[手術用システム]
図1は、本発明の手術用システムの構成を示す図である。
図1を参照して、手術用システム300は、たとえば、術者Qが患者側装置1を用いて人間または動物などの処置対象Rに内視鏡外科手術を施すためのシステムである。手術用システム300は、患者側装置1と、患者側装置1を操作するための操作装置2とを備える。
術者Qは、患者側装置1に対する動作指令を操作装置2へ入力し、操作装置2は、入力された動作指令を含む指令信号を患者側装置1へ送信する。そして、患者側装置1は、操作装置2から送信された指令信号を受信し、受信した指令信号に含まれる動作指令に基づいて、自己の先端に接続された内視鏡アセンブリ4aおよび医療用処置具4bを動作させる。
より詳細には、操作装置2は、操作用マニピュレータ5aおよび操作ペダル5bを有する操作入力部5と、内視鏡アセンブリ4aにより撮影された画像を表示するモニタ5cとを含む。操作用マニピュレータ5aおよび操作ペダル5bは、術者Qが動作指令を入力するための機器である。
術者Qは、モニタ5cにおいて表示される画像により患部を視認しながら、操作用マニピュレータ5aおよび操作ペダル5bを操作することにより、操作装置2へ動作指令を入力する。操作装置2は、入力された動作指令を含む指令信号を、有線または無線により患者側装置1へ送信する。
患者側装置1は、ポジショナ7と、ポジショナ7の先端部に取り付けられたプラットホーム8と、プラットホーム8に着脱可能に取り付けられた複数のマニピュレータ3と、内視鏡アセンブリ4aと、医療用処置具4bと、患者側装置1の動作を制御するコントローラ6とを含む。
内視鏡アセンブリ4aおよび医療用処置具4bは、マニピュレータ3に取り付けられる。医療用処置具4bは、把持鉗子(グラスパ)、持針器(ニードルドライバ)、またはシザーズなどである。
コントローラ6は、操作装置2からの指令信号を受信し、受信した指令信号に基づいて、内視鏡アセンブリ4aおよび医療用処置具4bを動作させる。
具体的には、コントローラ6は、指令信号を受信して、当該指令信号に含まれる動作指令に基づいて、まず、ポジショナ7を動作させてプラットホーム8の位置決めを行う。また、コントローラ6は、処置対象Rの体表に留置された図示しないカニューレに対する内視鏡アセンブリ4aおよび医療用処置具4bの位置が所定の初期位置となるように、マニピュレータ3の位置決めを行う。
そして、コントローラ6は、動作指令に基づいて、内視鏡アセンブリ4aおよび医療用処置具4bを駆動するための制御信号を、マニピュレータ3経由で内視鏡アセンブリ4aおよび医療用処置具4bへ出力する。そして、内視鏡アセンブリ4aおよび医療用処置具4bは、コントローラ6から受けた制御信号に従って動作する。
なお、コントローラ6は、ポジショナ7に内蔵されていなくてもよく、ポジショナ7とは独立した制御装置であってもよい。
[医療用処置具]
(全体構成)
図2は、本発明の医療用処置具の構成を示す図である。
図2を参照して、医療用処置具4bは、先端部11と、シャフト12と、先端部11を操作するためのワイヤまたはケーブルなどの細長要素14と、細長要素14を駆動する駆動機構15とを含む。以下、細長要素14として、ワイヤを例に説明する。
先端部11は、たとえば、2つのジョー21,22を有する。これら2つのジョー21,22は、同一の形状に形成されることにより、製造コストを低く抑えることができる。シャフト12は、医療用処置具4bの長手方向に延びる筒形状を有し、矢印Aの方向に回転可能に設けられる。すなわち、シャフト12は、自己の長手方向の軸を中心に回転可能に設けられる。
ワイヤ14は、たとえばタングステンまたはステンレスにより形成されており、十分な強度、屈曲性、および耐久性を有する。ステンレスはタングステンに比べて柔らかいが延びやすく、タングステンはステンレスに比べて硬いが延びにくいという性質を有する。
駆動機構15は、図1に示す患者側装置1におけるマニピュレータ3に取り付けられる。駆動機構15は、患者側装置1からの制御信号をマニピュレータ3経由で受けて、当該制御信号に従って、ワイヤ14を医療用処置具4bの長手方向に沿って動かしたり、シャフト12を矢印Aの方向に回転させたりする。駆動機構15の詳細な構成については、後述する。
(先端部)
図3は、図2に示す医療用処置具における先端部の構成を示す斜視図である。
図3を参照して、先端部11は、ジョー21およびジョー22に加えて、さらに、手首部23を有する。手首部23は、第1連結部31を介してシャフト12の端部12aに取り付けられる。また、手首部23は、第1連結部31を中心に矢印Bの方向に旋回可能である。
ジョー21,22は、第2連結部32を介して手首部23に取り付けられる。また、ジョー21,22は、それぞれ、指部24a,24bと、プーリ部25a,25bとを有する。指部24a,24bは、第2連結部32を中心に矢印Cの方向に旋回可能に設けられ、プーリ部25a,25bは、第2連結部32を中心に回転可能に設けられる。
