JP6893603B2 - インキセット - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェットインキ(以下、単に「インキ」ともいう)と、メンテナンス
液とを含むインキセットに関する。
デジタル印刷は、オフセット印刷等の従来の有版印刷とは違い、版を必要としないこと
から、コスト削減や省スペース化が実現可能である。また、デジタル印刷の中でもインク
ジェット印刷方式は、非常に微細なノズルからインキ液滴を記録媒体上に吐出・付着させ
て文字や画像を得るものである。この方式によれば、印刷機の騒音が小さく、また操作性
やカラー化が容易であるという利点があるため、オフィスや家庭での出力機として広く用
いられている。
またインクジェット技術の向上により、産業用途においても、デジタル印刷の出力機と
しての利用が期待されており、実際にポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)等のプラスチック基材に対するインクジェット印刷機が市販されている。これまで
産業用途のインクジェット印刷では、溶剤インキやUVインキが用いられていたが、環境
や人に対する有害性への配慮・対応といった点から、近年では、上記インキの主成分であ
る溶剤やモノマーに対する規制が進められており、代わりとして、水を主成分とした水性
インキの需要が高まっている。
インクジェット印刷用の水性インキは、従来、普通紙やインクジェット専用紙を印刷対
象としていたが、近年では、上記のようにインクジェット記録方式の用途拡大が期待され
ている中で、コート紙、アート紙、キャスト紙のような塗工紙基材や、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)、ポリプロピレン、ポリエチレンのようなプラスチック基材に代表
される、難吸収性基材または非吸収性基材へ直接印刷するニーズが高まっている。
前記難吸収性基材または非吸収性基材では、普通紙やインクジェット専用紙と比較して
、水性インキが記録媒体に浸透しにくい、あるいは全く浸透しないため、作製した印刷物
において、顔料等の固形成分が記録媒体表面付近に存在する。そのままでは、印刷物を擦
る等により容易に剥がれ落ちてしまうことから、一般的には、耐擦過性を付与すべく、記
録媒体に前記固形成分を定着する機能を有する、定着樹脂と呼ばれる樹脂が使用される。
インキが記録媒体表面で乾燥する際、前記定着樹脂が固化や造膜することで、耐擦過性の
優れる印刷物を得ることができる。
その一方で、インキを吐出するインクジェットヘッドのノズルや、インクジェット記録
装置内部の流路では、インキの固化や造膜による閉塞を防止する必要がある。そこで一般
には、インキとは別に、メンテナンス液が使用される。
メンテナンス液の使用方法は種々存在する。第一の使用方法として、インクジェット記
録装置の流路内、及び/または、インクジェットヘッド等に付着したインキの清掃に用い
る洗浄液としての使用が挙げられる。液状のインキが付着した流路内壁だけでなく、イン
キの一部が固化・造膜している可能性のある、前記インクジェットヘッドのノズル出口や
撥液面についても洗浄が必要であるため、このような用途で使用する場合、メンテナンス
液の流路洗浄性及びメンテナンス性(固化・造膜したインキの除去性能)が重要といえる
第二の使用方法として、インクジェット記録装置の充填液としての使用が挙げられる。
インクジェット記録装置を長期間使用しない場合や、輸送する場合、インクジェットヘッ
ド内にインキが充填した状態であると、ノズル出口でインキが乾燥し、固化・造膜するこ
とで、ノズルが閉塞する恐れがある。そこで、インクジェットヘッド内のインキを、メン
テナンス液へと置換しておくことが望ましい。メンテナンス液を充填液として使用する場
合、インクジェット記録装置内にインキの入った状態から、メンテナンス液に置換する所
作が必要となるため、前記インキと前記メンテナンス液との混合安定性が非常に重要とな
る。
第三の使用方法として、保湿液としての使用が挙げられる。例えば、インクジェット記
録装置を一時的に使用しない場合、ノズル出口におけるインキの乾燥、固化・造膜を防ぐ
ため、ヘッドキャップを行う。その際、ヘッドキャップ内部にメンテナンス液を充填して
おくことで、前記ヘッドキャップ内部が保湿され、インキの乾燥、及び、それに伴うノズ
ルの閉塞を防ぐことが可能となる。このようにメンテナンス液を使用する場合、前記メン
テナンス液の保湿性が高いことが重要となる。
単一のメンテナンス液で、上記の種々の使用方法に対応しようとすると、インキの流路
洗浄性、メンテナンス性、前記インキとの混合安定性、保湿性等の様々な機能が求められ
ることになる。
例えば特許文献1には、異なるSP(溶解度パラメータ)値を有する水溶性有機溶剤を
併用したメンテナンス液が開示されている。前記特許文献1では、SP値の高い溶剤を使
用することでインキとの混合安定性を確保し、また、SP値の低い溶剤を使用することで
洗浄性を確保する、としている。しかしながら例えば、インキに使用する、樹脂や溶剤の
種類及び配合量によっては、メンテナンス性が悪化したり、インキとメンテナンス液との
混合安定性が低下し凝集物が発生する恐れがあった。
また特許文献2には、1.3−プロパンジオールと界面活性剤を含むメンテナンス液が
開示されている。前記特許文献2には、前記界面活性剤の機能として、インキの洗浄性や
、流路内壁への濡れ性を向上させるとの記載がある。しかしながら本発明者らが、具体的
に実施例に記載されているメンテナンス液を再現して評価を行ったところ、インクジェッ
トヘッドのワイプ清掃後に、前記メンテナンス液のノズル出口等での残留に起因すると考
えられる、吐出安定性の悪化が観察された。メンテナンス液の残留により、印刷時のイン
キのメニスカスが破綻し、インキの不吐出や、偏向吐出等の吐出異常が発生したと考えら
れる。また、定着樹脂を多く含有するインキと組み合わせた際のメンテナンス性も不十分
であり、この点からも改良が必要な状況であることが判明した。
また特許文献3には、インクジェットヘッドを覆って保湿するキャップ装置に使用され
るメンテナンス液が開示されている。しかしながら、具体的に実施例に記載されているメ
ンテナンス液では、前記メンテナンス液全量中約98質量%が水で構成されており、非常
に乾燥しやすく、保湿性に劣るものとなってしまっている。
また特許文献4には、カルボキシ基を有する樹脂を含む顔料着色樹脂粒子を有する水性
インク組成物を用いて印刷を行った後、アルコールアミンを含むメンテナンス液で印刷装
置を洗浄する方法が開示されている。しかしながら本発明者らが、具体的に実施例に記載
されているメンテナンス液を再現して評価を行ったところ、特許文献3と同様、前記メン
テナンス液の保湿性に劣ることが判明した。
以上のように、従来は、耐擦過性の優れる印刷物が作製できるインキと、前記インキと
ともに用いられるメンテナンス液とを含むインキセットであって、前記メンテナンス液が
、前記インキとの混合安定性や、インクジェット記録装置内の流路洗浄性やメンテナンス
性に優れ、洗浄後に不必要に残留することがない一方で保湿性にも優れるインキセットは
存在しない状況であった。
特開2013−010267号公報 特開2014−084348号公報 特開2010−089404号公報 特開2000−109733号公報
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的は、耐擦過性の優れ
る印刷物が作製できるインキと、前記インキとともに用いられるメンテナンス液とを含む
インキセットであって、前記メンテナンス液が、前記インキとの混合安定性や、インクジ
ェット記録装置内の流路洗浄性やメンテナンス性に優れ、洗浄後に不必要に残留すること
がない一方で保湿性にも優れるものである、前記インキセットを提供することにある。
また本発明の別の目的は、上記に加えて、前記メンテナンス液が、pH安定性にも優れ
るものである、前記インキセットを提供することにある。
本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、インキ中のカルボキシ基を有する樹脂の含有量を
規定し、また、メンテナンス液に関しては、アルカノールアミンを含有し、また、含有す
る配合する溶剤の沸点、含有量を規定すると同時に、前記インキと前記メンテナンス液に
含有する溶剤のSP値、及び含有量を規定することによって、上記課題が解決できること
を見出した。
すなわち本発明は、インクジェットインキと、前記インクジェットインキとともに用
いられるメンテナンス液と、を含むインキセットであって、
前記インクジェットインキが、水と、顔料と、カルボキシ基を含有する樹脂と、溶剤(
A)とを含有し、
前記カルボキシ基を含有する樹脂の含有量が、前記インクジェットインキ全量中3〜1
5質量%であり、
前記メンテナンス液が、水と、溶剤(B)(アルカノールアミンを除く)と、アルカノ
ールアミンとを含有し、
前記溶剤(B)の含有量が、前記メンテナンス液全量中7〜50質量%であり、
前記メンテナンス液中に含まれる、1気圧下における沸点が240℃以上である液体成
