JP6894724B2 - 電力設備計画方法、電力設備製造方法、電力設備計画装置およびプログラム - Google Patents
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Description
図1は、本発明の実施形態に係る電力設備計画装置の機能構成を示す概略ブロック図である。図1に示すように、電力設備計画装置100は、入出力部110と、記憶部180と、制御部190とを備える。制御部190は、最適化問題取得部191と、電圧値算出部192と、設計パラメータ算出部193と、繰り返し制御部194と、スムージング処理部195とを備える。
以下では、電力設備計画装置100が、例えばAGT(Automated Guideway Transit、自動案内軌条式旅客輸送システム)など、電力で列車を運行する交通システムにおける電力設備の設計パラメータの値を決定する場合を例に説明する。AGTでは、電動式の列車が、専用軌道に設けられたガイドレールに従って自動走行する。
電力設備910は、電力を供給可能な設備であればよい。例えば、電力設備910は、発電設備であってもよいし、他の電力網から電力を受ける変電設備であってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。
また、電力設備計画装置100が値を決定する設計パラメータは、電力設備が電力網に供給する電力、電圧及び電流の少なくともいずれかに影響するいろいろなパラメータとすることができる。例えば、各電力設備の位置、及び、各電力設備の定格容量が設計パラメータとなっていてもよい。ここでいう定格容量は、電力設備が出力可能な電力の最大値である。
なお、上記の場合の対応策として、地点A付近に別の地上設備を設けるという対応策も可能である。そこで、後述するように電力設備計画装置100が、電力設備の個数を変更できるようにしてもよい。
式(1)は、変数の数を削減する前の最適化問題における評価関数を示す。
設計パラメータ数Nparamは、この最適化問題における設計パラメータの個数を示す正整数である。設計パラメータ数Nparamは、定数であってもよい。あるいは、後述するように電力設備の数が変更される場合、設計パラメータ数Nparamは変数であってもよい。
設計パラメータベクトルpは、Nparam個の設計パラメータを要素に持つベクトルである。設計パラメータの各々は実数値をとる。
電圧ベクトルv(0)、・・・、v(T)は、それぞれ時刻ステップ0、・・・、Tにおけるノードの電圧を要素に持つベクトルである。ノードの電圧の各々は実数値をとる。
ここでいうノードは、例えば電力網930のトロリ線と列車920のパンタグラフの接触部分、及び、電力設備910が電力網930に接続する接続点など、負荷又は電力設備と電力網との接続箇所である。
また、全ての列車920が常に運行中とは限らず、時刻ステップに応じて運行中の列車920の数は変化し得る(従って、ノード数が変化し得る)ことから、時刻ステップ毎にノード数Nnode(0)、・・・、Nnode(T)が定められている。
式(2)〜式(4)は、最適化問題における制約条件を示す。
式(2)は、物理法則に由来する制約条件を示す。
以下では、最適化問題の制約条件を形成する物理法則にキルヒホッフの第一法則が含まれている場合を例に説明する。式(2)は、全ての時刻ステップiについて、各ノードにおける電流収支が0であるとの方程式にてキルヒホッフの第一法則を示している。
但し、電力設備計画装置100が対象とする制約条件は、キルヒホッフの第一法則が含まれているものに限らない。電力設備計画装置100は、電力網930における電圧を変数として物理法則を示す方程式に含まれる制約条件を有するいろいろな最適問題を対象とすることができる。ここでいう電圧を変数として物理法則を示す方程式とは、物理法則によって規定される電圧に関する条件を示す方程式である。式(2)は、電圧を変数として物理法則を示す方程式の例に該当する。
jは、1≦j≦Nnode(i)の整数(iは時刻ステップ)であり、ノードを識別するためのインデックスとして用いられる。電圧v[j](i)は、時刻ステップiにおけるノードjの電圧を示す。
なお、電圧の上下限値がノードによって異なっていてもよい。例えば、各列車920の電圧の下限値が各電力設備910の電圧の下限値よりも小さく設定され、各列車920の電圧の上限値が各電力設備910の電圧の上限値よりも大きく設定されていてもよい。