第1連結部31の延びる方向と、第2連結部32の延びる方向とは、異なる方向であることが好ましい。ここでは、第1連結部31の延びる方向と、第2連結部32の延びる方向とのなす角が90度であるとする。以下、第1連結部31の延びる方向をY軸方向とし、第2連結部32の延びる方向をX軸方向とし、シャフト12の長手方向をZ軸方向とする。
図4は、図2に示す医療用処置具における先端部の構成を示す側面図である。
図4を参照して、ジョー21,22のそれぞれの自由端21a,22aは、矢印C1および矢印C2に示すように、第2連結部32を中心に旋回することにより、互いに近づいたり、離れたり、同じ方向へ旋回したりすることができる。
また、先端部11は、ジョー21,22および手首部23に加えて、さらに、第1プーリ部41と、第2プーリ部42と、第3プーリ部43と、第4プーリ部44と、第5プーリ部45とを有する。第1プーリ部41、第2プーリ部42、第3プーリ部43および第4プーリ部44の各々は、内側プーリと外側プーリとを有する。
また、第1プーリ部41、第2プーリ部42、および第5プーリ部45は、第1連結部31を介して端部12aに取り付けられており、第1連結部31を中心に回転可能に設けられる。また、第3プーリ部43は、第3連結部33を介して手首部23に取り付けられており、第3連結部33を中心に回転可能に設けられる。第4プーリ部44は、第4連結部34を介して手首部23に取り付けられており、第4連結部34を中心に回転可能に設けられる。
第1プーリ部41の回転面と第3プーリ部43の回転面とは、略同一平面上にあり、第2プーリ部42の回転面と第4プーリ部44の回転面とは、略同一平面上にある。
(先端部側のワイヤの巻き掛け)
図5は、本発明の医療用処置具における先端部側のワイヤの巻き掛けの一例を示す図である。図5において、矢印Z1はシャフト12の長手方向に延びるZ軸の正の方向を示し、矢印Z2はZ軸の負の方向を示す。
ここでは、医療用処置具4bは、3つのワイヤ14を含むとする。3つのワイヤ14を、それぞれ、ワイヤ141,142,143とする。また、ワイヤ141,142,143は、それぞれ、第1の細長要素141a,142a,143aと、第2の細長要素141b,142b,143bとを有する。
図5を参照して、医療用処置具4bの組立時において、ワイヤ141は、第1プーリ部41の外側プーリおよび第3プーリ部43の外側プーリに巻き掛けられた後、ジョー22におけるプーリ部25bに巻き掛けられ、さらに、第4プーリ部44の内側プーリおよび第2プーリ部42の内側プーリに巻き掛けられる。また、ワイヤ141は、たとえば、ジョー22における指部24bに形成された図示しない部材に固定される。このため、ジョー22は、ワイヤ141の駆動に応じて動作する。
ワイヤ142は、第1プーリ部41の内側プーリおよび第3プーリ部43の内側プーリに巻き掛けられた後、ジョー21におけるプーリ部25aに巻き掛けられ、さらに、第4プーリ部44の外側プーリおよび第2プーリ部42の外側プーリに巻き掛けられる。また、ワイヤ142は、たとえば、ジョー21における指部24aに形成された図示しない部材に固定される。このため、ジョー21は、ワイヤ142の駆動に応じて動作する。
ワイヤ143は、第5プーリ部45に巻き掛けられる。また、ワイヤ143は、たとえば、手首部23に形成された図示しない部材に固定される。このため、手首部23は、ワイヤ143の駆動に応じて動作する。
(先端部の動作)
ワイヤ141における第1の細長要素141aが矢印Z1の方向に引かれると、ジョー22が第2連結部32を中心に矢印C2aの方向、すなわち第2連結部32を中心とする円の周方向であって、ジョー21へ近づく方向に旋回する。また、ワイヤ141における第2の細長要素141bが矢印Z1の方向に引かれると、ジョー22が第2連結部32を中心に矢印C2bの方向、すなわち第2連結部32を中心とする円の周方向であって、ジョー21から離れる方向に旋回する。
また、ワイヤ142における第1の細長要素142aが矢印Z1の方向に引かれると、ジョー21が第2連結部32を中心に矢印C1aの方向、すなわち第2連結部32を中心とする円の周方向であって、ジョー22から離れる方向に旋回する。また、ワイヤ142における第2の細長要素142bが矢印Z1の方向に引かれると、ジョー21が第2連結部32を中心に矢印C1bの方向、すなわち第2連結部32を中心とする円の周方向であって、ジョー22へ近づく方向に旋回する。
また、第2の細長要素141bおよび第1の細長要素142aが矢印Z1の方向に同時に引かれると、第2連結部32を中心とする円の周方向であって、ジョー21およびジョー22が互いに離れる方向に旋回する。また、第1の細長要素141aおよび第2の細長要素142bが矢印Z1の方向に同時に引かれると、第2連結部32を中心とする円の周方向であって、ジョー21およびジョー22が互いに近づく方向に旋回する。
また、第1の細長要素141aおよび第1の細長要素142aが矢印Z1の方向に同時に引かれると、ジョー21およびジョー22の両方が、第2連結部32を中心とする円の周方向であって、矢印D1の方向に旋回する。すなわち、ジョー21が矢印C1aの方向に旋回し、ジョー22が矢印C2aの方向に旋回する。
