単一のバルーンが、0.006インチの壁厚を伴う0.031インチの外径と0.019インチの内径とを有するナイロンチューブから生産され得る。成形品は、0.118インチの内径を有し、バルーンの厚さは、計算を簡単にするために、膨張したときは無視できる。外側壁についての拡張率は3.8であり、内側壁の拡張率は6.2である。
外側バルーンAと内側バルーンBとを有する入れ子式バルーン2について、拡張率は変えられてもよい。この例では、外側バルーンAおよび内側バルーンBは、単一のバルーンのおよそ半分の壁厚を有する。2つのバルーンA、Bは、0.003インチの壁厚について、0.025インチの外径と0.019インチの内径とを有するナイロンチューブから生産され得る。壁厚は、2つのバルーンが使用されるため、半分である。図7Aに示した3つのバルーン20、22、24の場合、壁厚は3分の1で切られ得る。
先の例にあるように、内側壁の拡張率は6.2において最適化される。2つのバルーンA、Bの例では、外側壁についての拡張率は4.2であり、これは、単一のバルーンの外側壁についての拡張率(例えば、3.8)より大きい。
入れ子式バルーン2は、一部の実施形態では、多くの潜在的に相乗的な利点を有する。入れ子式バルーン2は、最適化された内側壁を各々有する2つのバルーンA、Bを有する。入れ子とされた設計は、2つの内側壁において高度に配向された材料を作り出す。入れ子式バルーン2は、同じ全体の厚さを有する単一のバルーンより大きい拡張率を伴う外側壁を各々有する2つのバルーンA、Bを有する。入れ子とされた設計は、2つの外側壁のより大きいレベルの分子配向を作り出す。より大きい拡張率は、分子鎖を配列する増加した伸長に関連する。さらに、バルーンA、Bを形成する各々のチューブは、より小さい厚さを有する(例えば、単一のバルーンと比較して半分の全体の厚さ)。より薄いチューブは、バルーンの外側壁と内側壁との間の分子配向のレベルの相違をより小さくする。したがって、一体に入れ子にされた複数の薄いバルーンは、等しい厚さの単一のバルーンより、部分的には外側壁のより大きいレベルの分子配向のため、より大きい強度を予想外かつ有利に提供する。
入れ子式バルーン2内の各々のバルーンA、Bの特性は、内側壁の伸長を最適化するために選択される。一部の実施形態では、図7Aに示したようなバルーン20、22、24といった、3つのバルーンが提供される。一部の実施形態では、各々のバルーンは、図24に示しているような2つ以上の層を備える。各々の層の特性は、各々の層の内側壁の伸長を最適化するために選択される。例えば、バルーンA、B、20、22、24、またはバルーン層は異なる大きさとされ得る。一部の実施形態では、バルーンA、B、20、22、24、またはバルーン層は異なる直径を有する。一部の実施形態では、バルーンA、B、20、22、24、またはバルーン層は異なる長さを有する。一部の実施形態では、バルーンA、B、20、22、24、またはバルーン層は異なるチューブ厚さを有する。一部の実施形態では、バルーンA、B、20、22、24、またはバルーン層はチューブの異なる内半径を有する。一部の実施形態では、バルーンA、B、20、22、24、またはバルーン層はチューブの異なる外半径を有する。一部の実施形態では、バルーンA、B、20、22、24、またはバルーン層は膨張したバルーンの異なる内半径を有する。一部の実施形態では、バルーンA、B、20、22、24、またはバルーン層は膨張したバルーンの異なる外半径を有する。
そのため、各々のバルーンの内側壁または各々のバルーン層の内側壁は、最適な伸長の位置に達することができる。各々のバルーンの外側壁は、入れ子式バルーン2と同じ厚さを有する単一のバルーンより最適である。各々の層の外側壁は、入れ子式バルーン2と同じ厚さを有する単一のバルーンより最適である。
バルーンA、B、20、22、24、またはバルーン層は異なる材料特性を有してもよい。一部の実施形態では、バルーンA、B、20、22、24、またはバルーン層は異なる材料を有する。一部の実施形態では、バルーンA、B、20、22、24、またはバルーン層は異なる密度を有する。本出願は、一部の実施形態では、1つのバルーンを別のバルーンにおいて入れ子にさせることができるように、バルーンA、B、20、22、24、またはバルーン層について、一方が他方より大きい異なる伸長特性を選択することを考慮する。異なるバルーンを利用することは、最適にされる各々のバルーンまたはバルーン層の内側壁の伸長を可能にする一方、外側壁の伸長をできるだけ最適にする。そのため、入れ子式バルーン2は、第1のバルーンA、20および第2のバルーンB、22を少なくとも有することになる。1つのバルーンを他のバルーン内に入れ子にすることは、2つの最適化された内側壁と2つの高度に配向された外側壁とを作り出す。
第1のバルーンおよび第2のバルーンが、2つの層を各々有する共押出しバルーンを備える場合、最適化された壁の数は増加する可能性がある。第1のバルーンA、20は、最適化された内側壁を伴う内側層と、最適化された内側壁を伴う外側層とを有し得る。第2のバルーンB、22は、最適化された内側壁を伴う内側層と、最適化された内側壁を伴う外側層とを有し得る。第1のバルーンA、20は2つの最適化された内側壁を有し得る。第2のバルーンB、22は2つの最適化された内側壁を有し得る。バルーンA、B、20、22の各々のバルーン層は、最適化された内側壁を有し得る。
第1のバルーンおよび第2のバルーンが、2つの層を各々有する共押出しバルーンを備える場合、高度に配向された壁の数は増加する可能性がある。第1のバルーンA、20は2つの高度に配向された外側壁を有し得る。第2のバルーンB、22は2つの高度に配向された外側壁を有し得る。バルーンA、B、20、22の各々のバルーン層は、高度に配向された外側壁を有し得る。1つの共押出しバルーンを他の共押出しバルーン内に入れ子にすることは、4つの最適化された内側壁と4つの高度に配向された外側壁とを作り出せる。これは、一部の場合には、入れ子式バルーン2の強度を大きく増加させる。一部の実施形態では、内側層の伸長および/または配向が最適化され得る。一部の実施形態では、外側層の伸長および/または配向が高度に配向され得る。しかしながら、一部の実施形態では、内側層および/または外側層の一方の伸長および/または配向だけが最適化される。
図25は、入れ子式共押出しバルーン2に関連するデータを示している。図25は、6mmナイロン12バルーンについての二重壁の厚さに対する平均的な破裂圧力を示している。平均的な破裂圧力は、太い最良適合線によって示されているように、おおよそ直線的な様態で壁厚と共に増加する。図25は、図21に提示されたデータを含む。図25は、追加のデータポイントを含む。1つのデータポイントは、ダイヤモンド形の記号として示された、おおよそ0.005インチの二重壁の厚さを伴う6mmナイロン12単一バルーンの平均的な破裂圧力を表している。基準単一バルーンは、31atmの破裂圧力を有していた。他のデータポイントは、三角形として示された、入れ子式共押出しバルーン2の平均的な破裂圧力を表している。あるデータポイントは、基準単一バルーンと同様のおおよそ0.005インチの二重壁の厚さを伴う入れ子式共押出しバルーンと対応する。入れ子式バルーンは、基準単一バルーンよりほぼ60%大きい49atmの破裂圧力になった。図25は、おおよそ0.0036インチのより薄い二重壁の厚さを伴う入れ子式共押出しバルーンについての別のデータポイントを含む。38atmの平均的な破裂圧力は、同様の二重壁の厚さにおける単一層のバルーンからの推定される破裂圧力よりおおよそ40%高い。図25は、入れ子式共押出しバルーンが、同じ壁厚を有する単一層バルーンより高い破裂圧力を有することを暗示している。一部の実施形態では、破裂圧力における増加は、入れ子式共押出しバルーンの組み合わされた厚さと等しい二重壁の厚さを有する単一バルーンの破裂圧力より、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも100%大きい。
