JP6897245B2 - 樹脂組成物、樹脂組成物の製造方法及び発光装置 - Google Patents

樹脂組成物、樹脂組成物の製造方法及び発光装置 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂組成物、樹脂組成物の製造方法及び発光装置に関する。
従来、樹脂を用いたパッケージと該パッケージの凹部に設けられた発光素子とを含む表面実装タイプの発光装置が広く使用されている。この発光装置において、発光素子は、凹部の底面に露出したリードに載置される。このように構成された発光装置では、発光素子の発光が凹部の開口部から出射されるが、例えば、発光ダイオード等の発光素子は、上方だけではなく側方にも多くの光を出射する。したがって、発光装置の光取り出し効率を高くするためには、発光素子から側方に出射される光を効果的に凹部の開口部から取り出す必要がある。そこで、パッケージの凹部の周りの側壁を開口部に近いほど開口面積が大きくなるように傾斜させかつ凹部の底面及び側壁の反射率を高くすることにより、光取り出し効率を向上させている。
樹脂パッケージにおいて、樹脂の表面である凹部の底面及び側壁の反射率を高くする方法として、反射材を樹脂に添加して例えば射出成形によりパッケージを作製する方法がある。この方法により形成されたパッケージは、反射材の含有量が多くなるほど反射率を高くすることができるが、樹脂における反射材の充填量が高くなると、樹脂の流動性が悪化してパッケージを成形することが難しくなる。
そこで、予め表面処理をした反射材を樹脂に含有させることにより、樹脂の流動性の悪化を防止する試みがなされている。例えば、特許文献1には、反射材である白色顔料を、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤などのカップリング剤により疎水化処理した上で樹脂に含有させるものが開示されている。また、特許文献2には、反射材である酸化チタンを、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、有機酸、ポリオール、シリコーン等の有機物等の表面処理剤で表面処理した上で樹脂に含有させることが開示されている。
特開2012−124428号公報 特開2013−032539号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載の部材を使用しても、反射材の流動性が不十分であり、反射材を高充填することが難しい。
そこで、本実施形態は、光取り出し効率の高い樹脂組成物とその製造方法及び発光装置を提供することを目的とする。
本発明に係る一実施形態の樹脂組成物は、ポリアミド(A)、下記一般式1で示されるジルコニウム系カップリング剤(B)で処理された反射材(C)、を含む。
(R'-O)4−a-Zr-[R''-R'''] ・・・一般式1
R'は、アルキル基、aは、1〜3の整数、R''は、O−CO、R'''は、nが1〜30の整数であるC2n+1で表されるアルキル基である。
本発明に係る一実施形態の発光装置は、本発明に係る一実施形態の樹脂組成物を主成分とする樹脂成形部と前記樹脂成形部に埋設されたリード電極とを含むパッケージと、前記リード電極と電気的に接続される発光素子と、を備える。
本発明に係る一実施形態の発光装置は、発光素子と、前記発光素子の側面に配置される、本発明に係る一実施形態の樹脂組成物を主成分とする樹脂成形部と、を備える。
本発明に係る一実施形態の樹脂組成物の製造方法は、下記一般式1で示されるジルコニウム系カップリング剤(B)により反射材(C)を処理する処理工程と、
(R'-O)4−a-Zr-[R''-R'''] ・・・一般式1
R'は、アルキル基、aは、1〜3の整数、R''は、O−CO、R'''は、nが1〜30の整数であるC2n+1で表されるアルキル基である。
ポリアミド(A)と、前記ジルコニウム系カップリング剤(B)で処理された反射材(C)と、を混合する混合工程と、を含む。
これにより、光取出し効率の高い樹脂組成物とその製造方法及び発光装置を提供することができる。
実施形態2の発光装置の構成を示す斜視図である。
以下、本発明に係る実施形態の樹脂組成物について説明する。
