JP6896365B2 - 液晶材料 - Google Patents

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本発明は、高誘電率を示す液晶材料に関する。
近年、電子デバイスの小型化、大面積化に伴い、高誘電率かつ成型が容易な誘電体が求められている。従来より、成型が容易な誘電体としては、有機材料からなる誘電体が知られている。
特許文献1(特開2006−155944号公報)には、強い水素結合を介して二種類以上の異なる分子を交互に配列させ、酸−塩基分子間での相対的な変位又は秩序−無秩序による強誘電相転移を実現させることにより得られた、室温付近において2000〜3000の高誘電率を示すフェナジン重水素化クロラニル酸結晶が開示されている。
特開2006−155944号公報
特許文献1に開示されたフェナジン重水素化クロラニル酸結晶は、室温付近において2000〜3000の高誘電率を示すが、液晶材料ではない。
このような状況の下、高誘電率を示す液晶材料が求められている。
本発明の発明者らは、特定の液晶相を発現する液晶材料が、該特定の液晶相を発現する温度において極めて高い誘電率を示すことを見出し、本発明の課題を解決するに至った。
本発明は以下の態様の発明を含む。
[1]特定の液晶相を発現する温度において1000以上の誘電率を示す液晶材料。
[2]前記特定の液晶相を発現する温度における前記液晶材料の誘電率が3000以上である、上記[1]に記載の液晶材料。
[3]前記特定の液晶相を発現する温度における前記液晶材料のSHG光の強度は、前記液晶材料が前記特定の液晶相とは異なる相を発現する温度における前記液晶材料のSHG光の強度よりも2〜10倍以上大きい、上記[1]又は[2]に記載の液晶材料。
[4]前記特定の液晶相とは異なる相が、前記液晶材料の結晶相、ネマチック相、および/または等方相である、上記[3]に記載の液晶材料。
[5]前記液晶材料が下記一般式(1)
Figure 0006896365
(式中、R11は、P11−Sp11−、水素、または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;P11は、重合性基を表し;Sp11は、単結合またはスペーサー基を表し;R12は、P12−Sp12−、水素、ハロゲン、−CN、−N=C=O、−N=C=S、−CF、−OCF、または炭素数1〜3のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく、このアルキル中の−CHは−CNで置き換えられてもよく;P12は、重合性基を表し;Sp12は、単結合またはスペーサー基を表し;A11〜A15は独立に、5〜8員環、または炭素数9以上の縮合環であり、これらの環の任意の水素がハロゲン、炭素数1〜5のアルキル、またはハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、この炭素数1〜5のアルキルまたはハロゲン化アルキルの任意の−CH−は、−O−、−S−、または−NH−で置き換えられてもよく、前記環の−CH−は、−O−、−S−、または−NH−で置き換えられてもよく、前記環の−CH=は、−N=で置き換えられてもよく;Z11〜Z14は独立に単結合または炭素数1〜8のアルキレンであり、このアルキレン中の任意の−CH−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−N(O)=N−、−N=N(O)−、−CH=CH−、−CF=CF−、または−C≡C−で置き換えられてもよく、前記アルキレンの任意の水素は、ハロゲンで置き換えられてもよく;n11〜n13は独立に0または1である)で表される化合物を含有する、上記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の液晶材料。
[6]前記一般式(1)中、n11+n12+n13が2または3であり、A11〜A14が、下記(A−1)〜(A−5)からなる群から選択され、A15が、(A−1)〜(A−3)からなる群から選択され、さらに、A11〜A15中のハロゲン原子数の合計が6以上である、上記[5]に記載の液晶材料。
Figure 0006896365