図26は、入れ子式共押出しバルーン2に関連するデータを示している。図26は、6mmナイロン12バルーンについての二重壁の厚さに対する最大の周方向応力を示している。最大の周方向応力は、最良適合線によって示されているように、おおよそ直線的な様態で壁厚と共に低下する。図26は、図22に提示されたデータを含む。図26は、追加のデータポイントを含む。1つのデータポイントは、正方形の記号として示された、おおよそ0.005インチの二重壁の厚さを伴う6mmナイロン12単一バルーンの最大の周方向応力を表している。基準単一バルーンは、ほぼ1,450atmの最大の周方向応力を有していた。他のデータポイントは、三角形として示された、入れ子式共押出しバルーン2の最大の周方向応力を表している。あるデータポイントは、基準単一バルーンと等しい二重壁の厚さを伴う入れ子式共押出しバルーンと対応する。入れ子式バルーンは、基準単一バルーンよりほぼ40%大きい2,350atmの最大の周方向応力になった。図26は、おおよそ0.0036インチのより薄い壁厚を伴う入れ子式共押出しバルーンについての追加のデータポイントを含む。約2,500atmの最大の周方向応力は、同様の二重壁の厚さにおける単一層のバルーンからの推定される最大の周方向応力よりおおよそ40%高い。図26は、入れ子式共押出しバルーンが、一部の場合において、同じ壁厚を有する単一層バルーンより高い最大の周方向応力を有し得ることを指し示している。一部の実施形態では、最大の周方向応力の増加は、入れ子式共押出しバルーンを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンの最大の周方向応力よりおよそ、または少なくとも約25%〜55%の間、30%〜50%の間、35%〜45%の間、またはそれより大きい間である。一部の実施形態では、最大の周方向応力の増加は、入れ子式共押出しバルーンを組み合わせた厚さと等しい二重壁の厚さを有する単一バルーンの最大の周方向応力より、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも100%、またはそれらより大きい。
図25および図26に示しているように、6mmナイロン12バルーンの大部分は、0.0015インチから0.0030インチまでの範囲にある二重壁厚さを有する。0.0030インチを超える二重壁の厚さを有するバルーンは、一部の場合には、壁の剛性のため、ひだを付けて巻き付けるのが難しくなる可能性があるため、望ましくない。入れ子式バルーン2の個々のバルーンは、一部の実施形態では、0.0025の二重壁の厚さを有し得る。一部の実施形態では、入れ子式バルーン2の第1のバルーン20、Aは、単一バルーンのおおよそ2分の1の厚さを有する。一部の実施形態では、第2のバルーン22、Bは、単一バルーンのおおよそ2分の1の厚さを有する。他の構成が検討される。
一部の実施形態によれば、入れ子式バルーンの全体の壁強度を実質的に増加させるために、各々のバルーンまたはバルーン層は、内側壁において伸長が最大強度のために最適化されているチューブから成形される。図27は、2つの層を有する共押出しバルーンと比較された単一の壁のバルーンについての壁切片の相対的な伸長を示している。共押出しバルーンの第1の層は、正方形の記号で示されており、最適化されている内側壁を有する。共押出しバルーンの第2の層は、三角形の記号で示されており、最適化されている内側壁を有する。各々の層は、内側壁の伸長を最適化するように設計されている。これは、図19と対照的である。図19では、共押出しバルーンの第2の層は、第2の層の内側壁を最適化するように設計されていなかった。見て取ることができるように、最適に伸長された材料の相対的な量は、図19に示したものより大きい。
グラフは、内側壁において伸長が最大強度(図示せず)のために最適化されているチューブから成形されている2つのバルーンについて、同様になる。入れ子式バルーンの第1のバルーンは、正方形の記号と同様に、最適化されている内側壁を有する。入れ子式バルーンの第2のバルーンは、三角形の記号と同様に、最適化されている内側壁を有する。各々のバルーンは、内側壁の伸長を最適化するように選択され得る。
各々のバルーンまたはバルーン層は、内側壁が、その特定の材料について明確な伸長比を伴って、最大強度に向けて伸長するように作られる。前述したように、内側壁は、その最適な伸長の約15%以内まで、一部の用途では、その最適な伸長の10%未満まで、伸長し得る。壁強度が付加的であるため、破裂圧力は任意の個々のバルーンについての破裂圧力より高くなる。
より大きい破裂強度へとバルーンの壁厚が増加することの欠点は、柔軟性の低減である。バルーンの柔軟性は、増加した壁厚によって大幅に低減し得る。入れ子式バルーンは、図7A、図7B、図8A、および図8Bに示しているように、同等の厚さの単一の壁のバルーンより数倍優れた柔軟性を有することができる。理想的な入れ子式バルーンは、無数の極めて薄いバルーンを有する。これは、最大の達成可能な強度と最大の達成可能な柔軟性とをもたらす。実用的な目標については、組み立ての複雑性および製造コストなど、バルーンの数は、典型的には、数個のバルーンに制限される(例えば、5つ未満、2つから5つの間、4つ未満、2つから4つの間、3つ未満、2つまたは3つ)。先行技術のバルーンに対する実質的な性能向上は、入れ子式バルーンが2つ以上のバルーンから作られることで達成され得る。一部の実施形態では、入れ子にされる各々のバルーンは、1つ、2つ、またはそれ以上の層から作られ得る。入れ子にされるバルーンは、2つ以上の層から作られる場合、共押出し工程を介して形成され得る。
図28Aおよび図28Bは、入れ子とされるバルーンカテーテル2のバルーン壁要素14を示している。柔軟性を維持するために、各々のバルーン20、22、24の間の摩擦は最小限にするべきである。この点を示すために、バルーン壁要素14を検討する。この要素14は、厚さtと、小さい幅bと、長さlとを有する。要素14は、軸方向または径方向のいずれかで構成され得る。要素14の一端が固定されるようにすれば、要素14は、図29Aから図29Dにおいて後で記載しているように、分析の目的のための片持ち梁としてわかる。
図29Aは、厚さtのバルーン要素14を示している。厚さtのバルーン要素14は、要素14を設定距離yで曲げるために、力F1を必要とする。図29Bは、厚さ3tのバルーン壁要素14'を示している。このより厚い要素14'は、図29Aにおける要素14と同じ距離yで要素14'を曲げるために、F1より27倍大きい力F2を必要とする(つまり、必要とされる力は、要素の厚さの3乗として変化するため)。