また、第2の細長要素141bおよび第2の細長要素142bが矢印Z1の方向に同時に引かれると、ジョー21およびジョー22の両方が、第2連結部32を中心とする円の周方向であって、矢印D2の方向に旋回する。すなわち、ジョー21が矢印C1bの方向に旋回し、ジョー22が矢印C2bの方向に旋回する。
また、第1の細長要素143aが矢印Z1の方向へ引かれると、図3および図4に示す手首部23が、第1連結部31を中心に矢印B2の方向、すなわち、第1連結部31を中心とする円の周方向、かつY軸の正から負の方向へ見て反時計周りに旋回する。また、第2の細長要素143bが矢印Z1の方向へ引かれると、手首部23が、第1連結部31を中心に矢印B1の方向、すなわち、第1連結部31を中心とする円の周方向、かつY軸の正から負の方向へ見て時計周りに旋回する。
このように、ワイヤ141,142,143の駆動に応じて、ジョー21、ジョー22、および手首部23が独立して駆動する。
[駆動機構]
図6は、本発明の駆動機構の構成を示す斜視図である。
図6を参照して、駆動機構15は、ハウジング10と、ハウジング10内において回転可能に設けられた複数の駆動部材101と、ハウジング10内において回転可能に設けられた第1歯車102と、第1歯車102と係合する第2歯車103と、図示しない駆動伝達システムと、図示しないアクチュエータとを有する。図6では、駆動機構15の内部の構造を説明するため、ハウジング10の上部が外された状態を示している。
駆動伝達システムは、後述する複数の伝達部材を有する。複数の駆動部材101、および第1歯車102の各々は被伝達部材122を有し、複数の伝達部材は、これら複数の被伝達部材122とそれぞれ係合する。
複数の駆動部材101、および第1歯車102の各々は、基体16の表面に対して垂直の方向、すなわちX軸方向に延びる回転軸を中心に回転可能に設けられる。第2歯車103は、シャフト12の長手方向、すなわちZ軸方向に延びる回転軸を中心に回転可能に設けられる。シャフト12は、第2歯車103と係合しており、第2歯車103の回転に伴い矢印Aの方向に回転する。
アクチュエータは、図1に示す患者側装置1からマニピュレータ3経由で制御信号を受けて、当該制御信号に従って、複数の伝達部材を回転させる。各々の伝達部材は、回転することにより、複数の駆動部材101、および第1歯車102のうち自己に対応する部材を回転させる。
より詳細には、駆動機構15は、3つの駆動部材101を有する。3つの駆動部材101を、それぞれ駆動部材101A,101B,101Cとする。駆動部材101A,101B,101Cは、たとえば、基体16に形成された図示しない複数の貫通孔にそれぞれ挿入されている。また、図5に示すワイヤ141,142,143は、それぞれ、駆動部材101A,101B,101Cに巻き付けられる。
そして、アクチュエータが、駆動部材101Aに対応する伝達部材を回転させることにより、駆動部材101Aが回転すると、駆動部材101Aに巻き付けられたワイヤ141がZ軸方向に沿って動く。これにより、図3に示す指部24bが、矢印Cの方向に旋回する。
また、アクチュエータが、駆動部材101Bに対応する伝達部材を回転させることにより、駆動部材101Bが回転すると、駆動部材101Bに巻き付けられたワイヤ142がZ軸方向に沿って動く。これにより、図3に示す指部24aが、矢印Cの方向に旋回する。
また、アクチュエータが、駆動部材101Cに対応する伝達部材を回転させることにより、駆動部材101Cが回転すると、駆動部材101Cに巻き付けられたワイヤ143がZ軸方向に沿って動く。これにより、図3に示す手首部23が、矢印Bの方向に旋回する。
また、アクチュエータが、第1歯車102に対応する伝達部材を回転させることにより、第1歯車102が回転すると、第1歯車102と係合した第2歯車103がZ軸方向に延びる回転軸を中心に回転する。そして、シャフト12が、第2歯車103の回転に伴い矢印Aの方向に回転する。以下、駆動部材101の詳細な構成について説明する。
[駆動部材]
図7は、図6に示す駆動機構における駆動部材の構成を示す斜視図である。また、図8は、図7に示す駆動部材の構成を示す断面図である。
図7および図8を参照して、駆動部材101は、基体16に取り付けられるローテーション部(第1の回転部材)111と、第1プーリ部(第2の回転部材)131と第2プーリ部(第3の回転部材)151とを有するプーリ部112と、ベアリング部113と、押圧部材114と、棒形状を有する中空部材115と、押圧部材114とプーリ部112との間に設けられるスプリングワッシャ116とを有する。以下、各部材の構成について説明する。
(ローテーション部およびプーリ部)
図9は、図7に示す駆動部材におけるローテーション部およびプーリ部の構成を示す斜視図である。ここでは、X軸方向を上下方向とする。また、X軸の正の方向を上方向とし、X軸の負の方向を下方向とする。
図9を参照して、ローテーション部111は、筒部121と、筒部121の下端121aに連結された被伝達部材122とを有する。被伝達部材122は、伝達部材と係合する。そして、被伝達部材122が当該伝達部材の回転に伴い回転することにより、駆動部材101の全体が回転軸を中心に回転する。