実施形態に係る樹脂組成物は、反射材に表面処理を施すことにより、反射材の流動性を高め、高充填することができる。また、パッケージに反射材を高充填することにより、反射効率を高め、発光素子からの光を高反射し、発光装置からの光取出し効率の高い発光装置を提供することができる。
ただし、反射材の流動性が高くなったとしても、反射材の反射効率を低下させる表面処理剤は好ましくないため、実施形態に係る所定のジルコニウム系カップリング剤が適している。
以下、本発明に係る実施形態の各構成について詳細に説明する。
実施形態1
実施形態1の樹脂組成物は、例えば、発光装置などの光半導体装置のパッケージの作製に適した樹脂組成物であって、
ポリアミド(A)、下記一般式1で示されるジルコニウム系カップリング剤(B)で処理された反射材(C)を含む樹脂組成物である。
(R'-O)4−a-Zr-[R''-R'''] ・・・一般式1
R'は、アルキル基、
aは、1〜3の整数、
R''は、O−CO、
R'''は、nが1〜30の整数であるC2n+1で表されるアルキル基。
以下、各構成部材について具体的に説明する。
ポリアミド(A)
本実施形態1で用いられるポリアミドについては、特に限定はされないが、高融点であり、耐熱性の高いポリアミドを用いることが好ましく、高融点で耐熱性の高いポリアミドとして、半芳香族ポリアミド、半脂環族ポリアミドなどが挙げられる。特に、半芳香族アミド、半脂環族ポリアミドの中でも、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(PA6T)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(PA9T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(PA10T)、ポリヘキサメチレンシクロへキサンジカルボキサミド(PA6C)、ポリノナメチレンシクロへキサンジカルボキサミド(PA9C)、ポリデカメチレンシクロへキサンジカルボキサミド(PA10C)などが特に望ましい。また、上記ポリアミドについては、1種類のポリアミドを単独でも用いてもよいし、2種類以上のポリアミドを併用してもよい。
ジルコニウム系カップリング剤(B)
本実施形態1で用いられるカップリング剤は、一般式1で表されるジルコニウム系カップリング剤である。
(R'-O)4−a-Zr-[R''-R'''] ・・・一般式1
ここで、一般式1において、R'は、アルキル基である。R'として例えばブチル基を使用することができるが、R'はブチル基より炭素数の少ないアルキル基であっても良いし、ブチル基より炭素数の大きいアルキル基であってもよい。aは1〜3の整数であるが、aは1または3が好ましい。
また、R''は、O−COである。

R'''は、nが1〜30の整数であるC2n+1で表されるアルキル基であり、好ましくは、1〜20の整数である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等が挙げられ、それぞれ飽和又は不飽和の直鎖状のもの、飽和又は不飽和の分岐鎖状のもの、飽和又は不飽和の環状のものを用いることができる。
カップリング剤としては、本実施形態のジルコニウム系カップリング剤を単独でも用いてもよいし、本実施形態のジルコニウム系カップリング剤を主成分として2種類以上のカップリング剤を併用して用いてもよい。
反射材を表面処理する際のジルコニウム系カップリング剤の使用量は、特に限定されるものではなく適宜設定されるが、例えば、反射材(C)100重量部に対して、例えば、0.1〜10重量部、好ましくは、0.2〜2.0重量部、より好ましくは、0.5〜1.5重量部の範囲に設定される。
反射材を上記カップリング剤で処理する方法は、特に限定されるものではなく、湿式法や乾式法、インテグラルブレンド法などを用いることができる。湿式法とは、予め反射材を溶媒に投入し、スラリーを作成した後、ジルコニウム系カップリング剤を添加して処理する方法である。乾式法とは、予め無溶媒下で反射材をミキサーなどに投入し、ジルコニウム系カップリング剤を投入し処理する方法である。インテグラルブレンド法とは、反射材を樹脂に投入するとき同時にジルコニウム系カップリング剤を投入する方法である。