図29Cは、第1のバルーン20に対応する第1の要素15と、第2のバルーン22に対応する第2の要素16と、第3のバルーン24に対応する第3の要素17とからなる入れ子式要素14"を示している。要素15、16、および17の各々は個別の厚さtを有する。結果として、入れ子式バルーン要素14"は累積的な厚さ3tを有する。各々の部分的要素15、16、および17は、個別には、図29Aにおけるバルーン要素14と同じ厚さであるが、集合的には、図29Bにおけるバルーン要素14'と同じ厚さである。図29Cにおける各々個別の要素は、単一のバルーン要素を所与の距離yで曲げるために、力F1を必要とする。集合的には、バルーン要素14"は、要素14"を所与の距離yで曲げるために、図29Aにおける力F1の3倍の大きさであるが、図29Bにおける力F2の3分の1の大きさしかない力F3を必要とする。図29Cに示しているように、各々の要素15、16、および17は、好ましくは、他の要素に対して距離Δlで滑る。バルーン要素15、16、および17が滑るのを可能にされていない場合、入れ子式バルーン14は、図29Bに示した同等の力F3を必要とする可能性が高い。
ここで図29Dを参照すると、要素15、16、および17は互いに密に接触しており、おそらくはそれらを一体に押す強い力があるため、摩擦効果はかなり大きく、バルーン間の滑りが妨げられる。隣接するバルーン間の摩擦を最小限とするために、および、滑りを可能にするために、層12、13、14は要素15、16、および17に加えられ得る。一部の実施形態では、層は、バルーン20、22、24が共押出しバルーンとなるように、共押出し工程で形成される。一部の実施形態では、第1のバルーン20の内側層は滑り層を備える。一部の実施形態では、第2のバルーン22の内側層は滑り層を備える。一部の実施形態では、第2のバルーン22の外側層は滑り層を備える。一部の実施形態では、第3のバルーン24の外側層は滑り層を備える。他の構成が検討される。層12、13、14は、生体適合性材料を非排他的に含む任意の適切な物質から作られ得る。一部の実施形態では、材料はペバックス(アルケマポリエーテルブロックアミド)である。層は、バルーン間の摩擦が許容可能であり、一部の用途において望ましいときは、必要ではない。
層を生産するために、バルーン20、22、24のうちの1つまたは複数は共押出しから形成され得る。異なる種類の材料から共押出しされるチューブの主な目標は、バルーンの外側または内側のいずれかに異なる表面特性を提供することである。例えば、チューブは材料の組み合わせで共押出しされ得る。一部の実施形態では、共押出しバルーンは、強度のためにペバックスの外側層を備えている。一部の実施形態では、共押出しバルーンは、プレキサー(Plexar)の中間結合層を備えている。一部の実施形態では、共押出しバルーンは、低摩擦係数のためにHDPEの内側層を備えている。図24は、別の実施形態を示している。一部の実施形態では、共押出しバルーンはナイロンの外側層を備えている。一部の実施形態では、共押出しバルーンはペバックスの内側層を備えている。他の構成が検討される。また、バルーンの用途は材料を指定する可能性がある。例えば、鼻形成術など、細かい骨片があることもある重度の石灰化病変または領域のための拡張バルーンは、バルーンに、高い耐摩耗性、耐引っかき性、および切傷抵抗を有する丈夫な外側層を必要とする可能性がある。これは、ポリウレタンから作られた外側層を共押出しすることで達成され得る。ステント送達バルーンは、ステント保持を向上させるために大きな摩擦係数を伴うより柔らかい外側層を伴うバルーンを必要とする可能性がある。
1つの目標は、最も大きい達成可能な破裂強度を、約10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、またはそれを下回るバルーン伸展性、および具体的なバルーンの大きさについて導入器の最も小さい大きさと適合するバルーンの壁厚によって提供することである。この目標を達成するために、各々個別のバルーンは、壁厚に対する破裂圧力の大きい比を有し得る。これは、材料選択を介して成し遂げられ得る。一部の実施形態では、共押出しバルーンは、内側にペバックスの応力亀裂軽減層を伴うナイロン12チューブを備える。ペバックス層は、内側バルーンが外側バルーンに接する境界において、小さくした摩擦の副次的な便益も提供する。互いに対するバルーンの捩じれのないように、径方向と軸方向との両方で、内側バルーンと外側バルーンとの間において位置を合わせることができる。小さいバルーン伸展性は、材料配向のレベルに関する。2つ以上の薄い壁とされたバルーンは、後で記載しているように、1つの厚い壁とされたバルーンよりはるかに大きい平均配向を有し得る。
入れ子式バルーンを形成するバルーン20、22、24、A、Bは、パリソンから、または、共押出しチューブから、形成され得る。主要な荷重を担持する層として作用するバルーンの外側層は、大きい強度および硬度のポリアミド(ナイロン)から作られ得る。小さい摩擦係数も有する内側層は、より小さい強度とより小さい硬度との材料から作られ得る。1つの適切な材料はペバックス(アルケマポリエーテルブロックアミド)である。一部の実施形態では、バルーンの外側層およびバルーンの内側層のために選択される材料は、同じ融解温度または実質的に同じ融解温度を有する。単一バルーンの外側層および内側層は、強い溶着結合を持つことができる。ポリアミドおよびペバックスの材料は、密に関連しており、そのため、良好に共押出しされ、境界層において一体に融合する。一部の実施形態では、ペバックス層は径方向に伸長し、最適に配向される。この種類のチューブは、入れ子式バルーン設計で使用される個々のバルーンを形成することに対して有利な特性を提供する。
広域な試験の間、ナイロン12の外側主要層とペバックスの内側層とを伴う共押出しチューブから形成された個々のバルーンは、優れた予想外の結果を示した。相対的な厚さは、例えば、70%のナイロン12、30%のペバックス(例えば、50%のナイロン12、50%超のナイロン12、60%のナイロン12、60%超のナイロン12、70%のナイロン12、70%超のナイロン12、80%のナイロン12、80%超のナイロン12、90%のナイロン12、90%超のナイロン12、60%から80%までの間のナイロン12、50%から90%までの間のナイロン12)を含み得る。ペバックスの内側層は、微小破れの形成の始まりを遅らせる応力亀裂軽減層として機能する。ペバックスの内側層は、ナイロン12と比較して、その小さい硬度および小さい摩擦係数のため、滑層としても機能する。他の適切な材料が検討される。
図30Aから図30Dは、入れ子式バルーンを形成するためにバルーンを入れ子にするための方法を概して描写している。各々のバルーンは、一部の実施形態では、1つの材料、混合物から作られ得る、または、本明細書で記載しているような2つ以上の層を備えるために、共押出しされ得る。図30Aに示しているように、近位首部50Aと遠位首部51Aとを有する内側バルーン30が提供される。内側バルーン30は、図30Bに示しているように、内側バルーン30の直径および断面積が縮小する一方、内側バルーン30の長さが少なくとも部分的に増加するように、加熱され、伸長させ得る。この手法で内側バルーン30を加熱し、伸長させることは、バルーン30の本体を備えるポリマー分子の配列を典型的には変える。一部の実施形態では、内側バルーン30は、バルーン30が複数のひだを備えるように、知られているひだを付ける方法を用いてひだ付きとし得る。一部の方法では、内側バルーン30はカテーテルシャフトの周りに巻き付けられ得る。ひだが付けられ、巻き付けられた内側バルーン30は、図30Cに示されている。バルーン30は、例えば、知られているひだ付けの機械および巻き付けの機械を用いて、ひだを付け、巻き付け得る。このような機械の実施形態は、「Balloon Catheter Folding and Wrapping Devices and Methods」という名称の米国特許第7,762,804号に見出すことができ、その内容は、本明細書によって、その全体が参照により組み込まれている。しかしながら、他の適切なバルーンのひだ付け装置および巻き付け装置が使用されてもよい。