筒部121は、被伝達部材122と反対側の上端121bの面に放射状に広がる凹凸が形成されている。すなわち、筒部121における上端121bは、フェースギアとして形成されている。
また、筒部121の内部には、自己のローテーション部111の回転軸と平行な方向、すなわち上下方向に延びる挿通孔124が形成されている。そして、挿通孔124の外周の一部には、係合溝123が形成されている。
第1プーリ部131および第2プーリ部151は、たとえば、同一の形状に形成されており、上下方向において互いに反対の向きに取り付けられる。第1プーリ部131および第2プーリ部151が同一の形状に形成されていることにより、製造が容易になり、コストを削減することができる。
より詳細には、第1プーリ部131は、第1プーリ筒部132と、第1プーリ筒部132の下端132a付近に連結された第1プーリフランジ部133とを有する。第1プーリ筒部132における下端132aの面および上端132bの面には、いずれも凹凸が形成されている。すなわち、第1プーリ筒部132における下端132aおよび上端132bは、フェースギアとして形成されている。また、第1プーリ筒部132の外周面には、らせん状に凹凸が形成されており、当該凹凸にワイヤ14が巻き付けられる。
また、第1プーリ筒部132には、自己の第1プーリ部131の回転軸と平行な方向、すなわち上下方向に延びる挿通孔134が形成されている。
第2プーリ部151は、第1プーリ部131と同様に、第2プーリ筒部152と、第2プーリ筒部152の上端152b付近に連結された第2プーリフランジ部153とを有する。第2プーリ筒部152における下端152aの面および上端152bの面には、いずれも凹凸が形成されている。すなわち、第2プーリ筒部152における下端152aおよび上端152bは、フェースギアとして形成されている。また、第2プーリ筒部152の外周面には、らせん状に凹凸が形成されており、当該凹凸にワイヤ14が巻き付けられる。
また、第2プーリ筒部152には、自己の第2プーリ部151の回転軸と平行な方向、すなわち上下方向に延びる挿通孔154が形成されている。
第1プーリ筒部132における挿通孔134、第2プーリ筒部152における挿通孔154、および上述したローテーション部111の筒部121における挿通孔124は、略同一の径を有する。
また、ローテーション部111の上端121bに形成された凹凸と、第1プーリ部131の下端132aに形成された凹凸とが係合する。また、第1プーリ部131の上端132bに形成された凹凸と、第2プーリ部151の下端152aに形成された凹凸とが係合する。
(ベアリング部)
図7および図8に示すように、ベアリング部113は、下側ベアリング161と、上側ベアリング162と、ワッシャ117とを有する。下側ベアリング161および上側ベアリング162は、ローテーション部111における筒部121の外周面に取り付けられる。すなわち、ローテーション部111は、下側ベアリング161または上側ベアリング162を介して基体16に取り付けられるため、円滑に回転することができる。
ワッシャ117は、上側ベアリング162と、第1プーリ部131における第1プーリフランジ部133との間に設けられる。下側ベアリング161および上側ベアリング162には一般的なベアリングを用いることができるが、たとえば以下に説明するような構成のベアリングを採用してもよい。
図10は、図7に示す下側ベアリングおよび上側ベアリングの構成を示す分解斜視図である。ここでは、下側ベアリング161の構成について説明する。上側ベアリング162は、下側ベアリング161と同様の構成である。
下側ベアリング161は、内輪部材171と、外輪部材172と、複数のボールを有する第1ボールグループ173と、複数のボールを有する第2ボールグループ174と、第1リテイナー175と、第2リテイナー176とを有する。内輪部材171、外輪部材172、第1リテイナー175、および第2リテイナー176は、リング形状を有する。
外輪部材172の内径は、内輪部材171の外径よりも大きい。そして、外輪部材172は、自己の中心軸と、内輪部材171の中心軸とが一致した状態で、内輪部材171を内部に収容する。
第1ボールグループ173における複数のボールは、第1リテイナー175の円周方向において等間隔に配置された状態で、第1リテイナー175に収容される。第2ボールグループ174における複数のボールは、第2リテイナー176の円周方向において等間隔に配置された状態で、第2リテイナー176に収容される。
第1ボールグループ173におけるボール、および第2ボールグループ174におけるボールは同じ個数であり、各ボールは同一の大きさを有する。また、第1リテイナー175および第2リテイナー176は同一の形状を有し、互いに中心軸が一致した状態で当接されて、内輪部材171と外輪部材172との間に設けられる。
