JP6898016B1 - 制震装置及び制震構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】制震性能を発揮させることができ、汎用性の高い技術を提供する。【解決手段】一実施形態に係る制震装置5は、第1構造部材2に接続される接続部材6と、接続部材6に当接される拘束部材7と、を有し、接続部材6は、拘束部材7に対向する第1対向面61を有し、拘束部材7は、接続部材6に対向して湾曲面で形成される第2対向面71を有し、拘束部材7の基端部7a側の第2対向面71が第1対向面61に当接され、第2対向面71が第1対向面61に当接される箇所から拘束部材7の先端部7bに向かうにつれて第2対向面71が第1対向面61から漸次離間される。【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、制震装置及び制震構造に関する。
従来、耐震性向上に関する技術として、特許文献1が開示されている。
特許文献1には、構造物の躯体を構成する梁が、その上下にフランジを有したH型鋼材からなる鉄骨梁とされ、前記躯体を構成する柱と接合される該鉄骨梁の端部には、その上下のフランジ間に該鉄骨梁の変形を拘束する変形拘束部材が配設された構成とされ、該変形拘束部材は、その上下面が、前記鉄骨梁の端部においては前記フランジに当接しかつ前記鉄骨梁の中央部に向けて漸次離間する湾曲面で形成されていることを特徴とする鉄骨梁が開示されている。
特開平10−169089号公報
しかしながら、特許文献1に開示される鉄骨梁は、上下のフランジ間に鉄骨梁の変形を拘束する変形拘束部材が配設されるものである。このため、上下のフランジ間の離間距離に合わせて変形拘束部材の大きさを設定する必要があり、汎用性が低いという問題点があった。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、制震性能を発揮させることができ、汎用性の高い技術を提供することにある。
本発明の実施形態に係る制震装置は、第1構造部材に接続するための、第2構造部材に固定される接続部材と、前記接続部材に当接されるとともに、前記第2構造部材に固定される拘束部材と、を有し、前記接続部材は、前記拘束部材に対向する第1対向面を有し、前記拘束部材は、前記接続部材に対向して湾曲面で形成される第2対向面と、前記第2構造部材に固定される基端部と、前記基端部とは反対側の先端部と、を有し、前記拘束部材の前記基端部側の前記第2対向面が前記第1対向面に当接され、前記第2対向面が前記第1対向面に当接される箇所から前記拘束部材の前記先端部に向かうにつれて前記第2対向面が前記第1対向面から漸次離間され、前記第1対向面は、湾曲面で形成されることを特徴とする。
本発明の実施形態に係る制震構造は、第1構造部材と第2構造部材とを有する構造物の振れを減らすための制震構造であって、第1構造部材と、前記第1構造部材から離間して配置される第2構造部材と、前記第1構造部材と前記第2構造部材とに接続される制震装置と、を備え、前記制震装置は、前記第1構造部材に接続するための、前記第2構造部材に固定される接続部材と、前記接続部材を挟んで両側に配置されるとともに、前記第2構造部材に固定される拘束部材と、を有し、前記接続部材は、前記拘束部材に対向する第1対向面を有し、前記拘束部材は、前記接続部材に対向して湾曲面で形成される第2対向面と、前記第2構造部材に固定される基端部と、前記基端部とは反対側の先端部と、を有し、前記拘束部材の前記基端部側の前記第2対向面が前記第1対向面に当接され、前記第2対向面が前記第1対向面に当接される箇所から前記拘束部材の前記先端部に向かうにつれて前記第2対向面が前記第1対向面から漸次離間され、前記第1対向面は、湾曲面で形成されることを特徴とする。
上述した構成からなる本発明によれば、制震性能を発揮させることができ、汎用性の高い技術を提供できる。