反射材(C)
反射材(C)としては、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化イットリウムなどの金属酸化物や、水酸化マグネシウムなどの金属化合物が挙げられる。他にも硫化亜鉛、硫化マグネシウムなどの硫化物や窒化ホウ素などの窒化物でもよく、それぞれの屈折率や反射率等の性質を考慮して適宜選択できる。金属化合物は、比較的に化学的に安定であり、酸化、硫化等の化学反応による変色が起こりにくく、発光装置として高い信頼性を得ることができる。また、金属化合物の中でも金属酸化物は、比較的安価であるため、好ましい。
その中でも、酸化チタンは化学的に安定であり、可視光に対して高い光反射性を有するため好ましい。また、酸化チタンとしては、アナターゼ型、ルチル型、単斜晶型等のものいずれも使用でき、結晶形態の異なるものを2種以上併用することもできる。酸化チタンはルチル型が好ましい。ルチル型の酸化チタンは、屈折率が高く、光安定性の良く、アナターゼ型と比べて光触媒としての活性が低いからである。
反射材(C)として酸化チタンは、樹脂成形体組成物全量の10重量%〜60重量%含有することが好ましい。より好ましくは30重量%〜50重量%、さらに好ましくは40重量%〜45重量%である。これにより、発光装置における発光出力を高く維持することができる。酸化チタンの形状についても特に制限はなく、粒子状、繊維状、板状等の各種形状のものをいずれも使用でき、形状の異なるものを2種以上併用することもできる。板状には薄片状、鱗片状、雲母状等を含む。酸化チタンの大きさは、特に制限されるものではないが、平均粒子径で0.1μm〜5μmを使用でき、0.15μm〜3μmが好ましく、0.2μm〜1μmが特に好ましい。酸化チタンを用いる場合には、表面処理により光触媒効果が抑制される。
樹脂組成物は、得られる樹脂成形体の機械的強度等の特性を向上させるために、さらに以下の無機鉱物を含んでいても良い。
無機鉱物(D)
無機鉱物(D)としては、ガラス繊維やチタン酸カリウム繊維、ワラストナイト、酸化亜鉛繊維、チタン酸ナトリウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、ホウ酸マグネシウム繊維、酸化マグネシウム繊維、珪酸アルミニウム繊維、窒化珪素繊維、炭素繊維等の無機繊維が挙げられる。その中でも、隠ぺい力からチタン酸カリウム繊維、ワラストナイト群から選ばれる1種ないし2種以上を使用するのが望ましい
チタン酸カリウム繊維としては、種々のチタン酸カリウム繊維を用いることができるが、例えば、4チタン酸カリウム繊維、6チタン酸カリウム繊維、8チタン酸カリウム繊維等を使用することができる。チタン酸カリウム繊維の寸法は特に制限はないが、通常、平均繊維径0.01μm〜1μm、好ましくは0.1μm〜0.5μm、平均繊維長1μm〜50μm、好ましくは3μm〜30μmである。ワラストナイトは、メタケイ酸カルシウムからなる無機繊維である。ワラストナイトの寸法も特に制限はないが、通常、平均繊維径0.1μm〜15μm、好ましくは2.0μm〜7.0μm、平均繊維長3μm〜100μm、好ましくは20μm〜50μm、平均アスペクト比3以上、好ましくは3〜50、より好ましくは5〜30である。
得られる樹脂成形体の機械的強度等の特性をより一層向上させるために、チタン酸カリウム繊維及びワラストナイトに表面処理を施してもよい。表面処理は公知の方法に従い、シランカップリング剤、アルミ系カップリング剤、チタン系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤等を用いてもよい。チタン酸カリウム繊維及び/またはワラストナイトの配合量は、通常、樹脂成形体組成物全量の5重量%〜70重量%、好ましくは10重量%〜70重量%(樹脂成分30〜90重量%)とするのがよい。
樹脂組成物は、得られる樹脂成形体の変色を防止し、光反射率の低下を防ぐために、以下の添加剤を含んでいても良い。
添加剤(E)