分の総量が、前記メンテナンス液全量中10質量%以下であり、
前記溶剤(A)のうち、最もSP値が小さい溶剤のSP値をSP1としたとき、前記溶剤
(B)中に含まれる、SP値が前記SP1以上である溶剤の量が、前記溶剤(B)全量中
50質量%以上である、インキセットに関する。
また本発明は、前記メンテナンス液が、アルキルポリオールを、前記溶剤(B)全量中
50質量%以上含む、上記インキセットに関する。
また本発明は、前記メンテナンス液が、更に、界面活性剤を含む、上記インキセットに
関する。
また本発明は、前記界面活性剤のHLB値が、3〜10である、上記インキセットに関
する。
また本発明は、前記界面活性剤が、ポリエーテル変性シロキサンを含む、上記インキセ
ットに関する。
また本発明は、前記メンテナンス液が、更に、アミノ酸を含む、上記インキセットに関
する。
また本発明は、前記アミノ酸が、グリシン、アニリン、バリンのいずれかを含む、上記
インキセットに関する。
また本発明は、前記メンテナンス液の、25℃におけるpHが、7〜13である、上記
インキセットに関する。
本発明により、耐擦過性の優れる印刷物が作製できるインキと、前記インキとともに用
いられるメンテナンス液とを含むインキセットであって、前記メンテナンス液が、前記イ
ンキとの混合安定性や、インクジェット記録装置内の流路洗浄性やメンテナンス性に優れ
、洗浄後に不必要に残留することがない一方で保湿性にも優れるものである、前記インキ
セットを提供することが可能となった。
また本発明により、上記に加えて、前記メンテナンス液が、pH安定性にも優れるもの
である、前記インキセットを提供することが可能となった。
以下に、本発明のインキセットを構成する、インクジェットインキ、及び、インクジェ
ット記録装置用メンテナンス液について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態
に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される変形例も
含まれる。
<樹脂>
従来技術でも説明した通り、アート紙、コート紙、微塗工紙のような紙基材や、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン、ナイロンのようなプラスチック基材に代表される難吸収性基材
に対する印刷において、耐擦過性に優れた印刷物を得るためには、インキ中に一定量以上
の樹脂を添加する必要がある。
インクジェットインキに用いられる樹脂は、顔料を溶媒中に安定に分散するために使用
される顔料分散樹脂と、印刷物の耐擦過性を向上するために使用される定着樹脂の2つに
大きく区分されるが、本発明における、インキに含まれる樹脂は、どちらの用途で用いら
れるものであってもよい。例えば、顔料分散性の観点から、酸価が100〜400mgK
OH/gである樹脂が顔料分散樹脂として好適に用いられ、印刷物の耐水性の観点から、
酸価が0mgKOH/g以上100mgKOH/g未満である樹脂が定着樹脂として好適
に用いられる。
上記インクジェットインキに用いられる樹脂の種類として、アクリル系、スチレンアク
リル系、ウレタン系、エステル系、スチレンブタジエン系、オレフィンマレイン酸系、ス
チレンマレイン酸系、塩化ビニル系、塩化ビニル−酢酸ビニル系、オレフィン系等が挙げ
られる。本発明では、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等に代
表される、カルボキシ基を含有する樹脂を用いることを特徴とする。前記カルボキシ基を
含有する樹脂を有するインキを、後述するメンテナンス液と組み合わせて使用することに
より、洗浄性を高めることが可能となる。
インキが液状であるときは、前記インキ中の樹脂に存在するカルボキシ基が電離してお
り(カルボキシレート基)、アニオン化した前記樹脂が前記インキ中に分散・溶解してい
る。一方、インキが乾燥し、固化すると、前記カルボキシレート基の電離状態が解け、カ
ルボキシ基に戻ると考えられる。この固化した状態のインキに、アルカノールアミンを含
有するメンテナンス液を加えると、前記アルカノールアミンが、カルボキシ基の対イオン
として機能し、カルボキシ基が再度電離・アニオン化することで、メンテナンス液中に再
分散・溶解するものと予想される。
また、後述するエマルジョンのように、一定温度(最低造膜温度、MFT)以上で造膜
する樹脂の場合、インクジェット記録装置内、例えばインクジェットノズル面でインキの
前記造膜が起こり、吐出安定性の悪化等につながる恐れがある。そこで、アルカノールア
ミンを含有するメンテナンス液を用いて洗浄することで、樹脂中のカルボキシ基を電離・
アニオン化させ、造膜したインキの剥離が容易に実現できる。
更に、流路内に存在する、液状のインキの洗浄においても、上記アルカノールアミンを
含有するメンテナンス液は好適に使用できる。その要因として、前記インキ中の樹脂に存
在するカルボキシレート基と、メンテナンス液中のアルカノールアミンとが、水素結合を
形成するうえ、周囲の微視的な粘度が高いと考えられる前記樹脂が、インキ中に一定量含
まれていることで、前記メンテナンス液の流動に伴って、前記インキもまた容易に流動す
ることが考えられる。
なお後述するように、本発明のインキとメンテナンス液とは混合安定性にも優れており
、両者を混合したとしても、例えば、前記インキ中の顔料が凝集したり、著しい増粘が発
生したりすることがない。この点も、上記メンテナンス液を、流路内に存在するインキの
洗浄に好適に利用できる要因となっている。
なお上記のメカニズムは全て推論であり、何ら本発明を限定するものではない。
本発明におけるカルボキシ基を含有する樹脂中に存在する、前記カルボキシ基の量は、
前記樹脂を構成する重合性単量体の量から算出することができる。なお本明細書において
、前記カルボキシ基の量は、樹脂1g中に存在する前記カルボキシ基を中和するのに必要
な水酸カリウムのmg数によって表すものとする。また、カルボキシ基以外の酸基を有さ
ない樹脂の場合には、従来既知の方法により(例えば京都電子工業社製AT−610を用
い、電位差滴定法により)実測した酸価を、前記カルボキシ基の量としてもよい。
本発明では、印刷物の耐擦過性、耐水性、メンテナンス液と組み合わせた際のメンテナ
ンス性、流路洗浄性の点から、カルボキシ基の量が1〜100mgKOH/gである樹脂
が、樹脂全量中の50質量%以上であることが好ましく、カルボキシ基の量が2〜70m
gKOH/gである樹脂が、樹脂全量中の50質量%以上であることが更に好ましく、カ
ルボキシ基の量が3〜40mgKOH/gである樹脂が、樹脂全量中の50質量%以上で
あることが特に好ましい。
インクジェットインキに使用される樹脂の形態として、水溶性樹脂、並びに、非水溶性
樹脂であるハイドロゾル、及び、エマルジョンが知られている。ここで「水溶性樹脂」と
は、対象となる顔料分散樹脂の、25℃・1質量%水混合液が、肉眼で見て透明であるも
のを指す。また「ハイドロゾル」とは、樹脂中に存在する酸性及び/または塩基性の官能
基を中和し、分散媒中に分散させた形態を指し、「エマルジョン」とは、乳化剤を樹脂微
粒子表面に吸着させ、分散媒中に分散させた形態を指す。本発明では、樹脂として上記の
いずれを用いてもよい。
なお、エマルジョンやハイドロゾルの一部は、最低造膜温度(MFT)以上で造膜する
ことが知られているが、上記のように、本発明のメンテナンス液と組み合わせて使用する
ことで、仮にインクジェット記録装置内でインキの造膜が起こったとしても、容易に剥離
することが可能である。ここでMFTは、テスター産業社製MFTテスターによって測定
した値である。具体的には、上記MFTテスターに設置された、温度勾配をかけることが
できる金属板上に、樹脂微粒子の25質量%水溶液を、WET膜厚300μmとなるよう
に塗布する。前記金属板に温度勾配をかけ、樹脂微粒子を完全に造膜させたのち、造膜せ
ずに白化した領域と、透明な樹脂膜が形成された領域との境界の温度を読み取り、MFT
とする。
本発明では、カルボキシ基を含有する樹脂を、インキ全量に対し、3〜15質量%含有
することを特徴の一つとする。なお、5〜15質量%であることがより好ましく、更に好
ましくは7〜15質量%である。3質量%以上とすることで、耐擦過性の優れた印刷物が
得られ、また、メンテナンス液と組み合わせた際の流路洗浄性にも優れる。また、15質
量%以下とすることで、メンテナンス液と組み合わせた際のメンテナンス性に優れるイン
キが得られる。
<溶剤>
本発明では、インキが溶剤(A)を、またメンテナンス液が溶剤(B)を含有し、前記
溶剤(A)のうち、最もSP値が小さいものの前記SP値をSP1としたとき、前記メン
テナンス液中に含まれる、SP値が前記SP1以上である溶剤の量が、前記溶剤(B)全
量中50質量%以上であることを特徴の一つとする。なお本明細書において「溶剤」とは
、25℃において液体である化合物を意味するが、後述するアルカノールアミンや界面活
性剤は、「溶剤」に含めないものとする。
SP値とは溶解パラメータのことで、溶剤、樹脂や顔料など、水や溶剤に対して溶解ま