図1は、第1実施形態に係る制震構造の一例を示す模式図である。 図2は、第1実施形態に係る制震構造の一例を拡大して示す正面図である。 図3は、第1実施形態に係る制震構造に用いられる制震装置の一例を拡大して示す正面図である。 図4は、外力が作用した状態における第1実施形態に係る制震構造の一例を拡大して示す正面図である。 図5は、第2実施形態に係る制震構造の一例を拡大して示す正面図である。 図6は、第3実施形態に係る制震構造の一例を拡大して示す正面図である。 図7は、第4実施形態に係る制震構造の一例を拡大して示す正面図である。 図8は、第5実施形態に係る制震構造の一例を拡大して示す正面図である。 図9は、第6実施形態に係る制震構造の一例を示す正面図である。 図10は、第6実施形態に係る制震構造の一例を拡大して示す正面図である。 図11は、第6実施形態に係る制震構造の一例を拡大して示す正面図である。 図12は、第6実施形態に係る制震構造の一例を拡大して示す正面図である。
以下、この発明の実施形態のいくつかを、図面を参照しながら説明する。なお、各図において、上下方向を上下方向Zとし、上下方向Zと交差、例えば直交する1つの平面方向を第1平面方向Xとし、上下方向Z及び第1平面方向Xのそれぞれと交差、例えば直交する別の平面方向を第2平面方向Yとする。また、各図において、共通する部分については、共通する参照符号を付し、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る制震構造1の一例を示す模式図である。制震構造1は、家屋等の構造物の振れを減らすためのものであって、制震性能を発揮させるものである。構造物は、例えば第1構造部材2と、第2構造部材3と、第3構造部材4とを有する。制震構造1は、第1構造部材2と、第2構造部材3と、第3構造部材4と、制震装置5と、を備える。
第1構造部材2は、長手方向の一方の端部が制震装置5を介して一方の第2構造部材3に接続され、長手方向の他方の端部が他方の第2構造部材3に接続される。場合によっては第3構造部材もしくは両者を介して、他方の第2構造部材3に接続されることもある。第1構造部材2は、制震機能を有するダンパー装置21が用いられる。第1構造部材2は、上下方向Zに対して傾斜して配置される。ダンパー装置21は、棒状に形成され、その長手方向に伸縮して摩擦抵抗により制震機能を有する。ダンパー装置21としては、例えば、アイディールブレーン株式会社製のミューダム(登録商標)が用いられてもよい。なお、第1構造部材2は、その長手方向の長さが固定されたブレース材であってもよい。
第2構造部材3は、金属製、木製等の上下方向Zに延びる柱部材31である。柱部材31は、第1平面方向Xに離間して一対となって設けられる。一対の柱部材31、31の間には、第1構造部材2が配置される。
第3構造部材4は、金属製、木製等の第1平面方向Xに延びる梁部材41である。梁部材41は、柱部材31の上端と、柱部材31の下端とにそれぞれ設けられ、緊結されている。
図2は、第1実施形態に係る制震構造1の一例を拡大して示す正面図である。図3は、第1実施形態に係る制震構造1に用いられる制震装置5の一例を拡大して示す正面図である。
制震装置5は、第1構造部材2と第2構造部材3とに接続されて用いられるものである。制震装置5は、接続機構9と、一対の拘束部材7と、を有する。
接続機構9は、第1構造部材2と第2構造部材3とを接続するためのものである。接続機構9は、接続部材6と、取付プレート8とを有する。接続部材6は、第1構造部材2に接続するためのものであり、第2平面方向Yに所定の厚みを有する板状の部材である。接続部材6は、上下方向Zの両側に拘束部材7が配置される。接続部材6は、基端部6aが取付プレート8に溶接等により固定される。接続部材6は、先端部6b側に2つの貫通孔68が形成される。接続部材6は、貫通孔68にボルト等の固定具69が設けられ、固定具69により第1構造部材2としてのダンパー装置21に接続固定される。接続部材6は、普通鋼が用いられるが、バネ鋼、高強度鋼、低降伏点鋼が用いられてもよい。
接続部材6は、上面と下面とに、拘束部材7に対向する第1対向面61を有する。第1対向面61は、後述する拘束部材7の第2対向面71に当接する。一対の第1対向面61は、第2対向面71に当接する基端部6aから接続部材6の先端部6bに向かうにつれて互いに漸次近接する湾曲面で形成される。