樹脂組成物は、光半導体装置用のパッケージとして用いられた際の、変色を防止し、光反射率の低下を防ぐために、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダード系アミン化合物、リン系化合物、硫黄系化合物を含有することができる。その他更に樹脂組成物には、その好ましい物性を損なわない範囲で、従来から合成樹脂用に用いられている各種添加剤の1種又は2種以上を配合することができる。添加剤としては、例えば、タルク、シリカ、酸化亜鉛(テトラポット形状のものを含む)等の無機充填材、難燃剤、可塑剤、核剤、染料、顔料、離型剤、紫外線吸収剤等を挙げられる。
樹脂組成物の製造方法は、一般式1で与えられるジルコニウム系カップリング剤(B)により反射材(C)を処理する処理工程と、
ポリアミド(A)と、ジルコニウム系カップリング剤(B)で処理された反射材(C)と、を混合する混合工程とを含む。
ここで、反射材(C)を処理する処理工程において、100重量部の反射材(C)を0.1重量部〜10重量部のジルコニウム系カップリング剤(B)で処理することが好ましく、100重量部の反射材(C)を0.5重量部〜1.5重量部のジルコニウム系カップリング剤(B)で処理することがより好ましい。
以上のように構成された実施形態1の樹脂組成物は、ジルコニウム系カップリング剤(B)により表面処理された反射材(C)を含んでいるので、流動性を良くすることができる。その結果、側壁の薄いパッケージを容易に成形することができる。側壁の薄いパッケージであっても光反射率を高く維持することができ、パッケージからの光取出し効率を高くすることができる。さらに、発光装置作成時に受ける熱による変色で、側壁の反射率が低下するのを抑制することができる。
実施形態2
本発明に係る実施形態2の発光装置は、実施形態1の樹脂組成物を用いて成形されたパッケージを備えた発光装置である。図1は、実施形態2の発光装置の構成を示す斜視図である。
実施形態2の発光装置100は、発光素子10と、底面20aと側壁20bとを持つ凹部60を有し、実施形態1の樹脂組成物を用いて成形されたパッケージ20と、発光素子10を被覆する封止部材40と、を備えている。パッケージ20は、リード電極30を樹脂組成物を用いて一体成型される。
発光装置100において、発光素子10はパッケージ20の凹部60の底面20aに露出したリード電極30の上に載置されている。発光素子10が持つ電極と、底面20aに露出したリード電極30とは、導電性ワイヤ等によって電気的に接続されている。さらに発光装置100からの発光色を変えるため、封止部材40には蛍光物質50を含有することもできる。パッケージ20は、実施形態1で説明したように、ポリアミド、反射材、無機繊維などを含んで構成されている。封止樹脂40の材料はシリコーンである。
以下、実施形態2の各構成部材について説明する。
発光素子
発光素子は、例えば、基板上に発光層を含む半導体積層構造を備えている。半導体積層構造は、例えば、基板上に、GaAlN、InGaN、GaN、AlInGaN、ZnS、ZnSe、SiC、GaP、GaAlAs、AlN、InN、AlInGaP等の半導体を成長させることにより形成することができる。これらの半導体の中でも、GaAlN、InGaN、GaN、AlInGaNなどの窒化物系化合物半導体を用いることにより、近紫外域又は可視光の短波長領域(360nm〜550nm)に発光ピーク波長を有する光強度の高い発光素子を作製することができる。なお、可視光の長波長領域(551nm〜780nm)に発光ピーク波長を有する発光素子も用いることもできる。
発光装置は、複数の発光素子を含んでいても良い。複数の発光素子の組み合わせによって、高い演色性を有する白色光の発光が可能な発光装置を提供することができる。白色光を発光するための発光素子の組み合わせは、例えば、緑色系が発光可能な発光素子を2個、青色系及び赤色色系が発光可能な発光素子をそれぞれ1個の組み合わせることもできる。
