JP6898072B2 - 14−3−3タンパク質活性調節剤 - Google Patents

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本発明は、ベンズアルデヒド化合物を含む14−3−3タンパク質活性調節剤、その調節剤を含む14−3−3タンパク質活性が関与する疾患(例えば、神経変性疾患など)を治療するための医薬組成物、その調節剤を含む抗がん剤組成物などに関する。
ベンズアルデヒド又はその誘導体は、東風睦之博士によってその抗がん活性が見いだされた物質である(例えば、特許文献1)。その後東風らの研究によって、種々のベンズアルデヒド化合物(例えば、ベンズアルデヒド、5,6−0−ベンジリデン−L−アスコルビン酸ナトリウム塩、4,6−0−ベンジリデン−D−グルコピラノースなど)について、抗がん活性、抗HIV活性、活性酸素種の消去活性、インフルエンザの治療活性などが見いだされている(特許文献2〜6及び非特許文献1〜3など)。
ベンズアルデヒドは最も単純な芳香族アルデヒドで安価でもあり、正常細胞に対する細胞障害性がほとんどなく化学療法による苦痛を軽減できる可能性の高い物質である。
一方、疾患に関与するタンパク質は膨大な数知られている。例えば、がんに関与するタンパク質としては、例えば、チロシンキナーゼ型受容体(例えば、EGFR、PDGFR、VEGFRなど);細胞内チロシンキナーゼ (例えば、Src-ファミリー, Syk−ZAP−70ファミリー、BTKファミリ−など):調節性GTPases(例えば、Rasタンパク質);細胞内セリン/スレオニンキナーゼとそれらの調節サブユニット(例えば、Rafキナーゼ、PI3キナーゼ、AKTキナーゼ、プロテインキナーゼC、RSKキナーゼ、p−70S6キナーゼ、mTORキナーゼ、Pimキナーゼ);シグナル伝達系のアダプタータンパク質(例えば、HSP90、HSP70、HSP27、14−3−3);各種転写因子、(例えば、STAT3、NFκB、c−Myc、c−Myb、E2F、c−Jun、c−Fos);Wntシグナル関連タンパク質(例えば、Wnt、β-Catenin);Notchシグナル関連タンパク質(例えばNotch);Hedgehog関連タンパク質(例えば、GLI1、GLI2);アポトーシス関連タンパク質(例えばBcl−2)、細胞骨格タンパク質(例えば、Rho、CDC42、Rac、Cofilin);癌免疫の異常に関連するタンパク質(例えばIL−6、IFN、TNF、抗PD−1/PD−L1抗体、抗CTLA−4抗体、CXCR4、CCR)などが挙げられる。抗がん剤の開発においては、これらの多くのタンパク質がターゲットとされて膨大な労力、時間、コストが投入されている。
これらのタンパク質の中で、14−3−3−タンパク質(特に、14−3−3ζタンパク質)は、がん化の初期、がんの転移、悪性化段階や抗がん剤や放射線治療後のがん細胞において多く発現が認められている(非特許文献4〜13)。14−3−3ζタンパク質はアルツハイマー病、筋委縮性側索硬化症などの神経変性疾患の発症に関わるタウタンパク質の構成成分である(非特許文献14〜18)。このため、タウタンパク質をターゲットとした治療薬の研究も行われているが、未だ有効な治療薬の開発には至っていない。
特公昭54-962号 特公昭63-10685号明細書 特開平7-242632 特公平3-33127号明細書 特開平8-217675号明細書 特公昭44-12747号明細書(特許第560349号)
Takeuchi, S.ら, Agric Biol Chem 42: 1449-1451, 1978 Kochi, M.ら, The 13th International Cancer Congres, Seattle, 1982 Kochi, M.ら, The 14th International Cancer Congress, Budapest, 1986 Matta, A.ら, BMC Cancer 2007; 7: 169 Li Z.ら, Proc Natl Acad Sci USA 2008; 105: 162-167 Choi JEら, Cancer Lett 2011; 303: 99-107 Steve Aら, JBC. 2009; 284: 22379-22389 Young Ki Leeら, Experimental & Molecular Medicine 2014; 46; e77 Qi Wら, Radiat Res 2003; 160: 217-223 Morrison DKら, Trends Cell Biol 2009; 19: 16-23 Niemantsverdriet Mら, Oncogene 2008; 27: 1315-1319 Neal CLら, Expert Opin Ther Targets 2010; 14: 1343-1354 A. Mattaら, Expert Opin Ther Targets 2012; 16: 515-523 Berg Dら, Nat Rev Neurosci. 2003; 4 (9): 752-62 Hashiguchi Mら, J Biol Chem 2000; 275(33): 25247-54 Layfield Rら, Neurosci Lett 1996; 209 (1): 57-60 Agarwal-Mawal Aら, J Biol Chem 2003; 278 (15): 12722-8 Shimada, T.ら, BioMed Res Inter. 2013; 10.1155-1165
上記したように、ベンズアルデヒド又はその誘導体(以下、「ベンズアルデヒド化合物」ともいう)は、種々の有用な活性を有しており有用な物質であると考えられる。しかしながら、その作用機序が解明されていないことから、未だ有効に利用されていないというのが現状である。本発明者らは、ベンズアルデヒド化合物の作用機序を解明して、この物質のさらなる有効利用を図ることを課題として研究を進めた。
また、アルツハイマー病、筋委縮性側索硬化症などの神経変性疾患の治療剤は多く開発されているが、副作用が少なく適用範囲の広い治療剤の開発が望まれている。
本発明者らは、上記課題を解決するためにベンズアルデヒド化合物の作用機序について鋭意研究した結果、ベンズアルデヒド化合物が14−3−3タンパク質(特に、14−3−3ζタンパク質)の活性を調節することを見いだし、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の実施態様に係る、14−3−3タンパク質活性調節剤、それを含む医薬組成物などを提供する。
(1)ベンズアルデヒド化合物又はその薬学的に許容される塩を含む、14−3−3タンパク質活性調節剤。
(2)前記ベンズアルデヒド化合物が、下記一般式(I):
Figure 0006898072
(式中、R1は−CHO、−CXO(ここで、Xはハロゲン基)、ジオキソラニル基、ジオキサニル基、−CN−R3(R3は低級アルキル基)、
Figure 0006898072