図30Dを参照すると、ひだが付けられ、巻き付けられた内側バルーン30が、外側バルーン31に挿入され得る。外側バルーン31は、内側バルーン30と同じ特性または異なる特性を有し得る。例えば、外側バルーン31は、異なる材料を含むことができ、またはより大きい直径において、最適な伸長の位置に到達できる。一部の実施形態では、バルーン30、31は、バルーン30、31の内側壁の伸長を最適化する管材からなる。一部の実施形態では、バルーン30、31は、バルーン30、31の内側層の内側壁伸長と、バルーン30、31の外側層の内側壁伸長とを最適化する共押出しチューブからなる。
外側バルーン31は近位首部50Bと遠位首部51Bとを有する。一部の実施形態では、外側バルーン31の近位首部50Bおよび遠位首部51Bは、内側バルーン30の近位首部50Aおよび遠位首部51Aより大きい直径を有する。一部の実施形態では、内側バルーン30は、外側バルーン31内に実質的に収容するように、外側バルーン31を通じて内側バルーン30を引き込むことで、外側バルーン31に挿入し得る。他の適切な方法が、内側バルーン30を外側バルーン31に挿入するために用いられてもよい。
次に、入れ子式バルーン30、31は、内側バルーン30および外側バルーン31のそれぞれの本体部を同じまたは実質的に同様の分子および幾何学的配列にするために、加熱し、伸長させ、膨張させる。バルーンを膨張させ、加熱することができる装置の実施形態は、「Measurement Apparatus and Methods for Balloon Catheters」という名称の米国特許第7,578,165号において見出すことができ、その内容は、本明細書によって、その全体が参照により組み込まれている。提示されている実施形態は、バルーンを伸長させるために変えられてもよく、バルーンが最適な大きさおよび形に伸長したことを立証するために使用され得る。他の実施形態が、本明細書で開示されている入れ子式バルーンを加熱し、伸長させ、膨張させるために使用されてもよい。
入れ子にする方法の一部の実施形態では、バルーンを加熱し、伸長させてから、バルーンの加熱および伸長を続けながらバルーンを膨張させることを開始する。バルーンの膨張は、例えば、伸長のおおよそ30%が完了していないとき、開始できる。バルーンは、好ましくは、一部の場合には、それらの初期の長さの3〜6倍、4〜5倍、約4倍、約4.5倍、または約5倍まで好ましくは伸長される。伸長のこの大きさは、二軸の分子配列を最適化するように意図されており、異なる方法が異なる用途にとって適切であることは明らかである。
内側バルーン30と外側バルーン31とを備える入れ子式バルーンは、カテーテルシャフトへの取り付けのための準備において、ひだが付けられ、巻き付けられ得る。一部の実施形態では、入れ子式バルーンは、別のバルーンへの挿入のための準備においてひだが付けられ、巻き付けられる。別の実施形態では、入れ子式バルーンは、別のバルーンを、入れ子式バルーンによって定められた空洞に挿入するための準備においてひだが付けられ、巻き付けられる。
先に開示した入れ子にする方法は、その本体の大きさに対して大きい首部直径を有する超高圧バルーンに特に適している。一部の実施形態では、入れ子にされるバルーンのうちの1つまたは複数は、その中間位置におけるバルーン直径に対して、約10〜80%、20〜70%、30〜60%、40〜50%、20〜50%であり、または、その中間位置におけるバルーン直径の少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%である首部直径を有し得るが、その中間位置においてなおもバルーン直径未満である。例えば、複数のバルーン(例えば、正確にまたは少なくとも3つ、4つ、5つ、6つなど)を有する入れ子式バルーンを生産するためにこの工程の繰り返しなど、入れ子にする方法へのさらなる変形が可能である。
ここでの入れ子にする方法では、内側バルーン30および外側バルーン31は、異なる型において吹込み成形される。バルーン30、31は、バルーン30、31の本体部に沿った実質的に同様の形を有し得る。一部の実施形態では、バルーン30、31は、異なる大きさまたは構成を有する近位首部を有し得る。一部の実施形態では、バルーン30、31は、異なる大きさまたは構成を有する遠位首部を有し得る。つまり、内側バルーン30の近位首部50Aおよび遠位首部51Aは、前述したように、外側バルーン31の近位首部50Bおよび遠位首部51Bと異なる直径を有し得る。
内側バルーンおよび外側バルーンの独立した形成を備え、次いでバルーンを入れ子にする先に開示した方法は、様々なバルーンの大きさおよび形を可能にする。そのため、この方法は、各々個別のバルーンについて、理想的なバルーンパラメータを有利に可能にできる。しかしながら、一部の場合には、バルーンの独立した形成は、特に、それらの本体に対して小さい首部を伴うバルーンについて、より時間とコストとが掛かる工程となる可能性がある。典型的には、バルーンの本体はその首部より幅広である。しかしながら、内側バルーンの本体は、なおも外側バルーンの首部を通じて嵌まることができるべきである。バルーンの本体は、加熱、伸長、ひだ付け、および巻き付けによって細くされ得る。バルーンの首部は、バルーンを加熱して、径方向に膨張または伸長させることで、可能な限り幅広とできるが、これらの方法は限定されている。結果として、約7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、またはそれ未満のバルーン本体直径と首部直径との比で入れ子式バルーンを作り出すために、バルーンを独立して形成してから入れ子にすることは、実用的であることが多い。
図31は、入れ子式バルーン2の典型的なカテーテルを示している。カテーテルの大きさは、折り畳まれたバルーンの断面積および/または近位バルーン首部溶接の大きさに影響される。導入器の大きさは、カテーテルの全体の大きさを最小限にすることで最小限とされ得る。したがって、導入期を最小限とするために、および/または、人の解剖学的構造のより大きい領域にアクセスために、設計者は、バルーンの厚さおよび/または首部の溶接を最小限にしようとする可能性がある。バルーンの首部は、カテーテルへの最適な溶接および/または取り付けを確保するために特に設計され得る。入れ子式バルーン2およびカテーテル3に対する近位首部溶接4の位置は、図31に示されている。
図32A〜図32Cは、バルーンとカテーテルとの間の溶接の実施形態を示している。図32Aは、内側壁と外側壁とを有する単一バルーン2'を示している。一部の実施形態では、バルーン2'の首部の厚さは2tであり、バルーン首部および近位シャフトのための溶接の厚さは、示しているように、3tである。溶接の厚さは、バルーンカテーテルのために必要とされる導入器の大きさを増加させる。図32Bは、2つのバルーンを有する入れ子式バルーン2"を示している。各々のバルーンは、図示しているように外側層と内側層とを有し得る。一部の実施形態では、バルーン2"の首部の厚さは2tであり、バルーン首部および近位シャフトのための溶接の厚さは、示しているように、3tである。溶接の厚さは、バルーンカテーテルのために必要とされる導入器の大きさを増加させる。入れ子式バルーン2"は複数のバルーンおよび/または複数の層を有することでき、本明細書に記載している図32Aに示した単一の層のバルーン2'を上回る便益を提供する。しかしながら、図32Aに示したバルーン2'と、図32Bに示したバルーン2"とは、同じ大きさの導入器を必要とする。