ここで、一対の拘束部材7のうち、一方の拘束部材7−1とし、他方の拘束部材7−2とする。一方の拘束部材7−1に対向する一方の第1対向面61は、接続部材6の先端部6bに向かうにつれて漸次他方の拘束部材7−2に近接する湾曲面で形成される。同様に、他方の拘束部材7−2に対向する他方の第1対向面61は、接続部材6の先端部6bに向かうにつれて漸次一方の拘束部材7−1に近接する湾曲面で形成される。
接続部材6は、一対の第1対向面61が最も近接したくびれ部66が形成され、くびれ部66よりも先端部6b側に取付部67が形成される。接続部材6は、取付部67に2つの貫通孔68が形成される。
拘束部材7は、接続部材6に当接され、接続部材6を挟んで上下方向Zの両側に一対となって配置される。拘束部材7は、第2平面方向Yに所定の厚みを有する板状の部材である。拘束部材7は、基端部7aが取付プレート8に溶接等により固定される。なお、拘束部材7は、接続部材6を挟んで第1平面方向Xの両側に一対となって配置されてもよい。また、拘束部材7は、接続部材6を挟んで第2平面方向Yの両側に一対となって配置されてもよい。拘束部材7の剛性は、接続部材6の剛性よりも大きい。なお、拘束部材7は、接続部材6を挟んで両側のうち少なくとも片側に配置されてもよい。
拘束部材7は、接続部材6に対向する第2対向面71を有する。拘束部材7は、拘束部材の基端部側の第2対向面71が接続部材6の第1対向面61に当接する。第1対向面61と第2対向面71とが当接する箇所を当接箇所P1とする。拘束部材7は、第2対向面71が第1対向面61に当接する基端部7aから拘束部材7の先端部7bに向かうにつれて第1対向面61から漸次離間する湾曲面で形成される。
取付プレート8は、第2構造部材3と接続部材6との間に設けられる板状の部材である。取付プレート8には、接続部材6と一対の拘束部材7が溶接等により固定される。取付プレート8は、複数の貫通孔88が形成される。取付プレート8は、貫通孔88にボルト等の固定具89が設けられ、固定具89により第2構造部材3に固定される。これにより、拘束部材7は、第2構造部材3側に固定される。なお、取付プレート8は、固定具89が省略され、溶接等により第2構造部材3に固定されてもよい。
ここで、接続部材6の第1対向面61の曲率φ1と、拘束部材7の第2対向面71の曲率φ2は、接続部材6の上下方向Zにおける長さをdとすると、一般に、以下の(式1)、(式2)により表される。
φ1=(|cε1|+|tε1|)/d・・・(式1)
φ2=(|cε2|+|tε2|)/d・・・(式2)
(ただし、cε1、cε2は接続部材6の曲げ圧縮歪、tε1、tε2は接続部材6の曲げ引張歪。)
接続部材6が曲げ変形したときに、その断面の圧縮塑性歪をcεp、引張塑性歪をtεpとすると、その断面の曲率φfは、以下の(式3)により表される。また、以下の(式4)、(式5)の関係を満たす。これらの塑性歪cεptεpは接続部材6の損傷度合に対応し、ダンパーとしての想定繰り返し回数などから設定される。例えば、接続部材6が普通鋼であれば、塑性歪cεptεpは20%と設定してもよい。
φf=(|cεp|+|tεp|)/d・・・(式3)
cεp|=|cε1|+|cε2|・・・(式4)
tεp|=|tε1|+|tε2|・・・(式5)
第1構造部材2を介して接続部材6に力が入り、下向きに変形したときに、基端部6a近傍の初期当接断面の曲げ変形が増加し曲率φfに到達すると、当接箇所P1からわずかに先端部6b側において第2対向面72から離間していた第1対向面61が、第2対向面71に接触する。これを順次繰り返して、第1対向面61は第2対向面71に接触する領域が、当接箇所P1から当接箇所P2まで拡がることになる。その際、もともとの第1対向面61の曲率φ1とし、第2対向面71の曲率φ2としたとき、曲率φfと曲率φ1と曲率φ2は、以下の(式6)となる。
φf=φ1+φ2・・・(式6)
すなわち、第1対向面61がそれに対向する第2対向面71が順次当接することによって、接続部材6の各断面の圧縮塑性歪、引張塑性歪は設定したcεp、とtεpで停留し、それ以上に塑性歪が進行しないことになる。