を;R2はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基又は低級アルコキシ基を;
そしてnは1〜5の整数を表す)で示される、上記(1)に記載の調節剤。
(3)前記ベンズアルデヒド化合物が、一般式(I)の化合物であって、R1が−CHO、1,3−ジオキソラニル基、1,3−ジオキサニル基、又は
Figure 0006898072
であり;R2はそれぞれ独立して水素原子又はハロゲン原子である、上記(2)に記載の調節剤。
(4)前記ベンズアルデヒド化合物が、ベンズアルデヒド又は5,6−0−ベンジリデン−L−アスコルビン酸である、上記(3)に記載の調節剤。
(5)14−3−3ζタンパク質の活性を調節する(阻害する)、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の調節剤。
(6)14−3−3ζタンパク質と14−3−3ζタンパク質に結合するタンパク質との結合を抑制する、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の調節剤。
(7)前記14−3−3ζタンパク質に結合するタンパク質が、mTOR、Raptor、Rictor、TSC2、cRaf、STAT3、FOXO1及びFOXO3aから選択される1以上のタンパク質である、上記(6)に記載の調節剤。
(8)Tauタンパク質のセリン(Ser262)のリン酸化を抑制する、上記(1)〜(7)に記載の調節剤。
(9)上記(1)〜(8)に記載の調節剤及び薬学的に許容し得る担体を含有する、14−3−3タンパク質活性が関与する疾患の治療のための医薬組成物。
(10)前記14−3−3タンパク質活性が関与する疾患が、神経変性疾患、がん、てんかん、神経障害性疼痛、自己免疫疾患、心疾患、又はウィルス感染疾患である、上記(9)に記載の医薬組成物。
(11)前記神経変性疾患が、アルツハイマー病、筋委縮性側索硬化症、ハンチントン病、脊髄小脳変性症、多発性硬化症、クロイツフェルト・ヤコブ病、進行性多巣性白質脳症、レビー小体型認知症、皮質基底核変性症、筋委縮性側索硬化症、パーキンソン病、パーキンソン症候群、脊髄小脳変性症、痙性対麻痺、脊髄小脳変性症、多発性硬化症、進行性多巣性白質脳症、又は非ヘルペス性急性辺縁系脳炎である、上記(10)に記載の医薬組成物。
(12)上記(1)〜(8)に記載の14−3−3タンパク質活性調節剤(第1抗がん剤成分)、及び14−3−3タンパク質活性に関与しない作用機序を有する抗がん剤(第2抗がん剤成分)を含む、抗がん剤組成物。
(13)第1抗がん剤成分が、ベンズアルデヒド又は5,6−0−ベンジリデン−L−アスコルビン酸であり;
第2抗がん剤成分が、ゲフィチニブ、塩酸イリノテカン、塩酸トポテカン、ドセタキソール、パクリタキセル、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンデシン、エトポシド、テニポシド、酒石酸ビノレルビン、ブスルファン、カルボコン、チオテパ、シクロホスファミド、メルファラン、リン酸エストラムスチンナトリウム、塩酸メクロレタミンオキシド、イホスファミド、ラニムスチン、塩酸ニムスチン、塩酸ブレオマイシン、硫酸ペプロマイシン、ジノスタチンスチマラート、アクチノマイシンD、塩酸アクラルビシン、塩酸ドキソルビシン、塩酸イダルビシン、塩酸アムルビシン、塩酸ダウノルビシン、ピラルビシン、塩酸エピルビシン、マイトマイシン、バルルビシン、メトトレキサート、メルカプトプリン、リン酸フルダラビン、クラドリビン、フルオロウラシル、テガフール、シタラビン、塩酸ゲムシタビン、シタラビンオクホスファート、カペシタビン、ドキシフルリジン、カルモフール、エノシタビン、ネダプラチン、カルボプラチン、シスプラチン、塩酸ファドロゾール、アナストロゾール、エキセメスタン、ビカルタミド、フルタミド、クエン酸タモキシフェン、クエン酸トレミフェン、トレチノイン、ペントスタチン、L−アスパラギナーゼ、ダカルバジン、塩酸プロカルバジン、塩酸ミトキサントロン、ソブゾキサン、トラスツズマブ、リツキシマブ、メシル酸イマチニブ、5−フルオロ−2’−デオキシウリジン、アスクレ、カルボクリン、キノレスパン、クレスチン、及びピシバニールから選択される一種以上の化合物である前記上記(11)記載の抗がん剤組成物。
(14)14−3−3タンパク質活性に関与しない作用機序を有する抗がん剤による治療を受けた患者に投与する、上記(1)〜(8)に記載の14−3−3タンパク質活性調節剤を含有する、抗がん剤組成物。
本発明の14−3−3タンパク質活性調節剤は、14−3−3タンパク質活性(特に、14−3−3ζタンパク質活性)を調節することによって、14−3−3タンパク質活性が(特に、14−3−3ζタンパク質活性)関与する種々の疾患の治療に用いることができる。14−3−3タンパク質活性が関与する種々の疾患としては、神経変性疾患(アルツハイマー病、筋委縮性側索硬化症、ハンチントン病、脊髄小脳変性症、多発性硬化症、クロイツフェルト・ヤコブ病、進行性多巣性白質脳症、レビー小体型認知症、皮質基底核変性症、筋委縮性側索硬化症、パーキンソン病、パーキンソン症候群、脊髄小脳変性症、痙性対麻痺、脊髄小脳変性症、多発性硬化症、進行性多巣性白質脳症、非ヘルペス性急性辺縁系脳炎など)、がん、てんかん、神経障害性疼痛、自己免疫疾患(関節リウマチ、橋本脳症など)、心疾患(心不全、糖尿病心筋症など)、ウィルス感染疾患(インフルエンザ脳症、HIV脳症など)などが挙げられる。
本発明に係る調節剤は、14−3−3タンパク質活性を調節することにより抗がん活性を奏するので、14−3−3タンパク質活性に関与しない作用機序を有する抗がん剤と併用することによって、抗腫瘍効果の増強、薬剤耐性の軽減、副作用の軽減などにおいて期待できる。また本発明に係る調節剤は、長期的にはがん化の予防薬としての効果も期待できる。
また、本発明に係る調節剤は、14−3−3タンパク質活性を調節することにより抗がん活性を奏するので、14−3−3タンパク質活性に関与しない作用機序を有する抗がん剤で治療を受けたが、治療効果が十分に得られなかった患者に対して有効な抗がん剤として用いることができる。
本発明の抗がん剤及び抗がん剤組成物は、副作用が少なく、有効な抗がん活性を有するので新規抗がん剤として好適に用いられる。本発明の抗がん剤及び抗がん剤組成物は、例えば、悪性黒色腫、悪性リンパ腫、咽頭がん、喉頭がん、胃がん、カポジ肉腫、肝臓がん、筋肉腫、結腸がん、血管腫、骨髄腫、甲状腺がん、睾丸腫瘍、膵臓がん、消化器がん、食道がん、大腸がん、上顎がん、舌がん、口唇がん、口腔がん、胆嚢がん、胆管がん、胆道がん、直腸がん、乳がん、尿管腫瘍、肉腫、骨肉腫、脳腫瘍、白血病、肺がん、神経芽腫、真性多血症、膀胱腫、卵巣がん、子宮がん、前立腺がん、筋肉腫、皮膚がん、基底細胞がん、皮膚付属器がん、皮膚転移がんおよび皮膚黒色腫などの各種良性および悪性腫瘍の治療に用いることができる。