[7]前記液晶材料が下記式(2)および(3)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含有する、上記[5]又は[6]に記載の液晶材料。
Figure 0006896365
(式(2)中、R21は、炭素数1〜12のアルキル、炭素数2〜12のアルケニル、または炭素数1〜11のアルコキシであり、Z21およびZ22は独立に、単結合、−COO−、または−CFO−であり、X21は、フッ素、塩素、−CF、または−OCFであり、L21〜L23は独立に水素またはフッ素であり、式(3)中、R31は、炭素数1〜12のアルキルまたは炭素数1〜11のアルコキシアルキルであり、Z31およびZ32は独立に、単結合、−COO−、または−CFO−であり、X31は、フッ素、塩素、−CF、または−OCFであり、L31〜L34は独立に、水素またはフッ素である。)
本発明の液晶材料は、特定の液晶相を発現し、該特定の液晶相を発現する温度において1000以上の高誘電率を示す。
また、本発明の液晶材料は、誘電率の温度依存性が比較的穏やかであり、広い温度範囲にわたり高誘電率を示す。本発明の液晶材料は、成型加工性に優れている。本発明の液晶材料は、特定の液晶相よりも高温側で発現する液晶相における緩和周波数より、特定の液晶相における緩和周波数が高周波域にあるという驚くべき性質を示す。
本発明の液晶材料を用いた素子の模式図である。 本発明の液晶材料のPOM(偏光顕微鏡)画像である。 本発明の液晶材料の誘電緩和スペクトル図である。 本発明の液晶材料のSHG光強度スペクトル図である。 従来の有機材料のSHG光強度スペクトル図である。 本発明の液晶材料のSHG光強度スペクトル図である。
本明細書において、
「液晶化合物」とは、メソゲン部位(mesogen)を有する有機化合物を表し、液晶相を発現する有機化合物に限定されない。具体的には、ネマチック相、スメクチック相などの液晶相を発現する有機化合物および液晶相を有しないが液晶組成物の成分として有用な有機化合物の総称である。
「液晶媒体」とは、液晶相を発現する組成物、または当該組成物と他の材料との複合体の総称である。
「液晶材料」とは、液晶化合物および液晶媒体の総称である。
「特定の液晶相」とは、SHG(第2次高調波発生(Second harmonic generator))光の強度が、同じ液晶材料の他の相(例えば結晶相、ネマチック相、もしくは等方相)、または5CB(4-pentyl-4’-cyanobiphenyl)などの他の一般的液晶材料と比べて極端に大きい相である。この相において、極めて大きな誘電率を示し、誘電率の温度特性も穏やかとなる。なお、本明細書中、「特定の液晶相」を「Sandy相」と称することがある。Sandy相という語は、その特徴的な偏光顕微鏡像から名付けられた造語である。
「素子」とは、液晶材料を用いた素子である。「素子」には、特定の液晶相を発現する温度において1000以上の誘電率を示す液晶材料を有する素子であって、前記特定の液晶相を発現する温度で前記液晶材料に電圧を印加する構成をさらに有する前記素子も含まれる。また「素子」を「液晶素子」と称する場合もある。
「誘電率」とは、無次元の比誘電率を表す。
本明細書において、「液晶化合物」、「液晶組成物」、及び「液晶素子」をそれぞれ「化合物」、「組成物」、及び「素子」と略すことがある。液晶相の上限温度は、液晶相−等方相の相転移温度であり、「相転移温度」のことを、単に「透明点」または「上限温度」と略すことがある。液晶相の下限温度を単に「下限温度」と略すことがある。
本明細書において、特に断りが無ければ、百分率で表した化合物の量は組成物の全量に基づいた重量百分率(重量%)である。
本明細書中、「アルキル」は、直鎖でも分岐でもよく、具体例としては、−CH、−C、−C、−C、−C11、−C13、−C15、−C17、−C19、−C1021、−C1123、または−C1225が挙げられる。また、「アルキル」の具体例としては、−C1327、−C1429、−C1531、−C1633、−C1735、−C1837、−C1939、または−C2041等が挙げられる。