図32Cは、入れ子式バルーン2の実施形態の溶接を示している。入れ子式バルーン2は、厚さtを各々有する第1のバルーン20および第2のバルーン22を備えている。各々のバルーンは、本明細書で記載しているように、外側層と内側層とを有し得る。第2のバルーン22の首部は、第1のバルーン20の首部よりも小さい直径および/または長い長さを有し得る。第1のバルーン20の首部は、第2のバルーン22の首部よりも大きい直径および/または短い長さを有し得る。第2のバルーン22の首部はカテーテル3に溶接され得る。第1のバルーン20は、第2のバルーン22の首部に沿った場所において、第2のバルーン22に溶接され得る。首部は、部分的または完全に千鳥配置される(例えば、ずらされる)。そのため、バルーンおよびカテーテルの厚さは、図32A〜図32Bに示したような3tではなく2tである。図32Cに示したバルーンカテーテルは、より小さい導入器を必要とする。バルーン20、22の首部の構成は、先の例より、一部の場合には約33%小さい、より小さい隆起を作り出す。入れ子式バルーンの首部溶接を千鳥配置する他の構成が検討される。
図33A〜図33Bは、本明細書に記載した概念を示すグラフである。グラフは、単一バルーンと入れ子式バルーンとを比較している。入れ子式バルーンは2つのバルーンを備えている。各々のバルーンは、第1の層と第2の層とを有する共押出しチューブから形成され得る。グラフは、所与の壁厚における共押出しされた内側層と共押出しされた外側層とを備える入れ子式バルーンの優れた予想外の壁伸長特性を、同じ壁厚を有する単一層バルーンに対して示している。前述したように、入れ子式バルーンにおける各々のバルーンは、共押出しチューブから製造された二重層バルーンである。単一バルーンと入れ子式バルーンとの両方が同じ全体の壁厚を有する。
図33Aは、第1のバルーンの内側層と第2のバルーンの内側層とが最適化されていない実施形態を示している。図示しているように、第1のバルーンの内側層の内側壁は、最適化された伸長の80%だけである。第2バルーンの内側層の内側壁は、最適化された伸長の80%だけである。内側層は、本明細書で記載しているように、応力亀裂軽減層を備え得る。内側層の内側壁は最適化されていない。第1のバルーンの外側層の内側壁は最適化されている。第2のバルーンの外側層の内側壁は最適化されている。外側層の内側壁は、最適化されている伸長の100%である。
図33Aは、各々のバルーンの外側層の内側壁が最適化されている実施形態を示している。応力亀裂軽減内側層であり得る各々のバルーンの内側層の内側壁は、最適化されていない。一部の実施形態では、入れ子式バルーンを形成するバルーンのうちの1つまたは複数の内側層の内側壁は、最適化されたその壁の伸長を必ず有する必要はない。このような場合、共押出しの入れ子式バルーンは、内側層の有利な応力亀裂軽減性および/または滑性をなおも保持できる。
一部の実施形態では、入れ子式バルーンの各々の内側層の各々の内側壁は最適化される。一部の実施形態では、入れ子式バルーンの各々の外側層の各々の内側壁は最適化される。一部の実施形態では、入れ子式バルーンの内側層の一部の内側壁は最適化される。一部の実施形態では、入れ子式バルーンの外側層の一部の内側壁は最適化される。
図33Bは、第1のバルーンの内側層と第2のバルーンの内側層とが最適化されている実施形態を示している。図示しているように、第1のバルーンの内側層の内側壁は、最適化された伸長に近い、または、その伸長の100%にある。第2のバルーンの内側層の内側壁は、最適化された伸長に近い、または、その伸長の100%にある。内側層の内側壁は最適化されている。第1のバルーンの外側層の内側壁と第2のバルーンの外側層の内側壁とが同じく最適化されている。4つの内側壁の各々が、最適化された伸長に近い、または、その伸長の100%にある。図33Bは、各々のバルーンの外側層と内側層との両方が最適化されている実施形態を示している。
入れ子式バルーンは、同等の厚さの単一の壁のバルーンより数倍優れた柔軟性を有することができる。図29Cに示しているように、各々の要素15、16、および17は、好ましくは、他の要素に対して距離Δlで滑る。バルーン要素15、16、および17が滑るのを可能にされている場合、入れ子式バルーンは、曲がるためにより小さい力を必要とする可能性が高い。等しい厚さの3つの要素について、必要とされる力は、単一の要素を曲げるのに必要とされる力の3倍の限度に近付けることができる。等しい厚さの3つの要素について、力は、3つの層と同等の厚さの単一の層を伴うバルーンを曲げるのに必要とされるよりも3分の1小さい力の限度に近付けることができる。
入れ子式バルーンは共押出しチューブから形成され得る。チューブ外側層は、高い強度および硬度の材料から作られ得る。一部の実施形態では、材料はポリアミド(ナイロン)である。一部の実施形態では、構造層は、ナイロン12などのポリアミドを含む。チューブ内側層は、より低い強度でより低い硬度の材料から作られ得る。チューブ内側層は、小さい摩擦係数を有し得る。一部の実施形態では、滑層は、0.0001〜0.00015インチの高密度ポリエチレンを含む。入れ子式バルーンにおいて柔軟性を維持するために、これらのバルーン20、22、24、A、Bの間の摩擦は最小限にされ得る。
入れ子式バルーンは、個別のバルーンの付加的な強度を提供できる。図7Aおよび図8Aは、第1のバルーン20、第2のバルーン22、および第3のバルーン24を有する入れ子式バルーン2の実施形態の拡大した断面を示している。一部の実施形態では、バルーン20、22、24のうちの1つまたは複数は、複数の層を備え得る。例えば、第1のバルーンは2つ以上の層を備えることができ、第2のバルーンは2つ以上の層を備えることができ、および/または、第3のバルーンは2つ以上の層を備えることができる。3つの構造層を有するバルーンをバルーン2が備える一部の実施形態では、バルーンは、外側層と、中間層と、内側層とを備える。
各々のバルーン20、22、24は図7Bおよび図8Bの単一層のバルーンより薄いため、曲げ半径10は、等しい累積的な厚さ3tについてより小さい。図7Aの入れ子式バルーン2の累積的な厚さが、単一層バルーン2'の厚さと実質的に同じであるため、破裂圧力Pは、入れ子式バルーンの隣接するバルーン層が互いに対して滑ることができる限り、実質的に同じであると予期される。しかしながら、図25に示しているように、破裂圧力は、同等の厚さを有する単一層のバルーンの破裂圧力より大きい。図25は、入れ子式共押出しバルーンが、同じ壁厚を有する単一層バルーンより高い破裂圧力を有することを暗示している。一部の実施形態では、破裂圧力の増加は、第1のバルーンと第2のバルーンとを組み合わせた厚さに等しい二重壁の厚さを有する単一のバルーンの破裂圧力の増加より約25%〜75%、30%〜70%、35%〜65%、40%〜60%大きい。