図1〜図3は膵臓がん細胞株BxPC3細胞においてベンズアルデヒドが多くの14-3-3ζ蛋白と結合する蛋白のリン酸化抑制を示している。図1は低濃度のベンズアルデヒド(100μM)を用いた場合と高濃度のベンズアルデヒド(500μM)を用いた場合の比較を示している。 図2は高濃度のベンズアルデヒド(500μM)を用いた場合の結果を示している。 図3も高濃度のベンズアルデヒド(500μM)を用いた場合の結果を示している。 図4はBxPC3細胞において14-3-3 バインディング・モチーフ(binding motif)抗体(エピトープアミノ酸配列:(R/K)xx(S*)xP、S*はリン酸化セリン)を用いてベンズアルデヒド投与群と投与しない群について、24時間後の変化の比較を示している。ベンズアルデヒド投与により低分子から高分子まで幅広く14-3-3 バインディング・モチーフ(binding motif)が減少していることが示されている。ベンズアルデヒドはかなり数多くのタンパク質に作用していることが推測される。右端のレーンは分子量マーカーの泳動及びその分子量を示す。 図5はHEK293T細胞に14-3-3ζmyc標識のついたcDNAをトランスフェクションし、cMYC抗体で免疫沈降を行った結果を示している。mTOR、Raptor、Rictor、TSC2、cRaf、STAT3、FOXO1、FOXO3aなどにおいてベンズアルデヒド投与によって明らかに14-3-3ζと結合蛋白との蛋白蛋白間結合の抑制が確認された。 図6はHEK293T細胞に14-3-3θmyc標識のついたcDNAをトランスフェクションし、cMYC抗体で免疫沈降を行った結果を示している。mTOR、Raptor、Rictor、cRafにおいてベンズアルデヒド投与後も14-3-3θと結合蛋白との蛋白蛋白間結合に変化は見られなかった。 図7はHEK293T細胞に14-3-3σmyc標識のついたcDNAをトランスフェクションし、cMYC抗体で免疫沈降を行った結果を示している。mTOR、cRaf、FOXO1、Rictorにおいてベンズアルデヒド投与によって14-3-3σと結合蛋白との蛋白蛋白間結合の増加が軽度確認された。 図8はHEK293T細胞に14-3-3ηmyc標識のついたcDNAをトランスフェクションし、cMYC抗体で免疫沈降を行った結果を示している。Rictor、cRafにおいてベンズアルデヒド投与によって14-3-3η結合蛋白との蛋白蛋白間結合はほぼ不変であった。 図9はHEK293T細胞に14-3-3βmyc標識のついたcDNAをトランスフェクションし、cMYC抗体で免疫沈降を行った結果を示している。Rictor、cRafにおいてベンズアルデヒド投与によって14-3-3βとの結合はわずかな抑制が見られた。 図10はHEK293T細胞に14-3-3γmyc標識のついたcDNAをトランスフェクションし、cMYC抗体で免疫沈降を行った結果を示している。Rictorにおいてベンズアルデヒド投与によって14-3-3γとの結合はごくわずかな抑制が見られた。 図11はHEK293T細胞に14-3-3εmyc標識のついたcDNAをトランスフェクションし、cMYC抗体で免疫沈降を行った結果を示している。Rictorにおいてベンズアルデヒド投与によって14-3-3εとの結合はごくわずかな抑制が見られた。 図12はHEK293T細胞に14-3-3ζmyc標識のついたcDNAをトランスフェクションした細胞のTotalのライセートにおいて24時間ベンズアルデヒドを投与した群がタウ蛋白Ser262のリン酸化状態を抑制していることを示す。 図13は、短鎖ヘアピン RNAを用いたRNA干渉法により14-3-3ζ蛋白をノックダウンしたBxPC3細胞(14-3-3ζshRNA)におけるベンズアルデヒドの作用をコントロールと比較している。 図14は、短鎖ヘアピン RNAを用いたRNA干渉法により14-3-3ζ蛋白をノックダウンしたA549細胞((14-3-3ζshRNA)におけるベンズアルデヒドの作用をコントロールと比較している。
1.本発明の14−3−3タンパク質活性調節剤
本発明は、ベンズアルデヒド化合物(ベンズアルデヒド又はその誘導体)又はその薬学的に許容される塩を含む、14−3−3タンパク質活性調節剤を提供する。
本明細書中、「14−3−3タンパク質」とは14−3−3タンパク質ファミリーのメンバーをいう。14−3−3タンパク質は、独立した遺伝子でコードされた高度に相同なタンパク質のファミリーである。14-3-3蛋白はセリンまたはスレオニンによるリン酸化部分を含めた特定のアミノ酸配列に結合するアダプタータンパク質(adaptor protein)で7個のアイソフォーム(β、γ、ε、ζ、θ、η、σ)を有する(Ichimuraら, 1988, PNAS 85:7084-7088; Martinら, 1993, FEBS Lett. 331:296-303)。これら7個の各アイソフォームのアミノ酸配列のGenBank Accession Noとしては、例えば、β:P31946、γ:P61981、ε:P62258、ζ:P63104、θ:P27348、η:Q04917、およびσ:P31947が登録されている。特開2007−523197号公報に記載のように、14−3−3タンパク質は、主としておよそ30kDのモノマー分子量を有するダイマーとして存在する。14−3−3ポリペプチドの一般特性は、さらにFuら(2000)Annu. Rev. Pharmacol. Toxicol. 40:617-647; Takahashi, 2003, Neurochem Res. 28:1265-73;ならびにTzivionおよびAvruch, 2002, J Biol Chem. 277:3061-4中に見い出すことができる。種々の14−3−3タンパク質ファミリーメンバーの核酸配列およびアミノ酸配列は、例えばLefferら, (1993) J. Mol. Biol. 231:982-998に記載されている。
14−3−3タンパク質のアイソフォームの中の1つである14−3−3ζタンパク質はがん細胞での発現が多く、がん細胞において亢進している(Muslin, A.J.ら, Cell 1996; 84: 889-897、Yaffe, M.B.ら, Cell 1997; 91: 961-971)。14−3−3ζタンパク質はPI3K−AKT-mTOR、cRaf、STAT3などの活性化に関与している(CL Nealら, Oncogene 2012; 31: 897-906、Tzivion G.ら, Nature 1998; 394(6688):88-92、Petosa, C.ら, J Biol Chem 1998; 273: 16305-16310、Jia Zら, Plos one 2012; 10: 1371)。またがん化の初期段階、がんの転移、悪性化などに関与しており、また抗がん剤投与後や放射線治療後に発現上昇を認めることから治療抵抗性と関連性のあるタンパク質であることなどが知られている。このため、14−3−3ζタンパク質阻害剤は、抗がん剤として使用し得ると認識されている(Maxwellら(2009) J. Biol. Chem. 284:22379-22389、Leeら(2014)Exp. Mol.Med: 46: e77等参照)。