たは分散して用いられる材料の親和性、溶解性の指標として一般に広く用いられている。
一般に水性インキでは、SP値の小さい溶剤をインキに添加した際、顔料の分散状態を破
壊し、前記顔料の凝集を招く恐れがある。インキ中での前記顔料の凝集を防ぐため、一般
に、前記インキに使用する材料の、種類や量の調整が行われている。しかしながら、例え
ばインクジェット記録装置内の流路の洗浄の際には、インキに対して過剰量のメンテナン
ス液が混合することになるため、前記メンテナンス液の構成によっては、インキ中の顔料
が凝集してしまい、流路やインクジェットヘッドでの詰まりが発生する可能性がある。そ
こで本発明では、インキに使用する溶剤(A)のうち、最もSP値が小さいものの前記S
P値をSP1としたとき、前記メンテナンス液に使用する溶剤(B)中に含まれる、SP
値が前記SP1以上である溶剤の量が、前記溶剤(B)全量中50質量%以上とすること
で、前記インキと前記メンテナンス液を混合した際の、顔料凝集の発生を抑制し、混合安
定性に優れるインキセットとしている。
SP値の求め方は、実験により実測する方法、材料の特性値から算出する方法、分子構
造から計算する方法など様々な方法が提唱されているが、本発明では「Plastics
Materials 6th Edition」(J.A.Brydson著、But
terworth−Heinemann社、1995年)の85〜86ページに記載の方
法により算出される、25℃における値を用いるものとする。
具体的な算出方法を、プロピレングリコールを例にとって説明すると、沸点(188℃
)から算出される、前記プロピレングリコールの蒸発潜熱(ΔH)は、23.7×(18
8+273)+0.02×(188+273)2−2950≒12232.4(cal/
mol)となる。そして、この値と、プロピレングリコールの分子量[76.1(g/m
ol)]と、前記プロピレングリコールの密度[1.04(g/cm3)]とを用い、下
記式(1)から、12.6(cal/cm31/2と算出される。
式(1):

SP値((cal/cm31/2)={(ΔH−RT)÷(M÷D)}1/2
ただし上記式(1)において、ΔHは溶剤の蒸発潜熱(cal/mol)を、Rは気体
定数(1.99cal/K・mol)を、Tは温度(25℃=298K)を、Mは前記溶
剤の分子量(g/mol)を、Dは前記溶剤の密度(g/cm3)を、それぞれ表す。
本発明で溶剤(A)、溶剤(B)として使用できる溶剤の具体例として、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1
,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、3−エチル−1,2−ヘキサンジ
オール、グリセリン、等のアルキルポリオール;
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ト
リエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル
、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエー
テル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエ
ーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブ
チルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノベン
ジルエーテル、等の(モノ、ジ、トリ)エチレングリコールモノアルキルエーテル;
プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエ
ーテル、等の(モノ、ジ、トリ)プロピレングリコールモノアルキルエーテル;
エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエ
チレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエ
チレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセター
ト、等の(モノ、ジ、トリ)エチレングリコールジアルキルエーテル(アセテート);
ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、等の(ジ、トリ、ポリ)アルキレング
リコール;
エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、3−メトキシ−1−ブタノール
、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等のモノアルコール;等を挙げることがで
きる。なお、上記の化合物は1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
本発明では、メンテナンス液に含まれる溶剤(B)全量中の50質量%以上がアルキル
ポリオールであることが好ましく、メンテナンス液に含まれる溶剤(B)全量中の50質
量%以上がアルキルジオールであることが特に好ましい。アルキルポリオールは親水ユニ
ットであるヒドロキシル基を複数有するために水に対する親和性が高く、インキ中の顔料
分散状態を破壊しにくい。そのため、メンテナンス液に含有する溶剤(B)全量中50質
量%以上をアルキルポリオールとすることで、インキとの混合安定性に特に優れるメンテ
ナンス液を得ることができる。
また、詳細は不明ながら、保湿性や保存安定性に優れる観点から、本発明のメンテナン
ス液は、SP値が12〜13.5である溶剤(B)を、前記メンテナンス液に含まれる溶
剤(B)全量中50質量%以上含むことが好ましく、75質量%以上含むことが特に好ま
しい。
一方で、樹脂との相溶性を好適化することで、印刷物の耐擦過性とメンテナンス性とが
両立できる観点から、本発明のインキは、SP値が9〜13である溶剤(A)を、前記イ
ンキに含まれる溶剤(A)全量中50質量%以上含むことが好ましく、SP値が9.5〜
11.5である溶剤(A)を、前記インキに含まれる溶剤(A)全量中50質量%以上含
むことがより好ましく、SP値が9.5〜11.5である溶剤(A)を、前記インキに含
まれる溶剤(A)全量中75質量%以上含むことが特に好ましい。
本発明における溶剤(B)の含有量は、メンテナンス液全量中7〜50質量%であり、
より好ましくは15〜40質量%である。7質量%以上とすることで、流路洗浄性に優れ
たメンテナンス液となるうえ、前記メンテナンス液の保湿性を確保し、インクジェット記
録装置の保湿液にも使用することが可能となる。また、溶剤(B)の含有量を50質量%
以下とすることで、メンテナンス性に優れたメンテナンス液となるうえ、例えばインクジ
ェットヘッドを前記メンテナンス液で湿らせたワイプ部材でワイプ清掃する際、前記イン
クジェットヘッド上に前記メンテナンス液が残留することなく清掃が可能となり、残留し
た前記メンテナンス液によるインキの吐出異常が抑制可能となる。
<アルカノールアミン>
本発明では、メンテナンス液がアルカノールアミンを含有することを特徴の一つとする
。ただし上記の通り、アルカノールアミンは上記溶剤には含めないものとする。アルカノ
ールアミンとは、アルカン骨格にヒドロキシ基とアミノ基を持つ化合物であり、前記ヒド
ロキシ基やアミノ基により親水性が高い。また、アミノ基は水中でカチオンとなり、イン
キと混合すると、前記インキ中のカルボキシ基を含有する樹脂中に存在する前記カルボキ
シ基の対イオンとして機能すると考えられる。その際、前記カルボキシ基のアニオン化が
促進されると考えられ、結果として、アルカノールアミンを含む本発明のメンテナンス液
は、メンテナンス性に優れたものになると考えられる。更に、ヒドロキシ基やアミノ基が
周囲の水分子と水素結合を形成することで、メンテナンス液の保湿性も高められる。なお
上記メカニズムは推論であり、何ら本発明を限定するものではない。
本発明で使用可能なアルカノールアミンの一例として、トリエタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、2−アミノ
−2−メチル−1−プロパノール等を挙げることができ、トリエタノールアミンが特に好
ましい。なお、上記の化合物は1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
<アミノ酸>
本発明では、メンテナンス液にアミノ酸を含有することが好ましい。アミノ酸の種類は
特に限定されず、少なくとも1個のアミノ基と、少なくとも1個のカルボキシ基とを同時
に有する化合物であればよい。
なお、アミノ酸はアミノ基とカルボキシ基の両方を有するため、各官能基が酸乖離定数
を有する。例えばグリシン(アミノ酢酸)では、カルボキシ基の酸乖離定数pKa1は2
.34であり、アミノ基の酸乖離定数pKa2は9.6である。本発明で好適に用いるこ
とができるアミノ酸として、グリシン、アラニン、バリン等が挙げられる。これらのアミ