入れ子式バルーンは、各々が共押出しから吹き込まれる2つ以上のバルーンを備えることができる。本明細書で開示しているのは、複数のバルーンを入れ子にすることで、または、共押出しチューブを入れ子にすることで、低摩擦境界面を伴う入れ子式バルーンを作り出すための方法である。これらの方法は、互いに組み合わされてもよく、より大きい多層バルーンを生産するために、他のバルーンの形成方法と組み合わされてもよいことは、明らかである。同様に、バルーンは、同等の破裂強度、大きさ、および/または分子配向を得るために、同じように形成および処理される必要はない。これは、異なる材料のバルーンに特に当てはまる。実施形態によれば、各々のバルーンは、内側壁において各々の層の伸長が、最大強度のために最適化されたチューブから成形される。
一部の実施形態では、各々の共押出しチューブは、最適化された伸長の少なくとも2つの内側壁を有し得る。各々の共押出しチューブは、高度に配向された伸長の少なくとも2つの外側壁を有し得る。一部の実施形態では、材料は、一方が他方より大きい、共押出しのための異なる伸長特性で選択される。一部の実施形態では、共押出しチューブは、その伸長を最適化することに基づいた大きさとされる。異なる材料のバルーンが、内側壁伸長を最適化するために異なる大きさおよび形を必要とし得ることは、明らかである。バルーンは膨張時においてなおも正確に等しい直径まで伸長しないため、各々の層がその最適な伸長の実質的に近くまで伸長するように、内側バルーンを若干小さめに作ることが実用的であり得ることも、明らかである。この設計を用いれば、層が同じ材料から作られる、または、同じ壁厚を有することは、必要ではない。各々の層は、内側壁が、その特定の材料について明確な伸長比を伴って、最大強度に向けて伸長するように作られる。入れ子にする方法は、異なる大きさまたは形にされたバルーンの使用を検討する。
一部の実施形態によれば、入れ子式バルーンの全体の壁強度を実質的に増加させるために、各々のバルーンまたはバルーン層は、内側壁において伸長が最大強度のために最適化されているチューブから成形される。図33A〜図33Bは、共押出しチューブから形成された2つのバルーンを有するこのような入れ子式バルーンについての壁切片の相対的な伸長を示している。
入れ子式バルーンにおける各々のバルーンは、共押出しチューブから製造され得る。入れ子式バルーンカテーテルにおける各々のバルーンは、本明細書に記載しているように、外側層と内側層とを有する。一部の実施形態では、内側層は、本明細書で記載しているように、滑性の応力亀裂軽減内側層であり得る。他の構成が検討される。
本明細書で開示されている入れ子式バルーンの実施形態は、現在の高圧のバルーンを上回る有意な予想外の性能の向上を提供できる。開示された実施形態は、新たな用途で使用されるバルーンカテーテルを考慮している。例えば、入れ子式バルーンは、10mmまでの直径のバルーンについて50気圧以上など、超高圧用途で使用でき、30mmまでの直径のバルーンについて12気圧以上など、非常に大きいバルーンについての高圧用途のために使用できる。本明細書で開示されている入れ子式バルーンによって提供される利点は、少なくとも部分的に、入れ子式バルーンを作り上げる各々のバルーンについて、最大強度と共に特定の材料選択のために内側壁伸長が最適化されているチューブから、各々のバルーンを形成することにあると考えられる。
本明細書に記載しているように。同じ材料の入れ子式チューブから製作されるバルーンと複数の個別のバルーンを備える入れ子式バルーンとの間に区別がある。2つの間において、および、目標とされる用途間において、性能に差があり得る。
共押出しされたバルーンチューブは、バルーンの内側壁と外側壁との間の材料分子配向における差に対処しない。本明細書で開示しているように一部の実施形態は、バルーンの壁を通じたより均一の配向を達成することで、共押出しバルーンの強度を向上させる。共押出しチューブから製作された多層バルーンは、一部の実施形態では、配向の相違および柔軟性の欠如に関して、任意の単一層バルーンと同じ欠点を被ることになる。一部の実施形態では、共押出しバルーンの各々の層は、各々の層の内側壁を最適化するために選択される。
入れ子式バルーンは、独立して形成され、続けて互いに挿入される2つ以上のバルーンを備える。入れ子式バルーンの設計について、注意深い検討が、バルーンの胴部および首部を含む、個別のバルーン寸法に与えられなければならない。設計は、バルーン壁間に最小の摩擦を伴う、内側バルーンから外側バルーンへの効率的で均一な荷重の伝達を可能にする。一部の重要な要素には、バルーンの大きさ、バルーンの配列、バルーン壁間の低減した摩擦、および応力亀裂軽減層がある。応力亀裂(微小破れ)形成の問題は、力伝達の間の内側バルーンと外側バルーンとの相互作用によって拡大する。
入れ子式バルーンは、個別のバルーンの付加的な強度を有利に提供できる。例えば、25atmの破裂強度を各々伴う2つのバルーンを有する場合、互いに入れ子にするこれらのバルーンは50atmの理論的な強度を提供する。実際には、この数は、個別のバルーンによる荷重伝達または荷重分配におけるわずかな非効率のため、10%〜30%低くなり得る。結果を最大化するために、バルーンは、入れ子にする工程の間、非常に正確な大きさおよび配列とされ得る。一部の実施形態では、いかなる空隙も空気ポケットもないように内側バルーンの全表面と外側バルーンの全表面との間に均一な接触を有することが好ましい。さらに、バルーンが、壁において追加的な応力を作り出すことなく、自己整合してわずかな不規則性を補完できるように、層間に特定の大きさの滑性を有することが望ましい可能性がある。バルーンの層の材料選択は摩擦を低減できる。例えば、例として本明細書に記載しているようなペバックスから作られた内側層は、滑性を提供できる。
入れ子式バルーンは、破裂強度と柔軟性とに対して便益を提供できる。しかしながら、入れ子式バルーンは、単一層のバルーンと比較して類のない難題を提示している。2つのこのような難題は、定格破裂圧力(RBP:Rated Burst Pressure)および伸展性である。
RBPに関する難題は、入れ子式バルーンで起こり得る平均破裂における偏差の増加が、RBPについてより小さい値をもたらすことである。RBPは、99.9%のバルーンが95%の統計的信頼性で切り抜けることができる圧力として定められる。デバイスの不良または管腔の損傷において、RBPにおけるバルーンの完全性維持不良が結果として生じる可能性がある。典型的には、いくらかの緩衝を提供するために、RBPより大きい最小破裂強度(MBS:Minimum Burst Strength)が用いられる。MBSは、平均的な破裂圧力(ABP)についての標準偏差(SD:Standard Deviation)を係数Kで乗算したものをABPから減算して計算される。係数Kは、正規分布についての一方の側の公差限度に基づき、信頼性レベル、蓋然性、およびサンプルの大きさの関数である。99.9%の蓋然性および30のサンプルの大きさを伴う95%の信頼性について、係数Kは4.022である。結果として、SDにおける小さい増加は、ABPが同じであっても、結果としてのMBSに大きな影響を与えることができる。
MBS=ABP-(K*SD)
歴史的には、ナイロンバルーンのためのSDは、おおよそ4.5%であり、図34に示しているように、一部の実施形態によれば、おおよそ2%から7%までの範囲であり得る。
設計の観点から、一部の場合には、最上級品をロット毎の成功を確保するために設計することが望ましい可能性がある。
%SD=SD/ABP
ABP=MBS/(1-K*%SD)