式(4)は、各設計パラメータの値が所定の上下限値の範囲内との制約条件を示している。
例えば、ノードの数がNnode=100、設計パラメータの数がNparam=100、時刻ステップの数がT=100の場合、説明変数の数は、Nparam+Nnode×T=100+100×100=10100となる。ここでいう説明変数は、制約条件に用いられる変数である。また、式(2)における等式制約の数は、Nparam×Nnode=100×100=10000となる。
さらには、このような大規模な最適化問題を解くためには、勾配情報を用いて効率良く解を探索することが求められる。
この点について説明するために、式(2)を電圧について解くことを想定する。式(5)は、式(2)を電圧について解いた場合の、電圧と設計パラメータとの関係を示す式である。
電圧ベクトルvは、全ての時刻ステップ、かつ、全てのノードにおける電圧を要素とするベクトルである。従って、時刻ステップの最大値をTとして、電圧ベクトルvは、電圧ベクトルv(0)、・・・、v(T)の各要素を要素に持つベクトルである。
関数φ(p)は、設計パラメータベクトルpを引数として、全ての時刻ステップ、かつ、全てのノードにおける電圧を算出するためのベクトルである。
式(6)は、再定義された最適化問題における評価関数を示す。
式(7)は、式(3)に示される電圧の制約条件を設計パラメータの制約条件に置き換えた式である。
式(1)〜式(4)に示される変数の数を削減する前の最適化問題の場合と同様、式(7)〜式(8)及び式(4)に示される再定義された最適化問題(変数の数を削減した後の最適化問題)でも、設計パラメータの制約条件は、式(4)のように示される。
例えば、ノードの数がNnode=100、設計パラメータの数がNparam=100、時刻ステップの数がT=100の場合、説明変数の数は、Nparam=100となる。また、電力設備計画装置100が求めた変数値は、式(5)に示される等式制約を既に満足している。従って、ここでの等式制約の数は0である。
なお、電力設備計画装置100が各変数値を求める際、式(2)の非線形性が強くシンプルなNewton法では解が得られない場合、Powell's Hybrid Methodなど、よりロバストな求根アルゴリズムを採用することが可能である。
評価関数J(p)の勾配は、式(8)のように、評価関数J(p)の設計パラメータベクトルpによる微分(偏微分)として示される。
一方、設計パラメータに電力設備の位置が含まれている場合、そのままでは、最適化手法を適用できない。電力設備と列車とが接近した場合、抵抗が0となり、抵抗の逆数であるコンダクタンスが∞となるために、電圧分布の計算も、その勾配の計算もできなくなるからである。
以下では、電力設備910と電力網930との接続箇所を示すノードを電力設備ノードと称する。また、列車920と電力網930との接続箇所を示すノードを列車ノードと称する。図3のグラフの横軸は、電力設備ノードと列車ノードとの距離を示す。縦軸は、電力設備ノードと列車ノードとの間の抵抗値ないしコンダクタンス値を示す。
線L11は、電力設備ノードと列車ノードとの距離と、これらのノード間の抵抗値との関係の例を示す。線L12は、電力設備ノードと列車ノードとの距離と、これらのノード間のコンダクタンス値との関係の例を示す。列車920と電力設備910とが接近して距離が0に近づくと、抵抗値が0に近づく。そうすると、抵抗値の逆数であるコンダクタンス値は∞に発散する。
図4のグラフの横軸は、電力設備ノードと列車ノードとの距離を示す。縦軸は、電力設備ノードと列車ノードとの間の抵抗値を示す。
線L21は、図3の線L11と同様であり、電力設備ノードと列車ノードとの間のスムージング前の抵抗値を示す。線L22は、線L21に示される抵抗値に対して電力設備計画装置100がスムージングを行った場合の抵抗値の例を示す。電力設備計画装置100は、線L21に示される抵抗値のうち、抵抗値が所定値よりも小さい領域A21の部分を二次曲線に置き換えている。これによって、線L22では、抵抗値が0にならず、かつ、滑らか(微分が連続)になっている。
但し、電力設備計画装置100が行うスムージングは二次曲線による近似に限らない。電力設備計画装置100が行うスムージングは、抵抗値が0にならず、かつ、滑らかになるものであればよい。
図5のグラフの横軸は、電力設備ノードと列車ノードとの距離を示す。縦軸は、電力設備ノードと列車ノードとの間のコンダクタンス値を示す。