ノ酢酸は水に可溶であり、また、アミノ基の酸乖離定数(pKa2)が9〜10であるた
め、後述する、メンテナンス液のpHとして特に好適な範囲であるpH9〜10の範囲に
おいて緩衝作用を有し、前記メンテナンス液のpHを安定に保つことが可能となる。また
上記列挙したアミノ酸の中でも、水に対する溶解性の観点から、前記アミノ酸として、少
なくともグリシンを含むことが特に好適である。
<液体成分の沸点>
本発明では、インキセットを構成するメンテナンス液中に含まれる、1気圧下における
沸点が240℃以上である液体成分の含有量が、前記メンテナンス液全量中10質量%以
下である(0質量%でもよい)ことを特徴の一つとする。なお本明細書において「液体成
分」とは、25℃において液体である化合物(ただし、後述する界面活性剤は除く)を意
味し、条件を満たすものであれば、アルカノールアミンも含まれるものとする。なお、前
記1気圧下における沸点が240℃以上である液体成分の含有量は、前記メンテナンス液
全量中5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、2
質量%以下であることが特に好ましい(いずれも、0質量%であってもよい)。10質量
%以下とすることで、メンテナンス性に優れたメンテナンス液となるうえ、例えば前記メ
ンテナンス液を用いてインクジェットヘッドをワイプ清掃する際、前記メンテナンス液の
残留を抑制できる。
<顔料>
本発明のインキは、着色剤として顔料を含む。前記顔料として、無機顔料、及び有機顔
料のいずれも使用できる。無機顔料の例として、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、鉛白、
炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、ホワイトカーボン、アルミナホワイト、カオリン
クレー、タルク、ベントナイト、黒色酸化鉄、カドミウムレッド、べんがら、モリブデン
レッド、モリブデートオレンジ、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、黄色
酸化鉄、チタンイエロー、酸化クロム、ビリジアン、チタンコバルトグリーン、コバルト
グリーン、コバルトクロムグリーン、ビクトリアグリーン、群青、紺青、コバルトブルー
、セルリアンブルー、コバルトシリカブルー、コバルト亜鉛シリカブルー、マンガンバイ
オレット、及びコバルトバイオレットが挙げられる。
また有機顔料としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、アントラキノン顔料、キナク
リドン顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料、染料レーキ顔料、蛍光顔料等が
挙げられる。
具体的にカラーインデックスで例示すると、シアン顔料として、C.I.Pigment
Blue 1、2、3、15:1、15:3、15:4、15:6、16、21、22
、60、64等が挙げられる。
またマゼンタ顔料として、C.I.Pigment Red 5、7、9、12、31
、48、49、52、53、57、97、112、120、122、146、147、1
49、150、168、170、177、178、179、184、185、188、2
02、206、207、209、238、242、254、255、264、269、2
82、C.I.Pigment Violet 19、23、29、30、32、36、
37、38、40、50等が挙げられる。
またイエロー顔料として、C.I.Pigment Yellow 1、2、3、12
、13、14、16、17、20、24、74、83、86、93、94、95、109
、110、117、120、125、128、129、137、138、139、147
、148、150、151、154、155、166、168、180、185、213
等が挙げられる。
またブラック顔料として、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックが
挙げられる。例えば、これらのカーボンブラックであって、一次粒子径が11〜40nm
、BET法による比表面積が50〜400m2/g、揮発分が0.5〜10質量%、pH
が2〜10等の特性を有するものが好適である。このような特性を有する市販品として、
例えば、No.33、40、45、52、900、2200B、2300、MA7、MA
8、MCF88(三菱化学社製)、RAVEN850、1000、1020、1170、
1190ULTRA、1255(ビルラカーボン社製)、REGAL330R、400R
、660R、MOGUL L、ELFTEX415(キャボット社製)、NIPex90
、NIPex150T、NIPex160IQ、NIPex170IQ、NIPex75
、PrinteX35、PrinteX85、PrinteX95、PrinteX90
、PrinteXU(オリオンエンジニアドカーボンズ社製)等があり、いずれも好まし
く使用することができる。
カーボンブラックのほかにも、本発明で使用することができるブラック顔料として、例
えば、アニリンブラック、ルモゲンブラック、アゾメチンアゾブラック等が挙げられる。
また、上記のシアン顔料、マゼンタ顔料、イエロー顔料や、下記のブラウン顔料、オレン
ジ顔料等の有彩色顔料を複数使用し、ブラック顔料とすることもできる。
また、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック以外の顔料として、C.I.Pigme
nt Green 7、10、36、C.I.Pigment Brown 3、5、2
5、26、C.I.Pigment Orange 2、5、7、13、14、15、1
6、24、34、36、38、40、43、62、63、64、71等が挙げられる。
なお本発明のメンテナンス液は、視認性向上のため、着色剤を含んでもよいが、洗浄性
の観点から、メンテナンス液全量に対する含有率を1質量%以下とすることが好ましく、
0.5質量%以下とすることがより好ましく、0.1質量%以下とすることが特に好まし
い。
<界面活性剤>
本発明のインキセットを構成するインキ及びメンテナンス液は、それぞれ界面活性剤を
含有することが好ましい。特に、メンテナンス液に界面活性剤を使用することによって、
前記メンテナンス液の表面張力が低下し、インクジェット記録装置の流路内壁に対する濡
れ性が向上し、流路洗浄性が向上する。また、インキが造膜、あるいは乾燥・固化して生
じたインキ膜に浸透しやすくなるため、メンテナンス性に優れたメンテナンス液を得るこ
とができる。
界面活性剤としては、シロキサン系、アセチレン系、アルコールエトキシレート系、フ
ッ素系等、用途に合わせて様々なものが知られているが、メンテナンス液の表面張力を十
分に下げるという観点から、シロキサン系界面活性剤及び/またはアセチレン系界面活性
剤を使用することが好ましく、中でも、ポリエーテル変性シロキサン系界面活性剤を使用
することが好ましい。シロキサン系界面活性剤やアセチレン系界面活性剤を含むメンテナ
ンス液を、例えば、インクジェット記録装置の金属部材(例えばアルミニウム基材等)上
で造膜、あるいは乾燥・固化したインキに対して付与した際、前記シロキサン系界面活性
剤やアセチレン系界面活性剤が、インキ膜と前記金属部材との界面に配向することで、メ
ンテナンス性が向上する。更に、ポリエーテルを修飾したポリエーテル変性シロキサン系
界面活性剤は、親水性が高いため水に対する相溶性が高く、メンテナンス液中で分離等を
起こすことのない、保存安定性に優れた前記メンテナンス液とすることができる。
上記シロキサン系界面活性剤として、例えば、東レ・ダウコーニング社製のSF842
8、FZ−2162、8032ADDITIVE、SH3749、FZ−77、L−70
01、L−7002、FZ−2104、FZ−2110、F−2123、SH8400、
SH3773M、BY16−201、SF8427;ビックケミー社製のBYK−345
、BYK−346、BYK−347、BYK−348、BYK−349、BYK−331
、BYK−333、BYK−UV3500;エボニックデグサ社製のTegowet25
0、Tegowet260、Tegowet270、Tegowet280、Tegog
lide410、Tegoglide432、Tegoglide435、Tegogl
ide440、Tegoglide450;信越化学工業社製のKF−6038、KF−
945、KF−6015,KF−6012、KF−351A、KF−352A、KF−3
53、KF−354L、KF355A、KF−615A、KF−640、KF−642、
KF−643;日信化学工業社のシルフェイスSAGシリーズ等が挙げられる。
またアセチレン系界面活性剤として、例えば、日信化学工業社製のサーフィノール10
4、サーフィノール82、サーフィノール420、サーフィノール440、サーフィノー
ル465、サーフィノール485、サーフィノールTG、サーフィノール2502、ダイ
ノール604、ダイノール607等が挙げられる。
