JP6896959B2 - 薄型段ボール箱の箱形成素材、及び段ボール箱用シート - Google Patents
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Description
ところで、近年、通販による商品購入が盛んになり、通販サイトによっては大量の商品の輸送を取り扱うようになってきた。このような通販サイトでは取り扱う段ボール箱の規格を絞り込むことで効率的で無駄のない商品輸送を確立しており、小物品については特に左右方向や前後方向の寸法に比べて上下方向(箱にしたときの高さ方向)の寸法が短尺とされた薄型の段ボール箱が多用される傾向にあり、このような薄型の段ボール箱の需要が急速に高まっている。
具体的には、特許文献1は、段ボール原紙に印刷、溝切り加工、打ち抜き加工、折り曲げ加工、糊付け加工などの加工を行って、段ボール箱を製函する技術を開示するものとなっている。この特許文献1では、1枚の段ボール原紙を複数枚の小型の単体ブランクに切断するダイカッタ部が設けられ、段ボール原紙は溝切り加工や打ち抜き加工により単体ブランクに形成された後、折り曲げ加工や糊付け加工により段ボール箱用シートに加工され、最終的には段ボール箱に製函されている。
本発明は、上記した問題点に鑑みて為されたものであり、上下方向の寸法が短尺とされた薄型段ボール箱を組み立て可能なものでありながら、折れ込みや破断を抑制して歩留まり良く効率的な製函が可能となる複数枚に分離可能な薄型段ボール箱の箱形成素材(単体ブランクが複数個連なったもの)及び段ボール箱用シートを提供することを目的とする。
本発明にかかる薄型段ボール箱の箱形成素材は、幅方向及び奥行き方向の寸法に比べて高さ方向の寸法が短尺とされた薄型の段ボール箱を製函する際に用いられる薄型段ボール箱の箱形成素材であって、前記箱形成素材は、前記薄型の段ボール箱の1箱分を製函する単体ブランクが、展開状態で同一平面上に複数枚連結された構成とされており、互いに隣り合った単体ブランク同士の間には、前記単体ブランク同士を分離可能な切り離し線が形成されており、前記切り離し線は、当該切り離し線に沿って前記箱形成素材を折り返すことで、前記単体ブランク同士の分離が可能となる構成とされていることを特徴とする。
好ましくは、前記切り離し線は、複数の切り離し線分が連続状に並ぶことで構成されており、一の切り離し線分と、前記一の切り離し線分に隣接配置される他の切り離し線分の間は、接続部とされており、前記切り離し線分の両端部には、前記単体ブランク同士を折り返した際に前記接続部に応力を集中させる補助切断線が形成されているとよい。
また、本発明に係る薄型段ボール箱の箱形成素材の最も好ましい形態は、幅方向及び奥行き方向の寸法に比べて高さ方向の寸法が短尺とされた薄型の段ボール箱を製函する際に用いられる薄型段ボール箱の箱形成素材であって、前記箱形成素材は、前記薄型の段ボール箱の1箱分を製函する単体ブランクが、展開状態で同一平面上に複数枚連結された構成とされており、互いに隣り合った単体ブランク同士の間には、前記単体ブランク同士を分離可能な切り離し線が形成されており、前記切り離し線は、当該切り離し線に沿って前記箱形成素材を折り返すことで、前記単体ブランク同士の分離が可能となる構成とされており、前記切り離し線は、前記単体ブランク同士の間が切断された切断部と、前記単体ブランク同士が表層の一部で連結し合った連結部と、を交互に備えており、前記切り離し線に沿って箱形成素材を折り返すことで、前記連結部が破断して前記単体ブランク同士の分離が可能となる構成とされていて、前記切り離し線は、複数の切り離し線分が連続状に並ぶことで構成されており、一の切り離し線分と、前記一の切り離し線分に隣接配置される他の切り離し線分の間 は、接続部とされており、前記切り離し線分の両端部には、前記単体ブランク同士を折り返した際に前記接続部に応力を集中させる補助切断線が形成されていて、前記補助切断線は、先端に向かうにつれて前記切り離し線分に近づくように切り離し線分に対して傾斜すると共に、前記切り離し線分の両側にそれぞれ形成されており、一の切り離し線分の補助切断線と、前記一の切り離し線分に隣接する他の切り離し線分の補助切断線とが互いに突き合い状態とされていることを特徴とする。