図6のグラフの横軸は、電力設備ノードと列車ノードとの距離を示す。縦軸は、電力設備ノードと列車ノードとの間のコンダクタンス値の勾配を示す。
線L42は、図5の線L32に示されるスムージング後のコンダクタンス値の勾配を示す。図3の線L22に示されるように、スムージング後の抵抗値が0にならずかつ滑らかになっていることで、線L42に示されるように、コンダクタンス値の勾配は連続になっている。
このように、電力設備計画装置100は、スムージングによってコンダクタンスを連続関数にし、各電圧値を算出することができる。各電圧値を算出することで、電力設備計画装置100は、上述したように最適化問題の解を求めることができる。
制御部190は、電力設備計画装置100の各部を制御して各種処理を実行する。制御部190は、電力設備計画装置100が備えるCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)が記憶部180からプログラムを読み出して実行することで構成される。
但し、最適化問題取得部191が最適化問題を取得する方法はこれに限らない。例えば、最適化問題取得部191が入出力部110を介して他の機器から最適化問題を取得するようにしてもよい。
電圧値算出部192が電圧値を設定して更新する処理を電圧値算出処理と称する。
特に、設計パラメータ算出部193は、キルヒホッフの第一法則を示す式の電圧による微分に基づいて、キルヒホッフの第一法則を満たす電圧の値の下での評価関数の勾配を求める。
そして、設計パラメータ算出部193は、式(10)に示されるように、∂f(v,p)/∂vに基づいて∂φ(p)/∂pを導出する。∂φ(p)/∂(p)は、いわば、変数の数を削減した後の超平面にてキルヒホッフの第一法則を示す式の、設計パラメータによる微分である。
変数の数を削減した後の超平面における勾配を直接導出ことはできないため、設計パラメータ算出部193は、変数の数を削減する前の空間における勾配に基づいて、変数の数を削減した後の超平面における勾配を導出する。
スムージング処理部195は、図3〜図6を参照して説明したスムージング処理を行う。すなわち、スムージング処理部195は、電力設備910と列車920との距離に対して電力設備910と列車920との間のコンダクタンスが不連続となる場合を連続関数で近似する。
図7は、電力設備計画装置100が電力設備910の設計パラメータの値を決定する処理の手順の例を示すフローチャートである。
最適化問題取得部191が、最適化問題を取得し、設計パラメータ算出部193が、最適化問題における電力設備の設計パラメータの値を初期設定する。具体的には、最適化問題取得部191が設定する最適化問題には、電力設備の設計パラメータが変数として含まれており、設計パラメータ算出部193は、これらの変数の値を初期設定する。
制御部190は、設計パラメータ算出部193が設定した設計パラメータの値を評価関数に入力して評価関数値を導出する。評価関数がコスト評価関数である場合、ステップS111における制御部190は、コスト評価値演算部の例に該当する。
(ステップS112)
制御部190は、評価関数を設計パラメータで偏微分して評価関数の勾配を導出する。評価関数がコスト評価関数である場合、ステップS112における制御部190は、コスト勾配値演算部の例に該当する。
繰り返し制御部194は、ループL101を開始する。ループL101は、全ての時刻ステップについて処理を行うためのループである。
(ステップS122)
電圧値算出部192は、設計パラメータ算出部193が設定した設計パラメータの値に基づいて、各ノードにおける電圧値を導出する。各ノードにおける電圧を電圧分布とも称する。
図2に示す列車920が走行するように、時間とともに負荷の位置または負荷の電力の少なくとも一方が変化する場合、電圧値算出部192は、対象となる時刻全てについて電圧を演算する。
電圧値算出部192は、全てのノードの電圧値の初期設定を行う。
電圧値算出部192が電圧値を初期設定する方法は、特定の方法に限定されない。例えば、記憶部180が電圧の初期値を予め記憶しておくようにしてもよい。そして、電圧値算出部192が、電圧の初期値を記憶部180から読み出して電圧の変数に設定するようにしてもよい。あるいは、電圧値算出部192が、電圧の初期値をランダムに設定するようにしてもよい。あるいは、入出力部110が電圧の初期値を入力するユーザ操作を受け、電圧値算出部192が、ユーザ操作にて示された初期値を電圧の変数に設定するようにしてもよい。