またアルコールエトキシレート系界面活性剤として、例えば、花王社製のエマルゲンシ
リーズや、日本触媒社製ソフタノールシリーズ、日油社製ノニオンシリーズ、パーソフト
シリーズ等が挙げられる。
またフッ素系界面活性剤として、DIC社製メガファックF−114、F−410、F
−440、F−447、F−553、F−556;AGCセイミケミカル社製サーフロン
S−211、S−221、S−231、S−233、S−241、S−242、S−24
3、S−420、S−661、S−651、S−386等が挙げられる。
メンテナンス液が界面活性剤を含む場合、そのHLB値は3〜10であることが好まし
く、より好ましくは3〜5である。3以上とすることで、メンテナンス液に対する界面活
性剤の溶解性が確保され、分離等が生じにくくなる。また10以下とすることで、前記界
面活性剤が、液体界面に配向しやすくなるため、前記メンテナンス液の濡れ性や浸透性が
向上し、洗浄性やメンテナンス性に優れた前記メンテナンス液を得ることができる。
なお、HLB(Hydrophile−Lipophile Balance)値とは
、材料の親水・疎水性を表すパラメータの一つであり、小さいほど材料の疎水性が高く、
大きいほど材料の親水性が高い。HLB値の算出方法にはグリフィン法、デイビス法、川
上法等種々の方法があるが、本発明ではグリフィン法を用いてHLB値の算出を行う。
一般にグリフィン法は、非イオン性の材料において用いられ、対象の材料の分子量を用
いて、下記式(2)のように求めることができる。
式(2):

HLB値=20×(親水性部分の分子量の総和)÷(材料の分子量)
メンテナンス液中の界面活性剤の含有量は、前記メンテナンス液全量に対し0.2〜4
質量%であることが好ましい。0.2質量%以上とすることで、上述した界面活性剤の効
果が十分発揮され、4質量%以下とすることで、インキとの混合安定性に優れるメンテナ
ンス液を得ることができる。
また上記の通り、本発明のインキセットを構成するインキについても、界面活性剤を添
加することが好ましい。その際、メンテナンス液と同種の界面活性剤を使用する、特に好
ましくは、インキとメンテナンス液とで同じ界面活性剤を使用することで、混合安定性に
優れるインキセットとなる。なお同じ観点から、インキに含まれる界面活性剤のHLB値
は、メンテナンス液の場合と同様に3〜10であることが好ましく、より好ましくは3〜
5である。
<水>
本発明のインキ及びメンテナンス液に含まれる水は、種々のイオンを含有する一般の水
ではなく、イオン交換水(脱イオン水)であることが好ましい。インキ中の水の含有量は
、前記インキ全量に対し20質量%以上90質量%以下の範囲であることが好ましく、ま
た、メンテナンス液中の水の含有量は、前記メンテナンス液全量に対し、50質量%以上
94質量%以下の範囲であることが好ましい。
<その他の成分>
また本発明のインキ及びメンテナンス液は、上記の成分の他に、必要に応じて所望の物
性値を持つインキとするために、種々の添加剤(以下、「その他の成分」ともいう)を適
宜に添加することができる。その他の成分の添加量の総量は、インキの全質量に対して0
.01〜10質量%であることが好ましい。
前記その他の成分として、pH調整剤、消泡剤、防腐剤等が例示できる。なお本明細書
における「pH調整剤」には、上述したアルカノールアミン及びアミノ酸を含めないもの
とする。また、本発明のインキ及びメンテナンス液に使用できるpH調整剤を例示すると
、アンモニア水、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金
属の水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムなど
のアルカリ金属の炭酸(水素)塩;塩酸、硫酸、酢酸、クエン酸、マレイン酸、無水マレ
イン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、リン酸、ホウ酸、フマル酸、マロン酸、アスコル
ビン酸、グルタミン酸;等を挙げることができる。
<メンテナンス液のpH>
本発明では、メンテナンス液のpHが7〜13の範囲であることが好ましい。pHが7
以上、すなわち中性〜アルカリ性であれば、メンテナンス液とインキを混合した際に、顔
料成分が凝集することがなく、混合安定性に優れたインキセットとなる。また、インクジ
ェット記録装置の金属部材を腐食することもない。一方、pHが13以下であれば、イン
クジェットヘッド部材(例えば撥液面)が劣化することがなく、また、インキとの混合安
定性にも悪影響を及ぼすことがない。なお、詳細な理由は不明であるが、メンテナンス液
が弱アルカリ性であると、インキ中の樹脂のカルボキシ基のアニオン化が促進され、メン
テナンス性に優れたインキセットとなることから、より好ましいpH領域は8〜11の範
囲であり、更に好ましくは9〜10の範囲である。
<インキのpH>
またインキに関しても、上記メンテナンス液と同様のpHを有していることが好ましい
。更に、混合安定性、流路洗浄性、メンテナンス性に優れたインキセットとなることから
、インキとメンテナンス液とのpH差は0〜3であることが好ましく、0〜2であること
が特に好ましい。
<インキの調製方法>
本発明のインキの調製方法としては、例えば下記の方法が挙げられるが、本発明は、こ
れに限定されるものではない。始めに、顔料と、水と、必要に応じて顔料分散樹脂(カル
ボキシ基を含有する樹脂であってよい)とを混合・攪拌した後、必要に応じて後述の分散
機を用いて分散処理を行い、また必要に応じて更に遠心分離処理を行うことで、顔料分散
液を得る。次に、前記顔料分散液に、水と、定着樹脂(カルボキシ基を含有する樹脂であ
ってよい)と、溶剤(A)と、必要に応じて界面活性剤やその他の成分を添加する。必要
に応じて熱をかけながら、攪拌・混合したのち、濾過を行い本発明のインキとする。
分散処理を行って顔料分散液を製造する場合、使用される分散機は、一般に使用される
分散機なら、如何なるものでもよいが、例えば、ボールミル、ロールミル、サンドミル、
ビーズミル及びナノマイザー等が挙げられる。その中でも、ビーズミルが好ましく使用さ
れる。
<メンテナンス液の調製方法>
また、本発明のメンテナンス液の調製方法としては、例えば下記のような方法が挙げら
れるが、本発明は、これに限定されるものではない。始めに、水と、溶剤(B)と、アル
カノールアミンを添加し、攪拌・混合する。次に、必要に応じて界面活性剤、アミノ酸、
その他の成分を添加し、攪拌・混合した後、濾過を行い本発明のメンテナンス液とする。
<インキセットの使用方法>
本発明の、インキとメンテナンス液とを含むインキセットは、インクジェット記録装置
を用いた、印刷及びメンテナンスに使用される。また前記メンテナンス液は、上述した、
洗浄液、充填液、保湿液のいずれとしても、好適に使用することができる。
一般に、インクジェット記録装置を用いた印刷は、大きく2種類に分類される。一方は
、インクジェットヘッドがインキを吐出しながら記録媒体上を往復する「シャトルスキャ
ンタイプ」であり、もう一方は、インキを吐出するインクジェットヘッドの位置が固定さ
れ、記録媒体が前記インクジェットヘッドの下部を通過する際にインキが吐出される「ラ
インパスタイプ」である。
このうちラインパスタイプは、シャトルスキャンタイプと比較して高速印刷が可能であ
るが、前記シャトルスキャンタイプで行われる「捨て打ち」ができず、また装置設計上、
印刷中に自動でワイピング操作を行う機構を搭載することが難しい。そのため、インクジ
ェットヘッドにインキが付着しても、除去されることなく長期間経過してしまう恐れがあ
る。加えて、印刷する画像によっては、インキが長時間吐出されないノズルが発生し、シ
ャトルスキャンタイプのようにインクジェットヘッドを移動させて吐出ノズルを調整する
こともできないため、1つの前記インクジェットヘッド内でノズル使用状況に差が出やす
い。
本発明のインキセットは、上記のようにメンテナンス性に優れることから、メンテナン
スの難しいラインパスタイプのインクジェット記録装置に対しても、好適に使用できる。
<記録媒体>
本発明のインキセットを用いて印刷を行うにあたり、従来既知の記録媒体を任意に使用
できる。中でも、本発明のインキセットを構成するインキは、印刷物の耐擦過性に優れる
ことから、前記インキの浸透が起こりにくい、難吸収性基材または非吸収性基材が好適に
使用できる。前記難吸収性基材または非吸収性基材の例として、コート紙、アート紙、キ
ャスト紙のような塗工紙基材、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン
、ポリエチレン、ナイロン、ポリスチレンの様なプラスチック基材、アルミニウム、鉄、
ステンレスの様な金属基材、ガラス基材などが挙げられる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、以下の記載に
おいて、「部」、「%」及び「比率」とあるものは特に断らない限り質量基準である。
<シアン顔料分散液1の製造例>
顔料としてLIONOGEN BLUE FG−7358G(C.I.Pigment