また、14−3−3ζタンパクの過剰発現はタウ蛋白のSer262のリン酸化を促進させる。Ser262のリン酸化はβアミロイドの神経毒性を引き起こし、脳内に毒性も持ったタウ領域を引き起こし、シナプス前タンパクのシナプトフィシンを減少させる。14−3−3ζ蛋白はアルツハイマー病の神経病理である(1)βアミロイドペプチドの蓄積、(2)タウタンパクの高リン酸化、(3)シナプスの欠失に影響を及ぼすと考えられる(非特許文献14〜18)。筋委縮性側索硬化症、ポリグルタミン(PolyQ)病であるハンチントン病や脊髄小脳変性症、多発性硬化症、クロイツフェルト・ヤコブ病、HIV脳症、進行性多巣性白質脳症、パーキンソン病などの神経変性疾患やてんかんの責任病変の病態形成に14−3−3ζを中心とした14−3−3蛋白が深く関わっている。このため、本発明に係る14−3−3タンパク質活性調節剤は、神経疾患治療薬として使用可能である(Qureshi, H.Y.ら, PLoS ONE 2013; 8(12): 1-14、Marie Curie Industry-Academia Partnerships and Pathways.2012)。
また、14−3−3ζタンパク質は神経障害性疼痛に関わっており、14−3−3ζを制御することで神経障害性による慢性疼痛の改善が動物モデルを用いた実験から報告されている(Laffray, S.ら, EMBO J. (2012) 31, 3239-3251)。
本明細書中、「14−3−3タンパク質活性」とは、例えば、14−3−3タンパク質が14−3−3結合性タンパク質に結合する活性、タンパク質をリン酸化する活性、タンパク質を構造的又は化学的に変異させる活性を意味する。本発明において特に着目しているのは、14−3−3タンパク質が14−3−3タンパク質に結合するタンパク質と結合する活性、タンパク質のリン酸化部分に結合することでそのタンパク質のリン酸化状態を維持させる活性などである。そのような活性としては、14−3−3タンパク質とmTOR、Raptor、Rictor、TSC2、cRaf、STAT3、FOXO1及びFOXO3aから選択される1以上のタンパク質との結合活性、Tauタンパク質のセリン(Ser262)のリン酸化を調節する活性が挙げられる。
本明細書中、「活性調節」という用語は上記のような活性を抑制または促進することを意味し、「活性調節剤」という用語は上記のような活性の抑制剤(阻害剤)または促進剤を意味する。「活性を促進する」とは、活性調節剤を使用しない場合と比較して、その活性(例えば、結合活性)が、1%以上、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上、さらに好ましくは20%以上、さらに好ましくは30%以上増加することを意味する。「活性を抑制する」とは、活性調節剤を使用しない場合と比較して、その活性(例えば、結合活性)が、1%以上、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上、さらに好ましくは20%以上、さらに好ましくは30%以上低減することを意味する。
本明細書中、「抗がん剤」とは、腫瘍縮小、腫瘍細胞増殖抑制、がん転移防止、がん再発防止または発がん予防等の目的で使用されるものをいう。
本発明で好ましく用いられるベンズアルデヒド化合物は、14−3−3タンパク質活性を調節する機能を有する限り特に限定されることはないが、例えば、下記一般式(I):
Figure 0006898072
(式中、R1は−CHO、−CXO(ここで、Xはハロゲン原子)、ジオキソラニル基、ジオキサニル基、−CN−R3(R3は低級アルキル基)、
Figure 0006898072
を;R2はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基又は低級アルコキシ基を;そしてnは1〜5の整数を表す)で示される化合物を含む。
ここで、「ジオキソラニル基」とは、ヘテロ原子として2個の酸素原子を有する5員複素環式基であり、好ましくは2位の炭素原子が式(I)のフェニル基と結合している1,3−ジオキソラニル基である。残りの4位及び5位の原子は、非置換であっても、1以上のハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アキニル基、アルコキシ基、水酸基などによって置換されてもよい。
ここで、「ジオキサニル基」とは、ヘテロ原子として2個の酸素原子を有する6員複素環式基であり、好ましくは2位の炭素原子が式(I)のフェニル基と結合している1,3−ジオキサニル基である。残りの4〜6位の原子は、非置換であっても、1以上のハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、水酸基などによって置換されてもよい。
ここで、「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子由来の基を意味するものである。
また、「低級」とは炭素数1〜6個を有することをいう。
本明細書中、「アルキル基」は、一価の直鎖状炭化水素、または分枝鎖状炭化水素の基を意味するもので、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書中、「アルケニル基」は、二重結合を持つ一価の直鎖状炭化水素及び分枝鎖状炭化水素の基を表す用語として用いられており、エテニル、1−及び2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−及び2−ブテニル等を包含するが、これらに限定されるものではない。
本明細書中、「アルキニル基」は、三重結合を持つ一価の直鎖状炭化水素及び分枝鎖状炭化水素の基を表す用語として用いられており、エチニル、プロピニル、ブチニル等を包含するが、これらに限定されるものではない。
本明細書中、「アルコキシ基」は−O−アルキルを表す用語として用いられており、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ等を包含するが、これらに限定されるものではない。
一般式(I)の化合物は、物質としては公知であるか、公知の出発物質から種々の公知の反応を利用して合成することができる。
例えば、一般式(I)の化合物で、R1が−CHOであり、R2が全て水素原子である化合物はベンズアルデヒドであり、この化合物は公知である。ベンズアルデヒドの抗がん活性については、例えば、特公昭54−962号公報に記載されている。一般式(I)の化合物で、R1
Figure 0006898072
であり;R2が全て水素原子の化合物は5,6−0−ベンジリデン−L−アスコルビン酸であり、この化合物も公知である。5,6−O−ベンジリデン−L−アスコルビン酸の製造法は「Steroids」12巻, 309頁(1968)等に記載され、また別の製造法は、特公平3− 33127号公報及び米国特許第 5,036,103号明細書に示される。更に、5,6−O−ベンジリデン−L−アスコルビン酸又はこれのナトリウム塩、カリウム塩及びカルシウム塩が有する抗がん活性と、これらの塩を製造する方法とは特公平3− 33127号公報及び米国特許第 5,036,103号明細書に記載されている。