本明細書中、「アルケニル」は、直鎖でも分岐でもよく、具体例としては、−CH=CH、−CH=CHCH、−CHCH=CH、−CH=CHC、−CHCH=CHCH、−(CH−CH=CH、−CH=CHC、−CHCH=CHC、−(CH−CH=CHCH、または−(CH−CH=CHが挙げられる。また、「アルケニル」の具体例としては、−(CH−CH=CH、−(CH−CH=CH、−(CH−CH=CH、−(CH−CH=CH、−(CH−CH=CH、−(CH−CH=CH、または−(CH10−CH=CH等が挙げられる。
本明細書中、「アルキニル」は、直鎖でも分岐でもよく、具体例としては、−C≡CH、−C≡CCH、−CHC≡CH、−C≡CC、−CHC≡CCH、−(CH−C≡CH、−C≡CC、−CHC≡CC、−(CH−C≡CCH、または−C≡C(CHが挙げられる。
本明細書中、「アルコキシ」は、直鎖でも分岐でもよく、具体例としては、−OCH、−OC、−OC、−OC、−OC11、−OC13および−OC15、−OC17、−OC19、−OC1021、または−OC1123が挙げられる。
本明細書中、「アルコキシアルキル」は、直鎖でも分岐でもよく、具体例としては、−CHOCH、−CHOC、−CHOC、−(CH−OCH、−(CH−OC、−(CH−OC、−(CH−OCH、−(CH−OCH、または−(CH−OCHが挙げられる。また、「アルコキシアルキル」の具体例としては、−(CH−OCH、−(CH−OCH、−(CH−OCH、−(CH−OCH、または−(CH10−OCH等が挙げられる。
本明細書中、「アルケニルオキシ」は、直鎖でも分岐でもよく、具体例としては、−OCHCH=CH、−OCHCH=CHCH、または−OCHCH=CHCが挙げられる。
本明細書中、「ハロゲン」の具体例としては、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素が挙げられる。
本明細書中、「重合性基」の具体例としてはアクリル基、メタクリル基、ビニルオキシ基、イソシアナート基、イソチオシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、アズラクトン基、クロロ−s−トリアジン基、またはβ−クロロエチルアミのスルホニル基等が挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書中、「スペーサー基」の具体例としては、−C−、−C−、−C−、−C10−、−C12−、−C14−、−C16−、−C18−、もしくは−C1020−等、またはこれらの基の1個以上のCHが酸素やCOOに置き換えられた基が挙げられるがこれに限定されない。ただし、酸素原子は隣り合わない。
本発明の液晶材料は、下記特徴のうちの1つ以上を呈する。
(a)特定の液晶相を発現する温度において、液晶材料に印加する交流電圧の周波数(測定周波数)の広い範囲で1000以上の高い誘電率を示し、最大10,000以上の高い誘電率を示す。
(b)室温〜150℃、好ましくは40〜120℃、さらに好ましくは特定の液晶相を発現する広い温度範囲で、1000以上の高誘電率を示す。
(c)特定の液晶相よりも高温側で発現するネマチック相における緩和周波数より、低温側の特定の液晶相における緩和周波数が高周波域にある。なお、一般的に、通常の液晶材料では、低温時に粘度が上がることにより応答できる周波数が低下するため、低温側の緩和周波数は、高温側の緩和周波数よりも低い。
(d)特定の液晶相を発現する状態では、高い正の誘電率異方性Δε(εpara−εperp)を呈する。
本発明の液晶材料は、バルク(界面と接しない本体部分)においてSHGを発現することがある。SHGの発現の必要条件は系の非対称性であることを考慮すると、SHGを示すことがある該液晶材料は、特定の液晶相において非対称性を有することがある。このことから、一般的な液晶材料に比べて、本発明の液晶材料は、特定の液晶相において、バルクにおいても、より多くの分子の平行会合(分子の双極子モーメントの向きが略同一方向に揃って会合した状態)を有し、その結果、極めて大きな誘電率を発現すると推定される。
以下、図面を参照して、本発明の一態様に係る液晶材料およびそれを用いた素子についてより詳細に説明する。
1.液晶材料
本発明の液晶材料は、特定の液晶相を発現する液晶材料であって、該特定の液晶相を発現する温度において、誘電率の値が1000以上である。本発明の液晶材料は、下記一般式(1)の化合物を含み、好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上含む。