また、例えば、フルカラー表示用の発光装置を構成する場合、例えば、発光ピーク波長が610nmから700nmである赤色系の発光素子、発光ピーク波長が495nmから565nmである緑色系の発光素子、発光ピーク波長が430nmから490nmである青色系の発光素子を併用する。発光装置において、発光素子の光と蛍光体の光の混色により白色光を発光させる場合は、発光素子と蛍光物質との発光波長における補色関係を考慮して発光素子のピーク波長の設定及び蛍光体の選定を行う。この場合、発光素子の光出力による封止部材の劣化等をさらに考慮すると、発光素子の発光ピーク波長は400nm以上530nm以下が好ましく、420nm以上490nm以下がより好ましい。発光素子と蛍光物質との励起効率、発光効率をそれぞれより向上させるためには、発光素子の発光ピーク波長は、450nm以上475nm以下がさらに好ましい。
パッケージ20
パッケージ20は、底面20aと側面20bにより規定される凹部60を有する。パッケージ20に含まれる反射材を所定のジルコニウム系カップリング剤で表面処理することで、発光装置作製時の熱によって変色することなく、パッケージ樹脂の粘度を低く抑えつつ反射材を高充填できる。その結果、反射材が高充填された樹脂組成物を用いて、例えば、200μm以下、さらには100μm以下の薄い側壁20bを有するパッケージを成形することができる。このような薄い側壁であっても、側壁における光反射率を高くできるので、側壁からの光の漏れを低減でき、光の取出し効率が高い発光装置を提供することができる。また、パッケージ20は、凹部60の開口している側から観察して、長手方向と短手方向とを有する形態である。このとき、凹部60の側壁20bのうち、長手方向に沿って形成された側壁20bの厚さを薄くすると、凹部60の寸法を変えずにパッケージの短手方向の外形寸法を小さくすることができるので、同じ発光素子10を使用して、厚みの薄い発光装置100を提供することができる。このように薄型の発光装置100は、サイドビューとして用いるのに好適である。
封止部材40
封止部材40の材料は、特に限定されるものではないが、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の透光性樹脂を用いることができる。また、ガラス等の無機材料を用いることも可能である。
蛍光物質50
蛍光物質50は、発光素子10からの光を吸収し異なる波長の光を発する。具体的には、例えば、アルミニウムガーネット系蛍光体、Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体・酸窒化物系蛍光体・サイアロン系蛍光体、Eu等のランタノイド系、Mn等の遷移金属系の元素により主に付活されるアルカリ土類ハロゲンアパタイト蛍光体、アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体、アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、アルカリ土類ケイ酸塩、アルカリ土類硫化物、アルカリ土類チオガレート、アルカリ土類窒化ケイ素、ゲルマン酸塩、又は、Ce等のランタノイド系元素で主に付活される希土類アルミン酸塩、希土類ケイ酸塩又はEu等のランタノイド系元素で主に賦活される有機及び有機錯体等から選ばれる少なくともいずれか1又は2以上である。
以上のように構成された実施形態2の発光装置は、ジルコニウム系カップリング剤(B)により表面処理された反射材(C)を多く含むパッケージを備えているため、光取出し効率が向上している。
以下、本発明に係る実施例について説明する。ただし、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
(実施例1〜3、比較例1、2)
表1に示すように、実施例1〜3、比較例1、2の樹脂組成物を作製する。
Figure 0006897245
実施例1〜3の樹脂組成物は、樹脂組成物中に含有される酸化チタンにジルコニウム系カップリング剤により表面処理を施しているのに対し、比較例1及び2の樹脂組成物は、樹脂組成物中に含有される酸化チタンに表面処理を施してしていない。比較例2は、実施例1〜3に比べて、酸化チタンに表面処理を施していない以外は同様である。比較例1は、反射材(C)の重量割合が実施例1〜3、比較例1よりも少ないこと以外は、比較例2と同様である。
実施例1及び2は、ジルコニウム系カップリング剤(B)の種類について、モノブトキシジルコニウム(IV)トリ-i-ステアレート(B1)(例えば、日本曹達(株)製の商品名:ZR-152)を用いる。実施例1及び2は、B1の処理量(重量部)が異なっている。