なお、下側ベアリング161は、第1リテイナー175または第2リテイナー176が配置される構成、すなわちリテイナーが1列配置される構成であってもよい。しかしながら、上記のように、リテイナーが2列配置される構成により、リテイナーが1列配置される場合と比較して、駆動部材101の回転に伴いリテイナーにかかる荷重が分散されるため、下側ベアリング161の耐久性が向上し、医療用処置具4bの使用回数および使用時間を増大させることができる。
また、第1ボールグループ173における各ボールと、第2ボールグループ174における各ボールとは、第1リテイナー175および第2リテイナー176の周方向において交互に配置される。さらに、第1ボールグループ173における各ボールの一部分は、第2リテイナー176に収容され、第2ボールグループ174における各ボールの一部分は、第1リテイナー175に収容される。
このような構成により、X軸方向における下側ベアリング161の幅が大きくなることを防ぐことができる。このため、下側ベアリング161をローテーション部111に取り付けた状態において、ローテーション部111と下側ベアリング161との接触部分における摩擦が大きくなることを防ぐことができる。
(ベアリング部の取り付け位置)
再び図7および図8を参照して、たとえば、下側ベアリング161は、筒部121の下端121a近辺に取り付けられ、上側ベアリング162は、筒部121の上端121b近辺に取り付けられる。X軸方向におけるベアリング部113の長さ、すなわちX軸方向における、下側ベアリング161の下端161aから、上側ベアリング162の上端162bまでの長さL1は、駆動部材101の全体的なサイズからみて比較的長く形成されている。したがって、X軸方向における、下側ベアリング161の下端161aから、上側ベアリング162の上端162bまでの長さL1は、ローテーション部111の筒部121の長さと同程度である。
より詳細には、X軸方向における上側ベアリング162の上端162bから第2プーリ部151における第2プーリフランジ部153の上端までの長さ(すなわちプーリ部112と同程度の長さ)をL2とし、長さL1と長さL2との合計をLとする。この場合、長さL1は、長さLの1/4以上である。
好ましくは、長さL1は、長さLの1/3以上であり、より好ましくは、長さL1は、長さLの略1/2である。長さLの略1/2の長さとは、たとえば、(L×1/2)〜(L×1/2±L×0.1)に含まれる長さである。
具体的には、たとえば、長さL1=9.5mm、長さL2=9.8mm、長さL=19.3mmに形成されている。また、駆動部材101は、長さL1が長さLの1/3弱の長さとなるように、たとえば、L1=6.4mm、長さL2=12.9mm、長さL=19.3mmに形成されてもよい。
ここで、従来は、細長要素14の駆動に耐えうるように駆動部材101を回転可能に取り付けるためには、たとえば、特許文献1のFig.22に参照符号「138」で示されるような支持部材を用いて、駆動部材101の下端側および上端側の両方を、ベアリングを介して支持部材に対して固定していた。
これに対して、本発明の実施の形態に係る駆動部材101では、下側ベアリング161および上側ベアリング162は、ローテーション部111における筒部121の下端121aおよび上端121bにそれぞれ取り付けられる。
そして、上述のとおり、下側ベアリング161の下端161aから、上側ベアリング162の上端162bまでの長さL1は、上述のとおり、長さLの1/4以上と長く形成されているため、下側ベアリング161および上側ベアリング162により、駆動部材101の傾きおよびガタつきを防ぎ、駆動部材101を支持することができる。
この結果、第2プーリ部151の上端152b側に支持部材を設ける必要がなく、駆動機構15を小型化および軽量化することができる。そして、駆動機構15の小型化および軽量化を実現することにより、医療用処置具4bを小型化および軽量化することができる。
なお、下側ベアリング161および上側ベアリングの取り付け位置は、上記のような位置に限定されない。また、ベアリング部113は、下側ベアリング161および上側ベアリングを有する構成に限定されず、1つ、または3つ以上のベアリングを有する構成であってもよい。
(押圧部材および中空部材)
図8に示すように、押圧部材114および中空部材115は、プーリ部112およびローテーション部111の内部に収容される。
より詳細には、中空部材115は、X軸方向における長さが、L2以上かつL未満である。また、中空部材115は、ローテーション部111における挿通孔124、第1プーリ部131における挿通孔134、および第2プーリ部151における挿通孔154に挿入される。中空部材115の外径は、挿通孔124、挿通孔134、および挿通孔154の径よりもわずかに小さく形成されている。
押圧部材114は、たとえばネジまたはボルトであり、長さが、L2以上かつL未満であり、かつ中空部材115よりも長い。また、押圧部材114は、下端部側に形成された係合溝114aと、係合溝114aと反対側の上端部側に連結されたフランジ部114bとを有する。係合溝114aは、たとえば螺旋状に形成されたネジ山である。