なお、もともとの第1対向面61の曲率φ1と第2対向面71の曲率φ2との和の曲率φfは、上記した接続部材6のダンパーとしての想定繰り返し回数などから設定される以外には、例えば前記曲率φfより小さな値として、接続部材6が降伏点に達する以前(弾性域範囲内)でその変形を拘束するよう設定すれば、疲労破壊を阻止することもできる。
次に、実施形態に係る制震構造1の作用効果について説明する。図4は、外力が作用した状態における第1実施形態に係る制震構造1の一例を拡大して示す正面図である。
地震や風力等の外力が作用した場合、拘束部材7に当接箇所P1において当接される接続部材6における上下方向Zに沿う断面曲率が設定曲率に達した場合、この接続部材6の微小断面は拘束部材7(一方の拘束部材7−1)の第2対向面71に当接して接続部材6の断面曲率が強制的に拘束される。これにより、接続部材6と拘束部材7の当接箇所は、接続部材6の先端部6b側に拡がる。これに伴い、第1平面方向Xにおいて隣接する次の微小断面に移行し、その部分の接続部材6についても、拘束部材7の第2対向面71に当接することになって、その曲率が強制的に拘束されることとなる。
このようにして、接続部材6が拘束部材7の第2対向面71に当接される部分から設定曲率に達した段階で、拘束部材7によって断面曲率が拘束され、接続部材6の先端部6b寄りに順次移行して塑性化領域が拡がっていく。その結果、第1対向面61は、当接箇所P1から当接箇所P2まで、第2対向面71に当接されることとなる。
本実施形態によれば、制震装置5は、第1構造部材2に接続される接続部材6と、接続部材6に当接される拘束部材7と、を有し、接続部材6は、拘束部材7に対向する第1対向面61を有し、拘束部材7は、接続部材6に対向する湾曲面で形成される第2対向面71を有し、拘束部材7の基端部7a側の第2対向面71が第1対向面61に当接され、第2対向面71が第1対向面61に当接される基端部7aから拘束部材7の先端部7bに向かうにつれて第2対向面71が第1対向面61から漸次離間される。
これにより、地震や風により外力が作用した場合に、接続部材6の断面が設定曲率に達し塑性化したところで断面曲率を拘束部材7で拘束することができ、塑性化する位置を接続部材6の先端部6b側に順次移行させることができる。このようにして、接続部材6の塑性化領域を接続部材6の先端部6b側に移行させつつ、接続部材6における拘束部材7に当接される部分におけるそれ以上の断面曲率を拘束する。このため、接続部材6に一定以上のエネルギーを集中させず、接続部材6の端部断面だけが破断するのを防止すると共に、エネルギーを接続部材6の先端部6b側に分散させることができる。その結果、接続部材6全体で無駄なく効率よくエネルギーを吸収することができる。したがって、このような制震装置5では、拘束部材7を備えない単なる接続部材に比較して、遥かに高いエネルギーを吸収することが可能となり、構造物の耐震性を大幅に向上させることができる。
特に、本実施形態によれば、拘束部材7は、接続部材6の両側に配置される。これにより、接続部材6の大きさ(上下方向Zにおける長さ)に制限されることなく、接続部材6を挟んで両側に拘束部材7を配置することができる。このため、汎用性を高くすることが可能となる。
本実施形態によれば、一対の第2構造部材3を繋ぐ第3構造部材4を備える。これにより、一対の第2構造部材3における間隔が保持され、制震構造1全体の曲げモーメント耐力を向上させることができる。
本実施形態によれば、第1対向面61及び第2対向面71の両者とも湾曲面で形成される。これにより、湾曲面を第2対向面71だけに負担させるのではなく、第1対向面61にも負担させることにより、合理的な設定曲率を実現することができる。さらには、接続部材6の断面長さdを先端部7bに向かうにつれて小さくすることによって、先端部7bに作用する耐力Qが一定値Qになるように設計することも可能である。
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態に係る制震構造1の一例を拡大して示す正面図である。制震構造1に直接、制震装置5を固定することによって、取付プレート8を省略することもできる。第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、制震性能を発揮させることができ、汎用性を高くすることが可能となる。