B1の構造式は、(C−O)−Zr−(O−CO−C1735である。
実施例3は、ジルコニウム系カップリング剤(B)の種類について、ステアリン酸ジルコニウム(B2)(例えば、マツモトファインケミカル(株)製の商品名:ZC−320)を用いる。実施例3のB2の処理量(重量部)は実施例2のB1の処理量と同じである。
B2の構造式は、(C−O)−Zr−(O−CO−C1735)である。
また、実施例1〜3及び比較例1、2において、表面処理剤以外は以下のものを使用する。
ポリアミド(A):ポリノナメチレンテレフタルアミド(-[-CO-C6H4-CONH-(C9H18)-NH-]-)
反射材(C):酸化チタン(石原産業(株)の商品名:CR-90)
繊維状鉱物(D):ワラストナイト(キンセイマテック(株)製の商品名:SH-1800)
添加剤(E):ヒンダードフェノール系化合物(BASF社製の商品名:イルガノックス1098(登録商標))
添加剤(E):リン系化合物(大道製薬(株)製の商品名:ジ亜リン酸カルシウム)
添加剤(E):ヒンダードアミン化合物(クラリアントジャパン(株)製の商品名:ナイロスタブ(Nylostab) S-EED(登録商標))
実施例1〜3の樹脂組成物の製造方法は以下の通りである。
まず所定量の酸化チタンを秤量し、表面処理剤の加水分解に必要な理論水量の2倍のNH水を添加し、混合行う。ジルコニウム系カップリング剤を酸化チタン重量比で所定量秤量し、同量の1-ブタノールで希釈した後、酸化チタンに添加し、混合を行う。混合終了後、乾燥機にて乾燥し、表面処理が施された酸化チタンを得る。
上記の方法で処理した実施例1〜3の反射材(C)、ポリアミド(A)、無機繊維(D)、添加剤(E)を所定の割合になるように秤量して乾式混合する。乾式混合後、2軸押し出し混練り機を用いて320℃にて溶融混練を行うことにより、樹脂組成物を作製する。
比較例1、2も、酸化チタンの表面処理を施していない以外は、同様の製造工程により樹脂組成物を作製する。
(樹脂の流動性評価)
実施例1〜3、比較例1、2の樹脂組成物について、樹脂の流動性評価を行う。樹脂の流動性評価は、MFR(メルトフロレート)にて実施する。
測定方法としては、JIS K 7210に準拠して行い、測定条件は320℃、荷重0.65gfにて実施する。評価結果として示す値は、表面処理されていない酸化チタンを35重量部含有する比較例1の樹脂組成物のMFR(g/10min)を100としたときの相対値とする。
評価結果において、反射材(C)を35重量部用いた比較例1に対し、反射材(C)を43重量部用いた比較例2は、流動性が大幅に悪化している。
それに対し、反射材(C)を43重量部用いたが表面処理を施した実施例1〜3は、樹脂の流動性が大幅に改善されている。実施例1よりもジルコニウム系カップリング剤(B)を多く用いた実施例2の方が、さらに流動性が改善されている。また、実施例3のB2を用いたものよりも、実施例2のB1を用いた方が、流動性が改善されている。
比較例1の樹脂組成物に対して実施例1〜3の樹脂組成物は流動性が高いため、パッケージの成型が容易であったが、比較例1に対して比較例2は流動性に乏しいため、パッケージの成型が困難である。よって比較例2の樹脂組成物を用いてパッケージを成型すること、及び、光取り出し効率の高いパッケージを成型することは困難である。
(実施例4〜6)
実施例4〜6の発光装置を作製する。
実施例4〜6の発光装置として、実施例1〜3の樹脂組成物を射出成形してパッケージを作製し、そのパッケージを用いて発光装置を作製する。実施例4の発光装置は実施例1の樹脂組成物をパッケージに使用し、実施例5の発光装置は実施例2の樹脂組成物をパッケージに使用し、実施例6の発光装置は実施例3の樹脂組成物をパッケージに使用する。実施例4〜6の発光装置は実施形態2で示した通りである。実施例4〜6の発光装置におけるパッケージ20は、底面20aと側壁20bとを持つ凹部60を有し、実施例1〜3の樹脂組成物を用いて成型される。パッケージ20はNSSW304D(日亜化学工業株式会社製)の形態を採る。パッケージ20とリード電極30とは一体成形され、リード電極30は銅を母材とし、表面に銀がメッキされている。実施例4〜6の発光装置は、約450nmに発光ピーク波長を持つ窒化物半導体層を有する発光素子10と、フェニルシリコーン樹脂(型番OE6630:東レ・ダウコーニング株式会社製)である封止部材40と、を使用する。