押圧部材114は、ローテーション部111における挿通孔124、第1プーリ部131における挿通孔134、および第2プーリ部151における挿通孔154に挿入される。より詳細には、押圧部材114は、挿通孔124、挿通孔134および挿通孔154に挿入された中空部材115の内部に、スプリングワッシャ116を介して収容され、端部である係合溝114aが中空部材115から露出する。
押圧部材114の径は、中空部材115の内部において回転可能な大きさに形成されている。そして、押圧部材114における係合溝114aが、ローテーション部111の内部に形成された係合溝123と係合する。これにより、押圧部材114におけるフランジ部114bが、スプリングワッシャ116を介して、ローテーション部111およびプーリ部112を回転軸の延びる方向、すなわち下方向へ押圧する。
そして、このように、押圧部材114がローテーション部111およびプーリ部112を下方向へ押圧することにより、ローテーション部111および第1プーリ部131のフェースギア同士の係合状態、ならびに第1プーリ部131および第2プーリ部151のフェースギア同士の係合状態が固定される。
ここで、従来は、テンションをかけながらワイヤ14をプーリ部112に固定するために、たとえば特許文献1のFig.23に参照符号「178」または「180」で示される環などの部材を用いて軸にネジ止めしていた。
これに対して、本発明の実施の形態に係る駆動部材101は、テンションをかけながらワイヤ14を巻き付けたプーリ部112、およびローテーション部111のフェースギア同士が係合する構成であるので、プーリ部112をローテーション部111に対して固定するためのネジなどを用いる必要がない。このため、ネジの挿入部分を設ける必要がなく、駆動機構15を小型化および軽量化することができる。そして、駆動機構15の小型化および軽量化を実現することにより、医療用処置具4bを小型化および軽量化することができる。
また、このような構成により、ネジなどを用いてプーリ部112を固定する場合と比較して、ローテーション部111と第1プーリ部131との係合状態、および第1プーリ部131と第2プーリ部151との係合状態が強く固定されるため、医療用処置具4bの耐久性および安全性を向上させることができる。
[駆動機構の製造方法]
図11は、本発明の駆動機構の製造方法の手順を定めたフローチャートの一例を示す図である。ここでは、ワイヤ141が巻き付けられる駆動部材101の製造方法の手順について説明する。ワイヤ142が巻き付けられる駆動部材101の製造方法の手順、およびワイヤ143が巻き付けられる駆動部材101の製造方法の手順も同様である。
図11を参照して、まず、作業者は、ローテーション部111における筒部121の下端121aに、下側ベアリング161を取り付ける(ステップS1)。次に、作業者は、基体16に上側ベアリング162を取り付ける(ステップS2)。
次に、作業者は、基体16に形成された貫通孔に筒部121を挿入することにより、下側ベアリング161および上側ベアリング162を介して、基体16にローテーション部111を取り付ける(ステップS3)。
次に、作業者は、ローテーション部111における筒部121の上端121bにワッシャ117を取り付ける(ステップS4)。
次に、作業者は、ローテーション部111の回転軸、および中空部材115の中心軸を合わせ、中空部材115をローテーション部111における挿通孔124に挿入することにより、ローテーション部111に中空部材115を取り付ける(ステップS5)。
次に、作業者は、中空部材115の中心軸、および第1プーリ部131の中心軸を合わせ、中空部材115が第1プーリ部131における挿通孔134を通るように、ローテーション部111に第1プーリ部131を取り付ける(ステップS6)。
次に、作業者は、ワイヤ141の第1の細長要素141aを、第1プーリ部131の外周面に巻き付ける(ステップS7)。そして、作業者は、ワイヤ141の第1の細長要素141aを巻き付けた第1プーリ部131の下端132aに形成された凹凸と、ローテーション部111の上端121bに形成された凹凸とを係合させた状態で第1プーリ部131を押さえる(ステップS8)。これにより、第1プーリ部131が回転軸まわりに回転することを防止することができる。
次に、作業者は、ワイヤ141の第2の細長要素141bを、第2プーリ部151に巻き付けながら(ステップS9)、中空部材115の中心軸、および第2プーリ部151の中心軸を合わせ、中空部材115が第2プーリ部151における挿通孔154を通るように、第1プーリ部131に第2プーリ部151を取り付ける(ステップS10)。そして、作業者は、ワイヤ141の第2の細長要素141bを巻き付けた第2プーリ部151の下152aに形成された凹凸と、第1プーリ部131の上端132bに形成された凹凸とを係合させる。
このように、ローテーション部111および第1プーリ部131の各々のフェースギア同士を係合させ、さらに、第1プーリ部131および第2プーリ部151の各々のフェースギア同士を係合させることにより、第1プーリ部131および第2プーリ部151が意図しない回転を行うことを防ぐことができる。このため、ネジなどの部材を用いる必要なく、ワイヤ141のテンションを維持しながらの組み立て作業を簡易化することができる。