Figure 0006896365
式(1)中、R11は、P11−Sp11−、水素、または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい。ここで、P11は重合性基を表し、Sp11は単結合またはスペーサー基を表す。好ましくは、R11は、炭素数1〜7のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH−が、−O−、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられてもよく、該アルキル基の任意の水素がハロゲンに置き換えられてもよい。
12は、P12−Sp12−、水素、ハロゲン、−CN、−N=C=O、−N=C=S、−CF、−OCF、または炭素数1〜3のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく、このアルキル中の−CHは−CNで置き換えられてもよい。ここで、P12は重合性基を表し、Sp12は単結合またはスペーサー基を表す。好ましくは、R12は、ハロゲン、−CN、−N=C=S、−CF、−OCF、または炭素数1〜3のアルキルであり、このアルキルの任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい。
11〜A15は独立に、5〜8員環または炭素数9以上の縮合環であり、これらの環の任意の水素がハロゲン、炭素数1〜5のアルキル、またはハロゲン化アルキルで置き換えられてもよい。この炭素数1〜5のアルキルまたはハロゲン化アルキルの任意の−CH−は、−O−、−S−、または−NH−で置き換えられてもよく、該環の−CH−は、−O−、−S−、または−NH−で置き換えられてもよく、該環の−CH=は、−N=で置き換えられてもよい。好ましくは、A11〜A14が、下記(A−1)〜(A−5)からなる群から選択される環であり、A15が、下記(A−1)〜(A−3)からなる群から選択される環である。
Figure 0006896365
11〜Z14は独立に、単結合または炭素数1〜8のアルキレンであり、このアルキレン中の任意の−CH−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−N(O)=N−、−N=N(O)−、−CH=CH−、−CF=CF−、または−C≡C−で置き換えられてもよく、任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい。好ましくは、Z11〜Z14は独立に、単結合、−COO−、または−CFO−である。さらに好ましくは、Z11〜Z14のうちの少なくとも一つは、−COO−または−CFO−である。
そして、n11〜n13は独立に、0または1であるであるが、好ましくは、n11〜n13の合計(n11+n12+n13)が2または3である。
また、本発明の液晶材料は、下記式(2)および(3)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を60重量%以上、好ましくは80重量%以上含んでいてもよい。
Figure 0006896365
式(2)中、R21は、炭素数1〜12のアルキル、炭素数2〜12のアルケニル、または炭素数1〜11のアルコキシであり、Z21およびZ22は独立して、単結合、−COO−、または−CFO−であり、X21は、フッ素、塩素、−CF、または−OCFであり、L21〜L23は独立して、水素またはフッ素である。また、式(3)中、R31は、炭素数1〜12のアルキルまたは炭素数1〜11のアルコキシアルキルであり、Z31およびZ32は独立して、単結合、−COO−、または−CFO−であり、X31は、フッ素、塩素、−CF、または−OCFであり、L31〜L34は独立して、水素またはフッ素である。