一般式(I)の化合物で、R1
Figure 0006898072
であり、R2が全て水素原子である化合物は4,6−ベンジリデンーD−グルコピラノースであり、やはり公知化合物である。この化合物の構造、抗がん活性などについては、例えば、特公昭63−10685号公報などに記載されている。
一般式(I)の化合物で、R1が−CN−R3(R3がエチル基)であり、R2が全て水素原子である化合物はN−ベンジリデンエチルアミンである。この化合物の抗がん活性などについては、例えば、特公昭54−70428号公報などに記載されている。
一般式(I)の化合物で、上記化合物以外の化合物については、上記文献に記載のベンズアルデヒド化合物の合成法に、合成化学者の一般常識などを参酌して合成可能である。
本発明において用いる好ましいベンズアルデヒド化合物は、ベンズアルデヒド、5,6−0−ベンジリデン−L−アスコルビン酸、4,6−0−ベンジリデン−D−グルコピラノース、N−ベンジリデンエチルアミン、2−フェニル−1,3−ジオキソラン、2−フェニル−4−メチル−1,3−ジオキソラン、2−フェニル−1,3−ジオキサンを含む。本発明において用いるより好ましいベンズアルデヒド化合物は、ベンズアルデヒドまたは5,6−0−ベンジリデン−L−アスコルビン酸である。なお、2−フェニル−1,3−ジオキソラン、2−フェニル−4−メチル−1,3−ジオキソラン、2−フェニル−1,3−ジオキサンの構造式は次のとおりである。
Figure 0006898072
なお、本発明の医薬組成物の有効成分である化合物が少なくとも1個の不斉中心を持っている場合は、種々の光学異性体または配置のものが存在し得る。したがって、本発明の化合物は、(+)および(−)の別々の光学活性体として、およびラセミ体または(±)混合物として存在し得る。また、不斉中心を2個以上持つ化合物の場合には、さらにそれぞれの光学異性によるジアステレオマーも存在し得る。本発明はこれらすべての型をその範囲に包含するものである。たとえば、ジアステレオマーは当業者によく知られた方法、たとえば分別結晶法等によって分離することができ、また、光学活性体はこの目的のためによく知られた有機化学的手法によって得ることができる。
また、本発明の有効成分であるベンズアルデヒド化合物は必要に応じて、「薬学上許容され得る塩」にすることができる。「薬学上許容され得る塩」は、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、硝酸塩のような鉱酸塩;メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩のようなスルホン酸塩;シュウ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、マンデル酸塩、アスコルビン酸塩(例えば、アスコルビン酸ナトリウム塩、アスコルビン酸カリウム塩など)、乳酸塩、グルコン酸塩、リンゴ酸塩のような有機酸塩等の酸付加塩、好適には塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、乳酸塩である。本発明において、5,6−0−ベンジリデン−L−アスコルビン酸ナトリウム塩またはカリウム塩は好ましい塩形態である。
また、本発明の有効成分であるベンズアルデヒド化合物は、水溶液から凍結乾燥したり、又は、再結晶をすることにより、水分を吸収し、あるいは吸着水がついて水和物となる場合があり、そのような塩も本発明の有効成分に包含される。
2.抗がん剤組成物
本発明に係る調節剤は、14−3−3タンパク質活性を調節することにより抗がん活性を奏するので、14−3−3タンパク質活性に関与しない作用機序を有する抗がん剤と併用することによって、抗がん活性を増強した抗がん剤を提供することができる。
したがって、本発明の他の実施態様によれば、本発明の抗がん剤組成物は、(a)本発明の14−3−3タンパク質活性調節剤(第1抗がん剤成分)、及び(b)14−3−3タンパク質活性に関与しない作用機序を有する抗がん剤(第2抗がん剤成分)を含む。
本発明の好ましい態様によれば、第1抗がん剤成分が、ベンズアルデヒド又は5,6−0−ベンジリデン−L−アスコルビン酸であり;
第2抗がん剤成分が、ゲフィチニブ、塩酸イリノテカン、塩酸トポテカン、ドセタキソール、パクリタキセル、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンデシン、エトポシド、テニポシド、酒石酸ビノレルビン、ブスルファン、カルボコン、チオテパ、シクロホスファミド、メルファラン、リン酸エストラムスチンナトリウム、塩酸メクロレタミンオキシド、イホスファミド、ラニムスチン、塩酸ニムスチン、塩酸ブレオマイシン、硫酸ペプロマイシン、ジノスタチンスチマラート、アクチノマイシンD、塩酸アクラルビシン、塩酸ドキソルビシン、塩酸イダルビシン、塩酸アムルビシン、塩酸ダウノルビシン、ピラルビシン、塩酸エピルビシン、マイトマイシン、バルルビシン、メトトレキサート、メルカプトプリン、リン酸フルダラビン、クラドリビン、フルオロウラシル、テガフール、シタラビン、塩酸ゲムシタビン、シタラビンオクホスファート、カペシタビン、ドキシフルリジン、カルモフール、エノシタビン、ネダプラチン、カルボプラチン、シスプラチン、塩酸ファドロゾール、アナストロゾール、エキセメスタン、ビカルタミド、フルタミド、クエン酸タモキシフェン、クエン酸トレミフェン、トレチノイン、ペントスタチン、L−アスパラギナーゼ、ダカルバジン、塩酸プロカルバジン、塩酸ミトキサントロン、ソブゾキサン、トラスツズマブ、リツキシマブ、メシル酸イマチニブ、5−フルオロ−2’−デオキシウリジン、アスクレ、カルボクリン、キノレスパン、クレスチン、及びピシバニールから選択される一種以上の化合物である。
また、抗がん剤の作用機序は多様であり、このため、ある患者に対し、ある作用機序の抗がん剤は有効であるが、その作用機序と異なる作用機序を有する抗がん剤が有効でないという場合もある。使用した抗がん剤の作用機序がその患者の遺伝的背景等を考慮してがん細胞に対して有効に作用しない場合があるからである。
このため、本発明の別の実施態様は、14−3−3タンパク質活性に関与しない作用機序を有する抗がん剤による治療を受けた患者に投与する、本発明に係る14−3−3タンパク質活性調節剤を含有する、抗がん剤組成物を提供する。
3.本発明の医薬組成物
本発明に係る14−3−3タンパク質活性調節剤、医薬組成物又は抗がん剤組成物の投与形態は特に制限は無く、経口的あるいは非経口的に投与することが出来る。本発明で用いられるベンズアルデヒド化合物は単独で配合されても良いが、これに製薬学的に許容しうる担体あるいは製剤用添加物を配合して製剤の形態で提供することもできる。この場合、本発明で用いるベンズアルデヒド化合物は、例えば、製剤中、0.1〜99.9重量%含有することができる。