次に、作業者は、第2プーリ部151にスプリングワッシャ116を取り付ける(ステップS11)。次に、作業者は、スプリングワッシャ116を介して、中空部材115の内部に押圧部材114を挿入する。このとき、押圧部材114の端部である係合溝114aは、中空部材115から露出する(ステップS12)。
そして、作業者は、たとえば、押圧部材114を中空部材115の内部において回転させることにより、押圧部材114における係合溝114aと、ローテーション部111における係合溝123とを係合させる。すなわち、作業者は、押圧部材114をローテーション部111に対してネジ止めする(ステップS13)。これにより、押圧部材114が、ローテーション部111およびプーリ部112を下方向へ押圧し、ローテーション部111と第1プーリ部131との係合状態、および第1プーリ部131と第2プーリ部151との係合状態が固定される。
また、このとき、スプリングワッシャ116が、押圧部材114により下方向へ押圧され、自己の復元力により、押圧部材114を上方向へ押圧する。これにより、ローテーション部111と第1プーリ部131との係合状態、および第1プーリ部131と第2プーリ部151との係合状態がより強く固定される。
なお、駆動部材の製造方法は、上記のような手順に限定されない。たとえば、中空部材115の取り付け(ステップS5)の後に、ワッシャ117の取り付け(ステップS4)を行ってもよい。また、たとえば、第2プーリ部151の取り付け(ステップS10)の後に、中空部材115の取り付け(ステップS5)を行ってもよい。
なお、図7および図8に示す駆動部材101は、中空部材115を含まない構成であってもよい。しかしながら、駆動部材101が中空部材115を含む場合、第1プーリ部131に第1の細長要素141aを巻き付ける際、および第2プーリ部151に第2の細長要素141bを巻き付ける際、中空部材115を中心として第1プーリ部131および第2プーリ部151を一定の位置で回転させることができる。このため、作業性を向上させることができる。
また、プーリ部112は、複数の部材を備える構成に限定されない。すなわち、第1プーリ部(第2の回転部材)131および第2プーリ部(第3の回転部材)151は一体に構成されてもよい。しかしながら、第1プーリ部131および第2プーリ部151が別体に構成される場合、ワイヤ141の第1の細長要素141aおよび第2の細長要素141bを異なる複数の回転部材に巻き付けて、各回転部材を互いに反対方向へ回転させることにより、ワイヤ141のテンションの調節を容易に行うことができる。
また、ローテーション部111、第1プーリ部131、および第2プーリ部151が、一体に構成されてもよい。また、ローテーション部111および第1プーリ部131が一体に構成されてもよい。しかしながら、駆動部材101がX軸方向において分割可能に構成される場合、すなわち、ローテーション部111と第1プーリ部131とが別体に構成される場合、係合溝123を形成するための工具をローテーション部111の内部に挿入しやすいため、係合溝123の形成作業を簡易化することができる。
また、押圧部材114は、ローテーション部111と係合する代わりに、プーリ部112と係合する構成であってもよい。しかしながら、ローテーション部111における筒部121は、プーリ部112における第1プーリ筒部132および第2プーリ筒部152よりも外径が大きい。すなわち、筒部121は、第1プーリ筒部132および第2プーリ筒部152よりも肉厚である。このため、上述のように、押圧部材114が、肉厚であるローテーション部111と係合する構成は、プーリ部112と係合する場合と比較して、係合部分の耐久性を高めることができる。
[被伝達部材]
上述のとおり、駆動部材101におけるローテーション部111の被伝達部材122が、伝達部材と係合し、伝達部材に伴い回転する。以下、被伝達部材122と伝達部材との係合部分の詳細な構成について説明する。
図12は、本発明の駆動部材における被伝達部材の構成を示す斜視図である。また、図13は、図12に示す被伝達部材と係合する伝達部材の構成を示す斜視図である。
図12を参照して、駆動部材101におけるローテーション部111は、上述のとおり、伝達部材220と係合する被伝達部材122を有する。被伝達部材122は、回転可能なディスク部201を有する。ディスク部201の主表面には、被係合部202が形成されている。また、伝達部材220は、被伝達部材122における被係合部202と係合可能な係合部221を有する。
被伝達部材122における被係合部202は、たとえば溝または窪みであり、ディスク部201の主表面において、当該主表面の中心を通るいずれの直線に対しても非対称であり、かつ連続するパターンに形成されている。また、伝達部材220における係合部221は、たとえば突起であり、被係合部202と同様に、伝達部材220の主表面において、当該主表面の中心を通るいずれの直線に対しても非対称であり、かつ連続するパターンに形成されている。