また、本発明の一態様に係る素子に用いられる液晶材料は、メソゲンを有さない重合体および/または、メソゲンを有する重合体を含んでいてもよい。また、メソゲンを有する重合体として、末端にR11としてP11−Sp11−を有する一般式(1)に示す化合物が重合してできた重合体を含んでいてもよい。重合性基P11は、例えばアクリル基、メタクリル基、ビニル基、イソシアナート基、イソチオシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、またはアズラクトン基等である。該重合体には、重合開始剤、硬化剤、触媒、安定剤、二色性色素、またはフォトクロミック化合物等を、該液晶材料の効果を損なわない範囲で含まれていてもよい。
重合性基を含む化合物を用いる、または、別の重合性化合物を用いることによって、該液晶材料の性質(高誘電率等)を有する可塑性部材を形成することができ、キャパシタの電極間に配置する誘電体、圧電素子、または非線形光学素子として応用できる。また、液晶表示素子の液晶層に、上記液晶材料の重合体を含む可塑性部材を用いることで、液晶層を把持するガラス基板の使用を省略することもでき、ひいては製造コストを大きく低減させることができる。
また、本発明の液晶材料は、上記式(1)〜(3)に示す化合物のうちの少なくとも1種の化合物と高分子化合物との複合材料であってもよく、例えば、液晶材料内に高分子のネットワークが形成されていてもよい。
2.素子
本明細書における素子の例は、特定の液晶相を発現する液晶材料であって、特定の液晶相を発現する温度において、誘電率の値が1000以上である液晶材料を用いる素子である。本明細書における素子の例は、上記式(1)〜(3)に示す化合物のうちの少なくとも1種の化合物を含む液晶材料が特定の液晶相を発現する温度において、該液晶材料に電圧を印加する構成である。該構成は、例えば液晶表示デバイスの液晶層以外の構成やキャパシタの誘電体以外の構成等であってもよい。また、素子が、該液晶材料と、特定の液晶相を発現する温度において該液晶材料に光を透過させる構成(例えば該液晶材料の非線形光学効果を発現させるためのレーザー光源等)を有するようにしてもよい。また、該素子は、該液晶材料が特定の液晶相以外の他の相を発現する状態で、該液晶材料に電圧を印加するようにしてもよい。
本明細書における素子の例は、上記液晶材料を用いた液晶表示素子10である。図1は、液晶表示素子10の一部の概略構成図である。液晶表示素子10は、第1偏光フィルタ11A、第1ガラス基板12A、第1透明電極13A、第1配向膜14A、液晶層15、第2配向膜14B、第2透明電極13B、第2ガラス基板12B、及び第2偏光フィルタ11Bを有する。第1偏光フィルタ11A及び第2偏光フィルタ11Bの偏光方向は、互いに直交するように設けられ、液晶層15には、上記液晶材料16が含まれている。第1透明電極13A及び第2透明電極13Bは、ITOなどの透明材料からなる。第1配向膜14A及び第2配向膜14Bにより液晶層15の液晶材料16にねじれを生じさせている。なお、第2透明電極13Bと第2ガラス基板12Bとの間にRGB(又はRGBY)のカラーフィルター層を設け、液晶表示素子10がカラー画像を表示できるようにしてもよい。また、液晶表示素子10がTN(Twisted Nematic)型の液晶駆動方式を用いた構成を説明しているが、VA(Vertical Alignment)型又はIPS(In-Plane Switching)型の液晶駆動方式であってもよい。
一般的に、液晶表示素子の動作中における内部の温度は、室温に比べて高い。動作温度領域で液晶層15に含まれる液晶材料16は、特定の液晶相を示し、高い誘電率異方性Δεを示す。そのため、動作温度領域において、液晶層15の屈折率の異方性も大きくなり、光の偏光方向を大きく変更することができる。したがって、バックライトから第1偏光フィルタ11Aを通じて液晶層15に入射した直線偏光の光は、液晶層15の厚み方向に伝播しながら、高い屈折率異方性を示す液晶材料16のねじれの解消に応じて偏光状態が変更され、第2偏光フィルタ11Bから出射されるか、第2偏光フィルタ11Bにより遮断される。液晶材料16のねじれの解消は、第1透明電極13A及び第2透明電極13Bを介して印加される電圧に応じて制御される。
また、本明細書における素子の例は、上記液晶材料またはその重合体を電極間の誘電体として用いたキャパシタである。上記液晶材料は、広い温度範囲及び周波数範囲において1000以上(最大10,000以上)の高い誘電率を示す。そのため、該キャパシタは、大容量の電荷の保持を可能とし、且つ、高速応答(充電及び放電)を可能とする。また、本発明の一態様に係る素子として、比較的高温側(40℃以上)で特定の液晶相を発現する液晶材料(例えば後述する化合物DIO−3)を用いたキャパシタ(例えば、車載キャパシタ)である。