電圧値算出部192は、電圧の変数に設定されている電圧値に基づいて、各ノードにおける電流収支を計算する。キルヒホッフの第一法則によれば電流収支は0になるが、仮設定されている電圧値では必ずしも電流収支は0にはならない。図8の処理で、電圧値算出部192は、仮設定されている設計パラメータの下で電流収支が0になる電圧値を探索する。
電圧値算出部192は、各ノードの電圧値を勾配ベースで探索するために、制約条件を示す式fの電圧に関する勾配を示すヤコビアンを導出する。
(ステップS204)
ステップS203でのヤコビアンの導出に際し、電圧値算出部192は∂f/∂vを算出する。
電圧値算出部192は、設定されている電圧値について収束判定を行う。具体的には、電圧値算出部192は、設定されている電圧値の下で、各ノードの電流収支が所定範囲内か否かを判定する。ここでの所定範囲は、電流収支を0と見做せる範囲として予め定められている電流値の範囲である。
収束したと判定した場合(ステップS205:YES)、図8の処理を終了し、図7のステップS123へ戻る。
一方、ステップS205で収束していないと判定した場合(ステップS205:NO)、ステップS211へ進む。
電圧値算出部192は、ステップS204で求めたヤコビアンを用いて電圧値を更新する。ここでの電圧値の更新には、例えばニュートン(Newton)法など公知の求根アルゴリズムを用いることができる。
ステップS211の後、ステップS202へ戻る。
制御部190は、電圧値算出部192が求めた電圧値の制約違反式の値を導出する。ここでの制約違反式の値は、電圧値算出部192が求めた電圧値が、式(3)に示される電圧上下限値の制約条件に違反している度合いを示す値である。但し、制約違反式の値は、式(3)に示される制約条件を満たしている電圧値についても算出される。この場合、制約違反式の値は、電圧値の上下限値からの乖離度を示す。いわば、この場合の制約違反式は、電圧値が制約条件を満たす余裕度を示す。
図2に示す列車920が走行するように、時間とともに負荷の位置または負荷の電力の少なくとも一方が変化する場合、制御部190は、対象となる各時刻についてステップS123の演算を行う。
制御部190は、制約違反式の勾配値を導出する。
ステップS124における制御部190は制約条件勾配演算部の例に該当し、設計パラメータ値に対する制約違反量の勾配値を算出する。この制約条件違反量勾配値は、設計パラメータに対する電流収支の勾配値と、電力網930におけるノード電圧に対する電流収支の勾配とに基づいて算出される。
ステップS124の処理には、ステップS125の処理、及び、ステップS126の処理が含まれる。
制御部190は、∂f/∂pを導出する。
(ステップS126)
制御部190は、ステップS125で得られた∂f/∂pと、図8のステップS204で得られた∂f/∂vとに基づいて、∂v/∂pを導出する。
繰り返し制御部194は、ループL101の終端処理を行う。具体的には、繰り返し制御部194は、全ての時刻ステップについてループL101の処理を行ったか否かを判定する。未だループL101の処理を行っていない時刻ステップがあると判定した場合、ステップS121へ戻り、未だループL101の処理を行っていない時刻ステップについて引き続きループL101の処理を行う。一方、全ての時刻ステップについてループL101の処理を行ったと判定した場合、ループL101を終了し、ステップS131へ遷移する。
制御部190は、終了条件が成立しているか否かを判定する。具体的には、制御部190は、全てのノードの電圧値が式(3)の制約条件を満たしており、かつ、設計パラメータ値が、終了条件として定められている条件を満たしているか否かを判定する。終了条件が成立していると判定した場合(ステップS131:YES)、制御部190は、図7の処理を終了する。
図2に示す列車920が走行するように、時間とともに負荷の位置または負荷の電力の少なくとも一方が変化する場合、設計パラメータ算出部193は、対象となる各時刻における電圧分布に基づいて制約条件を満たすか否か判定する。
一方、ステップS131で終了条件が成立していないと判定した場合(ステップS131:NO)、ステップS141へ進む。
設計パラメータ算出部193は、ステップS126で得られた∂v/∂pに基づいて設計パラメータ値を更新する。