本発明においては、このような製剤にさらに、上記他の抗がん剤を配合することもできる。この場合、前記ベンズアルデヒド化合物と他の抗がん剤との配合比は、がんの種類、患者の年齢や症状、投与経路、治療の目的などによって適宜選択されるが、例えば、1:99〜99:1の範囲で選択することができる。本願発明の医薬組成物においては、2種以上の他の抗がん剤を配合することもできる。その場合の配合比も、がんの種類、患者の年齢や症状、投与経路、治療の目的などによって適宜選択される。
製薬学的に許容しうる担体あるいは添加剤としては、例えば賦形剤、崩壊剤、崩壊補助剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、色素、希釈剤、溶解剤、溶解補助剤、等張化剤、pH調整剤、安定化剤等を用いることが出来る。
経口投与に適する製剤の例としては、例えば散剤、錠剤、カプセル剤、細粒剤、顆粒剤、液剤またはシロップ剤等を挙げることが出来る。経口投与の場合、微晶質セルロース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸ジカリウム、グリシンのような種々の賦形剤を、澱粉、好適にはとうもろこし、じゃがいもまたはタピオカの澱粉、およびアルギン酸やある種のケイ酸複塩のような種々の崩壊剤、およびポリビニルピロリドン、蔗糖、ゼラチン、アラビアゴムのような顆粒形成結合剤と共に使用することができる。また、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク等の滑沢剤も錠剤形成に非常に有効であることが多い。同種の固体組成物をゼラチンカプセルに充填して使用することもできる。これに関連して好適な物質としてラクトースまたは乳糖の他、高分子量のポリエチレングリコールを挙げることができる。経口投与用として水性懸濁液および/またはエリキシルにしたい場合、活性成分を各種の甘味料または香味料、着色料または染料と併用する他、必要であれば乳化剤および/または懸濁化剤も併用し、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン等、およびそれらを組み合わせた希釈剤と共に使用することができる。
非経口投与に適する製剤としては、例えば注射剤、坐剤等を挙げることが出来る。非経口投与の場合、本発明の有効成分をゴマ油または落花生油のいずれかに溶解するか、あるいはプロピレングリコール水溶液に溶解した溶液を使用することができる。水溶液は必要に応じて適宜に緩衝し(好適にはpH8以上)、液体希釈剤をまず等張にする必要がある。このような水溶液は静脈内注射に適し、油性溶液は関節内注射、筋肉注射および皮下注射に適する。これらすべての溶液を無菌状態で製造するには、当業者に周知の標準的な製薬技術で容易に達成することができる。さらに、本発明の有効成分は皮膚など局所的に投与することも可能である。この場合は標準的な医薬慣行によりクリーム、ゼリー、ペースト、軟膏の形で局所投与するのが望ましい。
本発明の医薬組成物の投与量は特に限定されず、がんの種類、患者の年齢や症状、投与経路、治療の目的、併用薬剤の有無等の種々の条件に応じて適切な投与量を選択することが可能である。例えば、経口投与の場合には成人(例えば、体重60kg)1日当たり100mgから10g程度、好ましくは150mgから5gである。これらの1日投与量は2から4回に分けて投与されても良い。
実施例及び参考例
以下、本発明を実施例と参考例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
(1)免疫抗体法による14-3-3ζ結合蛋白のリン酸化状態の測定
14-3-3結合蛋白は数百ほど存在することが確認されている。14-3-3は特定のセリン/スレオニンのリン酸化を含む配列部分に結合し、リン酸化状態を維持させる。14-3-3との結合が抑制されると、結合蛋白のリン酸化低下が起こる。
がん細胞において活性されているいくつかの経路の中で、14-3-3ζの結合蛋白であることが報告されているmTOR、TSC2、PRAS40とmTORC1の下流であるp70S6Kα、4EBP1、FOXO1 ,FOXO3a上流のPI3K(p85)さらにcRaf、NF-κB、STAT3、βcatenin、Cofilinなどのリン酸化がベンズアルデヒドの投与によって低下するか否かを免疫抗体法にて確認した。
6ウェルプレートの各ウェルにヒト膵臓がん細胞株BxPC-3細胞を 1.5×10ずつ播種。RPMI培地(5%牛胎児血清、1%ペニシリン、ストレプトマイシンを含む)は各ウェル2ml投与し24時間培養後、ベンズアルデヒド(SIGMA)0μM、100μM、500μM添加の培養液に交換する。ベンズアルデヒドは水への溶解度が0.6w/w%(20℃)と非常に低いためにRPMI溶液に添加後1分以上ボルテックスにて混和する。また、揮発性が非常に高く培地内からの気化を抑えるために、ベンズアルデヒドを含むRPMI培地は約8mlずつと多めに各ウェルに充填し、表面をシールで密閉してから培養器に入れた。細胞は0時間、2時間、4時間、8時間、12時間、24時間に回収。回収は培養液を1×PBSにて置換後各ウェル100μlのライシスバッファー(2% SDS、10% glycerol、50mM Tris(pH6.8))で溶解した細胞液を27Gの注射針にてホモジネート後、95度で5分加熱。比色法にて蛋白量を測定し、パジェルゲル各ウェルに15μgずつのタンパクを注入し、SDS-PAGE溶液中で電気泳動を行う。ニトロセルロース膜に蛋白を移行させて、ミルクでブロッキング後一次抗体を反応させる。
1次抗体はp70S6Kα(Cell signaling technology;CST)、p-p70S6Kα(CST)、4EBP1(CST)、p-4EBP1(CST)、mTOR(CST)、p-mTOR(CST)、TSC2(CST)、p-TSC2(CST)、PRAS40、p-PRAS40、p85(CST)、p-p85(CST)、FOXO1(CST)、p-FOXO1/FOXO3a(CST)、FOXO3a(CST)、p-FOXO3a(CST)、IκB(CST)、p- IκB(CST)、p65(Santa Cruz)、cRaf(CST)、STAT3(CST)、p- STAT3(CST)、βcatenin(Santa Cruz)、p-βcatenin(CST)、Cofilin(CST)、p- Cofilin(CST)、14-3-3ζ(Santa Cruz)、βactin(SIGMA)を用いた。βactinは10000倍、それ以外の抗体は500〜1000倍に希釈して反応させた。二次抗体を反応させた後LAS3000(富士フィルム)で検出を行った。
p-14-3-3 binding antibody(CST)はBA投与群と投与しない群を24時間後の変化で比較した。
実験結果を図1〜5に示す。
(2)免疫沈降抗体法を用いた14-3-3ζと結合蛋白の蛋白蛋白間結合の測定、及び14-3-3ζ以外のアイソフォーム14-3-3θ、η、β、ε、γ、σにおけるベンズアルデヒドの効果の比較