Blue15:3、トーヨーカラー社製)を20部、顔料分散樹脂としてスチレンアクリ
ル樹脂(スチレン:アクリル酸:ベヘニルメタクリレート=35:30:35(質量比)
のランダム重合体、重量平均分子量:16,000、カルボキシ基の量(酸価):234
mgKOH/g、カルボキシ基を含有する樹脂に含まれる)の水性化溶液(不揮発分20
%)を20部、及び水60部を混合した後、ディスパーで予備分散処理を行った。なおス
チレンアクリル樹脂の水性化溶液は、特開2012−188581号明細書、製造例2記
載の方法を利用して調製した。
次いで、得られた混合物について、直径0.5mmのジルコニアビーズ1800gを充
填した容積0.6Lのダイノーミルを用いて、本分散処理を行い、シアン顔料分散液1を
得た。
<シアン顔料分散液2の製造例>
攪拌器を備えた混合容器に、スチレンアクリル樹脂(スチレン:アクリル酸:メタクリル
酸=77:10:13(質量比)のランダム重合体、重量平均分子量:45,000、カ
ルボキシ基の量(酸価):163mgKOH/g、カルボキシ基を含有する樹脂に含まれ
る)のメチルエチルケトン溶液(固形分濃度40%)50部を加えたのち、攪拌しながら
、水50部と、トリエタノールアミン8.7部とを添加し、さらに30分間撹拌した。そ
の後さらに、LIONOGEN BLUE FG−7358G(C.I.Pigment
Blue15:3、トーヨーカラー社製)を20部加え、よく攪拌(予備分散処理)した
後、直径0.5mmのジルコニアビーズ1800gを充填した容積0.6Lのダイノーミ
ルを用いて本分散を行った。次いで、得られた分散液を取り出し、水を15部加えたのち
、エバポレータを用いて、メチルエチルケトンを減圧留去した。その後、顔料濃度が15
%になるように調整することで、シアン顔料分散液2を得た。
<樹脂微粒子A1(スチレンアクリル系)の製造例>
攪拌器を備えた混合容器に、ステアリルメタクリレートを15部、ブチルメタクリレー
トを20部、メチルメタクリレートを47部、スチレンを15部、メタクリル酸を3部、
イオン交換水を53部、及び、界面活性剤としてアクアロンKH−10を1.8部仕込み
、よく混合してプレエマルジョン液を作製した。
また別の混合容器に、過硫酸カリウムの5%水溶液を10部と、無水重亜硫酸ナトリウ
ムの1%水溶液を20部とを加え、よく混合してレドックス開始剤溶液を作製した。
次いで、上記とは別に、攪拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器を準備
し、イオン交換水40部と、界面活性剤としてアクアロンKH−10(第一工業製薬社製
)0.2部とを仕込み、更に上記プレエマルジョン液のうちの1%を加えた。反応容器の
内温を60℃に昇温し、十分に窒素置換した後、上記レドックス開始剤溶液のうちの10
%を添加し、重合を開始した。攪拌しながら、反応容器内を60℃で5分間保持した後、
内温を60℃に保ちながら、プレエマルジョン液の残り、及び、レドックス開始剤溶液の
残りを、1.5時間かけて滴下し、更に2時間攪拌を継続した。固形分測定にて転化率が
98%超えたことを確認後、反応容器内を30℃まで冷却し、ジエチルアミノエタノール
を添加して、pHを8.5とした。そして、更にイオン交換水を加えて固形分が40%に
なるよう調整し、エマルジョンである非水溶性樹脂微粒子(以下、樹脂微粒子A1とする
)を得た。樹脂微粒子A1中のカルボキシ基の量は20mgKOH/gであり、上記に記
載した方法により測定した、樹脂微粒子A1のMFTは75℃であった。
前記樹脂微粒子A1中のカルボキシ基の量の算出方法を具体的に示すと、1gの樹脂微
粒子A1中に存在するカルボキシ基(メタクリル酸に由来)のモル数(MCOOHとする
)は{3÷(15+67+15+3)}÷86.09=0.000348(mol)であ
るため、1gの前記樹脂微粒子A1のカルボキシ基を中和するのに必要な水酸化カリウム
の質量(単位:mg)は、MCOOH×56.11=0.020(g)=20(mg)と
なり、従って樹脂微粒子A1中のカルボキシ基の量は20(mgKOH/g)となる。た
だし上式における86.09、56.11は、それぞれメタクリル酸、水酸化カリウムの
分子量である。
<樹脂微粒子A2(アクリル系)の製造例>
重合性単量体として、ラウリルメタクリレートを20部、2−エチルヘキシルメタクリ
レートを10部、ブチルメタクリレートを58部、メチルメタクリレートを10部、メタ
クリル酸を2部、を使用してプレエマルジョン液を作製した以外は、上記樹脂微粒子A1
の製造例と同様にして、エマルジョンである非水溶性樹脂微粒子(以下、樹脂微粒子A2
とする、固形分40%)を得た。樹脂微粒子A1の場合と同様にして算出した樹脂微粒子
A2中のカルボキシ基の量は16mgKOH/gであり、上記に記載した方法により測定
した、樹脂微粒子A2のMFTは5℃であった。
<樹脂微粒子B(ウレタン系)の製造例>
攪拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、イソホロンジイソシアネー
トを20.2部、ポリカーボネートジオール(ETERNACOLL[登録商標] UH
−200)を72.5部、ジメチロールプロピオン酸を7.3部、及び、メチルエチルケ
トンを300部仕込み、十分に窒素置換した後、反応容器内を80℃まで昇温し6時間反
応させた。その後、反応容器内を30℃まで冷却し、攪拌しながら、水、及び、水酸化カ
リウム水溶液を添加した。そして、加熱減圧下でメチルエチルケトンを留去したのち、イ
オン交換水を加えて固形分が20%になるよう調整し、ハイドロゾルである非水溶性樹脂
微粒子(以下、樹脂微粒子Bとする)を得た。樹脂微粒子A1の場合と同様にして算出し
た樹脂微粒子B中のカルボキシ基の量は31mgKOH/gである。
<水溶性樹脂C(スチレンアクリル系)の製造例>
重合性単量体として、ラウリルメタクリレートを10部、メチルメタクリレートを42
.5部、スチレンを20部、アクリル酸を27.5部使用した以外は、特開2012−1
88581号明細書、製造例2記載の方法を利用して、水溶性樹脂(以下、水溶性樹脂C
とする)の、固形分20%の水性化溶液を調製した。水溶性樹脂C中のカルボキシ基の量
は214mgKOH/gである。
<水溶性樹脂D(アクリル系)の製造例>
重合性単量体として、ブチルメタクリレートを10部、メチルメタクリレートを50部
、ベンジルメタクリレートを20部、メトキシポリエチレングリコール#400メタクリ
レート(新中村化学工業社製NKエステルM−90G)を10部、メタクリル酸を10部
使用した以外は、上記水溶性樹脂Cと同様にして、水溶性樹脂(以下、水溶性樹脂Dとす
る)の、固形分20%の水性化溶液を調製した。水溶性樹脂D中のカルボキシ基の量は6
5mgKOH/gである。
なお以下では、上記で製造した樹脂に加え、東邦化学工業社製ハイテックS−8512
(カルボキシ基を有するポリオレフィン系樹脂のエマルジョン、固形分25%)、及び、
日本触媒社製エポクロスWS−500(オキサゾリン基を有するアクリル系水溶性樹脂、
固形分39%)も使用した。
<インキ1の製造例>
シアン顔料分散液1を25部、樹脂微粒子A1の分散溶液(固形分40%)を20部(
固形分換算で8部)、1,2−ブタンジオールを20部、トリエタノールアミンを0.9
部、サーフィノール440を1部、順次混合容器に投入した後、インキ全体で100部に
なるようにイオン交換水を加えた。攪拌器で十分に均一になるまで攪拌した後、得られた
混合物を、孔径1μmのメンブランフィルターで濾過し、ヘッドつまりの原因となる粗大
粒子を除去することによって、インキ1を得た。
<インキ2〜15の製造例>
また、表1に記載の配合に従い、上記インキ1の製造例と同様にして、インキ2〜15
を製造した。
Figure 0006893603
Figure 0006893603
ただし、表1における樹脂の配合量は、固形分換算値である。
<メンテナンス液1の製造例>
プロピレングリコールを4部、トリエタノールアミンを0.5部、順次混合容器に投入
した後、メンテナンス液全体で100部になるようにイオン交換水を加えた。攪拌器で十
分に均一になるまで攪拌した後、得られた混合物を、孔径1μmのメンブランフィルター
で濾過することによって、メンテナンス液1を得た。
<メンテナンス液2〜54の製造例>
また、表2に記載の配合に従い、上記メンテナンス液1の製造例と同様にして、メンテ
ナンス液2〜54を製造した。
Figure 0006893603
Figure 0006893603
Figure 0006893603
Figure 0006893603
Figure 0006893603
なお、表1〜2に記載された略語は、以下に示す通りである。
<溶剤(A)、溶剤(B)>
・EG:エチレングリコール(沸点:197℃、SP値:14.7)
・PG:プロピレングリコール(沸点:188℃、SP値:12.6)
・1.2−BD:1.2−ブタンジオール(沸点:193℃、SP値:11.5)
・1.2−HexD:1.2−ヘキサンジオール(沸点:223℃、SP値:10.