評価関数がコスト評価関数である場合のステップS141における設計パラメータ算出部193は、設計パラメータ値設定部の例に該当し、コスト評価値、コストの勾配値、制約違反量、及び、制約違反量勾配値に基づいて、設計パラメータ値を再設定する。
図2に示す列車920が走行するように、時間とともに負荷の位置または負荷の電力の少なくとも一方が変化する場合、設計パラメータ算出部193は、対象となる各時刻について演算を行う。
ステップS141の後、ステップS111へ戻る。
これにより、電力設備計画装置100では、電力設備の仕様及び配置の演算をより効率的に行うことができる。特に、最適化問題における変数の数を減らすことができ、最適化問題をより速くに解くことができる。
これにより、電力設備計画装置100では、最適化問題を勾配ベースの解法で解くことができる。
また、最適化問題取得部191は、列車の配置の複数パターンの各々について電力網930における電圧を変数として物理法則を示す方程式に含まれる制約条件を有する最適化問題を取得する。
これにより、電力設備計画装置100では、列車の配置のいろいろなパターンに対応して制約条件を満足する適切な解を得ることができる。
これにより、電力設備計画装置100では、電力設備910の位置が設計パラメータに含まれる場合でも、勾配ベースの求根アルゴリズムを用いて解を求めることができる。
図9は、最適化問題取得部191が電力設備を増やす場合に電力設備計画装置100が電力設備910の設計パラメータの値を決定する処理の手順の例を示すフローチャートである。
(ステップS301)
最適化問題取得部191は、例えば駅の位置など電力設備910の設置候補位置に、十分に容量の大きい電力設備910を1つ配置した最適化問題を設定する。その際、式(2)によって電圧分布を求め、電圧降下および電圧上昇が最も少なくなる位置を電力設備の設置位置として選択するようにしてもよい。
電力設備計画装置100は、ステップS301で設定した最適化問題を解く。最適化問題を解く処理手順は上述した手順と同様である。但し、全ての制約条件を満たす解が必ず得られるとは限らない。
(ステップS303)制御部190は、ステップS302の演算結果として全ての制約条件を満たす解が得られたか否かを判定する。全ての制約条件を満たす解が得られたと判定された場合(ステップS303:YES)、図9の処理を終了する。一方、満たされない制約条件があると判定した場合、ステップS304へ進む。
最適化問題取得部191は、電力設備910の数を1つ増加させ、各電力設備910の位置を決定する。
ステップS304の後、ステップS302へ遷移する。
以上のように、電力設備計画装置100が電力設備の数を1つずつ増やしながら探索を行うことで、設備の数を、要求を満たす最小数とすることができる。
まず、i番目(iは正整数)の電力設備が故障した時の電圧分布は式(11)のように表される。
式(5)の制約条件を、式(12)の制約条件に置き換える。これにより、制約条件を満たし、かつ、コストが最小化された設備構成を1回の最適化計算で導出することができる。
これにより、電力設備計画装置100は、いずれか一つの電力設備に故障が発生した場合でも運行を継続可能な設備構成を1回の最適化計算で導出することができる。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
110 入出力部
180 記憶部
190 制御部
191 最適化問題取得部
192 電圧値算出部
193 設計パラメータ算出部
194 繰り返し制御部
195 スムージング処理部
Claims (14)
- 電力網に電力を供給する電力設備の位置および定格容量の設計パラメータの値が、所定の上下限値の範囲内であるとの制約条件、前記設計パラメータの値に基づいて算出される、前記電力設備を表すノードの電圧値が、所定の上下限値の範囲内であるとの制約条件、および、前記電力網における負荷を表すノードの電圧値が、所定の上下限値の範囲内であるとの制約条件と、前記設計パラメータを引数に持つ評価関数とを有する最適化問題を取得し、
各ノードの電圧の値を仮設定し、前記最適化問題を解く過程で前記設計パラメータに仮設定された値に応じて前記各ノードの電圧の値を更新する電圧値算出処理を行い、
更新された電圧の値に基づいて前記設計パラメータの仮設定値を更新する設計パラメータ値算出処理を行い、
前記電圧値算出処理、及び、前記設計パラメータ値算出処理を繰り返して前記最適化問題の解としての前記設計パラメータの値を求める、