14-3-3ζとの結合が報告されている蛋白の中でmTORC1の構成因子であるmTOR、Raptor、Rictor、AKTによってリン酸化される基質であるPRAS40、TSC2、FOXO1、FOXO3a、βcatenin、がんの進行において重要であるSTAT3、cRaf、 p65などについてベンズアルデヒドの投与によって蛋白間蛋白間結合に変化がもたらされるかを調べた。
6ウェルプレートにDMEM培地を添加し、HEK293T細胞を4×10個/各ウェルに播種する。24時間経過後14-3-3ζにcMyc標識のついたcDNAベクターと空のベクターを6ウェルにつき9〜18μgトランスフェクションさせた細胞を24時間培養する。ベンズアルデヒド500μMとベンズアルデヒド未添加のDMEM培地に交換する。ベンズアルデヒドは揮発性を考え、前述と同様各ウェルには約8mlの培養液を充填し、シールで密閉後に培養器に入れる。24時間経過後、PBS置換後にトリプシンで細胞をはがして細胞浮遊液を作る。細胞浮遊液の細胞数を測定し、1×10個になるよう細胞数を調節する。
免疫沈降用のライシスバッファー(100mM Tris、300mM NaCl、10mM EDTA、2% Nonidet P-40)1ml)を30分反応させて、細胞を溶解し、遠心後の上清の50μlを免疫沈降前の検体として採取する。残りの900μlは免疫沈降用でcMYC抗体5〜8μlとBSAにてブロッキング済のプロテインAビーズを添加し、冷蔵室のターンテーブルにて2時間以上反応させる。14-3-3ζと結合した蛋白をcMYC標識部分に反応する抗体の働きでビーズに吸着させることができる。ビーズ洗浄後蛋白間結合を切断するライシスバッファー(2% SDS、10% glycerol、50mM Tris(pH6.8))を添加し、切断されて溶出した蛋白成分を免疫電気泳動にて検出行う。一次抗体として(1)にて使用した抗体の他にRaptor(CST)、Rictor(CST)、cRaf(CST)、cMYC(Santa Cruz)を使用した。二次抗体反応後LAS3000にて検出を行った。
14-3-3ζ以外のアイソフォーム14-3-3θ、η、β、ε、γ、σにおいても14-3-3ζと同様の過程を経てcMYC標識のついたcDNAベクターをトランスフェクションさせ、免疫沈降抗体法を用いてベンズアルデヒド投与による結合蛋白との結合状態を確認した。結合蛋白はすべての14-3-3アイソフォームとの結合が報告されているcRafの他にRictor、Raptor、FOXO1などを用いた。免疫電気泳動の一次抗体として14-3-3θ(Santa Cruz)、η(IBL 免疫生物研究所)、β(Santa Cruz)、ε(Santa Cruz)、γ(Santa Cruz)、σ(IBL 免疫生物研究所)を使用した。
実験結果を図6〜11に示す。
(3)Tau蛋白リン酸化に対するベンズアルデヒドの作用の確認
14-3-3ζはアルツハイマー病において発現が増加し、ラット海馬において14-3-3ζ蛋白はタウ蛋白262番目のセリン(Ser262)のリン酸化を増加させ、多くのタウと結合する微小管と、シナプス前蛋白質のシナプトフィシンを減量させる。Ser262のリン酸化はβアミロイドの神経毒性を引き起こし、脳内に毒性を持ったタウ領域を形成させる。
病態形成の鍵となるタウ蛋白Ser262のリン酸化の変化を確認するために(2)にて採取したHEK293T細胞に14-3-3ζcDNAをトランスフェクションした細胞のライシスを用いて、ベンズアルデヒドを24時間反応させたものと、未治療の群との発現の差を免疫電気泳動法にて比較した。一次抗体はp-Tau/Ser262(life technology)を使用した。
実験結果を図12に示す。
(4)短鎖ヘアピンRNAを用いたRNA干渉法により14-3-3ζ蛋白の発現を抑制させた細胞におけるベンズアルデヒドの作用を確認する実験。
ベンズアルデヒドが14-3-3ζ蛋白に作用することを示すために、RNA干渉法によって14-3-3ζ蛋白をノックダウンさせた細胞において、従来の癌細胞と比較してベンズアルデヒドの活性経路の抑制が低下するかを比較検討した。すでに論文報告のある14-3-3z: Sigma-Aldrich社 TRCN0000029405のレンチウィルスベクター(Oncogene 33, 589-598, 30 January 2014)を用いてLenti-X293細胞にトランスフェクションを行い、回収した上清をBxPC3細胞およびA549細胞にインフェクションさせ、ピューロマイシン処置後、shRNAを発現する細胞を選別して実験に使用した。6ウェルプレートに選別したBxPC3細胞を2.3×10個/各ウェル、選別したA549細胞を2.5×10個/各ウェル播種し、翌日ベンズアルデヒド(BA) 500μMを添加し、添加後0時間、0.5時間、2時間で細胞を回収し、各回収細胞のライセートを作り、免疫抗体法にて14-3-3ζ、pan14-3-3(Santa Cruz)、pS6(CST)、S6(CST)、pERK(CST)、ERK(CST)、pTSC2、TSC2、pRictor、Rictorの抗体を反応させて発現を比較した。
BxPC3細胞およびA549細胞の実験結果をそれぞれ図13および図14に示す。
(5)実験結果及び考察
膵臓がん細胞株BxPC3細胞、肺がん細胞株A549細胞などにおいてベンズアルデヒドの抑制するPathwayを調べると、がん細胞において亢進しているPI3K-AKT-mTOR pathway、RAF-ERK pathway、STAT3 pathwayなど多系統に抑制することを見出した(齋藤 潤ら、第71回日本癌学会学術総会(2012) P-2073、第72回日本癌学会学術総会(2013) P-3399、第73回日本癌学会学術総会(2014) J-2017)。そこで多くのタンパク質のリン酸化部分に結合する14−3−3タンパク質に注目し、特にがん細胞で発現が亢進している14−3−3タンパク質のアイソフォームである14−3−3ζについて検討を行った。14−3−3ζとの結合が報告されている各タンパク質のリン酸化はベンズアルデヒド投与によってPI3K(p85)、mTOR、PRAS40、TSC2、p70S6Kα、FOXO3a、cRaf、STAT3、NFκB(p65)、βCatenin、Cofilinの抑制が確認された。14-3-3ζのタンパク質発現量の抑制は確認されない事から、蛋白蛋白間結合が作用部分と考えられる。ヒト胎児腎細胞由来のHEK293T細胞に14−3−3ζのpcDNAをトランスフェクションした細胞を用いて免疫沈降を行い14−3−3ζと各タンパク質の結合の変化を比較した結果、ベンズアルデヒドは14−3−3ζとmTOR、TSC2、Raptor、Rictor、cRaf、FOXO1、FOXO3a、及びSTAT3の各タンパク質との結合を抑制することを見出した(図1〜5)。
なお、14-3-3タンパク質の7個のアイソフォームの中でζ以外のβ、γ、ε、θ、η、σについてHEK293T細胞にそれぞれのpcDNAのtransfectionを行いcRaf、Rictorなどについてベンズアルデヒド投与の効果を比較すると、14−3−3θは変化を示さず、14−3−3β、γ、ε、ηでは軽度結合の抑制を示し、14−3−3σとは軽度の結合増加を示した(図6〜11)。