3)
・iPDG:ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル(沸点:207℃、S
P値:9.0)
・PGP:プロピレングリコールモノプロピルエーテル(沸点:150℃、SP値:
8.7)
・MB:3−メトキシブタノール(沸点:158℃、SP値:9.6)
・PGM:プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点:121℃、SP値:9
.5)
・グリセリン(沸点:290℃、SP値:14.9)
・DEG:ジエチレングリコール(沸点:244℃、SP値:12.2)
<アルカノールアミン>
・TEA:トリエタノールアミン(沸点:335℃)
・DMAE:ジメチルアミノエタノール(沸点:133℃)
<その他の成分>
・NaOHaq:1mol/l水酸化ナトリウム水溶液
<界面活性剤>
・KF−6038(ポリエーテル変性シロキサン系界面活性剤、HLB値:3、信越
化学工業社製)
・KF−945(ポリエーテル変性シロキサン系界面活性剤、HLB値:4、信越化
学工業社製)
・KF−6015(ポリエーテル変性シロキサン系界面活性剤、HLB値:5、信越
化学工業社製)
・KF−6012(ポリエーテル変性シロキサン系界面活性剤、HLB値:7、信越
化学工業社製)
・KF−353(ポリエーテル変性シロキサン系界面活性剤、HLB値:10、信越
化学工業社製)
・KF−351A(ポリエーテル変性シロキサン系界面活性剤、HLB値:12、信
越化学工業社製)
・サーフィノール104(アセチレン系界面活性剤、HLB値:4、日信化学工業社
製)
・サーフィノール440(アセチレン系界面活性剤、HLB値:8、日信化学工業社
製)
・サーフィノール465(アセチレン系界面活性剤、HLB値:13、日信化学工業
社製)
・オルフィンE1010(アセチレン系界面活性剤、HLB値:13、日信化学工業
社製)
・ダイノール607(アセチレン系界面活性剤、HLB値:8、日信化学工業社製)

・エマルゲン104P(アルコールエトキシレート系界面活性剤、HLB値:9.6
、花王社製)
・エマルゲン210(アルコールエトキシレート系界面活性剤、HLB値:10.7
、花王社製)
・メガファックF−142D(フッ素系界面活性剤、DIC社製)
<実施例1〜61、比較例1〜11>
上記で作製したインキ1〜17と、メンテナンス液1〜56とを、表3〜4記載のよう
に組み合わせてインキセットとし、以下の評価を行った。なお、評価結果は表3〜4に示
した通りであった。
<評価1:インキの耐擦過性の評価>
松尾産業社製KコントロールコーターK101を用いて、UPM社製コート紙(Fin
esse Gloss紙)に対し、各インキをウェット膜厚6μmで塗工した後、70℃
エアーオーブンに速やかに投入し、2分間乾燥させることでインキ塗工物を得た。このイ
ンキ塗工物を、被摩擦紙(日本製紙社製NPI−70)をセットしたサウザランド・ラブ
テスタ(東洋精機製作所社製)にセットし、4ポンドの荷重をかけて所定回数往復した後
、インキが剥がれて下地が見えるかどうか、目視確認を行うことで、耐擦過性の評価を行
った。評価基準は下記のとおりとし、AA、A、B評価を実用可能領域とした。
AA:20往復後でもインキが剥がれず、下地が見えなかった。
A:20往復後ではインキが剥がれて下地が見えたが、15往復後では下地が見えな
かった。
B:15往復後ではインキが剥がれて下地が見えたが、10往復後では下地が見えな
かった。
C:10往復後でもインキが剥がれて下地が見えた。
<評価2:インキとメンテナンス液の混合安定性の評価>
表3〜4記載のインキとメンテナンス液との組み合わせに基づき、インキ10gとメン
テナンス液10gとを混合した後、密閉容器に充填した。これを3個作製し、それぞれ、
60℃、70℃、80℃の恒温槽内に投入した後、1カ月間保存した。そして、凝集物の
有無を目視で観察することで、混合安定性の評価を行った。評価基準は下記の通りとし、
AA、A、B評価を実用可能領域とした。
AA:いずれの温度においても凝集物が見られなかった。
A:80℃では凝集物が見られたが、70℃以下では凝集物が見られなかった。
B:70℃以上では凝集物が見られたが、60℃では凝集物が見られなかった。
C:いずれの温度においても凝集物が見られた。
<評価3:メンテナンス液の流路洗浄性の評価>
サンゴバン社製TYGON(登録商標)2375耐薬チューブ(品番AKJ00007
、内径1/8インチ)を、流路内容量が10mlになるように切り取り、シリンジを用い
てインキを20ml通液した。その後、前記インキと同様に、前記チューブ内にメンテナ
ンス液を所定量通液させ、チューブ内の液体の着色の有無を目視で観察することで、流路
洗浄性の評価を行った。評価基準は下記の通りとし、AA、A、B評価を実用可能領域と
した。
AA:メンテナンス液を30ml通液後、チューブ内の溶液は無色透明であった。
A:メンテナンス液を30ml通液後はチューブ内の溶液は着色していたが、40m
l通液後は無色透明であった。
B:メンテナンス液を40ml通液後はチューブ内の溶液は着色していたが、50m
l通液後は無色透明であった。
C:メンテナンス液を50ml通液後もチューブ内の溶液が着色していた。
<評価4:メンテナンス液による、造膜したインキの剥離性の評価>
インキ8、14、15を含む組み合わせを除いた、表3〜4記載のインキと、メンテナ
ンス液との組み合わせについて、下記の評価を実施し、造膜したインキの剥離性を評価し
た。
容量が30gであるアルミ製小分け容器にインキを0.3g加え、80℃エアーオーブ
ンで1時間乾燥して、造膜したインキを前記小分け容器に付着させた。その後、メンテナ
ンス液を10g加え、所定時間静置した後で、造膜したインキが小分け容器から剥離する
かを目視で観察した。評価基準は下記の通りとし、AA、A、B評価を実用可能領域とし
た。
AA:メンテナンス液添加後、1時間経過時にインキ膜が剥離した。
A:メンテナンス液添加後、1時間経過時にはインキ膜は剥離しなかったが、2時間
経過時にはインキ膜が剥離した。
B:メンテナンス液添加後、2時間経過時にはインキ膜は剥離しなかったが、6時間
経過時にはインキ膜が剥離した。
C:メンテナンス液添加後、6時間経過後もインキ膜が剥離しなかった。
<評価5:メンテナンス液による、乾燥・固化したインキの再溶解性の評価>
容量が30gであるアルミ製小分け容器にインキを0.3g加え、35℃エアーオーブ
ンで所定時間乾燥・固化させた。なおいずれのインキも、上記条件で1時間乾燥させると
、指触した際に指先に付着することはなかった。その後、メンテナンス液を10g加え、
1時間静置した後に、インキがメンテナンス液に溶解するかを目視で観察することで、乾
燥・固化したインキの再溶解性を評価した。評価基準は下記の通りであり、AA、A、B
評価を実用可能領域とした。
AA:35℃エアーオーブンで12時間乾燥・固化させたインキであっても、メンテ
ナンス液に溶解した。
A:35℃エアーオーブンで12時間乾燥・固化させたインキではメンテナンス液に
溶解しなかったが、6時間乾燥・固化させたインキでは溶解した。
B:35℃エアーオーブンで6時間乾燥・固化させたインキではメンテナンス液に溶
解しなかったが、1時間乾燥・固化させたインキでは溶解した。
C:35℃エアーオーブンで1時間乾燥させたインキであっても、メンテナンス液に
溶解しなかった。
<評価6:メンテナンス液の残留性の評価>
京セラ社製インクジェトヘッド(KJ4B−1200モデル)のノズル面を、メンテナ
ンス液を染み込ませたアズワン社製アズピュアワイパーでワイプしたのち、キャップをせ
ずに、常温下で所定時間乾燥させた。次いで、前記インクジェットヘッドを、記録媒体を
搬送できるコンベヤの上部に設置し、表3〜4の組み合わせに基づきインキを充填した。
そして、ノズルチェックパターンを印刷し、ノズル抜けや飛行曲がりの有無を目視にて観