また、本明細書における素子の例は、上記液晶材料またはその重合体を電極間の圧電材料として用いた圧電素子である。また、本発明の一態様に係る素子は、上記液晶材料を電解液に含んだ二次電池である。
本明細書における素子の例は、上記液晶材料が、少なくとも特定の液晶相を発現する温度において、該液晶材料にレーザー等の光を透過させる構成を有する素子である。上記液晶材料がSHGを発現することから、本発明の一態様に係る素子は、波長変換が可能な非線形光学素子である。
本明細書における素子の例は、上記液晶材料を特定の液晶相を発現する温度に加温又は冷却するための温度制御手段(加温手段、冷却手段)をさらに備えてもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例によっては制限されない。なお特に言及のない限り、「%」は「重量%」を意味する。
[実施例1](化合物DIO−3の相転移温度)
本実施例及び下記実施例では、上記式(3)に示す化合物のR31が炭素数3のアルキル基であり、L33が水素であり、Z32が単結合であり、L31、L32、L34、およびX31がフッ素であり、Z31が−COO−である下記式(4)で表される化合物DIO−3を液晶材料として用いた。
Figure 0006896365
無配向処理セル、水平配向処理セル、および垂直配向処理セルの3種類のセルを用いて、化合物DIO−3の相転移温度をDSC(示差走査熱量測定装置DSC1、METTLER TOLEDO社製)と偏光顕微鏡を用いて同定した。DSCの測定条件は、昇降温速度が5℃/分である(図2の偏光顕微鏡(POM)画像)。図2中、上段が無配向処理セルを用いた偏光顕微鏡画像を示し、中段が水平配向処理セルを用いた偏光顕微鏡画像を示し、下段が垂直配向処理セルを用いた偏光顕微鏡画像を示す。また、図2の凡例のCryは結晶相、SdはSandy相、XはUnknown相、Nはネマチック相を表す。測定結果から、化合物DIO−3の相転移温度は、以下の表1のとおりであった。
Figure 0006896365
表中、「Sandy相」は、特定の液晶相を表す。なお、昇温時のSandy相が発現する下限温度(44.1℃)と降温時のSandy相が発現する下限温度(30.0℃)が異なるのは、測定条件、液晶材料に含まれる不純物、又はセルの構造等による例えば結晶化による影響であると考えられる。
[実施例2](化合物DIO−3の誘電緩和)
本実施例では、化合物DIO−3の誘電緩和スペクトルの測定を行った。測定装置は、126096W型誘電体測定システム(東陽テクニカ社製)であり、サイン波0.1Vを印加し、降温しつつ測定した。なお、所望の温度に到達した後、その温度で5分間温度を維持した後、測定を開始した。用いたセルは、EHC社製垂直配向セルで、セル厚は10ミクロンである。結果を図3に示す。図3中、縦軸は誘電率εであって10−3(1.0E-03)〜10(1.0E+05)の範囲を表し、横軸は印加する交流電圧の周波数(測定周波数)(Hz)であって1Hz(1.E+00)〜10Hz(1.E+07)の範囲を表し、凡例の数字(30〜120)は測定温度(℃)を表す。
Sandy相を発現する温度範囲の中の48℃〜66℃の温度範囲で、1Hz(1.E+00)〜1KHz(1.E+03)において10,000程度の非常に大きな誘電率を示し、1KHzから高周波側で緩やかに誘電率が低下するが、10KHz(1.E+04)においても1000程度の大きな誘電率を示した。また、該温度範囲(48℃〜66℃)では、特に1Hz(1.E+00)〜10KHz(1.E+04)の範囲において、それぞれの温度に対する各プロットが重なっており、誘電率の温度依存性が小さいことがわかった。
[実施例3](化合物DIO−3のSHGスペクトル)
本実施例では、化合物DIO−3のホメオトロピック配向時(7V印加)のSHGスペクトルの測定を行った(偏光条件p−p)。測定装置は、東京インスツルメンツ社製の非線形光学材料評価システムであり、用いたセルはEHC社製垂直配向セル(セル厚10ミクロン)である。結果を図4に示す。図4中、縦軸はSHG強度(任意単位(a.u.))を表し、横軸はレーザー光の入射角(°)であって−50°〜50°の範囲を表し、凡例中の数字(25〜65)は測定温度(℃)を表す。