(第3実施形態)
図6は、第3実施形態に係る制震構造1の一例を拡大して示す正面図である。図6に示す制震構造1における制震装置5は、2つの接続部材6と、3つの拘束部材7と、取付プレート8と、を有する。
ここで、3つの拘束部材7のうち、第1の拘束部材7−1とし、第2の拘束部材7−2とし、第3の拘束部材7−3とする。拘束部材7−1は、上面に第2対向面71を有する。拘束部材7−2は、下面に第2対向面71を有する。拘束部材7−3は、上面と下面とに第2対向面71を有する。
第3実施形態によれば、第1実施形態と同様に、制震性能を発揮させることができ、汎用性を高くすることが可能となる。
(第4実施形態)
図7は、第4実施形態に係る制震構造1の一例を拡大して示す正面図である。制震構造1における制震装置5は、接続機構9と、一対の拘束部材7と、を有する。
接続部材6は、第1対向面61が平坦面で形成される点で、第1実施形態と主に相違する。このとき、拘束部材7の第2対向面71は、湾曲面で形成される。
曲げ変形したときの接続部材6の曲率φfとし、第2対向面71の曲率φ2としたとき、曲率φfと曲率φ2は、以下の(式7)を満たすように設定されている。
φf=φ2・・・(式7)
第4実施形態によれば、第1実施形態と同様に、制震性能を発揮させることができ、汎用性を高くすることが可能となる。
(第5実施形態)
図8は、第5実施形態に係る制震構造1の一例を拡大して示す正面図である。制震構造1は、第1構造部材2と、一対の第2構造部材3と、第3構造部材4と、制震装置5とを備える。制震装置5は、複数の接続機構9と、複数の拘束部材7と、を有する。
第1構造部材2は、長手方向の一方の端部が制震装置5を介して2つの第2構造部材3に接続される。第1構造部材2は、制震機能を有するダンパー装置21が用いられる。第1構造部材2は、第1平面方向Xに沿って配置される。なお、第1構造部材2は、その長手方向の長さが固定されたブレース材であってもよい。
第2構造部材3は、金属製、木製等の第1平面方向Xに延びて形成される。一対の第2構造部材3は、例えば、一対のフランジと一対のフランジを繋ぐウェブとを有するH形鋼における一対のフランジである。一対のフランジは、上下方向Zに離間して設けられる。一対のフランジの間には、第1構造部材2が配置される。
第3構造部材4は、金属製、木製等の第1平面方向Xに延びる部材である。第3構造部材4は、例えば、一対のフランジを繋ぐ板材である。
制震装置5は、第1構造部材2と第2構造部材3とを接続する。制震装置5は、複数の接続部材6と、複数の拘束部材7と、を有する。
接続部材6は、第1構造部材2に接続するためのものである。接続部材6は、一対のフランジにそれぞれ設けられる。
一方の接続部材6は、基端部6aが一方のフランジに溶接等により固定される。また、他方の接続部材6は、基端部6aが他方のフランジに溶接等により固定される。上下方向Zにおいて、一方の接続部材6と他方の接続部材6とは、互いに向かい合って配置される。
接続部材6は、第2平面方向Yのそれぞれの側面に、拘束部材7に対向する第1対向面61を有する。第1対向面61は、拘束部材7の第2対向面71に当接する。一対の第1対向面61は、平坦面で形成される。
第5実施形態によれば、第1実施形態と同様に、制震性能を発揮させることができ、汎用性を高くすることが可能となる。
(第6実施形態)
図9は、第6実施形態に係る制震構造1の一例を示す正面図である。制震構造1は、第1構造部材2と、第2構造部材3と、第3構造部材4と、制震装置5とを備える。制震装置5は、接続機構9と、拘束部材7と、を有する。
第2構造部材3は、金属製、木製等の第1平面方向Xに延びる梁部材32である。梁部材32は、上下方向Zに離間して複数設けられる。
第3構造部材4は、金属製、木製等の上下方向Zに延びる柱部材42である。柱部材42は、梁部材32の両端にそれぞれ設けられ、緊結されている。
第1構造部材2は、図10に示すように、一端が接続機構9に接続され、他端が梁部材32に接続される。第1構造部材2は、図11に示すように、一端が接続機構9に接続され、他端が柱部材42に接続される。第1構造部材2は、図12に示すように、一端が接続機構9に接続され、他端が梁部材32と柱部材42の接続箇所に接続される。