電力設備計画方法。 - 前記電圧値算出処理では、前記ノードの電圧の値と前記設計パラメータの値との関係についての制約条件を示す式の前記電圧による微分に基づいて、前記制約条件を満たす電圧の値の下での前記評価関数の勾配を求める、
請求項1に記載の電力設備計画方法。 - 前記電力網は、電力で列車を運行する交通システムの電力網である、
請求項1又は請求項2に記載の電力設備計画方法。 - 列車の配置の複数パターンの各々についての制約条件を有する前記最適化問題を取得する、
請求項3に記載の電力設備計画方法。 - 前記電力設備と前記列車との距離に対して前記電力設備と前記列車との間のコンダクタンスが不連続となる場合を連続関数で近似する、
請求項3又は請求項4に記載の電力設備計画方法。 - 前記電力網に接続されている複数の前記電力設備の各々について、当該電力設備が故障した場合の前記電力網における電圧分布の下での前記最適化問題を取得する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の電力設備計画方法。 - 請求項1から6のいずれか一項に記載の電力設備計画方法を含む、電力設備製造方法。
- 電力網に電力を供給する電力設備の位置および定格容量の設計パラメータの値が、所定の上下限値の範囲内であるとの制約条件、前記設計パラメータの値に基づいて算出される、前記電力設備を表すノードの電圧値が、所定の上下限値の範囲内であるとの制約条件、および、前記電力網における負荷を表すノードの電圧値が、所定の上下限値の範囲内であるとの制約条件と、前記設計パラメータを引数に持つ評価関数とを有する最適化問題を取得する最適化問題取得部と、
各ノードの電圧の値を仮設定し、前記最適化問題を解く過程で前記設計パラメータに仮設定された値に応じて前記各ノードの電圧の値を更新する電圧値算出処理を行う電圧値算出部と、
更新された電圧の値に基づいて前記設計パラメータの仮設定値を更新する設計パラメータ値算出処理を行う設計パラメータ値算出部と、
前記電圧値算出処理、及び、前記設計パラメータ値算出処理を、前記電圧値算出部、及び、前記設計パラメータ値算出部に繰り返し行わせて、前記最適化問題の解としての前記設計パラメータの値を求める繰り返し制御部と、
を備える電力設備計画装置。 - 前記設計パラメータ値算出部は、前記ノードの電圧の値と前記設計パラメータの値との関係についての制約条件を示す式の前記電圧による微分に基づいて、前記制約条件を満たす電圧の値の下での前記評価関数の勾配を求める、
請求項8に記載の電力設備計画装置。 - 前記電力網は、電力で列車を運行する交通システムの電力網である、
請求項8又は請求項9に記載の電力設備計画装置。 - 前記最適化問題取得部は、列車の配置の複数パターンの各々についての制約条件を有する前記最適化問題を取得する、
請求項10に記載の電力設備計画装置。 - 前記電力設備と前記列車との距離に対して前記電力設備と前記列車との間のコンダクタンスが不連続となる場合を連続関数で近似するスムージング処理部を備える、
請求項10又は請求項11に記載の電力設備計画装置。 - 前記最適化問題取得部は、前記電力網に接続されている複数の前記電力設備の各々について、当該電力設備が故障した場合の前記電力網における電圧分布の下での前記最適化問題を取得する、
請求項8から12のいずれか一項に記載の電力設備計画装置。 - コンピュータに、
電力網に電力を供給する電力設備の位置および定格容量の設計パラメータの値が、所定の上下限値の範囲内であるとの制約条件、前記設計パラメータの値に基づいて算出される、前記電力設備を表すノードの電圧値が、所定の上下限値の範囲内であるとの制約条件、および、前記電力網における負荷を表すノードの電圧値が、所定の上下限値の範囲内であるとの制約条件と、前記設計パラメータを引数に持つ評価関数と有する最適化問題を取得させ、
各ノードの電圧の値を仮設定し、前記最適化問題を解く過程で前記設計パラメータに仮設定された値に応じて前記各ノードの電圧の値を更新する電圧値算出処理を行わせ、
更新された電圧の値に基づいて前記設計パラメータの仮設定値を更新する設計パラメータ値算出処理を行わせ、
前記電圧値算出処理、及び、前記設計パラメータ値算出処理を繰り返させて前記最適化問題の解としての前記設計パラメータの値を求めさせる
ためのプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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