さらに、本発明にかかる段ボール箱用シートは、上述した薄型段ボール箱の箱形成素材が、当該箱形成素材を構成する単体ブランクの長手方向の両端を連結し合うことで、筒状に形成されているとよい。
本発明は、小物品を収容する薄型段ボール箱2を製函する箱形成素材1に関するものである。この箱形成素材1は、薄型段ボール箱2に製函される前の原紙であり、打ち抜き機や製函機などで段ボール原紙(平面状の段ボール紙)を所定のサイズに切り抜いたり折れ目を付けたりすることで形成されている。この箱形成素材1は、1個の薄型段ボール箱2を組み立てるための単体ブランク3を複数連結したものとなっている。
薄型段ボール箱2を組み立てる前の紙のことで、図2に示すようなものを「単体ブランク3」と呼ぶ。この単体ブランク3が複数個連なった状態となっていて、図3などに示すようなものを「箱形成素材1」と呼ぶ。さらに、箱形成素材1を筒状に連結して、段ボール箱に組み立てる直前の状態(蓋や底を組み立てるだけで完成品とできる状態)となっているものを「段ボール箱用シート10」という。本発明の箱形成素材1及び段ボール箱用シート10は、従来にはない特徴的な構成を備えるものとなっている。さらに、箱形成素材1や段ボール箱用シート10に加工される前の原紙を、段ボール原紙という。
さらにまた、12面の展開面のうち、蓋面2cや底面2bのフラップを構成する左右方向に並んだ4面は、互いに隣り合う面同士の間に、スリット状の切り込み2f(スロットということもある)を有しており、箱側面2aに対してフラップを構成する面を互いに異なる方向に向かって折り返すことを可能としている。
図3に示すように、本実施形態の箱形成素材1は、図2に示すような単体ブランク3を、展開状態で上下方向に2枚連結したものとなっている。図2の上側に配備される単体ブランク3Aと、下側に配備される単体ブランク3Bとは、上下方向に略線対称(水平線に対して線対称)な構造を有している。
そして、上側に配備される単体ブランク3Aと、下側に配備される単体ブランク3Bとの間には、単体ブランク3A、3B同士を分離可能な切り離し線4が形成されている。
切り離し線4は、この切り離し線4に沿って箱形成素材1を折り返すことで、単体ブランク3A、3B同士の分離が可能となる構成とされている。つまり、本実施形態の箱形成素材1は、切り離し線4に沿って箱形成素材1を折り返す動作を何度か繰り返すことで、切り離し線4が半切断状態から完全に破断状態となり、切り離し線4を境に「箱形成素材1」を「複数枚の単体ブランク3」に分離可能とされている。図3に示す例では、切り離し線4が、箱形成素材1の上下方向中央を左右方向に横断するように形成されている。
そして、切り離し線4(言い換えれば、切り離し線分5)に沿って箱形成素材1を折り返すことで、切断されずに残っていた連結部9が折り返しの際に加わる応力の影響で破断し、連結部9により半切断状態を維持していた単体ブランク3同士の分離が可能となっている。
また、本実施形態の場合、切り離し線分5とそれに連続する切り離し線分5との間に存在する接続部6に応力を集中させ、単体ブランク3同士に分離しやすいようにするために、切り離し線分5の両端部には矢印状の補助切断線7が形成されている。
具体的には、図4の(a)に示す如く、補助切断線7は、切り離し線分5に対して傾斜状に交差する直線状の切り込みであり、切り離し線分5の両端に2本ずつ形成されている。それぞれの補助切断線7は、切り離し線分5の先端に近づくにつれて切り離し線分5に近づくように、切り離し線分5に対して傾斜状に形成されている。また、この補助切断線7は、切り離し線分5を挟んでその両側にそれぞれ形成されており、2本の補助切断線7と切り離し線分5とを組み合わせた外観がちょうど矢印の文字「←」を構成するようになっている。