なお、第1構造部材2の両端に、それぞれ制震装置5を接続してもよい。このとき、第1構造部材2に接続された各々の制震装置5における、第1対向面61の曲率φ1と第2対向面72の曲率φ2との和をそれぞれ異ならせてもよい。これにより、第1構造部材2の一端部に接続される制震装置5と、第1構造部材2の他端部に接続される制震装置5と、の制震性能が、作用する応力に応じて適切なものとなる。このため、より効果的に制震性能を発揮できる。
第6実施形態によれば、第1実施形態と同様に、制震性能を発揮させることができ、汎用性を高くすることが可能となる。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、上述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
1 :制震構造
2 :第1構造部材
21 :ダンパー装置
3 :第2構造部材
31 :柱部材
4 :第3構造部材
41 :梁部材
5 :制震装置
6 :接続部材
6a :基端部
6b :先端部
61 :第1対向面
66 :くびれ部
67 :取付部
68 :貫通孔
69 :固定具
7 :拘束部材
7a :基端部
7b :先端部
71 :第2対向面
8 :取付プレート
88 :貫通孔
89 :固定具
X :第1平面方向
Y :第2平面方向
Z :上下方向

Claims (5)

  1. 第1構造部材に接続するための、第2構造部材に固定される接続部材と、
    前記接続部材に当接されるとともに、前記第2構造部材に固定される拘束部材と、を有し、
    前記接続部材は、
    前記拘束部材に対向する第1対向面を有し、
    前記拘束部材は、
    前記接続部材に対向して湾曲面で形成される第2対向面と、前記第2構造部材に固定される基端部と、前記基端部とは反対側の先端部と、を有し、
    前記拘束部材の前記基端部側の前記第2対向面が前記第1対向面に当接され、
    前記第2対向面が前記第1対向面に当接される箇所から前記拘束部材の前記先端部に向かうにつれて前記第2対向面が前記第1対向面から漸次離間され、
    前記第1対向面は、湾曲面で形成されること
    を特徴とする制震装置。
  2. 前記拘束部材は、前記接続部材を挟んで両側に一対となって配置されること
    を特徴とする請求項1項記載の制震装置。
  3. 第1構造部材と第2構造部材とを有する構造物の振れを減らすための制震構造であって、
    第1構造部材と、
    前記第1構造部材から離間して配置される第2構造部材と、
    前記第1構造部材と前記第2構造部材とに接続される制震装置と、を備え、
    前記制震装置は、
    前記第1構造部材に接続するための、前記第2構造部材に固定される接続部材と、
    前記接続部材を挟んで両側に配置されるとともに、前記第2構造部材に固定される拘束部材と、を有し、
    前記接続部材は、
    前記拘束部材に対向する第1対向面を有し、
    前記拘束部材は、
    前記接続部材に対向して湾曲面で形成される第2対向面と、前記第2構造部材に固定される基端部と、前記基端部とは反対側の先端部と、を有し、
    前記拘束部材の前記基端部側の前記第2対向面が前記第1対向面に当接され、
    前記第2対向面が前記第1対向面に当接される箇所から前記拘束部材の前記先端部に向かうにつれて前記第2対向面が前記第1対向面から漸次離間され、
    前記第1対向面は、湾曲面で形成されること
    を特徴とする制震構造。
  4. 複数の前記制震装置が接続される前記第1構造部材と、
    前記第1構造部材を挟んで両側に配置される一対の前記第2構造部材と、を備え、
    前記制震装置は、一対の前記第2構造部材にそれぞれ固定されること
    を特徴とする請求項記載の制震構造。
  5. 一対の前記第2構造部材を繋ぐ第3構造部材を備えること
    を特徴とする請求項又は記載の制震構造。
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