比較例3の発光装置は、比較例1の樹脂組成物を用いた以外は実施例4〜6の発光装置と同様の方法にて作製する。
表2は、実施例4〜6の発光装置の光束を測定した結果である。
Figure 0006897245
実施例4〜6の発光装置の全光束評価は、積分式全光束測定機にて実施し、比較例3の発光装置の全光束を100としたときの全光束比にて示す。
この結果から、実施例4〜6の発光装置は、比較例3の発光装置より全光束が大きい。
実施形態に係る発光装置は、液晶のバックライト、フルカラーディスプレイ、スイッチ内照明、照明用光源、各種インジケーターや交通信号灯などに利用可能な、発光ダイオード等の光半導体素子と蛍光体等の光変換物質を組み合わせた発光装置に用いられる。
10 発光素子
20 パッケージ
20a 底面
20b 側壁
30 リード電極
40 封止部材
50 蛍光物質
60 凹部
100 発光装置

Claims (10)

  1. ポリアミド(A)、下記一般式1で示されるジルコニウム系カップリング剤(B)で処理された反射材(C)、を含み、前記反射材(C)は、酸化チタンである樹脂組成物。
    (R'-O)4−a-Zr-[R''-R'''] ・・・一般式1
    R'は、アルキル基、
    aは、1〜3の整数、
    R''は、O−CO
    R'''は、nが1〜30の整数であるC2n+1で表されるアルキル基。
  2. aは1または3である請求項に記載の樹脂組成物。
  3. nは、1〜20の整数である請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記樹脂組成物は、さらに繊維状鉱物(D)を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 繊維状鉱物(D)は、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、ワラストナイト、酸化亜鉛繊維、チタン酸ナトリウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、ホウ酸マグネシウム繊維、酸化マグネシウム繊維、珪酸アルミニウム繊維、窒化珪素繊維及び炭素繊維からなる群から選択される1つを含む請求項に記載の樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載された樹脂組成物を主成分とする樹脂成形部と前記樹脂成形部に埋設されたリード電極とを含むパッケージと、前記リード電極と電気的に接続される発光素子と、を備える発光装置。
  7. 前記パッケージは前記発光素子を収納する凹部を有し、前記凹部を囲む前記樹脂成形部の側壁の最小厚さが200μm以下である請求項に記載の発光装置。
  8. 発光素子と、
    前記発光素子の側面に配置される、請求項1〜5のいずれか1項に記載された樹脂組成物を主成分とする樹脂成形部と、を備える発光装置。
  9. 下記一般式1で示されるジルコニウム系カップリング剤(B)により反射材(C)を処理する処理工程と、
    (R'-O)4−a-Zr-[R''-R'''] ・・・一般式1
    R'は、アルキル基、
    aは、1〜3の整数、
    R''は、O−CO、
    R'''は、nが1〜30の整数であるC2n+1で表されるアルキル基、
    ポリアミド(A)と、前記ジルコニウム系カップリング剤(B)で処理された反射材(C)と、を混合する混合工程と、を含み、前記反射材(C)は、酸化チタンである樹脂組成物の製造方法。
  10. 前記処理工程において、100重量部の反射材(C)を0.1〜10重量部の前記ジルコニウム系カップリング剤(B)で処理する請求項に記載の樹脂組成物の製造方法。
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