図4に示すように、Sandy相を発現する温度範囲の中の45℃〜65℃の温度範囲において、極めて大きなSHG強度を示した。特に、例えば入射角30°のSHG強度を比較すると、該温度範囲(45℃〜65℃)におけるSHG強度は、結晶相を発現する温度範囲(25℃〜40℃)におけるSHG強度と比べて2〜10倍以上又は10〜20倍以上大きい値を示した。すなわち、Sandy相内では、化合物DIO−3分子の平行会合が存在していると強く示唆される。
ここで、比較例として、図5に、EHC社製垂直配向セルの空セルのSHGスペクトルと、この空セルに封入した従来の液晶材料である5CB(4-pentyl-4’-cyanobiphenyl)のSHGスペクトルを示す。図4のデータを出すのに用いた装置及び同じ測定条件で測定した。図5中、縦軸はSHG強度(任意単位(a.u.))を表し、横軸はレーザー光の入射角(°)であって−50°〜50°の範囲を表し、凡例の数字50、25は測定温度(℃)を表す。図5に示すように、例えば入射角30°のSHG強度を比較すると、5CBのSHG強度(25℃及び50℃ともに約10以下)に比べ、化合物DIO−3のSHG強度(約250前後)は極めて大きいことがわかった。
[実施例4] (化合物DIO−3のSHGスペクトル)
本実施例では、化合物DIO−3の略ランダム配向時(電圧無印加)のSHGスペクトル測定を行った。測定装置は、東京インスツルメンツ社製非線形光学材料評価システムであり、用いたセルはEHC社製垂直配向セル(セル厚10ミクロン)である。結果を図6に示す。図6の凡例の数字65〜120は測定温度(℃)を表す。
実施例3の図4に示す65℃のSHGスペクトルと図6の65℃のSHGスペクトルとが大きく異なる理由としては、本実施例のように電圧無印加により、化合物DIO−3はSandy相において垂直配向しておらず、略ランダム配向をとるためであると考えられる。図6に示すように、Sandy相を発現する65℃のSHGスペクトルがSandy相ではない高温側(82℃、120℃)のSHGスペクトルよりも大きな値を取るという結果より、界面ではなく、バルク内での平行会合の存在が強く示唆された。また、Sandy相において、特異的にSHG光強度が強くなることがわかった。
本発明は、液晶材料に適用可能である。
10 液晶表示素子
11A 第1偏光フィルタ
12A 第1ガラス基板
13A 第1透明電極
14A 第1配向膜
15 液晶層
14B 第2配向膜
13B 第2透明電極
12B 第2ガラス基板
11B 第2偏光フィルタ

Claims (4)

  1. 特定の液晶相を発現する温度において1000以上の誘電率を示す液晶材料であって、
    前記液晶材料が下記式(3)で表される化合物を80重量%以上含み、
    前記特定の液晶相を発現する温度における前記液晶材料の入射角30°におけるSHG光の強度は、前記液晶材料が結晶相を発現する温度における前記液晶材料の入射角30°におけるSHG光の強度よりも2〜10倍以上大きい、前記液晶材料。
    Figure 0006896365
    (式(3)中、R31は、炭素数1〜12のアルキルまたは炭素数1〜11のアルコキシアルキルであり、 31 は、−COO−または−CF O−であり、Z 32 は単結合であり、31は、フッ素、塩素、−CF、または−OCFであり、L31〜L34は独立に、水素またはフッ素である。)
  2. 前記特定の液晶相を発現する温度における前記液晶材料の誘電率が3000以上である、請求項1に記載の液晶材料。
  3. 前記液晶材料が、前記特定の液晶相において正の誘電率異方性を有する、請求項1または2に記載の液晶材料。
  4. 前記式(3)で表される化合物が、下記式(4)の化合物であり、
    前記特定の液晶相を発現する温度が、45〜65℃である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶材料。
    Figure 0006896365
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