ある結果は、SDがABPと共に増加することであり、これは、大きな破裂圧力の要件について重大であり得る。別の結果は、入れ子式バルーンは%SDを増加できることである。
入れ子式バルーンは、単層バルーンより複雑性を増加させる。各々の層は、SDと共にABPを有することになる。また、入れ子にすること自体が全体のSDに寄与する。
入れ子効果(NE:Nesting Effectiveness)は、入れ子が効果的である度合いを表す方法である。理想的な場合、入れ子式バルーンについてのABPは、2つの個別の層のABPの合計である。両方の層が同じABPを有すると仮定すると、NEは2となる。NEが約2未満である場合、これは、破裂強度の損失を指し示している。例えば、個別のバルーン層が25atmのABPを有し、入れ子式バルーンABPが50atmである場合、これは2のNEとなる。同じ場合において、入れ子式バルーンのABPが40atmである場合、NEは1.6である。バルーン強度におけるこのような損失は、例えば、組み合わせの誤配列、応力上昇部として作用する層間の微小溶接、または、大きさの小さい差から生じる可能性がある。
NEは、一定ではなく、母集団にわたって測定される場合、それ自体の標準偏差を持つことになる。この偏差は、入れ子式バルーンABPの全体の標準偏差に寄与することになる。特定のMBSを達成するためにより高い%SDを補完することは、ABPを増加させることを必要とする。これは、バルーンの壁厚を増加させることで行われ、これは入れ子式バルーンの値をずらすことになる。
前述したように、別の難題は、入れ子式バルーンがバルーンの伸展性を増加させる可能性があることであり、これは、高度に配向されたポリマーの増加したレベルにより、増加した層が伸展性を低下させると予期されるため、表面において反直感的に見える。この低下した伸展性は、伸展性がバルーンカテーテルおよびバルーンについての典型的な伸展性曲線についてどのように述べられているかの結果である。
伸展性は、明確には、名目上の圧力(NP:Nominal Pressure)からRBPまでのバルーン直径の百分率変化である。所与のバルーンについてNPおよびRBPを変えることで、バルーン自体を変えることなく伸展性を増加および低下させることが可能である。NPおよびRBPの値は、伸展性の特定の要件を達成するようにしばしば操作される。これは、18atmの所与のRBPについて、伸展性が8atmの名目上の圧力については8.4%である一方、10atmの名目上の圧力については6.6%である以下のグラフに見られる。以下のグラフは、伸展性が入れ子式バルーンについて低下できる理由を説明するための段階も設定する。
図35に示した伸展性曲線は、一部の実施形態によれば、ナイロンバルーンについて典型的である。伸展性は、より低い圧力における初期の伸展性が、より高い圧力における主要な伸展性曲線より高い点において、二峰性である。これらの合致する位置は、撓み点(DP:Deflection Point)と称され得る。DPはおおよそ6atmであることに留意されたい。典型的には、名目上の圧力は6〜10atmの範囲にあり、そのため、より大きい初期の伸展性は、標準的なバルーン伸展性については因子とならない。しかしながら、これは、入れ子式バルーンについての場合ではない。
図36は、一部の実施形態による入れ子式バルーンについての伸展性曲線を示している。個別の層によって見られる圧力が効果的に半分にされるため、初期の伸展性曲線は、2倍の圧力範囲にわたって拡げられている。図36では、DPが、目標とされる10atmの名目上の圧力より高い12atmにある。結果として、標準的なバルーン伸展性を計算するための初期の直径はより小さく、より大きな伸展性値をもたらす。
一部の実施形態では、バルーン破裂の偏差の問題と伸展性の問題との両方が、本明細書に記載された工程によって実質的な範囲まで軽減されており、その工程は、比較的高い圧力および/または温度の下で入れ子式バルーンをアニーリングすることを含むことができ、一体に入れ子にされる2つ、3つ、またはそれを超えるバルーン層を有利に予想外に可能にでき、一部の場合では、同じ特性(例えば、材料、直径など)を有する非入れ子式バルーンに対して、入れ子式バルーンの強度を増加でき、伸展性を改善(増加または低下)できる。
工程は、一部の実施形態では、任意の数の以下のステップを含み得る。
(a)バルーンは、同日中(FN:Fast Nesting(迅速な入れ子))など、互いの約48時間、36時間、24時間、20時間、18時間、16時間、14時間、12時間、10時間、8時間、7時間、6時間、5時間、4時間、3時間、2時間、1時間、またはそれ未満の時間内など、比較的短い期間内に吹き込まれて入れ子にされる。
(b)型でアニーリングされる入れ子式バルーンは、一部の実施形態では、以下のパラメータ、すなわち、約華氏235度(または、一部の実施形態では、約華氏100度から約華氏300度まで、約華氏200度から約華氏300度まで、約華氏120度から約華氏270度まで、約華氏215度から約華氏255まで、約華氏215度から約華氏255度まで、もしくは、前記の値のうちの任意の2つを含む範囲)、もしくは、バルーン材料のガラス転移温度の上方限度未満の温度、または、およそもしくは少なくとも約2atm、5atm、10atm、15atm、20atm(または、バルーンの名目上の圧力を上回る最小値において、一部の実施形態では、約2〜約40atm、約5〜約30atm、約15〜約25atm、もしくは、前記の値のうちの任意の2つを含む範囲)の圧力、または、1〜2lbs(一部の実施形態では、約0.5〜約10lbs、約1〜約5lbs、約1〜約3lbs、もしくは、前記の値のうちの任意の2つを含む範囲)の伸長、または、およそもしくは少なくとも約30分間(約5〜約180分間、約5〜約90分間、約10〜約60分間、約15〜約45分間、もしくは、前記の値のうちの任意の2つを含む範囲)のうちの1つ、2つ、またはより多くを伴って、アニーリングされ得る。本明細書における一部の実施形態において記載されているものなど、このような技術は、本明細書により、PCAまたは加圧拘束アニーリングとして、本明細書において言及され得る。一部の実施形態では、アニーリングは、本明細書に記載したパラメータのうちの任意の数を可能にするために、制御装置で構成される閉じられた高圧のバルーン加熱室で行われ得る。一部の実施形態において本明細書の他の部分で記載されているものなど、様々なバルーンの材料、直径、および他の特性が、利用され得る。
(c)入れ子式バルーンは、カテーテルの内側シャフトおよび/または外側シャフトに溶接され得る。
(d)一部の実施形態では、約50℃(例えば、約40℃〜約60℃)で約2時間(例えば、約1時間〜約3時間)など、適切な温度で適切な時間にわたって「殺菌」アニーリングする。
予想外に有利な結果が、アニーリングの前および/または後に、より小さい伸展性を伴い、より小さい%SDの結果としてより大きいMBSを伴う、入れ子式バルーンであり得る。図37は、アニーリングされていない入れ子式バルーンについて、圧力の変化による直径の変化を示しており、図38は、アニーリングされている入れ子式バルーンについて、圧力の変化による直径の変化を示している。曲線における違いは、バルーン破裂の偏差および伸展性の問題が、本明細書で開示されているような比較的高圧の下で、アニーリングによって実質的な範囲まで軽減され得ることを示す。
比較において、拘束加圧アニーリングされていないバルーンは、下記の表に列記されているように、より小さい破裂圧力とより大きい伸展性とを有する。