これらの実験結果から、既知の抗がん剤であるベンズアルデヒドまたはその誘導体の作用機序は、14−3−3タンパク質(特に、14−3−3ζタンパク質)の結合蛋白との結合阻害であることが確認された。
一方、アルツハイマー病の病理変化は脳の海馬におけるβアミロイドペプチドの蓄積、タウ蛋白の高リン酸化、シナプスの欠失などである。14−3−3ζはアルツハイマー病において発現が増加し、ラット海馬において14−3−3ζ蛋白はタウ蛋白262番目のセリン(Ser262)のリン酸化を増加させ、多くのタウと結合する微小管と、シナプス前蛋白質のシナプトフィシンを減量させる。Ser262のリン酸化はβアミロイドの神経毒性を引き起こし、脳内に毒性を持ったタウ領域を形成させる(Qureshi, H.Yら、PLoS ONE 2013; 8(12): 1-14)。
上記実験によって、HEK293T細胞において、ベンズアルデヒドはSer262のリン酸化を抑制することを見いだした(図12)。したがって、本発明に係る14−3−3タンパク質活性調節剤は、アルツハイマー病などの神経変性疾患の治療に有用であることが示された。
図13では、短鎖ヘアピン RNAを用いたRNA干渉法により14-3-3ζ蛋白をノックダウンしたBxPC3細胞におけるベンズアルデヒドの作用をコントロールベクターと比較している。14-3-3ζノックダウン細胞BxPC3において、mTORシグナルの活性を示すS6のリン酸化(p-S6)、Rictorのリン酸化(p-Rictor)、ERKシグナルの活性を示すpERKのリン酸化(p-ERK)のベンズアルデヒド投与による顕著な低下が14-3-3ζ蛋白ノックダウンによって抑えられた。さらに、各リン酸化の発現自体もノックダウンによって抑制された。
図14では、図13と同様に、14-3-3ζをノックダウンしたA549細胞において、mTORシグナルの活性を示すS6、TSC2、Rictorのリン酸化(それぞれp-S6、p-TSC2、p-Rictor)のベンズアルデヒド投与による顕著な低下が、14-3-3ζ蛋白ノックダウンによって抑制された。また、各リン酸化の発現自体もノックダウンによって抑制されていることが確認された。
図13および図14の結果から、14-3-3ζ蛋白の発現が高く、mTORシグナル、ERKシグナルの活性の高い細胞がベンズアルデヒド高感受性細胞であること、よってベンズアルデヒド化合物を含む組成物が14-3-3タンパク質(特に14-3-3ζタンパク質)の活性調節剤として、mTORシグナル活性、ERKシグナル活性の調節等に有用であることを見い出した。
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以下に、本発明に関連する上記参考文献の詳細を列挙する。
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本発明の14−3−3タンパク質活性調節剤は、14−3−3タンパク質活性が関与する疾患の治療のための医薬として用いることができる。特に、本発明の調節剤又は医薬組成物は、アルツハイマーなどの神経変性疾患の治療剤、抗がん剤などとして有効に用いることができる。
また、本発明の調節剤は、作用機序の異なる公知の抗がん剤と組み合わせて用いることもでき、異なる作用機序の抗がん剤を併用することによって、相加的または相乗的な治療効果を期待することができる。

Claims (11)

  1. ベンズアルデヒド化合物又はその薬学的に許容される塩を含む14−3−3タンパク質活性調節剤であって、
    前記ベンズアルデヒド化合物が、下記一般式(I):
    Figure 0006898072

    (式中、R1は−CHO、−CXO(ここで、Xはハロゲン基)、ジオキソラニル基、ジオキサニル基又は
    Figure 0006898072

    を;R2はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン基、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基又は低級アルコキシ基を;
    そしてnは1〜5の整数を表す)で示される、14−3−3タンパク質活性調節剤。
  2. 前記ベンズアルデヒド化合物が、一般式(I)の化合物であって、R1が−CHO、1,3−ジオキソラニル基、1,3−ジオキサニル基、又は
    Figure 0006898072

    であり;R2はそれぞれ独立して水素原子又はハロゲン基である、請求項1に記載の調節剤。
  3. ンズアルデヒド、5,6−0−ベンジリデン−L−アスコルビン酸、4,6−0−ベンジリデン−D−グルコピラノースもしくはN−ベンジリデンエチルアミン、又はその薬学的に許容される塩を含む、14−3−3タンパク質活性調節剤。
  4. 14−3−3ζタンパク質の活性を調節する、請求項1〜3のいずれかに記載の調節剤。
  5. 14−3−3ζタンパク質と14−3−3ζタンパク質に結合するタンパク質との結合を抑制する、請求項1〜4のいずれかに記載の調節剤。
  6. 前記14−3−3ζタンパク質に結合するタンパク質が、mTOR、Raptor、Rictor、TSC2、cRaf、STAT3、FOXO1及びFOXO3aから選択される1以上のタンパク質である、請求項5に記載の調節剤。
  7. Tauタンパク質のセリン(Ser262)のリン酸化を抑制する、請求項1〜6のいずれかに記載の調節剤。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の調節剤及び薬学的に許容し得る担体を含有する、14−3−3タンパク質活性が関与する疾患の治療のための医薬組成物であって、
    前記14−3−3タンパク質活性が関与する疾患が、神経変性疾患、てんかん、心疾患、又は糖尿病性疾患である、医薬組成物。
  9. 前記神経変性疾患が、アルツハイマー病、筋委縮性側索硬化症、ハンチントン病、脊髄小脳変性症、多発性硬化症、クロイツフェルト・ヤコブ病、進行性多巣性白質脳症、レビー小体型認知症、皮質基底核変性症、筋委縮性側索硬化症、パーキンソン病、パーキンソン症候群、脊髄小脳変性症、痙性対麻痺、脊髄小脳変性症、多発性硬化症、進行性多巣性白質脳症、又は非ヘルペス性急性辺縁系脳炎である、請求項8に記載の医薬組成物。
  10. 請求項1〜7のいずれかに記載の14−3−3タンパク質活性調節剤、及び14−3−3タンパク質活性に関与しない作用機序を有する抗がん剤を含む抗がん剤組成物であって、14−3−3タンパク質活性に関与しない作用機序を有する抗がん剤が、ドセタキソール、パクリタキセル、硫酸ビンブラスチン及びフルオロウラシルから選択される一種以上の化合物である、抗がん剤組成物。
  11. ドセタキソール、パクリタキセル、硫酸ビンブラスチン及びフルオロウラシルから選択される一種以上の抗がん剤と併用して用いられる、請求項1〜7のいずれかに記載の14−3−3タンパク質活性調節剤。
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