察することで、残留性を評価した。評価基準は下記の通りとし、AA、A、B評価を実用
可能領域とした。
AA:5分間乾燥させたインクジェットヘッドを用いても、ノズル抜けや飛行曲がり
は見られなかった。
A:5分間乾燥させたインクジェットヘッドでは、ノズル抜けや飛行曲がりが見られ
たが、10分間乾燥させた場合には、ノズル抜けや飛行曲がりは見られなかった。

B:10分間乾燥させたインクジェットヘッドでは、ノズル抜けや飛行曲がりが見ら
れたが、20分間乾燥させた場合には、ノズル抜けや飛行曲がりは見られなかった

C:20分間乾燥させたインクジェットヘッドを用いても、ノズル抜けや飛行曲がり
が見られた。
<評価7:メンテナンス液の保湿性の評価>
京セラ社製インクジェトヘッド(KJ4B−YHモデル)を搭載したトライテック社製
インクジェット吐出観察装置(DotView)にインキを充填した後、全ノズルから、
インキを100発ずつ吐出し、吐出異常が発生しているノズルの数を計測した。
次に、前記インクジェットヘッド内にインキが充填されている状態のまま、撥液面がメ
ンテナンス液の蒸気雰囲気環境下に曝される状態になるよう、メンテナンス液を充填した
キャップを装着し(ただし、前記キャップ内のメンテナンス液と、インクジェットヘッド
が接触しないように、前記メンテナンス液量を調整した)、常温下で12時間静置した。
静置後、前記キャップを取り外し、再度、上記と同様に、全ノズルからインキを100
発ずつ吐出し、吐出異常が発生しているノズルの数を計測した。そして、吐出異常が発生
したノズルの数の増加数を算出することで、保湿性を評価した。評価基準は下記の通りと
し、AA、A、B評価を実用可能領域とした。
AA:吐出異常の発生したノズルの数の増加数が5以下であった。
A:吐出異常の発生したノズルの数の増加数が6〜10であった。
B:吐出異常の発生したノズルの数の増加数が11〜20であった。
C:吐出異常の発生したノズルの数の増加数が21以上であった。
<評価8:メンテナンス液の保存安定性の評価>
各メンテナンス液のpHを、pHメーター(堀場製作所社製F−72)を用いて測定し
たのち、密閉容器に充填し、70℃の恒温槽に静置した。所定期間経時させた後、再度上
記装置を用いてpHを測定し、経時前後でのメンテナンス液のpH変化を確認することで
、メンテナンス液の保存安定性を評価した。評価基準は下記の通りとし、AA、A、B評
価を実用可能領域とした。
AA:4週間保存後のpH変化率が±3%未満であった。
A:2週間保存後のpH変化率が±3%未満であったが、4週間保存後の粘度変化率
が±3%以上であった。
B:1週間保存後のpH変化率が±3%未満であったが、2週間保存後の粘度変化率
が±3%以上であった。
C:1週間保存後のpH変化率が±3%以上であった。
Figure 0006893603
Figure 0006893603
Figure 0006893603
Figure 0006893603
Figure 0006893603
Figure 0006893603
<実施例及び比較例の評価結果>
比較例1、2はインキ全量に対するカルボキシ基を含有する樹脂の配合量が3質量%未
満の系であり、インキの耐擦過性が悪い結果となった。一方、比較例3はインキ全量に対
するカルボキシ基を含有する樹脂の配合量が15質量%を超える系であり、乾燥・固化さ
せたインキの再溶解性が悪い劣る結果となった。また、比較例6ではメンテナンス液がア
ルカノールアミンを含有しない系であり、乾燥・固化させたインキの再溶解性や、造膜し
たインキの剥離性が悪く、また、メンテナンス液のpHも変化し易い結果となった。
比較例4はメンテナンス液全量に対する溶剤(B)の配合量が7質量%未満の系であり
、インクジェットヘッドのノズルに対する保湿性に劣る結果となった。一方で、比較例5
はメンテナンス液全量に対する溶剤(B)の配合量が50質量%を超える系であり、イン
クジェットヘッドに対するメンテナンス液の残留が確認された。また比較例8は、メンテ
ナンス液全量に対する、1気圧下における沸点が240℃以上である液体成分の総量が1
0質量%を超える系であり、比較例5と同様に、メンテナンス液の残留性が悪い結果とな
った。
比較例7、9は、メンテナンス液中の溶剤(B)全量に対する、SP値がSP1以上で
ある溶剤(B)の配合量が50質量%未満である系であり、インキとメンテナンス液との
混合安定性が悪い結果となった。
なお、比較例10は、上記特許文献2においてインクFとメンテナンス液M1との組み
合わせを再現したものであり、比較例11は、上記特許文献4の実施例1を再現したもの
である。前者の例では、メンテナンス液がアルカノールアミンを含んでおらず、比較例6
の評価結果と同様、乾燥・固化させたインキの再溶解性、造膜したインキの剥離性、及び
、前記メンテナンス液の保存安定性に劣る結果となった。また後者の例では、メンテナン
ス液中に含まれる溶剤(B)の量が、前記メンテナンス液中7質量%未満であり、メンテ
ナンス液の保湿性が悪い結果となった。
一方、本発明の構成を有する、実施例1〜61のインキセットは、評価を行った全ての
項目において実用可能領域であった。中でも実施例45、51〜55、59、60は、イ
ンキにカルボキシ基を含有する樹脂を用いると同時に、メンテナンス液として、特に好ま
しいSP値(12〜13.5)を有する溶剤(プロピレングリコール、SP値=12.6
)を所定量含み、1気圧下における沸点が240℃以上である液体成分の総量が、メンテ
ナンス液全量中10質量%以下であり、アルカノールアミンとしてトリエタノールアミン
を含み、界面活性剤として、特に好ましいHLB値(3〜5)であるポリエーテル変性シ
ロキサン系界面活性剤(KF−945、HLB値=4)を含み、更に、アミノ酸を含む系
であり、全ての評価項目がAAレベルと、極めて優れた評価結果であった。

Claims (8)

  1. インクジェットインキと、前記インクジェットインキとともに用いられるメンテナンス
    液と、を含むインキセットであって、
    前記インクジェットインキが、水と、顔料と、カルボキシ基を含有する樹脂と、溶剤(
    A)とを含有し、
    前記カルボキシ基を含有する樹脂の含有量が、前記インクジェットインキ全量中3〜1
    5質量%であり、
    前記メンテナンス液が、水と、溶剤(B)(アルカノールアミンを除く)と、アルカノ
    ールアミンとを含有し、
    前記溶剤(B)の含有量が、前記メンテナンス液全量中7〜50質量%であり、
    前記メンテナンス液中に含まれる、1気圧下における沸点が240℃以上である液体成
    分の総量が、前記メンテナンス液全量中10質量%以下であり、
    前記溶剤(A)のうち、最もSP値が小さい溶剤のSP値をSP1としたとき、前記溶
    剤(B)中に含まれる、SP値が前記SP1以上である溶剤の量が、前記溶剤(B)全量
    中50質量%以上である、インキセット。
  2. 前記メンテナンス液が、アルキルポリオールを、前記溶剤(B)全量中50質量%以上
    含む、請求項1記載のインキセット。
  3. 前記メンテナンス液が、更に、界面活性剤を含む、請求項1または2に記載のインキセ
    ット。
  4. 前記界面活性剤のHLB値が、3〜10である、請求項3記載のインキセット。
  5. 前記界面活性剤が、ポリエーテル変性シロキサンを含む、請求項3または4に記載のイ
    ンキセット。
  6. 前記メンテナンス液が、更に、アミノ酸を含む、請求項1〜5いずれかに記載のインキ
    セット。
  7. 前記アミノ酸が、グリシン、アニリン、バリンのいずれかを含む、請求項6記載のイン
    キセット。
  8. 前記メンテナンス液の、25℃におけるpHが、7〜13である、請求項1〜7いずれ
    かに記載のインキセット。
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