Figure 0006898232
上記で開示した実施形態の具体的な特徴および態様の様々な組み合わせまたは部分組み合わせを行うことができ、これらは、なおも本発明のうちの1つまたは複数内に入れることができると考えられる。さらに、実施形態と関連している任意の特定の特徴、態様、方法、性質、特性、品質、属性、要素などの本明細書での開示は、本明細書で明記したすべての他の実施形態で使用できる。したがって、開示した実施形態の様々な特徴および態様が、開示した発明の様々な様式を形成するために、互いに組み合わされ得る、または、互いに対して代用され得る。したがって、本明細書で開示されている本発明の範囲は、先に記載されている特定の開示した実施形態によって限定されるべきではないことが、意図されている。さらに、本発明は様々な変更および代替の形態が可能とされる一方、その特定の例が、図面に示されており、本明細書において詳細に記載されている。しかしながら、本発明は、開示されている特定の形態または方法に限定されないが、反対に、本発明は、記載された様々な実施形態および添付の請求項の主旨および範囲内にあるすべての変更、均等物、および代替を網羅することを理解されたい。本明細書で開示されているあらゆる方法は、提唱された順番で実施される必要はない。本明細書で開示されている範囲は、その範囲の任意およびすべての重なり、部分範囲、および組み合わせも包含する。「〜まで」、「少なくとも〜」、「〜より大きい」、「〜より小さい」、「〜の間」などの言葉は、提唱された数字を含む。本明細書で用いられている「おおよそ」、「約」、および「実質的に」などの用語によって先行される数字は、提唱された数字を含み、また、所望の機能をなおも実施する、または、所望の結果をなおも達成する、述べた量に近い量も表している。例えば、「おおよそ」、「約」、および「実質的に」の用語は、述べた量の10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、および0.01%未満の量を指すことができる。
2 入れ子式バルーン
2' 単一バルーン
2" 入れ子式バルーン
3 カテーテル
4 近位首部溶接
6 ひだ
7 バルーン
8 断面積
9 断面積
10 曲げ半径
14、14' バルーン壁要素
14" 入れ子式バルーン要素
15 第1の要素
16 第2の要素
17 第3の要素
20 第1のバルーン
22 第2のバルーン
24 第3のバルーン
30 内側バルーン
31 外側バルーン
50A、50B 近位首部
51A、51B 遠位首部
F1、F2、F3 力
P 破裂圧力
t 厚さ
y 設定距離
Δl 距離

Claims (22)

  1. 入れ子式バルーンを製造するための方法であって、
    第1のバルーン層を提供するステップと、
    第2のバルーン層を提供するステップと、
    入れ子式バルーンを形成するために、前記第1のバルーン層を前記第2のバルーン層に挿入するステップと、
    前記入れ子式バルーンを、37.8℃から148.9℃までの間の温度で、ある期間の間、アニーリングするステップであって、アニーリングするステップの後に、前記第1のバルーン層が前記第2のバルーン層に対して滑るように構成され、前記期間は5分間から180分間までの間である、アニーリングするステップと、
    アニーリングするステップの前に、前記第1のバルーン層と前記第2のバルーン層とを吹込み成形するステップと、を含む、方法。
  2. 前記第1のバルーン層はナイロンを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第2のバルーン層はナイロンを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記温度は48.9℃から132.2℃までの間である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記温度は37.8℃から93.3℃までの間である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記アニーリングするステップは、前記入れ子式バルーンを2atmから30atmまでの間の圧力で加圧するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記アニーリングするステップは、前記入れ子式バルーンを10atmから25atmまでの間の圧力で加圧するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  8. 4.45Nから22.24Nまでの間の伸長力で前記入れ子式バルーンを伸長させるステップをさらに含む、請求項1の方法。
  9. 前記期間は15分間から45分間までの間である、請求項1に記載の方法。
  10. 前記期間は30分間から180分間までの間である、請求項1に記載の方法。
  11. 前記期間は10分間から90分間までの間である、請求項1に記載の方法。
  12. 前記期間は少なくとも30分間である、請求項1に記載の方法。
  13. 40℃から60℃までの間の温度で、1時間から3時間までの間の期間の間、前記アニーリングするステップの後、前記入れ子式バルーンを殺菌するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  14. 前記吹込み成形は前記アニーリングするステップの前の48時間以内に行う、請求項1に記載の方法。
  15. 前記吹込み成形は前記アニーリングするステップの前の24時間以内に行う、請求項1に記載の方法。
  16. バルーンカテーテルを形成するために、前記入れ子式バルーンをカテーテルシャフトに溶接するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  17. 前記第1のバルーン層は共押出しされたバルーン層である、請求項1に記載の方法。
  18. 前記第2のバルーン層は共押出しされたバルーン層である、請求項1に記載の方法。
  19. 前記第2のバルーン層を第3のバルーン層に挿入するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  20. 前記第1のバルーン層と前記第2のバルーン層とは同一の材料を含む、請求項1に記載の方法。
  21. 前記第1のバルーン層と前記第2のバルーン層との間に潤滑剤が配置されている、請求項1に記載の方法。
  22. 入れ子式バルーンを製造するための方法であって、
    第1のバルーン層を提供するステップと、
    第2のバルーン層を提供するステップと、
    入れ子式バルーンを形成するために、前記第1のバルーン層を前記第2のバルーン層に挿入するステップと、
    アニーリングするステップの前に、前記第1のバルーン層と前記第2のバルーン層とを吹込み成形するステップと、
    前記入れ子式バルーンをアニーリングするステップであって、アニーリングするステップは、37.8℃から148.9℃までの間の温度を5分間から180分間までの間の期間の間印加するステップを含み、アニーリングするステップの後に、前記第1のバルーン層および前記第2のバルーン層は、互いに対して滑るように構成される、アニーリングするステップと、を含む、方法。
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