このような構成により、図2に示す先端部11を動作させるための被伝達部材122の向きを、360度のうちの一意に決めることができる。
仮に、被伝達部材122に、ディスク部201の主表面の中心を通る直線に対して対象のパターンの溝または窪みが形成され、伝達部材220に、自己の主表面の中心を通る直線に対して対象のパターンの突起が形成されているとする。この場合、伝達部材220に対する被伝達部材122の向きが一意に決まらず、被伝達部材122は、180度回転した場合でも伝達部材220と係合可能である。そして、被伝達部材122が180度異なる向きで伝達部材220と係合してしまうと、先端部11が所望の動きとは異なる動きをしてしまう。
このため、被伝達部材122の向きは、360度のうちの一意に決まる必要があり、本発明の実施の形態では、被伝達部材122にはディスク部201の主表面の中心を通るいずれの直線に対しても非対称である溝または窪みが形成され、伝達部材220には自己の主表面の中心を通るいずれの直線に対しても非対称である突起が形成されている。
伝達部材220は、手術開始前の初期状態において、自己の主表面における係合部221の向きが所定の向きとなるように設けられる。そして、作業者は、被係合部202の向きが係合部221の向きと合うように、ローテーション部111の回転軸を中心にローテーション部111を回転させる。そして、作業者は、被係合部202の向きと、係合部221の向きとが合った状態で、被係合部202と係合部221とを係合させる。
なお、先端部11が、図3および図4に示すような基本姿勢である状態において、複数の被伝達部材122の各々の被係合部202の向きが揃うように、製造時において調整されている。
また、係合部221および被係合部202のパターンは、たとえば直線形状である。さらに、たとえば、係合部221のパターンは伝達部材220の主表面の中心を通り、被係合部202のパターンはディスク部201の主表面の中心を通る。
また、係合部221は、自己の伝達部材220の主表面と直交する方向であるX軸方向において、被伝達部材122への方向、すなわち上方向へ向かって徐々に幅が狭まる。また、被係合部202は、ディスク部201の主表面と直交する方向であるX軸方向において、伝達部材220への方向、すなわち下方向へ向かって徐々に幅が広がる。すなわち、係合部221および被係合部202がテーパー状に形成されている。
また、伝達部材220は、被伝達部材122側、すなわち図13に示すX軸の正の方向へ、バネなどにより付勢されている。このため、被係合部202と係合部221との位置関係に多少のずれがあっても、取り付け時に当該ずれが修正されて、係合部221が被係合部202に嵌まり込む構成となっている。これにより、係合部221と被係合部202とを係合させる作業をより簡易化することができる。
なお、係合部221は、突起の代わりに、溝または窪みであってもよい。また、係合部221が溝または窪みである場合、被係合部202は、係合部221に係合可能な突起に形成される。
また、被係合部202の形状は、ディスク部201の回転面において、ディスク部201の中心を通るいずれの直線に対しても非対称であり、かつ連続するパターンに形成されていればよく、上記のような形状に限定されない。たとえば、被係合部202のパターンは、直線形状でなくてもよい。また、たとえば、被係合部202のパターンは、ディスク部201の中心を通らなくてもよい。たとえば、被係合部202のパターンは、英語の「V」字のような形状であってもよい。
また、係合部221と被係合部202とが直接的に接触して伝達部材220の回転を被伝達部材122に伝達する必要はなく、たとえば、アダプタを介して伝達部材220の回転を被伝達部材122に伝達する構成であってもよい。この場合、アダプタは、たとえば、2つの面を含むディスクを備え、一方の面に係合部221と係合する被係合部が設けられ、他方の面に被係合部202と係合する係合部が設けられる。
本パートで説明した特徴は、以下のように要約できる。
[1]アクチュエータによる回転を回転部材に伝達する伝達部材、と係合する被伝達部材であって、回転可能なディスク部と、前記ディスク部の表面に形成された被係合部とを備え、前記被係合部は、前記ディスク部の中心を通るいずれの直線に対しても非対称であり、かつ連続するパターンに形成された、突起、溝または窪みである、被伝達部材。
[2]前記パターンは、直線形状である、[1]に記載の被伝達部材。
[3]前記パターンは、前記ディスク部の中心を通る、[1]または[2]に記載の被伝達部材。
[4]前記被係合部は、溝または窪みであり、前記表面と直交する方向において、前記伝達部材への方向へ向かって幅が広がる、[1]から[3]のいずれか1つに記載の被伝達部材。
[5]前記被係合部は、突起であり、前記表面と直交する方向において、前記伝達部材への方向へ向かって幅が狭まる、[1]から[4]のいずれか1つに記載の被伝達部材。
[6][1]から[5]のいずれか1つに記載の被伝達部材と、前記被係合部と係合する係合部を含む前記伝達部材とを備える、駆動力伝達システム。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。