前述した如く、一方の切り離し線分5に形成される補助切断線7と、他方の切り離し線分5に形成される補助切断線7とが互いに矢印の先端を突き合わせるように並ぶことで、箱形成素材1を水平に横断する切り離し線4が形成される。
最終的には、図4(c)に示すように、箱形成素材1の上の部分を約90度に折り曲げたり、更に逆方向へ折り曲げたりすることで、2つの単体ブランク3へと分離される。
このようにして分離した(切り離された)箱形成素材1及び段ボール箱用シート10は、薄型段ボール箱2を1箱分だけ組み立て可能な単体ブランク3となっているため、薄型段ボール箱2をユーザが自ら必要なときに組み立てて使用することが可能となる。
(変形例)
なお、上述した実施形態の箱形成素材1は、単体ブランク3を2枚連結したものであったが、本発明の箱形成素材1は、図5に示すように単体ブランク3を3枚連結した箱形成素材1や、さらに図6に示すように単体ブランク3を4枚連結した箱形成素材1を用いても良い。このように単体ブランク3を3枚乃至は4枚連結した箱形成素材1では、図3の状態とは異なり、線対称ではあるものの形状や面積が同じ単体ブランク3を「A」、「B」、「C」の3種類有するものとなっている。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
2 薄型段ボール箱
2a 薄型段ボール箱の箱側面
2b 薄型段ボール箱の底面
2c 薄型段ボール箱の蓋面
2d 薄型段ボール箱の折り込み線
2e 薄型段ボール箱の折り返し線
2f 薄型段ボール箱の切り込み
2g 薄型段ボール箱の連結端
3 単体ブランク
3A 上側に配備される単体ブランク
3B 下側に配備される単体ブランク
4 切り離し線
5 切り離し線分
6 接続部
7 補助切断線
8 切断部
9 連結部
10 段ボール箱用シート
Claims (2)
- 幅方向及び奥行き方向の寸法に比べて高さ方向の寸法が短尺とされた薄型の段ボール箱を製函する際に用いられる薄型段ボール箱の箱形成素材であって、前記箱形成素材は、前記薄型の段ボール箱の1箱分を製函する単体ブランクが、展開状態で同一平面上に複数枚連結された構成とされており、
互いに隣り合った単体ブランク同士の間には、前記単体ブランク同士を分離可能な切り離し線が形成されており、
前記切り離し線は、当該切り離し線に沿って前記箱形成素材を折り返すことで、前記単体ブランク同士の分離が可能となる構成とされており、
前記切り離し線は、前記単体ブランク同士の間が切断された切断部と、前記単体ブランク同士が表層の一部で連結し合った連結部と、を交互に備えており、
前記切り離し線に沿って箱形成素材を折り返すことで、前記連結部が破断して前記単体ブランク同士の分離が可能となる構成とされていて、
前記切り離し線は、複数の切り離し線分が連続状に並ぶことで構成されており、
一の切り離し線分と、前記一の切り離し線分に隣接配置される他の切り離し線分の間 は、接続部とされており、
前記切り離し線分の両端部には、前記単体ブランク同士を折り返した際に前記接続部に応力を集中させる補助切断線が形成されていて、
前記補助切断線は、先端に向かうにつれて前記切り離し線分に近づくように切り離し線分に対して傾斜すると共に、前記切り離し線分の両側にそれぞれ形成されており、
一の切り離し線分の補助切断線と、前記一の切り離し線分に隣接する他の切り離し線分の補助切断線とが互いに突き合い状態とされている
ことを特徴とする薄型段ボール箱の箱形成素材。 - 請求項1に記載の薄型段ボール箱の箱形成素材が、当該箱形成素材を構成する単体ブランクの長手方向の両端を連結し合うことで、筒状に形成されていることを特徴とする段ボール箱用シート。
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